(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6843076
(24)【登録日】2021年2月25日
(45)【発行日】2021年3月17日
(54)【発明の名称】RORガンマ(RORγ)モジュレーター
(51)【国際特許分類】
C07D 213/75 20060101AFI20210308BHJP
C07D 233/61 20060101ALI20210308BHJP
A61P 1/00 20060101ALI20210308BHJP
A61P 37/02 20060101ALI20210308BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20210308BHJP
A61K 31/167 20060101ALI20210308BHJP
A61K 31/417 20060101ALI20210308BHJP
C07D 231/12 20060101ALI20210308BHJP
A61K 31/415 20060101ALI20210308BHJP
C07D 277/46 20060101ALI20210308BHJP
C07D 277/54 20060101ALI20210308BHJP
A61K 31/426 20060101ALI20210308BHJP
C07D 413/12 20060101ALI20210308BHJP
A61K 31/4439 20060101ALI20210308BHJP
C07D 333/36 20060101ALI20210308BHJP
A61K 31/381 20060101ALI20210308BHJP
C07D 409/04 20060101ALI20210308BHJP
A61K 31/4436 20060101ALI20210308BHJP
A61K 31/4418 20060101ALI20210308BHJP
C07D 263/32 20060101ALI20210308BHJP
A61K 31/421 20060101ALI20210308BHJP
C07D 249/08 20060101ALI20210308BHJP
A61K 31/4196 20060101ALI20210308BHJP
C07D 271/06 20060101ALI20210308BHJP
A61K 31/4245 20060101ALI20210308BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20210308BHJP
A61K 31/277 20060101ALI20210308BHJP
C07C 317/44 20060101ALI20210308BHJP
C07D 277/44 20060101ALN20210308BHJP
C07D 417/12 20060101ALN20210308BHJP
C07D 213/74 20060101ALN20210308BHJP
C07C 311/20 20060101ALN20210308BHJP
【FI】
C07D213/75
C07D233/61 101
A61P1/00
A61P37/02
A61K45/00
A61K31/167
A61K31/417
C07D231/12 ECSP
A61K31/415
C07D277/46
C07D277/54
A61K31/426
C07D413/12
A61K31/4439
C07D333/36
A61K31/381
C07D409/04
A61K31/4436
A61K31/4418
C07D263/32
A61K31/421
C07D249/08 528
A61K31/4196
C07D271/06
A61K31/4245
A61P43/00 111
A61K31/277
C07C317/44
!C07D277/44
!C07D417/12
!C07D213/74
!C07C311/20
【請求項の数】20
【全頁数】38
(21)【出願番号】特願2017-563106(P2017-563106)
(86)(22)【出願日】2016年6月3日
(65)【公表番号】特表2018-518481(P2018-518481A)
(43)【公表日】2018年7月12日
(86)【国際出願番号】EP2016062712
(87)【国際公開番号】WO2016193470
(87)【国際公開日】20161208
【審査請求日】2019年5月29日
(31)【優先権主張番号】15170764.3
(32)【優先日】2015年6月5日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】517419629
【氏名又は名称】リード ファーマ ホールディング ビー.ブイ.
(73)【特許権者】
【識別番号】504456798
【氏名又は名称】サノフイ
【氏名又は名称原語表記】SANOFI
(74)【代理人】
【識別番号】100085545
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 光夫
(74)【代理人】
【識別番号】100118599
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 博司
(72)【発明者】
【氏名】カルス,ジョゼフ マリア ゲラルダス バーバラ
(72)【発明者】
【氏名】デ キンペ,ベラ
(72)【発明者】
【氏名】ナブールス,サンダー ベルナルダス
(72)【発明者】
【氏名】カディカモ,コシモ ダミアーノ
(72)【発明者】
【氏名】レマーズ,ヤープ ジェラルダス ヘンリクス
【審査官】
三木 寛
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2013/178362(WO,A1)
【文献】
国際公開第2012/100734(WO,A1)
【文献】
国際公開第2013/029338(WO,A1)
【文献】
国際公開第2013/171729(WO,A1)
【文献】
国際公開第2014/125426(WO,A1)
【文献】
国際公開第2014/179564(WO,A1)
【文献】
ACS Medicinal Chemistry Letters,2015年,Vol.6(7),p.787-792
【文献】
Bioorganic & Medicinal Chemistry,2014年,Vol.22(2),p.692-702
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 213/75
C07C 317/44
C07D 231/12
C07D 233/61
C07D 249/08
C07D 263/32
C07D 271/06
C07D 277/46
C07D 277/54
C07D 333/36
C07D 409/04
C07D 413/12
C07C 311/20
C07D 213/74
C07D 277/44
C07D 417/12
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iに従う化合物又はその医薬的に許容される塩、
ここで、
A
1は、NR
1又はC
HR
1であり、R
1はH又はメチルであり、
該メチル
の炭素原子にそれぞれ結合している1以上の水素原子は、存在するならば、任意的に1以上のFで置換されていてもよい;
シクロプロピル部分
の炭素原子にそれぞれ結合している1以上の水素原子は任意的に
、1以上のメチル及び1以上のFで置換されていてもよい;
A
2〜A
5はそれぞれ、N又はCR
2〜CR
5のいずれかであり、ただしA
2〜A
5の4つ
のうちの2つ以下が同時にNであり得る;
R
2〜R
5は、独立にH、ハロゲン、アミノ、C(1〜3)アルコキシ、(ジ)C(1〜3)アルキルアミノ又はC(1〜6)アルキルである;
R
6及びR
7は、独立にH、F、メチル、エチル、ヒドロキシル又はメトキシであり、又は
R6と
R7が一緒になってカルボニルであり
、該アルキル基は、存在するならば、
該アルキル基の炭素原子にそれぞれ結合している1以上の水素原子が任意的に
、1以上のFで置換されていてもよい;
R
8は、H又はC(1〜6)アルキルである;
R
9は、式II、III、IV及びVからなる群から選択される、
式II中、
A
10〜A
13はそれぞれ、N又はCR
10〜CR
13のいずれかであり、ただしA
10〜A
13の4つの
うちの2つ以下が同時にNであり得る、
R
10〜R
13は、独立にH、ハロゲン、アミノ、C(1〜3)アルコキシ、(ジ)C(1〜3)アルキルアミノ又はC(1〜6)アルキルである、
及び
X
14は、C(6〜10)アリール又はC(1〜9)ヘテロアリールであり、
それらの炭素原子
にそれぞれ結合している1以上の水素原子は任意的に
、ハロゲン、アミノ、シアノ、C(1〜3)アルコキシ、(ジ)C(1〜3)アルキルアミノ又はC(1〜3)アルキルで置換されていてもよい、
式III中、
A
20〜A
27はそれぞれ、N又はCR
20〜CR
27のいずれかであり、ただしA
20〜A
22の3つの
うちの2つ以下が同時にNであり得、A
23〜A
27の5つの
うちの3以下が同時にNであり得る、
R
20〜R
22は、独立にH、ハロゲン、アミノ、C(1〜3)アルコキシ、(ジ)C(1〜3)アルキルアミノ又はC(1〜6)アルキルである、
R
23〜R
27は、独立にH、ハロゲン、アミノ、シアノ、C(1〜3)アルコキシ、(ジ)C(1〜3)アルキルアミノ又はC(1〜3)アルキルである、
及び
X
28は、C(6〜10)アリール又はC(1〜9)ヘテロアリールであり
、それらの炭素原子
にそれぞれ結合している1以上の水素原子は任意的に
、ハロゲン、アミノ、シアノ、C(1〜3)アルコキシ、(ジ)C(1〜3)アルキルアミノ又はC(1〜3)アルキルで置換されていてもよい、
式IVおよびV中、
A
30は、N又はCであり、
A
31は、O、カルボニル、NR
31又はC
HR
32であり、
R
31は、H又はC(1〜6)アルキルであり、
R
32は、H、OH又はC(1〜3)アルキルであり、
該アルキル基
の炭素原子にそれぞれ結合している1以上の水素原子は任意的に
、1以上のF又はOHで置換されていてもよい、
A
33〜A
42はそれぞれ、N又はCR
33〜CR
42のいずれかであり、ただしA
33〜A
37の5つの
うちの3つ以下が同時にNであり得、A
38〜A
42の5つの
うちの3つ以下が同時にNであり得る、
及び
R
33〜R
42は、独立にH、ハロゲン、アミノ、シアノ、C(1〜3)アルコキシ、(ジ)C(1〜3)アルキルアミノ又はC(1〜3)アルキルであ
