特許第6841008号(P6841008)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6841008押出ラミネート用ポリエチレン系樹脂及びそれを用いた発泡用積層体、発泡積層体
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  • 特許6841008-押出ラミネート用ポリエチレン系樹脂及びそれを用いた発泡用積層体、発泡積層体 図000006
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6841008
(24)【登録日】2021年2月22日
(45)【発行日】2021年3月10日
(54)【発明の名称】押出ラミネート用ポリエチレン系樹脂及びそれを用いた発泡用積層体、発泡積層体
(51)【国際特許分類】
   C08L 23/04 20060101AFI20210301BHJP
   C08L 101/12 20060101ALI20210301BHJP
   B32B 5/24 20060101ALI20210301BHJP
   B32B 27/32 20060101ALI20210301BHJP
   B32B 27/10 20060101ALI20210301BHJP
   B29K 23/00 20060101ALN20210301BHJP
   B29L 9/00 20060101ALN20210301BHJP
【FI】
   C08L23/04
   C08L101/12
   B32B5/24 101
   B32B27/32 Z
   B32B27/10
   B29K23:00
   B29L9:00
【請求項の数】10
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2016-221845(P2016-221845)
(22)【出願日】2016年11月14日
(65)【公開番号】特開2018-80225(P2018-80225A)
(43)【公開日】2018年5月24日
【審査請求日】2019年10月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003300
【氏名又は名称】東ソー株式会社
(72)【発明者】
【氏名】増田 淳
(72)【発明者】
【氏名】幸田 真吾
【審査官】 岸 智之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−131307(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L 23/04
B32B 5/24
B32B 27/10
B32B 27/32
C08L 101/12
B29K 23/00
B29L 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記(i)〜(iii)を満たす押出ラミネート用ポリエチレン系樹脂組成物(d)から成る(A)層とそれに隣接する紙基材層を少なくとも含むことを特徴とする発泡用積層体
(i)JIS K6922−1(1997年)により測定したメルトマスフローレート(MFR)が8g/10分以上、50g/10分以下
(ii)温度130℃、引取速度2m/分で測定した溶融張力(MS130)が70mN以上、150mN以下
(iii)温度190℃、引取速度10m/分で測定した溶融張力(MS190)が3mN以上、30mN以下
【請求項2】
押出ラミネート用ポリエチレン系樹脂組成物(d)の、MS190に対するMS130の比MS130/MS190が4.0以上、30.0以下であることを特徴とする請求項1に記載の発泡用積層体
【請求項3】
押出ラミネート用ポリエチレン系樹脂組成物(d)の235℃で測定されたスウェル比(SR)が1.40以上、1.70未満であることを特徴とする請求項1又は2に記載の発泡用積層体
【請求項4】
押出ラミネート用ポリエチレン系樹脂組成物(d)のMFRとSRが下式(1)を満たすことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の発泡用積層体
SR<−1.25×log(MFR)+3.21 (1)
【請求項5】
押出ラミネート用ポリエチレン系樹脂組成物(d)が、下記(iv)〜(v)を満たす高圧法低密度ポリエチレン(a)95〜99.9重量部、および少なくとも高圧法低密度ポリエチレン(a)以外の下記(vi)を満たす結晶性熱可塑性樹脂(b)又は(vii)を満たす非晶性熱可塑性樹脂(c)のいずれかを0.1〜5重量部含むポリエチレン系樹脂組成物(d)((a)、(b)及び(c)の合計は100重量部)であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の発泡用積層体
(iv)JIS K6922−1(1997年)により測定したメルトマスフローレート(MFR)が8g/10分以上、50g/10分以下
(v)JIS K6922−1(1997年)により測定した密度が910kg/m以上、930kg/m以下である。
(vi)JIS K7121(2012年)により測定した溶融温度が125℃以上、300℃以下
ii)JIS K7121(2012年)により測定したガラス転移温度が125℃以上、300℃ 以下
【請求項6】
結晶性熱可塑性樹脂(b)が、ポリプロピレン系樹脂、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)、エチレン・ビニルアルコール共重合体、ポリエステル系樹脂又はポリアミド系樹脂のいずれかであることを特徴とする請求項5に記載の発泡用積層体
【請求項7】
非晶性熱可塑性樹脂(c)がシクロオレフィンポリマー、シクロオレフィンコポリマー又はポリカーボネートのいずれかであることを特徴とする請求項5に記載の発泡用積層体
【請求項8】
低密度ポリエチレン(a)の235℃で測定されたスウェル(SR)が1.30以上、1.85以下であることを特徴とする請求項5〜6のいずれかに記載の発泡用積層体
【請求項9】
請求項1〜8のいずれかに記載の発泡用積層体の(A)層が発泡していることを特徴とする発泡積層体。
【請求項10】
少なくとも胴部材が請求項に記載の発泡積層体であることを特徴とする断熱紙容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生産性が高く、かつ、良好な断熱性と発泡外観を示す押出ラミネート用ポリエチレン系樹脂及びそれを用いた発泡用積層体、発泡積層体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、断熱性を有する容器として、合成樹脂、特にポリスチレンを発泡させたものが多く使用されている。しかし、発泡ポリスチレン容器は、廃棄時の環境への負荷が高い、印刷適性に劣るなどの欠点があり、他の素材への代替が検討されている。そのような中、紙カップ胴部の外周面にコルゲートした紙を貼り合わせて断熱層を形成した容器、同紙カップの胴部外周面にパルプ製の不織布とコート紙との積層体を接合した容器などが開発され、使用されている。
【0003】
