(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記端子側面は、前記仮想四角形の四つの角部のうち、前記第一辺と、前記素子とは反対側で前記第一辺から前記第二辺に至る第四辺と、で形成される角部が、さらに除去された形状を有する請求項1記載の半導体装置。
前記端子は、平面視で、前記端子側面に沿った直線と、前記素子とは反対側で前記端子底面から立ち上がる外側立ち上がり面に沿った直線と、で形成される仮想角部が、さらに除去された形状を有する請求項1記載の半導体装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、この発明の実施形態について説明するが、この発明は以下に示す実施形態に限定されない。以下に示す実施形態では、この発明を実施するために技術的に好ましい限定がなされているが、この限定はこの発明の必須要件ではない。
なお、以下の説明で使用する図において、図示されている各部の寸法関係は、実際の寸法関係と異なる場合がある。
【0010】
〔第一実施形態〕
第一実施形態として、磁電変換機能を有する素子としてホール素子を用いた磁気センサ(半導体装置)について説明する。
[磁気センサの構成]
図1(a)〜(c)および
図2(a)〜(c)に示すように、この実施形態の磁気センサ100は、ホール素子10と、四個(複数)のリード端子21〜24と、四本(複数)の金属細線31〜34と、絶縁層(保護層)40と、合成樹脂製の封止体50と、外装メッキ層60とを有する。磁気センサ100は、ホール素子10を載置するためのアイランド部を有さない。つまり、磁気センサ100はアイランドレス構造を有する。なお、
図1(a)と
図2(b)では外装メッキ層60が省略されている。
【0011】
図1(a)に示すように、磁気センサ100は直方体の外観形状を有する。この直方体の内部に、ホール素子10と、リード端子21〜24と、金属細線31〜34と、絶縁層40が配置されている。封止体50をなす合成樹脂は、これらの部品と直方体をなす六個の面との間を埋めるとともに、六個の面を形成している。つまり、封止体50は、第一面(ホール素子10の基板側を下側とした時に最上面となる面、底面とは反対側の面)51と、第二面(底面、ホール素子10の基板側を下側とした時に最下面となる面)52と、一対の第一側面53と、一対の第二側面54を有する。
図1(b)では、封止体50の第一面51と内部を埋めている部分が省略されている。
【0012】
<ホール素子>
図1(b)に示すように、ホール素子10は、基板上に形成された半導体薄膜からなる活性層(磁気感受部)12と、活性層12と電気的に接続された四個(複数)の電極13a〜13dとを有する。
図1(c)および
図2(b)に示すように、ホール素子10の基板の平面形状は正方形である。基板は、例えば、半絶縁性のガリウムヒ素(GaAs)からなる。また、基板としては、シリコン(Si)などからなる半導体基板や、フェライト基板などの磁気を収束する効果のある基板を用いることもできる。
活性層12は、例えば、インジウムアンチモン(InSb)やガリウムヒ素などの化合物半導体からなる薄膜である。
ホール素子10の厚さは、例えば100μm以下である。
【0013】
<リード端子>
リード端子21〜24は、磁気センサ100と外部との電気的接続を得るための端子である。
図1(b)に示すように、リード端子21〜24は、平面視でホール素子10の周囲に配置されている。
図1および
図2に示すように、リード端子21〜24は、封止体50の第一面(底面とは反対側の面)51側の面である上面21a〜24aと、ホール素子10側の面であって封止体50の第一側面53に近い位置に存在する面21b〜24bを有する。また、リード端子21〜24は、封止体50の第一側面53と平行で隣のリード端子との対向面21g〜24gと、第一側面53と同一面となる外側面21c〜24cと、ホール素子10とは反面側の面であって、第一側面53から離れる位置に存在する面21d1〜24d1および第一側面53に近い位置に存在する面21d2〜24d2と、封止体50の第二面(底面)52と同一面となる下面21e〜24eを有する。
【0014】
つまり、リード端子21〜24は、封止体50の底面52から露出する端子底面(下面)21e〜24eと、第一側面53から露出する端子側面(外側面)21c〜24cを有する。
