(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
搬送方向に連続するシート状部材の連続体の互いに対向する一対の対向面同士の間に、前記搬送方向に連続する弾性部材の連続体を介挿した後に、前記シート状部材の連続体を、当該シート状部材の連続体における前記搬送方向の切断対象位置で切断することにより、前記弾性部材が取り付けられた前記シート状部材を製造する方法であって、
前記弾性部材の連続体が軸回りに巻かれてなる非回転の資材コイルから、前記弾性部材の連続体を、前記資材コイルの軸方向に引っ張ることにより、前記弾性部材の連続体を前記搬送方向に繰り出す繰り出し工程と、
前記一対の対向面同士の間に、繰り出された前記弾性部材の連続体を前記搬送方向に伸長した状態で配置する配置工程と、
前記一対の対向面同士を接合する接合部を前記搬送方向に間隔をあけて複数形成する接合部形成工程と、
前記配置工程及び前記接合部形成工程の後で、前記シート状部材の連続体及び前記弾性部材の連続体を、前記切断対象位置で切断することにより、前記シート状部材及び前記弾性部材を生成する切断工程と、を有し、
前記弾性部材の連続体において前記搬送方向と直交する断面での形状は、長手方向と、前記長手方向と交差する方向に前記長手方向よりも長さの短い短手方向と、を有した形状であり、
前記弾性部材の連続体において前記一対の対向面のうちの一方の対向面に対して前記長手方向がなす角度が45°以上の部分を起立状部分とし、前記一方の対向面に対して前記長手方向がなす角度が45°未満の部分を横たわり状部分とした場合に、
前記配置工程では、前記搬送方向の単位長さにおいて前記起立状部分が占める前記搬送方向の長さよりも前記横たわり状部分が占める前記搬送方向の長さの方が長くなるように前記弾性部材の連続体の姿勢を変更しながら、前記一方の対向面に前記弾性部材の連続体を当接し、
前記接合部形成工程では、前記弾性部材の連続体を前記搬送方向に伸長した状態に維持するとともに、前記配置工程で変更後の姿勢に維持しつつ、前記接合部を、前記搬送方向と交差するCD方向において前記弾性部材の連続体の両側の位置にそれぞれ形成し、
前記切断工程の後では、前記搬送方向に収縮しつつ前記CD方向に拡大した前記弾性部材は、前記両側の前記接合部同士で前記CD方向に挟圧されて前記シート状部材に取り付けられていることを特徴とする吸収性物品に係るシート状部材の製造方法。
搬送方向に連続するシート状部材の連続体の互いに対向する一対の対向面同士の間に、前記搬送方向に連続する弾性部材の連続体を介挿した後に、前記シート状部材の連続体を、当該シート状部材の連続体における前記搬送方向の切断対象位置で切断することにより、前記弾性部材が取り付けられた前記シート状部材を製造する装置であって、
前記弾性部材の連続体が軸回りに巻かれてなる非回転の資材コイルから、前記弾性部材の連続体が、前記資材コイルの軸方向に引っ張られることにより、前記弾性部材の連続体を前記搬送方向に繰り出す繰り出し装置と、
前記一対の対向面同士の間に、繰り出された前記弾性部材の連続体を前記搬送方向に伸長した状態で配置する配置装置と、
前記一対の対向面同士を接合する接合部を前記搬送方向に間隔をあけて複数形成する接合部形成装置と、
前記配置装置及び前記接合部形成装置よりも前記搬送方向の下流側の位置で、前記シート状部材の連続体及び前記弾性部材の連続体を、前記切断対象位置で切断することにより、前記シート状部材及び前記弾性部材を生成する切断装置と、を有し、
前記弾性部材の連続体において前記搬送方向と直交する断面での形状は、長手方向と、前記長手方向と交差する方向に前記長手方向よりも長さの短い短手方向と、を有し、
前記弾性部材の連続体において前記一対の対向面のうちの一方の対向面に対して前記長手方向がなす角度が45°以上の部分を起立状部分とし、前記一方の対向面に対して前記長手方向がなす角度が45°未満の部分を横たわり状部分とした場合に、
前記配置装置は、前記搬送方向の単位長さにおいて前記起立状部分が占める前記搬送方向の長さよりも前記横たわり状部分が占める前記搬送方向の長さの方が長くなるように前記弾性部材の連続体の姿勢を変更しながら、前記一方の対向面に前記弾性部材の連続体を載置し、
前記接合部形成装置は、前記弾性部材の連続体を前記搬送方向に伸長した状態に維持するとともに、前記配置工程で変更後の姿勢に維持しつつ、前記接合部を、前記搬送方向と交差するCD方向において前記弾性部材の連続体の両側の位置にそれぞれ形成し、
前記切断工程よりも前記搬送方向の下流側では、前記搬送方向に収縮しつつ前記CD方向に拡大した前記弾性部材は、前記両側の前記接合部同士で前記CD方向に挟圧されて前記シート状部材に取り付けられていることを特徴とする吸収性物品に係るシート状部材の製造装置。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
搬送方向に連続するシート状部材の連続体の互いに対向する一対の対向面同士の間に、前記搬送方向に連続する弾性部材の連続体を介挿した後に、前記シート状部材の連続体を、当該シート状部材の連続体における前記搬送方向の切断対象位置で切断することにより、前記弾性部材が取り付けられた前記シート状部材を製造する方法であって、
前記弾性部材の連続体が軸回りに巻かれてなる非回転の資材コイルから、前記弾性部材の連続体を、前記資材コイルの軸方向に引っ張ることにより、前記弾性部材の連続体を前記搬送方向に繰り出す繰り出し工程と、
前記一対の対向面同士の間に、繰り出された前記弾性部材の連続体を前記搬送方向に伸長した状態で配置する配置工程と、
前記一対の対向面同士を接合する接合部を前記搬送方向に間隔をあけて複数形成する接合部形成工程と、
前記配置工程及び前記接合部形成工程の後で、前記シート状部材の連続体及び前記弾性部材の連続体を、前記切断対象位置で切断することにより、前記シート状部材及び前記弾性部材を生成する切断工程と、を有し、
前記弾性部材の連続体において前記搬送方向と直交する断面での形状は、長手方向と、前記長手方向と交差する方向に前記長手方向よりも長さの短い短手方向と、を有した形状であり、
前記弾性部材の連続体において前記一対の対向面のうちの一方の対向面に対して前記長手方向がなす角度が45°以上の部分を起立状部分とし、前記一方の対向面に対して前記長手方向がなす角度が45°未満の部分を横たわり状部分とした場合に、
前記配置工程では、前記搬送方向の単位長さにおいて前記起立状部分が占める前記搬送方向の長さよりも前記横たわり状部分が占める前記搬送方向の長さの方が長くなるように前記弾性部材の連続体の姿勢を変更しながら、前記一方の対向面に前記弾性部材の連続体を当接し、
前記接合部形成工程では、前記弾性部材の連続体を前記搬送方向に伸長した状態に維持するとともに、前記配置工程で変更後の姿勢に維持しつつ、前記接合部を、前記搬送方向と交差するCD方向において前記弾性部材の連続体の両側の位置にそれぞれ形成し、
前記切断工程の後では、前記搬送方向に収縮しつつ前記CD方向に拡大した前記弾性部材は、前記両側の前記接合部同士で前記CD方向に挟圧されて前記シート状部材に取り付けられていることを特徴とする吸収性物品に係るシート状部材の製造方法である。
【0015】
このような吸収性物品に係るシート状部材の製造方法によれば、弾性部材がシート状部材の接合部から滑ることを抑制可能である。詳しくは次の通りである。先ず、上記横たわり状部分の上記断面での形状の長手方向は、概ねCD方向を向いている。また、配置工程では、搬送方向の単位長さにおいて起立状部分が占める長さよりも横たわり状部分が占める長さの方が長くなるように弾性部材の連続体の姿勢を変更する。そして、切断工程の後では、接合部同士で弾性部材をCD方向から挟圧した状態になっているが、このときには、上述のように横たわり状部分が搬送方向に長く確保されている。よって、上記接合部同士が弾性部材を横たわり状部分で挟圧する確率が高くなっていて、これにより、同接合部同士が弾性部材を強く挟圧することができる。そして、その結果、接合部から弾性部材が滑ることを抑制可能となる。
【0016】
かかる吸収性物品に係るシート状部材の製造方法であって、
前記シート状部材の連続体は、前記搬送方向に連続する第1連続シートと、前記搬送方向に連続する第2連続シートと、を有し、
前記一対の対向面として、前記第1連続シートの一方の面と前記第2連続シートの一方の面とが対向しており、
前記配置工程では、前記搬送方向に沿って回転するロールの外周面に前記第1連続シートが巻き付けられて搬送されているとともに、前記第1連続シートが巻き付いている範囲において前記弾性部材の連続体が前記第1連続シートの前記一方の面に当接することにより、前記弾性部材の連続体も前記ロールの前記外周面に巻き付けられて搬送されており、
前記配置工程では、前記搬送方向に沿って回転するロールの外周面に前記第1連続シートが巻き付けられて搬送されているとともに、前記第1連続シートを介して前記弾性部材の連続体が前記ロールの外周面に巻き付けられて搬送されることにより、前記弾性部材の連続体の前記姿勢が変更されるのが望ましい。
【0017】
このような吸収性物品に係るシート状部材の製造方法によれば、弾性部材の連続体を上記ロールに巻き付けることで同連続体の姿勢を、横たわり状部分が搬送方向に長くなるように確実に変更可能となる。
【0018】
かかる吸収性物品に係るシート状部材の製造方法であって、
前記配置工程では、前記弾性部材の連続体は、前記CD方向に間隔をあけて複数本並んで配置され、
前記横たわり状部分は、前記搬送方向の長さが所定長さ以上の長尺横たわり状部分と、前記搬送方向の長さが前記所定長さ未満の短尺横たわり状部分と、を有し、
前記搬送方向に隣り合う前記長尺横たわり状部分同士の間に、前記搬送方向に沿った軸回りに前記弾性部材の連続体が複数回捻れてなる捻れ状部分が形成されるように、前記弾性部材の連続体の前記姿勢は変更されるとともに、前記捻れ状部分は、前記起立状部分と前記短尺横たわり状部分とが前記搬送方向に交互に複数並んだものであり、
前記複数本の弾性部材の連続体のうちの1つの弾性部材の連続体を第1弾性部材の連続体とし、他の1つの弾性部材の連続体を第2弾性部材の連続体とした場合に、
