(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記レーザ源と前記ブラッグ音響光学変調デバイスとの間の前記第1の経路上に位置決めされた電気光学変調器(EOM)を更に含み、該EOMは該レーザ源によって生成されたパルスを整えるように適合される、請求項1に記載のシステム。
前記第1の経路に沿った以外の方向に透過された前記照射部位からの前記レーザ光のいずれの反射も収容するように位置決めされたビームダンプ要素を更に含む、請求項1に記載のシステム。
前記ブラッグ音響光学変調デバイスが前記第1の状態から前記第2の状態に切り換わることができる時間は、300から500ナノ秒の範囲にある、請求項7に記載のシステム。
前記第1の状態は、前記ブラッグ音響光学変調デバイスの電源がオンである状態を含み、前記第2の状態は、該ブラッグ音響光学変調デバイスの電源がオフである状態を含み、前記システムは、該システムの作動中、該第1の状態で構成されているよりも長い時間にわたって該第2の状態で構成されている、請求項7に記載のシステム。
遅延デバイスを更に含み、該遅延デバイスは、前記結合器と前記照射部位の間の前記共通ビーム経路上に配置され、前記第1のブラッグ音響光学変調デバイスから該照射部位に至って戻る前記レーザ光の往復時間が該第1のブラッグ音響光学変調デバイスの閉時間よりも長くなるような長さでサイズ設定され、その結果、該第1のブラッグ音響光学変調デバイスは、該照射部位で前記ターゲット材料から反射した光が前記プレパルスシードレーザに到達するのを防止するように閉状態になる時間を有し、
前記遅延デバイスは、前記第2のブラッグ音響光学変調デバイスから前記照射部位に至って戻る前記レーザ光の往復時間が該第2のブラッグ音響光学変調デバイスの閉時間よりも長くなるような長さでサイズ設定され、その結果、該第2のブラッグ音響光学変調デバイスは、該照射部位で前記ターゲット材料から反射した光が前記主パルスシードレーザに到達するのを防止するように閉状態になる時間を有し、
前記遅延デバイスはビーム折り返し式光学配置を含む、請求項10に記載のシステム。
前記プレパルスシードレーザと前記第1のブラッグ音響光学変調デバイスとの間に位置決めされた電気光学変調器(EOM)、および前記主パルスシードレーザと前記第2のブラッグ音響光学変調デバイスとの間に位置決めされたEOMを更に含み、該EOMの各々は関連付けられたレーザによって生成されたパルスを整えるように適合される、請求項10に記載のシステム。
前記遅延デバイスは、折り返し式光学配置を含み、前記ブラッグ音響光学変調デバイスから前記照射部位に至って戻る前記レーザパルスの往復時間が該ブラッグ音響光学変調デバイスを前記第1の状態から前記第2の状態に切り換えるための閉時間よりも長くなるような長さでサイズ設定される、請求項14に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本出願は、レーザ生成プラズマ(LPP)極紫外線(EUV)光システム内のシードレーザ源を保護する方法及びそのための装置を説明する。
【0017】
一実施形態において、シードレーザ源を保護する方法は、シードレーザから他の光学構成要素及び最終的に照射部位へのビーム経路上のスイッチとしてブラッグ音響光学変調器(AOM)を使用することを伴っている。シードレーザからのパルスが発生された時に、電力がブラッグAOMに印加され、従って、パルスは、真っ直ぐにブラッグを通過するのではなく、望ましいビーム経路上に偏向される。パルスがブラッグAOMを通過した状態で、ブラッグAOMへの電力が止まり、従って、照射部位からのあらゆる反射は、ブラッグAOMを真っ直ぐに通過することになり、偏向されてシードレーザに戻ったりはしない。必要に応じて、このような反射は、ブラッグAOMを通過して「ビームダンプ」又は冷却構成要素に入ることができる。
【0018】
図1は、LPP EUV光源20の一実施形態の構成要素の一部の概略図である。
図1に示すように、EUV光源10は、レーザパルスのビームを発生し、かつビームをレーザ源12から1つ又はそれよりも多くのビーム経路に沿ってチャンバ14内に送出して液滴のようなそれぞれのターゲットを照射領域16で照らすためのレーザ源12を含む。
図1に示すシステム12における使用に適すると考えられるレーザ装置の例を以下でより詳細に説明する。
【0019】
図1に同じく示すように、EUV光源10はまた、例えば、ターゲット材料の液滴をチャンバ14の内部内にかつ液滴が1つ又はそれよりも多くのレーザパルスと相互作用して最終的にプラズマを生成してEUV光を発生させることになる照射領域16まで送出するターゲット材料送出システム26を含むことができる。様々なターゲット材料送出システムが従来技術に示されており、相対的な利点は、当業者に明らかであろう。
【0020】
上述したように、ターゲット材料は、以下に限定されるものではないが、錫、リチウム、キセノン、又はその組合せを含む材料を含むことができる。ターゲット材料は、液滴の形態である場合があり、又はこれに代えて液滴内に含まれる固体粒子である場合がある。例えば、元素錫は、純粋錫として、SnBr
4、SnBr
2、SnH
