(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6822001
(24)【登録日】2021年1月12日
(45)【発行日】2021年1月27日
(54)【発明の名称】FRPライニング製ミキサセトラおよびその製造方法
(51)【国際特許分類】
B01D 11/04 20060101AFI20210114BHJP
【FI】
B01D11/04 101
【請求項の数】8
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-155828(P2016-155828)
(22)【出願日】2016年8月8日
(65)【公開番号】特開2018-23916(P2018-23916A)
(43)【公開日】2018年2月15日
【審査請求日】2019年6月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000183303
【氏名又は名称】住友金属鉱山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100067736
【弁理士】
【氏名又は名称】小池 晃
(74)【代理人】
【識別番号】100096677
【弁理士】
【氏名又は名称】伊賀 誠司
(74)【代理人】
【識別番号】100192212
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 貴明
(74)【代理人】
【識別番号】100204032
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 浩之
(72)【発明者】
【氏名】北出 浩之
(72)【発明者】
【氏名】大田 浩和
【審査官】
目代 博茂
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭51−028346(JP,U)
【文献】
米国特許第6267900(US,B1)
【文献】
特開2001−029703(JP,A)
【文献】
特開平05−049807(JP,A)
【文献】
実開平06−045603(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D11/00−12/00
B01D17/00−17/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通液可能なセトラ室の内部に隔離された複数の部屋を有するFRP(Fiber Reinforced Plastics)ライニング製ミキサセトラであって、
前記セトラ室の内壁に一面を対向した山形の有機相仕切りで囲むことにより形成された扁平直方体の有機相出口室と、
前記セトラ室の底隅部を山形の水相仕切りで囲むことにより形成された横長直方体の底部水相室と、
前記セトラ室の壁隅部に直方体の水相ボックスを縦長に配設して形成された界面調整器室と、を備え、
前記底部水相室および前記界面調整器室は水相の液体を通液する水相の部屋であり、有機相の液体を通液する前記有機相出口室から隔離され、
前記有機相仕切りと前記水相仕切りと前記水相ボックスとをそれぞれ構成する板組部材は、少なくとも液没露出面がFRPライニング耐蝕層により形成されたFRPライニング製ミキサセトラ。
【請求項2】
前記板組部材の芯部は、前記液没露出面を構成する前記FRPライニング耐蝕層と同一材質により一体形成されている請求項1に記載のFRPライニング製ミキサセトラ。
【請求項3】
前記板組部材の芯部は、前記液没露出面を構成する前記FRPライニング耐蝕層とは異なる材質により構成された請求項1に記載のFRPライニング製ミキサセトラ。
【請求項4】
前記水相仕切りの上面の高さは、前記界面調整器室において、界面調整筒の長さ、およびその先端に開口している水相噴出口の高さを規定することにより水相と有機相との界面レベルの下限以下に設定された請求項1〜3の何れかに記載のFRPライニング製ミキサセトラ。
【請求項5】
前記セトラ室の底面を基準として、前記水相仕切りの上面までの高さから前記有機相仕切りの下面の高さまでの間隔を、30cm以上確保して前記有機相仕切りを配設した請求項1〜4の何れかに記載のFRPライニング製ミキサセトラ。
【請求項6】
前記水相ボックスの前記セトラ室側の板に切欠きを有する請求項1〜5の何れかに記載のFRPライニング製ミキサセトラ。
【請求項7】
前記水相ボックス側の前記セトラ室の壁に施工用ハンドホールを配設した請求項1〜6の何れかに記載のFRPライニング製ミキサセトラ。
【請求項8】
通液可能なセトラ室の内部に板組部材で隔離された複数の部屋を有するFRPライニング製ミキサセトラの製造方法であって、
外郭のみが形成された段階の前記セトラ室の内壁に全体的なFRPオーバーレイ施工をするセトラ室FRP施工工程と、
前記板組部材を前記セトラ室に組み込む前の単品毎にFRPオーバーレイ施工をする板組部材FRP施工工程と、
