(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
半導体層と、前記半導体層に接触したゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜を間にして前記半導体層と対向され前記ゲート絶縁膜に接触したゲート電極層と、前記半導体層に接触して電気的に接続された第一、第二電極層とを有し、前記ゲート電極層に印加される電圧によって、前記第一電極層と前記第二電極層との間の電気的な導通と遮断とが制御され、
前記ゲート電極層と前記第一電極層と前記第二電極層とのいずれか一以上の電極層が、樹脂基板に接触された配線膜に電気的に接続された半導体素子であり、
前記配線膜は、前記樹脂基板と接触された下地膜と、前記下地膜に接触され、前記下地膜よりも抵抗率が小さい低抵抗膜とを有し、
前記下地膜には、前記下地膜を構成する元素の中で銅が最も大きい質量割合で含有され、
前記下地膜100wt%中には、主添加金属であるアルミニウムは1.0wt%以上8.0wt%以下の範囲で含有され、副添加金属であるシリコンは1.0wt%以上8.0wt%以下の範囲で含有され、
前記主添加金属と前記副添加金属以外の成分は銅と不可避不純物であり、前記不可避不純物は1wt%以下の範囲で含有され、
前記低抵抗膜は、前記下地膜よりも銅の質量割合が高くされた半導体素子。
半導体層と、前記半導体層に接触したゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜を間にして前記半導体層と対向され前記ゲート絶縁膜に接触したゲート電極層と、前記半導体層に接触して電気的に接続された第一、第二電極層とを有し、前記ゲート電極層に印加される電圧によって、前記第一電極層と前記第二電極層との間の電気的な導通と遮断とが制御され、
前記ゲート電極層と前記第一電極層と前記第二電極層とのいずれか一以上の電極層が、樹脂基板に接触された配線膜に電気的に接続された半導体素子であり、
前記配線膜は、前記樹脂基板と接触された下地膜と、前記下地膜に接触され、前記下地膜よりも抵抗率が小さい低抵抗膜とを有し、
前記下地膜には、前記下地膜を構成する元素の中で銅又は副添加金属のいずれか一方が最も大きい質量割合で含有され、
前記下地膜100wt%中には、主添加金属であるアルミニウムは1.0wt%以上8.0wt%以下の範囲で含有され、前記副添加金属であるニッケルは10wt%以上50wt%以下の範囲で含有され、
前記主添加金属と前記副添加金属以外の成分は銅と不可避不純物であり、前記不可避不純物は1wt%以下の範囲で含有され、
前記低抵抗膜は、前記下地膜よりも銅の質量割合が高くされた半導体素子。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、樹脂基板から剥離しにくく、一種類のエッチャント又はエッチングガスによってパターニングすることができる配線膜を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、樹脂基板と、半導体素子と、液晶層と、偏光フィルタとを有し、前記半導体素子の導通と遮断とによって、前記液晶層に印加される電圧を変化させ、前記液晶層を透過した光の前記偏光フィルタの透過を制御する液晶表示装置であって、前記半導体素子は、半導体層と、前記半導体層に接触したゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜を間にして前記半導体層と対向され前記ゲート絶縁膜に接触したゲート電極層と、前記半導体層に接触して電気的に接続された第一、第二電極層とを有し、前記ゲート電極層に印加される電圧によって、前記第一電極層と前記第二電極層との間の電気的な導通と遮断とが制御され、前記ゲート電極層と前記第一電極層と前記第二電極層とのいずれか一以上の電極層が、前記樹脂基板に接触された配線膜に電気的に接続された半導体素子であり、前記配線膜は、前記樹脂基板と接触された下地膜と、前記下地膜に接触され、前記下地膜よりも抵抗率が小さい低抵抗膜とを有し、前記下地膜には、前記下地膜を構成する元素の中で銅が最も大きい質量割合で含有され、前記下地膜100wt%中には、主添加金属であるアルミニウムは1.0wt%以上8.0wt%以下の範囲で含有され、副添加金属であるシリコンは1.0wt%以上8.0wt%以下の範囲で含有され、
前記主添加金属と前記副添加金属以外の成分は銅と不可避不純物であり、前記不可避不純物は1wt%以下の範囲で含有され、前記低抵抗膜は、前記下地膜よりも銅の質量割合が高くされた液晶表示装置である。
本発明は、樹脂基板と、半導体素子と、液晶層と、偏光フィルタとを有し、前記半導体素子の導通と遮断とによって、前記液晶層に印加される電圧を変化させ、前記液晶層を透過した光の前記偏光フィルタの透過を制御する液晶表示装置であって、前記半導体素子は、半導体層と、前記半導体層に接触したゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜を間にして前記半導体層と対向され前記ゲート絶縁膜に接触したゲート電極層と、前記半導体層に接触して電気的に接続された第一、第二電極層とを有し、前記ゲート電極層に印加される電圧によって、前記第一電極層と前記第二電極層との間の電気的な導通と遮断とが制御され、前記ゲート電極層と前記第一電極層と前記第二電極層とのいずれか一以上の電極層が、前記樹脂基板に接触された配線膜に電気的に接続された半導体素子であり、前記配線膜は、前記樹脂基板と接触された下地膜と、前記下地膜に接触され、前記下地膜よりも抵抗率が小さい低抵抗膜とを有し、前記下地膜には、前記下地膜を構成する元素の中で銅が最も大きい質量割合で含有され、前記下地膜100wt%中には、主添加金属であるアルミニウムは1.0wt%以上8.0wt%以下の範囲で含有され、副添加金属であるチタンは1.0wt%以上4.0wt%以下の範囲で含有され、
前記主添加金属と前記副添加金属以外の成分は銅と不可避不純物であり、前記不可避不純物は1wt%以下の範囲で含有され、前記低抵抗膜は、前記下地膜よりも銅の質量割合が高くされた液晶表示装置である。
