(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6822791
(24)【登録日】2021年1月12日
(45)【発行日】2021年1月27日
(54)【発明の名称】半導体装置および半導体チップ
(51)【国際特許分類】
H01L 21/60 20060101AFI20210114BHJP
H03B 5/32 20060101ALI20210114BHJP
【FI】
H01L21/60 301C
H01L21/60 301N
H01L21/60 301M
H03B5/32 H
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-132628(P2016-132628)
(22)【出願日】2016年7月4日
(65)【公開番号】特開2018-6602(P2018-6602A)
(43)【公開日】2018年1月11日
【審査請求日】2019年5月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】308033711
【氏名又は名称】ラピスセミコンダクタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(74)【代理人】
【識別番号】100099025
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 浩志
(72)【発明者】
【氏名】峯崎 藤行
【審査官】
今井 聖和
(56)【参考文献】
【文献】
特開2013−232551(JP,A)
【文献】
特開2015−177171(JP,A)
【文献】
特開2003−023135(JP,A)
【文献】
特開平02−063153(JP,A)
【文献】
特開昭59−224174(JP,A)
【文献】
特開2005−303222(JP,A)
【文献】
特開2004−047811(JP,A)
【文献】
特開昭62−206851(JP,A)
【文献】
特開平07−335681(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/60
H01L 27/04
H03B 5/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の機能を有する回路を含み、互いに離間して配置され且つ前記回路に接続された2つの第1の端子および前記2つの第1の端子の一方と他方との間に配置され且つ前記回路に接続されていない複数の第2の端子が1つの辺に沿って形成された半導体チップと、
前記1つの辺に対向する前記半導体チップ外の位置に設けられ、各々が前記複数の第2の端子のいずれかと第1のワイヤによって接続された複数の第3の端子と、
前記半導体チップと前記第3の端子との間に設けられ、前記2つの第1の端子の各々と第2のワイヤによってそれぞれ接続され且つ前記第1のワイヤの少なくとも一部の下方において、前記1つの辺の方向に沿って互いに離間して配置された2つの第4の端子を有する電子部品と、
を含み、
前記第1の端子は、前記第1のワイヤと前記第2のワイヤとが交差しない位置であって、前記回路との距離が前記第2の端子よりも遠い位置に配置されており、
前記半導体チップは、前記複数の第2の端子の端子間および前記第1の端子と前記1つの辺との間の領域を経由して前記回路と前記第1の端子とを接続する内部配線を有する
半導体装置。
【請求項2】
前記第1の端子は、前記1つの辺の方向において前記第4の端子と重なる位置に設けられている
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第1の端子および前記複数の第2の端子は、前記1つの辺に沿って複数の列をなして配置されている
請求項1または請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記電子部品は発振子であり、
前記回路は、前記第2のワイヤによって前記発振子に接続された発振回路である
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記複数の第3の端子の各々はリードフレームを構成するリード端子である
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置および半導体チップに関する。
【背景技術】
【0002】
リードフレーム上に半導体チップおよびこの半導体チップに接続される電子部品が搭載された半導体装置が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、リードフレーム上に少なくとも半導体チップと受動素子とが固定された半導体装置において、リードフレームとは別に作製された受動素子がリードフレーム上に固定されたことを特徴とする半導体装置が記載されている。
【0004】
