(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0006】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明を適用したレンズ交換式のカメラシステムを示した斜視図である。なお、
図1では本発明に係わる機器および装置のみを示し、それ以外の機器および装置については図示と説明を省略する。カメラ1は、カメラボディ100と、カメラボディ100に着脱可能な交換レンズ200とから構成される。
【0007】
カメラボディ100には交換レンズ200が着脱可能に取り付けられるレンズマウント101が設けられている。
図3(b)、
図4(b)に示すように、カメラボディ100のレンズマウント101の近傍(レンズマウント101の内周側)の位置には、レンズマウント101の内周側に部分的に突出する状態で、接点を保持する保持部(電気的な接続部)102が設けられている。この保持部102には複数の接点が設けられている。
【0008】
また交換レンズ200には、ボディ側のレンズマウント101に対応する、カメラボディ100が着脱可能に取り付けられるレンズマウント201が設けられている。
図3(a)、
図4(a)に示すように、交換レンズ200のレンズマウント201の近傍(レンズマウント201の内周側)の位置には、レンズマウント201の内周側に部分的に突出する状態で、接点を保持する保持部(電気的な接続部)202が設けられている。この保持部202には複数の接点が設けられている。
【0009】
カメラボディ100に交換レンズ200が装着されると、複数の接点が設けられた保持部102(後に詳述)が、複数の接点が設けられた保持部202(後に詳述)に電気的に且つ物理的に接続される。両保持部102,202は、カメラボディ100から交換レンズ200への電力供給、および、カメラボディ100と交換レンズ200との信号の送受信に利用される。
【0010】
カメラボディ100内のレンズマウント101後方には撮像素子104が設けられる。カメラボディ100の上方には、入力装置たるボタン107が設けられている。ユーザはボタン107等の入力装置を用いてカメラボディ100に撮影指示や撮影条件の設定指示等を行う。
【0011】
図2は、本発明を適用したレンズ交換式のカメラシステムを示した断面図である。交換レンズ200は、被写体像を結像させる結像光学系210を備える。結像光学系210は複数のレンズ210a〜210cにより構成されている。これら複数のレンズ210a〜210cには、被写体像のピント位置を制御するためのフォーカシングレンズ210bが含まれている。
【0012】
交換レンズ200内部には、交換レンズ200の各部の制御を司るレンズ側制御部203が設けられている。レンズ側制御部203は不図示のマイクロコンピュータおよびその周辺回路等から構成される。レンズ側制御部203には、レンズ側第1通信部217、レンズ側第2通信部218、レンズ駆動部212、レンズ位置検出部213、ROM215、およびRAM216が接続されている。
【0013】
レンズ側第1通信部217およびレンズ側第2通信部218は、保持部102、202を介してカメラボディ100とのデータの授受を行う。このレンズ側第1通信部217とレンズ側第2通信部218はそれぞれ、交換レンズ側の通信インターフェースである。レンズCPU203はこれら通信インターフェースを使って、カメラボディ100(後述するボディ側制御部103)との間で後述する各通信(ホットライン通信、コマンドデータ通信)を行う。
【0014】
レンズ駆動部212は例えばステッピングモータ等のアクチュエータを有し、レンズ駆動部212に入力された信号に応じてフォーカシングレンズ210bを駆動する。レンズ位置検出部213は、例えばレンズ駆動部212が有するステッピングモータに入力された信号のパルス数を計数して、フォーカシングレンズ210bの位置を検出する。あるいは、交換レンズ200に設けられた周知の距離エンコーダ等を用いてフォーカシングレンズ210bの位置を検出してもよい。
【0015】
なお、交換レンズ200内に、上記フォーカシングレンズ210b以外の被駆動部材を設けていても良い。例えば、上記フォーカシングレンズ210bと同様に、交換レンズ(結像光学系210)の光軸方向に移動可能な部材としてズームレンズを備え、そのズームレンズを電気的に駆動する機構(パワーズーム機構)を、交換レンズ200内に設けても良い。また結像光学系210の光軸方向とは垂直な方向の成分(X,Y方向成分)を含む移動方向に移動可能なブレ補正レンズを含み、そのブレ補正レンズを駆動することにより手振れ補正を行うブレ補正機構を、交換レンズ200内に設けても良い。また、被写体光束の通過する絞り開口の大きさを変更するように移動可能な絞り部材(絞り羽根)の駆動を制御する絞り電動機構を、交換レンズ200内に設けても良い。このような被駆動部材が設けられている場合には、レンズ側制御部203が、レンズ駆動部212およびレンズ位置検出部213を用いて、ブレ補正レンズ、絞り部材、ズームレンズそれぞれの、駆動や位置検出を制御する。
【0016】
ROM215は不揮発性の記憶媒体であり、レンズ側制御部203が実行する所定の制御プログラム等が予め記憶される。RAM216は揮発性の記憶媒体であり、レンズ側制御部203により各種データの記憶領域として利用される。
【0017】
撮像素子104の前面には、撮像素子104の露光状態を制御するためのシャッター115と、光学的ローパスフィルターや赤外線カットフィルターを組み合わせた光学フィルター116とが設けられている。結像光学系210を透過した被写体光は、シャッター115およびフィルター116を介して撮像素子104に入射する。
【0018】