前記板組部材および前記内壁のFRPライニング耐蝕層にピンホール検査を行なって不合格ならば修繕するピンホール検査修繕工程と、
前記セトラ室の底隅部に横長直方体の底部水相室を形成するため、前記底隅部を囲む山形の水相仕切りを配設する底部水相室配設工程と、
山形でなる前記水相仕切りの内外表面のうち作業者の手が届く外側表面だけにFRPオーバーレイ施工をする水相仕切り外側FRP施工工程と、
前記セトラ室の底面を基準として、前記水相仕切りの上面の高さを確認する水相仕切り上面高さ確認工程と、
縦型扁平直方体の有機相出口室を形成するため、前記セトラ室の前記内壁に一面を対向して囲む山形の有機相仕切りの下面を、前記底面を基準として高さを確認する有機相仕切り下面高さ確認工程と、
前記水相仕切りの上面の高さから前記有機相仕切りの下面の高さまでの間隔を、30cm以上確保して前記有機相仕切りを配設する有機相室配設工程と、
前記セトラ室の壁隅部に界面調整器室を形成するため、縦長で直方体の水相ボックスを配設する水相ボックス配設工程と、
組み込み後の前記有機相仕切りおよび前記水相ボックスの適宜箇所にFRPオーバーレイ施工をするFRP施工最終工程と、
を有するFRPライニング製ミキサセトラの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、繊維強化プラスチック、すなわちFiber Reinforced Plastics,(以下、「FRP」という)によりライニング施工されたミキサセトラおよびその製造方法に関する。詳しくは、函体内部の形状、構成部材あるいは施工手順に特徴のあるFRPライニング製ミキサセトラおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ミキサセトラ型の溶媒抽出装置として、有機溶媒と水溶液を撹拌・混合する際、ミキサ部の構造が簡素であり、かつ生成される混合液の濃度を一定に保つことが可能なものについて知られている(例えば、特許文献1)。このミキサセトラ型の溶媒抽出装置は、有機溶媒と水溶液を撹拌翼により撹拌・混合するミキサ部と、当該ミキサ部から導入した混合液を静置することにより有機溶媒相(以下、単に「有機相」ともいう)と水溶液相(以下、単に「水相」ともいう)に比重分離させるセトラ部と、を備えているというものである。
【0003】
その主要構成であるミキサ部は、混合液を底部側に向けて流動させる撹拌翼が回転自在に配設されている。このミキサ部とセトラ部を区画する壁部に、その壁部の鉛直方向に延設され、かつ撹拌翼の回転により底部側に向かって流れる混合液を下部開口から流入させて上部開口からミキサ部およびセトラ部に排出させる筒状の移送部が設けられている。
【0004】
一方、ミキサセトラ抽出器として、セトラ容積を小さくして抽出時間を短くするとともに抽出効率の良いものが要望されていた。これに対し、多孔壁付きミキサセトラ抽出器として、撹拌器を有するミキサ室とこのミキサ室と流通するセトラ室とを備えたポンプ式ミキサセトラ抽出器が知られている(例えば、特許文献2)。この多孔壁付きミキサセトラ抽出器は、ミキサ室と、セトラ室と、両者の仕切部のうち、これらのうち少くとも一部に多孔質からなる多孔壁が形成されているというものである。また、この多孔壁付きミキサセトラ抽出器を多段に構成したものも知られている。
【0005】
近年、ミキサセトラの材質は、耐蝕性の観点から、金属製の母材にFRPをライニング施工した材質が多く採用されるようになった。その種のミキサセトラは、FRPライニング製ミキサセトラと呼ばれ、溶媒抽出装置の一種として普及している。FRPライニング製ミキサセトラの製造方法は、鋼材により基本的な形状を製作した後、手作業で鋼材の表面にFRPライニング施工して仕上げる手順が一般的である。なお、このようなFRPライニング製ミキサセトラの使用方法は、ミキサ室で有機相と水相を混合して反応させた後に、セトラ室で比重差により有機相と水相を静置分離させるという手順が一般的である。
【0006】
FRPのライニング施工は、母材であるコンクリート、モルタル、又は木材に対する防水をはじめ、金属材料に対する腐蝕対策としても用いられ、ハンドレイアップ工法やフレークライニング工法が一般的である。ハンドレイアップ工法は、母材表面を洗浄、目荒らしした上で、ガラスマットを被せ、エポキシ系などの液状樹脂を、人手によってハケやローラで含浸させ、脱泡しながら所望の厚さまで積層する。このハンドレイアップ工法は、さまざまな形状に柔軟に対応できる最も一般的な成形法である。
【0007】
一方、フレークライニング工法は、大型函体の内面や隔壁の表面にコーティングするような施工に好適である。この工法では、薄いガラス片をFRP同様のビニルエステルあるいはポリエステル樹脂にあらかじめ混入させたコーティング剤をスプレーガン、又はこてを用いて母材に塗り付ける。ここで混入させるガラス片は、100〜300メッシュ(0.1〜0.05mm)位のものが用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2015−9218号公報
