(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
従来から、土壌の状態を測定することが行われている。例えば、農地における農薬の散布状態等を観測するために、土壌中の塩類濃度が上昇すると、電気伝導度が高くなることから土壌の電気伝導度(Electric Conductivity:EC)等を測定することが行われている。例えば、特許文献1には、土壌中のEC値の分布をリアルタイムで計測することができる土壌用センサが記載されている。
【0003】
また、電気伝導度、静電容量、及びTDR(Time Domain Reflectometry)等は、土壌の体積含水率との間に相関関係があるため、これらを測定することにより、土壌の水分状態を測定することも可能である。
【0004】
そこで、土壌中の体積含水率の経時変化から土砂災害の発生の予測を行うことも試みられている。ここで、電気伝導度や静電容量は土壌のインピーダンスを計測することにより測定することができる。周波数が低い場合には、抵抗成分としての電気伝導度が、周波数が高い場合には静電容量が測定できる。一般的に、電気伝導度は水の中のイオンの量を、静電容量は水分量を測定する場合が多い。
【0005】
しかしながら電気伝導度は土壌中の水分含有量によって変化することから、測定時の土壌の水分含有量を一定にする等、条件を整えて測定することが好ましい。また、土壌中の水分含有量が少ないと、電気伝導度をセンサで正しく測定できない場合がある。
【0006】
そのため、特許文献1では、土壌センサに給水手段を備え、土壌の体積含水率の計測結果に基づいて、給水手段による給水を制御する技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
土壌中の水の流路について考察すると、水は土壌中の空気が存在する間隔部を通り地中深くに流れるが、その際にどの個所でも流れるわけではなく、疎水性の高い部分、言い換えると保水力の低い部分を通って流れている。また、一度流路が形成されると後続の水も当該流路を通過するために、センサの電極部周辺に流路が形成されないと、単に特許文献1に記載の技術のように給水手段を設けただけでは、電気伝導度等を正確に測定することができない。
【0009】
本発明は、測定精度を向上させることができるセンサモジュール、測定システム、及び測定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明のセンサモジュールは、測定対象
である土壌に接触する接触面の全体が親水性を有する筐体と、前記筐体の前記接触面に設けられ、前記測定対象中の水分状態を測定する
ために前記測定対象に埋設されるセンサチップと、を備える。
また、上記目的を達成するために、本発明のセンサモジュールは、測定対象
である土壌に接触する接触面が親水性を有する筐体と、前記筐体の前記接触面に設けられ、前記測定対象中の水分状態を測定する
ために前記測定対象に埋設されるセンサチップと、前記センサチップを、前記筐体の前記接触面から前記測定対象中に突出させる可動部と、を備える。
【0011】
また、本発明の測定システムは、本発明のセンサモジュールと、前記センサモジュールのセンサチップに前記測定対象中の水分状態を測定させる制御を行う制御装置と、を備える。
【0012】
また、本発明の測定方法は、測定対象
である土壌に接触する接触面の全体が親水性を有する筐体と、前記筐体の前記接触面に設けられ、前記測定対象中の水分状態を測定する
ために前記測定対象に埋設されるセンサチップと、を備えた、センサモジュールに対して、前記測定対象の水分状態を測定させる測定指示を出力し、前記センサモジュールにより、前記測定指示に基づいてセンサチップが前記測定対象の水分状態を測定して測定結果を出力する、工程を含む。
また、本発明の測定方法は、測定対象
である土壌に接触する接触面が親水性を有する筐体と、前記筐体の前記接触面に設けられ、前記測定対象中の水分状態を測定する
ために前記測定対象に埋設されるセンサチップと、を備えた、センサモジュールに対して、前記測定対象の水分状態を測定させる測定指示を出力し、前記センサモジュールにより、前記測定指示に基づいてセンサチップが前記測定対象の水分状態を測定して測定結果を出力する工程と、前記測定対象の水分状態を測定する前に、前記センサモジュールのセンサチップを測定対象中に突出させる工程と、を含む。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、測定精度を向上させることができる、という効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下では、図面を参照して、実施形態を詳細に説明する。