カメラボディ100内部には、カメラボディ100の各部の制御を司るボディ側制御部103が設けられている。ボディ側制御部103は不図示のマイクロコンピュータ、RAMおよびその周辺回路等から構成される。
【0019】
ボディ側制御部103には、ボディ側第1通信部117およびボディ側第2通信部118が接続されている。ボディ側第1通信部117は保持部102に接続されており、レンズ側第1通信部217とデータの授受を行うことができる。同様に、ボディ側第2通信部118はレンズ側第2通信部218とデータの授受を行うことができる。換言すれば、ボディ側第1通信部117とボディ側第2通信部118はそれぞれ、ボディ側の通信インターフェースである。ボディ側制御部103はこれら通信インターフェースを使って、交換レンズ200(レンズ側制御部203)との間で、後述する各通信(ホットライン通信、コマンドデータ通信)を行う。
【0020】
カメラボディ100の背面には、LCDパネル等により構成される表示装置111が配置される。ボディ側制御部103はこの表示装置111に対し、撮像素子104の出力に基づく被写体の画像(いわゆるスルー画)や、撮影条件等を設定するための各種のメニュー画面を表示する。
【0021】
(保持部102,202の説明)
図3は保持部102,202の詳細を示す模式図である。なお
図3はマウント構造を簡略的に記載したものである。このためカメラボディ100のレンズマウント101と保持部102とが同一面上に存在するような図面になっている。しかしながら実際のマウント構造では、保持部102は、カメラボディ100のレンズマウント101のマウント面よりも奥まった場所(
図3においてレンズマウント101よりも右側の場所)に配置されている。
【0022】
図3では交換レンズ側のマウント構造も簡略的に記載したので、交換レンズ200のレンズマウント201と保持部202とが同一面上に存在するような図面になっている。しかしながら実際には、保持部202は、レンズマウント201のマウント面よりも突出した場所(
図3においてレンズマウント201よりも右側の場所)に配置されている。実際にはこのように構成されているので、レンズマウント101のマウント面とレンズマウント201のマウント面とを接触させて、カメラボディ100と交換レンズ200とをマウント結合させると、保持部102と保持部202とが接続され、両保持部に設けられている電気接点同士も接続することになる。このようなマウント構造については周知であるのでこれ以上の説明、図示を省略する。
【0023】
図3に示すように、保持部102にはBP1〜BP12の12個の接点が存在する。また保持部202には、上記の12個の接点にそれぞれ対応する、LP1〜LP12の12個の接点が存在する。
【0024】
接点BP1および接点BP2は、カメラボディ100内の第1電源回路120に接続されている。第1電源回路120は、接点BP1に、レンズ駆動部212を除く交換レンズ200内の各部の動作電圧を供給する。すなわち、接点BP1および接点LP1からは、レンズ駆動部212を除く交換レンズ200内の各部(レンズ側第1通信部217およびレンズ側第2通信部218を含む)の動作電圧が供給される。この接点BP1に供給可能な電圧値は、最小電圧値〜最大電圧値の範囲(例えば3V台での電圧幅)をもつが、標準的に供給される電圧値はその最大電圧値と最小電圧値の中間値近傍の電圧値である。そしてこれにより、カメラボディ100側から交換レンズ200側に供給される電流値は、電源ON状態において、約数10mA〜数100mAの範囲内の電流値である。
【0025】
接点BP2は、接点BP1に与えられる上記動作電圧に対応する接地端子である。すなわち、接点BP2および接点LP2は、上記の動作電圧に対応する接地端子である。
【0026】
以下の説明では、接点BP1および接点LP1により構成される信号線を、信号線V33と呼ぶ。また、接点BP2および接点LP2により構成される信号線を、信号線GNDと呼ぶ。これらの接点LP1,LP2、BP1,BP2は、カメラボディ100側から交換レンズ200側へ電源供給するための、電源系接点を構成する。
【0027】
接点BP3,BP4,BP5,およびBP6は、ボディ側第1通信部117に接続されている。これらの接点に対応する交換レンズ200側の接点LP3,LP4,LP5,およびLP6は、レンズ側第1通信部217に接続されている。ボディ側第1通信部117とレンズ側第1通信部217は、これらの接点(通信系接点)を用いて、互いにデータの送受信を行う。ボディ側第1通信部117とレンズ側第1通信部217が行う通信の内容については、後に詳述する。
【0028】
なお以下の説明では、接点BP3および接点LP3により構成される信号線を、信号線CLKと呼ぶ。同様に、接点BP4および接点LP4により構成される信号線を信号線BDATと、接点BP5および接点LP5により構成される信号線を信号線LDATと、接点BP6および接点LP6により構成される信号線を信号線RDYと呼ぶ。
【0029】
接点BP7,BP8,BP9,およびBP10は、ボディ側第2通信部118に接続されている。これらの接点に対応する交換レンズ200側の接点LP7,LP8,LP9,およびLP10は、レンズ側第2通信部218に接続されている。レンズ側第2通信部218は、これらの接点(通信系接点)を用いて、ボディ側第2通信部118にデータの送信を行う。ボディ側第2通信部118とレンズ側第2通信部218が行う通信の内容については、後に詳述する。
【0030】
なお以下の説明では、接点BP7および接点LP7により構成される信号線を、信号線HREQと呼ぶ。同様に、接点BP8および接点LP8により構成される信号線を信号線HANSと、接点BP9および接点LP9により構成される信号線を信号線HCLKと、接点BP10および接点LP10により構成される信号線を信号線HDATと呼ぶ。
