【実施例】
【0050】
以下、本願の各実施例を、図面に基づいて説明する。なお、
図1、
図3、
図5、
図7、
図9及び
図11は、各実施例に係る魚眼ズームレンズZL(ZL1〜ZL6)の構成及び屈折力配分を示す断面図である。また、これらの魚眼ズームレンズZL1〜ZL6の断面図の下部には、最短焦点距離状態(W)から最長焦点距離状態(T)に変倍する際の各レンズ群GF、GR(GR2)の光軸に沿った移動方向が矢印で示されている。
【0051】
各実施例において、非球面は、光軸に垂直な方向の高さをyとし、高さyにおける各非球面の頂点の接平面から各非球面までの光軸に沿った距離(サグ量)をS(y)とし、基準球面の曲率半径(近軸曲率半径)をrとし、円錐定数をKとし、n次の非球面係数をAnとしたとき、以下の式(a)で表される。なお、以降の実施例において、「E−n」は「×10
-n」を示す。
【0052】
S(y)=(y
2/r)/{1+(1−K×y
2/r
2)
1/2}
+A4×y
4+A6×y
6+A8×y
8+A10×y
10 (a)
【0053】
なお、各実施例において、2次の非球面係数A2は0である。また、各実施例の表中において、非球面には面番号の右側に*印を付している。
【0054】
[第1実施例]
図1は、第1実施例に係る魚眼ズームレンズZL1の構成を示す図である。この
図1に示す魚眼ズームレンズZL1は、物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群GFと、正の屈折力を有する第2レンズ群GRと、から構成されている。
【0055】
この魚眼ズームレンズZL1において、第1レンズ群GFは、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL11、物体側のレンズ面が非球面形状に形成された両凸レンズ形状の正レンズL12、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL13、両凹負レンズL14、及び、両凸正レンズL15で構成されている。また、第2レンズ群GRは、物体側から順に、両凸正レンズL21、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL22、両凹負レンズL23と両凸正レンズL24とを接合した接合レンズ、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL25、両凸正レンズL26と両凹負レンズL27と両凸正レンズL28とを接合した接合レンズ、両凹負レンズL29と両凸正レンズL210とを接合した接合レンズ、及び、両凸正レンズL211で構成されている。また、開口絞りSは、両凸正レンズL24と負メニスカスレンズL25との間に配置されている。なお、この第1実施例では、負メニスカスレンズL11が第1レンズ成分LC1に相当し、正レンズL12が第2レンズ成分LC2に相当し、負メニスカスレズL13が第3レンズ成分LC3に相当する。
【0056】
この魚眼ズームレンズZL1は、最短焦点距離状態から最長焦点距離状態への変倍に際し、第1レンズ群GFと第2レンズ群GRとの間隔が減少するように、各レンズ群が光軸に沿って移動するように構成されている。なお、開口絞りSは第2レンズ群GRと一体に移動する。
【0057】
また、この魚眼ズームレンズZL1において、第2レンズ群GR内の両凸正レンズL21、負メニスカスレンズL22、及び、両凹負レンズL23と両凸正レンズL24とを接合した接合レンズを合焦レンズ群GFFとし、無限遠から近距離物体への合焦はこの合焦レンズ群GFFを像側に移動させることにより行うように構成されている。開口絞りSは、合焦時は、像面Iに対して固定されている。
【0058】
以下の表1に、魚眼ズームレンズZL1の諸元の値を掲げる。この表1において、全体諸元に示すfは全系の焦点距離、FnoはFナンバー、θは半画角(単位は[°])、Yは最大像高、及び、TLは全長を、最短焦点距離状態及び最長焦点距離状態毎に無限遠合焦時の値として表している。ここで、全長TLは、無限合焦時の最も物体側のレンズ面(第1面)から像面Iまでの光軸上の距離を示している。また、レンズデータにおける第1欄mは、光線の進行する方向に沿った物体側からのレンズ面の順序(面番号)を、第2欄rは、各レンズ面の曲率半径を、第3欄dは、各光学面から次の光学面までの光軸上の距離(面間隔)を、第4欄νd及び第5欄ndはそれぞれ、d線(λ=587.6nm)に対するアッベ数及び屈折率を示している。また、曲率半径0.0000は平面を示し、空気の屈折率1.000000は省略してある。なお、レンズ群焦点距離は第1レンズ群GF及び第2レンズ群GRの各々の始面の面番号と焦点距離を示している。
【0059】
ここで、以下の全ての諸元値において掲載されている焦点距離f、曲率半径r、面間隔d、その他長さの単位は一般に「mm」が使われるが、光学系は、比例拡大または比例縮小しても同等の光学性能が得られるので、これに限られるものではない。また、これらの符号の説明及び諸元表の説明は以降の実施例においても同様である。
【0060】
(表1)第1実施例
[全体諸元]
最短焦点距離状態 最長焦点距離状態
f = 8.17936 〜 15.45401
Fno = 3.55085 〜 4.60654
θ[°]= 89.03499 〜 88.12006
Y = 11.2 〜 21.6
TL = 122.99825 〜 124.03047
[レンズデータ]
m r d νd nd
物面 ∞
1 129.2654 2.6000 68.69 1.592820
2 17.6456 14.0000
3* 420.1390 6.0000 58.12 1.622990
4 -467.5523 0.1000
5 66.4895 1.5000 82.57 1.497820
6 12.6796 8.0000
7 -19.7959 1.2000 67.90 1.593190
8 122.2316 0.1000
9 46.6615 3.0000 22.74 1.808090
10 -118.9061 d10
11 75.4847 1.0000 44.81 1.744000
12 -46.5917 1.0000
13 -11.2486 0.8000 40.66 1.883000
14 -11.5235 0.1000
15 -31.8404 0.8000 40.66 1.883000
16 34.7094 2.2000 47.14 1.670030
17 -19.7636 d17
18 0.0000 2.0500 開口絞りS
19 -11.5663 1.0000 58.96 1.518230
20 -25.6602 0.2000
21 14.7884 3.6208 70.45 1.487490
