特許第6843875号(P6843875)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6843875シラザン−シロキサンランダムコポリマー、それらの製造及び使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6843875
(24)【登録日】2021年2月26日
(45)【発行日】2021年3月17日
(54)【発明の名称】シラザン−シロキサンランダムコポリマー、それらの製造及び使用
(51)【国際特許分類】
   C08G 77/54 20060101AFI20210308BHJP
   C08G 77/452 20060101ALI20210308BHJP
   C08L 83/14 20060101ALI20210308BHJP
   C08L 83/10 20060101ALI20210308BHJP
   H01L 33/56 20100101ALI20210308BHJP
【FI】
   C08G77/54
   C08G77/452
   C08L83/14
   C08L83/10
   H01L33/56
【請求項の数】12
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2018-544039(P2018-544039)
(86)(22)【出願日】2017年1月19日
(65)【公表番号】特表2019-505645(P2019-505645A)
(43)【公表日】2019年2月28日
(86)【国際出願番号】EP2017000059
(87)【国際公開番号】WO2017140407
(87)【国際公開日】20170824
【審査請求日】2020年1月17日
(31)【優先権主張番号】16000371.1
(32)【優先日】2016年2月15日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】591032596
【氏名又は名称】メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100193493
【弁理士】
【氏名又は名称】藤原 健史
(72)【発明者】
【氏名】グロッテンミュラー ラルフ
(72)【発明者】
【氏名】カサス ガルシア−ミンギリャン アブラハム
(72)【発明者】
【氏名】キタ フミオ
【審査官】 小森 勇
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−77874(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08G 77/54
C08G 77/452
C08L 83/10
C08L 83/14
H01L 33/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
LEDチップに付着させられる組成物であって、ポリマーを含み、
前記ポリマーが、第一のモノマー単位M1及び第二のモノマー単位M2をランダムな配列で含、第一のモノマー単位M1は式(I)のものであり、かつ第二のモノマー単位M2は式(II)のものであり、
【化1】
式中、
1、R2、R3、R4及びR5は、それぞれの出現で互いに独立に、Hカルビル、及びヒドロカルビルからなる群から選ばれ、
aは、少なくとも1かつ最大10までの整数であることを特徴とする前記組成物
【請求項2】
1及びR2が、それぞれの出現で、独立に、H、又は、少なくとも1個かつ最大20個までの炭素原子を有するアルキル、又は、フェニルである、請求項1記載の組成物
【請求項3】
1及びR2が、独立に、H又はメチルである、請求項1又は2に記載の組成物
【請求項4】
3及びR4が、それぞれの出現で、独立に、H、又は、少なくとも1個かつ最大40個までの炭素原子を有するアルキル、又は、フェニルである、請求項1から3のいずれか1項に記載の組成物
【請求項5】
3及びR4が、独立に、メチル又はフェニルである、請求項1から4のいずれか1項に記載の組成物
【請求項6】
5が、それぞれの出現で、独立に、H、又は、少なくとも1個かつ最大20個までの炭素原子を有するアルキル、又は、フェニルである、請求項1から5のいずれか1項に記載の組成物
【請求項7】
5が、それぞれの出現で、独立に、H又はメチルである、請求項1から6のいずれか1項に記載の組成物
【請求項8】
LEDチップに付着させられる組成物の調製方法であって、オルガノシラン、アミン及びオルガノシロキサンを反応させることにより、シラザン−シロキサンランダムコポリマーを得る工程を含
オルガノシランが二つのハロゲン末端基を含み、かつオルガノシロキサンが式(II−a)
【化2】
のものであり、かつ
アミンが式(III)
【化3】
のものであり、
式中、
3及びX4は同じであり、かつそれぞれの出現で独立にOH、Cl、Br、Iからなる群から選ばれ、
3、R4及びR5は、それぞれの出現で、独立に、Hカルビル基又はヒドロカルビル基であり、かつ
aは、少なくとも1かつ最大10までの整数であることを特徴とする前記方法。
【請求項9】
オルガノシランが式(I−a)
【化4】
のものであり、
式中、
1及びR2が、それぞれの出現で、独立にHカルビル、又はヒドロカルビルであり、かつ
1及びX2が、それぞれの出現で、独立にCl、Br、Iからなる群から選ばれる、請求項8記載の方法。
【請求項10】
ラザン−シロキサンランダムコポリマーがLEDチップに直接付着される、請求項8又は9記載の方法。
【請求項11】
前記組成物が発光材料を更に含む、請求項8〜10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
発光材料がリン光体である、請求項11記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はシラザン−シロキサンランダムコポリマーだけでなく、それらの製造及び特にLED における、それらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電気工業は主要な改良もなく数十年にわたって使用されていた通常の技術の迅速な置換を見ていた。
一つのこのような例は発光ダイオード (LED)により置換される通常の白熱電球である。白熱電球の寿命は一般に数千時間のオーダであり、一方、LED は数万時間の寿命を主張する。これらの長い寿命はLED 中の発光材料が環境因子、例えば、酸素及び湿気による分解から有効に保護し得る場合にのみ可能とされる。頻繁に、これがLED をポリマー中に封入することにより行なわれる。しかしながら、このような封入ポリマーは幾つかの更なる要件を満足する必要がある:
−ポリマーは機械的性質及び/又は光学的性質を損なわないで高温に耐える必要があり、
−光学的鮮明性及び高い使用温度に加えて、ポリマーは高い屈折率を有する必要があり、
−ポリマーは高い強さの放射線に対する高い耐性を有することを必要とされ、かつ
−弾性モジュラスにおいて非常に軟質から硬質まで変化し得るポリマーについての要望がある。
最近、ポリシラザン/ポリシロキサンコポリマーがUS 2015/0188006 A1で封入ポリマーとして提案されていた。
このようなコポリマーが、例えば、WO 02/068535 A1に開示されている。
しかしながら、これらのポリマーだけでなく、それらの製造方法は、特に機械的性質と熱安定性及び/又は光安定性の間のバランスに関して、改良の余地を依然として残している。それらは良好な熱安定性及び光安定性を示すが、現在のポリシラザンは、例えば、ひどい亀裂形成、特に微小亀裂の形成の傾向があり、また添加剤との制限された相溶性を示す。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
それ故、本件出願の目的は改良された性質、特にLED 適用における改良された性質を有するポリマーを提供することである。
また、本件出願の目的は改良された性質を有するこのようなポリマーの製造方法を提供することである。
更に、本件出願の目的は工業規模に容易にスケールアップでき、かつ/又は特注のポリマーの容易な製造を可能にし得る融通性かつ可変性の方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
