(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1のシフトデバイス(141)の駆動ユニット(142)が、前記支持体(110)に固定された前記アライメントシステムの本体(131)に固定されており、前記第1のマウント(152)が、前記第1のシフトデバイス(141)の被駆動部(143)に設けられている、請求項1に記載の装置。
前記駆動ユニット(142)が、前記真空チャンバ(101)の外部に配置され、前記被駆動部(143)が、前記真空チャンバの側壁(102)を貫通して前記真空チャンバ(101)内に延びている、請求項2に記載の装置。
前記アライメントシステム(130)が、前記真空チャンバの側壁(102)を貫通して延びており、少なくとも1つの振動減衰要素(103)を介して前記側壁に可撓的に接続されている、請求項1から4のいずれか一項に記載の装置。
前記支持体(110)が、前記真空チャンバ(101)の頂壁に固定された支持レールまたは支持桁として構成されている、請求項1から5のいずれか一項に記載の装置。
第2のキャリア(20)を前記第1のキャリア(10)と平行に前記第1の方向(X)に沿って搬送するように構成された第2の磁気浮上システム(122)をさらに備え、前記第2の磁気浮上システム(122)が、前記支持体(110)に固定された少なくとも1つの第2の磁石ユニット(123)を備える、請求項1から6のいずれか一項に記載の装置。
前記アライメントシステム(130)が、前記第1のキャリア(10)を、前記第1の方向(X)に対して横方向の第2の方向(Z)において、ならびに、前記第1の方向(X)ならびに前記第1および第2の方向に対して横方向の第3の方向(Y)のうちの少なくとも一方において、アライメントするための少なくとも1つのアライメントデバイス(151)を備える、請求項1または2に記載の装置。
前記第1のキャリアが、基板(11)を保持する基板キャリアであり、前記第1のキャリアをアライメントすることが、第2のキャリア(20)に対して前記第1のキャリアをアライメントすることを含む、請求項12または13に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[0017]次に、本開示の様々な実施形態が詳細に参照され、その1つ以上の例が、図に示される。図面についての以下の説明の中で、同じ参照番号は、同じ構成要素を指す。一般に、個々の実施形態に関する相違点のみが、記載されている。各例は、本開示の説明として提供されており、本開示を限定することを意味していない。
【0019】
[0018]さらに、一つの実施形態の一部として図示または説明された特徴は、他の実施形態で、またはそれらと組み合わせて使用されて、さらに別の実施形態を生み出すことができる。本説明はそのような修正および変形を含むことが、意図されている。
【0020】
[0019]
図1は、本明細書に記載の実施形態による、真空チャンバ101内で第1のキャリア10を位置合わせするための装置100の概略断面図である。
「アライメント」「位置合わせする」という用語は、真空チャンバ内の所定の位置に、詳細には第2のキャリアに対して所定の位置に、第1のキャリアを正確に位置決めすることを指す。第1のキャリアは、少なくとも1つの
アライメント方向において、詳細には、互いに対して本質的に直角であり得る2つまたは3つの
アライメント方向において、
アライメントされる。
【0021】
[0020]以下の説明において、「第1のキャリア」という用語は、
図1に概略的に示されるような、基板11を保持するように構成された基板キャリアを指すのに使用される。「第2のキャリア」という用語は、マスクを保持するように構成されているマスクキャリアを指すのに使用される(
図3参照)。しかしながら、代替的に、第1のキャリアは、異なる物、例えばマスクまたはシールドを保持するように構成されたキャリアであってもよいことが、理解されるべきである。
【0022】
[0021]「基板キャリア」は、真空チャンバ101内で第1の搬送経路に沿って基板11を搬送するように構成されたキャリア装置に関する。基板キャリアは、基板11上へのコーティング材料の堆積中、基板11を保持することができる。いくつかの実施形態において、基板11は、例えば搬送中、位置合わせ中および/または堆積中、非水平の向きで、詳細には本質的に垂直の向きで、基板キャリアに保持されてもよい。
図1に示す実施形態において、基板11は、本質的に垂直の向きで第1のキャリア10に保持されている。例えば、基板面と重力ベクトルとの間の角度は、10°未満、特に5°未満であってもよい。
【0023】
[0022]例えば、基板11は、チャッキング装置によって、例えば静電チャック(ESC)によって、または磁気チャックによって、第1のキャリア10に保持されてもよい。チャッキング装置は、第1のキャリア10内に、例えば第1のキャリアに設けられた大気容器内に、一体化されてもよい。
【0024】
[0023]第1のキャリア10は、詳細には非水平の向きに、より詳細には本質的に垂直の向きに基板11を保持するように構成された保持面を有するキャリア本体を含むことができる。第1のキャリアは、磁気浮上システム120を備えるキャリア搬送システムによって第1の搬送経路に沿って移動可能であってもよい。第1のキャリア10は、磁気浮上システム120による搬送中、非接触で保持されてもよい。詳細には、磁気浮上システム120は、真空チャンバ内の第1の搬送経路に沿って第1のキャリア10を非接触で搬送するように構成されてもよい。磁気浮上システム120は、ローディングチャンバから、位置合わせシステムおよび堆積源が配置されている真空チャンバ101の堆積領域内に第1のキャリアを搬送するように構成されてもよい。
【0025】
[0024]本明細書で使用される「マスクキャリア」は、真空チャンバ内でマスク搬送経路に沿ってマスクを搬送するためにマスクを保持するように構成されたキャリア装置に関する。マスクキャリアは、搬送中、位置合わせ中、および/またはマスクを通した基板上への堆積中、マスクを保持することができる。いくつかの実施形態において、マスクは、搬送中および/または位置合わせ中、非水平の向きで、詳細には本質的に垂直の向きで、マスクキャリアに保持されてもよい。マスクは、チャッキング装置、例えば、クランプなどの機械的チャック、静電チャックまたは磁気チャックによってマスクキャリアに保持されてもよい。マスクキャリアに接続されていてもよい、またはマスクキャリア内に一体化されていてもよい他の種類のチャッキング装置が、使用されてもよい。
【0026】
[0025]例えば、マスクは、エッジ除外マスクまたはシャドーマスクであってもよい。エッジ除外マスクは、基板のコーティング中に1つ以上のエッジ領域に材料が堆積しないように、基板の1つ以上のエッジ領域をマスキングするように構成されたマスクである。シャドーマスクは、基板上に堆積されるべき複数のフィーチャをマスキングするように構成されたマスクである。例えば、シャドーマスクは、複数の小さな開口部、例えば10,000以上の開口部、特に1,000,000以上の開口部を有する開口パターンを含むことができる。画素のパターンを、例えば、OLEDディスプレイなどのディスプレイの製造のために、マスクを通して基板上に堆積させることができる。
【0027】
[0026]本明細書で使用される「本質的に垂直の向き」は、垂直の向きから、すなわち重力ベクトルから10°以下、特に5°以下のずれを有する向きとして理解され得る。例えば、基板(またはマスク)の主表面と重力ベクトルとの間の角度は、+10°と−10°の間、特に0°と−5°の間とすることができる。いくつかの実施形態において、基板(またはマスク)の向きは、搬送中および/または堆積中、正確に垂直でなくてもよく、垂直軸に対してわずかに、例えば0°と−5°の間、特に−1°と−5°の間の傾斜角度だけ、傾いていてもよい。負の角度は、基板(またはマスク)が下向きに傾いている基板(またはマスク)の向きを指す。
【0028】
[0027]本明細書に記載の実施形態による装置100は、第1のキャリア10を第1の方向Xに非接触で搬送するように構成された磁気浮上システム120を含む。第1の方向Xは、本質的に水平の方向であり得る。第1の方向Xは、
図1の紙面と直角である。
【0029】
[0028]支持体110が、真空チャンバ101内に設けられ、第1の方向Xに延びている。磁気浮上システムの少なくとも1つの磁石ユニット121が、支持体110に設けられている。詳細には、磁気浮上システムは、支持体110に設けられた複数の磁石ユニットを含む。キャリアが、支持体110に沿って第1の方向Xに搬送されているときに、同時に少なくとも2つの磁石ユニットによって保持されることができるように、複数の磁石ユニットは、第1の方向Xに互いから所定の距離をおいて支持体110に配置されてもよい。したがって、支持体110は、案内トラックまたは案内レールを提供し、それに沿って第1のキャリアが、非接触で搬送されることができる。
【0030】