【0031】
接点BP11および接点BP12は、カメラボディ100内の第2電源回路121に接続されている。第2電源回路121は、接点BP12に、レンズ駆動部212の駆動電圧を供給する。すなわち、接点BP12および接点LP12からは、レンズ駆動部212の駆動電圧が供給される。この接点BP12に供給可能な電圧値は、最小電圧値〜最大電圧値の範囲をもつが、その範囲はいずれも、前述した接点BP1に供給可能な電圧値範囲よりも大きい電圧値である(例えば、接点BP12に供給可能な最大電圧値は、接点BP1に供給可能な最大電圧値の数倍程度)。即ち接点BP12に供給される電圧値は、上述の接点BP1に供給される電圧値とは、その大きさが異なる電圧値である。なお接点BP12に標準的に供給される電圧値は、接点BP12に供給可能な最大電圧値と最小電圧値の中間値近傍の電圧値である。そしてこれにより、カメラボディ100側から交換レンズ200側に供給される電流は、電源ON状態において、約10mA〜数Aの電流値となる。
【0032】
接点BP11は、接点BP12に与えられる上記駆動電圧に対応する接地端子である。すなわち、接点BP11および接点LP11は、上記の駆動電圧に対応する接地端子である。
【0033】
以下の説明では、接点BP11および接点LP11により構成される信号線を、信号線PGNDと呼ぶ。また、接点BP12および接点LP12により構成される信号線を、信号線BATと呼ぶ。これらの接点LP11,LP12、BP11,BP12は、カメラボディ100側から交換レンズ200側へ電源供給するための、電源系接点を構成する。
【0034】
なお、上述の接点BP12、接点LP12に供給される電圧値(電流値)と、接点BP1,LP1に供給される電圧値(電流値)との大小関係から明らかなように、それら各接点に供給される電圧にそれぞれに対する接地端子となる接点BP11および接点LP11を流れる電流の最大値と最小値との差は、接点BP2および接点LP2を流れる電流の最大値と最小値との差よりも大きくなっている。これは、アクチュエータ等の駆動系を有するレンズ駆動部212が消費する電力が、交換レンズ200内のレンズ側制御部203等の電子回路に比べて大きいこと、ならびに、フォーカスレンズ210bを駆動する必要がない場合にはレンズ駆動部212が電力を消費しないことに拠る。
【0035】
図4は、レンズマウント101およびレンズマウント201の正面図である。
図4(a)は、交換レンズ200のレンズマウント201をカメラボディ100側から見た図であり、
図4(b)は、カメラボディ100のレンズマウント101を交換レンズ200側から見た図である。
【0036】
図4(a)に示すように、保持部202には、接点LP3,LP4,LP5,およびLP6が、レンズマウント201に沿った方向(外観形状が略円形状のレンズマウントの一部分に沿うような円弧方向)に円弧状(円弧形状)に整然と並べて配置されている。また、接点LP7,LP8,LP9,およびLP10が、上記の接点LP3〜LP6が並べられた方向(円弧方向)の延長方向上に円弧状に整然と並べて配置されている。ここで、接点LP6は、接点LP3〜LP5よりも接点LP7〜LP10に近い位置に配置されている。また、接点LP7およびLP8は、接点LP9およびLP10よりも接点LP3〜LP6に近い位置に配置されている。
【0037】
接点LP11およびLP12は、上記の接点LP3〜LP6が並べられた方向(円弧方向)の延長方向上に円弧状に整然と並べて配置されている。ここで、接点LP7〜LP10は、接点LP3〜LP6と、接点LP11およびLP12との間に配置された形となっている。また、接点LP10は接点LP11の隣りに配置されている。
【0038】
接点LP1およびLP2は、上記の接点LP3〜LP6が並べられた方向(円弧方向)の延長方向上に円弧状に整然と並べて配置されている。ここで、接点LP3〜LP6は、接点LP7〜LP10と、接点LP1およびLP2との間に配置された形となっている。また、接点LP2は接点LP1よりも接点LP3〜LP6に近い位置に配置されている。
【0039】
即ち上述の12個の接点LP1〜LP12は、円弧状に整然と並んで配置されている。本実施形態では円弧(マウント中心と、接点LP1の中心および接点LP12の中心をそれぞれ結ぶ扇形)の角度θ1は約105度であり、各接点間の円弧角度θ2はそれぞれ約9.5度である。また本実施形態では、12個の接点それぞれの円弧方向の幅は約1.5mmである。またマウント中心と、各接点(LP1〜LP12)の中心までの距離は約15mmであるので、各接点の中心間の円弧方向における距離は約2.5mmとなる。そして各接点の円弧方向の幅は約1mmであるので、各接点間の円弧方向のクリアランスは約1mmである。
【0040】
なお、各接点の幅やクリアランスについては、適宜変更可能である。例えば各接点の円弧方向の幅を1/10mm単位(コンマ数ミリメートル単位)で大きくしたり小さくしたりしても良く、それに応じてクリアランスの円弧方向の幅も1/10mm単位で(コンマ数ミリメートル単位、例えばプラスマイナス0.2mm)で適宜変更可能である。
【0041】
更に、接点LP3は接点LP2の隣に、接点LP5は接点LP6の隣に、接点LP4は接点LP3と接点LP5との間に、接点LP7は接点LP6の隣に、接点LP8は接点LP9の隣に、それぞれ配置される。
【0042】
カメラボディ100から交換レンズ200に対し電圧を供給する接点に注目すると、接点の並びは次のようになっていると言える。接点LP1〜LP12の12個の接点は、保持部202に円弧状に並べて配置されている。接点LP12はこの円弧状の並びの一方の端に、接点LP1は他方の端にそれぞれ配置されている。接点LP11は接点LP12の隣に、接点LP2は接点LP1の隣にそれぞれ配置される。また、接点LP3〜LP6は接点LP2の隣に円弧状に並べて配置され、接点LP7〜LP10は接点LP11の隣に円弧状に並べて配置される。