今、本発明者らは驚くことに上記課題が本件出願のポリマー及び方法により個々に、又は組み合わせて達成し得ることを見い出した。
それ故、本件出願は第一のモノマー単位M1及び第二のモノマー単位M2をランダムな配列で含むポリマーを提供し、この場合、第一のモノマー単位M1は式 (I)のものであり、かつ第二のモノマー単位M2は式(II)のものである。
【化1】
【0005】
式中、
R1、R2、R3、R4及R5はそれぞれの出現で互いに独立にH及びカルビルからなる群から選ばれ、かつ
aは少なくとも1かつせいぜい10の整数である。
それ故、本件出願はオルガノシラン、アミン及びオルガノシロキサンを反応させることによりシラザン−シロキサンランダムコポリマーを得る工程を含む方法を提供し、この場合、オルガノシランは二つのハロゲン末端基を含み、かつオルガノシロキサンは式 (II-a)
【化2】
のものであり、かつアミンは式 (III)
【化3】
のものである。
式中、
X3及びX4は同じであり、それぞれの出現で独立にOH、Cl、Br、Iからなる群から選ばれ、
R3、R4及びR5はそれぞれの出現で独立にH又はカルビル基であり、かつ
aは少なくとも1かつせいぜい10の整数である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本件出願の目的のために、“オルガノシラン”という用語はシランのオルガニル誘導体、即ち、1個以上の水素が相当する数のオルガニル基により置換されているシランを表すのに使用される。
本件出願の目的のために、“オルガノシロキサン”という用語はシロキサンのオルガニル誘導体、即ち、1個以上の水素が相当する数のオルガニル基により置換されているシランを表すのに使用される。
本件出願の目的のために、“オルガニル”という用語は官能型にかかわらず、炭素原子の位置に一つの自由原子価を有するあらゆる有機置換基を表すのに使用される。
本件出願の目的のために、“オルガノヘテリル”という用語は炭素を含むあらゆる1価の基(これはこうして有機であるが、これは炭素以外の原子の位置で自由原子価を有する)を表すのに使用される。
本件出願の目的のために、“カルビル基”という用語はオルガニル基及びオルガノヘテリル基の両方を含む。本明細書に使用される“カルビル基”という用語は非炭素原子を含まないで少なくとも1個の炭素原子を含み (例えば、-C≡C-のように) 、又は必要により1個以上のヘテロ原子を含んでもよい (例えば、カルボニル基等のように) あらゆる1価又は多価の有機基部分を意味すると理解されるであろう。
“ヒドロカルビル基”という用語は更に1個以上のH原子を含み、必要により1個以上のヘテロ原子を含んでいてもよいカルビル基を意味すると理解されるであろう。
本明細書に使用される“ヘテロ原子”という用語はH原子又はC原子ではない有機化合物中の原子を意味すると理解され、好ましくはN、O、S、P、Si、Se、As、Te又はGeを意味すると理解されるであろう。
3個以上のC原子の鎖を含むカルビル基又はヒドロカルビル基は直鎖、分枝及び/又は環状(スピロ環及び/又は融合環を含む)であってもよい。
好ましいカルビル基及びヒドロカルビル基として、アルキル、アルコキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ及びアルコキシカルボニルオキシ(これらのそれぞれが必要により置換されていてもよく、1〜40個、好ましくは1〜25個、非常に好ましくは1〜18個のC原子を有する)、更に6〜40個、好ましくは6〜25個のC原子を有する必要により置換されていてもよいアリール又はアリールオキシ、更にアルキルアリールオキシ、アリールカルボニル、アリールオキシカルボニル、アリールカルボニルオキシ及びアリールオキシカルボニルオキシ(これらのそれぞれが必要により置換されていてもよく、6〜40個、好ましくは7〜40個のC原子を有する)が挙げられ、全てのこれらの基は必要により1個以上のヘテロ原子(好ましくはN、O、S、P、Si、Se、As、Te及びGeから選ばれる)を含んでいてもよい。
【0007】
カルビル基又はヒドロカルビル基は飽和もしくは不飽和非環式基、又は飽和もしくは不飽和環式基であってもよい。不飽和非環式基又は環式基、特にアリール基、アルケニル基及びアルキニル基(特にエチニル)が好ましい。C1-C40カルビル基又はヒドロカルビル基が非環式である場合、その基が直鎖又は分枝であってもよい。C1-C40カルビル基又はヒドロカルビル基として、例えば、C1-C40アルキル基、C1-C40フルオロアルキル基、C1-C40 アルコキシ基又はオキサアルキル基、C2-C40アルケニル基、C2-C40アルキニル基、C3-C40 アリル基、C4-C40アルキルジエニル基、C4-C40ポリエニル基、C2-C40ケトン基、C2-C40 エステル基、C6-C18アリール基、C6-C40アルキルアリール基、C6-C40アリールアルキル基、C4-C40シクロアルキル基、C4-C40シクロアルケニル基等が挙げられる。以上の基の中で、C1-C20アルキル基、C1-C20フルオロアルキル基、C2-C20アルケニル基、C2-C20 アルキニル基、C3-C20アリル基、C4-C20アルキルジエニル基、C2-C20ケトン基、C2-C20エステル基、C6-C12 アリール基、及びC4-C20 ポリエニル基がそれぞれ好ましい。また、例えば、シリル基、好ましくはトリアルキルシリル基で置換されているアルキニル基、好ましくはエチニルのような、炭素原子を有する基とヘテロ原子を有する基の組み合わせが含まれる。
本明細書に使用される“アリール”及び“ヘテロアリール”という用語は4〜30個の環C原子を有する単環式、二環式又は三環式の芳香族基又はヘテロ芳香族基(これはまた縮合環を含んでいてもよく、必要により1個以上の基Lで置換されていてもよい)を意味することが好ましく、この場合、Lはハロゲン、-CN 、-NC 、-NCO、-NCS、-OCN、-SCN 、-C(=O)NR0R00、-C(=O)X0、-C(=O)R0 、-NH2、-NR0R00 、-SH 、-SR0、-SO3H 、-SO2R0、-OH 、-NO2、-CF3、-SF5、P-Sp- 、必要により置換されていてもよいシリル、又は1〜40個のC原子を有するカルビルもしくはヒドロカルビル(これは必要により置換されていてもよく、必要により1個以上のヘテロ原子を含んでいてもよい)から選ばれ、好ましくは1〜20個のC原子を有するアルキル、アルコキシ、チアアルキル、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル又はアルコキシカルボニルオキシであり、これは必要によりフッ素化されていてもよく、かつR0、R00 、X0、P及びSpは先に、また以下に示される意味を有する。
【0008】
非常に好ましい置換基Lはハロゲン、最も好ましくはF、又は1〜12個のC原子を有するアルキル、アルコキシ、オキサアルキル、チオアルキル、フルオロアルキル及びフルオロアルコキシ又は2〜12個のC原子を有するアルケニル、及びアルキニルから選ばれる。
特に好ましいアリール基及びヘテロアリール基はフェニル、1個以上のCH基がNにより置換されているフェニル、ナフタレン、チオフェン、セレノフェン、チエノチオフェン、ジチエノチオフェン、フルオレン及びオキサゾールであり、これらの全てが未置換であってもよく、先に定義されたLで一置換又は多置換し得る。非常に好ましい環はピロール、好ましくはN-ピロール、フラン、ピリジン、好ましくは2-又は3-ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、トリアゾール、テトラゾール、ピラゾール、イミダゾール、イソチアゾール、チアゾール、チアジアゾール、イソオキサゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、チオフェン、好ましくは2-チオフェン、セレノフェン、好ましくは2-セレノフェン、チエノ [3,2-b]チオフェン、チエノ [2,3-b]チオフェン、フロ[3,2-b]フラン、フロ[2,3-b]フラン、セレノ[3,2-b]セレノフェン、セレノ[2,3-b]セレノフェン、チエノ[3,2-b]セレノフェン、チエノ[3,2-b]フラン、インドール、イソインドール、ベンゾ [b]フラン、ベンゾ [b]チオフェン、ベンゾ [1,2-b;4,5-b']ジチオフェン、ベンゾ[2,1-b;3,4-b']ジチオフェン、キノール、2-メチルキノール、イソキノール、キノキサリン、キナゾリン、ベンゾトリアゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイソチアゾール、ベンゾイソオキサゾール、ベンゾオキサジアゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアジアゾールから選ばれ、これらの全てが未置換であってもよく、先に定義されたLで一置換又は多置換し得る。アリール基及びヘテロアリール基の更なる例は以下に示される基から選ばれるものである。