また、特許文献2には、内部に圧電振動片を収容した振動子パッケージと、この振動子パッケージと電気的に接続される発振回路を内蔵した半導体素子とを備え、振動子パッケージと、半導体素子とが、リードフレームのアイランド部の互いに異なる面にそれぞれ固定されている圧電発振器が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−165429号公報
【特許文献2】特開2005−033761号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
リードフレーム上に半導体チップおよびこの半導体チップに接続される電子部品が搭載される半導体装置の構成として、例えば、電子部品が半導体チップとリード端子との間に配置され、リード端子と半導体チップとを接続する複数のワイヤが電子部品を跨ぐように配置した構成が考えられる。この構成において、半導体チップと電子部品との接続をワイヤによって行う場合、半導体チップと電子部品とを接続するワイヤと、半導体チップとリード端子とを接続するワイヤとが接触するおそれがある。
【0007】
本発明は、上記した点に鑑みてなされたものであり、半導体チップおよび半導体チップに接続される電子部品を備えた半導体装置において、半導体チップと電子部品とを接続するワイヤとそれ以外のワイヤとの接触を防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る半導体装置は、所定の機能を有する回路を含み、互いに離間して配置され且つ前記回路に接続された2つの第1の端子および前記2つの第1の端子の一方と他方との間に配置され且つ前記回路に接続されていない複数の第2の端子が1つの辺に沿って形成された半導体チップと、前記1つの辺に対向する前記半導体チップ外の位置に設けられ、各々が前記複数の第2の端子のいずれかと第1のワイヤによって接続された複数の第3の端子と、前記半導体チップと前記第3の端子との間に設けられ、前記2つの第1の端子の各々と第2のワイヤによってそれぞれ接続され且つ前記第1のワイヤの少なくとも一部の下方において、前記1つの辺の方向に沿って互いに離間して配置された2つの第4の端子を有する電子部品と、を含み、前記第1の端子は、前記第1のワイヤと前記第2のワイヤとが交差しない位置
であって、前記回路との距離が前記第2の端子よりも遠い位置に配置されており、前記半導体チップは、前記複数の第2の端子の端子間および前記第1の端子と前記1つの辺との間の領域を経由して前記回路と前記第1の端子とを接続する内部配線を有する。
【0009】
また、本発明に係る半導体チップは、矩形の外形を有する半導体チップであって、発振回路と、前記半導体チップの外縁を形成する1つの辺に沿って設けられた複数の端子と、前記複数の端子のいずれかと前記1つの辺との間の領域を経由して前記複数の端子のいずれかと前記発振回路とを接続する内部配線と、を含む。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、半導体チップおよびこの半導体チップに接続される電子部品を備えた半導体装置において、半導体チップと電子部品とを接続するワイヤとそれ以外のワイヤとの接触を防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施形態に係る半導体装置の構成を示す平面図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る半導体装置の構成を示す斜視図である
【
図3】比較例に係る半導体装置の構成を示す平面図である。
【
図4】比較例に係る半導体装置の構成を示す斜視図である。
【
図5】本発明の他の実施形態に係る半導体装置の構成を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態の一例を、図面を参照しつつ説明する。なお、各図面において同一または等価な構成要素および部分には同一の参照符号を付与している。
【0013】
[第1の実施形態]
図1は、本発明の実施形態に係る半導体装置1の構成を示す平面図、
図2は、半導体装置1の斜視図である。半導体装置1は、リードフレームを構成するダイパッド50上に半導体チップ10および発振子30が搭載されている。半導体チップ10は、矩形の外形を有し、半導体チップ10の外縁を形成する各辺に沿って複数の電極パッドが設けられている。半導体チップ10の1つの辺A1に対向する位置に、リードフレームを構成する複数のリード端子51が設けられている。複数のリード端子51は、辺A1の方向に沿って配列されている。発振子30は、複数のリード端子51と半導体チップ10との間に配置されている。
【0014】
半導体チップ10は、発振子30に接続された発振回路11を有する。発振回路11にそれぞれ接続された2つの電極パッド21および発振回路11に接続されていない複数の電極パッド22が半導体チップ10の辺A1に沿って設けられている。
【0015】