しかしながら、いずれの方法も加工、成形が容易でなく、コスト高になるという欠点があった。そこで、水分を含んだ基材の少なくとも一面に低融点の熱可塑性合成樹脂フィルムをラミネートし、加熱することにより、基材に含まれている水分を利用して合成樹脂フィルムを凹凸に発泡させる技術が考案された(例えば、特許文献1〜3参照。)。しかし、このようにして得られる材料は、発泡層の厚みが薄く、断熱性が不十分であった。
【0004】
また、容器胴部材及び底板部材からなり、容器胴部材及び底板部材の原紙の内壁面に高融点の熱可塑性合成樹脂フィルムをラミネートしてあると共に容器胴部材の原紙の外壁面に低融点の熱可塑性合成樹脂フィルムをラミネートしてあり、この低融点の熱可塑性合成樹脂フィルムを加熱処理して発泡してある断熱紙容器が提案されている(例えば、特許文献4参照。)。
【0005】
しかし、内壁面に高融点の熱可塑性合成樹脂を有する断熱紙容器では、断熱性は良好なものの、低融点の熱可塑性樹脂をラミネートする際の加工速度を上昇させると発泡外観が悪化し、生産性に劣っていた。
【0006】
また、発泡外観が優れる断熱紙容器として、少なくとも紙の片面に特定のメルトマスフローレートを有する低密度ポリエチレンを発泡させた発泡層を有する断熱紙容器が提案されている(例えば、特許文献5〜6参照)。
【0007】
しかし、メルトマスフローレートのみを制御した低密度ポリエチレンを用いたとしても、ラミネート成形時の加工速度を上昇した際には発泡外観が悪化することは解消されず、生産性に劣っていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特公昭48−32283号公報
【特許文献2】特開昭57−110439号公報
【特許文献3】特開2001−270571号公報
【特許文献4】特開2004−58534号公報
【特許文献5】特許第5197983号公報
【特許文献6】特開2015−171794号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、生産性が高く、かつ、良好な断熱性と発泡外観を示す押出ラミネート用ポリエチレン系樹脂及びそれを用いた発泡用積層体及び発泡積層体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定の押出ラミネート用ポリエチレン系樹脂が、生産性が高く、かつ、優れた断熱性と発泡外観を有する発泡用積層体及び発泡積層体を得ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
すなわち、(i)〜(iii)を満たす押出ラミネート用ポリエチレン系樹脂に関するものである。
【0012】
(i)JIS K6922−1(1997年)により測定したメルトマスフローレート(MFR)が8g/10分以上、50g/10分以下
(ii)温度130℃、引取速度2m/分で測定した溶融張力(MS130)が70mN以上、150mN以下
(iii)温度190℃、引取速度10m/分で測定した溶融張力(MS190)が3mN以上、30mN以下
また、上記押出ラミネート用ポリエチレン系樹脂から成る(A)層とそれに隣接する紙基材層を少なくとも含む発泡用積層体に関するものである。
【0013】
更に、上記発泡用積層体の(A)層が発泡している発泡積層体に関するものである。
【0014】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0015】
本発明の押出ラミネート用ポリエチレン系樹脂は、少なくとも低圧法エチレン単独重合体、高圧法低密度ポリエチレン、エチレン・α−オレフィン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸エチル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体などから構成されるが、発泡外観に優れることから、少なくとも高圧法低密度ポリエチレン(a)を含むことが好ましい。
【0016】
このような高圧法低密度ポリエチレン(a)は、従来公知の高圧法ラジカル重合法により得ることができる。
【0017】
本発明の押出ラミネート用ポリエチレン系樹脂のJIS K6922−1(1997年)により測定されたメルトマスフローレート(以下、単にMFRと略す)は、断熱性及び発泡外観に優れるため、8〜50g/10分の範囲であり、より好ましくは10〜35g/10分、さらに好ましくは12〜25g/10分の範囲である。押出ラミネート用ポリエチレン系樹脂のMFRが8g/10分未満では、発泡外観に劣るため好ましくなく、50g/10分を超える範囲では、ラミネート加工性に劣るため好ましくない。
【0018】
また、本発明の押出ラミネート用ポリエチレン系樹脂のJIS K6922−1(1997年)により測定された密度(以下、単に密度と略す)は、本発明の目的が達成される限り特に限定はないが、発泡外観に優れることから、910〜930kg/mの範囲が好ましい。
【0019】
本発明の押出ラミネート用ポリエチレン系樹脂の温度130℃、引取速度2m/分で測定した溶融張力(以下、単にMS130と略す)は、発泡外観に優れるため、70〜150mNの範囲であり、より好ましくは80〜120mNの範囲である。押出ラミネート用ポリエチレン系樹脂のMS130が70mN未満では、発泡外観に劣るため好ましくなく、150mNを超える範囲では、断熱性に劣るため好ましくない。
【0020】
また、押出ラミネート用ポリエチレン系樹脂の温度190℃、引取速度10m/分で測定した溶融張力(以下、単にMS190と略す)は、発泡外観に優れるため、3〜30mNの範囲であり、より好ましくは5〜20mNの範囲である。押出ラミネート用ポリエチレン系樹脂のMS190が3mN未満では、ラミネート加工性に劣るため好ましくなく、30mNを超える範囲では、発泡外観に劣るため好ましくない。
【0021】
更に、押出ラミネート用ポリエチレン系樹脂のMS190に対するMS130の比(MS130/MS190)は、発泡外観に優れることから、4.0〜30.0の範囲が好ましく、より好ましくは4.0〜15.0の範囲である。
【0022】
本発明におけるMS130及びMS190は、バレル直径9.55mmの毛管粘度計に長さが8mm、直径が2.095mm、流入角が90°であるダイス、及び、保温チャンバーを装着した条件で、押出速度10m/分、所定の引取速度、所定の設定温度で測定した値である。
【0023】
本発明の押出ラミネート用ポリエチレン系樹脂の235℃で測定したスウェル比(以下、単にSRと略す)は、発泡外観に優れるため、1.40以上1.70未満の範囲が好ましく、より好ましくは1.45〜1.65、最も好ましくは1.45〜1.60の範囲である。
【0024】
このSRは、JIS K6922−1(1997年)で使用されるメルトインデクサーを用い、温度235℃、押出量3g/分の条件にて装置に充填された樹脂をオリフィスより押出し、オリフィス直下に設置したイソプロパノールを入れたメスシリンダーでストランド状の押出物を採取し、ストランドの径(D)をメルトインデクサーのオリフィス径(D)で除すことにより求められる。
【0025】
本発明の押出ラミネート用ポリエチレン系樹脂には、他の熱可塑性樹脂を配合してもよく、発泡外観に優れることから、樹脂組成物であることが好ましい。
【0026】