22 -20.4675 0.8000 40.80 1.883000
23 14.7848 4.0000 35.45 1.592700
24 -15.6622 0.1000
25 -44.4603 0.9300 37.35 1.834000
26 18.2839 4.0000 82.57 1.497820
27 -27.4996 0.1000
28 42.2835 3.0000 68.69 1.592820
29 -43.0903 Bf
像面 ∞
[レンズ群焦点距離]
レンズ群 始面 焦点距離
第1レンズ群 1 -10.91327
第2レンズ群 11 26.79648
合焦レンズ群 11 38.51278
【0061】
この魚眼ズームレンズZL1において、第3面は非球面形状に形成されている。次の表2に、非球面のデータ、すなわち円錐定数K及び各非球面定数A4〜A10の値を示す。
【0062】
(表2)
[非球面データ]
K A4 A6 A8 A10
第 3面 491.7726 1.03594E-05 -9.46762E-09 0.00000E+00 0.00000E+00
【0063】
この魚眼ズームレンズZL1において、第1レンズ群GFと第2レンズ群GRとの軸上空気間隔d10、及び、バックフォーカスBfは、上述したように、変倍時に変化する。また、合焦レンズ群GFFの物体側の間隔d10及び像側の間隔d17は合焦時に変化する。次の表3に、無限遠合焦状態、中間距離合焦状態及び至近合焦状態での最短焦点距離状態(W)、中間焦点距離状態(M)及び最長焦点距離状態(T)の各焦点距離状態における可変間隔を示す。なお、fは全系の焦点距離を示し、βは倍率を示し、D0は魚眼ズームレンズZL1の最も物体側の面(第1面)から物体までの距離を示す。また、バックフォーカスBfは、最も像面側のレンズ面(第29面)から像面Iまでの光軸上の距離を示している。以降の実施例においても同様である。
【0064】
(表3)
[可変間隔データ]
無限遠 中間距離
W M T W M T
f 8.17936 11.85140 15.45401
β -0.02000 -0.02000 -0.02000
D0 0.0000 0.0000 0.0000 386.5527 571.1091 751.7172
d10 18.82072 7.74298 1.99072 19.13483 7.94404 2.14939
d17 3.47734 3.47734 3.47734 3.16323 3.27628 3.31867
Bf 38.49936 47.51570 56.36157 38.49932 47.51567 56.36154
至近
W M T
β -0.16393 -0.26089 -0.33387
D0 27.3631 23.8639 25.1945
d10 21.44572 10.36798 4.61572
d17 0.85234 0.85234 0.85234
Bf 38.49689 47.50945 56.35133
【0065】
次の表4に、この魚眼ズームレンズZL1における各条件式対応値を示す。この表4において、fwは最短焦点距離状態における全系の焦点距離を、ftは最長焦点距離状態における全系の焦点距離を、fFは第1レンズ群GFの焦点距離を、fRは第2レンズ群GRの焦点距離を、fFFは合焦レンズ群GFFの焦点距離を、fL1は第1レンズ成分LC1の焦点距離を、fL2は第2レンズ成分LC2の焦点距離を、nL2は第2レンズ成分LC2の正レンズのd線に対する屈折率を、θwは最短焦点距離状態における半画角を、θtは最長焦点距離状態における半画角を、それぞれ表している。この符号の説明は、以降の実施例においても同様である。
【0066】
(表4)
fw=8.17936
ft=15.45401
fF=-10.91327
fR= 26.79648
fFF=38.51278
fL1=-34.77252
fL2=356.12985
[条件式対応値]
(1)fw/fL2=0.0230
(2)−fF/(fw・ft)
1/2=0.9707
(3)fR/fw=3.2761
(4)−fL1/fw=4.2512
(5)nL2=1.62299
(6)fFF/fR=1.4372
(7)θw=89.035
(8)θt=88.120
【0067】
このように、この魚眼ズームレンズZL1は、上記条件式(1)〜(8)を全て満足している。
【0068】
この魚眼ズームレンズZL1の、無限遠合焦時の最短焦点距離状態、中間焦点距離状態及び最長焦点距離状態における球面収差図、非点収差図、歪曲収差図、倍率色収差図及びコマ収差図を
図2に示す。各収差図において、FNOはFナンバー、Yは像高を示す。なお、球面収差図では最大口径に対応するFナンバーの値を示し、非点収差図及び歪曲収差図では像高の最大値をそれぞれ示し、コマ収差図では各像高の値を示す。dはd線(λ=587.6nm)、gはg線(λ=435.8nm)をそれぞれ示す。非点収差図において、実線はサジタル像面、破線はメリディオナル像面をそれぞれ示す。また、以降に示す各実施例の収差図においても、本実施例と同じ符号を用いる。これらの各収差図より、この魚眼ズームレンズZL1は、最短焦点距離状態から最長焦点距離状態にわたって諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有することがわかる。
【0069】
[第2実施例]
図3は、第2実施例に係る魚眼ズームレンズZL2の構成を示す図である。この
図3に示す魚眼ズームレンズZL2は、物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群GFと、正の屈折力を有する第2レンズ群GRと、から構成されている。
【0070】
この魚眼ズームレンズZL2において、第1レンズ群GFは、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL11、物体側のレンズ面が非球面形状に形成された両凸レンズ形状の正レンズL12、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL13、両凹負レンズL14、及び、両凸正レンズL15で構成されている。また、第2レンズ群GRは、物体側から順に、両凸正レンズL21、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL22、両凹負レンズL23と両凸正レンズL24とを接合した接合レンズ、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL25、両凸正レンズL26と両凹負レンズL27と両凸正レンズL28とを接合した接合レンズ、両凹負レンズL29と両凸正レンズL210とを接合した接合レンズ、及び、両凸正レンズL211で構成されている。また、開口絞りSは、両凸正レンズL24と負メニスカスレンズL25との間に配置されている。なお、この第2実施例では、負メニスカスレンズL11が第1レンズ成分LC1に相当し、正レンズL12が第2レンズ成分LC2に相当し、負メニスカスレズL13が第3レンズ成分LC3に相当する。