本発明はまた、樹脂基板と、半導体素子と、液晶層と、偏光フィルタとを有し、前記半導体素子の導通と遮断とによって、前記液晶層に印加される電圧を変化させ、前記液晶層を透過した光の前記偏光フィルタの透過を制御する液晶表示装置であって、前記半導体素子は、半導体層と、前記半導体層に接触したゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜を間にして前記半導体層と対向され前記ゲート絶縁膜に接触したゲート電極層と、前記半導体層に接触して電気的に接続された第一、第二電極層とを有し、前記ゲート電極層に印加される電圧によって、前記第一電極層と前記第二電極層との間の電気的な導通と遮断とが制御され、前記ゲート電極層と前記第一電極層と前記第二電極層とのいずれか一以上の電極層が、前記樹脂基板に接触された配線膜に電気的に接続された半導体素子であり、前記配線膜は、前記樹脂基板と接触された下地膜と、前記下地膜に接触され、前記下地膜よりも抵抗率が小さい低抵抗膜とを有し、前記下地膜には、前記下地膜を構成する元素の中で銅又は副添加金属のいずれか一方が最も大きい質量割合で含有され、前記下地膜100wt%中には、主添加金属であるアルミニウムは1.0wt%以上8.0wt%以下の範囲で含有され、前記副添加金属であるニッケルは10wt%以上50wt%以下の範囲で含有され、
前記主添加金属と前記副添加金属以外の成分は銅と不可避不純物であり、前記不可避不純物は1wt%以下の範囲で含有され、前記低抵抗膜は、前記下地膜よりも銅の質量割合が高くされた液晶表示装置である。
本発明は、ガラス基板と、半導体素子と、液晶層と、偏光フィルタとを有し、前記半導体素子の導通と遮断とによって、前記液晶層に印加される電圧を変化させ、前記液晶層を透過した光の前記偏光フィルタの透過を制御する液晶表示装置であって、前記半導体素子は、半導体層と、前記半導体層に接触したゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜を間にして前記半導体層と対向され前記ゲート絶縁膜に接触したゲート電極層と、前記半導体層に接触して電気的に接続された第一、第二電極層とを有し、前記ゲート電極層に印加される電圧によって、前記第一電極層と前記第二電極層との間の電気的な導通と遮断とが制御され、前記ゲート電極層と前記第一電極層と前記第二電極層とのいずれか一以上の電極層が、前記ガラス基板に接触された配線膜に電気的に接続された半導体素子であり、前記配線膜は、前記ガラス基板と接触された下地膜と、前記下地膜に接触され、前記下地膜よりも抵抗率が小さい低抵抗膜とを有し、前記下地膜には、前記下地膜を構成する元素の中で銅が最も大きい質量割合で含有され、前記下地膜100wt%中には、主添加金属であるアルミニウムは0.5wt%以上8.0wt%以下の範囲で含有され、副添加金属であるシリコンは0.5wt%以上8.0wt%以下の範囲で含有され、
前記主添加金属と前記副添加金属以外の成分は銅と不可避不純物であり、前記不可避不純物は1wt%以下の範囲で含有され、前記低抵抗膜は、前記下地膜よりも銅の質量割合が高くされた液晶表示装置である。
本発明は、樹脂基板と、半導体素子と、有機EL層とを有し、前記半導体素子を制御することによって、前記有機EL層に印加される電圧を変化させ、前記有機EL層を流れる電流の大きさを制御する有機EL表示装置であって、前記半導体素子は、半導体層と、前記半導体層に接触したゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜を間にして前記半導体層と対向され前記ゲート絶縁膜に接触したゲート電極層と、前記半導体層に接触して電気的に接続された第一、第二電極層とを有し、前記ゲート電極層に印加される電圧によって、前記第一電極層と前記第二電極層との間の電気的な導通と遮断とが制御され、前記ゲート電極層と前記第一電極層と前記第二電極層とのいずれか一以上の電極層が、前記樹脂基板に接触された配線膜に電気的に接続された半導体素子であり、前記配線膜は、前記樹脂基板と接触された下地膜と、前記下地膜に接触され、前記下地膜よりも抵抗率が小さい低抵抗膜とを有し、前記下地膜には、前記下地膜を構成する元素の中で銅が最も大きい質量割合で含有され、前記下地膜100wt%中には、主添加金属であるアルミニウムは1.0wt%以上8.0wt%以下の範囲で含有され、副添加金属であるシリコンは1.0wt%以上8.0wt%以下の範囲で含有され、
前記主添加金属と前記副添加金属以外の成分は銅と不可避不純物であり、前記不可避不純物は1wt%以下の範囲で含有され、前記低抵抗膜は、前記下地膜よりも銅の質量割合が高くされた有機EL表示装置である。
本発明は、樹脂基板と、半導体素子と、有機EL層とを有し、前記半導体素子を制御することによって、前記有機EL層に印加される電圧を変化させ、前記有機EL層を流れる電流の大きさを制御する有機EL表示装置であって、前記半導体素子は、半導体層と、前記半導体層に接触したゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜を間にして前記半導体層と対向され前記ゲート絶縁膜に接触したゲート電極層と、前記半導体層に接触して電気的に接続された第一、第二電極層とを有し、前記ゲート電極層に印加される電圧によって、前記第一電極層と前記第二電極層との間の電気的な導通と遮断とが制御され、前記ゲート電極層と前記第一電極層と前記第二電極層とのいずれか一以上の電極層が、前記樹脂基板に接触された配線膜に電気的に接続された半導体素子であり、前記配線膜は、前記樹脂基板と接触された下地膜と、前記下地膜に接触され、前記下地膜よりも抵抗率が小さい低抵抗膜とを有し、前記下地膜には、前記下地膜を構成する元素の中で銅が最も大きい質量割合で含有され、前記下地膜100wt%中には、主添加金属であるアルミニウムは1.0wt%以上8.0wt%以下の範囲で含有され、副添加金属であるチタンは1.0wt%以上4.0wt%以下の範囲で含有され、
前記主添加金属と前記副添加金属以外の成分は銅と不可避不純物であり、前記不可避不純物は1wt%以下の範囲で含有され、前記低抵抗膜は、前記下地膜よりも銅の質量割合が高くされた有機EL表示装置である。
さらに本発明は、樹脂基板と、半導体素子と、有機EL層とを有し、前記半導体素子を制御することによって、前記有機EL層に印加される電圧を変化させ、前記有機EL層を流れる電流の大きさを制御する有機EL表示装置であって、前記半導体素子は、半導体層と、前記半導体層に接触したゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜を間にして前記半導体層と対向され前記ゲート絶縁膜に接触したゲート電極層と、前記半導体層に接触して電気的に接続された第一、第二電極層とを有し、前記ゲート電極層に印加される電圧によって、前記第一電極層と前記第二電極層との間の電気的な導通と遮断とが制御され、前記ゲート電極層と前記第一電極層と前記第二電極層とのいずれか一以上の電極層が、前記樹脂基板に接触された配線膜に電気的に接続された半導体素子であり、前記配線膜は、前記樹脂基板と接触された下地膜と、前記下地膜に接触され、前記下地膜よりも抵抗率が小さい低抵抗膜とを有し、前記下地膜には、前記下地膜を構成する元素の中で銅又は副添加金属のいずれか一方が最も大きい質量割合で含有され、前記下地膜100wt%中には、主添加金属であるアルミニウムは1.0wt%以上8.0wt%以下の範囲で含有され、前記副添加金属であるニッケルは10wt%以上50wt%以下の範囲で含有され、