【0009】
アルキル基又はアルコキシ基(即ち、末端CH2 基が-O- により置換されている)は、直鎖又は分枝であってもよい。それが直鎖(即ち、線状)であることが好ましい。このようなアルキル基及びアルコキシ基の好適な例はメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシ、ヘキソキシ、ヘプトキシ、オクトキシ、ノンオキシ、デコキシ、ウンデコキシ、ドデコキシ、トリデコキシ又はテトラデコキシである。好ましいアルキル基及びアルコキシ基は1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個又は10個の炭素原子を有する。このような好ましいアルキル基及びアルコキシ基の好適な例はメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシ、ヘキソキシ、ヘプトキシ、オクトキシ、ノンオキシ及びデコキシからなる群から選ばれてもよい。
アルケニル基(この場合、1個以上のCH2 基が-CH=CH- により置換されている)は直鎖又は分枝であってもよい。それが直鎖であり、2〜10個のC原子を有することが好ましく、従ってビニル、プロプ(prop)-1-エンイル(enyl)、又はプロプ-2-エンイル、ブト(but)-1-エンイル、ブト-2-エンイル又はブト-3-エンイル、ペント(pent)-1-エンイル、ペント-2-エンイル、ペント-3-エンイル又はペント-4-エンイル、ヘキサ(hex)-1-エンイル、ヘキサ-2-エンイル、ヘキサ-3-エンイル、ヘキサ-4-エンイル又はヘキサ-5-エンイル、ヘプト(hept)-1-エンイル、ヘプト-2-エンイル、ヘプト-3-エンイル、ヘプト-4-エンイル、ヘプト-5-エンイル又はヘプト-6-エンイル、オクト(oct)-1-エンイル、オクト-2-エンイル、オクト-3-エンイル、オクト-4-エンイル、オクト-5-エンイル、オクト-6-エンイル又はオクト-7-エンイル、ノン(non)-1-エンイル、ノン-2-エンイル、ノン-3-エンイル、ノン-4-エンイル、ノン-5-エンイル、ノン-6-エンイル、ノン-7-エンイル又はノン-8-エンイル、デカ(dec)-1-エンイル、デカ-2-エンイル、デカ-3-エンイル、デカ-4-エンイル、デカ-5-エンイル、デカ-6-エンイル、デカ-7-エンイル、デカ-8-エンイル又はデカ-9-エンイルであることが好ましい。
特に好ましいアルケニル基はC2-C7-1E-アルケニル、C4-C7-3E-アルケニル、C5-C7-4-アルケニル、C6-C7-5-アルケニル及びC7-6-アルケニル、特にC2-C7-1E-アルケニル、C4-C7-3E-アルケニル及びC5-C7-4-アルケニルである。特に好ましいアルケニル基の例はビニル、1E-プロペニル、1E-ブテニル、1E-ペンテニル、1E-ヘキセニル、1E-ヘプテニル、3-ブテニル、3E-ペンテニル、3E-ヘキセニル、3E-ヘプテニル、4-ペンテニル、4Z-ヘキセニル、4E-ヘキセニル、4Z-ヘプテニル、5-ヘキセニル、6-ヘプテニル等である。5個までのC原子を有するアルケニル基が一般に好ましい。
【0010】
オキサアルキル基(即ち、1個のCH2 基が-O- により置換されている場合)は、例えば、直鎖2-オキサプロピル (= メトキシメチル) 、2-(エトキシメチル) 又は3-オキサブチル (= 2-メトキシエチル) 、2-、3-、又は4-オキサペンチル、2-、3-、4-、又は5-オキサヘキシル、2-、3-、4-、5-、又は6-オキサヘプチル、2-、3-、4-、5-、6-又は7-オキサオクチル、2-、3-、4-、5-、6-、7-又は8-オキサノニル或いは2-、3-、4-、5-、6-、7-、8-又は9-オキサデシルであることが好ましい。オキサアルキル(即ち、1個のCH2 基が-O- により置換されている場合)は、例えば、直鎖2-オキサプロピル (= メトキシメチル) 、2- (= エトキシメチル) 又は3-オキサブチル (= 2-メトキシエチル) 、2-、3-、又は4-オキサペンチル、2-、3-、4-、又は5-オキサヘキシル、2-、3-、4-、5-、又は6-オキサヘプチル、2-、3-、4-、5-、6-又は7-オキサオクチル、2-、3-、4-、5-、6-、7-又は8-オキサノニル或いは2-、3-、4-、5-、6-、7-、8-又は9-オキサデシルであることが好ましい。
【0011】
1個のCH2 基が-O- により置換されており、一つが-C(O)-により置換されているアルキル基において、これらの基が隣接されていることが好ましい。従って、これらの基が一緒になってカルボニルオキシ基-C(O)-O- 又はオキシカルボニル基-O-C(O)- を形成する。この基が直鎖であり、2〜6個のC原子を有することが好ましい。従って、それがアセチルオキシ、プロピオニルオキシ、ブチリルオキシ、ペンタノイルオキシ、ヘキサノイルオキシ、アセチルオキシメチル、プロピオニルオキシメチル、ブチリルオキシメチル、ペンタノイルオキシメチル、2-アセチルオキシエチル、2-プロピオニルオキシエチル、2-ブチリルオキシエチル、3-アセチルオキシプロピル、3-プロピオニルオキシプロピル、4-アセチルオキシブチル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、ペントキシカルボニル、メトキシカルボニルメチル、エトキシカルボニルメチル、プロポキシカルボニルメチル、ブトキシカルボニルメチル、2-(メトキシカルボニル)エチル、2-(エトキシカルボニル)エチル、2-(プロポキシカルボニル)エチル、3-(メトキシカルボニル)プロピル、3-(エトキシカルボニル)プロピル、及び4-(メトキシカルボニル)-ブチルからなる群から選ばれることが好ましい。
2個以上のCH2 基が-O- 及び/又は-C(O)O- により置換されているアルキル基は直鎖又は分枝であってもよい。それが直鎖であり、3〜12個のC原子を有することが好ましい。従って、それがビス-カルボキシ-メチル、2,2-ビス-カルボキシ-エチル、3,3-ビス-カルボキシ-プロピル、4,4-ビス-カルボキシ-ブチル、5,5-ビス-カルボキシ-ペンチル、6,6-ビス-カルボキシ-ヘキシル、7,7-ビス-カルボキシ-ヘプチル、8,8-ビス-カルボキシ-オクチル、9,9-ビス-カルボキシ-ノニル、10,10-ビス-カルボキシ-デシル、ビス-(メトキシカルボニル)-メチル、2,2-ビス-(メトキシカルボニル)-エチル、3,3-ビス-(メトキシカルボニル)-プロピル、4,4-ビス-(メトキシカルボニル)-ブチル、5,5-ビス-(メトキシカルボニル)-ペンチル、6,6-ビス-(メトキシカルボニル)-ヘキシル、7,7-ビス-(メトキシカルボニル)-ヘプチル、8,8-ビス-(メトキシカルボニル)-オクチル、ビス-(エトキシカルボニル)-メチル、2,2-ビス-(エトキシカルボニル)-エチル、3,3-ビス-(エトキシカルボニル)-プロピル、4,4-ビス-(エトキシカルボニル)-ブチル、及び5,5-ビス-(エトキシカルボニル)-ヘキシルからなる群から選ばれることが好ましい。
【0012】
チオアルキル基(即ち、1個のCH2 基が-S- により置換されている場合)は、直鎖チオメチル (-SCH3)、1-チオエチル (-SCH2CH3) 、1-チオプロピル (= -SCH2CH2CH3)、 1- (チオブチル) 、1-(チオペンチル) 、1-(チオヘキシル) 、1-(チオヘプチル) 、1-(チオオクチル) 、1-(チオノニル) 、1-(チオデシル) 、1-(チオウンデシル) 又は1-(チオドデシル) であることが好ましく、この場合、sp2 混成ビニル炭素原子に隣接するCH2 基が置換されている。
