特許第6837863号(P6837863)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6837863
(24)【登録日】2021年2月15日
(45)【発行日】2021年3月3日
(54)【発明の名称】赤色着色組成物
(51)【国際特許分類】
   C09B 67/20 20060101AFI20210222BHJP
   G02B 5/20 20060101ALI20210222BHJP
   G03F 7/004 20060101ALI20210222BHJP
   G03F 7/027 20060101ALI20210222BHJP
   C08F 2/44 20060101ALI20210222BHJP
   C08F 267/06 20060101ALI20210222BHJP
   C08L 101/00 20060101ALN20210222BHJP
【FI】
   C09B67/20 F
   G02B5/20 101
   G03F7/004 505
   G03F7/027
   C08F2/44 C
   C08F267/06
   !C08L101/00
【請求項の数】5
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2017-28027(P2017-28027)
(22)【出願日】2017年2月17日
(65)【公開番号】特開2018-131586(P2018-131586A)
(43)【公開日】2018年8月23日
【審査請求日】2019年11月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002093
【氏名又は名称】住友化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ピアオ ミア ブラボー
(72)【発明者】
【氏名】寺川 貴清
【審査官】 川嶋 宏毅
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−081537(JP,A)
【文献】 特開2011−242568(JP,A)
【文献】 特開2016−003288(JP,A)
【文献】 特開2012−083411(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09B 47/30,67/20,67/46
G02B 5/20
G03F 7/004
C09D
C08K
JSTPlus/JMEDPlus/JSTChina/JST7580/MEDLINE(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
赤色着色剤及びC.I.ピグメントブルー16を含み、
前記赤色着色剤が、ジケトピロロピロール骨格を有する化合物を含む、赤色着色組成物。
【請求項2】
赤色着色剤100質量部に対して、C.I.ピグメントブルー16の含有量が0.005質量部以上1.5質量部以下である、請求項1に記載の赤色着色組成物。
【請求項3】
さらに、樹脂(B)、重合性化合物(C)及び重合開始剤(D)を含む、請求項1又は請求項2に記載の赤色着色組成物。
【請求項4】
請求項に記載の赤色着色組成物から形成された、カラーフィルタ。
【請求項5】
請求項に記載のカラーフィルタを含む、表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、赤色着色組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示パネル、エレクトロルミネッセンスパネル、プラズマディスプレイパネル等の表示装置には、カラーフィルタが使用されている。
特許文献1には、高コントラストなカラーフィルタを製造できる着色組成物が記載されている。特許文献2には、赤の明度を調整することにより、青、緑、赤の色度を変更することなく、ホワイトを目標の色温度(K)、色差(Δuv)に調整することが可能なカラーフィルタ用の赤色着色組成物が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−014750号公報
【特許文献2】特開2005−181384号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、特に赤色のカラーフィルタのコントラストを向上させることができる赤色着色組成物の提供を目的とする。また、本発明は、赤色着色組成物、カラーフィルタ、及び、カラーフィルタを含む表示装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、以下に示す赤色着色組成物、カラーフィルタ及び表示装置を提供する。
〔1〕 赤色着色剤及びC.I.ピグメントブルー16を含む、赤色着色組成物。
〔2〕 赤色着色剤100質量部に対して、C.I.ピグメントブルー16の含有量が0.005質量部以上1.5質量部以下である、〔1〕に記載の赤色着色組成物。
〔3〕 前記赤色着色剤が、ジケトピロロピロール骨格を有する化合物を含む、〔1〕又は〔2〕に記載の赤色着色組成物。
〔4〕 さらに、樹脂(B)、重合性化合物(C)及び重合開始剤(D)を含む、〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の赤色着色組成物。
〔5〕 〔4〕に記載の赤色着色組成物から形成された、カラーフィルタ。
〔6〕 〔5〕に記載のカラーフィルタを含む、表示装置。
【発明の効果】
【0006】
本発明の赤色着色組成物を用いることにより、コントラストが向上した赤色のカラーフィルタ、及び、カラーフィルタを含む表示装置を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
<赤色着色組成物>
本発明の赤色着色組成物は、赤色着色剤と、C.I.ピグメントブルー16とを含む。赤色着色組成物は、赤色着色剤及びC.I.ピグメントブルー16以外のその他の着色成分を含んでいてもよい。
赤色着色組成物に含まれるC.I.ピグメントブルー16は、赤色のカラーフィルタのコントラストを向上させるためのコントラスト向上剤として用いてもよい。
また、赤色着色組成物は、樹脂(B)と、重合性化合物(C)と、重合開始剤(D)とを含んでいてもよい。以下では、赤色着色剤と、C.I.ピグメントブルー16と、樹脂(B)と、重合性化合物(C)と、重合開始剤(D)とを含む赤色着色組成物を、特に「赤色着色硬化性樹脂組成物」ということがある。
なお、本明細書において各成分として例示する化合物は、特に断りのない限り、単独で、又は、複数種を組合せて使用することができる。
【0008】
以下、本発明の赤色着色組成物に含まれる各成分について説明する。
(赤色着色剤)
赤色着色剤としては、赤色顔料、赤色染料、オレンジ色顔料、オレンジ色染料等を挙げることができる。赤色着色剤は、1種からなっていてもよく、2種以上を含むものであってもよい。
【0009】
赤色顔料としては、例えば、ジケトピロロピロール骨格を有する化合物、及び、カラーインデックス(The Society of Dyers and Colourists出版)においてピグメントに分類されている化合物を挙げることができる。
ジケトピロロピロール骨格の構造は、下記式で表される。
【0010】
【0011】
ジケトピロロピロール骨格を有する化合物としては、下記式(P)で表される化合物を挙げることができる。

[式(P)中、Ra1、Ra2、Ra3及びRa4は、互いに独立に、水素原子、ハロゲン原子又は1価の置換基を表し、少なくとも1つはハロゲン原子を表す。]
【0012】
a1、Ra2、Ra3及びRa4におけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられ、好ましくは塩素原子、臭素原子である。
【0013】
a1、Ra2、Ra3及びRa4における1価の置換基としては、シアノ基、−CF、−Ra5、−ORa5、−SRa5、−SORa5、−S(O)a5、−NRa6CORa5、−CONRa5a6、−CONHが挙げられる。
a5は、炭素数1〜5のアルキル基、フェニル基又はナフチル基を表し、該アルキル基に含まれる−CH−は、−NRa7−、−O−、−S−、−SO−又は−S(O)−で置き換わっていてもよい。
a6は、水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表し、該アルキル基に含まれる−CH−は、−NRa7−、−O−、−S−、−SO−又は−S(O)−で置き換わっていてもよい。
a5及びRa6は、一緒になって炭素数2〜8のアルカンジイル基を形成してもよく、該アルカンジイル基に含まれる−CH−は、−NRa7−、−O−、−S−、−SO−又は−S(O)−で置き換わっていてもよい。
a7は、水素原子、又は炭素数1〜5のアルキル基を表す。
【0014】
炭素数1〜5のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、イソペンチル基等が挙げられる。
炭素数2〜8のアルカンジイル基としては、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ブタン−1,3−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基、ヘプタン−1,7−ジイル基、オクタン−1,8−ジイル基等が挙げられる。
−ORa5としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基等が挙げられる。
−SRa5としては、メチルスルファニル基、エチルスルファニル基、プロピルスルファニル基、ブチルスルファニル基、ペンチルスルファニル基等が挙げられる。
−SORa5としては、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、プロピルスルフィニル基、ブチルスルフィニル基、ペンチルスルフィニル基等が挙げられる。
−S(O)a5としては、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基、ブチルスルホニル基、ペンチルスルホニル基等が挙げられる。
