(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6843752
(24)【登録日】2021年2月26日
(45)【発行日】2021年3月17日
(54)【発明の名称】RFリターンを改善した基板支持体
(51)【国際特許分類】
H01L 21/683 20060101AFI20210308BHJP
C23C 16/505 20060101ALI20210308BHJP
C23C 16/458 20060101ALI20210308BHJP
【FI】
H01L21/68 N
C23C16/505
C23C16/458
【請求項の数】14
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-542411(P2017-542411)
(86)(22)【出願日】2016年2月11日
(65)【公表番号】特表2018-508994(P2018-508994A)
(43)【公表日】2018年3月29日
(86)【国際出願番号】US2016017452
(87)【国際公開番号】WO2016130744
(87)【国際公開日】20160818
【審査請求日】2019年2月12日
(31)【優先権主張番号】62/116,218
(32)【優先日】2015年2月13日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】15/019,573
(32)【優先日】2016年2月9日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】カマス アラヴィンド マイヤー
(72)【発明者】
【氏名】ツァイ チェン−ション
(72)【発明者】
【氏名】ラヴィ ジャレパリー
(72)【発明者】
【氏名】松下 智治
(72)【発明者】
【氏名】チャン ユ
【審査官】
宮久保 博幸
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2013/0001215(US,A1)
【文献】
特表2003−524865(JP,A)
【文献】
特開2009−290213(JP,A)
【文献】
特開2006−352114(JP,A)
【文献】
特表2014−533434(JP,A)
【文献】
特表2013−503496(JP,A)
【文献】
特開2009−280913(JP,A)
【文献】
特開2001−203189(JP,A)
【文献】
特開2012−234951(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/683
C23C 16/458
C23C 16/505
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を支持するための支持面を有する本体と、
RF源からRF電流を受け取るために、前記支持面に近接して前記本体に配置されたRF電極と、
前記本体を支持するシャフトと、
内部容積を有する、前記シャフトの中を通って延在する導電性要素であって、前記RF電極に結合された導電性要素と、
前記シャフトと環状の付勢可能な要素との間に結合されたアダプタ部分であって、前記環状の付勢可能な要素は前記アダプタ部分を取り囲んでおり、前記環状の付勢可能な要素は、基板支持体が処理位置にある場合は、前記アダプタ部分にコンタクトし、前記基板支持体が前記処理位置にない場合は、前記アダプタ部分から離間されている、前記アダプタ部分と、
RFガスケットであって、前記導電性要素が、前記RF電流をグラウンドに戻すために前記RFガスケットに係合する特徴部を含む、RFガスケットと、
を備える、基板支持体。
【請求項2】
前記支持面上に配置されたときに基板に熱を提供するために、前記支持面に近接して前記基板支持体に配置されたヒータであって、前記ヒータに電力を提供するための1つまたは複数の導電線を有するヒータ、
をさらに備える、請求項1に記載の基板支持体。
【請求項3】
前記支持面上に配置されたときに基板の温度を測定するために、前記基板支持体に配置された熱電対、
をさらに備える、請求項2に記載の基板支持体。
【請求項4】
1つまたは複数の導電線および前記熱電対が前記導電性要素の前記内部容積内に配置されている、請求項3に記載の基板支持体。
【請求項5】
前記本体の反対側の前記シャフトの端部に結合された前記基板支持体に、または前記基板支持体から熱を伝達するための伝熱体、
をさらに備える、請求項2に記載の基板支持体。
【請求項6】