本発明の押出ラミネート用ポリエチレン系樹脂に熱可塑性樹脂を混合する時は、押出ラミネート用ポリエチレン系樹のペレットと熱可塑衛樹脂のペレットを固体状態で混合したペレット混合物であってもよいが、単軸押出機、二軸押出機、ニーダー、バンバリー等で溶融混練した混合物の方が、品質の安定した製品が得られるので好ましい。溶融混練装置を用いる場合、溶融温度はポリオレフィン系樹脂又は熱可塑性樹脂の融点〜300℃程度が好ましい。
【0027】
また、本発明の押出ラミネート用ポリエチレン系樹脂には、必要に応じて、酸化防止剤、光安定剤、帯電防止剤、滑剤、ブロッキング防止剤等、ポリオレフィン樹脂に一般に用いられている添加剤を本発明の目的を損なわない範囲で添加してもかまわない。
【0028】
これらの中で、発泡外観、生産性に優れることから、高圧法低密度ポリエチレン(a)95〜99.9重量部、及び少なくとも高圧法低密度ポリエチレン(a)以外の結晶性熱可塑性樹脂(b)又は非晶性熱可塑性樹脂(c)のいずれかを0.1〜5重量部含むポリエチレン系樹脂(d)((a)、(b)及び(c)の合計は100重量部)であることが好ましい。
【0029】
ポリエチレン系樹脂組成物(d)に含まれる高圧法低密度ポリエチレン(a)のMFRは、断熱性、発泡外観に優れることから、8〜50g/10分の範囲が好ましく、より好ましくはより好ましくは10〜35g/10分、さらに好ましくは12〜25g/10分の範囲である。
【0030】
また、高圧法低密度ポリエチレン(a)の密度は、断熱性、発泡外観に優れることから、910〜930kg/mの範囲が好ましく、より好ましくは910〜920kg/mの範囲である。
【0031】
このような高圧法低密度ポリエチレン(a)のSRは、発泡外観に優れるため、1.40以上1.70未満の範囲が好ましく、より好ましくは1.45〜1.65、最も好ましくは1.45〜1.60の範囲である。
【0032】
ポリエチレン系樹脂組成物(e)に含まれる結晶性熱可塑性樹脂(b)のJIS K7121(2012年)により測定した溶融温度は125〜300℃の範囲が好ましく、発泡外観に優れることから、145〜200℃の範囲がより好ましく、最も好ましくは150〜180℃の範囲である。
【0033】
このような結晶性熱可塑性樹脂(b)は本発明の目的が達成される限り特に制限はなく、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリ(4−メチルペンテン)、エチレン・ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール、エチレン・酢酸ビニル共重合体鹸化物、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリオキシメチレンなどのポリアセタール系樹脂、エチレンテレフタレートとパラヒドロキシ安息香酸の重縮合物などの液晶ポリマー、ポリフッ化ビニリデンなどのフッ素系樹脂、ポリ乳酸、ポリグリコール酸などが例示される。これらの中で、発泡性能に優れるため、ポリプロピレン系樹脂、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)、エチレン・ビニルアルコール共重合体、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂が好ましい。
【0034】
このようなポリプロピン系樹脂については特に限定はなく、プロピレン単独重合体、若しくはプロピレンと50mol%以下のエチレン、又は1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン等のプロピレン以外のα―オレフィンとの共重合体を例示することができる。これらのポリプロピレン系樹脂は、1種単独又は2種以上の組み合わせで用いてもよい。
【0035】
このようなポリプロピレン系樹脂は、(株)プライムポリマーより商品名プライムポリプロ、ポリファイン、日本ポリプロ(株)より商品名ノバテックPP、ウィンテック、住友化学(株)より商品名ノーブレン、エクセレン、サンアロマー(株)より商品名ポリプロピレン、クオリアTMなどが販売されている。
【0036】
ポリ(4−メチル−1−ペンテン)については特に制限はなく、例えば三井化学(株)より販売されている商品名TPXなどが例示される。
【0037】
エチレン・ビニルアルコール共重合体については特に制限はなく、エチレン成分が50mol%以下である、エチレン・ビニルアルコール共重合体物又はエチレン・酢酸ビニル共重合体鹸化物を例示することができる。
【0038】
このようなエチレン・ビニルアルコール共重合体は、(株)クラレより商品名エバールTMが、日本合成化学工業(株)より商品名ソアノールTMなどが販売されている。
【0039】
ポリエステル系樹脂については特に制限はなく、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸とエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノールなどの脂肪族ジオール、またはビスフェノールAなどの芳香族ジオールの重縮合物などであり、テレフタル酸とエチレングリコールの重縮合物であるポリエチレンテレフタレート、テレフタル酸と1,4−ブタンジオールとの重縮合物であるポリブチレンテレフタレート、2,6−ナフタレンジカルボン酸とエチレングリコールの重縮合物であるポリエチレンナフタレートなどを例示することができる。これらの芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジオール、芳香族ジオールはそれぞれ、1種単独又は2種以上の組み合わせで用いてもよい。
【0040】
このようなポリエステル系樹脂は、ポリエチレンテレフタレートとしてユニチカ(株)より商品名ユニチカPET樹脂、三井化学(株)より商品名三井PETTM、帝人(株)より商品名PET樹脂などが、ポリブチレンテレフタレートとして三菱化学エンジニアリングプラスチックス(株)より商品名ノバデュランなどが、ポリエチレンナフタレートとして帝人(株)より商品名テオネックスなどが販売されている。
【0041】
ポリアミド系樹脂については特に制限はなく、ε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタムなどのω−アミノ酸の開環重合物、アジピン酸、セバシン酸、α・ω・ドデカン酸、テレフタル酸、イソフタル酸などのジカルボン酸と1,4−ジアミノブタン、ヘキサメチレンジアミン、ノナンジアミン、メチルペンタジアミン、3,3’−ジメチル4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタンなどの脂肪族ジアミン、またはp−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミンなどの芳香族ジアミンの重縮合物などであり、ε−カプロラクタムの開環重合物であるナイロン6、ω−ラウロラクタムの開環重合物であるナイロン12、アジピン酸とヘキサメチレンジアミンとの重縮合物であるナイロン66などを例示することができる。これらのω−アミノ酸、ジカルボン酸、脂肪族ジアミンはそれぞれ、1種単独又は2種以上の組み合わせで用いてもよい。
【0042】