【0043】
つまり、円弧状に並んだ接点のうち、両端に電源電圧を供給する接点LP1,LP12が配置され、その1つ内側にはそれぞれの電源電圧に対応する接地端子である接点LP2,LP11が配置される。そして、その他の通信系の接点LP3〜LP10は、これら2つの接地端子である接点LP2,LP11の間に配置される。
【0044】
通信系の接点(通信系接点)である接点LP3〜LP10と、電源系の接点のうち、電源電圧(既述した動作電圧や駆動電圧)を供給する接点LP1およびLP12との間に、それらの接地端子である接点(グランド接点)LP2およびLP11を配置する構成としたのは、電源系の接点(信号線)が通信系の接点(信号線)に及ぼす影響を最小限に抑えるためである。
【0045】
電源電圧を供給する信号線(LP1やLP12を含む信号線)は、電源電圧の供給先での負荷変動に応じて大きな電圧変化を生じる。この大きな電圧変化が通信系の信号線に悪影響を及ぼす場合がある。この悪影響を抑制するために、本実施形態では、電源接点(LP1やLP12)よりも電圧変化の安定している接地端子用の接点(グランド接点LP2およびLP11)を、通信系接点LP3〜LP10と電源接点LP1,LP12との間に介在配置させている。
【0046】
レンズ側第1通信部217に接続されている接点LP3〜LP6と、レンズ側第2通信部218に接続されている接点LP7〜LP10とは互いに隣に配置されているが、レンズ側第1通信部217の接点LP3,LP4,LP5とレンズ側第2通信部218の接点LP9,LP10とは、互いに異なる(他方の)通信部(217,または218)に接続されている接点の隣に配置させないよう構成している。すなわち、異なる(他方の)通信部に接続されている接点に近い位置には、接点LP6,LP7,およびLP8がまとめて配置されている。これは、後述するように、接点LP6,LP7,およびLP8には、クロック信号に同期しない信号(クロック信号やそれに同期する信号に比して比較的に変化の少ない信号、例えば単位時間当たりの状態変化が1kHz〜数kHz程度の信号)を伝達するためである。一般にクロック信号やそれに同期する信号は単位時間当たりの変化が数MHz程度と激しいため(一例としてクロック信号が8MHzで、それに同期するデータ信号が(データ量にも拠るが)4MHzのケース等)、雑音源となりやすい。従って、このような端子は通信に及ぼす影響を最小限にするために、異なる(他方の)通信部に接続されている接点から互いに離して配置することが望ましい。そこで本実施形態では、レンズ側第1通信部217内においてクロック信号およびそれに同期する信号を伝達する接点群(接点LP3,LP4,LP5)と、レンズ側第2通信部218内においてクロック信号およびそれに同期する信号を伝達する接点群(接点LP9,LP10)との間に、クロック信号に同期しない信号を伝達する接点群(接点LP6,LP7,LP8)を介在させる接点配置を採用している。
【0047】
接点LP7〜LP10は第2電源回路121寄りに、接点LP3〜LP6は第1電源回路120寄りに、それぞれ配置されている。これは、接点LP7〜LP10の方が、雑音による影響が小さいためである。第2電源回路121はレンズ駆動部212に電力を供給するが、レンズ駆動部212の消費電力はフォーカシングレンズ210bを駆動している場合とそうでない場合とで激しく変化する。したがって、接点LP11を流れる電流の大きさは激しく変化し、隣接する通信系の接点に及ぼす影響は接点LP2よりも大きい。しかし後述するように、接点LP7〜LP10を用いて行われる通信は、接点LP3〜LP6を用いて行われる通信よりも周期が短いので(接点LP7〜LP10を用いる通信の周期は、接点LP3〜LP6を用いる通信の周期の1/10以下程度の周期である。後述するが本実施形態では接点LP7〜LP10を用いる通信は1msec周期で行われ、接点LP3〜LP6を用いる通信は16msec周期で行われる)、仮に接点LP11の影響で通信が失敗したとしても、速やかに通信をやり直すことができる。つまり、接点LP7〜LP10であれば、接点LP11の隣に配置したとしても、接点LP3〜LP6に比べて雑音による影響が小さいといえる。
【0048】
また、接点LP11は、接点LP10の隣に配置させている。これは、接点LP9よりも接点LP10の方が、雑音への耐性が高いためである。後述するように、接点LP9にはクロック信号が、接点LP10にはこのクロック信号に同期するデータ信号が伝送される。クロック信号は、雑音の影響を受けて立ち上がりや立ち下がりのエッジが不明瞭になってしまうと、受信側で正しく同期を取れなくなってしまう。他方、データ信号は、クロック信号の立ち上がりや立ち下がりのタイミングにおいて信号レベルのサンプリングが行われる。従って、上記のタイミングにおいて信号レベルが明確になってさえいればよく、雑音への耐性はクロック信号に比べて高いといえる。
【0049】
なお、
図4(b)に示すカメラボディ100側の保持部102に配置された接点BP1〜BP12については、上述した交換レンズ200側の接点LP1〜LP12と同様であるので、説明を省略する。なお
図1、
図4から明らかであるように、カメラボディ側のマウント101は交換レンズ側のマウント201と向かい合わせてから、回転させて係合させる構造になっている。このため
図4(a),(b)に示すように、接点BP1〜BP12の並びの方向は、接点LP1〜LP12の並びの方向とは反対になっている(
図4において、左端にLP1が配置され右端にLP12が配置されているのに対して、BP1は右端に配置されBP12は左端に配置されている)。
