特許第6834214号(P6834214)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6834214温度検出センサ異常判断装置、加熱装置、画像形成システム、および検出温度異常判断方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6834214
(24)【登録日】2021年2月8日
(45)【発行日】2021年2月24日
(54)【発明の名称】温度検出センサ異常判断装置、加熱装置、画像形成システム、および検出温度異常判断方法
(51)【国際特許分類】
   G01K 15/00 20060101AFI20210215BHJP
   H05B 3/00 20060101ALI20210215BHJP
   G03G 15/20 20060101ALI20210215BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20210215BHJP
【FI】
   G01K15/00
   H05B3/00 320Z
   G03G15/20 555
   B41J2/01 451
   B41J2/01 125
   B41J2/01 401
   H05B3/00 335
   H05B3/00 310D
【請求項の数】10
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2016-143173(P2016-143173)
(22)【出願日】2016年7月21日
(65)【公開番号】特開2018-13420(P2018-13420A)
(43)【公開日】2018年1月25日
【審査請求日】2019年5月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100090527
【弁理士】
【氏名又は名称】舘野 千惠子
(72)【発明者】
【氏名】桑名 孝治
【審査官】 平野 真樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−049390(JP,A)
【文献】 特開2009−294591(JP,A)
【文献】 特開平04−329574(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01K 1/00−19/00
G03G 15/20
H05B 3/00
B41J 2/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱手段の温度を、少なくとも2箇所で検出する複数の非接触温度検出手段と、
前記加熱手段の温度が上昇している際の、前記複数の非接触温度検出手段のそれぞれの検出温度に基づき、前記複数の非接触温度検出手段の出力異常を判断する判断手段と、を備え、
前記判断手段は、前記加熱手段の温度が上昇している際の、前記複数の非接触温度検出手段のそれぞれの温度プロファイルを比較し、それぞれの温度プロファイルに含まれる各検出温度の差分が規定範囲にある場合、何れかの前記非接触温度検出手段の検出温度と、前記加熱手段の目標温度の立ち上げ時間に応じて予め定められた温度プロファイルとを比較し、前記検出温度が予め定められた温度異常を検出する温度範囲で制御されているか確認する、
ことを特徴とする温度検出センサ異常判断装置。
【請求項2】
請求項に記載の温度検出センサ異常判断装置において、
前記判断手段は、前記複数の非接触温度検出手段のそれぞれの温度差をチェックし、それぞれの前記非接触温度検出手段の温度差が規定範囲に収束していないと判断した場合、前記温度差が規定範囲に収束するまでベリファイチェックの実施を待つ、
ことを特徴とする温度検出センサ異常判断装置。
【請求項3】
請求項に記載の温度検出センサ異常判断装置において、
前記判断手段は、幅狭の被記録媒体を印刷した場合において、収束時間カウンタによりカウントした印刷停止からの時間が所定の時間に達しても、前記非接触温度検出手段の温度差が規定範囲に収束しない場合、ベリファイエラーを報告する、
ことを特徴とする温度検出センサ異常判断装置。
【請求項4】
請求項に記載の温度検出センサ異常判断装置において、
入力装置から、前記非接触温度検出手段の種類または前記加熱手段の種類ごとに、ベリファイチェックにおいて、前記非接触温度検出手段の検出結果が正しいことを示す前記規定範囲の設定または変更を受け付ける、
ことを特徴とする温度検出センサ異常判断装置。
【請求項5】
請求項に記載の温度検出センサ異常判断装置において、
前記判断手段は、幅狭の被記録媒体を印刷した場合において、装置が置かれた環境条件ごとに、印刷動作を停止してから次回ベリファイチェックを実施可能とする規定時間の設定または変更する、
ことを特徴とする温度検出センサ異常判断装置。
【請求項6】
請求項に記載の温度検出センサ異常判断装置において、
入力装置から、前記規定時間の設定または変更を受け付ける、
ことを特徴とする温度検出センサ異常判断装置。
【請求項7】
請求項1に記載の温度検出センサ異常判断装置において、
前記非接触温度検知手段の故障により、被記録媒体を目標温度で加熱乾燥するヒートロールが上限温度を超えたことを検出する熱暴走センサを備え、当該熱暴走センサによりベリファイチェックを行う、
ことを特徴とする温度検出センサ異常判断装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の温度検出センサ異常判断装置を備えたことを特徴とする加熱装置。
【請求項9】
請求項8に記載の加熱装置を備えたことを特徴とする画像形成システム。
【請求項10】
加熱手段の温度を、少なくとも2箇所で検出する複数の非接触温度検出手段により検出するステップと、
前記加熱手段の温度が上昇している際の、前記複数の非接触温度検出手段のそれぞれの検出温度に基づき、前記複数の非接触温度検出手段の出力異常を判断するステップと、