−NRa6CORa5としては、N−アセチルアミノ基、N−プロピオニルアミノ基、N−ベンゾイルアミノ基、N−メチル−N−アセチルアミノ基等が挙げられる。
−NRa6CORa5のうち、Ra5とRa6とが環を形成した基としては、例えば、下記式で表される基が挙げられる。
【0015】
【0016】
−CONRa5a6としては、N−メチルアミノカルボニル基、N−エチルアミノカルボニル基、N,N−ジメチルアミノカルボニル基、N,N−ジエチルアミノカルボニル基、N,N−エチルメチルアミノカルボニル基等が挙げられる。
−CONRa5a6のうち、Ra5とRa6とが環を形成した基としては、例えば、下記式で表される基が挙げられる。
【0017】
【0018】
式(P)で表される化合物において、Ra1、Ra2、Ra3及びRa4のうち、Ra1及びRa2のうち、少なくとも1つが塩素原子又は臭素原子であることが好ましく、Ra1が塩素原子又は臭素原子であり、かつRa2が塩素原子又は臭素原子であることがより好ましい。
a3及びRa4は、ともに水素原子であることが好ましい。
具体的には、式(P)で表される化合物としては、Ra1及びRa2がともに塩素原子であり、Ra3及びRa4がともに水素原子であるC.I.ピグメントレッド254が挙げられる。
【0019】
また、式(P)で表される化合物としては、例えば、下記式で表される化合物が挙げられる。
【0020】
上記カラーインデックスにおいてピグメントに分類されている化合物としては、上記C.I.ピグメントレッド254以外に、例えば、C.I.ピグメントレッド9、97、105、122、123、144、149、166、168、176、177、180、192、209、215、216、224、242、255、264、265等を挙げることができる。
【0021】
赤色染料としては、例えば、上記カラーインデックスにおいて染料に分類されている化合物、及び、染色ノート(色染社)に記載されている公知の染料を挙げることができる。
具体的には、C.I.アシッド染料として、例えば、C.I.アシッドレッド1、4、8、14、17、18、26、27、29、31、34、35、37、42、44、50、51、52、57、66、73、80、87、88、91、92、94、97、103、111、114、129、133、134、138、143、145、150、151、158、176、182、183、198、206、211、215、216、217、227、228、249、252、257、258、260、261、266、268、270、274、277、280、281、195、308、312、315、316、339、341、345、346、349、382、383、394、401、412、417、418、422、426等を挙げることができる。
C.I.ダイレクト染料として、例えば、C.I.ダイレクトレッド79、82、83、84、91、92、96、97、98、99、105、106、107、172、173、176、177、179、181、182、184、204、207、211、213、218、220、221、222、232、233、234、241、243、246、250等を挙げることができる。
C.I.モーダント染料として、例えば、C.I.モーダントレッド1、2、3、4、9、11、12、14、17、18、19、22、23、24、25、26、30、32、33、36、37、38、39、41、43、45、46、48、53、56、63、71、74、85、86、88、90、94、95等を挙げることができる。
【0022】
オレンジ色顔料としては、例えば、上記カラーインデックスにおいてピグメントに分類されている化合物を挙げることができる。
具体的には、C.I.ピグメントオレンジ13、31、36、38、40、42、43、51、55、59、61、64、65、71、73等を挙げることができる。
【0023】
オレンジ色染料としては、例えば、上記カラーインデックスにおいて染料に分類されている化合物、及び、上記染色ノートに記載されている公知の染料を挙げることができる。
具体的には、C.I.アシッド染料として、例えば、C.I.アシッドオレンジ6、7、8、10、12、26、50、51、52、56、62、63、64、74、75、94、95、107、108、169、173等を挙げることができる。
C.I.ダイレクト染料として、C.I.ダイレクトオレンジ34、39、41、46、50、52、56、57、61、64、65、68、70、96、97、106、107等を挙げることができる。
C.I.モーダント染料として、例えば、C.I.モーダントオレンジ3、4、5、8、12、13、14、20、21、23、24、28、29、32、34、35、36、37、42、43、47、48等を挙げることができる。
【0024】
赤色染料及びオレンジ色染料としては、上記したものの他、赤色又はオレンジ色を呈し、分子内にキサンテン骨格を有する化合物を含むキサンテン染料、赤色又はオレンジ色を呈し、分子中に金属原子と錯塩化し得る基を含む染料分子及び金属原子を錯塩化した金属錯塩染料、赤色又はオレンジ色を呈するアゾ染料等を用いてもよい。
赤色やオレンジ色を呈するキサンテン染料としては、上記した染料と一部重複するが、例えば、C.I.アシッドレッド51、52、87、92、94、289、388、C.I.ベーシックレッド1(ローダミン6G)、8、C.I.ベーシックレッド10(ローダミンB)、C.I.ソルベントレッド218、C.I.モーダントレッド27、C.I.リアクティブレッド36(ローズベンガルB)、スルホローダミンG、特開2010−32999号公報に記載のキサンテン染料及び特許第4492760号公報に記載のキサンテン染料等が挙げられる。
赤色やオレンジ色を呈する金属錯塩染料としては、上記した染料と一部重複するが、例えば、C.I.ソルベントオレンジ5、11、20、40:1、41、45、54、56、58、62、70、81、99、C.I.ソルベントレッド8、35、83:1、84:1、90、90:1、91、92、118、119、122、124、125、127、130、132、160、208、212、214、225、233、234、243、C.I.アシッドオレンジ74、162、C.I.アシッドレッド211、特開2010−170117号公報及び特開2011−59673号公報記載の金属錯塩染料が挙げられる。
赤色やオレンジ色を呈するアゾ染料としては、特開2013−14750号公報に記載のアゾ染料等を挙げることができる。
【0025】
赤色着色剤は、赤色着色組成物によって得られるコントラスト向上の観点から、赤色顔料及び/又は赤色染料を用いることが好ましく、赤色顔料を用いることがより好ましい。赤色顔料としては、C.I.ピグメントブルー16を用いた場合に、赤色のカラーフィルタのコントラスト向上が見やすいことから、ジケトピロロピロール骨格を有する化合物を用いることが好ましい。
赤色着色剤がジケトピロロピロール骨格を有する化合物を含む場合、赤色着色剤の総量100質量部に対するジケトピロロピロール骨格を有する化合物の含有量は、好ましくは1〜100質量部であり、より好ましくは20〜100質量部であり、さらに好ましくは40〜100質量部である。
【0026】
(C.I.ピグメントブルー16)
本発明の赤色着色組成物は、青色顔料であるC.I.ピグメントブルー16を含む。C.I.ピグメントブルー16は、カラーフィルタのコントラストを向上させるためのコントラスト向上剤として用いることができる。本発明の赤色着色組成物及は、赤色着色剤とともにC.I.ピグメントブルー16を用いることにより、赤色のカラーフィルタのコントラストを向上させることができる。
【0027】
赤色着色組成物中のC.I.ピグメントブルー16の含有量は、赤色着色組成物が目的とする赤色を呈する範囲であれば特に限定されないが、これら赤色着色組成物中の赤色着色剤100質量部に対して、0.005質量部以上であることが好ましく、0.4質量部以上であることがより好ましく、1.5質量部以下であることが好ましく、0.8質量部以下であることがより好ましい。C.I.ピグメントブルー16の含有量が0.005質量部未満であると、コントラストの向上効果が小さくなりすぎる傾向にあり、C.I.ピグメントブルー16の含有量が1.5質量部を超えると、目的とする赤色の色相が得られにくくなる傾向にある。
【0028】
(その他の着色成分)
本発明の赤色着色組成物は、赤色着色組成物が目的とする赤色を呈する範囲で、赤色着色剤及びC.I.ピグメントブルー16以外のその他の着色成分を含んでいてもよい。その他の着色成分は、1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。その他の着色成分としては、C.I.ピグメントブルー16以外の青色着色剤、黄色着色剤、緑色着色剤、バイオレット色着色剤、ブラウン色着色剤、黒色着色剤等を挙げることができ、顔料であってもよく、染料であってもよい。その他の着色成分の含有量は、赤色着色組成物が目的とする赤色を呈する範囲であれば特に限定されないが、これら赤色着色組成物中の赤色着色剤とC.I.ピグメントブルー16の総量100質量部に対して、0.005〜10質量部であることが好ましい。
【0029】
(樹脂(B))
本発明の赤色着色組成物は、樹脂(B)と、重合性化合物(C)と、重合開始剤(D)とを含む赤色着色硬化性樹脂組成物であってもよい。赤色着色硬化性樹脂組成物は、1種又は2種以上の樹脂(B)を含有してもよい。樹脂(B)は、アルカリ可溶性樹脂であることが好ましい。アルカリ可溶性とは、アルカリ化合物の水溶液である現像液に溶解する性質のことをいう。樹脂(B)としては、以下の樹脂[K1]〜[K6]等が挙げられる。
【0030】
樹脂[K1]:不飽和カルボン酸及び不飽和カルボン酸無水物からなる群より選択される少なくとも1種(a)〔以下、「(a)」ということがある。〕と、炭素数2〜4の環状エーテル構造及びエチレン性不飽和結合を有する単量体(b)〔以下、「(b)」ということがある。)との共重合体。
樹脂[K2]:(a)と(b)と、(a)と共重合可能な単量体(c)(ただし、(a)及び(b)とは異なる。)〔以下「(c)」ということがある。〕との共重合体。
樹脂[K3]:(a)と(c)との共重合体。
樹脂[K4]:(a)と(c)との共重合体に(b)を反応させて得られる樹脂。
樹脂[K5]:(b)と(c)との共重合体に(a)を反応させて得られる樹脂。
