【実施例1】
【0012】
図1は、本発明に係るインタフェース回路を含む表示装置100の構成を示すブロック図である。
図1に示すように表示装置100は、表示制御部11、走査ドライバ12、ソースドライバ13及び表示デバイス20を有する。
【0013】
表示デバイス20は、例えば液晶表示パネル又は有機EL(electro luminescence)パネル等からなる画像表示デバイスである。表示デバイス20には、2次元画面の水平方向に伸張するm個(mは2以上の自然数)の水平走査ラインS1〜Smと、2次元画面の垂直方向に伸張するn個(nは2以上の自然数)のソースラインD1〜Dnとが形成されている。水平走査ライン及びソースラインの各交叉部の領域、つまり
図1において破線にて囲まれた領域には、画素を担う表示セルが形成されている。
【0014】
表示制御部11は、例えばタイミングコントローラ(TCON)等から構成され、ソースドライバ13に映像データ信号VD、クロック信号CLK及びライン開始信号LSを供給することにより、液晶表示パネルにおける画像の表示タイミングを制御する制御装置である。表示制御部11は、例えばmini−LVDS(mini-Low Voltage Differential Signaling)等の差動信号方式により、映像データ信号VDの伝送を行う。
【0015】
表示制御部11は、入力映像信号VSに基づき各画素の輝度レベルを例えば6ビットの輝度階調で表す画素データPDの系列を生成し、この画素データPDの系列を含む映像データ信号VDをソースドライバ13に供給する。以下の説明では、映像データ信号VDが、入力データ信号LV0、LV1及びLV2からなる例について説明する。なお、入力データ信号LV0、LV1及びLV2は、クロック信号CLKのクロック周期に応じて信号レベルが論理レベル1及び論理レベル0の間でレベル変化する信号であり、mini−LVDS方式によって伝送される差動信号である。以下の説明では、論理レベル1のことをハイレベル(H)、論理レベル0のことをローレベル(L)と称する。
【0016】
また、表示制御部11は、クロック信号CLKと、各水平走査ラインに対応したn個の画素データPDの系列の区切りとなる位置(例えば先頭位置)を示すライン開始信号LSと、をソースドライバ13に供給する。
【0017】
更に、表示制御部11は、入力映像信号VSから水平同期信号を検出しこれを走査ドライバ12に供給する。
【0018】
走査ドライバ12は、表示制御部11から供給された水平同期信号に同期させて、水平走査パルスを生成し、これを表示デバイス20の走査ラインS1〜Sm各々に順次、択一的に印加する。
【0019】
ソースドライバ13は、映像データ信号VD、ライン開始信号LS及びクロック信号CLKに基づき、1水平走査ライン毎にn個の画像駆動電圧G1〜Gnを生成し、表示デバイス20のソースラインD1〜Dnに印加する。また、ソースドライバ13は、ソースドライバ13の内部における異常を検出し、検出結果を示す異常検出信号ERRを生成して表示制御部11に供給する。
【0020】
図2は、ソースドライバ13の内部構成を示すブロック図である。
図3に示すように、ソースドライバ13は、ラッチ部131、階調電圧変換部132、出力部133、及びインタフェース回路14を含む。
【0021】
ラッチ部131は、表示制御部11からインタフェース回路14を介して供給された映像データ信号VDに含まれる画素データPDの系列を順次取り込む。ラッチ部131は、
ライン開始信号LSに応じて1水平走査ライン分(n個)の画素データPDの取り込みが為される度に、n個の画素データPDを画素データQ1〜Qnとして階調電圧変換部132に供給する。
【0022】
階調電圧変換部132は、画素データQ1〜Qnの各々を、その画素データQによって表される輝度階調に対応した電圧値を有する正極性及び負極性の階調電圧A1〜Anに変換する。
【0023】
出力部133は、階調電圧A1〜Anを夫々個別に利得1で増幅した電圧を画素駆動電圧G1〜Gnとして生成して、表示デバイス20のソースラインD1〜Dnに夫々供給する。
【0024】