り、
ここで、 i)語「C(1〜9)ヘテロアリール」は、1〜9個の炭素原子及び1〜4個のヘテロ原子を有する芳香族基を意味し、該基は、可能ならば窒素原子を介して、又は炭素原子を介して結合されていてもよく、該基において、炭素原子にそれぞれ結合している1以上の水素原子は任意的に、1以上のハロゲン原子又はメチル基で置換されていてもよい;及び、
ii)語「ヘテロ原子」は、窒素原子、硫黄原子又は酸素原子を意味する。
【請求項2】
A1がCHR1である、請求項1に記載の化合物又はその医薬的に許容される塩。
【請求項3】
A1がNR1である、請求項1に記載の化合物又はその医薬的に許容される塩。
【請求項4】
R1が水素である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物又はその医薬的に許容される塩。
【請求項5】
R6及びR7が両方ともHである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物又はその医薬的に許容される塩。
【請求項6】
R8がHである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物又はその医薬的に許容される塩。
【請求項7】
A2〜A5がそれぞれCR2〜CR5であり、R2〜R5が全てHである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物又はその医薬的に許容される塩。
【請求項8】
R9が式IIに従う、請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物又はその医薬的に許容される塩、ここで、
A10〜A13はそれぞれ、N又はCR10〜CR13のいずれかであり、ただしA10〜A13の4つのうちの2つ以下が同時にNであり得、
R10〜R13は、独立にH、アミノ、ハロゲン、C(1〜3)アルコキシ、(ジ)C(1〜3)アルキルアミノ又はC(1〜6)アルキルであり、
X14はC(6)アリール又はC(1〜5)ヘテロアリールであり、それらの炭素原子にそれぞれ結合している1以上の水素原子は任意的に、ハロゲン、シアノ、C(1〜3)アルコキシ、(ジ)C(1〜3)アルキルアミノ又はC(1〜3)アルキルで置換されていてもよく、
ここで、
語「C(1〜5)ヘテロアリール」は、1〜5個の炭素原子及び1〜4個のヘテロ原子を有する芳香族基を意味し、該基は、可能ならば窒素原子を介して、又は炭素原子を介して結合されていてもよく、該基において、炭素原子にそれぞれ結合している1以上の水素原子は任意的に、1以上のハロゲン原子又はメチル基で置換されていてもよい。
【請求項9】
R9が式IIIに従う、請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物又はその医薬的に許容される塩、ここで、
A20〜A27はそれぞれ、N又はCR20〜CR273のいずれかであり、ただしA20〜A22の3つのうちの2つ以下が同時にNであり得、A23〜A27の5つのうちの3つ以下が同時にNであり得る、
R20〜R22は、独立にH、ハロゲン、アミノ、C(1〜3)アルコキシ、(ジ)C(1〜3)アルキルアミノ又はC(1〜6)アルキルであり、
R23〜R27は、独立にH、ハロゲン、シアノ、アミノ、C(1〜3)アルコキシ、(ジ)C(1〜3)アルキルアミノ又はC(1〜3)アルキルであり、
X28は、C(6)アリール又はC(1〜5)ヘテロアリールであり、それらの炭素原子にそれぞれ結合している1以上の水素原子は任意的に、ハロゲン、シアノ、C(1〜3)アルコキシ、(ジ)C(1〜3)アルキルアミノ又はC(1〜3)アルキルで置換されていてもよく、
ここで、
語「C(1〜5)ヘテロアリール」は、1〜5個の炭素原子及び1〜4個のヘテロ原子を有する芳香族基を意味し、該基は、可能ならば窒素原子を介して、又は炭素原子を介して結合されていてもよく、該基において、炭素原子にそれぞれ結合している1以上の水素原子は任意的に、1以上のハロゲン原子又はメチル基で置換されていてもよい。
【請求項10】
R9が式IV又はVに従う、請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物又はその医薬的に許容される塩、ここで、
A30は、N又はCである、
A31は、O、カルボニル、NR31又はCHR32である、
R31は、H又はC(1〜6)アルキルである、
R32は、H、OH又はC(1〜6)アルキルであり、該アルキル基の炭素原子にそれぞれ結合している1以上の水素原子は任意的に、1以上のF又はOHで置換されていてもよい、
A33〜A42はそれぞれ、N又はCR33〜CR42のいずれかであり、ただしA33〜A37の5つのうちの3つ以下が同時にNであり得、A38〜A42の5つのうちの3つ以下が同時にNであり得る、
R33〜R42は、独立にH、ハロゲン、シアノ、C(1〜3)アルコキシ、(ジ)C(1〜3)アルキルアミノ又はC(1〜3)アルキルである。
【請求項11】
下記群から選択される、請求項1に記載の化合物又はその医薬的に許容される塩、
2-(4-シクロプロピルメタンスルホニルフェニル)-N-(3-フェノキシ-4-フェニルフェニル)アセトアミド;
2-(4-シクロプロピルメタンスルホニルフェニル)-N-[4-(3-フルオロフェニル)-3-(3-メトキシフェノキシ)フェニル]アセトアミド.;
2-(4-シクロプロピルメタンスルホニルフェニル)-N-[3-(3-メトキシフェノキシ)-4-(4-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)フェニル]アセトアミド;
N-[3-(3-クロロフェノキシ)-4-(3-フルオロフェニル)フェニル]-2-(4-シクロプロピルメタンスルホニルフェニル)アセトアミド;
N-[3-(3-クロロフェノキシ)-4-(3,4-ジフルオロフェニル)フェニル]-2-(4-シクロプロピルメタンスルホニルフェニル)アセトアミド;
N-[3-(3-シアノフェノキシ)-4-(3,4-ジフルオロフェニル)フェニル]-2-(4-シクロプロピルメタンスルホニルフェニル)アセトアミド;
2-(4-シクロプロピルメタンスルホニルフェニル)-N-[3-(3-メトキシフェノキシ)-4-(5-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)フェニル]アセトアミド;
N-[3-(3-クロロフェノキシ)-4-(3,5-ジフルオロフェニル)フェニル]-2-(4-シクロプロピルメタンスルホニルフェニル)アセトアミド;
N-[4-(4-シアノフェニル)-3-(3-フルオロフェノキシ)フェニル]-2-(4-シクロプロピルメタンスルホニルフェニル)アセトアミド;
N-[3-(3-クロロフェノキシ)-4-(3-シアノフェニル)フェニル]-2-(4-シクロプロピルメタンスルホニルフェニル)アセトアミド;
2-(4-シクロプロピルメタンスルホニルフェニル)-N-[4-(3-フルオロフェニル)-3-[3-(トリフルオロメチル)フェノキシ]フェニル]アセトアミド;
2-(4-シクロプロピルメタンスルホニルフェニル)-N-[3-(3-フルオロフェノキシ)-4-(4-フルオロフェニル)フェニル]アセトアミド;
2-(4-シクロプロピルメタンスルホニルフェニル)-N-[3-(3,5-ジフルオロフェノキシ)-4-(3-フルオロフェニル)フェニル]アセトアミド;
2-[4-(シクロプロピルスルファモイル)フェニル]-N-[3-(3-メトキシフェノキシ)-4-(4-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)フェニル]アセトアミド;
2-[4-(シクロプロピルスルファモイル)フェニル]-N-[3-(3-メトキシフェノキシ)-4-(5-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)フェニル]アセトアミド;
2-[4-(シクロプロピルスルファモイル)フェニル]-N-[4-(3-フルオロフェニル)-3-(3-メトキシフェノキシ)フェニル]アセトアミド;
N-[3-(3-クロロフェノキシ)-4-(3-フルオロフェニル)フェニル]-2-[4-(シクロプロピルスルファモイル)フェニル]アセトアミド;
N-[3-(3-クロロフェノキシ)-4-(3,4-ジフルオロフェニル)フェニル]-2-[4-(シクロプロピルスルファモイル)フェニル]アセトアミド;
2-[4-(シクロプロピルスルファモイル)フェニル]-N-[4-(3-フルオロフェニル)-3-[3-(トリフルオロメチル)フェノキシ]フェニル]アセトアミド;
2-(4-シクロプロピルメタンスルホニルフェニル)-N-(5-フェノキシ-4-フェニル-1,3-チアゾール-2-イル)アセトアミド;
2-(4-シクロプロピルメタンスルホニルフェニル)-N-[4-フェニル-5-(ピリジン-3-イルオキシ)-1,3-チアゾール-2-イル]アセトアミド;
N-(5-ベンゾイル-4-フェニル-1,3-チアゾール-2-イル)-2-(4-シクロプロピルメタンスルホニルフェニル)アセトアミド;
N-[5-(4-クロロベンゾイル)-4-(3-クロロフェニル)-1,3-チアゾール-2-イル]-2-(4-シクロプロピルメタンスルホニルフェニル)アセトアミド;
2-(4-シクロプロピルメタンスルホニルフェニル)-N-(4-フェニルチオフェン-2-イル)アセトアミド;
2-(4-シクロプロピルメタンスルホニルフェニル)-N-[4-(ピリジン-3-イル)チオフェン-2-イル]アセトアミド;
N-(5-ベンゾイル-4-フェニル-1,3-チアゾール-2-イル)-2-[4-(シクロプロピルスルファモイル)フェニル]アセトアミド;
N-(5-ベンゾイル-4-フェニルチオフェン-2-イル)-2-(4-シクロプロピルメタンスルホニルフェニル)アセトアミド;
N-{3-クロロ-4-[2-(トリフルオロメトキシ)フェニル]フェニル}-2-(4-シクロプロピルメタンスルホニルフェニル)アセトアミド;
2-(4-シクロプロピルメタンスルホニルフェニル)-N-{3-メチル-4-[2-(トリフルオロメトキシ)フェニル]フェニル}アセトアミド;
2-(4-シクロプロピルメタンスルホニルフェニル)-N-{3,5-ジクロロ-4-[2-(トリフルオロメトキシ)フェニル]フェニル}アセトアミド;
2-(4-シクロプロピルメタンスルホニルフェニル)-N-{4-メチル-5-[2-(トリフルオロメトキシ)フェニル]ピリジン-2-イル}アセトアミド;
2-(4-シクロプロピルメタンスルホニルフェニル)-N-{6-メチル-5-[2-(トリフルオロメトキシ)フェニル]ピリジン-2-イル}アセトアミド;