前記第1弾性部材の連続体が有する複数の前記捻れ状部分のうちの少なくとも1つの捻れ状部分と、前記第2弾性部材の連続体が有する複数の前記捻れ状部分のうちで前記第1弾性部材の連続体の前記捻れ状部分に最も近い捻れ状部分とが、前記搬送方向にオーバーラップしないように前記第1弾性部材の連続体の前記姿勢と前記第2弾性部材の連続体の前記姿勢とが変更されるのが望ましい。
【0019】
このような吸収性物品に係るシート状部材の製造方法によれば、切断工程の後に、搬送方向の同じ位置で、第1弾性部材と第2弾性部材とが、それぞれ対応する接合部から滑ってしまうという不具合を抑制することができる。詳しくは次の通りである。先ず、捻れ状部分は、起立状部分と短尺横たわり状部分とが複数並んで捻れたものであるので、上記断面での形状の長手方向の向きが搬送方向の位置に応じて変化している。そのため、当該捻れ状部分は、搬送方向の長い範囲で長手方向が略CD方向を向いたようなものではない。よって、かかる捻れ状部分は、切断工程の後の上記接合部同士によるCD方向の挟圧が不安定となる部分であり、つまり、第1弾性部材及び第2弾性部材のそれぞれにおいて上記接合部同士から搬送方向に滑り易い部分である。一方、上記製造方法によれば、第1弾性部材の連続体の少なくとも1つの捻れ状部分が、これに最も近い第2弾性部材の連続体の捻れ状部分に対して搬送方向にオーバーラップしないようにする。よって、第1弾性部材と第2弾性部材との間で、滑り易い位置を搬送方向に分散させることができる。そして、これにより、伸縮性の偏りが搬送方向の所定位置で大きく生じてしまうことを抑制可能となる。
【0020】
かかる吸収性物品に係るシート状部材の製造方法であって、
前記配置工程では、前記弾性部材の連続体は、前記CD方向に間隔をあけて複数本並んで配置され、
前記横たわり状部分は、前記搬送方向の長さが所定長さ以上の長尺横たわり状部分と、前記搬送方向の長さが前記所定長さ未満の短尺横たわり状部分と、を有し、
前記搬送方向に隣り合う前記長尺横たわり状部分同士の間に、前記搬送方向に沿った軸回りに前記弾性部材の連続体が複数回捻れてなる捻れ状部分が形成されるように、前記弾性部材の連続体の前記姿勢は変更されるとともに、前記捻れ状部分は、前記起立状部分と前記短尺横たわり状部分とが前記搬送方向に交互に複数並んだものであり、
前記複数の弾性部材の連続体のうちの1つの弾性部材の連続体を第1弾性部材の連続体とし、他の1つの弾性部材の連続体を第2弾性部材の連続体とした場合に、
前記第1弾性部材の連続体が有する複数の前記捻れ状部分のうちの少なくとも1つの捻れ状部分が、前記第2弾性部材の連続体が有する前記長尺横たわり状部分に前記搬送方向の位置に関して含まれるように、前記第1弾性部材の連続体の前記姿勢と前記第2弾性部材の連続体の前記姿勢とが変更されるのが望ましい。
【0021】
このような吸収性物品に係るシート状部材の製造方法によれば、第1弾性部材の連続体の少なくとも1つの捻れ状部分が、第2弾性部材の連続体の横たわり状部分に搬送方向の位置に関して含まれるようにする。よって、第1弾性部材において上記接合部同士から滑り易い部分の搬送方向の位置に、第2弾性部材においては上記接合部同士から滑り難い部分を位置させることができる。そして、これにより、第1弾性部材と第2弾性部材との間で、滑り易い位置を搬送方向に分散させることができる。
【0022】
かかる吸収性物品に係るシート状部材の製造方法であって、
前記配置工程では、前記弾性部材の連続体は、前記CD方向に間隔をあけて複数本並んで配置され、
前記横たわり状部分は、前記搬送方向の長さが所定長さ以上の長尺横たわり状部分と、前記搬送方向の長さが前記所定長さ未満の短尺横たわり状部分と、を有し、
前記搬送方向に隣り合う前記長尺横たわり状部分同士の間に、前記搬送方向に沿った軸回りに前記弾性部材の連続体が複数回捻れてなる捻れ状部分が形成されるように、前記弾性部材の連続体の前記姿勢は変更されるとともに、前記捻れ状部分は、前記起立状部分と前記短尺横たわり状部分とが前記搬送方向に交互に複数並んだものであり、
前記接合部は、少なくとも前記切断対象位置を含む前記搬送方向の所定範囲において前記搬送方向に所定の形成ピッチで形成され、
前記捻れ状部分の前記搬送方向の長さが、前記接合部の前記形成ピッチより大きいのが望ましい。
【0023】
このような吸収性物品に係るシート状部材の製造方法によれば、捻れ状部分の長さを接合部の形成ピッチよりも大きくしている。よって、かかる捻れ状部分は、少なくとも搬送方向の2カ所の位置の接合部に基づいて取り付けられる。そのため、捻れ状部分において接合部同士の挟圧が弱くなるという不具合を、接合部の数を増やすことで補うことができて、これにより、当該捻れ状部分でも比較的安定して弾性部材をシート状部材に取り付け可能となる。
【0024】
かかる吸収性物品に係るシート状部材の製造方法であって、
前記配置工程では、前記弾性部材の連続体は、前記CD方向に間隔をあけて複数本並んで配置され、
前記横たわり状部分は、前記搬送方向の長さが所定長さ以上の長尺横たわり状部分と、前記搬送方向の長さが前記所定長さ未満の短尺横たわり状部分と、を有し、
前記搬送方向に隣り合う前記長尺横たわり状部分同士の間に、前記搬送方向に沿った軸回りに前記弾性部材の連続体が複数回捻れてなる捻れ状部分が形成されるように、前記弾性部材の連続体の前記姿勢は変更されるとともに、前記捻れ状部分は、前記起立状部分と前記短尺横たわり状部分とが前記搬送方向に交互に複数並んだものであり、
前記吸収性物品は、前記弾性部材が取り付けられて横方向の伸縮性が付与された前記シート状部材と第2シート状部材とを、前記横方向と交差する厚さ方向に重ね合わせた状態で溶着するサイドシール部を、前記横方向の各端部にそれぞれ有し、
前記搬送方向は、前記横方向に沿っており、
前記接合部が形成された前記シート状部材の連続体に、前記搬送方向に連続する前記第2シート状部材の連続体を前記厚さ方向に重ね合わせる重ね合わせ工程と、
前記厚さ方向に重ね合わせられた前記シート状部材の連続体と前記第2シート状部材の連続体とを溶着する前記サイドシール部を、前記搬送方向に所定ピッチで設定された前記切断対象位置の両側にそれぞれ形成するサイドシール部形成工程と、を有し、
前記厚さ方向から見た場合に、前記複数本の弾性部材の連続体のうちの少なくとも1つの弾性部材の連続体に係る前記捻れ状部分に対して前記接合部が設けられるとともに、前記捻れ状部分を前記CD方向に跨ぐように前記サイドシール部が設けられるのが望ましい。
【0025】
このような吸収性物品に係るシート状部材の製造方法によれば、捻れ状部分に対して上記接合部が設けられるだけでなく、当該捻れ状部分をCD方向に跨ぐようにサイドシール部も設けられる。よって、接合部同士の挟圧が弱くなりがちな捻れ状部分については、当該挟圧に加えて、サイドシール部によっても捻れ状部分をCD方向に挟圧することができる。そして、これにより、かかる捻れ状部分でも比較的安定して弾性部材をシート状部材に取り付け可能となる。
【0026】
また、
搬送方向に連続するシート状部材の連続体の互いに対向する一対の対向面同士の間に、前記搬送方向に連続する弾性部材の連続体を介挿した後に、前記シート状部材の連続体を、当該シート状部材の連続体における前記搬送方向の切断対象位置で切断することにより、前記弾性部材が取り付けられた前記シート状部材を製造する装置であって、
前記弾性部材の連続体が軸回りに巻かれてなる非回転の資材コイルから、前記弾性部材の連続体が、前記資材コイルの軸方向に引っ張られることにより、前記弾性部材の連続体を前記搬送方向に繰り出す繰り出し装置と、
前記一対の対向面同士の間に、繰り出された前記弾性部材の連続体を前記搬送方向に伸長した状態で配置する配置装置と、
前記一対の対向面同士を接合する接合部を前記搬送方向に間隔をあけて複数形成する接合部形成装置と、
前記配置装置及び前記接合部形成装置よりも前記搬送方向の下流側の位置で、前記シート状部材の連続体及び前記弾性部材の連続体を、前記切断対象位置で切断することにより、前記シート状部材及び前記弾性部材を生成する切断装置と、を有し、
前記弾性部材の連続体において前記搬送方向と直交する断面での形状は、長手方向と、前記長手方向と交差する方向に前記長手方向よりも長さの短い短手方向と、を有し、
前記弾性部材の連続体において前記一対の対向面のうちの一方の対向面に対して前記長手方向がなす角度が45°以上の部分を起立状部分とし、前記一方の対向面に対して前記長手方向がなす角度が45°未満の部分を横たわり状部分とした場合に、
前記配置装置は、前記搬送方向の単位長さにおいて前記起立状部分が占める前記搬送方向の長さよりも前記横たわり状部分が占める前記搬送方向の長さの方が長くなるように前記弾性部材の連続体の姿勢を変更しながら、前記一方の対向面に前記弾性部材の連続体を載置し、
前記接合部形成装置は、前記弾性部材の連続体を前記搬送方向に伸長した状態に維持するとともに、前記配置工程で変更後の姿勢に維持しつつ、前記接合部を、前記搬送方向と交差するCD方向において前記弾性部材の連続体の両側の位置にそれぞれ形成し、
前記切断工程よりも前記搬送方向の下流側では、前記搬送方向に収縮しつつ前記CD方向に拡大した前記弾性部材は、前記両側の前記接合部同士で前記CD方向に挟圧されて前記シート状部材に取り付けられていることを特徴とする吸収性物品に係るシート状部材の製造装置である。
【0027】
このような吸収性物品に係るシート状部材の製造装置によれば、前述した製造方法の場合と同様の作用効果を奏することができる。
【0028】
===本実施形態===
本実施形態の吸収性物品に係るシート状部材の製造方法及び製造装置は、例えば、吸収性物品の一例としての使い捨ておむつ1の製造ラインで使用される。
図2は、同おむつ1の一例としての3ピースタイプのおむつ1の概略斜視図である。
【0029】
このおむつ1は、
図2のような着用前のパンツ型状態において、「縦方向」と、縦方向と直交する「横方向」と、縦方向及び横方向と直交する「前後方向」と、を有している。そして、同おむつ1の着用中に、縦方向は、上下方向を向いていることが多い。そのため、以下では、縦方向のことを「上下方向」とも言う。