【特許文献2】特開昭63−205103号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、FRPライニング施工で仕上げるミキサセトラの有機相および水相の部屋は、人が入れるような作業スペースが足りないばかりか、手に握ったハケ、ローラ、スプレーガンはおろか、こてすらも届かない奥細い箇所もある。このように狭隘な箇所については、ライニングが未施工に近い状態で使用に供せざるを得ないという問題があった。同じ理由により、施工の健全性を確認するためのピンホール検査についても実施が困難という問題もある。特に有機相の部屋に対するFRPライニング施工や検査が不十分であることを原因として、例えば、部屋の内壁や仕切りのライニングで見落としたピンホールから腐蝕が進行することがある。その結果、ミキサセトラから有機溶媒が漏れ出すという危険が生じるおそれもある。
【0010】
特許文献1のミキサセトラ型の溶媒抽出装置と、特許文献2のミキサセトラ抽出器との何れにも、ミキサセトラの構造に係る技術が開示されているが、上述の問題を含むFRPライニング作業を考慮した構造については何ら記載されていない。
【0011】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、FRPライニング作業性を向上するとともに、液漏れの危険性を低減するようにしたFRPライニング製ミキサセトラおよびその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者らは、セトラ室で静置分離後の有機相および水相を受入れる各部屋の仕切りの材料、形状および施工方法を変更することによって、課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。
本発明の一態様に係るFRP(Fiber Reinforced Plastics)ライニング製ミキサセトラ(100)は、通液可能なセトラ室(90)の内部に隔離された複数の部屋(30,14,50)を有するFRPライニング製ミキサセトラ(100)であって、
前記セトラ室(90)の内壁(13)に一面を対向した山形の有機相仕切り(20)で囲むことにより形成された扁平直方体の有機相出口室(30)と、
前記セトラ室(90)の底隅部(18)を山形の水相仕切り(40)で囲むことにより形成された横長直方体の底部水相室(14)と、
前記セトラ室(90)の壁隅部(19)に直方体の水相ボックス(50)を縦長に配設して形成された界面調整器室(15)と、を備え、
前記底部水相室(14)および前記界面調整器室(15)は水相の液体を通液する水相の部屋(60)であり、有機相の液体を通液する前記有機相出口室(30)から隔離され、
前記有機相仕切り(20)と前記水相仕切り(40)と前記水相ボックス(50)とをそれぞれ構成する板組部材(40,20,50)は、少なくとも液没露出面(22,42,12)がFRPライニング耐蝕層(1)により形成されたものである。
【0014】
また、本発明の一態様に係るFRPライニング製ミキサセトラ(100)において、前記板組部材(40,20,50)の芯部(21,41,11)は、前記液没露出面(22,42,12)を構成する前記FRPライニング耐蝕層(1)と同一材質により一体形成されているものでも良い。
【0015】
また、本発明の一態様に係るFRPライニング製ミキサセトラ(100)において、前記板組部材(40,20,50)の芯部(21,41,11)は、前記液没露出面(22,42,12)を構成する前記FRPライニング耐蝕層(1)とは異なる材質により構成されたものでも良い。
【0016】
また、本発明の一態様に係るFRPライニング製ミキサセトラ(100)において、前記水相仕切り(40)の上面の高さ(H1)は、
前記界面調整器室(15)において、界面調整筒(64)の長さ、およびその先端に開口している水相噴出口(65)の高さを規定することにより水相と有機相との界面レベルの下限(E1)以下に設定されていることが好ましい。
【0017】
また、本発明の一態様に係るFRPライニング製ミキサセトラ(100)において、前記セトラ室(90)の底面(91)を基準として、前記水相仕切り(40)の上面までの高さ(H1)から前記有機相仕切り(20)の下面の高さ(H2)までの間隔(W)を、30cm以上確保して前記有機相仕切り(20)を配設することが好ましい。
【0018】
また、本発明の一態様に係るFRPライニング製ミキサセトラ(100)において、前記水相ボックス(50)の前記セトラ室(90)側の板に切欠き(51)を有することが好ましい。
【0019】
また、本発明の一態様に係るFRPライニング製ミキサセトラ(100)において、前記水相ボックス(50)側の前記セトラ室(90)の壁に施工用ハンドホール(16)を配設することが好ましい。
