(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記白金合金の380nm〜780nmの波長領域における反射スペクトルの反射率の極大値が、510nm〜550nmの範囲内に存在する、請求項2又は請求項3に記載の装飾品。
前記白金合金の380nm〜780nmの波長領域における反射スペクトルの反射率の極小値が、390nm〜450nmの範囲内に存在する、請求項5又は請求項6に記載の装飾品。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の含ブループラチナ装飾品及び含イエロープラチナ装飾品について、詳細に説明する。
【0010】
本開示において、「α〜β」として示す数値範囲は、下限値α及び上限値βを含む数値範囲を意味する。本開示に段階的に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
【0011】
<装飾品>
本開示の装飾品は、組成式がPt
100−x−ySc
xM
y〔式中、Mは、Pt及びSc以外の金属元素を表し、xは、20原子%≦x≦55原子%を満たし、yは、0原子%≦y≦10原子%を満たす。〕で表される白金合金を含む。
【0012】
装飾品に含まれる白金合金の色相にバリエーションが存在することは、多様な嗜好を満足させるとともに、装飾品に高い付加価値を与えることができるという観点から好ましい。
これに関して、本開示の装飾品には、前記組成式で表される白金合金が含まれており、この白金合金は、白金本来の色とは異なる色、好ましくは青色又は黄色を呈する。したがって、本開示の白金合金を含む装飾品は、多様な嗜好性を満足させるとともに、白金合金を含む装飾品の高付加価値化に資するものである。
【0013】
本開示において、装飾品とは、装飾を目的とする物品及び装飾が施された物品の全てをいい、身に着けるための身飾品、宝石又は貴金属などをあしらった宝飾品も含む。
装飾品は、その全てが本開示の白金合金から形成されたものでもよく、装飾品の一部に本開示の白金合金が使用されたものでもよい。本開示において、宝飾品とは、宝石又は貴金属を含む装飾品をいう。
【0014】
[白金合金]
本開示の白金合金は、白金(Pt)とスカンジウム(Sc)とを構成元素として含み、白金及びスカンジウム以外の金属元素(M)を任意の構成元素として更に含み得る。
【0015】
Mは、Pt及びSc以外の金属元素を表し、好ましくは、チタン(Ti)、イットリウム(Y)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、銅(Cu)、ジルコニウム(Zr)、パラジウム(Pd)、及び金(Au)からなる群から選択され、又はこれらの任意の組み合わせであってもよい。
【0016】
(組成式)
本開示の白金合金の組成式は、Pt
100−x−ySc
xM
y〔式中、Mは、Pt及びSc以外の金属元素を表し、xは、20原子%≦x≦55原子%を満たし、yは、0原子%≦y≦10原子%を満たす。〕で表される。
本開示の組成式は、本開示の白金合金を構成する構成元素とそれらの原子%とで表すことができ、構成元素とそれらの原子数の最も簡単な整数比とで表すこともできる。なお、原子%で表す場合、組成式には、構成元素の原子%の数値のみを記載するものとする。
【0017】
組成式において、xは、Pt、Sc、及びMの合計を100原子%とした場合のScの原子%を表し、20原子%≦x≦55原子%を満たす。xが20原子%≦x≦55原子%を満たすことにより、本開示の白金合金は、純粋な白金の色とは異なる色、例えば、青色などの寒色系の色相、又は黄色などの暖色系の色相を呈する。
【0018】
組成式において、xは、20原子%≦x<40原子%を満たすものであってよく、好ましくは20原子%≦x≦30原子%を満たすものであってよく、より好ましくはx=25原子%を満たすものであってよい。xが上記範囲である場合、白金合金は、純粋な白金の色とは異なる色、好ましくは青色を呈色する。これは、PtとScと任意にMとが上記組成で固溶体及び/又は金属間化合物を形成することで、白金合金における電子状態が純粋な白金の電子状態から変化し、可視光の反射スペクトルに変化が生じる(例えば、580nm〜780nmの波長領域の反射率が低下する)ことにより、青色に呈色すると考えられる。