樹脂[K6]:(b)と(c)との共重合体に(a)を反応させ、さらにカルボン酸無水物を反応させて得られる樹脂。
【0031】
(a)としては、具体的には、
(メタ)アクリル酸、クロトン酸、o−、m−、p−ビニル安息香酸等の不飽和モノカルボン酸;
マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸、3−ビニルフタル酸、4−ビニルフタル酸、3,4,5,6−テトラヒドロフタル酸、1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸、ジメチルテトラヒドロフタル酸、1、4−シクロヘキセンジカルボン酸等の不飽和ジカルボン酸;
メチル−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸、5−カルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシ−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシ−5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシ−6−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシ−6−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン等のカルボキシ基を含有するビシクロ不飽和化合物;
無水マレイン酸、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、3−ビニルフタル酸無水物、4−ビニルフタル酸無水物、3,4,5,6−テトラヒドロフタル酸無水物、1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物、ジメチルテトラヒドロフタル酸無水物、5,6−ジカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン無水物(ハイミック酸無水物)等の不飽和ジカルボン酸類無水物;
コハク酸モノ〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕、フタル酸モノ〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕等の2価以上の多価カルボン酸の不飽和モノ〔(メタ)アクリロイルオキシアルキル〕エステル;
α−(ヒドロキシメチル)(メタ)アクリル酸のような、同一分子中にヒドロキシ基及びカルボキシ基を含有する不飽和(メタ)アクリル酸等が挙げられる。
中でも、共重合反応性の観点やアルカリ水溶液への溶解性の観点から、(a)は、(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸等であることが好ましい。
【0032】
なお、本明細書において、「(メタ)アクリル」とは、アクリル及びメタクリルからなる群より選択される少なくとも1種を表す。「(メタ)アクリロイル」及び「(メタ)アクリレート」等の表記についても同様である。
【0033】
(b)は、炭素数2〜4の環状エーテル構造(例えば、オキシラン環、オキセタン環及びテトラヒドロフラン環(オキソラン環)からなる群より選択される少なくとも1種)とエチレン性不飽和結合とを有する重合性化合物をいう。(b)は、好ましくは炭素数2〜4の環状エーテル構造と(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する単量体である。
(b)としては、オキシラニル基とエチレン性不飽和結合とを有する単量体(b1)〔以下、「(b1)」ということがある。〕、オキセタニル基とエチレン性不飽和結合とを有する単量体(b2)〔以下、「(b2)」ということがある。〕、テトラヒドロフリル基とエチレン性不飽和結合とを有する単量体(b3)〔以下、「(b3)」ということがある。〕等が挙げられる。
【0034】
(b1)としては、不飽和脂肪族炭化水素をエポキシ化した構造を有する単量体(b1−1)〔以下、「(b1−1)」ということがある。〕、不飽和脂環式炭化水素をエポキシ化した構造を有する単量体(b1−2)〔以下、「(b1−2)」ということがある。〕が挙げられる。
【0035】
(b1−1)としては、グリシジル(メタ)アクリレート、β−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、β−エチルグリシジル(メタ)アクリレート、グリシジルビニルエーテル、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、α−メチル−o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、α−メチル−m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、α−メチル−p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、2,3−ビス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,4−ビス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,5−ビス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,6−ビス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,3,4−トリス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,3,5−トリス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,3,6−トリス(グリシジルオキシメチル)スチレン、3,4,5−トリス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,4,6−トリス(グリシジルオキシメチル)スチレン等が挙げられる。
【0036】
(b1−2)としては、ビニルシクロヘキセンモノオキサイド、1,2−エポキシ4−ビニルシクロヘキサン(例えば、セロキサイド2000;ダイセル化学工業(株)製)、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレート(例えば、サイクロマーA400;ダイセル化学工業(株)製)、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタアクリレート(例えば、サイクロマーM100;ダイセル化学工業(株)製)、式(I)で表される化合物、式(II)で表される化合物等が挙げられる。
【0037】
【0038】
[式(I)及び式(II)中、Ra及びRbは、互いに独立に、水素原子、又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、該アルキル基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基で置換されていてもよい。X1及びX2は、互いに独立に、単結合、*−Rc−、*−Rc−O−、*−Rc−S−、又は*−Rc−NH−を表す。Rcは、炭素数1〜6のアルカンジイル基を表す。*は、Oとの結合手を表す。]
【0039】
炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられる。
水素原子がヒドロキシで置換されたアルキル基としては、ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基、1−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基、1−ヒドロキシ−1−メチルエチル基、2−ヒドロキシ−1−メチルエチル基、1−ヒドロキシブチル基、2−ヒドロキシブチル基、3−ヒドロキシブチル基、又は4−ヒドロキシブチル基等が挙げられる。
a及びRbは、好ましくは水素原子、メチル基、ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基であり、より好ましくは水素原子、メチル基である。
cを構成するアルカンジイル基としては、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,2−ジイル基、プロパン−1,3−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基等が挙げられる。
【0040】
1及びX2は、好ましくは単結合、メチレン基、エチレン基、*−CH2−O−(*はOとの結合手を表す)基、*−CH2CH2−O−基であり、より好ましくは単結合、*−CH2CH2−O−基である。
式(I)で表される化合物の具体例として、式(I−1)〜式(I−15)で表される化合物が挙げられ、好ましくは式(I−1)、式(I−3)、式(I−5)、式(I−7)、式(I−9)、式(I−11)〜式(I−15)で表される化合物が挙げられ、より好ましくは式(I−1)、式(I−7)、式(I−9)、式(I−15)で表される化合物が挙げられる。
【0041】
【0042】
【0043】
式(II)で表される化合物の具体例としては、式(II−1)〜式(II−15)で表される化合物が挙げられ、好ましくは式(II−1)、式(II−3)、式(II−5)、式(II−7)、式(II−9)、式(II−11)〜式(II−15)で表される化合物が挙げられ、より好ましくは式(II−1)、式(II−7)、式(II−9)、式(II−15)で表される化合物が挙げられる。
【0044】
【0045】
【0046】
式(I)で表される化合物及び式(II)で表される化合物は、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。2種以上を併用する場合、その混合比率は、式(I):式(II)〔モル比〕で、好ましくは5:95〜95:5、より好ましくは20:80〜80:20、さらに好ましくは50:50〜80:20である。