[0029]少なくとも1つの磁石ユニット121は、第1のキャリア10を支持体110に対して非接触で保持するための磁気浮上力を生成するように、構成されてもよい。少なくとも1つの磁石ユニット121は、磁力によって少なくとも1つの磁石ユニット121の下方に所定の距離をおいてキャリアを支持体110のところに保持するように構成された能動的に制御された磁石ユニットであってもよい。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの磁石ユニット121は、詳細には第1のキャリア10の上方で、支持体110に配置されたアクチュエータを含む。アクチュエータは、支持体110とアクチュエータによって保持される第1のキャリア10との間に所定の距離を維持するように、能動的に制御可能であってもよい。支持体110に設けられた磁石ユニットと相互作用することができる磁気対応物が、第1のキャリアに配置されてもよい。
【0031】
[0030]例えば、少なくとも1つの磁石ユニット121に印加される電流などの出力パラメータが、第1のキャリアと支持体との間の距離などの入力パラメータに応じて、制御されてもよい。詳細には、支持体110と第1のキャリア10との間の距離は、距離センサによって測定され、測定された距離に応じて、少なくとも1つの磁石ユニット121の磁場強度が、設定されてもよい。詳細には、所定の閾値を超える距離の場合には磁場強度が増加され、閾値未満の距離の場合には磁場強度が減少されてもよい。少なくとも1つの磁石ユニット121は、閉ループまたはフィードバック制御で制御されてもよい。2つ以上の磁石ユニットが、能動的に制御されて、2つ以上の磁石ユニットのそれぞれが、第1のキャリアの重量の一部を支えてもよい。このようにして、第1のキャリアを、2つ以上の磁石ユニットの下方に保持することができる。
【0032】
[0031]支持体110は、第1の方向Xに数メートルの寸法、例えば1m以上、2m以上、または3m以上の寸法を有することができる。第1のキャリアは、支持体の延在方向に支持体110に沿って搬送されることができる。支持体110の少なくとも一部が、支持体に沿って第1のキャリアを案内するための案内レールとして構成されてもよい。複数の能動的に制御された磁石ユニットが、支持体の案内レール部分に設けられてもよい。
【0033】
[0032]いくつかの実施形態において、支持体110は、真空チャンバ101の頂壁に設けられており、例えば、真空チャンバの頂壁に機械的に固定されている。第1のキャリア10が、複数の能動的に制御された磁石ユニットによって、支持体の案内レール部分の下方で第1の方向Xに非接触で搬送されることができる。
【0034】
[0033]装置100は、
図1に概略的に示されるように、真空チャンバ101内で第1のキャリア10を位置合わせするように構成された位置合わせシステム130をさらに含む。位置合わせシステム130は、真空チャンバ内に第1のキャリア10を正確に位置決めするように構成され得る。いくつかの実施形態において、堆積源105が、真空チャンバ101内に設けられている。堆積源105は、第1のキャリア10によって保持されている基板11上にコーティング材料を堆積させるように構成されている。位置合わせシステム130は、真空チャンバの堆積領域に配置されてもよい。したがって、位置合わせ後に、第1のキャリアによって保持される基板上に材料を堆積させることができる。
【0035】
[0034]本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができるいくつかの実施形態において、位置合わせシステム130は、第1のキャリア10を位置合わせシステムに取り付けるための第1のマウント152と、第1のマウント152を少なくとも1つの位置合わせ方向に移動させるように構成された位置合わせデバイス151とを含む。少なくとも1つの位置合わせ方向は、第1の方向Xに対して横方向に延びる第2の方向Zであってもよい。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの位置合わせ方向は、第1の方向X、第2の方向Z、および/または第1および第2の方向に対して横方向に延びる第3の方向Yであってもよい。いくつかの実施形態において、位置合わせデバイスは、第1のマウントを第1の方向Xおよび第3の方向Yに移動させるように構成されてもよい。いくつかの実施形態において、位置合わせデバイス151は、第1のマウント152を、第2の方向Zに、ならびに任意選択で第1の方向Xならびに第1および第2の方向と直角な第3の方向Yのうちの少なくとも一方の方向に移動させるように構成される。第3の方向Yは、本質的に垂直の方向であってもよい。
【0036】
[0035]第2の方向Zは、本質的に水平の方向であってもよい。第2の方向Zは、それに沿って第1のキャリアが磁気浮上システム120によって搬送される第1の方向Xと本質的に直角であってもよい。第1のキャリアを第1の方向Xに搬送した後、第1のキャリアを、第1のマウント152に取り付けて、位置合わせシステム130によって第1の搬送経路から離れて、例えば、堆積源105に向かって、またはマスクを保持する第2のキャリアに向かって、第2の方向Zにシフトさせることができる。
【0037】
[0036]本明細書に記載の一態様によれば、磁気浮上システム120の少なくとも1つの磁石ユニット121と位置合わせシステム130の両方が、支持体110に固定されている。詳細には、磁気浮上システム120の複数の浮上磁石および位置合わせシステム130が、支持体110に固定されている。
【0038】
[0037]少なくとも1つの磁石ユニット121および位置合わせシステム130を同じ機械的支持体に固定することによって、真空チャンバの振動および変形などの他の動きは、少なくとも1つの磁石ユニット121および位置合わせシステム130の両方に等しく伝達される。詳細には、少なくとも1つの磁石ユニット121および位置合わせシステム130は、同じ機械的経路を経由して、すなわち支持体110を通って、真空チャンバ101に接続され得る。したがって、真空チャンバの様々な部分の動きおよび振動は、少なくとも1つの磁石ユニット121と位置合わせシステム130との間の相対的な配置に影響を及ぼさない。例えば、真空チャンバの排気は、真空チャンバの側壁と頂壁とに異なる影響を及ぼし、それらは、異なる動きをする可能性がある。しかしながら、少なくとも1つの磁石ユニット121と位置合わせシステム130の両方が、同じ機械的支持体を介して真空チャンバの頂壁に接続されているので、これらの異なる動きは、少なくとも1つの磁石ユニット121と位置合わせシステム130との間の相対的配置に影響を与えない。さらに、磁石ユニットおよび位置合わせシステムは、共通の支持体によって提供される同じ機械的経路を経由して真空チャンバに接続されるので、キャリアの位置合わせのための公差チェーンを減少させることができる。詳細には、位置合わせデバイス(すなわち、ピエゾアクチュエータ)、シフトデバイス(すなわち、リニアZアクチュエータ)、および磁気浮上ユニット(すなわち、磁石ユニット)が、同じ機械的支持体に接続され得る。位置合わせ精度を向上させることができる。
【0039】
[0038]本明細書に記載の実施形態によれば、第1のキャリアが、磁気浮上システム120によって堆積領域内に搬送されると、位置合わせシステム130の第1のマウント152が、第1のキャリア10の所定の部分に付着する。したがって、位置合わせシステム130によって実行される位置合わせは、より信頼性と再現性があり、真空チャンバが振動または移動したとしても、位置合わせシステム130の同様のまたは本質的に等しいストロークが、後続のキャリアのキャリア位置合わせに使用されることができる。位置合わせを改善することができ、より正確にかつ時間効率の良い方法で堆積を実行することができる。
【0040】
[0039]
図1に概略的に示されるように、位置合わせシステム130の位置合わせデバイス151は、位置合わせシステム130の本体131を介して支持体110に機械的に固定されてもよい。
【0041】
[0040]本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる実施形態によれば、位置合わせシステム130は、第1のマウント152と、第1のマウント152を少なくとも1つの位置合わせ方向に移動させるように構成された位置合わせデバイス151とを含む。位置合わせデバイス151は、第1のマウント152を少なくとも1つの位置合わせ方向に移動させるように構成された少なくとも1つの精密アクチュエータ、例えば、少なくとも1つのピエゾアクチュエータを含むことができる。詳細には、位置合わせデバイス151は、第1のマウントを2つまたは3つの位置合わせ方向に移動させるように構成された2つまたは3つのピエゾアクチュエータを含む。位置合わせデバイス151のピエゾアクチュエータは、第1のマウント152を第2の方向Zに、ならびに任意選択で第1の方向Xおよび/または第3の方向Yに移動させるように構成されてもよい。位置合わせデバイス151は、第1のキャリアが取り付けられた第1のマウント152を少なくとも1つの位置合わせ方向に精密に位置決め(または精密に位置合わせ)するように構成されてもよい。例えば、位置合わせデバイスは、5μm未満の精度、詳細にはサブミクロンの精度で第1のキャリアを位置決めするように構成することができる。