前記RFガスケットが前記アダプタ部分と前記導電性要素との間に配置されている、請求項1に記載の基板支持体。
【請求項7】
前記環状の付勢可能な要素が銅ベリリウムまたはニッケルベリリウムを含む、請求項1に記載の基板支持体。
【請求項8】
RF電流が前記導電性要素を流れるとき、前記導電性要素が前記内部容積内で約ゼロの電界を有する、請求項1から7までのいずれか1項に記載の基板支持体。
【請求項9】
前記導電性要素が前記内部容積内へ延出する突部を含む、請求項1から7までのいずれか1項に記載の基板支持体。
【請求項10】
第1の端部で前記RF電極に、および前記第1の端部の反対側の第2の端部で前記突部に結合されたRFピン、
をさらに備える、請求項9に記載の基板支持体。
【請求項11】
前記導電性要素が円筒形である、請求項1から7までのいずれか1項に記載の基板支持体。
【請求項12】
前記導電性要素が板金から形成されている、請求項11に記載の基板支持体。
【請求項13】
前記基板支持体へ、または前記基板支持体から熱を伝達するための伝熱体と、
前記シャフトと前記伝熱体との間に結合されたアダプタ部分であって、前記RFガスケットが前記アダプタ部分と前記導電性要素との間に配置されている、アダプタ部分と、
前記支持面上に配置されたときに基板に熱を提供するために、前記支持面に近接して前記基板支持体に配置されたヒータであって、前記ヒータに電力を提供するための1つまたは複数の導電線を有するヒータと、
前記支持面上に配置されたときに基板の温度を測定するために、前記基板支持体に配置された熱電対と、
をさらに備える、請求項1に記載の基板支持体。
【請求項14】
処理容積を囲む処理チャンバと、
前記処理容積内に配置され、前記処理チャンバのフロアに電気的に結合された請求項1から13までのいずれか1項に記載されるような基板支持体と、
を備える、基板処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、一般に基板処理システム、より詳細には基板処理システムで使用するための基板支持体に関する。
【背景技術】
【0002】
基板処理装置は、典型的には処理中に基板を支持するための基板支持体を含む。基板支持体は、高周波(RF)源からRF電流を受け取るために、基板処理面に近接して配置されたRF電極を含むことがある。例えば、RF電極は、グラウンドへのRFリターンとして働くことができ、またはRF電極に結合されたRF源を有することができる。RF電極は、RF電極にRF電流を提供するために、またはRF電流をグラウンドに戻すためにロッド、ワイヤなどに結合されることがある。基板支持体は、基板処理面上に配置されたときに基板を加熱するために、基板処理面に近接して配置されたヒータをさらに含むことがある。しかしながら、本発明者は、RFリターンパスの経路にある熱電対およびAC電源リード線がRFノイズによって悪影響を受けることに気づいた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、本発明者は、改善された基板処理装置を提供した。
【課題を解決するための手段】
【0004】
基板を処理するための装置が本明細書で提供される。一部の実施形態では、基板支持体は、支持面を有する本体と、RF源からRF電流を受け取るために、支持面に近接して本体に配置されたRF電極と、本体を支持するシャフトと、内部容積を有する、シャフトの中を通って延在する導電性要素であって、RF電極に結合された導電性要素と、RFガスケットであって、導電性要素が、RF電流をグラウンドに戻すためにRFガスケットに係合する特徴部を含む、RFガスケットと、を含む。
一部の実施形態では、基板処理システムは、処理容積を囲む処理チャンバと、処理容積内に配置された基板支持体と、を含む。基板支持体は、支持面を有する本体と、RF源からRF電流を受け取るために、支持面に近接して本体に配置されたRF電極と、本体を支持するシャフトと、内部容積を有する、シャフトの中を通って延在する導電性要素であって、RF電極に結合された導電性要素と、RFガスケットであって、導電性要素が、RF電流をグラウンドに戻すためにRFガスケットに係合する特徴部を含む、RFガスケットと、を含む。