4のような錫化合物として、錫合金、例えば、錫ガリウム合金、錫インジウム合金、又は錫インジウムガリウム合金として、又はその組合せとしてターゲット材料として提示することができる。使用される材料に基づいて、ターゲット材料は、室温又はほぼ室温を含む様々な温度で(例えば、錫合金又はSnBr
4)、室温よりも高い温度で(例えば、純粋錫),これに代えて室温よりも低い温度で(例えば、SnH
4)照射領域16に提示することができる。一部の場合に、これらの化合物は、SnBr
4のような比較的揮発性である場合がある。錫以外のEUV放射元素の類似の合金及び化合物及びこのような材料及び上述したものの相対的な利点は、当業者には明らかであろう。
【0021】
図1に戻ると、EUV光源10は、光学要素18が照射領域16内又はその近くの第1のフォーカス及びいわゆる中間領域20での第2のフォーカスを有するように偏長回転楕円体(すなわち、長軸周りに回転する楕円)の形態の反射面を有する近垂直入射コレクターミラーのような光学要素18を含むこともでき、EUV光は、光源10から出力され、集積回路リソグラフィツール(図示せず)のようなEUV光を利用するデバイスに入力することができる。
図1に示すように、光学要素18は、レーザ源12によって生成されたレーザ光パルスが照射領域16を通過し、かつ到達することを可能にする開口を用いて形成される。
【0022】
光学要素18は、EUV光を集光してEUV光を利用するデバイスへのその後の送出のために中間領域20に向ける適切な表面を有するべきである。例えば、光学要素18は、モリブデン及びシリコンの交互層を有する漸変多層コーティング、及び一部の場合に1つ又はそれよりも多くの高温拡散障壁層、平滑化層、キャップ層、及び/又はエッチング停止層を有する場合がある。
【0023】
偏長回転楕円体ミラー以外の光学要素を光学要素18として使用することができることは、当業者によって認められるであろう。例えば、光学要素18は、長軸回りに回転する放物線である場合があり、又はリング形状断面を有するビームを中間位置に送出するように構成される場合がある。他の実施形態において、光学要素18は、本明細書に説明するもの以外に又はそれに加えて、コーティング及び層を利用する場合がある。当業者は、適切な形状及び組成を特定の状況において光学要素18に対して選択することができるであろう。
【0024】
図1に示すように、EUV光源10は、レーザビームを照射部位で焦点にフォーカスさせる1つ又はそれよりも多くの光学要素を含むフォーカスユニット22を含むことができる。EUV光源10は、レーザビームを拡張させ、ステアリングし、及び/又は成形し、及び/又はレーザパルスを成形するレーザ源12とフォーカスユニット22の間に1つ又はそれよりも多くの光学要素を有するビーム調整ユニット24を含むこともできる。様々なフォーカスユニット及びビーム調整ユニットは、当業技術で公知であり、当業者によって適切に選択することができる。
【0025】
上述したように、一部の場合に、LPP EUVシステムは、1つ又はそれよりも多くのシードレーザを使用してレーザパルスを発生させ、これは、次に、EUV光を生成するプラズマを形成するために照射部位16でのターゲット材料を照射するレーザビームになるように増幅することができる。
図2は、LPP EUVシステム内のレーザ光源の一部として使用することができるシードレーザモジュール30の一実施形態の概略図である。
【0026】
図2に示すように、シードレーザモジュール30は、2つのシードレーザ、すなわち、プレパルスシードレーザ32と主パルスシードレーザ34とを含む。当業者は、2つのシードレーザを含むこのような実施形態が使用される場合に、ターゲット材料は、最初にプレパルスシードレーザ32からの1つ又はそれよりも多くのパルスにより、その後に主パルスシードレーザ34からの1つ又はそれよりも多くのパルスによって照射することができることを認識するであろう。
【0027】
シードレーザモジュール30は、構成要素を直線に配置するのではなく「折り返し式」配置を有するように示されている。実際に、このような配置は、モジュールの寸法を制限するために典型的である。これを達成するために、プレパルスシードレーザ32及び主パルスシードレーザ34のレーザパルスによって生成されたビームは、複数の光学構成要素36によって望ましいビーム経路上に向けられる。望ましい特定の構成に応じて、光学構成要素36は、ビームを望ましい方向に向けるのに使用することができるレンズ、フィルタ、プリズム、ミラー、又はあらゆる他の要素のような要素とすることができる。一部の場合に、光学構成要素36は、通過するビームの偏光を変えるなどの他の機能も実行する場合がある。
【0028】
当業者に公知であるように、シードレーザは、出力カプラー、偏光子、後部ミラー、回折格子、音響光学変調(AOM)スイッチのような比較的脆弱な光学構成要素を含む。従って、照射部位でターゲット材料から反射する可能性があるいずれかの光がこれらの構成要素に到達して構成要素を損傷するのを防止することが望ましい。
【0029】
図2の実施形態において、各シードレーザからのビームは、まず電気光学変調器38(EOM)に通される。EOM38は、シードレーザによって生成されたパルスをより短い持続時間及びより速い立下り時間を有するパルスに整えるパルス成形ユニットとしてシードレーザと共に使用される。より短いパルス持続時間及び比較的速い立下り時間は、パルスとターゲットの間の短い相互作用時間のためにかつパルスの不要な部分が増幅器利得を消耗させないので、EUV出力及び光源効率を増大させることができる。2つの別々のパルス成形ユニット(EOM38)が示されているが、これに代えて共通のパルス成形ユニットをプレパルス及び主パルスシード線源を整えるために使用することができる。