このようなポリアミド系樹脂は、ナイロン6として宇部興産(株)より商品面UBEナイロン、東レ(株)より商品名アミロン@6ナイロン、ユニチカ(株)より商品名ユニチカナイロン6、東洋紡(株)より商品名グラマイドなどが、ナイロン12として宇部興産(株)より商品名UBERONが、ダイセルエボニック(株)より商品名ダイアミドなどが、ナイロン66として東レ(株)より商品名アミロン@66ナイロン、ユニチカ(株)より商品名ユニチカナイロン66、東洋紡(株)より商品名グラマイドなどが販売されている。
【0043】
ポリエチレン系樹脂組成物(e)に含まれる非晶性熱可塑性樹脂(c)のJIS K7121(2012年)により測定したガラス転移温度(以下、単にTgと略す)は125〜300℃の範囲であり、発泡外観に優れることから、145〜200℃の範囲が好ましく、より好ましくは150〜180℃の範囲である。非晶性熱可塑性樹脂(c)のTgが125℃未満では発泡外観に劣るため好ましくなく、300℃を超える範囲ではラミネート加工性に劣るため好ましくない。
【0044】
このような非晶性熱可塑性樹脂(c)は本発明の目的が達成される限り特に限定はなく、ノルボルネンなどの環状オレフィンからなるシクロオレフィンポリマー、エチレンとノルボルネンなどの環状オレフィンとの共重合体であるエチレンシクロオレフィンコポリマー、ポリカーボネート、ビスフェノールAとテレフタル酸との共重合体であるポリアリレート、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンエーテルとポリスチレン(耐衝撃性ポリスチレンを含む)とをポリマーアロイ化した変性ポリフェニレンエーテル、ポリ塩化ビニル、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルスルホン、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエステルカーボネートなどを例示することができる。これらの中で、発泡性能に優れるため、シクロオレフィンポリマー、シクロオレフィンコポリマー、ポリカーボネートが好ましい。
【0045】
シクロオレフィンポリマーについては特に制限はなく、ノルボルネン又はその誘導体などの環状オレフィンを開環重合することで合成される熱可塑性樹脂であり、例えば、日本ゼオン(株)より商品名ゼオネックスが、JSR(株)より商品名アートンなどが販売されている。
【0046】
シクロオレフィンコポリマーについては特に制限はなく、ノルボルネン又はその誘導体などの環状オレフィンとエチレン、プロピレンなどのオレフィンとを共重合することで合成される熱可塑性樹脂であり、例えば、ポリプラスチックス(株)より商品名TOPAS(製造元はTopas Advanced Polymer Inc.)が、三井化学(株)より商品名アペルなどが販売されている。
【0047】
ポリカーボネートについては特に制限はなく、ビスフェノールAとホスゲン又はジフェニルカーボネートから合成される熱可塑性樹脂であり、帝人(株)より商品名パンライトが、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)より商品名ユーピロン、ノバレックス、ザンターが、出光興産(株)より商品名タフロンなどが販売されている。
【0048】
本発明を構成する樹脂組成物(d)には、本目的が達成される限りにおいて、他の熱可塑性樹脂を配合してもよい。
【0049】
本発明を構成する樹脂組成物(d)に熱可塑性樹脂を混合する時は、樹脂組成物(d)のペレットと熱可塑性樹脂のペレットを固体状態で混合したペレット混合物であってもよいが、単軸押出機、二軸押出機、ニーダー、バンバリー等で溶融混練した混合物の方が、品質の安定した製品が得られるので好ましい。溶融混練装置を用いる場合、溶融温度は非晶性熱可塑性樹脂(b)のガラス転移温度、若しくは非晶性熱可塑性樹脂(c)の融点以上、300℃以下が好ましい。
【0050】
このような押出ラミネート用樹脂組成物(d)を得る手法は、低密度ポリエチレン(a)のペレットと結晶性熱可塑性樹脂(b)及び/又は非晶性熱可塑性樹脂(c)のペレットを固体状態で混合したペレット混合物であってもよいが、単軸押出機、二軸押出機、ニーダー、バンバリー等で溶融混練した混合物の方が、品質の安定した製品が得られるので好ましい。溶融混練装置を用いる場合、溶融温度は結晶性熱可塑性樹脂(b)の融点又は非晶性熱可塑性樹脂のガラス転移温度〜340℃程度が好ましい。
【0051】
本発明の押出ラミネート用ポリエチレン系樹脂は、押出ラミネート用ポリエチレン系樹脂から成る(A)層とそれに隣接する紙基材層を少なくとも含む発泡用積層体として用いられる。
【0052】
このような発泡用積層体を構成する(A)層の厚みは、本発明の目的が達成される限りにおいて特に制限はないが、発泡外観に優れることから、40〜150μmの範囲が好ましく、より好ましくは、50〜120μm、更に好ましくは、60〜100μmである。
【0053】
また、発泡用積層体を構成する紙基材については特に限定はないが、押出ラミネート用ポリエチレン系樹脂の発泡倍率を向上させることができるため、紙基材の坪量は150〜400g/mが好ましく、更に好ましくは、250〜350g/mである。
【0054】
このような紙基材に含まれる水分については特に制限はないが、押出ラミネート用ポリエチレン系樹脂の発泡倍率が向上することから、15〜30g/mであることが好ましく、より好ましくは20〜30g/m、最も好ましくは20〜26g/mである。
【0055】
このような発泡用積層体は、押出ラミネート用ポリエチレン系樹脂を紙基材に対し押出ラミネート加工することで得ることができる。
【0056】
押出ラミネート成形法により積層体を得る手法として、シングルラミネート加工法、タンデムラミネート加工法、サンドウィッチラミネート加工法、共押出ラミネート加工法などの各種押出ラミネート加工法を例示することができる。押出ラミネート法における樹脂の温度は260〜350℃の範囲が好ましく、冷却ロールの表面温度は10〜50℃の範囲が好ましい。
【0057】
また、ポリエチレン系樹脂組成物(d)を用いて押出ラミネート成形法により積層体を得る場合は、樹脂の温度は結晶性熱可塑性樹脂(b)又は非晶性熱可塑性樹脂(c)の融点を超える温度であり、より好ましくは結晶性熱可塑性樹脂(b)又は非晶性熱可塑性樹脂(c)の融点+20℃〜350℃の範囲である。
【0058】
このような押出ラミネート加工において、押出ラミネート用ポリエチレン系樹脂を溶融状態で押出し層とした直後に、該層の基材接着面を含酸素気体又は含オゾン気体に曝し、基材と貼り合わせる手法を用いると、基材層との接着性に優れることから好ましい。含オゾン気体により熱可塑製樹脂と基材との接着性を向上させる場合は、オゾンガスの処理量としては、ダイより押出された熱可塑製樹脂よりなるフィルム1m当たり0.5mg以上のオゾンを吹き付けることが好ましい。
【0059】
また、発泡用積層体を得る手法における押出ラミネート加工法は、押出ラミネート用ポリエチレン系樹脂と基材層との接着性をさらに向上させるため、ポリエチレン系樹脂が発泡しない程度の温度、例えば3〜60℃の温度で10時間以上熱処理することができる。また必要に応じて、紙基材の接着面に対してコロナ処理、フレーム処理、プラズマ処理などの公知の表面処理を施してもよい。また、必要であれば紙基材にアンカーコート剤を塗布しても良い。