N-{3-クロロ-4-[2-(トリフルオロメトキシ)フェニル]フェニル}-2-[4-(シクロプロピルスルファモイル)フェニル]アセトアミド;
2-[4-(シクロプロピルスルファモイル)フェニル]-N-{6-メチル-5-[2-(トリフルオロメトキシ)フェニル]ピリジン-2-イル}アセトアミド;
2-[4-(シクロプロピルスルファモイル)フェニル]-N-{4-メチル-5-[2-(トリフルオロメトキシ)フェニル]ピリジン-2-イル}アセトアミド;
2-[4-(シクロプロピルスルファモイル)フェニル]-N-{3-メチル-4-[2-(トリフルオロメトキシ)フェニル]フェニル}アセトアミド;
2-(4-シクロプロピルメタンスルホニルフェニル)-N-{4,6-ジメチル-5-[2-(トリフルオロメトキシ)フェニル]ピリジン-2-イル}アセトアミド;
2-(4-シクロプロピルメタンスルホニルフェニル)-N-[4-(4-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)フェニル]アセトアミド;
2-(4-シクロプロピルメタンスルホニルフェニル)-N-[4-(5-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)フェニル]アセトアミド;
2-(4-シクロプロピルメタンスルホニルフェニル)-N-[4-(3-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)フェニル]アセトアミド;
2-(4-シクロプロピルメタンスルホニルフェニル)-N-[4-(5-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)フェニル]アセトアミド;
2-(4-シクロプロピルメタンスルホニルフェニル)-N-[4-(4-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)フェニル]アセトアミド;
2-(4-シクロプロピルメタンスルホニルフェニル)-N-[4-(1,3-オキサゾール-5-イル)フェニル]アセトアミド;
2-(4-シクロプロピルメタンスルホニルフェニル)-N-[4-(1H-ピラゾール-1-イル)フェニル]アセトアミド;
2-(4-シクロプロピルメタンスルホニルフェニル)-N-[4-(1H-イミダゾール-1-イル)フェニル]アセトアミド;
2-(4-シクロプロピルメタンスルホニルフェニル)-N-[4-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)フェニル]アセトアミド;及び
2-(4-シクロプロピルメタンスルホニルフェニル)-N-[4-(1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)フェニル]アセトアミド。
【請求項12】
治療での使用のための、請求項1〜11のいずれか1項に記載の化合物又はその医薬的に許容される塩。
【請求項13】
RORγ媒介性の疾病又は症状の処置のための、請求項1〜11のいずれか1項に記載の化合物又はその医薬的に許容される塩。
【請求項14】
RORγ媒介性の自己免疫疾患、RORγ媒介性の炎症疾患、又はRORγ媒介性の感染疾患の処置のための、請求項1〜11のいずれか1項に記載の化合物又はその医薬的に許容される塩。
【請求項15】
関節リウマチ、乾癬、炎症性腸疾患、クローン病及び多発性硬化症の処置のための、請求項1〜11のいずれか1項に記載の化合物又はその医薬的に許容される塩。
【請求項16】
変形性関節症及び喘息の処置のための、請求項1〜11のいずれか1項に記載の化合物又はその医薬的に許容される塩。
【請求項17】
粘膜リーシュマニア症の処置のための、請求項1〜11のいずれか1項に記載の化合物又はその医薬的に許容される塩。
【請求項18】
川崎病及び橋本甲状腺炎の処置のための、請求項1〜11のいずれか1項に記載の化合物又はその医薬的に許容される塩。
【請求項19】
請求項1〜11のいずれか1項に記載の式Iの化合物又はその医薬的に許容される塩と1以上の医薬的に許容される賦形剤とを含む医薬組成物。
【請求項20】
少なくとも1つの追加の治療的に活性な剤をさらに含む、請求項19に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
レチノイン酸受容体関連オーファン受容体γt(RORγt)は、T
H17細胞の成長の主要な調節因子として作用するが、T
H17でないIL−17産生細胞、例えばγδ T−細胞における重要な成分としても作用する。ROR遺伝子ファミリーは、核内ホルモン受容体スーパーファミリーの一部であり、3のメンバー(RORα、RORβ及びRORγ)から成る。各遺伝子は、第一にN−末端配列が異なる、種々のアイソフォームで発現される。RORγの2のアイソフォーム、すなわちRORγ1及びRORγ2(RORγtとしても知られる)が同定されている。用語RORγは、本明細書では、RORγ1及び/又はRORγ2の両方を記載するために使用される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
本発明は、RORγのモジュレーター、それを含む医薬組成物、及び上記化合物をRORγ媒介性の疾病又は症状、特に自己免疫疾患及び炎症疾患の処置に使用する方法に関する。
【0003】
本発明は、2-(4-シクロプロピルメタンスルホニルフェニル)アセトアミド又は2-(4-シクロプロピルスルファモイルフェニル)アセトアミドサブ構造を含有する新規のRORγモジュレーター化合物を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、式Iに従う化合物又はその医薬的に許容される塩に関する。
【0005】
【0006】
式I中、
A
1は、NR
1又はC
HR
1であり、R
1はH又はメチルであり、
該メチル
の炭素原子にそれぞれ結合している1以上の水素原子は、存在するならば、任意的に1以上のFで置換されていてもよい;
シクロプロピル部分
の炭素原子にそれぞれ結合している1以上の水素原子は任意的に
、1以上のメチル及び1以上のFで置換されていてもよい;
A
2〜A
5はそれぞれ、N又はCR
2〜CR
5のいずれかであり、ただしA
2〜A
5の4つの
うちの2つ以下が同時にNであり得る;
R
2〜R
5は、独立にH、ハロゲン、アミノ、C(1〜3)アルコキシ、(ジ)C(1〜3)アルキルアミノ又はC(1〜6)アルキルである;
R
6及びR
7は、独立にH、F、メチル、エチル、ヒドロキシル又はメトキシであり、
R6と
R7が一緒になってカルボニルであり
、該アルキル基は、存在するならば、
該アルキル基の炭素原子にそれぞれ結合している1以上の水素原子が任意的に
、1以上のFで置換されていてもよい;
R
8は、H又はC(1〜6)アルキルである;
R
9は、式II、III、IV及びVからなる群から選択される、
【0007】
【0008】
式II中、
A
10〜A
13はそれぞれ、N又はCR
10〜CR
13のいずれかであり、ただしA
10〜A
13の4つの
うちの2つ以下が同時にNであり得る、
R
10〜R
13は、独立にH、ハロゲン、アミノ、C(1〜3)アルコキシ、(ジ)C(1〜3)アルキルアミノ又はC(1〜6)アルキルである、
及び
X
14は、C(6〜10)アリール又はC(1〜9)ヘテロアリールであり、
それらの炭素原子
にそれぞれ結合している1以上の水素原子は任意的に
、ハロゲン、アミノ、シアノ、C(1〜3)アルコキシ、(ジ)C(1〜3)アルキルアミノ又はC(1〜3)アルキルで置換されていてもよい、
【0009】
【0010】
式III中、
A
20〜A
27はそれぞれ、N又はCR
20〜CR
27のいずれかであり、ただしA
20〜A
22の3つの
うちの2つ以下が同時にNであり得、A
23〜A
27の5つの
うちの3以下が同時にNであり得る、
R
20〜R
22は、独立にH、ハロゲン、アミノ、C(1〜3)アルコキシ、(ジ)C(1〜3)アルキルアミノ又はC(1〜6)アルキルである、
R
23〜R
27は、独立にH、ハロゲン、アミノ、シアノ、C(1〜3)アルコキシ、(ジ)C(1〜3)アルキルアミノ又はC(1〜3)アルキルである、
及び
X
28は、C(6〜10)アリール又はC(1〜9)ヘテロアリールであり
、それらの炭素原子
にそれぞれ結合している1以上の水素原子は任意的に
、ハロゲン、アミノ、シアノ、C(1〜3)アルコキシ、(ジ)C(1〜3)アルキルアミノ又はC(1〜3)アルキルで置換されていてもよい
。
【0011】
【0012】
式IVおよびV中、
A
30は、N又はCであり、
A
31は、O、カルボニル、NR
31又はC
HR
32であり、
R
31は、H又はC(1〜6)アルキルであり、
R
32は、H、OH又はC(1〜3)アルキルであり、
該アルキル基
の炭素原子にそれぞれ結合している1以上の水素原子は任意的に
、1以上のF又はOHで置換されていてもよい、
A
33〜A
42はそれぞれ、N又はCR
33〜CR
42のいずれかであり、ただしA
33〜A
37の5つの
うちの3つ以下が同時にNであり得、A
38〜A
42の5つの
うちの3つ以下が同時にNであり得る、
及び
R
33〜R
42は、独立にH、ハロゲン、アミノ、シアノ、C(1〜3)アルコキシ、(ジ)C(1〜3)アルキルアミノ又はC(1〜3)アルキルである。
【0013】
本明細書において使用される場合に、C(1〜6)アルキルと言う語は、1〜6個の炭素原子を有する分岐された又は分岐されていないアルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル及びn-ヘキシルを意味する。全ての炭素原子は任意的に、1以上のハロゲンで置換されていてもよい。
【0014】
本明細書において使用される場合に、C(1〜3)アルキルと言う語は、1〜3個の炭素原子を有するアルキル基、すなわちメチル、エチル、プロピル又はイソプロピルを意味する。全ての炭素原子は任意的に、1以上のハロゲンで置換されていてもよい。
【0015】
本明細書において使用される場合に、C(1〜2)アルキルと言う語は、1〜2個の炭素原子を有するアルキル基、すなわちメチル又はエチルを意味する。全ての炭素原子は任意的に、1以上のハロゲンで置換されていてもよい。
【0016】
本明細書において使用される場合に、C(6〜10)アリールと言う語は、6〜10個の炭素原子を有する芳香族炭化水素基、例えばフェニル又はナフチルを意味する。好ましい芳香族炭化水素基はフェニルである。全ての炭素原子は任意的に、1以上のハロゲンで置換されていてもよい。