オキセタニル基とエチレン性不飽和結合とを有する単量体(b2)は、オキセタニル基と(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する単量体であることが好ましい。
(b2)の好ましい例として、3−メチル−3−(メタ)アクリロイルオキシメチルオキセタン、3−エチル−3−(メタ)アクリロイルオキシメチルオキセタン、3−メチル−3−(メタ)アクリロイルオキシエチルオキセタン、3−エチル−3−(メタ)アクリロイルオキシエチルオキセタンが挙げられる。
テトラヒドロフリル基とエチレン性不飽和結合とを有する単量体(b3)は、テトラヒドロフリル基と(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する単量体であることが好ましい。(b3)の好ましい例として、テトラヒドロフルフリルアクリレート(例えば、ビスコートV#150、大阪有機化学工業(株)製)、テトラヒドロフルフリルメタクリレート等が挙げられる。
【0047】
(c)の具体例として、
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル(メタ)アクリレート〔当該技術分野では、慣用名として「ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート」と呼ばれている。また、「トリシクロデシル(メタ)アクリレート」と呼ばれることもある。〕、トリシクロ[5.2.1.02,6]デセン−8−イル(メタ)アクリレート〔当該技術分野では、慣用名として「ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート」と呼ばれている。〕、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、プロパルギル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ナフチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル;
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル;
マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、イタコン酸ジエチル等のジカルボン酸ジエステル;
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(2’−ヒドロキシエチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン等のビシクロ不飽和化合物;
N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、N−スクシンイミジル−3−マレイミドベンゾエート、N−スクシンイミジル−4−マレイミドブチレート等のジカルボニルイミド誘導体;
スチレン、α−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−メトキシスチレン、(メタ)アクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、(メタ)アクリルアミド、酢酸ビニル、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン等
が挙げられる。
中でも、共重合反応性及び耐熱性の観点から、(c)としては、ベンジル(メタ)アクリレート、トリシクロデシル(メタ)アクリレート、スチレン、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン等が好ましい。また、パターン形成時の現像性に優れることから、(c)としては、ベンジル(メタ)アクリレート、トリシクロデシル(メタ)アクリレートがより好ましい。
【0048】
樹脂[K1]において、それぞれに由来する構造単位の比率は、樹脂[K1]を構成する全構造単位中、以下の範囲にあることが好ましい。
(a)に由来する構造単位、特に(b1)に由来する構造単位;50〜98モル%(より好ましくは55〜90モル%)、
(b)に由来する構造単位;2〜50モル%(より好ましくは10〜45モル%)。
樹脂[K1]の構造単位の比率が、上記範囲にあると、保存安定性、現像性、得られるパターンの耐溶剤性に優れる傾向がある。
樹脂[K1]は、文献「高分子合成の実験法」(大津隆行著 発行所(株)化学同人 第1版第1刷 1972年3月1日発行)に記載された方法及び当該文献に記載された引用文献を参考にして製造することができる。
具体的には、(a)及び(b)の所定量、重合開始剤及び溶剤等を反応容器中に入れて、例えば、窒素により酸素を置換することにより、脱酸素雰囲気にし、攪拌しながら、加熱、保温する方法が挙げられる。なお、ここで用いられる重合開始剤及び溶剤等は、特に限定されず、当該分野で通常使用されているもののいずれをも使用することができる。重合開始剤としては、アゾ化合物(2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等)や有機過酸化物(ベンゾイルペルオキシド等)が挙げられる。溶剤としては、各単量体を溶解するものであればよく、赤色着色硬化性樹脂組成物の溶剤として後述する溶剤(E)等を用いることができる。
得られた共重合体は、反応後の溶液をそのまま使用してもよいし、濃縮あるいは希釈した溶液を使用してもよいし、再沈殿等の方法で固体(粉体)として取り出したものを使用してもよい。特に、この重合の際に溶剤として、後述する溶剤(E)を使用することにより、反応後の溶液をそのまま使用することができ、製造工程を簡略化することができる。
【0049】
樹脂[K2]において、それぞれに由来する構造単位の比率は、樹脂[K2]を構成する全構造単位中、以下の範囲にあることが好ましい。
(a)に由来する構造単位;4〜45モル%(より好ましくは10〜30モル%)、
(b)に由来する構造単位、特に(b1)に由来する構造単位;2〜95モル%(より好ましくは5〜80モル%)、
(c)に由来する構造単位;1〜65モル%(より好ましくは5〜60モル%)。
樹脂[K2]の構造単位の比率が、上記範囲にあると、保存安定性、現像性、得られるパターンの耐溶剤性、耐熱性及び機械強度に優れる傾向がある。
樹脂[K2]は、樹脂[K1]の製造方法として記載した方法と同様にして製造することができる。具体的には、(a)、(b)(特に(b1))及び(c)の所定量、重合開始剤及び溶剤を反応容器中に仕込んで、脱酸素雰囲気下で、攪拌、加熱、保温する方法が挙げられる。得られた共重合体は、反応後の溶液をそのまま使用してもよいし、濃縮あるいは希釈した溶液を使用してもよいし、再沈殿等の方法で固体(粉体)として取り出したものを使用してもよい。
【0050】
樹脂[K3]において、それぞれに由来する構造単位の比率は、樹脂[K3]を構成する全構造単位中、以下の範囲にあることが好ましい。
(a)に由来する構造単位;2〜55モル%(より好ましくは10〜50モル%)、
(c)に由来する構造単位;45〜98モル%(より好ましくは50〜90モル%)。
樹脂[K3]は、樹脂[K1]の製造方法として記載した方法と同様にして製造することができる。
【0051】
樹脂[K4]は、(a)と(c)との共重合体を得て、(b)が有する炭素数2〜4の環状エーテル構造、特に(b1)が有するオキシラン環を(a)が有するカルボン酸及び/又はカルボン酸無水物に付加させることにより製造することができる。具体的には、まず(a)と(c)との共重合体を、樹脂[K1]の製造方法として記載した方法と同様にして製造する。この場合、それぞれに由来する構造単位の比率は、(a)と(c)との共重合体を構成する全構造単位中、以下の範囲にあることが好ましい。
(a)に由来する構造単位;5〜50モル%(より好ましくは10〜45モル%)、
(c)に由来する構造単位;50〜95モル%(より好ましくは55〜90モル%)。
【0052】
次に、上記共重合体中の(a)に由来するカルボン酸及び/又はカルボン酸無水物の一部に、(b)が有する炭素数2〜4の環状エーテル構造、特に(b1)が有するオキシラン環を反応させる。具体的には、(a)と(c)との共重合体の製造に引き続き、フラスコ内雰囲気を窒素から空気に置換し、(b)(特に(b1))、カルボン酸又はカルボン酸無水物と環状エーテル構造との反応触媒(例えばトリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等)及び重合禁止剤(例えばハイドロキノン等)等をフラスコ内に入れて、60〜130℃で、1〜10時間反応することにより、樹脂[K4]を得ることができる。
(b)の使用量、特に(b1)の使用量は、(a)100モルに対して、5〜80モルであることが好ましく、より好ましくは10〜75モルである。この範囲とすることにより、保存安定性、現像性、耐溶剤性、耐熱性、機械強度及び感度のバランスが良好になる傾向がある。環状エーテル構造の反応性が高く、未反応の(b)が残存しにくいことから、樹脂[K4]に用いる(b)としては(b1)が好ましく、(b1−1)がより好ましい。
上記反応触媒の使用量は、(a)、(b)(特に(b1))及び(c)の合計量に対して0.001〜5質量%であることが好ましい。上記重合禁止剤の使用量は、(a)、(b)及び(c)の合計量に対して0.001〜5質量%であることが好ましい。
仕込方法、反応温度及び時間等の反応条件は、製造設備や重合による発熱量等を考慮して適宜調整することができる。なお、重合条件と同様に、製造設備や重合による発熱量等を考慮し、仕込方法や反応温度を適宜調整することができる。
【0053】
樹脂[K5]は、第一段階として、上述した樹脂[K1]の製造方法と同様にして、(b)(特に(b1))と(c)との共重合体を得る。上記と同様に、得られた共重合体は、反応後の溶液をそのまま使用してもよいし、濃縮あるいは希釈した溶液を使用してもよいし、再沈殿等の方法で固体(粉体)として取り出したものを使用してもよい。
(b)(特に(b1))及び(c)に由来する構造単位の比率は、上記の共重合体を構成する全構造単位の合計モル数に対して、以下の範囲にあることが好ましい。