【0030】
その後に、シードレーザからのビームは、音響光学変調器(AOM)40及び42に通される。以下に説明するように、AOM40及び42は、シードレーザに到達しないようにターゲット材料からのレーザパルスのあらゆる反射の向きを変えるように作動する「スイッチ」又は「シャッター」として作用し、上述したように、シードレーザは、典型的に敏感な光学系を含み、AOM40及び42は、従って、あらゆる反射がシードレーザ要素の損傷を引き起こすのを防止する。ここに示す実施形態において、各シードレーザからのビームは、2つのAOMを通過するが、一部の実施形態において、各シードレーザからのビームは、各経路で単一AOMを通過することができる。
【0031】
AOM40及び42を通過した後に、2つのビームは、ビーム結合器44によって「組み合わされる」。各シードレーザからのパルスは、異なる時間に生成されるので、これは、2つの時間的に分離されたビームが更に別の処理及び使用ために共通ビーム経路46上に置かれることを実際は意味する。
【0032】
共通ビーム経路上に置かれた後に、シードレーザの1つからのビーム(ここでもまた、一度に1つのみがあることになる)は、当業技術で公知であり、かつ以下で更に説明するようにビーム遅延ユニット48を通過する。次に、ビームは、前置増幅器50を通るように向けられ、その後に、ビーム拡張器52を通る。この後に、ビームは、薄膜偏光子54を通過し、その後に、光学構成要素56によって前方に向けられ、この光学構成要素は、ここでもまたビームをLPP EUVシステムにおいて次の段階に向けて同様に他の機能を実行することができる要素である。光学構成要素56から、ビームは、典型的には、以下で例証するように1つ又はそれよりも多くの光増幅器及び他の構成要素に進む。
【0033】
プレパルス及び主パルスシードレーザとしての使用に適する様々な波長同調可能シードレーザは、当業技術で公知である。例えば、一実施形態において、シードレーザは、準大気圧、例えば、0.05〜0.2の大気でCO
2を含む密封充填ガスを有するCO
2レーザとすることができ、かつ高周波放電によって励起することができる。一部の実施形態において、回折格子は、シードレーザの光キャビティを定めるのを補助するために使用することができ、回折格子は、選択した回転線に対してシードレーザを同調させるために回転することができる。
【0034】
図3〜
図7は、各々が異なる構成である
図1に示す光源12に使用されるレーザ源100の一部の様々な実施形態の簡略図である。これらの図に示す要素の一部は、上述の
図1及び
図2にある要素に対応する。
【0035】
図3は、反射光からのシードレーザの保護を行う構成要素を有するレーザ源100の第1の例を示している。図示のように、デバイス100は、スイッチ108、ビーム遅延ユニット110、増幅器112、及びビーム調整ユニット114を通過し、その後に、照射部位116でターゲット材料と相互作用する光出力をビーム経路106で生成する単一シードレーザ104を含む。
【0036】
増幅器112は、各々が密封ガス及び励起光源を有する1つ又はそれよりも多くの増幅ユニットを有することができ、ビーム調整ユニット114は、ビームを拡張、ステアリング、パルス成形、フォーカス、及び/又は成形する1つ又はそれよりも多くの光学要素を有することができる。
【0037】
スイッチ108は、光がビーム経路106に沿ってスイッチを通って実質的に妨げられずに流れることを可能にする第1の開状態と、光の実質的な部分をビーム経路106から偏向及び/又は拡散させる第2の閉状態との間で再構成可能である。一部の場合に、2つのこのようなスイッチは、スイッチが閉状態である時にビーム経路から偏向される光の量を増大させるために、ビーム経路に沿って互いと隣接して直列に位置決めすることができる。従って、第1のスイッチが入射光の90%を偏向させて、残りの10%を第2のスイッチに通し、第2のスイッチが入射する光の90%を同様に偏向させる場合に、2つのスイッチの併用効果は、第1のスイッチに入射する光の99%を偏向させることになる。
【0038】
当業技術で公知であるようなビーム遅延ユニット110は、ビーム経路106上でスイッチ108と増幅器112の間に位置する。ビーム遅延ユニット110は、このユニットを通過する光が光学遅延距離d
delayを進むようにミラー、プリズムのような光学要素を含むビーム折り返し光学装置を有する。秒当たり約3×10
8メートルの推定光速度をビーム遅延の各計器に使用することによって、更にほぼ3.33n
sの進行時間がビーム経路106上の光に対して追加される。
【0039】