【0071】
この魚眼ズームレンズZL2は、最短焦点距離状態から最長焦点距離状態への変倍に際し、第1レンズ群GFと第2レンズ群GRとの間隔が減少するように、各レンズ群が光軸に沿って移動するように構成されている。なお、開口絞りSは第2レンズ群GRと一体に移動する。
【0072】
また、この魚眼ズームレンズZL2において、第2レンズ群GR内の両凸正レンズL21、負メニスカスレンズL22、及び、両凹負レンズL23と両凸正レンズL24とを接合した接合レンズを合焦レンズ群GFFとし、無限遠から近距離物体への合焦はこの合焦レンズ群GFFを像側に移動させることにより行うように構成されている。開口絞りSは、合焦時は、像面Iに対して固定されている。
【0073】
以下の表5に、魚眼ズームレンズZL2の諸元の値を掲げる。
【0074】
(表5)第2実施例
[全体諸元]
最短焦点距離状態 最長焦点距離状態
f = 8.17936 〜 15.45401
Fno = 3.55076 〜 4.60767
θ[°]= 89.11926 〜 88.29318
Y = 11.2 〜 21.6
TL = 122.94470 〜 123.97692
[レンズデータ]
m r d νd nd
物面 ∞
1 134.2522 2.6000 66.99 1.593490
2 17.7203 14.0000
3* 449.1675 6.0000 58.12 1.622990
4 -372.8103 0.1000
5 65.8905 1.5000 82.57 1.497820
6 12.5469 8.0000
7 -19.9607 1.2000 67.90 1.593190
8 107.8129 0.1000
9 44.4709 3.0000 22.74 1.808090
10 -123.9984 d10
11 76.4207 1.0000 44.81 1.744000
12 -45.7782 1.0000
13 -11.2443 0.8000 40.66 1.883000
14 -11.5293 0.1000
15 -31.7493 0.8000 40.66 1.8830003
16 34.5949 2.2000 47.14 1.670030
17 -19.7594 d17
18 0.0000 2.0500 開口絞り
19 -11.6294 1.0000 58.96 1.518230
20 -25.6857 0.2000
21 14.7336 3.5737 70.45 1.487490
22 -20.1199 0.8000 40.80 1.883000
23 14.8504 4.0000 35.45 1.5927000
24 -15.5769 0.1000
25 -42.8650 0.9300 37.35 1.834000
26 18.2541 4.0000 82.57 1.497820
27 -26.6294 0.1000
28 42.4808 3.0000 66.99 1.593490
29 -43.6747 Bf
像面 ∞
[レンズ群焦点距離]
レンズ群 始面 焦点距離
第1レンズ群 1 -10.91327
第2レンズ群 11 26.79648
合焦レンズ群 11 38.51278
【0075】
この魚眼ズームレンズZL2において、第3面は非球面形状に形成されている。次の表6に、非球面のデータ、すなわち円錐定数K及び各非球面定数A4〜A10の値を示す。
【0076】
(表6)
[非球面データ]
K A4 A6 A8 A10
第 3面 581.9001 1.06441E-05 -9.83205E-09 0.00000E+00 0.00000E+00
【0077】
この魚眼ズームレンズZL2において、第1レンズ群GFと第2レンズ群GRとの軸上空気間隔d10、及び、バックフォーカスBfは、上述したように、変倍時に変化する。また、合焦レンズ群GFFの物体側の間隔d10及び像側の間隔d17は合焦時に変化する。次の表7に、無限遠合焦状態、中間距離合焦状態及び至近合焦状態での最短焦点距離状態(W)、中間焦点距離状態(M)及び最長焦点距離状態(T)の各焦点距離状態における可変間隔を示す。
【0078】
(表7)
[可変間隔データ]
無限遠 中間距離
W M T W M T
f 8.17936 11.85140 15.45401
β -0.02000 -0.02000 -0.02000
D0 0.0000 0.0000 0.0000 386.5527 571.1091 751.7172
d10 18.79753 7.71979 1.96753 19.11164 7.92085 2.12619
d17 3.49385 3.49385 3.49385 3.17974 3.29279 3.33518
Bf 38.49966 47.51601 56.36187 38.49963 47.51598 56.36185
至近
W M T
β -0.16405 -0.26109 -0.33413
D0 27.3631 23.8639 25.1945
d10 21.42253 10.34479 4.59253
d17 0.86885 0.86885 0.86885
Bf 38.49805 47.51194 56.35521
【0079】
次の表8に、この魚眼ズームレンズZL2における各条件式対応値を示す。
【0080】
(表8)
fw=8.17936
ft=15.45401
fF=-10.91327
fR= 26.79648
fFF=38.51278
fL1=-34.68622
fL2=327.92430
[条件式対応値]
(1)fw/fL2=0.0249
(2)−fF/(fw・ft)
1/2=0.9707
(3)fR/fw=3.2761
(4)−fL1/fw=4.2407
(5)nL2=1.62299
(6)fFF/fR=1.4372
(7)θw=89.119
(8)θt=88.293
【0081】
このように、この魚眼ズームレンズZL2は、上記条件式(1)〜(8)を全て満足している。
【0082】
この魚眼ズームレンズZL2の、無限遠合焦時の最短焦点距離状態、中間焦点距離状態及び最長焦点距離状態における球面収差図、非点収差図、歪曲収差図、倍率色収差図及びコマ収差図を
図4に示す。これらの各収差図より、この魚眼ズームレンズZL2は、最短焦点距離状態から最長焦点距離状態にわたって諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有することがわかる。
【0083】
[第3実施例]
図5は、第3実施例に係る魚眼ズームレンズZL3の構成を示す図である。この