なお、上下方向については、上側が、着用者の胴回り側に対応し、下側が、着用者の股下側に対応している。また、前後方向については、前側が着用者の腹側に対応し、後側が着用者の背側に対応している。更に、横方向については、一方側が着用者の左側に対応し、他方側が着用者の右側に対応している。
【0030】
図2のパンツ型状態においては、おむつ1は、横方向に沿った腹側帯部材31と、この腹側帯部材31の後側に位置しつつ、当該腹側帯部材31と共同して、縦方向の上側に胴回り開口BHを形成するための横方向に沿った背側帯部材41と、腹側帯部材31と背側帯部材41との間に設けられた股下部としての吸収性本体10と、を備えている。そして、吸収性本体10は、腹側帯部材31及び背側帯部材41よりも縦方向の下方に突出して位置している。
また、腹側帯部材31における横方向の各端部31e,31eと、対応する背側帯部材41における横方向の各端部41e,41eとは、サイドシール部SSで接合されている。そして、これにより、腹側帯部材31及び背側帯部材41が、吸収性本体10と共同して、下側且つ横方向の両側にそれぞれ脚回り開口LH,LHを一つずつ形成している。
【0031】
図3は、展開状態のおむつ1を着用者の肌側から見た概略平面図である。また、
図4は、
図3中のIVa−IVa断面図であるとともに、同
図3中のIVb−IVb断面図でもある。
【0032】
ここで、展開状態とは、
図2のパンツ型状態のおむつ1が横方向の両側に有する前述のサイドシール部SSの接合を解くことで、腹側帯部材31と背側帯部材41とを分離するとともに、おむつ1を縦方向に開くことで、おむつ1を平面上に展開した状態のことである。
また、この展開状態においては、おむつ1を構成する各部材の伸縮性が皆無であるという仮想的状態で同おむつ1を示している。例えば、この例では、おむつ1には、同おむつ1に伸縮性を付与する目的で複数の弾性部材17,18,35,45が設けられているが、この展開状態では、かかる弾性部材17,18,35,45の伸縮性(収縮力)が全く無いという仮想的状態で同おむつ1を示している。
【0033】
展開状態においては、おむつ1は、互いに直交する三方向として長手方向と横方向と厚さ方向(
図3では紙面を貫通する方向)とを有している。なお、長手方向は、前述の縦方向に沿っている。そして、長手方向の一方側が腹側に対応し、他方側が背側に対応している。また、長手方向の外側が、縦方向の上側に対応し、長手方向の内側が、縦方向の下側に対応している。そして、このように長手方向と縦方向とは互いに似通った方向であることから、以下では、説明の都合上、この展開状態においても、長手方向に代えて縦方向を用いて説明することもある。一方、横方向は、前述のパンツ型状態における横方向と同義である。また、厚さ方向については、一方側が、着用者の身体に接する肌側に対応し、他方側が、その逆側の非肌側に対応している。なお、厚さ方向は、前述の前後方向に沿っている。
【0034】
図3の展開状態においては、腹側帯部材31は、横方向に沿って配されており、また、背側帯部材41は、腹側帯部材31と長手方向に所定の間隔をあけた位置で、横方向に沿って配されている。そして、これら腹側帯部材31と背側帯部材41との間に吸収性本体10が長手方向に沿って掛け渡されつつ、同吸収性本体10の長手方向の各端部10ea,10ebが、それぞれ最寄りの各帯部材31,41に接合固定されていて、これにより、その外観形状は、平面視略H型状をなしている。また、この状態から、吸収性本体10における長手方向の所定位置CL1(長手方向におけるおむつ1の中央位置CL1)を折り位置としておむつ1が二つ折りされるとともに、この二つ折りの状態において互いに対向する帯部材31,41の横方向の端部31e,41e同士が前述のサイドシール部SSで接合されると、これら帯部材31,41同士が環状に繋がって、これにより、
図2に示すような胴回り開口BH及び一対の脚回り開口LH,LHが形成されたパンツ型のおむつ1となる。
【0035】
吸収性本体10は、
図3の展開状態において平面視略長方形状をなしている。そして、吸収性本体10の長手方向が、おむつ1の長手方向に沿うように配されている。また、
図4に示すように、吸収性本体10は、吸収体11と、同吸収体11を肌側から覆って吸収性本体10の肌側面をなす液透過性のトップシート13と、同吸収体11を非肌側から覆って吸収性本体10の非肌側面をなす液不透過性のバックシート15と、を備えている。
【0036】
吸収体11は、液体吸収性の吸収性コア11cと、同コア11cの外周面を被覆する不図示のコアラップシートと、を有する。吸収性コア11cは、パルプ繊維や高吸収性ポリマー等の液体吸収性素材を所定形状の一例としての平面視略砂時計形状に成形した成形体である。また、コアラップシートには、ティッシュペーパーや不織布等の液透過性シートを使用可能であるが、コアラップシートについては無くても良い。更に、吸収性コア11cの形状は、何等上記の平面視略砂時計形状に限らず、他の形状でも良い。
【0037】
トップシート13は、不織布等の液透過性の柔軟なシートである。また、バックシート15は、液不透過性の柔軟なシートである。そして、同バックシート15の一例としては、ポリエチレンフィルムやポリプロピレンフィルム等の液不透過性の防漏シートと、防漏シートの非肌側に貼り合わされた不織布製の外装シートとを有した二層構造のラミネートシート15が挙げられる。
【0038】
なお、
図3に示すように、少なくともバックシート15は、吸収体11から長手方向及び横方向に突出するような平面サイズのシートである。そして、横方向に突出した部分に、それぞれ長手方向に伸縮するレッグギャザーLGが形成されている。すなわち、当該突出した部分には、弾性部材として長手方向に沿った糸ゴム17が長手方向に伸長した状態で固定されていて、これにより、当該部分に伸縮性のレッグギャザーLGが形成されている。
【0039】
また、
図3及び
図4に示すように、吸収性本体10は、横漏れを防止する目的で横方向の各端部に防漏壁部としての立体ギャザーLSG,LSGを有している。すなわち、立体ギャザーLSGとなるシート状部分に弾性部材18として長手方向に沿った糸ゴム18が長手方向に伸長した状態で取り付けられた構成が、吸収性本体10の横方向の各端部に設けられている。
【0040】
図3に示すように、腹側帯部材31は、2枚の不織布32,33を素材とした平面視略矩形形状のシート状部材である。すなわち、
図4に示すように、同2枚の不織布32,33同士は、互いに厚さ方向に重ねられた状態にあるとともに、互いに対向する一対の対向面同士が、後述の
図5に示すように縦方向(長手方向)及び横方向に離散的に配された複数の溶着部j,j…(接合部に相当)で接合されている。そして、
図3に示すように、当該腹側帯部材31は、吸収性本体10よりも横方向の両側に突出するように配されつつ、同吸収性本体10における腹側の端部10eaに非肌側から重ねられて接合されている。
【0041】
また、背側帯部材41も、腹側帯部材31と同様に、2枚の不織布42,43を素材とした平面視略矩形形状のシート状部材である。すなわち、
図4に示すように、同2枚の不織布42,43同士は、互いに厚さ方向に重ねられた状態にあるとともに、互いに対向する一対の対向面同士が、
図5の腹側帯部材31の場合と同様に、縦方向(長手方向)及び横方向に離散的に配された複数の溶着部j,j…(接合部に相当)で接合されている。そして、
図3に示すように、当該背側帯部材41は、吸収性本体10よりも横方向の両側に突出するように配されつつ、同吸収性本体10における背側の端部10ebに非肌側から重ねられて接合されている。
【0042】
なお、以下の説明で腹側帯部材31及び背側帯部材41の両者に共通する内容については、両者を代表して腹側帯部材31についてのみ説明し、背側帯部材41については、対応する部材等の符号を括弧書きで示すのみとする。
【0043】
また、この例では、腹側帯部材31(41)に係る2枚の不織布32,33(42,43)の何れも、スパンボンド不織布が使用されている。但し、何等これに限らず、SMS(スパンボンド/メルトブローン/スパンボンド)不織布等の別の種類の不織布を用いても良い。また、この例では、不織布の構成繊維として熱可塑性樹脂の代表例のポリプロピレン(PP)の単独繊維を用いているが、何等これに限らない。例えば、ポリエチレン(PE)などの他の熱可塑性樹脂の単独繊維を用いても良いし、更には、PE及びPP等の鞘芯構造を有した複合繊維を用いても良い。
【0044】
図5は、展開状態の腹側帯部材31を非肌側から見た概略平面図である。
同
図5に示すように、腹側帯部材31(41)の横方向の各端部31e,31e(41e,41e)には、それぞれ、前述のサイドシール部SSが設けられている。この例では、サイドシール部SSは、互いに同形状の複数の溶着部SSk,SSk…を縦方向に沿った一直線上に並んで有している。そして、各溶着部SSkは、それぞれ、腹側帯部材31の不織布33と背側帯部材41の不織布43とを溶着するものであるとともに、腹側帯部材31に係る2枚の不織布32,33において互いに対向する一対の対向面同士を溶着するものでもあり、また背側帯部材41に係る2枚の不織布42,43において互いに対向する一対の対向面同士を溶着するものでもある。
【0045】
また、同
図5に示すように、腹側帯部材31(41)に係る2枚の不織布32,33(42,43)において互いに対向する一対の対向面同士の間には、横方向に沿った弾性部材として複数本の糸ゴム35,35…(45,45…)が縦方向に並んで介挿されつつ、同不織布32,33(42,43)に前述の溶着部j,j…に基づいて取り付けられている。そして、これにより、腹側帯部材31(41)には横方向の伸縮性が付与されている。すなわち、前述の溶着部j,j…は、2枚の不織布32,33(42,43)の一対の対向面同士を接合する機能だけでなく、同2枚の不織布32,33(42,43)に糸ゴム35(45)を取り付ける機能も有している。
【0046】
図6A及び
図6Bは、かかる溶着部jが奏する後者の機能、すなわち糸ゴム35(45)の取り付け機能の説明図であり、
