特許第6826351号(P6826351)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6826351
(24)【登録日】2021年1月19日
(45)【発行日】2021年2月3日
(54)【発明の名称】オルガノシロキサン及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   C07F 7/18 20060101AFI20210121BHJP
【FI】
   C07F7/18 X
【請求項の数】10
【全頁数】31
(21)【出願番号】特願2019-520332(P2019-520332)
(86)(22)【出願日】2018年5月25日
(86)【国際出願番号】JP2018020197
(87)【国際公開番号】WO2018216807
(87)【国際公開日】20181129
【審査請求日】2019年11月20日
(31)【優先権主張番号】特願2017-103709(P2017-103709)
(32)【優先日】2017年5月25日
(33)【優先権主張国】JP
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成26年度国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「有機ケイ素機能性化学品製造プロセス技術開発」委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
(73)【特許権者】
【識別番号】301021533
【氏名又は名称】国立研究開発法人産業技術総合研究所
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】特許業務法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 靖
(72)【発明者】
【氏名】五十嵐 正安
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 一彦
(72)【発明者】
【氏名】島田 茂
【審査官】 松澤 優子
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−034854(JP,A)
【文献】 特開2014−167091(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0249326(US,A1)
【文献】 JOURNAL OF POLYMER SCIENCE: PART A-1,1969年,Vol.7,pp.1089-1110
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07F 7/18
CAplus/REGISTRY(STN)
CASREACT(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(a)で表される構造を有するシラノールと下記式(b’)で表される構造を有するアルコキシヒドロシランを反応させて下記式(c’)で表されるオルガノシロキサンを生成する反応工程を含むオルガノシロキサンの製造方法であって、
前記式(a)で表される構造を有するシラノールが、下記式(A−1)〜(A−5)の何れかで表される化合物であり、
前記式(b’)で表される構造を有するアルコキシヒドロシランが、下記式(B−1)又は(B−3)で表される化合物であり、
前記反応工程が、芳香族炭化水素溶媒及びジメチルアセトアミドからなる群より選択される少なくとも1種の溶媒の存在下で、かつ触媒の非存在下で行われる工程であることを特徴とする、オルガノシロキサンの製造方法。
【化1】

(式(b’)中、Rはメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、アリル基、ビニル基、フェニル基、4−メチルフェニル基を表す。)
【化2】

(式(A−1)〜(A−5)中、Rはそれぞれ独立して、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル、シクロヘキシル基、アリル基、ビニル基、フェニル基、4−メチルフェニル基、3−トリフルオロプロピル基、N−(t−ブトキシカルボニル)ピリジル基を、Rはメチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、i−プロピレン基、n−ブチレン基、n−ペンチレン基、n−ヘキシレン基、フェニレン基を、Rはそれぞれ独立してヒドロキシル基、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、アリル基、ビニル基、フェニル基を、nは2を表す。)
【化3】

(式(B−1)、(B−3)中、Rはそれぞれ独立してメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、アリル基、ビニル基、フェニル基、4−メチルフェニル基を、Rはそれぞれ独立してメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、アリル基、ビニル基、フェニル基、4−メチルフェニル基を表す。)
【請求項2】
下記式(a)で表される構造を有するシラノールと下記式(b)で表される構造を有するアルコキシヒドロシランを反応させて下記式(c)で表されるオルガノシロキサンを生成する反応工程を含むオルガノシロキサンの製造方法であって、
前記式(a)で表される構造を有するシラノールが、下記式(A−1)、(A−3)〜(A−5)で表される化合物の何れかであり、
前記式(b)で表される構造を有するアルコキシヒドロシランが、下記式(B−2)で表される化合物であり、
前記反応工程が、芳香族炭化水素溶媒及びジメチルアセトアミドからなる群より選択される少なくとも1種の溶媒の存在下で、かつ触媒の非存在下で行われる工程であることを特徴とする、オルガノシロキサンの製造方法。
【化4】

(式(b)及び(c)中、Rはメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、アリル基、ビニル基、フェニル基、4−メチルフェニル基を表す。)
【化5】

(式(A−1)〜(A−5)中、Rはそれぞれ独立して、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル、シクロヘキシル基、アリル基、ビニル基、フェニル基、4−メチルフェニル基、3−トリフルオロプロピル基、N−(t−ブトキシカルボニル)ピリジル基を、Rはメチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、i−プロピレン基、n−ブチレン基、n−ペンチレン基、n−ヘキシレン基、フェニレン基を、Rはそれぞれ独立してヒドロキシル基、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、アリル基、ビニル基、フェニル基を、nは2を表す。)
【化6】

