(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の硬化性組成物は、ビスアリールフルオレン骨格を有するオキセタン化合物(第1のカチオン重合性化合物ともいう)を含むカチオン重合性化合物と、ポリシランとを含む。
【0025】
[カチオン重合性化合物]
(第1のカチオン重合性化合物)
第1のカチオン重合性化合物は、下記式(1)で表される。
【0027】
(式中、Ar
1及びAr
2並びにZ
1及びZ
2はそれぞれアレーン環、R
1a及びR
1b並びにR
2a及びR
2bはそれぞれ置換基、R
3a及びR
3bはそれぞれ直鎖状又は分岐鎖状アルキレン基、R
4a及びR
4bはそれぞれ水素原子又は置換基、k1及びk2、m1及びm2並びにn1及びn2はそれぞれ0以上の整数を示す)。
【0028】
前記式(1)において、環Ar
1及びAr
2で表されるアレーン環(芳香族炭化水素環)としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環などのC
6−14アレーン環、好ましくはベンゼン環、ナフタレン環などC
6−10アレーン環(特に、ベンゼン環)などが挙げられる。環Ar
1及びAr
2で表されるアレーン環の種類は、互いに同一又は異なっていてもよい。
【0029】
環Ar
1及びAr
2は、間に介在する5員環とともに縮合環骨格、例えば、環Ar
1及びAr
2のうち、双方がベンゼン環であるフルオレン骨格;一方がベンゼン環、他方がナフタレン環であるベンゾフルオレン骨格(例えば、ベンゾ[a]フルオレン骨格、ベンゾ[b]フルオレン骨格、ベンゾ[c]フルオレン骨格など);双方がナフタレン環であるジベンゾフルオレン骨格(例えば、ジベンゾ[b,h]フルオレン骨格など)などのフルオレン環が内在する芳香族骨格(好ましくはフルオレン骨格又はベンゾフルオレン骨格、特に、フルオレン骨格)を形成してもよい。
【0030】
前記式(1)において、環Z
1及びZ
2で表されるアレーン環としては、ベンゼン環などの単環式アレーン環、多環式アレーン環などが挙げられ、多環式アレーン環には、縮合多環式アレーン環(縮合多環式芳香族炭化水素環)、環集合アレーン環(環集合芳香族炭化水素環)などが含まれる。
【0031】
縮合多環式アレーン環としては、例えば、縮合二環式アレーン環(例えば、ナフタレン環、インデン環などの縮合二環式C
10−16アレーン環)、縮合三環式アレーン環(例えば、アントラセン環、フェナントレン環など)などの縮合二乃至四環式アレーン環などが挙げられる。好ましい環Z
1及びZ
2としては、ナフタレン環、アントラセン環などの縮合多環式C
10−16アレーン環(好ましくは縮合多環式C
10−14アレーン環)が挙げられ、特に、ナフタレン環が好ましい。
【0032】
環集合アレーン環としては、ビアレーン環(例えば、ビフェニル環、ビナフチル環、フェニルナフタレン環(1−フェニルナフタレン環、2−フェニルナフタレン環など)などのビC
6−12アレーン環など)、テルアレーン環(例えば、テルフェニレン環などのテルC
6−12アレーン環など)などが例示できる。好ましい環集合アレーン環は、ビC
6−10アレーン環などが挙げられ、特にビフェニル環が好ましい。
【0033】
環Z
1及びZ
2の種類は、互いに同一又は異なっていてもよく、通常、同一であることが多い。環Z
1及びZ
2のうち、ベンゼン環、ナフタレン環、ビフェニル環などのC
6−12アレーン環などが好ましく、なかでもベンゼン環、ナフタレン環などのC
6−10アレーン環、特に、高屈折率化できる点からナフタレン環が好ましい。
【0034】
なお、前記5員環に結合する環Z
1及びZ
2の置換位置は、特に限定されない。例えば、環Z
1及びZ
2がナフタレン環の場合、1−位又は2−位のいずれかの位置であってもよい。また、環Z
1及びZ
2がビフェニル環の場合、2−位、3−位、4−位のいずれかの位置であってもよい。
【0035】
前記式(1)において、置換基R
1a及びR
1bとしては、炭化水素基[例えば、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基などの直鎖状又は分岐鎖状C
1−6アルキル基など)、アリール基(例えば、フェニル基などのC
6−10アリール基など)など]、シアノ基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子など)などが挙げられる。これらの基R
1a及びR
1bのうち、アルキル基(例えば、直鎖状又は分岐鎖状C
1−4アルキル基)、シアノ基、ハロゲン原子が好ましく、特にアルキル基(特に、メチル基などのC
1−3アルキル基)が好ましい。
【0036】
基R
1a及びR
1bの置換数k1及びk2は、0以上の整数、例えば、0〜8(例えば、0〜4)程度の整数、好ましくは0〜2程度の整数、さらに好ましくは0又は1、特に0である。なお、置換数k1及びk2は、互いに同一又は異なっていてもよい。また、環Ar
1及びAr
2に置換する基R
1a及びR
1bの種類は、互いに同一又は異なっていてもよく、k1及びk2が2以上である場合、同一の環Ar
1及びAr
2に置換する2以上の基R
1a及びR
1bの種類は、互いに同一又は異なっていてもよい。また、基R
1a及びR
1bの置換位置は、特に制限されず、例えば、環Ar
1及びAr
2並びに5員環がフルオレン環を形成する場合、2−位乃至7−位(2−位、3−位及び7−位など)であってもよい。
【0037】
前記式(1)において、置換基R
2a及びR
2bとしては、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、炭化水素基{例えば、アルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基などの直鎖状又は分岐鎖状C
1−10アルキル基、好ましくは直鎖状又は分岐鎖状C
1−6アルキル基、さらに好ましくは直鎖状又は分岐鎖状C
1−4アルキル基など);シクロアルキル基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などのC
5−10シクロアルキル基など);アリール基[例えば、フェニル基、アルキルフェニル基(例えば、メチルフェニル基(トリル基)、ジメチルフェニル基(キシリル基)など)、ビフェニリル基、ナフチル基などのC
6−12アリール基など];アラルキル基(例えば、ベンジル基、フェネチル基などのC
6−10アリール−C
1−4アルキル基など)など}、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基などの直鎖状又は分岐鎖状C
1−10アルコキシ基など)、シクロアルキルオキシ基(例えば、シクロヘキシルオキシ基などのC
5−10シクロアルキルオキシ基など)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基などのC
6−10アリールオキシ基など)、アラルキルオキシ基(例えば、ベンジルオキシ基などのC
6−10アリール−C
1−4アルキルオキシ基など)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、n−ブチルチオ基、t−ブチルチオ基などのC
1−10アルキルチオなど)、シクロアルキルチオ基(例えば、シクロヘキシルチオ基などのC
5−10シクロアルキルチオ基など)、アリールチオ基(例えば、チオフェノキシ基などのC
6−10アリールチオ基など)、アラルキルチオ基(例えば、ベンジルチオ基などのC
6−10アリール−C
1−4アルキルチオ基など)、アシル基(例えば、アセチル基などのC
1−6アシル基など)、ニトロ基、シアノ基、置換アミノ基[例えば、ジアルキルアミノ基(例えば、ジメチルアミノ基などのジC
1−4アルキルアミノ基など)、ビス(アルキルカルボニル)アミノ基(例えば、ジアセチルアミノ基などのビス(C
1−4アルキル−カルボニル)アミノ基など)など]などが例示できる。
【0038】
これらの基R
2a及びR
2bのうち、代表的には、ハロゲン原子、炭化水素基(アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基)、アルコキシ基、アシル基、ニトロ基、シアノ基、置換アミノ基などが挙げられる。好ましい基R
2としては、アルキル基(メチル基などの直鎖状又は分岐鎖状C
1−6アルキル基など)、アリール基(フェニル基などのC
6−14アリール基など)、アルコキシ基(メトキシ基などの直鎖状又は分岐鎖状C
1−4アルコキシ基など)、特に、アルキル基(特に、メチル基などの直鎖状又は分岐鎖状C
1−4アルキル基)、アリール基(フェニル基などのC
6−10アリール基など)が挙げられる。
【0039】
基R
2a及びR
2bの置換数m1及びm2は、0以上の整数であればよく、環Z
1及びZ
2の種類に応じて適宜選択できる。例えば、0〜8程度の整数であってもよく、好ましくは0〜4(例えば、0〜3)程度の整数、さらに好ましくは0〜2程度の整数(例えば、0又は1)、特に0であってもよい。なお、置換数m1及びm2は、互いに同一又は異なっていてもよい。また、基R
2a及びR
2bの種類は、互いに同一又は異なっていてもよく、置換数m1及びm2が2以上である場合、同一の環Z
1及びZ
2に置換する2以上の基R
2a及びR
2bの種類は、それぞれ互いに同一又は異なっていてもよい。基R
2a及びR
2bの置換位置は、特に制限されず、オキセタン環含有基の置換位置以外の位置に置換していればよい。
【0040】
前記式(1)において、基R
3a及びR
3bには、直鎖状又は分岐鎖状アルキレン基が含まれ、直鎖状アルキレン基としては、例えば、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基などの直鎖状C