発振回路11に接続された2つの電極パッド21は、互いに離間して設けられている。電極パッド21の一方と他方との間には、発振回路11に接続されていない複数の電極パッド22の一部が配置されている。電極パッド21の各々と発振回路11とは、半導体チップ10の辺A1と電極パッド21および22との間の領域、すなわち半導体チップ10の外周領域を経由する内部配線23によって接続されている。つまり、内部配線23は、電極パッド21と発振回路11とを最短経路で繋ぐ配線レイアウトとはされておらず、半導体チップ10の辺A1側に迂回させる配線レイアウトとされている。言い換えれば、発振回路11と電極パッド21とを接続する内部配線23は、2つの電極パッド21の間に配置された2つの電極パッド22の間の領域を通過して電極パッド21に接続するように配線レイアウトがなされている。内部配線23の配線レイアウトをこのように形成することにより、内部配線23と半導体チップ10内に形成される他の配線との干渉を回避することができ、他の配線の配置が容易となる。
【0016】
発振回路11に接続されていない複数の電極パッド22の各々は、ワイヤ42によって対応するリード端子51に接続されている。すなわち、ワイヤ42の各々は発振子30を跨ぐように配置されている。
【0017】
発振子30は、例えば水晶振動子を含んで構成されている。発振子30の外形は、例えば矩形であり、その長手方向が半導体チップ10の辺A1の方向に向くように配置されている。発振子30の長手方向における長さは、半導体チップ10と略同じか半導体チップ10よりも長いものとされている。発振子30は、その表面に、発振子30の長手方向(辺A1の方向)に沿って互いに離間して設けられた2つの電極パッド31を有する。各電極パッド31は、発振子30の長手方向の端部に配置されている。各電極パッド31のサイズは、半導体チップ10に形成された電極パッド21および22のサイズよりも十分に大きいものとされている。2つの電極パッド31は、それぞれ、ワイヤ42の下方に配置されている。
図1および
図2において、発振子30の電極パッド31の互いに対向する辺B1および辺B2の延長線が破線で示されている。発振回路11に接続された2つの電極パッド21は、それぞれ、電極パッド31の辺B1の延長線と辺B2の延長線の間の領域R内に設けられている。すなわち、発振回路11に接続された2つの電極パッド21は、電極パッド31までの距離が極力小さくなるように配置されている。
【0018】
発振回路11に接続された2つの電極パッド21と、発振子30の2つ電極パッド31は、ワイヤ41によって接続されている。ワイヤ41の各々は、電極パッド22とリード端子51とを接続するワイヤ42の各々と交差しないように設けられている。すなわち、ワイヤ41の各々がワイヤ42の各々と交差しない位置に各電極パッド21が配置されている。つまり、ワイヤ41の張り角は、電極パッド21の配置によって変化するので、電極パッド21の配置の設定によって、ワイヤ41がワイヤ42に交差しないようにすることができる。ワイヤ41の張り角をワイヤ42の張り角に略一致させるように、換言すれば、ワイヤ41とワイヤ42とが略平行となるように電極パッド21の配置を定めてもよい。このように、ワイヤ41の各々がワイヤ42の各々と交差しないように電極パッド21の配置を定めることで、ワイヤ41とワイヤ42との接触を防止することができる。
【0019】
ここで、
図3は、比較例に係る半導体装置1Xの構成を示す平面図、
図4は、比較例に係る半導体装置1Xの斜視図である。比較例に係る半導体装置1Xにおいて、半導体チップ10Xは、上記本発明の実施形態に係る半導体チップ10と同様、発振回路11と、発振回路11に接続された2つの電極パッド21と、発振回路11に接続されていない複数の電極パッド22と、を含む。
【0020】
比較例に係る半導体チップ10Xにおいて、発振回路11に接続された2つの電極パッド21は、互いに隣接して設けられ、且つ発振回路11の近傍に設けられている。電極パッド21を発振回路11の近傍に配置することで、発振回路11と電極パッド21とを接続する内部配線23の長さを、
図1に示す本発明の実施形態に係る半導体チップ10に形成された内部配線23の長さよりも短くすることができる。
【0021】
しかしながら、
図3および
図4に示すように電極パッド21を発振回路11の近傍に配置した場合には、電極パッド21と発振子30の電極パッド31とを接続するワイヤ41の張り角が、電極パッド22とリード端子51とを接続するワイヤ42の張り角よりも大きくなる。その結果、例えば、
図3において破線で囲む部分において、ワイヤ41とワイヤ42との接触が生じるおそれがある。半導体チップ10Xにおいて、電極パッド21と電極パッド22との間の距離を十分に長くした場合には、ワイヤ41とワイヤ42との接触を回避できる可能性がある。しかしながら、電極パッド22の必要数を確保する上で電極パッド21と電極パッド22との間の距離を十分に長くすることができない場合がある。この場合には、半導体チップのサイズを大きくせざるを得ない。
【0022】
