(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0020】
本出願では、「半導体ウエハ」、「ウエハ」、「基板」、「ウエハ基板」、及び「部分的に製作された集積回路」という用語が、区別なく使用される。当業者にならば、「部分的に製作された集積回路」という用語が、集積回路製作のための多数の段階のうちの任意の段階におけるシリコンウエハを指しえることが理解される。半導体デバイス産業において使用されるウエハ又は基板は、一般に、200mm、300mm、又は450mmの直径を有する。以下の詳細な説明は、本発明が、ウエハ上で実現されることを想定している。しかしながら、本発明は、この限りではない。被加工物は、様々な形状、サイズ、及び材料であってよい。開示される実施形態の利点を活用しえる様々な物品として、半導体ウエハに加えて、プリント回路基板、磁気記録媒体、磁気記録センサ、ミラー、光学素子、微小機械素子などの、様々な物品が挙げられる。
【0021】
以下の詳細な説明では、提示される実施形態の完全な理解を与えるために、数々の具体的詳細が述べられる。開示される実施形態は、これらの具体的詳細の一部又は全部を伴わずとも実施可能である。また、開示される実施形態を不必要に不明瞭にしないように、周知のプロセス操作の詳細な説明は省かれている。開示される実施形態は、具体的な実施形態との関連のもとで説明されるが、これは、開示される実施形態を制限することを意図していないことが理解される。
【0022】
I. 背景及びプロセスフロー
VNANDデバイスの製作に伴う一つの操作は、交互する材料層内にリセス特徴をエッチングすることを伴う。現製品は、それぞれ1以上のビットを記憶する32個の個々のデバイスが組み込まれて垂直に一列に並べられたメモリデバイスを含む。これらのデバイスは、積層体にされた32対のシリコン酸化物層/シリコン窒化物層又はシリコン酸化物層/ポリシリコン層をエッチングするプロセスを使用して製作される。一部の事例では、積層体は、様々な機能/目的のために提供された特定の追加の層を含んでいてよい。代表的な事例では、32対のこれらの層からなる積層体は、厚さが約2μmであり、これは、エッチングプロセスによって深さ約2μmの特徴をエッチングしなければならないことを意味する。このような特徴の代表的な臨界直径(幅)は、約50nmであり、その結果、アスペクト比は約40:1(より端的に言うと40)になる。
【0023】
積層体内の交互する層の対数を増やすことによって、更にビット密度が高いデバイスが製作可能である。例えば、各種の実施形態では、約46〜64対の、又はひいては約72〜92対の層を伴うメモリデバイスが製作可能だと見込まれる。これらの未来のデバイスでは、臨界寸法は、ほぼ同じに維持されると予想される、又は臨界寸法は、少なくとも約80若しくは少なくとも約100などのアスペクト比を有する特徴のように、更に小さくなる可能性が高いと予想される。しかしながら、従来のエッチングプロセス及びハードマスク材料は、本明細書で更に論じられるように、このような高いアスペクト比で特徴を形成することはできない。開示される実施形態の多くは、VNANDメモリデバイスに関するが、開示されるエッチングプロセス及び堆積プロセスは、論理デバイスなどのその他の用途にも適用可能である。
【0024】
図1A〜1Fは、このような特徴を形成するための様々な処理操作を経ているときの、部分的に製作された半導体デバイスを示している。
図7は、
図1A〜1Fにおける様々なプロセス操作を説明しているフローチャートである。
図2A〜2Eは、代替の方法にしたがってこのような特徴を形成するための様々な処理操作を経ているときの、部分的に製作された半導体デバイスを示している。
図8は、
図2A〜2Eにおける様々なプロセス操作を説明しているフローチャートである。
図1A〜1F(及び関連の
図7)に示されたプロセスフロー、並びに
図2A〜2E(及び関連の
図8)に示されたプロセスフローは、それぞれ、
図3A〜3F(及び関連の
図9)に示された方法、並びに
図4A〜4F(及び関連の
図10)に示された方法によって克服される特定の困難を提示している。
【0025】
図1A、及び
図7の操作701から始まって、堆積装置内に基板が提供される。基板は、材料層を交互に重ねた積層体101を含む。特定の事例では、酸化物材料(例えばシリコン酸化物)層と窒化物材料(例えばシリコン窒化物)層とが交互に重ねられる。その他の事例では、酸化物材料(例えばシリコン酸化物)層と多結晶シリコン(すなわちポリシリコン)層とが交互に重ねられる。積層体101の最上層は、一部の事例では、シリコン窒化物層であってよい。この例では、積層体101を覆っているのは非晶質炭素ハードマスク102である。次に、操作703では、一連のパターン転写層103、反射防止層104、及びフォトレジスト層105が、非晶質炭素ハードマスク102上に順次堆積される。操作705では、
図1Bに示されるように、フォトレジスト層105は、積層体101内に特徴106がエッチングされる予定位置を定めるためにパターン形成される。パターン転写層103は、フォトレジスト層105から非晶質炭素ハードマスク102への及びそして積層体101へのパターンの転写を助けるために提供される。操作707では、垂直方向下向きに層を経てパターンを転写するために、一連のエッチング工程が実行される。フォトレジスト層105、反射防止層104、及びパターン転写層103は、
図1C及び
図1Dに示されるように、これらのエッチング工程中に除去されてよい。最終的に、パターンは、
図1Eに示されるように、非晶質炭素ハードマスク102に転写される。ここから、
図1Fに示されるように、積層体101内へパターンをエッチングするために、追加のエッチング操作709が生じる。多くの場合、特徴106は、ホール/円筒である。
【0026】
図1A〜1Fに示されたプロセスフローは、限られた深さに特徴を形成するには適しているかもしれないが、より深い場所に特徴を形成するときには大きな困難に直面する。例えば、このプロセスフローは、特定の事例において、24対又は36対の層を有する積層体に一般的に使用される深さ1.5〜2μmのホールを形成するには適しているかもしれないが、最先端のVNANDデバイスに使用されるような更に多くの対の層を有する積層体に有用な深さ3〜4μmのホールを形成する場合は、ほとんど期待できなくなる。このようなデバイスは、例えば、少なくとも約40対、少なくとも約50対、少なくとも約60対、少なくとも約70対、少なくとも約90対などのように、更に多くの対数の層を有するだろう。このようなデバイスにおける特徴のアスペクト比は、少なくとも約40、少なくとも約50、少なくとも約60、少なくとも約80、又は少なくとも約100であろう。特徴のアスペクト比は、特徴の深さを特徴の臨界寸法(多くの場合、特徴の直径又は幅)と比較したものである。例えば、深さが2μmで幅が約50nmのホールは、約40:1の、より端的に言うと40のアスペクト比を有する。
【0027】
図1A〜1Fにおけるプロセスフローが、比較的浅い特徴の形成に限られる理由は、1つには、非晶質炭素ハードマスク102が、より深く特徴106を形成するために必要とされる量の処理に耐えられる十分な耐エッチング性ではないことである。要するに、非晶質ハードマスク102と、エッチング対象とされる下の積層体101との間の選択性が低すぎるゆえに、非晶質炭素ハードマスク102は、特徴106がその最終深さまでエッチングされる前にエッチングによって除去されてしまう。VNAND用途における、下の積層体の材料と、PECVDによって堆積される非晶質炭素ハードマスクとの間のエッチング速度選択性の例は、約2:1〜3:1(積層体のエッチング速度:ハードマスクのエッチング速度)の範囲であってよい。一部の事例では、非晶質炭素ハードマスク102がファセッティングされ(すなわち、パターンの上方隅の付近が過剰にエッチングされ)、積層体内へのパターンの転写が不正確になるかもしれないという関連の問題がある。現処理条件下では、約2μmの深さにエッチングされる36対の層の積層体は、厚さが約1〜1.5μmの非晶質炭素ハードマスクを必要とする。
【0028】