【0020】
また、本発明の一態様に係るFRPライニング製ミキサセトラ(100)の製造方法は、通液可能なセトラ室(90)の内部に板組部材(40,20,50)で隔離された複数の部屋(30,14,50)を有するFRPライニング製ミキサセトラの製造方法であって、
外郭のみが形成された段階の前記セトラ室(90)の内壁(13)に全体的なFRPオーバーレイ施工をするセトラ室FRP施工工程(S10)と、
前記板組部材(40,20,50)を前記セトラ室(90)に組み込む前の単品毎にFRPオーバーレイ施工をする板組部材FRP施工工程(S20)と、
前記板組部材(40,20,50)および前記内壁(13)のFRPライニング耐蝕層(1)にピンホール検査を行なって不合格ならば修繕するピンホール検査修繕工程(S30)と、
前記セトラ室(90)の底隅部(18)に横長直方体の底部水相室(14)を形成するため、前記底隅部(18)を囲む山形の水相仕切り(40)を配設する底部水相室配設工程(S40)と、
山形でなる前記水相仕切り(40)の内外表面のうち作業者の手が届く外側表面だけにFRPオーバーレイ施工をする水相仕切り外側FRP施工工程(S50)と、
前記セトラ室(90)の底面(91)を基準として、前記水相仕切り(40)の上面の高さ(H1)を確認する水相仕切り上面高さ確認工程(S60)と、
縦型扁平直方体の有機相出口室(30)を形成するため、前記セトラ室(90)の前記内壁(13)に一面を対向して囲む山形の有機相仕切り(20)の下面を、前記底面(91)を基準として高さ(H2)を確認する有機相仕切り下面高さ確認工程(S70)と、
前記水相仕切り(40)の上面の高さ(H1)から前記有機相仕切り(20)の下面の高さ(H2)までの間隔(W)を、30cm以上確保して前記有機相仕切り(20)を配設する有機相室配設工程(S80)と、
前記セトラ室(90)の壁隅部(19)に界面調整器室(15)を形成するため、縦長で直方体の水相ボックス(50)を配設する水相ボックス配設工程(S90)と、
組み込み後の前記有機相仕切り(20)および前記水相ボックス(50)の適宜箇所にFRPオーバーレイ施工をするFRP施工最終工程(S100)と、を有するものである。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、FRPライニング作業性を向上するとともに、液漏れの危険性を低減するようにしたFRPライニング製ミキサセトラおよびその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の一実施形態に係るFRPライニング製ミキサセトラ(以下、「本ミキサセトラ」ともいう)全体を説明する概略図であり、
図1(A)は正面から透視する縦断面図、
図1(B)は
図1(A)におけるF−F線による側断面図である。
【
図2】
図2は、
図1に示した本ミキサセトラにおけるR部を拡大して複数の部屋を説明するR部拡大斜視図である。
【
図3】
図2に示した複数の部屋を構成する仕切り等について説明する分解斜視図であり、
図3(A)は有機相仕切り、
図3(B)は水相仕切り、
図3(C)は水相ボックス、
図3(D)は組み立て図、をそれぞれ示す斜視図である。
【
図4】
図3(A)〜
図3(C)に示した仕切り等について、芯部を構成する母材の表面をFRPライニング耐蝕層で被覆した状態を説明するための一部拡大断面図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係るFRPライニング製ミキサセトラの製造方法(以下、「本方法」ともいう)の手順を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。
【0024】
図1は、本ミキサセトラ全体を説明する概略図であり、
図1(A)は正面から透視する縦断面図であり、
図1(B)は
図1(A)におけるF−F線による側断面図である。
図1(A)に示すように、FRPライニング製ミキサセトラ100は、隣接するミキサ室80とセトラ室90とにより基本構成されている。ミキサ室80は、有機相と水相を混合する。セトラ室90は、混合した溶液を静置分離する。
【0025】
ここで、本ミキサセトラ100全体の構成と、被処理液の大まかな流れと、を併せて説明する。ミキサ室80は、上方に配設されたミキサモータ70と、その下方に軸支されミキサモータ70により軸回転する撹拌翼73と、を備えて攪拌機が構成されている。この攪拌機で有機相と水相、すなわち油水を撹拌混合する。
【0026】
攪拌機で油水を撹拌混合し、不図示の汲み上げポンプで揚液された混合溶液は、不図示の短い樋を経由してセトラ室90に流れ落ちる(矢印G)。樋を経由する間に、比重で区別されて粗分離された各溶液は、セトラ室90でさらに静置分離される。
【0027】
セトラ室90に流れ落ちた水相(矢印J)および有機相(矢印M)は、