フルオロアルキル基はペルフルオロアルキル、CiF2i+1, (式中、iは1から15までの整数である)、特にCF3 、C2F5、C3F7、C4F9、C5F11 、C6F13 、C7F15 又はC8F17 、非常に好ましくはC6F13 、又は特にフッ素化アルキル、特に1,1-ジフルオロアルキルであることが好ましく、これらの全てが直鎖又は分枝である。
アルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、オキサアルキル基、チオアルキル基、カルボニル基及びカルボニルオキシ基はアキラル基又はキラル基であってもよい。特に好ましいキラル基は、例えば、2-ブチル (=1-メチルプロピル) 、2-メチルブチル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、2-エチルヘキシル、2-プロピルペンチル、特に2-メチルブチル、2-メチルブトキシ、2-メチルペントキシ、3-メチルペントキシ、2-エチル-ヘキソキシ、1-メチルヘキソキシ、2-オクチルオキシ、2-オキサ-3-メチルブチル、3-オキサ-4-メチル-ペンチル、4-メチルヘキシル、2-ヘキシル、2-オクチル、2-ノニル、2-デシル、2-ドデシル、6-メトキシオクトキシ、6-メチルオクトキシ、6-メチルオクタノイルオキシ、5-メチルヘプチルオキシ-カルボニル、2-メチルブチリルオキシ、3-メチルバレロイルオキシ、4-メチルヘキサノイルオキシ、2-クロロプロピオニルオキシ、2-クロロ-3-メチルブチリルオキシ、2-クロロ-4-メチル-バレリル -オキシ、2-クロロ-3-メチルバレリルオキシ、2-メチル-3-オキサペンチル、2-メチル-3-オキサ-ヘキシル、1-メトキシプロピル-2-オキシ、1-エトキシプロピル-2-オキシ、1-プロポキシプロピル-2-オキシ、1-ブトキシプロピル-2-オキシ、2-フルオロオクチルオキシ、2-フルオロデシルオキシ、1,1,1-トリフルオロ2-オクチルオキシ、1,1,1-トリフルオロ-2-オクチル、2-フルオロメチルオクチルオキシである。2-ヘキシル、2-オクチル、2-オクチルオキシ、1,1,1-トリフルオロ-2-ヘキシル、1,1,1-トリフルオロ-2-オクチル及び1,1,1-トリフルオロ-2-オクチルオキシが非常に好ましい。
【0013】
好ましいアキラル分枝基はイソプロピル、イソブチル (= メチルプロピル) 、イソペンチル (= 3-メチルブチル) 、tert. ブチル、イソプロポキシ、2-メチル-プロポキシ及び3-メチルブトキシである。
好ましい実施態様において、ヒドロカルビル基は互いに独立に1〜30個のC原子を有する一級、二級又は三級のアルキル又はアルコキシであり、この場合、1個以上のH原子が必要によりF、又はアリール、アリールオキシ、ヘテロアリールもしくはヘテロアリールオキシ(これは必要によりアルキル化又はアルコキシル化されていてもよく、かつ4〜30個の環原子を有する)により置換されていてもよい。この型の非常に好ましい基は下記の式からなる群から選ばれる。
【0014】
【化4】
【0015】
式中、“ALK”は1〜20個、好ましくは1〜12個のC原子、三級基の場合には非常に好ましくは1〜9個のC原子を有する必要によりフッ素化されていてもよい、好ましくは線状の、アルキル又はアルコキシを表し、破線はこれらの基が結合されている環への結合を表す。これらの基の中で、全てのALKサブグループが同じである基が特に好ましい。
-CY1=CY2- は-CH=CH- 、-CF=CF- 又は-CH=C(CN)-であることが好ましい。
本明細書に使用される“ハロゲン”はF、Cl、Br又はI、好ましくはF、Cl又はBrを含む。
本件出願の目的のために、“置換される”という用語は存在する1個以上の水素が本明細書に定義された基RS により置換されていることを表すのに使用される。
RSはそれぞれの出現で独立に本明細書に定義されたあらゆる基RT、1個から40個までの炭素原子を有するヒドロカルビルからなる群から選ばれ、この場合、ヒドロカルビルは更に1個以上の基RTで置換されていてもよく、ヒドロカルビルは1個から40個までの炭素原子を有し、N、O、S、P、Si、Se、As、Te又はGeからなる群から選ばれた1個以上のヘテロ原子を含み、N、O及びSが好ましいヘテロ原子であり、ヒドロカルビルが更に1個以上の基RTで置換されていてもよい。
【0016】
RSとして好適なヒドロカルビルの好ましい例はそれぞれの出現で独立にフェニル、1個以上の基RTで置換されたフェニル、アルキル及び1個以上の基RTで置換されたアルキルから選ばれてもよく、そのアルキルは少なくとも1個、好ましくは少なくとも5個、更に好ましくは少なくとも10個、最も好ましくは少なくとも15個の炭素原子を有し、かつ/又はせいぜい40個、更に好ましくはせいぜい30個、更に好ましくはせいぜい25個、最も好ましくはせいぜい20個の炭素原子を有する。例えば、RSとして好適なアルキルはまたフッ素化アルキル、即ち、1個以上の水素がフッ素により置換されているアルキル、及びペルフッ素化アルキル、即ち、水素の全てがフッ素により置換されているアルキルを含むことが注目される。
RTはそれぞれの出現で独立にF、Br、Cl、-CN 、-NC, -NCO 、-NCS 、-OCN 、-SCN 、-C(O)NR0R00 、-C(O)X0 、-C(O)R0 、-NH2、-NR0R00 、-SH 、-SR0、-SO3H 、-SO2R0 、-OH 、-OR0、-NO2、-SF5及び-SiR0R00R000 からなる群から選ばれる。好ましいRTはF、Br、Cl、-CN 、-NC 、-NCO 、-NCS 、-OCN 、-SCN 、-C(O)NR0R00 、-C(O)X0 、-C(O)R0 、-NH2、-NR0R00 、-SH 、-SR0、-OH 、-OR0及び-SiR0R00R000 からなる群から選ばれる。
【0017】
R0、R00 及びR000はそれぞれの出現で互いに独立にH、F、1個から40個までの炭素原子を有するヒドロカルビルからなる群から選ばれる。前記ヒドロカルビルは好ましくは少なくとも5個、更に好ましくは少なくとも10個、最も好ましくは少なくとも15個の炭素原子を有する。前記ヒドロカルビルは好ましくはせいぜい30個、更に好ましくはせいぜい25個、最も好ましくはせいぜい20個の炭素原子を有する。好ましくは、R0、R00 及びR000がそれぞれの出現で互いに独立にH、F、アルキル、フッ素化アルキル、アルケニル、アルキニル、フェニル及びフッ素化フェニルからなる群から選ばれる。更に好ましくは、R0、R00 及びR000がそれぞれの出現で互いに独立にH、F、アルキル、フッ素化、好ましくはペルフッ素化アルキル、フェニル及びフッ素化、好ましくはペルフッ素化フェニルからなる群から選ばれる。
例えば、R0、R00 及びR000として好適なアルキルはまたペルフッ素化アルキル、即ち、水素の全てがフッ素により置換されているアルキルを含むことが注目される。アルキルの例はメチル、エチル、n-プロピル、イソ-プロピル、n-ブチル、イソ-ブチル、tert-ブチル (又は“t-ブチル”) 、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル及びエイコシル(-C20H41)からなる群から選ばれてもよい。
X0はハロゲンである。好ましくはX0はF、Cl及びBrからなる群から選ばれる。
本件出願は第一のモノマー単位M1及び第二のモノマー単位M2をランダムな配列で含む、本明細書で一般に“シラザン−シロキサンランダムコポリマー”と称される、ポリマーに関する。
前記第一のモノマー単位M1は式 (I)
【化5】
のものであり、
式中、R1、R2及びR5は本明細書に定義されたとおりである。
前記第二のモノマー単位M2は式(II)
【化6】
のものであり、
式中、R3、R4、R5及びaは本明細書に定義されたとおりである。
【0018】
aは少なくとも1かつせいぜい10の整数である。例えば、aが1、2、3、4、5、6、7、8、9及び10からなる群のいずれか一つであってもよい。
R1、R2、R3、R4及びR5はそれぞれの出現で独立にH又はカルビル基、好ましくはH又は先に定義されたカルビル基である。