図5に示す魚眼ズームレンズZL3は、物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群GFと、正の屈折力を有する第2レンズ群GRと、から構成されている。
【0084】
この魚眼ズームレンズZL3において、第1レンズ群GFは、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL11、物体側のレンズ面が非球面形状に形成され、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズ形状の正レンズL12、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL13、両凹負レンズL14、及び、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL15で構成されている。また、第2レンズ群GRは、物体側から順に、両凸正レンズL21、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL22、両凹負レンズL23と両凸正レンズL24とを接合した接合レンズ、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL25、両凸正レンズL26と両凹負レンズL27と両凸正レンズL28とを接合した接合レンズ、両凹負レンズL29と両凸正レンズL210とを接合した接合レンズ、及び、両凸正レンズL211で構成されている。また、開口絞りSは、両凸正レンズL24と負メニスカスレンズL25との間に配置されている。なお、この第3実施例では、負メニスカスレンズL11が第1レンズ成分LC1に相当し、正レンズL12が第2レンズ成分LC2に相当し、負メニスカスレズL13が第3レンズ成分LC3に相当する。
【0085】
この魚眼ズームレンズZL3は、最短焦点距離状態から最長焦点距離状態への変倍に際し、第1レンズ群GFと第2レンズ群GRとの間隔が減少するように、各レンズ群が光軸に沿って移動するように構成されている。なお、開口絞りSは第2レンズ群GRと一体に移動する。
【0086】
また、この魚眼ズームレンズZL3において、第2レンズ群GR内の両凸正レンズL21、負メニスカスレンズL22、及び、両凹負レンズL23と両凸正レンズL24とを接合した接合レンズを合焦レンズ群GFFとし、無限遠から近距離物体への合焦はこの合焦レンズ群GFFを像側に移動させることにより行うように構成されている。開口絞りSは、合焦時は、像面Iに対して固定されている。
【0087】
以下の表9に、魚眼ズームレンズZL3の諸元の値を掲げる。
【0088】
(表9)第3実施例
[全体諸元]
最短焦点距離状態 最長焦点距離状態
f = 8.17936 〜 15.45401
Fno = 3.55076 〜 4.60767
θ[°]= 89.11926 〜 88.29318
Y = 11.2 〜 21.6
TL = 122.94470 〜 123.97692
[レンズデータ]
m r d νd nd
物面 ∞
1 106.8309 2.6000 68.69 1.592820
2 17.0611 14.0000
3* -1131.2640 3.0000 58.12 1.622990
4 -167.4490 0.1000
5 52.9787 1.5000 82.57 1.497820
6 13.5294 8.0000
7 -25.9814 1.2000 67.90 1.593190
8 37.3725 0.5000
9 29.4808 3.0000 22.74 1.808090
10 237.0399 d10
11 61.1835 1.0000 44.81 1.744000
12 -52.7927 1.0000
13 -10.9416 0.8000 40.66 1.883000
14 -11.3296 0.1000
15 -26.9117 0.8000 40.66 1.883000
16 26.4200 2.2000 47.14 1.670030
17 -16.4531 d17
18 0.0000 2.0500 開口絞り
19 -11.0080 1.0000 58.96 1.518230
20 -23.0527 0.2000
21 15.5522 4.0000 70.45 1.487490
22 -22.9488 0.8000 40.80 1.883000
23 14.8259 4.0000 35.45 1.592700
24 -15.6985 0.1000
25 -37.3920 0.9300 37.35 1.834000
26 21.1167 4.0000 81.61 1.497000
27 -22.6535 0.2000
28 39.3714 3.0000 70.45 1.487490
29 -40.4423 Bf
像面 ∞
[レンズ群焦点距離]
レンズ群 始面 焦点距離
第1レンズ群 1 -10.91327
第2レンズ群 11 26.79648
合焦レンズ群 11 38.51278
【0089】
この魚眼ズームレンズZL3において、第3面は非球面形状に形成されている。次の表10に、非球面のデータ、すなわち円錐定数K及び各非球面定数A4〜A10の値を示す。
【0090】
(表10)
[非球面データ]
K A4 A6 A8 A10
第 3面 1.0000 6.78125E-06 -1.20993E-08 0.00000E+00 0.00000E+00
【0091】
この魚眼ズームレンズZL3において、第1レンズ群GFと第2レンズ群GRとの軸上空気間隔d10、及び、バックフォーカスBfは、上述したように、変倍時に変化する。また、合焦レンズ群GFFの物体側の間隔d10及び像側の間隔d17は合焦時に変化する。次の表11に、無限遠合焦状態、中間距離合焦状態及び至近合焦状態での最短焦点距離状態(W)、中間焦点距離状態(M)及び最長焦点距離状態(T)の各焦点距離状態における可変間隔を示す。
【0092】
(表11)
[可変間隔データ]
無限遠 中間距離
W M T W M T
f 8.17936 11.85140 15.45401
β -0.01998 -0.01999 -0.01999
D0 0.0000 0.0000 0.0000 386.9838 571.5401 752.1482
d10 19.68422 8.60648 2.85422 19.99832 8.80754 3.01288
d17 3.52327 3.52327 3.52327 3.20916 3.32221 3.36460
Bf 38.50004 47.51639 56.36226 38.49992 47.51627 56.36213
至近
W M T
β -0.19490 -0.27524 -0.39118