【0016】
まず、本実施形態の測定システム1の構成について説明する。
図1に示すように本実施形態の測定システム1は、センサモジュール10及び制御装置20を備える。
【0017】
図1に示すようにセンサモジュール10は、端子部14を介して配線2により制御装置20と接続されており、筐体12の表面に3つのセンサチップ16(16
1〜16
3、以下、個々を区別しない場合は個々を区別するための符号を省略して「センサチップ16」という)が設けられている。なお、センサチップ16の数は、3つに限定されるものではなく、その数は特に限定されるものではない。なお、センサチップ16を複数備える場合、センサチップ16の配置は、
図1に示すように筐体12の長さ方向に対して直線上に並んだ配置としてもよいし、螺旋状に並んだ配置としてもよく、配置の仕方も限定されるものではない。
【0018】
本実施形態のセンサモジュール10では、3つのセンサチップ16が所定の間隔(具体例として20cm間隔等)で筐体12の表面に配置されており、外側に向け突出が可能とされている(詳細後述)。
【0019】
本実施形態のセンサチップ16は、いわゆるマルチモーダルセンサである。本実施形態のセンサチップ16は、土壌の水分状態として、土壌のインピーダンス、温度、及びpHを検出する。そのため、センサチップ16は、インピーダンスを検出するための電極と、pHを測定するための電極とを備える。なお、土壌のインピーダンスを検出することにより、土壌の電気伝導度を測定することができ、pHを検出することにより土壌の酸性度を測定することができる。
【0020】
図2に示すようにセンサモジュール10は、筐体12の内部に、センサチップ16、可動部50、突起部60、基材62、及びコネクタ64を備えている。
【0021】
各センサチップ16は、FPC(Flexible Printed Circuits:フレキシブルプリント基板)等の配線部材66を用いて、基材62に設けられたコネクタ64に電気的に接続されている。
【0022】
可動部50は、可動部材52と、台座56上に設けられた押出部54を備えている。押出部54は、センサチップ16の裏面(土壌と接触しない側の面)に設けられた突起部60に接触している。
【0023】
可動部50は、制御装置20の指示に基づいて、センサチップ16をセンサモジュール10の表面から外部に向けて突出させる。具体的には、
図2(2)に示すように、押出部54が楔形形状を有しているため、可動部材52が矢印A方向に移動すると、押出部54により突起部60及びセンサチップ16が矢印B方向に押し出される。
【0024】
なお、
図2に示した一例では、可動部50が、全てのセンサチップ16を一括してセンサモジュール10の外部へ突出させる場合を示しているが、センサチップ16毎にセンサモジュール10の外部に突出させるようにしてもよい。例えば、
図3に示すように、押出部54(センサチップ16)毎に可動部材52を設け、可動部材52毎に矢印A方向に移動させればよい。また例えば、突起部60と押出部54との間にばね等を設け、当該ばね等を介して突出量や土壌に対する圧力を調整してもよい。
【0025】
この場合、センサチップ16毎に突出量を異ならせることができる。例えば、
図3に示すように各センサチップ16に圧力センサを設け、圧力センサの測定結果に応じて、土壌との密着性(具体的には圧力)が各センサチップ16間で均等になるように、制御装置20が可動部50によりセンサチップ16の突出量を調整してもよい。
【0026】
また例えば、土壌に深く埋設される先端部側のセンサチップ16
1よりも、端子部14側のセンサチップ16
3の方が突出量が多くなるように突出させてもよい。また例えば、上記とは逆に、先端部側のセンサチップ16
1よりも、端子部14側のセンサチップ16
3の方が突出量が少なくなるように突出させてもよい。また、測定対象の土壌の土質や水分量等に応じて、突出量を決定するようにしてもよい。突出量をどのようにするかは、実験等により得られた結果に基づいて定めるようにしてもよい。なお、上記突出量の調整は、制御装置20ではなく、センサモジュール10が行ってもよい。
【0027】
なお、本実施形態のセンサモジュール10は、センサチップ16を表面から外部に突出させるため、センサチップ16と筐体12との隙間から水分等が筐体12の内部に侵入しないように、センサチップ16と筐体12との境界を覆うシール部材等により防水機構を設けることが好ましい。
【0028】