R1、R2、R3、R4及びR5に関して、好ましいカルビル基はそれぞれの出現で独立にアルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケニル、置換アルケニル, アルカジエニル、置換アルカジエニル、アリール、及び置換アリールからなる群から選ばれてもよい。
R1、R2、R3、R4及びR5に関して、更に好ましいカルビル基はそれぞれの出現で独立にアルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルカジエニル及び置換アルカジエニルからなる群から選ばれてもよい。
R1、R2、R3、R4及びR5に関して、更に好ましいカルビル基はそれぞれの出現で独立にアルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルカジエニル及び置換アルカジエニルからなる群から選ばれてもよい。
R1、R2、R3、R4及びR5に関して、更に好ましいカルビル基はそれぞれの出現で独立にアルキル及び置換アルキルからなる群から選ばれてもよい。
R1、R2、R3、R4及びR5に関して、最も好ましいカルビル基はそれぞれの出現で独立にアルキルからなる群から選ばれてもよい。
【0019】
R1、R2、R3、R4及びR5に関して、好ましいアルキルは少なくとも1個の炭素原子かつせいぜい40個の炭素原子、好ましくはせいぜい30個又は20個の炭素原子、更に好ましくはせいぜい15個の炭素原子、更に好ましくはせいぜい10個の炭素原子、最も好ましくはせいぜい5個の炭素原子を有するアルキルから選ばれてもよい。
R1、R2、R3、R4及びR5に関して、少なくとも1個の炭素原子かつせいぜい5個の炭素原子を有するアルキルは、例えば、独立にメチル、エチル、n-プロピル、イソ-プロピル、n-ブチル、イソ-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、イソ-ペンチル (2,2-メチル-ブチル) 及びネオ-ペンチル (2,2-ジメチル-プロピル) からなる群から選ばれてもよく、好ましくはメチル、エチル、n-プロピル及びイソ-プロピルからなる群から選ばれてもよく、更に好ましくはメチル又はエチルであり、最も好ましくはメチルである。
R1、R2、R3、R4及びR5に関して、好ましいシクロアルキルは少なくとも3個、好ましくは少なくとも4個、最も好ましくは少なくとも5個の炭素原子を有するシクロアルキルから選ばれてもよい。R1及びR2に関して、好ましいシクロアルキルはせいぜい30個、好ましくはせいぜい25個、更に好ましくはせいぜい20個、更に好ましくは せいぜい15個、最も好ましくはせいぜい10個の炭素原子を有するシクロアルキルから選ばれてもよい。
R1、R2、R3、R4及びR5に関して、シクロアルキルの好ましい例はシクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル及びシクロオクチルからなる群から選ばれてもよい。
R1、R2、R3、R4及びR5に関して、好ましいアルケニルは少なくとも2個の炭素原子かつせいぜい20個、更に好ましくはせいぜい15個、更に好ましくはせいぜい10個、最も好ましくはせいぜい6個の炭素原子を有するアルケニルから選ばれてもよい。前記アルケニルはその分子内のあらゆる位置でC=C 二重結合を含んでいてもよく、例えば、C=C 二重結合が末端であってもよく、又は非末端であってもよい。
R1、R2、R3、R4及びR5に関して、少なくとも2個かつせいぜい10個の炭素原子を有するアルケニルはビニル又はアリル、好ましくはビニルであってもよい。
R1、R2、R3、R4及びR5に関して、好ましいアルカジエニルは少なくとも4個かつせいぜい20個、更に好ましくはせいぜい15個、更に好ましくはせいぜい10個、最も好ましくはせいぜい6個の炭素原子を有するアルカジエニルから選ばれてもよい。前記アルケニルはその分子内のあらゆる位置で二つのC=C 二重結合を含んでいてもよく、但し、その二つのC=C 二重結合が互いに隣接しないことを条件とし、例えば、C=C 二重結合が末端であってもよく、又は非末端であってもよい。
R1、R2、R3、R4及びR5に関して、少なくとも4個かつせいぜい6個の炭素原子を有するアルカジエニルは、例えば、ブタジエン又はヘキサジエンであってもよい。
【0020】
R1、R2、R3、R4及びR5に関して、好ましいアリールは少なくとも6個の炭素原子、かつせいぜい30個、好ましくはせいぜい24個の炭素原子を有するアリールから選ばれてもよい。
R1、R2、R3、R4及びR5に関して、アリールの好ましい例はフェニル、ナフチル、フェナントレニル、アントラセニル、テトラセニル、ベンズ [a]アントラセニル、ペンタセニル、クリセニル、ベンゾ [a]ピレニル、アズレニル、ペリレニル、インデニル、フルオレニル及び1個以上 (例えば、2個、3個又は4個) のCH基がNにより置換されているこれらのいずれかからなる群から選ばれてもよい。これらのフェニル、ナフチル及び1個以上 (例えば、2個、3個又は4個) のCH基がNにより置換されているこれらのいずれかのうち、フェニルが最も好ましい。
好ましくは、本シラザン−シロキサンランダムコポリマーがGPC により測定して、少なくとも1,000 g/モル、更に好ましくは少なくとも2,000 g/モル、更に好ましくは少なくとも3,000 g/モルの分子量Mwを有する。
必要とされる場合、本シラザン−シロキサンランダムコポリマーの分子量がフッ化物触媒架橋又は塩基触媒架橋により変更、好ましくは増大されてもよい。これらの方法は当業者に公知である。更なる詳細が実施例に見られる。
本シラザン−シロキサンランダムコポリマーは現在使用される通常の材料、例えば、フェニルシリコーン又はオルガノポリシラザンと較べて優れた温度耐性及び/又は寿命を特徴とする。理論により束縛されたくないが、本シラザン−シロキサンランダムコポリマーの改良された性能はそれらの特別なランダム構造のためであると考えられ、これは硬質の領域の形成を回避し、それにより亀裂、特に微小亀裂の形成の減少をもたらすと考えられる。
本件出願はまた一種以上のオルガノシラン、アミン及び一種以上のオルガノシロキサンを反応させることにより本明細書に特定されたシラザン−シロキサンランダムコポリマーを得る工程を含む方法に関する。
一種以上のオルガノシランは二つのハロゲン末端基を含み、即ち、α,ω-ジハロ -オルガノシランである。その末端基は同じであってもよく、又は異なっていてもよく、好ましくはそれらが同じである。好ましくは、二つのハロゲン末端基が両方ともClである。
好ましくは、前記オルガノシランが式 (I-a)
【化7】
のものである。
【0021】
式中、R1、R2、X1及びX2は本明細書に定義されたとおりである。
X1及びX2はそれぞれの出現で互いに独立にCl、Br、Iからなる群から選ばれる。好ましくはX1及びX2がClである。
オルガノシロキサンは二つのハロゲン末端基、好ましくは二つのCl末端基、又は二つのヒドロキシ (-OH)末端基を含む。
好ましくは、前記オルガノシロキサンが式(II)
【化8】
のものである。
式中、a、X3、X4、R3及びR4 は本明細書に定義されたとおりである。
aは少なくとも1かつせいぜい10の整数である。例えば、aが1、2、3、4、5、6、7、8、9及び10からなる群のいずれか一つであってもよい。
X3及びX4は同じであり、それぞれの出現で独立に好ましくはCl、Br、I及びOHからなる群から選ばれ、更に好ましくはCl又はOHである。
【0022】
好ましくは、前記アミンが式 (III)
【化9】
のものである。式中、R5は本明細書に定義されたとおりである。好ましくは、R5がH又はメチル、最も好ましくはHである。
前記アミンはまた異なる基R5を有するアミンのブレンドであってもよいことが注目される。
本件出願に従ってシラザン−シロキサンランダムコポリマーを得る好ましい方法は、例えば、下記の経路 (A)及び (B)により表し得る。
【0023】
【化10】
【0024】
オルガノシラン、アミン及びオルガノシロキサンを反応させるための条件は特に制限されない。しかしながら、その反応を、例えば、温度及び溶媒に関して特別な条件の範囲内で行うことが好ましい。好ましくは、前記溶媒が非プロトン性有機溶媒、例えば、炭化水素、芳香族化合物、エステル又はエーテルである。このような溶媒の例はn-ヘプタン、シクロヘキサン、キシレン、ピリジン、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、酢酸メチル又は酢酸エチルである。
