特許第6843479号(P6843479)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6843479マルチポートZIFコネクタ及びマルチポート相互接続システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6843479
(24)【登録日】2021年2月26日
(45)【発行日】2021年3月17日
(54)【発明の名称】マルチポートZIFコネクタ及びマルチポート相互接続システム
(51)【国際特許分類】
   H01R 12/85 20110101AFI20210308BHJP
   G01R 1/06 20060101ALI20210308BHJP
   G01R 13/20 20060101ALI20210308BHJP
   H01R 12/81 20110101ALI20210308BHJP
【FI】
   H01R12/85
   G01R1/06 A
   G01R13/20 F
   H01R12/81
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-237488(P2014-237488)
(22)【出願日】2014年11月25日
(65)【公開番号】特開2015-103528(P2015-103528A)
(43)【公開日】2015年6月4日
【審査請求日】2017年11月20日
【審判番号】不服2020-98(P2020-98/J1)
【審判請求日】2020年1月6日
(31)【優先権主張番号】14/088241
(32)【優先日】2013年11月22日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391002340
【氏名又は名称】テクトロニクス・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】TEKTRONIX,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110001209
【氏名又は名称】特許業務法人山口国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド・ダブリュ・シメン
(72)【発明者】
【氏名】アイラ・ポラック
(72)【発明者】
【氏名】ジェームズ・エイチ・マックグラス・ジュニア
【合議体】
【審判長】 平田 信勝
【審判官】 田村 嘉章
【審判官】 内田 博之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−98260(JP,A)
【文献】 特開2007−78675(JP,A)
【文献】 特開平9−293571(JP,A)
【文献】 特開2012−195110(JP,A)
【文献】 特開2008−234997(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 12/00 - 12/91
H01R 13/15
H01R 24/00 - 24/86
G01R 1/06 - 1/073
G01R 13/20
G01R 31/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数形式の電気接続パスを有するマルチパス回路デバイスを受けるのに適した開口及び内部空間を規定するマルチポート・コネクタ・ハウジングと、
フォトリソグラフィを利用した微細加工によって形成される複数のLIGA電気コンタクト・スプリングであって、上記内部空間に配置されると共に、第1配置では、上記マルチパス回路デバイスに圧力をかけるように構成され、上記マルチパス回路デバイス上の複数の接続ポイントの1つと試験測定装置との間をそれぞれ電気的続する上記複数のLIGA電気コンタクト・スプリングと、
ユーザの押圧に応じて上記複数のLIGA電気コンタクト・スプリングを第2配置へと動かすロック部品と
を具え、
上記第2配置では、上記複数のLIGA電気コンタクト・スプリングが上記マルチパス回路デバイスに圧力を加えないマルチポート・ゼロ・インサーション・フォース(ZIF)コネクタ。
【請求項2】
上記ロック部品が、更に、ユーザが上記ロック部品を解放するのに応じて、上記複数のLIGA電気コンタクト・スプリングを上記第1配置へと戻すように構成される請求項1記載のマルチポートZIFコネクタ。
【請求項3】
被測定デバイス(DUT)と、
上記DUTと物理的及び電気的に結合されるマルチパス回路デバイスと、
上記DUTと電気的に結合される請求項1又は2のマルチポート・ゼロ・インサーション・フォース(ZIF)コネクタと
を具えるマルチポート相互接続システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、相互接続システムに関し、特に、こうしたシステムに適したコネクタ及びこれを用いたマルチポート相互接続システムに関する。