【0017】
本明細書において使用される場合に、C(6)アリールと言う語は、6個の炭素原子を有する芳香族炭化水素基、すなわちフェニルを意味する。全ての炭素原子は任意的に、1以上のハロゲンで置換されていてもよい。
【0018】
本明細書において使用される場合に、ヘテロ原子と言う語は、窒素原子、硫黄原子又は酸素原子を指す。
【0019】
アミノと言う語は、NH
2基を指す。
【0020】
本明細書において使用される場合に、C(1〜9)ヘテロアリールと言う語は、1〜9個の炭素原子及び1〜4個のヘテロ原子を有する芳香族基を意味し、可能ならば窒素原子を介して、又は炭素原子を介して結合され得る。例は、イミダゾリル、チアジアゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、フリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、テトラゾリル及びキノリルを包含する。全ての炭素原子は任意的に、1以上のハロゲン又はメチルで置換されていてもよい。
【0021】
本明細書において使用される場合に、C(1〜5)ヘテロアリールと言う語は、1〜5個の炭素原子及び1〜4個のヘテロ原子を有する芳香族基を意味し、可能ならば窒素原子を介して、又は炭素原子を介して結合され得る。例は、イミダゾリル、チアジアゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、フリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル及びテトラゾリルを包含する。全ての炭素原子は任意的に、1以上のハロゲン又はメチルで置換されていてもよい。
【0022】
本明細書において使用される場合に、シクロプロピルメチルと言う語は、シクロプロピルで置換されたメチル基を意味する。全ての炭素原子は任意的に、1以上のハロゲン又はメチルで置換されていてもよい。
【0023】
本明細書において使用される場合に、(ジ)C(1〜3)アルキルアミノと言う語は、C(1〜3)アルキル基でモノ置換された又はジ置換されたアミノ基を意味し、C(1〜3)アルキル基は、先に定義されたのと同じ意味を有する。
【0024】
C(1〜3)アルコキシと言う語は、1〜3個の炭素原子を有するアルコキシ基を意味し、アルキル部分は、分岐され又は分岐されていない。全ての炭素原子は任意的に、1以上のFで置換されていてもよい。
【0025】
本明細書において使用される場合に、ハロゲンと言う語は、Cl又はFを意味する。
【0026】
多官能基に関する上記定義において、結合点は最後の基にある。
【0027】
置換基の定義において、上記置換基の「アルキル基の全て」が任意的に置換されていてもよいことが示されるとき、これはまた、アルコキシ基のアルキル部分を包含する。
【0028】
用語「置換された」は、指定された1又は複数の原子上の1以上の水素が、示された基から選択されるものによって置き換えられることを意味する。ただし、存在する状況下での上記指定された原子の通常の原子価は超えられず、また、上記置換は、安定な化合物を結果する。置換基及び/又は変数の組合せは、そのような組合せが安定な化合物を結果する場合にのみ許される。「安定な化合物」又は「安定な構造」は、反応混合物から有用な純度への単離及び有効な治療剤への調合に耐えるのに十分強い(robust)化合物又は構造として定義される。
【0029】
用語「任意的に置換されていてもよい」は、特定の基、ラジカル又は部分による任意的な置換を意味する。
【0030】
用語「医薬的に許容される塩」は、医学的判断の範囲内で、ヒト及びそれより下等の動物の組織のために、過度の毒性、刺激、アレルギー反応などを伴わないで接触使用するのに適し、かつ妥当なベネフィット/リスク比に見合う塩を表わす。医薬的に許容される塩は、当該分野において周知である。上記塩は、本発明の化合物の最終の単離及び精製の間に得られ得、又は遊離塩基の官能性を、適切な無機酸、例えば塩酸、リン酸又は硫酸と、あるいは有機酸、例えばアスコルビン酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、マレイン酸、マロン酸、フマル酸、グリコール酸、コハク酸、プロピオン酸、酢酸、メタンスルホン酸などと反応させることにより別個に得られ得る。上記酸の官能性は、有機又は無機塩基、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム又は水酸化リチウムと反応され得る。
【0031】
1つの実施態様において、本発明は、式Iに従う化合物に関し、ここでA
1はC
HR
1である。
【0032】
他の実施態様において、本発明は、式Iに従う化合物に関し、ここでA
1はNR
1である。
【0033】
他の実施態様において、本発明は、式Iに従う化合物に関し、ここでR
1は水素である。
【0034】
他の実施態様において、本発明は、式Iに従う化合物に関し、ここでR
6及びR
7は独立にH、メチル又はヒドロキシルである。
【0035】
さらに他の実施態様において、本発明は、式Iに従う化合物に関し、ここでR
6及びR
7は両方ともHである。
【0036】
本発明はまた、式Iに従う化合物に関し、ここでR
8はH又はC(1〜2)アルキルであり、Hが最も好ましい。
【0037】
本発明はまた、式Iに従う化合物に関し、ここでR
8はHである。
【0038】
さらに他の実施態様において、本発明は、式Iに従う化合物に関し、ここでR
2はメチルであり、かつR
3〜R
5はHである。
【0039】
他の実施態様において、本発明は、式Iに従う化合物に関し、ここでR
2〜R
5はHである。
【0040】
他の実施態様において、本発明は、式Iに従う化合物に関し、ここでA
2〜A
5がそれぞれCR
2〜
CR
5である。
【0041】
さらに他の実施態様において、本発明は、式Iに従う化合物に関し、ここでA
2〜A
5がそれぞれCR
2〜
CR
5であり、R
2〜R
5が全てHである。
【0042】
さらに他の実施態様において、本発明は、式Iに従う化合物に関し、ここでR
9は式IIに従い、
A
10〜A
13はそれぞれ、N又はCR
10〜CR
13のいずれかであり、ただしA
10〜A
13の4つの
うちの2つ以下が同時にNであり得、
R
10〜R
13は
、独立にH、アミノ、ハロゲン、C(1〜3)アルコキシ、(ジ)C(1〜3)アルキルアミノ又はC(1〜6)アルキルであり、
X
14はC(6)アリール又はC(1〜5)ヘテロアリールであり、
それらの炭素原子
にそれぞれ結合している1以上の水素原子は任意的に
、ハロゲン、シアノ、C(1〜3)アルコキシ、(ジ)C(1〜3)アルキルアミノ又はC(1〜3)アルキルで置換されていてもよく、任意的な置換基C(1〜3)アルコキシが好ましい。
【0043】
さらに他の実施態様において、本発明は、式Iに従う化合物に関し、ここでR
9は式IIに従い、A
10〜A
13が全
て炭素である。
【0044】
他の実施態様において、本発明は、式Iに従う化合物に関し、ここでR
9は式IIに従い、A
10は窒素である。
【0045】
他の実施態様において、本発明は、式Iに従う化合物に関し、ここでR
9は式IIに従い、A
11は窒素である。
【0046】
本発明はまた、式Iに従う化合物に関し、ここでR
9は式IIに従い、R
10〜R
13は独立にH、ハロゲン、メチル又はメトキシである。
【0047】
他の実施態様において、本発明は、式Iに従う化合物に関し、ここでR
9は式IIに従い、R
10〜R
13はHである。
【0048】
さらに他の実施態様において、本発明は、式Iに従う化合物に関し、ここで
、R
9は式IIに従い、
X
14はC(6)アリールであり、
その炭素原子
にそれぞれ結合している1以上の水素原子は任意的に
、ハロゲン、シアノ、C(1〜3)アルコキシ、(ジ)C(1〜3)アルキルアミノ又はC(1〜3)アルキルで置換されていてもよい。
【0049】
さらに他の実施態様において、本発明は、式Iに従う化合物に関し、ここで
、R
9は式IIに従い、
X
14はC(1〜5)ヘテロアリールであり、
その炭素原子
にそれぞれ結合している1以上の水素原子は任意的に
、ハロゲン、シアノ、C(1〜3)アルコキシ、(ジ)C(1〜3)アルキルアミノ又はC(1〜3)アルキルで置換されていてもよい。
【0050】
さらに他の実施態様において、本発明は、式Iに従う化合物に関し、ここで
、R
9は式IIに従い、
X
14はC(6)アリール又はC(1〜5)ヘテロアリールであり、
それらの炭素原子
にそれぞれ結合している1以上の水素原子は任意的に
、C(1〜3)アルコキシで置換されていてもよい。
【0051】
さらに他の実施態様において、本発明は、式Iに従う化合物に関し、ここでR
9は式IIに従い、X
14は2-(トリフルオロメトキシ)フェニルである。
【0052】
さらに他の実施態様において、本発明は、式Iに従う化合物に関し、ここで
、
R
9は式IIIに従い、
A
20〜A
27はそれぞれ、N又はCR
20〜CR
27のいずれかであり(ただしA
20〜A
22の3つの
うちの2つ以下が同時にNであり得、A
23〜A
27の5つの
うちの3つ以下が同時にNであり得る)、
R
20〜R
22は
、独立にH、ハロゲン、アミノ、C(1〜3)アルコキシ、(ジ)C(1〜3)アルキルアミノ又はC(1〜6)アルキルであり、
R
23〜R
27は、独立にH、ハロゲン、シアノ、アミノ、C(1〜3)アルコキシ、(ジ)C(1〜3)アルキルアミノ又はC(1〜3)アルキルであり、
X
28は、C(6)アリール又はC(1〜5)ヘテロアリールであり、
それらの炭素原子
にそれぞれ結合している1以上の水素原子は任意的に
、ハロゲン、シアノ、C(1〜3)アルコキシ、(ジ)C(1〜3)アルキルアミノ又はC(1〜3)アルキルで置換されていてもよい。
【0053】
さらに他の実施態様において、本発明は、式Iに従う化合物に関し、ここでR
9は式IIIに従い、A
20〜A
22が全
て炭素である。
【0054】
さらに他の実施態様において、本発明は、式Iに従う化合物に関し、ここでR
9は式IIIに従い、A
20は窒素である。
【0055】
さらに他の実施態様において、本発明は、式Iに従う化合物に関し、ここでR
9は式IIIに従い、A
22は窒素である。
【0056】
さらに他の実施態様において、本発明は、式Iに従う化合物に関し、ここでR
9は式IIIに従い、R
20〜R
22は独立にH、ハロゲン、メチル又はメトキシである。
【0057】