(式(B−2)中、Rはメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、アリル基、ビニル基、フェニル基、4−メチルフェニル基を、Rはそれぞれ独立してメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、アリル基、ビニル基、フェニル基、4−メチルフェニル基を表す。)
【請求項3】
前記オルガノシロキサンが、下記式(C−1)〜(C−12)の何れかで表される化合物である、請求項1に記載のオルガノシロキサンの製造方法。
【化7】

(式(C−1)〜(C−12)中、Rはそれぞれ独立してメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル、シクロヘキシル基、アリル基、ビニル基、フェニル基、4−メチルフェニル基、3−トリフルオロプロピル基、N−(t−ブトキシカルボニル)ピリジル基を、Rメチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、i−プロピレン基、n−ブチレン基、n−ペンチレン基、n−ヘキシレン基、フェニレン基を、Rはそれぞれ独立してヒドロキシル基、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、アリル基、ビニル基、フェニル基を、Rはそれぞれ独立してメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、アリル基、ビニル基、フェニル基、4−メチルフェニル基を、Rはそれぞれ独立してメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、アリル基、ビニル基、フェニル基、4−メチルフェニル基を、nは2を表す。)
【請求項4】
前記オルガノシロキサンが、下記式(C−2)、(C−3)、(C−5)、(C−6)、(C−11)及び(C−12)の何れかで表される化合物である、請求項2に記載のオルガノシロキサンの製造方法。
【化8】

(式(C−2)、(C−3)、(C−5)、(C−6)、(C−11)及び(C−12)中、Rはそれぞれ独立してメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル、シクロヘキシル基、アリル基、ビニル基、フェニル基、4−メチルフェニル基、3−トリフルオロプロピル基、N−(t−ブトキシカルボニル)ピリジル基を、Rメチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、i−プロピレン基、n−ブチレン基、n−ペンチレン基、n−ヘキシレン基、フェニレン基を、Rはそれぞれ独立してヒドロキシル基、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、アリル基、ビニル基、フェニル基を、Rはそれぞれ独立してメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、アリル基、ビニル基、フェニル基、4−メチルフェニル基を、Rはそれぞれ独立してメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、アリル基、ビニル基、フェニル基、4−メチルフェニル基を、nは2を表す。)
【請求項5】
前記式(A−1)〜(A−5)の何れかで表されるシラノールが下記式で表される化合物の何れかであり、
【化9】

前記式(B−1)又は(B−3)で表されるアルコキシヒドロシランが下記式で表される化合物の何れかである、請求項1に記載のオルガノシロキサンの製造方法。
【化10】
【請求項6】
前記(A−1)、(A−3)〜(A−5)で表されるシラノールが下記式で表される化合物の何れかであり、
【化11】

前記式(B−2)で表されるアルコキシヒドロシランが下記式で表される化合物の何れかである、請求項2に記載のオルガノシロキサンの製造方法。
【化12】
【請求項7】
前記反応工程が、芳香族炭化水素溶媒の存在下で行われる工程である、請求項1〜の何れか1項に記載のオルガノシロキサンの製造方法。
【請求項8】
前記反応工程の反応温度が、80℃以上100℃以下である、請求項7に記載のオルガノシロキサンの製造方法。
【請求項9】
反応工程における前記式(B−1)又は(B−3)で表される構造を有するアルコキシヒドロシランの使用量は、前記式(A−1)〜(A−5)で表されるシラノールのシラノール基に対して物質量換算で、0.5当量以上、2当量以下である、請求項1、3、5、7及び8の何れか1項に記載のオルガノシロキサンの製造方法。
【請求項10】
反応工程における前記式(B−2)で表される構造を有するアルコキシヒドロシランの使用量は、前記式(A−1)、(A−3)〜(A−5)で表されるシラノールのシラノール基に対して物質量換算で、0.5当量以上、2当量以下である、請求項2、4、及び6〜8の何れか1項に記載のオルガノシロキサンの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オルガノシロキサン及びその製造方法に関し、より詳しくはヒドロシリル基またはアルコキシシリル基とヒドロシリル基を有するオルガノシロキサン及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
シロキサン結合(Si−O−Si)は、有機骨格である炭素−炭素(C−C)結合や炭素−酸素(C−O)結合よりも結合エネルギーが大きく、耐熱性、耐候性等に優れることが知られている。そのためオルガノシロキサンは、シリコーンオイルやシリコーンゴム等に利用され、また有機無機ハイブリット素材の原料としても注目されている重要な化合物である。また、オルガノシロキサンの中でも、ヒドロシリル基を有するオルガノシロキサンは、ヒドロシリル基がヒドロシリル化等に利用できることから、特に有用な化合物である。さらに、オルガノシロキサンの中でも、アルコキシシリル基とヒドロシリル基を有するオルガノシロキサンは、アルコキシシリル基が加水分解・脱水縮合反応等に、ヒドロシリル基がヒドロシリル化等に利用できることから、特に有用な化合物である。
【0003】
アルコキシシリル基とヒドロシリル基を有するオルガノシロキサンの製造方法としては、水酸化マグネシウム(Mg(OH))や水酸化カルシウム(Ca(OH))等の周期表第2族元素の水酸化物等を触媒として、シラノールとアルコキシヒドロシラン等を縮合する方法が報告されている(特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014−167091号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、ヒドロシリル基またはアルコキシシリル基とヒドロシリル基を有するオルガノシロキサンを効率良く製造することができるオルガノシロキサンの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、特定の溶媒の存在下、かつ触媒の非存在下でシラノールとアルコキシヒドロシランを反応させることにより、オルガノシロキサンを効率良く製造することができることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は以下の通りである。
【0007】