(b)に由来する構造単位、特に(b1)に由来する構造単位;5〜95モル%(より好ましくは10〜90モル%)、
(c)に由来する構造単位;5〜95モル%(より好ましくは10〜90モル%)。
【0054】
さらに、樹脂[K4]の製造方法と同様の条件で、(b)(特に(b1))と(c)との共重合体が有する(b)に由来する環状エーテル構造に、(a)が有するカルボン酸又はカルボン酸無水物を反応させることにより、樹脂[K5]を得ることができる。上記の共重合体に反応させる(a)の使用量は、(b)(特に(b1))100モルに対して、5〜80モルであることが好ましい。環状エーテル構造の反応性が高く、未反応の(b)が残存しにくいことから、樹脂[K5]に用いる(b)としては(b1)が好ましく、(b1−1)がより好ましい。
【0055】
樹脂[K6]は、樹脂[K5]に、さらにカルボン酸無水物を反応させた樹脂である。環状エーテル構造とカルボン酸又はカルボン酸無水物との反応により発生するヒドロキシ基に、カルボン酸無水物を反応させる。
カルボン酸無水物としては、無水マレイン酸、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、3−ビニルフタル酸無水物、4−ビニルフタル酸無水物、3,4,5,6−テトラヒドロフタル酸無水物、1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物、ジメチルテトラヒドロフタル酸無水物、5,6−ジカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン無水物(ハイミック酸無水物)等が挙げられる。
【0056】
樹脂[K1]〜[K6]のうち、樹脂(B)として好ましい樹脂は、[K1]又は[K2]である。樹脂(B)は、1種の樹脂からなっていてもよく、2種以上の樹脂を含んでいてもよい。
【0057】
樹脂(B)のポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは3,000〜100,000であり、より好ましくは5,000〜50,000であり、さらに好ましくは5,000〜30,000である。重量平均分子量(Mw)が上記範囲にあると、未露光部の現像液に対する溶解性が高く、得られるパターンの残膜率や硬度も高い傾向にある。樹脂(B)の分子量分布[重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)]は、好ましくは1.1〜6であり、より好ましくは1.2〜4である。
樹脂(B)の溶液酸価は、好ましくは5〜180mg−KOH/gであり、より好ましくは10〜100mg−KOH/gであり、さらに好ましくは12〜50mg−KOH/gである。酸価は、樹脂1gを中和するに必要な水酸化カリウムの量(mg)として測定される値であり、例えば水酸化カリウム水溶液を用いて滴定することにより求めることができる。
樹脂(B)の含有量は、赤色着色硬化性樹脂組成物の固形分100質量%中、好ましくは5〜50質量%であり、より好ましくは15〜45質量%であり、さらに好ましくは25〜40質量%である。樹脂(B)の含有量が、上記範囲にあると、未露光部の現像液に対する溶解性が高い傾向がある。
【0058】
(重合性化合物(C))
重合性化合物(C)は、光照射等より重合開始剤(D)から発生する活性ラジカル等によって重合し得る化合物であれば、特に限定されず、重合性のエチレン性不飽和結合を有する化合物等が挙げられる。重合性化合物(C)の重量平均分子量は、3,000以下であることが好ましい。
中でも、重合性化合物(C)としては、エチレン性不飽和結合を3つ以上有する光重合性化合物であることが好ましく、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、テトラペンタエリスリトールデカ(メタ)アクリレート、テトラペンタエリスリトールノナ(メタ)アクリレート、トリス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、エチレングリコール変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エチレングリコール変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、プロピレングリコール変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、プロピレングリコール変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。中でも、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が好ましい。
本発明の赤色着色組成物(赤色着色硬化性樹脂組成物)は、1種又は2種以上の重合性化合物(C)を含有することができる。重合性化合物(C)の含有量は、赤色着色硬化性樹脂組成物中の樹脂(B)100質量部に対して、好ましくは20〜150質量部であり、より好ましくは40〜70質量部である。
【0059】
(重合開始剤(D))
重合開始剤(D)は、光や熱の作用により活性ラジカル、酸等を発生し、重合を開始し得る化合物であれば特に限定されることなく、公知の重合開始剤を用いることができる。
【0060】
重合開始剤(D)としては、O−アシルオキシム化合物等のオキシム系化合物、アルキルフェノン化合物、ビイミダゾール化合物、トリアジン化合物、アシルホスフィンオキサイド化合物等が挙げられる。
重合開始剤(D)は、感度や、精密なパターン形状の形成性等を考慮して、2種以上を併用してもよい。重合開始剤(D)は、感度及び所望の線幅を有するパターン形状を精密に作り込むうえで有利であることから、O−アシルオキシム化合物等のオキシム系化合物を含むことが好ましい。
【0061】
O−アシルオキシム化合物は、式(d)で表される構造を有する化合物である。以下、*は結合手を表す。
【0062】
【0063】
このようなO−アシルオキシム化合物としては、N−ベンゾイルオキシ−1−(4−フェニルスルファニルフェニル)ブタン−1−オン−2−イミン、N−ベンゾイルオキシ−1−(4−フェニルスルファニルフェニル)オクタン−1−オン−2−イミン、N−ベンゾイルオキシ−1−(4−フェニルスルファニルフェニル)−3−シクロペンチルプロパン−1−オン−2−イミン、N−アセチルオキシ−1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタン−1−イミン、N−アセチルオキシ−1−[9−エチル−6−{2−メチル−4−(3,3−ジメチル−2,4−ジオキサシクロペンタニルメチルオキシ)ベンゾイル}−9H−カルバゾール−3−イル]エタン−1−イミン、N−アセチルオキシ−1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−3−シクロペンチルプロパン−1−イミン、N−ベンゾイルオキシ−1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−3−シクロペンチルプロパン−1−オン−2−イミン、N−アセチルオキシ−1−[9−(2−エチルヘキシル)−6−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−9H−ベンゾ〔i〕カルバゾール−3−イル]−3−[1−(2,2,3,3−テトラフルオロプロピルオキシ)フェニル]メタンイミン等が挙げられる。イルガキュアOXE01、OXE02、OXE03(以上、BASF(株)製)、N−1919((株)ADEKA製)等の市販品を用いてもよい。これらのO−アシルオキシム化合物であると、フォトリソグラフ性能に優れたカラーフィルタが得られる傾向にある。
【0064】
アルキルフェノン化合物は、式(d4)で表される構造又は式(d5)で表される構造を有する化合物である。*は、結合手を表す。これらの構造中、ベンゼン環は置換基を有していてもよい。
【0065】
【0066】
式(d4)で表される構造を有する化合物としては、2−メチル−2−モルホリノ−1−(4−メチルスルファニルフェニル)プロパン−1−オン、2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−2−ベンジルブタン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]ブタン−1−オン等が挙げられる。イルガキュア369、907、379(以上、BASF(株)製)等の市販品を用いてもよい。
式(d5)で表される構造を有する化合物としては、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕プロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−イソプロペニルフェニル)プロパン−1−オンのオリゴマー、α,α−ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール等が挙げられる。
感度の点で、アルキルフェノン化合物としては、式(d4)で表される構造を有する化合物が好ましい。
【0067】
ビイミダゾール化合物としては、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2,3−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール(例えば、特開平6−75372号公報、特開平6−75373号公報等参照。)、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(アルコキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(ジアルコキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(トリアルコキシフェニル)ビイミダゾール(例えば、特公昭48−38403号公報、特開昭62−174204号公報等参照。)、4,4’,5,5’−位のフェニル基がカルボアルコキシ基により置換されているイミダゾール化合物(例えば、特開平7−10913号公報等参照)等が挙げられる。中でも、下記式で表される化合物又はこれらの混合物が好ましい。