図1(A)の右から左へと移動する。図示を省略するが、樋を長くし、整流板を備えるなどにより、分離効果を高めるようにしてもよい。
【0028】
図2は、
図1に示した本ミキサセトラにおけるR部を拡大して複数の部屋を説明するR部拡大斜視図である。
図3は、
図2に示した複数の部屋を構成する仕切り等について説明する分解斜視図であり、
図3(A)は有機相仕切り、
図3(B)は水相仕切り、
図3(C)は水相ボックス、
図3(D)は組み立て図、をそれぞれ示す斜視図である。
【0029】
以下、
図2、および
図3も交えて界面調整器室15および有機相出口室30について、それらの構成と液流を詳細に説明する。
図1〜
図3に示すように、セトラ室90を四方から囲む壁13のうち、ミキサ室80との隣接部から遠い壁際には、界面調整器室15(水相)および有機相出口室30が形成されている。セトラ室90で静置分離された水相および有機相は、それぞれが界面調整器室15(矢印K,Y)および有機相出口室30(矢印N,P)に分かれて本ミキサセトラ100の外部へ流出する(矢印Y,P)。
【0030】
ミキサ室80との隣接部から遠いセトラ室90には、有機相出口室30および界面調整器室15が配設されている。界面調整器室15は、後述するように、水相と有機相との界面の高さを、下限E1〜上限E2の範囲内に調整するものである。有機相出口室30は、L字断面で山形の有機相仕切り20により、セトラ室90の底部から離れた高い領域を囲むことにより形成され、比重の小さい(軽い)有機相を通液する。一方、界面調整器室15は、底部水相室14に連通しており、比重の大きい(重い)水相を通液する。底部水相室14は、L字断面で山形の水相仕切り40により、セトラ室90の底部に近い領域を囲んで形成されている。
【0031】
図3(C)に示すように、界面調整器室15は、中仕切り61により上方領域62と下方領域63との区画が隔離されている。中仕切り61には、その中央を貫通し上方領域62に向けて延在する界面調整筒64が立設されている。この界面調整筒64の先端は、上方領域62の空中に水相噴出口65を開口しているので、下方領域63から上方領域62に向けて通液可能である。
【0032】
界面調整器室15において、上方領域62は外気に対して開放構造であるため大気圧に近い。一方、下方領域63は、底部水相室14に連通しているので、稼働中なら充填された水相による液圧が生じている。そのため、
図3(D)矢印Tに示すように、底部水相室14の水相がその液圧によって、界面調整筒64を上昇することにより中仕切り61を貫通し、界面調整筒64の先端に開口している水相噴出口65から、
図3(D)矢印Uに示すように、大気圧に打ち勝って上方へと溢れ出る。水相が溢れ出ることにより、セトラ室90の液面および液圧は下がる。その結果、落差が減少するので、ある液面において均衡する。このような作用により、界面調整器室15は、液面より下に位置する界面の高さを、下限E1〜上限E2の範囲内に調整する。
【0033】
したがって、水相噴出口65の高さ、口径、被処理液の流出入量との関係によりセトラ室90の液面も規定される。水相噴出口65の高さおよび口径が一定ならば、不図示の流量調整バルブの開度を調整して被処理液の流出入量を制御することにより、セトラ室90の液面を任意高さに設定することが可能である。
【0034】
図3(D)に示すように、有機相仕切り上辺29の高さVは、水相と有機相との界面レベルの上限E2よりも少し高く設定されている。界面の高さが下限E1〜上限E2の範囲内に管理された状態で、軽い有機相は有機相仕切り上辺29を乗り越えて有機相出口室30へと連続的に流入する。一方、セトラ室90の底面91と、水相仕切り下辺44との間に設けられた水相仕切り隙間45を通して、重い水相が底部水相室14へと連続的に流入する。
【0035】
セトラ室90で水相と有機相とに静置分離された被処理液のうち、水相は底部水相室14から界面調整筒64を上昇し、水相噴出口65から界面調整器室15の上方領域62に溢れ出る。水相の液面は、それより比重の小さな有機相が被さるので、水相と有機相との界面を形成している。界面調整器室15において、界面調整筒64の長さ、およびその先端に開口している水相噴出口65の高さが規定されていれば、それに応じて界面も適切な高さに管理される。
【0036】
それぞれの部屋には流出口があり、図示せぬ別々のミキサセトラへと重力流により送液される。セトラ室90で最も低い所に位置する底部水相室14に連通する界面調整器室15の下方の壁には、大口径の第1水相出口67が配設されている。界面調整器室15の中位の高さの壁には小口径の第2水相出口68が配設されている。セトラ室90で最も高い所に位置する有機相出口室30の上方には、大口径の第1有機相出口31が配設され、その少し下方には小口径の第2有機相出口32が配設されている。
【0037】