2−6アルキレン基(好ましくは直鎖状C
2−4アルキレン基、さらに好ましくは直鎖状C
2−3アルキレン基、特にエチレン基)が挙げられ、分岐鎖状アルキレン基としては、例えば、プロピレン基、1,2−ブタンジイル基、1,3−ブタンジイル基などの分岐鎖状C
3−6アルキレン基(好ましくは分岐鎖状C
3−4アルキレン基、特にプロピレン基)などが挙げられる。これらの基R
3a及びR
3bのうち、好ましくは直鎖状又は分岐鎖状C
2−6アルキレン基(例えば、直鎖状又は分岐鎖状C
2−4アルキレン基など)、さらに好ましくは直鎖状又は分岐鎖状C
2−3アルキレン基(特にエチレン基)であってもよい。なお、異なる環Z
1及びZ
2に置換したそれぞれのオキセタン環含有基において、基R
3a及びR
3bの種類は、互いに同一又は異なっていてもよい。
【0041】
オキシアルキレン基(OR
3a及びOR
3b)の繰り返し数n1及びn2は、0以上の整数(例えば、0〜20程度の整数)の範囲から選択でき、例えば、0〜15(1〜10)程度の整数、好ましくは0〜8(例えば、2〜7)程度の整数、さらに好ましくは0〜5(例えば、3〜5)程度の整数、特に0〜2程度の整数(例えば、0又は1、特に0)であってもよい。n1及びn2が大きすぎると、屈折率が低下するおそれがある。また、n1及びn2は、互いに同一又は異なっていてもよい。オキセタン環含有基において、繰り返し数n1及びn2が2以上である場合、2以上の基R
3a及びR
3bの種類は、互いに異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。
【0042】
なお、本明細書中において、特に断りのない限り、「オキシアルキレン基の繰り返し数」(及び後述する「オキシアルキレン基の合計数(合計付加数)」)とは、化合物1分子中におけるオキシアルキレン基の数(整数)、及び化合物の分子集合体におけるオキシアルキレン基の個数の平均値[すなわち、平均付加モル数]の双方を含む意味に用いる。そのため、繰り返し数n1及びn2は、前記式(1)で表される化合物の分子集合体における平均値(相加平均又は算術平均)であってもよく、その範囲は、前記整数の範囲と好ましい態様も含めて同等程度であってもよい。
【0043】
また、前記式(1)において、繰り返し数n1及びn2の合計数は、前記式(1)で表される化合物1分子中のオキシアルキレン基の合計数(合計付加数)を意味し、単にn1+n2という場合がある。n1+n2は、例えば、0〜30程度の整数の範囲から選択でき、例えば、0〜25(例えば、1〜20)程度の整数、好ましくは0〜15(例えば、2〜10)程度の整数、さらに好ましくは0〜8(例えば、4〜6)程度の整数、特に0〜4(例えば、0〜2、特に0)程度の整数であってもよい。また、n1+n2は前記のように整数であってもよいが、前記式(1)で表される化合物の分子集合体における平均付加モル数であってもよく、その範囲は、例えば、前記整数の範囲と好ましい態様も含めて同等程度であってもよい。n1+n2の値が大きすぎると、硬化物の単位量(例えば、単位重量)当たりのビスアリールフルオレン骨格含有量(例えば、含有モル数)が低下するため、前記骨格に由来する高屈折率、高耐熱性などの優れた特性が低下するおそれがある。なお、n1+n2は、慣用の方法で測定することができ、例えば、前記式(1)で表される化合物の調製において、原料となるビスアリールフルオレン骨格を有するヒドロキシ化合物の量と、反応で消費されるアルキレンオキシド(アルキレンカーボネート又はハロアルカノール)の量との割合から、相加平均又は算術平均の値として算出する方法(例えば、国際公開第2013/022065号記載の方法など)などにより測定できる。
【0044】
前記式(1)において、基R
4a及びR
4bは水素原子又は置換基であり、置換基としては、例えば、炭化水素基{例えば、アルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基などの直鎖状又は分岐鎖状C
1−10アルキル基、好ましくは直鎖状又は分岐鎖状C
1−6アルキル基、さらに好ましくは直鎖状又は分岐鎖状C
1−4アルキル基など);シクロアルキル基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などのC
5−10シクロアルキル基など);アリール基[例えば、フェニル基、アルキルフェニル基(例えば、メチルフェニル基(トリル基)、ジメチルフェニル基(キシリル基)など)、ビフェニリル基、ナフチル基などのC
6−12アリール基など];アラルキル基(例えば、ベンジル基、フェネチル基などのC
6−10アリール−C
1−4アルキル基など);アリル基など};フッ素含有基[例えば、フッ素原子;フッ化アルキル基(トリフルオロメチル基などのC
1−6フッ化アルキル基)などのフッ化炭化水素基など];ヘテロアリール基(例えば、フリル基、チエニル基など)などが挙げられる。
【0045】
好ましい基R
4a及びR
4bは、水素原子又は炭化水素基(例えば、水素原子又はアルキル基)などが挙げられ、さらに好ましくは水素原子又はC
1−6アルキル基(例えば、水素原子又はC
1−4アルキル基)、特に水素原子又はC
1−2アルキル基(例えば、メチル基又はエチル基、特にメチル基)であるのが好ましい。なお、基R
4a及びR
4bの種類は、互いに異なっていてもよく、通常、同一である。
【0046】
オキセタン環含有基の置換位置は特に制限されず、環Z
1及びZ
2の適当な位置に置換でき、例えば、環Z
1及びZ
2がベンゼン環である場合には、対応するフェニル基の3−位又は4−位(特に4−位)に置換する場合が多い。また、環Z
1及びZ
2がナフタレン環である場合には、対応するナフチル基の5〜8−位のいずれかに置換している場合が多く、例えば、環Ar
1及びAr
2の間に介在する前記5員環に対して、ナフタレン環の1−位又は2−位が置換し(1−ナフチル又は2−ナフチルの関係で置換し)、この置換位置に対して、1,5−位、2,6−位などの関係(特に2,6−位の関係)でオキセタン環含有基が置換している場合が多い。
【0047】
前記式(1)で表される第1のカチオン重合性化合物として、例えば、前記式(1)において、(A)環Ar
1及びAr
2がベンゼン環である化合物、(B)環Ar
1及びAr
2のうち少なくとも一方がナフタレン環である化合物などが挙げられる。これらの化合物は、単独で又は2種以上組み合わせて使用することもできる。これらの化合物のうち、(A)環Ar
1及びAr
2がベンゼン環である化合物が好ましい。
【0048】
(A)環Ar1及びAr2がベンゼン環である化合物
前記式(1)における環Ar
1及びAr
2がベンゼン環である化合物として代表的には、例えば、(A1)環Z
1及びZ
2がベンゼン環であるビスフェニルフルオレン類、(A2)環Z
1及びZ
2がナフタレン環であるビスナフチルフルオレン類などが挙げられる。
【0049】
(A1)ビスフェニルフルオレン類として具体的には、例えば、(A1-1)前記式(1)において、n1及びn2が0である9,9−ビス[(3−オキセタニル)メトキシ−フェニル]フルオレン類{例えば、前記式(1)において、m1及びm2が0、R
4a及びR
4bが水素原子である9,9−ビス[(3−オキセタニル)メトキシ−フェニル]フルオレン(例えば、9,9−ビス[4−((3−オキセタニル)メトキシ)−フェニル]フルオレンなど);前記式(1)において、m1及びm2が0、R
4a及びR
4bがアルキル基である9,9−ビス[(3−アルキル−3−オキセタニル)メトキシ−フェニル]フルオレン(例えば、9,9−ビス[4−((3−メチル−3−オキセタニル)メトキシ)−フェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−((3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ)−フェニル]フルオレンなどの9,9−ビス[(3−C
1−6アルキル−3−オキセタニル)メトキシ−フェニル]フルオレンなど);前記式(1)において、m1及びm2が1又は2、R
2a及びR
2bがアルキル基、R
4a及びR
4bが水素原子である9,9−ビス[(3−オキセタニル)メトキシ−(モノ又はジ)アルキルフェニル]フルオレン(例えば、9,9−ビス[4−((3−オキセタニル)メトキシ)−3−メチルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−((3−オキセタニル)メトキシ)−3,5−ジメチルフェニル]フルオレンなどの9,9−ビス[(3−オキセタニル)メトキシ−(モノ又はジ)C
1−6アルキルフェニル]フルオレンなど);前記式(1)において、m1及びm2が1又は2、R
2a及びR
2bがアルキル基、R
4a及びR
4bがアルキル基である9,9−ビス[(3−アルキル−3−オキセタニル)メトキシ−(モノ又はジ)アルキルフェニル]フルオレン(例えば、9,9−ビス[4−((3−メチル−3−オキセタニル)メトキシ)−3−メチルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−((3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ)−3−メチルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(3−メチル−3−オキセタニル)−3,5−ジメチルフェニル]フルオレンなどの9,9−ビス[(3−C
1−6アルキル−3−オキセタニル)メトキシ−(モノ又はジ)C
1−6アルキルフェニル]フルオレンなど);前記式(1)において、m1及びm2が1、R
2a及びR
2bがアリール基、R
4a及びR