【背景技術】
【0002】
プローブは、被測定デバイス(DUT)からの電気信号をオシロスコープ等の試験測定装置に取り込むのに、広く利用されている。こうした試験システムのための次世代高帯域幅プローブや将来世代のアクティブ・プローブでは、帯域幅及びノイズの仕様を満たしつつ、1つのプローブ・チップで複数の信号を扱える能力が要求されるであろう。現在のプローブでは、例えば、33GHzまでの周波数性能を有する2本の同軸信号ラインと、6本の直流(DC)ラインとが必要となっている。また、低性能アクティブ・プローブでは、例えば、8本の低帯域幅信号ラインが必要になるだろうと考えられる。
【0003】
プローブと、試験測定装置とを電気的に接続する中間に、相互接続システム(例えば、コネクタ)を利用することも多い。これによれば、被測定デバイス上の複数の試験ポイントに複数のプローブをそれぞれ予め接続(例えば、半田付けしておくなど)し、相互接続システムで試験測定装置と接続するプローブを順次取り替えれば、複数の試験ポイントから電気信号を取り込む作業を効率良く行える。このとき、出願人の独自仕様の相互接続システム(マルチポート・コネクタ)では、現在、市販の無線周波数(RF)コンタクト及びDCコンタクトを、独自仕様のハウジングに使用したものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−078675号公報
【特許文献2】特開2010−287334号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】「LIGA」の記事、Wikipedia(日本版)、[オンライン]、[2014年11月20日検索]、インターネット<http://ja.wikipedia.org/wiki/LIGA>
【非特許文献2】「Zero insertion force」の記事、Wikipedia(英語版)、[オンライン]、[2014年11月20日検索]、インターネット<http://en.wikipedia.org/wiki/Zero_insertion_force>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、こうしたマルチポート・コネクタ(即ち、RFとDCのハイブリッド型)では、プローブの利用形態(アプリケーション)に応じて、それぞれ毎に仕様をカスタマイズして組み立てる必要があり、結果として、非常に(時に、法外なほど)高価なものとなってしまう。
【0007】
そこで、費用対効果の高いマルチポート・コネクタ・システムが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、例えば、次のようのものである。即ち、本発明の概念1は、試験測定装置用のマルチポートZIF(ゼロ・インサーション・フォース)コネクタであって、
複数形式の電気接続パスを有するマルチパス回路デバイスを受けるのに適した開口及び内部空間を規定するマルチポート・コネクタ・ハウジングと、
上記内部空間に配置され、第1配置では、上記マルチパス回路デバイスに圧力をかけるように構成され、上記マルチパス回路デバイス上の複数の接続ポイントの1つと試験測定装置との間の電気的接続をそれぞれ助長する複数のLIGAスプリングと、
ユーザの押圧に応じて上記複数のLIGAスプリングを第2配置へと動かすロック部品と
を具え、上記第2配置では、上記複数のLIGAスプリングが上記マルチパス回路デバイスに圧力を加えないことを特徴としている。
【0009】
本発明の概念2は、上記概念1のマルチポートZIFコネクタであって、上記ロック部品は、更に、ユーザが上記ロック部品をゆるめる(リリースする、解放する)のに応じて、上記複数のLIGAスプリングを上記第1配置へと戻すように構成されている。
【0010】
本発明の概念3は、上記概念1のマルチポートZIFコネクタであって、上記複数のLIGAスプリングは、ユーザが上記ロック部品を押し続けている限り、上記第2配置のままでいることを特徴としている。
【0011】
本発明の概念4は、上記概念1のマルチポートZIFコネクタであって、上記開口がスロット開口(細長い隙間形状の開口)であることを特徴としている。
【0012】
本発明の概念5は、上記概念4のマルチポートZIFコネクタであって、上記マルチパス回路デバイスがフレキシブル回路であることを特徴としている。
【0013】
本発明の概念6は、上記概念1のマルチポートZIFコネクタであって、上記複数のLIGAスプリングのそれぞれが、略らせん形状又はカンチレバー形状であることを特徴としている。
【0014】
本発明の概念7は、上記概念1のマルチポートZIFコネクタであって、上記複数のLIGAスプリングが、X線製造技術により生成されることを特徴としている。
【0015】
本発明の概念8は、上記概念1のマルチポートZIFコネクタであって、上記複数のLIGAスプリングが、紫外線(UV)製造技術により生成されることを特徴としている。