現材料を使用して更に深くホールをエッチングするためには(例えば、積層体に含まれる層の対数が更に多い場合)、炭素ハードマスク102を厚くする必要があるだろう。しかしながら、3〜4μmの深さに特徴を形成するために増やす必要がある炭素ハードマスク102の厚さは、現実的ではない。エッチングの深さと、そのエッチングの深さを実現するために必要とされる非晶質炭素ハードマスクの最小厚さとの間には、非線形関係がある。イオンエッチングの指向性、及びエッチングされる特徴の幾何学形状ゆえに、積層体材料は、浅い(特徴の底の基板に衝突することができるイオンの割合が大きい)ところでは、比較的速くエッチングされ、深い(特徴の底ではなく側壁に衝突するイオンの割合が大きいゆえに、特徴の底の基板に衝突することができるイオンの割合が低い)ところでは、比較的遅くエッチングされる。非晶質炭素ハードマスク102は、比較的一定の速度でエッチングされるので、特徴内のエッチング速度が下がると、その結果の1つとして、エッチングの深さが増すにつれて、特徴内でエッチングされる単位距離あたりの間にエッチングによって除去される炭素ハードマスクの量が増加する。要するに、特徴が3μmから4μmへエッチングされているときは、特徴が1μmから2μmへエッチングされているときと比べて大幅に多くの量の炭素ハードマスクがエッチングによって除去される。この非線形関係は、エッチング中に基板を適切に保護して所望のパターンを維持するために、非常に厚い非晶質炭素ハードマスクが必要とされるだろうことを意味する。
【0029】
多くの事例において、この厚い炭素ハードマスクは、非現実的である。厚い炭素ハードマスクが望ましくない理由は、1つには、厚さ1〜1.5μmの現在の非晶質炭素ハードマスク層をパターン形成するために必要とされる処理手順が、既にかなり複雑で且つ高価であることである。深い特徴がエッチングされているときは、特徴がその全深さまでエッチングされる前にフォトレジストが長く腐食されるであろうゆえに、1枚のフォトレジスト層では積層体を保護するのに不十分である。この問題に対処するために、現代の製作技術は、ハードマスクにおけるフォトリソグラフィとパターン定義との間に複数段階のパターン転写を提供する。非晶質炭素ハードマスクを更に厚くすると、このプロセスが更に複雑になり、余分な材料及び更に厚いパターン転写層が必要とされ、堆積及びエッチングにかかる時間が長くなるだろう。更に、多くのハードマスク膜が、CVDプロセス又はPVDプロセスを通じて堆積され、これらの膜は、基板をたわませる/反らせるかもしれない固有応力を有する。たわみは、応力が圧縮性であるか又は伸張性であるかによって、基板を円蓋状又は皿状にするだろう。この基板のたわみの問題は、マスク層が厚いほど深刻になり、その後の処理工程において基板が基板サポート上に正しく載置されるのを妨げる恐れがある。基板のたわみは、非常に平坦な基板に適用されなければならない非常に精密な光学系を伴うことが多いフォトリソグラフィ操作との関係において、特に問題になる。かくして、深くリセスされた特徴を、このような特徴の形成に必要とされる処理条件に耐えられるハードマスク材料を使用して形成する方法が、必要とされている。
【0030】
これらの問題に対処する手法は、1つには、非晶質炭素などの従来のハードマスク材料を、金属などの高選択性のハードマスク材料に置き換えることである。金属ハードマスクを使用したプロセスフローの一例が、
図2A〜2Eに示されており、
図8のフローチャートに関連して更に説明される。この実現形態では、
図1A〜1Fで使用された非晶質炭素ハードマスク材料102の代わりに、金属ハードマスク202が使用される。金属ハードマスクは、関連のエッチング化学剤によるエッチングの際に、高い選択性を示すので、非晶質炭素ハードマスク又はその他のハードマスクに代わる代替候補になりえる。効果的にパターン形成されると、金属ハードマスクは、深い(すなわち高アスペクト比)特徴のエッチングに使用される処理条件に耐えることができる。
図2A〜2Dに示されたプロセス工程は、その他の点では
図1A〜1Dに示されたプロセス工程と同一であり(更に、
図8のプロセス工程801〜807は、その他の点では、
図7の工程701〜707と同一であり)、簡潔さを期するために、説明の繰り返しは省略される。
【0031】
しかしながら、
図2E及び操作807において金属ハードマスク202がエッチングされるときは、ある種の相違が生じる。具体的には、金属ハードマスク202をエッチングによって貫通することが難しくなるだろう。このエッチングは、下の積層体101に所望のパターンを付与するために必要なものである。このエッチング操作が難しい理由は、1つには、ハードマスク202に使用される金属の多くが、従来のハロゲン化物をベースにしたエッチング化学剤を使用してエッチングされるときに、揮発性の副生成物を生じないことである。しかるがゆえに、副生成物は、例えば、エッチング特徴の側壁に沿ってエッチング特徴に留まる恐れがあり、これにより、パターンが金属ハードマスク層202に十分に転写される前にエッチングプロセスが事実上終了させられ得る。金属によっては、その他の金属よりも問題になるものがある。例えば、タングステンがエッチングされるときに、タングステン金属は、特定のエッチング化学剤/副生成物と反応して不揮発性材料(例えば、Si、O、N、F、及びWの組み合わせ又はSi、O、N、F、及びWのうちのいずれかの組み合わせを含む)を形成するかもしれず、このような不揮発性材料は、エッチングの前縁において特徴の内部を被覆して、エッチングプロセスを減速させる又は停止させる恐れがある。
【0032】
エッチングの問題に対処する手法として考えられるのは、1つには、新しいエッチングプロセスを開発することだろう。しかしながら、この手法は、長年続いてきた現エッチングプロセスの再設計を伴うものであり、高価で且つ困難になるだろう。したがって、現エッチング化学剤/プロセス(例えば、フッ化炭素をベースにしたプロセス)を活用したプロセスを開発することが好ましいだろう。
【0033】
特定の用途では、PVDによって堆積された金属ハードマスクが使用されてきた。これらのPVD堆積方法の限界は、スパッタリングが容易でない金属があることである。例えば、金属によっては、適切なスパッタリング対象がないかもしれず、このことは、PVDによる堆積を困難又は不可能にする。PVDによって堆積された金属ハードマスクの別の問題は、PVDによって堆積された膜が、固有内部応力を有することが多く、したがって、上記の基板のたわみの問題を引き起こす恐れがあることである。更に、PVDによって堆積された金属ハードマスクは、金属結晶粒が比較的大きい状態に堆積されるだろう。このような結晶粒の粒界は、金属内にエッチングされた特徴の縁部を、望ましい滑らかなパターンではなく、望ましくないジグザグの縁部にする恐れがある。
【0034】
図2A〜2E及び
図8の実施形態に戻り、操作807において、金属ハードマスク202は上手くエッチングされず、したがって、下の積層体101はエッチングされず、プロセスは失敗する。したがって、金属ハードマスクは、深い(例えば、一部の実施形態における、深さが3〜4μmであり少なくとも約40のアスペクト比を伴う)特徴のエッチングの際に積層体を保護するという意味では有望ではあるが、異なる/改善されたプロセスフローが必要とされる。改善されたプロセスフローは、金属ハードマスク層内にパターンをエッチングする必要性をなくするべきである。
【0035】
図3A〜3Fは、事前に形成された犠牲支柱の周囲に(例えば、電気めっき及び/又は無電解めっきを使用して)めっきされた金属ハードマスクを使用して半導体基板内にリセス特徴を形成するための、代わりとなる改善されたプロセスフローを示している。プロセスフローは、
図9に示されたフローチャートに関連して更に説明される。金属ハードマスクがその形成時に所望の形状を有し、金属ハードマスクをパターン形成するための困難なイオンエッチング工程を必要でなくするために、事前に形成された犠牲支柱は、リセス特徴が形成される位置の真上に位置決めされる。プロセスは、操作901及び
図3Aから開始し、交互する材料層からなり金属シード層310を上に有する積層体301が提供される。積層体301は、上述のように、酸化物層と窒化物層とを交互に、又は酸化物層とポリシリコン層とを交互に含んでいてよい。金属シード層310は、利用可能な任意の手段を通じて積層体301上に堆積されてよい。特定の実施形態では、金属シード層310は、物理蒸着(PVD)、化学気相成長(CVD)、又は原子層堆積(ALD)を通じて堆積される。PVD及びCVDは、処理時間が短くてすむゆえに、ALDと比べて特に有用かもしれないが、実施形態によっては、ALDプロセスが使用されてもよい。シード層は、リセス特徴306が形成される領域では後ほど除去されるので、容易に除去可能な材料で作成されるべきである。
【0036】
