(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
Cycが、2,4−、3,4−または2,3,4−置換フェニル、あるいは、非置換または単置換もしくは二置換の1−または2−ナフチル(ここで置換基は各々、互いに独立して、F、Cl、CH3、C2H5、CF3、OCH3、OC2H5、CH2OCH3、N(CH3)2、CH2N(CH3)2またはN(C2H5)2からなる群から選択される)を示すか;
あるいは、
Cycが、式(Fa7)、(Fb7)または(S)−(Fb7)に従う残基であり、式中:
Gaが、F、Cl、CH3、C2H5、CF3、OCH3、OC2H5、CH2OCH3、N(CH3)2、CH2N(CH3)2またはN(C2H5)2を示し;
Gbが、H、F、Cl、CH3、C2H5、CF3、OCH3、OC2H5、CH2OCH3、N(CH3)2、CH2N(CH3)2またはN(C2H5)2を示し;
Ka、Kbが各々、互いに独立して、H、F、Cl、CH3、C2H5、CF3、OCH3、OC2H5、CH2OCH3、N(CH3)2、CH2N(CH3)2またはN(C2H5)2を示す;
請求項1または2に記載の化合物、またはその溶媒和物、互変異性体もしくは立体異性体、または、前述した各々の生理学的に許容し得る塩、あるいは、あらゆる比率でのそれらの混合物。
薬学的に許容し得る担体と一緒に、活性成分として請求項1〜5のいずれか一項に記載の式(I)で表される少なくとも1つの化合物、またはその溶媒和物、互変異性体もしくは立体異性体、または、前述した各々の生理学的に許容し得る塩、あるいは、あらゆる比率でのそれらの混合物を含む、医薬組成物。
第2活性成分およびその誘導体、プロドラッグ、溶媒和物、互変異性体もしくは立体異性体、または、前述した各々の生理学的に許容し得る塩、あるいは、あらゆる比率でのそれらの混合物をさらに含み、その第2活性成分が、式(I)(式中すべての残基が、請求項1〜5のいずれか一項において定義されるとおりである)で表される化合物以外である、請求項7に記載の医薬組成物。
請求項1〜5のいずれか一項に記載の式(I)で表される少なくとも1つの化合物および/またはその溶媒和物、互変異性体もしくは立体異性体、または、前述した各々の生理学的に許容し得る塩、あるいは、あらゆる比率でのそれらの混合物、および任意に、薬学的に許容し得る担体、賦形剤またはビヒクルを含む、医薬。
LMP7を阻害することに影響を受ける病状の予防および/または処置における使用のための、請求項1〜5のいずれか一項に記載の式(I)で表される化合物またはその溶媒和物、互変異性体もしくは立体異性体、または、前述した各々の生理学的に許容し得る塩、あるいは、あらゆる比率でのそれらの混合物。
免疫調節性異常が、全身性エリテマトーデス、慢性関節リウマチ、炎症性腸疾患、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、アテローム性動脈硬化症、強皮症、自己免疫性肝炎、シェーグレン症候群、ループス腎炎、糸球体腎炎、関節リウマチ、乾癬、重症筋無力症、免疫グロブリンA腎症、血管炎、移植片拒絶、筋炎、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病および喘息からなる群から選択される自己免疫疾患または慢性炎症性疾患であり;ならびに、血液悪性腫瘍が、多発性骨髄腫、慢性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、マントル細胞リンパ腫からなる群から選択される疾患である、請求項12に記載の化合物。
(a)有効量の、請求項1〜5のいずれか一項に記載の式(I)で表される化合物および/またはその薬学的に許容し得る塩、互変異性体もしくは立体異性体、あるいは、あらゆる比率でのそれらの混合物、
ならびに、
(b)有効量のさらなる医薬活性成分
の個別のパックからなる、セット(キット)。
【発明の概要】
【0016】
本発明の概要
本発明の化合物は、免疫プロテアソームサブユニットLMP7のインヒビターである。これらは、ベータ5(cP)よりLMP7に対する有意な選択性、ならびに、溶解性、血漿タンパク質結合、CYP阻害、PKプロファイルおよび経口バイオアベイラビリティの点で良好な特性を示す。
本発明は、式(I):
【化1】
式中
【0017】
LXは、(CH
2)
nを示し、ここで1〜5個のH原子が、Hal、R
3a、OR
4a、C3−C6−シクロアルキル、Ar2および/またはHet2で置き換わっていてもよく、および/または、ここで1または2個の非隣接CH
2基が、C3−C6−シクロアルキル、O、SOおよび/またはSO
2で置き換わっていてもよく;
LYは、(CH
2)
mを示し、ここで1〜5個のH原子が、Hal、R
3bおよび/またはOR
4bで置き換わっていてもよく、および/または、ここで1または2個の非隣接CH
2基が、O、SOおよび/またはSO
2で置き換わっていてもよく;
Xは、式xa)またはxb)で表される5、6または7員の複素環を示し、各々が、互いに独立して、非置換であるか、A1、Ar1、COA1、COAr1、SO
2A1、SO
2Ar1および/またはHet1で単置換、二置換または三置換されており、ここでNおよびZ以外の環員(ring members)はCH
2基であり、およびここで1または2のこれらのCH
2基はC=O、O、S、NH、NAlk、SOおよび/またはSO
2で置き換わっていてもよく、
【化2】
Yは、OR
3cまたはCycを示し;
Zは、C=OまたはSO
2を示し;
【0018】
R
1、R
2は各々、互いに独立して、HまたはC1−C6−アルキルを示すか、あるいは、R
1およびR
2は一緒に、式(CE)
【化3】
で表される残基を形成し、
【0019】
R
3a、R
3b、R
3cは各々、互いに独立して、直鎖状または分枝状のC1−C6−アルキルを示し、ここで1〜5個のH原子が、Hal、OHおよび/またはOAlkで置き換わっていてもよく;
R
4a、R
4bは各々、互いに独立して、HまたはR
3aを示し;
R
5は、A1、Ar1、COA1、COAr1、SO
2A1、SO
2Ar1および/またはHet1を示し;
A1は、直鎖状または分枝状のC1−C6−アルキル、C3−C6−シクロアルキルを示し、各々が非置換であるか、Hal、CN、R
3a、SR
3a、OR
3aおよび/または(CH
2)
q−A2によって、単置換、二置換または三置換されており;
A2は、OH、OR
3aを示し;
Alkは、直鎖状または分枝状のC1−C6−アルキルを示し;
【0020】
Ar1は、フェニルを示し、これは非置換であるか、Hal、NO
2、CN、R
3a、OR
3a、CONHR
3a、NR
3aCOR
3b、SO
2R
3a、SOR
3a、NH
2、NHR
3a、N(R
3a)
2、Ar2、Het2および/または(CH
2)
q−A2で単置換、二置換または三置換されており;
Het1は、飽和、不飽和または芳香族の、1〜4個のN、Oおよび/またはS原子を有する5または6員の複素環を示し、ここで各々の複素環が独立して非置換であるか、Hal、NO
2、CN、R
3a、OR
3a、CONHR
3a、NR
3aCOR
3b、SO
2R
3a、SOR
3a、NH
2、NHR
3a、N(R
3a)
2、Ar2、Het2および/または(CH
2)
q−A2で単置換、二置換、三置換、四置換または五置換されていてもよく;
Cycは、単環式または二環式の、4、5、6、7、8、9または10員の炭化水素または複素環を示し、各々が、互いに独立して、非置換であるか、またはHal、CN、R
3a、OR
3a、CONR
4aR
4b、NR
3aCOR
3b、SO
2R
3a、SOR
3a、NR
4aR
4b、Ar2、Het2(CH
2)
q−SR
3a、(CH
2)
q−N(R
3a)
2および/または(CH
2)
q−A2で単置換、二置換、三置換、四置換または五置換されていてもよく、ここで単環式の炭化水素系は芳香族であり、および二環式の炭化水素または複素環の少なくとも一つの環は芳香族であり、およびここで複素環系は1、2もしくは3個のNおよび/またはOおよび/またはS原子を含有し;
Ar2は、フェニルを示し、これは非置換であるか、Hal、CN、R
3a、OR
3a、CONHR
3a、NR
3aCOR
3b、SO
2R
3a、SOR
3a、NH
2、NHR
3a、N(R
3a)
2および/または(CH
2)
q−A2で単置換または二置換されており;
Het2は、1〜4個のN、Oおよび/またはS原子を有する5または6員の複素環を示し、これは非置換であるか、Hal、CN、R
3a、OR
3a、CONHR
3a、NR
3aCOR
3b、SO
2R
3a、SOR
3a、NH
2、NHR
3a、N(R
3a)
2および/または(CH
2)
q−A2で単置換または二置換されており;
【0021】
n,qは各々、互いに独立して、1、2、3、4、5または6を示し;
mは、0、1、2、3または4を示し;
Halは、F、Cl、BrまたはIを示す;
で表される化合物、および、その誘導体、プロドラッグ、溶媒和物、互変異性体もしくは立体異性体、ならびに、前述した各々の生理学的に許容し得る塩、あらゆる比率でのそれらの混合物等を提供する。
【0022】
式(I)、式中R
1およびR
2がHを示す、で表される化合物などのボロン酸誘導体は、オリゴマーを形成することが知られている。(Boronic Acids. Edited by Dennis G. Hall, Copyright (C) 2005 WILEY-VCH Verlag, GmbH & Co. KGaA, Weinheim, ISBN 3-527-30991-8)。式(I)で表される化合物のかかるオリゴマー(具体的にはダイマーまたはトリマーに限定されないが)は、本発明内に含まれる。ボロン酸の知られている環状トリマーは、例えば以下の構造:
【化4】
を有する。
【0023】
本発明の化合物が、ボロン酸残基に隣接する炭素原子にて立体中心を担持することに留意すべきである;それは、下の式(I)
*:
【化5】
において星印(
*)で示されている。
よって、式(I)に従う化合物は、この立体中心にて2つの異なる立体配置、すなわち(R)立体配置および(S)立体配置、を提示する。それ故に、本発明の化合物は、エナンチオピュアであるか、または、式(R)−(Ia)および(S)−(Ia)で表される2つの鏡像異性体のラセミ(1:1)混合物として、のいずれかで存在していてもよい。
【化6】
【0024】
式(I)で表される化合物はまた、鏡像異性体のどちらか一方、(R)−(Ia)または(S)−(Ia)が、他方より過剰に(例として60:40、70:30、80:20、90:10、95:5または同種のもの)存在している混合物においても、存在していてもよい。本発明の具体的な態様において、式(Ia)で表される化合物の式(R)−(Ia)で表される立体異性体および式(Ia)で表される化合物の式(S)−(Ia)で表される立体異性体は、少なくとも90部の(R)−(Ia)対10部以下の(S)−(Ia)の、好ましくは少なくとも95の(R)−(Ia)対5以下の(S)−(Ia)の、より好ましくは少なくとも99の(R)−(Ia)対1以下の(S)−(Ia)の、さらにより好ましくは少なくとも99.5の(R)−(Ia)対0.5以下の(S)−(Ia)の、(R)−(Ia)対(S)−(Ia)の比率で存在する。本発明の具体的な別の態様において、式(Ia)で表される化合物の式(S)−(Ia)で表される立体異性体および式(Ia)で表される化合物の式(R)−(Ia)で表される立体異性体は、少なくとも90部の(S)−(Ia)対10部以下の(R)−(Ia)の、好ましくは少なくとも95の(S)−(Ia)対5以下の(R)−(Ia)の、より好ましくは少なくとも99の(S)−(Ia)対1以下の(R)−(Ia)の、さらにより好ましくは少なくとも99.5の(S)−(Ia)対0.5以下の(R)−(Ia)の、(S)−(Ia)対(R)−(Ia)の比率で存在する。
【0025】
式(R)−(Ia)および(S)−(Ia)で表される、豊富なまたは純粋な立体異性体は、当該技術分野において知られており、かつ本明細書中これ以降に記載される通常の方法によって得られ得る。これらを得るための具体的な方法は、キラルカラム材料(chiral column material)を使用する、HPLCまたはSFCなどの分取カラムクロマトグラフィーである。
本発明の特に好ましい態様において、ボロン酸残基に隣接する炭素原子での立体中心は、例えば以下に示されるような(R)立体配置を示す:
【化7】
式(I)に従う化合物はまた、ボロン酸残基に隣接する炭素原子以外の炭素原子に位置する立体中心も持つことがある。かかる立体中心は、(R)または(S)立体配置において現れていてもよい。
【0026】
以上以下、立体中心を有する化学構造が示されており、特定の立体化学が示されていないそれらの場合、構造はすべての可能な立体異性体を含む。
一般に、本明細書に記載の化合物の、1度より多く現れるすべての残基は、同一であっても異なっていてもよく、すなわち互いに独立している。以上以下、残基およびパラメータは、はっきりと別途示されない限り、式(I)について示された意味を有する。結果的に、本発明は具体的には、該残基の少なくとも1つが、下に示される好ましい意味の1つを有する、式(I)で表される化合物に関する。そのうえ、下に記載のすべての特定の態様は、その誘導体、プロドラッグ、溶媒和物、互変異性体または立体異性体、ならびに、前述した各々の生理学的に許容し得る塩、あらゆる比率でのそれらの混合物等を、当然含むであろう。
【0027】
Cycが、二環式の炭化水素環または複素環、ここで2つの環のうち少なくとも一方が芳香族環である、を示す場合、他方の環は、飽和、不飽和または芳香族の環であってもよい。特定の態様において、Cycと隣接基LYとの間の共有結合は、Cycの少なくとも1つの芳香族環を介して現れる。二環式の炭化水素環または複素環は、好ましくは8、9または10員である。さらにCycが単環式の複素環である場合であって、好ましくはN、Oおよび/またはSから選択される1、2または3個のヘテロ原子を含有するという条件において、最も好ましくは、それは、1または2個のヘテロ原子を含有する。Cycが二環式の複素環である場合であって、好ましくはN、Oおよび/またはSから選択される1、2、3または4個のヘテロ原子を含有するという条件において、最も好ましくは、それは、1、2または3個のヘテロ原子を含有する。
【0028】
Cycが単環式の芳香族炭化水素系を示す場合、それは、好ましくはフェニルであり、これは非置換であるか、あるいは、Hal、CN、R
3a、OR
3a、CONR
4aR
3a、NR
3aCOR
3b、SO
2R
3a、SOR
3a、NR
4aR
3a、Ar2、Het2、(CH
2)
q−SR
3a、(CH
2)
q−N(R
3a)
2および/または(CH
2)
q−A2で単置換、二置換または三置換されている。具体的に好ましいのは、Cycが二置換または三置換のフェニルを示す態様である。Cycが二置換フェニルを示すそれらの態様において、2つの置換基が好ましくは、2,4位または3,4位である。および、Cycが三置換フェニルを示すそれらの態様において、3つの置換基が好ましくは、芳香族環の2,3,4位である。
Cycが、単環式の複素環を示す場合、この複素環は、飽和、不飽和または芳香族であり得る。
【0029】
本発明の特定の一態様は、式(I)、式中YがCycを示す、で表される化合物、および、その誘導体、プロドラッグ、溶媒和物、互変異性体または立体異性体、ならびに、前述した各々の生理学的に許容し得る塩、あらゆる比率でのそれらの混合物等を含み、ここでCycが、上に記載の意味を有する。
【0030】
かかる態様において、Cycは、例えばフェニル、1−もしくは2−ナフチル、4−もしくは5−インダニル、1−、2−、4−、5−もしくは6−アズレニル、1−もしくは2−テトラヒドロナフタリン5−または6−イル、2−もしくは3−フリル、2−、3−、4−、5−、6−もしくは7−ベンゾフリル、2−、3−、4−、5−、6−もしくは7−ベンゾチオフェニル、ベンゾジオキサン−6−もしくは7−イル、あるいは、3,4−ジヒドロ−1,5−ベンゾ−ジオキセピン−6−もしくは−7−イルを示し、各々は、互いに独立して、非置換であるか、あるいは、Hal、CN、R
3a、OR
3a、CONR
4aR
4b、NR
3aCOR
3b、SO
2R
3a、SOR
3a、NR
4aR
4b、(CH
2)
q−SR
3a、(CH
2)
q−N(R
3a)
2、Ar2、Het2および/または(CH
2)
q−A2で単置換、二置換、三置換、四置換または五置換されている。かかる態様の特定の例において、Cycは非置換であるか、単置換、二置換または三置換されている。加えて、Cycが置換されている場合において、置換基は好ましくはHal、R
3a、OR
3a、Ar2、Het2を含む基から選択される。よって、かかる態様において、Cycの置換基は、例えばF、Cl、Br、OCH
3、OC
2H
5、CH
2OCH
3、CH
3、C
2H
5、CF
3、OCF
3、フェニル、フリル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、モルホリニル、ピペラジニル、ベンゾフリル、ベンゾジオキソリルおよび/またはピリジル、あるいはさらにより好ましくはF、Cl、Br、OCH
3、CH
2OCH
3、CH
3、C
2H
5、CF
3、OCF
3および/またはフェニルを含む群から選択されてもよい。
【0031】
本発明の別の特定の態様は、式(I)、式中:
R
1、R
2が、HまたはC1−C4−アルキル(好ましくはメチルまたはエチル)を示すか、あるいは、R
1およびR
2が一緒に、式(CE)
【化8】
に従う残基を形成し;
ならびに、
Xが、2−オキソオキサゾリジニル、2−オキソピロリジニル、2−オキソピペリジル、3−オキソモルホリニル、2−オキソアゼパニル、2−オキソイミダゾリジニル、2,5−ジオキソイミダゾリジニル、2−オキソオキサジナニル、1,1−オキソ−1,2−チアジナニル、チアゾリジノイル、イソチアゾロジノイル、2,4−ジオキソチアゾリジニル、2−オキソピペラジル、2,3−ジオキソピペラジル、2,6−ジオキソピペリジニル、2,6−ジオキソピロリジニルまたは2,4−ジオキソ−1,3−チアゾリジニルを示し、各々は互いに独立して、A1、Ar1、COA1、COAr1、SO
2A1、SO
2Ar1および/またはHet1で単置換、二置換または三置換されており;
n、qが各々、互いに独立して、1、2、3または4を示し;および、
mが、1または2を示す;
で表される化合物、および、その誘導体、プロドラッグ、溶媒和物、互変異性体または立体異性体、ならびに、前述した各々の生理学的に許容し得る塩、あらゆる比率でのそれらの混合物等を含む。
【0032】
さらに、かかる特定の態様において、Ar1は、好ましくはフェニルを示し、これは非置換であるか、Hal、NO
2、CN、R
3a、OR
3a、CONHR
3a、NR
3aCOR
3b、SO
2R
3a、NH
2、NHR
3a、N(R
3a)
2および/または(CH
2)
q−A2で単置換、二置換または三置換されており(ここで最も好ましい置換基はHal、R
3aおよび/またはOR
3aから選択される);およびHet1は、好ましくは1、2または3(好ましくは1または2)個のN、Oおよび/またはS原子を有する5または6員の複素環を示し、これは非置換であるかまたはHal、CN、R
3a、OR
3a、CONHR
3a、NR
3aCOR
3b、SO
2R
3a、SOR
3a、NH
2、NHR
3a、N(R
3a)
2および/または(CH
2)
q−A2(ここで最も好ましい置換基はHal、R
3aおよび/またはOR
3aから選択される)で単置換または二置換されている。加えて、これらの場合において、上記で定義されているとおりのXはA1、Ar1および/またはHet1で置換されており、置換基は可能な各々の原子に結合し得る。
【0033】
本発明の別の特定の態様は、式(I)、式中:LXが、(CH
2)
nを示し、ここで1〜5個のH原子はHal、R
3a、OH、OR
3a、フェニル、トリル、エチルフェニル、フルオロフェニル、クロロフェニル、ブロモフェニル、アミノフェニル、フリル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリミジル、モルホリニルおよび/またはピペリジニルで置き換わっていてもよく、および/または1個のCH
2基はO、SOまたはSO
2で置き換わっていてもよく;
LYが、(CH
2)
mを示し、ここで1〜5個のH原子はHal、R
3b、OR
4b,および/または1個のCH
2基でO、SOまたはSO
2で置き換わっていてもよく;
Yが、Cycを示し;
【0034】
R
1、R
2が各々、互いに独立して、H、C−1−C4−アルキル(好ましくはメチルまたはエチル)を示すか、あるいは、R
1、R
2が一緒に上に記載の式(CE)に従う残基を形成し;および
R
3a、R
3bおよびR
3cが各々、互いに独立して、直鎖状または分枝状のC1−C4−アルキルを示し、ここで1〜5個のH原子はF、Cl、OHおよび/またはOAlkで置き換えられていてもよく;
Alkが、メチルまたはエチルを示し;
Xが、2−オキソオキサゾリジニル、2−オキソピロリジニル、2−オキソピペリジル、3−オキソモルホリニル、2−オキソアゼパニル、2−オキソイミダゾリジニル、2,5−ジオキソイミダゾリジニル、2−オキソオキサジナニル、1,1−オキソ−1,2−チアジナニル、チアゾリジノイル、イソチアゾロジノイル、2,4−ジオキソチアゾリジニル、2−オキソピペラジル、2,3−ジオキソピペラジル、2,6−ジオキソピペリジニル、2,6−ジオキソピロリジニルまたは2,4−ジオキソ−1,3−チアゾリジニルを示し、各々が互いに独立して、非置換であるか、またはA1、Ar1、COA1、COAr1、SO
2A1、SO
2Ar1および/またはHet1で単置換、二置換または三置換されており;
A1が、C1−C6−アルキルを示し、これは非置換であるか、またはHal、CN、R
3a、OR
3a、Ar2、Het2および/または(CH
2)
q−A2で単置換、二置換または三置換されており;
【0035】
Cycが、フェニルを示し、これは非置換であるか、Hal、CN、R
3a、OR
3a、CONR
4aR
4b、NR
3aCOR
3b、SO
2R
3a、SOR
3a、NR
4aR
4b、Ar2、Het2(CH
2)
q−SR
3a、(CH
2)
q−N(R
3a)
2および/または(CH
2)
q−A2で単置換、二置換または三置換されており;ここで単置換の場合において置換基は3−または4−位にあり、およびここで二置換の場合において置換基は2,4−、2,5−または3,4−位にあり、および三置換の場合において置換基は2,3,4−位にあり;あるいは、
1−または2−ナフチル、4−または5−インダニル、1−、2−、4−、5−または6−アズレニル、1−または2−テトラヒドロナフタリン5−または6−イル、2−または3−フリル、2−、3−、4−、5−、6−または7−ベンゾフリル、2−または3−チエニル、1−、2−、3−、4−、5−、6−または7−インドリル、2,3−ジヒドロベンゾフラン−2−または3−イル、2−、3−、4−、5−、6−または7−ベンゾチオフェニル、ベンゾジオキサン−6−または7−イルまたは3,4−ジヒドロ−1,5−ベンゾジオキセピン−6−または7−イルを示し、各々が互いに独立して、非置換であるか、Hal、CN、R
3a、OR
3a、CONR
4aR
3a、NR
3aCOR
3b、SO
2R
3a、SOR
3a、NR
4aR
3a、Ar2、Het2、(CH
2)
q−SR
3a、(CH
2)
q−N(R
3a)
2および/または(CH
2)
q−A2で単置換、二置換または三置換されており;
【0036】
A2がOH、OCH
3、OCH
2CH
3、OCH(CH
3)、OCF
3、OC
2F
5、O−CH
2−CH
2−OHまたはO−CH
2−CH
2−OCH
3;および
q、nが各々、互いに独立して、1、2、3または4を示し;および
mが、1または2を示す;
で表される化合物、および、その誘導体、プロドラッグ、溶媒和物、互変異性体または立体異性体、ならびに、前述した各々の生理学的に許容し得る塩、あらゆる比率でのそれらの混合物等を含む。
【0037】
「単置換」はフェニル残基がH以外の1つの置換基をもつことを意味する。したがって、「二置換」はフェニル残基がH以外の2つの置換基をもつことを意味し、「三置換」はフェニル残基がH以外の3つの置換基をもつことを意味する。さらに、これらの特定の態様において、Ar1およびHet1は好ましくは以下の意味を有する:
【0038】
Ar1は、フェニル、o−、m−またはp−トリル、o−、m−またはp−エチルフェニルo−、m−またはp−プロピルフェニル、o−、m−またはp−イソプロピルフェニル、o−、m−またはp−tert−ブチルフェニル、o−、m−またはp−ヒドロキシフェニル、o−、m−またはp−ニトロフェニル、o−、m−またはp−アミノフェニル、o−、m−またはp−(N−メチルアミノ)フェニル、o−、m−またはp−(N−メチルアミノカルボニル)フェニル、o−、m−またはp−アセトアミドフェニル、o−、m−またはp−メトキシフェニル、o−、m−またはp−エトキシフェニル、o−、m−またはp−(N,N−ジメチルアミノ)−フェニル、o−、m−またはp−(N−エチルアミノ)フェニル、o−、m−またはp−(N,N−ジエチルアミノ)フェニル、o−、m−またはp−フルオロフェニル、o−、m−またはp−ブロモフェニル、o−、m−またはp−クロロフェニル、o−、m−またはp−(メチルスルホニル)フェニル、o−、m−またはp−メチルスルファニルフェニル、o−、m−またはp−シアノフェニル、o−、m−またはp−(3−オキソモルホリン−4−イル)フェニル、o−、m−またはp−(ピペリジニル)フェニル、o−、m−またはp−(モルホリン−4−イル)フェニル、さらに好ましくは、2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−または3,5−ジメチルフェニル、2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−または3,5−ジフルオロフェニル、2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−または3,5−ジクロロフェニル、2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−または3,5−ジ−ブロモフェニル、2,4−または2,5−ジニトロフェニル、2,5−または3,4−ジメトキシフェニル、3−ニトロ−4−クロロフェニル、3−アミノ−4−クロロ−、2−アミノ−3−クロロ−、2−アミノ−4−クロロ−、2−アミノ−5−クロロ−または2−アミノ−6−クロロフェニル、2−ニトロ−4−N,N−ジメチルアミノ−または3−ニトロ−4−N,N−ジメチルアミノフェニル、2,3−ジアミノフェニル、2,3,4−、2,3,5−、2,3,6−、2,4,6−または3,4,5−トリクロロフェニル、2,4,6−トリメトキシフェニル、2−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル、p−ヨードフェニル、3,6−ジクロロ−4−アミノフェニル、4−フルオロ−3−クロロフェニル、2−フルオロ−4−ブロモフェニル、2,5−ジフルオロ−4−ブロモフェニル、3−ブロモ−6−メトキシフェニル、3−クロロ−6−メトキシフェニル、3−クロロ−4−アセトアミドフェニル、3−フルオロ−4−メトキシフェニル、3−アミノ−6−メチルフェニル、3−クロロ−4−アセト−アミドフェニルまたは2,5−ジメチル−4−クロロフェニルを示し;
【0039】
Het1は、2−または3−フリル、2−または3−チエニル、1−、2−または3−ピロリル、1−、2−、4−または5−イミダゾリル、1−、3−、4−または5−ピラゾリル、2−、4−または5−オキサゾリル、3−、4−または5−イソオキサゾリル、2−、4−または5−チアゾリル、3−、4−または5−イソチアゾリル、2−、3−または4−ピリジル、2−、4−、5−または6−ピリミジニル、さらに好ましくは、1,2,3−トリアゾール−1−、−4−または5−イル、1,2,4−トリアゾール−1−、−3−または−5−イル、1−または5−テトラゾリル、1,2,3−オキサジアゾール−4−または−5−イル、1,2,4−オキサジ−アゾール−3−または−5−イル、1,3,4−チアジアゾール−2−または−5−イル、1,2,4−チアジアゾール−3−または5−イル、1,2,3−チアジアゾール−4−または−5−イル、3−または4−ピリダジニルまたはピラジニル、2,3−ジヒドロ−2−、3−、4−または5−フリル、2,5−ジヒドロ−2−、−3−、−4−または−5−フリル、テトラヒドロ−2−または−3−フリル、1,3−ジオキソラン−4−イル、テトラヒドロ−2−または−3−チエニル、2,3−ジヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−または−5−ピロリル、2,5−ジヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−または−5−ピロリル、1−、2−または3−ピロリジニル、テトラヒドロ−1−、−2−または−4−イミダゾリル、2,3−ジヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−または−5−ピラゾリル、テトラヒドロ−1−、−3−または−4−ピラゾリル、1,4−ジヒドロ−1−、−2−、−3−または−4−ピリジル、1,2,3,4−テトラ−ヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−、−5−または−6−ピリジル、1−、2−、3−または4−ピペリジニル、2−、3−または4−モルホリニル、テトラヒドロ−2−、−3−または−4−ピラニル、1,4−ジオキサネイル、1,3−ジオキサン−2−、−4−または5−イル、ヘキサヒドロ−1−、−3−または−4−ピリダジニル、ヘキサヒドロ−1−、−2−、−4−または−5−ピリミジニル、1−、2−または3−ピペラジニルを示す。