図5中のVI部の概略拡大図である。
図5に示すように、溶着部j,j…は、横方向に沿って配された糸ゴム35(45)毎にそれぞれ設けられている。また、溶着部jは、対応する糸ゴム35の縦方向の両側に対となるように形成されていて、すなわち、縦方向の両側に並ぶ一対の溶着部j,j同士が、溶着部対jPをなしている。そして、かかる溶着部対jPは、横方向に隣り合う溶着部対jPとの間に間隔をあけつつ横方向に並んで複数対形成されている。一方、
図6Aに示すように、かかる溶着部対jPをなす一対の溶着部j,j同士は、縦方向に間隔Djをあけて並んでいるが、ここで、かかる間隔Djの大きさは、伸長倍率の目標値まで横方向に伸長した状態での糸ゴム35(45)の縦方向の大きさD35t(D45t)と同寸又はそれよりも若干大きい寸法に設定されている。また、
図2のパンツ型状態のおむつ1においては、糸ゴム35(45)は、上記の伸長倍率の伸長状態から緩和されている。よって、同パンツ型状態においては、
図6Bに示すように、糸ゴム35(45)は横方向に収縮しつつ縦方向に拡大しようとしているが、ここで、上記の寸法の大小関係に基づいて、糸ゴム35(45)の縦方向の拡大が一対の溶着部j,j同士に規制される。そして、これにより、当該溶着部j,j同士で、糸ゴム35(45)は実質的に縦方向に挟圧された状態となっていて、その結果、当該糸ゴム35(45)が腹側帯部材31(41)に取り付けられた状態となっている。
【0047】
ちなみに、上記の伸長倍率とは、糸ゴム35(45)の全長L1を、自然長たる無負荷状態の全長L0の何倍まで伸ばしているかを示す値R(=L1/L0)のことである。そして、前述の伸長倍率の目標値は、例えば1.5倍〜4.0倍から選択される。また、糸ゴム35(45)の繊度としては、例えば、400dtex〜1000dtexを例示できる。
【0048】
このようなおむつ1は、製造ラインで製造される。
図7は、同ラインでおむつ1が製造される様子を一部斜視で示す概略平面図である。また、
図8A、
図8B、及び
図8Cは、それぞれ、
図7中のA部の概略拡大図、B部の概略拡大図、及びC部の概略拡大図である。ちなみに、ここでより正しく言えば、
図8Cでは、腹側帯部材31に係る連続シート32a,33aではなく、背側帯部材41に係る連続シート42a,43aが見えているはずであるが、説明の便宜上、ここでは、腹側帯部材31に係る連続シート32a,33aが見えているものとして説明する。このことは、後述の
図15及び
図16でも同様である。
【0049】
同ラインでは、例えば、腹側帯部材31に係る2枚の不織布32,33(シート状部材に相当)が、それぞれ搬送方向に連続した連続シート32a,33a(シート状部材の連続体に相当)の形態で搬送されており、同じく、背側帯部材41に係る2枚の不織布42,43(シート状部材に相当)も、それぞれ搬送方向に連続した連続シート42a,43a(シート状部材の連続体に相当)の形態で搬送されている。そして、各2枚の連続シート32a,33a,42a,43aが、それぞれ、搬送方向に設定された複数の加工位置PK1〜PK5を通過する度に、各加工位置PK1,PK2…に対応した加工処理が、各2枚の連続シート32a,33a,42a,43aに対して行われる。
【0050】
なお、ここで、連続シート32a,33a,42a,43aの厚さ方向及び搬送方向の両者と直交する方向のことを「CD方向」と定義した場合に、この例では、各2枚の連続シート32a,33a,42a,43a、すなわち腹側帯部材31に係る2枚の連続シート32a,33aと背側帯部材41に係る2枚の連続シート42a,43aとの両者は、互いにCD方向に並んで搬送されている。但し、何等これに限らない。
【0051】
また、この例では、上記複数の加工位置として、第1加工位置PK1乃至第5加工位置PK5が、搬送方向の上流から下流へとこの順番で並んで設定されている。そして、各加工位置PK1,PK2…での加工処理は、腹側帯部材31に係る2枚の連続シート32a,33aに対するものと、背側帯部材41に係る2枚の連続シート42a,43aに対するものとで、互いに概ね同じである。
そのため、以下では、共通の内容については、腹側帯部材31と背側帯部材41とで区別せずに説明する。例えば、単に「帯部材31(41)」と言ったり、単に「2枚の連続シート32a,33a(42a,43a)」と言って説明する。なお、その場合には、「連続シート32a,33a(42a,43a)」や「糸ゴム35(45)」、「糸ゴムの連続体35a(45a)」等のように、各部材を示す用語の直後の符号が、腹側帯部材31に係る部材の符号であり、その後に続く括弧書きの符号が、背側帯部材41に係る部材の符号である。
【0052】
図7に示すように、各帯部材31(41)に係る2枚の連続シート32a,33a(42a,43a)の搬送は、所謂横流れ形態でなされている。すなわち、おむつ1の横方向に相当する方向が、搬送方向を向いた姿勢で2枚の連続シート32a,33a(42a,43a)は搬送されている。そのため、2枚の連続シート32a,33a(42a,43a)には、横方向に隣り合うおむつ1,1同士の間の境界位置PBLが搬送方向に製品ピッチP1で仮想的に設定されている。そして、この製造ラインの終端に位置する第5加工位置PK5において、当該境界位置PBLを切断対象位置PCとして2枚の連続シート32a,33a(42a,43a)を切断することにより、単票状のおむつ1が生成される。
【0053】
なお、各帯部材31(41)に係る2枚の連続シート32a,33a(42a,43a)の搬送は、ベルトコンベアや搬送ローラー等の適宜な搬送装置(不図示)でなされる。よって、特段の説明が無い限りは、これらの搬送装置により、2枚の連続シート32a,33a(42a,43a)は搬送方向に搬送されているものとする。ベルトコンベアの一例としては、駆動周回する無端ベルトを搬送面として有した通常のベルトコンベアや、無端ベルトの外周面に吸着機能を有したサクションベルトコンベア等を挙げることができる。
【0054】
また、この例では、糸ゴム35,45の伸縮性に比べて各連続シート32a,33a,42a,43aの伸縮性は非常に小さく無視できるレベルにある。そして、各連続シート32a,33a、42a,43aは、第1加工位置PK1から第5加工位置PK5までに亘って、搬送方向に張った状態で搬送される。
【0055】
以下、おむつ1の製造過程について詳説する。
図7に示すように、先ず、各帯部材31(41)に係る2枚の連続シート32a,33a(42a,43a)は、第1加工位置PK1を通過する。そして、その通過の際には、同
図7及び
図8Aに示すように、2枚の連続シート32a,33a(42a,43a)同士が厚さ方向に重ね合わせられる。また、重ね合わせられる際には、これら2枚の連続シート32a,33a(42a,43a)において互いに対向する一対の対向面32ast,33ast(42ast,43ast)同士の間に、搬送方向に連続する弾性部材の連続体として糸ゴムの連続体35a,35a…(45a,45a…)が、搬送方向に前述の目標の伸長倍率で伸長した状態で、CD方向に複数並んで介挿される(配置工程に相当)。
【0056】
なお、かかる糸ゴムの連続体35a(45a)の一対の対向面32ast,33ast(42ast,43ast)への配置は、後述の
図9Aの下流側ニップロール機構54Dでなされ、つまり、同下流側ニップロール機構54Dが、請求項の「配置装置」に相当する。
【0057】
また、この重ね合わせられることと同時又はその直後に、
図8Bに示すように、2枚の連続シート32a,33a(42a,43a)同士には、接合部として前述の溶着部j,j…が形成されて、これにより、当該溶着部j,j…で、2枚の連続シート32a,33a(42a,43a)の一対の対向面32ast,33ast(42ast,43ast)同士が接合される(接合部形成工程に相当)。
【0058】
ここで、前述のように、この製造ラインでは、おむつ1の横方向が搬送方向に沿っており、また、おむつ1の縦方向がCD方向に沿っている。そのため、かかる溶着部jは、糸ゴムの連続体35a(45a)のCD方向の両側に対となるように形成される。すなわち、
図8Bに示すように、同連続体35a(45a)のCD方向の両側に並ぶ一対の溶着部j,j同士が、溶着部対jPをなしている。そして、かかる溶着部対jPは、搬送方向に隣り合う溶着部対jPとの間に間隔をあけつつ搬送方向に並んで複数対形成される。
【0059】
また、かかる溶着部対jPをなす一対の溶着部j,j同士は、
図6Aに示すように、CD方向に間隔Djをあけて並んでいるが、ここで、この間隔Djの大きさは、伸長倍率の目標値まで搬送方向に伸長した状態たる第1加工位置PK1での状態の糸ゴムの連続体35a(45a)のCD方向の大きさD35t(D45t)と同寸又はそれよりも若干大きい寸法とされている。
よって、後述の第5加工位置PK5において糸ゴムの連続体35a(45a)が切断されて糸ゴム35(45)の伸長状態が緩和された際には、
図6Bに示すように、搬送方向に収縮しつつCD方向に拡大しようとする糸ゴム35(45)を、一対の溶着部j,j同士がCD方向から挟圧して、これにより、当該糸ゴム35(45)が帯部材31(41)の2枚の不織布32,33(42,43)に取り付けられた状態となる。
【0060】
かかる溶着部jの形成は、例えばヒートシール装置や超音波溶着装置60(接合部形成装置に相当)を用いて行うことができて、この例では、超音波溶着装置60が使用されている。なお、ヒートシール装置(不図示)は、例えば搬送方向に沿って回転しつつ加熱された一対のロールを有する。一方のロールは、各溶着部jに対応した凸部を外周面に有したヒートエンボスロールであり、他方のロールは、上記凸部を平滑な外周面で受けるアンビルロールである。また、超音波溶着装置60の詳細については後述する。
【0061】
次に、
図7に示すように、腹側帯部材31に係る2枚の連続シート32a,33a及び背側帯部材41に係る2枚の連続シート42a,43aの両者は、第2加工位置PK2を通過する。そして、その通過の際には、腹側帯部材31に係る2枚の連続シート32a,33aと背側帯部材41に係る2枚の連続シート42a,43aとの間に、不図示の別工程で生成された単票状の吸収性本体10が掛け渡されて固定され、これにより、略H形状に展開されたおむつ1h,1h…が連続してなる略梯子状のおむつの連続体1hsが形成される。