次に、操作902では、犠牲支柱材料302の層が堆積され、次いで、操作903における、1枚以上のパターン転送層303の堆積、反射防止層304の堆積、及びフォトレジスト層305の堆積が続く。フォトレジスト層は、
図3Bに示されるように、操作904においてパターン形成される。特筆すべきは、フォトレジストパターンが、
図1B及び
図2Bで使用されたものの逆パターンであることである。フォトレジストは、残ったフォトレジストが、特徴がエッチングされる位置の上に位置するように、パターン形成される。フォトレジストは、特徴がエッチングされる予定ではない領域では除去される。犠牲支柱材料302は、非晶質材料であってよい。非晶質材料は、結晶材料と比べて滑らかにエッチング/パターン形成が可能であり、その結果、より正確にパターン転写がなされ、エッチングされた特徴の縁部の滑らかさが増す。特定の事例では、犠牲支柱材料302は、非晶質シリコン又は非晶質炭素である。犠牲支柱材料302は、後ほど金属ハードマスク層が堆積される位置に水平に位置決めされる。犠牲支柱材料302は、後ほど堆積される金属マスクの厚さを僅かに又は適度に上回る厚さで堆積されるべきである。
【0037】
フォトレジストがパターン形成された後、操作907では、フォトレジスト層305から犠牲支柱材料302の層にパターンを転写し、それによって、
図3Cに示される犠牲支柱302cを形成するために、一連のエッチングプロセスが実施されてよい。各種の実施形態において、犠牲支柱の幅は、例えば約30〜60nm又は約40〜50nmのように、約20〜100nmであってよく、犠牲支柱の高さは、例えば約300〜500nmのように、約200〜1000nmであってよい。これらの又はその他の実施形態では、犠牲支柱302cは、例えば約10:1〜20:1のように、約2:1〜50:1のアスペクト比を有していてよい。最適なアスペクト比は、エッチングされる材料、金属ハードマスクの材料、及びエッチングされる特徴の深さに依存する。上から見たときに、犠牲支柱302cは、円形、四角形、長方形などであってよい。
【0038】
多くの用途のために、一連の犠牲支柱が形成される。犠牲支柱は、用途の必要性に応じて、四角形のパターン、三角形のパターン、六角形のパターンなどに配置されてよい。用途によっては、隣り合う支柱同士の間の中心間分離距離が、約50〜200nmである。特定の事例では、犠牲支柱間の中心間分離距離は、約80〜120nmであってよい。
【0039】
このエッチング操作907の結果は、1つには、犠牲支柱材料302の層の下に位置するシード層310を露出させることである。次に、操作908では、
図3Dに示されるように、例えば電気めっき又は無電解めっきを使用して金属ハードマスク層320が堆積される。或いは、金属ハードマスク層は、選択CVD金属プロセスを通じて堆積されてよい。選択CVDによって堆積される金属として使用される材料の一例としてコバルトが挙げられるが、その他の金属が使用されてもよい。金属ハードマスク層320は、犠牲支柱302cの周囲に堆積される。犠牲支柱302cは、犠牲支柱302cが容易に除去可能であるように、金属ハードマスク層320の高さの最上部から突き出しているべきである。次に、操作910では、
図3Eに示されるように、犠牲支柱302cが除去され、金属ハードマスク層320が残される。犠牲支柱302cは、犠牲支柱材料302と金属ハードマスク層の材料320との間に高い選択性を有するプロセスを使用して除去される。犠牲支柱302cの下に位置するシード層310も、同様に除去される。
【0040】
この時点で、金属ハードマスク層320は、パターン形成されており、
図3F及び操作912に示されるように、特徴306を形成するために積層体301がエッチングされる間に、ハードマスクとして有効に使用することができる。金属ハードマスク320は、非晶質炭素と比べて優れたエッチング耐性を有するので、この実施形態は、
図1A〜1Fに示されたプロセスを使用して実現可能であるよりも大幅に深いホール(すなわち、高いアスペクト比のホール)をエッチングするために使用することができる。しかるがゆえに、開示された処理方法は、より多くの材料層を貫通して更に深いホールをエッチングするために使用されてよく、そうして、交互する層の枚数がもっとずっと多くそれゆえにビット密度も更に高いVNANDデバイスの製作が可能になる。
【0041】
特定の実施形態では、犠牲支柱が比較的脆いことがある。しかるがゆえに、犠牲支柱は、その下でエッチングされる特徴の直径よりも幾分大きい直径で形成されることが望ましいだろう。この実施形態は、
図4A〜4Fに示されており、
図10に示されたフローチャートに関連して更に説明される。
図4Aに示された部分的に製作されたデバイスは、
図3Bに示されたものに相当し、特徴がエッチングされる位置のフォトレジスト305パターンが広めである。
図4Bに示された部分的に製作されたデバイスは、
図3Cに示されたものに相当し、犠牲支柱302cが広めである。この実施形態では、犠牲支柱302cは、例えば約4:1〜10:1のように、約2:1〜20:1のアスペクト比を有していてよい。犠牲支柱302cは、例えば、最終特徴406の直径の約110〜150%のように、最終特徴406の直径の約100〜200%の直径を有していてよい。
図4Cに示された部分的に製作されたデバイスは、
図3Dに示されたものに相当し、やはり、犠牲支柱302cが広めである。
図4Dに示された部分的に製作されたデバイスは、
図3Eに示されたものに相当し、犠牲支柱302c及びシード層310が除去された位置の空洞が広めである。フローチャートに関しては、
図10の操作1001〜1010は、
図9の操作901〜910と類似しており、説明の繰り返しは省略される。
【0042】
この時点で、金属ハードマスクは、パターン形成されているが、エッチングされる特徴が、所望されるよりも広くなるゆえに(なぜならば、犠牲支柱302cが、その機械的完全性を高めるために、エッチングされる特徴406よりも厚く/広く設計されたからである)、まだ、ハードマスク層として使用される用意が整っていない。しかるがゆえに、操作1014では、
図4Eに示されるように、金属ハードマスク層320の上に、追加の金属マスク材料層425がめっきされる。この追加の金属マスク材料層425は、各種の実施形態において、無電解めっきを通じて堆積される。無電解めっきは、露出した導電性表面上に金属を堆積させる。好都合なことに、シード層310は、無電解めっき操作前に除去可能であるので、追加の金属マスク材料425は、露出した金属表面(例えば、金属ハードマスク層320及びシード層310の側壁(誇張して大きく描かれている))上のみに堆積する。これに対し、ホールの底の露出表面は、シード層が除去された後は導電性ではないので、追加の金属マスク材料425は、ホールの底にはめっきされない。一部の実施形態では、追加のマスク材料425は、例えば約2〜4nmのように、約1〜10nmの厚さにめっきされてよい。
【0043】
この追加のマスク材料425を堆積させるために、電気めっきが使用されてもよいが、この場合、電気めっき反応を促す電流を提供するためのシード層(例えばシード層310)が必要とされる。しかるがゆえに、追加のマスク材料425が電気めっきされる間、連続したシード層310が残っている必要がある。更に、電気めっきによる堆積は、所望される側壁の周囲よりも、開口の下から上へ進行するだろう。無電解めっきは、これらの両方の問題を回避する。第1に、外部電流が不要であるので、電流を供給するためのシード層が不要である。第2に、無電解めっきは、より効果的に側壁を覆う比較的形に添った充填を実現するように実施可能である。追加のマスク材料が堆積された後は、
図4Fに示されるように、操作1016において、材料積層体内に特徴406をエッチングすることができる。
【0044】
特定の実現形態では、追加のマスク材料425の形成中に、金属ハードマスク層320のホールの底に、(電気めっき又は無電解めっきを通じて、意図的にせよ又は意図的でないにせよ)ある程度のめっきが生じるだろう。下の積層体をエッチングするためには、このホール底のめっきをエッチングして貫通する必要がある。ホール底のめっきは、厚い金属ハードマスク層320全体をエッチングして貫通することと比べれば、(少なくともずっと薄いだろうゆえに)エッチングが比較的容易だろう。
【0045】