【0040】
本発明のさらに好ましい態様は、式(I)、式中:
LXが、−CH
2−、−CH
2−CH
2−、−CH
2−CH
2−CH
2−を示し;
LYが、−CH
2−または−CH
2−CH
2−を示し;
Yが、Cycを示し;
R
1、R
2が各々、互いに独立して、メチルまたはエチルを示すか、またはR
1、R
2が一緒に上に記載の式(CE)に従う残基を形成し;
R
3a、R
3bおよびR
3cが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、CF
3、C
2F
5、CH
2OCH
3、CH
2OC
2H
5、CH
2OCH(CH
3)
2、C
2H
5OCH
3を示し;
【0041】
Xが、2−オキソオキサゾリジニル、2−オキソピロリジニル、2−オキソピペリジル、3−オキソモルホリニル、2−オキソアゼパニル、2−オキソイミダゾリジニル、2,5−ジオキソイミダゾリジニル、2−オキソオキサジナニル、1,1−オキソ−1,2−チアジナニル、チアゾリジノイル、イソチアゾロジノイル、2,4−ジオキソチアゾリジニル、2−オキソピペラジル、2,3−ジオキソピペラジル、2,6−ジオキソピペリジニル、2,6−ジオキソピロリジニルまたは2,4−ジオキソ−1,3−チアゾリジニルを示し、各々は互いに独立して、非置換であるかまたはA1および/またはAr1で単置換または二置換されており;
A1が、C1−C6−アルキル、好ましくはC1−C3−アルキルを示し、各々は互いに独立して、非置換であるかHal、CN、R
3a、OR
3a、Ar2、Het2および/または(CH
2)
q−A2で単置換または二置換されており;最も好ましくはA1は非置換のC1−C3−アルキルを示し;
【0042】
Ar1が、フェニル、o−、m−またはp−トリル、o−、m−またはp−エチルフェニル、o−、m−またはp−プロピルフェニル、o−、m−またはp−イソプロピルフェニル、o−、m−またはp−tert−ブチルフェニル、o−、m−またはp−ヒドロキシフェニル、o−、m−またはp−ニトロフェニル、o−、m−またはp−アミノフェニル、o−、m−またはp−(N−メチルアミノ)フェニル、o−、m−またはp−(N−メチルアミノカルボニル)フェニル、o−、m−またはp−アセトアミドフェニル、o−、m−またはp−メトキシフェニル、o−、m−またはp−エトキシフェニル、o−、m−またはp−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル、o−、m−またはp−(N−エチルアミノ)フェニル、o−、m−またはp−(N,N−ジエチルアミノ)フェニル、o−、m−またはp−フルオロフェニル、o−、m−またはp−ブロモフェニル、o−、m−またはp−クロロフェニル、o−、m−またはp−シアノフェニル、好ましくは、2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−または3,5−ジメチルフェニル、2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−または3,5−ジフルオロフェニル、2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−または3,5−ジクロロフェニル、2,4−または2,5−ジニトロフェニル、2,5−または3,4−ジメトキシフェニルを示し、
【0043】
Cycが、フェニルを示し、これは非置換であるか、またはHal、R
3a、OR
3aで単置換、二置換または三置換されており、ここで二置換は好ましくは2,4−、2,5−または3,4−位であり、および三置換は2,3,4−位であり;あるいは、1−または2−ナフチル、2−または3−チエニル、3−ベンゾフリルまたは2,3−ジヒドロベンゾフラン−3−イルを示し、各々は互いに独立して、非置換であるか、またはHal、R
3a、OR
3aで単置換、二置換または三置換されており;および
A2は、OH、OCH
3、OCH
2CH
3、OCF
3、O−CH
2−CH
2−OHまたはO−CH
2−CH
2−OCH
3;
で表される化合物、および、その誘導体、プロドラッグ、溶媒和物、互変異性体または立体異性体、ならびに、前述した各々の生理学的に許容し得る塩、あらゆる比率でのそれらの混合物等を含む。
【0044】
本発明の特定の態様は、式(I)、ここで、
Cycは、2,4−、3,4−もしくは2,3,4−置換フェニル、あるいは、非置換のまたは単置換もしくは二置換の1−または2−ナフチル(ここで置換基は各々、互いに独立して、Hal、CN、R
3a、OR
3a、CONHR
3a、CONR
3bR
3a、CONH
2、NR
3aCOR
3b、SO
2R
3a、SOR
3a、NHR
3a、N(R
3a)
2、(CH
2)
q−SR
3a、(CH
2)
q−N(R
3a)
2および/または(CH
2)
q−A2からなる群から選択される)を示すか;
あるいは
Cycは、式(Fa7)または(Fb7)
【化9】
に従う残基であり、式中、
【0045】
G
aは、F、Cl、Br、CN、R
3a、OR
3a、CONHR
3a、CONR
3bR
3a、CONH
2、NR
3aCOR
3b、SO
2R
3a、SOR
3a、NHR
3a、N(R
3a)
2、(CH
2)
q−SR
3a、(CH
2)
q−N(R
3a)
2および/または(CH
2)
q−A2を示し;
G
bは、H、F、Cl、Br、CN、R
3a、OR
3a、CONHR
3a、CONR
3bR
3a、CONH
2、NR
3aCOR
3b、SO
2R
3a、SOR
3a、NHR
3a、N(R
3a)
2、(CH
2)
q−SR
3a、(CH
2)
q−N(R
3a)
2および/または(CH
2)
q−A2を示し;
K
a、K
bは各々、互いに独立して、H、F、Cl、Br、CN、R
3a、OR
3a、CONHR
3a、CONR
3bR
3a、CONH
2、NR
3aCOR
3b、SO
2R
3a、SOR
3a、NHR
3a、N(R
3a)
2、(CH
2)
q−SR
3a、(CH
2)
q−N(R
3a)
2および/または(CH
2)
q−A2を示し;
R
3a、R
3bおよびR
3cは各々、互いに独立して、直鎖状または分枝状のC1−C3−アルキル(ここで1〜5個のH原子は、F、Cl、OHおよびOAlk(ここでAlkは、メチルまたはエチルである)で置き換わっていてもよい)を示し;
qは、1または2を示す、
および、その誘導体、プロドラッグ、溶媒和物、互変異性体または立体異性体、ならびに、前述した各々の生理学的に許容し得る塩、あらゆる比率でのそれらの混合物等を含む。
【0046】
式(Fb7)に従う残基は、LYの隣の炭素原子での立体中心を担持し;それは、下の式(Fb7)
*:
【化10】
における星印(
*)で示されている。
【0047】
よって、式(Fb7)に従う残基は、この立体中心にて2つの異なる立体配置、すなわち(R)立体配置および(S)立体配置、を提示する。それ故に、本発明の化合物は、エナンチオピュアであるか、または、式(R)−(Fb7)および(S)−(Fb7)で表される2つの鏡像異性体のラセミ(1:1)混合物として、のいずれかで存在していてもよい。
【化11】
【0048】
式(Fb7)に従う残基を含む式(I)で表される化合物はまた、鏡像異性体のどちらか一方、(R)−(Fb7)または(S)−(Fb7)が他方より過剰に(例として60:40、70:30、80:20、90:10、95:5または同種のもの)存在している混合物においても、存在していてもよい。本発明の具体的な態様において、式(Ia)で表される化合物の式(R)−(Fb7)で表される立体異性体および式(Ia)で表される化合物の式(S)−(Fb7)で表される立体異性体は、少なくとも90部の(R)−(Fb7)対10部以下の(S)−(Fb7)の、好ましくは少なくとも95の(R)−(Fb7)対5以下の(S)−(Fb7)の、より好ましくは少なくとも99の(R)−(Fb7)対1以下の(S)−(Fb7)の、さらにより好ましくは少なくとも99.5の(R)−(Fb7)対0.5以下の(S)−(Fb7)の、(R)−(Fb7)対(S)−(Fb7)の比率で存在する。本発明の具体的な別の態様において、式(Fb7)で表される化合物の式(S)−(Fb7)で表される立体異性体および式(I)で表される化合物の式(R)−(Fb7)で表される立体異性体は、少なくとも90部の(S)−(Fb7)対10部以下の(R)−(Fb7)の、好ましくは少なくとも95の(S)−(Fb7)対5以下の(R)−(Fb7)の、より好ましくは少なくとも99の(S)−(Fb7)対1以下の(R)−(Fb7)の、さらにより好ましくは少なくとも99.5の(S)−(Fb7)対0.5以下の(R)−(Fb7)の、(S)−(Fb7)対(R)−(Fb7)の比率で存在する。
【0049】
本発明の具体的な態様において、ジヒドロフラニル残基の位置3における炭素原子での立体中心は、(S)立体配置を示す。よって、残基は、(3S)−2,3−ジヒドロベンゾフラン−3−イル残基(S)−(Fb7):
【化12】
である。
【0050】
結果的に、本発明の別の極めて重要な態様において、本発明は、式(Fb7)に従う残基を含む式(I)、式中ジヒドロフラニル残基の位置3における炭素原子での立体中心が、(S)立体配置を示し、ボロン酸残基に隣接する炭素原子での立体中心が、(R)立体配置を示す、に従う化合物を含む:
【化13】
【0051】
本発明のさらなる態様は、式(I)、式中、Cycが、2,4−、3,4−または2,3,4−置換フェニル、あるいは、非置換のまたは単置換もしくは二置換の1−または2−ナフチル(ここで置換は各々、互いに独立して、Hal、CN、R
3a、OR
3a、CONHR
3a、CONR
3bR
3a、CONH
2、NR
3aCOR
3b、SO
2R
3a、SOR
3a、NHR
3a、N(R
3a)
2、(CH
2)
q−SR
3a、(CH
2)
q−N(R
3a)
2および/または(CH
2)
q−A2からなる群から選択される)を示すか;
あるいは、
Cycが、式(Fa7)または(S)−(Fb7)
【化14】
に従う残基であり、式中、
【0052】
G
aは、F、Cl、Br、CN、R
3a、OR
3a、CONHR
3a、CONR
3bR
3a、CONH
2、NR
3aCOR
3b、SO
2R
3a、SOR
3a、NHR
3a、N(R
3a)
2、(CH
2)
q−SR
3a、(CH
2)
q−N(R
3a)
2および/または(CH
2)
q−A2を示し;
G
bは、H、F、Cl、Br、CN、R
3a、OR
3a、CONHR
3a、CONR
3bR
3a、CONH
2、NR
3aCOR
3b、SO
2R
3a、SOR
3a、NHR
3a、N(R
3a)
2、(CH
2)
q−SR
3a、(CH
2)
q−N(R
3a)
2および/または(CH
2)
q−A2を示し;
K
a、K
bは各々、互いに独立して、H、F、Cl、Br、CN、R
3a、OR
3a、CONHR
3a、CONR
3bR
3a、CONH
2、NR
3aCOR
3b、SO
2R
3a、SOR
3a、NHR
3a、N(R
3a)
2、(CH
2)
q−SR
3a、(CH
2)
q−N(R
3a)
2および/または(CH
2)
q−A2を示し;
R
3a、R
3bおよびR
3cは各々、互いに独立して、直鎖状または分枝状のC1−C3−アルキル(ここで1〜5個のH原子は、F、Cl、OHおよびOAlk(ここでAlkは、メチルまたはエチルである)で置き換わっていてもよい)を示し;
qは、1または2を示す、
に従う化合物、および、その誘導体、プロドラッグ、溶媒和物、互変異性体または立体異性体、ならびに、前述した各々の生理学的に許容し得る塩、あらゆる比率でのそれらの混合物を含む。
【0053】
本発明のさらなる特定の態様は、式(I)、式中;Cycが、2,4−、3,4−または2,3,4−置換フェニル、あるいは、非置換または単置換もしくは二置換の1−または2−ナフチル(ここで置換基は各々、互いに独立して、F、Cl、CH
3、C
2H
5、CF
3、OCH
3、OC
2H
5、COCF
3、SCH
3、SC
2H
5、CH
2OCH
3、N(CH
3)
2、CH
2N(CH
3)
2またはN(C
2H
5)
2からなる群から選択される)を示すか;
あるいは、
Cycが、上で定義された式(Fa7)、(Fb7)または(S)−(Fb7)に従う残基であり、式中:
G
aは、F、Cl、CH
3、C
2H
5、CF
3、OCH
3、OC
2H
5、COCF
3、SCH
3、SC
2H
5、CH
2OCH
3、N(CH
3)
2、CH
2N(CH
3)
2またはN(C
2H
5)
2を示し;
G
bは、H、F、Cl、CH
3、C
2H
5、CF
3、OCH
3、OC
2H
5、COCF
3、SCH
3、SC
2H
5、CH
2OCH
3、N(CH
3)
2、CH
2N(CH
3)
2またはN(C
2H
5)
2を示し;
K
a、K
bは各々、互いに独立して、H、F、Cl、CH
3、C
2H
5、CF
3、OCH
3、OC
2H
5、COCF
3、SCH
3、SC
2H
5、CH
2OCH
3、N(CH
3)
2、CH
2N(CH
3)
2またはN(C
2H
5)
2を示す;
に従う化合物、および、その誘導体、プロドラッグ、溶媒和物、互変異性体または立体異性体、ならびに、前述した各々の生理学的に許容し得る塩、あらゆる比率でのそれらの混合物等、を含む。
【0054】
本発明のまたさらに特定の態様は、式(I)、式中、
LXが、−CH
2−、−CH
2−CH
2−、−CH
2−CH
2−CH
2−、−CH
2−CH
2−CH
2−CH
2−、−CH
2−CH
2−O−CH
2−(ここで、1〜4個のH原子が、FまたはClで置き換えられてもよく、および/または、1または2個のH原子が、OH、メチル、エチル、イソプロピル、CF
3、CF
2CF
3、OCH
3、OCH
2CH
3、O−CH
2−CH
2−OH、O−CH
2−CH
2−OCH
3、フェニル、トリル、エチルフェニル、フルオロフェニル、クロロフェニル、ブロモフェニル、アミノフェニル、フリル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリミジル、モルホリニルおよび/またはピペリジニルで置き換えられてもよい)を示し;および
【0055】
LYが、−CH
2−または−CH
2−CH
2−(ここで、1〜4個のH原子が、FまたはClで置き換えられてもよく、および/または、1または2個のH原子が、OH、メチル、エチル、イソプロピル、CF
3、CF
2CF
3、OCH
3、OCH
2CH
3、O−CH
2−CH
2−OHおよび/またはO−CH
2−CH
2−OCH
3で置き換えられていてもよい)を示し;および
Yが、Cycを示し;および
R
1、R
2が各々、互いに独立して、HまたはC1−C4−アルキルを示すか、あるいは、R
1およびR
2が一緒に、上に記載の式(CE)に従う残基を形成し;および
【0056】
R
3a、R
3bおよびR
3cが各々、互いに独立して、直鎖状または分枝状のC1−C3−アルキル(ここで1〜5個のH原子が、F、Cl、OHおよびOAlk(ここでAlkが、メチルまたはエチルである)で置き換えられていてもよい)を示し;および
Aが、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチルまたはtert−ブチルを、そのうえペンチル、1−、2−もしくは3−メチルブチル、1,1−、1,2−もしくは2,2−ジメチル−プロピル、1−エチル−プロピル、ヘキシル、1−、2−、3−もしくは4−メチルペンチル、1,1−、1,2−、1,3−、2,2−、2,3−もしくは3,3−ジメチルブチル、1−もしくは2−エチルブチル、1−エチル−1−メチル−プロピル、または、1−エチル−2−メチル−プロピル(各々が、非置換であるか、あるいは、Hal、CN、R
3a、SR
3a、OR
3a、Ar1、Het1および/または(CH
2)
q−Zで単置換、二置換、三置換または四置換されている)をもまた示し;および
【0057】
Ar1は、フェニル、o−、m−もしくはp−トリル、o−、m−もしくはp−エチルフェニル、o−、m−もしくはp−プロピルフェニル、o−、m−もしくはp−イソプロピルフェニル、o−、m−もしくはp−tert−ブチルフェニル、o−、m−もしくはp−ヒドロキシフェニル、o−、m−もしくはp−ニトロフェニル、o−、m−もしくはp−アミノフェニル、o−、m−もしくはp−(N−メチルアミノ)フェニル、o−、m−もしくはp−(N−メチルアミノカルボニル)フェニル、o−、m−もしくはp−アセタミドフェニル、o−、m−もしくはp−メトキシフェニル、o−、m−もしくはp−エトキシフェニル、o−、m−もしくはp−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル、o−、m−もしくはp−(N−エチルアミノ)フェニル、o−、m−もしくはp−(N,N−ジエチルアミノ)フェニル、o−、m−もしくはp−フルオロフェニル、o−、m−もしくはp−ブロモフェニル、o−、m−もしくはp−クロロフェニル、o−、m−もしくはp−(メチルスルホニル)フェニル、o−、m−もしくはp−メチルスルファニルフェニル、o−、m−もしくはp−シアノフェニル、o−、m−もしくはp−(3−オキソモルホリン−4−イル)フェニル、o−、m−もしくはp−(ピペリジニル)フェニル、o−、m−もしくはp−(モルホリン−4−イル)フェニルを、そのうえ好ましくは2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−もしくは3,5−ジメチルフェニル、2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−もしくは3,5−ジフルオロフェニル、2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−もしくは3,5−ジクロロフェニル、2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−もしくは3,5−ジブロモフェニル、2,4−もしくは2,5−ジニトロフェニル、2,5−もしくは3,4−ジメトキシフェニル、3−ニトロ−4−クロロフェニル、3−アミノ−4−クロロ−、2−アミノ−3−クロロ−、2−アミノ−4−クロロ−、2−アミノ−5−クロロ−もしくは2−アミノ−6−クロロフェニル、2−ニトロ−4−N,N−ジメチルアミノ−もしくは3−ニトロ−4−N,N−ジメチルアミノフェニル、2,3−ジアミノフェニル、2,3,4−、2,3,5−、2,3,6−、2,4,6−もしくは3,4,5−トリクロロフェニル、2,4,6−トリメトキシフェニル、2−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル、p−ヨードフェニル、3,6−ジクロロ−4−アミノフェニル、4−フルオロ−3−クロロフェニル、2−フルオロ−4−ブロモフェニル、2,5−ジフルオロ−4−ブロモフェニル、3−ブロモ−6−メトキシフェニル、3−クロロ−6−メトキシフェニル、3−クロロ−4−アセタミドフェニル、3−フルオロ−4−メトキシフェニル、3−アミノ−6−メチル−フェニル、3−クロロ−4−アセタミドフェニル、または、2,5−ジメチル−4−クロロフェニルを示し;および
【0058】
Het1が、2−もしくは3−フリル、2−もしくは3−チエニル、1−、2−もしくは3−ピロリル、1−、2−、4−もしくは5−イミダゾリル、1−、3−、4−もしくは5−ピラゾリル、2−、4−もしくは5−オキサゾリル、3−、4−もしくは5−イソキサゾリル、2−、4−もしくは5−チアゾリル、3−、4−もしくは5−イソチアゾリル、2−、3−もしくは4−ピリジル、2−、4−、5−もしくは6−ピリミジニルを、そのうえ好ましくは1,2,3−トリアゾール−1−、−4−もしくは−5−イル、1,2,4−トリアゾール−1−、−3−もしくは−5−イル、1−もしくは5−テトラゾリル、1,2,3−オキサジアゾール−4−もしくは−5−イル、1,2,4−オキサジアゾール−3−もしくは−5−イル、1,3,4−チアジアゾール−2−もしくは−5−イル、1,2,4−チアジアゾール−3−もしくは−5−イル、1,2,3−チアジアゾール−4−もしくは−5−イル、3−もしくは4−ピリダジニルまたはピラジニル、2,3−ジヒドロ−2−、−3−、−4−もしくは−5−フリル、2,5−ジヒドロ−2−、−3−、−4−もしくは−5−フリル、テトラヒドロ−2−もしくは−3−フリル、1,3−ジオキソラン−4−イル、テトラヒドロ−2−もしくは−3−チエニル、2,3−ジヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−もしくは−5−ピロリル、2,5−ジヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−もしくは−5−ピロリル、1−、2−もしくは3−ピロリジニル、テトラヒドロ−1−、−2−もしくは−4−イミダゾリル、2,3−ジヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−もしくは−5−ピラゾリル、テトラヒドロ−1−、−3−もしくは−4−ピラゾリル、1,4−ジヒドロ−1−、−2−、−3−もしくは−4−ピリジル、1,2,3,4−テトラヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−、−5−もしくは−6−ピリジル、1−、2−、3−もしくは4−ピペリジニル、2−、3−もしくは4−モルホリニル、テトラヒドロ−2−、−3−もしくは−4−ピラニル、1,4−ジオキサニル、1,3−ジオキサン−2−、−4−もしくは−5−イル、ヘキサヒドロ−1−、−3−もしくは−4−ピリダジニル、ヘキサヒドロ−1−、−2−、−4−もしくは−5−ピリミジニル、または、1−、2−もしくは3−ピペラジニルを示し;および
【0059】
Cycが、2,4−、3,4−または2,3,4−置換フェニル、あるいは、非置換のまたは単置換もしくは二置換の1−または2−ナフチル(ここで置換基は各々、互いに独立して、Hal、CN、R
3a、OR
3a、CONHR
3a、CONR
3bR
3a、CONH
2、NR
3aCOR
3b、SO
2R
3a、SOR
3a、NHR
3a、N(R
3a)
2、CH
2−Z、CH
2−SR
3a、CH
2−N(R
3a)
2からなる群から選択される)を示すか;
あるいは、
式(Fa7)または(S)−(Fb7)
【化15】
に従う残基であり、
【0060】
G
aは、F、Cl、CH
3、C
2H
5、CF
3、OCH
3、OC
2H
5、COCF
3、SCH
3、SC
2H
5、CH
2OCH
3、N(CH
3)
2、CH
2N(CH
3)
2またはN(C
2H
5)
2を示し;
G
bは、H、F、Cl、CH
3、C
2H
5、CF
3、OCH
3、OC
2H
5、COCF
3、SCH
3、SC
2H
5、CH
2OCH
3、N(CH
3)
2、CH
2N(CH
3)
2またはN(C
2H
5)
2を示し;
K
a、K
bは各々、互いに独立して、H、F、Cl、CH
3、C
2H
5、CF
3、OCH
3、OC
2H
5、COCF
3、SCH
3、SC
2H
5、CH
2OCH
3、N(CH
3)
2、CH
2N(CH
3)
2またはN(C
2H
5)
2を示し;
Zは、OH、OCH
3、OCH
2CH
3、OCF
3、O−CH
2−CH
2−OHまたはO−CH
2−CH
2−OCH
3を示し;
qは、1、2、3または4を示す;
に従う化合物、および、その誘導体、プロドラッグ、溶媒和物、互変異性体または立体異性体、ならびに、前述した各々の生理学的に許容し得る塩、あらゆる比率でのそれらの混合物等を含む。
【0061】
一般に、式(I)に含まれる残基は、好ましくは以下の意味を有する:
LXは、好ましくは、−CH
2−、−CH
2−CH
2−、−CH
2−CH
2−CH
2−または−CH
2−CH
2−CH
2−CH
2−(ここで1〜4個のH原子は、Halで置き換わっていてもよく、および/または、1または2個のH原子は、R
3a、Ar1および/またはHet1で置き換わっていてもよく、および/または、ここで1または2個の非隣接CH
2基は、O、SOおよび/またはSO
2で置き換わっていてもよい)を示す。しかしながら、LXにおいて置き換われていてもよいH原子の最大数は、5である。最も好ましくは、LXは、−CH
2−、−CH
2−CH
2−、−CH
2−CH
2−CH
2−、−CH
2−CH
2−CH
2−CH
2−、−CH
2−CH
2−O−CH
2−(ここで1〜4個のH原子が、FまたはClで置き換わっていてもよく、および/または、1または2個のH原子が、OH、メチル、エチル、イソプロピル、CF
3、CF
2CF
3、OCH
3、OCH
2CH
3、O−CH
2−CH
2−OH、O−CH
2−CH
2−OCH
3、フェニル、トリル、エチルフェニル、フルオロフェニル、クロロフェニル、ブロモフェニル、アミノフェニル、フリル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリミジル、モルホリニルおよび/またはピペリジニルで置き換わっていてもよい)を示す。
【0062】
LYは、好ましくは、−CH
2−、−CH
2−CH
2−または−CH
2−CH
2−CH
2−(ここで1〜4個のH原子が、Halで置き換わらわっていてもよく、および/または、1個のH原子が、R
3a、Ar1および/またはHet1で置き換わっていてもよく、および/または、ここで1または2個の非隣接CH
2基が、O、SOおよび/またはSO
2で置き換わっていてもよい)を示す。しかしながら、LXにおいて置き換わっていてもよいH原子の最大数は、5である。最も好ましくは、LYは、−CH
2−、−CH
2−CH
2−、−CH
2−CH
2−CH
2−、−CH
2−CH
2−CH
2−CH
2−、−CH
2−CH
2−O−CH
2−(ここで1〜4個のH原子が、FまたはClで置き換わっていてもよく、および/または、1または2個のH原子が、OH、メチル、エチル、イソプロピル、CF
3、CF
2CF
3、OCH
3、OCH
2CH
3、O−CH
2−CH
2−OHおよび/またはO−CH
2−CH
2−OCH
3で置き換わっていてもよい)を示す。
【0063】
R
1、R
2は各々、好ましくは、互いに独立して、メチル、エチルを示すか、あるいは、R
1およびR
2は一緒に、上に記載の式(CE)に従う残基を形成する。
R
3a、R
3b、R
3cは各々、好ましくは、互いに独立して、直鎖状もしくは分枝状のC1−、C2−またはC3−アルキル(ここで1〜5個のH原子が、F、Cl、OHおよびOAlk(ここでAlkは、好ましくは、メチルまたはエチルである)で置き換わっていてもよい)を示す。最も好ましくは、R
3a、R
3b、R
3cは各々、互いに独立して、メチル、エチル、(n−)プロピルまたはイソプロピル(ここで1、2または3個のH原子が、F、Cl、OH、OCH
3またはOC
2H
5で置き換わっている)を示す。
【0064】
R
4aおよびR
4bは各々、好ましくは、互いに独立して、好ましくはH、メチルを、そのうえエチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチルまたはフェニル(ここで1、2または3個のH原子は、Cl、OH、OCH
3、OC
2H
5またはOCH(CH
3)
2で置き換わっている)を示す。
R
5は、好ましくはメチルを、そのうえエチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、COCH
3、SO
2CH
3、フェニル、トリル、エチルフェニル、フルオロフェニル、クロロフェニル、ブロモフェニル、アミノフェニル、フリル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリミジル、モルホリニルおよび/またはピペリジニルを示す。
【0065】
A1が直鎖状または分枝状のC1−C6−アルキルである態様において、それは、好ましくは、メチルを、そのうえエチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、1−、2−または3−メチルブチル、1,1−、1,2−または2,2−ジメチル−プロピル、1−エチル−プロピル、ヘキシル、1−、2−、3−または4−メチルペンチル、1,1−、1,2−、1,3−、2,2−、2,3−または3,3−ジメチルブチル、1−または2−エチルブチル、1−エチル−1−メチル−プロピル、1−エチル−2−メチル−プロピル、1,1,2−または1,2,2−トリメチルプロピル(各々は、非置換であるか、あるいは、Hal(好ましくはFまたはCl)、CN、R
3a、OR
3a、Ar2、Het2および/または(CH
2)
q−Zで単置換、二置換または三置換されている)を、示す。最も好ましくは、Aは、メチル、そのうえエチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、1−、2−または3−メチルブチル、1,1−、1,2−または2,2−ジメチル−プロピル、1−エチル−プロピル、ヘキシル、1−、2−、3−または4−メチルペンチル、1,1−、1,2−、1,3−、2,2−、2,3−または3,3−ジメチルブチル、1−または2−エチルブチル、1−エチル−1−メチル−プロピル、1−エチル−2−メチル−プロピル、および、1,1,2−または1,2,2−トリメチルプロピルからなる群から選択される。
【0066】
A1が環状アルキル基(シクロアルキル)である態様において、それは、好ましくは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシル(各々は、非置換であるか、あるいは、Hal(好ましくはFまたはCl)、CN、R
3a、OR
3a、Ar2、Het2および/または(CH
2)
q−A2で単置換、二置換または三置換されている)を示す。最も好ましくは、それは、シクロプロピルまたはシクロペンチル(各々は、非置換であるか、あるいは、R
3aまたはHal(好ましくはFまたはCl)で単置換または二置換されている)を示す。特定の態様において、Aは、非置換のシクロプロピルまたはシクロペンチルである。