各流出口から流出する被処理液は、適宜段数のミキサセトラを経ることで、より高精度の静置分離がなされる。なお、これらのミキサセトラは、危険物である有機溶液を取り扱うため、消防法でいう危険物を取り扱う機器に規定されている。そのため、消防署等に対し、ミキサセトラを構成する部材の材質、板厚等が記載された図面を提出する法的義務もある。その趣旨は、ミキサセトラの構成部材が腐蝕して有機溶液が流出する危険を防止することにある。
【0038】
上述のように、ミキサセトラには、有機溶液の漏洩を阻止するように手厚い防護対策を必要とするにもかかわらず、その対策のための施工が困難な箇所がある。特に、底部水相室14、界面調整器室15、および有機相出口室30は、奥細く狭隘であり作業者の手が届き難いため、オーバーレイ施工および検査等が困難な箇所がある。これに対し、防護対策が不完全である場合、有機溶液が漏洩する恐れが生じる。
【0039】
そこで、界面調整器室15、および有機相出口室30について、
図2、
図3に例示するような構成を採用することにより困難を克服し、完全なオーバーレイ施工ができる構造にした。なお、ここでは他社設計による界面調整器室、および有機相出口室を改造することにより、本発明の目的を達成できたことを例示している。しかし、このような改造に限定することなく、新規に製造されるミキサセトラに採用しても効果的であることはいうまでもない。
【0040】
図1〜
図3に示すように、セトラ室90で水相と有機相とに静置分離された被処理液のうち、一方の水相は底部水相室14を経由して界面調整器室15に流入し、他方の有機相は有機相出口室30に流入する。セトラ室90の内部は、有機相出口室30と、水相の部屋60とに隔離されている。これらのうち水相の部屋60は、底部水相室14および水相ボックス50が連通して構成されている。
【0041】
有機相出口室30は、セトラ室90の内部を有機相仕切り20で隔離され、水相の部屋60に対して高い領域を占有するように形成されている。このため、有機相出口室30は、分離された軽い有機相のみを選択的に収容して通液させる。これに対し、水相の部屋60は、セトラ室90の低い領域を占有する底部水相室14と、それに連通する界面調整器室15により構成されている。このため、水相の部屋60は、分離された重い水相のみを選択的に収容して通液させる。また、界面調整器室15は、水相ボックス50で囲まれた内部に形成されている。
【0042】
有機相出口室30は、セトラ室90の内壁13に一面を対向した山形の有機相仕切り20で囲むことにより、扁平直方体に形成された領域である。底部水相室14は、セトラ室90の底隅部18を山形の水相仕切り40で囲むことにより、横長直方体に形成された領域である。界面調整器室15は、セトラ室90の壁隅部19に、縦長に配設された直方体の水相ボックス50の内部領域に形成されている。
【0043】
図4は、
図3(A)〜
図3(C)に示した仕切り等について、芯部21,41,11を構成する母材の表面をFRPライニング耐蝕層で被覆した状態を説明するための一部拡大断面図である。
図4に示すように、有機相仕切り20と水相仕切り40と水相ボックス50は、それらと同一符号で示す板組部材40,20,50により構成されている。この板組部材40,20,50は、芯部21,41,11が鋼板等により構成され、少なくとも液没露出面22,42,12にFRPライニング耐蝕層1を被覆するように形成されている。
【0044】
このように、板組部材40,20,50の芯部21,41,11が、液没露出面22,42,12を構成するFRPライニング耐蝕層1とは異なる材質で構成されている場合、組み立て前の単品状態で品質管理される。すなわち、このFRPライニング耐蝕層1は、所定のピンホール検査に合格してからセトラ室90の組み立てに供することが義務付けられている。なお、検査した結果が不合格であり、計測可能な大きさのピンホールが存在すれば、再検査に合格するように適切な修繕をすることが義務付けられている。
【0045】
このように、有機相仕切り20と水相仕切り40と水相ボックス50は、それぞれが単品の状態であらかじめFRPライニング施工し、耐蝕層1を被覆するように、およびピンホール検査に合格してしてから、セトラ室90の内部に組み込まれる。そうすることにより、特に、手が届きにくい底部水相室14、有機相出口室30、および水相ボックス50の内部について、FRPライニング施工およびピンホール検査は、狭隘な箇所を避けて、実施に適した広い場所での作業が可能であり品質管理も容易になる。
【0046】
なお、有機相仕切り20、水相仕切り40および水相ボックス50は、それぞれがセトラ室90の内壁13や底面91に接合する辺部を覆い隠すように、液漏れ防止用のFRPオーバーレイが施工されることで固着される。その辺部に対するFRPオーバーレイ施工は、手の届く範囲内で足りる。つまり、組み立て後には、手が届きにくい底部水相室14、有機相出口室30、および水相ボックス50の内部については、組み立て前の単品状態でFRPライニング施工およびピンホール検査合格済みである。したがって、これらを構成する板面に対し、組み立て後に、さらなる施工および検査は不要である。