【0060】
また、発泡用積層体を得る手法として、発泡積層体の断熱性及び経済性に優れるため、押出ラミネート用ポリエチレン系樹脂を紙基材層に積層する前に、紙基材表面に水を塗布してもよい。
【0061】
水分を塗布する手法は、本発明の目的が達成される限りにおいて特に限定はなく、ロールコート装置、リップコート装置、スプレー装置、ダイコート装置、グラビア装置、ダンプニング装置などを用いた手法が例示することができる。水の塗布量が均一になるため、ダンプニング装置を用いた手法が好ましい。
【0062】
このようなダンプニング装置は、例えば、鈴木産業(株)より商品名「ハイローターS」が、ニッカ(株)より商品名「WEKOローターダンプニング」が、東機エレクトロニクス(株)より商品名「TSD−3000」が販売されている。
【0063】
本発明における水の塗布量は、本発明の目的が達成される限りにおいて特に限定はないが、押出ラミネート用ポリエチレン系樹脂の発泡倍率が高くでき、かつ、紙基材と押出ラミネート用ポリエチレン系樹脂との接着強度が低下しないことから、1.5〜30g/mの範囲が好ましく、3〜15g/mの範囲がより好ましい。
【0064】
このような発泡用積層体は、少なくとも(A)層/紙基材を含むことを特徴とするものであり、(A)層と紙基材の2成分のみからなるものだけでなく他の成分、例えば(B)層を含んでいてもよい。具体的には、(A)層/紙基材、(A)層/(A)層/紙基材、(A)層/紙基材/(A)層、(A)層/紙基材/(B)層、(B)層/紙基材/(A)層/(B)層、(A)層/紙基材/(B)層/(B)層、(A)層/(A)層/紙基材/(B)層などが例示される。なお、層の間の記号/は、隣接する層であることを表している。
【0065】
(B)層としては、合成高分子重合体から形成される層や織布、不織布、金属箔、紙類、セロファン等が挙げられる。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂、ナイロン6、ナイロン66などのポリアミド系樹脂、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、アイオノマー等のポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリブテン、アクリル系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリウレタン、セルロース系樹脂など合成高分子重合体から形成される層等が挙げられる。更に、これらの高分子重合体フィルム及びシートはさらにアルミ蒸着、アルミナ蒸着、二酸化珪素蒸着、アクリル処理されたものでもよい。また、これらの高分子重合体フィルム及びシートはさらにウレタン系インキ等を用い印刷されたものでもよい。金属箔としては、アルミ箔、銅箔などが例示でき、また、紙類としてはクラフト紙、上質紙、伸張紙、グラシン紙、カップ原紙や印画紙原紙等の板紙などが挙げられる。
【0066】
これらの中で、断熱性、発泡外観に優れることから、少なくとも押出ラミネート用ポリエチレン系樹脂からなる(A)層、紙基材、ポリエチレン系樹脂(h)からなる(B)層の順に積層した発泡用積層体を用いることが好ましい。
【0067】
このようなポリエチレン系樹脂(h)としては、エチレン単独重合体、エチレン・α−オレフィン共重合体又はこれらの組成物であり、その分子鎖の形態は直鎖状でもよく、分岐を有していてもよい。
【0068】
また、ポリエチレン系樹脂(h)の密度は、断熱性、発泡の安定性に優れることから、930〜970kg/mの範囲が好ましく、より好ましくは935〜970kg/mの範囲であり、最も好ましくは945〜965kg/mの範囲である。
【0069】
エチレン単独重合体としては、中・低圧法エチレン単独重合体、高圧法低密度ポリエチレンが例示することができる。中・低圧法エチレン単独重合体は、従来公知の中・低圧イオン重合法により得ることができる。また、高圧法低密度ポリエチレンは、従来公知の高圧ラジカル重合法により得ることができる。
【0070】
エチレン・α−オレフィン共重合体に用いるα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセンなどを挙げることができ、これらの1種または2種以上が用いられる。
【0071】
エチレン・α−オレフィン共重合体を得るための方法は特に限定するものではなく、チーグラー・ナッタ触媒やフィリップス触媒、メタロセン触媒を用いた高・中・低圧イオン重合法などを例示することができる。このような共重合体は、市販品の中から便宜選択することができる。
【0072】
これらの中で、ラミネート成形性に優れることから、密度が930〜980kg/mであり、少なくともエチレン・α−オレフィン共重合体、中・低圧法エチレン単独重合体のいずれかからなる中・高密度ポリエチレン(j)10〜90重量部とMFRが1〜20g/10分、SRが1.50〜2.20である高圧法低密度ポリエチレン(k)90〜10重量部((j)と(k)の合計は100重量部)を含むエチレン系樹脂組成物(l)であることが好ましい。
【0073】
中・高密度ポリエチレンは、従来公知の中・低圧イオン重合法により得られるエチレン単独重合体、チーグラー・ナッタ触媒やフィリップス触媒、メタロセン触媒を用いた高・中・低圧イオン重合法などにより得られるエチレン・α−オレフィン共重合体が例示される。
【0074】
また、中・高密度ポリエチレン(j)において、エチレン系樹脂組成物(l)のラミネート加工性に優れることから、MFRは6〜100g/10分の範囲が好ましく、より好ましくは8〜60g/10分の範囲である。
【0075】
さらに、中・高密度ポリエチレン(j)の密度は、エチレン系樹脂組成物(l)のラミネート加工性、生産性に優れるため、945〜975kg/mがより好ましい。
【0076】
高圧法低密度ポリエチレン(k)のMFRは、エチレン系樹脂組成物(l)の押出ラミネート加工性に優れるため、0.3〜10g/10分の範囲がより好ましく、最も好ましくは1〜4g/10分の範囲である。
【0077】
また、高圧法低密度ポリエチレン(k)において、エチレン系樹脂組成物(l)の製膜安定性に優れることから、密度は910〜935kg/mの範囲が好ましい。
【0078】
さらに、高圧法低密度ポリエチレン(k)のSRは、エチレン系樹脂組成物(l)の製膜安定性に優れることから、1.75〜2.20の範囲がより好ましく、最も好ましくは1.90〜2.20の範囲である。
【0079】
エチレン系樹脂組成物(l)のMFRは、ラミネート成形性に優れるため、1〜50g/10分の範囲が好ましく、さらに好ましくは3〜20g/10分の範囲である。
【0080】
また、本発明を構成するポリエチレン系樹脂(h)には、ポリプロピレンなどの他のポリオレフィンを配合してもよく、これらのポリオレフィンの配合比は1〜30重量%がラミネート成形性と積層体外観の点から好ましい。
【0081】