インタフェース回路14は、表示制御部11から映像データ信号VD、クロック信号CLK及びライン開始信号LSの供給を受け、これらの信号に示されるタイミングで映像データ信号VDをラッチ部131に供給する。また、インタフェース回路14は、ソースドライバ13における異常を検出し、検出結果を示す異常検出信号ERRを表示制御部11に出力する。
【0025】
図3は、インタフェース回路14の構成を示すブロック図である。インタフェース回路14は、データ制御ブロック15及び異常検出ブロック16から構成される。
【0026】
データ制御ブロック15は、コントロール信号入力モード検知回路151及び入力データ制御回路152を有する。また、データ制御ブロック15は入力端子T1、T2、T3及びT4を有し、クロック信号CLK及び入力データ信号LV0〜LV2の入力を受ける。入力端子T1、T2、T3及びT4は、夫々データ信号ライン(図示せず)により表示制御部11に接続されている。
【0027】
コントロール信号入力モード検知回路151は、ライン開始信号LS、クロック信号CLK及び入力データ信号LV0に基づいて、ラッチ回路131への入力データLV0、LV1及びLV1の供給を行うデータ入力モードの期間(データ入力期間)と、ラッチ回路131への入力データLV0、LV1及びLV2の供給を行わず入力データ信号以外の制御信号(コントロール信号)の入力を行うコントロール信号入力モードの期間(データ非入力期間)とを検知する。例えば、コントロール信号入力モード検知回路151は、入力データ信号LV0の信号レベルが2クロック期間の間論理レベル1となり、続くクロック期間で論理レベル0となった場合(すなわち、H→H→Lへと3クロック期間に亘って変化した場合)に、コントロール信号入力モードからデータ入力モードに切り替わったことを検知する。
【0028】
コントロール信号入力モード検知回路151は、コントロール信号入力モードであるか否かを信号レベルによって示すコントロールモード信号CTMを生成し、入力データ制御回路152及び異常検出セレクト回路168に供給する。このコントロールモード信号CTMは、コントロール信号入力モードの期間とデータ入力モードの期間との切り替えのタイミングを信号レベルの変化によって示すタイミング信号としての性質を有する。
【0029】
入力データ制御回路152は、データ入力モードの期間において、入力データ信号LV0、LV1及びLV2をラッチ回路131に供給する。
【0030】
入力端子T1に入力されたクロック信号CLKは、コントロール信号入力モード検知回路151及び入力データ制御回路152に供給される。入力端子T2に入力された入力データ信号LV0は、コントロール信号入力モード検知回路151、入力データ制御回路152及び異常検出セレクト回路168に供給される。入力端子T3及びT4に入力された入力データ信号LV1及びLV2は、入力データ制御回路152及び異常検出セレクト回路168に供給される。
【0031】
異常検出ブロック16は、第1異常検出回路161、第2異常検出回路162、第3異常検出回路163、第4異常検出回路164、第5異常検出回路165、第6異常検出回路166及び第7異常検出回路167(以下、これらをまとめて第1〜第7異常検出回路161〜167と称する)と、異常検出セレクト回路168とを有する。
【0032】
第1〜第7異常検出回路161〜167は、ソースドライバ13内における温度異常、電圧異常、極性反転の異常等の異常状態を検出する。なお、第1〜第7異常検出回路161〜167は、夫々異なる種類の異常を検出する。第1〜第7異常検出回路161〜167は、各々の異常検出の結果を示す検出結果信号ER1〜ER7を異常検出セレクト回路168に供給する。
【0033】
異常検出セレクト回路168は、データ制御ブロック15から供給されたコントロールモード信号CTM、入力データ信号LV0、LV1及びLV2に基づいて第1〜第7異常検出回路161〜167のうちの1つを異なるクロックタイミングで選択し、選択した異常検出回路の検出結果信号を異常検出信号ERRとして出力する。
【0034】
次に、データ制御ブロック15及び異常検出ブロック16の動作について、