<1> 下記式(a)で表される構造を有するシラノールと下記式(b’)で表される構造を有するアルコキシヒドロシランを反応させて下記式(c’)で表されるオルガノシロキサンを生成する反応工程を含むオルガノシロキサンの製造方法であって、
前記反応工程が、炭化水素溶媒、アミド溶媒、エーテル溶媒、及びニトリル溶媒からなる群より選択される少なくとも1種の溶媒の存在下で、かつ触媒の非存在下で行われる工程であることを特徴とする、オルガノシロキサンの製造方法。
【化1】
(式(b’)及び(c’)中、Rはヘテロ原子を含んでいてもよい炭素原子数1〜20の炭化水素基を表す。)
<2> 下記式(a)で表される構造を有するシラノールと下記式(b)で表される構造を有するアルコキシヒドロシランを反応させて下記式(c)で表されるオルガノシロキサンを生成する反応工程を含むオルガノシロキサンの製造方法であって、
前記反応工程が、炭化水素溶媒、アミド溶媒、及びエーテル溶媒からなる群より選択される少なくとも1種の溶媒の存在下で、かつ触媒の非存在下で行われる工程であることを特徴とする、オルガノシロキサンの製造方法。
【化2】
(式(b)及び(c)中、Rはヘテロ原子を含んでいてもよい炭素原子数1〜20の炭化水素基を表す。)
<3> 前記シラノールが、下記式(A−1)〜(A−5)の何れかで表される化合物である、<1>又は<2>に記載のオルガノシロキサンの製造方法。
【化3】
(式(A−1)〜(A−5)中、Rはそれぞれ独立してヘテロ原子を含んでいてもよい炭素原子数1〜20の炭化水素基を、Rはヘテロ原子を含んでいてもよい炭素原子数1〜20のn価の炭化水素基を、Rはそれぞれ独立してヒドロキシル基、又はヘテロ原子を含んでいてもよい炭素原子数1〜20の炭化水素基を、nは2〜10の整数を表す。)
<4> 前記アルコキシヒドロシランが、下記式(B−1)、(B−2)又は(B−3)で表される化合物である、<1>又は<3>に記載のオルガノシロキサンの製造方法。
【化4】
(式(B−1)〜(B−3)中、Rはそれぞれ独立してヘテロ原子を含んでいてもよい炭素原子数1〜20の炭化水素基を、Rはそれぞれ独立してヘテロ原子を含んでいてもよい炭素原子数1〜20の炭化水素基を表す。)
<5> 前記アルコキシヒドロシランが、下記式(B−2)又は(B−3)で表される化合物である、<2>又は<3>に記載のオルガノシロキサンの製造方法。
【化5】
(式(B−2)及び(B−3)中、Rはヘテロ原子を含んでいてもよい炭素原子数1〜20の炭化水素基を、Rはそれぞれ独立してヘテロ原子を含んでいてもよい炭素原子数1〜20の炭化水素基を表す。)
<6> 前記オルガノシロキサンが、下記式(C−1)〜(C−12)の何れかで表される化合物である、<1>〜<5>の何れかに記載のオルガノシロキサンの製造方法。
【化6】
(式(C−1)〜(C−12)中、Rはそれぞれ独立してヘテロ原子を含んでいてもよい炭素原子数1〜20の炭化水素基を、Rはヘテロ原子を含んでいてもよい炭素原子数1〜20のn価の炭化水素基を、Rはそれぞれ独立してヒドロキシル基、又はヘテロ原子を含んでいてもよい炭素原子数1〜20の炭化水素基を、Rはそれぞれ独立してヘテロ原子を含んでいてもよい炭素原子数1〜20の炭化水素基を、Rはそれぞれ独立してヘテロ原子を含んでいてもよい炭素原子数1〜20の炭化水素基を、nは2〜10の整数を表す。)
<7> 前記オルガノシロキサンが、下記式(C−2)、(C−3)、(C−5)、(C−6)、(C−11)及び(C−12)の何れかで表される化合物である、<2>、<3>、及び<5>の何れかに記載のオルガノシロキサンの製造方法。
【化7】
(式(C−2)、(C−3)、(C−5)、(C−6)、(C−11)及び(C−12)中、Rはそれぞれ独立してヘテロ原子を含んでいてもよい炭素原子数1〜20の炭化水素基を、Rはヘテロ原子を含んでいてもよい炭素原子数1〜20のn価の炭化水素基を、Rはそれぞれ独立してヒドロキシル基、又はヘテロ原子を含んでいてもよい炭素原子数1〜20の炭化水素基を、Rはそれぞれ独立してヘテロ原子を含んでいてもよい炭素原子数1〜20の炭化水素基を、Rはそれぞれ独立してヘテロ原子を含んでいてもよい炭素原子数1〜20の炭化水素基を、nは2〜10の整数を表す。)
<8> 前記反応工程が、芳香族炭化水素溶媒の存在下で行われる工程である、<1>〜<7>の何れかに記載のオルガノシロキサンの製造方法。
<9> 下記式(C−1)〜(C−12)の何れかで表されるオルガノシロキサン。
【化8】
(式(C−1)〜(C−12)中、Rはそれぞれ独立してヘテロ原子を含んでいてもよい炭素原子数1〜20の炭化水素基を、Rはヘテロ原子を含んでいてもよい炭素原子数1〜20のn価の炭化水素基を、Rはそれぞれ独立してヒドロキシル基、又はヘテロ原子を含んでいてもよい炭素原子数1〜20の炭化水素基を、Rはそれぞれ独立してヘテロ原子を含んでいてもよい炭素原子数1〜20の炭化水素基を、Rはそれぞれ独立してヘテロ原子を含んでいてもよい炭素原子数1〜20の炭化水素基を、nは2〜10の整数を表す。)
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、オルガノシロキサンを効率良く製造することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の詳細を説明するに当たり、具体例を挙げて説明するが、本発明の趣旨を逸脱しない限り以下の内容に限定されるものではなく、適宜変更して実施することができる。
【0010】
<オルガノシロキサンの製造方法>
本発明の一態様であるオルガノシロキサンの製造方法(以下、「本発明の製造方法」と略す場合がある。)は、下記式(a)で表される構造を有するシラノールと下記式(b’)で表される構造を有するアルコキシヒドロシランを反応させて下記式(c’)で表されるオルガノシロキサンを生成する反応工程(以下、「反応工程」と略す場合がある。)を含む方法であり、反応工程が、炭化水素溶媒、アミド溶媒、エーテル溶媒、及びニトリル溶媒からなる群より選択される少なくとも1種の溶媒の存在下で、かつ触媒の非存在下で行われる工程であることを特徴とする。
【化9】
(式(b’)及び(c’)中、Rはヘテロ原子を含んでいてもよい炭素原子数1〜20の炭化水素基を表す。)
【0011】
また、本発明の一態様であるオルガノシロキサンの製造方法(以下、「本発明の製造方法」と略す場合がある。)は、下記式(a)で表される構造を有するシラノールと下記式(b)で表される構造を有するアルコキシヒドロシランを反応させて下記式(c)で表されるオルガノシロキサンを生成する反応工程(以下、「反応工程」と略す場合がある。)を含む方法であり、反応工程が、炭化水素溶媒、アミド溶媒、エーテル溶媒、及びニトリル溶媒からなる群より選択される少なくとも1種の溶媒の存在下で、かつ触媒の非存在下で行われる工程であることを特徴とする。
【化10】
(式(b)及び(c)中、Rはヘテロ原子を含んでいてもよい炭素原子数1〜20の炭化水素基を表す。)