【0067】
Ar1は、例えば、フェニル、o−、m−またはp−トリル、o−、m−またはp−エチルフェニル、o−、m−またはp−プロピルフェニル、o−、m−またはp−イソプロピルフェニル、o−、m−またはp−tert−ブチルフェニル、o−、m−またはp−ヒドロキシフェニル、o−、m−またはp−ニトロフェニル、o−、m−またはp−アミノフェニル、o−、m−またはp−(N−メチルアミノ)フェニル、o−、m−またはp−(N−メチルアミノカルボニル)フェニル、o−、m−またはp−アセタミドフェニル、o−、m−またはp−メトキシフェニル、o−、m−またはp−エトキシフェニル、o−、m−またはp−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル、o−、m−またはp−(N−エチルアミノ)フェニル、o−、m−またはp−(N,N−ジエチルアミノ)フェニル、o−、m−またはp−フルオロフェニル、o−、m−またはp−ブロモフェニル、o−、m−またはp−クロロフェニル、o−、m−またはp−(メチルスルホニル)フェニル、o−、m−またはp−メチルスルファニルフェニル、o−、m−またはp−シアノフェニル、o−、m−またはp−(3−オキソモルホリン−4−イル)フェニル、o−、m−またはp−(ピペリジニル)フェニル、o−、m−またはp−(モルホリン−4−イル)フェニル、o−、m−またはp−トリフルオロメチル−フェニル、あるいは、o−、m−またはp−トリクロロメチル−フェニル、−そのうえ好ましくは、2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−または3,5−ジメチルフェニル、2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−または3,5−ジフルオロフェニル、2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−または3,5−ジクロロフェニル、2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−または3,5−ジブロモフェニル、2,4−または2,5−ジニトロフェニル、2,5−または3,4−ジメトキシフェニル、3−ニトロ−4−クロロフェニル、3−アミノ−4−クロロ−、2−アミノ−3−クロロ−、2−アミノ−4−クロロ−、2−アミノ−5−クロロ−または2−アミノ−6−クロロフェニル、2−ニトロ−4−N,N−ジメチルアミノ−または3−ニトロ−4−N,N−ジメチルアミノフェニル、2,3−ジアミノフェニル、2,3,4−、2,3,5−、2,3,6−、2,4,6−または3,4,5−トリクロロフェニル、2,4,6−トリメトキシフェニル、2−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル、p−ヨードフェニル、3,6−ジクロロ−4−アミノフェニル、4−フルオロ−3−クロロフェニル、2−フルオロ−4−ブロモフェニル、2,5−ジフルオロ−4−ブロモフェニル、3−ブロモ−6−メトキシフェニル、3−クロロ−6−メトキシフェニル、3−クロロ−4−アセタミドフェニル、3−フルオロ−4−メトキシフェニル、3−アミノ−6−メチル−フェニル、3−クロロ−4−アセタミドフェニル、あるいは、2,5−ジメチル−4−クロロフェニルを示し得る。
【0068】
最も好ましくは、Ar1は、非置換の、F、Cl、Br、OCH
3、CH
2OCH
3、CH
3、C
2H
5、CF
3、フェニル、ビフェニル、ナフチル、フリル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、モルホリニル、ピペラジニル、ベンゾフリル、ベンゾジオキソリルおよび/またはピリジルで単置換、二置換または三置換されている、フェニルを示す。
【0069】
Het1は、例えば、2−または3−フリル、2−または3−チエニル、1−、2−または3−ピロリル、1−、2−、4−または5−イミダゾリル、1−、3−、4−または5−ピラゾリル、2−、4−または5−オキサゾリル、3−、4−または5−イソキサゾリル、2−、4−または5−チアゾリル、3−、4−または5−イソチアゾリル、2−、3−または4−ピリジル、2−、4−、5−または6−ピリミジニル、そのうえ好ましくは、1,2,3−トリアゾール−1−、−4−または−5−イル、1,2,4−トリアゾール−1−、−3−または−5−イル、1−または5−テトラゾリル、1,2,3−オキサジアゾール−4−または−5−イル、1,2,4−オキサジアゾール−3−または−5−イル、1,3,4−チアジアゾール−2−または−5−イル、1,2,4−チアジアゾール−3−または−5−イル、1,2,3−チアジアゾール−4−または−5−イル、3−または4−ピリダジニル、あるいは、ピラジニル(各々は、非置換であるか、または、単置換、二置換、三置換、四置換もしくは五置換されている(好ましくは、非置換であるか、あるいは、Hal、CN、R
3a、OR
3a、CONHR
3a、NR
3aCOR
3b、SO
2R
3a、SOR
3a、NH
2、NHR
3a、N(R
3a)
2、Ar2、Het2および/または(CH
2)
q−A2で単置換、二置換または三置換されている))を示し得る。かかる態様において、Het1は、最も好ましくは、非置換であるか、あるいは、F、Cl、Br、OCH
3、CH
2OCH
3、CH
3、CF
3、フェニル、ビフェニル、ナフチル、フリル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、モルホリニル、ピペラジニル、ベンゾフリル、ベンゾジオキソリルおよび/またはピリジルで単置換、二置換または三置換(最も好ましくは単置換)されている。
【0070】
しかしながら、Het1はまた、部分的にまたは全体的に水素化されていてもよい。よって、Het1はまた、例えば、2,3−ジヒドロ−2−、−3−、−4−または−5−フリル、2,5−ジヒドロ−2−、−3−、−4−または−5−フリル、テトラヒドロ−2−または−3−フリル、1,3−ジオキソラン−4−イル、テトラヒドロ−2−または−3−チエニル、2,3−ジヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−または−5−ピロリル、2,5−ジヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−または−5−ピロリル、1−、2−または3−ピロリジニル、テトラヒドロ−1−、−2−または−4−イミダゾリル、2,3−ジヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−または−5−ピラゾリル、テトラヒドロ−1−、−3−または−4−ピラゾリル、1,4−ジヒドロ−1−、−2−、−3−または−4−ピリジル、1,2,3,4−テトラヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−、−5−または−6−ピリジル、1−、2−、3−または4−ピペリジニル、2−、3−または4−モルホリニル、テトラヒドロ−2−、−3−または−4−ピラニル、1,4−ジオキサニル、1,3−ジオキサン−2−、−4−または−5−イル、ヘキサヒドロ−1−、−3−または−4−ピリダジニル、ヘキサヒドロ−1−、−2−、−4−または−5−ピリミジニル、あるいは、1−、2−または3−ピペラジニル(各々は、非置換であるか、あるいは、Hal(好ましくはFまたはCl)、CN、R
3a、OR
3a、CONHR
3a、NR
3aCOR
3b、SO
2R
3a、SOR
3a、NH
2、NHR
3a、N(R
3a)
2、Ar2、Het2および/または(CH
2)
q−A2で単置換、二置換、三置換、四置換または五置換(好ましくは非置換、単置換、二置換、三置換)されている)も示し得る。これらの態様において、Het1は、好ましくは、非置換であるか、あるいは、F、Cl、Br、OCH
3、CH
2OCH
3、CH
3、CF
3、フェニル、ビフェニル、ナフチル、フリル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、モルホリニル、ピペラジニル、ベンゾフリル、ベンゾジオキソリルおよび/またはピリジルで単置換、二置換または三置換(最も好ましくは単置換)されている。
【0071】
Cycは、好ましくは、フェニル、1−または2−ナフチル、4−または5−インダニル、1−、2−、4−、5−または6−アズレニル、1−または2−テトラヒドロナフタリン5−または6−イル、2−または3−フリル、2−、3−、4−、5−、6−または7−ベンゾフリル、2−、3−、4−、5−、6−または7−ベンゾチオフェニル、2メチレンジオキシフェニルベンゾジオキサン6−または7−イル、あるいは、3,4−ジヒドロ1,5−ベンゾ−ジオキセピン−6−または−7−イル(各々は、互いに独立して、非置換であるか、Hal(好ましくはFまたはCl)、CN、R
3a、OR
3a、CONR
4aR
4b、NR
3aCOR
3b、SO
2R
3a、SOR
3a、NR
4aR
4b、Ar2、Het2および/または(CH
2)
q−A2で単置換、二置換または三置換されている)を示す。最も好ましくは、Cycは、フェニル、4−または5−インダニル、1−または2−ナフチル、1,2,3,4−テトラヒドロナフタリン5−または6−イル、あるいは、2−、3−、4−、5−、6−または7−ベンゾフラニル(各々は、互いに独立して、非置換であるか、CH
3、C
2H
5、CH
2OCH
3、OCH
3、F、Cl,またはCF
3で単置換、二置換または三置換されている)を示す。Cycが二置換フェニルを示す場合、置換基は、好ましくは2,4−、2,5−または3,4−位に、最も好ましくは2,4−または3,4−位に、ある。Cycが三置換フェニルを示す場合、置換基は、好ましくは2,3,4−位にある。
【0072】
具体的に、Cycは、o−、m−またはp−トリル、o−、m−またはp−エチルフェニル、o−、m−またはp−プロピルフェニル、o−、m−またはp−イソプロピルフェニル、o−、m−またはp−tert−ブチルフェニル、o−、m−またはp−アセタミドフェニル、o−、m−またはp−メトキシフェニル、o−、m−またはp−エトキシフェニル、o−、m−またはp−フルオロフェニル、o−、m−またはp−ブロモフェニル、o−、m−またはp−クロロフェニル、o−、m−またはp−トリフルオロメチル−フェニル、o−、m−またはp−トリクロロメチル−フェニル、o−、m−またはp−(メチルスルホニル)フェニル、o−、m−またはp−フェノキシフェニル、o−、m−またはp−メトキシメチル−フェニル、さらに好ましくは、2,4−、2,5−、2,6−または3,4−ジメチルフェニル、2,4−、2,5−または3,4−ジフルオロフェニル、2,4−、2,5−または3,4−ジクロロフェニル、2,4−、2,5−または3,4−ジブロモフェニル、2,5−または3,4−ジメトキシフェニル、2,3,4−、2,3,5−、2,3,6−、2,4,6−または3,4,5−トリクロロフェニル、2,3,4−、2,3,5−、2,3,6−、2,4,6−または3,4,5−トリ−フルオロフェニル、2,3,4−、2,3,5−、2,3,6−、2,4,6−または3,4,5−トリ−メチルフェニル、2,3,4−、2,3,5−、2,3,6−、2,4,6−または3,4,5−トリストリフルオロメチル−フェニル、2,3,4−、2,3,5−、2,3,6−、2,4,6−または3,4,5−トリストリクロロメチル−フェニル、2,3,4−、2,3,5−、2,3,6−、2,4,6−または3,4,5−トリメトキシメチル−フェニル、2,4,6−トリメトキシフェニル、p−ヨードフェニル、2−フルオロ−3−クロロフェニル、2−フルオロ−3−ブロモフェニル、2,3−ジフルオロ−4−ブロモフェニル、3−ブロモ−3−メトキシフェニル、2−クロロ−3−メトキシフェニル、2−フルオロ−3−メトキシフェニル、2−クロロ−3−アセタミドフェニル、2−フルオロ−3−メトキシフェニル、2−クロロ−3−アセタミドフェニル、2,3−ジメチル−4−クロロフェニル、2,3−ジメチル−4−フルオロフェニルを示し得る。
【0073】
Cycはまた、1−または2−ナフチル、4−または5−インダニル、1−、2−、4−、5−または6−アズレニル、1−または2−テトラヒドロナフタリン5−または6−イル、2−または3−フリル、2−、3−、4−、5−、6−または7−ベンゾフリル、2−、3−、4−、5−、6−または7−ベンゾチオフェニル、メチレンジオキシフェニルベンゾジオキサン−6−または7−イル、あるいは、3,4−ジヒドロ−1,5−ベンゾ−ジオキセピン−6−または−7−イル(各々は、互いに独立して、非置換であるか、あるいは、Hal、CN、R
3a、OR
3a、CONR
4aR
4b、NR
3aCOR
3b、SO
2R
3a、SOR
3a、NR
4aR
4b、Ar2、Het2および/または(CH
2)
q−A2で単置換、二置換または三置換されている)も示し得る。Cycの具体的に好ましい置換基は、Hal、CN、R
3a、OR
3aを含む群から選択される。
【0074】
Xは、好ましくは2−オキソオキサゾリジニル、2−オキソピロリジニル、2−オキソピペリジル、3−オキソモルホリニル、2−オキソアゼパニル、2−オキソイミダゾリジニル、2,5−ジオキソイミダゾリジニル、2−オキソオキサジナニル、1,1−オキソ−1,2−チアジナニル、チアゾリジノイル、イソチアゾロジノイル、2,4−ジオキソチアゾリジニル、2−オキソピペラジル、2,3−ジオキソピペラジル、2,6−ジオキソピペリジニル、2,6−ジオキソピロリジニルまたは2,4−ジオキソ−1,3−チアゾリジニル(各々は、互いに独立して、非置換であるか、あるいは、COR
3a、COAr
2、SO
2R
3a、SO
2Ar
2、A1、Ar1および/またはHet1で単置換、二置換または三置換されている)を示す。Xの最も好ましい置換基は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、フェニル、o−、m−またはp−トリル、o−、m−またはp−エチルフェニル、o−、m−またはp−プロピルフェニル、o−、m−またはp−イソプロピルフェニル,o−、m−またはp−tert−ブチルフェニル、o−、m−またはp−ヒドロキシフェニル、o−、m−またはp−ニトロフェニル、o−、m−またはp−アミノフェニル、o−、m−またはp−(N−メチルアミノ)フェニル、o−、m−またはp−(N−メチルアミノカルボニル)フェニル、o−、m−またはp−アセトアミド−フェニル、o−、m−またはp−メトキシフェニル、o−、m−またはp−エトキシフェニル、o−、m−またはp−(N,N−ジメチル−アミノ)フェニル、o−、m−またはp−(N−エチルアミノ)フェニル、o−、m−またはp−(N,N−ジエチルアミノ)フェニル、o−、m−またはp−フルオロフェニル、o−、m−またはp−ブロモフェニル、o−、m−またはp−クロロフェニル、o−、m−またはp−シアノフェニル、COCH
3、COC
6H
5、SO
2CH
3、SO
2C
6H
5、COトリルおよびSO
2トリルからなる群から選択される。
【0075】
Ar2は、好ましくはフェニルを示し、これは非置換であるか、あるいはHal、CN、R
3a、OR
3a、CONHR
3a、NH
2、NHR
3aおよび/またはN(R
3a)
2で単置換または二置換されている。よって、Ar2は、好ましくは、例えば、フェニル、o−、m−またはp−トリル、o−、m−またはp−エチルフェニル、o−、m−またはp−プロピルフェニル、o−、m−またはp−イソプロピルフェニル、o−、m−またはp−tert−ブチルフェニル、o−、m−またはp−ヒドロキシフェニル、o−、m−またはp−ニトロ−フェニル、o−、m−またはp−アミノフェニル、o−、m−またはp−(N−メチルアミノ)フェニル、o−、m−またはp−(N−メチルアミノカルボニル)フェニル、o−、m−またはp−アセトアミドフェニル、o−、m−またはp−メトキシフェニル、o−、m−またはp−エトキシフェニル、o−、m−またはp−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル、o−、m−またはp−(N−エチルアミノ)フェニル、o−、m−またはp−(N,N−ジエチルアミノ)フェニル、o−、m−またはp−フルオロフェニル、o−、m−またはp−ブロモフェニル、o−、m−またはp−クロロフェニル、o−、m−またはp−シアノフェニルを示す。
【0076】
Het2は、好ましくは1〜4個のN、Oおよび/またはS原子を有する、飽和、不飽和または芳香族の5または6員の複素環を示し、これは非置換であるか、あるいはHal、CN、R
3a、OR
3a、CONHR
3a、NH
2、NHR
3aおよび/またはN(R
3a)
2で単置換または二置換されている。よってHet2は、例えば2−または3−フリル、2または3−チエニル、1−、2−または3−ピロリル、1−、2−、4−または5−イミダゾリル、1−、3−、4−または5−ピラゾリル、2−、4−または5−オキサゾリル、3−、4−または5−イソオキサゾリル、2−、4−または5−チアゾリル、3−、4−または5−イソチアゾリル、2−、3−または4−ピリジル、2−、4−、5−または6−ピリミジニル、イミダゾリル、モルホリニルまたはピペラジニルを示し得る。
【0077】
Alkは、好ましくはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチルまたはtert−ブチル、ペンチルまたはヘキシル、最も好ましくはメチル、エチル、プロピルまたはイソプロピルを示す。
A2は好ましくは、OH、メチル、エチル、イソプロピル、CF
3、CF
2CF
3、OCH
3、OCH
2CH
3、O−CH
2−CH
2−OHまたはO−CH
2−CH
2−OCH
3を示す。
Halは、好ましくはF、ClまたはBr、最も好ましくはFまたはClを示す。
【0078】
nは、好ましくは1、2、3または4を示し、より好ましくはnは2、3または4であり、および最も好ましくはnは2または3である。
mは、好ましくは0、1または2、より好ましくは1または2、および最も好ましくは1を示す。
qは、好ましくは1、2、3または4を示し、より好ましくはnは2、3または4であり、および最も好ましくはnは1、2または3である。
【0079】
本発明の関係における「C1−C6−アルキル」は、1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有し、直鎖または分枝状であるアルキル部分を意味する。用語「C1−C4−アルキル」は、1、2、3または4個の炭素原子を有し、直鎖または分枝状のアルキル部分を意味する。用語「C3−C6−シクロアルキル」は、3、4、5または6個の炭素原子を有する飽和環状炭化水素基を指す。
【0080】
用語「非置換(の)」は、対応するラジカル、基または部分が、H以外に置換基を有さないことを意味し;用語「置換(の、〜された)」は、対応するラジカル、基または部分が、1個以上の置換基を有することを意味する。ラジカルが、複数のすなわち少なくとも2個の置換基を有し、かつ様々な置換基の選択が特定されている場合、置換基は、互いに独立して選択され、同一である必要はない。
【0081】
アミノが、基−NRR’、ここでRおよびR’が各々、互いに独立して、Hまたは直鎖状もしくは分枝状のC1−C6−アルキル(具体的には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチルまたはtert−ブチル、ペンチル、ヘキシル)である、を指す。
例としてCOR
a中に含まれるような基「CO」は、CおよびOが二重結合(C=O)を介して接続されている基である。
【0082】
好ましくは、本発明の化合物は以下の群から選択される:
化合物番号1:[(1R)−2−(3−エチルフェニル)−1−[4−(2−オキソオキサゾリジン−3−イル)ブタノイルアミノ]エチル]ボロン酸;
【化16】
【0083】
化合物番号2:[(1S)−1−[3−(2−オキソピロリジン−1−イル)プロパノイルアミノ]−2−フェニル−エチル]−ボロン酸;
【化17】
化合物番号3:[(1S)−1−[3−(2−オキソ−1−ピペリジル)プロパノイルアミノ]−2−フェニル−エチル]ボロン酸;
【化18】
【0084】
化合物番号4:[(1R)−1−[3−(2−オキソピロリジン−1−イル)プロパノイルアミノ]−2−(p−トリル)エチル]ボロン酸;
【化19】
化合物番号5:[(1R)−1−[3−(2,6−ジオキソ−1−ピペリジル)プロパノイルアミノ]−2−フェニル−エチル]ボロン酸;
【化20】
【0085】
化合物番号6:[(1R)−2−(2−ナフチル)−1−[3−(2−オキソピロリジン−1−イル)プロパノイルアミノ]−エチル]ボロン酸;
【化21】
化合物番号7:[(1R)−2−(2−ナフチル)−1−[3−(2−オキソ−1−ピペリジル)プロパノイルアミノ]エチル]−ボロン酸;
【化22】
【0086】
化合物番号8:[(1R)−2−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−6−イル)−1−[3−(2−オキソピロリジン−1−イル)プロパノイルアミノ]エチル]ボロン酸;
【化23】
化合物番号9:[(1R)−1−[3−(2−オキソ−1−ピペリジル)プロパノイルアミノ]−2−(p−トリル)エチル]−ボロン酸;
【化24】
【0087】
化合物番号10:[(1R)−2−(1−ナフチル)−1−[3−(2−オキソピロリジン−1−イル)プロパノイルアミノ]−エチル]ボロン酸;
【化25】
化合物番号11:[(1R)−2−(1−ナフチル)−1−[3−(2−オキソ−1−ピペリジル)プロパノイルアミノ]エチル]−ボロン酸;
【化26】
【0088】
化合物番号12:[(1R)−1−[3−(2−オキソ−4−フェニル−ピロリジン−1−イル)プロパノイルアミノ]−2−フェニル−エチル]ボロン酸;
【化27】
化合物番号13:[(1R)−1−[3−(2−オキソアゼパン−1−イル)プロパノイルアミノ]−2−フェニル−エチル]ボロン酸;
【化28】
【0089】
化合物番号14:[(1R)−2−(4−フルオロフェニル)−1−[3−(2−オキソ−3−フェニル−イミダゾリジン−1−イル)プロパノイルアミノ]エチル]ボロン酸;
【化29】
化合物番号15:[(1R)−1−[3−(2−オキソ−3−フェニル−イミダゾリジン−1−イル)プロパノイルアミノ]−2−(p−トリル)エチル]ボロン酸;
【化30】
【0090】
化合物番号16:[(1R)−2−(3,4−ジメチルフェニル)−1−[3−(2−オキソピロリジン−1−イル)プロパノイルアミノ]エチル]ボロン酸;
【化31】
化合物番号17:[(1R)−1−[3−(3,3−ジメチル−2−オキソ−ピロリジン−1−イル)プロパノイルアミノ]−2−(p−トリル)エチル]ボロン酸;
【化32】
【0091】
化合物番号18:[(1R)−1−[3−(2,2−ジメチル−5−オキソ−ピロリジン−1−イル)プロパノイルアミノ]−2−(p−トリル)エチル]ボロン酸;
【化33】
化合物番号19:[(1R)−2−(ベンゾフラン−3−イル)−1−[3−(2−オキソピロリジン−1−イル)プロパノイルアミノ]エチル]ボロン酸;
【化34】
【0092】
化合物番号20:[(1R)−2−[4−(メトキシメチル)フェニル]−1−[3−(2−オキソピロリジン−1−イル)プロパノイルアミノ]エチル]ボロン酸:
【化35】
化合物番号21:[(1R)−1−[[2−(2−オキソピロリジン−1−イル)アセチル]アミノ]−2−(p−トリル)エチル]ボロン酸:
【化36】
【0093】
化合物番号22:[(1R)−1−[3−(1,1−ジオキソチアジナン−2−イル)プロパノイルアミノ]−2−(p−トリル)エチル]ボロン酸:
【化37】
化合物番号23:[(1R)−1−[3−[(4S)−2,5−ジオキソイミダゾリジン−4−イル]プロパノイルアミノ]−2−(p−トリル)エチル]ボロン酸:
【化38】
【0094】
化合物番号24:[(1R)−2−(ベンゾフラン−3−イル)−1−[3−(2−オキソ−1−ピペリジル)プロパノイルアミノ]エチル]ボロン酸:
【化39】
化合物番号25:[(1R)−2−(3,4−ジメチルフェニル)−1−[3−(2−オキソ−1−ピペリジル)プロパノイルアミノ]エチル]ボロン酸:
【化40】
【0095】
化合物番号26:[(1R)−2−(ベンゾフラン−3−イル)−1−[3−(1,1−ジオキソチアジナン−2−イル)プロパノイルアミノ]エチル]ボロン酸:
【化41】
化合物番号27:[(1R)−2−(ベンゾフラン−3−イル)−1−[3−(2,2−ジメチル−5−オキソ−ピロリジン−1−イル)プロパノイルアミノ]エチル]ボロン酸:
【化42】
【0096】
化合物番号28:[(1R)−2−(ベンゾフラン−3−イル)−1−[3−(3−オキソモルホリン−4−イル)プロパノイルアミノ]エチル]ボロン酸:
【化43】
化合物番号29:[(1R)−2−(ベンゾフラン−3−イル)−1−[3−(2−オキソ−5−フェニル−オキサゾリジン−3−イル)プロパノイルアミノ]エチル]ボロン酸:
【化44】
【0097】
化合物番号30:[(1R)−2−(ベンゾフラン−3−イル)−1−[3−(2−オキソ−1,3−オキサジナン−3−イル)プロパノイルアミノ]エチル]ボロン酸:
【化45】
化合物番号31:[(1R)−2−(2,4−ジメチルフェニル)−1−[3−(2−オキソ−1−ピペリジル)プロパノイルアミノ]エチル]ボロン酸:
【化46】
【0098】
化合物番号32:[(1R)−2−(2,4−ジメチルフェニル)−1−[3−(1,1−ジオキソチアジナン−2−イル)プロパノイルアミノ]エチル]ボロン酸:
【化47】
化合物番号33:[(1R)−2−(ベンゾフラン−3−イル)−1−[[2−(2,4−ジオキソチアゾリジン−3−イル)アセチル]アミノ]エチル]ボロン酸
【化48】
【0099】
化合物番号34:[(1R)−2−(ベンゾフラン−3−イル)−1−[3−(4−エチル−2,3−ジオキソ−ピペラジン−1−イル)プロパノイルアミノ]エチル]ボロン酸:
【化49】
化合物番号35:[(1R)−2−(ベンゾフラン−3−イル)−1−[3−(4−メチル−2−オキソ−ピペラジン−1−イル)プロパノイルアミノ]エチル]ボロン酸:
【化50】
【0100】
化合物番号36:[(1R)−2−(2,4−ジメチルフェニル)−1−[(5−オキソ−1−フェニル−ピロリジン−2−カルボニル)アミノ]−エチル]ボロン酸;
【化51】
化合物番号37:[(1R)−2−(ベンゾフラン−3−イル)−1−[(1−フェニルピロリジン−2−カルボニル)アミノ]エチル]ボロン酸;
【化52】
【0101】
化合物番号38:[(1R)−1−[3−(2,2−ジメチル−5−オキソ−ピロリジン−1−イル)プロパノイルアミノ]−2−(7−メチルベンゾフラン−3−イル)エチル]ボロン酸;
【化53】
化合物番号39:[(1R)−2−[(3S)−2,3−ジヒドロベンゾフラン−3−イル]−1−[3−(2−オキソピロリジン−1−イル)プロパノイルアミノ]エチル]ボロン酸;
【化54】
【0102】
化合物番号40:[(1R)−2−[(3S)−7−メチル−2,3−ジヒドロベンゾフラン−3−イル]−1−[3−(2−オキソ−1−ピペリジル)プロパノイルアミノ]エチル]ボロン酸
【化55】
および、その誘導体、プロドラッグ、溶媒和物、互変異性体または立体異性体、ならびに、前述した各々の生理学的に許容し得る塩、あらゆる比率でのそれらの混合物等。
【0103】
本発明は、上に定義されたとおりの式(I)で表される化合物ならびにその薬学的に許容し得る塩、互変異性体および立体異性体の製造方法を含み、これは、式(III)
【化56】
で表される化合物が、式(IV)
【化57】
で表される化合物とカップリングされることを特徴とし、
ここで、式(III)および式(IV)のすべての残基は、上に定義されるとおりであり、ならびに、ここで、得られた式(Ib)で表される化合物はその後、過剰の低分子量ボロン酸の存在下または不在下、HCl、HBr、HIおよび/またはTFAでの処置によって、式(Ia)で表される化合物へ変換される:
【化58】
【0104】
上に記載の方法において、式(III)で表される化合物と式(IV)で表される化合物との間の反応は、好ましくは、HATU、TBTU、ポリマーで支持された1−アルキル−2−クロロピリジニウム塩(ポリマーで支持されたMukaiyamaの試薬)、1−メチル−2−クロロピリジニウムヨージド(Mukaiyamaの試薬)、カルボジイミドから選択されるカップリング剤の存在下で実施される。
【0105】
以下の略語は、下に使用される略語を指す:
ACN(アセトニトリル)、AcOH(酢酸)、BINAP(2,2’−ビス(ジスフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフタレン)、dba(ジベンジリデンアセトン)、tBu(tert−ブチル)、tBuOK(カリウムtert−ブトキシド)、CDI(1,1’−カルボニルジイミダゾール)、DBU(1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン)、DCC(ジシクロヘキシルカルボジイミド)、DCM(ジクロロメタン)、DIAD(ジイソブチルアゾジカルボキシレート)、DIC(ジイソプロピルカルボジイミド)、DIEA(ジ−イソプロピルエチルアミン)、DMA(ジメチルアセトアミド)、DMAP(4−ジメチルアミノピリジン)、DMSO(ジメチルスルホキシド)、DMF(N,N−ジメチルホルムアミド、EDC.HCl(1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩)、EtOAc(酢酸エチル)、EtOH(エタノール)、g(グラム)、cHex(シクロヘキサン)、HATU(ジメチルアミノ−([1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピリジン−3−イルオキシ)−メチレン]−ジメチル−アンモニウムヘキサフルオロホスフェート)、HOBt(N−ヒドロキシベンゾトリアゾール)、HPLC(高速液体クロマトグラフィー)、hr(時間)、MHz(メガヘルツ)、MeOH(メタノール)、min(分)、mL(ミリリットル)、mmol(ミリモル)、mM(ミリモル)、mp(融点)、MS(質量分析)、MW(マイクロ波)、NMM(N−メチルモルホリン)、NMR(核磁気共鳴)、NBS(N−ブロモスクシンイミド)、PBS(リン酸緩衝生理食塩水)、PMB(パラ−メトキシベンジル)、PyBOP(ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート)、RT(室温)、TBAF(テトラ−ブチルアンモニウムフルオリド)、TBTU(N,N,N’,N’−テトラメチル−O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)ウロニウムテトラフルオロボレート)、T3P(プロパンホスホン酸無水物)、TEA(トリエチルアミン)、TFA(トリフルオロ酢酸)、THF(テトラヒドロフラン)、PetEther(石油エーテル)、TBME(tert−ブチルメチルエーテル)、TLC(薄層クロマトグラフィー)、TMS(トリメチルシリル)、TMSI(トリメチルシリルヨージド)、UV(紫外線)。