4bが水素原子である9,9−ビス[(3−オキセタニル)メトキシ−アリールフェニル]フルオレン(例えば、9,9−ビス[4−((3−オキセタニル)メトキシ)−3−フェニルフェニル]フルオレンなどの9,9−ビス[(3−オキセタニル)メトキシ−C
6−10アリールフェニル]フルオレンなど);前記式(1)において、m1及びm2が1、R
2a及びR
2bがアリール基、R
4a及びR
4bがアルキル基である9,9−ビス[(3−アルキル−3−オキセタニル)メトキシ−アリールフェニル]フルオレン(例えば、9,9−ビス[4−((3−メチル−3−オキセタニル)メトキシ)−3−フェニルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−((3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ)−3−フェニルフェニル]フルオレンなどの9,9−ビス[(3−C
1−6アルキル−3−オキセタニル)メトキシ−C
6−10アリールフェニル]フルオレンなど)など};(A1-2)前記式(1)において、n1及びn2が1以上[例えば、1〜20、好ましくは2〜10(例えば、3〜8)、さらに好ましくは4〜7程度]である9,9−ビス[(3−オキセタニル)メトキシ(ポリ)アルコキシ−フェニル]フルオレン類(すなわち、前記(A1-1)に例示の化合物に対応してn1及びn2が1以上である化合物){例えば、前記式(1)において、m1及びm2が0、R
4a及びR
4bが水素原子である9,9−ビス[(3−オキセタニル)メトキシ(ポリ)アルコキシ−フェニル]フルオレン(例えば、9,9−ビス[4−(2−((3−オキセタニル)メトキシ)エトキシ)−フェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−((3−オキセタニル)メトキシ)プロポキシ)−フェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−(2−((3−オキセタニル)メトキシ)エトキシ)エトキシ)−フェニル]フルオレンなどの9,9−ビス[(3−オキセタニル)メトキシ(モノ乃至イコサ)C
2−6アルコキシ−フェニル]フルオレンなど);前記式(1)において、m1及びm2が0、R
4a及びR
4bがアルキル基である9,9−ビス[(3−アルキル−3−オキセタニル)メトキシ(ポリ)アルコキシ−フェニル]フルオレン(例えば、9,9−ビス[4−(2−((3−メチル−3−オキセタニル)メトキシ)エトキシ)−フェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−(2−((3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ)エトキシ)エトキシ)−フェニル]フルオレンなどの9,9−ビス[(3−C
1−6アルキル−3−オキセタニル)メトキシ(モノ乃至イコサ)C
2−6アルコキシ−フェニル]フルオレンなど);前記式(1)において、m1及びm2が1又は2、R
2a及びR
2bがアルキル基、R
4a及びR
4bが水素原子である9,9−ビス[(3−オキセタニル)メトキシ(ポリ)アルコキシ−(モノ又はジ)アルキルフェニル]フルオレン(例えば、9,9−ビス[4−(2−((3−オキセタニル)メトキシ)エトキシ)−3−メチルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−(2−((3−オキセタニル)メトキシ)エトキシ)エトキシ)−3,5−ジメチルフェニル]フルオレンなどの9,9−ビス[(3−オキセタニル)メトキシ(モノ乃至イコサ)C
2−6アルコキシ−(モノ又はジ)C
1−6アルキルフェニル]フルオレンなど);前記式(1)において、m1及びm2が1又は2、R
2a及びR
2bがアルキル基、R
4a及びR
4bがアルキル基である9,9−ビス[(3−アルキル−3−オキセタニル)メトキシ(ポリ)アルコキシ−(モノ又はジ)アルキルフェニル]フルオレン(例えば、9,9−ビス[4−(2−((3−メチル−3−オキセタニル)メトキシ)エトキシ)−3−メチルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−(2−((3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ)エトキシ)エトキシ)−3,5−ジメチルフェニル]フルオレンなどの9,9−ビス[(3−C
1−6アルキル−3−オキセタニル)メトキシ(モノ乃至イコサ)C
2−6アルコキシ−(モノ又はジ)C
1−6アルキルフェニル]フルオレンなど);前記式(1)において、m1及びm2が1、R
2a及びR
2bがアリール基、R
4a及びR
4bが水素原子である9,9−ビス[(3−オキセタニル)メトキシ(ポリ)アルコキシ−アリールフェニル]フルオレン(例えば、9,9−ビス[4−(2−((3−オキセタニル)メトキシ)エトキシ)−3−フェニルフェニル]フルオレンなどの9,9−ビス[(3−オキセタニル)メトキシ(モノ乃至イコサ)C
2−6アルコキシ−C
6−10アリールフェニル]フルオレンなど);前記式(1)において、m1及びm2が1、R
2a及びR
2bがアリール基、R
4a及びR
4bがアルキル基である9,9−ビス[(3−アルキル−3−オキセタニル)メトキシ(ポリ)アルコキシ−アリールフェニル]フルオレン(例えば、9,9−ビス[4−(2−((3−メチル−3−オキセタニル)メトキシ)エトキシ)−3−フェニルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−(2−((3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ)エトキシ)エトキシ)−3−フェニルフェニル]フルオレンなどの9,9−ビス[(3−C
1−6アルキル−3−オキセタニル)メトキシ(モノ乃至イコサ)C
2−6アルコキシ−C
6−10アリールフェニル]フルオレンなど)など}などが挙げられる。
【0050】
(A2)ビスナフチルフルオレン類として具体的には、例えば、(A2-1)前記式(1)において、n1及びn2が0である9,9−ビス[(3−オキセタニル)メトキシ−ナフチル]フルオレン類{例えば、前記式(1)において、m1及びm2が0、R
4a及びR
4bが水素原子である9,9−ビス[(3−オキセタニル)メトキシ−ナフチル]フルオレン(例えば、9,9−ビス[6−((3−オキセタニル)メトキシ)−2−ナフチル]フルオレン、9,9−ビス[5−((3−オキセタニル)メトキシ)−1−ナフチル]フルオレンなど);前記式(1)において、m1及びm2が0、R
4a及びR
4bがアルキル基である9,9−ビス[(3−アルキル−3−オキセタニル)メトキシ−ナフチル]フルオレン(例えば、9,9−ビス[6−((3−メチル−3−オキセタニル)メトキシ)−2−ナフチル]フルオレン、9,9−ビス[6−((3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ)−2−ナフチル]フルオレン、9,9−ビス[5−((3−メチル−3−オキセタニル)メトキシ)−1−ナフチル]フルオレン、9,9−ビス[5−((3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ)−1−ナフチル]フルオレンなどの9,9−ビス[(3−C
1−6アルキル−3−オキセタニル)メトキシ−ナフチル]フルオレンなど);(A2-2)前記式(1)において、n1及びn2が1以上[例えば、1〜20、好ましくは2〜10(例えば、3〜8)、さらに好ましくは4〜7程度]である9,9−ビス[(3−オキセタニル)メトキシ(ポリ)アルコキシ−ナフチル]フルオレン類(すなわち、前記(A2-1)に例示の化合物に対応してn1及びn2が1以上である化合物){例えば、前記式(1)において、m1及びm2が0、R
4a及びR
4bが水素原子である9,9−ビス[(3−オキセタニル)メトキシ(ポリ)アルコキシ−ナフチル]フルオレン(例えば、9,9−ビス[6−(2−((3−オキセタニル)メトキシ)エトキシ)−2−ナフチル]フルオレン、9,9−ビス[6−(2−((3−オキセタニル)メトキシ)プロポキシ)−2−ナフチル]フルオレン、9,9−ビス[6−(2−(2−((3−オキセタニル)メトキシ)エトキシ)エトキシ)−2−ナフチル]フルオレン、9,9−ビス[5−(2−((3−オキセタニル)メトキシ)エトキシ)−1−ナフチル]フルオレンなどの9,9−ビス[(3−オキセタニル)メトキシ(モノ乃至イコサ)C
2−6アルコキシ−ナフチル]フルオレンなど);前記式(1)において、m1及びm2が0、R
4a及びR
4bがアルキル基である9,9−ビス[(3−アルキル−3−オキセタニル)メトキシ(ポリ)アルコキシ−ナフチル]フルオレン(例えば、9,9−ビス[6−(2−((3−メチル−3−オキセタニル)メトキシ)エトキシ)−2−ナフチル]フルオレン、9,9−ビス[6−(2−((3−メチル−3−オキセタニル)メトキシ)プロポキシ)−2−ナフチル]フルオレン、9,9−ビス[6−(2−((3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ)エトキシ)−2−ナフチル]フルオレン、9,9−ビス[6−(2−(2−((3−メチル−3−オキセタニル)メトキシ)エトキシ)エトキシ)−2−ナフチル]フルオレン、9,9−ビス[5−(2−((3−メチル−3−オキセタニル)メトキシ)エトキシ)−1−ナフチル]フルオレンなどの9,9−ビス[(3−C
1−6アルキル−3−オキセタニル)メトキシ(モノ乃至イコサ)C
2−6アルコキシ−ナフチル]フルオレンなど)など}などが挙げられる。
【0051】
なお、前記例示の化合物において、前記式(1)におけるk1及びk2が1以上である化合物も含む。また、本明細書及び特許請求の範囲において、「(ポリ)アルコキシ」とは、アルコキシ基及びポリアルコキシ基の双方を含む意味に用いる。