【0047】
一方、板組部材40,20,50の芯部21,41,11が、液没露出面22,42,12を構成するFRPライニング耐蝕層1と同一材質により一体形成された構造であっても良い。つまり、
図4に示した芯部21,41,11が、FRPライニング耐蝕層1と同一材質により一体形成された構造である。その場合、該当部材に対するピンホール検査は、必ずしも厳格である必要はなく、省略しても構わない。ピンホールがあったとしても、そこから腐蝕が拡大するおそれはないからである。
【0048】
また、
図3(D)に示すように、セトラ室90の底面91を基準として、水相仕切り40の上面までの高さH1から有機相仕切り20の下面の高さH2までの間隔Wを、少なくともFRPオーバーレイ施工できるように30cm以上確保して有機相仕切り20を配設することが好ましい。つまり、有機相仕切り20、水相仕切り40および水相ボックス50は、それぞれの辺部でセトラ室90の内壁13や底面91に接合する。この辺部に対しては、液漏れ防止用のFRPオーバーレイ施工が必要である。そのため、工具等を握った作業者の手が届く範囲内で済むように作業性を考慮した結果、上述の間隔Wを30cm以上確保することにしている。
【0049】
また、水相仕切り40の上面の高さH1は、水相と有機相との界面レベルの下限E1以下に設定されている。これにより、水相仕切り40の全体が、界面レベルの下限E1以下に液没する。したがって、水相仕切り40に係る板組部材およびその辺部の全てが同じ水相となるので、仮にオーバーレイの施工不良によるピンホールがあったとしても、そこからの腐蝕は進みにくい。そのため、水相仕切り40に囲まれた底部水相室14へ有機相が漏れて混入する危険性は少ない。
【0050】
また、水相ボックス50のセトラ室90の壁面に密着する側の板に、切欠き51,52を有することが好ましい。その場合、切欠き51,52の板厚面が、セトラ室90の壁面に対して垂直に交わることにより、その板厚面から壁面にかけて連続的にFRPオーバーレイされる箇所が得られる。この連続箇所は、セトラ室90の壁面に対して水相ボックス50を強く接着する作用効果がある。したがって、切欠き51,52を設けることにより両者の接着強度を増す構造となる。
【0051】
また、水相ボックス50側のセトラ室90壁に、方形窓状の施工用ハンドホール16を配設した。この施工用ハンドホール16とは、施工時の便宜を計るため、ある段階まで開口しておき、完成時には液密に閉じてしまう蓋つきの窓である。これにより、水相ボックス50の内部のFRPオーバーレイ施工を容易にすることが可能となる。このような材料、形状および施工方法とすることで、ピンホール検査の実施も容易になり有機相の液漏れリスクを軽減できる。
【0052】
図5は、本発明の一実施形態に係るFRPライニング製ミキサセトラの製造方法(本方法)の手順を説明するフローチャートである。本方法は、通液可能なセトラ室90の内部に隔離された複数の部屋30,14,50を有するFRPライニング製ミキサセトラの製造方法である。複数の部屋30,14,50とは、有機相出口室30、底部水相室14、および水相ボックス50である。また、底部水相室14および水相ボックス50を合わせて水相の部屋60という。
【0053】
図5に示すように、本方法は、セトラ室FRP施工工程(S10)と、板組部材FRP施工工程(S20)と、ピンホール検査修繕工程(S30)と、底部水相室配設工程(S40)と、水相仕切り外側FRP施工工程(S50)と、水相仕切り上面高さ確認工程(S60)と、有機相仕切り下面高さ確認工程(S70)と、有機相室配設工程(S80)と、水相ボックス配設工程(S90)と、FRP施工最終工程(S100)と、を有する。
【0054】
まず、セトラ室FRP施工工程(S10)により、セトラ室90の外郭のみが形成された段階のセトラ室90の内壁13に全体的なFRPオーバーレイ施工をする。つぎに、板組部材FRP施工工程(S20)により、板組部材40,20,50をセトラ室90に組み込む前段階で、単品毎にFRPオーバーレイ施工をする。なお、板組部材40,20,50とは、水相仕切り40、有機相仕切り20、水相ボックス50をそれぞれ構成するように、板状部材を曲げたりつないだりして組み合わせたものである。なお、各部材について、図面の都合により同一符号を付している。
【0055】
つぎに、ピンホール検査修繕工程(S30)により、板組部材40,20,50、および内壁13のFRPライニング耐蝕層1にピンホール検査を行なう。すなわち、セトラ室90の内部に組み込む前に、FRPオーバーレイ施工を済ませた水相仕切り40、有機相仕切り20、および水相ボックス50にピンホール検査を行う。また、内壁13のFRPライニング耐蝕層1にピンホール検査を行う。その検査結果が不合格ならば合格できるまで修繕する。つぎに、底部水相室配設工程(S40)により、セトラ室90の底隅部18に横長直方体の底部水相室14を形成するため、底隅部18を囲む山形の水相仕切り40を配設する。