また、リード端子21〜24は、上面21a〜24aから徐々に高さが低くなる凹状の円弧面21f〜24fと、下面21e〜24eから徐々に高さが高くなる凹状の曲面21h〜24hを有する。円弧面21f〜24fは上面21a〜24a側のハーフエッチング部であり、曲面21h〜24hは下面21e〜24e側のハーフエッチング部である。また、リード端子21〜24は、ホール素子10の角部と対向する凹状の円弧面21i〜24iを有する。これらの円弧面21i〜24iは同一円上にあり、その円の中心はホール素子10の平面形状の中心である。
【0015】
また、
図2(b)に示すように、封止体50の第二面52において隣り合う二つのリード端子21,23間の距離と二つのリード端子22,24間の距離は同じであり、その距離Tは200μm以下である。封止体50の第二面52において隣り合う二つのリード端子21,24間の距離と二つのリード端子間22,23間の距離は同じであり、その距離はTより大きい。
【0016】
ここで、端子側面21c〜24cの形状について、
図3に示す仮想四角形200を用いて説明する。
図3に示すように、端子側面21c〜24cの仮想四角形200は、封止体の底面52に沿った直線である第一辺201と、端子反面(上面)21a〜24aに沿った第二辺202と、素子側で第一辺201から第二辺202に至る第三辺203と、素子とは反対側で第一辺201から第二辺202に至る第四辺204aと、からなる長方形である。
【0017】
また、第一辺201は、端子底面(下面)21e〜24eに沿った直線である。第三辺203は、ホール素子10側の面21b〜24bに沿った直線である。第四辺204aは、ホール素子10とは反面側の面21d2〜24d2に沿った直線である。
そして、磁気センサ100を構成する端子側面21c〜24cは、仮想四角形200の四つの仮想角部210〜240のうち、第二辺202と第三辺203とで形成される仮想角部210が除去された形状を有する。つまり、仮想角部210の除去により凹状の円弧面21f〜24fが形成されている。
【0018】
また、リード端子21〜24は、
図4に示すように、平面視で仮想角部250が除去された形状を有する。仮想角部250は、平面視で、端子側面21c〜24cに沿った直線205と、ホール素子10とは反対側で端子底面21e〜24eから立ち上がる外側立ち上がり面21d1〜24d1に沿った直線204bと、で形成される角部である。仮想角部250の除去により外側立ち上がり面21d1〜24d1から長方形の切欠き部が形成され、その結果として側面53に近い位置に面21d2〜24d2が形成される。
【0019】
リード端子21〜24は、例えば、銅(Cu)または銅合金、鉄(Fe)または鉄を含む合金等の金属材料からなり、特に銅製であることが好ましい。また、リード端子21〜24の上面21a〜24aに、銀(Ag)めっき、またはニッケル(Ni)−パラジウム(Pd)−金(Au)めっきが施されていてもよい。また、リード端子21〜24の下面21e〜24eに、ニッケル(Ni)−パラジウム(Pd)−金(Au)めっきが施されていてもよい。
【0020】
<金属細線>
図1(b)に示すように、金属細線31〜34は、ホール素子10が有する電極13a〜13dと、リード端子21〜24とを、それぞれ電気的に接続している。具体的には、金属細線31がリード端子21と電極13aとを接続し、金属細線32がリード端子22と電極13bとを接続し、金属細線33がリード端子23と電極13cとを接続し、金属細線34がリード端子24と電極13dとを接続している。
金属細線31〜34は、例えば、金、銀、または銅からなる。
【0021】
<絶縁層>
絶縁層40は、ホール素子10の裏面に接触状態で配置されている。
絶縁層40をなす材料としては、合成樹脂や金属酸化物が挙げられる。絶縁層40は、合成樹脂からなる層と金属酸化物からなる層のいずれか一層で構成されていてもよいし、これらの層の二層構造であってもよい。
【0022】
合成樹脂の例としては、フォトレジスト材(ネガ型でもポジ型でも可)や、エポキシ樹脂などの熱硬化型樹脂にフィラーを含む材料が挙げられる。フィラーの材質としては、シリ力(SiO
2)、アルミナ(Al
2O
3)、チタニア(TiO
2)などのセラミックスや金属酸化物が好ましい。
金属酸化物としては、酸化チタン(TiO
2)などが使用できる。
【0023】
絶縁層40がフィラー入りの合成樹脂からなる場合、絶縁層40の厚さはフィラーの寸法で決まる。この厚さは例えば2μm以上とするが、ホール素子10の保護の観点から10μm以上30μm以下とすることが好ましい。絶縁層40が金属酸化物の場合は、製法上、膜厚を厚くすると生産コスト高くなるため、例えば、100nm以上500nm以下にすることが好ましい。