D0 19.6141 21.6755 18.5819
d10 22.83756 11.39224 5.94500
d17 0.36993 0.73751 0.43248
Bf 38.48796 47.49230 56.31354
【0093】
次の表12に、この魚眼ズームレンズZL3における各条件式対応値を示す。
【0094】
(表12)
fw=8.17936
ft=15.45401
fF=-10.91327
fR= 26.79648
fFF=38.51278
fL1=-34.62238
fL2=315.10353
[条件式対応値]
(1)fw/fL2=0.0260
(2)−fF/(fw・ft)
1/2=0.9707
(3)fR/fw=3.2761
(4)−fL1/fw=4.2329
(5)nL2=1.62299
(6)fFF/fR=1.4372
(7)θw=89.119
(8)θt=88.293
【0095】
このように、この魚眼ズームレンズZL3は、上記条件式(1)〜(8)を全て満足している。
【0096】
この魚眼ズームレンズZL3の、無限遠合焦時の最短焦点距離状態、中間焦点距離状態及び最長焦点距離状態における球面収差図、非点収差図、歪曲収差図、倍率色収差図及びコマ収差図を
図6に示す。これらの各収差図より、この魚眼ズームレンズZL3は、最短焦点距離状態から最長焦点距離状態にわたって諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有することがわかる。
【0097】
[第4実施例]
図7は、第4実施例に係る魚眼ズームレンズZL4の構成を示す図である。この
図7に示す魚眼ズームレンズZL4は、物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群GFと、正の屈折力を有する第2レンズ群GRと、から構成されている。
【0098】
この魚眼ズームレンズZL4において、第1レンズ群GFは、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL11、物体側のレンズ面が非球面形状に形成された両凸正レンズ形状の正レンズL12、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL13、両凹負レンズL14、及び、両凸正レンズL15で構成されている。また、第2レンズ群GRは、物体側から順に、両凸正レンズL21、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL22、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL23、両凸正レンズL24と両凹負レンズL25と両凸正レンズL26とを接合した接合レンズ、両凹負レンズL27と両凸正レンズL28とを接合した接合レンズ、及び、両凸正レンズL29で構成されている。また、開口絞りSは、正メニスカスレンズL22と負メニスカスレンズL23との間に配置されている。なお、この第4実施例では、負メニスカスレンズL11が第1レンズ成分LC1に相当し、正レンズL12が第2レンズ成分LC2に相当し、負メニスカスレズL13が第3レンズ成分LC3に相当する。
【0099】
この魚眼ズームレンズZL4は、最短焦点距離状態から最長焦点距離状態への変倍に際し、第1レンズ群GFと第2レンズ群GRとの間隔が減少するように、各レンズ群が光軸に沿って移動するように構成されている。なお、開口絞りSは第2レンズ群GRと一体に移動する。
【0100】
また、この魚眼ズームレンズZL4において、第2レンズ群GR内の両凸正レンズL21、及び、正メニスカスレンズL22を合焦レンズ群GFFとし、無限遠から近距離物体への合焦はこの合焦レンズ群GFFを像側に移動させることにより行うように構成されている。開口絞りSは、合焦時は、像面Iに対して固定されている。
【0101】
以下の表13に、魚眼ズームレンズZL4の諸元の値を掲げる。
【0102】
(表13)第4実施例
[全体諸元]
最短焦点距離状態 最長焦点距離状態
f = 8.17936 〜 15.45401
Fno = 3.70493 〜 4.63561
θ[°]= 89.67686 〜 87.69398
Y= = 11.2 〜 21.6
TL = 121.53492 〜 122.56713
[レンズデータ]
m r d νd nd
物面 ∞
1 133.2019 2.6000 68.69 1.592820
2 18.0607 14.0000
3* 1443.2256 6.0000 58.12 1.622990
4 -386.1930 0.1000
5 64.7512 1.5000 82.57 1.497820
6 12.3601 8.0000
7 -20.6348 1.2000 67.90 1.593190
8 70.5515 0.1000
9 42.9250 3.0000 22.74 1.808090
10 -98.1262 d10
11 75.6661 1.3000 58.82 1.518230
12 -80.0572 0.6179
13 -41.9056 1.5000 82.57 1.497820
14 -20.0885 d14
15 0.0000 2.0500 開口絞り
16 -11.8225 1.0000 58.96 1.518230
17 -27.0114 0.2000
18 14.5828 2.8481 70.45 1.487490
19 -21.9862 0.8000 40.80 1.883000
20 14.5053 4.0000 35.45 1.592700
21 -16.5561 0.1000
22 -46.7088 0.9300 37.35 1.834000
23 18.2954 4.0000 82.57 1.497820
24 -23.8751 0.1000
25 52.5188 3.0000 68.69 1.592820
26 -43.0903 Bf
像面 ∞
[レンズ群焦点距離]
レンズ群 始面 焦点距離
第1レンズ群 1 -10.91327
第2レンズ群 11 26.79648
合焦レンズ群 11 38.51278
【0103】
この魚眼ズームレンズZL4において、第3面は非球面形状に形成されている。次の表14に、非球面のデータ、すなわち円錐定数K及び各非球面定数A4〜A10の値を示す。
【0104】
(表14)
[非球面データ]
K A4 A6 A8 A10
第 3面 0.5574E+04 1.04412E-05 -1.15541E-08 0.00000E+00 0.00000E+00
【0105】