一部の実施形態では、基板支持体は、支持面を有する本体と、RF源からRF電流を受け取るために、支持面に近接して本体に配置されたRF電極と、本体を支持するシャフトと、内部容積を有する、シャフトの中を通って延在する導電性要素であって、RF電極に結合された導電性要素と、RFガスケットであって、導電性要素が、RF電流をグラウンドに戻すためにRFガスケットに係合する特徴部を含む、RFガスケットと、基板支持体へ、または基板支持体から熱を伝達するための伝熱体と、シャフトと伝熱体との間に結合されたアダプタ部分であって、RFガスケットがアダプタ部分と伝熱体との間に配置されている、アダプタ部分と、支持面上に配置されたときに基板に熱を提供するために、支持面に近接して基板支持体に配置されたヒータであって、ヒータに電力を提供するための、導電性要素の内部容積内に配置された1つまたは複数の導電線を有するヒータと、支持面上に配置されたときに基板の温度を測定するために、導電性要素の内部容積内に配置された熱電対と、アダプタ部分を取り囲む環状の付勢可能な要素であって、基板支持体が処理位置にある場合は、アダプタ部分にコンタクトし、基板支持体が処理位置にない場合は、アダプタ部分から離間され、基板支持体が配置される処理チャンバのフロアに結合されている環状の付勢可能な要素と、を含む。
本開示の他のおよびさらなる実施形態が以下に記載される。
上で簡単に要約され、以下でより詳細に論じる本開示の実施形態は、添付図面に表される本開示の例示的な実施形態を参照することによって理解され得る。しかしながら、添付図面は、本開示の典型的な実施形態のみを示し、したがって、範囲を限定していると考えられるべきではなく、その理由は本開示が他の等しく効果的な実施形態を受け入れることができるためである。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】本開示の一部の実施形態による基板処理システムの概略図である。
【
図2】本開示の一部の実施形態による基板支持体の部分概略図である。
【
図3】本開示の一部の実施形態による板金切欠きの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
理解を容易にするために、各図に共通の同一の要素を指定するために、可能な場合は、同一の参照数字が使用された。図は、縮尺通りには描かれておらず、明瞭にするために簡略化されることがある。一実施形態の要素および特徴部は、さらに詳説することなく他の実施形態において有益に組み込まれてもよい。
基板を処理するための装置が本明細書で開示される。発明性のある装置の実施形態は、有利にはRF電流接地経路を短くし、熱電対または基板支持体に存在する他の温度モニタリング装置によって行われる温度測定の歪みを防ぐことができる。
【0007】
以下の記載は、
図1および
図2を参照して行われる。
図1は、本開示の一部の実施形態による基板処理システムの概略図を表す。
図2は、
図1の基板処理システムの部分概略図を表す。例えば、基板処理システム100は、処理容積104を有する処理チャンバ102と、基板105を支持するために、処理容積104内に配置された基板支持体106と、を含むことができる。処理チャンバ102は、例えば、アルミニウム(Al)などの導電性材料から形成された壁を備えることができる。一部の実施形態では、例えば、処理チャンバ102が容量結合または誘導結合プラズマ用途のために構成される場合、処理チャンバは、誘電体材料(図示せず)を含む天井を有することができる。例示的な処理チャンバには、遠隔誘導結合プラズマまたは容量結合プラズマの1つまたは複数を生成するために使用されるような、任意の適切なプラズマ処理チャンバが含まれてもよい。適切な処理チャンバには、Applied Materials,Inc.of Santa Clara,Californiaから入手可能な、DPS(登録商標)、ENABLER(登録商標)、ADVANTEDGETM(商標)、または他の処理チャンバが含まれてもよい。他の適切な処理チャンバが同様に使用されてもよい。
【0008】
基板支持体106は、支持面108を有する本体107と、本体107を支持するシャフト110と、を含むことができる。
図1ではペデスタル型設計として示されているが、基板支持体は、支持面と、シャフト110、または支持面を支持するためのその他の適切な部材などの、部材と、を有する任意の適切な基板支持体であってもよい。一部の実施形態では、基板支持体106は、例えば、アルミニウム酸化物(Al
2O
3)またはアルミニウム窒化物(AlN)などのセラミック材料を含むことができる。一部の実施形態では、基板支持体106は、アダプタ部分160を介して伝熱体170に結合されてもよい。伝熱体170は、行われるプロセスに応じて基板支持体106を冷却する、または基板支持体106に熱を伝達することができる。一部の実施形態では、伝熱体170は、基板支持体106を冷却するために冷却剤が流れるチャネル(図示せず)を含む。