一方、本発明の実施形態に係る半導体チップ10において、発振回路11に接続される各電極パッド21は、互いに隣接して配置することや発振回路11の近傍に配置することを優先させていない。すなわち、半導体チップ10において、発振回路11に接続される電極パッド21の各々は、ワイヤ41とワイヤ42とが交差しない配置とされており、各電極パッド21は、互いに離間して配置され且つ発振回路11から比較的遠い位置に配置されている。このように、ワイヤ41とワイヤ42とが交差しないように各電極パッド21の配置を定めることで、ワイヤ41とワイヤ42との接触を防止することが可能である。
【0023】
一方、本実施形態に係る半導体チップ10によれば、各電極パッド21は、発振回路11から比較的遠い位置に配置されるので、比較例に係る半導体チップ10Xと比較して内部配線23の長さが長くなる。本実施形態に係る半導体チップ10において、内部配線23は、電極パッド21および22と半導体チップ10の辺A1との間の領域、すなわち半導体チップ10の外周領域を通過する配線レイアウトとされている。つまり、内部配線23は、電極パッド21と発振回路11とを最短経路で繋ぐ配線レイアウトとはされておらず、半導体チップ10の辺A1側に迂回させる配線レイアウトとされている。内部配線23の配線レイアウトをこのようにすることにより、内部配線23と半導体チップ10内に形成される他の配線との干渉を回避することができ、他の配線の配置が容易となる。
【0024】
また、本実施形態に係る半導体チップ10においては、電極パッド21を発振回路11の近傍に配置することを優先しないため、発振回路11の配置の制約がなくなり、発振回路11および半導体チップ10内に形成される他の回路の配置の自由度が増すことになる。
【0025】
また、本実施形態に係る半導体装置1によれば、発振回路11に接続された2つの電極パッド21は、それぞれ、電極パッド31の辺B1の延長線と辺B2の延長線の間の領域R内に設けられている。これにより、電極パッド21と電極パッド31とを接続するワイヤ41の長さを、比較例に係る半導体装置1Xにおけるワイヤ41の長さよりも短くすることができ、ワイヤ41とワイヤ42との接触を防止する効果を促進することがきる。
【0026】
[第2の実施形態]
図5は、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置1Aの構成を示す平面図である。半導体装置1Aを構成する半導体チップ10Aは、発振回路11に接続された電極パッド21と、発振回路11に接続されていない電極パッド22とを含む複数の電極パッドが、半導体チップ10Aの外縁を形成する辺A1に沿って複数の列をなして配置されている。
図5に示す例では、発振回路11に接続された2つの電極パッド21と、発振回路11に接続されていない複数の電極パッド22の一部が、外側(辺A1から近い側)に配列され、発振回路11に接続されていない複数の電極パッド22の他の一部が内側(辺A1から遠い側)に配列されている。
【0027】
電極パッド21は、それぞれ、ワイヤ41によって発振子30の電極パッド31に接続され、電極パッド22は、それぞれ、ワイヤ42によって対応するリード端子51に接続されている。第1の実施形態に係る半導体装置1と同様、ワイヤ41の各々がワイヤ42の各々と交差しない位置に各電極パッド21が配置されている。これにより、ワイヤ41とワイヤ42との接触を防止することができる。
【0028】
また、本実施形態に係る半導体装置1Aおよび半導体チップ10Aによれば、電極パッド21と電極パッド22とを含む複数の電極パッドを半導体チップ10Aの辺A1に沿って複数の列をなすように配置するレイアウトとしているので、辺A1に沿って配置される電極パッドの数を第1の実施形態に係る半導体チップ10と比較して多くすることができる。
【0029】
なお、上記各実施形態において、半導体チップ10、10Aと共に実装される電子部品の一例として発振子30を例示し、半導体チップ10、10Aが発振子30に接続される発振回路11を備える構成を例示したが、この構成に限定されるものではない。半導体チップ10、10Aと共に実装される電子部品は、例えば半導体チップ10、10Aとは異なる他の半導体チップやチップコンデンサ等の発振子以外の電子部品であってもよい。また、半導体チップ10、10Aに形成される回路は、電子部品に接続される電源回路や入出力回路等の発振回路以外の回路であってもよい。また、本実施形態では、半導体チップ10、10Aと電子部品(発振子30)とを接続するための電極パッド21およびワイヤ41がそれぞれ2つである場合を例示したが、半導体チップと電子部品とを接続するための電極パッドおよびワイヤは、それぞれ1つまたは3つ以上であってもよい。
【0030】
また、上記各実施形態において、半導体チップ10、10Aおよび発振子30をリードフレームに搭載する構成を例示したが、リードフレームに代えて、プリント基板等の配線基板を用いることも可能である。この場合、リード端子51の機能を配線基板上に形成された電極パッドが担うこととしてもよい。
【符号の説明】
【0031】
1 半導体装置
10 10A 半導体チップ
11 発振回路
21、22 電極パッド
30 発振子
31 電極パッド
41、42 ワイヤ
51 リード端子