【0106】
一般に、式(I)、式中すべての残基は上に定義されるとおりである、で表される化合物は、スキーム1に概説されるとおり式(III)で表される化合物から得られ得る。
【化59】
【0107】
最初のステップは、式(III)、式中XおよびLXは上に定義されるとおりである、で表される化合物の、式(IV)、式中R
1、R
2、LYおよびYは上に定義されるとおりである、で表される化合物との反応にある。当該反応を、アミドのカルボン酸からの調製のための当業者に周知の条件および方法を使用して、標準的なカップリング剤、例えば、しかし限定されずにHATU、TBTU、ポリマーで支持された1−アルキル−2−クロロピリジニウム塩(ポリマーで支持されたMukaiyamaの試薬)、1−メチル−2−クロロピリジニウムヨージド(Mukaiyamaの試薬)、カルボジイミド(例えばDCC、DIC、EDC)およびHOBt、PyBOP(登録商標)および当業者に周知の他のかかる試薬、好ましくはTBTUと共に、塩基、例えばTEA、DIEA、NMM、ポリマーで支持されたモルホリン、好ましくはDIEAの存在下または不存在下で、好適な溶媒、例えばDCM、THFまたはDMF中で、−10℃〜50℃の、好ましくは0℃の温度で数時間、例えば1時間〜24時間行う。あるいはまた、式(III)で表される化合物を、カルボン酸誘導体、例えばハロゲン化アシルまたは無水物に、当業者に周知の方法、例えば、しかし限定されずにSOCl
2、POCl
3、PCl
5、(COCl)
2での、触媒量のDMFの存在下または不存在下での、好適な溶媒、例えばトルエン、DCM、THFの存在下または不存在下での、20℃から100℃まで上昇する温度での、好ましくは50℃での、数時間、例えば1時間〜24時間にわたる処理によって変換することができる。カルボン酸誘導体の式(I)で表される化合物への変換を、アミドのカルボン酸誘導体(例えば塩化アシル)からの調製のための当業者に周知の条件および方法を使用して、アルキルアミンとともに、塩基、例えばTEA、DIEA、NMMの存在下で、好適な溶媒、例えばDCM、THFまたはDMF中で、20℃から100℃まで上昇する温度で、好ましくは50℃で、数時間、例えば1時間〜24時間にわたって達成することができる。
【0108】
上に記載の方法において、式(III)で表される化合物と式(IV)で表される化合物との間の反応は、好ましくは、HATU、TBTU、ポリマーで支持された1−アルキル−2−クロロピリジニウム塩(ポリマーで支持されたMukaiyamaの試薬)、1−メチル−2−クロロピリジニウムヨージド(Mukaiyamaの試薬)、カルボジイミドから選択されるカップリング剤の存在下で実施される。
【0109】
式(Ia)、式中LX、X、LYおよびYは上に定義されるとおりであり、ならびに、式中R
1およびR
2はHである、で表される化合物は、式(Ib)で表される化合物から出発して、例えば、過剰の低分子量ボロン酸(例えばi−BuB(OH)
2などであるが、これに限定されない)の存在下または不在下でのHCl、HBr、HI、TFAでの処置などであるがこれらに限定されない、ボロン酸エステルの加水分解に係る当業者に周知の方法を使用して、調製され得る(スキーム2)。
【化60】
式(III)または(IV)で表される化合物は、市販されているか、または、当業者に周知の方法によって調製され得るか、のいずれかである。
【0110】
一般に、式(IV)で表される化合物は、例えば以下のスキーム3aによって入手しやすい:
【化61】
【0111】
式(IV−1)、式中Yは2,3−ジヒドロベンゾフラン−3−イルである、で表される化合物は、例えば以下のスキーム3bによって入手しやすい:
【化62】
この場合、典型的には、2,3−ジヒドロベンゾフランの3位での両異性体が形成される。
立体化学的に純粋な2,3−ジヒドロベンゾフランを含有する式IV−1aまたはIV−1bで表されるアミノボロン酸は、以下のスキーム4aによって入手しやすい:
【化63】
【0112】
式I−1aおよびI−1b、式中Yは2,3−ジヒドロベンゾフラン−3−イルである、で表される化合物は、例えば以下のスキーム5によって入手しやすい:
【化64】
キラル分離は、例としてキラルHPLCによって、実施され得る。
【0113】
式(III)で表される化合物は、以下のスキーム4−1、5−1、6−1または7−1によって到達可能である。
【化65】
【0117】
あるいは、式(III)で表される化合物は重要な工程として、例えば以下のアルキル化反応を用いて調製することができる。
【化69】
【0118】
上の一連の一般の合成方法が、式(I)に従う化合物および/または式(I)で表される化合物の合成に必要な中間体を得るのに適用可能ではない場合、当業者によって知られている調製の好適な方法が使用されるべきである。
【0119】
一般に、式(I)で表されるあらゆる個々の化合物のための合成経路は、各分子の特定の置換基、および、必要な中間体の入手しやすさ(ready availability)に依存するであろう;あらためて、かかる因子は、当業者に十分に理解される。保護および脱保護のすべての方法については、Philip J. Kocienskiの「Protecting Groups」(Georg Thieme Verlag Stuttgart, New York, 1994)にて、ならびに、Theodora W. GreeneおよびPeter G. M. Wutsの「Protective Groups in Organic 合成」(Wiley Interscience, 3rd Edition 1999)にて、述べられている。
【0120】
本発明の化合物を、溶媒分子と合同で、適切な溶媒の蒸発からの結晶によって単離することができる。塩基性中心を含む式(I)で表される化合物の薬学的に許容し得る酸付加塩を、慣用のやり方で調製してもよい。例えば遊離塩基の溶液を、好適な純粋の(neat)酸または好適な溶液中の好適な酸のいずれかが処置してもよく、得られた塩を、濾過または反応溶媒の真空下での蒸発のいずれかによって単離する。薬学的に許容し得る塩基付加塩は、類似のやり方において、酸性中心を含有する式(I)で表される化合物の溶液を好適な塩基で処置することにより、得られてもよい。両方のタイプの塩を、イオン交換樹脂手法を使用して形成するかまたは相互転換してもよい。
【0121】
使用される条件に依存して、反応時間は一般に、数分間と14日間との間であり、反応温度は、約−30℃〜と140℃との間であり、通常−10℃と90℃との間、具体的には約0℃と約70℃との間である。
式(I)で表される化合物は、そのうえ、式(I)で表される化合物を、それらの官能性誘導体の1つから、加溶媒分解剤または水素化分解剤での処理によって遊離させることにより、得られ得る。
【0122】
加溶媒分解または水素化分解に好ましい出発材料は、式(I)に適合するが対応する保護されたアミノおよび/またはヒドロキシル基を、1つ以上の遊離のアミノおよび/またはヒドロキシル基の代わりに含有するもの、好ましくはアミノ保護基をN原子に結合したH原子の代わりに持つもの、具体的にはR’がアミノ保護基を示すR’−N基をHN基の代わりに持つもの、および/または、ヒドロキシル保護基をヒドロキシル基のH原子の代わりに持つもの、例えば式(I)に適合するが、R’’がヒドロキシル保護基を示す−COOR’’基を−COOH基の代わりに持つものである。
【0123】
複数の、−同一であるかまたは異なる−、保護されたアミノおよび/またはヒドロキシル基が、出発材料の分子中に存在するのもまた可能である。存在する保護基が互いに異なる場合、それらは、多くの場合において、選択的に切断され得る。
【0124】
用語「アミノ保護基」は、概括的な言葉として知られており、アミノ基を化学反応に対して保護する(遮断する)のに好適であるが、所望の化学反応が分子中の他の個所で行われた後に除去するのが容易である基に関する。典型的なかかる基は、具体的には、非置換または置換アシル、アリール、アラルコキシメチルまたはアラルキル基である。アミノ保護基が所望の反応(または反応順序)の後に除去されるので、それらのタイプおよびサイズはさらに重大ではない;しかしながら、好ましいのは、1〜20個、具体的には1〜8個のC原子を有するものである。用語「アシル基」は、本方法に関して最も広い意味において理解するべきである。それは、脂肪族、芳香脂肪族、芳香族または複素環式カルボン酸またはスルホン酸から誘導されるアシル基、および具体的にはアルコキシ−カルボニル、アリールオキシカルボニルおよび特にアラルコキシカルボニル基を含む。かかるアシル基の例は、アルカノイル、例えばアセチル、プロピオニルおよびブチリル;アラルカノイル、例えばフェニルアセチル;アロイル、例えばベンゾイルおよびトリル;アリールオキシアルカノイル、例えばPOA;アルコキシカルボニル、例えばメトキシ−カルボニル、エトキシカルボニル、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル、BOC(tert−ブトキシ−カルボニル)および2−ヨードエトキシカルボニル;アラルコキシカルボニル、例えばCBZ(「カルボベンゾキシ」)、4−メトキシベンジルオキシカルボニルおよびFMOC;ならびにアリール−スルホニル、例えばMtrである。好ましいアミノ保護基は、BOCおよびMtr、さらにCBZ、Fmoc、ベンジルおよびアセチルである。
【0125】
用語「ヒドロキシル保護基」は、概括的な言葉として同様に知られており、ヒドロキシル基を化学反応に対して保護するのに好適であるが、所望の化学反応が分子中の他の個所で行われた後に除去するのが容易である基に関する。かかる基の典型的なものは、前述の非置換または置換アリール、アラルキルまたはアシル基、さらにまたアルキル基である。それらが再び所望の化学反応または反応順序の後に除去されるので、ヒドロキシル保護基の性質およびサイズは重大ではない;好ましいのは、1〜20個、具体的には1〜10個の炭素原子を有する基である。ヒドロキシル保護基の例は、中でもベンジル、4−メトキシベンジル、p−ニトロ−ベンゾイル、p−トルエンスルホニル、tert−ブチルおよびアセチルであり、ここでベンジルおよびtert−ブチルが具体的に好ましい。
【0126】
用語「化合物の溶媒和物」は、それらの相互の引力のせいで形成される化合物上への不活性溶媒分子のアダクション(adduction)を意味するものと解釈される。溶媒和物は、例えば一もしくは二水和物またはアルコラートである。
【0127】
式(I)で表される化合物を、−使用する保護基に依存して−、例えば強酸を使用して、有利にはTFAまたは過塩素酸を使用して、しかしまた他の強無機酸、例えば塩酸または硫酸、強有機カルボン酸、例えばトリクロロ酢酸、またはスルホン酸、例えばベンゼンもしくはp−トルエンスルホン酸をも使用して、それらの官能性誘導体から遊離させる。追加の不活性溶媒の存在は可能であるが、常に必要であるわけではない。好適な不活性溶媒は、好ましくは有機、例えばカルボン酸、例えば酢酸、エーテル、例えばTHFまたはジオキサン、アミド、例えばDMF、ハロゲン化炭化水素、例えばDCM、さらにまたアルコール、例えばメタノール、エタノールまたはイソプロパノール、および水である。前述の溶媒の混合物は、さらに好適である。TFAを、好ましくは、さらなる溶媒を加えずに過剰において使用し、過塩素酸を、好ましくは酢酸および70%過塩素酸の比率9:1における混合物の形態において使用する。切断のための反応温度は、有利には約0と約50℃との間、好ましくは15と〜30℃(RT)との間である。
【0128】
BOC、OButおよびMtr基を、例えば、好ましくは、DCM中のTFAを使用して、またはジオキサン中の約3〜5NのHClを使用して、15〜30℃で切断することができ、FMOC基を、ジメチルアミン、ジエチルアミンまたはピペリジンをDMFに溶解した約5〜50%の溶液を使用して、15〜30℃で切断することができる。
【0129】
水素化分解的に除去することができる保護基(例えばCBZ、ベンジルまたはそのオキサジアゾール誘導体からのアミジノ基の遊離)を、例えば触媒(例えば、有利には担体、例えば炭素上の貴金属触媒、例えばパラジウム)の存在下での水素での処置によって切断することができる。ここでの好適な溶媒は、上に示したもの、具体的には例えばアルコール、例えばメタノールもしくはエタノール、またはアミド、例えばDMFである。水素化分解を、一般に、約0と100℃との間の温度および約1と200barとの間の圧力で、好ましくは20〜30℃および1〜10barで行う。CBZ基の水素化分解は、例えばメタノール中の5〜10%Pd/C上で、またはPd/C上でギ酸アンモニウム(水素の代わりに)を使用して、メタノール/DMF中で20〜30℃で良好に成功する。
【0130】
好適な不活性溶媒の例は、炭化水素、例えばヘキサン、石油エーテル、ベンゼン、トルエンもしくはキシレン;塩素化炭化水素、例えばトリクロロエチレン、1,2−ジクロロエタン、テトラクロロメタン、トリ−フルオロ−メチルベンゼン、クロロホルムもしくはDCM;アルコール、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、n−ブタノールもしくはtert−ブタノール;エーテル、例えばジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)もしくはジオキサン;グリコールエーテル、例えばエチレングリコールモノメチルもしくはモノエチルエーテルまたはエチレングリコールジメチルエーテル(ジグライム);ケトン、例えばアセトンもしくはブタノン;アミド、例えばアセトアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン(NMP)もしくはジメチル−ホルムアミド(DMF);ニトリル、例えばアセトニトリル;スルホキシド、例えばジメチルスルホキシド(DMSO);二硫化炭素;カルボン酸、例えばギ酸もしくは酢酸;ニトロ化合物、例えばニトロメタンもしくはニトロベンゼン;エステル、例えばEtOAc、あるいは該溶媒の混合物である。
【0131】
エステルを、例えば水中のLiOH、NaOHまたはKOH、水/THF、水/THF/エタノールまたは水/ジオキサンを使用して、0と100℃との間の温度で鹸化することができる。さらに、エステルを、例えば酢酸、TFAまたはHCLを使用して加水分解することができる。
遊離のアミノ基を、そのうえ、慣用のやり方で塩化アシルもしくは無水物を使用してアシル化するか、あるいは非置換もしくは置換ハロゲン化アルキルを使用してアルキル化するか、あるいはCH3−C(=NH)−OEtと、有利には不活性溶媒、例えばDCMもしくはTHF中で、および/または塩基、例えばトリエチルアミンもしくはピリジンの存在下で、−60℃と+30℃との間の温度で反応させることができる。
【0132】
明細書全体にわたって、用語脱離基は、好ましくはCl、Br、Iまたは反応的に修飾されたOH基、例えば1 6炭素原子を有する活性化されたエステル、イミダゾリドもしくはアルキルスルホニルオキシ(好ましくはメチルスルホニルオキシもしくはトリフルオロメチルスルホニルオキシ)または6 10炭素原子を有するアリールスルホニルオキシ(好ましくはフェニルもしくはpトリルスルホニルオキシ)を示す。
典型的なアシル化反応におけるカルボキシル基の活性化のためのこのタイプのラジカルは、文献に(例えば、Houben-Weyl, Methoden der organischen Chemie [Methods of Organic Chemistry], Georg-Thieme-Verlag, Stuttgartなどの標準的学術書に)記載されている。
【0133】
活性化されたエステルは、有利には、例えばHOBtまたはNヒドロキシスクシンイミドの添加を通して、in situで形成される。
用語「薬学的に使用可能な誘導体」は、例えば式Iで表される化合物の塩およびいわゆるプロドラッグ化合物を意味するものと解釈される。
用語「プロドラッグ誘導体」は、例えばアルキルまたはアシル基、糖またはオリゴペプチドで修飾されており、生体中で迅速に切断されて活性化合物を形成する、式Iで表される化合物を意味するものと解釈される。
【0134】
これらはまた、例えばInt. J. Pharm. 115, 61-67 (1995) に記載のとおり、本発明に従う化合物の生分解性ポリマー誘導体も含む。
本発明は、式(I)および関連の式に従う化合物を作製するための方法に関する。
本発明は、薬学的に許容し得る担体と一緒に、活性成分として、式(I)、式中すべての残基は上に定義されるとおりである、で表される少なくとも1つの化合物、または、その誘導体、プロドラッグ、溶媒和物、互変異性体もしくは立体異性体、ならびに、前述した各々の生理学的に許容し得る塩、あらゆる比率でのそれらの混合物等を含む、医薬組成物に関する。
【0135】
本発明の目的において、用語「医薬組成物」は、1以上の活性成分、および、担体を構成する1以上の不活性成分を含む組成物または製品、ならびに、いずれか2つ以上の成分の組み合わせ、錯化もしくは凝集に、または、1つ以上の成分の解離に、または、1つ以上の成分の他のタイプの反応もしくは相互作用に、直接的または間接的に起因するいずれの製品を指す。結果的に、本発明の医薬組成物は、本発明の少なくとも1つの化合物および薬学的に許容し得る担体、賦形剤またビヒクルを混和することによって作製されるいずれの組成物も包含する。本発明の医薬組成物はまた、第2活性成分またはその誘導体、プロドラッグ、溶媒和物、互変異性体もしくは立体異性体ならびに前述した各々の生理学的に許容し得る塩、あらゆる比率でのそれらの混合物等をさらに含むいずれの組成物も包含するが、ここでその第2活性成分は、式(I)、式中すべての残基は上に定義される、で表される化合物以外である。
【0136】
本発明は、免疫調節性異常または血液悪性腫瘍の処置および/または予防法(prophylaxis)(予防(prevention))における使用のための、式(I)または上に記載のいずれか特定の態様に従う化合物、ならびに、その薬学的に使用可能な塩、互変異性体、溶媒和物および立体異性体、あらゆる比率でのそれらの混合物等に関する。
【0137】
本発明の目的において、免疫調節性異常は、以下:全身性エリテマトーデス、慢性関節リウマチ、炎症性腸疾患、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、アテローム性動脈硬化症、強皮症、自己免疫性肝炎、シェーグレン症候群、ループス腎炎、糸球体腎炎、関節リウマチ、乾癬、重症筋無力症、免疫グロブリンA腎症、血管炎、移植片拒絶および喘息からなる群から選択される自己免疫疾患または慢性炎症性疾患であり、ならびに、血液悪性腫瘍は、以下:多発性骨髄腫、慢性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、マントル細胞リンパ腫からなる群から選択される疾患である。
【0138】
本発明は、LMP7の阻害に影響を受ける病状の予防および/または処置における使用のための、式(I)または上に記載のいずれか特定の態様に従う化合物およびその誘導体、プロドラッグ、溶媒和物、互変異性体または立体異性体ならびに前述した各々の生理学的に許容し得る塩、あらゆる比率でのそれらの混合物等に関する。また本発明は、免疫調節性異常または血液悪性腫瘍の予防および/または処置における使用のための、式(I)または上に記載のいずれか特定の態様に従う化合物およびその誘導体、プロドラッグ、溶媒和物、互変異性体または立体異性体ならびに前述した各々の生理学的に許容し得る塩、あらゆる比率でのそれらの混合物等にも関する。具体的には、かかる場合において、免疫調節性異常は、筋萎縮性側索硬化症(Amyotrophic Lateral Sclerosis)、シェーグレン症候群、全身性エリテマトーデス、ループス腎炎、糸球体腎炎、関節リウマチ、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症(Amyotrophic lateral sclerosis)、骨関節炎、アテローム性動脈硬化症、乾癬、重症筋無力症、皮膚線維症(Dermal fibrosis)、腎線維症、心筋線維化、肝線維症、肺線維症、免疫グロブリンA腎症、血管炎、移植片拒絶、血液悪性腫瘍、筋炎、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病および喘息から選択される。
【0139】
医薬調製物は、ヒト医学および獣医学における医薬として用いられ得る。
本発明はさらに、
(a)有効量の、式(I)で表される化合物および/またはその薬学的に許容し得る塩、互変異性体もしくは立体異性体、あらゆる比率でのそれらの混合物等、
ならびに、
(b)有効量のさらなる医薬活性成分
の個別のパックからなる、セット(キット)に関する。
【0140】
薬学的塩および他の形態
式(I)で表される該化合物を、それらの最終的な非塩形態において使用することができる。他方、本発明はまた、これらの化合物の、様々な有機および無機酸および塩基から当該技術分野において知られている手順によって誘導され得るそれらの薬学的に許容し得る塩の形態における使用に関する。式Iで表される化合物の薬学的に許容し得る塩形態は、大部分、従来の方法によって調製される。式Iで表される化合物が酸性の中心、例えばカルボキシル基を含有する場合、その好適な塩の1つを、当該化合物を好適な塩基と反応させて対応する塩基付加塩を得ることによって生成することができる。かかる塩基は、例えば水酸化カリウムおよび水酸化ナトリウムを含むアルカリ金属水酸化物;アルカリ土類金属水酸化物、例えば水酸化マグネシウムおよび水酸化カルシウム;ならびに様々な有機塩基、例えばピペリジン、ジエタノールアミンおよびN−メチル−グルカミン(メグルミン)、ベンザチン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、ベネタミン(benethamine)、ジエチルアミン、ピペラジン、リシン、L−アルギニン、アンモニア、トリエタノールアミン、ベタイン、エタノールアミン、モルホリンおよびトロメタミンである。
【0141】
塩基性中心を含有する式Iで表されるある化合物の場合、酸付加塩を、これらの化合物を薬学的に許容し得る有機および無機酸、例えばハロゲン化水素、例えば塩化水素または臭化水素、他の鉱酸およびそれらの対応する塩、例えば硫酸塩、硝酸塩またはリン酸塩など、ならびにアルキル−およびモノアリール−スルホナート、例えばメタンスルホナート、エタンスルホナート、トルエンスルホナートおよびベンゼン−スルホナート、ならびに他の有機酸およびそれらの対応する塩、例えば炭酸塩、酢酸塩、トリフルオロ−酢酸塩、酒石酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、安息香酸塩、サリチル酸塩、アスコルビン酸塩などで処置することによって形成することができる。
【0142】
結果的に、式Iで表される化合物の薬学的に許容し得る酸付加塩は、以下のものを含む:酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼン−スルホン酸塩(ベシル酸塩)、重硫酸塩、重亜硫酸塩、臭化物、酪酸塩、樟脳酸塩、樟脳−スルホン酸塩、カプリン酸塩、カプリル酸塩、塩化物、クロロ安息香酸塩、クエン酸塩、チクロ、ケイ皮酸塩、ジグルコン酸塩、リン酸二水素塩、ジニトロ安息香酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、グリコール酸塩、フマル酸塩、ガラクタル酸塩(ムチン酸から)、ガラクツロン酸塩、グルコヘプタン酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミコハク酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、馬尿酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシ−エタン−スルホン酸塩、ヨウ化物、イセチオン酸塩、イソ酪酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メタリン酸塩、メタンスルホン酸塩、メチル安息香酸塩、リン酸一水素塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、オレイン酸塩、パルモエート(palmoate)、ペクチン酸塩、過硫酸塩、フェニル酢酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ホスホン酸塩、フタル酸塩、しかしこれは限定を表さない。両方のタイプの塩を、好ましくはイオン交換樹脂手法を使用して生成するかまたは相互転換してもよい。
【0143】
そのうえ、式Iで表される化合物の塩基性塩は、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、鉄(III)、鉄(II)、リチウム、マグネシウム、マンガン(III)、マンガン(II)、カリウム、ナトリウムおよび亜鉛塩を含むが、これは限定を表すことを意図しない。前述の塩の中で、好ましいのは、アンモニウム;アルカリ金属塩ナトリウムおよびカリウム、ならびにアルカリ土類金属塩カルシウムおよびマグネシウムである。薬学的に許容し得る有機無毒性塩基から誘導される式Iで表される化合物の塩は、第一、第二および第三アミン、また天然に存在する置換アミンを含む置換アミン、環状アミン、ならびに塩基性イオン交換樹脂、例えばアルギニン、ベタイン、カフェイン、クロロプロカイン、コリン、N,N’−ジベンジル−エチレンジアミン(ベンザチン)、ジシクロヘキシルアミン、ジエタノール−アミン、ジエチル−アミン、2−ジエチル−アミノ−エタノール、2−ジメチル−アミノ−エタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−エチル−ピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン(hydrabamine)、イソプロピル−アミン、リドカイン、リシン、メグルミン(N−メチル−D−グルカミン)、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエタノール−アミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピル−アミンおよびトリス(ヒドロキシ−メチル)−メチルアミン(トロメタミン)の塩を含むが、これは限定を表すことを意図しない。
【0144】
塩基性N2含有基を含有する本発明の式Iで表される化合物を、剤、例えば(C1〜C4)アルキルハロゲン化物、例えば塩化、臭化およびヨウ化メチル、エチル、イソプロピルおよびtert−ブチル;ジ(C1〜C4)アルキル硫酸塩、例えば硫酸ジメチル、ジエチルおよびジアミル;(C10〜C18)アルキルハロゲン化物、例えば塩化、臭化およびヨウ化デシル、ドデシル、ラウリル、ミリスチルおよびステアリル;ならびにアリール−(C1〜C4)アルキルハロゲン化物、例えば塩化ベンジルおよび臭化フェネチルを使用して四級化することができる。式Iで表される水溶性および油溶性の化合物をともに、かかる塩を使用して調製することができる。
【0145】
好ましい上述の薬学的塩は、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、ベシル酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、ヘミコハク酸塩、馬尿酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、イセチオン酸塩、マンデル酸塩、メグルミン、硝酸塩、オレイン酸塩、ホスホン酸塩、ピバリン酸塩、リン酸ナトリウム、ステアリン酸塩、硫酸塩、スルホサリチル酸塩、酒石酸塩、チオリンゴ酸塩、トシル酸塩およびトロメタミンを含むが、これは限定を表すことを意図しない。
【0146】
式(I)で表される塩基性化合物の酸付加塩を、遊離塩基形態を充分な量の所望の酸と接触させ、慣用のやり方で塩の形成を引き起こさせることによって調製する。遊離塩基を、塩形態を塩基と接触させ、遊離塩基を慣用のやり方で単離することによって再生することができる。遊離塩基形態は、ある点において、ある物理的特性、例えば極性溶媒への溶解性の点で、その対応する塩形態と異なる;しかしながら、本発明の目的において、塩は、他の点ではその夫々の遊離塩基形態に対応する。
【0147】
述べたとおり、式Iで表される化合物の薬学的に許容し得る塩基付加塩は、金属またはアミン、例えばアルカリ金属およびアルカリ土類金属または有機アミンを使用して生成する。好ましい金属は、ナトリウム、カリウム、マグネシウムおよびカルシウムである。好ましい有機アミンは、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノール−アミン、エチレンジアミン、N−メチル−D−グルカミンおよびプロカインである。
【0148】