また、本実施形態の筐体12は、円筒形状を有しており、親水性の材料により形成されている。本実施形態では、一例として、筐体12の大きさを、長さが約100cm、及び直径が5cm〜6cmとしている。また、本実施形態では、筐体12を形成する親水性の材料の一例として、グラスファイバ等を用いている。なお、筐体12は、土壌と接する表面が親水性を有していればよく、例えば、疎水性の素材の表面に親水性のコーティング(例えば、親水性シリカ系コーティング等)を施したものであってもよい。
【0029】
筐体12の表面を親水性とした場合、
図4に模式図を示したように、筐体12の表面が周囲の土壌と同様の状態となり、土壌粒子と筐体12の表面との間に水が留まり、筐体12の表面全体に拡散するように水が流れる。
図5は、透明なチューブ90の中に砂を充填し、当該砂中に本実施形態のセンサモジュール10を埋設した状態で、チューブ90の上部から水を注いだ場合の親水状況を模式的に示している。
図5に示すように、本実施形態のセンサモジュール10を埋設した場合、チューブ90の側壁にそって、ゆっくりと水が下方向に流れていく。
【0030】
一方、比較例として
図6には、筐体112の表面が疎水性の場合のセンサモジュール100における、筐体112の表面における水の流れについて説明する模式図を示す。
図6に示すように、筐体112の表面が疎水性の場合、水が界面を伝わって流れることにより流路を形成し、当該流路に沿って水が流れるようになる。そのため、流路以外の筐体112の表面には、水が流れず、センサチップ16の表面が乾いた状態になる場合がある。このように、筐体112の表面が疎水性の場合、センサチップ16の周囲の環境が、実際の測定対象である土壌中の環境と異なった状態になることがある。
図7は、上記
図5に示した場合と同様に、透明なチューブ90の中に砂を充填し、当該砂中に比較例のセンサモジュール100を埋設した状態で、チューブ90の上部から水を注いだ場合の親水状況を模式的に示している。
図7に示すように、比較例のセンサモジュール100を埋設した場合、流路が形成された場所を通過して水が下方向に流れていくため、チューブ90の下部に水が溜まっていってしまう。
【0031】
このように、本実施形態のセンサモジュール10では、筐体12の表面を親水性としたことにより、センサモジュール10の表面の保水力を高めることができるため、センサチップ16が設けられた場所以外の流れる水がそのまま下方向に流れずに、筐体12の表面に拡散するように流れる。その結果、筐体12全面に水がいきわたりセンサチップ16近傍の水分量を測定毎に一定とすることができ、測定結果が大きく変動することを防止できる。
【0032】
一方、
図1に示すように、制御装置20は、測定部22、制御部24、記憶部26、表示部28、及び通信部30を備えている。
【0033】
制御部24は、制御装置20の全体的な動作を司る。制御部24は、具体的には、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)等により構成されている。測定部22は、制御部24の指示により、センサモジュール10に土壌の水分状態の測定を行わせる。センサモジュール10から出力された測定結果は、配線2を介して制御装置20に入力され、記憶部26に記憶される。記憶部26は、フラッシュメモリ等の不揮発性の記憶部である。
【0034】
また、センサモジュール10のセンサチップ16によるインピーダンスの測定は、温度による影響を受けるため、本実施形態では、制御装置20の記憶部26には、温度毎の補正値が記憶されている。測定部22は、センサチップ16が検出した温度に対応する補正値を用いて、センサチップ16が検出したインピーダンスの補正を行うことで、より正確に土壌のインピーダンスを検出し、電気伝導度を測定することができる。電気伝導から土壌中の体積含水率を導出することができるため、より正確に土壌中の体積含水率を導出することができるようになる。これにより、例えば、土砂災害の発生予測の精度を向上させることが可能となる。なお、当該補正は、センサモジュール10に記憶部を設けて補正値を記憶させておき、センサモジュール10内で当該記憶部から読み出した補正値に基づいて補正を行い、補正後の測定結果を出力するようにしてもよい。
【0035】
なお、電気伝導から土壌中の体積含水率を導出する方法は特に限定されない。例えば、センサチップ16が備える1対の電極の位相変化θによりイオン濃度を特定し、特定されたイオン濃度を基準にして、測定された電気伝導度より土壌の水分量を特定する方法(例えば、国際公開2011/158812号)が挙げられる。また例えば、2点間の電磁波の伝播速度から、その間の水分量を求めるTDR法(例えば、特開平10−62368号公報参照)や、土壌の静電容量を測定する方法(例えば、特開2001−21517号公報参照)等が挙げられる。
