特許第6833175号(P6833175)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社リコーの特許一覧
<>
  • 特許6833175-給送装置、及び、画像形成装置 図000002
  • 特許6833175-給送装置、及び、画像形成装置 図000003
  • 特許6833175-給送装置、及び、画像形成装置 図000004
  • 特許6833175-給送装置、及び、画像形成装置 図000005
  • 特許6833175-給送装置、及び、画像形成装置 図000006
  • 特許6833175-給送装置、及び、画像形成装置 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6833175
(24)【登録日】2021年2月5日
(45)【発行日】2021年2月24日
(54)【発明の名称】給送装置、及び、画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 1/14 20060101AFI20210215BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20210215BHJP
   B65H 3/12 20060101ALI20210215BHJP
   B65H 3/48 20060101ALI20210215BHJP
【FI】
   B65H1/14 322C
   G03G15/00 405
   B65H3/12 310A
   B65H3/48 320B
【請求項の数】7
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-225345(P2016-225345)
(22)【出願日】2016年11月18日
(65)【公開番号】特開2018-80048(P2018-80048A)
(43)【公開日】2018年5月24日
【審査請求日】2019年8月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100117215
【弁理士】
【氏名又は名称】北島 有二
(72)【発明者】
【氏名】江戸 陽介
【審査官】 佐藤 秀之
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−193138(JP,A)
【文献】 特開2014−108862(JP,A)
【文献】 特開2005−075541(JP,A)
【文献】 特開2002−104679(JP,A)
【文献】 特開平08−333032(JP,A)
【文献】 特開2000−219333(JP,A)
【文献】 特開平04−298429(JP,A)
【文献】 特開昭52−097558(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0269763(US,A1)
【文献】 特開2007−045600(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 1/00− 3/68
G03G 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートを所定の給送方向に給送する給送装置であって、
給送方向下流側において上方に向けて起立する基準面部と、
複数のシートを積載可能に形成されて、積載されたシートの高さに応じて前記基準面部に沿って上下方向に昇降する載置部と、
前記載置部に対して給送方向下流側に設置されて、前記載置部に積載された複数のシートに向けて空気を吹き付けて当該複数のシートのうち最上方のシートを浮上させる送風装置と、
前記載置部に対して上方に設置されて、前記送風装置によって浮上された前記最上方のシートを吸引する吸引装置と、
前記吸引装置による吸引によって前記最上方のシートが吸着した状態で、当該シートを給送方向に搬送する搬送ベルトと、
を備え、
前記載置部は、
所定位置まで上昇したときに、給送方向下流側の先端部が、当該載置部の主部との境界部を中心にして下方に向けて相対的に回動するように構成されて、
前記所定位置まで上昇した後に、上昇する距離が長くなるにつれて前記先端部が下方に向けて相対的に回動する角度が大きくなるように構成されたことを特徴とする給送装置。
【請求項2】
シートを所定の給送方向に給送する給送装置であって、
給送方向下流側において上方に向けて起立する基準面部と、
複数のシートを積載可能に形成されて、積載されたシートの高さに応じて前記基準面部に沿って上下方向に昇降する載置部と、
前記載置部に対して給送方向下流側に設置されて、前記載置部に積載された複数のシートに向けて空気を吹き付けて当該複数のシートのうち最上方のシートを浮上させる送風装置と、
前記載置部に対して上方に設置されて、前記送風装置によって浮上された前記最上方のシートを吸引する吸引装置と、