なお、「フィラーの寸法」とは、球状のフィラーの場合は球の直径であり、球体が破砕された形状を有するフィラーの場合は、元の球体の径方向で最も大きい部分の寸法であり、繊維状のフィラーの場合は繊維断面の長径である。
【0024】
<封止体>
図1(c)に示すように、封止体50は、ホール素子10と電極13a〜13dとリード端子21〜24と金属細線31〜34とを封止する。
図1(a)および
図2(a)に示すように、リード端子21〜24の外側面21c〜24cは、封止体50の第一側面53と同一面にある。
図1(c)および
図2(b)に示すように、リード端子21〜24の下面21e〜24eおよび絶縁層40の下面は、封止体50の第二面52と同一面にある。
【0025】
封止体50の厚さ(つまり、磁気センサ100の厚さ)は、例えば200μm以下である。
封止体50をなす合成樹脂には、絶縁性、線膨張係数がリード端子と近い値であること、耐衝撃性、耐熱性(磁気センサ100をリフローハンダ付けする時の高熱に耐えられること)、および耐吸湿性が求められる。
【0026】
封止体50をなす合成樹脂の線膨張係数がリード端子の線膨張係数に近い値であると、熱ストレスで磁気センサ100のパッケージに生じる応力が抑制されるため、パッケージに割れが生じにくくなる。そのため、例えば、リード端子が銅製である場合、封止体50の材料として、銅の線膨張係数(16.8×10
8/℃)に近い線膨張係数を有する合成樹脂を用いることが好ましい。
【0027】
耐衝撃性に関しては、封止体50の材料として、弾性率の高い合成樹脂を用いることが好ましい。
封止体50をなす合成樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂、テフロン(登録商標)が挙げられる。封止体50は、1種類の合成樹脂で形成されていてもよいし、2種類以上の合成樹脂で形成されていてもよい。また、後述のシートを用いた成形法を採用して封止体50を形成する場合は、封止体50の第一面51側の部分に、このシートを構成する合成樹脂が存在していてもよい。
【0028】
<外装メッキ層>
外装メッキ層60は、封止体50の第二面52と同一面にあるリード端子21〜24の下面21e〜24eに形成されている。
図2(b)では外装メッキ層60が省略されている。外装めっき層60は、例えば、スズ(Sn)からなる。なお、リード端子21〜24の下面21e〜24eに、予めニッケル(Ni)−パラジウム(Pd)−金(Au)めっきが施されている場合には、外装メッキ層60を設ける必要はない。
【0029】
[動作]
この実施形態の磁気センサ100を用いて磁気(磁界)を検出する場合には、例えば、リード端子21を電源電位(+)に接続すると共に、リード端子22を接地電位(GND)に接続して、リード端子21からリード端子22に電流を流す。そして、リード端子23,24間の電位差V1−V2(=ホール出力電圧VH)を測定する。また、測定されたホール出力電圧VHの大きさから磁界の大きさを検出し、ホール出力電圧VHの正負から磁界の向きを検出する。
【0030】
[製法]
図5および
図6を用いて、実施形態の磁気センサ100の製造方法を説明する。
先ず、表面に複数のホール素子10のパターンが形成されたウエハの裏面の各ホール素子10の位置に、平面形状がホール素子10より小さい絶縁層40を形成する。次に、ウエハをダイシングラインに沿って切断することで個片化する。これにより、裏面に絶縁層40が形成されたホール素子10が得られる。
【0031】
次に、
図5(a)に示すリードフレーム120を用意する。リードフレーム120は、リード部121〜124を有する。リード部121〜123は、平面視で隣り合う磁気センサ100の二個または四個のリード端子を含む形状を有する。リード部124は、磁気センサ100の一つのリード端子を含む形状を有する。リード端子21〜24の円弧面21f〜24fは、リードフレーム120の作製時に、金属板の上面(端子反面22a〜24a)側からエッチングを行うことで形成する。
【0032】
なお、リード部122とリード部124をリードフレーム120の外縁に沿って接続する接続部と、各リード部121〜124をダイシングラインL1,L2に沿って接続する接続部は図示されていない。