前記主添加金属と前記副添加金属以外の成分は銅と不可避不純物であり、前記不可避不純物は1wt%以下の範囲で含有され、前記低抵抗膜は、前記下地膜よりも銅の質量割合が高くされた有機EL表示装置である。
本発明は、ガラス基板と、半導体素子と、有機EL層とを有し、前記半導体素子を制御することによって、前記有機EL層に印加される電圧を変化させ、前記有機EL層を流れる電流の大きさを制御する有機EL表示装置であって、前記半導体素子は、半導体層と、前記半導体層に接触したゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜を間にして前記半導体層と対向され前記ゲート絶縁膜に接触したゲート電極層と、前記半導体層に接触して電気的に接続された第一、第二電極層とを有し、前記ゲート電極層に印加される電圧によって、前記第一電極層と前記第二電極層との間の電気的な導通と遮断とが制御され、前記ゲート電極層と前記第一電極層と前記第二電極層とのいずれか一以上の電極層が、前記ガラス基板に接触された配線膜に電気的に接続された半導体素子であり、前記配線膜は、前記
ガラス基板と接触された下地膜と、前記下地膜に接触され、前記下地膜よりも抵抗率が小さい低抵抗膜とを有し、前記下地膜には、前記下地膜を構成する元素の中で銅が最も大きい質量割合で含有され、前記下地膜100wt%中には、主添加金属であるアルミニウムは0.5wt%以上8.0wt%以下の範囲で含有され、副添加金属であるシリコンは0.5wt%以上8.0wt%以下の範囲で含有され、
前記主添加金属と前記副添加金属以外の成分は銅と不可避不純物であり、前記不可避不純物は1wt%以下の範囲で含有され、前記低抵抗膜は、前記下地膜よりも銅の質量割合が高くされた有機EL表示装置である。
本発明は、半導体層と、前記半導体層に接触したゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜を間にして前記半導体層と対向され前記ゲート絶縁膜に接触したゲート電極層と、前記半導体層に接触して電気的に接続された第一、第二電極層とを有し、前記ゲート電極層に印加される電圧によって、前記第一電極層と前記第二電極層との間の電気的な導通と遮断とが制御され、前記ゲート電極層と前記第一電極層と前記第二電極層とのいずれか一以上の電極層が、樹脂基板に接触された配線膜に電気的に接続された半導体素子であり、前記配線膜は、前記樹脂基板と接触された下地膜と、前記下地膜に接触され、前記下地膜よりも抵抗率が小さい低抵抗膜とを有し、前記下地膜には、前記下地膜を構成する元素の中で銅が最も大きい質量割合で含有され、前記下地膜100wt%中には、主添加金属であるアルミニウムは1.0wt%以上8.0wt%以下の範囲で含有され、副添加金属であるシリコンは1.0wt%以上8.0wt%以下の範囲で含有され、
前記主添加金属と前記副添加金属以外の成分は銅と不可避不純物であり、前記不可避不純物は1wt%以下の範囲で含有され、前記低抵抗膜は、前記下地膜よりも銅の質量割合が高くされた半導体素子である。
本発明は、半導体層と、前記半導体層に接触したゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜を間にして前記半導体層と対向され前記ゲート絶縁膜に接触したゲート電極層と、前記半導体層に接触して電気的に接続された第一、第二電極層とを有し、前記ゲート電極層に印加される電圧によって、前記第一電極層と前記第二電極層との間の電気的な導通と遮断とが制御され、前記ゲート電極層と前記第一電極層と前記第二電極層とのいずれか一以上の電極層が、樹脂基板に接触された配線膜に電気的に接続された半導体素子であり、前記配線膜は、前記樹脂基板と接触された下地膜と、前記下地膜に接触され、前記下地膜よりも抵抗率が小さい低抵抗膜とを有し、前記下地膜には、前記下地膜を構成する元素の中で銅が最も大きい質量割合で含有され、前記下地膜100wt%中には、主添加金属であるアルミニウムは1.0wt%以上8.0wt%以下の範囲で含有され、副添加金属であるチタンは1.0wt%以上4.0wt%以下の範囲で含有され、
前記主添加金属と前記副添加金属以外の成分は銅と不可避不純物であり、前記不可避不純物は1wt%以下の範囲で含有され、前記低抵抗膜は、前記下地膜よりも銅の質量割合が高くされた半導体素子である。
本発明は、半導体層と、前記半導体層に接触したゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜を間にして前記半導体層と対向され前記ゲート絶縁膜に接触したゲート電極層と、前記半導体層に接触して電気的に接続された第一、第二電極層とを有し、前記ゲート電極層に印加される電圧によって、前記第一電極層と前記第二電極層との間の電気的な導通と遮断とが制御され、前記ゲート電極層と前記第一電極層と前記第二電極層とのいずれか一以上の電極層が、樹脂基板に接触された配線膜に電気的に接続された半導体素子であり、前記配線膜は、前記樹脂基板と接触された下地膜と、前記下地膜に接触され、前記下地膜よりも抵抗率が小さい低抵抗膜とを有し、前記下地膜には、前記下地膜を構成する元素の中で銅又は副添加金属のいずれか一方が最も大きい質量割合で含有され、前記下地膜100wt%中には、主添加金属であるアルミニウムは1.0wt%以上8.0wt%以下の範囲で含有され、前記副添加金属であるニッケルは10wt%以上50wt%以下の範囲で含有され、
前記主添加金属と前記副添加金属以外の成分は銅と不可避不純物であり、前記不可避不純物は1wt%以下の範囲で含有され、前記低抵抗膜は、前記下地膜よりも銅の質量割合が高くされた半導体素子である。
本発明は、樹脂基板に固定される配線膜であって、前記配線膜は、前記樹脂基板と接触された下地膜と、前記下地膜に接触され、前記下地膜よりも抵抗率が小さい低抵抗膜とを有し、前記下地膜には、前記下地膜を構成する元素の中で銅が最も大きい質量割合で含有され、前記下地膜100wt%中には、主添加金属であるアルミニウムは1.0wt%以上8.0wt%以下の範囲で含有され、副添加金属であるシリコンは1.0wt%以上8.0wt%以下の範囲で含有され、
前記主添加金属と前記副添加金属以外の成分は銅と不可避不純物であり、前記不可避不純物は1wt%以下の範囲で含有され、前記低抵抗膜は、前記下地膜よりも銅の質量割合が高くされた配線膜である。