【0016】
本発明の概念9は、上記概念1のマルチポートZIFコネクタであって、
接続部材を受けるよう構成されるリア部を更に具えている。
【0017】
本発明の概念10は、上記概念9のマルチポートZIFコネクタであって、上記接続部材が、少なくとも1つの同軸ライン、少なくとも1つの直流(DC)ライン、又は少なくとも1つの同軸ライン及び少なくとも1つのDCラインの両方を含むことを特徴としている。
【0018】
本発明の概念11は、上記概念10のマルチポートZIFコネクタであって、
上記少なくとも1つの接続部材は、2つ以上の接続部材を含み、
上記2つ以上の接続部材を包む保護カバーを更に具えている。
【0019】
本発明の概念12は、上記概念9のマルチポートZIFコネクタであって、上記リア部が、アクセサリ用の取付ポイントとして使用されるよう構成される少なくとも1つの側部開口を規定していることを特徴としている。
【0020】
本発明の概念13は、上記概念9のマルチポートZIFコネクタであって、
上記リア部と一体形成された複数のサポート・リブを更に具え、
上記複数のサポート・リブがアクセサリ用の取付ポイントとして使用されるよう構成されることを特徴としている。
【0021】
本発明の概念14は、上記概念1のマルチポートZIFコネクタであって、
上記内部空間内に複数の位置決め部を更に具え、
上記複数の位置決め部によって、上記マルチパス回路デバイスが上記内部空間内の所定位置に配置されることを特徴としている。
【0022】
本発明の概念15は、上記概念1のマルチポートZIFコネクタであって、このとき、上記試験測定装置がオシロスコープであることを特徴としている。
【0023】
本発明の概念16は、マルチポート相互接続システムであって、
被測定デバイス(DUT)と、
上記DUTと物理的及び電気的に結合されるマルチパス回路デバイスと、
上記DUTと電気的に結合されるマルチポートZIF(ゼロ・インサーション・フォース)コネクタと
を具え、
上記マルチポートZIFコネクタが、
上記マルチパス回路デバイスを受けるのに適した開口及び内部空間を規定するコネクタ・ハウジングと、
上記内部空間に配置されると共に、第1配置では、上記マルチパス回路デバイスに圧力をかけるように構成され、上記マルチパス回路デバイス上の複数の接続ポイントの1つと試験測定装置との間の電気的接続をそれぞれ助長する複数のLIGAスプリングと、
ユーザの押圧に応じて上記複数のLIGAスプリングを第2配置へと動かすロック部品と
を具え、上記第2配置では、上記複数のLIGAスプリングが上記マルチパス回路デバイスに圧力を加えないことを特徴としている。
【0024】
本発明の概念17は、上記概念16のマルチポート相互接続システムであって、上記試験測定装置がオシロスコープであることを特徴としている。
【0025】
本発明の概念18は、上記概念17のマルチポート相互接続システムであって、上記マルチパス回路デバイスがフレキシブル回路であることを特徴としている。
【0026】
本発明の概念19は、上記概念17のマルチポート相互接続システムであって、上記マルチポートZIFコネクタ及び上記試験測定装置間に電気的に結合される複数の接続部材を更に具えている。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1図1は、本発明の実施形態の一例によるマルチポート相互接続システムを示す。
図2図2は、図1の回路デバイスのような、本発明の実施形態の例による回路デバイスを示す。
図3図3は、図1のZIFコネクタのような、本発明の実施形態の一例によるZIFコネクタを示す。
図4図4は、図3のZIFコネクタのような、本発明の実施形態の一例によるZIFコネクタの部分切り取り図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
無線周波数(RF)コネクタのサプライヤ(供給業者)は、高性能マイクロ・スプリング(超小型スプリング)を製造するプロセスを開発してきている。こうした高性能スプリングは、通常、「LIGA(Lithographie、Galvanoformung、and Abformung:ドイツ語でフォトリソグラフィ(Lithographie)、電解めっき (Galvanoformung)、成形(Abformung))」と呼ばれる微細加工プロセスを経て製造される(非特許文献1参照)。LIGA処理は、大まかに言えば、3つの主な処理ステップから構成される。即ち、リソグラフィ(lithography)、電解めっき(electroplating)及び成形(molding)である。LIGA製造技術には、2つの主な形式があり、それは、X線LIGAと、紫外線(UV)LIGAである。X線LIGAは、高いアスペクト比(縦横比)構造を作り出するために、シンクロトロンで生成されるX線を利用する。紫外線LIGAは、比較的低いアスペクト比構造とはなるが、紫外線を使用する比較的利用し易い方法である。
【0029】