図4のタイムチャートを参照して説明する。なお、コントロールモード信号CTMは、コントロール信号入力モードの期間においてハイレベル(H)、データ入力モードの期間においてローレベル(L)の信号レベルを有する信号である。また、異常検出信号ERRは、異常が検出されない正常な状態ではハイレベル(H)、異常が検出された場合にはローレベル(L)の信号レベルを有する信号である。
【0035】
コントロール信号入力モード検知回路151は、ライン開始信号LSが立ち上がるタイミングに合わせて信号レベルがハイレベル(H)となるコントロールモード信号CTMを生成し、入力データ制御回路152及び異常検出セレクト回路168に供給する。コントロールモード信号CTMがハイレベル(H)の期間はコントロール信号入力モードの期間(すなわち、データ非入力期間)であるため、入力データ制御回路152はラッチ部131への入力データ信号LV0、LV1及びLV2の供給を行わない。一方、異常検出セレクト回路168は、当該期間において第1〜第7異常検出回路161〜167の選択及び検出結果の出力を行う。
【0036】
入力データ信号LV0、LV1及びLV2の信号レベルがいずれもローレベル(L)の場合、異常検出セレクト回路168は第1〜第7異常検出回路161〜167をいずれも選択せず、ハイレベル(H)の異常検出信号ERRを出力する。
【0037】
入力データ信号LV0及びLV2がローレベル(L)、入力データ信号LV1がハイレベル(H)となった場合、異常検出セレクト回路168は、第1異常検出回路161を選択する。異常検出セレクト回路168は、第1異常検出回路161から供給された検出結果信号ER1に応じて、異常が検出された場合にはローレベル(L)、検出されなかった場合にはハイレベル(H)の信号レベルを有する異常検出信号ERRを出力する。
【0038】
入力データ信号LV0及びLV1がローレベル(L)、入力データ信号LV2がハイレベル(H)となった場合、異常検出セレクト回路168は、第2異常検出回路162を選択する。異常検出セレクト回路168は、第2異常検出回路162から供給された検出結果信号ER2に応じて、異常が検出された場合にはローレベル(L)、検出されなかった場合にはハイレベル(H)の信号レベルを有する異常検出信号ERRを出力する。
【0039】
入力データ信号LV0がローレベル(L)、入力データ信号LV1及びLV2がハイレベル(H)となった場合、異常検出セレクト回路168は、第3異常検出回路163を選択する。異常検出セレクト回路168は、第3異常検出回路163から供給された検出結果信号ER3に応じて、異常が検出された場合にはローレベル(L)、検出されなかった場合にはハイレベル(H)の信号レベルを有する異常検出信号ERRを出力する。
【0040】
入力データ信号LV0がハイレベル(H)、入力データ信号LV1及びLV2がローレベル(L)となった場合、異常検出セレクト回路168は、第4異常検出回路164を選択する。異常検出セレクト回路168は、第4異常検出回路164から供給された検出結果信号ER4に応じて、異常が検出された場合にはローレベル(L)、検出されなかった場合にはハイレベル(H)の信号レベルを有する異常検出信号ERRを出力する。
【0041】
入力データ信号LV0及びLV1がハイレベル(H)、入力データ信号LV2がローレベル(L)となった場合、異常検出セレクト回路168は、第5異常検出回路165を選択する。異常検出セレクト回路168は、第5異常検出回路165から供給された検出結果信号ER5に応じて、異常が検出された場合にはローレベル(L)、検出されなかった場合にはハイレベル(H)の信号レベルを有する異常検出信号ERRを出力する。
【0042】
入力データ信号LV0及びLV2がハイレベル(H)、入力データ信号LV1がローレベル(L)となった場合、異常検出セレクト回路168は、第6異常検出回路166を選択する。異常検出セレクト回路168は、第6異常検出回路166から供給された検出結果信号ER6に応じて、異常が検出された場合にはローレベル(L)、検出されなかった場合にはハイレベル(H)の信号レベルを有する異常検出信号ERRを出力する。