【0052】
これらの前記式(1)で表される第1のカチオン重合性化合物は単独で又は2種以上組み合わせて使用することもできる。好ましい第1のカチオン重合性化合物としては、例えば、(A1)ビスフェニルフルオレン類[例えば、9,9−ビス[4−((3−メチル−3−オキセタニル)メトキシ)−フェニル]フルオレンなどの9,9−ビス[(3−C
1−4アルキル−3−オキセタニル)メトキシ−フェニル]フルオレン;9,9−ビス[4−(2−((3−メチル−3−オキセタニル)メトキシ)エトキシ)−フェニル]フルオレンなどの9,9−ビス[(3−C
1−4アルキル−3−オキセタニル)メトキシ(モノ乃至デカ)C
2−4アルコキシ−フェニル]フルオレンなど];(A2)ビスナフチルフルオレン類などが挙げられ、なかでも、屈折率及び溶媒に対する溶解性を高めるためには、(A2)ビスナフチルフルオレン類[例えば、9,9−ビス[(3−C
1−4アルキル−3−オキセタニル)メトキシ−ナフチル]フルオレンなどの(A2-1)9,9−ビス[(3−オキセタニル)メトキシ−ナフチル]フルオレン類;9,9−ビス[(3−C
1−4アルキル−3−オキセタニル)メトキシ(モノ乃至デカ)C
2−6アルコキシ−ナフチル]フルオレンなどの(A2-2)9,9−ビス[(3−オキセタニル)メトキシ(ポリ)アルコキシ−ナフチル]フルオレン類など]が好ましく、特に、9,9−ビス[6−((3−メチル−3−オキセタニル)メトキシ)−2−ナフチル]フルオレンなどの9,9−ビス[(3−C
1−2アルキル−3−オキセタニル)メトキシ−ナフチル]フルオレンが好ましい。
【0053】
これらの第1のカチオン重合性化合物は、市販品を使用してもよく、慣用の方法(例えば、特開2000−336082号公報記載の方法など)により調製してもよい。代表的な方法としては、例えば、下記式(1A)で表される化合物と、下記式(1B)で表される化合物とを反応させて調製する方法などであってもよい。
【0055】
(式中、Ar
1及びAr
2、Z
1及びZ
2、R
1a及びR
1b、R
2a及びR
2b、R
3a及びR
3b、k1及びk2、m1及びm2並びにn1及びn2は、それぞれ好ましい態様を含めて前記式(1)に同じ)。
【0057】
(式中、Xはハロゲン原子、R
4は水素原子又は置換基を示す)。
【0058】
前記式(1A)で表される化合物として具体的には、例えば、前記式(1)で表される第1のカチオン重合性化合物として例示した化合物の(3−オキセタニル)メチル基又は(3−アルキル−3−オキセタニル)メチル基を水素原子に置換したジヒドロキシ化合物などが挙げられる。前記式(1A)で表される化合物は、市販品を使用してもよく、慣用の方法[例えば、環Ar
1及びAr
2に対応するフルオレノン化合物(ベンゾフルオレノン又はジベンゾフルオレノンを含む)と、環Z
1及びZ
2に対応するフェノール又はアルコールとを、硫酸などの酸触媒、β−メルカプトプロピオン酸などの助触媒など存在下で反応させる方法など]により調製してもよい。
【0059】
前記式(1B)において、R
4で表される水素原子又は置換基は、前記式(1)におけるR
4a及びR
4bと好ましい態様を含めて同様である。
【0060】
前記式(1B)において、Xで表されるハロゲン原子としては、例えば、塩素、臭素、ヨウ素などが挙げられ、塩素であるのが好ましい。
【0061】
前記式(1B)で表される化合物として具体的には、例えば、3−クロロメチル−オキセタンなどの3−ハロメチル−オキセタン;3−クロロメチル−3−メチルオキセタン、3−クロロメチル−3−エチルオキセタンなどの3−ハロメチル−3−C
1−6アルキルオキセタンなどが挙げられる。これらの前記式(1B)で表される化合物のうち、3−ハロメチル−3−C
1−4アルキルオキセタン(特に、3−クロロメチル−3−メチルオキセタンなどの3−ハロメチル−3−C
1−2アルキルオキセタンなど)が好ましい。前記式(1B)で表される化合物は市販品などを使用できる。
【0062】
前記式(1B)で表される化合物の割合は、前記式(1A)で表される化合物のヒドロキシル基1モルに対して、例えば、0.5〜10モル、好ましくは1〜5モル(例えば、1〜2モル)、さらに好ましくは1.05〜1.5モル(例えば、1.1〜1.3モル)程度であってもよい。
【0063】
反応は、アルカリ金属又はアルカリ金属化合物の存在下で行ってもよい。アルカリ金属としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムなどが挙げられる。アルカリ金属化合物としては、例えば、アルカリ金属水素化物(水素化ナトリウム、水素化カリウムなど);アルカリ金属水酸化物(水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど);アルカリ金属炭酸塩(例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなど)などが挙げられる。
【0064】
これらのアルカリ金属又はアルカリ金属化合物は、単独で又は2種以上組み合わせて使用することもできる。これらのアルカリ金属又はアルカリ金属化合物のうち、炭酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩などが好ましい。アルカリ金属又はアルカリ金属化合物の割合は、前記式(1A)で表される化合物のヒドロキシル基1モルに対して、例えば、1〜2モル、好ましくは1.1〜1.5モル、さらに好ましくは1.2〜1.4モル程度であってもよい。
【0065】
反応は、相間移動触媒の存在下で行ってもよい。相間移動触媒としては、例えば、テトラアルキルアンモニウムハライド(例えば、テトラメチルアンモニウムブロミド、テトラブチルアンモニウムブロミドなどのテトラC
1−8アルキルアンモニウムハライドなど)などの有機アンモニウムハライドなどが挙げられる。これらの相間移動触媒は、単独で又は2種以上組み合わせて使用することもできる。これらの相間移動触媒のうち、テトラメチルアンモニウムブロミドなどのテトラC
1−4アルキルアンモニウムハライドなどが好ましい。相間移動触媒の割合は、前記式(1A)で表される化合物のヒドロキシル基1モルに対して、例えば、0.001〜1モル、好ましくは0.01〜0.1モル、さらに好ましくは0.02〜0.05モル程度であってもよい。
【0066】
反応は、溶媒の存在下で行ってもよい。溶媒としては、例えば、芳香族炭化水素類(トルエン、キシレンなど);エーテル類(ジブチルエーテルなどの鎖状エーテル類、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの環状エーテル類など);アミド類(N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、N−メチル−2−ピロリドンなど);スルホキシド類(ジメチルスルホキシド(DMSO)など);水などが挙げられる。これらの溶媒は、単独で又は2種以上組み合わせて使用することもできる。これらの溶媒のうち、通常、トルエンなどの芳香族炭化水素類、ジオキサンなどの環状エーテル類、DMFなどのアミド類などであってもよい。溶媒の割合は、前記式(1A)で表される化合物100重量部に対して、例えば、100〜1000重量部、好ましくは200〜800重量部、さらに好ましくは400〜600重量部程度であってもよい。
【0067】
反応は、反応促進剤の存在下で行ってもよい。反応促進剤としては、例えば、ヨウ化カリウムなどのアルカリ金属ヨウ化物などが挙げられる。反応促進剤の割合は、前記式(1A)で表される化合物のヒドロキシル基1モルに対して、例えば、0.01〜0.1モル、好ましくは0.02〜0.08モル、さらに好ましくは0.04〜0.06モル程度であってもよい。
【0068】
反応は、空気中又は不活性ガス(例えば、窒素;アルゴン、ヘリウムなどの希ガスなど)中で行ってもよい。また、反応は、常圧下、加圧下又は減圧下で行ってもよい。反応温度は、例えば、50〜150℃、好ましくは70〜120℃程度であってもよい。反応時間は特に制限されず、例えば、1〜12時間、好ましくは5〜7時間程度であってもよい。反応終了後、反応生成物は、洗浄、抽出、濃縮、ろ過、再沈殿、遠心分離、晶析、再結晶、カラムクロマトグラフィーなどの慣用の分離精製手段や、これらを組み合わせた方法により、分離精製してもよい。
【0069】
(第2のカチオン重合性化合物)
カチオン重合性化合物は、不溶化率を向上し易い点から、必要に応じて、下記式(2)で表される第2のカチオン重合性化合物を含んでいてもよい。
【0071】
(式中、Ar
3及びAr
4並びにZ
3及びZ
4はそれぞれアレーン環、R
5a及びR
5b、R
6a及びR
6bはそれぞれ置換基、R
7a及びR
7bはそれぞれ直鎖状又は分岐鎖状アルキレン基、R
8a及びR
8bはそれぞれ水素原子又はメチル基、p1及びp2、q1及びq2並びにr1及びr2はそれぞれ0以上の整数、s1及びs2は1〜4の整数を示す)。
【0072】
前記式(2)において、Ar
3及びAr
4、Z
3及びZ
4、R
5a及びR
5b、R
6a及びR
6b、R
7a及びR
7b、p1及びp2、q1及びq2並びにr1及びr2は、前記式(1)におけるAr
1及びAr
2、Z
1及びZ
2、R
1a及びR
1b、R
2a及びR
2b、R
3a及びR
3b、k1及びk2、m1及びm2並びにn1及びn2にそれぞれ対応し、環又は基の種類や結合位置、数値範囲などの好ましい態様を含めて同様であってもよい。
【0073】
前記式(2)において、R
8a及びR
8bは水素原子であるのが好ましい。また、R
8a及びR
8bの種類は、互いに異なっていてもよいが、通常、同一である。
【0074】