【0019】
xがx=25原子%を満たす場合、組成式は、(Pt
3Sc)
100−aM
a〔式中、Mは、Pt及びSc以外の金属元素を表し、aは、0原子%≦a≦10原子%を満たす。〕であってよい。
ここで、aは、Pt
3ScとMとの合計を100原子%とした場合のMの原子%を表し、0原子%<a≦10原子%を満たすものであってよく、好ましくは0原子%<a≦5原子%を満たすものであってよく、より好ましくは0原子%<a≦3原子%を満たすものであってよい。aが上記範囲である場合、白金合金は、好ましくは青色を呈する。
あるいは、aは、a=0原子%であってよく、この場合、組成式はPt
3Scで表され、その白金合金は、青色を呈する。
【0020】
組成式において、xは、40原子%≦x≦55原子%を満たすものであってよく、好ましくは45原子%≦x≦55原子%を満たすものであってよく、より好ましくはx=50原子%を満たすものであってよい。xが上記範囲である場合、白金合金は、純粋な白金の色とは異なる色、好ましくは黄色を呈色する。これは、PtとScと任意にMとが上記組成で固溶体及び/又は金属間化合物を形成することで、白金合金における電子状態が純粋な白金の電子状態から変化し、可視光の反射スペクトルに変化が生じる(例えば、380nm〜580nmの波長領域の反射率が低下する)ことにより、黄色に呈色すると考えられる。
【0021】
組成式において、xがx=50原子%を満たす場合、前記組成式は、(PtSc)
100−bM
b〔式中、Mは、Pt及びSc以外の金属元素を表し、bは、0原子%≦b≦10原子%を満たす。〕であってよい。
ここで、bは、PtScとMとの合計を100原子%とした場合のMの原子%を表し、0原子%<b≦10原子%を満たすものであってよく、好ましくは0原子%<b≦5原子%を満たすものであってよく、より好ましくは0原子%<b≦3原子%を満たすものであってよい。bが上記範囲である場合、白金合金は、好ましくは黄色を呈する。
あるいは、bは、b=0原子%であってよく、この場合、組成式はPtScで表され、その白金合金は、黄色を呈する。
【0022】
組成式において、yは、Pt、Sc、及びMの合計を100原子%とした場合のMの原子%を表し、0原子%≦y≦10原子%を満たす。yが上記範囲である場合、Mは、好ましくは、白金とスカンジウムとの固溶体及び/又は金属間化合物により生じる呈色を妨げない。
【0023】
組成式において、yは、0原子%<y≦10原子%を満たすものであってよく、好ましくは0原子%<y≦5原子%を満たすものであってよく、より好ましくは0原子%<y≦3原子%を満たすものであってよい。yが上記範囲である場合、Mは、好ましくは、白金とスカンジウムとの固溶体及び/又は金属間化合物により生じる呈色を妨げない。
【0024】
あるいは、組成式において、yは、y=0原子%であってよく、この場合、白金合金はPt及びScのみから構成される。従って、y=0原子%である場合、白金合金の組成式は、Pt
100−xSc
x〔式中、xは、20原子%≦x≦55原子%を満たす。〕で表される。
【0025】
(反射スペクトル)
本開示において、反射スペクトルとは、波長と反射率との関係性を連続的に示すデータをいう。好ましくは、反射スペクトルは、x軸が波長を表し、かつ、y軸が反射率を表すxy座標系に描かれる。
【0026】
本開示の反射スペクトルは、株式会社島津製作所製の紫外可視分光光度計(UV−2600)で測定される反射スペクトルである。反射スペクトルは、250nm〜800nmの波長領域で測定されるのが好ましく、380nm〜780nmの波長領域で測定されるのがより好ましい。
なお、本開示において、380nm〜780nmの波長領域は、「可視光領域」として定義する。
また、本開示において、可視光領域における「短波長側」とは、380nm〜580nmの波長領域をいい、可視光領域における「長波長側」とは、580nm〜780nmの波長領域をいう。
【0027】
白金合金の組成式がPt
100−x−ySc
xM