本発明の積層体を構成するポリエチレン系樹脂(h)にポリオレフィンを混合する時は、ポリエチレン系樹脂(h)のペレットとポリオレフィンのペレットを固体状態で混合したペレット混合物であってもよいが、単軸押出機、二軸押出機、ニーダー、バンバリー等で溶融混練した混合物の方が、品質の安定した製品が得られるので好ましい。溶融混練装置を用いる場合、溶融温度はポリエチレン系樹脂の融点〜300℃程度が好ましい。
【0082】
さらに、本発明を構成するポリエチレン系樹脂(h)には、必要に応じて、酸化防止剤、光安定剤、帯電防止剤、滑剤、ブロッキング防止剤等、ポリオレフィン樹脂に一般に用いられている添加剤を本発明の目的を損なわない範囲で添加してもかまわない。
【0083】
このような発泡用積層体を加熱することにより、(A)層が発泡した発泡積層体を得ることができる。
【0084】
加熱発泡により本発明の積層体を得る手法における加熱方法としては、熱風、電熱、電子線の他、積層体を容器状に成形し、高温の物体を内填して充填物の熱を利用するなど、任意の手段を使用できる。加熱は、オーブン内で回分式に行う手法、コンベアなどにより連続的に行う手法などにより行うことができる。
【0085】
加熱する熱源としては、本目的が達成される限りにおいて特に限定はなく、積層体及び成形した容器では熱風、電熱、電子線などが例示でき、積層体を成形した容器では高温の物体を内填して充填物の熱を利用するなどが例示できる。また、加熱方法は、オーブン内で回分式に行う手法、コンベアなどにより連続的に行う手法などにより行うことができる。
【0086】
加熱温度、加熱時間などの条件は、本発明の目的が達成される限りにおいて特に限定はなく、一般的に、熱風を熱源とする場合は、加熱温度は110℃以上150℃以下、風量は0.5〜2.0m/時、加熱時間は10秒〜6分間である。また、ポリエチレン系樹脂組成物(c)を用いる場合の加熱温度は110℃以上、結晶性熱可塑性樹脂(b)の融点未満が好ましい。
【0087】
本発明の積層体を構成する(A)層の厚みは、断熱性に優れるため、800μm以上が好ましく、より好ましくは900μm以上、最も好ましくは1000μm以上である。
【0088】
本発明の発泡積層体は、少なくとも胴部材に使用した断熱紙容器として用いられる。
【発明の効果】
【0089】
本発明の押出ラミネート用ポリエチレン系樹脂は、生産性が高く、かつ、優れた断熱性、発泡外観を示す発泡用積層体及び発泡積層体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0090】
図1】実施例記載のポリエチレン系樹脂のMFRとSRの関係を示す。
【実施例】
【0091】
以下、実施例および比較例により本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(1)密度
密度は、JIS K6922−1(1997年)に準拠して測定した。
(2)ポリエチレン系樹脂のメルトマスフローレート(MFRPE
MFRPEは、JIS K6922−1(1997年)に準拠して測定した。
(3)結晶性熱可塑性樹脂の融点(TmCP
TmCPはJIS K7122(1987年)に準拠して測定した。
(4)非晶性熱可塑性樹脂のガラス転移温度(Tg)
TgはJIS K7122(1987年)に準拠して測定した。
(5)ポリエチレン系樹脂のメルトマスフローレート(MFR)
MFRは、JIS K6922−1(1997年)に準拠して測定した。
(6)スウェル比(SR)
JIS K6922−1(1997年)で使用されるメルトインデクサーを用い、温度235℃、押出量3g/分の条件にて装置に充填された樹脂をオリフィスより押出し、オリフィス直下に設置したイソプロパノールを入れたメスシリンダーでストランド状の押出物を採取し、ストランドの径(D)をメルトインデクサーのオリフィス径(D)で除すことにより求めた。
(7)130℃における溶融張力(MS130
23℃に設定した恒温室内において、温度を130℃に設定し、長さが8mm、直径が2.095mm、流入角が90°のダイス及び保温チャンバーを装着したバレル直径9.55mmの毛管粘度計(東洋精機製作所、商品名:キャピログラフ)に、ポリエチレン系樹脂18gを充填し、ピストン降下速度を10mm/分、引取速度2.0m/分に設定し、引き取りに必要な荷重(mN)を溶融張力(MS130)として測定した。
(8)190℃における溶融張力(MS190
23℃に設定した恒温室内において、温度を190℃に設定し、長さが8mm、直径が2.095mm、流入角が90°のダイス及び保温チャンバーを装着したバレル直径9.55mmの毛管粘度計(東洋精機製作所、商品名:キャピログラフ)に、ポリエチレン系樹脂18gを充填し、ピストン降下速度を10mm/分、引取速度10m/分に設定し、引き取りに必要な荷重(mN)を溶融張力(MS190)として測定した。
(9)加熱発泡
実施例により得られた積層体を10cm×20cmに切り出し円筒状に成形したサンプルを、所定の温度に加熱したギア老化試験機(安田精機製作所製 No.102−SHF−77)中で熱風をあてながら所定の時間静置した後、取り出して空気中で室温まで冷却した。
(10)紙基材の水分量
ポリエチレン系樹脂の積層前の紙基材について、カールフィッシャー法水分測定装置(三菱化学(株)製、商品名CA−05)を使用し測定した。測定温度は165℃である。
(11)発泡層厚み
実施例により得られた発泡体、及びブランクとして発泡させる前のラミネート積層体をサンプル取りし、光学顕微鏡により断面写真を撮影した。断面写真から発泡層の厚みを測定し、5箇所で測定した。
(12)発泡表面の状態
得られた発泡体の表面の平滑性を目視で観測した。表面の平滑性が良好である場合を◎、やや良好である場合を○、良好であるもののやや劣る場合を△、不良の場合を×とした。
【0092】
実施例1
(A)層の樹脂として、MFRが14g/10分、密度が917kg/m、SRが1.64である高圧法低密度ポリエチレン(東ソー(株)製、A1)99.9重量%、TmCPが163℃であるプロピレン単独重合体(日本ポリプロ(株)製 商品名 ノバテックPP MA1B、B1)を0.1重量%になるよう配合し、単軸押出機(プラコー(株)製 口径50mm)にて溶融混練したポリエチレン系樹脂(D1、MFR 14g/10分、密度 917kg/m3、SR 1.64、MS130 72mN、MS190 19mN)、(B)層の樹脂として、MFRが7g/10分、密度が940kg/mである高密度ポリエチレン(東ソー(株)製 商品名ペトロセン LW04−1)(E1)を使用した。
【0093】
まず、(D1)を直径90mmφのスクリューを有する単軸押出ラミネーター(ムサシノキカイ(株)製)へ供給し、320℃の温度でTダイより押し出し、水分量が25.6g/mであり、坪量320g/mである紙基材上に引き取り速度が80m/分、エアギャップ長さが130mmで70μmの厚さになるよう押出ラミネート成形を行った。さらに、(E1)を直径90mmφのスクリューを有する単軸押出機(ムサシノキカイ(株)製)へ供給し、320℃の温度、80m/分の引き取り速度、130mmのエアギャップ長さで、(E1)の厚みが40μmとなるように押出し、ポリエチレン系樹脂組成物(D1)、紙基材、高密度ポリエチレン(E1)の順に積層されてなる積層体を得た。得られた積層体を120℃、5分間加熱して発泡させ、発泡積層体を得た。得られた発泡積層体について、発泡層の厚み、発泡表面の状態を評価した。評価の結果を表1に示す。