さらに他の実施態様において、本発明は、式Iに従う化合物に関し、ここでR
9は式IIIに従い、R
20〜R
22はHである。
【0058】
他の実施態様において、本発明は、式Iに従う化合物に関し、ここでR
9は式IIIに従い、A
23〜A
27が全
て炭素である。
【0059】
他の実施態様において、本発明は、式Iに従う化合物に関し、ここでR
9は式IIIに従い、R
23、R
25及びR
27はHである。
【0060】
本発明はまた、式Iに従う化合物に関し、ここでR
9は式IIIに従い、R
24及びR
26は独立にH、ハロゲン、シアノ、メトキシ又はメチルである。
【0061】
他の実施態様において、本発明は、式Iに従う化合物に関し、ここで
、
R
9は式IIIに従い、
X
28はC(6)アリールであり、
その炭素原子
にそれぞれ結合している1以上の水素原子は任意的に
、ハロゲン、シアノ、C(1〜3)アルコキシ、(ジ)C(1〜3)アルキルアミノ又はC(1〜3)アルキルで置換されていてもよい。
【0062】
さらに他の実施態様において、本発明は、式Iに従う化合物に関し、ここで
、
R
9は式IIIに従い、
X
28はC(1〜5)ヘテロアリールであり、
その炭素原子
にそれぞれ結合している1以上の水素原子は任意的に
、ハロゲン、シアノ、C(1〜3)アルコキシ、(ジ)C(1〜3)アルキルアミノ又はC(1〜3)アルキルで置換されていてもよい。
【0063】
さらに他の実施態様において、本発明は、式Iに従う化合物に関し、ここでR
9は式IIIに従い、X
28はフェニルである。
【0064】
さらに他の実施態様において、本発明は、式Iに従う化合物に関し、ここでR
9は式IIIに従い、X
28は1H-イミダゾール-1-イル基である。
【0065】
他の実施態様において、本発明は、式Iに従う化合物に関し、ここでR
9は式IIIに従い、X
28は1H-ピラゾール-1-イル基である。
【0066】
さらに他の実施態様において、本発明は、式Iに従う化合物に関し、ここで
、
R
9は式IV又はVに従い、
A
30はN又はCであり、
A
31はO、カルボニル、NR
31又はCR
32であり、
R
31はH又はC(1〜6)アルキルであり、
R
32はH、OH又はC(1〜6)アルキルであり、
該アルキル基
の炭素原子にそれぞれ結合している1以上の水素原子は任意的に
、1以上のF又はOHで置換されていてもよく、
A
33〜A
42はそれぞれN又はCR
33〜CR
42のいずれかであり、ただしA
33〜A
37の5つのうちの3つ以下が同時にNであり得
、A
38〜A
42の
5つのうちの3つ以下が同時にNであり得、
R
33〜R
42は
、独立にH、ハロゲン、シアノ、C(1〜3)アルコキシ、(ジ)C(1〜3)アルキルアミノ又はC(1〜3)アルキルである。
【0067】
本発明はまた、式Iに従う化合物に関し、ここでR
9は式IV又はVに従い、A
30はNである。
【0068】
本発明はまた、式Iに従う化合物に関し、ここでR
9は式IV又はVに従い、A
30はCである。
【0069】
他の実施態様において、本発明は、式Iに従う化合物に関し、ここでR
9は式Vに従い、A
31はカルボニルである。
【0070】
他の実施態様において、本発明は、式Iに従う化合物に関し、ここでR
9は式Vに従い、A
31は酸素である。
【0071】
さらに他の実施態様において、本発明は、式Iに従う化合物に関し、ここでR
9は式Vに従い、A
33〜A
42が全
て炭素である。
【0072】
本発明はまた、上記で定義された本発明の種々の局面におけるA
1〜A
42、R
1〜R
42及び全ての置換基のための全ての特定の定義が、式Iの化合物の定義における任意の組合せにおいて生じる化合物に関する。
【0073】
他の局面において、本発明は、5以上のpIC50を有する式Iの化合物に関する。さらに他の局面では、本発明は、6超のpIC50を有する式Iの化合物に関する。さらに他の局面では、本発明は、7超のpIC50を有する式Iの化合物に関する。さらに他の局面では、本発明は、8超のpIC50を有する式Iの化合物に関する。
【0074】
さらに他の局面では、本発明は、実施例1〜47に記載されたように選択された式Iの化合物にある。
【0075】
式Iの化合物は、塩を形成し得、これも本発明の範囲内である。特に断らない限り、本明細書における式Iの化合物への参照は、その塩への参照を包含すると理解される。
【0076】
式Iの化合物は、不斉中心又はキラル中心を有し得、従って、種々の立体異性体で存在し得る。式Iの化合物の全ての立体異性体及びそれらの混合物、例えばラセミ混合物は、本発明の一部を形成することが意図される。
【0077】
ジアステレオマー混合物は、物理化学的相違に基づいて、当業者に周知の方法、例えばクロマトグラフィー及び/又は分別晶析によって個々のジアステレオマーに分離され得る。エナンチオマーは、エナンチオマー混合物を適切な光学活性化合物(例えば、キラル補助剤、例えばキラルアルコール又はモッシャー酸クロリド)との反応によってジアステレオマー混合物に転化し、ジアステレオマーを分離し、そして個々のジアステレオマーを対応する純粋なエナンチオマーに転化する(例えば、加水分解する)ことにより分離され得る。エナンチオマーはまた、キラルHPLCカラムの使用によって分離され得る。
【0078】
当業者は、所望のIC50値が、試験される化合物に依存することを認めるだろう。例えば、10
−5M未満のIC50値を有する化合物は一般に、医薬選択のための候補として考慮される。好ましくは、この値が10
−6M未満である。しかし、より高いIC50値を有するが特定の受容体に対して選択的である化合物は、より好ましい候補ですらあり得る。
【0079】
本発明の化合物は、RORγ活性を阻害する。RORγ活性の調節は、例えばT
H17分裂条件下で培養されたマウス脾臓細胞又はヒト末梢血単核球(PBMCs:Peripheral blood mononuclearcells)を使用して、例えば生物物理学的(天然)リガンド置換研究、生化学AlphaScreen又はFRETアッセイ、細胞GAL4レポーター遺伝子アッセイ、細胞IL−17プロモーターレポーターアッセイ又は機能的IL−17 ELISAアッセイを使用して測定され得る。
【0080】
そのようなアッセイでは、リガンドとRORγとの相互作用が、例えばコファクター誘導されるペプチドとRORγリガンド結合ドメインとのリガンド調節性相互作用を測定することにより、又はリガンド調節性RORγ媒介性転写の遺伝子産物を例えばルシフェラーゼレポーターアッセイ又はIL−17 ELISAアッセイを使用して測定することにより決定され得る。
【0081】
本発明はまた、一般式Iを有する化合物又はその医薬的に許容される塩を医薬的に許容される賦形剤及び任意的に他の治療的に活性な剤との混合で含む医薬組成物に関する。賦形剤は、上記組成物の他の成分と相容性でありかつその受取人に有害でないという意味で「許容され」なければならない。
【0082】
本発明はさらに、式Iの化合物を1以上の他の薬剤と組み合わせて含む。
【0083】
組成物は、例えば経口、舌下、皮下、静脈内、筋肉内、鼻内、局所又は直腸投与のために適するものを包含し、何れも投与のための単位剤形である。
【0084】
経口投与に関して、活性成分は、分離した単位、例えば錠剤、カプセル、粉末、顆粒、溶液、懸濁物などとして提供され得る。
【0085】
非経口投与に関して、本発明の医薬組成物は、単一投与又はマルチ投与容器で、例えば密封されたバイアル及びアンプルにおける所定量の注射剤で提供され得、また、無菌の液体担体、例えば水を使用前に添加することのみを必要とする凍結乾燥条件で貯蔵され得る。
【0086】
活性剤は、そのような医薬的に許容される賦形剤と混合されて、固体の投与単位、例えばピル、錠剤に圧縮され得、又はカプセル又は座薬に加工され得る。活性剤は、医薬的に許容される液体によって、溶液、懸濁物、エマルジョンの形態の液体組成物、例えば注射剤として、又は噴霧剤、例えば鼻スプレーとして適用され得る。
【0087】
固体の投与単位を作るために、慣用の添加剤、例えばフィラー、着色剤、ポリマー状結合剤などの使用が意図される。一般に、活性化合物の機能を妨害しない任意の医薬的に許容される添加剤が使用され得る。本発明の活性剤が一緒に固体組成物として投与され得るところの適する担体は、ラクトース、デンプン、セルロース誘導体など、又はそれらの混合物を包含し、適する量で使用される。非経口投与に関して、水性懸濁物、等張食塩水及び無菌注射剤が使用され得、医薬的に許容される分散剤及び/又は湿潤剤、例えばプロピレングリコール又はブチレングリコールを含有する。
【0088】
本発明はさらに、上述した医薬組成物を、上記組成物に適する包装材料と組み合わせて含む。上記包装材料は、上記組成物を上述した用途のために使用するための説明書を含む。
【0089】
活性成分又はその医薬組成物の投与の正確な用量及び処方は、特定の化合物、投与方法、及び薬剤が投与されるべき個人の年齢及び症状によって変わり得る。
【0090】
一般に、非経口投与は、吸収により多く依存するところの他の投与法よりも低い用量を必要とする。しかし、ヒトのための用量は、好ましくは体重1kgにつき0.0001〜100mgである。所望の用量が、1つの用量として、又は一日にわたって適する間隔で投与される多数のサブ用量として提供され得る。
【0091】
本発明に従う化合物は、治療において使用され得る。
【0092】
本発明のさらなる局面は、本発明に従う化合物又はその医薬的に許容される塩をRORγ媒介性疾患又はRORγ媒介性症状の処置のために使用する方法にある。
【0093】
本発明の他の局面は、一般式Iを有する化合物又はその医薬的に許容される塩を自己免疫疾患、特に、T
H17の目印サイトカインを発現するT
H17細胞及び非T
H17細胞(non-T
H17 cells)が重要な役割を果たすところの疾患の処置のために使用する方法にある。これらは、関節リウマチ、乾癬、炎症性腸疾患、クローン病及び多発性硬化症の処置を包含するが、これらに限定されない。
【0094】
他の局面では、一般式Iを有する化合物又はその医薬的に許容される塩が、T
H17の目印サイトカインを発現するT
H17細胞及び/又は非T
H17細胞が重要な役割を果たすところの炎症性疾患、例えば、それらに限定されないが、呼吸器疾患、変形性関節症及び喘息の処置に使用され得る。また、一般式Iを有する化合物又はその医薬的に許容される塩が、T
H17の目印サイトカインを発現するT
H17細胞及び/又は非T
H17細胞が重要な役割を果たすところの感染症、例えば、それに限定されないが、粘膜リーシュマニア症の処置に使用され得る。