一実施形態において、ビーム遅延ユニット110は、スイッチ108から照射部位116に至って戻る往復時間が、安全の適切な余裕を含むスイッチ108の閉時間よりも長いように長さでサイズ設定され、スイッチ108は、照射部位でターゲット材料から反射した光がシードレーザ104に到達するのを防止するように閉状態になる時間を有するようになっている。このような往復時間は、従って、スイッチ108からビーム遅延ユニット110までの進行時間の2倍、ビーム遅延ユニット110内の片道進行時間の2倍、ビーム遅延ユニット110から増幅器112への進行時間の2倍、増幅器112内の片道進行時間の2倍、増幅器112からビーム調整ユニット114への進行時間の2倍、ビーム調整ユニット114内の片道進行時間の2倍、及びビーム調整ユニット114から照射部位116への進行時間の2倍を含むことになると考えられる。
【0040】
光がビーム経路106に沿ってスイッチを通って流れることを可能にする第1の開状態と、光の殆どを偏向及び/又は拡散させる第2の閉状態との間で切り換わることができる様々なタイプのスイッチがある。1つのこのようなタイプのスイッチは、音響光学変調器(AOM)である。AOMは、材料内の音響(音)波が、AOMを通過する光の周波数を回析してシフトさせる材料の光学特性の変化を引き起こす音響光学効果を利用する。
【0041】
AOMは、典型的にはAOMに取り付けられた圧電変換器(PZT)によって起動される。電力(典型的にはRF電力)が、発振電気信号としてPZTに印加され、発振電気信号によってPZTが振動し、音波をAOM内に生成する。従って、電力が印加されない時に、音波はなく、光は、直接にAOMを通って透過され、電力が印加された時に、音波が存在し、入射光ビームが「偏向モード」で偏向されて周波数がシフトする。望ましい切り換え速度に起因して、電力は、典型的にプロセッサ又はコントローラの指示でPZTに印加される。
【0042】
図2に示すように、AOMが対で使用されるのは周波数シフトのためである。このために、第1のAOMによる周波数のシフトは、第2のAOMの使用によって対処することができ、第2のAOMでは、音波は、類似のシフトを但し反対方向に生成するようにAOMの反対側から印加され、従って、元の周波数の信号が発生する。これは、増幅器による適切な増幅のために信号の適切な中心周波数を維持する際に重要であるとすることができる。しかし、一部の状況では、単一AOMのみを使用することができる。当業者は、周波数のシフトは回折次数の関数であることを認識するであろう。+1回析次数は、周波数を増し、一方、−1回折次数は、周波数から差し引く。次数の符号は、結晶内の音波の方向及び結晶内のビームの入射角によって決定される。当業者はまた、いつ1対のAOMを使用しなければならず、かついつ単一AOMが適切である場合があるかを認識するであろう。
【0043】
異なるタイプのAOMがあり、2つのこのようなタイプは、ラマン−ナスAOM及びブラッグAOMである。ラマン−ナスAOMは、最初は、この目的に対して不適切であると考えられていたブラッグAOMに優る予想される利点のために、いくつかの従来技術の実施形態では(
図2のAOM402と同様に)スイッチ108としての使用に選択されている。
【0044】
AOMをスイッチ108として使用する際に、AOMは、シードパルスが通過するのを可能にするために「オフ」又は「開」、その後に、あらゆる反射光の向きを変えるために「オン」又は「閉」にしなければならないと以前は考えられていた。それによって歪みを引き起こす可能性があるシードパルスのあらゆる偏向が回避される。反射光に関して、一般的に、ラマン−ナスAOMは、AOMが「オン」又は「偏向モード」である時にブラッグAOMよりも効率的に作動する。ラマン−ナスAOMはまた、入射光ビームの完全性をより良好に維持すると考えられていた。最後に、ラマン−ナスAOMは、ブラッグAOMよりも速く「開」から「閉」位置に切り換わる。こういう理由で、AOMが「オフ」である間にシードパルスを通過させ、あらゆる反射光の戻りが偏向されるようにシードパルスが通ると電力AOMに印加することにより、スイッチ108としてラマン−ナスAOMを使用することが最良であると以前は考えられていた。
【0045】
スイッチ108としてのラマン−ナスAOMを使用するデバイスの説明は、2011年3月13日出願で本出願人所有の米国特許出願第13/077,757号明細書、米国特許公開第2012/0092746号明細書に見ることができる。その明細書に説明されているように、典型的なラマン−ナスAOMでは、直径3ミリメートル(mm)ビームの全開から全閉へのスイッチ時間は、約300〜500n
sの範囲になる場合がある。従って、一部の場合に、約800〜1000n
sのスイッチ108から照射部位116に至って戻る往復時間がスイッチ108が閉じることを可能にするために十分であると考えられるように、約400n
sの閉時間を設計上仮定することができる。
【0046】
図3に示すデバイス100の作動では、例えば、約100n
sのパルス持続時間を有する光のパルスが時間t=0でシードレーザ104からまず出射されると仮定する。パルスの後縁は、時間スイッチ108が閉じるように起動する約t=100nsでスイッチ108を出る。遅延ユニット110内の100mのビーム遅延経路を仮定すると、それによってほぼ333n
sのパルス遅延が発生する。ビーム遅延ユニット110から照射部位116までの約150n
sの光進行時間を追加すると、パルスの前縁は、約t=483nsで照射部位116に到達することになり、パルスの後縁は、約583n
sで照射部位116に到達することになる。
【0047】