次に、リードフレーム120の裏面に、例えばポリイミド製の耐熱性フィルム80を貼り付けて、リードフレーム120のリード部121〜124がない部分(貫通領域)を裏面側から耐熱性フィルム80で塞ぐ。耐熱性フィルム80として、一方の面に絶縁性の粘着層を有するものを使用し、この粘着層で耐熱性フィルム80とリードフレーム120を接合する。つまり、耐熱性フィルム80とリードフレーム120との接合体81を得る。
図5(b)はこの工程後の状態を示す。
【0033】
次に、裏面に絶縁層40が形成されたホール素子10を、接合体81の上面(耐熱性フィルム80の粘着層)のホール素子配置領域(リード端子21〜24で囲まれた領域)に配置する(即ち、ダイボンディングを行う)。
図5(c)はこの工程後の状態を示す。
なお、ホール素子配置領域に絶縁ペーストを塗布し、その上に絶縁層40が形成されていないホール素子10を配置して絶縁ペーストを硬化させることで、絶縁層40を形成してもよい。その場合は、完成後の磁気センサ100において、ホール素子10の裏面の一部が封止部50から露出することがないように、絶縁ペーストの塗布条件(例えば、塗布する範囲、塗布する厚さ等)を調整する。
【0034】
そして、ダイボンディングを行った後に熱処理(即ち、キュア)を行い、耐熱性フィルム80と絶縁層40の密着性を向上させる。
次に、金属細線31〜34の一端を各リード端子21〜24にそれぞれ接続し、金属細線31〜34の他端を電極13a〜13dにそれぞれ接続する(即ち、ワイヤーボンディングを行う)。
図5(d)は、この工程後の状態を示す。
【0035】
次に、
図5(d)の状態の接合体81を金型内に入れて、接合体81の上面側に封止体50を形成する。具体的には、先ず、
図6(a)に示すように、下型91と上型92を備えた金型90およびシート94を用意し、シート94を、上型92の下面(下型91と対向する面)の全面を覆うように配置する。シート94は、例えばテフロン(登録商標)製である。
【0036】
次に、金型90内に
図5(d)の状態の接合体81を配置する。具体的には、金属細線31〜34側を上に向けて、接合体81を下型91の上に載せ、金属細線31〜34の上側に所定の間隔を開けて上型92を配置し、シート94を上型92の下面に吸着させる。
図6(a)はこの状態を示す。
次に、
図6(a)の状態の上型92と下型91との空間に溶融樹脂を流し込んだ後に、上型92を下降させて溶融樹脂に圧縮力を加えることにより、シート94の下面と下型91の上面との間隔を設定値に合わせた後、冷却する。これにより、封止体50が形成される。
図6(b)はこの状態を示す。
【0037】
次に、封止体50が形成された接合体81を金型90から取り出した後、接合体81から耐熱性フィルム80を剥離する。これにより、複数のセンサ前躯体(外装メッキ層60を形成する前の磁気センサ100)が結合された結合体1000が得られる。
図6(c)および
図5(e)はこの状態を示す。
次に、封止体50の第二面52と同一面にあるリードフレーム120の面に、外装めっきを施す。これにより、リード端子21〜24の下面21e〜24eに外装めっき層60が形成され、複数の磁気センサ100が結合された結合体1001が得られる。
図6(d)はこの状態を示す。
【0038】
次に、封止体50の第一面51にダイシングテープ93を貼り付けた後、ダイシングテープ93を下側にして結合体1001をダイシング装置に設置し、
図5(e)に示すダイシングラインL1,L2に沿って、結合体1001をダイシングブレードを用いて切断する。ダイシングラインL1に沿った切断により第一側面53が生じ、ダイシングラインL2に沿った切断により第二側面54が生じる。
図6(e)はこの状態を示す。最後にダイシングテープ93を除去することにより、複数の磁気センサ100が得られる。
【0039】
なお、
図6(b)〜
図6(d)の状態で封止体50は切断されていないが、封止体50の部分にハッチングを施している。また、
図6(e)の状態で、リード端子21〜24の端子側面および封止体50の第一側面53は切断面であるが、
図6(e)ではハッチングを省略している。
【0040】
[作用、効果]
上述のように、この実施形態の磁気センサ100を構成するリード端子21〜24は、封止体50の第一側面53から露出する端子側面21c〜24cの形状が、
図3に示す仮想角部210が除去された形状であるとともに、平面視で
図4に示す仮想角部250が除去された形状を有する。そして、リード端子21〜24がこのような形状を有することで、ダイシングブレードによる