【0043】
入力データ信号LV0、LV1及びLV2がいずれもハイレベル(H)となった場合、異常検出セレクト回路168は、第7異常検出回路167を選択する。異常検出セレクト回路168は、第7異常検出回路167から供給された検出結果信号ER7に応じて、異常が検出された場合にはローレベル(L)、検出されなかった場合にはハイレベル(H)の信号レベルを有する異常検出信号ERRを出力する。
【0044】
その後、入力データ信号LV0がローレベル(L)になると、入力データ信号LV0の3クロック期間に亘る信号レベルの変化がH→H→Lであることから、コントロール信号入力モード検知回路151は、コントロール信号入力モードからデータ入力モードに移行したことを検知し、コントロールモード信号CTMの信号レベルをローレベル(L)に変化させる。
【0045】
ローレベル(L)のコントロールモード信号CTMの供給を受け、異常検出セレクト回路168は、異常検出回路の選択を停止する。異常検出セレクト回路168は、信号レベルがハイレベル(H)に固定された異常検出信号ERRを出力する。
【0046】
入力データ制御回路152は、コントロールモード信号CTMの信号レベルがローレベル(L)に変化したことを受け、入力データ信号LV0、LV1及びLV2のラッチ回路131への供給を開始する。
【0047】
以上のように、本発明のインタフェース回路14では、異常検出セレクト回路168が入力データ信号LV0、LV1及びLV1に基づいて第1〜第7異常検出回路161〜167を選択し、選択した異常検出回路の検出結果を出力する。従って、入力データ信号LV0、LV1及びLV2とは別に異常検出回路を選択するための選択信号の供給を受ける必要がないため、入力端子T1、T2、T3及びT4以外に選択信号のための入力端子を別途設ける必要がない。よって、本発明のインタフェース回路14によれば、入力端子を追加することなく複数の異常検出回路による検出結果を出力することが可能となる。
【実施例2】
【0048】
本実施例のインタフェース回路24は、ドライバ13内で発生した異常を検出して出力することに加えて、表示制御部11とインタフェース回路24との間で入力データ信号LV0〜LV2が伝送されるデータ信号線(図示せず)に断線が発生している場合にこれを検出することが可能に構成されている。
【0049】
図5は、本実施例のインタフェース回路24の構成を示すブロック図である。インタフェース回路24は、データ制御ブロック25及び異常検出ブロック26から構成される。
【0050】
データ制御ブロック25は、コントロール信号入力モード検知回路251及び入力データ制御回路252を有する。また、データ制御ブロック25は入力端子T1、T2、T3及びT4を有し、クロック信号CLK及び入力データ信号LV0〜LV2の入力を受ける。入力端子T1、T2、T3及びT4は、夫々データ信号ラインにより表示制御部11に接続されている。
【0051】
コントロール信号入力モード検知回路251は、実施例1のコントロール信号入力モード検知回路151と同様、ライン開始信号LS、クロック信号CLK及び入力データ信号LV0に基づいてコントロール信号入力モードの期間であるかデータ入力モードの期間であるかを検知し、コントロール信号入力モードであるか否かを信号レベルによって示すコントロールモード信号CTMを生成し、入力データ制御回路252及び異常検出セレクト回路265に供給する。
【0052】
入力データ制御回路252は、データ入力モードの期間において、入力データ信号LV0、LV1及びLV2をラッチ回路131に供給する。
【0053】
入力端子T1に入力されたクロック信号CLKは、コントロール信号入力モード検知回路251及び入力データ制御回路252に供給される。入力端子T2に入力された入力データ信号LV0は、コントロール信号入力モード検知回路251、入力データ制御回路252、異常検出セレクト回路268及びNAND回路264に供給される。入力端子T3及びT4に入力された入力データ信号LV1及びLV2は、入力データ制御回路252、異常検出セレクト回路265及びNAND回路264に供給される。