を含み、
前記判断するステップにおいて、前記加熱手段の温度が上昇している際の、前記複数の非接触温度検出手段のそれぞれの温度プロファイルを比較し、それぞれの温度プロファイルに含まれる各検出温度の差分が規定範囲にある場合、何れかの前記非接触温度検出手段の検出温度と、前記加熱手段の目標温度の立ち上げ時間に応じて予め定められた温度プロファイルとを比較し、前記検出温度が予め定められた温度異常を検出する温度範囲で制御されているか確認する、
ことを特徴とする検出温度異常判断方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、温度検出センサ異常判断装置、加熱装置、画像形成システム、および検出温度異常判断方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置が備える定着装置や乾燥装置等の温度を測定する際に、非接触の温度センサを用いることが知られている。例えば、特許文献1では、温度センサや加熱ロールの異常を検出するために、昇温時間を測定し、昇温時間と基準値を比較して異常の有無を判別する手段が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記特許文献1では、1つの温度センサを用いているため、必ずしもその1つの温度センサが加熱ロール全体の温度を検出しているとはいえず、本来温度センサが異常を検出すべきところその異常が検出されなかったり、これとは逆に、本来温度センサが異常を検出すべきでないところその異常が検出される等、温度センサが設けられた位置によっては異常を適切に検出することができないという問題があった。
【0004】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、温度センサによる異常を適切に検出することが可能な温度検出センサ異常判断装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる温度検出センサ異常判断装置は、加熱手段の温度を、少なくとも2箇所で検出する複数の非接触温度検出手段と、前記加熱手段の温度が上昇している際の、前記複数の非接触温度検出手段のそれぞれの検出温度に基づき、前記複数の非接触温度検出手段の出力異常を判断する判断手段と、を備えることを特徴とする温度検出センサ異常判断装置である。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、温度センサによる異常を適切に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】画像形成システムの全体構成を示す図である。
図2】画像形成システムに用いられる後乾燥装置の概略図である。
図3】後乾燥装置の制御動作を示すブロック図である。
図4】後乾燥装置に用いられる乾燥機構の構成図である。
図5】後乾燥装置140に用いられる乾燥機構10の温度制御図である。
図6】幅広状の被記録媒体を印刷した際のヒートロールのリア側とフロント側に取り付けられた非接触式温度センサの温度分布を示す図である。
図7】ヒートロールのベリファイチェックの制御フローを示す図である。
図8】幅狭状の被記録媒体を印刷した際のヒートロールのリア側とフロント側に取り付けられた非接触式温度センサの温度分布を示す図である。
図9】ヒートロールのベリファイチェックの制御フローの他の例を示す図である。
図10】ヒートロールのベリファイチェックの制御フローの他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に添付図面を参照して、本発明にかかる温度検出センサ異常判断装置、加熱装置、画像形成システム、および検出温度異常判断方法の実施の形態を詳細に説明する。
【0009】
以下では、従来技術と異なり、ヒートロールのフロント端部および、リア端部に2つの非接触式温度センサを配置した定着装置において、ヒートロールの端部に取り付けられた2つの非接触式温度センサのみでセンサ異常の検出を可能としている。センサ異常を検出するためには、ヒータ立ち上げ動作開始時、およびヒートロールの目標温度立ち上げ中、夫々の状況に応じたVerifyチェックを実施する必要がある。このため、以下では、Verifyチェックの方法として、ヒータ立ち上げ動作開始時は、ヒートロールのリア端部および、フロント端部に取り付けられた非接触式温度センサの出力を比較し、ヒートロールのリア端部および、フロント端部に取り付けられた2つの非接触式温度センサの出力差分が規定の温度範囲に入っていることを確認し、もしその差分が規定範囲に入っていない場合、非接触式温度センサの汚れや、非接触式温度センサの故障などによる出力の異常と判断する。
【0010】
また、ヒートロールの目標温度立ち上げ中は、DUTYに応じた目標温度プロファイルと非接触式温度センサの検出情報の比較、および2つの非接触式温度センサの出力差分が規定の温度範囲に入っていることの確認を組み合わせることで、非接触式温度センサの汚れや、非接触式温度センサの故障などによる出力の異常と判断する。その際、DUTYに応じた目標温度プロファイルについては、予めを実験結果などから決定する。ここで、DUTYとは、単位時間あたりのヒートロールの立ち上げ時間である。後述するように、温度センサやヒートロールの種類によりヒートロールの立ち上げ時間が定められており、ヒートロールに必要な立ち上げ時間に応じて比較する基準となる温度プロファイルがあらかじめ定められている。
【0011】
通常、目標温度の立ち上げDUTYによって目標温度プロファイルの温度勾配は異なり、温度勾配が急な場合は温度変化量が大きくなる。このため、温度異常を検出する温度範囲を広くする必要があり、温度勾配が緩やかな場合は温度変化量が小さくなるため、温度異常を検出する温度範囲を狭くする必要がある。