前記吸引装置による吸引によって前記最上方のシートが吸着した状態で、当該シートを給送方向に搬送する搬送ベルトと、
を備え、
前記載置部は、所定位置まで上昇したときに、給送方向下流側の先端部が、当該載置部の主部との境界部を中心にして下方に向けて相対的に回動するように構成され、
前記基準面部は、上下方向に延在する穴部又は溝部が形成され、
前記載置部の前記先端部は、前記基準面部の前記穴部又は前記溝部に嵌合する突起部を具備し、
前記載置部が前記所定位置まで上昇したときに、前記先端部の前記突起部が前記穴部又は前記溝部の上端に突き当たって、前記主部の上昇にともない前記先端部が前記境界部を中心にして相対的に回動することを特徴とする給送装置。
【請求項3】
シートを所定の給送方向に給送する給送装置であって、
給送方向下流側において上方に向けて起立する基準面部と、
複数のシートを積載可能に形成されて、積載されたシートの高さに応じて前記基準面部に沿って上下方向に昇降する載置部と、
前記載置部に対して給送方向下流側に設置されて、前記載置部に積載された複数のシートに向けて空気を吹き付けて当該複数のシートのうち最上方のシートを浮上させる送風装置と、
前記載置部に対して上方に設置されて、前記送風装置によって浮上された前記最上方のシートを吸引する吸引装置と、
前記吸引装置による吸引によって前記最上方のシートが吸着した状態で、当該シートを給送方向に搬送する搬送ベルトと、
を備え、
前記載置部は、
所定位置まで上昇したときに、給送方向下流側の先端部が、当該載置部の主部との境界部を中心にして下方に向けて相対的に回動するように構成されて、
前記先端部の給送方向の長さが、当該載置部に積載されるシートの給送方向の長さよりも短くなるように形成されて、
当該載置部に積載されるシートの重心が前記主部の上方に位置するように形成されたことを特徴とする給送装置。
【請求項4】
シートを所定の給送方向に給送する給送装置であって、
給送方向下流側において上方に向けて起立する基準面部と、
複数のシートを積載可能に形成されて、積載されたシートの高さに応じて前記基準面部に沿って上下方向に昇降する載置部と、
前記載置部に対して給送方向下流側に設置されて、前記載置部に積載された複数のシートに向けて空気を吹き付けて当該複数のシートのうち最上方のシートを浮上させる送風装置と、
前記載置部に対して上方に設置されて、前記送風装置によって浮上された前記最上方のシートを吸引する吸引装置と、
前記吸引装置による吸引によって前記最上方のシートが吸着した状態で、当該シートを給送方向に搬送する搬送ベルトと、
を備え、
前記載置部は、所定位置まで上昇したときに、給送方向下流側の先端部が、当該載置部の主部との境界部を中心にして下方に向けて相対的に回動するように構成され、
前記所定位置は、前記載置部に積載されたシートの枚数が所定値にまで少なくなった状態のときのものであることを特徴とする給送装置。
【請求項5】
前記載置部は、前記所定位置まで上昇するまで、前記先端部と前記主部とによって略水平な載置面が形成されるように構成されたことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の給送装置。
【請求項6】
前記載置部は、
前記境界部を中心にして前記先端部を上方に向けて相対的に回動させるように付勢する付勢部材と、
前記先端部が上方に向けて相対的に回動する範囲を規制する規制部と、
を具備したことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の給送装置。
【請求項7】
請求項1〜請求項6のいずれかに記載の給送装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、用紙等のシートを給送する給送装置と、それを備えた複写機、プリンタ、ファクシミリ、又は、それらの複合機や印刷機等の画像形成装置と、に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、複写機やプリンタや印刷機等の画像形成装置において、用紙等のシートを給送する給送装置として、載置部(底板)に載置された複数のシートのうち最上方のシートに向けて送風装置から空気を吹き付けて、吹き付けられた空気によって浮上した最上方のシートを吸引装置で吸引した状態で、搬送ベルトによって給送方向に搬送するエア吸着方式のものが知られている(例えば、特許文献1、2参照。)。
【0003】
詳しくは、特許文献1等における給送装置には、載置部(底板)、基準面部(下流側端)、送風装置、吸引装置、搬送ベルト(吸引ベルト)、等が設置されている。
そして、載置部に積載された複数のシートのうち、最上方のシートの端面に送風装置によって空気が吹き付けられながら、浮上した最上方のシートが吸引装置によって吸引されて、最上方のシートが搬送ベルトに吸着される。そして、搬送ベルトに吸着されたシートは、搬送ベルトの走行によって給送方向に給送される。