式Iで表される酸性化合物の塩基付加塩を、遊離酸形態を充分な量の所望の塩基と接触させ、塩の生成を慣用のやり方で引き起こさせることによって調製する。遊離酸を、塩形態を酸と接触させ、遊離酸を慣用のやり方で単離することによって再生することができる。遊離酸形態は、ある点において、ある物理的特性、例えば極性溶媒への溶解性の点で、その対応する塩形態と異なる;しかしながら、本発明の目的において、塩は、他の点ではその夫々の遊離酸形態に対応する。
【0149】
式(I)で表される化合物が、このタイプの薬学的に許容し得る塩を形成することができる1つよりも多い基を含有する場合、式Iはまた、多重塩をも包含する。典型的な多重塩形態は、例えば重酒石酸塩、二酢酸塩、二フマル酸塩、ジメグルミン、二リン酸塩、二ナトリウムおよび三塩酸塩を含むが、これは限定を表すことを意図しない。
【0150】
上で述べたことに関して、本文脈における用語「薬学的に許容し得る塩」は、具体的に、この塩形態が、活性化合物に対して、前に使用されていた活性化合物の遊離形態または活性化合物のあらゆる他の塩形態と比較して改善された薬物動態学的特性を付与する場合には、式Iで表される化合物をその塩の1種の形態で含む活性成分を意味するものと解釈されることが明らかである。活性成分の薬学的に許容し得る塩形態はまた、この活性成分に前には有していなかった所望の薬物動態学的特性を初めて提供することができ、さらに活性成分の薬力学に対して身体におけるその治療的有効性に関する正の影響を有することができる。
【0151】
それらの分子構造のせいで、式(I)で表される化合物はキラルであり、結果的に様々な鏡像異性体形態で存在し得る。それらは、したがって、ラセミ体形態または光学的に活性な形態で存在し得る。
本発明に従う化合物のラセミ化合物または立体異性体の薬学的活性が異なり得るので、鏡像異性体を使用することが望ましい場合がある。これらの場合において、最終生成物またはさらに中間体を、当業者に知られている化学的もしくは物理的手段によって鏡像異性体化合物に分離するか、またはさらに合成においてそれ自体で用いられ得る。
【0152】
ラセミ体のアミンの場合において、ジアステレオマーが、光学的に活性な分割剤との反応によって混合物から形成する。好適な分割剤の例は、光学的に活性な酸、例えば酒石酸、ジアセチル酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、マンデル酸、リンゴ酸、乳酸、好適なN保護されたアミノ酸(例えばN−ベンゾイルプロリンもしくはN−ベンゼンスルホニルプロリン)、または様々な光学的に活性な樟脳スルホン酸の(R)および(S)形態である。また有利なのは、光学的に活性な分割剤(例えばジニトロベンゾイルフェニルグリシン、三酢酸セルロースまたはシリカゲル上で固定化された炭水化物またはキラルに誘導体化されたメタクリレートポリマーの他の誘導体)の補助によるクロマトグラフィー的鏡像異性体分割である。この目的のために適している溶離剤は、例えば比率82:15:3における水性またはアルコール性溶媒混合物、例えばヘキサン/イソプロパノール/アセトニトリルである。
【0153】
本発明はそのうえ、式Iおよび関連する式で表される化合物の、少なくとも1種のさらなる医薬活性成分、好ましくは多発性硬化症の処置において使用する医薬、例えばクラドリビンもしくは別の共同剤(co-agent)、例えばインターフェロン、例えばPEG化された、もしくはPEG化されていないインターフェロン、好ましくはインターフェロンベータと、および/または血管機能を改善する化合物と組み合わせての、あるいは免疫抑制薬、例えばフィンゴリモド;シクロスポリン、ラパマイシンもしくはアスコマイシン、またはそれらの免疫抑制性類似体、例えばシクロスポリンA、シクロスポリンG、FK−506、ABT−281、ASM981、ラパマイシン、40−O−(2−ヒドロキシ)エチル−ラパマイシンなど;副腎皮質ステロイド;シクロホスファミド;アザチオプリン;メトトレキサート;レフルノミド;ミゾリビン;ミコフェノール添加;ミコフェノール酸モフェチル;15−デオキシスペルグアリン;吉草酸ジフルコルトロン;ジフルプレドナート;ジプロピオン酸アルクロメタゾン;アムシノニド;アムサクリン;アスパラギナーゼ;アザチオプリン;バシリキシマブ;ジプロピオン酸ベクロメタゾン;ベータメタゾン;酢酸ベータメタゾン;ジプロピオン酸ベータメタゾン;リン酸ベータメタゾンナトリウム;吉草酸ベータメタゾン;ブデソニド;カプトプリル;クロルメチンクロルヒドレート;クラドリビン;プロピオン酸クロベタゾール;酢酸コルチゾン;コルチバゾール;シクロホスファミド;シタラビン;ダクリズマブ;ダクチノマイシン;デソニド;デスオキシメタゾン;デキサメタゾン;酢酸デキサメタゾン;イソニコチン酸デキサメタゾン;メタスルホ安息香酸デキサメタゾンナトリウム;リン酸デキサメタゾン;デキサメタゾンテブテート;酢酸ジクロリソン;ドキソルビシンクロルヒドレート;エピルビシンクロルヒドレート;フルクロロロンアセトニド;酢酸フルドロコルチゾン;フルドロキシコルチド;ピバリン酸フルメタゾン;フルニソリド;フルオシノロンアセトニド;フルオシノニド;フルオコルトロン;ヘキサノン酸フルオコルトロン;ピバリン酸フルオコルトロン;フルオロメトロン;酢酸フルプレドニデン;プロピオン酸フルチカゾン;ゲムシタビンクロルヒドレート;ハルシノニド;ヒドロコルチゾン、酢酸ヒドロコルチゾン、酪酸ヒドロコルチゾン、ヘミコハク酸ヒドロコルチゾン;メルファラン;メプレドニゾン;メルカプトプリン;メチルプレドニソロン;酢酸メチルプレドニソロン;ヘミコハク酸メチルプレドニソロン;ミソプロストール;ムロモナブ−cd3;ミコフェノール酸モフェチル;酢酸パラメタゾン;プレドナゾリン(prednazoline)、プレドニゾロン;酢酸プレドニゾロン;カプロン酸プレドニゾロン;メタスルホ安息香酸プレドニゾロンナトリウム;リン酸プレドニゾロンナトリウム;プレドニゾン;プレドニリデン;リファンピシン;リファンピシンナトリウム;タクロリムス;テリフルノミド;サリドマイド;チオテパ;ピバリン酸チキソコルトール;トリアムシノロン;ヘミコハク酸トリアムシノロンアセトニド;トリアムシノロンベネトニド;二酢酸トリアムシノロン;トリアムシノロンヘキサセトニド;免疫抑制モノクローナル抗体、例えば白血球受容体に対するモノクローナル抗体、例えばMHC、CD2、CD3、CD4、CD7、CD25、CD28、B7、CD40、CD45もしくはCD58またはそれらの配位子;あるいは他の免疫修飾化合物、例えばCTLA41g、あるいは他の接着分子阻害剤、例えばmAbsまたはセレクチンアンタゴニストおよびVLA−4アンタゴニストを含む低分子量阻害剤と組み合わせての使用に関する。好ましい組成物は、シクロスポリンA、FK506、ラパマイシンまたは40−(2−ヒドロキシ)エチル−ラパマイシンおよびフィンゴリモドを有するものである。これらのさらなる医薬、例えばインターフェロンベータを、付随して、または連続的に、例えば皮下、筋肉内もしくは経口経路によって投与してもよい。
【0154】
これらの組成物は、ヒト医学および獣医学における医薬として使用され得る。
医薬処方物を、投薬単位あたり所定量の活性化合物を含む投薬単位の形態で投与することができる。かかる単位は、処置される疾患状態、投与の方法、ならびに患者の年齢、体重および状態に依存して、例えば0.5mg〜1g、好ましくは1mg〜700mg、とりわけ好ましくは5mg〜100mgの本発明に従う化合物を含むことができ、または医薬処方物を、投薬単位あたり所定量の活性成分を含む投薬単位の形態で投与することができる。好ましい投薬単位処方物は、前に示したように毎日の用量もしくは部分的用量を含むもの、または活性化合物のその対応する部分である。さらに、このタイプの医薬処方物を、薬学分野において一般に知られている方法を使用して調製することができる。
【0155】
医薬処方物を、あらゆる所望の好適な方法による、例えば経口(頬側もしくは舌下を含む)、直腸内、鼻腔内、局所的(頬側、舌下もしくは経皮的を含む)、膣内または非経口(皮下、筋肉内、静脈内もしくは皮内を含む)方法による投与に適合させることができる。かかる処方物を、薬学分野において知られているすべての方法を使用して、例えば活性成分を賦形剤(単数もしくは複数)またはアジュバント(単数もしくは複数)と合わせることによって調製することができる。
【0156】
経口投与に適応した医薬処方物を、別個の単位、例えばカプセルもしくは錠剤;散剤もしくは顆粒;水性もしくは非水性液体中の溶液もしくは懸濁液;食用発泡体もしくは発泡体食品;または水中油型液体エマルションもしくは油中水型液体エマルションとして投与することができる。
【0157】
よって、例えば、錠剤またはカプセルの形態での経口投与の場合において、活性成分構成要素を、経口的な、無毒性の、かつ薬学的に許容し得る不活性賦形剤、例えばエタノール、グリセロール、水などと混ぜ合わせることができる。散剤を、化合物を好適な微細な大きさに粉砕し、それを粉砕した薬学的賦形剤、例えば食用炭水化物、例えばデンプンまたはマンニトールと、同様のやり方で混合することによって調製する。風味剤、保存剤、分散剤および色素が、同時に存在してもよい。
【0158】
カプセルを、上に記載のとおりに散剤混合物を調製し、成形したゼラチン殻をそれで充填することによって製造する。流動促進剤および潤滑剤、例えば固体形態での高度に分散性のケイ酸、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムまたはポリエチレングリコールを、充填操作の前に散剤混合物に加えることができる。崩壊剤または可溶化剤、例えば寒天、炭酸カルシウムまたは炭酸ナトリウムを、同様に、カプセルを服用した後の医薬の利用可能性を改善するために加えてもよい。
【0159】
加えて、所望によりまたは所要に応じて、好適な結合剤、潤滑剤および崩壊剤ならびに染料を、同様に混合物中に組み込むことができる。好適な結合剤は、デンプン、ゼラチン、天然糖類、例えばグルコースまたはベータ−ラクトース、トウモロコシから作製された甘味剤、天然および合成ゴム、例えばアカシア、トラガカントまたはアルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ろうなどを含む。これらの投薬形態において使用する潤滑剤は、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウムなどを含む。崩壊剤は、限定されずにデンプン、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンゴムなどを含む。
【0160】
錠剤を、例えば散剤混合物を調製し、混合物を顆粒化または乾燥圧縮し、潤滑剤および崩壊剤を加え、混合物全体を圧縮して錠剤を得ることによって処方する。散剤混合物は、好適なやり方において粉砕された化合物を、上に記載のとおり希釈剤または塩基と、および任意に結合剤、例えばカルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチンまたはポリビニルピロリドン、溶解遅延剤、例えばパラフィン、吸収促進剤、例えば第四級塩および/または吸収剤、例えばベントナイト、カオリンまたはリン酸二カルシウムと混合することによって調製される。散剤混合物を、それを結合剤、例えばシロップ、デンプンペースト、アラビアゴム粘液またはセルロースの溶液またはポリマー材料で湿潤させ、それをふるいに通過させて押圧することによって顆粒化することができる。顆粒化の代替として、散剤混合物を、打錠機に通し、不均一な形状の塊を得、それを崩壊させて、顆粒を形成することができる。
【0161】
顆粒を、錠剤流延型への粘着を防止するためにステアリン酸、ステアリン酸塩、タルクまたは鉱油を加えることによって潤滑化することができる。潤滑化した混合物を、次に圧縮して、錠剤を得る。活性成分をまた、自由流動の不活性賦形剤と混ぜ合わせ、次に直接圧縮して、顆粒化または乾燥圧縮ステップを行わずに錠剤を得ることができる。セラック密封層、糖またはポリマー材料の層およびろうの光沢層からなる透明な、または不透明な保護層が、存在してもよい。色素を、異なる投薬単位間を区別することができるためにこれらのコーティングに加えることができる。
【0162】
経口液体、例えば溶液、シロップおよびエリキシル剤を、投薬単位の形態で調製し、したがって所定量が予め特定された量の化合物を含むようにすることができる。シロップを、化合物を水性溶液中に好適な風味剤とともに溶解することによって調製することができ、一方エリキシル剤を、無毒性アルコール性ビヒクルを使用して調製する。懸濁液を、化合物を無毒性ビヒクル中に分散させることによって処方することができる。可溶化剤および乳化剤、例えばエトキシル化イソステアリルアルコールおよびポリオキシエチレンソルビトールエーテル、保存剤、風味添加剤、例えばペパーミント油もしくは天然甘味剤もしくはサッカリン、または他の人工甘味料などを、同様に加えることができる。
【0163】
経口投与のための投薬単位処方物を、所望により、マイクロカプセル中にカプセル封入することができる。処方物はまた、放出が延長されるかまたは遅延されるように、例えば粒子状材料をポリマー、ろうなどの中にコーティングするかまたは包埋することによっても調製することができる。
【0164】
式(I)で表される化合物ならびにそれらの塩、溶媒和物および生理学的に官能性の誘導体ならびに他の活性成分はまた、リポソーム送達系、例えば小さな単層小胞(small unilamellar vesicles)、大きな単層小胞(large unilamellar vesicles)および多層小胞(multilamellar vesicles)の形態でも投与することができる。リポソームを、様々なリン脂質、例えばコレステロール、ステアリルアミンまたはホスファチジルコリンから形成することができる。
【0165】
式(I)で表される化合物ならびにそれらの塩、溶媒和物および生理学的に官能性の誘導体ならびに他の活性成分をまた、化合物分子が結合する個別の担体としてモノクローナル抗体を使用して送達することができる。当該化合物をまた、標的化された医薬担体としての可溶性ポリマーに結合させることができる。かかるポリマーは、パルミトイルラジカルにより置換されたポリビニルピロリドン、ピランコポリマー、ポリヒドロキシプロピル−メタクリルアミドフェノール、ポリヒドロキシエチルアスパラタミドフェノール(polyhydroxyethylaspartamidophenol)またはポリエチレンオキシドポリリシンを包含してもよい。当該化合物をさらに、医薬の制御された放出を達成するのに適する生分解性ポリマーの群、例えばポリ乳酸、ポリ−エプシロン−カプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリ−オルトエステル、ポリアセタール、ポリジヒドロキシピラン、ポリシアノアクリレートおよびヒドロゲルの架橋ブロックコポリマーまたは両親媒性のブロックコポリマーに結合させてもよい。
【0166】
経皮的投与に適応した医薬処方物を、レシピエントの表皮との長期間の、密接な接触のための独立した硬膏剤として投与することができる。よって、例えば、活性成分を、Pharmaceutical Research, 3(6), 318 (1986)に概括的な言葉として記載されているように、イオン泳動により硬膏剤から送達することがで
局所的投与に適応した医薬化合物を、軟膏、クリーム、懸濁液、ローション、散剤、溶液、ペースト、ゲル、スプレー、エアゾールまたは油として処方することができる。
【0167】
目または他の外部組織、例えば口および皮膚の処置のために、処方物を、好ましくは、局所用軟膏またはクリームとして適用する。軟膏を施与するための処方物の場合において、活性成分を、パラフィン系または水混和性クリームベースのいずれかとともに用いられ得る。あるいはまた、活性化合物を処方して、水中油型クリームベースまたは油中水型ベースを有するクリームを得ることができる。
目への局所的適用に適応した医薬処方物は、点眼剤を含み、ここで活性成分を、好適な担体、具体的には水性溶媒中に溶解するかまたは懸濁させる。
【0168】
口における局所的適用に適応した医薬処方物は、薬用キャンディー、トローチおよび洗口剤を包含する。
直腸内投与に適応した医薬処方物を、坐剤または浣腸剤の形態で投与することができる。
【0169】
担体物質が固体であって鼻腔内投与に適合した医薬処方物は、例えば20〜500ミクロンの範囲内の粒子の大きさを有する粗い粉末を含み、それを、嗅ぎタバコを服用するやり方において、すなわち鼻に近接して保持した散剤を含む容器からの鼻道を介しての迅速な吸入によって投与する。担体物質としての液体とともに鼻腔内スプレーまたは点鼻剤としての投与に好適な処方物は、水または油に溶解した活性成分溶液を包含する。
【0170】
吸入による投与に適応した医薬処方物は、微細粒子状細粉またはミストを包含し、それを、エアゾール、噴霧器または吸入器を有する様々なタイプの加圧ディスペンサーによって生じさせることができる。
膣内投与に適合した医薬処方物を、ペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、発泡体またはスプレー処方物として投与することができる。
【0171】
非経口投与に適応した医薬処方物は、酸化防止剤、緩衝剤、静菌剤および溶質を含む水性および非水性の無菌注射溶液であって、それによって処方物が処置するべきレシピエントの血液と等張になるもの;ならびに水性の、および非水性の無菌懸濁液であって、懸濁媒体および増粘剤を含んでいてもよいものを含む。処方物を、単一用量または複数用量の容器、例えばシールされたアンプルおよびバイアルにおいて投与し、使用の直前に滅菌の担体液体、例えば注射目的のための水を加えることのみを要するように、フリーズドライ(freeze-dried)(凍結乾燥(lyophilised))状態で貯蔵することができる。
【0172】
レシピに従って調製される注射溶液および懸濁液は、滅菌された散剤、顆粒および錠剤から調製され得る。
上でとりわけ述べられた構成成分に加えて、処方物もまた、処方物の具体的なタイプに関して当該分野において通常の他の剤を含んでいてもよいことは、言うまでもない;よって、例えば、経口投与に好適な処方物は、風味剤を含んでいてもよい。
【0173】
式Iで表される化合物および他の活性成分の治療的有効量は、例えば動物の年齢および体重、処置を必要とする正確な疾患状態およびその重篤度、処方物の性質および投与の方法を含む多くの因子に依存し、最終的には処置する医師または獣医師によって決定される。しかしながら、化合物の有効量は、一般に、1日あたり0.1〜100mg/レシピエント(哺乳動物)の体重1kgの範囲内、とりわけ典型的には1日あたり1〜10mg/体重1kgの範囲内である。よって、体重が70kgである成体の哺乳動物についての1日あたりの実際の量は、通常は70と700mgとの間であり、ここで、この量を、1日あたりの個々の用量として、または通常は1日あたり一連の部分用量(例えば2回分、3回分、4回分、5回分もしくは6回分)において投与し、したがって合計の1日用量が同一であるようにすることができる。その塩もしくは溶媒和物の、または生理学的に官能性の誘導体の有効量を、化合物自体の有効量の比として決定することができる。
【0174】
本発明はそのうえ、スフィンゴシン−1−ホスファート関連障害に罹患した対象を処置する方法に関し、前記方法は、該対象に、有効量の式(I)で表される化合物を投与することを含む。本発明は、好ましくは、スフィンゴシン−1−ホスファート−1関連障害が自己免疫障害または過敏性の免疫応答と関連する状態である方法に関する。
【0175】
本発明はそのうえ、免疫調節性異常または血液悪性腫瘍に罹患した対象を処置する方法に関し、前記方法は、該対象へ式(I)で表される化合物を、該免疫調節性異常または血液悪性腫瘍を処置するのに有効な量で投与することを含む。本発明は、好ましくは、免疫調節性異常が自己免疫または慢性炎症性疾患である方法に関する。
【0176】
例
1HNMR:
Bruker 400 MHz
HPLC:
方法A
方法:A:H
2O中0.1%TFA、B:ACN中0.1%TFA:フロー 2.0mL/min;勾配:0min 5%B、8.0min:100%B、8.1min:100%B、8.5min:5%B、10.0min:5%B。
カラム:CBridge C8(50×4.6mm、3.5μm)。
方法B
方法:10min 5%〜100%アセトニトリル 0.05%TFA。
カラム:CBridge C8(50×4.6mm、3.5μm)。
方法C
方法:10min;2mL/min;215nm;Puffer A 0.05%TFA/H2O;Puffer B 0,04% TFA/ACN;0.0−0.2min 5% Puffer B;0,2−8,5min 5%−100% Puffer B; 8.5−10.0min 99%−5% Puffer B
カラム: CBridge C8−3.5μm 4.6×502mm。
【0177】
中間体1a:[(1R)−1−アミノ−2−(3−エチルベンジル)ボロン酸(+)−ピナンジオールエステル
トリフルオロアセタート
ステップ1:(3−エチルフェニル)メタノール
圧力管中に入れたTHF(50.00ml)中3−ブロモベンジルアルコール(10.00g;52.40mmol;1.00eq.)の溶液へ、炭酸セシウム(51.73g;157.19mmol;3.00eq.)、トリエチル−ボラン(THF中1.0M)(157.19ml;157.19mmol;3.00eq.)および1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−フェロセン]−ジクロロパラジウム(II)(0.79g;1.05mmol;0.02eq.)を加えた。内容物を70℃にて5h加熱した。TLCによって反応の完了が示された。反応混合物を氷で冷却し、100mLの10%NaOH溶液、20mLの30%H
2O
2溶液でクエンチした(滴加)。反応混合物をさらにRTにて30分間撹拌した。反応混合物を再度冷却し、濃HCl(conc. HCl)で中和し、メチル三級ブチルエーテル(MTBE)で抽出した。有機層をNa
2SO
4上で乾燥させて濃縮した。粗製物を、8%酢酸エチルおよび石油エーテルを使用するカラムクロマトグラフィーで精製することで、3−エチルフェニル)−メタノール(7.00g;46.00mmol;87.8%;淡黄色液体;精製産物)が与えられた。
【0178】
1H NMR (400 MHz, CDCl
3): δ 7.32-7.28 (m, 1H), 7.23-7.13 (m, 3H), 4.97 (s, 1H), 4.69 (s, 2H), 2.71-2.63 (m, 2H), 1.28-1.23 (m, 3H)
【0179】
ステップ2:1−(ブロモメチル)−3−エチルベンゼン
ジエチルエーテル(70mL)中(3−エチルフェニル)メタノール(7.0g、46.0mmol)の冷却(0℃)溶液を三臭化リン(1.4mL、15.2mmol)で処置し、反応混合物を0℃にて30min撹拌した。反応混合物を次いで、氷中へ注ぎ入れ、エーテルで抽出した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させて濃縮した。粗生成物(9.1g、無色液体、70.7%)を精製せずに次のステップへそのまま用いた。
【0180】
1H NMR (400MHz, CDCl
3): δ 7.29-7.21 (m, 3H), 7.16-7.14 (m, 1H), 4.50 (s, 2H), 2.69-2.64 (m, 2H), 1.28-1.24 (m, 3H)
【0181】
ステップ3:2−(3−エチルベンジル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン
脱気された1,4−ジオキサン(90ml)中1−(ブロモメチル)−3−エチルベンゼン(9.1g、32.5mmol)の溶液を、ビス(ピナコラト)ジボロン(10.0g、39.0mmol)、炭酸カリウム(13.6g、97.5mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(1.9g、1.6mmol)で処置し、混合物を100℃にて12h加熱した。フラスコの内容物を室温まで冷却し、セライトベッド(a celite bed)に通して濾過した。濾過物を濃縮し、残渣を酢酸エチルに溶解し、ブラインで洗浄した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させて濃縮した。粗生成物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製し、石油エーテル中2%の酢酸エチルで溶離することで、表題化合物(8.7g、79%)が無色液体として得られた。
【0182】
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.19-7.15 (m, 1H), 7.03-6.96 (m, 3H), 2.64-2.59 (m, 2H), 2.28 (s, 2H), 1.23 (s, 12H)
【0183】
ステップ4:2−(3−エチルベンジル)ボロン酸(+)−ピナンジオールエステル
ジエチルエーテル(90ml)中2−(3−エチルベンジル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(8.7g、28.0mmol)の溶液を、(1S,2S,3R,5S)−(+)−ピナンジオール(7.2g、42.0mmol)で処置した。反応混合物を室温にて12h撹拌し、次いで混合物を水で2度、次いでブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、次いで濃縮した。粗生成物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製し、石油エーテル中3%の酢酸エチルで溶離することで、表題化合物(9.4g、無色液体、88%)が与えられた。
【0184】
1H NMR (400 MHz, CDCl
3): δ 7.19-7.16 (m, 1H), 7.04-6.97 (m, 3H), 4.29 (dd, J = 1.88, 8.74 Hz, 1H), 2.65-2.59 (m, 2H), 2.35-2.31 (m, 3H), 2.21-2.17 (m, 1H), 2.06 (t, J = 5.84 Hz, 1H), 1.90-1.82 (m, 2H), 1.40 (s, 3H), 1.29 (s, 3H), 1.10-1.07 (m, 1H), 0.84 (s, 3H). GCMS: m/z: 298.1
【0185】
ステップ5:[(1S)−1−クロロ−2−(3−エチルベンジル)ボロン酸(+)−ピナンジオールエステル
ジクロロメタン(3.1ml、48.0mmol)および無水テトラヒドロフラン(40ml)の冷却された(−100℃)混合物へ、n−ブチルリチウム(ヘキサン中1.6M、11.0ml、(17.6mmol)を20minにわたり加えた。−100℃にて20min撹拌した後、無水THF(20ml)中2−(3−エチルベンジル)ボロン酸(+)−ピナンジオールエステル(5.4g、16.0mmol)の溶液を20minにわたり加えた。次いで塩化亜鉛(THF中0.5M、28.8mL、14.4mmol)の溶液を、−100℃にて30minにわたり加えた。混合物が室温に達したら18h撹拌し、濃縮した。得られた油へジエチルエーテルおよび飽和塩化アンモニウムを加えた。有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させて真空濃縮した。残渣(5.5g、淡黄色油、99%)を次のステップへそのまま用いた。
【0186】
1H NMR (400 MHz, CDCl
3): δ 7.23-7.21 (m, 1H), 7.11-7.07 (m, 3H), 4.36 (dd, J = 1.84, 8.80 Hz, 1H), 3.70-3.66 (m, 1H), 3.20-3.18 (m, 1H), 3.13-3.11 (m, 1H), 2.67-2.61 (m, 2H), 2.35-2.34 (m, 1H), 2.18-2.16 (m, 1H), 2.08 (t, J = 5.96 Hz, 1H), 1.92-1.86 (m, 3H), 1.39 (s, 3H), 1.29 (s, 3H), 1.26-1.22 (m, 3H), 1.11-1.08 (m, 1H), 0.85 (s, 3H). GCMS: m/z: 346.2
【0187】
ステップ6:[(1R)−1−[ビス(トリメチルシリル)アミノ]−2−(3−エチルベンジル)ボロン酸(+)−ピナンジオールエステル
40mlの無水テトラヒドロフラン中[(1S)−1−クロロ−2−(3−エチルベンジル)ボロン酸(+)−ピナンジオールエステル(5.5g、15.9mmol)の冷却された(−78℃)溶液へ、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(THF中1M、19.8ml、19.8mmol)を加えた。混合物が室温に到達したら18h撹拌し、乾固するまで濃縮した。得られた残渣へヘキサンを加え、次いで沈殿した固体を濾別した。濾過物を濃縮させることで必要な粗生成物(7.3g、オレンジ色油、97%)が与えられ、それを次のステップへ精製せずにそのまま用いた。
【0188】
1H NMR (400 MHz, CDCl
3): δ 7.18-7.16 (m, 1H), 7.10-7.05 (m, 2H), 7.01-7.00 (m, 1H), 4.30 (dd, J = 1.72, 8.72 Hz, 1H), 3.04-3.00 (m, 1H), 2.84-2.83 (m, 1H), 2.67-2.60 (m, 3H), 2.35-2.33 (m, 1H), 2.14-2.12 (m, 1H), 2.02 (t, J = 5.80 Hz, 1H), 1.92-1.87 (m, 2H), 1.39 (s, 3H), 1.28 (s, 3H), 1.26-1.22 (m, 3H), 1.00-0.97 (m, 1H), 0.85 (s, 3H), 0.09 (s, 18H).