スイッチ108が400ns辺りの閉時間を有する場合に、t=500nsによって全閉しなければならない。液滴からのあらゆる反射は、照射部位から進んでパルス遅延ユニット110に戻る反射の時間、すなわち、150nsとパルス遅延ユニット110による333nsとの遅延後に時間483nsで閉状態のスイッチ108に到達することになる。従って、パルスの前縁からのあらゆる反射は、ほぼt=966nsでスイッチ108に到達することになり、一方、パルスの後縁からの反射は、ほぼt=1066nsでスイッチ108に到達しなければならない。スイッチ108がt=500nsによって閉じられると仮定すると、それによって少なくともほぼ466nsの安全係数が得られる。
【0048】
しかし、スイッチ108としてのラマン−ナスAOMの選択以来、ラマン−ナスAOMが実際の使用においていくつかの問題があることが実際に分かっている。上述したように、ラマン−ナスAOMは、「閉」であり、それが「オン」、すなわち、受電時に入射光ビームの向きを変える。スイッチ108がほとんど常に閉状態であると意図されるので、これは、ラマン−ナスAOMがほとんど常に受電しなければならないことを意味する。作動時に、ラマン−ナスAOMは、典型的には時間の約90%又はそれよりも多くで受電している。このような90%又はそれよりも多くの負荷サイクル時に、ラマン−ナスAOMは、一般的に長い寿命を有さず、従って、比較的頻繁に交換しなければならないことになる。
【0049】
このような高い負荷サイクルはまた、約100ワットの平均電力が音波によってラマン−ナスAOM材料(結晶)に送出され、ラマン−ナスAOM材料が加熱され、スイッチを通じた透過を事実上中断してビームの収差を導入するビームの厳しい円柱レンズ効果(例えば、非点収差及び/又は不要なフォーカス)を生成する。ラマン−ナスAOMの温度の増加は、スイッチの光吸収を増大させ、これは、予想よりも低い光出力で光学的な熱暴走の状態を潜在的に引き起こす可能性があるとして公知である。
【0050】
別の問題は、スイッチ108をオン及びオフにしなければならない頻度である。シードレーザは、ほぼ50kHz〜100kHz又はそれよりも高い範囲である周波数で作動させることができ、従って、これは、スイッチ108もその速度で循環させなければならないことを意味する。50kHzのパルス繰返し数では、ラマン−ナスAOMは機能するが、100kHzのようなより高い周波数になると、信頼性が劣るようになる。また、このような高周波数になると、ビーム歪みがある。
【0051】
これに加えて、ラマン−ナスAOMの偏向効率は、負荷サイクル及び激しい使用と共に容易に低下する。一部の場合に、実質的な使用後に、ラマン−ナスAOMは、「閉」状態の時でさえも、新しかった時に通した3%ではなく入射ビームの10%を通すことが観測されている。2つのこのようなAOMが直列の状態では、それによってコントラスト比が発生し、上述したように、入射光:透過光の比率は、1000:1から100〜1まで落ち、すなわち、入射光の僅か0.1%が通ることを可能にするのではなく、光の10倍よりも大きい又は1%が、2つの「閉状態の」スイッチさえ通ることになる。
【0052】
最後に、ラマン−ナスは、「閉状態」スイッチとして作動し、音波が印加されると反射光の向きを変えるので、ラマン−ナススイッチの電力が失われた場合に、スイッチは、「開」機能に戻って反射光が通過することを許容する。従って、このような状況では、あらゆる反射がスイッチを通過することになり、シードレーザを損傷する可能性がある。
【0053】
これらの理由で、ブラッグAOMは、今では上述のラマン−ナスAOMの利点にもかかわらずラマン−ナスAOMの代替品と見なされている。特に、「オン」、すなわち、「偏向モード」中にシードレーザパルスを通すためにブラッグAOMを使用することによって、ラマン−ナスAOMの従来の使用に優るいくつかの利点が得られる。「オン」時にブラッグAOMによるシードレーザパルスの何らかの歪みがあるが、この場合のビームエネルギ内の損失は、満足できるものであり、シードレーザパルスは、作動中のブラッグAOMを通過した後でさえも、十分に増幅することができることが見出されている。
【0054】
ラマン−ナスAOMの場合と同様に「オフ」モードではなくシードレーザパルスを「オン」位置又は「偏向モード」で通すためにブラッグAOMを使用することによって、ブラッグAOMは、ラマン−ナスAOMが電力を供給しなければならない時間の90%+ではなく時間の僅か約2〜3%であるようにブラッグAOMに印加される電力が遥かに少なくなるので、ビームの熱レンズ作用及び歪みが少なくなり、ブラッグAOMの耐用期間の延長、並びにより低い作動パラメータによって利用可能なより多くの市販品がある。
【0055】
最後に、ブラッグAOMへの電力が失われた場合に、ブラッグAOMは、「オフ」位置に戻り、反射ビームは、ビーム経路に沿って逆方向に偏向されるのではなく、直接に透過され、従って、反射がシードレーザに到達することが防止される。ブラッグAOMがラマン−ナスAOMほど速くないという事実は、ビーム遅延ユニット(例えば、
図1のビーム遅延ユニット48又は
図3のビーム遅延ユニット110)内の光学遅延を必要であればより長い期間に増大させることによって補償することができる。
【0056】
ブラッグAOMが偏向モードにおいて作動される時に、ブラッグAOMを通過するビームは偏向される。これを