【0054】
異常検出ブロック26は、第1異常検出回路261、第2異常検出回路262及び第3異常検出回路263(以下、これらをまとめて第1〜第3異常検出回路261〜263と称する)と、NAND回路264と、異常検出セレクト回路265とを有する。
【0055】
第1〜第3異常検出回路261〜263は、ソースドライバ13内における温度異常、電圧異常、極性反転の異常等の異常状態を検出する。なお、第1〜第3異常検出回路261〜263は、夫々異なる種類の異常を検出する。第1〜第3異常検出回路261〜263は、各々の異常検出の結果を示す検出結果信号ER1〜ER3を異常検出セレクト回路265に供給する。
【0056】
NAND回路264は、入力データ信号LV0、LV1及びLV2の否定論理積である否定論理積信号NDSを出力し、異常検出セレクト回路265に供給する。例えば、入力データ信号LV0、LV1及びLV2のいずれかがローレベル(L)である場合、ハイレベル(H)の否定論理積信号NDSを出力する。一方、入力データ信号LV0、LV1及びLV2がいずれもハイレベル(H)である場合、ローレベル(L)の否定論理積信号NDSを出力する。
【0057】
異常検出セレクト回路265は、データ制御ブロック25から供給されたコントロールモード信号CTM、入力データ信号LV0、LV1及びLV2に基づいて第1〜第3異常検出回路261〜263のうちの1つを異なるクロックタイミングで選択し、選択した異常検出回路の検出結果信号を異常検出信号ERRとして出力する。
【0058】
また、異常検出セレクト回路265は、コントロール信号入力モードの期間内で且つ第1〜第3異常検出回路261〜263がいずれも非選択であるタイミングにおいて、NAND回路264から供給された否定論理積信号NDSに応じた信号レベルを有する信号を異常検出信号ERRとして出力する。以下の説明では、この場合における異常検出信号ERRを、NAND出力に応じた異常検出信号ERRと称する。
【0059】
NAND出力に応じた異常検出信号ERRは、表示制御部11と入力端子T2、T3及びT4との間を接続するデータ信号線に断線が発生しているか否かを判定するための判定基準として機能する。すなわち、データ信号線に断線が発生している場合、表示制御部11が出力した信号の信号レベルの如何に関わらず、入力端子T2、T3及びT4に入力される入力データ信号の信号レベルが、ハイレベル(H)又はローレベル(L)に固定される。このため、表示制御部11が出力した信号から想定される異常検出信号ERRの信号レベルと実際に入力端子に入力された信号に基づく異常検出信号ERRの信号レベルとを比較することにより、表示制御部11と入力端子T2、T3及びT4との間を接続するデータ信号線に断線が発生しているか否かを検知することが可能となる。
【0060】
例えば、表示制御部11からハイレベル(H)の入力データ信号LV0及びLV1とローレベル(L)の入力データ信号LV2とが出力され、表示制御部11と入力端子T4との間のデータ信号線に断線が発生して入力データ信号LV2の信号レベルがハイレベル(H)に固定された場合、入力端子T2、T3及びT4には、いずれもハイレベル(H)の入力データ信号LV0、LV1及びLV2が入力される。従って、断線がない場合にはハイレベルの信号2つとローレベルの信号1つがNAND回路264に供給されることにより異常検出信号ERRがハイレベル(H)となることが想定されるところ、実際には断線によりいずれもハイレベル(H)の信号3つがNAND回路264に供給され、異常検出信号ERRはローレベル(L)となる。
【0061】
次に、データ制御ブロック25及び異常検出ブロック26の動作について、
図6のタイムチャートを参照して説明する。
【0062】
コントロール信号入力モード検知回路251は、ライン開始信号LSが立ち上がるタイミングに合わせて信号レベルがハイレベル(H)となるコントロールモード信号CTMを生成し、入力データ制御回路252及び異常検出セレクト回路265に供給する。コントロールモード信号CTMがハイレベルであるコントロール信号入力モードの期間において、入力データ制御回路152はラッチ部131への入力データ信号LV0、LV1及びLV2の供給を停止する。一方、異常検出セレクト回路265は、当該期間において第1〜第3異常検出回路261〜263の選択及び検出結果の出力を行う。