本発明者らは、ヒドロシリル基またはアルコキシシリル基とヒドロシリル基を有するオルガノシロキサンを効率良く製造することができる方法を求めて検討を重ねた結果、炭化水素溶媒等の特定の溶媒の存在下、かつ触媒の非存在下でシラノールとアルコキシヒドロシランを反応させることにより、オルガノシロキサンを効率良く製造することができることを見出したのである。本発明の製造方法は、反応工程が「触媒の非存在下」で行われるため、触媒を除去するための精製が必要なく、溶媒を留去するだけで高純度のオルガノシロキサンを製造することもできる。また、溶媒が炭化水素溶媒等であると、シラノールやヒドロシランに配位せず反応性に影響を与えないためオルガノシロキサンが収率良く生成するものと考えられる。
なお、式(a)、(b’)、(b)、(c’)及び(c)中の波線は、その先の構造が任意であることを意味し、反応に関与しない官能基等を含んでいてもよいものとする。
また、「触媒の非存在下」とは、式(a)で表される構造を有するシラノールと式(b’)又は(b)で表される構造を有するアルコキシヒドロシランの縮合反応について触媒活性を示す化合物が存在しない系であることを意味し、例えば特許文献1に記載されているような水酸化マグネシウム(Mg(OH))等を系中に添加しないことがこれに該当する。
加えて、「溶媒」は、反応工程の条件下において液体であり、反応工程の反応溶媒として利用できる化合物である。
以下、「式(a)で表される構造を有するシラノール」、「式(b’)で表される構造を有するアルコキシヒドロシラン」、「溶媒」、「反応工程」の条件、「式(c’)で表されるオルガノシロキサン」等について詳細に説明する。なお、「式(b)で表される構造を有するアルコキシヒドロシラン」は、「式(b’)で表される構造を有するアルコキシヒドロシラン」のうち、2又は3つのアルコキシ基を有するアルコキシヒドロシランであり、「式(c)で表されるオルガノシロキサン」は、「式(c’)で表されるオルガノシロキサン」のうち、アルコキシ基を有するオルガノシロキサンである。
【0012】
反応工程に使用する「式(a)で表される構造を有するシラノール」の具体的種類は、特に限定されず、製造目的であるオルガノシロキサンに応じて適宜選択すべきであるが、下記式(A−1)〜(A−5)の何れかで表される化合物が挙げられる。
【化11】
(式(A−1)〜(A−5)中、Rはそれぞれ独立してヘテロ原子を含んでいてもよい炭素原子数1〜20の炭化水素基を、Rはヘテロ原子を含んでいてもよい炭素原子数1〜20のn価の炭化水素基を、Rはそれぞれ独立してヒドロキシル基、又はヘテロ原子を含んでいてもよい炭素原子数1〜20の炭化水素基を、nは2〜10の整数を表す。)
式(A−1)〜(A−5)中のRは、それぞれ独立して「ヘテロ原子を含んでいてもよい炭素原子数1〜20の炭化水素基」を表しているが、「炭化水素基」は、分岐構造、環状構造、及び炭素−炭素不飽和結合(炭素−炭素二重結合、炭素−炭素三重結合)のそれぞれを有していてもよく、飽和炭化水素基、不飽和炭化水素基、芳香族炭化水素基等の何れであってもよいものとする。
また、「ヘテロ原子を含んでいてもよい」とは、炭化水素基の水素原子がヘテロ原子、即ち、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、ハロゲン原子等を含む1価の官能基で置換されていてもよいほか、炭化水素基の炭素骨格内部の炭素原子が窒素原子、酸素原子、硫黄原子等を含む2価以上の官能基(連結基)で置換されていてもよいことを意味する。
の炭化水素基の炭素原子数は、通常15以下、好ましくは10以下、より好ましくは8以下であり、Rが芳香族炭化水素基の場合の炭素原子数は、通常6以上である。
に含まれる官能基や連結基としては、アミノ基(−N<)、エーテル基(オキサ基、−O−)、カルボニル基(−C(=O)−)、フルオロ基(フッ素原子,−F)、クロロ基(塩素原子,−Cl)、ブロモ基(臭素原子,−Br)、ヨード基(ヨウ素原子,−I)等が挙げられる。
としては、メチル基(−CH,−Me)、エチル基(−C,−Et)、n−プロピル基(−,−Pr)、i−プロピル基(−,−Pr)、n−ブチル基(−,−Bu)、t−ブチル基(−,−Bu)、n−ペンチル基(−11)、n−ヘキシル基(−13,−Hex)、シクロヘキシル基(−11,−Cy)、アリル基(−CHCH=CH)、ビニル基(−CH=CH)、フェニル基(−C,−Ph)、4−メチルフェニル基(−CCH)、3−トリフルオロプロピル基(−CCF)、N−(t−ブトキシカルボニル)ピリジル基等が挙げられる。
【0013】
式(A−5)中のRは、「ヘテロ原子を含んでいてもよい炭素原子数1〜20のn価の炭化水素基」を表しているが、「ヘテロ原子を含んでいてもよい」と「炭化水素基」はRの場合と同義であり、「n価の炭化水素基」はn個の結合位置を有する炭化水素基を意味する。
の炭化水素基の炭素原子数は、通常15以下、好ましくは10以下、より好ましくは8以下であり、Rが芳香族炭化水素基の場合の炭素原子数は、通常6以上である。
に含まれる官能基や連結基としては、アミノ基(−N<)、エーテル基(オキサ基、−O−)、カルボニル基(−C(=O)−)、フルオロ基(フッ素原子,−F)、クロロ基(塩素原子,−Cl)、ブロモ基(臭素原子,−Br)、ヨード基(ヨウ素原子,−I)等が挙げられる。
としては、メチレン基(−CH−)、エチレン基(−C−)、n−プロピレン基(−−)、i−プロピレン基(−−)、n−ブチレン基(−−)、n−ペンチレン基(−10−)、n−ヘキシレン基(−12−)、フェニレン基(−C−)等が挙げられる。
【0014】
式(A−5)中のRは、それぞれ独立して「ヒドロキシル基」、又は「ヘテロ原子を含んでいてもよい炭素原子数1〜20の炭化水素基」を表しているが、「ヘテロ原子を含んでいてもよい」と「炭化水素基」はRの場合と同義である。
が炭化水素基である場合の炭化水素基の炭素原子数は、通常15以下、好ましくは10以下、より好ましくは8以下であり、Rが芳香族炭化水素基の場合の炭素原子数は、通常6以上である。
に含まれる官能基や連結基としては、アミノ基(−N<)、ヒドロキシル基(−OH)、エーテル基(オキサ基、−O−)、カルボニル基(−C(=O)−)、フルオロ基(フッ素原子,−F)、クロロ基(塩素原子,−Cl)、ブロモ基(臭素原子,−Br)、ヨード基(ヨウ素原子,−I)等が挙げられる。
としては、ヒドロキシル基(−OH)、メチル基(−CH,−Me)、エチル基(−C,−Et)、n−プロピル基(−,−Pr)、i−プロピル基(−,−Pr)、n−ブチル基(−,−Bu)、t−ブチル基(−,−Bu)、n−ペンチル基(−11)、n−ヘキシル基(−13,−Hex)、シクロヘキシル基(−11,−Cy)、アリル基(−CHCH=CH)、ビニル基(−CH=CH)、フェニル基(−C,−Ph)等が挙げられる。
【0015】
式(a)で表される構造を有するシラノールとしては、下記式で表される化合物等が挙げられる。
【化12】
【0016】
反応工程に使用する「式(b’)で表される構造を有するアルコキシヒドロシラン」の具体的種類は、特に限定されず、製造目的であるオルガノシロキサンに応じて適宜選択すべきであるが、下記式(B−1)〜(B−3)の何れかで表される化合物が挙げられる。
【化13】
(式(B−1)〜(B−3)中、Rはそれぞれ独立してヘテロ原子を含んでいてもよい炭素原子数1〜20の炭化水素基を、Rはそれぞれ独立してヘテロ原子を含んでいてもよい炭素原子数1〜20の炭化水素基を表す。)
式(B−1)〜(B−3)中のRは、それぞれ独立して「ヘテロ原子を含んでいてもよい炭素原子数1〜20の炭化水素基」を表しているが、「ヘテロ原子を含んでいてもよい」と「炭化水素基」はRの場合と同義である。