図2に示すが、ビーム40が通過する第1のブラッグAOMは、ビームの方向を変え、第2のブラッグAOM42は、ビームを第1のブラッグAOMの前でビームの経路に平行であるがこの経路からオフセットした経路に戻す。従って、反射がブラッグAOM42に到達し、ブラッグAOM42がオフにされてもはや偏向モードにない場合に、ビームは、ビーム経路に沿って進んでそれぞれのシードレーザに戻らずに、ビームが入る方向にブラッグAOM42を出るということを見ることができるであろう。更に別の安全が得られるように、冷却要素を含むことができる「ビームダンプ」要素(図示せず)をこのような反射ビームを収容するために追加することができる。
【0057】
ブラッグAOMが40MHzの音波によって励起される時に、ビームの偏向は、入射ビームの方向から77ミリラジアン(mrad)離れる方向である。ブラッグAOM40及び42のような2つのブラッグAOMが525ミリメートル(mm)間隔で位置する場合に、それによって第2のブラッグAOM42を出るビームの経路は、第1のブラッグAOM40に入るビームの経路から30mm横方向にオフセットしている。
【0058】
反射光からのシードレーザの保護を行う構成要素を有するデバイスの他の例を
図4〜
図7に示している。これらの実施形態において、ブラッグAOMは、ここでもまた、上述したようにシードレーザを保護するために閉状態とすることができるスイッチとして使用することができる。
【0059】
図4では、レーザ源200は、ここでもまた反射からのシードレーザ104の保護を行うためにスイッチ108とビーム遅延ユニット110とを有し、図示のようなレーザ源200はまた、必要に応じて反射に対する更に別の保護のために含めることができる任意的な光アイソレ−タ202を有する。
図3のレーザ源100の場合と同様に、デバイス200は、スイッチ108、ビーム遅延ユニット110、増幅器112、及びビーム調整ユニット114を通過し、その後に、照射部位116でターゲット材料と相互作用する光出力をビーム経路106で生成するシードレーザ104を含む。
【0060】
図4の実施形態において、シードレーザ104は、シードレーザ104を出る光が1次偏光方向を有するように、1つ又はそれよりも多くの偏光子及び/又はブルースター窓(図示せず)を含むことができる。図示のように、光アイソレ−タ202は、1/4波アセンブリ及びシードレーザの1次偏光方向に平行に位置合せされる偏光子206のような位相遅延光学構成要素204を含む。この構成では、1次偏光方向でビーム経路106上の発振器を出る光は、スイッチ108及びビーム遅延ユニット110を通過し、その後に、偏光子206を通過し、円偏光で光アイソレ−タ202を出るように位相遅延光学構成要素204によって変更されることになる。
【0061】
ビーム経路106上のこの光は、続いて増幅器112及びビーム調整ユニット114を通過し、その後に、ターゲット材料から反射することになり、プラズマ反射による追加の位相遅延が発生することになり、従って、楕円偏光された状態になる。反射光は、再びビーム調整ユニット114及び増幅器112を通過することになり、その後に位相遅延光学構成要素204に入射することになる。位相遅延光学構成要素204を通過すると、反射光は、再び変更されることになり、偏光子206に到達した時に、光の殆ど及び一部の場合に93%辺りが吸収又は反射され、光の残りのほぼ6〜7%が偏光子206を通って漏れることができるように偏光状態で位相遅延光学構成要素204を出る。
【0062】
増幅器112の大きい利得、例えば、300〜350ワット又はそれよりも多くに起因して実質的であると考えられる偏光子206を通して漏れる光は、ビーム遅延ユニット110を通過して閉状態のスイッチ108に到達することになる。しかし、90%を超える光アイソレ−タ202による反射光内の低減のために、スイッチ108は、発振器104を保護するために
図3の実施形態ほど多くの光を阻止する必要はない。
【0063】
図5は、シードレーザと反射光からの保護を行う構成要素とを有するレーザ源300の別の実施形態を示している。
図5に示すように、デバイス300は、共通ビーム経路106上へビーム結合器306によって反射される光出力をビーム経路304に生成するプレパルスシードレーザ302と、共通ビーム経路106の上へビーム結合器306を通過する光出力を生成する主パルスシードレーザ308とを含む。
【0064】
例えば、ビーム結合器306は、ビームを共通ビーム経路106上に配置する回折格子、ダイクロイックビーム結合器、プリズム、体積ブラッグ回折格子、偏向識別ビーム結合器又は部分反射ビーム結合器、又は他の適切な光学要素とすることができる。また、上述したように、ビーム結合器306は、プレパルスシード光を反射して主パルスシード光を透過するように示されているが、ビーム結合器306は、主パルスシードレーザの出力を反射し、プレパルスシードレーザの出力を透過するように配置することができることを認識しなければならない。
【0065】
共通ビーム経路106上にある状態で、シード光出力の全ては、
図4を参照して上述したように、スイッチ108、ビーム遅延ユニット110、光アイソレ−タ202、増幅器112、ビーム調整ユニット114を通過し、その後に、照射部位116でターゲット材料と相互作用する。
【0066】