【0042】
[0041]本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができるいくつかの実施形態において、第1のマウント152は、第1のキャリア10を第1のマウント152に磁気的に保持するように構成された磁気チャックを含む。例えば、第1のマウント152は、第1のキャリアを第1のマウントに磁気的に保持するように構成された永電磁石(electropermanent magnet)デバイスを含んでもよい。永電磁石デバイスのコイルに電気パルスを印加することにより、永電磁石デバイスは、保持状態と解放状態との間で切り替えることができる。詳細には、電気パルスを印加することによって、永電磁石デバイスの少なくとも1つの磁石の磁化を変化させることができる。
【0043】
[0042]
図2は、本明細書に記載のいくつかの実施形態による、真空チャンバ101内でのキャリア位置合わせのための装置200を、概略断面図で示す。装置200は、
図1に示す装置100と同様であり、そのため、上記の説明を参照することができ、ここでは繰り返さない。
【0044】
[0043]装置200は、第1のキャリア10を第1の方向Xに搬送するように構成された磁気浮上システム120を含む。磁気浮上システム120は、少なくとも1つの磁石ユニット121、詳細には、支持体110に対して第1のキャリア10を非接触で保持するように構成された少なくとも1つの能動的に制御された磁石ユニットを含む。少なくとも1つの磁石ユニット121および位置合わせシステム130は、
図1を参照して上述したように、支持体110に固定されている。
【0045】
[0044]位置合わせシステム130は、第1のキャリア10を位置合わせシステム130に取り付けるように構成された第1のマウント152と、第1のマウントを、詳細には第1の方向Xと本質的に直角な、第2の方向Zに移動させるように構成された第1のシフトデバイス141とを含む。いくつかの実施形態において、位置合わせシステム130は、第1のマウント152を少なくとも1つの位置合わせ方向に移動させるように構成された位置合わせデバイス151をさらに含み、第1のシフトデバイス141は、第1のマウント152と共に位置合わせデバイス151を第2の方向Zに移動させるように構成されてもよい。位置合わせデバイス151は、1つ以上のピエゾアクチュエータを、任意選択で含んでもよい。
【0046】
[0045]したがって、第1のマウント152は、例えば、第1のマウントに取り付けられた第1のキャリアの粗い位置決めを実行するために、第1のシフトデバイス141によって第2の方向Zに移動させることができ、第1のマウント152は、例えば、第1のマウントに取り付けられた第1のキャリアの精密な位置決めを実行するために、位置合わせデバイス151によってさらに移動させることができる。
【0047】
[0046]いくつかの実施形態において、少なくとも1つの位置合わせ方向は、第2の方向Zと本質的に一致してもよい。したがって、第1のシフトデバイス141および位置合わせデバイス151によって、第1のキャリアを、第2の方向Zに移動させることができる。第1のシフトデバイス141が、第2の方向Zに第1のキャリアの粗い位置決めを実行するように構成され、位置合わせデバイス151が、第2の方向Zに第1のキャリアの精密な位置合わせを実行するように構成されてもよい。
【0048】
[0047]いくつかの実施形態において、位置合わせデバイス151は、第1のマウント152を、第2の方向Zに、ならびに任意選択で第1の方向Xならびに第1および第2の方向に対して横方向の第3の方向Yのうちの少なくとも一方の方向に移動させるように構成される。第3の方向Yは、本質的に垂直の方向であってもよい。したがって、第1のキャリアは、第1の方向X、第2の方向Zおよび/または第3の方向Yにおいて位置合わせデバイス151によって正確に位置決めされることができる。他の実施形態において、位置合わせデバイス151は、第1のマウントを2方向にのみ、例えば第2の方向Zおよび第3の方向Yにのみ、移動させることができる。
【0049】
[0048]本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができるいくつかの実施形態において、第1のシフトデバイス141は、駆動ユニット142と、駆動ユニット142によって第2の方向Zに移動させることができる被駆動部143とを含む。駆動ユニット142は、支持体110に強固に固定されている位置合わせシステム130の本体131に強固に固定されていてもよい。第1のマウント152および任意選択で位置合わせデバイス151が、第2の方向Zに被駆動部143と共に移動可能であるように、第1のシフトデバイス141の被駆動部143に設けられてもよい。詳細には、被駆動部143は、真空チャンバの外部から真空チャンバ内へ第2の方向Zに直線状に延びているシャフトを含んでもよく、駆動ユニット142によって移動させることができる。
【0050】
[0049]いくつかの実施形態において、第1のシフトデバイス141の駆動ユニット142は、被駆動部143を第2の方向Zに10mm以上、詳細には20mm以上、さらに詳細には30mm以上の距離だけ移動させるように構成されたリニアアクチュエータを含んでもよい。例えば、駆動ユニット142は、被駆動部143を第2の方向Zに10mm以上の距離だけ移動させるように構成された、機械的アクチュエータ、電気機械的アクチュエータ、例えばステッピングモータ、電気モータ、油圧アクチュエータおよび/または空気圧アクチュエータを含むことができる。
【0051】
[0050]真空チャンバ内で第1のキャリア10を位置合わせする方法は、以下を含み得る。(i)第1の搬送経路に沿って第1の方向Xに第1のキャリア10を真空チャンバ101の堆積領域内に搬送する。第1のキャリア10は、少なくとも1つの磁石ユニット121を有する磁気浮上システム120によって非接触で搬送される。少なくとも1つの磁石ユニット121は、支持体110に固定され、支持体110のところに第1のキャリア10を非接触で保持するように構成された能動的に制御された磁石ユニットであってもよい。(ii)堆積領域内の位置合わせシステム130の第1のマウント152に第1のキャリアを取り付ける。位置合わせシステム130は、支持体110に固定されており、第1のマウント152を少なくとも1つの位置合わせ方向に移動させるように構成された位置合わせデバイス151を含む。位置合わせシステム130は、位置合わせデバイスを第1のマウントと共に第2の方向Zに移動させるように構成された第1のシフトデバイス141をさらに含んでもよい。第1のキャリアを第1のマウント152に取り付けることは、第1のマウント152が第1のキャリアに接触して第1のキャリアに付着するまで、第1の搬送経路上に位置する第1のキャリア10に向かって第1のマウント152を移動させることを含むことができる。例えば、第1のマウント152は、第1のキャリアに磁気的に付着する。
【0052】
[0051](iii)任意選択で、この方法は、第1のシフトデバイス141を用いて第1のキャリアを第2の方向Zに移動させることを、さらに含んでもよい。例えば、第1のシフトデバイス141は、第1のキャリア10を第2の方向Zに10mm以上の距離だけ堆積源105に向かってまたは第2のキャリアに向かって移動させることができる。(iv)第1のキャリアが、位置合わせデバイス151を用いて少なくとも1つの位置合わせ方向において位置合わせされる。第1のキャリア10を位置合わせすることは、第1のキャリア10を、第2の方向Zに、ならびに任意選択で第1の方向Xおよび第3の方向Yのうちの少なくとも一方の方向に精密に位置決めすることを含むことができる。第1のキャリアは、真空チャンバ101内で第1のシフトデバイス141の被駆動部143に設けられた少なくとも1つのピエゾアクチュエータによって位置合わせされてもよい。したがって、本明細書に記載の装置100を用いて、第1のキャリア10の正確な位置合わせを提供することができる。
【0053】
[0052]詳細には、位置合わせデバイス151が第1のマウント152と共に第1のシフトデバイス141の被駆動部143に設けられていることによって、第1のマウントの粗い位置決めが、第1のシフトデバイス141によって実行されることができ、第1のマウントの精密な位置決めが、位置合わせデバイス151によって提供されることができる。
【0054】
[0053]本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができるいくつかの実施形態において、第1のシフトデバイス141の駆動ユニット142は、真空チャンバ101の外部に配置され、および/または被駆動部143は、詳細には真空チャンバ101の側壁102の開口部を通って、真空チャンバ101内に延びる。
【0055】
[0054]駆動ユニット142が、真空チャンバの外部、すなわち大気圧下に配置されている場合、非真空対応の駆動ユニットを使用することができ、これは、通常、真空対応の駆動ユニットよりも費用効率が高く、取り扱いが容易である。さらに、例えば電気モータまたはステッピングモータを含む、任意の種類の駆動ユニット142を提供することができる。機械的なベアリングを含み得る駆動ユニットによる真空チャンバ内のパーティクルの発生を、回避することができる。例えば、リニアZアクチュエータを使用することができる。駆動ユニットのメンテナンスを容易にすることができる。