【0062】
かかる吸収性本体10の固定は、例えば不図示の回転ドラム装置を用いて行うことができる。回転ドラム装置は、例えば搬送方向に沿って回転する回転ドラムを有し、同回転ドラムは、外周面に吸収性本体10を離脱可能に保持する複数の保持部を有している。
【0063】
次に、かかる略梯子状のおむつの連続体1hsは、第3加工位置PK3を通過する。そして、その通過の際には、吸収性本体10におけるCD方向の所定位置CL1で同本体10を2つ折りして、これにより、腹側帯部材31に係る2枚の連続シート32a,33aと背側帯部材41に係る2枚の連続シート42a,43aとを厚さ方向に重ねた状態にする。
【0064】
かかる2つ折りは、例えば不図示の折り曲げガイド装置を用いて行うことができる。折り曲げガイド装置は、例えば搬送方向の所定位置に配置されたガイド板やガイドローラーを有する。そして、これらガイド板やガイドローラーは、その配置位置を通過する略梯子状のおむつの連続体1hsが2つ折り形状になるように同連続体1hsを案内する。
【0065】
次に、当該2つ折り状態のおむつの連続体1hsbは、第4加工位置PK4を通過する。そして、その通過の際には、厚さ方向に重ねられた腹側帯部材31に係る2枚の連続シート32a,33aと背側帯部材41に係る2枚の連続シート42a,43aとを、搬送方向における切断対象位置PCの両側の各位置でそれぞれ溶着して一対のサイドシール部SS,SSを形成し、これにより、同おむつの連続体1hsbを二つ折り状態に固定する。そして、その結果、複数のパンツ型のおむつ1,1…が横方向に繋がってなるパンツ型のおむつの連続体1sが生成される。
【0066】
ここで、
図8Cに示すように、サイドシール部SSは、複数の溶着部SSk,SSk…をCD方向(縦方向)に並んで有している。そして、各溶着部SSkは、それぞれ、腹側帯部材31の連続シート33aと背側帯部材41の連続シート43aとを溶着するものであるとともに、腹側帯部材31の連続シート32a,33aの一対の対向面32ast,33ast同士を溶着するものでもあり、また背側帯部材41の連続シート42a,43aの一対の対向面42ast,43ast同士を溶着するものでもある(
図7)。
【0067】
また、この
図8Cの例では、各溶着部SSkの平面形状は、搬送方向たる縦方向よりもCD方向たる横方向に長い横長の矩形形状となっている。但し、何等これに限らない。例えば、平行四辺形状や長円形状でも良いし、これら以外の形状でも良い。また、この例では、各溶着部SSkの長手方向が、搬送方向たる横方向に沿っているが、何等これに限らない。すなわち、各溶着部SSkの長手方向が、CD方向たる縦方向に沿っていても良いし、或いは、横方向及び縦方向の両者と交差する方向を向いていても良い。
【0068】
かかるサイドシール部SSの形成は、例えば不図示のヒートシール装置を用いて行うことができる。ヒートシール装置は、例えば搬送方向に沿って回転しつつ加熱された一対のロールを有する。一方のロールは、サイドシール部SSの各溶着部SSkに対応した凸部を外周面に有したヒートエンボスロールであり、他方のロールは、上記凸部を平滑な外周面で受けるアンビルロールである。なお、場合によっては、後述する
図9Aの超音波溶着装置60と略同構成の溶着装置で上記のサイドシール部SSを形成しても良い。
【0069】
次に、
図7に示すように、かかるパンツ型のおむつの連続体1sは、第5加工位置PK5を通過する。そして、その通過の際には、一対のサイドシール部SS,SS同士の間に位置する上記切断対象位置PCで同連続体1sを切断し(切断工程に相当)、これにより、おむつ1が製造される。
【0070】
なお、この切断の際には、腹側帯部材31及び背側帯部材41に係る各2枚の連続シート32a,33a(42a,43a)及び各糸ゴムの連続体35a,35a…(45a,45a…)が上記切断対象位置PCで切断される。そして、これにより起こる糸ゴム35(45)の伸長状態の緩和を通して溶着部対jPの一対の溶着部j,j同士の挟圧で糸ゴム35(45)が各帯部材31,41に取り付けられるが、これについては、第1加工位置PK1の説明で述べた通りである。
【0071】
かかる切断は、例えば不図示のカッター装置を用いて行うことができる。カッター装置は、例えば搬送方向に沿って回転する一対のロールを有する。そして、一方のロールは、外周面にカッター刃を有するカッターロールであり、他方のロールは、上記カッター刃を外周面で受けるアンビルロールである。
【0072】
以上、第1加工位置PK1乃至第5加工位置PK5でなされる各加工処理について説明したが、本実施形態では、第1加工位置PK1でなされる加工処理について幾つかの工夫をしている。また、第2加工位置PK2乃至第5加工位置PK5でなされる各加工処理については概ね周知のものである。そのため、以下では、第1加工位置PK1でなされる加工処理についてのみ詳説し、第2加工位置PK2乃至第5加工位置PK5の各加工処理については詳説しない。
また、前述したように第1加工位置PK1での加工処理は、腹側帯部材31に係る部材32a,33a,35aに対するものと、背側帯部材41に係る部材42a,43a,45aに対するものとで互いに概ね同じである。そのため、以下では、これら両者を代表して、腹側帯部材31に係る部材32a,33a,35aに対する加工処理についてのみ説明し、背側帯部材41については、その説明を省略する。また、以下では、腹側帯部材31の連続シート32a,33aのうちの一方の連続シート32a及び他方の連続シート33aのことを、それぞれ「第1連続シート32a」及び「第2連続シート33a」とも言う。
【0073】
図9Aは、第1加工位置PK1でなされる加工処理の説明図である。すなわち、同加工処理のメインの装置をなす超音波溶着装置60をCD方向から見た概略側面図である。また、
図9Bは、
図9A中のB−B矢視の概略拡大図である。
【0074】
図9Aに示すように、第1加工位置PK1には、第1連続シート32aを搬送方向に沿って搬送する搬送機構51と、第2連続シート33aを搬送方向に沿って搬送する搬送機構52と、糸ゴムの連続体35aを搬送方向に沿って搬送する搬送機構53と、が、それぞれ、超音波溶着装置60よりも搬送方向の上流側の各位置に配されている。
【0075】
第1連続シート32aの搬送機構51及び第2連続シート33aの搬送機構52は、どちらもCD方向に沿った回転軸回りに回転する搬送ローラー51R,52Rと、対応する各搬送ローラー51R,52Rを駆動回転する駆動源としての不図示のサーボモータと、を有する。そして、これにより、搬送ローラー51Rは、搬送方向に沿って駆動回転して第1連続シート32aを超音波溶着装置60へと送り、また、搬送ローラー52Rも、搬送方向に沿って駆動回転して第2連続シート33aを超音波溶着装置60へと送る。
【0076】
一方、糸ゴムの連続体35aの搬送機構53は、糸ゴムの連続体35aを資材コイル35aCから繰り出す繰り出し装置53UWと、繰り出された糸ゴムの連続体35aの張力値(N)を所定の目標値に調整するテンションコントローラー53TCと、当該張力値を調整後の糸ゴムの連続体35aを伸長倍率の目標値まで伸長する伸長装置54と、を有する。
【0077】
なお、述のように第1連続シート32aと第2連続シート33aとの間には、CD方向に並んで複数の糸ゴムの連続体35a,35a…が介挿される。また、各糸ゴムの連続体35aは、互いの伸長倍率の目標値が異なっている。そのため、上記の搬送機構53は、糸ゴムの連続体35a,35a…毎にそれぞれ設けられている。但し、伸長倍率の目標値が同じ糸ゴムの連続体35a,35a同士であれば、搬送機構53のうちの伸長装置54については共用しても良い。また、搬送機構53の構成は、何れも概ね同じである。そのため、以下では、代表して1つの搬送機構53の構成53UW,53TC,54について説明する。
【0078】
図10の概略斜視図に示すように、繰り出し装置53UWは、オーバーエンド解舒方式の繰り出し装置である。また、資材コイル35aCは、糸ゴムの連続体35aを、軸としての円筒状の紙管35aCsに巻いたものである。そして、同紙管35aCsが、繰り出し装置53UWの非回転の支持軸53sに回転不能且つ互いに同軸に取り付けられるとともに、資材コイル35aCの軸方向に糸ゴムの連続体35aが引っ張られることにより、非回転の資材コイル35aCから糸ゴムの連続体35aが、定位置に配されたリング状案内部材53Rの貫通孔53Rhを通るような搬送ルートで繰り出される。そして、その結果、同連続体35aがテンションコントローラー53TCへと搬送される。
【0079】
なお、かかる糸ゴムの連続体35aが繰り出される際には、上記のように資材コイル35aCは軸回りに回転しない。そのため、繰り出し中の先行の資材コイル35aCの糸ゴムの連続体35aの尾端部35aeeに、予め後行の資材コイル35aCの糸ゴムの連続体35aの先端部35aesを接続しておけば、先行の資材コイル35aCの糸ゴムの連続体35aが途切れる際に、繰り出しを止めることなく円滑に、先行の資材コイル35aCから後行の資材コイル35aCへと繰り出しの変更を行うことができる。
【0080】
また、かかる繰り出し装置53UWから糸ゴムの連続体35aを繰り出す際には、繰り出し位置PTO(糸ゴムの連続体35aが資材コイル35aCの外周面から離れる位置)が資材コイル35aCの外周面上を周方向に沿って一方向に移動する。そのため、糸ゴムの連続体35aは、その繰り出しに伴って、繰り出し位置PTOが外周面を一回りする度に一回転だけ捻られることになる。なお、このことは、後で関係する。
【0081】