前記式(2)において、s1及びs2は、例えば、1〜3の整数、好ましくは1又は2、さらに好ましくは1であってもよい。本発明では、s1及びs2が小さくても(又は重合性官能基数が少なくても)、不溶化率を有効に向上できる。
【0075】
また、前記式(2)で表される化合物1分子中におけるオキシアルキレン基の合計数(合計付加数)[単に、r1×s1+r2×s2という場合がある]は、s1及びs2の値に応じて選択でき、例えば、0〜60程度の整数の範囲から選択でき、例えば、0〜40(例えば、2〜30)程度の整数、好ましくは0〜20(例えば、4〜16)程度の整数、さらに好ましくは0〜12(例えば、6〜10)程度の整数、特に0〜4(例えば、0〜2、特に0)程度の整数であってもよい。
【0076】
前記式(2)で表される第2のカチオン重合性化合物として、具体的には、例えば、前記式(1)で表される第1のカチオン重合性化合物として例示した化合物の(3−オキセタニル)メチル基又は(3−アルキル−3−オキセタニル)メチル基をグリシジル基に置換したジグリシジル化合物などが挙げられる。これらの第2のカチオン重合性化合物は、単独で又は2種以上組み合わせて使用することもできる。第2のカチオン重合性化合物のうち、硬化性組成物及び硬化物を高屈折率化し易い観点から、9,9−ビス(グリシジルオキシナフチル)フルオレン;9,9−ビス[グリシジルオキシ(ポリ)アルコキシナフチル]フルオレン(例えば、9,9−ビス[6−(2−グリシジルオキシエトキシ)−2−ナフチル]フルオレンなどの9,9−ビス[グリシジルオキシ(モノ乃至デカ)C
2−4アルコキシナフチル]フルオレンなど)などが好ましく、9,9−ビス[6−グリシジルオキシ−2−ナフチル]フルオレンなどの9,9−ビス(グリシジルオキシナフチル)フルオレンが特に好ましい。
【0077】
前記式(2)で表される第2のカチオン重合性化合物は、市販品を使用してもよく、慣用の方法[例えば、特開2012−102228号公報に記載の方法、すなわち、前記式(2)で表される化合物に対応するジヒドロキシ化合物(前記式(1A)で表される化合物)とエピクロロヒドリンとを、水酸化ナトリウムなどの塩基の存在下で反応させる方法など]により調製してもよい。
【0078】
第1のカチオン重合性化合物と第2のカチオン重合性化合物との割合は、例えば、前者/後者(重量比)=50/50〜99/1程度の範囲から選択でき、例えば、70/30〜97/3、好ましくは80/20〜95/5、さらに好ましくは85/15〜95/5程度であってもよい。
【0079】
カチオン重合性化合物は、必ずしも必要ではないが、前記第1及び第2のカチオン重合性化合物に属さない他のカチオン重合性化合物(単に、第3のカチオン重合性化合物ともいう)を含んでいてもよい。第3のカチオン重合性化合物としては、例えば、オキセタン環含有化合物(例えば、(3−エチル−3−オキセタニル)メタノールなどの単官能性オキセタン化合物;p−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル]ベンゼンなどの多官能性オキセタン化合物など);慣用のエポキシ樹脂(例えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂などのグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;グリシジルエステル型エポキシ樹脂;グリシジルアミン型エポキシ樹脂;脂環式エポキシ樹脂など);ビニルエーテル基含有化合物(例えば、9,9−ビス[4−(2−ビニルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン、9,9−ビス[6−(2−ビニルオキシエトキシ)−2−ナフチル]フルオレンなどの9,9−ビス[ビニルオキシ(ポリ)アルコキシアリール]フルオレン;9,9−ビス[4−(2−ビニルオキシエトキシ)−2−メチルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ビニルオキシエトキシ)−3−メチルフェニル]フルオレンなどの9,9−ビス[ビニルオキシ(ポリ)アルコキシ−(モノ又はジ)アルキルフェニル]フルオレンなど)などが挙げられる。
【0080】
第1のカチオン重合性化合物及び第2のカチオン重合性化合物の合計量の割合は、カチオン重合性化合物全体に対して、例えば、10重量%以上(例えば、30〜100重量%)程度の範囲から選択でき、例えば、50重量%以上(例えば、50〜99重量%)、好ましくは70重量%以上(例えば、70〜97重量%)、さらに好ましくは90重量%以上(例えば、90〜95重量%)程度であってもよく、実質的に100重量%(第3のカチオン重合性化合物を含まない態様)であってもよい。
【0081】
[ポリシラン]
ポリシランとしては、Si−Si結合を有する直鎖状、環状、分岐鎖状、又は網目状の化合物であれば特に限定されないが、通常、下記式(3a)及び(3b)で表される構造単位のうち少なくとも1つの構造単位を有するポリシランで構成されている場合が多い。
【0083】
(式中、R
9〜R
11は、同一又は相異なって、水素原子、ヒドロキシル基、有機基又はシリル基を示す)。
【0084】
前記式(3a)及び(3b)において、R
9〜R
11で表される有機基としては、例えば、炭化水素基(アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリール基、アラルキル基)、これらの炭化水素基に対応するエーテル基(アルコキシ基、シクロアルキルオキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基など)などが挙げられる。通常、前記有機基は、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基などの炭化水素基である場合が多い。また、水素原子やヒドロキシル基、アルコキシ基、シリル基などは末端に置換している場合が多い。
【0085】
アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基などのC
1−14アルキル基(好ましくはC
1−10アルキル基、さらに好ましくはC
1−6アルキル基)が挙げられる。
【0086】
アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基などのC
1−14アルコキシ基が挙げられる。
【0087】
アルケニル基としては、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基などのC
2−14アルケニル基が挙げられる。
【0088】
シクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基などのC
5−14シクロアルキル基などが挙げられる。シクロアルキルオキシ基としては、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基などのC
5−14シクロアルキルオキシ基などが挙げられる。シクロアルケニル基としては、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基などのC
5−14シクロアルケニル基などが挙げられる。
【0089】
アリール基としては、フェニル基、メチルフェニル基(トリル基)、ジメチルフェニル基(キシリル基)、ナフチル基などのC
6−20アリール基(好ましくはC
6−15アリール基、さらに好ましくはC
6−12アリール基)などが挙げられる。アリールオキシ基としては、フェノキシ基、ナフチルオキシ基などのC
6−20アリールオキシ基などが挙げられる。アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基などのC
6−20アリール−C
1−4アルキル基などが挙げられる。アラルキルオキシ基としては、ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基、フェニルプロピルオキシ基などのC
6−20アリール−C
1−4アルキルオキシ基などが挙げられる。
【0090】
シリル基としては、シリル基、ジシラニル基、トリシラニル基などのSi
1−10シラニル基(好ましくはSi
1−6シラニル基)などが挙げられる。
【0091】
また、R
9〜R
11が、前記有機基(アルキル基、アリール基など)又はシリル基である場合には、その水素原子の少なくとも1つが、置換基(又は官能基)により置換されていてもよい。このような置換基(又は官能基)は、例えば、ヒドロキシル基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基などの前記例示の基と同様であってもよい。
【0092】
これらのうち、R
9〜R
11は、アルキル基(例えば、メチル基などのC
1−4アルキル基)、アリール基(例えば、フェニル基などのC
6−20アリール基)などである場合が多い。
【0093】
ポリシランが非環状構造(鎖状(直鎖状、分岐鎖状)、網目状)の場合、末端基(末端置換基)は、通常、水素原子、ヒドロキシル基、ハロゲン原子(塩素原子など)、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、シリル基などであってもよい。これらのうち、ヒドロキシル基、メチル基、フェニル基である場合が多く、なかでも、光酸発生剤から発生する酸をトラップすることなく、光硬化性を向上できる点から、フェニル基、メチル基が好ましく、末端基はトリメチルシリル基であってもよい。
【0094】