好ましくは、本反応が少なくとも-30 ℃かつせいぜい120 ℃、更に好ましくは少なくとも-20 ℃かつせいぜい110 ℃、最も好ましくは少なくとも-10 ℃かつせいぜい100 ℃の温度で行なわれる。
別の好ましい合成方法はその反応を液体アミン、例えば、液体アンモニア中で行なうことである。その時、アミンが溶媒であり、同時に反応体である。液体アンモニアが使用される場合、好ましい反応条件は少なくとも-20 ℃かつせいぜい40℃の温度及びせいぜい20バールの圧力である。
本件出願はまた電気装置の製造方法に関するものであり、その方法は、オルガノシラン、アミン及びオルガノシロキサンを反応させ、こうしてシラザン−シロキサンランダムコポリマーを得る工程に加えて、こうして得られたシラザン−シロキサンランダムコポリマーを含む組成物を得る工程、及びそれを電気装置中の基板に適用する工程を含む。
好ましくは、電気装置を製造する方法はこうして
(a) オルガノシラン、アンモニア又はアミン及びオルガノシロキサンを反応させることによりシラザン−シロキサンランダムコポリマーを得る工程、
(b) 工程 (a)で得られたシラザン−シロキサンランダムコポリマーを含む組成物を得る工程、及び
(c) 続いて前記組成物を基板に付着する工程を含む。
【0025】
好ましくは、シラザン−シロキサンランダムコポリマーに加えて、前記組成物は発光材料、粘度改質剤、表面活性剤、フィルム形成に影響する添加剤、蒸発挙動に影響する添加剤、架橋剤及び溶媒からなる群から選ばれた一種以上を更に含む。最も好ましくは、前記組成物が発光材料を更に含む。
好ましくは、前記発光材料がリン光体、即ち、発光特性を有する物質である。“発光性”という用語はリン光性だけでなく、蛍光性の両方を含む。
本件出願の目的のために、リン光体の型は特に制限されない。好適なリン光体は当業者に公知であり、商業上の源から容易に得られる。本件出願の目的のために、“リン光体”という用語は電磁スペクトルの一つの波長を吸収し、異なる波長で発光する材料を含むことが意図されている。
好適なリン光体の例は一つ以上の発光中心を含む粒子形態の無機蛍光材料である。このような発光中心は、例えば、所謂アクチベーターの使用により形成されてもよく、これらは稀土類元素、遷移金属元素、典型元素及びこれらのいずれかのあらゆる組み合わせからなる群から選ばれた原子又はイオンであることが好ましい。好適な稀土類元素の例はLa、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuからなる群から選ばれてもよい。好適な遷移金属元素の例はCr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Ag、Au及びZn からなる群から選ばれてもよい。好適な典型元素の例はNa、Tl、Sn、Pb、Sb及びBiからなる群から選ばれてもよい。好適なリン光体の例はガーネット、シリケート、オルトシリケート、チオガレート、硫化物、窒化物、ケイ素をベースとするオキシ窒化物、ニトリドシリケート、ニトリドアルミニウムシリケート、オキソニトリドシリケート、オキソニトリドアルミニウムシリケート及び稀土類ドーピングシアロンをベースとするリン光体を含む。
好適な黄色リン光体は、例えば、Ceでドーピングされた(Gd,Y)3(Al, Ga)5O12 、例えば、市販のセリウムドーピングされたイットリウムアルミニウムガーネット (“Ce:YAG”又は“YAG:Ce”と頻繁に略記される); 又はTh3-xMxO12:Ce (TAG) (0≦ x ≦3) (式中、MはY、Gd、La及びLuからなる群から選ばれる); 又はSr2-x-yBaxCaySiO4:Eu (0 ≦x ≦2; かつ0 ≦y ≦2)を含んでもよく、又はベースとしてもよい。
緑色リン光体の例はSrGa2S4:Eu;Sr2-yBaySiO4:Eu (0 ≦y ≦2) 及び/又はSrSi2O2N2:Euからなる群から選ばれてもよい。
【0026】
好適なリン光体の例は下記のものから選ばれてもよい: Ba2SiO4:Eu2+, BaSi2O5:Pb2+, BaxSr1-xF2:Eu2+ (0 ≦x ≦1), BaSrMgSi2O7:Eu2+, BaTiP2O7, (Ba,Ti)2P2O7:Ti, Ba3WO6:U, BaY2F8:Er3+,Yb+, Be2SiO4:Mn2+, Bi4Ge3O12, CaAl2O4:Ce3+, CaLa4O7:Ce3+, CaAl2O4:Eu2+, CaAl2O4:Mn2+, CaAl4O7:Pb2+, Mn2+, CaAl2O4:Tb3+, Ca3Al2Si3O12:Ce3+, Ca3Al2Si3Oi2:Ce3+, Ca3Al2Si3O2:Eu2+, Ca2B5O9Br:Eu2+, Ca2B5O9Cl:Eu2+, Ca2B5O9Cl:Pb2+, CaB2O4:Mn2+, Ca2B2O5:Mn2+, CaB2O4:Pb2+, CaB2P2O9:Eu2+, Ca5B2SiO10:Eu3+, Ca0.5Ba0.5Al12O19:Ce3+,Mn2+, Ca2Ba3(PO4)3Cl:Eu2+, CaBr2:Eu2+ (SiO2中),CaCl2:Eu2+ (SiO2中), CaCl2:Eu2+,Mn2+ (SiO2中), CaF2:Ce3+, CaF2:Ce3+,Mn2+, CaF2:Ce3+,Tb3+, CaF2:Eu2+, CaF2:Mn2+, CaF2:U, CaGa2O4:Mn2+, CaGa4O7:Mn2+, CaGa2S4:Ce3+, CaGa2S4:Eu2+, CaGa2S4:Mn2+, CaGa2S4:Pb2+, CaGeO3:Mn2+, CaI2:Eu2+ (SiO2中), CaI2:Eu2+,Mn2+ (SiO2中), CaLaBO4:Eu3+, CaLaB3O7:Ce3+,Mn2+, Ca2La2BO6.5:Pb2+, Ca2MgSi2O7, Ca2MgSi2O7:Ce3+, CaMgSi2O6:Eu2+, Ca3MgSi2O8:Eu2+, Ca2MgSi2O7:Eu2+, CaMgSi2O6:Eu2+,Mn2+, Ca2MgSi2O7:Eu2+,Mn2+, CaMoO4, CaMoO4:Eu3+, CaO:Bi3+, CaO:Cd2+, CaO:Cu+, CaO:Eu3+, CaO:Eu3+, Na+, CaO:Mn2+, CaO:Pb2+, CaO:Sb3+, CaO:Sm3+, CaO:Tb3+, CaO:Tl, CaO:Zn2+, Ca2P2O7:Ce3+, α-Ca3(PO4)2:Ce3+, β-Ca3(PO4)2:Ce3+, Ca5(PO4)3Cl:Eu2+, Ca5(PO4)3Cl:Mn2+, Ca5(PO4)3Cl:Sb3+, Ca5(PO4)3Cl:Sn2+, β-Ca3(PO4)2:Eu2+,Mn2+, Ca5(PO4)3F:Mn2+, Cas(PO4)3F:Sb3+, Cas(PO4)3F:Sn2+, α-Ca3(PO4)2:Eu2+, β-Ca3(PO4)2:Eu2+, Ca2P2O7:Eu2+, Ca2P2O7:Eu2+,Mn2+, CaP2O6:Mn2+, α-Ca3(PO4)2:Pb2+, α-Ca3(PO4)2:Sn2+, β-Ca3(PO4)2:Sn2+, β-Ca2P2O7:Sn,Mn, α-Ca3(PO4)2:Tr, CaS:Bi3+, CaS:Bi3+,Na, CaS:Ce3+, CaS:Eu2+, CaS:Cu+,Na+, CaS:La3+, CaS:Mn2+, CaSO4:Bi, CaSO4:Ce3+, CaSO4:Ce3+,Mn2+,
【0027】