本発明は、樹脂基板に固定される配線膜であって、前記配線膜は、前記樹脂基板と接触された下地膜と、前記下地膜に接触され、前記下地膜よりも抵抗率が小さい低抵抗膜とを有し、前記下地膜には、前記下地膜を構成する元素の中で銅が最も大きい質量割合で含有され、前記下地膜100wt%中には、主添加金属であるアルミニウムは1.0wt%以上8.0wt%以下の範囲で含有され、副添加金属であるチタンは1.0wt%以上4.0wt%以下の範囲で含有され、
前記主添加金属と前記副添加金属以外の成分は銅と不可避不純物であり、前記不可避不純物は1wt%以下の範囲で含有され、前記低抵抗膜は、前記下地膜よりも銅の質量割合が高くされた配線膜である。
本発明は、樹脂基板に固定される配線膜であって、前記配線膜は、前記樹脂基板と接触された下地膜と、前記下地膜に接触され、前記下地膜よりも抵抗率が小さい低抵抗膜とを有し、前記下地膜には、前記下地膜を構成する元素の中で銅又は副添加金属のいずれか一方が最も大きい質量割合で含有され、前記下地膜100wt%中には、主添加金属であるアルミニウムは1.0wt%以上8.0wt%以下の範囲で含有され、前記副添加金属であるニッケルは10wt%以上50wt%以下の範囲で含有され、
前記主添加金属と前記副添加金属以外の成分は銅と不可避不純物であり、前記不可避不純物は1wt%以下の範囲で含有され、前記低抵抗膜は、前記下地膜よりも銅の質量割合が高くされた配線膜である。
本発明は、ガラス基板に固定される配線膜であって、前記配線膜は、前記ガラス基板と接触された下地膜と、前記下地膜に接触され、前記下地膜よりも抵抗率が小さい低抵抗膜とを有し、前記下地膜には、前記下地膜を構成する元素の中で銅が最も大きい質量割合で含有され、前記下地膜100wt%中には、主添加金属であるアルミニウムは0.5wt%以上8.0wt%以下の範囲で含有され、副添加金属であるシリコンは0.5wt%以上8.0wt%以下の範囲で含有され、
前記主添加金属と前記副添加金属以外の成分は銅と不可避不純物であり、前記不可避不純物は1wt%以下の範囲で含有され、前記低抵抗膜は、前記下地膜よりも銅の質量割合が高くされた配線膜である。
本発明は、複数の貫通孔が形成されたガラス基板に固定される配線膜であって、前記配線膜は、前記ガラス基板の表面と前記貫通孔の内周面とに接触された下地膜と、前記下地膜に接触され、前記下地膜よりも抵抗率が小さい低抵抗膜とを有し、前記下地膜には、前記下地膜を構成する元素の中で銅が最も大きい質量割合で含有され、前記下地膜100wt%中には、主添加金属であるアルミニウムは0.5wt%以上8.0wt%以下の範囲で含有され、副添加金属であるシリコンは0.5wt%以上8.0wt%以下の範囲で含有され、
前記主添加金属と前記副添加金属以外の成分は銅と不可避不純物であり、前記不可避不純物は1wt%以下の範囲で含有され、前記低抵抗膜は、前記下地膜よりも銅の質量割合が高くされ、前記低抵抗膜の少なくとも一部は、前記ガラス基板表面上に配置された部分と、前記貫通孔内で前記下地膜と接触して前記貫通孔を充填する部分とが接触された配線膜である。
本発明は、複数の貫通孔が形成されたガラス基板と、前記ガラス基板に設けられた配線膜とを有する配線基板であって、前記配線膜は、前記ガラス基板の表面と前記貫通孔の内周面とに接触された下地膜と、前記下地膜に接触され、前記下地膜よりも抵抗率が小さい低抵抗膜とを有し、前記下地膜には、前記下地膜を構成する元素の中で銅が最も大きい質量割合で含有され、前記下地膜100wt%中には、主添加金属であるアルミニウムは0.5wt%以上8.0wt%以下の範囲で含有され、副添加金属であるシリコンは0.5wt%以上8.0wt%以下の範囲で含有され、
前記主添加金属と前記副添加金属以外の成分は銅と不可避不純物であり、前記不可避不純物は1wt%以下の範囲で含有され、前記低抵抗膜は、前記下地膜よりも銅の質量割合が高くされ、前記貫通孔の内部は、前記貫通孔内で前記下地膜と接触した前記低抵抗膜で充填され、前記低抵抗膜の少なくとも一部は、前記ガラス基板表面上に配置された部分と、前記貫通孔内で前記下地膜と接触して前記貫通孔を充填する部分とが接触された配線基板である。
本発明は、樹脂基板に固定される配線膜の、前記樹脂基板に接触する下地膜を形成するスパッタリング装置のターゲットであって、前記ターゲットの100wt%中には、主添加金属であるアルミニウムは1.0wt%以上8.0wt%以下の範囲で含有され、副添加金属であるシリコンは1.0wt%以上8.0wt%以下の範囲で含有され、
前記主添加金属と前記副添加金属以外の成分は銅と不可避不純物であり、前記不可避不純物が1wt%以下の範囲で含有されたターゲットである。
本発明は、樹脂基板に固定される配線膜の、前記樹脂基板に接触する下地膜を形成するスパッタリング装置のターゲットであって、前記ターゲットの100wt%中には、主添加金属であるアルミニウムは1.0wt%以上8.0wt%以下の範囲で含有され、副添加金属であるチタンは1.0wt%以上4.0wt%以下の範囲で含有され、
前記主添加金属と前記副添加金属以外の成分は銅と不可避不純物であり、前記不可避不純物が1wt%以下の範囲で含有されたターゲットである。
本発明は、樹脂基板に固定される配線膜の、前記樹脂基板に接触する下地膜を形成するスパッタリング装置のターゲットであって、前記ターゲットの100wt%中には、主添加金属であるアルミニウムが1.0wt%以上8.0wt%以下の範囲で含有され、副添加金属であるニッケルが10wt%以上50wt%以下の範囲で含有され、
前記主添加金属と前記副添加金属以外の成分は銅と不可避不純物であり、前記不可避不純物が1wt%以下の範囲で含有されたターゲットである。
【発明の効果】
【0008】
下地層と樹脂基板との間の接着力が大きいので、配線膜が樹脂基板から剥離しない。
下地層の銅の含有率が大きいので、下地層と下地層上の低抵抗層とを同じエッチャント又はエッチングガスによってパターニングすることができる。
下地層上の低抵抗層の抵抗率は小さいので、抵抗の小さい配線膜が得られる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<表示装置の説明>
図14は本発明の一実施例の表示装置として液晶表示装置10が示されており、液晶表示装置10は、樹脂基板30と、本発明の半導体素子11と、液晶表示部14とを有している。
図14では、半導体素子11の断面図が、液晶表示部14の断面図と共に示されている。
【0011】