【0068】
【0069】
トリアジン化合物としては、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシナフチル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−ピペロニル−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシスチリル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(5−メチルフラン−2−イル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(フラン−2−イル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(3,4−ジメトキシフェニル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン等が挙げられる。
【0070】
アシルホスフィンオキサイド化合物としては、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等が挙げられる。
さらに重合開始剤(D)としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン化合物;ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’−テトラ(tert−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン等のベンゾフェノン化合物;9,10−フェナンスレンキノン、2−エチルアントラキノン、カンファーキノン等のキノン化合物;10−ブチル−2−クロロアクリドン、ベンジル、フェニルグリオキシル酸メチル、チタノセン化合物等が挙げられる。これらは、後述の重合開始助剤(D1)(特にアミン)と組合せて用いることが好ましい。
【0071】
重合開始剤(D)の含有量は、樹脂(B)及び重合性化合物(C)の合計量100質量部に対して、好ましくは0.03〜0.25質量部であり、より好ましくは0.05〜0.15質量部であり、さらに好ましくは0.07〜0.10質量部である。重合開始剤(D)の含有量が上記範囲内にあると、高感度化して露光時間が短縮される傾向があるためカラーフィルタの生産性が向上する傾向にある。
【0072】
(重合開始助剤(D1))
重合開始助剤(D1)は、重合開始剤によって重合が開始された重合性化合物の重合を促進するために用いられる化合物、もしくは増感剤である。重合開始助剤(D1)を含む場合、重合開始剤(D)と組合せて用いられる。
重合開始助剤(D1)としては、アミン化合物、アルコキシアントラセン化合物、チオキサントン化合物及びカルボン酸化合物等が挙げられる。中でも、チオキサントン化合物が好ましい。重合開始助剤(D1)を2種以上併用してもよい。
【0073】
アミン化合物としては、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸2−ジメチルアミノエチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、N,N−ジメチルパラトルイジン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(通称ミヒラーズケトン)、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(エチルメチルアミノ)ベンゾフェノン等が挙げられ、中でも、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンが好ましい。EAB−F(保土谷化学工業(株)製)等の市販品を用いてもよい。
【0074】
アルコキシアントラセン化合物としては、9,10−ジメトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジメトキシアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジエトキシアントラセン、9,10−ジブトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジブトキシアントラセン等が挙げられる。
【0075】
チオキサントン化合物としては、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン等が挙げられる。
【0076】
カルボン酸化合物としては、フェニルスルファニル酢酸、メチルフェニルスルファニル酢酸、エチルフェニルスルファニル酢酸、メチルエチルフェニルスルファニル酢酸、ジメチルフェニルスルファニル酢酸、メトキシフェニルスルファニル酢酸、ジメトキシフェニルスルファニル酢酸、クロロフェニルスルファニル酢酸、ジクロロフェニルスルファニル酢酸、N−フェニルグリシン、フェノキシ酢酸、ナフチルチオ酢酸、N−ナフチルグリシン、ナフトキシ酢酸等が挙げられる。
【0077】
重合開始助剤(D1)の含有量は、樹脂(B)及び重合性化合物(C)の合計量100質量部に対して、好ましくは0.1〜30質量部、より好ましくは1〜20質量部である。重合開始助剤(D1)の含有量が上記範囲内にあると、さらに高感度でパターンを形成することができ、カラーフィルタの生産性が向上する傾向にある。
【0078】
(溶剤(E))
赤色着色硬化性樹脂組成物は、1種又は2種以上の溶剤(E)を含むことが好ましい。溶剤(E)としては、エステル溶剤(−COO−を含む溶剤)、エステル溶剤以外のエーテル溶剤(−O−を含む溶剤)、エーテルエステル溶剤(−COO−と−O−とを含む溶剤)、エステル溶剤以外のケトン溶剤(−CO−を含む溶剤)、アルコール溶剤、芳香族炭化水素溶剤、アミド溶剤及びジメチルスルホキシド等が挙げられる。
【0079】
エステル溶剤としては、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、2−ヒドロキシイソブタン酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸ペンチル、酢酸イソペンチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、シクロヘキサノールアセテート及びγ−ブチロラクトン等が挙げられる。
エーテル溶剤としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、3−メトキシ−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチルブタノール、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4−ジオキサン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、アニソール、フェネトール及びメチルアニソール等が挙げられる。
【0080】
エーテルエステル溶剤としては、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート及びジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート等が挙げられる。
【0081】
ケトン溶剤としては、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、アセトン、2−ブタノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、4−メチル−2−ペンタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン及びイソホロン等が挙げられる。
【0082】
アルコール溶剤としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール及びグリセリン等が挙げられる。芳香族炭化水素溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン及びメシチレン等が挙げられる。アミド溶剤としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド及びN−メチルピロリドン等が挙げられる。
【0083】
溶剤(E)は、塗布性、乾燥性の点から、1atmにおける沸点が120℃以上180℃以下である有機溶剤を含むことが好ましい。中でも、溶剤(E)は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、3−メトキシブチルアセテート、3−メトキシ−1−ブタノール、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン及びN,N−ジメチルホルムアミドからなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、乳酸エチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メトキシ−1−ブタノール及び3−エトキシプロピオン酸エチルからなる群より選択される少なくとも1種を含むことがより好ましい。
【0084】
溶剤(E)の含有量は、赤色着色硬化性樹脂組成物中、好ましくは70〜95質量%であり、より好ましくは75〜92質量%である。言い換えると、赤色着色組成物の固形分は、好ましくは5〜30質量%、より好ましくは8〜25質量%である。溶剤(E)の含有量が上記範囲にあると、塗布時の平坦性が良好になり、またカラーフィルタを形成した際に色濃度が不足しないために表示特性が良好となる傾向がある。
【0085】
(レベリング剤(F−1))
本発明の赤色着色硬化性樹脂組成物は、1種又は2種以上のレベリング剤(F−1)を含むことができる。レベリング剤(F−1)としては、(フッ素原子を有しない)シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤及びフッ素原子を有するシリコーン系界面活性剤等が挙げられる。これらは、側鎖に重合性基を有していてもよい。