【0012】
DUTYを切り替えながら立ち上げを実施するケースにおいて、目標温度プロファイルが急勾配となるケースと、緩勾配になるケースで温度異常を検出する温度範囲切り替えることが出来ないため、両方のケースをカバーするように温度異常を検出する温度範囲を決定する必要があるため、精度良く温度異常を検出することが出来ない。そのため、温度異常を検出する温度範囲と非接触式温度センサの比較とは別に、2つの非接触式温度センサの差分の有効温度範囲を定め、2つの非接触式温度センサの相関でセンサ異常が認識出来るようにすることで、急/緩勾配の両ケースをカバーするように温度異常を検出する温度範囲で推移するケースであっても、2つの非接触式温度線の相関が取れていないケースは温度異常とすることが可能となる。
【0013】
上記方法により、温度勾配による異なる温度異常を検出する温度範囲を両方のケースをカバーするように温度異常を検出する温度範囲を決定しても、精度良く温度異常を検出することが可能となり、センサの汚れや故障などによって発生する不正な印刷結果の出力や、定着装置自体に重大なダメージを与えるような事故を未然に防ぐことが出来る。以下、具体的に説明する。
【0014】
図1に、本発明にかかる温度検出センサ異常判断装置、加熱装置、画像形成システム、および検出温度異常判断方法を適用した画像形成システムの全体構成を示す。同図に示しているように、給紙装置100から繰り出された例えば長尺状の連続紙などからなる被記録媒体Wは、最初、処理液塗布装置110に送り込まれ、被記録媒体Wの表裏にそれぞれ処理液が塗布され塗布処理が行われる。
【0015】
次に、塗布処理された被記録媒体Wは、第1のインクジェットプリンタ120fに送り込まれて、被記録媒体Wの表側にインク滴を吐出して所望の画像が形成される。その後、反転装置130により被記録媒体Wの表裏が反転され、引き続き被記録媒体Wは第2のインクジェットプリンタ120rに送り込まれて、被記録媒体Wの裏側にインク滴を吐出して所望の画像が形成される。次に、後乾燥装置140に送り込まれて、被記録媒体Wの両面に対して加熱乾燥を実施した後、後処理装置150により巻き取られるシステムとなっている。
【0016】
図2は、この画像形成システムに用いられる後乾燥装置140の概略図であり、被記録媒体Wが搬送可能な状態を示している。図3は、後乾燥装置140の制御動作を示すブロック図である。
【0017】
図2に示しているように、ローラの端部に軸受け(図示せず)を有し、回転自在のガイドローラ1が後乾燥装置140内に多数本設置されて、被記録媒体Wの搬送パスを確保している。ダンサー機構5に搬送された被記録媒体Wは、回転自在な複数のダンサーローラ2ならびに複数のダンサーローラ2の間に配置されたガイドローラ1にわたってW型に巻き掛けられている。
【0018】
複数のダンサーローラ2はそれぞれローラ端部に設けた軸受け(図示せず)を介して可動フレーム3に回転自在に取り付けられて、ダンサーユニット4を構成している。従って、このダンサーユニット4は被記録媒体Wによって吊り下げられた状態になっている。このダンサーユニット4も重力方向に沿って移動可能になっており、ダンサーユニット4の位置を検出するダンサーユニット位置検出手段(図示せず)が設けられており、この位置検出手段の出力に応じて搬送ローラ31の駆動源を駆動制御することで、ダンサーユニット4の位置が調整できる構成になっている。
【0019】
ダンサー機構5を通過した被記録媒体Wは、モータなどの起動源を持たない複数のヒートロール11を備えた乾燥機構10の間を通る。乾燥機構10は、搬送方向に沿って上下それぞれ複数の回転自在なヒートロール11が千鳥配置され、被記録媒体Wを挟み込むことで従動回転する。
【0020】
ヒートロール11の内部には熱源を有しており、非接触式温度センサ12r、12fを用いて温度制御することで、被記録媒体Wを目標温度で加熱乾燥する。ただし、非接触式温度センサ12r、12fは、汚れなどにより温度検出に誤差が発生する。また、非接触式温度センサ12r、12fが故障し熱暴走などによるダメージを回避するため、非接触式温度センサ12r、12fの検出温度が正しいことのチェック(以降、ベリファイチェック)を実施する。ベリファイチェックは、ヒータランプ14に通電がされていないNotReady中P0にSTART/STOPスイッチを押下した契機C1の待機中の目標温度立ち上げ時、および待機中の目標温度立ち上げ期間P1にて実施する。本例のように、ヒートロール11の内側に複数の熱源を備え、ヒートロール11の軸方向の複数箇所に対向するように設けられた複数の非接触式温度センサ(12r、12f)を設け、後述する演算装置を含めたものを加熱装置として構成することができる。
【0021】
乾燥機構10を通過した被記録媒体Wは、複数の冷却ロール21を備えた冷却機構20の間を通る。冷却機構20に搬送された被記録媒体Wは、回転自在な複数の冷却ローラ21ならびに複数の冷却ローラ21の間に配置されたガイドローラ1にわたってW型に巻き掛けられている。
【0022】
複数の冷却ローラ21はそれぞれローラ端部に設けた軸受け(図示せず)を介して可動フレーム22に回転自在に取り付けられて、冷却ユニット24を構成している。従って、この冷却ユニット24は被記録媒体Wによって吊り下げられた状態になっている。この冷却ユニット24も重力方向に沿って移動可能になっており、冷却ユニット24の位置を検出する冷却ユニット位置検出手段(図示せず)が設けられている。搬送中の被記録媒体Wを冷却する場合は、冷却ファン23の送風に対して用紙の接触面を広くするため、冷却ユニット24を下降方向へ駆動し、搬送中の固定位置にセットする。固定位置ではロック機構(図示せず)によって動かないように固定された状態となる。また、後乾燥装置内に被記録媒体Wが無い状態で被記録媒体Wを通紙する際は、ダンサーユニット4と同様に冷却ユニット24を一番上の高さ(アッパリミット)まで上昇させて、オペレータに対して通紙作業が行いやすい状態にセットする。