【0063】
入力データ信号LV0、LV1及びLV2の信号レベルがいずれもローレベル(L)の場合、異常検出セレクト回路265は第1〜第3異常検出回路261〜263をいずれも選択せず、ハイレベル(H)の異常検出信号ERRを出力する。
【0064】
入力データ信号LV0及びLV2がローレベル(L)、入力データ信号LV1がハイレベル(H)となった場合、異常検出セレクト回路265は、第1異常検出回路261を選択する。異常検出セレクト回路265は、第1異常検出回路261から供給された検出結果信号ER1に応じて、異常が検出された場合にはローレベル(L)、検出されなかった場合にはハイレベル(H)の信号レベルを有する異常検出信号ERRを出力する。
【0065】
入力データ信号LV0及びLV1がローレベル(L)、入力データ信号LV2がハイレベル(H)となった場合、異常検出セレクト回路265は、第2異常検出回路262を選択する。異常検出セレクト回路265は、第2異常検出回路262から供給された検出結果信号ER2に応じて、異常が検出された場合にはローレベル(L)、検出されなかった場合にはハイレベル(H)の信号レベルを有する異常検出信号ERRを出力する。
【0066】
入力データ信号LV0がローレベル(L)、入力データ信号LV1及びLV2がハイレベル(H)となった場合、異常検出セレクト回路265は、第3異常検出回路263を選択する。異常検出セレクト回路265は、第3異常検出回路263から供給された検出結果信号ER3に応じて、異常が検出された場合にはローレベル(L)、検出されなかった場合にはハイレベル(H)の信号レベルを有する異常検出信号ERRを出力する。
【0067】
第1〜第3異常検出回路261〜263による異常検出結果の出力が終わると、異常検出セレクト回路265は異常検出回路の選択を停止し、第1〜第3異常検出回路261〜263による検出結果の代わりに、NAND出力に応じた異常検出信号ERRを出力する。異常検出セレクト回路265は、第1〜第3異常検出回路261〜263の異常検出結果の出力が終わってからデータ入力モードに移行するまでの間(
図6に「データ異常検知」として示す期間)、NAND出力に応じた異常検出信号ERRを出力する。
【0068】
図6は、表示制御部11とインタフェース回路24との間のデータ信号線に断線が発生していない場合(すなわち、正常な状態である場合)の信号出力を示している。入力データ信号LV0がハイレベル(H)で且つLV1及びLV2がローレベル(L)の場合、否定論理積信号NDSはハイレベル(H)となるため、異常検出セレクト回路265は、ハイレベル(H)の異常検出信号ERRを出力する。同様に、入力データ信号LV0及びLV1がハイレベル(H)で且つLV2がローレベル(L)の場合や、入力データ信号LV0及びLV2がハイレベル(H)で且つLV1がローレベル(L)の場合にも、否定論理積信号NDSはハイレベル(H)となるため、異常検出セレクト回路265は、ハイレベル(H)の異常検出信号ERRを出力する。一方、入力データ信号LV0、LV1及びLV2がいずれもハイレベル(H)の場合、否定論理積信号NDSはローレベル(L)となるため、異常検出セレクト回路265は、ローレベル(L)の異常検出信号ERRを出力する。
【0069】
これに対し、表示制御部11とインタフェース回路24との間のデータ信号線に断線が発生している場合、上記とは異なる信号レベルの異常検出信号ERRが出力される。例えば、表示制御部11と入力端子T4との間のデータ信号線が断線し、入力データ信号LV2がハイレベル(H)に固定されてしまっている場合、本来は入力データ信号LV0及びLV1がハイレベル(H)で且つLV2がローレベル(L)となるべきタイミングで、NAND回路264にはいずれもハイレベル(H)の信号が供給される。従って、否定論理積信号NDSはローレベル(L)となり、ローレベル(L)の異常検出信号ERRが出力される。