【0086】
シリコーン系界面活性剤としては、分子内にシロキサン結合を有する界面活性剤等が挙げられる。具体的には、トーレシリコーンDC3PA、同SH7PA、同DC11PA、同SH21PA、同SH28PA、同SH29PA、同SH30PA、同SH8400(商品名:東レ・ダウコーニング(株)製)、KP321、KP322、KP323、KP324、KP326、KP340、KP341(信越化学工業(株)製)、TSF400、TSF401、TSF410、TSF4300、TSF4440、TSF4445、TSF−4446、TSF4452及びTSF4460(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)等が挙げられる。
【0087】
フッ素系界面活性剤としては、分子内にフルオロカーボン鎖を有する界面活性剤等が挙げられる。具体的には、フロラード(登録商標)FC430、同FC431(住友スリーエム(株)製)、メガファック(登録商標)F142D、同F171、同F172、同F173、同F177、同F183、同F554、同R30、同RS−718−K(DIC(株)製)、エフトップ(登録商標)EF301、同EF303、同EF351、同EF352(三菱マテリアル電子化成(株)製)、サーフロン(登録商標)S381、同S382、同SC101、同SC105(旭硝子(株)製)及びE5844((株)ダイキンファインケミカル研究所製)等が挙げられる。
【0088】
フッ素原子を有するシリコーン系界面活性剤としては、分子内にシロキサン結合及びフルオロカーボン鎖を有する界面活性剤等が挙げられる。具体的には、メガファック(登録商標)R08、同BL20、同F475、同F477及び同F443(DIC(株)製)等が挙げられる。
【0089】
レベリング剤(F−1)の含有量は、赤色着色硬化性樹脂組成物中、通常0.001質量%以上0.2質量%以下であり、好ましくは0.002質量%以上0.1質量%以下、より好ましくは0.004質量%以上0.05質量%以下である。なお、この含有量に、上記顔料分散剤の含有量は含まれない。
【0090】
(その他の成分)
本発明の赤色着色硬化性樹脂組成物には、必要に応じて、充填剤、樹脂(B)以外の高分子化合物、酸化防止剤、密着促進剤、紫外線吸収剤、凝集防止剤等の添加剤を1種又は2種以上含有することができる。
【0091】
赤色着色硬化性樹脂組成物における赤色着色剤及びC.I.ピグメントブルー16の合計含有量は、赤色着色硬化性樹脂組成物の固形分100質量部に対し、10〜50質量部とすることが好ましく、より好ましくは20〜45質量部であり、さらに好ましくは30〜40質量部である。後述するように赤色着色硬化性樹脂組成物を用いてレジストパターンを形成する場合には、レジストパターンの形成容易性の観点から、赤色着色剤及びC.I.ピグメントブルー16の合計含有量は、赤色着色硬化性樹脂組成物の固形分100質量部に対し、45質量部以下とすることが好ましい。
なお、本明細書において「赤色着色硬化性樹脂組成物の固形分」とは、赤色着色硬化性樹脂組成物に含まれる成分のうち、溶剤(E)以外の全成分を指す。
【0092】
赤色着色硬化性樹脂組成物の調製に使用される着色成分が顔料を含む場合、この顔料は、溶剤中で均一に分散した分散液の状態であることが好ましい。また顔料は、粒径が均一であることが好ましい。上記分散液は、顔料と溶剤とを混合することにより得ることができる。必要に応じて、顔料分散剤を混合してもよい。顔料分散剤を混合して分散処理を行うことで、顔料が溶剤中で均一に分散した状態の顔料分散液を得ることができる。
顔料分散剤としては、市販の界面活性剤を用いることができ、シリコーン系、フッ素系、エステル系(ポリエステル系を含む。)、カチオン系、アニオン系、ノニオン系、両性、ポリエステル系、ポリアミン系、アクリル系等の界面活性剤が挙げられる。界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリエチレングリコールジエステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、脂肪酸変性ポリエステル類、3級アミン変性ポリウレタン類、ポリエチレンイミン類等のほか、商品名でKP(信越化学工業(株)製)、フローレン(共栄社化学(株)製)、ソルスパース(ゼネカ(株)製)、EFKA(BASFジャパン(株)製)、アジスパー(登録商標)(味の素ファインテクノ(株)製)、Disperbyk(ビックケミー社製)等が挙げられる。顔料分散剤は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0093】
顔料分散剤を用いる場合、その使用量は、顔料100質量部に対して、好ましくは100質量部以下であり、より好ましくは5〜50質量部である。顔料分散剤の使用量が上記範囲にあると、均一な分散状態の顔料分散液が得られやすい傾向にある。
【0094】
顔料分散液を構成する溶剤としては、特に限定されず、赤色着色硬化性樹脂組成物に含有され得る後述の溶剤(E)と同様の溶剤が挙げられる。中でも、溶剤は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、3−メトキシブチルアセテート、3−メトキシ−1−ブタノール、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、N,N−ジメチルホルムアミド等が好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、乳酸エチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メトキシ−1−ブタノール、3−エトキシプロピオン酸エチル等であることが好ましい。
【0095】
溶剤の使用量は、特に限定されるものではないが、顔料分散液中の固形分の濃度が、好ましくは3〜25質量%、より好ましくは5〜18質量%となる量である。
【0096】
赤色着色硬化性樹脂組成物の調製に使用される各種顔料は、必要に応じて、ロジン処理、酸性基又は塩基性基が導入された顔料誘導体や顔料分散剤等を用いた表面処理、高分子化合物等による顔料表面へのグラフト処理、硫酸微粒化法等による微粒化処理、又は不純物を除去するための有機溶剤や水等による洗浄処理、イオン性不純物のイオン交換法等による除去処理等が施されていてもよい。
【0097】
(赤色着色硬化性樹脂組成物の製造方法)
本発明の赤色着色硬化性樹脂組成物は、着色剤(A)、樹脂(B)、重合性化合物(C)及び重合開始剤(D)、並びに必要に応じて、溶剤(E)、チオール化合物(T)、レベリング剤(F−1)、重合開始助剤(D1)、酸化防止剤(G)、その他の成分を混合することにより調製できる。
【0098】
<カラーフィルタ及びその製造方法>
本発明の赤色着色硬化性樹脂組成物は、赤色のカラーフィルタを得るための材料として有用である。赤色のカラーフィルタとは、波長580〜780nmの波長域に主たる波長成分を有する色光を透過するものをいう。
カラーフィルタは、赤色着色硬化性樹脂組成物の硬化物の成形体で形成されていてもよく、基板上に塗布された赤色着色硬化性樹脂組成物の硬化物(塗膜)として形成されたものであってもよく、基板上にパターン状に形成された赤色着色硬化性樹脂組成物の硬化物(パターン)であってもよい。
赤色着色硬化性樹脂組成物の硬化物をパターン状に製造する方法としては、フォトリソグラフ法、インクジェット法、印刷法等が挙げられ、好ましくはフォトリソグラフ法が挙げられる。フォトリソグラフ法は、赤色着色硬化性樹脂組成物を基板に塗布し、乾燥させて組成物層を形成し、フォトマスクを介して該組成物層を露光して、現像する方法である。フォトリソグラフ法において、露光の際にフォトマスクを用いないこと、及び/又は現像しないことにより、上記組成物層の硬化物を塗膜として形成することができる。
【0099】
基板としては、石英ガラス、ホウケイ酸ガラス、アルミナケイ酸塩ガラス、表面をシリカコートしたソーダライムガラス等のガラス板や、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂板、シリコン、上記基板上にアルミニウム、銀、銀/銅/パラジウム合金薄膜等を形成したものが用いられる。これらの基板上には、別のカラーフィルタ層、樹脂層、トランジスタ、回路等が形成されていてもよい。
【0100】
フォトリソグラフ法による塗膜又はパターンの形成は、公知又は慣用の装置や条件で行うことができ、例えば次のようにして作製することができる。まず、赤色着色硬化性樹脂組成物を基板上に塗布し、加熱乾燥(プリベーク)及び/又は減圧乾燥することにより溶剤等の揮発成分を除去して乾燥させ、平滑な組成物層を得る。塗布方法としては、スピンコート法、スリットコート法、スリット アンド スピンコート法等が挙げられる。
加熱乾燥を行う場合の温度としては、30〜120℃が好ましく、50〜110℃がより好ましい。また加熱時間としては、10秒間〜5分間が好ましく、30秒間〜3分間がより好ましい。減圧乾燥を行う場合は、50〜150Paの圧力下、20〜25℃の温度範囲で行うことが好ましい。組成物層の膜厚は、特に限定されず、目的とするカラーフィルタの膜厚に応じて適宜選択すればよい。
次に、組成物層は、目的のパターンを形成する際には、フォトマスクを介して露光される。該フォトマスク上のパターンは特に限定されず、目的とする用途に応じたパターンが用いられる。塗膜を形成する際には、フォトマスクを用いる必要はない。露光に用いられる光源としては、250〜450nmの波長の光を発生する光源が好ましい。例えば、350nm未満の光を、この波長域をカットするフィルタを用いてカットしたり、436nm付近、408nm付近、365nm付近の光を、これらの波長域を取り出すバンドパスフィルタを用いて選択的に取り出したりしてもよい。具体的には、光源としては、水銀灯、発光ダイオード、メタルハライドランプ、ハロゲンランプ等が挙げられる。
露光には、露光面全体に均一に平行光線を照射することや、フォトマスクと組成物層が形成された基板との正確な位置合せを行うことができるため、マスクアライナ及びステッパ等の露光装置を使用することが好ましい。