【0004】
一方、特許文献2には、載置部(底板)に積載されたシートの枚数が少なくなってきたときであっても送風装置によってシートを安定的に浮上させることを目的として、基準面部(下流側端)に形成された開口を開閉するシャッタ部材を設ける技術が開示されている。具体的に、シャッタ部材は、載置部に積載されたシートの枚数が少なくなってきたときに、基準面部(下流側端)に形成された開口を開放するように動作する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した従来の給送装置は、載置部(底板)に積載されたシートの枚数が少なくなってきたときに、送風装置から最上方のシートに向けて吹き付けられた空気が、シートの積載枚数の減少にともない上昇した載置部に遮られてしまう不具合が生じていた。そして、そのような不具合が生じてしまうと、送風装置によって最上方のシートをうまく分離することができずに、不給送や重送などの給送不良が生じてしまうことになる。
そして、このような不具合は、特許文献2に開示されたもののように、基準面部に形成された開口を開閉するシャッタ部材を設けたとしても、同様に生じてしまっていた。
【0006】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、載置部に積載されたシートの枚数が少なくなってきたときであっても、不給送や重送などの給送不良が生じにくい、給送装置、及び、画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明における給送装置は、シートを所定の給送方向に給送する給送装置であって、給送方向下流側において上方に向けて起立する基準面部と、複数のシートを積載可能に形成されて、積載されたシートの高さに応じて前記基準面部に沿って上下方向に昇降する載置部と、前記載置部に対して給送方向下流側に設置されて、前記載置部に積載された複数のシートに向けて空気を吹き付けて当該複数のシートのうち最上方のシートを浮上させる送風装置と、前記載置部に対して上方に設置されて、前記送風装置によって浮上された前記最上方のシートを吸引する吸引装置と、前記吸引装置による吸引によって前記最上方のシートが吸着した状態で、当該シートを給送方向に搬送する搬送ベルトと、を備え、前記載置部は、所定位置まで上昇したときに、給送方向下流側の先端部が、当該載置部の主部との境界部を中心にして下方に向けて相対的に回動するように構成されて、前記所定位置まで上昇した後に、上昇する距離が長くなるにつれて前記先端部が下方に向けて相対的に回動する角度が大きくなるように構成されたものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、載置部に積載されたシートの枚数が少なくなってきたときであっても、不給送や重送などの給送不良が生じにくい、給送装置、及び、画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】この発明の実施の形態における画像形成装置を示す全体構成図である。
図2】給送装置を示す構成図である。
図3】給送装置の給送動作を示す図である。
図4】給送装置においてシートの積載枚数が減少していくときの載置部の動作を示す図である。
図5】シートの積載枚数が減少していくときの載置部の動作を示す概略斜視図である。
図6】従来の給送装置において、シートの積載枚数が減少したときの状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
【0011】
まず、図1にて、画像形成装置1における全体の構成・動作について説明する。
図1において、1は画像形成装置としての複写機、2は原稿Dの画像情報を光学的に読み込む原稿読込部、3は原稿読込部2で読み込んだ画像情報に基いた露光光Lを感光体ドラム5上に照射する露光部、を示す。
また、4は感光体ドラム5上にトナー像(画像)を形成する作像部、7は感光体ドラム5上に形成されたトナー像をシートP(シート)に転写する転写部(画像形成部)、10はセットされた原稿Dを原稿読込部2に搬送する原稿搬送部(自動原稿搬送装置)、を示す。
また、12、13は転写紙等のシートPが収納された給紙カセット(給送装置)、17は転写部7に向けてシートPを搬送するレジストローラ(タイミングローラ)、を示す。
また、20はシートP上に担持されたトナー像(未定着画像)を定着する定着装置、21は定着装置20に設置された定着ローラ、22は定着装置20に設置された加圧ローラ、31は装置本体1から排紙されたシートPが積載される排紙トレイ、70は大容量のシートPが収納される給送装置(大容量給送装置)、を示す。
【0012】
図1を参照して、画像形成装置1における、通常の画像形成時の動作について説明する。