【0023】
冷却機構20の間を通過した被記録媒体Wは、搬送ローラ31を備えた搬送機構30の間を通る。搬送機構30に搬送された被記録媒体Wは、モータなどの駆動源(図示せず)で回転駆動する搬送ローラ31と搬送ニップローラ32の間を通る。搬送ニップローラ32は、搬送ローラ31の軸方向に沿って複数個配置されており、搬送ニップローラ32はバネ(図示せず)により搬送ローラ31側に押し付けられている。
【0024】
図3に示すように、ヒータ制御部50は、タイマ制御部52、目標温度制御部53及び
メモリ54を備えた演算装置51を有する。演算装置51は、温度検出センサの異常を判断する装置である。ヒータ制御部50は、上流側ヒートロール11Uの表面に対向配置された二つの非接触式温度センサ12(r、f)の検出結果に基づいて、二つの上流用ヒータランプ14(r、f)の駆動を制御し、上流側ヒートロール11Uの温度制御を行う。
【0025】
また、後乾燥装置140は、非接触式温度センサ12(r、f)の故障等により、ヒートロール11(U、L)が上限温度を超えたことを検出する熱暴走センサ16を備える。さらに、被記録媒体Wの幅を検出するための幅検出センサ17を備える。
【0026】
図4は、この後乾燥装置140に用いられる乾燥機構10の構成図であり、乾燥機構10内のヒートロール11の配置と、ヒートロール11内部の熱源となるヒータランプ14r、14fの配置と、ヒートロール11の温度制御を実施する非接触式温度センサ12r、12fと、非接触式温度センサ12r、12fの故障等により、ヒートロール11が上限温度を超えたことを検出する熱暴走センサ16と、被記録媒体W幅を検出するための幅検出センサ17の配置を示している。
【0027】
乾燥機構10内の被記録媒体Wの搬送パスは、上流側である乾燥機構10の下側から入り、下流側である上側から排出される。被記録媒体Wの入り口側となる上流側のヒートロール11は、2本のヒータランプ14r、14fの配置が左右対処となるように配置し、ヒートロール11の温度分布の均一化を図っている。ヒータランプ14が左右対称に配置され、ヒートロール11のリア側とフロント側でそれぞれ温度コントロールが必要となるため、リア側とフロント側の2か所に非接触式温度センサ12r、12fを配置する。
【0028】
本乾燥機構の構成上、上流側のヒートロール11の非接触式温度センサ12r、12fの取り付け位置をヒートロール11のリア側とフロント側の2か所としているが、非接触式温度センサの数が複数個であればセンサの数、取り付け位置に関して、ここでは特に定めない。
【0029】
図5は、この後乾燥装置140に用いられる乾燥機構10の温度制御図であり、非接触式温度センサ12r、12fのベリファイチェックを実施する期間P1を示している。
【0030】
後乾燥装置140のパワーONした契機C0では、ヒータがNotReady中P0のため、ヒータ制御温度Tmpcは常温Ttmp0付近を検出する。後乾燥装置140は、NotReady中P0にSTART/STOPスイッチを押下した契機C1で待機温度立ち上げ中P1となり、常温Ttmp0から待機中の目標温度TtmP1へヒータ立ち上げを開始し、待機中の目標温度到達契機C2でReady中P2へ遷移する。ベリファイチェックは、NotReady中P0にSTART/STOPスイッチを押下した契機C1、および待機中の目標温度立ち上げ期間P1に実施する。
【0031】
後乾燥装置140はReady中P1にインクジェットプリンタ120からPFEED信号ON(搬送開始)C3を受信すると、Running中P3となり、待機中の目標温度TtmP1から印刷中の目標温度Ttmp2へヒータ立ち上げを開始し、ヒータ制御温度Tmpcを印刷中の目標温度Ttmp2になるように制御する。その後、インクジェットプリンタ120からPFEED信号OFF(搬送停止)C4を受信すると、Ready中P2となり、印刷中の目標温度Ttmp2から待機中の目標温度TtmP1へヒータ立ち下げ開始し、ヒータ制御温度Tmpcを待機中の目標温度TtmP1になるように制御する。
【0032】
後乾燥装置140は、Ready中P1にSTART/STOPスイッチを押下した契機C5でヒータをOFFし、NotReady状態P0へ遷移し、ヒータ制御温度Tmpcは常温Ttmp0付近まで降下する。また、後乾燥装置140で障害が発生しヒータをオフしたケース、もしくは、前記期間中に省エネモード等のヒータをオフするモードにモード切替したケースでは、ヒータがNotReady状態P0に移行する。
【0033】
図6は、幅広状の被記録媒体Wを印刷した際のヒートロール11のリア側とフロント側に取り付けられた非接触式温度センサ12r、12fの温度分布を示す図である。図6では、Tmp0〜Tmp6は目標温度を示す。温度はTmp0<Tmp6の関係とし、Tm0〜tm6は経過時間を示す。経過時間はtm0<tm6の関係とし、Tmpfは、後乾燥装置140のフロント側に取り付けられた非接触式温度センサ12fの検出温度を示す。Tmprは、後乾燥装置140のリア側に取り付けられた非接触式温度センサ12rの検出温度を示す。
【0034】
図6に示すように、幅広状の被記録媒体Wの印刷時におけるヒートロール11の温度分布は、リア側に取り付けられた非接触式温度センサの検出温度Tmprとフロント側に取り付けられた非接触式温度センサの検出温度Tmpfに違いは発生しない。幅広状の被記録媒体Wは、ヒートロール11の幅方向を覆う様に接触するため、熱量が効率良く被記録媒体Wに伝わる。このため、ヒートロール11の幅方向の温度分布は、印刷中および、印刷停止契機以降も被記録媒体Wの基準となる幅方向基準となるリア側と用紙端の走行位置が変わるフロント側の温度分布に大きな違いは発生しない。
【0035】