【0050】
(コマンドデータ通信の説明)
レンズ側制御部203は、レンズ側第1通信部217を制御して、接点LP3〜LP6、すなわち信号線CLK,BDAT,LDAT,およびRDYを介して、ボディ側第1通信部117からの制御データの受信と、ボディ側第1通信部117への応答データの送信とを並行して、第1の所定周期(本実施形態では16m秒)で行う。以下、レンズ側第1通信部217とボディ側第1通信部117との間で行われる通信の詳細を説明する。
【0051】
なお、本実施形態において、レンズ側制御部203およびレンズ側第1通信部217と、ボディ側制御部103およびボディ側第1通信部117との間で行われる通信を「コマンドデータ通信」と称する。
【0052】
図5は、コマンドデータ通信の例を示すタイミングチャートである。ボディ側制御部103およびボディ側第1通信部117は、コマンドデータ通信の開始時(T1)、まず信号線RDYの信号レベルを確認する。信号線RDYの信号レベルはレンズ側第1通信部217の通信可否を表している。レンズ側制御部203およびレンズ側第1通信部217は、通信できない状態である場合には、接点LP6からH(High)レベルの信号を出力する。すなわち、信号線RDYの信号レベルをHレベルにする。ボディ側制御部103およびボディ側第1通信部117は、信号線RDYがHレベルである場合、これがLレベルになるまで通信開始しない。また通信中の次の処理を実行しない。
【0053】
信号線RDYがL(Low)レベルであれば、ボディ側制御部103およびボディ側第1通信部117は接点BP3からクロック信号401を出力する。すなわち、信号線CLKを介してレンズ側第1通信部217にクロック信号401を伝送する。ボディ側制御部103およびボディ側第1通信部117はこのクロック信号401に同期して、接点BP4から制御データの前半部分であるボディ側コマンドパケット信号402を出力する。すなわち、信号線BDATを介してレンズ側第1通信部217にボディ側コマンドパケット信号402を伝送する。
【0054】
また、信号線CLKにクロック信号401が出力されると、レンズ側制御部203およびレンズ側第1通信部217は、クロック信号401に同期して接点LP5から応答データの前半部分であるレンズ側コマンドパケット信号403を出力する。すなわち、信号線LDATを介してボディ側第1通信部117にレンズ側コマンドパケット信号403を伝送する。
【0055】
レンズ側制御部203およびレンズ側第1通信部217は、レンズ側コマンドパケット信号403の送信完了に応じて、信号線RDYの信号レベルをHレベルにする(T2)。レンズ側制御部203は、受信したボディ側コマンドパケット信号402の内容に応じた処理である第1制御処理404(後述)を開始する。
【0056】
レンズ側制御部203は第1制御処理404が完了すると、レンズ側第1通信部217に第1制御処理404の完了を通知する。レンズ側第1通信部217はこの通知に応じて、接点LP6からLレベルの信号を出力する。すなわち、信号線RDYの信号レベルをLレベルにする(T3)。ボディ側制御部103およびボディ側第1通信部117はこの信号レベルの変化に応じて、接点BP3からクロック信号405を出力する。すなわち、信号線CLKを介してレンズ側第1通信部217にクロック信号405を伝送する。
【0057】
ボディ側制御部103およびボディ側第1通信部117はこのクロック信号405に同期して、接点BP4から制御データの後半部分であるボディ側データパケット信号406を出力する。すなわち、信号線BDATを介してレンズ側第1通信部217にボディ側データパケット信号406を伝送する。
【0058】
また、信号線CLKにクロック信号405が出力されると、レンズ側制御部203およびレンズ側第1通信部217はクロック信号405に同期して接点LP5から応答データの後半部分であるレンズがデータパケット信号407を出力する。すなわち、信号線LDATを介してボディ側第1通信部117にレンズ側データパケット信号407を伝送する。
【0059】
レンズ側制御部203およびレンズ側第1通信部217は、レンズ側データパケット信号407の送信完了に応じて、信号線RDYの信号レベルを再びHレベルにする(T4)。レンズ側制御部203は、受信したボディ側データパケット信号406の内容に応じた処理である第2制御処理408(後述)を開始する。
【0060】
ここで、レンズ側制御部203が行う第1制御処理404、および第2制御処理408について述べる。
【0061】
例えば、受信したボディ側コマンドパケット信号402が、交換レンズ側の特定のデータを要求する内容であった場合について述べる。レンズ側制御部203は、第1制御処理404として、コマンドパケット信号402の内容を解析処理すると共に、当該要求されている特定データを生成する処理を実行する。更にレンズ側制御部203は、第1制御処理404として、コマンドパケット信号402に含まれているチェックサムデータを用いて、コマンドパケット信号402の通信にエラーがないか否かをデータバイト数から簡易的にチェックする通信エラーチェック処理をも実行する。この第1制御処理404で生成された特定データの信号は、レンズ側データパケット信号407としてボディ側に出力される。なお、この場合においてコマンドパケット信号402の後でボディ側から出力されるボディ側データパケット信号406は、レンズ側にとっては特に意味をなさないダミーデータ信号(チェックサムデータは含む)となっている。この場合にはレンズ側制御部203は、第2制御処理408として、ボディ側データパケット信号406に含まれるチェックサムデータを用いた、上述の如き通信エラーチェック処理を実行する。
【0062】