半導体素子11は、一緒に形成される二種類の配線膜31,32と、半導体層34と、ソース電極層である第一電極層51と、ドレイン電極層である第二電極層52と、画素電極層82とを有している。二種類の配線膜31,32のうち、一方の種類の配線膜31は第一電極層51,第二電極層52、又は画素電極層82の少なくとも一電極層に電気的に接続されており、他の種類の配線膜32は、ゲート電極層として用いられている。ゲート電極層として用いられた配線膜32は、ゲート電極層32とも記載する。配線膜31,32の位置は
図16の斜視図に示されている。
【0012】
樹脂基板30は、可撓性と透明性とを有する樹脂で形成されており、配線膜31、32の少なくとも一部は、樹脂基板30の表面に樹脂基板30と接触して設けられている。
【0013】
ゲート電極層32は、片面が樹脂基板30と接触され、反対側の面はゲート絶縁膜33の片面と接触されており、ゲート絶縁膜33の反対側の面には半導体層34がゲート絶縁膜33に接触して配置されている。この構造ではゲート電極層32と半導体層34との間にはゲート絶縁膜33が位置しており、ゲート電極層32と半導体層34とが接触しないように、ゲート電極層32はゲート絶縁膜33によって覆われている。
【0014】
第一電極層51と第二電極層52とは半導体層34と接触して配置されている。
第一電極層51と第二電極層52とは、半導体層34に接触して形成された酸素拡散防止層37と、酸素拡散防止層37に接触して形成された抵抗率が小さい上部電極層38を有している。上部電極層38は半導体層34と接触しないことが好ましいため、上部電極層38と半導体層34との間に酸素拡散防止層37が配置されている。酸素拡散防止層37はバリア膜とも呼ばれており、チタン薄膜や酸素含有銅薄膜を用いることができる。上部電極層38は銅薄膜を用いることができる。
【0015】
酸素含有銅薄膜とは、銅を主成分とし酸素を含有する薄膜であり、また、銅薄膜は、銅を主成分とし、酸素含有銅薄膜より酸素含有量が低く、抵抗が小さい薄膜である。第一電極層51と第二電極層52は銅が主成分の二層構造の後述する
図9、10に記載された積層型電極層40を構成する。
【0016】
第一電極層51と第二電極層52の間には凹部55が設けられ、この凹部55によって第一電極層51と第二電極層52とは分離されており、第一電極層51と第二電極層52とは、それぞれ半導体層34に接触して半導体層34に電気的に接続されている。
【0017】
凹部55は、第一電極層51と第二電極層52とを構成する二層構造の積層型電極層40が部分的にエッチングされて形成されている。この凹部55が形成される部分内に形成された積層型電極層40の下方位置にはストッパー層36が配置され、積層型電極層40をエッチング除去するときに、凹部55の底面には半導体層34はストッパー層36によって覆われて露出せず、ストッパー層36が露出するようにされている。
【0018】
第一電極層51上と、第二電極層52上と、その間の凹部55上には、水分等の侵入防止のため、保護膜41が形成されており、凹部55の底面の部分では、半導体層34上のストッパー層36と、凹部55内に形成された保護膜41とが互いに接触されている。
【0019】
第二電極層52には、液晶表示部14まで延設された透明な下部配線層42が接触され、第二電極層52と下部配線層42とは電気的に接続されている。
液晶表示部14に位置する下部配線層42
の少なくとも一部は、大面積の画素電極層82
として用いられており、画素電極層82上には液晶層83が配置され、液晶層83上には透明な上部電極81が配置され、従って液晶層83は、それぞれ透明な画素電極層82と上部電極81とで挟まれている。
【0020】
画素電極層82と上部電極81との間の電圧が変化すると液晶層83に印加される電圧が変化
し、その結果、液晶層83を透過する光の偏光の方向が変化するので、光源から射出された光が液晶
層83を透過する際に、画素電極層82と上部電極81との間の電圧の変化によって、液晶層83を透過する光の偏光の方向が変化する。
【0021】
上部電極81上には、偏光フィルタ85が配置されており、光源から射出され、液晶層83と上部電極81とを透過した光は偏光フィルタ85に入射するようにされている。
【0022】
光の
偏光の方向が変わると、光の偏光の方向と偏光フィルタ85の
偏光の方向との間の関係が変わるため、偏光フィルタ85を透光していた光が遮蔽され、又は、偏光フィルタ85に遮蔽されていた光が透光するようになる。
このように、液晶層83の偏光の方向が変わることにより、光の透光状態と遮光状態とを切り換えることができる。
【0023】
画素電極層82は第一電極層51または第二電極層52に電気的に接続されており、第一電極層51と第二電極層52とゲート電極層32との電位を制御することで、半導体素子11の導通と遮断とを切り替えることができるので、半導体素子11の導通と遮断を制御することによって光の透光状態と遮光状態とを制御することができる。
【0024】
樹脂基板30上には、液晶表示部14が複数個設けられており、各液晶表示部14には、それぞれ画素電極層82が配置され、
各画素電極層82上には、液晶層83と上部電極81と偏光フィルタ85とが配置されている。
【0025】
各画素電極層82
にはそれぞれ異なる半導体素子11が接続され、各画素電極層82上の液晶層83の偏光の方向は、画素電極層82が接続された半導体素子11の導通と遮断を制御することによって制御され、各画素電極層82上で光の透光状態と遮光状態とが制御されて画面上の表示が行われる。
【0026】
本発明の表示装置には有機EL層を用いた有機EL表示装置も含まれており、有機EL表示装置では、例えば液晶層83に替え、画素電極層82の表面上に有機EL層が配置され、有機EL層の表面上に配置された上部電極81と画素電極層82との間に印加される電圧の大きさが半導体素子11の制御によって制御され、有機EL層に流れる電流の大きさが変化し、発光量が変化して所望の表示が行われる。有機EL表示装置では、屋外での視認性向上のため外光の反射防止用に偏光フィルタが使用されることがある。
【0027】
次に、半導体素子11の製造工程を説明する。
<半導体素子の製造工程>
この半導体素子11は、先ず、樹脂基板30上に、スパッタ法や蒸着法等の真空薄膜形成方法によって配線膜31,32を形成する。
【0028】
図15は、配線膜31、32を形成するための成膜装置25であり、第一、第二真空室26a、26bを有している。第一、第二真空室26a、26bの内部には、第一、第二ターゲット44a、44bがそれぞれ配置されている。
【0029】
第一真空室26aの前段には、前処理室27が配置され、第二真空室26bの後段には、搬出室28が配置されている。前処理室27の内部と第一真空室26aの内部と第二真空室26bの内部と搬出室28の内部とは、それぞれゲートバルブ29
1〜29
3を介してそれぞれ接続されている。