【0094】
実施例2
(A)層の樹脂として、高圧法低密度ポリエチレン(A1)を99.5重量%、プロピレン単独重合体(B1)を0.5重量%になるよう配合し、単軸押出機(プラコー(株)製 口径50mm)にて溶融混練したポリエチレン系樹脂(D2、MFR 14g/10分、密度 917kg/m、SR 1.64、MS130 78mN、MS190 19mN)を使用した以外は、実施例1と同様の手法により発泡積層体を得た。得られた発泡積層体について、発泡層厚み及び発泡外観を評価した。評価の結果を表1に示す。
【0095】
実施例3
(A)層の樹脂として、高圧法低密度ポリエチレン(A1)を99.0重量%、プロピレン単独重合体(B1)を1.0重量%になるよう配合し、単軸押出機(プラコー(株)製 口径50mm)にて溶融混練したポリエチレン系樹脂(D3、MFR 14g/10分、密度 917kg/m、SR 1.64、MS130 102mN、MS190 19mN)を使用した以外は、実施例1と同様の手法により発泡積層体を得た。得られた発泡積層体について、発泡層厚み及び発泡外観を評価した。評価の結果を表1に示す。
【0096】
実施例4
(A)層の樹脂として、高圧法低密度ポリエチレン(A1)を96.0重量%、プロピレン単独重合体(B1)を4.0重量%になるよう配合し、単軸押出機(プラコー(株)製 口径50mm)にて溶融混練したポリエチレン系樹脂(D4、MFR 14g/10分、密度 917kg/m、SR 1.64、MS130 135mN、MS190 19mN)を使用した以外は、実施例1と同様の手法により発泡積層体を得た。得られた発泡積層体について、発泡層厚み及び発泡外観を評価した。評価の結果を表1に示す。
【0097】
実施例5
(A)層の樹脂として、高圧法低密度ポリエチレン(A1)を99.0重量%、TmCPが145℃であるプロピレン・エチレン共重合体(日本ポリプロ(株)製 商品名ノバテックPP FL02A、B2)を1.0重量%になるよう配合し、単軸押出機(プラコー(株)製 口径50mm)にて溶融混練したポリエチレン系樹脂(D5、MFR 14g/10分、密度 917kg/m、SR 1.64、MS130 94mN、MS190 19mN)を使用した以外は、実施例1と同様の手法により発泡積層体を得た。得られた発泡積層体について、発泡層厚み及び発泡外観を評価した。評価の結果を表1に示す。
【0098】
実施例6
(A)層の樹脂として、MFRが14g/10分、密度が918kg/m、SRが1.68である高圧法低密度ポリエチレン(東ソー(株)製、A2)を99.0重量%、プロピレン単独重合体(B1)を1.0重量%になるよう配合し、単軸押出機(プラコー(株)製 口径50mm)にて溶融混練したポリエチレン系樹脂(D6、MFR 14g/10分、密度 918kg/m、SR 1.68、MS130 115mN、MS190 28mN)を使用した以外は、実施例1と同様の手法により発泡積層体を得た。得られた発泡積層体について、発泡層厚み及び発泡外観を評価した。評価の結果を表1に示す。
【0099】
実施例7
(A)層の樹脂として、MFRが24g/10分、密度が918kg/m、SRが1.45である高圧法低密度ポリエチレン(東ソー(株)製、A3)を99.0重量%、プロピレン単独重合体(B1)を1.0重量%になるよう配合し、単軸押出機(プラコー(株)製 口径50mm)にて溶融混練したポリエチレン系樹脂(D7、MFR 24g/10分、密度 918kg/m、SR 1.45、MS130 125mN、MS190 9.0mN)を使用した以外は、実施例1と同様の手法により発泡積層体を得た。得られた発泡積層体について、発泡層厚み及び発泡外観を評価した。評価の結果を表1に示す。
【0100】
実施例8
(A)層の樹脂として、MFRが45g/10分、密度が924kg/m、SRが1.31である高圧法低密度ポリエチレン(東ソー(株)製、A4)を99.0重量%、プロピレン単独重合体(B1)を1.0重量%になるよう配合し、単軸押出機(プラコー(株)製 口径50mm)にて溶融混練したポリエチレン系樹脂(D8、MFR 45g/10分、密度 924kg/m、SR 1.31、MS130 85mN、MS190 4.0mN)を使用した以外は、実施例1と同様の手法により発泡積層体を得た。得られた発泡積層体について、発泡層厚み及び発泡外観を評価した。評価の結果を表1に示す。
【0101】
実施例9
(A)層の樹脂として、高圧法低密度ポリエチレン(東ソー(株)製、A4)を92.0重量%、プロピレン単独重合体(B1)を8.0重量%になるよう配合し、単軸押出機(プラコー(株)製 口径50mm)にて溶融混練したポリエチレン系樹脂(D9、MFR 45g/10分、密度 924kg/m、SR 1.31、MS130 126mN、MS190 4.0mN)を使用した以外は、実施例1と同様の手法により発泡積層体を得た。得られた発泡積層体について、発泡層厚み及び発泡外観を評価した。評価の結果を表1に示す。
【0102】
【表1】
実施例記載のポリエチレン系樹脂のMFRとSRの関係を図1に示す。この図の通り、明細書記載の式(1)を満たす実施例7は、式(1)を満たさない実施例8よりも発泡外観に優れる。更に、式(2)を満たす実施例6はより発泡外観が優れ、式(3)を満たす実施例3は、より発泡層厚みに優れる。
【0103】
なお、式(1)〜式(3)の傾きについては、いずれも密度が918kg/mと等しい、MFRが24g/10分、密度が918kg/m、SRが1.45である高圧法低密度ポリエチレン、MFRが13g/10分、密度が918kg/m、SRが1.71である高圧法低密度ポリエチレン及びMFRが8g/10分、密度が918kg/m、SRが2.05である高圧法低密度ポリエチレン(いずれも東ソー(株)製)のMFRとSRの相関から算出した。
【0104】
実施例10
(A)層の樹脂として、高圧法低密度ポリエチレン(A3)を99.9重量%、TmCPが255℃であるポリエチレンテレフタレート(ユニチカ製 商品名ユニチカPET樹脂 MA−2103、B3)を0.1重量%になるよう配合し、単軸押出機(プラコー(株)製 口径50mm)にて溶融混練したポリエチレン系樹脂(D10、MFR 24g/10分、密度 918kg/m、SR 1.65、MS130 85mN、MS190 29mN)を使用した以外は、実施例1と同様の手法により発泡積層体を得た。得られた発泡積層体について、発泡層厚み及び発泡外観を評価した。評価の結果を表2に示す。
【0105】
実施例11
(A)層の樹脂として、高圧法低密度ポリエチレン(A3)を99.9重量%、TmCPが224℃であるポリ(4−メチル1−ペンテン)(三井化学製 商品名TPX MX002、B4)を0.1重量%になるよう配合し、単軸押出機(プラコー(株)製 口径50mm)にて溶融混練したポリエチレン系樹脂(D11、MFR 24g/10分、密度 918kg/m、SR 1.45、MS130 80mN、MS190 27mN)を使用した以外は、実施例1と同様の手法により発泡積層体を得た。得られた発泡積層体について、発泡層厚み及び発泡外観を評価した。評価の結果を表2に示す。
【0106】
実施例12