また例えば、受信したボディ側コマンドパケット信号402が、レンズ側の被駆動部材を駆動する指示であった場合について述べる。例えば、コマンドパケット信号402がフォーカスレンズ210bの駆動指示であり、受信したボディ側データパケット信号406がフォーカスレンズ210bの駆動量であった場合について述べる。レンズ側制御部203は、第1制御処理404として、コマンドパケット信号402の内容を解析処理すると共に、その内容を理解したことを表す了解信号を生成する。更にレンズ側制御部203は、第1制御処理404として、コマンドパケット信号402に含まれているチェックサムデータを用いて、上述の如き通信エラーチェック処理をも実行する。この第1制御処理404で生成された了解信号は、レンズ側データパケット信号407としてボディ側に出力される。またレンズ側制御部203は、第2制御処理408として、ボディ側データパケット信号406の内容の解析処理を実行すると共に、ボディ側データパケット信号406に含まれるチェックサムデータを用いた上述の如き通信エラーチェック処理を実行する。
【0063】
レンズ側制御部203は第2制御処理408が完了すると、レンズ側第1通信部217に第2制御処理408の完了を通知する。これによってレンズ側制御部203は、レンズ側第1通信部217に、接点LP6からLレベルの信号を出力させる。すなわち、信号線RDYの信号レベルをLレベルにする(T5)。
【0064】
なお受信したボディ側コマンドパケット信号402が、上述のようなレンズ側の被駆動部材(たとえばフォーカスレンズ)を駆動する指示であった場合、レンズ側制御部203は、レンズ側第1通信部217に信号線RDYの信号レベルをLレベルにさせつつ、レンズ駆動部212に対して、フォーカスレンズ210bを当該駆動量だけ駆動する処理を実行させる。
【0065】
上述した時刻T1〜時刻T5に行われた通信が、1回のコマンドデータ通信である。上述のように、1回のコマンドデータ通信では、ボディ側制御部103およびボディ側第1通信部117により、ボディ側コマンドパケット信号402およびボディ側データパケット信号406がそれぞれ1つずつ送信される。すなわち、処理の都合上2つに分割されて送信されるものの、ボディ側コマンドパケット信号402およびボディ側データパケット信号406は2つ合わせて1つの制御データを構成する。
【0066】
同様に、1回のコマンドデータ通信では、レンズ側制御部203およびレンズ側第1通信部217によりレンズ側コマンドパケット信号403およびレンズ側データパケット信号407がそれぞれ1つずつ送信される。すなわち、レンズ側コマンドパケット信号403およびレンズ側データパケット信号407は2つ合わせて1つの応答データを構成する。
【0067】
以上のように、レンズ側制御部203およびレンズ側第1通信部217は、ボディ側第1通信部117からの制御データの受信と、ボディ側第1通信部117への応答データの送信とを並行して行う。コマンドデータ通信に利用される接点LP6および接点BP6は、他のクロック信号に同期しない非同期信号(信号線RDYの信号レベル/H(High)レベル、またはL(Low)レベル)が伝送される接点である。
【0068】
(ホットライン通信の説明)
レンズ側制御部203は、レンズ側第2通信部218を制御して、接点LP7〜LP10、すなわち信号線HREQ,HANS,HCLK,およびHDATを介して、ボディ側第2通信部118へレンズ位置データを送信する。以下、レンズ側第2通信部218とボディ側第2通信部118との間で行われる通信の詳細を説明する。
【0069】
なお、本実施形態において、レンズ側制御部203およびレンズ側第2通信部218とボディ側制御部103およびボディ側第2通信部118との間で行われる通信を「ホットライン通信」と称する。
【0070】
図6は、ホットライン通信の例を示すタイミングチャートである。本実施形態のボディ側制御部103は、ホットライン通信を第2の所定周期(本実施形態では例えば1ミリ秒)毎に開始するように構成されている。この周期は、コマンドデータ通信を行う周期よりも短い。
図6(a)は、ホットライン通信が所定周期Tn毎に繰り返し実行されている様子を示す図である。繰り返し実行されるホットライン通信のうち、ある1回の通信の期間Txを拡大した様子が
図6(b)に示されている。以下、
図6(b)のタイミングチャートに基づいて、ホットライン通信の手順を説明する。
【0071】
ボディ側制御部103およびボディ側第2通信部118は、ホットライン通信の開始時(T6)、まず接点BP7からLレベルの信号を出力する。すなわち、信号線HREQの信号レベルをLレベルにする。レンズ側第2通信部218は、この信号が接点LP7に入力されたことをレンズ側制御部203に通知する。レンズ側制御部203はこの通知に応じて、レンズ位置データを生成する生成処理501の実行を開始する。生成処理501とは、レンズ側制御部203がレンズ位置検出部213にフォーカスレンズ210bの位置を検出させ、検出結果を表すレンズ位置データを生成する処理である。
【0072】
レンズ側制御部203が生成処理501を実行完了すると、レンズ側制御部203およびレンズ側第2通信部218は接点LP8からLレベルの信号を出力する(T7)。すなわち、信号線HANSの信号レベルをLレベルにする。ボディ側制御部103およびボディ側第2通信部118は、この信号が接点BP8に入力されたことに応じて、接点BP9からクロック信号502を出力する。すなわち、信号線HCLKを介してレンズ側第2通信部218にクロック信号を伝送する。
【0073】
レンズ側制御部203およびレンズ側第2通信部218は、このクロック信号502に同期して、接点LP10からレンズ位置データを表すレンズ位置データ信号503を出力する。すなわち、信号線HDATを介してボディ側第2通信部118にレンズ位置データ信号503を伝送する。