【0095】
一般式Iを有する化合物又はその医薬的に許容される塩はまた、T
H17の目印サイトカインを発現するT
H17細胞及び/又は非T
H17細胞が重要な役割を果たすところの他の疾患、例えば、それらに限定されないが、川崎病及び橋本甲状腺炎の処置に使用され得る。
【0096】
さらに他の局面では、本発明は、一般式Iを有する化合物を多発性硬化症、炎症性腸疾患、クローン病、乾癬、関節リウマチ、喘息、変形性関節症、川崎病、橋本甲状腺炎、癌及び粘膜リーシュマニア症の処置に使用する方法にある。
【0097】
他の局面では、本発明に従う化合物が、多発性硬化症、炎症性腸疾患、クローン病、乾癬及び関節リウマチ、喘息、変形性関節症、川崎病、橋本甲状腺炎、癌及び粘膜リーシュマニア症を処置又は予防するための治療において使用され得る。
【0098】
他の局面では、本発明に従う化合物が、乾癬を処置又は予防するために使用され得る。
【0099】
さらに他の局面では、本発明に従う化合物が、炎症性腸疾患を処置するために使用され得る。
【0100】
本発明は、下記の実施例によって示される。
【実施例】
【0101】
下記実施例に示されるように、いくつかの典型的な実施態様において、化合物が、下記の一般的手順に従って調製される。一般的方法は、本発明のいくつかの化合物の合成を示すが、下記一般的方法及び当業者に知られている他の方法が、本明細書に記載された全ての化合物ならびにこれらの化合物の各々のサブ群及び種に適用され得ることが理解されるだろう。
【0102】
一般的調製法
本明細書に記載された化合物、例えば一般式A、B及びIの化合物が、下記の反応スキーム及び実施例又はそれらの変形にしたがって、容易に入手可能な出発物質、試薬及び慣用の合成手順を使用して、容易に調製され得る。反応の多くがまた、マイクロ波条件下で、又は慣用の加熱を使用して、又は他の技術、例えば固相試薬/スカベンジャー又はフローケミストリーを使用して行われ得る。これらの反応では、当業者に知られている(しかし、より詳細には言及されない)変形を使用することも可能である。例えば、特定の酸、塩基、試薬、カップリング剤、溶媒などが言及される場合には、他の適する酸、塩基、試薬、カップリング剤、溶媒などが使用され得、そして本発明の範囲に包含されることが理解される。さらに、本発明の化合物を調製する他の方法は、下記の反応スキーム及び実施例を考慮して、当業者に容易に明らかであろう。合成中間体及び最終生成物が潜在的に反応性の官能基、例えば所望の反応を妨害し得るアミノ、ヒドロキシル、チオール及びカルボン酸基を有する場合には、上記中間体の保護された形態を使用することが有利であり得る。保護基の選択、導入及びその後の除去の方法は、当業者に周知である。上記一般的反応順序を使用して得られた化合物は、不十分な純度のものであり得る。上記化合物は、有機化合物の精製法のいずれか、例えば結晶化又はシリカゲルもしくはアルミナカラムクロマトグラフィーを使用して、種々の溶媒を適する比率で使用して精製され得る。全てのあり得る立体異性体は、本発明の範囲内である。下記の記載において、可変のものは、特に断らない限り、上記で示された意味を有する。
【0103】
これらの実験の詳細において使用される略号が下記に記載され、追加の略号は、合成化学の分野の当業者に公知であるものが考慮されるべきである。
【0104】
本明細書で使用される略号は、以下の通りである。
r.t.:室温;HATU:2-(7-アザ-1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート;DMF:ジメチルホルムアミド;DiPEA:ジイソプロピルエチルアミン;DMAP:4-(ジメチルアミノ)ピリジン;DCC:N,N'-ジシクロヘキシルカルボジイミド;mCPBA:3-クロロペルオキシ安息香酸;TFA:トリフルオロ酢酸;TFAA:トリフルオロ酢酸無水物;THF:テトラヒドロフラン;DMSO:ジメチルスルホキシド;PTSA:p-トルエンスルホン酸;PyBOP:(ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ)トリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート;EtOH:エタノール;TLC:薄層クロマトグラフィー;Ph3P:トリフェニルホスフィン;EDCI:1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド;BuLi:n-ブチルリチウム;PdCl
2(dppf):[1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリド
【0105】
化学名は、MarvinSketch version 6.3.0を使用して示された好ましいIUPAC名である。
【0106】
化学化合物が、化学構造および化学名の両方を使用して参照され、そして上記構造と上記名前との間に曖昧さが存在するならば、構造が支配的である。
【0107】
一般的手順
【0108】
【0109】
条件:i)EDCI、DMAP、CH
2Cl
2
【0110】
スキーム1に示されるように、式Iを有する本発明の誘導体は、有機化学の分野において公知の方法によって調製され得る。本発明の化合物は例えば、カップリング剤、例えばEDCI、HATU、DCC又はPyBOPなどを使用して、適する塩基、例えばDiPEA又は触媒、例えばDMAPの存在下で、式Aのフェニル酢酸誘導体(XはOHである)(ここで、R
2、R
3、R
5、R
6、R
7、R
8及びA
1は上述した意味を有する)と式Bのアミン誘導体(ここで、R
8及びR
9は上述した意味を有する)との間のアミドカップリング反応によって得られ得る。
【0111】
あるいは、式Aのフェニル酢酸誘導体(X=OH)が、例えばSOCl
2又は塩化オキサリルを使用して式Aの酸クロリド誘導体(X=Cl)に転化され得る。得られた式Aの酸クロリド誘導体(X
1=Cl)(ここで、R
2、R
3、R
5、R
6、R
7、R
8及びA
1は上述した意味を有する)は、適切な塩基、例えばEt
3Nなどの存在下で式Bのアミン誘導体(ここで、R
8及びR
9は上述した意味を有する)とカップリングされ得る。
【0112】
【0113】
条件:i)H
2SO
4、EtOH、60℃;ii)(ブロモメチル)シクロプロパン、K
2CO
3、CH
3CN、r.t.;iii)mCPBA、CH
2Cl
2、r.t.;iv)2N NaOH、EtOH、r.t.
【0114】
スキーム2は、式Aの2-(4-シクロプロピルメタンスルホニルフェニル)酢酸誘導体
5(ここで、A
1はCH
2であり、A
2、A
3、A
4、A
5、R
6及びR
7は上述した意味を有する)を調製する一般的方法を示す。
【0115】
例えばエタノール中のH
2SO
4を使用する酸性条件下での4-メルカプトフェニル酢酸誘導体
1のエステル化が、4-メルカプトフェニル酢酸エチル誘導体
2を与える。塩基、例えばK
2CO
3の存在下で(ブロモメチル)シクロプロパンを使用する硫黄基のアルキル化が、対応する2-(4-シクロプロピルメタンスルファニルフェニル)酢酸エチル誘導体
3を与える。例えばmCPBAを使用する酸化が、2-(4-シクロプロピルメタンスルホニルフェニル)酢酸エチル誘導体
4を与え、これは、塩基性条件下、例えばエタノール中のNaOH下でのエステル部分の鹸化後に、対応する式Aの誘導体
5を与える。
【0116】
【0117】
条件:i)クロロスルホン酸、CH
2Cl
2、0℃〜r.t.;ii)シクロプロピルアミン、Et
3N、CH
2Cl
2、r.t.;iii)2N NaOH、EtOH、r.t.
【0118】
スキーム3は、式Aの2-[4-(シクロプロピルスルファモイル)フェニル]酢酸誘導体
9(ここで、A
1はNHであり、A
2、A
3、A
4、A
5、R
6及びR
7は上述した意味を有する)を調製する一般的方法を示す。
【0119】
2-フェニル酢酸エチル誘導体
6とクロロスルホン酸との反応が、2-[4-(クロロスルホニル)フェニル]酢酸エチル誘導体
7を与え、これは、シクロプロピルアミンによる求核置換後に、2-[4-(シクロプロピルスルファモイル)フェニル]酢酸エチル誘導体
8を与える。酸性条件下、例えばエタノール中のNaOH下でのエステル部分の鹸化が、対応する式Aの誘導体
9を与える。
【0120】
式Bの化合物のほとんどが市販されており、公知であり、または当業者に公知の方法に従って調製される。
【0121】
【0122】
条件:i)トリフルオロメタンスルホン酸無水物、CH
2Cl
2、ピリジン、DMAP、r.t.;ii)適切なボロン酸、Pd(Ph
3)
4、K
2CO
3、EtOH、水、還流;iii)適切なヘテロアリール、K
2CO
3、DMF、150℃;iv)Cs
2CO
3、適切なフェノール、DMF、110℃;v)亜鉛粉末、NH
4Cl、THF、水75℃;vi)
5又は
9、EDCI、DMAP、CH
2Cl
2、60℃
【0123】
スキーム4は、式Iの誘導体
15(ここで、R
6、R
7、R
8、A
1、A
2、A
3、A
4、A
5、A
20、A
21、A
22、A
23、A
24、A
25、A
26、A
27及びX
28は上述した意味を有する)を調製する一般的方法を示す。
【0124】
2-フルオロ-4-ニトロフェノール誘導体
10は、適切な塩基、例えばピリジンの存在下でのトリフルオロメタンスルホン酸無水物との反応で、対応するトリフラート誘導体
11を与え、これは、触媒(例えばPd(Ph
3P)
4)及び塩基(例えばK
2CO
3)の存在下での適切なアリールボロン酸又はヘテロアリールボロン酸とのSuzuki-カップリング反応条件下で、対応するビアリール誘導体
12を与える。式Iの窒素カップリングされたヘテロ芳香族誘導体を得るために、1,2-ジフルオロ-4-ニトロベンゼン誘導体
16が適切なヘテロアリール化合物と、塩基、例えばK
2CO
3の存在下で反応されて、対応するビアリール誘導体
12を与え得る。誘導体
12は、塩基、例えばCs
2CO
3を使用して適切なフェノールと反応されると、対応するアリールエーテル誘導体
13を与える。誘導体
13のニトロ基は、亜鉛または鉄の存在下で例えばNH
4Clを使用することにより還元されて、式Bのアミン誘導体
14(ここで、R
4は水素である)を与え得、これは、例えばEDCI及びDMAPの存在下で式Aの誘導体
5又は
9と縮合されて、式Iの誘導体
15を与え得る。
【0125】
【0126】
条件:i)2-シアノ酢酸エチル、硫黄、モルフォリン、EtOH、還流;ii)NaOH、EtOH、還流;iii)