基板支持体106は、RF源からRF電流を受け取るために、支持面に近接して基板支持体106に配置されたRF電極112(例えば、第1のRF電極)を含むことができる。一部の実施形態では、RF電極112は、RFリターンパスを提供することができ、
図1の主図に示すように導電性要素114を介してグラウンドに結合されてもよい。例えば、RF電極112は、例えば、処理チャンバ102が容量結合プラズマ装置として構成される場合に、RFリターンパスとして機能することができる。容量結合プラズマ装置では、第2のRF電極116が
図1の主図に示すように基板支持体106の上方に配置されてもよい。第2のRF電極116は、処理容積104内に配置されてもよく、RF源118は、
図1の主図に示すように第2の電極116に結合されてもよい。例えば、第2のRF電極116は、シャワーヘッド(図示せず)であっても、もしくは
図1に示すようにシャワーヘッド119の一部であっても、および/またはシャワーヘッド119内に配置されても、あるいは容量結合プラズマ装置で使用されるオーバーヘッド電極の任意の適切な実施形態であってもよい。
【0009】
一部の実施形態では、処理チャンバ102は、誘導結合プラズマ装置として構成されてもよい。そのような実施形態では、第2のRF電極(すなわち、
図1のファントムで示すような第2のRF電極117)は、処理チャンバ102の処理容積104の外部に配置され、RF源118に結合されてもよい。
【0010】
シャワーヘッド119は、
図1に示すようにガスパネル121に結合され、処理容積104に1つまたは複数のプロセスガスを提供し、処理容積104などでプラズマを点火させることができる。シャワーヘッド119は、1つまたは複数のプロセスガスを処理容積104に送出するための1つの例示的なチャンバ部品にすぎない。代替としてまたは組合せにおいて、1つまたは複数のプロセスガスは、処理チャンバ102の壁の周りに配置された側面注入ポート(図示せず)
または処理チャンバの他の領域に配置されたガス入り口を介して処理容積104に送出されてもよ
い。代替としてまたは組合せにおいて、1つまたは複数のプロセスガスは、プラズマが形成される遠隔の容積(図示せず)に送出され、次いで処理容積104内に流されてもよい。
【0011】
一部の実施形態では、RF電極112は、導電性要素114を介して(
図1のファントムで示すRF源120などの)RF源の出力にも結合されてもよく、導電性要素114を介してRFリターンパスを有し、このことが
図2および
図3に関してより詳細に記載される。例えば、RF電極112は、RFバイアス電極などとして使用されてもよい。RF電極112は、例えば、RFピン109を介して導電性要素114に結合されてもよい。しかしながら、任意の導電性固定要素を使用して、RF電極112を導電性要素114に結合することができる。
【0012】
基板支持体106に戻ると、一部の実施形態では、基板支持体106は、支持面108上に配置されたときに基板105に熱を提供するために、支持面108に近接して基板支持体106に配置されたヒータ122を含むことができる。ヒータ122は、基板支持体で使用される任意の適切なヒータ、例えば、抵抗加熱器などであってもよい。ヒータ122は、ヒータ122に電力を提供するために、ヒータ122からシャフト110の中を通って延在する1つまたは複数の導電線124を含むことができる。例えば、
図1に示すように、1つまたは複数の導電線124は、ヒータ122を処理チャンバ102の外部に配置された電源126に結合することができる。例えば、1つまたは複数の導電線124は、電源126からヒータ122に電力を提供するための第1の線、および電源126に電力を戻すために第2の線を含むことができる。電源126は、交流(AC)電源、直流(DC)電源などを含むことができる。代替として(図示せず)、1つまたは複数の導電線124は、電源126からヒータ122に電力を提供する単一の導電線であってもよい。電力は、導電性要素114を介して電源126またはグラウンドに戻されてもよい。例えば、導電性要素114は、ヒータ122およびRF電極112の両方に対して電気的リターンとして働くことができる。
基板支持体106は、基板支持体106、支持面108の温度、または支持面108上に配置されたときの基板105の温度などの所望の温度を測定するために、基板支持体106に配置された熱電対128を含むことができる。例えば、熱電対128は、熱電対プローブなどの任意の適切な熱電対設計であってもよい。熱電対128は、取外し可能であってもよい。