【0074】
レンズ位置データ信号503の送信が完了すると、レンズ側制御部203およびレンズ側第2通信部218は接点LP8からHレベルの信号を出力する。すなわち、信号線HANSの信号レベルをHレベルにする(T8)。ボディ側第2通信部118は、この信号が接点BP8に入力されたことに応じて、接点LP7からHレベルの信号を出力する。すなわち、信号線HREQの信号レベルをHレベルにする(T9)。
【0075】
上述した時刻T6〜時刻T9に行われた通信が、1回のホットライン通信である。上述のように、1回のホットライン通信では、レンズ側制御部203およびレンズ側第2通信部218により、レンズ位置データ信号503が1つ送信される。ホットライン通信に利用される接点LP7、LP8、BP7、およびBP8は、他のクロック信号に同期しない非同期信号が伝送される接点である。つまり接点LP7およびBP7は、非同期信号(信号線HREQの信号レベル/H(High)レベル、またはL(Low)レベル)が伝送される接点であり、接点LP8およびBP8は、非同期信号(信号線HANSの信号レベル/H(High)レベル、またはL(Low)レベル)が伝送される接点である。
【0076】
なお、コマンドデータ通信とホットライン通信は、同時にも或いは一部並行的にも実行することが可能である。すなわち、レンズ側第1通信部217とレンズ側第2通信部218との一方は、その他方がカメラボディ100と通信を行っている場合であってもカメラボディ100と通信を行うことが可能である。
【0077】
上述した第1の実施の形態によるカメラシステムによれば、次の作用効果が得られる。(1)レンズマウント201上の保持部202に、クロック信号401,405がカメラボディ100から伝送される接点LP3と、クロック信号401,405に同期してボディ側コマンドパケット信号402およびボディ側データパケット信号406がカメラボディ100から伝送される接点LP4と、クロック信号401,405に同期してレンズ側コマンドパケット信号403およびレンズ側データパケット信号407がカメラボディ100に伝送される接点LP5と、クロック信号401,405に同期しない非同期信号がカメラボディ100に伝送される接点LP6と、を円弧状に並べて配置した。また、レンズマウント201上の保持部202に、クロック信号502がカメラボディ100から伝送される接点LP9と、クロック信号502に同期してレンズ位置データ信号503がカメラボディ100に伝送される接点LP10と、クロック信号502に同期しない非同期信号がカメラボディ100から伝送される接点LP7と、クロック信号502に同期しない非同期信号がカメラボディ100に伝送される接点LP8と、を円弧状の延長方向上に並べて配置した。レンズ側第1通信部217は、接点LP3〜LP6を介して、カメラボディ100からの制御データの受信とカメラボディ100への応答データの送信とを並行して行う。また、レンズ側第2通信部218は、接点LP7〜LP10を介して、カメラボディ100へレンズ位置データを送信する。レンズ側第1通信部217とレンズ側第2通信部218との一方は、その他方がカメラボディ100と通信を行っている場合であってもカメラボディ100と通信を行うことが可能である。また、接点LP6は、接点LP3〜LP5よりも接点LP7〜LP10に近い位置に配置され、接点LP7および接点LP8は、接点LP9および接点LP10よりも接点LP3〜LP6に近い位置に配置される。このようにしたので、独立した2つの通信系が互いの通信に及ぼす影響を最小限にすることができる。
【0078】
(2)レンズマウント201上の保持部202に、カメラボディ100からレンズ駆動部212の駆動電圧が供給される接点LP12と、その駆動電圧に対応する接地端子となる接点LP11と、を円弧状の延長方向上に並べて配置した。ここで、接点LP7〜LP10は接点LP3〜LP6と接点LP10、LP11との間に配置され、接点LP10は接点LP11の隣に配置される。このようにしたので、レンズ駆動部212の駆動電圧を供給する信号線BATが、ホットライン通信を行うための信号線に及ぼす影響を最小限にすることができる。
【0079】
(3)レンズマウント201上の保持部202に、カメラボディ100からコマンドデータ通信やホットライン通信を行うための動作電圧(レンズ側第1通信部217およびレンズ側第2通信部218の動作電圧)が供給される接点LP1と、その動作電圧に対応する接地端子となる接点LP2と、を円弧状の延長方向上に並べて配置した。ここで、接点LP11を流れる電流の上限と下限との差は、接点LP2を流れる電流の上限と下限との差よりも大きい。また、接点LP3〜LP6は接点LP7〜LP10と接点LP1,LP2との間に配置され、接点LP2は、接点LP1よりも接点LP3〜LP6に近い位置に配置される。このようにしたので、信号線V33が、コマンドデータ通信を行うための信号線に及ぼす影響を最小限にすることができる。また、信号線PGNDを流れる電流の変化が通信系の信号線に及ぼす影響を最小限にすることができる。
【0080】
(4)接点LP3は接点LP2の隣に配置され、接点LP5は接点LP6の隣に配置され、接点LP4は接点LP3と接点LP5との間に配置され、接点LP7は接点LP6の隣に配置され、接点LP8は接点LP9の隣に配置される。このようにしたので、各々の接点間に生じる雑音の影響を最小限にすることができる。
【0081】