5又は
9、EDCI、DMAP、CH
2Cl
2、60℃;iv)適切な塩化ベンゾイル、SnCl
4、CH
2Cl
2、還流
【0127】
スキーム5は、式Iの誘導体
21(ここで、A
30はCであり、A
31はカルボニルであり、R
6、R
7、R
8、A
1、A
2、A
3、A
4、A
5、A
33、A
34、A
35、A
36、A
37、A
38、A
39、A
40、A
41及びA
42は上述した意味を有する)を調製する一般的方法を示す。
【0128】
置換されたフェニルメチルケトン
17は、モルフォリンの存在下で2-シアノ酢酸エチル及び硫黄と反応されて、対応するチオフェンエステル
18を形成し得る。化合物
18の脱エステル化が、式Bのチオフェンアミノ誘導体
19を与え、これは、例えばEDCI及びDMAPの存在下で式Aのフェニル酢酸誘導体と縮合されて、対応する式Iのチオフェンアミド誘導体
20を与え得る。SnCl
4又はAlCl
3により触媒作用されるチオフェン環のアシル化が、式Iの誘導体
21を与える。
【0129】
【0130】
条件:i)ビス[(4-メトキシフェニル)メチル]アミン、NH
4SCN、アセトン、0℃;ii)DMF、85℃;iii)TFA、80℃;iv)
5又は
9、EDCI、DMAP、CH
2Cl
2、60℃
【0131】
スキーム6は、式Iの誘導体
27(ここで、A
30は窒素であり、A
31はカルボニルであり、R
6、R
7、A
1、A
2、A
3、A
4、A
5、A
33、A
34、A
35、A
36、A
37、A
38、A
39、A
40、A
41及びA
42は上述した意味を有する)を調製する一般的反応スキームを示す。
【0132】
保護されたカルバモチオイルアミド誘導体
23は、アシルクロリド
22、チオシアネート及びビス[(4-メトキシフェニル)メチル]アミンの縮合によって得られ得る。保護されたカルバモチオイルアミド誘導体
23と適切なα-ブロモケトン
24(これは、商業的に得られ、又は当業者に公知の方法を使用してメチルケトンから出発して合成され得る)との反応が、保護されたチアゾールケトン誘導体
25を与える。例えばTFAを使用する酸性条件下での脱保護が、式Bの2-アミノチアゾール誘導体
26を与え、これは、例えばEDCI及びDMAPの存在下で式Aの誘導体
5又は
9と縮合されて、式Iの誘導体
27を与え得る。
【0133】
【0134】
条件:i)チオ尿素、EtOH、80℃;ii)CuBr
2、CH
3CN、r.t.;iii)適切なフェノール、Cs
2CO
3、アセトン、55℃;iv)
5又は
9、EDCI、DMAP、CH
2Cl
2、60℃
【0135】
スキーム7は、式Iの誘導体
33(ここで、A
30は窒素であり、A
31は酸素であり、R
6、R
7、A
1、A
2、A
3、A
4、A
5、A
33、A
34、A
35、A
36、A
37、A
38、A
39、A
40、A
41及びA
42は上述した意味を有する)を調製する一般的反応スキームを示す。
【0136】
α-ブロモケトン誘導体
28は、チオ尿素との反応により、1,3-チアゾール-2-アミン誘導体
29を与え、これは、CuBr
2の存在下での臭素化後に、5-ブロモ-1,3-チアゾール-2-アミン誘導体
30を与える。適切なフェノール
31による臭素の置換が、式Bのチアゾール誘導体
32を与え、これは、例えばEDCI及びDMAPの存在下で式Aの誘導体
5又は
9と縮合されて、式Iの誘導体
33を与え得る。
【0137】
使用された全ての構築ブロックは、市販されており、公知であり、又は当業者に公知の方法にしたがって調製される。
【0138】
実施例1〜47
【0139】
1:2-(4-シクロプロピルメタンスルホニルフェニル)-N-(3-フェノキシ-4-フェニルフェニル)アセトアミド
【0140】
【化1】
【0141】
i)CH
2Cl
2(0.5 mL)中の
2-(4-シクロプロピルメタンスルホニルフェニル)酢酸(29 mg)、3-フェノキシ-4-フェニルアニリン(30 mg)及びDMAP(3 mg)の溶液に、CH
2Cl
2中のEDCI (32 mg)の溶液が0℃で滴下された。反応混合物がマイクロ波中で60℃で1時間撹拌された。室温に冷却後、有機層がNaHCO
3飽和水溶液、水、次いでブラインで洗浄され、MgSO
4で乾燥され、そして減圧濃縮された。残渣が、CH
2Cl
2中1%〜10%メタノールを溶離液として使用してSiO
2で精製されて、標記化合物
2-(4-シクロプロピルメタンスルホニルフェニル)-N-(3-フェノキシ-4-フェニルフェニル)アセトアミド(70 mg)を白色固体として得た。MS(ES
+)m/z498.2 (M+H)
+
【0142】
実施例1に関して記載された手順にしたがって、下記の化合物が調製された。
【0143】
2:2-(4-シクロプロピルメタンスルホニルフェニル)-N-[4-(3-フルオロフェニル)-3-(3-メトキシフェノキシ)フェニル]アセトアミド
【0144】
【化2】
【0145】
3:2-(4-シクロプロピルメタンスルホニルフェニル)-N-[3-(3-メトキシフェノキシ)-4-(4-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)フェニル]アセトアミド
【0146】
【化3】
【0147】
4:N-[3-(3-クロロフェノキシ)-4-(3-フルオロフェニル)フェニル]-2-(4-シクロプロピルメタンスルホニルフェニル)アセトアミド
【0148】
【化4】
【0149】
5:N-[3-(3-クロロフェノキシ)-4-(3,4-ジフルオロフェニル)フェニル]-2-(4-シクロプロピルメタンスルホニルフェニル)アセトアミド
【0150】
【化5】
【0151】
6:N-[3-(3-シアノフェノキシ)-4-(3,4-ジフルオロフェニル)フェニル]-2-(4-シクロプロピルメタンスルホニルフェニル)アセトアミド
【0152】
【化6】
【0153】
7:2-(4-シクロプロピルメタンスルホニルフェニル)-N-[3-(3-メトキシフェノキシ)-4-(5-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)フェニル]アセトアミド
【0154】
【化7】
【0155】
8:N-[3-(3-クロロフェノキシ)-4-(3,5-ジフルオロフェニル)フェニル]-2-(4-シクロプロピルメタンスルホニルフェニル)アセトアミド
【0156】
【化8】
【0157】
9:N-[4-(4-シアノフェニル)-3-(3-フルオロフェノキシ)フェニル]-2-(4-シクロプロピルメタンスルホニルフェニル)アセトアミド
【0158】
【化9】
【0159】
10:N-[3-(3-クロロフェノキシ)-4-(3-シアノフェニル)フェニル]-2-(4-シクロプロピルメタンスルホニルフェニル)アセトアミド
【0160】
【化10】
【0161】
11:2-(4-シクロプロピルメタンスルホニルフェニル)-N-[4-(3-フルオロフェニル)-3-[3-(トリフルオロメチル)フェノキシ]フェニル]アセトアミド
【0162】
【化11】
【0163】
12:2-(4-シクロプロピルメタンスルホニルフェニル)-N-[3-(3-フルオロフェノキシ)-4-(4-フルオロフェニル)フェニル]アセトアミド
【0164】
【化12】
【0165】
13:2-(4-シクロプロピルメタンスルホニルフェニル)-N-[3-(3,5-ジフルオロフェノキシ)-4-(3-フルオロフェニル)フェニル]アセトアミド
【0166】
【化13】
【0167】
14:2-[4-(シクロプロピルスルファモイル)フェニル]-N-[3-(3-メトキシフェノキシ)-4-(4-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)フェニル]アセトアミド
【0168】
【化14】
【0169】
15:2-[4-(シクロプロピルスルファモイル)フェニル]-N-[3-(3-メトキシフェノキシ)-4-(5-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)フェニル]アセトアミド
【0170】
【化15】
【0171】
16:2-[4-(シクロプロピルスルファモイル)フェニル]-N-[4-(3-フルオロフェニル)-3-(3-メトキシフェノキシ)フェニル]アセトアミド
【0172】
【化16】
【0173】
17:N-[3-(3-クロロフェノキシ)-4-(3-フルオロフェニル)フェニル]-2-[4-(シクロプロピルスルファモイル)フェニル]アセトアミド
【0174】
【化17】
【0175】
18:N-[3-(3-クロロフェノキシ)-4-(3,4-ジフルオロフェニル)フェニル]-2-[4-(シクロプロピルスルファモイル)フェニル]アセトアミド
【0176】
【化18】
【0177】
19:2-[4-(シクロプロピルスルファモイル)フェニル]-N-[4-(3-フルオロフェニル)-3-[3-(トリフルオロメチル)フェノキシ]フェニル]アセトアミド
【0178】
【化19】
【0179】
20:2-(4-シクロプロピルメタンスルホニルフェニル)-N-(5-フェノキシ-4-フェニル-1,3-チアゾール-2-イル)アセトアミド
【0180】
【化20】
【0181】
21:2-(4-シクロプロピルメタンスルホニルフェニル)-N-[4-フェニル-5-(ピリジン-3-イルオキシ)-1,3-チアゾール-2-イル]アセトアミド
【0182】
【化21】
【0183】
22:N-(5-ベンゾイル-4-フェニル-1,3-チアゾール-2-イル)-2-(4-シクロプロピルメタンスルホニルフェニル)アセトアミド
【0184】
【化22】
【0185】
23:N-[5-(4-クロロベンゾイル)-4-(3-クロロフェニル)-1,3-チアゾール-2-イル]-2-(4-シクロプロピルメタンスルホニルフェニル)アセトアミド
【0186】
【化23】
【0187】
24:2-(4-シクロプロピルメタンスルホニルフェニル)-N-(4-フェニルチオフェン-2-イル)アセトアミド
【0188】
【化24】
【0189】
25:2-(4-シクロプロピルメタンスルホニルフェニル)-N-[4-(ピリジン-3-イル)チオフェン-2-イル]アセトアミド
【0190】
【化25】
【0191】
26:N-(5-ベンゾイル-4-フェニル-1,3-チアゾール-2-イル)-2-[4-(シクロプロピルスルファモイル)フェニル]アセトアミド
【0192】
【化26】
【0193】
27:N-(5-ベンゾイル-4-フェニルチオフェン-2-イル)-2-(4-シクロプロピルメタンスルホニルフェニル)アセトアミド