【0030】
前処理室27と第一、第二真空室26a、26bと搬出室28とは、それぞれ真空排気装置24に接続されており、真空排気装置24の動作により、各室27,26a、26b、28は真空雰囲気に真空排気されている。
【0031】
先ずゲートバルブ29
1を開け、第一真空室26aの内部と前処理室27の内部とを接続し、前処理室27の内部に位置する樹脂基板30を第一真空室26aの内部に移動させ、ゲートバルブ29
1を閉じる。
【0032】
第一真空室26aの内部の第一ターゲット44aは、銅を主成分とし、主添加金属としてアルミニウムを所定割合で含有し、且つ、シリコン、チタン、マンガン、又はニッケルのいずれか一又は二種類の金属を副添加金属として所定割合で含有する合金である。
【0033】
第一、第二真空室26a、26bはガス導入装置47に接続されており、ガス導入装置47から第一真空室26aの内部にアルゴンガス等のスパッタリングガスを導入し、スパッタリング電源27aによって第一ターゲット44aにスパッタリング電圧を印加し、第一ターゲット44aをスパッタリングすると、
図1に示すように、樹脂基板30の表面に、第一ターゲット44aと同一組成で樹脂基板30と接触した下地膜21が形成される。
【0034】
下地膜21が所定膜厚に形成されると、第一ターゲット44aのスパッタリングを停止し、第一、第二真空室26a、26b間のゲートバルブ29
2を開け、下地膜21が形成された第一真空室26aの内部に位置する樹脂基板30を第二真空室26bの内部に移動させ、ゲートバルブ29
2を閉じ、第二真空室26b内にスパッタリングガスを導入してスパッタリング電源27bによって第二ターゲット44bをスパッタリングし、下地膜21上に、下地膜21と接触した低抵抗膜22を所定膜厚に形成する。
【0035】
第二ターゲット44bは、銅の含有率が第一ターゲット44aよりも高く、導電率が第一ターゲット44aよりも大きくなっている純銅又は銅合金で構成されており、低抵抗膜22の組成は第二ターゲット44bと同一の組成になっている。
【0036】
第一、第二ターゲット44a、44bは、銅の含有率が高く、第一、第二ターゲット44a、44bのスパッタリングによって得られた下地膜21と低抵抗膜22とは、同一のエッチャント又は同一のエッチングガスによってパターニングすることができる。
【0037】
低抵抗膜22が所定膜
厚に形成されると第二真空室26bの内部のスパッタリングが停止され、第二真空室26bと搬出室28との間のゲートバルブ29
3が開けられ、下地膜21と低抵抗膜22とが形成された樹脂基板30は第二真空室26bの内部から搬出室28の内部に移動され、ゲートバルブ29
3が閉じられ、搬出室28に大気が導入され、樹脂基板30は搬出室28の内部から大気中に取り出され、フォトリソグラフ工程と、一回のエッチング工程とによって、
図3に示すような、パターニングされた下地膜21と低抵抗膜22とからなる配線膜32が形成される。
【0038】
この配線膜32は、ゲート電極層32であるが、他の場所に位置する配線膜31もゲート電極層32と一緒に形成されている。
パターニングによって形成された配線膜31,ゲート電極層32が位置する場所以外の場所では、樹脂基板30の表面が露出する。
【0039】
次に、
図4に示すように、樹脂基板30とゲート電極層32の表面に、SiO
2、SiNx等のゲート絶縁膜33を形成する。他の配線膜31の表面にもゲート絶縁膜33は形成される。
【0040】
次に、ゲート絶縁膜33を必要な平面形状にパターニングした後、ゲート絶縁膜33上に半導体の薄膜を形成し、パターニングして、
図5に示す半導体層34を形成する。
【0041】
次いで、
図6に示すように、半導体層34の表面やゲート絶縁膜33の表面などの樹脂基板30上で露出する部分上に酸化物絶縁薄膜35を形成し、その酸化物絶縁薄膜35を、
図7に示すようにパターニングして、酸化物絶縁薄膜から成るストッパー層36を形成する。
図7の状態の処理対象物80では、ストッパー層36は、半導体層34の表面の一部を覆っており、他の部分を露出させている。
【0042】
次に、
図8に示すように、処理対象物80の表面上に導電性を有する酸素拡散防止層37を形成した後、
図9に示すように、低抵抗な上部電極層38を形成し、酸素拡散防止層37と上部電極層38とで、二層構造の積層型電極層40を構成させる。
【0043】
次に、
図10に示すように、後述するソース領域になる部分の上方とドレイン領域になる部分の上方に位置する積層型電極層40の表面にパターニングされたレジスト膜39を形成する。
【0044】
この状態の樹脂基板30と樹脂基板30上の部材とを処理対象物88とすると、処理対象物88を、酸素拡散防止層37と上部電極層38とをエッチングするエッチング液に浸漬する。
処理対象物88は、レジスト膜39で覆われていない部分には上部電極層38が露出しており、露出した上部電極層38と、その上部電極層38下方の酸素拡散防止層37とがエッチング液によってエッチングされ、
図11に示すように、上部電極層38と酸素拡散防止層37とが溶解・除去された部分に開口45が形成される。
【0045】
ストッパー層36は、上部電極層38と酸素拡散防止層37とのエッチング液によってエッチングされない材質であり、エッチング液によるエッチングは、開口45の底面にストッパ−層36が露出したときに停止する。
【0046】
ゲート電極層32は細長であり、ゲート電極層32の上方の、ゲート電極層32の片側の部分の半導体層34をソース領域71とし、ソース領域71の反対側の部分の半導体層34をドレイン領域72と呼ぶと、このエッチングにより、積層型電極層40は、ソース領域71に接触された第一電極層51と、ドレイン領域72に接触された第二電極層52とに分離される。半導体層34の、ソース領域71とドレイン領域72の間は導通と非導通が切換えられる制御領域73と呼ぶ。
【0047】
次に、
図12に示すようにレジスト膜39を除去し、
図13に示すようにSiNxやSiO
2等の絶縁膜から成る保護膜41を形成し、
図14に示すように保護膜41にヴィアホールやコンタクトホール等の接続孔43を形成し、接続孔43底面に露出する第一電極層51や第二電極層52等と、樹脂基板30上の他の素子の電極層との間を電気的に接続する透明な下部配線層42を形成する。
【0048】
ゲート電極層32、第一、第二電極層51、52には電圧を印加できる状態であり、制御領域73の導通と非
導通
との切り替えはゲート電極層32と、第一、第二電極層51、52との電圧によって制御することができ、半導体素子11は導通と遮断の動作をすることができる。液晶層83と上部電極81とは後工程で配置され、上述したように、複数個の半導体素子11の導通と遮断により、表示が行われる。