図9Aに示すように、テンションコントローラー53TCは、搬送方向の上流から搬送される糸ゴムの連続体35aが巻き付けられるローラー53TCRと、ローラー53TCRの下流側に配置されたテンションセンサー53TCSと、コンピュータやシーケンサー等の制御部(不図示)と、を有する。ローラー53TCRは、駆動源としての不図示のサーボモータで駆動回転する。また、テンションセンサー53TCSは、搬送方向の計測対象位置での糸ゴムの連続体35aの張力値(N)を計測する。そして、制御部は、計測された張力値が目標値となるように、上記のサーボモータを制御する。例えば、張力値が目標値より大きい場合には、ローラー53TCRの回転数(rpm)が増加するようにサーボモータを制御する一方、逆の場合には、ローラー53TCRの回転数が減少するように同モータを制御する。そして、これにより、張力値が目標値となるように調整される。
【0082】
伸長装置54は、搬送方向の所定位置に配された上流側ニップロール機構54Uと、同上流側ニップロール機構54Uの下流側に配された下流側ニップロール機構54Dと、を有する。どちらのニップロール機構54U,54Dも、駆動回転する上下一対のニップロール54Ru,54Rdを有し、一対のニップロール54Ru,54Rd同士は、糸ゴムの連続体35aを若干挟圧しながら、駆動源としての不図示のサーボモータで駆動回転する。また、上流側ニップロール機構54Uの一対のニップロール54Ru,54Rdは、下流側ニップロール機構54Dの一対のニップロール54Ru,54Rdの周速値(mpm)よりも小さい周速値(mpm)で回転する。そして、これにより、糸ゴムの連続体35aは伸長される。より具体的に言えば、前者54Uのニップロール54Ru,54Rdは、後者54Dのニップロール54Ru,54Rdの周速値の伸長倍率の目標値分の1の周速値で回転し、これにより、同糸ゴムの連続体35aがこれらニップロール機構54U,54D同士の間を通過中に、同連続体35aは上記目標値まで伸長される。
また、下流側ニップロール機構54Dのニップロール54Ru,54Rdの周速値(mpm)は、超音波溶着装置60のアンビルロール61aの周速値(mpm)と連動するように調整され、これにより、互いの周速値が概ね同値となるように制御される。よって、アンビルロール61a上での伸長倍率の大きさは、伸長装置54で付与された伸長倍率の大きさに維持される。
【0083】
超音波溶着装置60は、搬送方向に沿って回転するアンビルロール61a(ロールに相当)と、アンビルロール61aの回転方向Dc61aの所定位置P61hに配置されたホーン61hと、を有する。
【0084】
ホーン61hは、適宜な支持部材61sによって上記所定位置P61hに概ね移動不能に位置するように支持されている。また、同ホーン61hは、アンビルロール61aの外周面61asに対向して配された平らな振動面61hsを有する。そして、同面61hsは、上記外周面61asとの間の間隔を拡縮する方向に振動する。振動の周波数は例えば20kHz〜35kHzの所定値であり、また、振幅は例えば1ミクロン〜30ミクロンの所定値である。よって、振動面61hsは超音波振動して、これにより、同面61hsと外周面61asとの間を通過する両シート32a,33aを超音波溶着する。すなわち、両シート32a,33aに前述の溶着部jを形成する。ちなみに、かかる振動の発生は、ホーン61hに接続された不図示のコンバータのピエゾ素子に上記周波数の電気信号を入力すること等で行われる。
【0085】
アンビルロール61aは、軸受けなどの適宜な不図示の支持部材によって、CD方向に沿った回転軸回りに回転可能に支持されている。そして、同ロール61aは、駆動源としてのサーボモータ(不図示)から駆動力を付与されて駆動回転する。また、同ロール61aには、上述の搬送ローラー51Rから送られる第1連続シート32aと、上述の搬送ローラー52Rから送られる第2連続シート33aと、上述の伸長装置54の下流側ニップロール機構54Dから送られる糸ゴムの連続体35aとの三者が、それぞれ、同ロール61aの外周面61asに概ね相対滑り無く巻き付いている。よって、アンビルロール61aが駆動回転することにより、アンビルロール61aの周速値と同じ搬送速度値で、第1連続シート32a、第2連続シート33a、及び糸ゴムの連続体35aの三者は、同ロール61aの外周面61asに沿って搬送される。すなわち、同外周面61asに沿って曲がった搬送経路でこれら両連続シート32a,33a及び糸ゴムの連続体35aは搬送される。
【0086】
ここで、前述の第1連続シート32aの搬送ローラー51Rの周速値(mpm)及び第2連続シート33aの搬送ローラー52Rの周速値(mpm)は、それぞれ、当該アンビルロール61aの周速値(mpm)と概ね同値である。よって、第1連続シート32a及び第2連続シート33aについては、概ね伸長せずに、しかも弛まない程度に張った状態でアンビルロール61aに巻き付く。一方、糸ゴムの連続体35aの下流側ニップロール機構54Dの一対のニップロール54Ru,54Rdの周速値(mpm)も、アンビルロール61aの周速値(mpm)と概ね同値であるが、ここで、当該一対のニップロール54Ru,54Rdの位置では、糸ゴムの連続体35aは、既に伸長倍率の目標値まで伸長された状態にある。よって、同連続体35aは当該目標値まで伸長された状態でアンビルロール61aに巻き付いて、同ロール61aの回転によって連続シート32a,33aと一緒に搬送されていく。
【0087】
また、この例では、アンビルロール61aに巻き付く順番は、第1連続シート32aが最初に巻き付き、次に糸ゴムの連続体35aが巻き付き、最後に第2連続シート33aが巻き付く。そして、これにより、これら三者は、アンビルロール61aの外周面61as上において第1連続シート32aと第2連続シート33aとの間に糸ゴムの連続体35aが介挿された状態にされる。
【0088】
一方、
図9A及び
図9Bに示すように、かかるアンビルロール61aの外周面61asには、前述の接合部j,j…に対応するように複数の凸部61at,61at…が突出形成されている。そして、糸ゴムの連続体35aが介挿された第1及び第2連続シート32a,33aが、アンビルロール61aの回転に基づいてホーン61hの配置位置P61hを通過する際には、ホーン61hの振動面61hsから超音波振動エネルギーが当該両シート32a,33aに投入される。よって、同両シート32a,33aの一対の対向面32ast,33astは、
図9Bに示すように凸部61atに対応する位置で部分的に発熱して溶融し、その結果、前述したような複数の溶着部j,j…が非連続に分散した接合パターンで両シート32a,33aの一対の対向面32ast,33ast同士が接合される。そして、かかる溶着部jで接合された第1連続シート32aと第2連続シート33aとは互いの間に糸ゴムの連続体35aが介挿された状態で、搬送方向の下流にある前述の第2加工位置PK2へと送出される。
【0089】
ところで、
図6A及び
図6Bを参照して前述したように、各糸ゴム35は、上記の溶着部j,j同士の挟圧のみに概ね基づいて腹側帯部材31に取り付けられている。そのため、腹側帯部材31を再伸長等して糸ゴム35を再度伸長した場合に、当該糸ゴム35に作用する上記の挟圧の力が小さくなって、同糸ゴム35は、溶着部j,jから伸縮方向たる横方向に滑り得る。そして、仮にその状態で伸長状態を再度緩和すると、滑ってずれた位置のまま、糸ゴム35が溶着部j,j同士の挟圧で再度取り付けられてしまって、その結果、腹側帯部材31の伸縮性が横方向の全長に亘って略均等な適正状態から、部分的に伸縮性が偏った不適正状態に変化してしまう恐れがある。
【0090】
この点につき、仮に、糸ゴムの連続体35aの搬送方向と直交する断面での形状が、
図11Aのような正円形ではなく、
図11Bのような長手方向(最も長さの長い方向のこと)及び短手方向(長手方向と交差する方向において長手方向よりも長さの短い方向のことであり、最も長さの短い方向のこと)を有した形状の場合には、後述の所定の工夫をすることにより、上記の滑りを抑制可能である。そして、この点につき、この例では、スパンデックスSPDを用いた糸ゴムの連続体35aが使用されている。すなわち、同
図11Bに示すように、かかる糸ゴムの連続体35aは、溶融紡糸して生成した複数のスパンテックス(弾性繊維)SPD,SPD…を自己溶着で束ねたものであるが、これらスパンデックスSPD,SPD…の配列等に基づいて、連続体35aの上記断面での形状は、長円や長方形等の長手方向を有した扁平形状となっている。よって、本実施形態でも所定の工夫をしていて、これにより、上記の溶着部j,jからの滑りを抑制している。
【0091】
ちなみに、スパンデックスSPDを用いた糸ゴムの連続体35aの上記断面での形状が、
図11Bのような長手方向を有した扁平形状になる理由については、次のようなことが考えられる。先ず、同連続体35aは、上述のように溶融紡糸して生成した複数のスパンデックスSPD,SPD…を自己溶着で束ねたものであるが、ここで、この連続体35aが資材コイル35aCの状態に紙管35aCsに巻き取られる際には、巻き取り方向に張力が作用した状態で巻き取られる。また、巻き取り済みの資材コイル35aCの状態においても、同連続体35aには、上記張力に起因して資材コイル35aCの半径方向の内方を向いた巻き締め力が作用している。よって、この巻き締め力により、同資材コイル35aCの半径方向に同連続体35aが潰れるように、複数のスパンデックスSPD,SPD…が再配列等して固定されてしまい、その結果、上記断面での形状が、長円や略長方形等の長手方向を有した扁平形状になってしまうものと考えられる。
【0092】
以下、溶着部j,jからの糸ゴム35の滑りを抑制するための工夫について説明する。
一般に、糸ゴムの連続体35aの上記断面での長手方向は、搬送方向の位置に応じて色々な方向を向き得るが、先ず、この向きについて次のように定義する。すなわち、
図12Aに示すように、連続シート32aの上記対向面32astに当接する糸ゴムの連続体35aのうちで同面32astに対して上記長手方向がなす角度θが45°以上の部分を「起立状部分35ak」と定義し、
図12Bに示すように、同対向面32astに対して同長手方向がなす角度θが45°未満の部分を「横たわり状部分35ay」と定義する。
【0093】