図7は、ヒートロール11のベリファイチェックの制御フローを示す図である。まず、ベリファイチェック処理の制御が開始されると、ヒータランプ(14r、14f)の状態をチェックし、ベリファイチェックの実行の可否を判断する(S0)。
【0036】
ヒータが温度コントロール状態に移行している場合(S0;Yes)では、ベリファイチェク済みの状態または、ベリファイチェック中となっているため、ベリファイチェック処理を実施せずに終了(S11)する。ここで、「温度コントロール」の状態とは、非接触式温度センサ12の検出温度に基づいてヒータランプの出力が制御されている状態であり、図5中の契機「C2」から契機「C5」までの間である。
【0037】
ヒータが温度コントロール状態に移行していない場合(S0;No)では、待機中の目標温度TtmP1をチェックし、ベリファイチェックの実施有無を判断する(S1)。
【0038】
操作パネルOpなどの入力装置から待機中の目標温度TtmP1に0℃が設定された場合(S1;Yes)では、ヒートロール11の温度コントロールが実施されないため、ベリファイチェック処理を終了(S11)する。
【0039】
操作パネルOpなどの入力装置から待機中の目標温度TtmP1に0℃が設定されていない場合(S1;No)では、非接触式温度センサ12r、12fの温度取得を開始し(S2)、温度取得期間の終了をチェックする(S3)。
【0040】
温度取得期間の終了契機(S3;No)で、リア側に装備される非接触式温度センサ12rにてヒートロール11のリア側、また、同タイミングでフロント側に装備される非接触式温度センサ12fにてヒートロール11のフロント側の温度検出を実施し、ベリファイチェックを実施する(S4)。
【0041】
S4で取得した温度検出データから、非接触式温度センサ12rとフロント側の非接触式温度センサ12fを比較し、2つの非接触式温度センサ12f、12rの出力差分が±20℃(規定範囲)となることを確認する。本実施例では、ベリファイチェックにおいて非接触式温度センサ12r、12fの検出結果が正しいとする規定範囲を評価結果に基づいて±20℃としているが、乾燥機構10の構造や環境温度により変わるため、ここでは特に定めない。
【0042】
ベリファイエラー発生をチェックし(S5)、S4の比較結果で異常が検出された場合は(S5;Yes)、ベリファイエラーの報告処理(S10)へ遷移する。一方、S4の比較結果で異常が検出されない場合は(S5;No)、目標温度の立ち上げDUTYにてヒータの立ち上げを開始し(S6)、ベリファイチェックを実施する(S7)。
【0043】
S7で取得した温度検出データから、非接触式温度センサ12rの温度プロファイルの傾きと、非接触式温度センサ12fの温度プロファイルの傾きを比較し、温度プロファイルに含まれる各検出温度の差分が規定範囲であることを確認する。ヒータ立ち上げ中の非接触式温度センサ12rの温度プロファイルの傾きと、非接触式温度センサ12fの温度プロファイルの傾きとに異常がなく上記規定範囲である場合は、何れかの非接触式温度センサ12の検出温度と、予め定められた目標温度の立ち上げDUTYに応じた温度プロファイルとを比較し、上記検出温度が予め定められた温度異常を検出する温度範囲であることを確認し、ベリファイエラー発生をチェックする(S8)。
【0044】
S7の比較結果で2つの非接触式温度センサ12f、12rの相関が取れていないケース、または目標温度の立ち上げDUTYに応じた温度プロファイルと比較結果が温度異常を検出する温度範囲で有った場合(S8;Yes)、ベリファイエラーの報告処理(S10)へ遷移する。
【0045】
一方、上記相関が取れていないケース、または上記温度異常を検出する温度範囲で有った場合(S8;No)、待機中の目標温度到達契機C2をチェックする(S9)。待機中の目標温度到達契機C2でベリファイチェックを終了するため、待機中の目標温度TtmP1の到達をチェックする。
【0046】
S10では、ベリファイエラーを上位モジュールへ報告する(S10)。S5、S8でリア側および、フロント側に設置された非接触式温度センサ12rの検出温度と、非接触式温度センサ12fの検出温度に規定範囲以上の乖離が発生した場合は、非接触式温度センサ12r、12fに異常が有ると認識し、上位モジュールへエラー報告と併せて、全ヒータをオフする。
【0047】
図8は、幅狭状の被記録媒体Wを印刷した際のヒートロール11のリア側とフロント側に取り付けられた非接触式温度センサ12r、12fの温度分布を示す図である。図8では、Tmp0〜Tmp6は目標温度を示す。温度はTtmp0<Tt6の関係とする。Tm0〜Tm6は経過時間を示す。経過時間はtm0<tm6の関係とする。Tmpfは、後乾燥装置140のフロント側に取り付けられた非接触式温度センサ12fの検出温度を示す。Tmprは、後乾燥装置140のリア側に取り付けられた非接触式温度センサ12rを示す。
【0048】
幅狭状の被記録媒体Wを印刷時のヒートロール11の温度分布は、リア側の非接触式温度センサ12rの検出温度Tmprに比べて、フロント側の非接触式温度センサ12fの検出温度Tmpfの検出温度が高くなる。
【0049】
幅狭状の被記録媒体Wを走行ラインの基準となるリア側の基準位置に合わせた場合、用紙端の走行位置が変わるフロント側は、ヒートロール11上に被記録媒体Wが掛からない状態となるため、被記録媒体Wが掛からないフロント側ヒータランプ14fをオフし、リア側のみ温度コントロールを実施する。
【0050】
リア側は温度コントロールにより目標温度付近で推移するが、フロント側はリア側から流れ込んだ熱量がフロント側のヒートロール11表面から放熱され続けることで、ヒートロール11のフロント側のみ温度が高温となる。
【0051】
また、印刷停止によりヒートロール11が待機状態の目標温度(低温)に設定されると、フロント側には被記録媒体Wがなく、ヒートロール11の熱が放熱し易いため、急激に温度が降下し、印刷停止後にヒートロール11のリア側とフロント側で温度差が収束するまでの期間P4を経過するとヒートロール11の両端の温度はほぼ同じになることが分かっている。