本発明の実施形態では、プロービング(プローブによる検査)アプリケーション用の新しい相互接続システムの一部分として、通常、LIGAスプリングを使用するものとする。これによれば、複数の信号に対応可能となると同時に、フレキシブルで小型であり、典型的なRFコネクタ・システムのコストを低減する。小型で対応範囲の広い性能があることで、こうした相互接続システムは、全てのプローブ・プラットフォームに適した標準システムとすることができ、もって、複数の製品ラインに渡る共通のプローブ・アクセサリ・セットとすることができる。
【0030】
図1は、本発明の実施形態の一例によるマルチポート相互接続システム100を示す。この例では、システム100が、オシロスコープのような電子装置に接続するのに適した第1コネクタ102を含んでいる。
【0031】
システム100は、フレキシブル回路のような回路デバイス120を接続するのに適したZIF(ゼロ・インサーション・フォース)コネクタ110(例えば、高帯域幅コネクタ)も含んでいる(非特許文献2参照)。この回路デバイス120は、例えば、複数のコンタクト・パスを含んでいても良い。回路デバイス120は、例えば、被測定デバイス(DUT:図示せず)に接続するのに適したものとしても良い。このようにして、エンジニアは、DUTの回路基板上の特定の回路をデバッグできる。
【0032】
接続部材104は、例えば、同軸ケーブルや直流(DC)ラインを束ねたもので、第1コネクタ102及びZIFコネクタ110間の電気的な結合を提供するために、第1コネクタ102及びZIFコネクタ110と一体形成しても良い。
【0033】
ZIFコネクタ110は、その内部に複数のLIGAスプリングを配置しても良く、これらは、回路デバイス120がZIFコネクタ110と係合している(例えば、挿入され続けている)限り、回路デバイス120の接続ポイントのような部分との電気的接触を確立し維持するのに適している。
【0034】
図2は、図1の回路デバイス120のような、本発明の実施形態の例による回路デバイス200を示す。ある実施形態では、回路デバイス200が、約1cmの高さh、約3cmの長さlを有していても良い。ただし、これらの値は、両方共に変更可能であり、基本的に、ZIFコネクタ110中の対応するスロット開口の寸法によってのみ制約を受けるものである。
【0035】
この例では、回路デバイス200が複数の接続ポイント(内部コンタクト)202を有し、これらは、一端を例えば回路デバイスを介したDUTとし、他端を例えばオシロスコープのような電子装置とする複数のマルチポート接続をそれぞれ確立し、維持するのに利用される。こうした内部コンタクトは、コンタクト・エリア(領域)内に入る限り、広い範囲のコンタクト形式(例えば、DC、電力、高帯域幅など)に対応するように変更しても良い。電気的接続を確立するのに、カスタマイズされ、構成変更が可能な高性能LIGAスプリングを用いれば、好ましいことに、柔軟性があり、構成変更が容易で、高性能、小型、堅牢(サイクル寿命の改善)、そして、極めて低コストなマルチポート・コネクタを実現できる。
【0036】
ある実施形態では、DUTに複数の回路デバイスを取り付け、ユーザが、これら回路デバイスの任意のもの又は全てのものに、1度に1カ所ずつ(例えば、順次連続的に)、素早く且つ効率的にZIFコネクタを接続し、そこからデータを取り込み、DUTの種々の部分又は種々の観点から試験するようにしても良い。
【0037】
図3は、図1のZIFコネクタ110のような、本発明の実施形態の一例によるZIFコネクタ300を示している。この例では、ZIFコネクタ300に、開口(例えば、スロット開口)302と内部空間を規定するハウジング(例えば、金属ハウジング)301がある。開口302及び内部空間は、両方ともに、係合する部材(例えば、図1の回路デバイス120のような回路デバイス)を受けるのに適したものとなっている。
【0038】
ZIFコネクタ300には、係合する部材(例えば、回路デバイス)とZIFコネクタ300との係合を促進(助長)するのに適したロック(固定)部品304がある。ある実施形態では、ユーザがロック部品304を押すと、これに応答して、内部空間に配置されたLIGAスプリングが「オープン(開く)」位置に動き(又は動かされ)、これによって、ユーザ(又は他の者)が、係合する部材を開口302を通してZIFコネクタ300の内部へと簡単に挿入できるようにしても良い。
【0039】
ユーザがロック部品304をゆるめる(解放する、押すのをやめる)のに応答して、内部空間に配置されたLIGAスプリングが「閉まる(close)」位置に動き(又は動かされ)、これによって、圧力を同時に加えながら、係合する部材と接触するようにしても良い。ある実施形態では、LIGAスプリングが、係合する部材と少なくとも1つの電気的接続も確立し、係合する部材がZIFコネクタ300の内部に保持され、ZIFコネクタ300と係合し続ける限り、その電気的接続を維持するようにしても良い。
クタ300.