この魚眼ズームレンズZL4において、第1レンズ群GFと第2レンズ群GRとの軸上空気間隔d10、及び、バックフォーカスBfは、上述したように、変倍時に変化する。また、合焦レンズ群GFFの物体側の間隔d10及び像側の間隔d14は合焦時に変化する。次の表15に、無限遠合焦状態、中間距離合焦状態及び至近合焦状態での最短焦点距離状態(W)、中間焦点距離状態(M)及び最長焦点距離状態(T)の各焦点距離状態における可変間隔を示す。
【0106】
(表15)
[可変間隔データ]
無限遠 中間距離
W M T W M T
f 8.17936 11.85140 15.45401
β -0.01999 -0.02000 -0.02000
D0 0.0000 0.0000 0.0000 386.5527 571.1091 751.7172
d10 20.64627 9.56854 3.81627 20.96038 9.76960 3.97494
d14 3.44288 3.44288 3.44288 3.12877 3.24182 3.28422
Bf 38.49977 47.51612 56.36199 38.49971 47.51606 56.36193
至近
W M T
β -0.16375 -0.26055 -0.33344
D0 27.3631 23.8639 25.1945
d10 23.27127 12.19354 6.44127
d14 0.81788 0.81788 0.81788
Bf 38.49589 47.50630 56.34591
【0107】
次の表16に、この魚眼ズームレンズZL4における各条件式対応値を示す。
【0108】
(表16)
fw=8.17936
ft=15.45401
fF=-10.91327
fR= 26.79648
fFF=38.51278
fL1=-35.54316
fL2=489.65650
[条件式対応値]
(1)fw/fL2=0.0167
(2)−fF/(fw・ft)
1/2=0.9707
(3)fR/fw=3.2761
(4)−fL1/fw=4.3455
(5)nL2=1.62299
(6)fFF/fR=1.4372
(7)θw=89.677
(8)θt=87.694
【0109】
このように、この魚眼ズームレンズZL4は、上記条件式(1)〜(8)を全て満足している。
【0110】
この魚眼ズームレンズZL4の、無限遠合焦時の最短焦点距離状態、中間焦点距離状態及び最長焦点距離状態における球面収差図、非点収差図、歪曲収差図、倍率色収差図及びコマ収差図を
図8に示す。これらの各収差図より、この魚眼ズームレンズZL4は、最短焦点距離状態から最長焦点距離状態にわたって諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有することがわかる。
【0111】
[第5実施例]
図9は、第5実施例に係る魚眼ズームレンズZL5の構成を示す図である。この
図9に示す魚眼ズームレンズZL5は、物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群GFと、正の屈折力を有する第2レンズ群GRと、から構成されている。
【0112】
この魚眼ズームレンズZL5において、第1レンズ群GFは、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL11、物体側のレンズ面が非球面形状に形成され。物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズ形状の正レンズL12、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL13、及び、両凹負レンズL14と両凸正レンズL15とを接合した接合レンズで構成されている。また、第2レンズ群GRは、物体側から順に、両凸正レンズL21、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL22、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL23、両凸正レンズL24、両凹負レンズL25と両凸正レンズL26とを接合した接合レンズ、両凹負レンズL27と両凸正レンズL28とを接合した接合レンズ、及び、両凸正レンズL29で構成されている。また、開口絞りSは、正メニスカスレンズL22と負メニスカスレンズL23との間に配置されている。なお、この第5実施例では、負メニスカスレンズL11が第1レンズ成分LC1に相当し、正レンズL12が第2レンズ成分LC2に相当し、負メニスカスレズL13が第3レンズ成分LC3に相当する。
【0113】
この魚眼ズームレンズZL5は、最短焦点距離状態から最長焦点距離状態への変倍に際し、第1レンズ群GFと第2レンズ群GRとの間隔が減少するように、各レンズ群が光軸に沿って移動するように構成されている。なお、開口絞りSは第2レンズ群GRと一体に移動する。
【0114】
また、この魚眼ズームレンズZL5において、第2レンズ群GR内の両凸正レンズL21、及び、正メニスカスレンズL22を合焦レンズ群GFFとし、無限遠から近距離物体への合焦はこの合焦レンズ群GFFを像側に移動させることにより行うように構成されている。開口絞りSは、合焦時は、像面Iに対して固定されている。
【0115】
以下の表17に、魚眼ズームレンズZL5の諸元の値を掲げる。
【0116】
(表17)第5実施例
[全体諸元]
最短焦点距離状態 最長焦点距離状態
f = 8.17936 〜 15.45401
Fno = 4.35887 〜 5.65693
θ[°]= 88.77680 〜 87.40457
Y = 11.1 〜 21.6
TL = 122.31364 〜 123.34586
[レンズデータ]
m r d νd nd
物面 ∞
1 139.5192 2.6000 68.69 1.592820
2 17.5973 14.0000
3* -153.9142 6.0000 58.12 1.622990
4 -83.5580 0.1000
5 76.2559 1.5000 82.57 1.497820
6 13.8903 7.5000
7 -20.7874 2.0000 67.90 1.593190
8 50.9362 5.0000 22.74 1.808090
9 -77.0480 d9
10 202.0029 2.0000 70.31 1.487490
11 -22.2705 1.0000
12 -14.7300 1.0000 70.31 1.487490
13 -14.0540 d13
14 0.0000 2.0500 開口絞り
15 -10.9220 1.0000 58.96 1.518230
16 -27.3283 0.2000
17 14.5768 3.0000 70.45 1.487490
18 -17.1720 0.2000
19 -17.5434 0.8000 40.80 1.883000
20 15.6308 4.0000 35.45 1.592700