なお、半導体層34を浸食しないエッチング液を用いる場合は、半導体層34はエッチング液に接触できるのでストッパー層36は不要である。
【0049】
樹脂基板30に接触した下地膜21は、樹脂に対する付着力が強いので、配線膜31、32(ゲート電極層32)が樹脂基板30から剥離しないようになっている。
また、下地膜21と低抵抗膜22とは、銅を多く含有するので、銅をエッチングするエッチャント又はエッチングガスによってエッチングすることができ、従って、配線膜31、32は1回のエッチングによってパターニングすることができる。
【0050】
以上は、下地膜21と接触する基板には樹脂基板30を用いた半導体素子11の製造工程を説明したが、樹脂基板30に換え、ガラス基板20を用いた半導体素子11に関する発明も本発明に含まれる。
【0051】
ガラス基板20に下地膜
21を形成する際には、ガス導入装置47から第一真空室26aの内部にアルゴンガス等のスパッタリングガスを導入し、スパッタリング電源27aによって第一ターゲット44aにスパッタリング電圧を印加し、第一ターゲット44aをスパッタリングし、第一真空室26aの内部に配置されたガラス基板20の表面に、第一ターゲット44aと同一組成の下地膜21がガラス基板20の表面と接触して形成される。
【0052】
ここで、第二真空室26b内で、下地膜21上に第二ターゲット44bと同一組成の低抵抗膜22が下地膜21と接触して形成される。
ガラス基板20の場合は下地膜21の形成後、低抵抗膜22を形成する前、又は、下地膜21と低抵抗膜22とが形成された後、ガラス基板20と下地膜21とを加熱するアニール、又はガラス基板20と下地膜21と低抵抗膜22とを加熱するアニールを行うとよい。
【0053】
アニールを行う場合と行わない場合のいずれの場合についても樹脂基板30の時と同じ工程によって配線膜32が形成され、配線膜32の形成後、樹脂基板30のときに
図4〜
図14で説明した上記工程と同じ工程によって、ガラス基板20を有する本発明の半導体素子11が得られる。
【0054】
次に、本発明の他の例を説明すると、
図17(a)のガラス基板46はガラスインターポーザであり、複数の貫通孔48が形成されている。上記第一ターゲット44aのスパッタリングによって、同図(b)に示すように、ガラス基板46の表面上と貫通孔48の内周面とに下地膜21が形成される。但し、ここでは裏面には形成されない。
【0055】
例えば、下地膜21の膜厚は150nmであり、貫通孔48の開口は直径50μmの円形であり、隣接する貫通孔48の中心間距離は100μmである。
次に、下地膜21が形成されたガラス基板46をメッキ液に浸漬し、電解メッキ法によって、下地膜21の表面上に、銅薄膜を成長させ、低抵抗膜22を形成すると、同図(c)に示すように、下地膜21と低抵抗膜22とから成る配線膜32が設けられた配線基板90が得られる。
【0056】
低抵抗膜22の組成は、銅の含有率が第一ターゲット44a及び下地膜21よりも高く、導電率が第一ターゲット44a及び下地膜21よりも大きい純銅又は銅合金で構成されており、配線膜32が設けられたガラス基板46は、半導体チップを搭載し、電子回路を形成するために用いることができる。
【0057】
また、貫通孔48に充填された低抵抗膜22によって表面と裏面の間を電気的に接続することができるので、表面の半導体チップと裏面の所望位置のパッドとを電気的に接続させることができる。
【0058】
次に、ビルドアップ基板について説明する。
図18の符号75は第一の貫通孔76が形成されたガラス基板であり、ガラス基板75の表面と第一の貫通孔76の内周面とには、上記組成の下地膜と低抵抗膜とから成る第一の配線膜77が形成されている。第一の貫通孔76は第一の配線膜77で充填されており、ガラス基板75の表面の第一の配線膜77と裏面の第一の配線膜77とは、第一の貫通孔76に充填された第一の配線膜77にそれぞれ接触され、第一の貫通孔76に充填された第一の配線膜77によって電気的に接続されている。
【0059】
ガラス基板75の表面と裏面とには、第二の貫通孔74が形成された複数の樹脂基板94が積層され、ガラス基板75とガラス基板75に積層された樹脂基板94とから成るビルドアップ基板92が形成されている。
【0060】
積層された各樹脂基板94は、表面に上記組成の下地膜と低抵抗膜とから成る第二の配線膜97が形成されており、第二の貫通孔74の内部には第二の配線膜97が充填されている。一枚の樹脂基板94の表面の第二の配線膜97と第二の貫通孔74の内部に充填された第二の配線膜97とは接触され、電気的に接続されている。
【0061】
ガラス基板75に積層された樹脂基板94のうちには、ガラス基板75の第一の配線膜77に接触されて電気的に接続された第二の配線膜97を有する樹脂基板94と、隣接する樹脂基板94の第二の配線膜97に接触されて電気的に接続された第二の配線膜97を有する樹脂基板94とが含まれている。ビルドアップ基板92の最上層に配置された樹脂基板94の第二の配線膜97には半導体チップ91の電極95が接触され、ビルドアップ基板92の最下層に位置する樹脂基板94の第二の配線膜97には、プリント基板93の配線膜98が、バンプ96によって接続されている。
【0062】
このような構成によると、ビルドアップ基板92に搭載された半導体チップ91の電極95は、所望位置のプリント基板93の配線膜98に接続させることができる。
【実施例】
【0063】
以下の実施例や比較例では、半導体層34にはInGaZnOを用いた。酸素拡散防止層37には、酸素を含有する銅薄膜を用い、上部電極層38には、純銅薄膜を用いた。
【0064】
ポリイミド、PET、またはエポキシ樹脂からなる樹脂基板30の表面上に、主添加金属のアルミニウムを0、0.5、1.0、2.0、4.0、6.0、8.0、9.0、10wt%の割合で含有し、且つ、副添加金属のシリコン、チタン、又はマンガンを0、0.5、1.0、2.0、4.0、6.0、8.0、9.0、10wt%の割合で含有した合金からなる第一ターゲット、又は、副添加金属のニッケルを0、5、10、20、30、40、50、60、70wt%の割合で含有した合金からなる第一ターゲットを
製作し(又は
製作を試み)、第一ターゲットをスパッタリングして樹脂基板30の表面に下地膜を形成しPeel強度を測定した。測定結果を下記表1〜12に示す。主添加金属と副添加金属以外の成分は銅及び不可避不純物であり、不可避不純物は、1wt%以下である。下地膜の組成は下地膜を形成した第一ターゲットの組成と同一である。
【0065】
表中、「
製作不可」は第一ターゲットが