まず、原稿Dは、原稿搬送部10の搬送ローラによって、原稿台から図中の矢印方向に搬送(給送)されて、原稿読込部2上を通過する。このとき、原稿読込部2では、上方を通過する原稿Dの画像情報が光学的に読み取られる。
そして、原稿読込部2で読み取られた光学的な画像情報は、電気信号に変換された後に、露光部3(書込部)に送信される。そして、露光部3からは、その電気信号の画像情報に基づいたレーザ光等の露光光Lが、作像部4の感光体ドラム5上に向けて発せられる。
【0013】
一方、作像部4において、感光体ドラム5は図中の時計方向に回転しており、所定の作像プロセス(帯電工程、露光工程、現像工程)を経て、感光体ドラム5上に画像情報に対応した画像(トナー像)が形成される。
その後、感光体ドラム5上に形成された画像は、画像形成部としての転写部7で、レジストローラ17により搬送されたシートP上に転写される。
【0014】
一方、転写部7(画像形成部)に搬送されるシートPは、次のように動作する。
まず、画像形成装置本体1の複数の給紙カセット12、13のうち、1つの給紙カセットが自動又は手動で選択される(例えば、最上段の給紙カセット12が選択されたものとする。)。そして、給紙カセット12に収納されたシートPの最上方の1枚が、給紙機構52(フィードローラ、ピックアップローラ、バックアップローラ、等で構成されている。)によって給送されて、搬送経路に向けて搬送される。その後、シートPは、複数の搬送ローラが配設された搬送経路を通過して、レジストローラ17の位置に達する。
なお、装置本体1の側方に設置された大容量の給送装置70(大容量給送装置)が選択された場合には、給送装置70の載置部72(図2を参照できる。)に積載された複数のシートPのうち最上方のシートPが、搬送装置76の搬送ベルト76aによって、搬送ローラ55が設置された搬送経路に向けて給送されて、その後にレジストローラ17の位置に達することになる。
【0015】
レジストローラ17の位置に達したシートPは、感光体ドラム5上に形成された画像と位置合わせをするためにタイミングを合わせて、転写部7(画像形成部)に向けて搬送される。
そして、転写工程後のシートPは、転写部7の位置を通過した後に、搬送経路を経て定着装置20に達する。定着装置20に達したシートPは、定着ローラ21と加圧ローラ22との間に送入されて、定着ローラ21から受ける熱と双方の部材21、22から受ける圧力とによってトナー像が定着される(定着工程である)。トナー像が定着された定着工程後のシートPは、定着ローラ21と加圧ローラ22との間(定着ニップである。)から送出された後に、画像形成装置本体1から排出されて、出力画像として排紙トレイ31上に積載されることになる。
こうして、一連の画像形成プロセスが完了する。
【0016】
次に、図2図5等を用いて、本実施の形態において特徴的な、給送装置70(大容量給送装置)について詳述する。
図2図3を参照して、給送装置70は、所定の給送方向(図2の矢印方向である。)にシートPを給送するためのものであって、シート収納部71、搬送装置76、送風装置79、などで構成されている。
シート収納部71は、載置部72(底板)、基準面部73(基準フェンス)、規制板80、エンドフェンス74、サイドフェンス、などで構成されている。
搬送装置76は、2つのローラ部材に張架・支持された搬送ベルト76aや、吸引装置78(ベルト吸引装置)などで構成されている。そして、シート収納部71に収容されたシートPが、搬送装置76によって図2図3(D)の矢印で示す給送方向に搬送されることになる。
【0017】
詳しくは、基準面部73は、シート収納部71(載置部72)の給送方向下流側において上方に向けて垂直方向に起立するように形成された基準フェンスの内壁部である。
載置部72は、基準面部73に複数のシートPを当接させた状態で積載可能に形成されている。また、載置部72は、積載されるシートPの枚数に関わらず最上方のシートP1の高さ方向の位置が所定位置(図3に示す位置であって、高さ検知センサによって検知される位置である。)になるように昇降可能に構成されている。すなわち、載置部72は、複数のシートPを積載するためのものであって、積載されたシートPの高さ(積載枚数)に応じて昇降機構によって基準面部73に沿って上下方向(図2の白両矢印方向である。)に昇降することになる。載置部72を昇降する昇降機構としては、公知のものを用いることができる。
【0018】
なお、高さ検知センサの設置位置(高さ方向の位置)は、最上方のシートP1を搬送ベルト76aによって吸引搬送できるように、送風装置79による浮上性や吸引装置78による吸引性などから定められている。本実施の形態において、高さ検知センサは、反射型フォトセンサであって、基準面部73(基準フェンス)に形成された光透過部(窓部)を介してシートP(シート収納部71内のシートPである。)に対向可能に設置されている。
【0019】