【0056】
つぎに、水相仕切り外側FRP施工工程(S50)により、山形でなる水相仕切り40の内外表面のうち作業者の手が届く外側表面だけにFRPオーバーレイ施工をする。つぎに、水相仕切り上面高さ確認工程(S60)により、水相仕切り40の上面の高さH1を確認する。つぎに、有機相仕切り下面高さ確認工程(S70)により、縦型扁平直方体の有機相出口室30を形成するため、セトラ室90の内壁13に一面を対向して囲む山形の有機相仕切り20の下面の高さH2に確認する。
【0057】
つぎに、有機相室配設工程(S80)により、水相仕切り40の上面の高さH1から有機相仕切り20の下面の高さH2までの間隔Wを、少なくともFRPオーバーレイ施工できるように30cm以上確保して有機相仕切り20を配設する。つまり、作業性を考慮し、作業者の手が間隔Wに入るようにする。つぎに、水相ボックス配設工程(S90)により、セトラ室90の壁隅部19に界面調整器室15を形成するため、縦長で直方体の水相ボックス50を配設する。最後に、FRP施工最終工程(S100)により、組み込み後の有機相仕切り20および水相ボックス50の適宜箇所にFRPオーバーレイ施工をする。
【0058】
上述のように、水相仕切り40の上面から有機相仕切り20の下面までの間隔Wが30cm以上確保されているので、その間隔Wに余裕をもって手を入れながらFRPオーバーレイ施工ができる。つまり、水相仕切り40の上面および有機相仕切り20の下面、あるいはそれらの面に係る縁取り部、すなわち辺部が、内壁13や底面91に接着される部分についても、難なくFRPオーバーレイ施工ができる。さらに、施工時にのみ開口している施工用ハンドホール16から、水相ボックス50の内部まで手が入るので、そこも難なくFRPオーバーレイ施工ができる。
【0059】
以上、説明したように、本発明によれば、FRPライニング作業性を向上するとともに、液漏れの危険性を低減するようにしたFRPライニング製ミキサセトラおよびその製造方法を提供できる。本発明の実施形態に係るFRPライニング製ミキサセトラおよびその製造方法は、FRPライニングの作業を容易にし、当該部分の欠陥検査を容易にすることができるので、その工業的価値は大きい。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明に係るFRPライニング製ミキサセトラおよびその製造方法は、貴金属、レアアースやレアメタルなどの希土類金属を溶媒抽出する際の溶媒抽出装置およびその製造方法として採用される可能性がある。
【0061】
なお、上述のように本発明の各実施形態および各実施例について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは、当業者には、容易に理解できるであろう。したがって、このような変形例は、全て本発明の範囲に含まれるものとする。
【0062】
例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義又は同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また、FRPライニング製ミキサセトラおよびその製造方法も本発明の実施形態で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。
【符号の説明】
【0063】
1 FRPライニング耐蝕層、11,21,41 芯部、12,22,42 液没露出面、13 (セトラ室90)の内壁、14 底部水相室、15 界面調整器室、16 (水相ボックス50側のセトラ室90の壁に設けた)施工用ハンドホール、18 (セトラ室90の)底隅部、19 (セトラ室90)の壁隅部、20 有機相仕切り、29 有機相仕切り上辺、30 有機相出口室、31 第1有機相出口、32 第2有機相出口、40 水相仕切り、44 水相仕切り下辺、45 水相仕切り隙間、50 水相ボックス、51,52 (水相ボックス50のセトラ室90側の壁に設けた)切欠き、60 水相の部屋、61 中仕切り、62 上方領域、63 下方領域、64 界面調整筒、65 水相噴出口、67 第1水相出口、68 第2水相出口、70 ミキサモータ、73 撹拌翼、80 ミキサ室、90 セトラ室、91 (セトラ室90)底面、100 FRPライニング製ミキサセトラ(本ミキサセトラ)、E1 (界面の)下限、E2 (界面の)上限、G,J,K,M,N,T,U,Y 矢印、H1 (水相仕切り40の上面の)高さ、H2 (有機相仕切り20の下面の)高さ、V 有機相仕切り上辺29の)高さ、S10 セトラ室形成工程、S20 板組部材FRP施工工程、S30 ピンホール検査修繕工程、 S40 底部水相室形成工程、 S50 水相仕切り外側FRP施工工程、S60 水相仕切り上面高さ確認工程、S70 有機相仕切り下面高さ確認工程、S80 有機相室配設工程、S90 水相ボックス配設工程、W (高さH1〜H2の)間隔