(5)カメラボディ100からレンズ駆動部212を動作させるための駆動電圧が供給される接点LP12と、その駆動電圧に対応する接地端子である接点LP11と、カメラボディ100からクロック信号401,405が伝送される接点LP3と、クロック信号401,405に同期して、カメラボディ100からボディ側コマンドパケット信号402およびボディ側データパケット信号406が伝送される接点LP4と、クロック信号401,405に同期して、カメラボディ100にレンズ側コマンドパケット信号403およびレンズ側データパケット信号407が伝送される接点LP5と、カメラボディ100からクロック信号502が伝送される接点LP9と、クロック信号502に同期して、カメラボディ100にレンズ位置データ信号503が伝送される接点LP10と、クロック信号401,405およびクロック信号502に同期しない非同期信号がカメラボディ100に伝送される接点LP6と、クロック信号401,405およびクロック信号502に同期しない非同期信号がカメラボディ100から伝送される接点LP7と、クロック信号401,405およびクロック信号502に同期しない非同期信号がカメラボディ100に伝送される接点LP8と、カメラボディ100からレンズ側第1通信部217およびレンズ側第2通信部218の動作電圧が供給される接点LP1と、その動作電圧に対応する接地端子である接点LP2と、の12個の接点を、レンズマウント201上の保持部202に円弧状に並べて配置した。ここで、接点LP12は12個の接点の配列の一方の端に、接点LP1は他方の端にそれぞれ配置される。また、接点LP11は接点LP12の隣に配置され、接点LP2は接点LP1の隣に配置される。このようにしたので、外部からの雑音による通信系への影響が抑制される。
【0082】
(6)接点LP3と、接点LP4と、接点LP5と、接点LP6と、は接点LP2の隣に円弧状に並べて配置され、接点LP7と、接点LP8と、接点LP9と、接点LP10と、は接点LP11の隣に円弧状に並べて配置される。このようにしたので、独立した2つの通信系ラインが相互に及ぼす影響を最小限にすることができる。
【0083】
次のような変形も本発明の範囲内であり、変形例の一つ、もしくは複数を上述の実施形態と組み合わせることも可能である。
【0084】
(変形例1)
上述の実施の形態では、
図4に示すように複数の接点をマウントの縁に沿って一列に配置していた。これら複数の接点を、これ以外の形態で一列に配置してもよい。例えば複数の接点を直線状に配置してもよい。また、複数の接点はレンズマウント101,201のどの位置に配置してもよい。
図4では複数の接点をレンズマウント101,201の下部に配置しているが、これを上部に配置したり、左右に配置したりしてもよい。
【0085】
(変形例2)
上記実施形態では、ホットライン通信で、フォーカスレンズ210bの位置データを、交換レンズ200からカメラボディ100に送信するものとして説明した。しかしながらホットライン通信を使って、フォーカスレンズ以外の被駆動部材の状態情報をも送信するようにシステムを構成しても良い。例えば交換レンズ200に手振れ補正のためのブレ補正レンズが設けられている場合には、そのブレ補正レンズの位置(X,Y位置)を送信するようにしても良い。また交換レンズ内の絞りの位置(絞り開口サイズに関連する情報)を送信するようにしても良い。また交換レンズ200がズームレンズであれば、レンズの焦点距離に関する情報を送信するようにしても良い。このような場合には、
図6(b)に示す生成処理501として、ブレ補正レンズの位置データを生成する処理や、絞り開口を形成する絞りの制御位置データ(開口サイズに対応する位置情報)を生成する処理や、ズームレンズの位置データを生成する処理が含まれる。
【0086】
(変形例3)
上述の実施形態では、保持部102(ボディ側)および保持部202(レンズ側)をそれぞれ一体部品(一部品)としている。しかしながら、この保持部102,202はそれぞれ、幾つかに(幾つかの接点ごとに)分割されている複数の保持部部品を組合わせることで、一体に形成するように構成しても良い。
【0087】
(変形例4)
上述の実施形態では、通信インターフェースを、2つの通信(ホットライン通信、コマンドデータ通信)に対してそれぞれ個別に設けているが、これらが一体に形成されていてもよい。すなわち交換レンズ側で言えば、レンズ側第1通信部217とレンズ側第2通信部218とが一体に形成されていても良い。同様にカメラボディ側で言えばボディ側第1通信部117とボディ側第2通信部118とが一体に形成されていても良い。
更に、ボディ側制御部103やレンズ側制御部203の代わりに、これらの各通信インターフェースの機能が組み込まれたボディ側制御部やレンズ側制御部を使用しても良い。
【0088】
(変形例5)
上記実施形態では、カメラボディ100と交換レンズ200から構成されるカメラシステムについて説明した。しかしながら本発明はカメラシステムに限られるものではない。交換レンズ200を着脱可能なマウントを備え、交換レンズ200と通信可能であり、且つ交換レンズに給電可能な電子機器であれば、その電子機器にも上記実施形態で説明した構成(カメラボディ側の構成)を適用可能である。このような電子機器として、例えばプロジェクターが考えられる。プロジェクターの投影レンズ部分を、着脱可能な交換式の投影レンズとして構成することで、上記実施形態と同様なプロジェクターシステムを得ることができる。
【0089】
(変形例6)
上記実施形態では、ブレ補正機構として、結像光学系210の光軸方向とは垂直な方向の成分をもつように移動可能なブレ補正レンズを含み、そのブレ補正レンズを駆動することにより手振れ補正を行うものについて述べた。しかしながらブレ補正機構としてはこれに限らず、ブレ補正光学系を、結像光学系210の光軸を含む面内方向に回転(揺動)させてブレ補正を行う方式のものでも良い。
【0090】
本発明の特徴を損なわない限り、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様についても、本発明の範囲内に含まれる。