具体的なポリシランとしては、例えば、前記式(3a)で表される構造単位を有する直鎖状又は環状ポリシラン、前記式(3b)で表される構造単位を有するポリシラン(分岐鎖状又は網目状ポリシラン)、前記式(3a)及び(3b)で表される構造単位を組み合わせて有するポリシラン(分岐鎖状又は網目状ポリシラン)などが挙げられる。これらのポリシランにおいて、前記式(3a)及び(3b)で表される構造単位は、それぞれ、単独で又は2種以上組み合わせてもよい。なお、分岐鎖状又は網目状ポリシランは、下記式(3c)で表される構造単位をさらに含んでいてもよい。
【0096】
代表的なポリシランとしては、鎖状又は環状ポリシラン、例えば、ポリジアルキルシラン[例えば、ポリジメチルシラン、ポリメチルプロピルシラン、ポリメチルブチルシラン、ポリメチルペンチルシラン、ポリジブチルシラン、ポリジヘキシルシラン、ジメチルシラン−メチルへキシルシラン共重合体など];ポリアルキルアリールシラン[例えば、ポリメチルフェニルシラン、メチルフェニルシラン−フェニルヘキシルシラン共重合体など];ポリジアリールシラン(例えば、ポリジフェニルシランなど);ジアルキルシラン−アルキルアリールシラン共重合体(例えば、ジメチルシラン−メチルフェニルシラン共重合体、ジメチルシラン−フェニルヘキシルシラン共重合体、ジメチルシラン−メチルナフチルシラン共重合体など)などが挙げられる。これらのポリシランは、単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。
【0097】
これらのうち、カチオン重合を阻害せず、硬化物の安定性を向上できる点から、R
9がアリール基(特にC
6−20アリール基)であり、かつR
10がアリール基(特にC
6−20アリール基)又はアルキル基(特にC
1−6アルキル基)である構造単位(3a)を有するポリシラン(特に鎖状又は環状ポリシラン)、例えば、ポリC
1−6アルキルC
6−20アリールシラン(例えば、ポリC
1−3アルキルC
6−10アリールシラン)、ポリジC
6−20アリールシラン(例えば、ポリジC
6−10アリールシラン)が好ましい。さらに、カチオン重合性化合物との相溶性などの点から、鎖状ポリアルキルアリールシラン(例えば、鎖状ポリC
1−6アルキルC
6−14アリールシランなど)、環状ジアリールシランが好ましく、特に鎖状ポリアルキルアリールシラン(特にポリメチルフェニルシランなどの鎖状ポリC
1−3アルキルC
6−10アリールシラン)が好ましい。
【0098】
本発明に用いるポリシランとしては、ポリシランの末端のケイ素原子に少なくとも1つの水酸基が直接結合したポリシラン、すなわち、末端に少なくとも1つのシラノール基(ヒドロキシル基)を有するポリシランが好ましい。ケイ素原子に直接結合した水酸基は、カチオン重合性化合物のオキセタニル基(及びエポキシ基)との良好な反応性を示し、紫外光照射及び/又は加熱により、カチオン重合性化合物とポリシランとの間に高度な架橋構造が形成される。ヒドロキシル基の含有割合としては、1つのケイ素原子当たり、例えば、平均0.005〜2.5個程度、好ましくは平均0.01〜1個程度、より好ましくは平均0.05〜0.5個程度である。シラノール基(ヒドロキシル基)の含有割合が多すぎると、光酸発生剤による酸をトラップするためか、カチオン重合を阻害する虞がある。
【0099】
ポリシランの平均重合度は、ケイ素原子換算(すなわち、一分子あたりのケイ素原子の平均数)で、例えば、2〜200(例えば、4〜150)、好ましくは8〜100(10〜50)、さらに好ましくは12〜30(特に15〜20)程度であってもよい。ポリシランの数平均分子量Mnは、GPC(ポリスチレン換算)による測定方法において、例えば、100〜50000(例えば、200〜30000)、好ましくは300〜10000、さらに好ましくは400〜8000(例えば、500〜5000)程度であってもよく、通常、700〜4000(例えば、1000〜3000)程度であってもよい。ポリシランの重量平均分子量Mwは、GPC(ポリスチレン換算)による測定方法において、例えば、1000〜100000(例えば、3000〜50000)、好ましくは5000〜30000、さらに好ましくは7000〜20000(例えば、9000〜15000)程度であってもよい。重合度及び分子量が小さすぎると、硬化性組成物における反応性、並びに硬化物の屈折率、耐熱性及び撥水性が低下する虞があり、重合度及び分子量が大きすぎると、硬化物の機械的特性が低下する虞がある。
【0100】
ポリシランは、室温(例えば、15〜25℃程度)で、固体状、液体状のいずれであってもよく、例えば、取り扱い性などの点から、固体状であってもよく、組成物中に均一に分散し易い点から、液体状のポリシランであってもよい。
【0101】
カチオン重合性化合物(例えば、第1及び第2のカチオン重合性化合物の合計量など)とポリシランとの割合は、例えば、前者/後者(重量比)=99/1〜10/90程度の広い範囲から選択でき、例えば、90/10〜20/80(例えば、80/20〜25/75)、好ましくは70/30〜30/70(例えば、65/35〜35/65)、さらに好ましくは60/40〜40/60(例えば、55/45〜45/55)程度であってもよい。ポリシランの割合が少なすぎると、硬化物の高屈折率化や、耐熱性及び撥水性が低下する虞があり、多すぎると、硬化物の機械的特性が低下する虞がある。
【0102】
[他の成分]
(光酸発生剤)
本発明の硬化性組成物は、重合開始剤として、光酸発生剤を含んでいる場合が多い。光酸発生剤としては、慣用の光酸発生剤、例えば、イミジルスルホネート化合物、チオキサントンオキシムエステル化合物、オニウム塩、メタロセン錯体、スルホンイミド化合物、ジスルホン化合物、スルホン酸エステル化合物、トリアジン化合物、キノンジアジド化合物、ジアゾメタン化合物などであってもよいが、光照射によるポリシランの分解又は劣化を抑制できる観点から、可視光線を吸収して酸を発生する光酸発生剤であるのが好ましい。
【0103】
可視光線を吸収して酸を発生する光酸発生剤としては、例えば、フェニルチオフェン類[例えば、ビス(4−メチルフェニル)(5−フェニル−チオフェン−2−イル)スルホニウム ヘキサフルオロリン酸塩などのフェニルチオフェンスルホニウム塩など];ジオキソロフェニルトリアジン類[例えば、2−ジオキソロフェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−トリアジンなどのジオキソロフェニル−ビス(ハロアルキル)−トリアジンなど];ベンゾチオフェン類[例えば、ビス(4−n−ブトキシフェニル)(ベンゾチオフェン−2−イル)スルホニウム ヘキサフルオロリン酸塩などのベンゾチオフェンスルホニウム塩など];チアントレン類[例えば、N−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−7−t−ブチルチアントレン−2,3−ジカルボン酸イミドなどのN−ハロアルカンスルホニルオキシ−チアントレンジカルボン酸イミド;7−t−ブチル−5−(4−メトキシフェニル)チアントレニウム−2,3−ジカルボン酸イミド トリフルオロメタンスルホン酸塩、7−t−ブチル−5−(4−メトキシフェニル)チアントレニウム−2,3−ジカルボン酸イミド ヘキサフルオロリン酸塩などのチアントレニウムジカルボン酸イミド塩など];フェノキサジン類;フェノキサチイン類;フェノチアジン類などが挙げられる。
【0104】
これらの光酸発生剤のうち、光硬化性のなどの点から、イミド環と共役(縮合)したチアントレン類が好ましく、下記式(4)で表される光酸発生剤が特に好ましい。
【0106】
(式中、R
12はフルオロ炭化水素基、R
13はアルキル基を示す)。
【0107】
前記式(4)において、R
12のフルオロ炭化水素基としては、例えば、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ノナフルオロブチル基などのパーフルオロC
1−4アルキル基や、ペンタフルオロフェニル基などのパーフルロC
6−14アリール基などが挙げられる。これらのフルオロ炭化水素基のうち、パーフルオロC
1−2アルキル基(特にトリフルオロメチル基)が好ましい。
【0108】
前記置換基R
13としては、例えば、メチル基、エチル基、n−ブチル基、t−ブチル基などのC
1−10アルキル基などが挙げられる。これらのアルキル基のうち、メチル基やt−ブチル基などのC
1−4アルキル基が好ましく、t−ブチル基が特に好ましい。置換基R
13の置換位置は、例えば、6〜9−位のいずれかの位置が好ましく、7−位又は8−位が特に好ましい。
【0109】
式(4)で表される光酸発生剤のうち、光硬化性の点から、N−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−7−t−ブチルチアントレン−2,3−ジカルボン酸イミドなどのN−パーフルオロC
1−2アルキルスルホニルオキシ−C
1−4アルキルチアントレン−2,3−ジカルボン酸イミドが特に好ましい。
【0110】
光酸発生剤の割合は、カチオン重合性化合物及びポリシランの総量100重量部に対して、0.1〜30重量部程度の範囲から選択でき、例えば、0.3〜20重量部、好ましくは1〜15重量部、さらに好ましくは2〜10重量部(特に3〜8重量部)程度である。光酸発生剤の割合が少なすぎると、架橋密度を向上できず、硬化物の強度が低下する虞がある。一方、光酸発生剤の割合が多すぎると、組成物の安定性や塗工性が低下する虞がある。
【0111】
(溶媒)