追加のマスク材料を堆積させる別の選択肢は、選択的な金属CVDプロセスである。これらのプロセスでは、(非導電性表面と対比して)導電性表面の上に選択的に金属を堆積させるために、化学気相蒸着が使用される。選択的な金属CVDプロセスは、それぞれ参照によってその全体を本明細書に組み込まれる、2008年4月29日に出願され名称を「Selective Cobalt Deposition on Copper Surfaces(銅表面上への選択的なコバルト堆積)」とする米国特許出願第12/111,921号、米国特許第7,884,018号、及び米国特許第8,278,216号で更に論じられている。
【0046】
エッチングを通じて金属ハードマスクをパターン形成することを伴う方法(例えば
図2A〜2E)と比較して、
図3A〜3F及び
図4A〜4Fに示される方法は、比較的滑らかな特徴を形成することができる。例えば、ホール/円筒をエッチングするときに、形成されるホールは、金属ハードマスクがエッチングを通じてパターン形成されるときと比べて、より丸く且つより滑らかである。これは、犠牲支柱材料(例えば、
図3A〜3Fにおける犠牲支柱材料302)が非晶質材料である場合に特に当てはまる。金属マスク材料は、結晶性であるだろうゆえに、この材料の直接的なエッチングは、粒界をでこぼこで且つ非円形にする恐れがある。これに対し、非晶質の犠牲支柱材料が使用される場合は、粒界を有さない非晶質材料内にパターンをエッチングすることができる。これは、より滑らかで且つより丸みを帯びたパターンを形成する。次いで、パターン形成された犠牲支柱の周囲に、金属ハードマスクをめっきすることができ、このとき、金属ハードマスクが接する位置の犠牲支柱は、非常に滑らかな/丸みを帯びた側壁を有する。これらの滑らかな/丸みを帯びた側壁は、犠牲支柱が除去された後も維持される。
【0047】
更に、開示された方法は、ハードマスクを開口させるための困難なエッチング工程(すなわち、金属ハードマスク内へパターンを直接エッチングすること)を必要としなくてすむだろう。
図2Eに関連して図示及び説明されたように、金属ハードマスク材料内へのパターンのエッチングは、少なくとも一部には、従来のエッチング化学剤を使用するときにこのような金属の多くが揮発性の副生成物を生じないゆえに、非常に困難である。
図3A〜3F及び
図4A〜4Fに示される方法は、この困難なプロセス工程を回避し、その代わりに、シード層の堆積、犠牲支柱材料の堆積及びパターン形成、並びにパターン形成された犠牲支柱の周囲への金属ハードマスク層の電気めっき及び/又は無電解めっきなどの、より容易な操作を用いる。電気めっき及び無電解めっきは、金属膜を、比較的容易に且つ安価に、尚且つたとえかなりの厚みがあっても低応力であるようにめっきするために使用することができる。
【0048】
更に、電気めっき及び無電解めっきは、室温で金属ハードマスク層を堆積させることができ、その結果、膜は、低応力又は無応力になる。特定の用途(例えば
図2A〜2E)では、物理蒸着(PVD)方法を通じて金属ハードマスクが堆積される。これらの方法は、より高い温度を伴うものであり、その結果、膜の応力が高くなる。上記のように、高応力の膜は、ウエハをたわませる恐れがあり、これは、その後のプロセスにおいて基板が基板サポート上に正しく載置されるのを妨げる恐れがあり、また、精密なパターン形成のために非常に平坦な基板を必要とするフォトリソグラフィ工程にとっても問題になる恐れがある。開示される各種の方法は、大幅に低い温度でなされえる電気めっき又は無電解めっきを通じて金属ハードマスク層を堆積させることによって、これらの問題を回避する。結果として得られる膜は、したがって、応力が低く、その後に続く処理における問題が少なくてすむ。
【0049】
電気めっき及び無電解めっきは、金属ハードマスクとして使用可能な金属の範囲を広げることができる。上記のように、各種の金属層を堆積させるために、現在ではPVDが使用されている。しかしながら、PVDは、ある種の金属を堆積させるには非現実的なことがある。電気めっきは、このような幾つかの金属を形成するために使用することができる。電気めっき及び/又は無電解めっきを通じて比較的容易に堆積可能であるがPVDを通じては容易に堆積可能ではない金属の例として、Co(磁性である)、In(軟質である)、及びSn(融点が低い)が挙げられるが、これらに限定はされない。
【0050】
II. 装置
図5は、
図3A〜3Fに関連して説明されたプロセスを実施するために使用されえる各種の半導体処理装置を示している。
図3Aを参照すると、堆積装置502では、積層体301及びシード層310がそれぞれ形成されてよい。堆積装置は、一部の実施形態では、PVD、CVD、及び/又はALD装置である。装置の例として、カリフォルニア州フリーモントのLam Research Corporation社からそれぞれ入手可能であるALTUS(登録商標)製品群、VECTOR(登録商標)製品群、及びSPEED(登録商標)製品群が挙げられる。次に、犠牲支柱材料302の層、(1枚以上の)パターン転写層303、反射防止層304、及びフォトレジスト層305が堆積される。この堆積も、堆積装置502で生じてよい。各堆積を実施するために使用される装置は、その他の堆積を実施するために使用される装置と同じであってよい、又は異なっていてよい(すなわち、幾つかの独立した堆積装置が使用されてよい)。装置によっては、特定の膜タイプの形成に特に有用なものがあるが、多くの場合、1つの堆積リアクタによって、多くの異なるタイプの膜を堆積させることができる。
【0051】
基板は、次いで、フォトレジスト層305をパターン形成するために、フォトリソグラフィ装置に移送される(矢印5.1)。次に、基板は、エッチング装置506に移送され(矢印5.1)、フォトレジスト層305から犠牲支柱材料302の層にパターンを順次転写しそれによって
図3Cに示されるような犠牲支柱302cを形成するために、反射防止層304、(1枚以上の)パターン転写層303、及び犠牲支柱材料層302がそれぞれエッチングされる。各層は、関連の実施形態を実現するために使用される厳密なプロセスに応じて、同じエッチング装置又は異なるエッチング装置でエッチングされてよい。エッチング装置の例として、カリフォルニア州フリーモントのLam Research Corporation社からそれぞれ入手可能である2300(登録商標)FLEX(商標)製品群、2300(登録商標)KIYO(登録商標)製品群、及び2300(登録商標)VERSYS(登録商標)金属製品群が挙げられる。
【0052】
この時点で、基板は、めっき装置508に移送される(矢印5.3)。めっき装置508は、電気めっき装置及び/又は無電解めっき装置であってよい。電気めっき装置の例として、カリフォルニア州フリーモントのLam Research Corporation社からそれぞれ入手可能であるSABRE(登録商標)製品群及びSABRE(登録商標)3D製品群が挙げられる。無電解めっき装置の例には、2300(登録商標)ELDがある。
図3Dに示されるように、めっき装置308では、金属ハードマスク層320が堆積される。次に、基板は、エッチング装置506に戻され(矢印5.4)、
図3Eに示されるように、犠牲支柱302c及び(支柱302cの下の)シード層310が除去される。これらのエッチング工程は、先の層のエッチングに使用されたのと同じエッチング装置で又は異なるエッチング装置で生じてよい。シード層が除去された後、エッチング装置506では積層体301がエッチングされる。この操作は、その他のプロセスに使用されたエッチング装置で又は異なるエッチング装置で生じてよい。
【0053】
図6は、
図4A〜4Fに関連して説明されたプロセスを実行するために使用されえる各種の半導体装置を示している。この図は、
図5と同様であるが、
図4Eに示される追加のマスク材料425の堆積を可能にするために、プロセスフローが僅かに変更されている。プロセスフローは、
図4Dに示されるように、犠牲支柱302c及び(犠牲支柱302cの下の)シード層310が除去された後までは同じである。この時点で、矢印5.1〜5.4によって表される移送が生じており、基板は、エッチング装置506にある。追加のマスク材料425を堆積させるために、基板は、めっき装置508に移送される(矢印5.5)。ここで、めっき装置508は、無電解めっき装置である。追加の材料425をめっきするために使用されるめっき装置は、金属マスク層320をめっきするために使用されるものと同じ装置であってよい。その他の実施形態では、これら2つの装置は、異なっていてよい(例えば、金属マスク層320をめっきするために使用される装置は、電気めっき装置であってよく、追加のマスク材料425をめっきするために使用される装置は、無電解めっき装置であってよい)。追加のマスク材料425がめっきされた後、基板は、積層体301のエッチングのために、再びエッチング装置506に移送することができる(矢印5.6)。