製作できなかった主添加金属の割合と副添加金属の割合の組み合わせであり、樹脂基板30がポリイミド又はエポキシ樹脂であったときには、「○」は、測定値が0.8kgf/cm以上であった割合の組み合わせであり、「△」は0.5kgf/cm以上0.8kgf/cm未満の範囲であった割合の組み合わせであり、「×」は、0.5kgf/cm未満であった割合の組み合わせである。
【0066】
樹脂基板30がPETであったときには、「○」は、測定値が0.5kgf/cm以上であった割合の組み合わせであり、「△」は0.2kgf/cm以上0.5kgf/cm未満の範囲であった割合の組み合わせであり、「×」は、0.2kgf/cm未満であった割合の組み合わせである。
表中の「○」が、適した割合の組み合わせである。
【0067】
まず、下記表1〜3は、副添加金属がシリコンの場合であり、測定結果から、主添加金属であるアルミニウムを1.0wt%以上8.0wt%以下の範囲で含有し、副添加金属であるシリコンを1.0wt%以上8.0wt%以下の範囲で含有する第一ターゲットから得られた下地膜の付着力が強い。
【0068】
【表1】
【0069】
【表2】
【0070】
【表3】
【0071】
次に、下記表4〜6は、副添加金属がチタンの場合であり、測定結果から、主添加金属であるアルミニウムを1.0wt%以上8.0wt%以下の範囲で含有し、副添加金属であるチタンを1.0wt%以上4.0wt%以下の範囲で含有する第一ターゲットから得られた下地膜の付着力が強い。
【0072】
【表4】
【0073】
【表5】
【0074】
【表6】
【0075】
また、下記表7〜9は、副添加金属がマンガンの場合であり、測定結果から、主添加金属であるアルミニウムを1.0wt%以上8.0wt%以下の範囲で含有し、副添加金属であるマンガンを1.0wt%以上8.0wt%以下の範囲で含有する第一ターゲットから得られた下地膜の付着力が強い。
【0076】
【表7】
【0077】
【表8】
【0078】
【表9】
【0079】
また、下記表10〜12は、副添加金属がニッケルの場合であり、測定結果から、主添加金属であるアルミニウムを1.0wt%以上8.0wt%以下の範囲で含有し、副添加金属であるニッケルを10wt%以上50wt%以下の範囲で含有する第一ターゲットから得られた下地膜の付着力が強い。
【0080】
【表10】
【0081】
【表11】
【0082】
【表12】
【0083】
従来技術では、ガラス基板に対する付着強度が大きい配線膜が求められており、ガラス基板中の酸素と化学結合する添加物が配線膜の中に添加されていたが、樹脂基板30に対して付着強度を大きくするためには、樹脂基板30中の樹脂の化学構造に含有される酸素、水素及び炭素と化学結合する添加物が必要であり、特に、以上説明した配線膜31,32の下地膜21に含有される副添加金属は、炭素との反応性が高く、樹脂基板30に対する付着強度が大きくなっている。
【0084】
<ガラス基板>
次に、アルカリガラスから成る表面が平坦なガラス基板20の表面上に、主添加金属のアルミニウムを0、0.5、1.0、2.0、4.0、6.0、8.0、9.0、10wt%の割合で含有し、且つ、副添加金属のシリコンを0、0.5、1.0、2.0、4.0、6.0、8.0、9.0、10wt%の割合で含有した合金からなる第一ターゲットを
製作し(又は
製作を試み)、
製作した第一ターゲットをスパッタリングしてガラス基板20の表面に50nmの下地膜を形成し、次いで、銅の含有率が第一ターゲット及び下地
膜よりも高く、導電率が第一ターゲット及び下地
膜よりも大きくなっている純銅又は銅合金で構成された第二ターゲットをスパッタリングし、下地膜の表面上に低抵抗膜22を形成し、下地
膜と低抵抗膜22とが積層された配線膜32を形成した。
【0085】
主添加金属と副添加金属以外の成分は銅及び不可避不純物であり、不可避不純物は、1wt%以下である。下地膜の組成は下地膜を形成した第一ターゲットの組成と同一である。
【0086】
密着性の評価は、配線膜32の表面に接着テープを貼付した後、接着テープを引きはがす試験条件にてPeel強度試験を行った。
Peel強度試験の評価結果を下記表13に示す。評価条件は10×10個の小片のうち一個以上の小片が剥離したときに不良が発生したとし、表中に×を記載した。
【0087】
【表13】
【0088】
表13から、Alが0.5以上8.0wt%以下の範囲で、且つ、Siが0.5以上8.0wt%以下の範囲の場合と、Alが9.0以上10wt%以下の範囲で、且つ、Siの含有率が0.5以上4.0wt%以下の範囲の場合とに剥離強度が高くなっていることが分かる。
【0089】
次に、
図17(a)に示すガラス基板46の表面上に、表13と同じ第一ターゲット(主添加金属のアルミニウムを0、0.5、1.0、2.0、4.0、6.0、8.0、9.0、10wt%の割合で含有し、且つ、副添加金属のシリコンを0、0.5、1.0、2.0、4.0、6.0、8.0、9.0、10wt%の割合で含有した合金からなる第一ターゲット)を
製作し(又は
製作を試み)、
製作した第一ターゲットをスパッタリングしてガラス基板46の表面に、
図17(b)に示すように150nmの下地膜21を形成した。
【0090】
このガラス基板46には、複数の貫通孔48が形成されており、下地膜21は、ガラス基板46の表面上の他、貫通孔48の内周面にも形成される。裏面には形成されていない。
下地膜21は膜厚150nmに形成した。貫通孔48の開口は直径50μmの円形であり、隣接する貫通孔48の中心間距離は100μmである。
【0091】
次に、下地膜21が形成されたガラス基板46をメッキ液に浸漬し、電解メッキ法によって、下地膜21の表面上に、膜厚5μmの銅薄膜から成る低抵抗膜22を形成し、下地膜21と低抵抗膜22とから成る配線膜32が得られた。低抵抗膜22の組成は、銅の含有率が第一ターゲット44a及び下地膜21よりも高く、導電率が第一ターゲット44a及び下地膜21よりも大きい純銅又は銅合金で構成されている。
【0092】
表13と同じ試験条件と評価条件によってでPeel強度試験を行った。Peel強度試験の試験結果を下記表14に示す。
【0093】
【表14】
表14から、Alが0.5以上8.0wt%以下の範囲で、且つ、Siが0.5以上8.0wt%以下の範囲の含有率の場合に剥離強度が高くなっていることが分かる。
【0094】
以上、本発明の配線膜は、下地
膜と接触する基板が樹脂の場合とガラスの場合の両方に剥離強度が高くなっていることから、上記各配線膜と同様に、本配線膜を用いた液晶表示装置、有機EL表示装置、半導体素子も本発明に含まれる。また、本発明の配線膜は、ガラス繊維が樹脂中に分散された複合基板に対しても剥離強度が高くなる。