図5(e)に示すダイシングラインL1に沿った切断の際に、仮想角部210,250が除去されていない形状を有する場合と比較して、リードフレーム120の切断面積が小さくなる。
【0041】
なお、仮想角部250の除去に関しては、仮想角部250が除去された形状とすることで、仮想角部250が除去されていない場合よりも、端子側面21c〜24cの幅が小さくなる分だけ、端子側面21c〜24cの面積を小さくできる。
そして、封止体50の第一側面53から露出する端子側面21c〜24cの面積が従来品よりも小さくなる分だけ、リードフレーム120の切断面積が小さくなることで、端子側面(リード端子21〜24の封止体50の第一側面53からの露出面)21c〜24cに発生するバリの量が少なくなる。これに伴い、端子側面21c〜24cから封止体50の第二面52側に延びるバリの発生量が少なくなるため、磁気センサ100の厚さを設計値に近い状態とすることができる。
【0042】
また、磁気センサ100の端子側面21c〜24cに、封止体50の第二面52側に延びるバリが生じると、実装面である端子底面22e(外装メッキ層60)に付着するなどの問題が生じるが、バリの発生が抑制されることでこの問題も改善できる。
さらに、封止体50の第二面52において隣り合う二つのリード端子間の距離が200μm以下であるため、バリが落下した場合に端子間が短絡する可能性が高くなるが、バリの発生が抑制されることでこの問題も改善できる。
【0043】
〔第二実施形態〕
第二実施形態として、磁電変換機能を有する素子としてホール素子を用いた磁気センサ(半導体装置)について説明する。
第二実施形態の磁気センサ101の構成は、リード端子21〜24の形状を除いて第一実施形態の磁気センサ100と同じである。
【0044】
図7(a)に示すように、第二実施形態の磁気センサ101のリード端子21〜24の平面視での形状は、第一実施形態の磁気センサ100のリード端子21〜24と同じである。
図7(b)に示すように、第二実施形態の磁気センサ101のリード端子21〜24の側面形状は、第一実施形態の磁気センサ100のリード端子21〜24と異なる。
図7(c)に示すように、第二実施形態の磁気センサ101のリード端子21〜24の底面形状は、第一実施形態の磁気センサ100のリード端子21〜24と異なる。
【0045】
第二実施形態の磁気センサ101を構成するリード端子21〜24は、端子側面(外側面)21c〜24cに、下面21e〜24eから徐々に高さが高くなる凹状の曲面21j〜24jをさらに有する。これ以外の点は第一実施形態の磁気センサ100のリード端子21〜24と同じである。
図8に示すように、磁気センサ101を構成する端子側面21c〜24cは、
図3と同じ仮想四角形200の四つの仮想角部210〜240のうち、第二辺202と第三辺203とで形成される仮想角部210と、第一辺201と第四辺204aとで形成される仮想角部230が除去された形状を有する。つまり、仮想角部230の除去により凹状の曲面21j〜24jが形成されている。
【0046】
第二実施形態の磁気センサ101は、リード端子21〜24の形状が異なることに起因して、用意するリードフレームの形状が異なることを除いて、第一実施形態の磁気センサ100と同じ方法で製造することができる。リード端子21〜24の曲面21j〜24jは、リードフレームの作製時に、金属板の下面(端子底面22e〜24e)側からエッチングを行うことで形成する。
第二実施形態の磁気センサ101によれば、封止体50の第一側面53から露出する端子側面21c〜24cの面積が第一実施形態の磁気センサ100よりも小さくなるため、バリ発生の抑制効果が第一実施形態の磁気センサ100よりも高くなる。
【0047】
〔第三実施形態〕
第三実施形態として、磁電変換機能を有する素子としてホール素子を用いた磁気センサ(半導体装置)について説明する。
第三実施形態の磁気センサ102の構成は、リード端子21〜24の形状を除いて第一実施形態の磁気センサ100と同じである。
図9(a)に示すように、第三実施形態の磁気センサ101のリード端子21〜24の平面視での形状は、第一実施形態の磁気センサ100のリード端子21〜24と異なる。磁気センサ100で面21d2〜24d2が形成されている位置に、磁気センサ101では凹状の曲面21k〜24kが形成されている。
【0048】