図2を参照して、エンドフェンス74は、シートPの給送方向(図2の左右方向である。)のサイズに応じて、その給送方向の位置(基準面部73との間隔である。)を、手動(又は、自動)で可変できるように構成されている。なお、図3図4では、エンドフェンス74の図示を省略している。
図示は省略するが、サイドフェンスは、シートPの幅方向(給送方向に直交する方向であって、図2の紙面垂直方向である。)のサイズに応じて、その幅方向の間隔を、手動(又は、自動)で可変できるように構成されている。
ユーザーは、把持したシートP(シート束)を基準面部73に突き当てるように載置部72上に載置した後に、載置したシートPに突き当たるようにサイドフェンスとエンドフェンス74とを移動操作して、シート収納部71へのシートP(シート束)のセットが完了することになる。
【0020】
なお、シート収納部71には、基準面部73(基準フェンス)の上部に、規制板80が設置されている。
規制板80は、基準面部73から上方に向けて起立するように設置されている。この規制板80は、送風装置79(第1送風ノズル79aから送風された空気)によって浮上された最上方のシートP1の下方のシートP2に対して給送方向の動作を規制するものである。すなわち、規制板80は、搬送ベルト76aによる吸着・搬送を予定されていない下方のシートP2が、搬送ベルト76aによる吸着・搬送を予定されている最上方のシートP1とともに、給送(重送)されてしまう不具合を防止するためのものである。具体的に、下方のシートP2が重送されそうになると、そのシートP2が規制板80に干渉して、その給送方向の動作(給送)が制限されることになる。
【0021】
送風装置79は、図2図3に示すように、載置部72(シート収納部71)に対して給送方向下流側(図2図3の左方である。)に設置されている。送風装置79は、載置部72に積載された複数のシートPに向けて空気を吹き付けて、その複数のシートPのうち最上方のシートP1を浮上させるためのものである(図3(B)を参照できる)。
詳しくは、送風装置79は、送風ファン、送風ダクト、第1送風ノズル79a、第2送風ノズル79b、2つの送風ノズル79a、79bをそれぞれ別々に開閉するシャッタ、等で構成されている。そして、送風ファンから取り入れられた空気が送風ダクトを介して第1送風ノズル79aから噴出されて、その空気が最上方のシートP(及び、その下方に重なるシートP)に吹き付けられることで、空気の正圧によって最上方のシートPが分離されて上方に浮上することになる。そして、上方では吸引装置78による吸引がおこなわれているため、最上方のシートPは、搬送ベルト76aに向けての吸着が促進されることになる。なお、送風装置79(第1送風ノズル79a)が最上方のシートPに向けて空気を噴出するタイミングは、吸引装置78による吸引動作が開始されるのと同時のタイミングであるか、それよりも少し早いタイミングであることが好ましい。
【0022】
ここで、本実施の形態における送風装置79には、載置部72(シート収納部71)に対して給送方向下流側に設置されて、第1送風ノズル79aによって浮上された最上方のシートP1とその下方のシートP2との間に向けて空気を吹き付けて下方のシートP2を分離させる第2送風ノズル79bが設けられている。
具体的に、送風装置79には、第1送風ノズル79aを開閉する第1シャッタと、第2送風ノズル79bを開閉する第2シャッタと、が設置されている。そして、これらのシャッタの開閉動作を制御して、第1送風ノズル79aを開放して第2送風ノズル79bを閉鎖したときには、図3(B)に示すように、送風装置79は最上方のシートP1に向けて空気を吹き付けてシートP1を浮上させるように機能して、第1送風ノズル79aを閉鎖して第2送風ノズル79bを開放したときには、図3(C)に示すように、送風装置79は最上方のシートP1とその下方のシートP2との間に向けて空気を吹き付けて下方のシートP2を分離させるように機能することになる。
【0023】
図2図3等を参照して、吸引装置78は、載置部72(シート収納部71)に対して上方に設置されている。吸引装置78は、送風装置79(第1送風ノズル79aから送風される空気)によって浮上された最上方のシートP1を吸引するためのものである。換言すると、吸引装置78は、載置部72に積載された複数のシートPの上方において、空気の負圧を生じさせて最上方のシートP1を吸引するものである。
詳しくは、吸引装置78は、吸引ファン、吸引ダクト、吸引チャンバ、等で構成されている。吸引チャンバは、搬送ベルト76aの内部に設置されていて、その底部に形成された開口が搬送ベルト76aに形成された複数の小径孔部を介して下方の空間に連通するように形成され、その幅方向一端側に形成された穴部が吸引ダクトを介して吸引ファンに接続されている。そして、吸引ファンが稼働することで、搬送ベルト76aの底部から図2の白矢印方向に空気が吸引されることになる。
【0024】
図2図3等を参照して、搬送ベルト76aは、吸引装置78による吸引によって最上方のシートP1が吸着した状態で、そのシートP1を給送方向に搬送するものである。