【0189】
ステップ7:[(1R)−1−アミノ−2−(3−エチルベンジル)ボロン酸(+)−ピナンジオールエステルトリフルオロアセタート
ジエチルエーテル(35ml)中[(1R)−1−[ビス(トリメチルシリル)アミノ]−2−(3−エチルベンジル)ボロン酸(+)−ピナンジオールエステル(7.3g、15.5mmol)の冷却された(0℃)溶液を、トリフルオロ酢酸(3.6ml、46.4mmol)の滴下で処置した。反応混合物を次いでRTにて3h撹拌した。沈殿が見られた。反応混合物を0℃まで冷却して濾過した。濾過された個体を冷エーテルで洗浄し真空下で乾燥させることで、表題化合物(2.8g、白色固体、41%)が与えられた。
【0190】
1H NMR (400 MHz, CDCl
3): δ 7.78 (s, 3H), 7.26-7.22 (m, 1H), 7.12-7.09 (m, 3H), 4.31 (dd, J = 1.80, 8.68 Hz, 1H), 3.20-3.11 (m, 2H), 3.05-2.99 (m, 1H), 2.65-2.59 (m, 2H), 2.24-2.17 (m, 2H), 1.96 (t, J = 5.68 Hz, 1H), 1.90-1.88 (m, 1H), 1.85-1.80 (m, 1H), 1.33 (s, 3H), 1.26 (s, 3H), 1.23 (t, J = 7.60 Hz, 3H), 1.06-1.03 (m, 1H), 0.80 (s, 3H).
【0191】
中間体1b:2−(7−メチル−ベンゾフラン−3−イル)−1−((1S,2S,6R,8S)−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.02,6]デカ−4−イル)−エチルアミン塩酸塩
ステップ1:7−メチル−ベンゾフラン−3−カルボン酸エチルエステル
【化70】
ジクロロメタン(120mL)中2−ヒドロキシ−3−メチル−ベンズアルデヒド(20.00g;139.55mmol;1.00eq.)の溶液へ、テトラフルオロホウ酸ジエチルエーテル複合体(1.88ml;13.96mmol;0.10eq.)を加えた。得られた暗赤色混合物へ、ジクロロメタン(80mL)中ジアゾ酢酸エチル(31.70ml;300.04mmol;2.15eq.)を、25〜30℃(内部温度)にて約50min、ゆっくり滴加した。(注:N
2の放出が観察された)。16h後、濃H
2SO
4を加えた。反応混合物を30min撹拌した。反応混合物を次いで、固体NaHCO
3で中和し、セライトに通して濾過し、濾過物を濃縮することで粗残渣が得られた。残渣を、石油エーテル中2%酢酸エチルを使用するカラムクロマトグラフィーで精製することで、7−メチル−ベンゾフラン−3−カルボン酸エチルエステル(19.00g;86.83mmol;62.2%;黄色油;精製産物)が与えられた。
【0192】
HPLC(方法A):RT 4.98min(HPLC純度 93%)
1H NMR, 400 MHz, CDCl
3: 8.27 (s, 1H), 7.88-7.90 (m, 1H), 7.25-7.29 (m, 1H), 7.17 (d, J = 7.32 Hz, 1H), 4.39-4.45 (m, 2H), 2.55 (s, 3H), 1.44 (t, J = 7.16 Hz, 3H).
【0193】
ステップ2:(7−メチル−ベンゾフラン−3−イル)−メタノール
【化71】
ジクロロメタン(190.00ml;10.00V)中7−メチル−ベンゾフラン−3−カルボン酸エチルエステル(19.00g;86.83mmol;1.00eq.)の溶液へ、窒素下で、水素化ジイソブチルアルミニウム(トルエン1.0M)(191.03ml;191.03mmol;2.20eq.)を−78℃にて滴加した。反応混合物がRTまできたら1h撹拌した。反応混合物を氷浴で冷却し、1.5N HClの水溶液でクエンチした。得られた混合物(溶媒に懸濁された粘着性の固体塊を有した)を酢酸エチルで希釈し、セライトに通して濾過した。セライトベッドを酢酸エチルおよびジクロロメタンで徹底的に洗浄した。濾過物を蒸発させたら粗残渣が得られた。セライトベッドに残存していた固体を取り、酢酸エチルですりつぶし濾過した。濾過物を粗残渣と一緒に混合し、蒸発させた。このようにして得られた残渣を酢酸エチル中に取り込ませ、1.5N HClの水溶液およびブラインで洗浄した。有機層を無水Na
2SO
4上で乾燥させて濃縮した。得られた残渣を、石油エーテル中40〜50%酢酸エチルを溶離剤として使用するフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製することで、(7−メチル−ベンゾフラン−3−イル)−メタノール(8.20g;48.40mmol;55.7%;淡黄色油;精製産物)が得られた。
【0194】
HPLC(方法A):RT 3.33min.、(HPLC純度 95.7%)。
1H NMR, 400 MHz, CDCl
3: 7.64 (s, 1H), 7.50-7.52 (m, 1H), 7.17-7.21 (m, 1H), 7.14 (d, J = 7.20 Hz, 1H), 4.86-4.86 (m, 2H), 2.54 (s, 3H).
【0195】
ステップ3:3−(ブロモメチル)−7−メチル−ベンゾフラン
【化72】
ジエチルエーテル(82.00ml;10.00V)中(7−メチル−ベンゾフラン−3−イル)−メタノール(8.20g;48.40mmol;1.00eq.)の氷冷された溶液へ、窒素雰囲気下で、三臭化リン(1.53ml;16.12mmol;0.33eq.)を滴加し、反応混合物を氷冷条件にて30分間撹拌した。反応混合物を氷中へ注ぎ入れ、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を無水Na
2SO
4上で乾燥させて濃縮することで、3−ブロモメチル−7−メチル−ベンゾフラン(10.00g;44.43mmol;91.8%;無色油)が与えられた。粗生成物を次のステップへ精製せずに用いた。
【0196】
1H NMR, 400 MHz, CDCl
3: 7.71 (s, 1H), 7.53-7.55 (m, 1H), 7.21-7.25 (m, 1H), 7.16 (d, J = 7.32 Hz, 1H), 4.65 (s, 2H), 2.48 (s, 3H).
【0197】
ステップ4:7−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イルメチル)−ベンゾフラン
【化73】
脱気されたジオキサン−1,4(100.00ml;10.00V)中3−ブロモメチル−7−メチル−ベンゾフラン(10.00g;44.43mmol;1.00eq.)の溶液へ、ビス(ピナコラト)ジボロン(13.68g;53.31mmol;1.20eq.)、乾燥されたK
2CO
3(18.61g;133.28mmol;3.00eq.)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(2.57g;2.22mmol;0.05eq.)を加えた。反応混合物を次いで、100℃にて窒素雰囲気下16h加熱した。反応混合物をジクロロメタンで希釈し、セライトに通して濾過した。濾過物を濃縮した。残渣を酢酸エチルに溶解させてブラインで洗浄した。有機層を無水Na
2SO
4上で乾燥させて濃縮した。粗製物を、石油エーテル中2%酢酸エチルを使用するカラムクロマトグラフィーで精製することで、7−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イルメチル)−ベンゾフラン(5.00g;18.37mmol;41.4%;無色液体;精製産物)が得られた。
【0198】
1H NMR, 400 MHz, DMSO-d6: 7.65 (s, 1H), 7.33-7.35 (m, 1H), 7.07-7.13 (m, 2H), 2.43 (s, 3H), 2.13 (s, 2H), 1.16 (s, 12H).
【0199】
ステップ5:トリメチル−4−(7−メチル−ベンゾフラン−3−イルメチル)−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.02,6]デカン
【化74】
Et
2O(50.00ml;10.00V)中7−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イルメチル)−ベンゾフラン(5.00g;18.37mmol;1.00eq.)の氷冷された溶液へ、窒素雰囲気下で、1S,2S,3R,5S−(+)−2,3−ピナンジオール(4.69g;27.56mmol;1.50eq.)を加え、反応混合物をRTにて14h撹拌した。TLC分析によって反応の完了が示された。反応混合物をブラインで洗浄した。有機層を無水Na
2SO
4上で洗浄して濃縮した。粗製物を、石油エーテル中2%酢酸エチルを使用するフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製することで、(1S,2S,6R,8S)−2,9,9−トリメチル−4−(7−メチル−ベンゾフラン−3−イルメチル)−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.02,6]デカン(5.00g;13.00mmol;70.7%;無色液体;精製産物)が得られた。
【0200】
GCMS:m/z:324.2
1H NMR, 400 MHz, CDCl
3: 7.53-7.55 (m, 1H), 7.39-7.40 (m, 1H), 7.12-7.27 (m, 1H), 7.06-7.08 (m, 1H), 4.31-4.34 (m, 1H), 2.53 (s, 3H), 2.30-2.37 (m, 1H), 2.26 (s, 2H), 2.18-2.23 (m, 1H), 2.07 (t, J = 5.76 Hz, 1H), 1.84-1.93 (m, 2H), 1.42 (s, 3H), 1.29 (s, 3H), 1.12-1.15 (m, 1H), 0.85 (s, 3H).
【0201】
ステップ6:(1S,2S,6R,8S)−4−[1−クロロ−2−(7−メチル−ベンゾフラン−3−イル)−エチル]−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.02,6]デカン
【化75】
THF(40mL)中ジクロロメタン(2.96ml;46.26mmol;3.00eq.)を、窒素の陽圧下でRBフラスコに入れ、液体窒素−エタノール混合物を使用して−95℃まで冷却した。内部温度が−95℃と−100℃との間に維持され得るように、これへ、n−ブチルリチウム(ヘキサン中1.6M)(10.60ml;16.96mmol;1.10eq.)を、RBフラスコの側面を通して滴加した(中ぐらいの速度にて、添加に約30minかかった)。添加後、反応混合物を20分間撹拌した。反応の経過中、白色沈殿物が形成された(内部温度を−95℃と−100℃との間に維持した)。次いで、内部温度が−95℃と−100℃との間に維持され得るように、THF(20mL)中(1S,2S,6R,8S)−2,9,9−トリメチル−4−(7−メチル−ベンゾフラン−3−イルメチル)−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.02,6]デカン(5.00g;15.42mmol;1.00eq.)の溶液を、RBフラスコの側面を通して滴加した(約25min)。
【0202】
添加後すぐに、内部温度が−95℃と−100℃との間に維持され得るように、塩化亜鉛(THF中0.5M)(27.76ml;13.88mmol;0.90eq.)を、RBフラスコの側面を通して滴加した(中ぐらいの速度にて、添加に約45minかかった)。反応混合物が次いで、ゆっくりRTに到達したら、RTにて16h撹拌した。反応混合物を濃縮した(浴の温度 30℃)。残渣をジエチルエーテルと飽和NH
4Cl溶液との間で分配した。有機層分離し、上で乾燥させて濃縮したことで(浴の温度 30℃)、(1S,2S,6R,8S)−4−[1−クロロ−2−(7−メチル−ベンゾフラン−3−イル)−エチル]−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.02,6]デカン(5.90g;15.83mmol;102.7%;茶色液体;粗生成物)が与えられた。
【0203】
1H NMR, 400 MHz, CDCl
3: 7.57 (s, 1H), 7.42-7.44 (m, 1H), 7.27 (s, 1H), 7.09-7.18 (m, 1H), 4.34-4.36 (m, 1H), 3.74-3.76 (m, 1H), 3.28-3.30 (m, 1H), 3.20-3.22 (m, 1H), 2.52 (s, 3H), 2.32-2.34 (m, 1H), 2.07 (t, J = 5.88 Hz, 1H), 1.85-1.91 (m, 2H), 1.42 (s, 3H), 1.29 (s, 3H), 1.06-1.09 (m, 1H), 0.85 (s, 3H).
【0204】
ステップ7:((1S,2S,6R,8S)−4−[1−(1,1,1,3,3,3−ヘキサメチル−ジシラザン−2−イル)−2−(7−メチル−ベンゾフラン−3−イル)−エチル]−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.02,6]デカン
【化76】
THF(40.00ml;6.78V)中(1S,2S,6R,8S)−4−[1−クロロ−2−(7−メチル−ベンゾフラン−3−イル)−エチル]−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.02,6]デカン(5.90g;15.83mmol;1.00eq.)の溶液を、窒素の陽圧雰囲気下で、−78℃まで冷却した。これへ、リチウム(ビストリメチルシリル)アミド(THF中1.0M)(17.41ml;17.41mmol;1.10eq.)の溶液を、30分間の期間にあたり滴加した。反応混合物がRTに到達したら、RTにて18h撹拌した。反応混合物を30℃にて蒸発させた。残渣をn−ヘキサンですりつぶし、形成された固体を濾過した。濾過物を30℃にて濃縮することで、(1S,2S,6R,8S)−4−[1−(1,1,1,3,3,3−ヘキサメチル−ジシラザン−2−イル)−2−(7−メチル−ベンゾフラン−3−イル)−エチル]−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.02,6]デカン(6.00g;12.06mmol;76.2%;暗褐色油;粗生成物)が得られた。
【0205】
粗生成物を次のステップへ精製せずに用いた。生成物を
1H−NMRで確認し、LCMS条件において不安定であった。
1H NMR, 400 MHz, CDCl
3: 7.50 (s, 1H), 7.41-7.43 (m, 1H), 7.12-7.16 (m, 1H), 7.06-7.08 (m, 1H), 4.29-4.32 (m, 1H), 3.17-3.09 (m, 1H), 2.70-2.89 (m, 1H), 2.52-2.70 (m, 1H), 2.52 (s, 3H), 2.28-2.31 (m, 1H), 2.14-2.14 (m, 1H), 2.03 (t, J = 5.68 Hz, 1H), 1.78-1.89 (m, 2H), 1.39 (s, 3H), 1.31 (s, 3H), 1.01-1.04 (m, 1H), 0.90-0.92 (m, 2H), 0.88 (s, 3H), 0.12 (s, 18H).
【0206】
ステップ8:2−(7−メチル−ベンゾフラン−3−イル)−1−((1S,2S,6R,8S)−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.02,6]デカ−4−イル)−エチルアミン塩酸塩
【化77】
ジエチルエーテル(60.00ml;10.00V)中(1S,2S,6R,8S)−4−[1−(1,1,1,3,3,3−ヘキサメチル−ジシラザン−2−イル)−2−(7−メチル−ベンゾフラン−3−イル)−エチル]−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.02,6]デカン(6.00g;12.06mmol;1.00eq.)の撹拌された溶液を、窒素雰囲気下で、−10ドまで冷却した。これへ、ジエチルエーテル(15.07ml;30.14mmol;2.50eq.)中の塩酸の2M溶液を滴加した。反応混合物をRTにて2h撹拌した。反応混合物を30℃にて蒸発させた。残渣へ、ジエチルエーテル(20mL)を加え、形成された固体を濾別し、冷ジエチルエーテルで洗浄し、真空下で乾燥させることで、2−(7−メチル−ベンゾフラン−3−イル)−1−((1S,2S,6R,8S)−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.02,6]デカ−4−イル)−エチルアミン塩酸塩(3.50g;8.98mmol;74.5%;暗いオレンジ色の固体;粗生成物)が得られた。
【0207】
1H NMR, 400 MHz, DMSO-d6: 8.09 (s, 3H), 7.83 (s, 1H), 7.52-7.53 (m, 1H), 7.12-7.19 (m, 2H), 4.39 (dd, J = 1.84, 8.62 Hz, 1H), 3.07-3.13 (m, 1H), 3.03-3.07 (m, 2H), 2.43 (s, 4H), 2.28-2.30 (m, 1H), 2.07-2.08 (m, 1H), 1.92 (t, J = 5.68 Hz, 1H), 1.82-1.84 (m, 1H), 1.71-1.75 (m, 1H), 1.19-1.25 (m, 8H), 1.00-1.08 (m, 1H), 0.78 (s, 3H).
【0208】
中間体1c:(R)−2−(2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−3−イル)−1−((1S,2S,6R,8S)−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.02,6]デカ−4−イル)−エチルアミン塩酸塩
ステップ1:(1S,2S,6R,8S)−4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−3−イルメチル)−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.02,6]デカン
【化78】
【0209】
小さなクレーブにおいて、メタノール(100.00ml;20.00V)中(1S,2S,6R,8S)−4−ベンゾフラン−3−イルメチル−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.02,6]デカン(5.00g;10.72mmol;1.00eq.)の溶液へ、炭素上のパラジウム(10wt%)(2.28g;2.14mmol;0.20eq.)を加えた。内容物を5Kg/cm
2のH
2圧力下で3h水素化した。TLC分析によって、完全な変換が明らかにされた。反応混合物をセライトに通して濾過し、濾過物を蒸発させた。粗製物を、Biotage-isoleraカラムクロマトグラフィー(C18カラム;移動相:ACN/H
2O;50:50の定組成)により精製することで、(1S,2S,6R,8S)−4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−3−イルメチル)−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.02,6]デカン(4.10g;13.13mmol;122.5%;淡黄色液体;精製産物)が得られた。
GCMS:m/z:312.3。
【0210】
ステップ2:(1S,2S,6R,8S)−4−[1−クロロ−2−(7−メチル−ベンゾフラン−3−イル)−エチル]−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.02,6]デカン
【化79】
THF(40.00ml;10.00V)中ジクロロメタン(2.46ml;38.44mmol;3.00eq.)を、窒素の陽圧下で、RBフラスコ中に入れ、液体窒素−エタノール混合物を使用して−95℃まで冷却した。これへ、内部温度を−95℃と−100℃との間に維持され得るように、n−ブチルリチウム(THF中1.6M)(8.81ml;14.09mmol;1.10eq.)を、RBフラスコの側面を通して滴加した(中ぐらいの速度にて、添加に約20minかかった)。添加後、反応混合物を25分間撹拌した。反応の経過中、白色沈殿物が形成された(内部温度を−95℃と−100℃との間に維持した)。次いで、内部温度が−95℃と−100℃との間に維持され得るように、THF(15.00ml;3.75V)中(1S,2S,6R,8S)−4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−3−イルメチル)−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.02,6]デカン(4.00g;12.81mmol;1.00eq.)の溶液を、RBフラスコの側面を通して滴加した(約25min)。
【0211】
添加後すぐに、内部温度が−95℃と−100℃との間に維持され得るように、塩化亜鉛(THF中0.5M)(25.62ml;12.81mmol;1.00eq.)を、RBフラスコの側面を通して滴加した(中ぐらいの速度にて、添加に約25minかかった)。反応混合物を次いで、RTにゆっくり到達させたら、RTにて18h撹拌した。反応混合物を濃縮した(浴の温度 30℃)。残渣をジエチルエーテルと飽和NH
4Cl溶液との間で分配した。有機層を上で乾燥させて濃縮することで(浴の温度 30℃)、(1S,2S,6R,8S)−4−[(S)−1−クロロ−2−(2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−3−イル)−エチル]−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.02,6]デカン(4.60g;12.75mmol;99.5%;黄色油;粗生成物)が与えられた。生成物は、LCMS&HPLC条件において不安定であり、
1H NMRで確認した。
キラルデータは、その生成物については取ることができなかった。その生成物のほとんどがS異性体であったと推測された。
【0212】
1H NMR, 400 MHz, CDCl
3: 7.29 (d, J = 6.72 Hz, 1H), 7.21-7.10 (m, 1H), 6.90-6.77 (m, 2H), 4.68-4.65 (m, 1H), 4.32-4.29 (m, 2H), 3.65-3.60 (m, 1H), 2.40-2.08 (m, 4H), 1.94-1.85 (m, 2H), 1.42 (s, 3H), 1.33 (s, 3H), 1.22 (s, 3H), 1.17-1.15 (m, 1H), 0.86 (s, 3H).
【0213】
ステップ3:(1S,2S,6R,8S)−4−[(R)−2−(2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−3−イル)−1−(1,1,1,3,3,3−ヘキサメチル−ジシラザン−2−イル)−エチル]−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.02,6]デカン
【化80】
【0214】
THF(45.00ml;9.78V)中(1S,2S,6R,8S)−4−[(S)−1−クロロ−2−(2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−3−イル)−エチル]−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.02,6]デカン(4.60g;12.75mmol;1.00eq.)の溶液を、窒素の圧力雰囲気下で、−78℃まで冷却した。これへ、リチウム(ビストリメチルシリル)アミド(THF中1.0M)(16.58ml;16.58mmol;1.30eq.)の溶液を、30分間の期間にわたり滴加した。反応混合物をRTに到達させて、RTにて18h撹拌した。反応混合物を30℃にて蒸発させた。残基をヘキサンですりつぶし、形成された固体を濾過した。濾過物を真空下でしばらくの間静置させて、固体がいくらかでも形成された場合、再度濾過した。濾過物を30℃にて濃縮することで、(1S,2S,6R,8S)−4−[(R)−2−(2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−3−イル)−1−(1,1,1,3,3,3−ヘキサメチル−ジシラザン−2−イル)−エチル]−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.02,6]デカン(3.77g;7.76mmol;60.9%;黄色油;粗生成物)が得られた。粗生成物を次のステップへ精製せずに用いた。生成物を
1H−NMRで確認し、LCMS条件において不安定であった。
形成されたほとんどの生成物はR異性体であった。
【0215】
1H NMR, 400 MHz, CDCl
3: 7.22-7.10 (m, 2H), 6.90-6.79 (m, 2H), 4.62-4.59 (m, 1H), 4.33-4.27 (m, 1H), 2.34-2.20 (m, 2H), 2.07-2.05 (m, 1H), 1.94-1.84 (m, 2H), 1.40 (s, 3H), 1.30 (s, 3H), 1.15-1.13 (m, 1H), 0.86 (s, 3H), 0.10 (s, 18H).
【0216】
ステップ4:(R)−2−(2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−3−イル)−1−((1S,2S,6R,8S)−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.02,6]デカ−4−イル)−エチルアミン塩酸塩
【化81】
Et
2O(35.00ml;9.28V)中(1S,2S,6R,8S)−4−[(R)−2−(2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−3−イル)−1−(1,1,1,3,3,3−ヘキサメチル−ジシラザン−2−イル)−エチル]−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.02,6]デカン(3.77g;7.76mmol;1.00eq.)の撹拌された溶液を、窒素雰囲気下で、−10℃まで冷却した。これへ、ジエチルエーテル(9.70ml;19.41mmol;2.50eq.)中の塩酸の2M溶液を滴加した。反応混合物をRTにて2h撹拌した。反応混合物を減圧下で蒸発乾固させることで、固体が得られた。形成された固体をジエチルエーテルですりつぶし、濾過し、ジエチルエーテルで洗浄し、真空下で乾燥させることで、(R)−2−(2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−3−イル)−1−((1S,2S,6R,8S)−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.02,6]デカ−4−イル)−エチルアミン塩酸塩(2.30g;5.25mmol;67.7%;薄茶色固体;精製産物)が得られた。
分析によって、示された(
*)位置にて異性体の存在が示された(〜65.50%+20.75%)。
LCMS:4.73min.、86.25%(最大)、80.47%(220nm)、342.20(M+1)。
【0217】
1H NMR, 400 MHz, DMSO-d6: 8.11 (s, 3H), 7.23-7.19 (m, 1H), 7.13-7.10 (m, 1H), 6.85 (t, J = 7.40 Hz, 1H), 6.77 (d, J = 8.04 Hz, 1H), 4.61-4.57 (m, 1H), 4.48-4.45 (m, 1H), 4.25-4.22 (m, 1H), 3.68-3.62 (m, 1H), 2.90-2.85 (m, 1H), 2.34-2.32 (m, 1H), 2.19-2.17 (m, 1H), 2.02-1.99 (m, 2H), 1.89-1.77 (m, 3H), 1.39 (s, 3H), 1.25 (s, 3H), 1.17-1.14 (m, 1H), 0.82 (s, 3H).