【0056】
[0055]本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができるいくつかの実施形態において、装置200は、位置合わせシステム130と真空チャンバ101の壁、詳細には側壁102との間に振動減衰または振動分離を提供するための振動減衰要素103を含む。例えば、位置合わせシステム130は、真空チャンバ101の側壁を貫通して延びていてもよく、例えば少なくとも1つの振動分離要素を介して、側壁にフレキシブルに接続されてもよい。本明細書で使用される「フレキシブルに接続された」という用語は、側壁102と位置合わせシステム130との間の相対的な動き、例えば、変形または振動を可能にする、位置合わせシステム130と真空チャンバ101の側壁102との間の接続に関する。言い換えれば、位置合わせシステム130は、側壁の振動および他の変形または動きが側壁から位置合わせシステムに伝達されないように、側壁102に対して移動可能に取り付けられている。これは、ポジショナの駆動ユニットを真空チャンバの対応する側壁に動かないように固定しながら、真空チャンバ内でのポジショナの動きを可能にする従来のベローズシールモーションフィードスルーとは対照的である。したがって、従来のモーションフィードスルーは、それらが貫通する真空チャンバの側壁に強固に固定されており、側壁に対する振動減衰はない。
【0057】
[0056]振動減衰要素103は、位置合わせシステム130が真空気密で貫通している真空チャンバの側壁102の開口部を密封してもよい。
【0058】
[0057]振動減衰要素103または振動分離要素は、少なくとも1つのフレキシブル要素または弾性要素、詳細には少なくとも1つの伸長可能な要素、例えば、ベローズ要素などの軸方向に伸長可能な要素を含むことができる。例えば、振動減衰要素103は、真空チャンバの側壁102と位置合わせシステム130との間で作用する弾性の真空気密シールを含むことができる。いくつかの実施形態では、軸方向に伸長可能な要素の長手方向軸は、第2の方向Zに延びていてもよい。例えば、ベローズ要素などの弾性および/または伸長可能な要素は、位置合わせシステム130が貫通する側壁102の開口部が真空気密で塞がれるように、位置合わせシステム130を真空チャンバの側壁102と接続させることができる。したがって、振動分離要素が、側壁102と位置合わせシステム130との間の相対的な動きを可能にするので、側壁102の振動および他の変形は、位置合わせシステム130に直接伝達されない。詳細には、位置合わせシステム130の(静止した)本体131が、側壁を貫通して延びており、振動減衰要素103を介して側壁に対して移動可能に取り付けられている。
【0059】
[0058]位置合わせシステム130が貫通している真空チャンバ101の側壁102は、真空チャンバの本質的に垂直に延びている外側側壁であってもよい。真空チャンバの側壁102は、通常、補強ビームなどの安定化要素によって強化することができる頂壁よりも安定性が低い。したがって、例えば、真空チャンバ内の圧力が変化したとき、側壁102は、少なくとも部分的に移動または振動することがある。したがって、側壁の動きが位置合わせシステムに(直接)伝達されないように、位置合わせシステム130を側壁102から機械的に分離することが、有益である。
【0060】
[0059]位置合わせシステム130は、位置合わせシステム130が貫通している側壁102に固定されていない支持体110に強固に固定されていてもよい。詳細には、支持体110は、真空チャンバの頂壁に固定されてもよく、キャリア搬送経路に沿って第1のキャリア10が磁気浮上システム120によって非接触で搬送されることができるキャリア搬送経路の上方に配置されてもよい。これにより、位置合わせ精度を向上させることができ、真空チャンバ内の圧力変化中に側壁102が動いても、位置合わせシステム130の位置を維持することができる。
【0061】
[0060]いくつかの実施形態において、少なくとも1つのさらなるフレキシブル要素104、例えば、ベローズ要素などの軸方向に伸長可能な要素が、位置合わせシステム130の本体131を第1のシフトデバイス141の被駆動部143とフレキシブルに接続することができる。さらなるフレキシブル要素104は、駆動ユニット142を真空チャンバ101の外部に配置することができる一方で、真空チャンバ101内で被駆動部143を第2の方向Zに移動させることを可能にし得る。例えば、駆動ユニット142は、真空チャンバの外部で位置合わせシステム130の本体131に強固に固定することができる。さらなるフレキシブル要素104は、さらなるフレキシブル要素104を囲む真空環境を、さらなるフレキシブル要素104の内側の大気環境から分離してもよい。被駆動部143の移動可能なシャフトまたはアームが、さらなるフレキシブル要素104を通って軸方向に延びていてもよい。
【0062】
[0061]本明細書に記載の実施形態によれば、第1のシフトデバイス141によって第1のマウント152を位置合わせデバイス151と共に第2の方向Zに移動させることができる。詳細には、第1のマウント152が第1のキャリア10と接触してこれに付着するまで、第1のマウント152を第1のシフトデバイス141によって第1のキャリア10に向かって移動させることができる。次に、第1のキャリアが取り付けられた第1のマウントを、第1のシフトデバイス141によって第2の方向Zに堆積源105または第2のキャリアに向かって移動させることができる。その後、位置合わせデバイス151による第1のキャリアの精密な位置合わせが、続いてもよい。
【0063】
[0062]第1のシフトデバイス141の駆動ユニット142(例えば、リニアZアクチュエータとして提供される)は、真空チャンバ101の外部に配置され得る。位置合わせデバイス151および第1のマウント152を保持する第1のシフトデバイス141の被駆動部143の前部が、真空チャンバ内に配置され得る。位置合わせシステム130は、少なくとも1つの振動減衰要素のみを介して側壁に接続されているので、被駆動部143が貫通して延びている真空チャンバ101の側壁102の動きは、位置合わせシステム130に伝達されない。真空チャンバ内の圧力が変化したとしても、あるいは真空チャンバが充満するおよび/または排気されたとしても、第1のキャリアの正確で再現性のある位置合わせを提供することができる。
【0064】
[0063]本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる実施形態において、支持体110は、真空チャンバ101の頂壁に設けられた案内レールまたは支持桁として構成されている。支持体110に固定されている位置合わせシステム130は、真空チャンバの側壁102を貫通して延びることができる。頂壁は、真空チャンバの上側の本質的に水平に延びる外壁とすることができ、および/または側壁は、頂壁に対して本質的に直角に、詳細には本質的に垂直の方向に、延びることができる。
【0065】
[0064]
図2は、本明細書に記載の実施形態による、真空チャンバ内でキャリアを位置合わせするための真空システムを示す。真空システムは、頂壁と側壁102とを有する真空チャンバ101と、真空チャンバ内で頂壁に設けられた支持体110とを含む。第1のキャリアを位置合わせするための位置合わせシステム130が、支持体110に固定されている。詳細には、位置合わせシステム130の(静止した)本体131が、例えば複数のねじまたはボルトを介して、支持体110に強固に固定されている。位置合わせシステム130は、位置合わせデバイスおよび/または本体131に固定することができる第1のシフトデバイスなどの少なくとも1つの位置合わせユニットを含む。位置合わせシステム130は、側壁を貫通して延び、側壁の動きが位置合わせシステム130の位置に影響を及ぼさないように、詳細には振動減衰または分離要素を介して、側壁にフレキシブルに接続される。振動減衰要素103は、軸方向に伸長可能な要素、詳細にはベローズ要素であってもよい。いくつかの実施形態において、振動減衰要素は、側壁102と位置合わせシステムとの間の真空気密シールとして働く。
【0066】
[0065]いくつかの実施形態において、位置合わせシステム130の駆動ユニット142が、真空チャンバの外部に配置され、駆動ユニット142によって移動させることができる位置合わせシステム130の位置合わせデバイス151が、真空チャンバ内に配置されてもよい。位置合わせシステム130の第1のマウント152は、位置合わせデバイス151によって移動させることができ、第1のキャリア10を取り付けるように構成されている。
【0067】
[0066]真空システムは、第1のキャリア10によって保持された基板上に1種以上の材料を堆積させるように構成された真空堆積システムであってもよい。堆積源105、詳細には有機材料を蒸発させるように構成された蒸気源を、真空チャンバ内に設けることができる。堆積源105は、材料を堆積源105から位置合わせシステムの第1のマウント152に取り付けられた第1のキャリアの方に向けることができるように、配置することができる。