図1に示すように、熱電対128は、基板支持体106のシャフト110に沿って、支持面108の近くまで延在することができる。
図1に示すような熱電対128は、単に例示であり、熱電対の先端部は、(
図1に示すように)ヒータ122の近くまで、またはヒータ122の上方で支持面108の近くまで延在することができる(図示せず)。熱電対128の先端部の位置は、支持面108に対して調節され、基板105、または支持面108などのその他の構成要素の温度を最も正確に測定することができる。熱電対128は、温度コントローラ130に結合されてもよい。例えば、温度コントローラ130は、熱電対128によって測定された温度に基づいて電源126を制御することができる。代替として、温度コントローラ130は、基板処理システム100の動作を制御することができるコントローラ144などのシステムコントローラの一部であっても、またはそのようなシステムコントローラに結合されていてもよい。
【0013】
一部の実施形態では、導電性要素114は、基板支持体106のシャフト110に沿って配置されてもよい。例えば、導電性要素は、内部容積132を含むことができ、1つまたは複数の導電線124および熱電対128が導電性要素114の内部容積132の中を通って配置される。導電性要素114は、上で論じたようにRF電極112に結合されてもよい。例えば、導電性要素114は、第1の端部113で内部容積132内に延出する突部123を有してもよい。RFピン109は、RFピン109およびRF電極112を導電性要素114に結合するために、突部123に挿入され、または結合されてもよい。導電性要素114は、
図1および
図2に示すように、アダプタ部分160に配置されたRFガスケット155を介してグラウンドに結合された第2の端部115を有することができる。RFガスケットは、銅ベリリウムなどを含んでもよい。導電性要素114は、RFガスケット155とインターフェースするように、任意の所定の位置に曲げることができる複数の特徴部202(
図3に関して以下でも記載する)を含む。
【0014】
一部の実施形態では、導電性要素114は、RF電流が導電性要素114を通って流れるとき、有利には内部容積132内で約ゼロの電界を実現することができる。内部容積132内で約ゼロの電界を実現することによって、熱電対128などのシャフト内に配置された他の電気部品に影響を及ぼすことがある導電性要素114を通って流れるRF電流から生じるいかなる干渉も有利には防止または制限される。本発明者は、例えば、従来の基板支持体においてRFリターンパスとして使用されるロッド状の導電性要素が、熱電対128と干渉し、熱電対に不正確な温度測定値を生成させる非ゼロの電界をシャフト内にもたらすことを見出した。導電性要素114は、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)などの任意の適切なプロセス両立性導電性材料を含むことができる。
【0015】
一部の実施形態では、導電性要素114は、基板支持体106のシャフト110内に配置されてもよい。例えば、
図1に示すように、導電性要素は、電流が円筒形の導電性要素の表面に沿って流れるとき、内部容積内に約ゼロの電界を生成する、内部容積132を有する円筒または別の適切な管状構造などの、(破線136によって表わされるように)円筒形であってもよい。本開示の設計は、有利にはRFリターンパスを短くする。
【0016】
一部の実施形態では、基板支持体106は、
図1および
図2に示すように、基板支持体106が処理位置にあるときに、アダプタ部分160にコンタクトする環状の付勢可能な要素156を含むことができる。環状の付勢可能な要素156は、処理チャンバ102のフロア103に結合されている。一部の実施形態では、環状の付勢可能な要素156は、例えば、低温用途(例えば、最大150℃)のための銅ベリリウムを含む。一部の実施形態では、環状の付勢可能な要素156は、例えば、高温用途(例えば、最大300℃)のためのニッケルベリリウムを含む。環状の付勢可能な要素156は、アダプタ部分160を直接処理チャンバ102に電気的に結合し、したがって、RFリターンパスを短くする。
【0017】