y〔式中、Mは、Pt及びSc以外の金属元素を表し、xは、20原子%≦x<40原子%を満たし、yは、0原子%≦y≦10原子%を満たす。〕で表される場合(当該組成式を以下「組成式A」という。)、当該白金合金の可視光領域における反射スペクトルの反射率の極大値は、短波長側、すなわち380nm〜580nmの波長領域に存在することが好ましく、510nm〜550nmの波長領域に存在することがより好ましく、520nm〜540nmの波長領域に存在することが更により好ましい。このような反射スペクトルを示すことにより、青色の呈色に関わる短波長側の可視光の反射率が、長波長側の可視光の反射率よりも相対的に大きくなり、全体として白金合金は好ましくは青色を呈色するようになる。
また、上記極大値における反射率は、61%〜63%の範囲内に存在することが好ましく、61.5%〜62.5%の範囲内に存在することがより好ましい。
【0028】
組成式Aで表される白金合金の可視光領域における反射スペクトルにおいて、380nmにおける反射率は、780nmにおける反射率よりも大きいことが好ましい。このような反射スペクトルを示すことにより、青色の呈色に関わる短波長側の可視光の反射率が、長波長側の可視光の反射率よりも相対的に大きくなる傾向を示すようになり、全体として白金合金は好ましくは青色を呈色するようになる。
組成式Aで表される白金合金の可視光領域における反射スペクトルにおいて、380nmにおける反射率は、59.5%以上60.5%以下の範囲内に存在することが好ましく、780nmにおける反射率は、58.5%以上59.5%未満の範囲内に存在することが好ましい。
【0029】
なお、本開示において、組成式Aで表され、かつ、その反射スペクトルの極大値が、380nm〜580nmの波長領域、好ましくは510nm〜550nmの波長領域、より好ましくは520nm〜540nmの波長領域に存在する白金合金を「ブループラチナ」ともいう。
【0030】
白金合金の組成式がPt
100−x−ySc
xM
y〔式中、Mは、Pt及びSc以外の金属元素を表し、xは、40原子%≦x≦55原子%を満たし、yは、0原子%≦y≦10原子%を満たす。〕で表される場合(当該組成式を以下「組成式B」という。)、当該白金合金の可視光領域における反射スペクトルの反射率の極小値は、短波長側、すなわち380nm〜580nmの波長領域に存在することが好ましく、390nm〜450nmの波長領域に存在することがより好ましく、400nm〜440nmの波長領域に存在することが更により好ましく、410nm〜430nmの波長領域に存在することが最も好ましい。このような反射スペクトルを示すことにより、黄色の呈色に関わる長波長側の可視光の反射率が、短波長側の可視光の反射率よりも相対的に大きくなり、全体として白金合金は好ましくは黄色を呈色するようになる。
また、上記極小値における反射率は、30%〜50%の範囲内に存在することが好ましく、35%〜45%の範囲内に存在することがより好ましく、38%〜42%の範囲内に存在することが更により好ましく、39%〜41%の範囲内に存在することが最も好ましい。
【0031】
組成式Bで表される白金合金の可視光領域における反射スペクトルにおいて、380nmにおける反射率は、780nmにおける反射率よりも小さいことが好ましい。このような反射スペクトルを示すことにより、青色の呈色に関わる短波長側の可視光の反射率が、長波長側の可視光の反射率よりも相対的に小さくなる傾向を示すようになり、全体として白金合金は好ましくは黄色を呈色するようになる。
組成式Bで表される白金合金の可視光領域における反射スペクトルにおいて、380nmにおける反射率は、40%〜48%の範囲内に存在することが好ましく、42%〜46%の範囲内に存在することがより好ましく、43%〜45%の範囲内に存在することが更により好ましく、780nmにおける反射率は、60%〜70%の範囲内に存在することが好ましく、62%〜68%の範囲内に存在することがより好ましく、64%〜66%の範囲内に存在することが更により好ましい。
【0032】