21 -15.8250 0.1000
22 -122.0071 0.9300 37.35 1.834000
23 16.9989 4.0000 82.57 1.497820
24 -28.5890 0.1000
25 63.9793 3.0000 68.69 1.592820
26 -43.0903 Bf
像面 ∞
[レンズ群焦点距離]
レンズ群 始面 焦点距離
第1レンズ群 1 -10.91327
第2レンズ群 10 26.79648
合焦レンズ群 10 38.51278
【0117】
この魚眼ズームレンズZL5において、第3面は非球面形状に形成されている。次の表18に、非球面のデータ、すなわち円錐定数K及び各非球面定数A4〜A10の値を示す。
【0118】
(表18)
[非球面データ]
K A4 A6 A8 A10
第 3面 1.0000 8.47693E-06 -9.98792E-09 0.00000E+00 0.00000E+00
【0119】
この魚眼ズームレンズZL5において、第1レンズ群GFと第2レンズ群GRとの軸上空気間隔d9、及び、バックフォーカスBfは、上述したように、変倍時に変化する。また、合焦レンズ群GFFの物体側の間隔d9及び像側の間隔d13は合焦時に変化する。次の表19に、無限遠合焦状態、中間距離合焦状態及び至近合焦状態での最短焦点距離状態(W)、中間焦点距離状態(M)及び最長焦点距離状態(T)の各焦点距離状態における可変間隔を示す。
【0120】
(表19)
[可変間隔データ]
無限遠 中間距離
W M T W M T
f 8.17936 11.85140 15.45401
β -0.02001 -0.02001 -0.02001
D0 0.0000 0.0000 0.0000 386.5527 571.1091 751.7172
d9 18.69588 7.61815 1.86588 19.00999 7.81921 2.02455
d13 3.04005 3.04005 3.04005 2.72594 2.83899 2.88138
Bf 38.49771 47.51406 56.35993 38.49782 47.51416 56.36003
至近
W M T
β -0.16518 -0.26310 -0.33670
D0 27.3631 23.8639 25.1945
d9 21.32088 10.24315 4.49088
d13 0.41505 0.41505 0.41505
Bf 38.50457 47.53146 56.38842
【0121】
次の表20に、この魚眼ズームレンズZL5における各条件式対応値を示す。
【0122】
(表20)
fw=8.17936
ft=15.45401
fF=-10.91327
fR= 26.79648
fFF=38.51278
fL1=-34.24009
fL2=284.11496
[条件式対応値]
(1)fw/fL2=0.0288
(2)−fF/(fw・ft)
1/2=0.9707
(3)fR/fw=3.2761
(4)−fL1/fw=4.1862
(5)nL2=1.62299
(6)fFF/fR=1.4372
(7)θw=88.777
(8)θt=87.405
【0123】
このように、この魚眼ズームレンズZL5は、上記条件式(1)〜(8)を全て満足している。
【0124】
この魚眼ズームレンズZL5の、無限遠合焦時の最短焦点距離状態、中間焦点距離状態及び最長焦点距離状態における球面収差図、非点収差図、歪曲収差図、倍率色収差図及びコマ収差図を
図10に示す。これらの各収差図より、この魚眼ズームレンズZL5は、最短焦点距離状態から最長焦点距離状態にわたって諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有することがわかる。
【0125】
[第6実施例]
図11は、第6実施例に係る魚眼ズームレンズZL6の構成を示す図である。この
図11に示す魚眼ズームレンズZL6は、物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群GFと、正の屈折力を有する第2レンズ群GRと、正の屈折力を有する第3レンズ群GR2と、から構成されている。
【0126】
この魚眼ズームレンズZL6において、第1レンズ群GFは、物体側から順に、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL11と物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL12とを接合した接合負レンズ、物体側のレンズ面が非球面形状に形成された平凹レンズ形状の負レンズL13と両凸正レンズL14とを接合した接合正レンズ、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL15、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL16、及び、両凸正レンズL17で構成されている。また、第2レンズ群GRは、物体側から順に、両凸正レンズL21、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL22、両凹負レンズL23と両凸正レンズL24とを接合した接合正レンズ、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL25、両凸正レンズL26と両凹負レンズL27と両凸正レンズL28とを接合した接合正レンズ、両凹負レンズL29と両凸正レンズL210とを接合した接合負レンズ、及び、両凸正レンズL211で構成されている。また、第3レンズ群GR2は、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL31で構成されている。また、開口絞りSは、両凸正レンズL24と負メニスカスレンズL25との間に配置されている。なお、この第6実施例では、正メニスカスレンズL11と負メニスカスレンズL12とを接合した接合負レンズが第1レンズ成分LC1に相当し、非球面負レンズL13と両凸正レンズL14とを接合した接合正レンズが第2レンズ成分LC2に相当し、負メニスカスレズL15が第3レンズ成分LC3に相当する。
【0127】
この魚眼ズームレンズZL6は、最短焦点距離状態から最長焦点距離状態への変倍に際し、第1レンズ群GFと第2レンズ群GRとの間隔が減少し、第2レンズ群GRと第3レンズ群GR2との間隔が増加するように、第1レンズ群GF及び第2レンズ群GRが光軸に沿って移動するように構成されている。なお、第3レンズ群GR2は、変倍時は、像面Iに対して固定されている。また、開口絞りSは第2レンズ群GRと一体に移動する。
【0128】