すると、この定義では、後者の横たわり状部分35ayの方が、前者の起立状部分35akよりもCD方向に大きくなるが、そうすると、同糸ゴムの連続体35aが切断されて糸ゴム35の伸長状態が緩和された際に起こるべき溶着部j,j同士によるCD方向の挟圧は、起立状部分35akよりも横たわり状部分35ayの方が強くなる。
【0094】
そこで、本実施形態では、上記工夫として、同連続シート32aへの糸ゴムの連続体35aの当接に伴って同連続体35aの姿勢を変更することにより、搬送方向の単位長さにおいて起立状部分35akが占める搬送方向の長さよりも横たわり状部分35ayが占める搬送方向の長さの方を長くしている。すなわち、基本的に、横たわり状部分35ayの長さができる限り長くなるように、同連続体35aの姿勢を変更している。そして、この変更後の姿勢を維持しながら、溶着部j,jを、CD方向において糸ゴムの連続体35aの両側の位置にそれぞれ形成している。
【0095】
よって、第5加工位置PK5の上記切断工程の後の時点、すなわち溶着部j,j同士で糸ゴム35をCD方向から挟圧した状態の時には、上述の如く横たわり状部分35ayが搬送方向に長く確保された状態になる。すると、上記溶着部j,j同士が糸ゴム35を横たわり状部分35ayで挟圧する確率が高くなって、これにより、溶着部j,j同士で糸ゴム35を強く挟圧する確率が高くなる。そして、その結果、溶着部j,jからの糸ゴム35の滑りを抑制可能となる。
【0096】
なお、ここで望ましくは、糸ゴムの連続体35aの単位長さを「1」とした場合に、横たわり状部分35ayの長さを0.7以上にすると良く、より望ましくは0.8以上、より一層望ましくは0.9以上にすると良い。そして、このようにしていれば、上記の確率をより一層高めることができる。
【0097】
また、このような糸ゴムの連続体35aの姿勢の変更の実現は、アンビルロール61aの外周面61as上においてなすことができる。すなわち、この例では、
図9Aに示すように、アンビルロール61aの外周面61asには連続シート32aが所定の巻き付き角度θ32aで巻き付いているが、当該巻き付き角度θ32aで巻き付いている範囲において同連続シート32aの上記対向面32astに対して、更に糸ゴムの連続体35aを所定の巻き付き角度θ35aで巻き付けて同面32astに当接させている。
【0098】
すると、この巻き付けられた状態で回転方向Dc61aに搬送される過程でも、糸ゴムの連続体35aが伸長状態にあることから、その張力に基づいて、上述の横たわり状部分35ayが増えるように糸ゴムの連続体35aの姿勢が変更される。そして、その姿勢が維持されたまま、更に糸ゴムの連続体35aを覆うように連続シート33aが合流して、連続シート32a,33a同士の間に糸ゴムの連続体35aが介挿された状態になる。そして最後に、この状態のまま、前述のホーン61hの位置P61hを通過して、当該通過時に、連続シート32a,33a同士に溶着部jが形成される。
【0099】
ちなみに、上記の巻き付き角度θ35aは、例えば20°〜270°の範囲から選択され、望ましくは45°〜210°の範囲、より望ましくは60°〜180°の範囲から選択される。
【0100】
ところで、この例のように糸ゴムの連続体35aの繰り出しがオーバーエンド解舒方式である場合には、
図10を参照して前述したように資材コイル35aCからの繰り出しによって糸ゴムの連続体35aが捻られる。すなわち、資材コイル35aCの外周面での繰り出し位置PTOが周方向に一回転する度に、糸ゴムの連続体35aは、搬送方向に沿った軸回りに一回だけ捻られる。一方、上述のようにアンビルロール61a上では、基本的に横たわり状部分35ayになるように糸ゴムの連続体35aの姿勢は、規制されている。
【0101】
そのため、上述の捻れは、
図9Aの繰り出し装置53UWとアンビルロール61aとの間の位置に蓄積されていくが、どこかの時点で同連続体35aの弾性ねじれ変形の限界がきて、それ以上の蓄積が困難になると、蓄積されていた捻れが、一気に搬送方向の下流側へとアンビルロール61aを越えて流れていき、これにより、捻れの蓄積がほぼ皆無の状態まで解消される。すると、以降の繰り出しによって、また上記位置に捻れが蓄積されていき、更にどこかの時点で蓄積された捻れが一気に下流側へ流れるということを繰り返す。
【0102】
ここで、糸ゴムの連続体35aのうちで上記のように下流側へと一気に流れていく上記捻れの部分を「捻れ状部分35an」と言う場合に、この捻れ状部分35anは捻れているので、横たわり状部分35ayと起立状部分35akとを有している。
図13は、かかる捻れ状部分35anを平面視で示す概略説明図である。同
図13に示すように、横たわり状部分35ayは、更に2種類に大別される。つまり、搬送方向の長さが所定長さ以上の長尺横たわり状部分35ayLと、同方向の長さが所定長さ未満の短尺横たわり状部分35aySと、に大別される。上記の所定長さの一例としては5mmを例示できる。そして、捻れ状部分35anは、短尺横たわり状部分35atSと起立状部分35akとを交互に並んだ状態で有している。また、捻れ状部分35anの搬送方向の両側には、長尺横たわり状部分35ayL,35ayLがそれぞれ位置していて、つまり、搬送方向に隣り合う長尺横たわり状部分35ayL,35ayL同士の間に捻れ状部分35anが位置している。更に、この例では、このような捻れ状部分35anを有した糸ゴムの連続体35a,35a…は、
図8Bに示すように、CD方向に間隔をあけて複数本並んで配置されている。
【0103】
そして、これら複数本の糸ゴムの連続体35a,35a…のうちの1つの糸ゴムの連続体35aを「第1糸ゴムの連続体35a1」(第1弾性部材の連続体に相当)と言い、他の1つの糸ゴムの連続体35aを「第2糸ゴムの連続体35a2」(第2弾性部材の連続体に相当)と言った場合に、望ましくは、
図14に示すように、第1糸ゴムの連続体35a1が有する複数の捻れ状部分35an,35an…のうちの少なくとも1つの捻れ状部分35anと、第2糸ゴムの連続体35a2が有する複数の捻れ状部分35an,35an…のうちで第1糸ゴムの連続体35a1の上記捻れ状部分35anに最も近い捻れ状部分35anとが、搬送方向にオーバーラップしないように第1糸ゴムの連続体35a1の姿勢と第2糸ゴムの連続体35a2の姿勢とを変更すると良い。
【0104】
このようにしていれば、第5加工位置PK5の切断工程の後に、搬送方向の互いに同じ位置で第1糸ゴム35と第2糸ゴム35とが、それぞれ対応する溶着部j,jから滑ってしまって伸縮性の偏りが大きく顕在化してしまうという不具合を抑制することができる。詳しくは次の通りである。
【0105】
先ず、
図13を参照して前述したように、捻れ状部分35anは、起立状部分35akと短尺横たわり状部分35aySとが複数並んで捻れたものであるので、上記断面での形状の長手方向の向きは、搬送方向の位置に応じて変化している。すなわち、当該捻れ状部分35anは、搬送方向の長い範囲に亘って上記断面の長手方向が略CD方向を向いた類いのものではない。
そのため、かかる捻れ状部分35anは、上記切断工程の後で起こるべき上記溶着部j,j同士のCD方向の挟圧が比較的弱くなる部分であり、これにより、第1糸ゴム35及び第2糸ゴム35のそれぞれにおいて上記溶着部j,j同士から搬送方向に比較的滑り易い部分である。
【0106】
他方、この点につき、当該
図14の例では、第1糸ゴムの連続体35a1の少なくとも1つの捻れ状部分35anが、これに最も近い第2糸ゴムの連続体35a2の捻れ状部分35anに対して搬送方向にオーバーラップしないようにしている。よって、第1糸ゴム35と第2糸ゴム35との間で、滑り易い位置を搬送方向に分散させることができる。そして、これにより、伸縮性の偏りが、搬送方向の所定位置、つまりおむつ1の横方向の所定位置で大きく生じてしまうことを抑制可能となる。
【0107】
なお、このことは、次のように言い換えることができる。すなわち、「第1糸ゴムの連続体35a1が有する複数の捻れ状部分35an,35an…のうちの少なくとも1つの捻れ状部分35anが、第2糸ゴムの連続体35aが有する長尺横たわり状部分35ayLに搬送方向の位置に関して含まれている」と言うこともできる。
【0108】
このように第1糸ゴムの連続体35a1の捻れ状部分35anと第2糸ゴムの連続体35a2の捻れ状部分35anとが搬送方向にオーバーラップしないようにすることの実現は、例えば次のようにしてなすことができる。
先ず、
図10を参照して前述のように、繰り出し位置PTOが資材コイル35aCの外周面を一周する度に糸ゴムの連続体35a1,35a2は一回捻られることから、捻られるピッチは、そのときの外周面の周長と概ね一致する。また、捻られるピッチに応じて、上述の捻れの蓄積が変化し、結果、捻れ状部分35anの発生タイミングも変化する。
【0109】
そのため、繰り出し中の互いの第1糸ゴムの連続体35a1の資材コイル35aCの外径寸法と第2糸ゴムの連続体35a2の資材コイル35aCの外径寸法とを同時に比較した場合に、互いの外径寸法が一致しないように一方の資材コイル35aCの外径寸法を調整すれば良い。すなわち、そのようにすれば、繰り出しに伴って糸ゴムの連続体35a1,35a2が捻られるピッチを、第1糸ゴムの連続体35a1と第2糸ゴムの連続体35a2との間で互いに相違させることができる。そして、これにより、前述の捻れの蓄積の限界となるタイミングを、第1糸ゴムの連続体35a1の資材コイル35aCと第2糸ゴムの連続体35a2の資材コイル35aCとの間で互いに相違させることができて、その結果、第1糸ゴムの連続体35a1の捻れ状部分35anと第2糸ゴムの連続体35a2の捻れ状部分35anとが搬送方向にオーバーラップしないようにすることができる。
なお、
図8Bでは表現できていないが、この例では、腹側帯部材31の連続シート32a,33aに設けられる全ての糸ゴムの連続体35a,35a…が、上記の第1糸ゴムの連続体35a1に該当している。但し、何等これに限らない。例えば、腹側帯部材31に係る全ての糸ゴムの連続体35a,35a…のうちの少なくとも1つ、望ましくは3分の1以上、より望ましくは半数以上、より一層望ましくは3分の2以上の糸ゴムの連続体35aが上述の第1糸ゴムの連続体35a1に該当していれば、少なくともその該当の糸ゴムの連続体35aについては上記の作用効果を奏することができる。そのため、腹側帯部材31に係る全ての糸ゴムの連続体35aの中に、第1糸ゴムの連続体35a1に該当しない糸ゴムの連続体35aが存在していても構わない。