本発明の光重合性組成物は、取り扱い性や塗工性を向上できる点から、溶媒を含んでいてもよい。溶媒としては、例えば、炭化水素類(ヘキサン、シクロヘキサン、トルエンなど);アルコール類(エタノール、プロパノールなど);エーテル類[ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)など];ケトン類[エチルメチルケトン(2−ブタノン)、シクロヘキサノンなど];エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチルなど);ジオール類(エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど);セロソルブ類[メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、エチレングリコールジメチルエーテル(ジメトキシエタン)、プロピレングリコールモノメチルエーテルなど];カルビトール類[カルビトール、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグライム)、ジエチレングリコールメチルエチルエーテルなど];セロソルブアセテート類(プロピレングリコールメチルアセテートなど)などが挙げられる。
【0112】
これらの溶媒は、単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。これらの溶媒のうち、エーテル類、ケトン類、セロソルブ類、カルビトール類、セロソルブアセテート類などが好ましい。
【0113】
溶媒は、塗布に適した塗布液粘度が得られるように適量使用してもよい。代表的な溶媒の割合としては、カチオン重合性化合物及びポリシランの総量100重量部に対して、例えば、100〜10000重量部、好ましくは200〜1000重量部、さらに好ましくは300〜500重量部程度であってもよい。
【0114】
(他の添加剤)
本発明の硬化性組成物は、さらに慣用の他の添加剤を含んでいてもよい。他の添加剤としては、例えば、増感剤(クマリン類、キノリン類、キノン類、フェノキサジン類、芳香族炭化水素類(ピレン類など)、アミン類など)、反応性ポリマー(フェノール系樹脂などのオキセタニル基(及び/又はエポキシ基)に対する反応性基を有するポリマーなど)、着色剤(染顔料)、増粘剤、安定剤(老化防止剤、酸化防止剤、オゾン劣化防止剤など)、消泡剤、レベリング剤、分散剤、難燃剤、帯電防止剤、充填剤、滑剤などが挙げられる。これらの添加剤は、単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。これらの添加剤の割合は、添加剤の種類に応じて適宜選択できるが、例えば、カチオン重合性化合物100重量部に対して、100重量部以下(例えば、0.1〜50重量部)、好ましくは0.3〜30重量部、さらに好ましくは0.5〜20重量部程度である。
【0115】
硬化性組成物は、カチオン重合性化合物及びポリシラン、並びに必要に応じて他の成分(光酸発生剤、慣用の添加剤など)を配合し、必要に応じて溶媒又は分散剤により、溶解、分散及び混合などで均一に混合することによって得られる。
【0116】
[硬化物及びその製造方法]
本発明では、前記硬化性組成物に光(例えば、可視光線など)を照射して光硬化物を形成する光硬化工程を含む製造方法により硬化物(三次元的硬化物、硬化膜や硬化パターンなどの一次元又は二次元的硬化物、点又はドット状硬化物など)を製造してもよい。
【0117】
光硬化工程において、光硬化物(光硬化膜、光硬化パターンなど)は、前記硬化性組成物を基材上に塗布して塗膜を形成した後、光(例えば、可視光線)を照射(露光)することにより形成してもよい。そのため、硬化性組成物は、例えば、基材上での塗膜(薄膜)の製造などに使用してもよい。硬化性組成物を基材に塗布し、塗膜を製造する場合は、溶媒を含む硬化性組成物(カチオン重合性化合物、ポリシラン及び光酸発生剤などを前記溶媒に溶解又は分散させた溶液又は分散液)を基材に塗布してもよい。
【0118】
塗布方法としては、例えば、フローコーティング法、スピンコーティング法、スプレーコーティング法、スクリーン印刷法、キャスト法、バーコーティング法、カーテンコーティング法、ロールコーティング法、グラビアコーティング法、ディッピング法、スリット法などが挙げられる。
【0119】
塗膜の厚みは、硬化物の用途に応じて、通常、0.01μm〜10mm程度の範囲から選択できる。フォトレジストの場合、塗膜の厚みは、通常、0.05〜10μm程度であり、例えば、0.1〜5μm程度であってもよい。プリント配線基板の場合、塗膜の厚みは、通常、10μm〜5mm程度であり、例えば、100μm〜1mm程度であってもよい。光学薄膜の場合、塗膜の厚みは、通常、0.1〜100μm程度であり、例えば、0.3〜50μm程度であってもよい。
【0120】
光の波長は、光酸発生剤の種類に応じて適宜選択してもよく、ポリシランの分解又は劣化を抑制できる点から、可視光線であるのが好ましい。可視光線の波長としては、380〜780nmであればよいが、酸を発生し易く、光硬化性を向上できる点から、例えば、380〜600nm、好ましくは385〜500nm、さらに好ましくは390〜450nm(特に400〜410nm)程度であり、高圧水銀ランプやLEDレーザーなどで照射できるh線(405nm)が特に好ましい。
【0121】
光の照射光量(露光量)は、塗膜の厚みなどに応じて、硬化性組成物の硬化が可能な範囲から選択でき、例えば、10mJ/cm
2以上(例えば、10〜10000mJ/cm
2)であってもよく、例えば100〜5000mJ/cm
2、好ましくは500〜3000mJ/cm
2、さらに好ましくは1000〜2500mJ/cm
2(特に1500〜2000mJ/cm
2)程度であってもよい。露光量が少なすぎると、光硬化性が低下する虞がある。
【0122】
光源としては、例えば、高圧水銀ランプ、重水素ランプ、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、レーザー光(LEDレーザーなど)などが挙げられる。
【0123】
硬化性組成物は、パターンや画像の形成(プリント配線板の製造など)に使用してもよい。プリント配線板を製造する場合は、基材上に樹脂組成物を塗布して塗膜を形成し、形成した塗膜を光照射(パターン露光)してもよい。パターン露光は、レーザ−光の走査により行ってもよく、フォトマスクを介して光照射することにより行ってもよい。パターン露光により生成した非照射領域(未露光部)を、現像剤で現像(又は溶解)して除去することによりパターン又は画像を形成してもよい。現像剤としては、例えば、水、アルカリ水溶液、親水性溶媒(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール類、アセトンなどのケトン類、ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル類、セロソルブ類、セロソルブアセテート類など)や、これらの混合液などが挙げられる。
【0124】
本発明では、硬化物の強度をさらに向上させるために、光硬化に加えて加熱処理してもよい。加熱処理は、前記光硬化工程において、光の照射とともに、硬化性組成物を加熱してもよく、光硬化工程を経た光硬化物を加熱する加熱工程を設けることにより加熱してもよい。加熱によって重合反応が促進され、高度の3次元架橋が起こり、高強度の硬化物を得ることができる。これらのうち、硬化物の架橋強度や不溶化率を向上できる点から、加熱工程を設ける方法が好ましい。
【0125】
特に、硬化性組成物をパターンや画像の形成に使用する場合、塗膜をパターン露光した後に加熱してもよい。塗膜をパターン露光した後に加熱する場合、現像した後に加熱してもよく、加熱した後に現像してもよい。加熱により、基材上に残った塗膜の照射領域(露光部)で、高度に架橋してもよい。加熱により、可視光線であっても、基材上に、精細で高精度のパターンを形成できる。従って、本発明の硬化性組成物は、精密なパターンを必要とする用途、例えば、電子機器のプリント配線基板などの製造に使用してもよい。
【0126】
加熱温度としては、例えば、80〜200℃、好ましくは110〜180℃、さらに好ましくは140〜160℃(特に145〜155℃)程度であってもよい。加熱時間は、例えば、5秒〜1時間、好ましくは30秒〜20分、さらに好ましくは1〜10分(特に3〜8分)程度であってもよい。本発明では、可視光線の照射であっても、強固な硬化物を形成できる。
【0127】
光学薄膜を形成する場合には、基材上に硬化性組成物の層を複数形成してもよい。また、基材上に他の機能層などを形成した後、その機能層の上に、硬化性組成物の層を形成してもよい。本発明の樹脂組成物は、可視光の透過性に優れ、高い屈折率を有し、光学的特性にも優れるため、特に、液晶ディスプレイなどの反射防止膜の高屈折率層、反射板などの光学薄膜に使用してもよい。
【0128】
基材の材質は、用途に応じて選択され、例えば、プリント配線基板や光学薄膜の場合には、半導体(シリコン、ガリウム砒素、窒化ガリウム、炭化シリコンなど)、金属(アルミニウム、銅など)、セラミック(酸化ジルコニウム、酸化チタン、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)など)、透明無機材料(ガラス、石英、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウムなど)、透明樹脂(ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリスチレン、ポリカーボネートなど)などであってもよい。
【0129】
得られた硬化物は、架橋強度に優れており、テトラヒドロフラン(THF)による不溶化率は20%以上(例えば、30〜100%程度)であってもよく、例えば、50〜100%、好ましくは60〜100%(例えば、65〜99.9%)、さらに好ましくは70〜100%(特に75〜99.9%)程度である。本発明では、不溶化率は、後述する実施例に記載の方法のように、THF中に10分間浸漬する前後の膜厚比から算出できる。不溶化率が高くなると、硬化物は脆くなる傾向にあるにもかかわらず、得られた硬化物は、意外にも優れた柔軟性(又は靱性)を有している。そのため、本発明の硬化物は、高い不溶化率と柔軟性とを両立できる。
【0130】