【0052】
ただし、幅狭状の被記録媒体Wの印刷停止後にヒートロール11のリア側とフロント側で温度差が収束するまでの期間P4に、障害が発生しヒータをオフしたケース、もしくは、前記期間中に省エネモード等のヒータをオフするモードにモード切替したケースでは、ヒータがNotReady状態に移行する。
【0053】
その際、直ぐにSTART/STOPスイッチを押下し、ヒータの再立ち上げを実施した場合、ヒートロール11上のフロント側の非接触式温度センサ12fは、リア側に比べて高温の状態でベリファイチェックが実施されることになる。
【0054】
そのため、フロント側の非接触式温度センサ12fは正常に温度検出をしていても、ベリファイチェックの結果においてリア側の非接触式温度センサ12rとフロント側の非接触式温度センサ12fの検出異常と誤認され、エラーを誤報告することになる。
【0055】
図9は、ヒートロール11のベリファイチェックの制御フローの他の例を示す図である。まず、ベリファイチェック処理の制御が開始されると、ヒータランプ(14r、14f)の状態をチェックし、ベリファイチェックの実行の可否を判断する(S0)。
【0056】
ヒータが温度コントロール状態に移行している場合(S0;Yes)では、ベリファイチェク済みの状態または、ベリファイチェック中となっているため、ベリファイチェック処理を実施せずに終了(S11)する。
【0057】
ヒータが温度コントロール状態に移行していない場合(S0;No)では、待機中の目標温度TtmP1をチェックし、ベリファイチェックの実施有無を判断する(S1)。
【0058】
操作パネルOpなどの入力装置から待機中の目標温度TtmP1に0℃が設定された場合(S1;Yes)では、ヒートロール11の温度コントロールが実施されないため、ベリファイチェック処理を終了(S11)する。
【0059】
ヒートロール11のリア側とフロント側の温度差をチェックし、ベリファイチェックの実施可否を判断する(S1−1)。
【0060】
図8で示した通り、幅狭の被記録媒体Wの印刷直後はリア側とフロント側でヒートロール温度に乖離が発生しているため、リア側とフロント側を比較し出力差分である温度差が規定範囲(±20℃)に収束していない場合(S1−1;No)、リア側とフロント側の温度が収束していないと判断し、ベリファイチェックをウェイトする。
【0061】
本実施例では、非接触式温度センサ12r、12fの検出結果が収束したとする規定範囲を評価結果に基づいて±20℃としているが、乾燥機構10の構造や環境温度により変わるため、ここでは特に定めない。
【0062】
リア側とフロント側を比較し出力差分である温度差が規定範囲(±20℃)に収束した場合(S1−1;Yes)、非接触式温度センサ12r、12fの温度取得を開始し(S2)、温度取得期間の終了をチェックする(S3)。
【0063】
温度取得期間の終了契機(S3;No)で、リア側に装備される非接触式温度センサ12rにてヒートロール11のリア側、また、同タイミングでフロント側に装備される非接触式温度センサ12fにてヒートロール11のフロント側の温度検出を実施し、ベリファイチェックを実施する(S4)。
【0064】
S4で取得した温度検出データから、非接触式温度センサ12rとフロント側の非接触式温度センサ12fを比較し、2つの非接触式温度センサ12f、12rの出力差分である温度差が±20℃(規定範囲)となることを確認する。本実施例では、ベリファイチェックにおいて非接触式温度センサ12r、12fの検出結果が正しいとする規定範囲を評価結果に基づいて±20℃としているが、乾燥機構10の構造や環境温度により変わるため、ここでは特に定めない。
【0065】
ベリファイエラー発生をチェックし(S5)、S4の比較結果で異常が検出された場合は(S5;Yes)、ベリファイエラーの報告処理(S10)へ遷移する。一方、S4の比較結果で異常が検出されない場合は(S5;No)、目標温度の立ち上げDUTYにてヒータの立ち上げを開始し(S6)、ベリファイチェックを実施する(S7)。
【0066】
S7で取得した温度検出データから、非接触式温度センサ12rの温度プロファイルの傾きと、非接触式温度センサ12fの温度プロファイルの傾きを比較し、温度プロファイルに含まれる各検出温度の差分が規定範囲であることを確認する。ヒータ立ち上げ中の非接触式温度センサ12rの温度プロファイルの傾きと、非接触式温度センサ12fの温度プロファイルの傾きとに異常がなく上記規定範囲である場合は、何れかの非接触式温度センサ12の検出温度と、予め定められた目標温度の立ち上げDUTYに応じた温度プロファイルとを比較し、上記検出温度が予め定められた温度異常を検出する温度範囲であることを確認し、ベリファイエラー発生をチェックする(S8)。
【0067】
S7の比較結果で2つの非接触式温度センサ12f、12rの相関が取れていないケース、または目標温度の立ち上げDUTYに応じた温度プロファイルと比較結果が温度異常を検出する温度範囲で有った場合(S8;Yes)、ベリファイエラーの報告処理(S10)へ遷移する。
【0068】
一方、上記相関が取れていないケース、または上記温度異常を検出する温度範囲で有った場合(S8;No)、待機中の目標温度到達契機C2をチェックする(S9)。待機中の目標温度到達契機C2でベリファイチェックを終了するため、待機中の目標温度TtmP1の到達をチェックする。
【0069】
S10では、ベリファイエラーを上位モジュールへ報告する(S10)。S5、S8でリア側および、フロント側に設置された非接触式温度センサ12rの検出温度と、非接触式温度センサ12fの検出温度に規定範囲以上の乖離が発生した場合は、非接触式温度センサ12r、12fに異常が有ると認識し、上位モジュールへエラー報告と併せて、全ヒータをオフする。