デバイス300の1つの用途では、スイッチ108は、初めは開状態であり、プレパルスシードレーザ302からのレーザパルスは、スイッチ108を通過することができ、その後に、液滴からの「プレパルス」反射を阻止するために閉状態である。プレパルス持続時間及びスイッチ108から液滴までの経路の長さに関連する予め決められた期間の後に、スイッチ108は、主パルスシードレーザ308からのレーザパルスが通過することを可能にするために開状態になることができ、スイッチ108は、その後に、液滴からの「主パルス」反射を阻止するために閉状態である。その後に、この処理は、別のターゲット材料液滴を照射するために繰り返すことができる。
【0067】
図6は、シードレーザと反射からのシードレーザの保護を行う構成要素とを有するレーザ源400の別の実施形態を示している。この構成では、
図5のデバイス300の場合と同様に、デバイス400は、共通ビーム経路106上へビーム結合器306によって反射される光出力をビーム経路304に生成するプレパルスシードレーザ302と、共通ビーム経路106の上へビーム結合器306を通過する光出力を生成する主パルスシードレーザ308とを含む。同様に、共通ビーム経路106上にある状態で、主パルスシード光出力は、ビーム遅延ユニット110、光アイソレ−タ202、増幅器112、ビーム調整ユニット114を通過し、その後に、照射部位116でターゲット材料と相互作用する。
【0068】
しかし、
図6では、スイッチ108は、
図5のデバイス300のようにビーム結合器308とビーム遅延ユニット110の間にはなく、主パルスシードレーザ308とビーム結合器306の間に位置する。従って、
図6のデバイス400の作動は、
図5のデバイス300とは僅かに異なる。デバイス400の1つの作動方法では、プレパルスシードレーザからのレーザパルスを発生させて液滴に向ける。スイッチ108は、主パルスシードレーザを「プレパルス」反射、すなわち、液滴からのプレパルスの反射から保護するために初めは閉状態である。
【0069】
上述したように、プレパルス持続時間及びスイッチ108から液滴までの経路の長さに関連する予め決められた期間の後に、スイッチ108は、主パルスシードレーザからのレーザパルスが通過することを可能にするために開状態とすることができる。スイッチ108は、その後に、液滴からの「主パルス」反射を阻止するために閉状態である。その後に、この処理は、別のターゲット材料液滴を照射するために繰り返すことができる。ビーム結合器306及び光アイソレ−タ202の効果を調節することにより、液滴からの反射は、ビーム経路304上に更に反射されてプレパルスシードレーザ302に戻るのが防止される。
【0070】
図7は、プレパルスシードレーザと、主パルスシードレーザと、シード保護ユニットとを有するレーザ源500の別の実施形態を示している。この実施形態において、デバイス500は、共通ビーム経路106上へビーム結合器306によって反射される光出力をビーム経路304上に生成するプレパルスシードレーザ302と、共通ビーム経路106上へビーム結合器306を通過する光出力を生成する主パルスシードレーザ308とを含む。同様に、共通ビーム経路106上にある状態で、主パルスシード光出力は、ビーム遅延ユニット110、光アイソレ−タ202、増幅器112、ビーム調整ユニット114を通過し、その後に、照射部位116でターゲット材料と相互作用する。
【0071】
この実施形態において、それぞれのシードレーザとビーム結合器306の間に位置する2つのスイッチ108a及び108bがある。プレパルスシードレーザ302の出力は、ビーム結合器306によって共通ビーム経路106上へ向けられる前にスイッチ108bを通過し、一方、主パルスシードレーザ308の出力は、共通ビーム経路106上へビーム結合器306を通過する前にスイッチ108aを通過する。
【0072】
デバイス500の1つの作動方法では、スイッチ108aは、初めは閉状態である。プレパルスシードレーザ302からのレーザパルスは、生成されて開状態のスイッチ108bを通過し、共通ビーム経路106上にビーム結合器306によって反射されて液滴に向けられる。その後に、スイッチ108bは、プレパルスシードレーザを液滴からの「プレパルス」及び「主パルス」反射の両方から保護するために閉状態である。プレパルス持続時間及びスイッチ108aから液滴までの経路の長さに関連する予め決められた期間の後に、スイッチ108aは、主パルスシードレーザからのレーザパルスがスイッチを通過することを可能にするために開状態とすることができ、その後に、液滴からの「主パルス」反射を阻止するために閉状態である。その後に、この処理は、別のターゲット材料液滴を照射するために繰り返すことができる。一部の実施形態において、スイッチ108aは、「プレパルス」反射がまだビーム結合器306に到達している間に主パルスからのレーザパルスを通過させるために開状態とすることができる。例えば、プレパルスと主パルスの間の望ましい遅延は、スイッチ108aがプレパルス反射中に開状態であるようなものとすることができる。
【0073】