【0194】
【化27】
【0195】
28:N-{3-クロロ-4-[2-(トリフルオロメトキシ)フェニル]フェニル}-2-(4-シクロプロピルメタンスルホニルフェニル)アセトアミド
【0196】
【化28】
【0197】
29:2-(4-シクロプロピルメタンスルホニルフェニル)-N-{3-メチル-4-[2-(トリフルオロメトキシ)フェニル]フェニル}アセトアミド
【0198】
【化29】
【0199】
30:2-(4-シクロプロピルメタンスルホニルフェニル)-N-{3,5-ジクロロ-4-[2-(トリフルオロメトキシ)フェニル]フェニル}アセトアミド
【0200】
【化30】
【0201】
31:2-(4-シクロプロピルメタンスルホニルフェニル)-N-{4-メチル-5-[2-(トリフルオロメトキシ)フェニル]ピリジン-2-イル}アセトアミド
【0202】
【化31】
【0203】
32:2-(4-シクロプロピルメタンスルホニルフェニル)-N-{6-メチル-5-[2-(トリフルオロメトキシ)フェニル]ピリジン-2-イル}アセトアミド
【0204】
【化32】
【0205】
33:N-{3-クロロ-4-[2-(トリフルオロメトキシ)フェニル]フェニル}-2-[4-(シクロプロピルスルファモイル)フェニル]アセトアミド
【0206】
【化33】
【0207】
34:2-[4-(シクロプロピルスルファモイル)フェニル]-N-{6-メチル-5-[2-(トリフルオロメトキシ)フェニル]ピリジン-2-イル}アセトアミド
【0208】
【化34】
【0209】
35:2-[4-(シクロプロピルスルファモイル)フェニル]-N-{4-メチル-5-[2-(トリフルオロメトキシ)フェニル]ピリジン-2-イル}アセトアミド
【0210】
【化35】
【0211】
36:2-[4-(シクロプロピルスルファモイル)フェニル]-N-{3-メチル-4-[2-(トリフルオロメトキシ)フェニル]フェニル}アセトアミド
【0212】
【化36】
【0213】
37:2-(4-シクロプロピルメタンスルホニルフェニル)-N-{4,6-ジメチル-5-[2-(トリフルオロメトキシ)フェニル]ピリジン-2-イル}アセトアミド
【0214】
【化37】
【0215】
38:2-(4-シクロプロピルメタンスルホニルフェニル)-N-[4-(4-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)フェニル]アセトアミド
【0216】
【化38】
【0217】
39:2-(4-シクロプロピルメタンスルホニルフェニル)-N-[4-(5-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)フェニル]アセトアミド
【0218】
【化39】
【0219】
40:2-(4-シクロプロピルメタンスルホニルフェニル)-N-[4-(3-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)フェニル]アセトアミド
【0220】
【化40】
【0221】
41:2-(4-シクロプロピルメタンスルホニルフェニル)-N-[4-(5-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)フェニル]アセトアミド
【0222】
【化41】
【0223】
42:2-(4-シクロプロピルメタンスルホニルフェニル)-N-[4-(4-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)フェニル]アセトアミド
【0224】
【化42】
【0225】
43:2-(4-シクロプロピルメタンスルホニルフェニル)-N-[4-(1,3-オキサゾール-5-イル)フェニル]アセトアミド
【0226】
【化43】
【0227】
44:2-(4-シクロプロピルメタンスルホニルフェニル)-N-[4-(1H-ピラゾール-1-イル)フェニル]アセトアミド
【0228】
【化44】
【0229】
45:2-(4-シクロプロピルメタンスルホニルフェニル)-N-[4-(1H-イミダゾール-1-イル)フェニル]アセトアミド
【0230】
【化45】
【0231】
46:2-(4-シクロプロピルメタンスルホニルフェニル)-N-[4-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)フェニル]アセトアミド
【0232】
【化46】
【0233】
47:2-(4-シクロプロピルメタンスルホニルフェニル)-N-[4-(1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)フェニル]アセトアミド
【0234】
【化47】
【0235】
実施例48
【0236】
RORγ GAL4レポーター遺伝子アッセイ
実施例の阻害剤1〜47がRORγ GAL4レポーター遺伝子アッセイにおいて、RORγ活性を阻害する能力について試験された。アッセイ手順及び結果が以下に記載される。
【0237】
RORγ GAL4レポーター遺伝子アッセイの説明
【0238】
293FT細胞におけるRORγの阻害を決定するために、ルシフェラーゼ読み出しを使用するGAL4ワンハイブリッドレポーターシステムが確立された。発現ベクターpFN26A(Promega)及び標準組み換えDNAクローニング方法を使用して、RORγリガンド結合ドメイン(LBD)が酵母GAL4 DNA結合ドメイン(DBD)に融合され、そしてヒトサイトメガロウイルス(CMV)最初期プロモーターの制御下に置かれた。アッセイにおける対照として役立つために、上記GAL4-DBDが単純ヘルペスウイルスタンパク質16(VP16)(構成型転写アクチベーター)に融合されるところの同様のベクターが生成された。
【0239】
化合物のRORγに対する阻害効果をモニターするために、転写レポーター構築物が使用された。pGL4.35ベクター(Promega)は、GAL4上流アクチベーター配列(UAS)の9コピーを含む。この配列は、例えば上述したGAL4-RORγ-LBD及びGAL4-VP16発現ベクターによって発現されるとき、GAL4 DNA結合ドメインを含む融合タンパク質の結合に応答してルシフェラーゼレポーター遺伝子luc2Pの転写を駆動する。GAL4融合タンパク質にルシフェラーゼレポーターの発現を駆動させるために、標準的なトランスフェクション技術を使用して、pGL4.35発現ベクター及び適切なGAL4融合タンパク質発現ベクターが293FT細胞においてバルクトランスフェクションされた。
【0240】
トランスフェクションの翌日、細胞が96ウェルプレートに播種され、試験化合物が添加され、上記プレートが一晩インキュベートされた。次いで、ルシフェラーゼ検出試薬及び蛍光読み取りを使用して、ホタルルシフェラーゼ活性が定量された。
【0241】
アッセイの詳細な説明
【0242】
293FT細胞(Invitrogen)が、GAL4融合タンパク質発現ベクター(上述)及び転写レポーター構築物(pGL4.35,Promega)でトランスフェクションされた。60μLのTransIT-293トランスフェクション試薬(Mirus Bio)が1500μlのOpti-MEM I Reduced Serum Medium(Invitrogen)に滴下され、そして室温(RT)で5〜20分間インキュベートされた。1500μLのこの試薬混合物が5μgのGAL4融合タンパク質発現ベクター及び5μgの転写レポーター構築物に添加され、そしてRTで20分間インキュベートされた。
【0243】
293FT細胞をT75フラスコから採取するために、最初に培養培地が細胞から取り除かれた。次いで、細胞がリン酸緩衝食塩水(PBS)(Lonza)で洗浄され、その後、PBSが除去された。細胞を解離するために、1mlのTrypLE Express(Invitrogen)が上記フラスコに添加され、次いで細胞が視覚的に分離し始めるまで、RTでインキュベートされた。細胞が、5mLのアッセイ培地(DMEM培養培地(Lonza)、10%透析FBS(Invitrogen)及びPen/Strep(Lonza))中に集められて、単細胞懸濁物を達成した。10x10
6の細胞が沈降され、そして10mLのアッセイ培地中に再懸濁された。次いで、細胞懸濁物がトランスフェクション混合管に添加された後、全体としてT75フラスコ(Greiner)に移され、次いで37℃及び5%CO
2で一晩(16〜24時間)インキュベートされた。
【0244】
化合物のスクリーニングのために、細胞が採取され(上述)、そしてカウントされた。13x10
6の細胞が沈降され、上清が吸引され、細胞が17.3mLのアッセイ培地に再懸濁されて、0.75x10
6細胞/mLの細胞懸濁物を得た。1ウェルにつき80μLの細胞懸濁物(60,000細胞)が、白色で平底の組織培養処理された96ウェルスクリーニングプレート(Greiner)に播種された。
【0245】
試験化合物が、10mMジメチルスルホキシド(DMSO)ストック溶液から出発して、DMSOでの逐次稀釈で500x最終試験濃度に稀釈された。次いで、これらの溶液が、アッセイ培地での2回の10倍稀釈工程において、5x最終試験濃度に稀釈された。5x試験化合物溶液の最終DMSO濃度は1%であった。5x試験化合物溶液の20μLが、予め80μlの細胞懸濁物で播種された96ウェルプレートの各試験ウェルに添加されて、0.2%DMSOを有する最終試験濃度を結果した。
【0246】
上記プレートが37℃及び5%CO
2で一晩(16〜24時間)インキュベートされた。
【0247】
ルシフェラーゼ読み取りのために、ルシフェラーゼ試薬(Britelite Plus, PerkinElmer)がRTにされた。スクリーニングプレートの各試験ウェルに、100μLの2.5倍稀釈されたBritelitePlus試薬が添加され、次いでRTで10分間インキュベートされた。ルシフェラーゼ蛍光信号がWallac VictorMicroplate Reader (Perkin Elmer)を使用して測定された。
【0248】
試験化合物の50%阻害濃度(IC
50)値が、GraphPad Prismソフトウエア(GraphPadSoftware)を使用してルシフェラーゼ信号から計算された。
【0249】
式Iの全ての例示化合物(実施例1〜47)が、5超の平均pIC
50値を有することが分かった。
【0250】
実施例1〜14、16〜37、40〜44及び46〜47が、6以上の平均pIC
50値を有することが分かった。
【0251】
実施例2〜13、22、23、26〜34、36及び37が、7以上の平均pIC
50値を有することが分かった。