図9(b)に示すように、第三実施形態の磁気センサ101のリード端子21〜24の側面形状は、第一実施形態の磁気センサ100のリード端子21〜24と異なる。磁気センサ100の面21d2をなす線よりホール素子10側に、第四辺204cが存在する。また、面21d1〜24d1の底面側に凹状の曲面21m〜24mが形成されている。
図9(c)に示すように、第三実施形態の磁気センサ102のリード端子21〜24の底面形状は、第一実施形態の磁気センサ100のリード端子21〜24と異なり、凹状の曲面21k〜24kが存在する。
【0049】
つまり、第三実施形態の磁気センサ101を構成するリード端子21〜24は、平面視における凹状の曲面21k〜24kと、面21d1〜24d1の底面側に形成された凹状の曲面21m〜24mをさらに有する。これ以外の点は第一実施形態の磁気センサ100のリード端子21〜24と同じである。
磁気センサ102のリード端子21〜24は、
図10に示すように、平面視で仮想角部250が除去された形状を有する。仮想角部250は、平面視で、端子側面21c〜24cに沿った直線205と、ホール素子10とは反対側で端子底面21e〜24eから立ち上がる外側立ち上がり面21d1〜24d1に沿った直線204bと、で形成される角部である。
【0050】
また、磁気センサ102を構成する端子側面21c〜24cは、
図8の第四辺204aの代わりに
図9(b)に示す第四辺204cを有する仮想四角形の四つの仮想角部のうち、第二辺202と第三辺203とで形成される仮想角部210のみが除去された形状を有する。つまり、第三実施形態の磁気センサ102の仮想四角形は、第二実施形態の磁気センサ100の仮想四角形200よりも小さい。また、仮想角部210の除去により、第二実施形態の磁気センサ101と同じ凹状の円弧面21f〜24fが形成されている。よって、端子側面21c〜24cの面積は第二実施形態の磁気センサ101よりも小さい。
【0051】
第三実施形態の磁気センサ102は、リード端子21〜24の形状が異なることに起因して、用意するリードフレームの形状が異なる点を除いて、第一実施形態の磁気センサ100と同じ方法で製造することができる。リード端子21〜24の曲面21m〜24mは、リードフレームの作製時に、金属板の下面(端子底面22e〜24e)側からエッチングを行うことで形成する。
第三実施形態の磁気センサ102によれば、封止体50の第一側面53から露出する端子側面21c〜24cの面積が第二実施形態の磁気センサ101よりも小さいため、バリ発生の抑制効果が第二実施形態の磁気センサ101よりも高くなる。
【0052】
〔変形例〕
上述の磁気センサ100〜102のホール素子10に代えて、光電変換機能を有する素子である赤外線検出素子を用いることで、赤外線センサ(半導体装置)を得ることができる。赤外線検出素子が有する光電変換機能は、光信号を電気信号に変換する機能である。赤外線検出素子の厚さは250μm以下であることが好ましい。このような赤外線センサでは、磁気センサ100〜102と同様のバリ低減効果を得ることができる。
【0053】
上述の磁気センサ100〜102のホール素子10に代えて、光電変換機能を有する素子である赤外線発光素子を用いることで、赤外線発光ダイオード(半導体装置)を得ることができる。赤外線発光素子が有する光電変換機能は、電気信号を光信号に変換する機能である。赤外線発光素子の厚さは250μm以下であることが好ましい。このような赤外線発光ダイオードでは、磁気センサ100〜102と同様のバリ低減効果を得ることができる。
【0054】
〔備考〕
上記各実施形態の磁気センサ100〜102では、端子側面21c〜24cが、仮想四角形の一つの仮想角部210または二つの仮想角部210,230が除去された形状を有しているが、これに加えて、仮想角部220および仮想角部240のいずれかまたは両方が除去された形状を有していてもよい。つまり、仮想角部210〜240のいずれか一つ以上が除去された形状を有していればよい。
【0055】
仮想角部210が除去された形状を有することで、端子底面21e〜24e側で隣り合うリード端子間距離を短くしながら、端子反面21a〜24a側でホール素子10と各リード端子との間に比較的大きな空間を確保することができる。
第一実施形態で説明した封止体50の形成方法では、上型92の下面をシート94で覆うとともに、金型90内に溶融樹脂を流し込んだ後で上型92を下降させる圧縮成形を行っているが、これに代えてトランスファー成形を行ってもよいし、シート94を用いなくてもよい。