【0054】
本明細書で説明される方法は、例えば
図5及び
図6に関連して説明されたように、任意の適切な装置又は装置の組み合わせによって実施されてよい。適切な装置は、プロセス操作を実現するためのハードウェアと、本発明にしたがってプロセス操作を制御するための命令を有するシステムコントローラとを含む。例えば、一部の実施形態では、ハードウェアは、プロセスツールに含まれる1つ以上のプロセスステーションを含んでいてよい。各種の処理装置のハードウェアに関係する更なる詳細については、参照によって本明細書に組み込まれる様々な特許及び特許出願で提供されている。
【0055】
一部の実装形態では、コントローラは、システムの一部であり、当該システムは、本明細書で説明される例の一部であってよい。このようなシステムは、1つ若しくは複数の処理ツール、1つ若しくは複数のチャンバ、処理のための1つ若しくは複数のプラットフォーム、及び/又は特定の処理コンポーネント(ウエハ台座やガスフローシステムなど)などの、半導体処理機器を含むことができる。これらのシステムは、半導体ウエハ又は基板の処理の前、最中、及び後におけるそれらの操作を制御するための電子機器と一体化されてよい。電子機器は、「コントローラ」と呼ばれてよく、1つ又は複数のシステムの様々なコンポーネント又は副部品を制御することができる。コントローラは、処理要件及び/又はシステムのタイプに応じ、処理ガスの供給、温度の設定(加熱及び/若しくは冷却)、圧力の設定、真空の設定、電力の設定、高周波数(RF)発生器の設定、RF整合回路の設定、周波数の設定、流量の設定、流体供給の設定、位置及び操作の設定、特定のシステムにつながれた若しくはインターフェース接続されたツール及びその他の移送ツール及び/若しくはロードロックに対してウエハを出入りさせるウエハ移送などの、本明細書で開示される任意のプロセスを制御するようにプログラムされてよい。
【0056】
概して、コントローラは、命令を受信する、命令を発行する、操作を制御する、洗浄操作を可能にする、終点測定を可能にするなどの様々な集積回路、ロジック、メモリ、及び/又はソフトウェアを有する電子機器として定義することができる。集積回路は、プログラム命令を記憶するファームウェアの形態をとるチップ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特殊用途向け集積回路(ASIC)として定められたチップ、及び/又はプログラム命令(例えばソフトウェア)を実行する1つ以上のマイクロプロセッサ若しくはマイクロコントローラを含んでいてよい。プログラム命令は、様々な個別設定(又はプログラムファイル)の形態でコントローラに伝達されて、半導体ウエハに対して又はシステムのために特定のプロセスを実行に移すための操作パラメータを定義する命令であってよい。操作パラメータは、一部の実施形態では、1枚以上の層、材料、金属、酸化物、シリコン、二酸化シリコン、表面、回路、及び/又はウエハダイの製作における1つ以上の処理工程を実現するためにプロセスエンジニアによって定義されるレシピの一部であってよい。
【0057】
コントローラは、一部の実現形態では、システムと一体化された、システムに接続された、それ以外の形でシステムにネットワーク接続された、又はそれらを組み合わせた、コンピュータの一部であってよい、又はそのようなコンピュータに接続されていてよい。例えば、コントローラは、「クラウド」、すなわちファブホストコンピュータシステムの全体若しくは一部の中にあってよく、これは、ウエハ処理の遠隔アクセスを可能にすることができる。コンピュータは、製作操作の現進行状況を監視する、過去の製作操作の履歴を調査する、複数の製作操作から傾向若しくは性能基準を調査する、現処理のパラメータを変更する、現処理を追跡するための処理工程を設定する、又は新しいプロセスを開始させるために、システムへの遠隔アクセスを可能にすることができる。一部の例では、遠隔コンピュータ(例えばサーバ)が、ローカルネットワーク又はインターネットなどのネットワークを通じてシステムにプロセスレシピを提供することができる。遠隔コンピュータは、パラメータ及び/又は設定の入力又はプログラミングを可能にするユーザインターフェースを含んでいてよく、これらのパラメータ及び/又は設定は、次いで、遠隔コンピュータからシステムに伝達される。一部の例では、コントローラは、1つ以上の操作中に実施される各処理工程のためのパラメータを指定するデータの形式で命令を受信する。なお、パラメータは、実施されるプロセスのタイプに、及びコントローラがインターフェース接続されるように又は制御するように構成されたツールのタイプに特有であってよいことが理解されるべきである。したがって、上述のように、コントローラは、ネットワークによって結ばれて本明細書で説明されるプロセス及び制御などの共通の目的に向かって作業する1つ以上の個別のコントローラを含むなどによって分散されてよい。このような目的のための分散コントローラの一例として、(プラットフォームレベルに又は遠隔コンピュータの一部として)遠隔設置されてチャンバにおけるプロセスを制御するために組み合わさる1つ以上の集積回路と通信するチャンバ上の1つ以上の集積回路が挙げられる。
【0058】
代表的なシステムとしては、制限なしに、プラズマエッチングチャンバ若しくはプラズマエッチングモジュール、堆積チャンバ若しくは堆積モジュール、スピンリンスチャンバ若しくはスピンリンスモジュール、金属めっきチャンバ若しくは金属めっきモジュール、洗浄チャンバ若しくは洗浄モジュール、ベベルエッジエッチングチャンバ若しくはベベルエッジエッチングモジュール、物理蒸着(PVD)チャンバ若しくはPVDモジュール、化学気相成長(CVD)チャンバ若しくはCVDモジュール、原子層堆積(ALD)チャンバ若しくはALDモジュール、原子層エッチング(ALE)チャンバ若しくはALEモジュール、イオン注入チャンバ若しくはイオン注入モジュール、追跡チャンバ若しくは追跡モジュール、並びに半導体ウエハの製作及び/若しくは製造に関係付けられる若しくは使用されるその他の任意の半導体処理システムが挙げられる。
【0059】
上記のように、ツールによって実施される1つ又は複数の処理工程に応じ、コントローラは、その他のツール回路若しくはツールモジュール、その他のツールコンポーネント、クラスタツール、その他のツールインターフェース、隣接するツール、近隣のツール、工場の随所にあるツール、メインコンピュータ、別のコントローラ、又は半導体製造工場におけるツールの場所及び/若しくは装填ポートにウエハ入りの容器を出し入れする材料輸送に使用されるツールのうちの、1つ以上と通信するだろう。
【0060】
III. 材料
開示された方法は、様々な材料に特徴をエッチングするために使用することができる。VNANDデバイスを形成する状況では、エッチングされる材料は、多くの場合、材料層を交互に重ねた積層体である。一例では、積層体は、酸化物(例えばシリコン酸化物)層と窒化物(例えばシリコン窒化物)層とを交互に含む。酸化物層及び窒化物層は、例えば約30〜40nmのように、約20〜50nmの厚さをそれぞれ有していてよい。別の一例では、積層体は、酸化物(例えばシリコン酸化物)層と、多結晶シリコン(例えば多結晶シリコン。ポリシリコンとも呼ばれる)層と、を交互に含む。酸化物層及びポリシリコン層は、交互する酸化物/窒化物層に関して挙げられた厚さを有していてよい。仕上がったデバイスにおいて、酸化物層は、隣り合うデバイス層間又はストレージ層間を電気的に絶縁する。交互する層は、利用可能な任意の手段を通じて堆積可能である。多くの場合、このような層は、化学気相成長(CVD)又は原子層堆積(ALD)を通じて堆積される。上記のように、積層体は、少なくとも約40対、少なくとも約50対、少なくとも約60対、少なくとも約70対、又は少なくとも約90対の層を含んでいてよい。
【0061】
図3A〜3F及び