詳しくは、搬送ベルト76aは、シート収納部71の上方の給送方向最下流側であって、給送装置70の排出口に跨るように設置されている。搬送ベルト76aは、2つのローラ部材によって張架・支持されていて、駆動モータによって一方のローラ部材が回転駆動されることにより図2の時計方向に回転(走行)する。搬送ベルト76aのベルト表面には、全域にわたって小径の孔部が複数形成されている。
【0025】
以下、図3(A)〜(D)を用いて、本実施の形態における給送装置70の通常時の動作について説明する。
ここでは、図3(A)に示すように、充分な枚数のシートP1、P2が載置部72(シート収納部71)にセットされているものとする。
ユーザーによって画像形成装置1のコピーボタンが押されると、まず、図3(B)に示すように、送風装置79の第1送風ノズル79aから最上方のシートP1に向けて空気を吹き付けられて、その最上方のシートP1が搬送装置76に向けて浮上する。そして、これとほぼ同時に、吸引装置78による吸引が開始されて、図3(C)に示すように、最上方のシートP1が搬送ベルト76aに吸着される。なお、図3(B)の状態のとき、下方のシートP2も僅かながら浮上した状態になる。
その後、図3(C)に示すように、送風装置79の第2送風ノズル79bから、最上方のシートP1と下方のシートP2との間に向けて空気を吹き付けられて、その最上方のシートP1から下方のシートP2が分離されて、分離された下方のシートP2が載置部72に向けて落下することになる。
そして、図3(D)に示すように、搬送ベルト76aの矢印方向の回転(走行)が開始されて、搬送ベルト76aに吸着された状態のシートP1が、搬送ローラ55の位置に向けて給送されることになる。このとき、下方のシートP2が重送しそうになっても、下方のシートP2は規制板80に規制されることになるため、不給送(ジャム)や重送などの給送不良が生じないことになる。
その後、最上方のシートP1が矢印方向に搬送されて、その後端部が吸引装置78の位置を通過した後に、次のシートP2(新たに最上方のシートとなったものである。)に対して、図3(B)〜(D)の動作が繰り返されることになる。
【0026】
ここで、図4図5等を参照して、本実施の形態における給送装置70において、載置部72は、載置部72に積載されたシートPの枚数が所定値にまで少なくなった状態のときであって、所定位置まで上昇したときに、給送方向下流側の先端部72a(載置部先端部)が、載置部72の主部72b(載置部主部)との境界部(破線で囲んだ部分である。)を中心にして下方に向けて相対的に回動するように構成されている。
すなわち、載置部72には載置部先端部72aと載置部主部72bとが設けられていて、載置部先端部72aが載置部主部72bとの境界部を中心にして図4の反時計方向に回動できるように構成されている。
【0027】
そして、載置部72は、所定位置まで上昇するまで、前記先端部72aと主部72bとによって略水平な載置面が形成されるように構成されている。すなわち、図4(A)、図5(A)に示すように、載置部72に充分な枚数(高さ)のシートPが積載されているときには、載置部先端部72aが回動せずに、載置部先端部72aと載置部主部72bとによって水平な載置面が形成されることになる。
これに対して、図4(B)、図5(C)に示すように、載置部72に積載されたシートPの枚数(残量)が少なくなったときには、載置部先端部72aが載置部主部72bとの境界部を中心にして矢印方向に回動して、後端から境界部までは水平であって、境界部から先端に向けて下方に傾斜する載置面が形成されることになる。
【0028】
このような構成により、載置部72に積載されたシートPの枚数が少なくなってきたときに、送風装置79から最上方のシートP1(又は、最上方のシートP1とその下方のシートP2との間)に向けて吹き付けられた空気が、シートPの積載枚数の減少にともない上昇した載置部72に遮られてしまう不具合が生じにくくなる。
すなわち、図6に示すように、従来の給送装置700は、載置部720に積載されたシートPの枚数が少なくなってきたときに、送風装置79から最上方のシートP1(又は、最上方のシートP1とその下方のシートP2との間)に向けて吹き付けられた空気が、シートPの積載枚数の減少にともない上昇した載置部720に遮られてしまい、送風装置79によって最上方のシートP1をうまく分離することができずに、不給送や重送などの給送不良が生じてしまっていた。
これに対して、本実施の形態では、載置部72に積載されたシートPの枚数が少なくなってきたときに、送風装置79から吹き付けられた空気を遮らないように、載置部72の先端部72a(載置部先端部)が下方に回動するため、送風装置79によって最上方のシートP1をうまく分離することができずに不給送や重送などの給送不良が生じてしまう不具合が生じにくくなる。
【0029】