の炭化水素基の炭素原子数は、通常15以下、好ましくは10以下、より好ましくは8以下であり、Rが芳香族炭化水素基の場合の炭素原子数は、通常6以上である。
に含まれる官能基や連結基としては、アミノ基(−N<)、エーテル基(オキサ基、−O−)、カルボニル基(−C(=O)−)、フルオロ基(フッ素原子,−F)、クロロ基(塩素原子,−Cl)、ブロモ基(臭素原子,−Br)、ヨード基(ヨウ素原子,−I)等が挙げられる。
としては、メチル基(−CH,−Me)、エチル基(−C,−Et)、n−プロピル基(−,−Pr)、i−プロピル基(−,−Pr)、n−ブチル基(−,−Bu)、t−ブチル基(−,−Bu)、n−ペンチル基(−11)、n−ヘキシル基(−13,−Hex)、シクロヘキシル基(−11,−Cy)、アリル基(−CHCH=CH)、ビニル基(−CH=CH)、フェニル基(−C,−Ph)、4−メチルフェニル基(−CCH)等が挙げられる。
【0017】
式(B−1)〜(B−3)中のRは、それぞれ独立して「ヘテロ原子を含んでいてもよい炭素原子数1〜20の炭化水素基」を表しているが、「ヘテロ原子を含んでいてもよい」と「炭化水素基」はRの場合と同義である。
Rの炭化水素基の炭素原子数は、通常15以下、好ましくは10以下、より好ましくは8以下であり、Rが芳香族炭化水素基の場合の炭素原子数は、通常6以上である。
Rに含まれる官能基や連結基としては、アミノ基(−N<)、エーテル基(オキサ基、−O−)、カルボニル基(−C(=O)−)、フルオロ基(フッ素原子,−F)、クロロ基(塩素原子,−Cl)、ブロモ基(臭素原子,−Br)、ヨード基(ヨウ素原子,−I)等が挙げられる。
Rとしては、メチル基(−CH,−Me)、エチル基(−C,−Et)、n−プロピル基(−,−Pr)、i−プロピル基(−,−Pr)、n−ブチル基(−,−Bu)、t−ブチル基(−,−Bu)、n−ペンチル基(−11)、n−ヘキシル基(−13,−Hex)、シクロヘキシル基(−11,−Cy)、アリル基(−CHCH=CH)、ビニル基(−CH=CH)、フェニル基(−C,−Ph)、4−メチルフェニル基(−CCH)等が挙げられる。
【0018】
式(b’)で表される構造を有するアルコキシヒドロシランとしては、下記式で表される化合物等が挙げられる。
【化14】
【0019】
反応工程における式(b’)で表される構造を有するアルコキシヒドロシランの使用量は、式(a)で表される構造を有するシラノールのシラノール基に対して物質量換算で、通常0.01当量以上、好ましくは0.1当量以上、より好ましくは0.5当量以上であり、通常10当量以下、好ましくは5当量以下、より好ましくは2当量以下である。上記範囲内であると、オルガノシロキサンがより収率良く生成し易くなる。
【0020】
反応工程に使用する「溶媒」は、「炭化水素溶媒、アミド溶媒、エーテル溶媒、及びニトリル溶媒からなる群より選択される少なくとも1種」であるが、「炭化水素溶媒」、「アミド溶媒」、「エーテル溶媒」、「ニトリル溶媒」等の具体的種類は、特に限定されず、反応温度等に応じて適宜選択することができる。
炭化水素溶媒としては、ペンタン、ヘキサン等の飽和炭化水素溶媒、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素溶媒等が挙げられる。
アミド溶媒としては、ジメチルアセトアミド(DMAc)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルピロリドン(NMP)、テトラメチル尿素(TMU)等が挙げられる。
エーテル溶媒としては、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン、1,2-ジメトキシエタン(DME)等が挙げられる。
ニトリル溶媒としては、アセトニトリル(CHCN)、アクリロニトリル(AN)、トリクロロアセトニトリル、プロピオニトリル、ピバロニトリル(t−BuCN)、イソブチロニトリル、n−ブチロニトリル、メトキシアセトニトリル、2−メチルブチロニトリル、イソバレロニトリル、n−バレロニトリル、n−カプロニトリル、3−メトキシプロピオニトリル、3−エトキシプロピオニトリル、n−ヘプタンニトリル、ベンゾニトリル(PhCN)、エチレンシアノヒドリン、スクシノニトリル、アセトンシアノヒドリン等が挙げられる。
この中でも、芳香族炭化水素溶媒が好ましく、ベンゼン、トルエンが特に好ましい。ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素溶媒であると、シラノールやヒドロシランと配位せず反応性に影響を与えないためオルガノシロキサンがより収率良く生成し易くなる。また、ヒドロシランとして式(B1)で表されるヒドロシランを用いる場合、溶媒としてアセトニトリルなどのニトリル系溶媒を用いると、反応後の溶液にヘキサンなどの無極性溶媒を加え、生成物の回収を収率良く行えるため、好ましい。
【0021】
反応工程における溶媒の使用量は、式(a)で表される構造を有するシラノールの濃度が、通常4mol/L以下となる量、好ましくは1.0mol/L以下となる量、より好ましくは0.5mol/L以下となる量である。上記の濃度であると、オルガノシロキサンがより収率良く生成し易くなる。
【0022】
反応工程の反応温度は、通常−50℃以上、好ましくは0℃以上、より好ましくは25℃以上であり、通常200℃以下、好ましくは100℃以下、シラノールの縮合反応やアルコキシヒドロシランの不均化反応などの副反応を抑制する観点から、より好ましくは25℃以下である。
反応工程の反応時間は、通常72時間以下、好ましくは48時間以下、より好ましくは24時間以下、特に好ましくは16時間以下である。
反応工程は、通常窒素、アルゴン等の不活性雰囲気下で行う。
上記範囲内であると、オルガノシロキサンがより収率良く生成し易くなる。
【0023】
本発明の製造方法は、反応工程以外の工程を含むものであってもよく、具体的な工程としては、反応工程で得られた反応混合物から溶媒を留去する溶媒留去工程(以下、「溶媒留去工程」と略す場合がある。)、反応工程又は溶媒留去工程で得られた反応混合物から目的のオルガノシロキサンを単離する精製工程(以下、「精製工程」と略す場合がある。)等が挙げられる。
なお、溶媒留去工程は、反応混合物を加熱する、及び/又は減圧下にさらす等のよって行うことが挙げられる。
また、精製工程は、蒸留等によって行うことが挙げられる。
【0024】
反応工程によって生成するオルガノシロキサンの具体的種類は、特に限定されず、製造目的に応じて適宜選択することができるが、下記式(C−1)〜(C−12)の何れかで表される化合物が挙げられる。
【化15】
(式(C−1)〜(C−12)中、Rはそれぞれ独立してヘテロ原子を含んでいてもよい炭素原子数1〜20の炭化水素基を、Rはヘテロ原子を含んでいてもよい炭素原子数1〜20のn価の炭化水素基を、Rはそれぞれ独立してヒドロキシル基、又はヘテロ原子を含んでいてもよい炭素原子数1〜20の炭化水素基を、Rはそれぞれ独立してヘテロ原子を含んでいてもよい炭素原子数1〜20の炭化水素基を、Rはそれぞれ独立してヘテロ原子を含んでいてもよい炭素原子数1〜20の炭化水素基を、nは2〜10の整数を表す。)