【0218】
同様の順序によって、以下の化合物を調製することができる:
【化82】
式中基Yは、例えば以下の基の1つを示す:
【0220】
上の定義に従うと、RxおよびRyは、独立して、Hal、CN、R
3a、OR
3a、CONHR
3a、CONR
3bR
3a、CONH
2、NR
3aCOR
3b、SO
2R
3a、SOR
3a、NHR
3a、N(R
3a)
2、(CH
2)
q−SR
3a、(CH
2)
q−N(R
3a)
2および/または(CH
2)
q−Zを示してもよい。具体的には、Rは、F、Cl、Br、OCH
3、OC
2H
5、CH
2OCH
3、CH
3、C
2H
5、CF
3、OCF
3、フェニル、ビフェニル、ナフチル、フリル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、モルホリニル、ピペラジニル、ベンゾフリル、ベンゾジオキソリルおよび/またはピリジルからなる群から選択されてもよいし、さらにより好ましくはF、Cl、Br、CH
3、C
2H
5、CF
3、OCH
3、OC
2H
5、COCF
3、SCH
3、SC
2H
5、N(CH
3)
2、CH
2N(CH
3)
2および/またはN(C
2H
5)
2を含む群から選択されてもよい。
【0222】
ステップ1:ベンゾフラン−3−イルメタノール
メタノール(50mL)中の1−ベンゾフラン−3−カルバルデヒド(5g、34.2mmol)の溶液を氷で冷却し、水素化ホウ素ナトリウム(1.9g、51.3mmol)を滴加した。反応混合物を室温で1時間攪拌した。反応混合物を濃縮し、残渣を飽和塩化アンモニウムと酢酸エチルとの間で分配した。有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。粗生成物(5.0g、無色液体、98%)を、精製することなく次の工程でそのまま使用した。
【0223】
1H NMR (400 MHz, CDCl
3): δ 7.70-7.68 (m, 1H), 7.62 (s, 1H), 7.52-7.50 (m, 1H), 7.36-7.26 (m, 2H), 4.86 (s, 2H).
【0224】
ステップ2:3−(ブロモメチル)ベンゾフラン
ジエチルエーテル(50mL)中のベンゾフラン−3−イルメタノール(5.0g、33.7mmol)の冷(0℃)溶液を三臭化リン(1.1mL、11.2mmol)で処理し、反応混合物を0℃で30分間撹拌した。次いで、反応混合物を氷に注ぎ、エーテルで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した粗製物(7.1g、黄色液体、100%)を、精製することなく次の工程でそのまま使用した。
【0225】
1H NMR (400MHz, CDCl
3): δ 7.74-7.71 (m, 2H), 7.53 (s, 1H), 7.39-7.31 (m, 2H), 4.65 (s, 2H).
【0226】
ステップ3:2−(ベンゾフラン−3−イルメチル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン
脱気した1,4−ジオキサン(70ml)中の3−(ブロモメチル)ベンゾフラン(7.1g、33.8mmol)の溶液をビス(ピナコラト)ジボロン(10.3g、40.5mmol)、炭酸カリウム(13.9g、101.0mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(1.9g、1.7mmol)で処理し、混合物を100℃で12時間加熱した。フラスコの内容物を室温まで冷却し、セライト床で濾過した。濾液を濃縮し、粗生成物を、シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、石油エーテル中の2〜5%酢酸エチルで溶離し、表題化合物(6.1g、69%)を黄色油状物として得た。
【0227】
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.57-7.52 (m, 2H), 7.46-7.44 (m, 1H), 7.30-7.21 (m, 2H), 2.23 (s, 2H), 1.29 (s, 12H).
【0228】
ステップ4:2−(ベンゾフラン−3−イルメチル)ボロン酸(+)−ピナンジオールエステル
ジエチルエーテル(60ml)中の2−(ベンゾフラン−3−イルメチル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(6.1g、23.6mmol)の溶液を(1S,2S,3R,5S)−(+)−ピナンジオール(6.0g、35.4mmol)で処理した。反応混合物を室温で12時間撹拌し、次いで混合物を水で2回、次いでブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、次いで濃縮した。粗生成物を、シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、石油エーテル中の5%酢酸エチルで溶離し、標記化合物(6.3g、82%)を得た。
【0229】
1H NMR (400 MHz, CDCl
3): δ 7.58-7.56 (m, 1H), 7.55-7.53 (m, 1H), 7.46-7.44 (m, 1H), 7.28-7.23 (m, 2H), 4.33 (dd, J = 1.88, 8.76 Hz, 1H), 2.34-2.32 (m, 1H), 2.28 (s, 2H), 2.22-2.21 (m, 1H), 2.08 (t, J = 5.88 Hz, 1H), 1.42 (s, 3H), 1.29 (s, 3H), 1.13 (d, J = 10.92 Hz, 1H), 0.85 (s, 3H). GCMS: m/z: 310.
【0230】
ステップ5:[(1S)−1−クロロ−2−(ベンゾフラン−3−イルメチル)ボロン酸(+)−ピナンジオールエステル
ジクロロメタン(6.3ml、60.9mmol)および無水テトラヒドロフラン(36ml)の冷却した(−100℃)混合物にn−ブチルリチウム(1.6Mヘキサン溶液、14.0ml、22.3mmol)を20分かけて加えた。20分間撹拌した後、−100℃で、無水THF(22ml)中の2−(ベンゾフラン−3−イルメチル)ボロン酸(+)−ピナンジオールエステル(6.3g、20.3mmol)の溶液を20分かけて加えた。次に塩化亜鉛の溶液(THF中0.5M、36.5mL、18.2mmol)を−100℃で30分かけて加えた。混合物を室温にし、18時間撹拌し、濃縮した。得られた油にジエチルエーテルおよび飽和塩化アンモニウムを加えた。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣(7.3g、99%)をそのまま次の工程に用いた。
【0231】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 7.60-7.57 (m, 2H), 7.49-7.47 (m, 1H), 7.31-7.25 (m, 2H), 4.36-4.34 (m, 1H), 3.31-3.29 (m, 1H), 3.24-3.22 (m, 1H), 2.35-2.31 (m, 1H), 2.14-2.12 (m, 1H), 2.06 (t, J = 5.84 Hz, 1H), 1.90-1.86 (m, 2H), 1.42 (s, 3H), 1.04 (d, J = 11.04 Hz, 1H), 0.85 (s, 3H). GCMS: m/z: 358.2.
【0232】
ステップ6:[(1R)−1−[ビス(トリメチルシリル)アミノ]−2−(ベンゾフラン−3−イルメチル)ボロン酸(+)−ピナンジオールエステル
40mlの無水テトラヒドロフラン中の[(1S)−1−クロロ−2−(ベンゾフラン−3−イルメチル)ボロン酸(+)−ピナンジオールエステル(7.3g、20.3mmol)の冷却(−78℃)溶液に、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(THF中1M、25.5ml、25.5mmol)を加えた。混合物を室温にし、18時間撹拌し、濃縮乾固した。得られた残渣にヘキサンを加え、次いで沈殿した固体を濾別した。濾液を濃縮して、所望の粗生成物(6.7g、68%)を得て、これをそのまま精製することなく次の工程に用いた。
【0233】
1H NMR (400 MHz, CDCl
3): δ 7.60-7.59 (m, 1H), 7.50-7.45 (m, 2H), 7.28-7.24 (m, 2H), 4.31 (dd, J = 1.56, 8.70 Hz, 1H), 3.18-3.14 (m, 1H), 2.92-2.90 (m, 1H), 2.75-2.72 (m, 1H), 2.34-2.30 (m, 1H), 2.15-2.14 (m, 1H), 2.03 (t, J = 5.68 Hz, 1H), 1.88-1.80 (m, 2H), 1.39 (s, 3H), 1.30 (s, 3H), 1.01 (d, J = 10.88 Hz, 1H), 0.84 (s, 3H), 0.09 (s, 18H).
【0234】
ステップ7:[(1R)−1−アミノ−2−(ベンゾフラン−3−イルメチル)ボロン酸(+)−ピナンジオールエステルトリフルオロアセタート
ジエチルエーテル(30ml)中の[(1R)−1−[ビス(トリメチルシリル)アミノ]−2−(ベンゾフラン−3−イルメチル)ボロン酸(+)−ピナンジオールエステル(6.7g、13.9mmol)の冷却(0℃)溶液を、トリフルオロ酢酸(3.2ml、41.7mmol)で滴下処理した。次いで、反応混合物を室温で3時間撹拌した。沈殿が見られた。反応混合物を0℃に冷却し、濾過した。濾過した固体を冷エーテルで洗浄し、真空下で乾燥させて、表題化合物(2.3g、白色固体、36%)を得た。
【0235】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 7.66 (s, 1H), 7.61-7.60 (m, 1H), 7.47-7.45 (m, 1H), 7.29-7.20 (m, 2H), 4.30-4.28 (m, 1H), 3.27-3.16 (m, 3H), 2.25-2.13 (m, 3H), 1.94 (t, J = 5.56 Hz, 1H), 1.86-1.81 (m, 2H), 1.25 (s, 6H), 1.01 (d, J = 8.00 Hz, 1H), 0.75 (s, 3H).
【0237】
ステップ1:4,4,5,5−テトラメチル−2−(4−メチルベンジル)−1,3,2−ジオキサボロラン
脱気した1,4−ジオキサン(100ml)中の4−メチルベンジルブロミド(10.0g、53.5mmol)の溶液を、ビス(ピナコラト)ジボロン(16.5g、64.2mmol)、炭酸カリウム(22.6g、160.5mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(3.1g、2.7mmol)で処理し、混合物を100℃で12時間加熱した。フラスコの内容物を室温まで冷却し、セライト床で濾過した。濾液を濃縮し、残渣を酢酸エチルに溶解し、ブラインで洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。粗生成物をシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、石油エーテル中の2%酢酸エチルで溶離し、表題化合物(9.3g、70%)を無色液体として得た。
【0238】
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.10-7.04 (m, 4H), 2.30 (s, 3H), 2.26 (s, 2H), 1.24 (s, 12H).
【0239】
ステップ2:2−(4−メチルベンジル)ボロン酸(+)−ピナンジオールエステル
ジエチルエーテル(90ml)中の4,4,5,5−テトラメチル−2−(4−メチルベンジル)−1,3,2−ジオキサボロラン(9.3g、37.6mmol)の溶液を(1S,2S,3R,5S)−(+)−ピナンジオール(9.7g、56.4mmol)で処理した。反応混合物を室温で12時間撹拌し、次いで混合物を水で2回、次いでブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、次いで濃縮した。粗生成物を、シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、石油エーテル中の3%酢酸エチルで溶離し、標記化合物(11.0g、無色液体、93%)を得た。
【0240】
1H NMR (400 MHz, CDCl
3): δ 400 MHz, CDCl3: δ 7.08 (s, 4H), 4.28 (dd, J = 1.88, 8.74 Hz, 1H), 2.34-2.28 (m, 6H), 2.21-2.17 (m, 1H), 2.06 (t, J = 5.80 Hz, 1H), 1.91-1.81 (m, 2H), 1.39 (s, 3H), 1.29 (s, 3H), 1.07-0.91 (m, 1H), 0.84 (s, 3H). GCMS: m/z: 284.3.
【0241】
ステップ3:[(1S)−1−クロロ−2−(4−メチルベンジル)ボロン酸(+)−ピナンジオールエステル
ジクロロメタン(4.0ml、62.3mmol)および無水テトラヒドロフラン(40ml)の冷却した(−100℃)混合物にn−ブチルリチウム(ヘキサン中1.6M、14.3ml、22.8mmol)を20分かけて加えた。20分間撹拌した後、−100℃で、無水THF(20ml)中の2−(4−メチルベンジル)ボロン酸(+)−ピナンジオールエステル(5.9g、20.7mmol)の溶液を20分かけて添加した。次に塩化亜鉛の溶液(THF中0.5M、37.3mL、20.7mmol)を−100℃で30分かけて加えた。混合物を室温にし、18時間撹拌し、濃縮した。得られた油にジエチルエーテルおよび飽和塩化アンモニウムを加えた。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣(6.5g、淡黄色油、94%)をそのまま次の工程に用いた。
【0242】
1H NMR (400 MHz, CDCl
3): δ 7.18-7.08 (m, 5H), 4.37 (dd, J = 1.32, 8.74 Hz, 1H), 3.77-3.75 (m, 1H), 3.67-3.63 (m, 1H), 3.19-3.17 (m, 1H), 3.10-3.08 (m, 1H), 2.36-2.31 (m, 5H), 2.09 (t, J = 5.84 Hz, 1H), 1.93-1.86 (m, 4H), 1.39 (s, 3H), 1.30 (s, 3H), 1.13-1.10 (m, 1H), 0.84 (s, 3H). GCMS: m/z: 332.0.
【0243】
ステップ4:[(1R)−1−[ビス(トリメチルシリル)アミノ]−2−(4−メチルベンジル)ボロン酸(+)−ピナンジオールエステル
40mlの無水テトラヒドロフラン中の[(1S)−1−クロロ−2−(4−メチルベンジル)ボロン酸(+)−ピナンジオールエステル(6.5g、19.5mmol)の冷却(−78℃)溶液に、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(THF中1M、24.4ml、24.4mmol)を加えた。混合物を室温にし、18時間撹拌し、濃縮乾固した。得られた残渣にヘキサンを加え、次いで沈殿した固体を濾別した。濾液を濃縮して、所望の粗生成物(7.5g、褐色油、84%)を得て、これをそのまま精製することなく次の工程に用いた。
【0244】
1H NMR (400 MHz, CDCl
3): δ 7.15-7.11 (m, 2H), 7.08-7.05 (m, 2H), 4.28 (dd, J = 1.88, 8.72 Hz, 1H), 3.02-2.99 (m, 1H), 2.80-2.78 (m, 1H), 2.64-2.61 (m, 1H), 2.33-2.30 (m, 5H), 2.29-2.29 (m, 1H), 2.01 (t, J = 5.80 Hz, 1H), 2.00-1.81 (m, 2H), 1.38 (s, 3H), 1.29 (s, 3H), 0.98-0.96 (m, 1H), 0.84 (s, 3H), 0.09 (s, 18H).
【0245】
ステップ7:[(1R)−1−アミノ−2−(4−メチルベンジル)ボロン酸 (+)−ピナンジオールエステルトリフルロアセタート
ジエチルエーテル(35ml)中の[(1R)−1−[ビス(トリメチルシリル)アミノ]−2−(4−メチルベンジル)ボロン酸(+)−ピナンジオールエステル(7.5g、16.4mmol)の冷却(0℃)溶液を、トリフルオロ酢酸(3.8ml、49.1mmol)で滴下処理した。次いで、反応混合物を室温で3時間撹拌した。沈殿が見られた。反応混合物を0℃に冷却し、濾過した。濾過した固体を冷エーテルで洗浄し、減圧下で乾燥して、表題化合物(2.8g、白色固体、40%)を得た。
【0246】
1H NMR (400 MHz, CDCl
3): δ 7.75 (s, 3H), 7.17-7.11 (m, 4H), 4.32-4.30 (m, 1H), 3.18-3.11 (m, 2H), 3.09-2.97 (m, 1H), 2.32 (s, 3H), 2.27-2.15 (m, 3H), 1.97 (t, J = 5.52 Hz, 1H), 1.97-1.95 (m, 1H), 1.89-1.89 (m, 1H), 1.37 (s, 3H), 1.28 (s, 3H), 1.09-1.08 (m, 1H), 0.84 (s, 3H).
【0247】
例1:[(1R)−2−(4−フルオロフェニル)−1−[3−(2−オキソ−3−フェニル−イミダゾリジン−1−イル)プロパノイルアミノ]エチル]ボロン酸(化合物番号14:)
【化85】
N、N−ジメチルホルムアミド(最大0.003%H 2 O)(123,136mmol;10.00ml)中の(R)−2−(4−フルオロ − フェニル)−1−((1S,2S,6R,8S)−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[[6.1.1.02,6]デク−4−イル)−エチルアミン塩酸塩(0.774mmol;330.00mg)に、アルゴン雰囲気下、−15℃で3−(2−オキソ−3−フェニル−イミダゾリジン−1−イル)−プロピオン酸(0.774mmol;181.42mg)を加えた。次いで、N−エチル−ジイソプロピル−アミン(2,323mmol;0.40ml)およびTBTU(0,929mmol;298,40mg)を加え、オレンジ色の溶液を−10℃で15分間撹拌し、次いで室温で2時間攪拌した。反応溶液を氷で冷却し、酢酸エチルおよびブラインで希釈した。有機相をブラインで3回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮し、シリカ上のフラッシュクロマトグラフィー(ヘプタン/ EtOAc 0→100%)で精製した。真空下でいずれの溶媒も除去した後、表題化合物を無色油状物として得た。収率: (280,8mg; 68%). LCMS: 534 (M+H).
【0248】
ステップ2
【化86】
n−ペンタン99+%(12.00ml)およびメタノール(147,931mmol;6.00ml)中のN−[(R)−2−(4−フルオロ−フェニル)−1−((1S,2S,6R,8S)−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−トリシクロ[6.1.1.02,6]デク−4−イル)−エチル]−3−(2−オキソ−3−フェニル−イミダゾリジン−1−イル)−プロピオンアミド(0.509mmol;280.00mg)の2相系に、イソブチルボロン酸(2,037mmol;207,61mg;4.00当量)および塩酸c(HCl)=2mol/l(2N)(4,725mmol;2,36ml)を0℃で加えた。無色の混合物を室温で終夜攪拌した。反応混合物をペンタン(4×)で洗浄した。メタノール性水層を蒸発させ(浴温30℃)、残渣を1N NaOHで塩基性化し、DCM(4×)で抽出した。水相は1N HClで酸性化し、DCM(5x)で再度抽出した。合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、乾燥するまで減圧した。凍結乾燥後、表題化合物を白色のふわふわした粉末として得た(135.9mg、67%)。
【0249】
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) ppm = 7.53 - 7.46 (m, 2H), 7.32 - 7.26 (m, 2H), 7.17 - 7.11 (m, 2H), 7.01 - 6.93 (m, 3H), 3.72 - 3.65 (m, 2H), 3.40 - 3.30 (m, 4H), 3.15 - 3.08 (m, 1H), 2.76 (dd, J=13.9, 5.5, 1H), 2.62 (dd, J=13.9, 9.1, 1H), 2.31 - 2.26 (m, 2H). LCMS: 328.1 (M+H - H
2O). HPLC (Method B) Rt: 4.35.
【0250】
以下の例2〜35は上に記載した方法と類似の方法で調製した。
例2:[(1R)−2−(3−エチルフェニル)−1−[4−(2−オキソオキサゾリジン−3−イル)ブタノイルアミノ]−エチル]ボロン酸(化合物番号1)
【化87】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) ppm =7.14-7.11 (m, 1H), 6.97-6.93 (m, 3H), 4.23-4.19 (m, 2H), 3.47-3.43 (m, 2H), 3.07-2.99 (m, 2H), 2.95-2.91 (m, 1H), 2.75-2.70 (m, 1H), 2.56-2.51 (m, 2H), 2.49-2.46 (m, 1H), 2.09-2.05 (m, 2H), 1.66-1.59 (m, 2H), 1.11-1.07 (m, 3H). LCMS: 331.2 (M+H - H2O). HPLC (方法A) Rt: 2.69.
【0251】
例3:[(1S)−1−[3−(2−オキソピロリジン−1−イル)プロパカノイルアミノ]−2−フェニル−エチル]−ボロン酸(化合物番号2)
【化88】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) ppm = 7.26 - 7.19 (m, 2H), 7.17 - 7.11 (m, 3H), 3.33 - 3.27 (m, 2H), 3.25 - 3.17 (m, 2H), 3.08 (dd, J=9.1, 5.5, 1H), 2.77 (dd, J=14.0, 5.5, 1H), 2.60 (dd, J=13.9, 9.2, 1H), 2.27 - 2.21 (m, 2H), 2.18 - 2.10 (m, 2H), 1.85 - 1.75 (m, 2H). LCMS: 287.0 (M+H - H2O). HPLC (方法B) Rt: 2.65.
【0252】
例4:[(1S)−1−[3−(2−オキソ−1−ピペリジル)プロパノイルアミノ]−2−フェニル−エチル]ボロン酸(化合物番号3)
【化89】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) ppm = 7.29 - 7.08 (m, 5H), 3.40 - 3.31 (m, 2H), 3.17 - 3.11 (m, 2H), 3.09 - 3.02 (m, 1H), 2.81 - 2.72 (m, 1H), 2.65 - 2.56 (m, 1H), 2.29 - 2.21 (m, 2H), 2.17 - 2.09 (m, 2H), 1.67 - 1.53 (m, 4H). LCMS: 301.0 (M+H - H2O). HPLC (方法B) Rt: 3.04.
【0253】
例5:[(1R)−1−[3−(2−オキソピロリジン−1−イル)プロパノイルアミノ]−2−(p−トリル)エチル]−ボロン酸(化合物番号4)
【化90】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) ppm =7.02 (s, 4H), 3.29 (t, J = 6.88 Hz, 2H), 3.18-3.23 (m, 2H), 3.12-3.15 (m, 1H), 2.76-2.71 (m, 1H), 2.57-2.63 (m, 1H), 2.18-2.22 (m, 5H), 2.11-2.15 (m, 2H), 1.79-1.84 (m, 2H). LCMS: 301.2 ( M+H - H2O). HPLC (方法A) Rt: 2.26.
【0254】
例6:[(1R)−1−[3−(2,6−ジオキソ−1−ピペリジル)プロパノイルアミノ]−2−フェニル−エチル]−ボロン酸(化合物番号5)
【化91】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) ppm = 7.27 - 7.20 (m, 2H), 7.18 - 7.11 (m, 3H), 3.26 - 3.13 (m, 2H), 3.07 (dd, J=8.7, 5.7, 1H), 2.79 (dd, J=13.8, 5.7, 1H), 2.64 (dd, J=13.9, 8.8, 1H), 2.26 - 2.15 (m, 4H), 2.06 (t, J=7.5, 2H), 1.68 (p, J=7.5, 2H). LCMS: 315.2 (M+H - H2O). HPLC (Method B) Rt: 2.29.
【0255】
例7:[(1R)−2−(2−ナフチル)−1−[3−(2−オキソピロリジン−1−イル)プロパノイルアミノ]−エチル]ボロン酸(化合物番号6)
【化92】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) ppm = 7.85 - 7.74 (m, 3H), 7.64 - 7.59 (m, 1H), 7.47 - 7.37 (m, 2H), 7.34 (dd, J=8.4, 1.7, 1H), 3.32 - 3.20 (m, 3H), 3.20 - 3.07 (m, 2H), 2.95 (dd, J=14.0, 5.3, 1H), 2.79 (dd, J=13.9, 9.3, 1H), 2.22 (td, J=6.9, 3.0, 2H), 2.12 - 2.02 (m, 2H), 1.77 - 1.59 (m, 2H). LCMS: 337.2 (M+H - H2O). HPLC (方法 B) Rt: 3.77.
【0256】
例8:[(1R)−2−(2−ナフチル)−1−[3−(2−オキソ−1−ピペリジル)プロパノイルアミノ]エチル]−ボロン酸(化合物番号7)
【化93】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) ppm = 7.84 - 7.75 (m, 3H), 7.64 - 7.60 (m, 1H), 7.47 - 7.38 (m, 2H), 7.34 (dd, J=8.4, 1.7, 1H), 3.39 - 3.28 (m, 2H), 3.20 (dd, J=9.1, 5.5, 1H), 3.12 - 3.01 (m, 2H), 2.95 (dd, J=14.0, 5.5, 1H), 2.79 (dd, J=13.9, 9.2, 1H), 2.29 - 2.18 (m, 2H), 2.13 - 2.00 (m, 2H), 1.59 - 1.42 (m, 4H). LCMS: 351.2 (M+H - H2O). HPLC (方法 B) Rt: 3.96.
【0257】
例9:[(1R)−2−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−6−イル)−1−[3−(2−オキソピロリジン−1−イル)プロパノイルアミノ]エチル]ボロン酸(化合物番号8)
【化94】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) ppm = 6.68-6.70 (m, 1H), 6.62-6.63 (m, 1H), 6.56-6.59 (m, 1H), 4.14-4.17 (m, 4H), 3.30 (t, J = 6.92 Hz, 2H), 3.19-3.25 (m, 2H), 3.08-3.12 (m, 1H), 2.64-2.71 (m, 1H), 2.51-2.56 (m, 1H), 2.19-2.21 (m, 2H), 2.15 (t, J = 7.80 Hz, 2H), 1.84-1.86 (m, 2H). LCMS: 345.2 (M+H - H2O). HPLC (方法 A) Rt: 1.86.
【0258】
例10:[(1R)−1−[3−(2−オキソ−1−ピペリジル)プロパノイルアミノ]−2−(p−トリル)エチル]ボロン酸(化合物番号9)
【化95】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) ppm = 7.02 (s, 4H), 3.35 (t, J = 7.00 Hz, 2H), 3.08-3.15 (m, 3H), 2.70-2.75 (m, 1H), 2.56-2.62 (m, 1H), 2.21-2.24 (m, 5H), 2.11-2.12 (m, 2H), 1.60-1.60 (m, 4H). LCMS: 315.2 (M+H - H2O). HPLC (方法A) Rt: 2.49.
【0259】
例11:[(1R)−2−(1−ナフチル)−1−[3−(2−オキソピロリジン−1−イル)プロパノイルアミノ]エチル]−ボロン酸(化合物番号10)
【化96】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) ppm = 8.14 - 8.09 (m, 1H), 7.94 - 7.89 (m, 1H), 7.78 (d, 1H), 7.60 - 7.50 (m, 2H), 7.46 - 7.41 (m, 1H), 7.39 - 7.34 (m, 1H), 3.39 - 3.29 (m, 3H), 3.29 - 3.19 (m, 3H), 3.10 (dd, J=13.9, 9.2, 1H), 2.35 - 2.22 (m, 2H), 2.22 - 2.16 (m, 2H), 1.89 - 1.79 (m, 2H). LCMS: 337.2 (M+H - H2O). HPLC (方法A) Rt: 3.67.
【0260】
例12:[(1R)−2−(1−ナフチル)−1−[3−(2−オキソ−1−ピペリジル)プロパノイルアミノ]エチル]−ボロン酸(化合物番号11)
【化97】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) ppm = 8.13 - 8.09 (m, 1H), 7.94 - 7.89 (m, 1H), 7.81 - 7.76 (m, 1H), 7.60 - 7.49 (m, 2H), 7.47 - 7.41 (m, 1H), 7.39 - 7.34 (m, 1H), 3.40 (t, J=7.0, 2H), 3.33 (dd, J=13.8, 5.2, 1H), 3.24 - 3.05 (m, 4H), 2.38 - 2.22 (m, 2H), 2.21 - 2.12 (m, 2H), 1.67 - 1.56 (m, 4H). LCMS: 351.2 (M+H - H2O). HPLC (方法B) Rt: 3.86.