また、この魚眼ズームレンズZL6において、第2レンズ群GR内の両凸正レンズL21、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL22、及び、両凹負レンズL23と両凸正レンズL24とを接合した接合正レンズを合焦レンズ群GFFとし、無限遠から近距離物体への合焦はこの合焦レンズ群GFFを像側に移動させることにより行うように構成されている。開口絞りSは、合焦時は、像面Iに対して固定されている。
【0129】
以下の表21に、魚眼ズームレンズZL6の諸元の値を掲げる。
【0130】
(表21)第6実施例
[全体諸元]
最短焦点距離状態 最長焦点距離状態
f = 8.17936 〜 15.45400
Fno = 3.600 〜 4.6004
θ[°]= 89.55752 〜 88.16301
Y = 11.2 〜 21.6
TL = 125.22342 〜 127.71513
[レンズデータ]
m r d νd nd
物面 ∞
1 119.7363 2.0000 64.10 1.516800
2 129.2654 2.6000 68.69 1.592820
3 16.2973 14.0000
4* 0.0000 1.5000 58.12 1.622990
5 39.1810 5.0000 36.40 1.620040
6 -1547.3832 0.1000
7 113.6869 1.5000 82.57 1.497820
8 14.3941 8.0000
9 -21.4869 1.2000 67.90 1.593190
10 -483.3493 0.1000
11 49.1186 3.0000 22.74 1.808090
12 -326.3461 d12
13 89.6931 1.0000 44.81 1.744000
14 -42.4050 1.0000
15 -11.1002 0.8000 40.66 1.883000
16 -11.5092 0.1000
17 -27.1565 0.8000 40.66 1.883000
18 33.3709 2.2000 47.14 1.670030
19 -17.0241 d19
20 0.0000 2.0500 開口絞りS
21 -11.6423 1.0000 58.96 1.518230
22 -25.9425 0.2000
23 15.0576 3.6208 70.45 1.487490
24 -19.6098 0.8000 40.80 1.883000
25 15.1544 4.0000 35.45 1.592700
26 -16.0156 0.1000
27 -52.2049 0.9300 37.35 1.834000
28 19.5540 4.0000 82.57 1.497820
29 -28.4015 0.1000
30 53.4341 3.0000 68.69 1.592820
31 -41.9227 d31
32 -48.0000 1.5000 64.10 1.516800
33 -43.0903 Bf
像面 ∞
[レンズ群焦点距離]
レンズ群 始面 焦点距離
第1レンズ群 1 -10.91327
第2レンズ群 10 27.15108
第3レンズ群 32 738.29914
合焦レンズ群 10 38.51278
【0131】
この魚眼ズームレンズZL6において、第4面は非球面形状に形成されている。次の表22に、非球面のデータ、すなわち円錐定数K及び各非球面定数A4〜A10の値を示す。
【0132】
(表22)
[非球面データ]
K A4 A6 A8 A10
第 4面 1.0000 1.08611E-05 -6.23657E-09 0.00000E+00 0.00000E+00
【0133】
この魚眼ズームレンズZL6において、第1レンズ群GFと第2レンズ群GRとの軸上空気間隔d12、及び、第2レンズ群GRと第3レンズ群GR2との軸上空気間隔d31は、上述したように、変倍時に変化する。また、合焦レンズ群GFFの物体側の間隔d12及び像側の間隔d19は合焦時に変化する。次の表23に、無限遠合焦状態、中間距離合焦状態及び至近合焦状態での最短焦点距離状態(W)、中間焦点距離状態(M)及び最長焦点距離状態(T)の各焦点距離状態における可変間隔を示す。なお、この魚眼ズームレンズZL6のバックフォーカスBfは一定である。
【0134】
(表23)
[可変間隔データ]
無限遠 中間距離
W M T W M T
f 8.17936 11.85140 15.45400
β -0.02000 -0.02000 -0.02000
D0 0.0000 0.0000 0.0000 385.6277 570.1593 750.7509
d12 17.44169 6.66929 1.07558 17.75579 6.87030 1.23361
d19 3.49395 3.49395 3.49395 3.17984 3.29293 3.33592
d31 0.50002 10.01893 19.35784 0.50002 10.01893 19.35784
Bf 37.58693 37.58693 37.58693 37.58693 37.58693 37.58693
至近
W M T
β -0.03297 -0.04770 -0.06328
D0 224.7766 226.0301 222.2849
d12 17.96021 7.14868 1.57482
d19 2.97542 3.01455 2.99470
d31 0.50002 10.01893 19.35784
Bf 37.58693 37.58693 37.58693
【0135】
次の表24に、この魚眼ズームレンズZL6における各条件式対応値を示す。
【0136】
(表24)
fw=8.17936
ft=15.45400
fF=-10.91327
fR= 27.15108
fFF=38.51278
fL1=-32.28251
fL2=3072.16016
[条件式対応値]
(1)fw/fL2=0.00266
(2)−fF/(fw・ft)
1/2=0.9707
(3)fR/fw=3.3195
(4)−fL1/fw=3.9468
(5)nL2=1.62004
(6)fFF/fR=1.4185
(7)θw=89.557
(8)θt=88.163
【0137】
このように、この魚眼ズームレンズZL6は、上記条件式(1)〜(8)を全て満足している。
【0138】
この魚眼ズームレンズZL6の、無限遠合焦時の最短焦点距離状態、中間焦点距離状態及び最長焦点距離状態における球面収差図、非点収差図、歪曲収差図、倍率色収差図及びコマ収差図を
図12に示す。これらの各収差図より、この魚眼ズームレンズZL6は、最短焦点距離状態から最長焦点距離状態にわたって諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有することがわかる。