【0070】
図10は、ヒートロール11のベリファイチェックの制御フローの他の例を示す図である。まず、ベリファイチェック処理の制御が開始されると、ヒータランプ(14r、14f)の状態をチェックし、ベリファイチェックの実行の可否を判断する(S0)。
【0071】
ヒータが温度コントロール状態に移行している場合(S0;Yes)では、ベリファイチェク済みの状態または、ベリファイチェック中となっているため、ベリファイチェック処理を実施せずに終了(S11)する。
【0072】
ヒータが温度コントロール状態に移行していない場合(S0;No)では、待機中の目標温度TtmP1をチェックし、ベリファイチェックの実施有無を判断する(S1)。
【0073】
操作パネルOpなどの入力装置から待機中の目標温度TtmP1に0℃が設定された場合(S1;Yes)では、ヒートロール11の温度コントロールが実施されないため、ベリファイチェック処理を終了(S11)する。
【0074】
リア側とフロント側の温度が収束する時間をチェックし、ベリファイチェックの実施可否を判断する(S1−2)。
【0075】
図8で示した通り、幅狭の被記録媒体Wの印刷直後はリア側とフロント側でヒートロール温度に乖離が発生しているため、印刷停止からカウントしている収束時間カウンタがリア側とフロント側の温度が収束する時間(5分)に達しても温度収束できない場合(S1−2;Yes)、リア側とフロント側の何れかの非接触式温度センサに異常があると認識し、ベリファイエラーを報告する。
【0076】
本実施例では、リア側とフロント側で温度が収束する時間を評価結果に基づいて5分としているが、乾燥機構の構造や環境温度により変わるため、ここでは特に定めない。
ヒートロール11のリア側とフロント側の温度差をチェックし、ベリファイチェックの実施可否を判断する(S1−1)。
【0077】
図8で示した通り、幅狭の被記録媒体Wの印刷直後はリア側とフロント側でヒートロール温度に乖離が発生しているため、リア側とフロント側を比較し出力差分である温度差が規定範囲(±20℃)に収束していない場合(S1−1;No)、リア側とフロント側の温度が収束していないと判断し、ベリファイチェックをウェイトする。
【0078】
本実施例では、非接触式温度センサ12r、12fの検出結果が収束したとする規定範囲を評価結果に基づいて±20℃としているが、乾燥機構10の構造や環境温度により変わるため、ここでは特に定めない。
【0079】
リア側とフロント側を比較し出力差分である温度差が規定範囲(±20℃)に収束した場合(S1−1;Yes)、非接触式温度センサ12r、12fの温度取得を開始し(S2)、温度取得期間の終了をチェックする(S3)。
【0080】
温度取得期間の終了契機(S3;No)で、リア側に装備される非接触式温度センサ12rにてヒートロール11のリア側、また、同タイミングでフロント側に装備される非接触式温度センサ12fにてヒートロール11のフロント側の温度検出を実施し、ベリファイチェックを実施する(S4)。
【0081】
S4で取得した温度検出データから、非接触式温度センサ12rとフロント側の非接触式温度センサ12fを比較し、2つの非接触式温度センサ12f、12rの出力差分である温度差が±20℃(規定範囲)となることを確認する。本実施例では、ベリファイチェックにおいて非接触式温度センサ12r、12fの検出結果が正しいとする規定範囲を評価結果に基づいて±20℃としているが、乾燥機構10の構造や環境温度により変わるため、ここでは特に定めない。
【0082】
ベリファイエラー発生をチェックし(S5)、S4の比較結果で異常が検出された場合は(S5;Yes)、ベリファイエラーの報告処理(S10)へ遷移する。一方、S4の比較結果で異常が検出されない場合は(S5;No)、目標温度の立ち上げDUTYにてヒータの立ち上げを開始し(S6)、ベリファイチェックを実施する(S7)。
【0083】
S7で取得した温度検出データから、非接触式温度センサ12rの温度プロファイルの傾きと、非接触式温度センサ12fの温度プロファイルの傾きを比較し、温度プロファイルに含まれる各検出温度の差分が規定範囲であることを確認する。ヒータ立ち上げ中の非接触式温度センサ12rの温度プロファイルの傾きと、非接触式温度センサ12fの温度プロファイルの傾きとに異常がなく上記規定範囲である場合は、何れかの非接触式温度センサ12の検出温度と、予め定められた目標温度の立ち上げDUTYに応じた温度プロファイルとを比較し、上記検出温度が予め定められた温度異常を検出する温度範囲であることを確認し、ベリファイエラー発生をチェックする(S8)。
【0084】
S7の比較結果で2つの非接触式温度センサ12f、12rの相関が取れていないケース、または目標温度の立ち上げDUTYに応じた温度プロファイルと比較結果が温度異常を検出する温度範囲で有った場合(S8;Yes)、ベリファイエラーの報告処理(S10)へ遷移する。
【0085】
一方、上記相関が取れていないケース、または上記温度異常を検出する温度範囲で有った場合(S8;No)、待機中の目標温度到達契機C2をチェックする(S9)。待機中の目標温度到達契機C2でベリファイチェックを終了するため、待機中の目標温度TtmP1の到達をチェックする。
【0086】
S10では、ベリファイエラーを上位モジュールへ報告する(S10)。S5、S8でリア側および、フロント側に設置された非接触式温度センサ12rの検出温度と、非接触式温度センサ12fの検出温度に規定範囲以上の乖離が発生した場合は、非接触式温度センサ12r、12fに異常が有ると認識し、上位モジュールへエラー報告と併せて、全ヒータをオフする。
【0087】
なお、温度センサの種類やヒートロール11の種類により、温度の応答性が変わるため、印刷制御装置160や操作パネルOpなどの入力装置から、温度センサの種類やヒートロール11の種類ごとに、ベリファイチェックにおいて非接触式温度センサ12r、12fの検出結果が正しいことを示す温度差の規定範囲として予め設定した温度範囲データ内容の設定や変更を可能としている。