なお、R、R、R、R、Rは、「式(a)で表される構造を有するシラノール」、「式(b)で表される構造を有するアルコキシヒドロシラン」のものと同義である。
式(C−1)〜(C−12)の何れかで表されるオルガノシロキサンの具体例として、例えば、実施例で製造した化合物(3)〜(18)が挙げられる。中でも、化合物(3)〜(14)、(16)は、新規なオルガノシロキサンである。
【0025】
<オルガノシロキサン>
反応工程によって式(C−1)〜(C−12)の何れかで表される化合物が生成することを前述したが、下記式(C−1)〜(C−12)の何れかで表されるオルガノシロキサンも本発明の一態様である。
【化16】
(式(C−1)〜(C−12)中、Rはそれぞれ独立してヘテロ原子を含んでいてもよい炭素原子数1〜20の炭化水素基を、Rはヘテロ原子を含んでいてもよい炭素原子数1〜20のn価の炭化水素基を、Rはそれぞれ独立してヒドロキシル基、又はヘテロ原子を含んでいてもよい炭素原子数1〜20の炭化水素基を、Rはそれぞれ独立してヘテロ原子を含んでいてもよい炭素原子数1〜20の炭化水素基を、Rはそれぞれ独立してヘテロ原子を含んでいてもよい炭素原子数1〜20の炭化水素基を、nは2〜10の整数を表す。)
なお、R、R、R、R、Rは、「式(a)で表される構造を有するシラノール」、「式(b’)で表される構造を有するアルコキシヒドロシラン」のものと同義である。
式(C−1)〜(C−12)の何れかで表されるオルガノシロキサンの具体例として、例えば、実施例で製造した化合物(3)〜(14)、(16)が挙げられる。
【実施例】
【0026】
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
【0027】
<実施例1>
反応容器にトリエチルシラノール(66.1mg、0.5mmol)とトリエトキシシラン(82.1mg、0.5mmol)、トルエン(1mL)を加え、アルゴン雰囲気下、室温(rt、25℃)で16時間反応させたところ、下記反応式の生成物3が生成していることを確認した。なお、生成物の収率は、フェニルトリメチルシラン(60.1mg、0.4mmol)を内部標準として29Si−NMRを用いて算出した。生成物3の収率は39%(表1参照)であった。
【0028】
<実施例2>
反応温度を50℃に変更した以外、実施例1と同様の方法により、反応を行った。オルガノシロキサン等の収率を表1に示す。
【0029】
<実施例3>
反応温度を80℃に変更した以外、実施例1と同様の方法により、反応を行った。オルガノシロキサン等の収率を表1に示す。
【0030】
<実施例4>
反応温度を100℃に変更した以外、実施例1と同様の方法により、反応を行った。オルガノシロキサン等の収率を表1に示す。
【0031】
<実施例5>
反応温度を100℃に変更し、さらにトリエトキシシラン((EtO)SiH)の使用量を0.7mmolに変更した以外、実施例1と同様の方法により、反応を行った。オルガノシロキサン等の収率を表1に示す。
【0032】
<実施例6>
溶媒をジメチルアセトアミド(DMAc)に変更した以外、実施例1と同様の方法により、反応を行った。オルガノシロキサン等の収率を表1に示す。
【0033】
<比較例1>
溶媒をエタノール(EtOH)に変更した以外、実施例1と同様の方法により、反応を行った。オルガノシロキサン等の収率を表1に示す。
【0034】
【化17】
【0035】
【表1】
【0036】
<実施例7>
【化18】
反応容器にトリエチルシラノール(661mg、5.0mmol)、トリメトキシシラン(1.2g、10.0mmol)、ベンゼン(10mL)を加え、アルゴン雰囲気下、25℃で、16時間反応させた。反応終了後、エヴァポレイターで溶媒等を除去することにより生成物を精製し、化合物の同定をH−NMR、13C−NMR、29Si−NMRおよびGC−MSを用いて行った。化合物(5)の単離収率は75%であった。
1H NMR (600 MHz, benzene-d6): δ 4.59, 3.40, 1.02, 0.61; 13C{1H} NMR (150 MHz, , benzene-d6): δ 49.9, 7.2, 6.8; 29Si{1H} NMR (119 MHz, benzene-d6): δ 13.9, -63.7; GCMS (EI) m/z (relative intensity) 222 (1) [M] +, 193 (100), 191 (5), 131 (1), 107 (12), 31 (2), 29 (9)
【0037】
<実施例8>
【化19】
反応容器にトリエチルシラノール(397mg、3.0mmol)、トリエトキシシラン(986mg、6.0mmol)、ベンゼン(6mL)を加え、アルゴン雰囲気下、25℃で、16時間反応させた。反応終了後、エヴァポレイターで溶媒等を除去することにより生成物を精製し、化合物の同定をH−NMR、13C−NMR、29Si−NMRおよびGC−MSを用いて行った。化合物(3)の単離収率は80%であった。
1H NMR (600 MHz, benzene-d6): δ 4.68, 3.79, 1.15, 1.04, 0.63; 13C{1H} NMR (150 MHz, , benzene-d6): δ 58.4, 18.8, 7.2, 6.8; 29Si{1H} NMR (119 MHz, benzene-d6): δ 13.6, -66.5; GCMS (EI) m/z (relative intensity) 250 (0) [M] +, 235 (3), 221 (100), 205 (4), 135 (13), 119 (16), 45 (3), 29 (24)
【0038】
<実施例9>
【化20】
反応容器にトリフェニルシラノール(276mg、1.0mmol)、トリメトキシシラン(244mg、2.0mmol)、ベンゼン(2mL)を加え、アルゴン雰囲気下、100℃で、16時間反応させた。反応終了後、エヴァポレイターで溶媒等を除去することにより生成物を精製し、化合物の同定をH−NMR、13C−NMR、29Si−NMRおよびGC−MSを用いて行った。化合物(6)の単離収率は93%であった。
1H NMR (600 MHz, benzene-d6): δ 7.77-7.78, 7.17-7.19, 4.74, 3.30; 13C{1H} NMR (150 MHz, benzene-d6): δ 136.0, 135.8 , 130.7, 128.6, 50.1; 29Si{1H} NMR (119 MHz, benzene-d6): δ -17.8, -63.5; GCMS (EI) m/z (relative intensity) 366 (40) [M] +, 335 (2), 289 (100), 259 (27), 107 (12), 91 (84), 77 (15), 31 (1)
【0039】
<実施例10>
【化21】
反応容器にN−Boc−2−(ヒドロキシジメチルシリル)ピロール(241mg、1.0mmol)、トリメトキシシラン(244mg、2.0mmol)、ベンゼン(2mL)を加え、アルゴン雰囲気下、25℃で、16時間反応させた。反応終了後、エヴァポレイターで溶媒等を除去することにより生成物を精製し、化合物の同定をH−NMR、13C−NMR、29Si−NMRおよびGC−MSを用いて行った。化合物(7)の単離収率は90%であった。