【0068】
[0067]堆積源105は、移動可能な堆積源であってもよい。詳細には、堆積源105は、第1のキャリアによって保持される基板を通り過ぎて第1の方向Xに移動可能であってもよい。第1の方向Xに堆積源105を並進移動させるための駆動装置が、設けられてもよい。
【0069】
[0068]代替的にまたは付加的に、堆積源は、蒸気出口を備えた回転可能な分配管を含むことができる。分配管は、本質的に垂直の方向に延びていてもよく、本質的に垂直な回転軸の周りに回転可能であってもよい。堆積材料は、蒸発源のるつぼ内で蒸発させることができ、分配管に設けられた蒸気出口を通って基板の方に向けられることができる。
【0070】
[0069]詳細には、堆積源105は、本質的に垂直の方向に延びる線状源として提供されてもよい。堆積源105の垂直方向の高さは、基板を通り過ぎて第1の方向Xに堆積源105を移動させることによって、基板をコーティングすることができるように、垂直に配向された基板の高さに適合させることができる。
【0071】
[0070]いくつかの実施形態において、磁気浮上システム120は、真空チャンバ101内の堆積領域に第1のキャリア10を搬送し、そこで基板11が堆積源105に面するように、構成されてもよい。コーティング材料を、堆積領域で基板上に堆積させることができる。基板上にコーティング材料を堆積させた後、磁気浮上システム120は、例えば、コーティングされた基板を真空チャンバから取り出すため、または別のコーティング材料を別の堆積領域で基板上に堆積させるために、第1のキャリア10を堆積領域の外に搬送することができる。
【0072】
[0071]堆積源105は、コーティング材料を堆積領域に向けるための複数の蒸気開口部またはノズルを有する分配管を含むことができる。さらに、堆積源は、コーティング材料を加熱し蒸発させるように構成されたるつぼを含むことができる。るつぼは、分配管と流体連通するように、分配管に接続することができる。
【0073】
[0072]本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができるいくつかの実施形態において、堆積源は、回転可能であってもよい。例えば、堆積源は、堆積源の蒸気開口部が堆積領域の方に向けられる第1の向きから、蒸気開口部が第2の堆積領域の方に向けられる第2の向きへ、回転可能であってもよい。堆積領域および第2の堆積領域は、堆積源の両側に配置されてもよく、堆積源は、堆積領域と第2の堆積領域との間で約180°の角度回転可能であってもよい。
【0074】
[0073]
図2の例示的な実施形態において、磁気浮上システム120は、第1のキャリア10の上方で支持体110に配置され、第1のキャリア10の重量の少なくとも一部を支えるように構成された少なくとも1つの磁石ユニット121を含む。少なくとも1つの磁石ユニット121は、支持体110の案内レール部分の下方に第1のキャリア10を非接触で保持するように構成された能動的に制御された磁石ユニットを含むことができる。磁気浮上システム120は、第1のキャリア10を第1の方向Xに非接触で移動させるように構成された駆動装置を、さらに含むことができる。いくつかの実施形態において、駆動装置は、少なくとも部分的に第1のキャリア10の下方に配置されてもよい。駆動装置は、第1のキャリアに磁力を加えることによって第1のキャリアを移動させるように構成されたリニアモータなどの駆動装置を含むことができる(図示せず)。
【0075】
[0074]
図3は、本明細書に記載の実施形態による、真空チャンバ101内でキャリアを位置合わせするための装置300を示す。装置300は、
図2に示す装置200と同様であり、そのため、上記の説明を参照することができ、ここでは繰り返さない。
【0076】
[0075]装置300の位置合わせシステム130が、支持体110に固定されている。さらに、磁気浮上システム120の少なくとも1つの磁石ユニット121が、支持体110に固定されている。支持体110は、真空チャンバの頂壁に設けられて、第1の方向Xに延びていてもよい。
【0077】
[0076]支持体110に固定された位置合わせシステム130は、第1のキャリア10を第2のキャリア20に対して位置合わせするように構成されてもよい。詳細には、位置合わせシステム130は、第1のキャリアを位置合わせシステムに取り付けるための第1のマウント152、第2のキャリアを位置合わせシステムに取り付けるための第2のマウント153、および第1のキャリアと第2のキャリアを互いに対して移動させるための位置合わせデバイス151を含むことができる。
【0078】
[0077]いくつかの実施形態において、位置合わせシステム130は、第1のキャリア10を位置合わせシステムに取り付けるための第1のマウント152、第2のキャリア20を位置合わせシステムに取り付けるための第2のマウント153、第1のマウントを第2の方向Zに移動させるように構成された第1のシフトデバイス141、および第2のマウントを第2の方向Zに移動させるように構成された第2のシフトデバイス144を含む。
【0079】
[0078]第1のキャリア10は、典型的には、コーティングされるべき基板11を保持する基板キャリアであり、第2のキャリア20は、典型的には、堆積中に基板11の前に配置されるべきマスク21を保持するマスクキャリアである。蒸発させた材料を、マスクによって画定された所定のパターンで基板上に正確に堆積させることができるように、第1のキャリア10および第2のキャリア20を、位置合わせシステム130を用いて互いに対して位置合わせすることができる。
【0080】
[0079]詳細には、第2のマウント153に取り付けられた第2のキャリア20を、第2のシフトデバイス144を用いて、第2の方向Zの所定の位置に移動させることができる。第1のキャリア10を、第1のシフトデバイス141を用いて、第2の方向Zの第2のキャリア20に隣接する所定の位置に移動させることができる。次いで、第1のキャリア10を、位置合わせ方向において、詳細には第2の方向Zにおいて、および/または任意選択で1つ以上のさらなる位置合わせ方向において、位置合わせデバイス151を用いて、位置合わせすることができる。
【0081】
[0080]本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができるいくつかの実施形態において、位置合わせシステム130は、真空チャンバ101の側壁102を貫通して延び、振動減衰要素103を介して側壁102にフレキシブルに接続される。振動減衰要素103は、ベローズ要素などのフレキシブルおよび/または弾性要素であってもよい。振動減衰要素103は、側壁102の変形が位置合わせシステム130に伝達するのを防止または低減する。上記の説明が参照され、ここでは繰り返さない。
【0082】
[0081]いくつかの実施形態において、第2のシフトデバイス144は、第2の駆動ユニット145、例えば、リニアアクチュエータまたはモータ、および第2の駆動ユニット145によって第2の方向Zに移動させることができる第2の被駆動部146を含む。第2のマウント153が、第2の被駆動部146と共に移動可能であるように、第2の被駆動部146に設けられている。第2の被駆動部146は、側壁102の開口部を貫通して真空チャンバ内に延びるシャフトを含むことができる。
【0083】
[0082]第1のシフトデバイス141の駆動ユニット142および第2のシフトデバイス144の第2の駆動ユニット145は、支持体110に固定された位置合わせシステムの本体131に固定されてもよい。したがって、真空チャンバが動く、または振動したときに、第1のマウントに取り付けられた第1のキャリアおよび第2のマウントに取り付けられた第2のキャリアが互いと一致して動くように、真空チャンバの動きは、第1のマウントおよび第2のマウントに等しく伝達される。
【0084】
[0083]第2の駆動ユニット145は、真空チャンバ101の外部に配置され、第2の被駆動部146は、詳細には真空チャンバの側壁102に設けられた開口部を貫通して、真空チャンバ101内に延びていてもよい。第2のマウント153は、第2の被駆動部146の前端で真空チャンバ101内に設けられている。これにより、第2のキャリア20を、真空チャンバ内に設けられた第2のマウント153に取り付けることができる。さらに、第2のキャリア20を、第2のシフトデバイス144により、真空チャンバ101内で第2の方向Zに移動させることができる。
【0085】
[0084]位置合わせシステム130は、例えば複数のボルトまたはねじを介して真空チャンバ内で支持体110に固定された本体131を含む。第1のシフトデバイス141の駆動ユニット142および第2のシフトデバイス144の第2の駆動ユニット145は、位置合わせシステム130の本体131に固定されてもよい。位置合わせシステム130の本体131は、第1のシフトデバイスの被駆動部143および第2のシフトデバイスの第2の被駆動部146のために、側壁102を貫通するフィードスルーを提供することができる。位置合わせシステム130の本体131は、例えば振動減衰要素103を介して、真空チャンバ101の側壁102にフレキシブルに接続されてもよい。