【0088】
また、外気温度や湿度などの装置が置かれた環境条件により、幅狭の被記録媒体Wを印刷した際に発生するヒートロール11Uのリア側とフロント側に発生した温度差が収束する時間が変わるため、印刷制御装置160や操作パネルOpなどの入力装置から、上記環境条件ごとに、印刷動作を停止してから次回ベリファイチェックを実施可能とする規定時間として予め設定したデータ内容の設定または変更を可能としている。上記設定や変更は、印刷制御装置160により自動的に設定または変更されてもよい。
【0089】
さらに、温度センサの種類やヒートロール11の種類により、温度の応答性が変わるため、印刷制御装置160や操作パネルOpなどの入力装置から、ベリファイチェックにおいて非接触式温度センサ12r、12fの検出結果が正しいとする温度範囲として予め設定した温度範囲データ内容を変更可能としている。
【0090】
従来、非接触式温度センサのVerifyチェックの方法として、非接触式温度センサと接触式温度センサを一対となる構成で配置する必要があり、実装スペースの確保や、部品点数が削減できない問題があった。しかし、上記実施例では、非接触式温度センサのVerifyチェック用として接触式温度センサを実装しなくても、複数の非接触式温度センサの組み合わせで汚れなどによる温度異常を適正に検出でき、印刷不良や、定着装置自体に重大なダメージを与えるような事故を未然に防ぐことが出来る定着装置を提供することができる。上記定着装置は、プリンタや複写機に実装され、非接触式温度センサの汚れや、各温度センサの故障によるセンサ異常を検出可能である。
【0091】
このように、ヒートロール11の温度を、少なくとも2箇所で検出する複数の非接触温度センサ12f、12rと、ヒートロール11の温度が上昇している際の、複数の非接触温度検出センサ12f、12rのそれぞれの検出温度に基づき、複数の非接触温度センサ12f、12rの出力異常を判断する演算装置51と、を備えるので、温度センサによる異常を適切に検出することができる。
【0092】
また、演算装置51は、前記加熱手段の温度が上昇している際の、複数の非接触温度検出センサ12f、12rのそれぞれの温度プロファイルの傾きを比較し、それぞれの温度プロファイルに含まれる各検出温度の差分が規定範囲にある場合、何れかの非接触温度検出センサ12f、12rの検出温度と、ヒートロール11の目標温度の立ち上げ時間に応じて予め定められた温度プロファイルとを比較し、上記検出温度が予め定められた温度異常を検出する温度範囲で制御されているか確認するので、標温度の立ち上げDUTYに応じた温度プロファイルと非接触式温度センサの温度プロファイルの比較とは別に、2つの非接触式温度センサの差分の有効温度範囲を定め、2つの非接触式温度センサの相関でセンサ異常が認識出来るようにすることで、検出精度を向上させることができる。
【0093】
また、演算装置51は、非接触温度検出センサ12f、12rのそれぞれの温度差をチェックし、それぞれの非接触温度検出センサ12f、12rの温度差が規定範囲に収束していないと判断した場合、上記温度差が規定範囲に収束するまでベリファイチェックの実施を待つので、ヒートロール11のリア側とフロント側の温度分布が均一になったタイミングでベリファイチェックをチェックすることで、検出精度を向上させることができる。
【0094】
また、演算装置51は、幅狭の被記録媒体Wを印刷した場合において、収束時間カウンタによりカウントした印刷停止からの時間が所定の時間に達しても、非接触温度検出センサ12f、12rの温度差が規定範囲に収束しない場合、ベリファイエラーを報告するので、ヒートロール11Uのリア側とフロント側の温度分布が、規定時間以内に均一とならない場合、ヒートロールのリア側とフロント側に設けられた非接触式温度センサの何れかに障害があると判別出来ることから、幅狭の非記録媒体においてもスループットを向上させることができる。
【0095】
また、印刷制御装置160や操作パネルOpなどの入力装置から、非接触温度検出センサ12f、12rの種類またはヒートロール11の種類ごとに、ベリファイチェックにおいて、非接触温度検出センサ12f、12rの検出結果が正しいことを示す上記規定範囲の設定または変更を受け付けるので、センサやヒートロールの種類などのデバイス条件の影響を最小限に抑えることで、ベリファイチェックの検出精度を向上させることができる。
【0096】
また、演算装置51は、幅狭の被記録媒体Wを印刷した場合において、装置が置かれた環境条件ごとに、印刷動作を停止してから次回ベリファイチェックを実施可能とする規定時間の設定または変更するので、印刷時の目標温度に応じて変わる印刷後のヒートロール11Uのリア側とフロント側に発生する温度差の影響を考慮することで、幅狭の非記録媒体においてもスループットを向上させることができる。
【0097】
また、印刷制御装置160や操作パネルOpなどの入力装置から、上記規定時間の設定または変更を受け付けるので、外気温度や湿度などの環境条件の影響を最小限に抑えることで、ベリファイチェックの検出精度を向上させることができる。
【符号の説明】
【0098】
100 給紙装置
110 処理液塗布装置
120f、r 第1、第2のインクジェットプリンタ
130 反転装置
140 後乾燥装置
150 後処理装置
10 乾燥機構
11 ヒートロール
12r、f 非接触式温度センサ
14r、f ヒータランプ
16 熱暴走センサ
17 幅検出センサ17
51 演算装置
W 被記録媒体
Op 操作パネル
【先行技術文献】
【特許文献】
【0099】
【特許文献1】特開2015−138099号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10