1H NMR (600 MHz, benzene-d6): δ 7.34, 6.94-6.95 (m, 1H), 6.22, 4.69, 3.44 (s, 6H), 1.25, 0.65; 13C{1H} NMR (150 MHz, , benzene-d6): δ 150.7, 134.2, 125.5, 124.8, 113.2, 83.8, 49.9, 28.0, 2.1; 29Si{1H} NMR (119 MHz, benzene-d6): δ -7.1, -63.8; GCMS (EI) m/z (relative intensity) 331 (11) [M] +, 274 (4), 258 (12), 230 (16), 166 (7), 165 (22), 56 (100), 31 (2)
【0040】
<実施例11>
【化22】
反応容器に1,4−ビス(ヒドロキシジメチルシリル)ベンゼン(453mg、2.0mmol)、トリメトキシシラン(978mg、8.0mmol)、ベンゼン(16mL)を加え、アルゴン雰囲気下、100℃で、16時間反応させた。反応終了後、エヴァポレイターで溶媒等を除去することにより生成物を精製し、化合物の同定をH−NMR、13C−NMR、29Si−NMRおよびGC−MSを用いて行った。化合物(8)の単離収率は85%であった。
1H NMR (600 MHz, benzene-d6): δ 7.68, 4.58, 3.35, 0.39; 13C{1H} NMR (150 MHz, , benzene-d6): δ 140.8, 133.1, 49.9, 0.9; 29Si{1H} NMR (119 MHz, benzene-d6): δ 0.9, -63.8; GCMS (EI) m/z (relative intensity) 406 (6) [M] +, 391 (100), 315 (4), 299 (5), 165 (39), 91 (5), 76 (1)
【0041】
<実施例12>
【化23】
反応容器に1,4−ビス(ヒドロキシジメチルシリル)ベンゼン(453mg、2.0mmol)、トリエトキシシラン(1.3g、8.0mmol)、ベンゼン(16mL)を加え、アルゴン雰囲気下、100℃で、16時間反応させた。反応終了後、エヴァポレイターで溶媒等を除去することにより生成物を精製し、化合物の同定をH−NMR、13C−NMR、29Si−NMRを用いて行った。化合物(9)の単離収率は78%であった。
1H NMR (600 MHz, benzene-d6): δ 7.72, 3.74, 1.11, 0.42; 13C{1H} NMR (150 MHz, , benzene-d6): δ 141.0, 133.2., 58.6, 18.8, 1.0; 29Si{1H} NMR (119 MHz, benzene-d6): δ 0.5, -66.6
【0042】
<実施例13>
【化24】
反応容器にメチル(フェニル)(3,3,3-トリフルオロプロピル)シラノール(703mg、3.0mmol)、トリメトキシシラン(733mg、6.0mmol)、ベンゼン(6mL)を加え、アルゴン雰囲気下、25℃で、16時間反応させた。反応終了後、エヴァポレイターで溶媒等を除去することにより生成物を精製し、化合物の同定をH−NMR、13C−NMR、29Si−NMRおよびGC−MSを用いて行った。化合物(10)の単離収率は86%であった。
1H NMR (600 MHz, benzene-d6): δ 7.45-7.47, 7.18-7.19, 4.51, 3.29, 1.97-2.06, 0.93-1.02, 0.23; 13C{1H} NMR (150 MHz, , benzene-d6): δ 136.8, 133.7, 130.7, 128.727, 128.725, 49.9, 28.6, 9.6, -1.3; 29Si{1H} NMR (119 MHz, benzene-d6): δ 0.4, -63.2; GCMS (EI) m/z (relative intensity) 323 (0) [M] +, 247 (1), 245 (4), 227(100), 107 (7), 77 (9), 31 (1)
【0043】
<実施例14>
【化25】
反応容器にメチル(フェニル)(3,3,3-トリフルオロプロピル)シラノール(703mg、3.0mmol)、トリエトキシシラン(986mg、6.0mmol)、ベンゼン(6mL)を加え、アルゴン雰囲気下、25℃で、16時間反応させた。反応終了後、エヴァポレイターで溶媒等を除去することにより生成物を精製し、化合物の同定をH−NMR、13C−NMR、29Si−NMRおよびGC−MSを用いて行った。化合物(11)の単離収率は89%であった。
1H NMR (600 MHz, benzene-d6): δ 7.48-7.50, 7.18-7.19, 4.62, 3.68 (q, 4H, J = 7.0 Hz), 2.04-2.09, 1.07, 0.99-1.03, 0.26; 13C{1H} NMR (150 MHz, benzene-d6): δ 136.9, 133.8, 131.5, 128.8, 128.7, 58.6, 28.7, 18.7, 9.7, -1.2; 29Si{1H} NMR (119 MHz, benzene-d6): δ 0.1, -65.9; GCMS (EI) m/z (relative intensity) 352 (0) [M] +, 255 (100), 135 (2), 77 (15), 45 (6), 29 (28)
【0044】
<実施例15>
【化26】
反応容器にメチル(フェニル)(3,3,3-トリフルオロプロピル)シラノール(703mg、3.0mmol)、ジメトキシメチルシラン(637mg、6.0mmol)、ベンゼン(6mL)を加え、アルゴン雰囲気下、100℃で、16時間反応させた。反応終了後、エヴァポレイターで溶媒等を除去することにより生成物を精製し、化合物の同定をH−NMR、13C−NMR、29Si−NMRおよびGC−MSを用いて行った。化合物(12)の単離収率は87%であった。
1H NMR (600 MHz, benzene-d6): δ 7.42-7.43, 7.18-7.19, 4.83, 3.27, 1.94-1.99, 0.93-0.97, 0.19, 0.06; 13C{1H} NMR (150 MHz, benzene-d6): δ 137.0, 133.7, 130.6, 128.712, 128.710, 50.9, 28.7, 18.7, 9.6, -0.8, -1.3; 29Si{1H} NMR (119 MHz, benzene-d6): δ -0.7, -22.5; GCMS (EI) m/z (relative intensity) 308 (0) [M] +, 211 (100), 91 (72), 77 (12), 69 (1), 31 (1)
【0045】
<実施例16>
【化27】