【0070】
同様に、表示制御部11と入力端子T3との間のデータ信号線が断線し、入力データ信号LV1がハイレベル(H)に固定されてしまっている場合、本来は入力データ信号LV0及びLV2がハイレベル(H)で且つLV1がローレベル(L)となるべきタイミングで、NAND回路264にはいずれもハイレベル(H)の信号が供給される。従って、否定論理積信号NDSはローレベル(L)となり、ローレベル(L)の異常検出信号ERRが出力される。
【0071】
また、表示制御部11と入力端子T2、T3及びT4のいずれかとの間のデータ信号線が断線し、入力データ信号LV0、LV1及びLV2のいずれかがローレベル(L)に固定されてしまっている場合、本来は入力データ信号LV0、LV1及びLV2がいずれもハイレベル(H)となるべきタイミングで、NAND回路264にはいずれかがローレベル(L)である入力データ信号LV0、LV1及びLV2が供給される。従って、否定論理積信号NDSはハイレベル(H)となり、ハイレベル(H)の異常検出信号ERRが出力される。
【0072】
以上のように、本実施例のインタフェース回路は、入力データ信号に基づいて複数の異常検出回路のいずれかを選択して検出結果を出力することに加えて、入力データ信号LV0、LV1及びLV2の否定論理積を示す信号を出力する。断線がないと仮定した場合に想定される信号レベルと実際の信号レベルとを比較することにより、表示制御部11と入力端子T2、T3及びT4との間のデータ信号線のいずれかが断線していることを検出することが可能となる。
【0073】
なお、本発明は上記実施形態に限定されない。例えば、上記実施例では、インタフェース回路14が表示制御部11から供給された入力データ信号LV0、LV1及びLV2をラッチ回路131に供給する例について説明した。しかし、インタフェース回路14が入力データ信号LV0、LV1及びLV2を供給する供給先はラッチ回路131に限られない。インタフェース回路14は、複数のデータ信号を受信してデータ受信回路に供給するものであれば良い。
【0074】
また、上記実施例では、映像データ信号VDが、入力データ信号LV0、LV1及びLV2からなる例について説明した。しかし、映像データ信号VDを構成する入力データ信号はこれに限られず、さらに多数の入力データ信号から構成されるものであっても良い。要するに、映像データ信号VDがLV0、LV1・・・LVn(nは自然数)から構成され、本発明のインタフェース回路はこのうちの一部を用いて異常検出回路の選択を行うものであれば良い。
【0075】
また、上記実施例1では異常検出ブロック16が7つの異常検出回路(第1〜第7異常検出回路161〜167)を有し、実施例2では異常検出ブロック26が3つの異常検出回路(第1〜第3異常検出回路261〜263)を有する例について説明した。しかし、異常検出回路の数はこれらに限られない。例えば、上記実施例1では、入力データ信号LV0、LV1及びLV2に加えて入力データ信号LV3を用いることにより、15個の異常検出回路の各々を選択して検出結果を出力することが可能である。すなわち、入力データ信号LV0〜LVn(nは自然数)を用いて異常検出回路を選択することにより、(2
n−1)個の異常検出回路の各々を選択して、検出結果を出力することが可能である。
【0076】
また、上記実施例では、表示制御部11が、mini−LVDS等の差動信号方式により映像データ信号VD(入力データ信号LV0、LV1及びLV2)の伝送を行う例について説明した。しかし、表示制御部11からインタフェース回路14に映像データ信号を伝送する伝送方式は、これに限られない。
【0077】
また、各異常検出回路を選択するための信号レベル(H及びL)の組み合わせは、上記実施例で示したものに限られない。また、上記実施例では、第1〜第7異常検出回路161〜167(実施例2では第1〜第3異常検出回路261〜263)がクロック信号のタイミングで順に選択される構成について説明したが、異常検出回路の選択の順番はこれに限られない。すなわち、信号の組み合わせや順番に限られず、複数の異常検出回路の各々が選択されるように構成されていれば良い。