【0040】
この例では、ZIFコネクタ300には、図1の接続部材104のような接続部材を受ける(又は、接続部材と係合する)リア(後方)部306がある。リア部306には、アクティブ・プローブ・チップ、パッシブ・プローブ・チップ、ブラウザ・プローブのようなアクセサリのための取付ポイントとして利用するのに適した、1つ又は複数の側部開口308をオプションで(必要に応じて)設けても良い。側部開口308の代わりに、又は、これに加えて、サポート・リブ(補強用骨)310を、上述したアクセサリ用の取付ポイントしてオプションで利用しても良い。
【0041】
図4は、図3のZIFコネクタ300のような、本発明の実施形態の一例によるZIFコネクタ400の部分切り取り図である。この部分切り取り図の例では、ZIFコネクタ400のハウジング(例えば、金属ハウジング)401内の複数のLIGAスプリング402を見ることができる。
【0042】
複数のLIGAスプリング402としては、DCスプリング、信号スプリング、グラウンド・スプリングがあっても良く、また、これらを適切に任意に組み合わせても良い。LIGAスプリング402の一部又は全部は、例えば、利用する製造工程や、ZIFコネクタの意図するアプリケーションに応じて、略らせん形状、カンチレバー形状があり、又は、これらの組み合わせとしても良い。
【0043】
また、ZIFコネクタ400内には、スプリング・ハウジング404と、複数の位置決め部(位置決めキー(鍵部)とも呼ぶ)406及び408もあり、これらは、回路デバイスのような係合する部材がZIFコネクタ400の内部にあるときに、ZIFコネクタ400の内部の所定位置にきっちりと配置(align)されるようにする。この例では、2つの位置決め部406及び408を描いているが、実施形態によっては、2つよりも多い位置決め部を設けても良い。
【0044】
2つの接続部材410及び412は、ZIFコネクタ400と、もう1つのコネクタ(例えば、図1の第1コネクタ102のような)との間を電気的に接続する機能を提供する。この例では、接続部材410及び412は、それぞれ対応する同軸ランチ(launch:ランチ・コネクタとも呼ばれる)414及び416を有する同軸ラインである。同軸ランチ414及び416は、LIGAスプリング402及びスプリング・ハウジング404の下に配置される回路基板420と電気的に結合する機能を提供する。他の実施形態では、ZIFコネクタ400と他のコネクタを接続するのに、3つ以上の接続部材を用意しても良く、例えば、2本の同軸ラインと、6本から8本のDCラインを用意しても良い。
【0045】
図示した実施形態を参照しながら本発明の原理を説明してきたが、こうした原理から離れることなく、図示した実施形態の構成や詳細を変更したり、望ましい形態に組み合わせても良いことが理解できよう。先の説明では、特定の実施形態に絞って説明しているが、別の構成も考えられる。特に「本発明の実施形態によると」といった表現を本願では用いているが、こうした言い回しは、大まかに言って実施形態として可能であること述べているに過ぎず、特定の実施形態の構成に限定することを意味するものではない。本願で用いているように、こうした用語は、別の実施形態に組み合わせ可能な同じ又は異なる実施形態を言及していると考えても良い。
【0046】
従って、本願で説明した実施形態は、幅広く種々に組み合え可能であるとの観点から、詳細な説明や図面等は、単に説明の都合によるものに過ぎず、本発明の範囲を限定するものと考えるべきではない。
【符号の説明】
【0047】
100 相互接続システム
102 第1コネクタ
104 接続部材
110 ZIFコネクタ
120 回路デバイス
200 回路デバイス
202 接続ポイント(内部コンタクト)
300 ZIFコネクタ
301 ハウジング
302 開口
304 ロック部品
306 リア部
308 側部開口
310 サポート・リブ
400 ZIFコネクタ
401 ハウジング
402 LIGAスプリング
404 スプリング・ハウジング
406 位置決め部
408 位置決め部
410 接続部材
412 接続部材
414 同軸ランチ
416 同軸ランチ
図1
図2
図3
図4