【0261】
例13:[(1R)−1−[3−(2−オキソ−4−フェニル−ピロリジン−1−イル)プロパノイルアミノ]−2−フェニル−エチル]ボロン酸(化合物番号12)
【化98】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) ppm = 7.33 - 7.26 (m, 2H), 7.26 - 7.16 (m, 5H), 7.16 - 7.05 (m, 3H), 3.69 - 3.58 (m, 1H), 3.50 - 3.34 (m, 3H), 3.30 - 3.22 (m, 1H), 3.20 - 3.12 (m, 1H), 2.85 - 2.75 (m, 1H), 2.70 - 2.56 (m, 2H), 2.35 - 2.24 (m, 3H). LCMS: 363.2 (M+H - H2O). HPLC 方法B) Rt: 4.16.
【0262】
例14:[(1R)−1−[3−(2−オキソアゼパン−1−イル)プロパノイルアミノ]−2−フェニル−エチル]ボロン酸(化合物番号13)
【化99】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) ppm = 7.26 - 7.19 (m, 2H), 7.18 - 7.11 (m, 3H), 3.38 (t, J=7.1, 2H), 3.26 - 3.19 (m, 2H), 3.16 (dd, J=8.8, 5.6, 1H), 2.80 (dd, J=13.8, 5.6, 1H), 2.65 (dd, J=13.8, 8.8, 1H), 2.37 - 2.30 (m, 2H), 2.21 (t, J=7.1, 2H), 1.63 - 1.52 (m, 2H), 1.51 - 1.40 (m, 4H). LCMS: 315.2 (M+H - H2O). HPLC (方法B) Rt: 3.4.
【0263】
例15:[(1R)−1−[3−(2−オキソ−3−フェニル−イミダゾリジン−1−イル)プロパノイルアミノ]−2−(p−トリル)エチル]ボロン酸 (化合物番号15)
【化100】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) ppm = 7.56 - 7.50 (m, 2H), 7.37 - 7.30 (m, 2H), 7.05 - 6.98 (m, 5H), 3.75 - 3.66 (m, 2H), 3.44 - 3.33 (m, 4H), 3.20 - 3.14 (m, 1H), 2.81 - 2.73 (m, 1H), 2.64 (dd, J=13.8, 8.8, 1H), 2.32 (t, J=6.8, 2H), 2.20 (s, 3H). LCMS: 378.2 (M+H - H2O). HPLC (方法B) Rt: 4.48.
【0264】
例16:[(1R)−2−(3,4−ジメチルフェニル)−1−[3−(2−オキソピロリジン−1−イル)プロパノイルアミノ]エチル]ボロン酸(化合物番号16)
【化101】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) ppm = 6.96-6.98 (m, 1H), 6.90 (s, 1H), 6.83-6.85 (m, 1H), 3.30 (t, J = 6.96 Hz, 2H), 3.19-3.25 (m, 2H), 3.11-3.14 (m, 1H), 2.68-2.73 (m, 1H), 2.57-2.60 (m, 1H), 2.21-2.23 (m, 2H), 2.10-2.17 (m, 8H), 1.79-1.84 (m, 2H). LCMS: 315.2 (M+H - H2O). HPLC (方法 A) Rt: 2.59.
【0265】
例17:[(1R)−1−[3−(3,3−ジメチル−2−オキソ−ピロリジン−1−イル)プロパノイルアミノ]−2−(p−トリル)エチル]ボロン酸(化合物番号17)
【化102】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) ppm =7.02-7.03 (m, 4H), 3.29 (t, J = 6.88 Hz, 2H), 3.09-3.18 (m, 3H), 2.71-2.76 (m, 1H), 2.57-2.67 (m, 1H), 2.15-2.22 (m, 5H), 1.67-1.68 (m, 2H), 0.95 (s, 6H)). LCMS: 329.2 (M+H - H2O). HPLC (方法A) Rt: 2.86.
【0266】
例18:[(1R)−1−[3−(2,2−ジメチル−5−オキソ−ピロリジン−1−イル)プロパノイルアミノ]−2−(p−トリル)エチル]ボロン酸(化合物番号18)
【化103】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) ppm = 7.09 - 7.04 (m, 4H), 3.19 (td, J=7.3, 2.7, 2H), 3.13 (dd, J=8.8, 5.7, 1H), 2.78 (dd, J=13.7, 5.6, 1H), 2.64 (dd, J=13.8, 8.8, 1H), 2.34 - 2.21 (m, 7H), 1.82 - 1.74 (m, 2H), 1.18 - 1.11 (m, 6H). LCMS: 329.7 (M+H - H2O). HPLC (方法A) Rt: 3.82.
【0267】
例19:[(1R)−2−(ベンゾフラン−3−イル)−1−[3−(2−オキソピロリジン−1−イル)プロパノイルアミノ]−エチル]ボロン酸(化合物番号19)
【化104】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) ppm = 7.58-7.62 (m, 2H), 7.46-7.48 (m, 1H), 7.19-7.29 (m, 2H), 3.30 (t, J = 6.84 Hz, 2H), 3.13-3.22 (m, 3H), 2.81-2.86 (m, 1H), 2.69-2.75 (m, 1H), 2.24 (t, J = 6.88 Hz, 2H), 2.09-2.13 (m, 2H), 1.74-1.79 (m, 2H). LCMS: 327.2 (M+H - H2O). HPLC (方法A) Rt: 2.39.
【0268】
例20:[(1R)−2−[4−(メトキシメチル)フェニル]−1−[3−(2−オキソピロリジン−1−イル)プロパノイルアミノ]エチル]ボロン酸(化合物番号20)
【化105】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) ppm = 7.15-7.17 (m, 2H), 7.10-7.12 (m, 2H), 4.30 (s, 2H), 3.29 (t, J = 6.84 Hz, 2H), 3.19-3.23 (m, 5H), 3.02-3.06 (m, 1H), 2.73-2.78 (m, 1H), 2.58-2.62 (m, 1H), 2.22-2.25 (m, 2H), 2.14 (t, J = 8.36 Hz, 2H), 1.76-1.83 (m, 2H LCMS: 331.2 (M+H - H2O). HPLC (方法A) Rt: 1.9.
【0269】
例21:[(1R)−2−[4−(メトキシメチル)フェニル]−1−[3−(2−オキソピロリジン−1−イル)プロパノイルアミノ]エチル]ボロン酸(化合物番号21)
【化106】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) ppm = 7.15-7.17 (m, 2H), 7.10-7.12 (m, 2H), 4.30 (s, 2H), 3.29 (t, J = 6.84 Hz, 2H), 3.19-3.23 (m, 5H), 3.02-3.06 (m, 1H), 2.73-2.78 (m, 1H), 2.58-2.62 (m, 1H), 2.22-2.25 (m, 2H), 2.14 (t, J = 8.36 Hz, 2H), 1.76-1.83 (m, 2H LCMS: 331.2 (M+H - H2O). HPLC (方法C) Rt: 3.48.
【0270】
例22:[(1R)−1−[3−(1,1−ジオキソチアジナン−2−イル)プロパノイルアミノ]−2−(p−トリル)エチル]−ボロン酸(化合物番号22)
【化107】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) ppm = 7.05 - 7.01 (m, 4H), 3.26 - 3.18 (m, 4H), 3.15 (dd, J=8.3, 5.7, 1H), 3.01 - 2.96 (m, 2H), 2.75 (dd, J=13.7, 5.7, 1H), 2.62 (dd, J=13.7, 8.4, 1H), 2.28 (t, J=7.1, 2H), 2.22 (s, 3H), 2.01 - 1.93 (m, 2H), 1.52 - 1.44 (m, 2H). LCMS: 351.3 (M+H - H2O). HPLC (方法C) Rt: 3.56.
【0271】
例23:[(1R)−1−[3−[(4S)−2,5−ジオキソイミダゾリジン−4−イル]プロパノイルアミノ]−2−(p−トリル)エチル]ボロン酸(化合物番号23)
【化108】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) ppm = 10.63 (s, 1H), 7.85 (s, 1H), 7.08 - 6.95 (m, 4H), 3.89 - 3.81 (m, 1H), 2.78 - 2.66 (m, 2H), 2.45 (dd, J=13.2, 8.0, 1H), 2.38 - 2.25 (m, 2H), 2.22 (s, 3H), 1.99 - 1.88 (m, 1H), 1.73 - 1.62 (m, 1H). LCMS: 316.2 (M+H - H2O). HPLC (方法 C) Rt: 2.65.
【0272】
例24:[(1R)−2−(ベンゾフラン−3−イル)−1−[3−(2−オキソ−1−ピペリジル)プロパノイルアミノ]−エチル]ボロン酸(化合物番号24)
【化109】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) ppm = 7.56-7.59 (m, 2H), 7.46 (d, J = 7.92 Hz, 1H), 7.19-7.28 (m, 2H), 3.33-3.44 (m, 2H), 3.12-3.13 (m, 2H), 2.95-2.98 (m, 1H), 2.78-2.82 (m, 1H), 2.63-2.69 (m, 1H), 2.34 (t, J = 6.72 Hz, 2H), 2.10-2.12 (m, 2H), 1.49-1.54 (m, 4H). LCMS: 341.2 (M+H - H2O). HPLC (方法 A) Rt: 2.58.
【0273】
例25:[(1R)−2−(3,4−ジメチルフェニル)−1−[3−(2−オキソ−1−ピペリジル)プロパノイルアミノ]−エチル]ボロン酸(化合物番号25)
【化110】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) ppm = 6.97 (d, J = 7.68 Hz, 1H), 6.89-6.90 (m, 1H), 6.83-6.85 (m, 1H), 3.33-3.41 (m, 2H), 3.12-3.14 (m, 2H), 2.85-2.90 (m, 1H), 2.64-2.69 (m, 1H), 2.43-2.45 (m, 1H), 2.30 (t, J = 6.80 Hz, 2H), 2.09-2.10 (m, 8H), 1.56-1.57 (m, 4H). LCMS: 329.2 (M+H - H2O). HPLC (方法 A) Rt: 2.78.
【0274】
例26:[(1R)−2−(ベンゾフラン−3−イル)−1−[3−(1,1−ジオキソチアジナン−2−イル)プロパノイルアミノ]エチル]ボロン酸(化合物番号26)
【化111】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) ppm = 7.67 (s, 1H), 7.54 - 7.46 (m, 2H), 7.29 - 7.16 (m, 2H), 3.34 - 3.23 (m, 4H), 3.04 - 2.98 (m, 2H), 2.88 - 2.75 (m, 2H), 2.61 (dd, J=14.7, 8.0, 1H), 2.49 - 2.44 (m, 2H), 1.98 - 1.89 (m, 2H), 1.48 - 1.39 (m, 2H). LCMS: 377.3 (M+H - H2O). HPLC (方法C) Rt: 3.92.
【0275】
例27:[(1R)−2−(ベンゾフラン−3−イル)−1−[3−(2,2−ジメチル−5−オキソ−ピロリジン−1−イル)プロパノイルアミノ]エチル]ボロン酸(化合物番号27)
【化112】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) ppm = 7.60-7.56 (m, 2H), 7.47-7.45 (m, 1H), 7.28-7.19 (m, 2H), 3.17-3.12 (m, 2H), 3.06-3.02 (m, 1H), 2.84-2.79 (m, 1H), 2.73-2.67 (m, 1H), 2.30 (t, J = 7.60 Hz, 2H), 2.19 (t, J = 8.28 Hz, 2H), 1.76-1.65 (m, 2H), 1.07 (d, J = 7.04 Hz, 6H. LCMS: 355.2 (M+H - H2O). HPLC (方法A) Rt: 2.87.
【0276】
例28:[(1R)−2−(ベンゾフラン−3−イル)−1−[3−(3−オキソモルホリン−4−イル)プロパノイルアミノ]−エチル]ボロン酸(化合物番号28)
【化113】
LCMS: 343.2 (M+H - H2O).
【0277】
例29:[(1R)−2−(ベンゾフラン−3−イル)−1−[3−(2−オキソ−5−フェニル−オキサゾリジン−3−イル)プロパノイルアミノ]エチル]ボロン酸(化合物番号29)
【化114】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) ppm = 7.56-7.55 (m, 2H), 7.44 (d, J = 7.96 Hz, 1H), 7.35-7.32 (m, 3H), 7.28-7.18 (m, 4H), 5.34 (s, 1H), 3.86-3.77 (m, 1H), 3.38-3.35 (m, 3H), 3.07-3.04 (m, 1H), 2.85-2.78 (m, 1H), 2.70-2.62 (m, 1H), 2.37-2.32 (m, 2H). LCMS: 405.2 (M+H - H2O). HPLC (方法A) Rt: 3.45.
【0278】
例30:[(1R)−2−(ベンゾフラン−3−イル)−1−[3−(2−オキソ−1,3−オキサジナン−3−イル)プロパノイルアミノ]エチル]ボロン酸(化合物番号30)
【化115】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) ppm = 7.58-7.56 (m, 2H), 7.45 (d, J = 7.96 Hz, 1H), 7.27-7.19 (m, 2H), 4.04 (m, 2H), 3.48 (m, 1H), 3.39-3.31 (m, 2H), 3.18-3.16 (m, 1H), 2.97-2.93 (m, 1H), 2.81-2.76 (m, 1H), 2.68-2.62 (m, 1H), 2.39-2.32 (m, 2H), 1.79-1.77 (m, 2H). LCMS: 343.2 (M+H - H2O). HPLC (方法 A) Rt: 2.33.
【0279】
例31:[(1R)−2−(2,4−ジメチルフェニル)−1−[3−(2−オキソ−1−ピペリジル)プロパノイルアミノ]−エチル]ボロン酸(化合物番号31)
【化116】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) ppm =6.84-6.99 (m, 3H), 3.35-3.48 (m, 2H), 3.14-3.21 (m, 2H), 2.89-2.92 (m, 1H), 2.65-2.70 (m, 1H), 2.54-2.57 (m, 1H), 2.27-2.30 (m, 2H), 2.12-2.18 (m, 8H), 1.58-1.63 (m, 4H). LCMS: 329.2 (M+H - H2O). HPLC (方法 A) Rt: 2.73.
【0280】
例32:[(1R)−2−(2,4−ジメチルフェニル)−1−[3−(1,1−ジオキソチアジナン−2−イル)プロパノイルアミノ]エチル]ボロン酸(化合物番号32)
【化117】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) ppm = 6.94 (d, J=7.7, 1H), 6.90 - 6.86 (m, 1H), 6.86 - 6.82 (m, 1H), 3.23 - 3.15 (m, 4H), 3.01 - 2.91 (m, 3H), 2.70 (dd, J=14.3, 5.9, 1H), 2.56 (dd, J=14.2, 9.3, 1H), 2.34 - 2.27 (m, 2H), 2.15 (s, 6H), 2.00 - 1.91 (m, 2H), 1.51 - 1.42 (m, 2H). LCMS: 365.3 (M+H - H2O). HPLC (方法 C) Rt: 4.07.
【0281】
例33:[(1R)−2−(ベンゾフラン−3−イル)−1−[[2−(2,4−ジオキソチアゾリジン−3−イル)アセチル]−アミノ]エチル]ボロン酸(化合物番号33)
【化118】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) ppm = 7.67 - 7.62 (m, 2H), 7.55 - 7.50 (m, 1H), 7.36 - 7.24 (m, 2H), 4.21 - 4.17 (m, 2H), 4.16 - 4.12 (m, 2H), 3.35 (dd, J=7.9, 5.6, 1H), 2.94 (dd, J=14.9, 5.5, 1H), 2.83 (dd, J=14.9, 7.9, 1H). LCMS: 345.2 (M+H - H2O). HPLC (方法C) Rt: 4.13.
【0282】
例34:[(1R)−2−(ベンゾフラン−3−イル)−1−[3−(4−エチル−2,3−ジオキソ−ピペラジン−1−イル)プロパノイルアミノ]エチル]ボロン酸(化合物番号34)
【化119】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) ppm = 7.56-7.55 (m, 2H), 7.44 (d, J = 7.96 Hz, 1H), 7.35-7.32 (m, 3H), 7.28-7.18 (m, 4H), 5.34 (s, 1H), 3.86-3.77 (m, 1H), 3.38-3.35 (m, 3H), 3.07-3.04 (m, 1H), 2.85-2.78 (m, 1H), 2.70-2.62 (m, 1H), 2.37-2.32 (m, 2H). LCMS: 405.2 (M+H - H2O). HPLC (方法A) Rt: 3.45..
【0283】
例35:[(1R)−2−(ベンゾフラン−3−イル)−1−[3−(4−メチル−2−オキソ−ピペラジン−1−イル)プロパノイルアミノ]エチル]ボロン酸(化合物番号35)
【化120】
LCMS: 356.2 (M+H - H2O).
【0284】
例36:[(1R)−2−(2,4−ジメチルフェニル)−1−[(5−オキソ−1−フェニル−ピロリジン−2−カルボニル)アミノ]−エチル]ボロン酸(化合物番号36)
【化121】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) ppm = 7.40 - 7.34 (m, 1H), 7.33 - 7.26 (m, 2H), 7.26 - 7.20 (m, 1H), 7.17 - 7.07 (m, 1H), 6.89 - 6.74 (m, 3H), 4.62 - 4.55 (m, 1H), 3.24 - 3.17 (m, 1H), 2.75 - 2.67 (m, 1H), 2.62 - 2.51 (m, 1H), 2.50 - 2.20 (m, 3H), 2.19 - 2.15 (m, 3H), 2.13 (s, 3H), 1.92 - 1.63 (m, 1H). MS (ESI+): 363,0 [M+H-H
2O]. HPLC XBridge C8 HPLC (A19/533 - LaChrom-Elite,-70173815);5min 4 ml/min, 215 nm, buffer A 0.05 % TFA/H2O, buffer B 0.04 % TFA/ACN, 0.0-0.2 min 5 % buffer B; 0.2-0.5 min 5 % - 100 % buffer B; 5.0-5.5 min 99% - 5 % buffer B; Rt: 2.44 min.
【0285】
例37:[(1R)−2−(ベンゾフラン−3−イル)−1−[(1−フェニルピロリジン−2−カルボニル)アミノ]エチル]ボロン酸(化合物番号37)
【化122】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6/D2O) ? 5.77 - 5.66, 5.66 - 5.56, 5.49 - 5.31 (3x m, 5H), 5.29 - 5.18 (m, 2H), 4.80 (t, J = 7.4 Hz, 1H), 4.65 - 4.47 (m, 2H), 2.06 - 1.94 (m, 1H), 1.71 - 1.61, 1.43 - 1.33 (2x m, 1H, ratio 2:1, mixture of diastereomers), 1.61 - 1.52 (m, 1H), 1.31 - 1.15 (m, 1H), 1.13 - 0.86 (m, 2H), 0.36 - 0.19 (m, 1H), 0.14 - -0.27 (m, 3H). MS (ESI+): 379,0 [M+H-H
2O]. HPLC XBridge C8 HPLC (A19/533 - LaChrom-Elite,-70173815);5min 4 ml/min, 215 nm, buffer A 0.05 % TFA/H2O, buffer B 0.04 % TFA/ACN, 0.0-0.2 min 5 % buffer B; 0.2-0.5 min 5 % - 100 % buffer B; 5.0-5.5 min 99% - 5 % buffer B; Rt: 5.22 min.
【0286】
例38:[(1R)−1−[3−(2,2−ジメチル−5−オキソ−ピロリジン−1−イル)プロパノイルアミノ]−2−(7−メチルベンゾフラン−3−イル)エチル]ボロン酸(化合物番号38)
【化123】
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6 + D2O) d 7.63 (s, 1H), 7.40 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 7.12 (t, J = 7.4 Hz, 1H), 7.08 (d, J = 7.1 Hz, 1H), 3.20 - 3.11 (m, 3H), 2.84 (dd, J = 15.0, 5.2 Hz, 1H), 2.73 (dd, J = 15.0, 8.6 Hz, 1H), 2.41 (s, 3H), 2.29 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 2.23 - 2.18 (m, 2H), 1.78 - 1.67 (m, 2H), 1.10 (s, 3H), 1.09 (s, 3H).MS (ESI+): 369,2 [M+H-H
2O]. HPLC XBridge C8 HPLC (A19/533 - LaChrom-Elite,-70173815);5min 4 ml/min, 215 nm, buffer A 0.05 % TFA/H2O, buffer B 0.04 % TFA/ACN, 0.0-0.2 min 5 % buffer B; 0.2-0.5 min 5 % - 100 % buffer B; 5.0-5.5 min 99% - 5 % buffer B; Rt: 3.73 min.
【0287】
例39:[(1R)−2−[(3S)−2,3−ジヒドロベンゾフラン−3−イル]−1−[3−(2−オキソピロリジン−1−イル)プロパノイルアミノ]エチル]ボロン酸(化合物番号39)
【化124】
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6/D2O) d 7.15 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 7.09 - 7.04 (m, 1H), 6.84 - 6.79 (m, 1H), 6.71 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 4.51 (t, J = 8.9 Hz, 1H), 4.17 (dd, J = 9.0, 6.6 Hz, 1H), 3.43 - 3.29 (m, 5H), 2.98 (dd, J = 10.8, 4.4 Hz, 1H), 2.37 - 2.27 (m, 2H), 2.17 - 2.11 (m, 2H), 1.88 - 1.78 (m, 3H), 1.59 - 1.52 (m, 1H). MS (ESI+): 329,2 [M+H-H
2O]. HPLC XBridge C8 HPLC (A19/533 - LaChrom-Elite,-70173815);5min 4 ml/min, 215 nm, buffer A 0.05 % TFA/H2O, buffer B 0.04 % TFA/ACN, 0.0-0.2 min 5 % buffer B; 0.2-0.5 min 5 % - 100 % buffer B; 5.0-5.5 min 99% - 5 % buffer B; Rt: 3.27 min.
【0288】
例40:[(1R)−2−[(3S)−7−メチル−2,3−ジヒドロベンゾフラン−3−イル]−1−[3−(2−オキソ−1−ピペリジル)プロパノイルアミノ]エチル]ボロン酸(化合物番号40)
【化125】
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6/D2O) d 6.96 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 6.89 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 6.72 (t, J = 7.4 Hz, 1H), 4.51 (t, J = 8.9 Hz, 1H), 4.16 (dd, J = 9.0, 6.7 Hz, 1H), 3.44 (t, J = 7.0 Hz, 2H), 3.40 - 3.33 (m, 1H), 3.23 (t, J = 5.8 Hz, 2H), 2.90 (dd, J = 10.4, 4.5 Hz, 1H), 2.35 (t, J = 6.9 Hz, 2H), 2.15 (t, J = 6.4 Hz, 2H), 2.07 (s, 3H), 1.84 - 1.77 (m, 1H), 1.68 - 1.57 (m, 4H), 1.57 - 1.50 (m, 1H). MS (ESI+): 357,2 [M+H-H
2O]. HPLC XBridge C8 HPLC (A19/533 - LaChrom-Elite,-70173815);5min 4 ml/min, 215 nm, buffer A 0.05 % TFA/H2O, buffer B 0.04 % TFA/ACN, 0.0-0.2 min 5 % buffer B; 0.2-0.5 min 5 % - 100 % buffer B; 5.0-5.5 min 99% - 5 % buffer B; Rt: 3.23 min.
【0289】
例41:生物学的活性
LMP7活性の決定:
LMP7阻害の測定を、蛍光強度アッセイに基づく384ウェル形式で実施する。
精製されたヒト免疫プロテアソーム(0.25nM)およびDMSO中の段階希釈された化合物(30μMから15pMまでの濃度範囲)または対照を、50mM Tris(pH7.4)、0.03% SDS、1mM EDTAおよび1% DMSOを含有するアッセイ緩衝液中、25℃にて20分間または120分間(長いインキュベーション)インキュベートする。反応を、蛍光性ペプチド基質Suc-LLVY-AMC(Bachem I-1395)の40μMの濃度での添加によって開始する。37℃での60分間のインキュベーション後、蛍光強度を、蛍光リーダー(Perkin Elmer Envisionリーダーまたは等価物)で、λ
ex=350nmおよびλ
em=450nmにて測定する。
化合物のLMP7活性を表1に要約する。別段の指示がない限り、結果は、20分間のインキュベーション後に得られたものとする。
【0290】
ベータ5活性の決定:
ベータ5阻害の測定を、蛍光強度アッセイに基づく384ウェル形式で実施する。
精製されたヒト構成的プロテアソーム(1.25nM)およびDMSO中の段階希釈された化合物(30μMから15pMまでの濃度範囲)または対照を、50mM Tris(pH7.4)、0.03% SDS、1mM EDTAおよび1% DMSOを含有するアッセイ緩衝液中、25℃にて20分間または120分間(長いインキュベーション)インキュベートする。反応を、蛍光性ペプチド基質Suc-LLVY-AMC(Bachem I-1395)の40μMの濃度での添加によって開始する。37℃での60分間のインキュベーション後、蛍光強度を、蛍光リーダー(Perkin Elmer Envisionリーダーまたは等価物)で、λ
ex=350nmおよびλ
em=450nmにて測定する。
【0291】
表2は、本発明に従ういくつかの化合物のベータ5活性およびLMP7対ベータに対するそれらの選択性を例示的に示す。別段の指示がない限り、結果は、20分間のインキュベーション後に得られたものとする。
【0299】
以下の例は医薬に関する:
例A:注射バイアル
3lの2回蒸留水中の100gの式Iで表される活性成分および5gのリン酸水素二ナトリウムの溶液を、2N 塩酸を使用してpH6.5へ調整し、滅菌濾過し、注射バイアル中へ移し、滅菌条件下で凍結乾燥し、滅菌条件下でシールする。各注射バイアルは、5mgの活性成分を含有する。
【0300】
例B:坐薬
100gの大豆レシチン(soya lecithin)および1400gのカカオ脂と、20gの式Iで表される活性成分との混合物を融解させ、鋳型中へ注ぎ入れて、冷却させる。各座薬は、20mgの活性成分を含有する。
【0301】
例C:溶液
溶液を、940mlの2回蒸留水中の、1gの式Iで表される活性成分、9.38gのNaH
2PO
4・2H
2O、28.48gのNa
2HPO
4・12H
2Oおよび0.1gの塩化ベンザルコニウムから調製する。pHを6.8へ調整し、溶液を最大1lまでにして、照射殺菌により滅菌する。この溶液は、点眼薬の形態で使用することができる。
【0302】
例D:軟膏
500mgの式Iの活性成分を、無菌条件下で99.5gのワセリンと混合する。
【0303】
例E:錠剤
1kgの式Iで表される活性成分、4kgのラクトース、1.2kgのジャガイモデンプン、0.2kgのタルクおよび0.1kgのステアリン酸マグネシウムの混合物を従来のやり方で圧縮することで、各錠剤が10mgの活性成分を含有するような方法において錠剤が与えられる。
【0304】
例F:糖衣錠
錠剤を例Eと類似して圧縮し、続いて、スクロース、ジャガイモデンプン、タルク、トラガカントおよび染料のコーティング剤により、従来のやり方でコートする。
【0305】
例G:カプセル
2kgの式Iで表される活性成分を、各カプセルが20mgの活性成分を含有するような方法における従来のやり方で、硬ゼラチンカプセル中へ導入する。
【0306】
例H:アンプル
60lの2回蒸留水中の1kgの式Iで表される活性成分の溶液を滅菌濾過し、アンプル中へ移し、滅菌条件下で凍結乾燥し、滅菌条件下でシールする。各アンプルは、10mgの活性成分を含有する。