図1に戻ると、基板105は、処理チャンバ102の壁の開口部(図示せず)を介して処理チャンバ102に入ることができる。開口部は、スリットバルブ、または開口部を介してチャンバの内部へのアクセスを選択的に提供するための他の機構を介して選択的に密閉されてもよい。基板支持体106は、開口部を介して基板をチャンバの中および外に移送するのに適した(図示するような)下方位置と、処理に適した選択可能な上方位置との間で基板支持体106の位置を制御することができるリフト機構138に結合されてもよい。処理位置は、特定のプロセスのためにプロセス均一性を最大限にするように選択され得る。上昇した処理位置の少なくとも1つにある場合、基板支持体106は、開口部の上方に配置され、対称的な処理領域を提供することができる。リフト機構138は、ベローズ140または他の可撓性の真空ホースを介して処理チャンバ102に結合され、基板支持体106が移動したときに、処理容積104内の所定の圧力または圧力範囲を維持することができる。
図1に示すように、リフト機構138は、接地されていてもよい。例えば、導電性要素114は、リフト機構138を介して接地されてもよい。代替として、リフト機構138は、ベローズ140を通して処理チャンバ102を介して接地されてもよい。
【0018】
本装置は、処理チャンバ102の処理容積104から過剰なプロセスガス、処理副生成物などを除去するための排気システム142などの、処理チャンバに共通の追加の構成要素を含むことができる。例えば、排気システム142は、処理チャンバ102からの排気ガスを排出するために、ポンピングポートを介してポンピングプレナムに結合された真空ポンプ(図示せず)、または任意の適切な排気システムを含むことができる。例えば、真空ポンプは、排気出口に流体結合され、排気を適切な排気処理設備に送ることができる。バルブ(ゲートバルブ、zモーションバルブなど)がポンピングプレナム内に配置され、真空ポンプの動作と組み合わせて排気ガスの流量の制御を容易にすることができる。
【0019】
上記されたような処理チャンバ102の制御を容易にするために、コントローラ144は、中央処理装置(CPU)146、メモリ148、およびCPU146のためのサポート回路150を備え、処理チャンバ102の構成要素の制御を容易にする。コントローラ144は、様々なチャンバおよびサブプロセッサを制御するために産業環境で使用することができる任意の形態の汎用コンピュータプロセッサであってもよい。CPU146のメモリ148もしくはコンピュータ可読媒体は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、フロッピーディスク、ハードディスクなどの容易に入手可能なメモリのうちの1つまたは複数、あるいはローカルもしくは遠隔のその他の形態のデジタルストレージであってもよい。サポート回路150は、CPU146に結合され、従来のやり方でプロセッサを支援する。これらの回路は、キャッシュ、電源、クロック回路、入力/出力回路、およびサブシステムなどを含む。処理チャンバ102内で行われる方法、またはその少なくとも一部は、ソフトウェアルーチンとしてメモリ148に記憶されてもよい。また、ソフトウェアルーチンは、CPU146によって制御されているハードウェアから遠隔に位置する第2のCPU(図示せず)によって、記憶されおよび/または実行されてもよい。
【0020】
図3は、本開示の一部の実施形態による板金切欠き300を示す。板金切欠き300は、所定の形状に曲げられ、導電性要素(例えば、導電性要素114)を形成する。板金切欠き300は、導電性要素114に関して上で論じたような、任意のプロセス両立性の導電性材料を含むことができる。一部の実施形態では、板金切欠き300は、複数の特徴部302(例えば、特徴部202)および1つまたは複数の突部304(例えば、123)を含む。特徴部302は、任意の所定の位置に曲げられてもよい。板金切欠き300が所定の形状に曲げられるとき、1つまたは複数の突部は、位置調整され、最終製品(すなわち、導電性要素)の内部に延出する。導電性要素を形成するために板金を利用することによって、結果として、有利にはRFリターン電流に対する表面積が増加し、したがって接地性が改善される。
【0021】
このように、基板を処理するための装置が本明細書で開示されている。発明性のある装置の実施形態によって、基板支持体内に存在する熱電対または他の温度モニタリング装置よって行われる温度測定の精度に干渉するなどの、基板支持体の中を通る他の電気的構成要素に干渉することなく、RF電力を基板支持体に配置されたRF電極によって受け取ることが有利には可能となる場合がある。
【0022】
前述の事項は、本開示の実施形態を対象としているが、本開示の他のおよびさらなる実施形態が本開示の基本的な範囲から逸脱せずに考案されてもよい。