なお、本開示において、組成式Bで表され、かつ、その反射スペクトルの極小値が、380nm〜580nmの波長領域、好ましくは390nm〜450nmの波長領域、より好ましくは400nm〜440nmの波長領域、更により好ましくは410nm〜430nmの波長領域に存在する白金合金を「イエロープラチナ」ともいう。
【0033】
本開示の白金合金は、単一相の固溶体若しくは金属間化合物であってよく、又は複相の固溶体及び/若しくは金属間化合物であってよい。本開示の白金合金は、好ましくは、単一相の固溶体若しくは金属間化合物であり、この場合、白金合金の色相が均一となるため好ましい。
白金合金が、単一相であるか、又は複相であるかは、粉末X線回折測定により得られる回折パターンにおいて、未知相又は第二相のピークが存在するか否かに基づいて確認することができる。例えば、粉末X線回折測定により得られる回折パターンにおいて、未知相又は第二相のピークが存在しない場合には単一相構造を有し、未知相又は第二相のピークが存在する場合には複相構造を有すると判断することができる。
【0034】
本開示の白金合金の結晶構造は、白金、スカンジウム、及び任意にMの組成によって変化してよい。
例えば、白金合金の組成式が組成式Aで表される場合、より好ましくは組成式がPt
3Scで表される場合、当該白金合金の結晶構造は、白金原子とスカンジウム原子とにより形成される面心立方格子の単位格子から構成されてよい。
また、例えば、白金合金の組成式が組成式Bで表される場合、より好ましくは組成式がPtScで表される場合、当該白金合金の結晶構造は、白金原子とスカンジウム原子とにより形成される体心立方格子の単位格子から構成されてよい。
【0035】
Mは、白金及びスカンジウムにより形成される結晶格子内部の空隙に入り込むことによって、白金合金の結晶構造における結晶格子の内部に存在してもよい。この場合、白金及びスカンジウムから構成される白金合金に比較して、Mの原子半径の大きさによって結晶格子が変形し、かつMの種類によって白金合金全体の電子状態が変化する。一般的には、Mの原子半径が白金及び/又はスカンジウムの原子半径と同一又は小さい場合に、Mが合金の結晶格子内部の空隙に入り込んだ侵入型結晶構造(侵入型固溶体)になりやすい。ここで「白金合金の結晶格子内部の空隙」とは、結晶構造の内部において、白金とスカンジウムとから構成される白金合金が本来有する結晶構造に構造外から与えられた金属元素が入り込むことができる部位(結晶内空隙)のことを指す。
【0036】
また、Mは、金属の結晶格子中の白金及び/又はスカンジウムと置き換わって入り込むことによって、白金合金の結晶構造における結晶格子内部に存在してもよい。この場合も侵入型結晶構造の場合と同様、白金及びスカンジウムから構成される白金合金に比較して、Mの原子半径に大きさによって結晶格子が変形し、かつMの種類により白金合金全体の電子状態が変化する。一般的には、Mの原子半径が白金及び/又はスカンジウムの原子半径より大きい場合に、Mが結晶格子をなす原子と置換して入り込んだ置換型結晶構造(置換型固溶体)になりやすい。
【0037】
本開示の白金合金の結晶構造は、粉末X線回折測定で得られる回折パターン、強度、回折角、並びに格子定数などに基づく構造解析により、決定することができる。
【0038】
本開示の白金合金は、真空アーク溶解装置を用いて、白金とスカンジウムと任意にMとを混合してアーク溶解することで作製することができる。
【0039】
アーク溶解は、各元素の供給用原料として用意した試料を同じ水冷銅ハース上に置き、真空引きを行ってあらかじめ定められた圧力とし、不活性ガス雰囲気下、所望とする電流値をかけることにより行える。アーク溶解する際の圧力は、真空引きして例えば1×10
−2Pa以下、好ましくは1×10
−3Pa以下の範囲に調節することができる。例えば、真空引きの後、例えば0.01MPa〜0.1MPaの不活性ガス下でアーク溶解することができる。不活性ガス雰囲気としては、窒素ガス、又は希ガス(ヘリウム(He)、アルゴン(Ar)等)で置換された雰囲気が好ましい。
【0040】
アーク溶解の際に印加する電流値は、例えば20A(アンペア)〜100Aの範囲に調節されるのが好ましい。電圧の印加時間は、例えば5秒〜30秒の電圧印加を例えば4回行う等、場合に応じて適宜選択すればよい。