【0086】
[0085]位置合わせシステム130の本体131は、支持体110に固定されてもよい。支持体110は、真空チャンバの頂壁に(直接または間接に)固定されてもよく、および/または第1の方向Xに延びる支持レールまたは支持桁として構成されてもよい。真空チャンバの頂壁は、典型的には、垂直に延びる側壁よりも、頑丈に補強されており、可動性が低い。
【0087】
[0086]本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができるいくつかの実施形態において、磁気浮上システム120が、第1のキャリアを第1の搬送経路に沿って第1の方向Xに搬送するために設けられ、第2の磁気浮上システム122が、第2のキャリア20を、第1の搬送経路と平行な第2の搬送経路に沿って第1の方向Xに搬送するために設けられてもよい。磁気浮上システム120および/または第2の磁気浮上システム122は、非接触でキャリアを搬送するように構成されてもよい。詳細には、磁気浮上システム120は、第1のキャリア10を非接触で保持するための少なくとも1つの磁石ユニット121、詳細には能動的に制御された磁石ユニットを含むことができる。第2の磁気浮上システム122は、第2のキャリア20を非接触で保持するための少なくとも1つの第2の磁石ユニット123、詳細には能動的に制御された磁石ユニットを含むことができる。典型的には、各磁気浮上システムは、本質的に等しい間隔で第1の方向Xに沿って支持体に配置することができる複数の能動的に制御された磁石ユニットを含む。詳細には、少なくとも1つの磁石ユニット121および少なくとも1つの第2の磁石ユニット123は、支持体110に固定されてもよい。
【0088】
[0087]支持体は、少なくとも1つの磁石ユニット121が取り付けられている、第1のキャリアを非接触で保持するための案内レール部分と、少なくとも1つの第2の磁石ユニット123が固定されている、第2のキャリアを非接触で保持するための第2の案内レール部分とを、含むことができる。少なくとも1つの磁石ユニット121および少なくとも1つの第2の磁石ユニット123は、同じ機械的支持体に取り付けられているので、支持体110が動く、または振動したときに、第1のキャリアおよび第2のキャリアは、互いと一致して動く。したがって、磁気浮上システムによる搬送中の第1のキャリアと第2のキャリアとの相対的な配置を維持することができる。
【0089】
[0088]
図3の概略断面図において、第1のキャリア10および第2のキャリア20は、磁気浮上システム120および第2の磁気浮上システム122の能動的に制御された磁石ユニットによって、非接触で保持されている。第1のマウント152は、第1のキャリア10から第2の方向Zに離間して設けられ、第2のマウント153は、第2のキャリア20から第2の方向Zに離間して設けられている。
【0090】
[0089]
図4Aは、第2の位置にある
図3の装置300を示す。第2のマウントを第2の方向Zに第2のキャリア20まで移動させて、第2のキャリア20を第2のマウント153に磁気的に付着させることによって、第2のキャリア20が、第2のマウント153に取り付けられている。次に、第2のキャリア20は、第2のシフトデバイス144によって第2の方向Zに所定の位置まで、例えば20mm以上の距離だけ移動される。詳細には、第2のキャリア20によって保持されるマスク21が、堆積源105に面する所定の位置に位置決めされる。
【0091】
[0090]
図4Aにさらに示されるように、基板11を保持する第1のキャリア10が、磁気浮上システム120によって堆積領域内に搬送され、第1のシフトデバイス141を用いて第1のマウント152を第1のキャリア10まで移動させることによって、第1のマウント152が、第1のキャリアに取り付けられる。
【0092】
[0091]
図4Bに概略的に示されるように、次に、基板11がマスク21の近くに位置決めされるまで、第1のキャリア10を、第1のシフトデバイス141によって第2の方向Zに第2のキャリア20に向かって移動させる。続いて、第1のキャリア10は、位置合わせデバイス151を用いて少なくとも1つの位置合わせ方向において、詳細には第2の方向Zにおいて、位置合わせされる。第1のキャリア10は、1つ以上のピエゾアクチュエータを含むことができる位置合わせデバイス151によって、正確に所定の位置に位置決めすることができる。
【0093】
[0092]1種以上の材料を、マスク21の開口部を通して堆積源105によって基板11上に堆積させることができる。正確な材料パターンを基板上に堆積させることができる。
【0094】
[0093]
図5は、本明細書に記載の実施形態による、キャリアを位置合わせするための装置400の断面図である。
図6は、
図5の装置400の位置合わせシステム130の分解図である。
図7は、
図5の装置400の位置合わせシステム130の斜視図である。装置400は、
図3に示す装置300と同様であり、そのため、上記の説明を参照することができ、ここでは繰り返さない。
【0095】
[0094]装置400は、側壁102を有する真空チャンバと、側壁102を貫通して延びる位置合わせシステム130とを含む。しかしながら、位置合わせシステム130は、真空チャンバの頂壁に設けられた支持体110に強固に固定されている。
【0096】
[0095]第1のキャリア10を非接触で搬送するための磁気浮上システム120の磁石ユニットと、第2のキャリア20を非接触で搬送するための第2の磁気浮上システム122の磁石ユニットとが、支持体110に設けられている。
【0097】
[0096]位置合わせシステム130は、振動減衰要素103を介して、例えば、同時に側壁と位置合わせシステムとの間のフレキシブル真空シールとしても働くことができるベローズ要素を介して、真空チャンバ101の側壁102にフレキシブルに接続された本体131を含む。駆動ユニット142(例えば第1のZアクチュエータ)および第2の駆動ユニット145(例えば第2のZアクチュエータ)が、真空チャンバ101の外部で本体131に固定されている。本体131は、真空チャンバ内で支持体110に、例えば、ねじまたはボルト108を介して、強固に固定され、側壁102にフレキシブルに接続されている。
【0098】
[0097]駆動ユニット142は、本体131を貫通して真空チャンバ内に延びている被駆動部143を第2の方向Zに移動させるように構成され、第2の駆動ユニット145は、本体131を貫通して真空チャンバ内に延びている第2の被駆動部146を第2の方向Zに移動させるように構成される。位置合わせシステムに第1のキャリアを取り付けるための第1のマウント152が、被駆動部143の前端に設けられ、位置合わせシステムに第2のキャリアを取り付けるための第2のマウント153が、第2の被駆動部146の前端に設けられている。したがって、第1および第2のキャリアを真空チャンバ内の所定の位置に位置決めするために、第1のマウント152および第2のマウント153を、それぞれのシフトデバイスによって第2の方向Zに互いに独立して移動させることができる。
【0099】
[0098]第1のマウント152は、詳細には少なくとも1つのピエゾアクチュエータを含む位置合わせデバイス151を介して被駆動部143に接続されている。したがって、位置合わせデバイス151を用いて第1のマウント152を所定の位置に正確に位置決めすることによって、第2のキャリアに対する第1のキャリアの精密な位置決め(または精密な位置合わせ)を実行することができる。
【0100】
[0099]いくつかの実施形態において、装置は、堆積領域内に、第1の方向Xにおいて互いに離間している2つ以上の位置合わせシステムを含む。2つ以上の位置合わせシステムは、支持体110に固定されてもよい。各位置合わせシステムは、本明細書に記載の実施形態による位置合わせシステム130のように構成することができる。例えば、第1の位置合わせシステムの第1のマウントは、第1のキャリアの前方上部を保持するように構成され、第2の位置合わせシステムの第1のマウントは、第1のキャリアの後方上部を保持するように構成されてもよい。各位置合わせシステムは、真空チャンバの側壁102を貫通して延びていてもよい。さらに、各位置合わせシステムは、それぞれの振動分離要素を介して真空システムの側壁にフレキシブルに接続することができる。詳細には、各位置合わせシステムは、真空チャンバ内に設けられている支持体110に強固に固定されている。支持体110は、真空チャンバの頂壁に固定されてもよい。
【0101】
[00100]第1の位置合わせシステムの位置合わせデバイスは、第1のキャリアを第1の方向X、第2の方向Z、および第3の方向Yにおいて位置合わせするように構成されてもよく、第2の位置合わせシステムの位置合わせデバイスは、第1のキャリアを第1の方向Zおよび第3の方向Yにおいて位置合わせするように構成されてもよい。さらなる位置合わせデバイスを有するさらなる位置合わせシステムが、設けられてもよい。その結果、3次元物体である第1のキャリアを、第2のキャリアに対する堆積領域内の所定の並進および回転位置まで正確に位置決めし、回転させることができる。