露光後の組成物層を現像液に接触させて現像することにより、基板上にパターンが形成される。現像により、組成物層の未露光部が現像液に溶解して除去される。
現像液は、例えば、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化テトラメチルアンモニウム等のアルカリ性化合物の水溶液であることが好ましい。これらのアルカリ性化合物の水溶液中の濃度は、好ましくは0.01〜10質量%であり、より好ましくは0.03〜5質量%である。さらに、現像液は、界面活性剤を含んでいてもよい。
現像方法は、パドル法、ディッピング法及びスプレー法等のいずれでもよい。さらに現像時に基板を任意の角度に傾けてもよい。現像後は、水洗することが好ましい。
さらに、得られた赤色パターンに、ポストベークを行うことが好ましい。ポストベーク温度としては、150〜250℃が好ましく、160〜235℃がより好ましい。ポストベーク時間としては、1〜120分間が好ましく、10〜60分間がより好ましい。
ポストベーク後の塗膜及びパターンの膜厚は、一般的に3μm以下であることが好ましく、2.8μm以下であることがより好ましい。塗膜及びパターンの膜厚の下限は特に限定されないが、通常1μm以上であり、1.5μm以上であってもよい。
本発明の赤色着色硬化性樹脂組成物を用いることにより、コントラストが向上した赤色のカラーフィルタを形成することができる。
【0101】
<表示装置>
本発明に係るカラーフィルタは、表示装置(液晶表示装置、有機EL装置、電子ペーパー等)及び固体撮像素子に用いられる赤色のカラーフィルタとして有用である。
【実施例】
【0102】
以下、実施例及び比較例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。例中、含有量ないし使用量を表す%及び部は、特記ない限り、重量基準である。
【0103】
<合成例1:樹脂(B)の調製>
還流冷却器、滴下ロート及び攪拌機を備えた1Lのフラスコ内に窒素を適量流し窒素雰囲気に置換し、1−メトキシ−2−プロピルアセテ−ト371重量部を入れ、攪拌しながら85℃まで加熱した。次いで、アクリル酸54重量部、3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8又は/及び9−イルアクリレートの混合物225重量部、ビニルトルエン(異性体混合物)81部、1−メトキシ−2−プロピルアセテ−ト80重量部の混合溶液を4時間かけて滴下した。一方、重合開始剤2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)30重量部を1−メトキシ−2−プロピルアセテ−ト160重量部に溶解した溶液を5時間かけて滴下した。開始剤溶液の滴下終了後、4時間同温度で保持した後、室温まで冷却して、B 型粘度(23℃)246mPas、固形分37.5重量%、溶液酸価43mg−KOH/gの共重合体を得た。生成した共重合体の重量平均分子量Mwは10600、分散度2.01であった。
得られた樹脂(B)の重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)の測定は、GPC法を用いて、以下の条件で行った。以下の条件で得られたポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)を分子量分布とした。
【0104】
装置 ;HLC−8120GPC(東ソー(株)製)
カラム ;TSK−GELG2000HXL
カラム温度 ;40℃
溶媒 ;THF
流速 ;1.0mL/min
被検液固形分濃度 ;0.001〜0.01質量%
注入量 ;50μL
検出器 ;RI
校正用標準物質;TSK STANDARD POLYSTYRENE
F−40、F−4、F−288、A−2500、A−500
(東ソー(株)製)
【0105】
<合成例2:赤色顔料分散液(A1)の調製>
C.I.ピグメントレッド254 10.8部
アクリル系顔料分散剤 3.8部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 85.4部
を混合し、ビーズミルを用いて顔料を十分に分散させることにより、C.I.ピグメントレッド254を含有する赤色顔料分散液(A1)を得た。
【0106】
<合成例3:赤色顔料分散液(A2)の調製>
式(P)において、Ra1及びRa2が臭素原子であり、Ra3及びRa4が水素原子である化合物(以下、化合物Aとする) 12.0部
アクリル系顔料分散剤 4.2部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 83.8部
を混合し、ビーズミルを用いて顔料を十分に分散させることにより、上記化合物Aを含有する赤色顔料分散液(A2)を得た。
【0107】
<合成例4:赤色顔料分散液(A3)の調製>
C.I.ピグメントレッド242 12.0部
アクリル系顔料分散剤 4.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 84.0部
を混合し、ビーズミルを用いて顔料を十分に分散させることにより、C.I.ピグメントレッド242を含有する赤色顔料分散液(A3)を得た。
【0108】
<合成例5:青色顔料分散液(A4)の調製>
C.I.ピグメントブルー16 11.8部
アクリル系顔料分散剤 4.7部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 83.5部
を混合し、ビーズミルを用いて顔料を十分に分散させることにより、C.I.ピグメントブルー16を含有する青色顔料分散液(A4)を得た。
【0109】
<合成例6:青色顔料分散液(A5)の調製>
C.I.ピグメントブルー15:3 12.0部
アクリル系顔料分散剤 3.6部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 84.4部
を混合し、ビーズミルを用いて顔料を十分に分散させることにより、C.I.ピグメントブルー15:3を含有する青色顔料分散液(A5)を得た。
【0110】
<合成例7:青色顔料分散液(A6)の調製>
C.I.ピグメントブルー15:6 12.0部
アクリル系顔料分散剤 2.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 86.0部
を混合し、ビーズミルを用いて顔料を十分に分散させることにより、C.I.ピグメントブルー15:6を含有する青色顔料分散液(A6)を得た。
【0111】
<実施例1〜3及び比較例1〜5>
(1)赤色着色硬化性樹脂組成物の調製
上記合成例1で得た樹脂(B)、上記合成例2〜4で得た赤色顔料分散液(A1)〜(A3)、上記合成例5〜7で得た赤色顔料分散液(A4)〜(A6)、重合性化合物(C−1)、重合開始剤(D−1)、レべリング剤(F−1)を、表1に記載の配合量となるように混合して赤色着色硬化性樹脂組成物を得た。なお、各実施例及び比較例においては、表8に固形分(NV)となるように、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを混合した。表1における各成分の配合量の単位は「質量部」であり、配合量は固形分換算であり、固形分(NV)は%である。また、重合性化合物(C−1)、重合開始剤(D−1)、及びレベリング剤(F−1)は次のとおりである。
重合性化合物(C−1):ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート・ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(新中村化学工業(株)製、商品名「A−9550」)
重合開始剤(D−1):下記式で表される化合物(BASF(株)製、商品名「イルガキュアOXE03」)
【0112】
【0113】
レベリング剤(F−1):含フッ素基・親油性基含有オリゴマー(DIC(株)製、商品名「メガファックF−554」)
【0114】
【表1】
【0115】
(2)塗膜の作製
2インチ角のガラス基板(コーニング社製の「イーグルXG」)上に、赤色着色硬化性樹脂組成物をスピンコート法で塗布した後、100℃で3分間プリベークした。冷却後、この赤色着色硬化性樹脂組成物を塗布した基板に、露光機(トプコン(株)製の「TME−150RSK」)を用いて、大気雰囲気下、80mJ/cm2の露光量(365nm基準)で光照射した。その後オーブン中、230℃で30分間ポストベークを行い、塗膜を得た。
【0116】
(3)膜厚測定
得られた塗膜について、膜厚を、膜厚測定装置(DEKTAK3;日本真空技術(株)製)を用いて測定した。結果を表2に示す。
【0117】
(4)色度の測定
得られた塗膜について、測色機(OSP−SP−200;オリンパス(株)製)を用いて分光を測定し、C光源の特性関数を用いてCIEのXYZ表色系におけるxy色度座標(x、y)と明度Yとを測定した。結果を表2に示す。
【0118】
(5)コントラスト(CR)の評価
得られた塗膜について、コントラスト計(CT−1;壺坂電機社製、色彩色差計BM−5AS;トプコン社製、光源;F−10、偏光フィルム;壷坂電機(株)製)を用いて、ブランク値を10000としてコントラストを測定した。塗膜におけるコントラストが高ければ、パターンにおいても同様に高コントラストであるといえる。結果を表2に示す。
【0119】
【表2】
【0120】
実施例3と比較例5との対比から、赤色着色剤とともにC.I.ピグメントブルー16を用いることにより、コントラストを向上させることができることがわかる。
実施例1と比較例1、2との対比、実施例2と比較例3との対比、及び、実施例3と比較例4との対比から、C.I.ピグメントブルー16を用いることにより、他の青色顔料(C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:6)を用いた場合よりも、コントラストを向上させることができることがわかる。
これらの結果から、C.I.ピグメントブルー16は、赤色のカラーフィルタにおいてコントラスト向上剤として有用であることがわかる。
また、実施例1〜3と実施例4との対比から、ジケトピロロピロール骨格を有する化合物を含む赤色着色剤とともに、C.I.ピグメントブルー16を用いることにより、コントラストをより一層向上させることができることがわかる。