【0110】
また、この例では、
図8Bに示すように、腹側帯部材31に係る連続シート32a,33aに設けられる全ての糸ゴムの連続体35a,35a…について、溶着部jは、少なくとも切断対象位置PCを含む搬送方向の所定範囲において搬送方向に所定の形成ピッチPjで形成されている。正確には、この
図8Bの例では、搬送方向の全範囲に亘って溶着部jは、搬送方向に上記形成ピッチPjで形成されているが、このような場合に、望ましくは、
図15に示すように、捻れ状部分35anの搬送方向の長さL35anが、溶着部jの形成ピッチPjより大きいと良い。
【0111】
そして、このようになっていれば、同
図15に示すように、かかる捻れ状部分35anは、少なくとも搬送方向の2カ所の位置の溶着部j,jに基づいて取り付けられる。よって、捻れ状部分35anにおいて溶着部j,j同士の挟圧が弱くなるという不具合を、溶着部jの数を増やすことで補うことができて、これにより、当該捻れ状部分35anでも比較的安定して糸ゴム35を腹側帯部材31に取り付け可能となる。
【0112】
図16は、かかる捻れ状部分35anとサイドシール部SSとの好ましい位置関係の説明図である。なお、同
図16には、
図7のおむつの連続体1sにおける切断対象位置PCの近傍部分を拡大して示している。また、
図16では、図を見易くする目的で、本来点線で示すべき糸ゴムの連続体35aを、実線で示している。そして、このことは、前述の
図15でも同様である。
この
図16の例では、第4加工位置PK4と第5加工位置PK5との間の位置においておむつの連続体1sを厚さ方向の腹側帯部材31側から見た場合に、腹側帯部材31に係る連続シート32a,33aに設けられた全ての糸ゴムの連続体35a,35a…のうちの少なくとも1つの連続体35aの捻れ状部分35anに対して溶着部対jPたる一対の溶着部j,jが設けられている。また、これに加えて、捻れ状部分35anをCD方向に跨ぐようにサイドシール部SSが設けられている。詳しくは、サイドシール部SSは、複数の溶着部SSk,SSk…をCD方向に並んで有しているが、このうちの少なくとも1つの溶着部SSkが、捻れ状部分35anをCD方向に跨ぐように同部分35anに重なって設けられている。
【0113】
よって、溶着部j,j同士の挟圧が弱くなりがちな捻れ状部分35anについては、当該挟圧に加えて、サイドシール部SSの溶着部SSkによっても捻れ状部分35aをCD方向に挟圧することができる。そして、これにより、かかる捻れ状部分35aでも比較的安定して糸ゴム35を腹側帯部材31に取り付け可能となる。なお、このようなことの実現は、溶着部jとサイドシール部SSの溶着部SSkとの間の搬送方向の距離を、捻れ状部分35anの搬送方向の長さより小さくすることでなすことができる。すなわち、第1加工位置PK1に配された前述のヒートシール装置又は超音波シール装置のロールの外周面の凸部の配置パターンの設定及び第4加工位置PK4に配された前述のヒートシール装置又は超音波シール装置のロールの外周面の凸部の配置パターンの設定でなすことができる。
【0114】
===その他の実施の形態===
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。また、本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更や改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれるのはいうまでもない。例えば、以下に示すような変形が可能である。
【0115】
上述の実施形態では、
図5に示すように一対の対向面32ast,33ast(42ast,43ast)同士を接合する接合部の一例として溶着部jを例示したが、何等これに限らない。例えば、接合部を接着剤で形成しても良く、その場合には、一対の対向面32ast,33ast(42ast,43ast)のうちの少なくとも一方の対向面において接合部が形成されるべき形成対象位置に選択的に接着剤が塗布されることになる。
【0116】
上述の実施形態では、
図5に示すように腹側帯部材31の2枚の不織布32,33に対して、弾性部材たる糸ゴム35を、本発明の方法で取り付けていたが、何等これに限らない。例えば、
図3の立体ギャザーLSGを形成する目的で、同立体ギャザーLSG用のシート状部分に対して縦方向に沿った弾性部材18を取り付ける際に、本発明の方法を用いても良いし、又は吸収性本体10においてレッグギャザーLGとなる部分に対して糸ゴム等の弾性部材17を取り付ける際に、本発明の方法を用いても良い。
【0117】
上述の実施形態では、
図7に示すようにシート状部材の連続体の一例として2枚の連続シート32a,33a(42a,43a)を有した構成を例示したが、何等これに限らない。例えば、シート状部材の連続体が1枚の連続シートでも良い。そして、この場合には、当該1枚の連続シートをCD方向の所定位置で折り返すことによって一対の対向面を形成し、当該一対の対向面同士の間に糸ゴムの連続体35a(45a)を介挿することになる。
【0118】
上述の実施形態では、
図5に示すように、腹側帯部材31に設けられた全ての糸ゴム35,35…が、横方向の略全長に亘って連続して配されていたが、何等これに限らない。例えば、全ての糸ゴム35,35…のうちの幾つかの糸ゴム35が、例えば横方向の中央位置において非連続になっていても良い。なお、このことは、背側帯部材41の糸ゴム45,45…についても同様である。
【0119】
上述の実施形態では、
図3に示すように、吸収性物品の一例として3ピースタイプの使い捨ておむつ1を例示したが、何等これに限らない。例えば、2ピースタイプの使い捨ておむつに使用されるシート状部材に糸ゴム等の弾性部材を取り付ける際に、本発明の方法を用いても良い。ちなみに、2ピースタイプの使い捨ておむつとは、腹側部と股下部と背側部とを有した二層構造の外装シートを第1部品として有し、同外装シートの肌側面に固定される吸収性本体10を第2部品として有するタイプのおむつのことである。また、所謂テープ式の使い捨ておむつに使用されるシート状部材に糸ゴム等の弾性部材を取り付ける際に、本発明の方法を用いても良い。ちなみに、テープ式の使い捨ておむつとは、着用者の胴部を腹側から覆う腹側部と、同胴部を背側から覆う背側部とを有し、腹側部と背側部とを連結するのに、ファスニングテープを用いるタイプのおむつのことである。更に言えば、吸収性物品についても、何等上記の使い捨ておむつ1に限らない。すなわち、上述したような弾性部材が取り付けられたシート状部材を用いる吸収性物品であれば、本発明の方法を適用可能である。そのため、この吸収性物品の概念には、尿取りパッドや生理用ナプキンも含まれる。
【0120】
上述の実施形態では、
図6に示すように、接合部として平面視略正方形の溶着部jを例示したが、溶着部jの形状は何等これに限らない。例えば円形でも良いし、長方形や長円形状等の長手方向を有した形状でも良い。なお、後者の長手方向を有した形状の場合には、当該長手方向は、搬送方向(横方向)に沿っていても良いし、CD方向(縦方向)に沿っていても良いし、搬送方向及びCD方向の両者と交差する方向に沿っていても良い。
【0121】
上述の実施形態では、
図5に示すように、各溶着部j,j…は、横方向及び縦方向(長手方向)で規定される所謂格子状配置で設けられていた。すなわち、各溶着部j,j…は、横方向に沿った仮想直線と縦方向に沿った仮想直線との交点にそれぞれ設けられていたが、何等これに限らない。例えば、上記の交点から横方向のずれた位置に各溶着部j,j…が設けられることで、これら溶着部j,j…が所謂千鳥配置で設けられていても良い。また、同
図5では、これら溶着部j,j…は、縦方向に沿って並んで配置されていたが、何等これに限らない。例えば、縦方向及び横方向の両者と交差する斜め方向に並んで配置されていても良い。
【0122】
上述の実施形態では、
図5に示すように、縦方向(CD方向)に隣り合う溶着部対jP,jP同士の間には、溶着部jが設けられていなかったが、何等これに限らない。例えば、これら溶着部対jP,jP同士の間に1つ以上の溶着部jを設けても良い。なお、かかる溶着部jは、糸ゴム35(45)の不織布32,33(42,43)への取り付けには寄与せず、不織布32,33(42,43)同士の接合にのみ寄与するものである。
【0123】
上述の実施形態では、
図9Aの超音波溶着装置60のホーン61hは非回転であったが、何等これに限らない。例えば、CD方向に沿った回転軸回りに回転するローラー状のホーンを使用しても良い。なお、この場合には、ローラー状のホーンが、その回転半径方向に所定の周波数で膨張収縮を繰り返すことにより、同ホーンの外周面が、超音波振動する振動面として機能することになる。
【0124】
上述の実施形態では、第5加工位置PK5の切断工程での切断に基づいて、搬送方向に収縮しつつCD方向に拡大しようとする糸ゴム35(45)を、両側の溶着部j,j同士でCD方向に挟圧し、これにより、当該糸ゴム35(45)を2枚の不織布32,33(42,43)に取り付けていたが、何等これに限らない。すなわち、切断工程よりも前の段階で2枚の不織布32,33(42,43)に係る連続シート32a,33a(42a,43a)の一対の対向面32ast,33ast(42ast,43ast)に介挿された糸ゴムの連続体35a(45a)の伸長状態を緩和して同連続体35a(45a)を搬送方向に収縮することにより、同連続体35a(45a)を両側の溶着部j,j同士でCD方向に挟圧して取り付けても良い。例えば、
図7のパンツ型のおむつの連続体1sにおいて糸ゴムの連続体35a(45a)の伸長状態を緩和して同連続体35a(45a)を搬送方向に収縮することにより、同連続体35a(45a)を両側の溶着部j,j同士でCD方向に挟圧して取り付けても良い。そして、しかる後に切断工程でパンツ型のおむつの連続体1sを切断して、おむつ1を生成しても良い。