【0102】
[00101]いくつかの実施形態において、第1および/または第2のキャリアの下部を位置合わせするための、さらなる位置合わせシステムが、設けられてもよい。例えば、第1および第2のキャリアの前方下部と後方下部とを、例えば第2の方向Zにおいて、位置合わせするための、2つのさらなる位置合わせシステムが、設けられてもよい。
【0103】
[00102]本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができるいくつかの実施形態において、第1のシフトデバイス141の被駆動部143は、真空チャンバ101内に配置された構成要素にケーブルなどの供給要素を送り込むように構成される。詳細には、被駆動部143は、真空チャンバの外部から真空チャンバ101内の被駆動部143の前端に配置された構成要素まで延びるケーブルのためのケーブル通路として構成された中空シャフトを含む。例えば、位置合わせデバイス151および第1のマウント152の少なくとも一方に接続された少なくとも1つのケーブルが、被駆動部143の中空シャフトを通って延びることができる。これにより、真空チャンバ内で第2の方向Zに移動可能な構成要素に電力を供給することができる。例えば、位置合わせデバイス151のピエゾアクチュエータおよび/または第1のマウント152の磁気チャックに、被駆動部143を通って真空チャンバの外部から電力を供給することができる。
【0104】
[00103]いくつかの実施形態において、第2のシフトデバイス144の第2の被駆動部146もまた、ケーブルなどの供給要素を、真空チャンバ内に配置された構成要素に、例えば真空チャンバ内の第2の被駆動部146の前端に設けられた構成要素に、送り込むように構成される。例えば、第2のマウント153に、被駆動部146を通って真空チャンバの外部から電力を供給することができる。
【0105】
[00104]
図8は、本明細書に記載の実施形態による、真空チャンバ内で第1のキャリアを位置合わせする方法を示す流れ図である。
【0106】
[00105]ボックス830において、コーティングされるべき基板を保持することができる第1のキャリアが、真空チャンバ101内で第1の方向Xに第1の搬送経路に沿って非接触で搬送される。キャリアは、第1の方向に延び、磁気浮上システム120の少なくとも1つの磁石ユニット121を支持する支持体110に沿って搬送される。第1のキャリアは、堆積源105および位置合わせシステム130が配置されている堆積領域に搬送されてもよい。いくつかの実施形態において、複数の能動的に制御された磁石ユニットが、第1の方向Xに互いに所定の距離を置いて支持体110に固定されていてもよい。
【0107】
[00106]ボックス840において、第1のキャリアは、支持体110に固定されている位置合わせシステム130の第1のマウントに取り付けられる。第1のマウントは、磁気引力によって第1のキャリアを保持するように構成された磁気マウントであってもよい。
【0108】
[00107]ボックス850において、第1のキャリアは、位置合わせシステム130を用いて、第1の方向に対して横方向の第2の方向Zにおいて、任意選択で第1の方向Xと第3の方向Yにおいて、位置合わせされる。位置合わせシステム130は、支持体110に固定されている。
【0109】
[00108]いくつかの実施形態において、位置合わせシステム130は、第1のマウントを少なくとも1つの位置合わせ方向に移動させるように構成された位置合わせデバイスと、第1のマウントと共に位置合わせデバイスを第2の方向Zに移動させるように構成された第1のシフトデバイスとを、含む。
【0110】
[00109]ボックス850で第1のキャリアを位置合わせすることは、第1のシフトデバイスを用いて第2の方向に、詳細には、第2のキャリアによって保持されている、以前に位置決めされたマスクに向かって、第1のキャリアを(位置合わせデバイスと共に)移動させることと、位置合わせシステムの位置合わせデバイスを用いて少なくとも1つの位置合わせ方向において第1のキャリアを位置合わせすることとを、含むことができる。位置合わせデバイスは、第1のシフトデバイスの被駆動部に設けることができる。詳細には、第1のキャリア10によって保持される基板が、第2のキャリアによって保持されるマスクと接触するように移動される。
【0111】
[00110]任意選択のボックス860において、第1のキャリアによって保持される基板上に材料が堆積される。詳細には、蒸発させた有機材料が、基板を通り過ぎて移動可能であり得る蒸気源によって基板上に堆積される。
【0112】
[00111]本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる実施形態において、第1のキャリアは、基板を保持する基板キャリアであり、第1のキャリアを位置合わせすることは、位置合わせシステムの第2のマウントに取り付けられた第2のキャリアに対して第1のキャリアを位置合わせすることを含む。詳細には、第2のキャリアは、マスクを保持するマスクキャリアである。
【0113】
[00112]任意選択のボックス810において、マスク21を保持する第2のキャリア20が、第1の搬送経路と平行に延びる第2の搬送経路に沿って第1の方向Xに堆積領域内へ搬送される。第2のキャリア20は、支持体110に固定された複数の能動的に制御された磁石ユニットを含む第2の磁気浮上システムを用いて非接触で搬送されてもよい。
【0114】
[00113]任意選択のボックス820において、第2のキャリア20は、位置合わせシステム130の第2のマウントに取り付けられ、第2のキャリアは、位置合わせシステム130の第2のシフトデバイスによって、詳細には堆積源に向かって、第2の方向Zに移動される。方法は、次にボックス830に進むことができる。
【0115】
[00114]本明細書に記載されている装置は、例えばOLEDデバイス製造用の有機材料を、蒸発させるように構成することができる。例えば、堆積源は、蒸発源とすることができ、詳細には、基板上に1種以上の有機材料を堆積させてOLEDデバイスの層を形成するための蒸発源とすることができる。
【0116】
[00115]本明細書に記載の実施形態は、例えばOLEDディスプレイ製造のための、大面積基板上での蒸着に利用することができる。具体的には、本明細書に記載の実施形態による構造および方法が提供される基板は、例えば、0.5m
2以上、詳細には1m
2以上の表面積を有する、大面積基板である。例えば、大面積の基板またはキャリアは、約0.67m
2(0.73 x 0.92m)の表面積に対応するGEN4.5、約1.4m
2(1.1m x 1.3m)の表面積に対応するGEN5、約4.29m
2(1.95m x 2.2m)の表面積に対応するGEN7.5、約5.7m
2(2.2m x 2.5m)の表面積に対応するGEN8.5、または約8.7m
2(2.85m x 3.05m)の表面積に対応するGEN10でさえあり得る。GEN11およびGEN12などのさらに大きな世代ならびに対応する表面積が、同様に実施され得る。GEN世代の半分のサイズもまた、OLEDディスプレイ製造において提供され得る。
【0117】
[00116]本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができるいくつかの実施形態によれば、基板の厚さは、0.1mmから1.8mmであり得る。基板の厚さは、0.5mmなど、約0.9mm以下であり得る。本明細書で使用される「基板」という用語は、詳細には、実質的に非フレキシブルな基板、例えば、ウェハ、サファイアなどの透明結晶のスライス、またはガラス板を含み得る。しかしながら、本開示はそれに限定されず、「基板」という用語は、ウェブまたは箔などのフレキシブルな基板も含み得る。「実質的に非フレキシブル」という用語は、「フレキシブル」と区別されると解釈される。具体的には、実質的に非フレキシブルな基板は、例えば、0.5mm以下などの0.9mm以下の厚さを有するガラス板のように、ある程度のフレキシビリティを有することができるが、実質的に非フレキシブルな基板のフレキシビリティは、フレキシブルな基板と比較して小さい。
【0118】
[00117]実施形態において、第1のキャリア10は、長さが1m以上で、高さが1m以上であり、1m
2以上、詳細には2m
2以上または3m
2以上のサイズを有する大面積基板を保持するように構成される。
【0119】
[00118]本明細書に記載の実施形態によれば、基板は、材料堆積に適した任意の材料で作製することができる。例えば、基板は、ガラス(例えば、ソーダ石灰ガラス、ホウケイ酸ガラスなど)、金属、ポリマー、セラミック、化合物材料、炭素繊維材料、または堆積プロセスによってコーティングすることができる任意の他の材料もしくは材料の組み合わせからなる群から選択された材料で作製することができる。
【0120】