反応容器にメチル(フェニル)(3,3,3-トリフルオロプロピル)シラノール(703mg、3.0mmol)、ジエトキシメチルシラン(806mg、6.0mmol)、ベンゼン(6mL)を加え、アルゴン雰囲気下、100℃で、16時間反応させた。反応終了後、エヴァポレイターで溶媒等を除去することにより生成物を精製し、化合物の同定をH−NMR、13C−NMR、29Si−NMRおよびGC−MSを用いて行った。化合物(13)の単離収率は89%であった。
1H NMR (600 MHz, benzene-d6): δ 7.43-7.44, 7.18-7.19, 4.89, 3.59(m, 2H), 1.96-2.01, 1.06, 0.94-0.98, 0.21, 0.09; 13C{1H} NMR (150 MHz, , benzene-d6): δ 137.1, 133.7, 130.6, 128.73, 128.69, 59.5, 28.7, 18.7, 9.6, -0.4, -1.29; 29Si{1H} NMR (119 MHz, benzene-d6): δ -0.9, -25.0; GCMS (EI) m/z (relative intensity) 322 (0) [M] +, 225 (100), 217 (2), 105 (27), 89 (6), 77 (19), 45 (5), 29 (19)
【0046】
<実施例17>
【化28】
反応容器にtert−ブチルジメチルシラノール(132mg、1.0mmol)、ジエトキシフェニルシラン(196mg、1.0mmol)、ベンゼン(2mL)を加え、アルゴン雰囲気下、100℃で、48時間反応させた。反応終了後、エヴァポレイターで溶媒等を除去することにより生成物を精製し、化合物の同定をH−NMR、13C−NMR、29Si−NMRおよびGC−MSを用いて行った。化合物(14)の単離収率は79%であった。
1H NMR (600 MHz, benzene-d6): δ 7.73-7.75, 7.19-7.22, 5.31, 3.77, 1.14, 0.96, 0.12; 13C{1H} NMR (150 MHz, benzene-d6): δ 135.9, 134.3, 131.0, 128.6, 59.5, 26.2, 18.82, 18.76, -2.6; 29Si{1H} NMR (119 MHz, benzene-d6): δ 14.3, -39.1; GCMS (EI) m/z (relative intensity) 282(0) [M] +, 267 (2), 225 (100), 167 (2), 119 (74), 77 (2), 57 (2), 45 (3)
【0047】
<実施例18>
【化29】
反応容器にジメチルシランジオール(461mg、5.0mmol)、トリメトキシシラン(4.9g、40.0mmol)、ベンゼン(20mL)を加え、アルゴン雰囲気下、25℃で、16時間反応させた。反応終了後、エヴァポレイターで溶媒等を除去することにより生成物を精製し、化合物の同定をH−NMR、13C−NMR、29Si−NMRおよびGC−MSを用いて行った。化合物(15)の単離収率は80%であった。
1H NMR (600 MHz, benzene-d6): δ 4.55, 3.40, 0.22; 13C{1H} NMR (150 MHz, benzene-d6): δ 49.9, 1.0; 29Si{1H} NMR (119 MHz, benzene-d6): δ -17.1, -64.4; GCMS (EI) m/z (relative intensity) 272(5) [M] +, 271 (22), 257 (100), 241 (26), 107 (3), 91 (7), 90 (2), 31 (3)
【0048】
<実施例19>
【化30】
反応容器にメチルフェニルシランジオール(77mg、0.5mmol)、トリメトキシシラン(489mg、4.0mmol)、トルエン(2mL)を加え、アルゴン雰囲気下、25℃で、16時間反応させた。反応終了後、エヴァポレイターで溶媒等を除去することにより生成物を精製し、化合物の同定をH−NMR、13C−NMR、29Si−NMRおよびGC−MSを用いて行った。化合物(16)の単離収率は97%であった。
1H NMR (600 MHz, benzene-d6): δ 7.76-7.79, 7.18-7.22, 4.62, 3.37, 0.47; 13C{1H} NMR (150 MHz, benzene-d6): δ 136.8, 134.0, 130.8, 128.6, 50.0, -0.1; 29Si{1H} NMR (119 MHz, benzene-d6): δ -30.7, -64.3; GCMS (EI) m/z (relative intensity) 334 (22) [M] +, 332 (64), 319 (100), 227 (13), 107 (6), 91 (90), 77 (6), 31 (2)
【0049】
<実施例20>
【化31】
反応容器にジフェニルシランジオール(216mg、1.0mmol)、トリメトキシシラン(978mg、8.0mmol)、ベンゼン(4mL)を加え、アルゴン雰囲気下、100℃で、16時間反応させた。反応終了後、エヴァポレイターで溶媒等を除去することにより生成物を精製し、化合物の同定をH−NMR、13C−NMR、29Si−NMRおよびGC−MSを用いて行った。化合物(17)の単離収率は97%であった。
1H NMR (600 MHz, benzene-d6): δ 7.87-7.89, 7.18-7.19, 4.70, 3.36; 13C{1H} NMR (150 MHz, benzene-d6): δ 135.1, 134.9, 131.1, 128.6, 50.1; 29Si{1H} NMR (119 MHz, benzene-d6): δ -44.4, -64.3; GCMS (EI) m/z (relative intensity) 396 (25) [M] +, 395 (68), 319 (37), 107 (5), 91 (100), 77 (2)
【0050】
<実施例21>
【化32】
反応容器に1,4−ビス(ヒドロキシジメチルシリル)ベンゼン(340mg、1.5mmol)、エトキシジメチルシラン(625mg、6.0mmol)、アセトニトリル(6mL)を加え、アルゴン雰囲気下、100℃で、16時間反応させた。反応終了後、ヘキサンを反応溶液に加え、ヘキサン層を抽出し、エヴァポレイターで溶媒等を除去することにより生成物を精製し、化合物の同定をH−NMR、13C−NMR、ならびに29Si−NMRを用いて行った。化合物(18)の単離収率は55%であった。
1H NMR (600 MHz, benzene-d6): δ7.66, 5.05, 0.36, 0.15; 13C{1H} NMR (150 MHz, benzene-d6): δ141.3, 133.1, 1.3, 1.0; 29Si{1H} NMR (119 MHz, benzene-d6): δ 0.1, -5.0
【0051】
【表2】
【0052】
【表3】
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明の製造方法によって製造されたオルガノシロキサンは、シリコーンオイル、シリコーンゴム、有機無機ハイブリッド素材等の原料として使用することができる。