図4A〜4Fに関連して開示された方法では、材料層を交互に重ねた積層体301の上に、シード層310が堆積される。通常、シード層は、マスク特徴が定められるときに容易に除去可能な材料で作成される。シード層の材料の非限定的な例として、Co、Ru、Ti、Cr、及びCuが挙げられる。一部の実施形態では、シード層は、Ti又はCuである。シード層は、特定の事例では、PVD、CVD、無電解めっき、ALDを通じて堆積されてよい。一部の実施形態では、シード層は、約1〜10nmの厚さに堆積される。シード層は、ウエハ全体にわたって実質的に均一に後続の電気めっき反応が生じることを可能にするために、基板の外周から内側に向かって電位を効果的に伝わらせる十分な厚さであるべきである。要するに、シード層は、電気めっきのためにウエハの外周に印加される電位がウエハの中心に到達する前に大きな抵抗降下を見せないように、十分に低いシート抵抗を有するべきである。シード層は、また、犠牲支柱が除去された後の後続のエッチング/除去が容易であるように、十分に薄くあるべきである。
【0062】
シード層310の上には、犠牲支柱材料302の層が堆積される。各種の実施形態において、犠牲支柱材料は、非晶質材料である。材料の非限定的な例として、炭素、シリコン、シリコン酸化物、シリコン窒化物、及びシリコン炭化物(いずれも、各種の実施形態において非晶質であってよい)が挙げられる。犠牲支柱材料が非晶質でない場合でも、比較的滑らか(例えば、約1nm未満の平均粒径又はメジアン粒径を有する)だろう。犠牲支柱材料は、比較的機械的に剛性であってよい。犠牲支柱は、犠牲支柱材料内にエッチングされるので、この材料は、その下のシード層に十分に付着するように形成されるべきである。そうでないと、犠牲支柱は、形成された後に又はひいては形成されている間に折れる恐れがある。
【0063】
上記のように、多くの事例では、この層は、後ほど堆積される金属ハードマスク層の厚さよりも厚く堆積される(したがって、犠牲支柱材料は、金属によって覆われることはなく、除去が容易である)。犠牲支柱材料層の厚さは、エッチングされる材料、エッチングに使用される条件、エッチングされる層の枚数/エッチングされる凹所の深さ、ハードマスクに使用される材料などに依存する。一部の実施形態では、堆積された時点における犠牲支柱材料層の厚さは、例えば約300〜500nmのように、約200〜1000nmである。
【0064】
犠牲支柱材料302の層の上には、支柱の形成前に、一連の(1枚以上の)パターン転写層303、反射防止層304、及びフォトレジスト305が堆積される。これらの材料の堆積及びパターン形成は、当業者に一般的に知られており、本明細書では、その詳細が遺漏なく論じられることはない。各種の実現形態において、(1枚以上の)パターン転写層は、フォトリソグラフィパターンを層から層へ順次転写するように設計された、酸化物と、窒化物と、シリコンとの組み合わせであってよい。反射防止層は、フォトリソグラフィ操作中に散乱及び反射される光による影響を軽減するために提供される。
【0065】
犠牲支柱302cを形成するために犠牲支柱材料302層がエッチングされた後は、電気めっき又は無電解めっきを通じて金属ハードマスク層320が堆積される。一部の実施形態では、金属ハードマスク層320は、Co、Ni、Ru、Sn、In、Pd、Ge等、又はこれらの組み合わせである。金属ハードマスク層320は、シード層310と同じ材料であってよい、又は異なる材料であってよい。金属ハードマスク材料は、シード層に付着するべきである。堆積された金属ハードマスク材料は、比較的滑らか/小粒径(例えば、約1nm以下のメジアン粒径を有する)だろう。更に、金属ハードマスク材料は、半導体デバイスに有害な影響を及ぼさないように選択されるべきである(例えば、金属ハードマスク材料は、イオンがデバイスに進入して電気的性質に悪影響を及ぼさないように、比較的非流動性である)。金属ハードマスク材料の選択に際して考慮するべきもう1つの点は、金属ハードマスク材料とその下の積層体の材料との間のエッチング速度選択性である。積層体内へ特徴をエッチングするために使用される処理条件に金属マスクが耐えられるように、これらの材料間には高い選択性があるべきである。特定の実施形態では、金属ハードマスク材料とその下の積層体の材料との間のエッチング速度選択性は、例えば少なくとも約8のように、少なくとも約4である。
【0066】
各種の実施形態において、犠牲支柱は、犠牲支柱が容易に除去可能であるように、金属ハードマスク層の高さの最上部から突き出している。一部の実施形態では、金属ハードマスク層は、例えば約300〜500nmのように、約200〜1000nmの厚さに堆積される。犠牲支柱材料の層の厚さと同様に、金属ハードマスク層の厚さは、エッチングされる材料、金属ハードマスクの材料、エッチングされる層の枚数/エッチングされる特徴の深さなどの様々な要素に依存する。
【0067】
図4A〜4Fに示されるような特定の実施形態では、金属ハードマスクの寸法/パターンを変化させるために(例えば、支柱によって定められる開口を絞るために)、金属ハードマスク上に追加の金属マスク材料が無電解めっきされてよい。特定の実施形態では、この追加でめっきされる金属マスク材料は、Co、Ni、Ru、Sn、In、Pd、Geなどである。追加の金属マスク材料は、最初にめっきされた金属マスク材料及び/又はシード層と同じ材料又は異なる材料であってよい。追加の金属マスク材料は、先に堆積された金属マスク層に付着するべきである。追加の金属マスク材料は、比較的滑らか/小粒径(例えば、約1nm以下の平均粒径又はメジアン粒径を有する)だろう。更に、追加のマスク材料は、形成される半導体デバイスに有害な影響を及ぼさない(例えば、イオン移動度が低い又は無いなどの)ように選択されるべきである。追加の金属ハードマスク材料は、また、特徴がエッチングされる下の積層体材料に対して高いエッチング速度選択性を示すべきである。金属ハードマスク層に関連して挙げられた選択性の例は、追加の金属マスク材料にも当てはまる。
【0068】
この追加でめっきされた材料の厚さは、犠牲支柱の幾何学形状及びめっきされる特徴の幾何学形状に依存する。総じて、追加の材料は、リセス特徴を所望の寸法(例えば臨界寸法)にエッチングするのに適したマスクを定めるために、開口が絞られる地点までめっきされるべきである。追加の材料が比較的薄くめっきされる場合、結果として得られる特徴は比較的広くなる。追加の材料が比較的厚くめっきされる場合、結果として得られる特徴は比較的薄くなる。特定の用途では、追加でめっきされる材料は、堆積された時点で、例えば約2〜5nmのように、約1〜10nmの厚さを有する。
【0069】
IV. プロセス及びプロセス条件
開示された各種の実施形態は、
図3A〜3F及び
図4A〜4Fに示されたように、事前に形成された犠牲支柱の周囲に金属ハードマスクがめっきされるプロセスに関する。これらの方法は、金属ハードマスクをパターン形成するための金属エッチング工程を別途実施しなくとも、ハードマスク層自身が特定のパターンを含むようにパターン形成されるので、「パターンめっき」方法と呼ぶことができる。このセクションでは、これらの方法の特定の工程に関係付けられたプロセス条件が更に説明される。材料層を交互に重ねた積層体の堆積、並びに(1枚以上の)パターン転写層、反射防止層、及びフォトレジスト層の各層の堆積及びパターン形成などの、その他の工程に関係したプロセス条件は、当該分野で知られており、詳細な議論は省略される。
【0070】
A. シード層の堆積
図3A〜3Fに示されたプロセスを参照すると、
図3Aに示された部分的に製作されたデバイスから始まって、金属シード層310が、物理蒸着(PVD)、化学気相成長(CVD)、又は原子層堆積(ALD)を通じて堆積されてよい。
【0071】
金属を堆積させるためのPVDプロセスの例が、それぞれ参照によってその全体を本明細書に組み込まれる米国特許第6,235,163号、米国特許第7,682,966号、及び米国特許第7,645,696号で更に論じられている。物理蒸着方法は、高温真空蒸着とその後に続く凝縮、及びプラズマスパッタリング照射などの、純粋に物理的なプロセスを伴う。物理蒸着方法は、被覆される表面上における化学反応を伴わない。PVDプロセスの一例では、以下の条件が使用される。基板温度が、約−40℃から+30℃の間に維持され、圧力が、約5〜20mTに維持される。Arが、約10〜60秒の持続時間にわたって約20〜100sccmの流量で反応チャンバに流し込まれる。反応チャンバ内で、13.56MHzのRF周波数を使用してプラズマが生成される。反応チャンバ内に300mm基板が1枚あると想定すると、プラズマ電力は、約100Wから2kWの間のバイアス電力及び約10〜30kWのDC目標電力であってよい。その他の条件及び材料も、適宜使用されてよい。
【0072】