【実施例】
【0041】
以下、本開示を実施例により更に具体的に説明するが、本開示はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
【0042】
<実施例1>
−秤量−
白金(Pt)原料として、片桐貴金属工業社製のPt板(形状:plate、純度:99.95%)を用意し、スカンジウム(Sc)原料として、株式会社レアメタリック製のSc片(形状:shot、純度:99.95%)を用意した。
【0043】
上記のPt板及びSc片は、ニッパー(N−31、HOZAN社製)を用いて、下記の大きさに切り出して試料とした。
Pt試料:3mm〜5mm×3mm〜5mm×1mm〜2mmの板材
Sc試料:3mm〜5mmの粒状片
【0044】
PtとScとの原子比が3:1となるよう、上記Pt試料及びSc試料の塊の個数を調整し、合計量が約1gとなるよう秤量した。
【0045】
−アーク溶解−
次いで、超小型真空アーク溶解装置(NEV−AD 03型、日新技研社製)を用い、上記のように秤量した混合試料を、それぞれ水冷銅ハース上に置き、約2時間真空引きを行って圧力が3×10
−3Paに到達した後、アルゴン雰囲気下、電流値を20A〜100A程度に調節して各混合試料をアーク溶解し、5mm〜10mmの粒状の白金合金サンプル(組成式がPt
3Scで表される白金合金)を作製した。
【0046】
−切断−
アーク溶解を経て作製された白金合金サンプルを精密切断機(アイソメット5000、BUEHLER社製)に固定し、BUEHLER社製の刃(11−4245)を用いて回転数3,400rpm(rotation per minute)、刃の進行速度1.2mm/分の条件で2つに切断し、白金合金片を得た。
【0047】
−研磨−
切断により得られた白金合金片の一方を試料台に固定し、回転研磨機(ドクターラップML−180、マルトー社製)を用いて、耐水研磨紙を#1000、2000、4000の順に変更して順次研磨した。その後、中間仕上げ及び最終仕上げを順次行い、装飾材料(白金合金)を作製した。
なお、中間仕上げ及び最終仕上げは、下記の研磨材を用いて行った。
〜中間仕上げ〜
・バフ :トライデント 40−7518(8インチ)、BUEHLER社製
・研磨材:メタダイ単結晶ダイヤモンドサスペンション 40−6531、BUEHLER社製
〜最終仕上げ〜
・バフ :マスターテックス 40−7738(8インチ)、BUEHLER社製
・研磨材:マスタープレップ 40−6377−064、BUEHLER社製
【0048】
[反射スペクトルの測定]
上記より得た装飾材料を紫外可視分光光度計(UV−2600、株式会社島津製作所製)のホルダーに収容して設置し、波長250nm〜800nmの範囲で反射スペクトルを測定した。
【0049】
測定結果を
図1に示す。組成式がPt
3Scの装飾材料(白金合金)の反射スペクトルでは、380nmから530nm付近にかけて反射率が略漸増した後、530nm付近に反射率の極大値を有し、530nm付近から780nmにかけて反射率が略漸減していることが示された。また、380nmにおける反射率は約59%であり、極大値である530nm付近の反射率は約62%であり、780nmにおける反射率は約60%であることが示された。
上記測定に用いられた白金合金は、目視により青色を呈していることが確認された。
【0050】
<実施例2>
Pt試料及びSc試料について、PtとScとの原子比が1:1となるよう、各々の試料塊の個数を調整して秤量した以外は、実施例1と同様にして反射スペクトルを測定した。
【0051】
測定結果を
図2に示す。組成式がPtScの装飾材料(白金合金)の反射スペクトルでは、380nmから420nm付近にかけて反射率が低下した後、420nm付近に反射率の極小値を有し、420nm付近から780nmにかけて反射率が略直線的に漸増していることが示された。また、380nmにおける反射率は約44%であり、極小値である420nm付近の反射率は約40%であり、780nmにおける反射率は約65%であることが示された。
上記測定に用いられた白金合金は、目視により黄色を呈していることが確認された。