ここで、本実施の形態において、載置部72は、所定位置(図5(B)に示す位置である。)まで上昇した後に、上昇する距離が長くなるにつれて先端部72a(載置部先端部)が下方に向けて相対的に回動する角度が大きくなるように構成されている。
すなわち、載置部先端部72aは、シートPの積載枚数(残量)が少なくなって載置部72が所定位置を超えると、図4の反時計方向に回動を開始して、その積載枚数がさらに少なくなって、さらに上昇するほど、図4の反時計方向に大きく回動することになる。載置部72が図4(B)に示す位置から図4(C)に示す位置に上昇すると、その上昇に連動するように、載置部先端部72aが図4の反時計方向に回動していくことになる。
これにより、載置部72に積載されたシートPの枚数が徐々に少なくなっていって、載置部72によって送風装置79から吹き付けられた空気が遮られそうになっても、その上昇の度合いに応じて載置部先端部72aが最適な角度で下方に回動することになる。そのため、送風装置79によって最上方のシートP1をうまく分離することができずに不給送や重送などの給送不良が生じてしまう不具合がさらに生じにくくなる。
【0030】
以下、上述したような載置部先端部72aの動作を可能にする給送装置70の構成について詳述する。
図5に示すように、基準面部73には、上下方向に延在するように穴部73a(長穴)が形成されている。具体的に、基準面部73には、2つの穴部73aが、幅方向(給送方向に直交する方向であって、図4の紙面垂直方向である。)の離間した位置に形成されている。
一方、載置部先端部72aは、載置部主部72bとの境界部を中心に回動可能に、境界部の下方の位置で、載置部主部72bに保持されている。また、載置部72の先端部72a(載置部先端部)の端面には、基準面部73の穴部73aに嵌合する軸状の突起部72a1が設けられている。具体的に、載置部先端部72aには、2つの突起部72a1が、幅方向の離間した位置に形成されている。
【0031】
そして、載置部72が図5(A)に示す位置から図5(B)に示す所定位置まで上昇したときに、載置部先端部72aの突起部72a1が穴部73aの上端に突き当たって、図5(C)に示すように載置部主部72bの上昇にともない載置部先端部72aが載置部主部72bとの境界部を中心にして相対的に回動することになる。すなわち、載置部先端部72aは、図5(B)に示す所定位置に達した後は、先端側の突起部72a1が、穴部73aによって、それより上方に上昇しないように規制されて、載置部主部72bとの境界部は上昇することになるため、載置部主部72bとの境界部を中心にして相対的に回動することになる。
なお、本実施の形態では、基準面部73に上下方向に延在するように穴部73aを設けて、その穴部73aに載置部先端部72aの突起部72a1を嵌合させるように構成したが、基準面部73に上下方向に延在するように溝部を設けて、その溝部に載置部先端部72aの突起部72a1を嵌合させるように構成することもできる。
【0032】
ここで、図4を参照して、載置部72には、破線で囲んだ境界部を中心にして載置部先端部72aを上方に向けて相対的に回動させるように付勢する付勢部材としての引張スプリング72cが設置されている。具体的に、引張スプリング72c(付勢部材)は、その一端側のフックが載置部先端部72aの側面に起立する軸部に引っ掛けられて、その他端側のフックが載置部主部72bの側面に起立する軸部に引っ掛けられている。これにより、引張スプリング72cによって、載置部先端部72aには、境界部を中心にして図4の時計方向に回動されるような付勢力が作用することになる。
また、載置部72には、載置部先端部72aが上方に向けて相対的に回動する範囲(図4の時計方向に回動する範囲)を規制する規制部が設けられている。規制部は、境界部(図4の破線で囲んだ部分である。)における載置部主部72bの端面である。そして、境界部において載置部先端部72aの端面と載置部主部72bの端面とが突き当たることで、引張スプリング72cの付勢力に抗するように載置部先端部72aの時計方向の回動が制限されるとともに、載置部先端部72aと載置部主部72bとによって水平な載置面が形成されることになる。
【0033】
ここで、本実施の形態において、載置部72は、載置部先端部72aの給送方向の長さが、載置部72に積載されるシートP(積載可能な最小サイズのシートPである。)の給送方向の長さよりも短くなるように形成されている。さらに、載置部72は、載置部72に積載されるシートP(積載可能な最小サイズのシートPである。)の重心が載置部主部72bの上方に位置するように形成されている。
このように構成することで、シートPの積載枚数が少なくなって、載置部先端部72aが境界部を中心にして回動した状態になっても、載置部72に載置されたシートPは、載置部先端部72aの傾斜面上に載置された状態にならず、載置部主部72b上にバランス良く載置された状態になる。そのため、残り少ないシートPに対しても、先に図4にて説明した送風装置79、吸引装置78、搬送装置76を用いた良好な給送動作をおこなうことができる。