[00119]本明細書に記載の実施形態によれば、真空チャンバ内で基板キャリアおよびマスクキャリアを搬送および位置合わせするための方法は、コンピュータプログラム、ソフトウェア、コンピュータソフトウェア製品、ならびにCPU、メモリ、ユーザインターフェース、ならびに装置の対応する構成要素と通信する入力および出力デバイスを有することができる相互に関連するコントローラを使用して、実施することができる。
【0121】
[00120]本開示は、第1のキャリアのための第1のキャリア搬送システムおよび少なくとも1つの寸法において等しいサイズであり得る第2のキャリアのための第2のキャリア搬送システムを提供する。言い換えれば、第2のキャリアは、第1のキャリア搬送システムに適合し、第1のキャリアは、第2のキャリア搬送システムに適合し得る。第1のキャリア搬送システムおよび第2のキャリア搬送システムは、真空システムを通るキャリアの正確かつ円滑な搬送を提供しながら、柔軟に使用することができる。位置合わせシステムは、マスクに対する基板の正確な位置合わせを可能にし、またはその逆も可能である。例えば高解像度OLEDデバイスの製造のための、高品質の処理結果を、達成することができる。
【0122】
[00121]他の実施形態において、マスクキャリアと基板キャリアは、異なるサイズであってもよい。例えば、
図3に概略的に示されるように、マスクキャリアは、詳細には垂直方向において、基板キャリアより大きくてもよい。
【0123】
[00122]本明細書に記載の別の態様によれば、第1のキャリア10を浮揚させるための(第1の)磁気浮上システムおよび第2のキャリア20を浮揚させるための第2の磁気浮上システムを含む真空システム内でのキャリア位置合わせのための装置900が、提供される。
【0124】
[00123]
図9は、装置900の概略断面図である。装置900は、真空チャンバ101内で第1の方向Xに、すなわち
図9の紙面と直角に延びる支持体110を含む。装置900は、第1のトラックに沿って第1の方向Xに第1のキャリア10を非接触で搬送するように構成された第1の磁気浮上システム120、および第1のトラックと平行な第2のトラックに沿って第1の方向Xに第2のキャリア20を非接触で搬送するように構成された第2の磁気浮上システム122を、さらに含む。第1の磁気浮上システム120の少なくとも1つの第1の磁石ユニット121と、第2の磁気浮上システム122の少なくとも1つの第2の磁石ユニット123とは、支持体110に固定されている。装置900は、本明細書の実施形態のうちのいずれかに関して説明したような位置合わせシステムを、任意選択でさらに含むことができる。
【0125】
[00124]実施形態において、第1の磁気浮上システムの第1の複数の能動型の磁石ユニットが、支持体110に固定され、第1の複数の能動型の磁石ユニットは、第1の方向Xにおいて互いに離間していてもよい。第1の複数は、第1の方向Xにおいて間隔を置いて配置された3、5、10またはそれより多い能動型の磁石ユニットを含むことができる。実施形態において、第2の磁気浮上システムの第2の複数の能動型の磁石ユニットが、支持体110に固定され、第2の複数の能動型の磁石ユニットは、第1の方向Xにおいて互いに離間していてもよい。第2の複数は、第1の方向Xにおいて間隔を置いて配置された3、5、10またはそれより多い能動型の磁石ユニットを含むことができる。
【0126】
[00125]第1のキャリア10および第2のキャリア20は、50cm以下、詳細には30cm以下、より詳細には15cm以下の相互距離で、それぞれ第1のトラックおよび第2のトラックに沿って非接触で搬送することができる。第1のキャリア10と第2のキャリア20とを、位置合わせシステム130が配置されている処理モジュールに搬送した後(
図3参照)、第1のキャリア10と第2のキャリア20とを、本明細書に記載されているように、互いに対して位置合わせすることができる。
【0127】
[00126]第1の磁気浮上システム120の少なくとも1つの第1の磁石ユニット121は、支持体110の第1のトラック部分に設けられて、第1のキャリア10を第1のトラック部分の下に非接触で保持するための能動的に制御可能な磁石ユニットとして構成されてもよい。第2の磁気浮上システム122の少なくとも1つの第2の磁石ユニット123は、支持体110の第2のトラック部分に設けられて、第2のキャリア20を第2のトラック部分の下に非接触で保持するための能動的に制御可能な磁石ユニットとして構成されてもよい。
【0128】
[00127]したがって、第1の磁気浮上システム120および第2の磁気浮上システム122の磁石ユニットは、第1の方向X、すなわち第1のキャリアおよび第2のキャリアの搬送方向に延びる同じ機械的支持体に設けられる。このように、両方の磁気浮上システムの磁気浮上ユニットが、同じ機械的支持体を介して、すなわち支持体110を介して真空チャンバ101の壁に接続されているので、公差チェーンを減少させることができる。真空チャンバ101の振動または他の変形は、少なくとも1つの磁石ユニット121および少なくとも1つの第2の磁石ユニット123に、これらの磁石ユニットが支持体110を介して真空チャンバに接続されているので、等しく伝達される。第2のキャリアに対する第1のキャリアの位置合わせおよび位置決めの精度を、向上させることができる。
【0129】
[00128]本明細書に記載されるように、第1のキャリア10を第2のキャリア20に対して位置合わせするための位置合わせシステム130もまた、支持体110に固定されてもよいことに、留意されたい(
図3参照)。上記の説明が参照され、ここでは繰り返さない。したがって、公差チェーンを減らし、位置合わせ精度を高めることができるように、位置合わせシステムならびに2つの磁気浮上システムの能動型の磁石ユニットが、共通の支持体に設けられてもよい。
【0130】
[00129]支持体110は、真空チャンバの頂壁に固定され、第1の方向Xに頂壁に沿って延びることができる。通常、真空チャンバの頂壁は、排気時に他の側壁よりも変形が小さくなるように、垂直に延びる側壁よりも頑丈に補強されている。しかしながら、
図9に示すように、本質的に垂直に延びていてもよい真空チャンバ101の側壁102に支持体110を接続する側部固定具910が、任意選択で設けられてもよい。側部固定具910は、側壁102から支持体110の下部まで本質的に水平の方向に延びることができる。
【0131】
[00130]実施形態において、側部固定具910は、側壁102から支持体110まで第2の方向Zに延びるストラットまたはバー要素として設けられてもよい。側部固定具は、動き、変形および/または振動を減衰させるように構成された減衰要素を、任意選択で備えてもよい。したがって、側壁の変形の桁への伝達が、低減または防止され得る。いくつかの実施形態において、側部固定具は、減衰装置なしで、すなわち硬いまたは堅くて曲がらない要素として提供されてもよい。いくつかの実施形態において、側部固定具は、例えば第2の方向Zに、調整可能であってもよい。したがって、側壁と桁との間の距離は、例えばチャンバ壁が第2の方向Zに変形した後に、調整することができる。
【0132】
[00131]いくつかの実施形態において、少なくとも1つの磁石ユニット121は、支持体110の第1のトラック部分に取り付けられた第1の浮揚箱920に設けられてもよく、少なくとも1つの第2の磁石123は、支持体110の第2のトラック部分に取り付けられた第2の浮揚箱921に設けられてもよい。任意選択で、少なくとも1つの磁石ユニット121の供給ケーブル930、例えば、電力ケーブルまたは信号ケーブルが、第1の浮揚箱920から支持体110の内部容積部を通って、真空チャンバ101の頂壁を貫通する供給路を経て延びることができる。同様に、少なくとも1つの第2の磁石ユニット123の供給ケーブルは、第2の浮揚箱921から支持体110の内部容積部を通って、供給路または真空チャンバ101の頂壁を貫通する第2の供給路を経て延びることができる。
【0133】
[00132]第1の垂直寸法を有する第1のキャリア10が、第1の垂直寸法とは異なる第2の垂直寸法を有する第2のキャリアの隣に浮揚することができるように、支持体110の第1のトラック部分は、支持体110の第2のトラック部分とは異なる高さに設けられてもよい。第1のキャリア10と第2のキャリア20とが、同じ垂直寸法を有していない場合、位置合わせプロセスを容易にすることができる。しかしながら、他の実施形態において、支持体の第1のトラック部分と第2のトラック部分は、本質的に同じ高さに設けられ、同じ垂直寸法を有する2つのキャリアを搬送するように構成されてもよい。
【0134】
[00133]支持体110は、真空チャンバの頂壁に直接的または間接的に固定され得る支持レールまたは支持桁として構成されてもよい。上記の説明が参照され、ここでは繰り返さない。装置900は、頂壁と側壁102とを有する真空チャンバ101を含む、本明細書に記載の真空システムの一部であってもよい。支持体110は、典型的には頂壁に設けられ、(任意選択の)位置合わせシステムが、側壁を貫通して延びてもよく、側壁にフレキシブルに接続されてもよい。
【0135】
[00134]上記は、本開示の実施形態に向けられているが、本開示の基本的な範囲から逸脱することなく、本開示の他のさらなる実施形態を考え出すこともでき、本開示の範囲は、以下の特許請求の範囲によって決定される。