一部の場合に、ビーム結合器306は、入射光の50パーセントよりも大きい量を反射し、入射光の50パーセント未満を透過する部分反射器でとすることができる。例えば、ビーム結合器306が90パーセント反射器である場合に、光アイソレ−タ202を通して漏れるあらゆる光の90パーセントは、閉状態のスイッチ108bに到達することになり、僅か約10パーセントが、主パルスシードレーザに到達することになると考えられる。上述したように、一実施形態において、プレパルスと主パルスの間の約1000nsの遅延は、約100nsのプレパルス持続時間及び約100nsの主パルス持続時間に適切であると考えられる。
【0074】
図8は、本明細書に説明するようなシードレーザを保護する方法の一実施形態の流れ図である。段階801で、レーザパルスは、例えば、シードレーザによって発生される。(上述したように、「ビーム」は、各々が同じ段階を受ける一連のパルスである。)段階802で、その後に、ビーム経路上に照射部位に向けてパルスを偏向させる、「オン」又は偏向モードで作動する1つ又はそれよりも多くのブラッグAOMにパルスを通過させる。上述したように、望ましいビーム経路は、ブラッグAOMによって偏向を考慮に入れることになる。
【0075】
パルスがブラッグAOMによってビーム経路上に偏向された状態で、段階803で、ブラッグAOMを偏向モードから透過モードに切り換え、すなわち、ブラッグAOMへの電力が除去される。その後に、段階804で、上述したように、パルスをビーム遅延ユニット、光アイソレ−タ、増幅器、ビーム調整ユニットのようなあらゆる他の望ましい光学構成要素を通過させることができる。段階803及び804は、ブラッグAOMがモードを切り換える間にパルスがビーム経路に沿って先に進むことになるので、少なくとも部分的に同時におこる可能性が高いことになる。
【0076】
上述したように、パルスが照射部位に到達して戻るのに掛かる時間が十分に長い限り、照射部位から反射したいずれかの光がブラッグAOMに戻る前に、ブラッグAOMは、段階805で、反射光を偏向させずにブラッグAOMを通して直線的に透過させるように偏向モードから透過モードに切り換わることができる。ブラッグAOMが偏向モードであった時にシードレーザからの光が以前にビーム経路上に偏向されているので、反射光は、再び同じ経路に沿ってシードレーザに至ったりはせず、従って、このような反射がシードレーザに到達してその損傷を引き起こす可能性を防止する。ここでもまた、反射光は、必要に応じてビームダンプに入ることができる。
【0077】
開示する方法及び装置をいくつかの実施形態を参照して先に説明した。他の実施形態も、この開示に照らせば当業者には明らかであろう。説明した方法及び装置のある一定の態様は、上述の実施形態に説明したもの以外の構成を使用して又は上述したもの以外の要素と共に容易に実施することができる。例えば、本明細書に説明するものよりも恐らくより複雑な異なるアルゴリズム及び/又は論理回路、及び潜在的に異なるタイプの駆動レーザ及び/又はフォーカスレンズを使用することができる。
【0078】
本明細書で使用する時の用語「光学構成要素」及びその派生語は、以下に限定されるものではないが、入射光を反射及び/又は透過し、及び/又は入射光で作動する構成要素であり、かつ以下に限定されるものではないが、1つ又はそれよりも多くのレンズ、窓、フィルタ、楔、プリズム、グリズム、グレーディング、透過ファイバ、エタロン、拡散器、ホモジナイザー、検出器及び他の計器構成要素、絞り、アキシコン、及び多層ミラー、近垂直入射ミラー、斜入射ミラー、ミラー面反射器、拡散反射器、及びその組合せを含むミラーを含むことに注意されたい。更に、特に断らない限り、本明細書で使用する時の「光学系」、「光学構成要素」という用語もその派生語も、EUV出力光波長、照射レーザ波長、測定に適する波長、又は何らかの他の特定の波長のような1つ又はそれよりも多くの特定の波長範囲で単独で又は有利に作動する構成要素に限定されるように意図していない。
【0079】
本明細書に説明するように、様々な変形が可能である。図に示す2つのシードレーザではなく、一部の場合に、単一シードレーザを使用することができる。共通のスイッチは、2つのシードレーザを保護することができ、又はシードレーザの一方又は両方が、保護のために固有のスイッチを有することができる。単一ブラッグAOMをいくつかの例において使用することができ、又は必要に応じて2つよりも多いブラッグAOMを使用して単一シードレーザを保護することができる。
【0080】
説明した方法及び装置は、処理、装置、又はシステムとしてを含む多くの方法に実施することができることも認めなければならない。本明細書に説明する方法は、プロセッサにそのような方法を実行するように命令するプログラム命令によって実施することができ、そのような命令は、ハードディスクドライブ、フロッピーディスク、コンパクトディスク(CD)又はデジタル多用途ディスク(DVD)のような光ディスク,フラッシュメモリのようなコンピュータ可読ストレージ媒体上に、又はプログラム命令が光学又は電子通信リンク上で送られるコンピュータネットワーク上に記録される。このようなプログラム命令は、プロセッサ又はコントローラの手段によって実行することができ、又はこれに代えて固定された論理要素に組み込むことができる。本明細書に説明した方法の段階の順序は変更することができ、かつ依然として本発明の開示の範囲内であることに注意しなければならない。
【0081】
実施形態に対する上記及び他の変形は、添付の特許請求の範囲だけによって限定される本発明の開示によって網羅されるように意図している。