金属を堆積させるためのCVDプロセスの例が、それぞれ参照によってその全体を本明細書に組み込まれる米国特許第5,028,585号、米国特許第5,795,824号、及び米国特許第6,066,366号で更に論じられている。CVDプロセスを実施するための装置の例として、いずれもカリフォルニア州フリーモントのLam Research Corporationから入手可能であるALTUS(登録商標)製品群、VECTOR(登録商標)製品群、及びSPEED(登録商標)製品群が挙げられる。
【0073】
金属膜を堆積させるためのCVDプロセスは、金属前駆体の揮発を通じて生じ、これは、通常は、高温及び真空のもとで起きる。プラズマ支援CVD反応は、通常は、1種類以上の反応物を反応チャンバに供給しつつ基板をプラズマに暴露することを伴う。各種のプラズマ支援CVDプロセスにおいて、プラズマへの暴露は、化学反応を促す。各種のその他の事例では、熱CVDプロセスが使用される。CVDプロセスの一例では、以下の条件が使用される。基板温度が、約60〜80℃の間に維持され、圧力が、約1〜2Tに維持される。Arキャリアガスに含まれたCCTBA(ジコバルトヘキサカルボニルtert−ブチルアセチレン)などの前駆体が、約20〜50sccmの流量で反応チャンバに流し込まれる。前駆体のフロー及び/又はプラズマへの暴露は、約60〜120秒の持続時間を有してよい。その他の条件及び材料も、適宜使用されてよい。
【0074】
金属を堆積させるためのALDプロセスの例が、それぞれ参照によってその全体を本明細書に組み込まれる米国特許第7,220,451号、米国特許第7,569,500号、及び米国特許第13/084,399号、並びに2013年7月29日に出願され名称を「HIGH PRESSURE,HIGH POWER PLASMA ACTIVATED CONFORMAL FILM DEPOSITION(高圧・高電力のプラズマ励起共形膜堆積)」とする米国特許出願第13/953,616号で更に論じられている。ALDプロセスを実施するための装置の例として、それぞれカリフォルニア州フリーモントのLam Research Corporationから入手可能であるALTUS(登録商標)製品群及びVECTOR(登録商標)製品群が挙げられる。
【0075】
ALDプロセスは、金属膜を原子的に成長させるために基板を複数のサイクルに交互に通すことを伴う。特定の事例では、基板上の反応を促すために、プラズマ及び/又は熱エネルギが提供されてよい。これらのALDプロセスは、結果として非常に形に添った膜を形成するが、薄い材料層を堆積させるのにも長い時間がかかる。ALDプロセスの一例は、Arキャリアガスに含まれた流量約50〜100sccmのCCTBA(ジコバルトヘキサカルボニルtert−ブチルアセチレン)に、合計約120〜600秒の持続時間にわたって基板を暴露することと、随意として、一掃のためのガスを流し込む及び/又は反応チャンバを排気することによって反応チャンバをパージすることとを含む。基板温度は、約80〜100℃に維持されてよく、圧力は、約8〜10Tに維持されてよい。その他の条件及び材料も、適宜使用されてよい。
【0076】
B. 犠牲支柱材料層の堆積
図3A〜3Fに示されたプロセス、及び特に
図3Bを参照すると、犠牲支柱材料302層は、多様なプロセスを使用して堆積されてよい。一部の実現形態では、犠牲支柱材料の層は、例えばプラズマ強化CVD(PECVD)プロセス、高プラズマ密度CVD(HDP−CVD)プロセス、スピンオンプロセス、原子層堆積(ALD)プロセスなどの、CVDプロセスを使用して堆積される。HDP−CVDプロセスの一例が、参照によってその全体を本明細書に組み込まれる米国特許第6,559,052号で更に論じられている。装置の例は、前掲されている。CVDプロセスは、材料が迅速に堆積される場合には、とりわけ有利である。これに対し、ALDプロセスは、やはり使用可能ではあるが、ずっと低速である。総じて、犠牲支柱材料層の堆積に使用されるプロセスは、比較的高速で且つ安価であるべきである。
【0077】
言及されたように、一部の実施形態では、犠牲支柱材料は、炭素、シリコン、又はシリコン酸化物である。当該分野で知られる、このような材料を形成するための従来のプロセス条件が用いられてよいが、簡単な例として、1つ挙げられる。犠牲支柱材料が非晶質シリコンであり、この層を堆積させるためにPECVDが使用される一実現形態では、以下の条件が使用される。基板の温度は、約150〜650℃に維持され、圧力は、約1〜10Tに維持される。シランなどのシリコン含有ガス流が、約1000sccmから約4slmの間の流量で反応チャンバに導入され、H
2、He、及び/又はArを含むその他のガス流が、約0sccmから約20slmの間の総流量で反応チャンバに導入される。反応チャンバ内に300mm基板が1枚あると想定すると、反応チャンバ内では、約13.56MHzのRF周波数及び約0〜1500WのRF電力を使用してプラズマが生成される。反応物の供給及びプラズマへの暴露は、約60〜300秒の持続時間を有していてよい。その他の条件及び材料も、適宜使用されてよい。
【0078】
犠牲支柱材料の層を堆積させるために、スピンオンプロセスが使用されてもよい。スピンオンプロセスの例が、それぞれ参照によってその全体を本明細書に組み込まれる米国特許第7,192,891号及び米国特許第7,517,817号で更に論じられている。
【0079】
C. 金属ハードマスクの堆積
図3A〜3Fに示されたプロセス、なかでも特に
図3Dを参照すると、金属ハードマスク層320は、各種の実施形態において、電気めっき又は無電解めっきを通じて堆積されてよい。その他の実施形態では、金属ハードマスク層は、PVD方法又はCVD方法(その後、犠牲支柱を露出させるための化学機械研磨が続き、これらの実施形態では、シード層は省略されてよい)を通じて堆積されてよい。電気めっき及び無電解めっきは、比較的低温で行われ、低応力の膜を形成する。金属ハードマスク層は、シード層に使用される金属と同じ金属又は異なる金属であってよい。半導体基板上への電気めっきは、それぞれ参照によってその全体を本明細書に組み込まれる米国特許第6,074,544号、米国特許第7,449,098号、及び米国特許第8,168,540号で更に論じられている。無電解めっきは、それぞれ参照によってその全体を本明細書に組み込まれる米国特許第3,798,056号、米国特許第6,713,122号、米国特許第7,690,324号、及び米国特許第8,622,020号で更に論じられている。電気めっき及び無電解めっきのための装置の例として、カリフォルニア州フリーモントのLam Research Corporation社から入手可能であるSABRE(登録商標)製品群及びSABRE(登録商標)3D製品群、並びにやはりLam Research Corporationから入手可能である2300(登録商標)ELDが挙げられる。
【0080】
電気めっき方法では、基板は、めっきされる金属の金属イオンを含む電解槽に浸漬される。電解槽は、その他の添加物を適宜含んでいてよい。基板は、多くの場合、基板の下に捕らわれる泡による影響を軽減するために、浸漬時に傾けられる。更に、基板は、多くの場合、浸漬時及び電気めっき時に回転される。浸漬の最中又は後に、基板は、バイアス電圧を印加され、金属イオンは、基板の表面に向かって流れて基板の表面上に堆積する電流キャリアになる。金属ハードマスク層を形成するためにSnの層が電気めっきされるプロセスの一例では、電気めっき溶液は、独占所有権で守られた添加剤を伴う酸(例えばアスコルビン酸、200〜400g/L)に含まれた硫酸錫(75g/L)を含んでいる。基板は、例えば約1〜10°のように、約1〜20°傾けられて、例えば約50〜150rpmのように、約25〜200rpmで回転されてよい。特定の実現形態では、基板の浸漬及び/又はめっきの初期段階中に、定電圧、定電流、又は定電流密度が印加されてよい。めっき中、印加電流は、例えば約2〜5mA/cm
2のように、約1〜30mA/cm
2の範囲にわたってよい。電流は、20〜30℃の温度で約30〜60秒の持続時間にわたって印加されてよい。その他の条件及び材料も、適宜使用されてよい。
【0081】
無電解めっき方法は、めっき中に基板に電流が印加されないという点を除き、電気めっき方法と同様である。金属ハードマスク層を形成するためにCoの層が無電解めっきされる一例のプロセスでは、電解質溶液は、Coイオンを供給するための硫酸コバルト(60mM)と、還元剤としてのDMAB(ジメチルアミン・ボラン)(33mM)と、錯化剤としてのクエン酸(400mM)と、pHを調整するためのTMAH(12wt%)とを含んでいる。基板は、電気めっきに関連して上述されたように、傾けられて回転されてよい。基板は、約30〜95℃の温度で約300〜1000秒の持続時間にわたって浸漬されてよい。その他の条件及び材料も、適宜使用されてよい。