また、本発明の硬化性組成物及び硬化物は、光照射の前後における不溶化率の差が大きいため、パターン形成において優れたコントラスト(現像性)を示す。そのため、光照射前における不溶化率は、例えば、30%以下(例えば、0〜20%)、好ましくは10%以下(例えば、0〜5%)、さらに好ましくは1%以下(例えば、実質的に0%)程度であってもよい。また、光照射の前後における不溶化率の差は、例えば、30%以上(例えば、40〜100%)、好ましくは50%以上(例えば、60〜99.9%)程度であってもよい。
【0131】
得られた硬化物は高い屈折率を有しており、温度25℃、波長589nmにおいて、1.6以上(例えば、1.62〜1.8程度)であってもよく、例えば1.64〜1.77(例えば、1.65〜1.75)、好ましくは1.66〜1.74(例えば、1.67〜1.73)、さらに好ましくは1.68〜1.72(特に1.69〜1.71)程度であってもよい。
【実施例】
【0132】
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。また、各種評価方法及び使用した原料を下記に示す。
【0133】
[評価方法]
(不溶化率)
実施例及び比較例で得られた硬化物をテトラヒドロフラン(THF)中に20℃で10分間浸漬した後、1時間放置することにより乾燥し、浸漬前後における硬化物の平均厚み(乾燥後)の比(浸漬後/浸漬前)を不溶化率として算出した。なお、硬化物の平均厚みは、非接触型膜厚測定装置(Nanometrics Japan(株)製「Nanospec/AFT M-3000」)を用いて9箇所で測定した厚みの相加平均により算出した。
【0134】
(コントラスト)
実施例及び比較例において形成した光照射前の薄膜(硬化性組成物の塗布後、溶媒を除去することにより形成した薄膜)に対して、上記不溶化率の評価を行い、下記基準によりコントラスト(現像性)を評価した。
【0135】
○:光照射前後における不溶化率の差が60%以上である
×:光照射前後における不溶化率の差が60%未満である。
【0136】
(屈折率)
多波長アッベ屈折計((株)アタゴ製、「DR−M4」)を使用して、温度25℃の条件下、実施例及び比較例で得られた硬化物のD線(波長589nm)における屈折率nDを測定した。なお、測定には、波長589nmの干渉フィルターを使用した。
【0137】
(柔軟性又は靱性)
実施例及び比較例で得られた硬化物を指で触った感触から、以下の基準で評価した。
【0138】
○:膜が柔らかく割れ難い
×:膜が脆く割れる。
【0139】
[原料]
(カチオン重合性化合物)
BNFO:9,9−ビス[6−(3−メチル−3−オキセタニル)メトキシ−2−ナフチル]フルオレン、後述する合成例1により合成
BPEF−9EO−O:9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]フルオレンに平均値で9モルのエチレンオキシドが付加した付加体のビス((3−メチル−3−オキセタニル)メチル)エーテル、後述する合成例2により合成
BNFG:9,9−ビス(6−グリシジルオキシ−2−ナフチル)フルオレン、特開2012−102228号公報の合成例1に準じて合成
BPFG:9,9−ビス(4−グリシジルオキシフェニル)フルオレン、特開2012−102228号公報の合成例2に準じて合成
BCAFG:9,9−ビス(3,4−ジグリシジルオキシ−フェニル)フルオレン、大阪ガスケミカル(株)製「BCAFG」
(ポリシラン)
PMPS:ポリメチルフェニルシラン、大阪ガスケミカル(株)製「PMPS」、数平均分子量Mn=2100、重量平均分子量Mw=11000、末端ヒドロキシル基を有する鎖状ポリシラン
(光酸発生剤)
SIN−11:N−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−7−t−ブチル−チアントレン−2,3−ジカルボン酸イミド、(株)三宝化学研究所製「SIN−11」
(溶媒)
シクロヘキサノン:ナカライテスク(株)製。
【0140】
[合成例1]
9,9−ビス(6−ヒドロキシ−2−ナフチル)フルオレン(BNF、大阪ガスケミカル(株)製、91g、202mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(DMF、455g)に溶解し、次いで、炭酸カリウム(72.6g、525mmol)、ヨウ化カリウム(KI、3.35g、19.8mmol)を添加して60℃で撹拌した。この溶液に、3−クロロメチル−3−メチルオキセタン(58.8g、487mmol)を60℃で滴下し、滴下終了後、80℃に昇温して5時間反応させ、さらに、100℃に昇温して1時間反応させた。反応終了後、水1.4Lを添加し、酢酸エチル300gによる抽出を3回行った。次いで、水300gでの洗浄を6回行い、得られた有機相(酢酸エチル相)を減圧濃縮して、122g(収率97.6%)の化合物を淡橙色結晶の形態で得た。得られた化合物を
1H NMRにより分析したところ、9,9−ビス[6−(3−メチル−3−オキセタニル)メトキシ−2−ナフチル]フルオレン(BNFO、下記式(1a)で表される化合物)であった。
【0141】
【化10】
【0142】
[実施例1]
サンプル管に、BNFO 45重量部、BNFG 5重量部、PMPS 50重量部、シクロヘキサノン(溶媒)360重量部及び光重合開始剤としてのSIN−11 5重量部を撹拌して均一に混合した。得られた混合液をシリコン基板上に2000rpm、20秒の条件でスピンコートして、ホットプレートにて60℃で2分間プリベークして溶媒を除去し、膜厚0.5〜2.0μmの薄膜を形成した。得られた薄膜に、LEDレーザー(ボールセミコンダクター社製「BP300」、300mW)を用いて、波長405nmの可視光線を1600mJ/cm
2照射した後、150℃で5分間加熱した。得られた硬化物の屈折率は1.7027、不溶化率は79%であった。
【0143】
[実施例2]
BNFO 60.3重量部、BNFG 6.7重量部、PMPS 33重量部、シクロヘキサノン360重量部及びSIN−11 5重量部の混合液を用いる以外は、実施例1と同様にして硬化物を調製した。得られた硬化物の屈折率は1.6983、不溶化率は75%であった。
【0144】
[実施例3]
BNFO 67.5重量部、BNFG 7.5重量部、PMPS 25重量部、シクロヘキサノン360重量部及びSIN−11 5重量部の混合液を用いる以外は、実施例1と同様にして硬化物を調製した。得られた硬化物の屈折率は1.6817、不溶化率は64%であった。
【0145】
[合成例2]
9,9−ビス[4−(ヒドロキシポリエトキシ)フェニル]フルオレン(9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレンにエチレンオキシドが平均値で9モル付加した付加体、BPEF−9EO、大阪ガスケミカル(株)製、125g、150mmol)をジオキサン(161g)とトルエン(40.6g)に溶解し、次いで、テトラメチルアンモニウムブロミド(1.5g、9.75mmol)、3−クロロメチル−3−メチルオキセタン(181g、1.5mol)を混合し、70℃で溶解させた後、微粉末の水酸化ナトリウム30g(750mmol)を13分かけて滴下して、60℃で11h撹拌させた。反応終了後、メチルイソブチルケトン(MIBK、370g)を添加し、水100gによる抽出を6回行った。得られた有機相(MIBK相)を減圧濃縮して、122g(収率81.3%)の化合物を褐色粘性物の形態で得た。得られた化合物を
1H NMRにより分析したところ、9,9−ビス[4−(3−メチル−3−オキセタニル)メトキシポリエトキシ−フェニル]フルオレン(BPEF−9EO−O、下記式(1b)で表される化合物)であった。
【0146】
【化11】
【0147】
(式中、n1+n2は、平均値で11を示す)。
【0148】
[実施例4]
BPEF−9EO−O 60.3重量部、BNFG 6.7重量部、PMPS 33重量部、シクロヘキサノン360重量部及びSIN−11 5重量部の混合液を用いる以外は、実施例1と同様にして硬化物を調製した。得られた硬化物の屈折率は1.6698、不溶化率は71%であった。
【0149】
[比較例1]
BNFG 67重量部、PMPS 33重量部、シクロヘキサノン360重量部及びSIN−11 5重量部の混合液を用いる以外は、実施例1と同様にして硬化物を調製しようとしたところ、BNFGの反応性が低いためか硬化物が形成できず、不溶化率は0%であった。
【0150】
[比較例2]
BCAFG 67重量部、PMPS 33重量部、シクロヘキサノン360重量部及びSIN−11 5重量部の混合液を用いる以外は、実施例1と同様にして硬化物を調製した。得られた硬化物の屈折率は1.6185、不溶化率は92%であった。
【0151】
[参考例1]
PMPSを添加することなく、BNFO 90重量部、BCAFG 10重量部、シクロヘキサノン360重量部及びSIN−11 5重量部の混合液を用いる以外は、実施例1と同様にして硬化物を調製した。得られた硬化物の不溶化率は60%であった。
【0152】
[参考例2]
PMPSを添加することなく、BNFO 90重量部、BNFG 10重量部、シクロヘキサノン360重量部及びSIN−11 5重量部の混合液を用いる以外は、実施例1と同様にして硬化物を調製した。得られた硬化物の屈折率は1.6684、不溶化率は70%であった。
【0153】
実施例及び比較例で得られた結果を表1に示す。
【0154】
【表1】
【0155】
表1から明らかなように、実施例では、比較例に比べて、屈折率が高かった。また、実施例では、比較例1と同様に2官能性のカチオン重合性化合物を用いているにも拘らず、意外なことに高い不溶化率を示し、コントラストも良好であった。さらに、実施例では、比較例2に比べて柔軟性にも優れており、高い不溶化率と柔軟性とを両立できた。