(A)層の樹脂として、高圧法低密度ポリエチレン(A3)を99.9重量%、TmCPが165℃であるエチレン・ビニルアルコール共重合体(クラレ製 商品名EVAL E105B、B5)を0.1重量%になるよう配合し、単軸押出機(プラコー(株)製 口径50mm)にて溶融混練したポリエチレン系樹脂(D12、MFR 24g/10分、密度 918kg/m、SR 1.45、MS130 75mN、MS190 19mN)を使用した以外は、実施例1と同様の手法により発泡積層体を得た。得られた発泡積層体について、発泡層厚み及び発泡外観を評価した。評価の結果を表2に示す。
【0107】
実施例13
(A)層の樹脂として、高圧法低密度ポリエチレン(A3)を99.9重量%、TmCPが224℃であるポリブチレンテレフタレート(三菱エンジニアリングプラスチックス製 商品名ノバデュラン 5010R5、B6)を0.1重量%になるよう配合し、単軸押出機(プラコー(株)製 口径50mm)にて溶融混練したポリエチレン系樹脂(D13、MFR 24g/10分、密度 918kg/m、SR 1.45、MS130 82mN、MS190 28mN)を使用した以外は、実施例1と同様の手法により発泡積層体を得た。得られた発泡積層体について、発泡層厚み及び発泡外観を評価した。評価の結果を表2に示す。
【0108】
実施例14
(A)層の樹脂として、高圧法低密度ポリエチレン(A3)を99.9重量%、TmCPが220℃であるポリアミド6(宇部興産製 商品名UBEナイロン 1022B、B7)を0.1重量%になるよう配合し、単軸押出機(プラコー(株)製 口径50mm)にて溶融混練したポリエチレン系樹脂(D14、MFR 24g/10分、密度 918kg/m、SR 1.45、MS130 80mN、MS190 26mN)を使用した以外は、実施例1と同様の手法により発泡積層体を得た。得られた発泡積層体について、発泡層厚み及び発泡外観を評価した。評価の結果を表2に示す。
【0109】
【表2】
実施例15
(A)層の樹脂として、高圧法低密度ポリエチレン(A1)を99.0重量%、Tgが158℃であるシクロオレフィンコポリマー(Topas Advanced Polymer Inc.製 商品名TOPAS 6015S−04、C1)を1.0重量%になるよう配合し、単軸押出機(プラコー(株)製 口径50mm)にて溶融混練したポリエチレン系樹脂(D15、MFR 14g/10分、密度 917kg/m、SR 1.64、MS130 105mN、MS190 19mN)を使用した以外は、実施例1と同様の手法により発泡積層体を得た。得られた発泡積層体について、発泡層厚み及び発泡外観を評価した。評価の結果を表3に示す。
【0110】
実施例16
(A)層の樹脂として、高圧法低密度ポリエチレン(A1)を99.0重量%、Tgが138℃であるシクロオレフィンコポリマー(Topas Advanced Polymer Inc.製 商品名TOPAS 6013F−04、C2)を1.0重量%になるよう配合し、単軸押出機(プラコー(株)製 口径50mm)にて溶融混練したポリエチレン系樹脂(D16、MFR 14g/10分、密度 917kg/m、SR 1.64、MS130 95mN、MS190 19mN)を使用した以外は、実施例1と同様の手法により発泡積層体を得た。得られた発泡積層体について、発泡層厚み及び発泡外観を評価した。評価の結果を表3に示す。
【0111】
実施例17
(A)層の樹脂として、高圧法低密度ポリエチレン(A1)を99.0重量%、Tgが156℃であるシクロオレフィンポリマー(日本ゼオン(株)製 商品名ゼオネックス F52R、C3)を1.0重量%になるよう配合し、単軸押出機(プラコー(株)製 口径50mm)にて溶融混練したポリエチレン系樹脂(D17、MFR 14g/10分、密度 918kg/m、SR 1.64、MS130 100mN、MS190 19mN)を使用した以外は、実施例1と同様の手法により発泡積層体を得た。得られた発泡積層体について、発泡層厚み及び発泡外観を評価した。評価の結果を表3に示す。
【0112】
実施例18
(A)層の樹脂として、高圧法低密度ポリエチレン(A1)を99.0重量%、TgがTgが150℃であるポリカーボネート(帝人(株)製 商品名パンライト L−1255Y、C4)を1.0重量%になるよう配合し、単軸押出機(プラコー(株)製 口径50mm)にて溶融混練したポリエチレン系樹脂(D18、MFR 14g/10分、密度 917kg/m、SR 1.64、MS130 110mN、MS190 19mN)を使用した以外は、実施例1と同様の手法により発泡積層体を得た。得られた発泡積層体について、発泡層厚み及び発泡外観を評価した。評価の結果を表3に示す。
【0113】
【表3】
比較例1
(A)層の樹脂として高圧法低密度ポリエチレン(A1)を使用した以外は、実施例1と同様の手法により発泡積層体を得た。得られた発泡積層体について、発泡層厚み及び発泡外観を評価した。評価の結果を表4に示す。発泡外観に劣っていた。
【0114】
比較例2
(A)層の樹脂として高圧法低密度ポリエチレン(A2)を使用した以外は、実施例1と同様の手法により発泡積層体を得た。得られた発泡積層体について、発泡層厚み及び発泡外観を評価した。評価の結果を表4に示す。発泡外観に劣っていた。
【0115】
比較例3
(A)層の樹脂として高圧法低密度ポリエチレン(A3)を使用した以外は、実施例1と同様の手法により発泡積層体を得た。得られた発泡積層体について、発泡層厚み及び発泡外観を評価した。評価の結果を表4に示す。発泡外観に劣っていた。
【0116】
比較例4
(A)層の樹脂として高圧法低密度ポリエチレン(A4)を使用した以外は、実施例1と同様の手法により発泡積層体を得た。得られた発泡積層体について、発泡層厚み及び発泡外観を評価した。評価の結果を表4に示す。発泡外観に劣っていた。
【0117】
比較例5
(A)層の樹脂としてMFRが7g/10分、密度が922kg/m、SRが1.94である高圧法低密度ポリエチレン(東ソー(株)製、A5)を99.0重量%、プロピレン単独重合体(B1)を1.0重量%になるよう配合し、単軸押出機(プラコー(株)製 口径50mm)にて溶融混練したポリエチレン系樹脂(D19、MFR 7g/10分、密度 922kg/m、SR 1.94、MS130 151mN、MS190 49mN)を使用した以外は、実施例1と同様の手法により発泡積層体を得た。得られた発泡積層体について、発泡層厚み及び発泡外観を評価した。評価の結果を表4に示す。発泡外観に劣っていた。
【0118】
比較例6
(A)層の樹脂として、MFRが58g/10分、密度が917kg/m、SRが1.26である高圧法低密度ポリエチレン(東ソー(株)製、A6)を99.0重量%、プロピレン単独重合体(B1)を1.0重量%になるよう配合し、単軸押出機(プラコー(株)製 口径50mm)にて溶融混練したポリエチレン系樹脂(D20、MFR 58g/10分、密度 917kg/m、SR 1.26、MS130 75mN、MS190 1.5mN)を使用した以外は、実施例1と同様の手法により発泡前の積層体を得た。評価の結果を表4に示す。(A)層の成膜時にラミ厚みが安定せず、発泡積層体の評価ができなかった。
【0119】
【表4】
【産業上の利用可能性】
【0120】
本発明の発泡用積層体は、コーヒー、スープなどの高温飲料用の紙容器、インスタントラーメンなどの即席食品用の容器等、断熱性を求められる容器に好適に使用される。
図1