【0082】
D. 金属ハードマスクを成形するための、追加の金属ハードマスク材料の堆積
特定の実施形態では、例えば
図4A〜4Fに示されたプロセスを参照すると、最初に堆積されたハードマスク材料の上に、追加の金属ハードマスク材料が堆積される。この追加の材料は、多くの場合、無電解めっきされてよい。この追加の材料を堆積させる理由は、1つには、このプロセスフローによって、より低いアスペクト比で犠牲支柱が形成されることが可能になり、これは、支柱を機械的に安定させて折れにくくするからである。追加の材料は、金属ハードマスク層の形状を変化させ、この層に開けられる開口を、そうでない場合よりも狭くする。
【0083】
上記のように、この層は、無電解めっきされてよい。無電解めっきは、ウエハの縁に電流を供給する必要がなく、開口を効果的に絞ることができるゆえに、電気めっきよりも適しているだろう。
図4Eを参照すると、追加のマスク材料425は、金属ハードマスク320上に及び(誇張して大きく描かれた)シード層310の側壁沿いにめっきされる。積層体301は、導電性ではないので、追加のマスク材料425は、積層体301の上にはめっきされない。シード層310は、追加の材料がめっきされる前に、特徴の底から除去されるべきであり、さもないと、開口であることが望ましい特徴の底に、追加の材料が不必要にめっきされる恐れがある。
【0084】
特定の事例では、追加のマスク材料425が無電解めっき又は電気めっきされる前に、シード層310を除去する必要がないことがある。例えば、もし、シード層310と金属ハードマスク層320とが異なる金属であるならば、追加の金属マスク材料425は、電気めっき又は無電解めっきの際に、シード層310と比べて金属ハードマスク層320の上に優先的に堆積するだろう。この選択性は、エッチング層に使用される金属のタイプに依存する。例えば、Coは、Tiと比べてCuの上に優先的にめっきされるだろう。
【0085】
無電解堆積条件は、金属ハードマスク層の堆積に関連して詳しく上述されている。追加の金属マスク材料を無電解めっきするために使用される溶液は、最初のマスク材料を無電解めっきするために使用される溶液と同じであってよい、又は異なっていてよい。例えば、最初にめっきされた金属マスク材料層が第1の金属であり、追加の金属マスク材料が第2の(異なる)材料である場合、2つのめっき溶液は、互いに異なる。或いは、同じ金属である場合、めっきされる厚さに大差があれば、異なる組成が必要とされるだろう。追加の金属マスク材料を適切な厚さ(例えば約2〜4nm)にめっきするために、堆積プロセスは、約30〜60秒の持続時間を有してよい。
【0086】
上記のように、追加の金属マスク材料は、選択的な金属CVDプロセスなどのCVDプロセスを通じて形成されてもよい。
【0087】
E.犠牲支柱を定めるための、各種の層のエッチング
フォトレジストがパターン形成された後、反射防止層及び(1枚以上の)パターン転写層がエッチングされる。これらのプロセスは、当業者にとって馴染のあるものであり、簡潔を期するために、詳細な説明は省略される。最も底のパターン転写層にパターンが転写された後、犠牲支柱を形成するために、犠牲支柱材料層がエッチングされる。特定の用途では、犠牲支柱材料層は、プラズマをベースにしたエッチング方法を通じてエッチングされる。プロセス条件の例として、適切なパターン転写マスク(例えば、SiN又はTiN)を使用して非晶質シリコンをエッチングするために、圧力50mT及び温度10℃において1000W 27MHz RFでCH
2F
2(50sccm)+SF
6(20sccm)+N
2(100sccm)を使用することが挙げられる。別のプロセス条件の例として、適切なパターン転写マスク(例えば、TEOSをベースにした膜)を使用して非晶質炭素をエッチングするために、圧力30mT及び温度30℃において750W 60MHz RFでH
2(600sccm)+N
2(200sccm)を使用することが挙げられる。
【0088】
F. 犠牲支柱の除去後における、積層体のエッチング
プラズマをベースにしたエッチング方法を使用して、積層体材料内に高アスペクト比特徴がエッチング可能である。各種の実施形態において、反応チャンバにエッチャントガスが導入され、当該エッチャントガスからプラズマが生成される。プラズマに基板が暴露され、基板内へ特徴がエッチングされる。多くの場合、プラズマは、容量結合プラズマであり、基板/基板サポートは、電極の1つとして機能する。異方性エッチングを引き起こすために、荷電種が基板に引き付けられる。複数の異なるエッチング化学剤が使用されてよい。一般的なエッチング化学剤の1つは、フッ化炭素(C
xH
yF
z)の使用を伴う。フッ化炭素の例として、CF
4、CHF
3、CH
2F
2、CH
3F、C
4F
6、及びC
4F
8が挙げられ、これらは、CF、CF
2、CF
3、及びFなどの帯電又は非帯電フラグメントを形成するだろう。理論又は作用メカニズムに縛られることは望まないが、積層体が酸化物層と窒化物層とを交互に含む場合は、CF
X種が、積層体をエッチングする主要な種であってよい。同様に、積層体が酸化物層とポリシリコン層とを交互に含む場合は、積層体をエッチングする主要な種は、F
-であってよい。エッチング化学剤のその他の例として、例えば、N
2、O
2、H
2と加えて(1種類以上の)非Fフッ化などのその他のガスとを添加されたNF
3及びSF
6が挙げられる。
【0089】
エッチングプロセスの一例では、CH
2F
2+NF
3+H
2+N
2が、それぞれ約20〜100sccmの流量で反応チャンバに流し込まれる。基板は、約30〜60℃に維持され、圧力は、約10〜100mTに維持される。(300mm基板が1枚あると想定すると、)プラズマは、約13.56MHz又は約27MHzの周波数及び約500〜2000WのRF電力で生成されてよい。プラズマは、約200〜2000秒の持続時間にわたって暴露されてよい。その他の条件及び材料も、適宜使用されてよい。
【0090】
上述された各種のハードウェア及び方法の実施形態は、半導体デバイス、ディスプレイ、LED、光起電性パネルなどの製作又は製造のために、リソグラフィパターニングのツール又はプロセスと併せて使用されてよい。このようなツール/プロセスは、必ずしもそうとは限らないが、通常は、共通の製作設備において併せて使用又は実施される。
【0091】
膜のリソグラフィパターニングは、通常は、(1)スピンオンツール又は噴き付けツールを使用して、その上にシリコン窒化物が形成された例えば基板などの被加工物上にフォトレジストを塗布する工程、(2)加熱板又は加熱炉又はその他の適切な硬化ツールを使用して、フォトレジストを硬化させる工程、(3)ウエハステッパなどのツールによって、可視光又は紫外線又はX線にフォトレジストを暴露する工程、(4)レジストを選択的に除去してパターニングするために、ウェットベンチ又は噴き付け現像器などのツールを使用して、レジストを現像する工程、(5)ドライ式又はプラズマ支援式のエッチングツールを使用することによって、レジストパターンをその下の膜又は被加工物に転写する工程、並びに(6)RF又はマイクロ波プラズマレジスト剥ぎ取り器などのツールを使用して、レジストを除去する工程の、一部又は全部を含み、各工程は、考えられる幾つかのツールによってそれぞれ実施される。一部の実施形態では、フォトレジストを塗布する前に、アッシング可能なハードマスク層(非結晶質炭素層など)及び別の適切なハードマスク(反射防止層など)が堆積されてよい。
【0092】
本明細書で説明された構成及び/又は手法は、例示的な性質のものであり、これらの具体的な実施形態又は実施例は、多くのヴァリエーションが可能であるゆえに、限定的な意味ではとらえられないことが理解される。本明細書で説明された具体的なルーチン又は方法は、任意の数の処理方針のうちの1つ以上を表わすことができる。したがって、例示された様々な行為は、例示された順序で、その他の順序で、又は平行して実施されてよく、又は場合によっては省略可能である。同様に、上述のプロセスの順序は変更可能である。
【0093】
本開示の対象内容は、本明細書で開示される様々なプロセス、システム、構成、その他の特徴、機能、行為、及び/又は特性の、新規の及び非自明のあらゆる組み合わせ及び部分組み合わせ、並びにそれらのあらゆる均等物を含む。