【0034】
以下、図4及び図5を用いて、上述したように構成された給送装置70において、シートPの積載量が少なくなっていくときの載置部72(載置部先端部72a)の動作について、まとめとして説明する。
まず、図4(A)に示すように載置部72に積載されたシートPが充分にあるときには、図4(A)、図5(A)に示すように、引張スプリング72cに付勢されて載置部先端部72aが載置部主部72bに当接するまで時計方向に回動した状態になって、載置部先端部72aと載置部主部72bとによって水平な載置面が形成される。そして、載置部72に積載された最上方のシートP1が給送されるたびに、載置部72は、載置部先端部72aの突起部72a1が基準面部73の穴部73aに嵌合した状態で上方にスライド移動しながら、水平状態を維持しながら上方に移動することになる。
そして、画像形成動作が繰り返されて、載置部72に積載されたシートPの残量が少なくなって、載置部72が図5(B)に示す所定位置に達すると、載置部先端部72aの突起部72a1が基準面部73の穴部73aの上端に突き当たった状態になる。その後、図4(B)、図5(C)に示すように、載置部先端部72aは、シートPの積載枚数の減少にともない載置部主部72bが上昇すると、載置部主部72bとの境界部を中心にして回動を開始することになる。
そして、図4(C)に示すように、載置部先端部72aは、シートPの積載枚数がさらに減少して載置部主部72bが上昇するたびに、載置部主部72bとの境界部を中心にしてさらに回動することになる。
【0035】
以上説明したように、本実施の形態における給送装置70には、載置部72や基準面部73や送風装置79や吸引装置78や搬送ベルト76aが設置されている。そして、シートPが積載される載置部72は、所定位置まで上昇したときに、給送方向下流側の先端部72a(載置部先端部)が、載置部72の主部72b(載置部主部)との境界部を中心にして下方に向けて相対的に回動するように構成されている。
これにより、載置部72に積載されたシートPの枚数が少なくなってきたときであっても、不給送や重送などの給送不良を生じにくくすることができる。
【0036】
なお、本実施の形態では、モノクロの画像形成装置1に設置される給送装置70に対して本発明を適用したが、カラーの画像形成装置に設置される給送装置に対しても当然に本発明を適用することができる。
また、本実施の形態では、電子写真方式の画像形成装置1に設置される給送装置70に対して本発明を適用したが、本発明の適用はこれに限定されることなく、その他の方式の画像形成装置(例えば、インクジェット方式の画像形成装置や、孔版印刷機などである。)に設置される給送装置に対しても本発明を適用することができる。
また、本実施の形態では、画像形成装置1における大容量の給送装置70に対して本発明を適用したが、給送装置としての給紙カセット12、13に対してもエア吸着方式のものであれば当然に本発明を適用することができるし、給送装置としての原稿搬送部10(自動原稿搬送装置)に対してもエア吸着方式のものであれば当然に本発明を適用することができる。
そして、それらのような場合であっても、本実施の形態のものと同様の効果を得ることができる。
【0037】
なお、本発明が本実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、本実施の形態の中で示唆した以外にも、本実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、前記構成部材の数、位置、形状等は本実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
【0038】
なお、本願において、「シート」とは、通常の紙(用紙)の他に、コート紙、ラベル紙、OHPシート、フィルム等のシート状の記録媒体のすべてを含み、さらには給送装置としての自動原稿搬送装置において給送される原稿をも含むものと定義する。
【符号の説明】
【0039】
1 画像形成装置(画像形成装置本体)、
70 給送装置(大容量給送装置)、
71 シート収納部、
72 載置部(底板)、
72a 載置部先端部(載置部の先端部)、
72a1 突起部、
72b 載置部主部(載置部の主部)、
72c 引張スプリング(付勢部材)、
73 基準面部(基準フェンス)、
73a 穴部、
74 エンドフェンス、
76 搬送装置、
76a 搬送ベルト、
78 吸引装置(ベルト吸引装置)、
79 送風装置、
80 規制板、
P、P1、P2 シート。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0040】
【特許文献1】特開2015−110464号公報
【特許文献2】特開平8−333032号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6