【0036】
上記と同様に土壌中のpHを検出し、その値を観測することで、より正確に土壌中の水分の変化を捉えることができる。そのため、急激な水の置換や地下水の上昇等の兆候を知ることができ。本実施形態の測定システム1では、このように土砂災害の発生予測を多角的にとらえることができる。
【0037】
土壌中のpHを測定する方法も特に限定されない。例えば、センサチップ16が、参照電極及びpH感応膜を有する場合、土壌中の水素イオン濃度に応じて当該参照電極とpH感応膜との間の電圧変化に応じてセンサチップ16を流れる電流が変化するので、その変化を電圧変化に変換して検出することによりpHを検出する方法が挙げられる。
【0038】
表示部28は、測定に関する情報や、センサモジュール10自身に関する情報等を表示するものであり、具体例としては、液晶ディスプレイ等が挙げられる。通信部30は、ネットワーク3を介して外部の管理装置40と通信を行うためのものであり、いわゆる通信インターフェースである。
【0039】
なお、本実施形態の測定システム1では、センサモジュール10及び制御装置20は隣接した位置に設けられている。具体例としては、制御装置20は、測定対処の土壌中に埋設されたセンサモジュール10と数10cm〜数m離れた位置に設けられる。一方、管理装置40は、センサモジュール10及び制御装置20から離れた場所に設けられていてもよい。
【0040】
次に、本実施形態の測定システム1による土壌の水分状態の測定方法を説明する。
図8には、本実施形態の測定システム1における水分状態の測定の流れの一例を表すフローチャートを示す。
【0041】
図8に示すように、まず、ステップS100でセンサモジュール10を土壌中に埋設する。センサモジュール10を土壌に埋設するにあたっては、まずドリル等で地面に開口部を形成する。その際に開口部の径は、センサモジュール10の径とほぼ同じ若しくは、センサモジュール10の系よりも小さくなるように開口を行う。具体的に、どの程度の径とするかは、土質に基づいて決定することができる。一例として、土壌の土質が硬質の場合、開口部の径とセンサ本体の径とをほぼ同じ径とする。一方、土質が軟質の場合、開口部から下方に掘り進めていくにあたって、上側の径が広がっていく傾向にある。この場合、センサモジュール10の端子部14側に設けたセンサチップ16の土壌との密接性が低下する可能性があるため、開口部側の径を小さくすることが好ましい。そのため、土質が軟質の場合は、例えば開口部の径をセンサ本体の径よりも10%程度小さくする。
【0042】
開口部から下方に掘り進めてボーリングした穴にセンサモジュール10を挿入し、土壌中に埋設する。
【0043】
次のステップS102では、センサチップ16を土壌中に突出させる。本実施形態では、制御装置20から出力された指示に基づいて、センサモジュール10の可動部50が上述のように、センサチップ16を土壌中に突出させる。
【0044】
なお、センサチップ16を突出させる前と突出させた後で測定を行い、突出前後の測定結果を比較することにより、センサチップ16の土壌への接触具合を評価し、突出量を調整することが好ましい。
【0045】
次のステップS104では、制御装置20の制御部24が測定タイミングであるか否かを判定する。測定タイミングは特に限定されない。測定タイミングは、例えば、1日1回や、24時間毎等、予め定められた所定のタイミングとしてもよい。また例えば、管理装置40等から、測定の指示を受信した場合であってもよい。
【0046】
測定タイミングではない場合(ステップS104のN)、待機状態となる。一方、測定タイミングの場合(ステップS104のY)、次のステップS106では、土壌中の水分状態を測定し、制御装置20の記憶部26に記憶する。具体的には、上述したように制御装置20の指示に応じてセンサモジュール10がセンサチップ16を用いて土壌中の水分状態の測定を行い、測定結果を制御装置20に出力する。
【0047】
制御装置20は、受信した測定結果に対して、上述したように記憶部26に記憶されている補正値を用いて補正を行い、補正した測定結果から土壌中の体積含水率を求めて、体積含水率を測定結果として記憶部26に記憶させる。
【0048】
次のステップS108では、制御装置20の制御部24が測定結果(体積含水率)を管理装置40に送信するか否かを判定する。管理装置40に測定結果を送信するタイミングは特に限定されない。例えば、体積含水率を求める毎に、管理装置40に送信してもよい。また例えば、3日に1回や、72時間毎等、予め定められた所定のタイミングであってもよい。
【0049】
測定結果を送信するタイミングではない場合(ステップS108のN)、ステップS112へ移行する。一方、測定結果を送信するタイミングの場合(ステップS108のY)、次のステップS110では、測定結果を管理装置40に送信する。
【0050】
管理装置40では、制御装置20から土壌の体積含水率を元に、土砂災害の起こる確率や危険度等を総合的に判断し、各種警報や指示を行う指標として用いることができる。なお、上記判断結果を管理装置40等に接続されるディスプレイ等の表示装置に表示させるようにしてもよいし、携帯端末装置やパソコン等、他の装置に送信するようにしてもよい。
【0051】
測定を繰り返す場合(ステップS112でN)は、上記ステップS104〜S110の工程を繰り返す。一方、センサモジュール10を土壌中から取り出す場合等は、ステップS112で肯定判定となり、本実施形態の測定システム1による測定が終了する。
【0052】
以上説明したように本実施形態のセンサモジュール10は、測定対象である土壌に接触する接触面が親水性を有する筐体12と、筐体12の接触面に設けられ、土壌中の水分状態を測定するセンサチップ16と、を備える。
【0053】
本実施形態のセンサモジュール10では、筐体12の土壌と接触する表面を親水性としたため、上述のように、センサモジュール10の表面の保水力を高めることができる。これにより、筐体12全面に水がいきわたりセンサチップ16近傍の水分量を測定毎に一定とすることができ、測定結果が大きく変動することを防止できる。
【0054】
従って、本実施形態のセンサモジュール10によれば、測定精度を向上させることができる。
【0055】
また、本実施形態のセンサモジュール10によれば、可動部50によりセンサチップ16を筐体12の表面から土壌中に突出させるため、土壌との密接性が高まることで観測精度を向上させることが可能となる。
【0056】
また、本実施形態のセンサモジュール10では、土壌中の水分状態を検出するためのセンサを半導体チップであるセンサチップ16としたことにより、小型化が実現でき、直径の小さな筐体12において高機能な計測素子を任意の位置に形成できる。また、センサチップ16を用いることにより、比較的小面積な領域に温度センサ並びにpHセンサも配置することができるため、より高精度の測定が可能となる。
【0057】
なお、本実施形態では、測定システム1を土砂災害の監視に適用する場合を例として説明したが、測定システム1の適用範囲は特に限定されるものではない。例えば、農地のイオン状態を監視し、適切な農薬散布量を求める等、農地の監視に適用することも可能である。
【0058】
また、本実施形態では、測定対象が土壌である場合について説明したが、測定対象は特に限定されるものではない。
【0059】
また、本実施形態のセンサモジュール10は、測定結果を制御装置20に出力していたが、これに限らず、例えば、センサモジュール10が通信インターフェースを備え、管理装置40に直接、測定結果を出力するようにしてもよい。
【0060】
また、本実施形態では、センサモジュール10の筐体12の形状が円筒形状である場合について説明したが、筐体12の形状は特に限定されない。例えば、土壌中に埋設する場合、上述したように土壌の開口部から下方に掘り進めていくにあたって、上側の径が広がっていく傾向に対応するために、筐体12の形状を先端部側に行くにしたがって小径となるような円錐形状としてもよい。
【0061】
また、本実施形態では、センサチップ16が、土壌中のインピーダンス、pH、及び温度を検出する場合について説明したが、これらに限らず、その他の土壌中の水分の状態に関する検出を行ってもよい。また、センサモジュール10は、その他のセンサ等を備えていてもよい。その他のセンサ等としては、例えば、雨量計、圧力センサ、加速度センサ、及びGPS(Global Positioning System)等が挙げられる。
【0062】
また、本実施形態では、制御装置20の指示に応じて、センサモジュール10の可動部50がセンサチップ16を筐体12の表面から土壌中に突出させていたが、突出方法はこれに限らない。例えば、手動で可動部材52を移動させてセンサチップ16を突出させるようにしてもよい。
【0063】
また、その他の上記各実施の形態で説明した測定システム1、センサモジュール10、及び制御装置20等の構成、動作、及び測定方法等は一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において状況に応じて変更可能であることはいうまでもない。