CaSO4:Eu2+, CaSO4:Eu2+,Mn2+, CaSO4:Pb2+, CaS:Pb2+, CaS:Pb2+,Cl, CaS:Pb2+,Mn2+, CaS:Pr3+,Pb2+,Cl, CaS:Sb3+, CaS:Sb3+,Na, CaS:Sm3+, CaS:Sn2+, CaS:Sn2+,F, CaS:Tb3+, CaS:Tb3+,Cl, CaS:Y3+, CaS:Yb2+, CaS:Yb2+,Cl, CaSiO3:Ce3+, Ca3SiO4Cl2:Eu2+, Ca3SiO4Cl2:Pb2+, CaSiO3:Eu2+, CaSiO3:Mn2+,Pb, CaSiO3:Pb2+, CaSiO3:Pb2+,Mn2+, CaSiO3:Ti4+, CaSr2(PO4)2:Bi3+, β-(Ca,Sr)3(PO4)2:Sn2+Mn2+, CaTi0.9Al0.1O3:Bi3+, CaTiO3:Eu3+, CaTiO3:Pr3+, Ca5(VO4)3Cl, CaWO4, CaWO4:Pb2+, CaWO4:W, Ca3WO6:U, CaYAlO4:Eu3+, CaYBO4:Bi3+, CaYBO4:Eu3+, CaYB0.8O3.7:Eu3+, CaY2ZrO6:Eu3+, (Ca,Zn,Mg)3(PO4)2:Sn, CeF3, (Ce,Mg)BaAl11O18:Ce, (Ce,Mg)SrAl11O18:Ce, CeMgAl11O19:Ce:Tb, Cd2B6O11:Mn2+, CdS:Ag+,Cr, CdS:In, CdS:In, CdS:In,Te, CdS:Te, CdWO4, CsF, Csl, CsI:Na+, CsI:Tl, (ErCl3)0.25(BaCl2)0.75, GaN:Zn, Gd3Ga5O12:Cr3+, Gd3Ga5O12:Cr,Ce, GdNbO4:Bi3+, Gd2O2S:Eu3+, Gd2O2Pr3+, Gd2O2S:Pr,Ce,F, Gd2O2S:Tb3+, Gd2SiO5:Ce3+, KAI11O17:Tl+, KGa11O17:Mn2+, K2La2Ti3O10:Eu, KMgF3:Eu2+, KMgF3:Mn2+, K2SiF6:Mn4+, LaAl3B4O12:Eu3+, LaAlB2O6:Eu3+, LaAlO3:Eu3+, LaAlO3:Sm3+, LaAsO4:Eu3+, LaBr3:Ce3+, LaBO3:Eu3+, (La,Ce,Tb)PO4:Ce:Tb, LaCl3:Ce3+, La2O3:Bi3+, LaOBr:Tb3+, LaOBr:Tm3+, LaOCl:Bi3+, LaOCl:Eu3+, LaOF:Eu3+, La2O3:Eu3+, La2O3:Pr3+, La2O2S:Tb3+, LaPO4:Ce3+, LaPO4:Eu3+, LaSiO3Cl:Ce3+, LaSiO3Cl:Ce3+,Tb3+, LaVO4:Eu3+, La2W3O12:Eu3+, LiAlF4:Mn2+, LiAl5O8:Fe3+, LiAlO2:Fe3+, LiAlO2:Mn2+, LiAl5O8:Mn2+, Li2CaP2O7:Ce3+,Mn2+, LiCeBa4Si4O14:Mn2+, LiCeSrBa3Si4O14:Mn2+, LiInO2:Eu3+, LiInO2:Sm3+, LiLaO2:Eu3+, LuAlO3:Ce3+, (Lu,Gd)2Si05:Ce3+, Lu2SiO5:Ce3+, Lu2Si2O7:Ce3+, LuTaO4:Nb5+, Lu1-xYxAlO3:Ce3+ (0≦x≦1), MgAl2O4:Mn2+, MgSrAl10O17:Ce, MgB2O4:Mn2+, MgBa2(PO4)2:Sn2+, MgBa2(PO4)2:U, MgBaP2O7:Eu2+, MgBaP2O7:Eu2+,Mn2+, MgBa3Si2O8:Eu2+, MgBa(SO4)2:Eu2+, Mg3Ca3(PO4)4:Eu2+, MgCaP2O7:Mn2+, Mg2Ca(SO4)3:Eu2+, Mg2Ca(SO4)3:Eu2+,Mn2, MgCeAlnO19:Tb3+, Mg4(F)GeO6:Mn2+, Mg4(F)(Ge,Sn)O6:Mn2+, MgF2:Mn2+, MgGa2O4:Mn2+, Mg8Ge2O11F2:Mn4+, MgS:Eu2+, MgSiO3:Mn2+, Mg2SiO4:Mn2+, Mg3SiO3F4:Ti4+, MgSO4:Eu2+, MgSO4:Pb2+, MgSrBa2Si2O7:Eu2+, MgSrP2O7:Eu2+, MgSr5(PO4)4:Sn2+, MgSr3Si2O8:Eu2+,Mn2+, Mg2Sr(SO4)3:Eu2+, Mg2TiO4:Mn4+, MgWO4, MgYBO4:Eu3+, Na3Ce(PO4)2:Tb3+, NaI:Tl, Na1.23KO.42Eu0.12TiSi4O11:Eu3+, Na1.23K0.42Eu0.12TiSi5O13・xH2O:Eu3+, Na1.29K0.46Er0.08TiSi4O11:Eu3+, Na2Mg3Al2Si2O10:Tb, Na(Mg2-xMnx)LiSi4O10F2:Mn (0≦x≦2),
【0028】
NaYF4:Er3+, Yb3+, NaYO2:Eu3+, P46(70%) + P47 (30%), SrAl12O19:Ce3+, Mn2+, SrAl2O4:Eu2+, SrAl4O7:Eu3+, SrAl12O19:Eu2+, SrAl2S4:Eu2+, Sr2B5O9Cl:Eu2+, SrB4O7:Eu2+(F,Cl,Br), SrB4O7:Pb2+, SrB4O7:Pb2+, Mn2+, SrB8O13:Sm2+, SrxBayClzAl2O4-z/2:Mn2+,Ce3+, SrBaSiO4:Eu2+, Sr(Cl,Br,I)2:Eu2+ (SiO2中), SrCl2:Eu2+ (SiO2中), Sr5Cl(PO4)3:Eu, SrwFxB4O6.5:Eu2+, SrwFxByOz:Eu2+,Sm2+, SrF2:Eu2+, SrGa12O19:Mn2+, SrGa2S4:Ce3+, SrGa2S4:Eu2+, SrGa2S4:Pb2+, SrIn2O4:Pr3+, Al3+, (Sr,Mg)3(PO4)2:Sn, SrMgSi2O6:Eu2+, Sr2MgSi2O7:Eu2+, Sr3MgSi2O8:Eu2+, SrMoO4:U, SrO・3B2O3:Eu2+,Cl, β-SrO・3B2O3:Pb2+, β-SrO・3B2O3 :Pb2+,Mn2+, α-SrO・3B2O3:Sm2+, Sr6P5BO20:Eu, Sr5(PO4)3Cl:Eu2+, Sr5(PO4)3Cl:Eu2+,Pr3+, Sr5(PO4)3Cl:Mn2+, Sr5(PO4)3Cl:Sb3+, Sr2P2O7:Eu2+, β-Sr3(PO4)2:Eu2+, Sr5(PO4)3F:Mn2+, Sr5(PO4)3F:Sb3+, Sr5(PO4)3F:Sb3+,Mn2+, Sr5(PO4)3F:Sn2+, Sr2P2O7:Sn2+, β-Sr3(PO4)2:Sn2+, β-Sr3(PO4)2:Sn2+,Mn2+(Al), SrS:Ce3+, SrS:Eu2+, SrS:Mn2+, SrS:Cu+,Na, SrSO4:Bi, SrSO4:Ce3+, SrSO4:Eu2+, SrSO4:Eu2+,Mn2+, Sr5Si4O10Cl6:Eu2+, Sr2SiO4:Eu2+, SrTiO3:Pr3+, SrTiO3:Pr3+,Al3+, Sr3WO6:U, SrY2O3:Eu3+, ThO2:Eu3+, ThO2:Pr3+, ThO2:Tb3+, YAl3B4O12:Bi3+, YAl3B4O12:Ce3+, YAl3B4O12:Ce3+,Mn, YAl3B4O12:Ce3+,Tb3+, YAl3B4O12:Eu3+, YAl3B4O12:Eu3+,Cr3+, YAl3B4O12:Th4+,Ce3+,Mn2+, YAlO3:Ce3+, Y3Al5O12:Ce3+, Y3Al5O12:Cr3+, YAlO3:Eu3+, Y3Al5O12:Eu3r, Y4Al2O9:Eu3+, Y3Al5O12:Mn4+, YAlO3:Sm3+, YAlO3:Tb3+, Y3Al5O12:Tb3+, YAsO4:Eu3+, YBO3:Ce3+, YBO3:Eu3+, YF3:Er3+,Yb3+, YF3:Mn2+, YF3:Mn2+,Th4+, YF3:Tm3+,Yb3+, (Y,Gd)BO3:Eu, (Y,Gd)BO3:Tb, (Y,Gd)2O3:Eu3+, Y1.34Gd0.60O3(Eu,Pr), Y2O3:Bi3+, YOBr:Eu3+, Y2O3:Ce, Y2O3:Er3+, Y2O3:Eu3+(YOE), Y2O3:Ce3+,Tb3+, YOCl:Ce3+, YOCl:Eu3+, YOF:Eu3+, YOF:Tb3+, Y2O3:Ho3+, Y2O2S:Eu3+, Y2O2S:Pr3+, Y2O2S:Tb3+, Y2O3:Tb3+, YPO4:Ce3+, YPO4:Ce3+,Tb3+, YPO4:Eu3+, YPO4:Mn2+,Th4+, YPO4:V5+, Y(P,V)O4:Eu, Y2SiO5:Ce3+, YTaO4, YTaO4:Nb5+, YVO4:Dy3+, YVO4:Eu3+, ZnAl2O4:Mn2+, ZnB2O4:Mn2+, ZnBa2S3:Mn2+, (Zn,Be)2SiO4:Mn2+, Zn0.4Cd0.6S:Ag, Zn0.6Cd0.4S:Ag, (Zn,Cd)S:Ag,Cl, (Zn,Cd)S:Cu, ZnF2:Mn2+, ZnGa2O4, ZnGa2O4:Mn2+, ZnGa2S4:Mn2+, Zn2GeO4:Mn2+, (Zn,Mg)F2:Mn2+, ZnMg2(PO4)2:Mn2+, (Zn,Mg)3(PO4)2:Mn2+, ZnO:Al3+,Ga3+, ZnO:Bi3+, ZnO:Ga3+, ZnO:Ga, ZnO-CdO:Ga, ZnO:S, ZnO:Se, ZnO:Zn, ZnS:Ag+,Cl-, ZnS:Ag,Cu,Cl, ZnS:Ag,Ni, ZnS:Au,In, ZnS-CdS (25-75), ZnS-CdS (50-50), ZnS-CdS (75-25), ZnS-CdS:Ag,Br,Ni, ZnS-CdS:Ag+,Cl, ZnS-CdS:Cu,Br, ZnS-CdS:Cu,I, ZnS:Cl-, ZnS:Eu2+, ZnS:Cu, ZnS:Cu+,Al3+, ZnS:Cu+,Cl-, ZnS:Cu,Sn, ZnS:Eu2+, ZnS:Mn2+, ZnS:Mn,Cu, ZnS:Mn2+,Te2+, ZnS:P, ZnS:P3-,Cl-, ZnS:Pb2+, ZnS:Pb2+,Cl-, ZnS:Pb,Cu, Zn3(PO4)2:Mn2+, Zn2SiO4:Mn2+, Zn2SiO4:Mn2+,As5+, Zn2SiO4:Mn,Sb2O2, Zn2SiO4:Mn2+,P, Zn2SiO4:Ti4+, ZnS:Sn2+, ZnS:Sn,Ag, ZnS:Sn2+,Li+, ZnS:Te,Mn, ZnS-ZnTe:Mn2+, ZnSe:Cu+,Cl 又はZnWO4
【0029】
シラザン−シロキサンランダムコポリマーを含む前記組成物中に含まれる溶媒は前記組成物の成分がその中の或る溶解性を有することを条件として特に制限されない。好ましくは、前記溶媒が無極性又は極性非プロトン性の、好ましくは有機の、溶媒であってもよい。
好適な溶媒の好ましい例はエーテル、環状エーテル、エステル、炭化水素、芳香族溶媒及びこれらのいずれかのあらゆる混合物からなる群から選ばれてもよい。
エーテルの好ましい例は1-メトキシ-2-プロピルアセテート及びジ-n-ブチルエーテルである。
環状エーテルの好ましい例はテトラヒドロフラン (THF)である。
エステルの好ましい例は酢酸エチル及び酢酸n-ブチルである。
炭化水素の好ましい例はn-ヘプタン及びシクロヘキサンである。
芳香族溶媒の好ましい例はトルエン、オルト−キシレン、メタ−キシレン、パラ−キシレン及びこれらのいずれかのあらゆる混合物からなる群から選ばれてもよい。
前記基板は先に特定された本件出願の組成物が付着し得るあらゆる層又は材料であってもよい。好適な基板は材料又は形状に関して特に制限されない。例示の基板はLED チップであり、即ち、本件出願の組成物がLED チップに直接適用される。
【0030】
前記シラザン−シロキサンランダムコポリマーを含む組成物はあらゆる好適な方法、例えば、工業用分配システムにより基板に付着されてもよい。
基板がLED チップである場合、組成物が少なくとも90質量%又は95質量%又は99質量%(質量%は前記組成物の合計質量に対する)のシラザン−シロキサンランダムコポリマー及び発光材料を含み、又はこれらからなり、LED チップに直接適用されることが好ましい。好適な組成物は試験方法において記載されるように測定して少なくとも100 mPa ・ s かつせいぜい100,000 mPa ・ sの粘度を有することが好ましい。基板上の組成物の付着中に、組成物の粘度が必要により組成物が付着される温度を、例えば、10℃〜60 ℃に変えることにより変更されてもよい。
シラザン−シロキサンランダムコポリマー及び発光材料をLED チップに直接適用する別の可能性は噴霧被覆による。典型的な噴霧被覆配合物は2-10質量%のシラザン−シロキサンランダムコポリマー、10-25 質量%の発光材料、63-88 質量%の溶媒及び0-2質量%のその他の添加剤からなり、噴霧被覆配合物の成分のそれぞれの質量%は合計して100質量%までである。溶媒は純粋な溶媒又は幾つかの溶媒の混合物、通常少なくとも一種の高沸点溶媒と一種の低沸点溶媒の混合物である。
また、シラザン−シロキサンランダムコポリマー及び発光材料はあらゆるその他の好適な方法、例えば、スクリーン印刷又はインキジェット印刷により適用されてもよい。
【0031】
LED に適用された後に、シラザン−シロキサンランダムコポリマーは加熱工程にかけられることが好ましく、この場合、その材料が2時間から48時間まで、好ましくは4時間から48時間までの期間にわたって100 ℃から250 ℃まで、好ましくは150 ℃から220℃までの温度に加熱される。
また、LED に適用された後に、シラザン−シロキサンランダムコポリマーは天候チャンバー中で加水分解工程にかけられてもよい。天候チャンバー中の好ましい加水分解条件は70-90 ℃及び70-90 %の相対湿度で4-24時間である。
本方法は広範囲の電気装置に適用されてもよい。好ましくは、前記電気装置が電界効果トランジスタ (FET)、薄膜トランジスタ (TFT)、集積回路(IC)、論理回路、キャパシター、RFIDタグ (ラジオ周波数同定タグ) 、発光ダイオード(OLED)、光電池(PV)、光検出器、レーザーダイオード、光伝導体、電子写真装置、有機メモリー装置、センサー装置、電荷注入層、Schottky ダイオード、平坦化層、帯電防止フィルム、伝導(conducting) 基板及び伝導パターンからなる群から選ばれてもよい。最も好ましくは、前記電気装置が発光ダイオードである。
このような発光ダイオードは、例えば、ほんの二三の非限定例を挙げると液晶ディスプレイ用のバックライト、交通信号灯、アウトドアーディスプレイ、ビルボードに使用されてもよい。
本発明の典型的なLED パッケージはLED チップ、及び/又はリードフレーム及び/又はゴールドワイヤ及び/又はソルダー (フリップチップ) 及び/又は充填材、コンバーター、本シラザン−シロキサンランダムコポリマーを含む封入材並びに一次及び二次の光学材料を含む。封入材料は外部環境の影響に対する表面保護材料の機能を有し、長期信頼性、特にエージング安定性を保証する。例えば、本発明に従って、発光ダイオードが米国特許第6,274,924 号及び同第6,204,523 号に記載されたものと同様に構築される。
試験方法
ポリマーの分子量をポリスチレン標準物質に対しGPC により測定した。溶離剤として、テトラヒドロフラン及び1.45質量% (溶離剤の合計質量に対して) のヘキサメチルジシラザンの混合物を使用した。カラムはShodex KS-804 及び2 x KS-802及び KS-801であった。検出器はAgilent 1260 屈折率検出器であった。
Brookfield 円錐型スピンドルRC3-50-1 を備えたBrookfield レオメーターR/S プラスを3 rpm の回転速度及び25℃の温度で使用して粘度を測定した。
【実施例】
【0032】
以下の実施例は本発明の利点を例示かつ非限定の方法で説明することを目的とする。
出発物質を商業上の源から得、例えば、ジクロロシランをGelest Inc. USAから得、ジクロロメチルシラン及びジクロロジメチルシランをSigma-Aldrich から得、またα,ω-ジクロロ-ジメチルシリコーンをABCRから得た。
また、α,ω-ジクロロ-ジメチルシリコーンを、水を不活性溶媒、例えば、テトラヒドロフラン又は1,4-ジオキサン中で過剰のジクロロジメチルシランと反応させることにより調製してもよい。ジクロロジメチルシランを過剰に使用することは不完全な加水分解をもたらし、それ故、残存するSi-Cl 基をもたらすであろう。溶媒及び未反応のジクロロジメチルシランは減圧下の蒸留により除去して無色の油を得てもよく、これは更に精製しないで使用されてもよく、又はカラムクロマトグラフィーもしくはその他の方法により更に精製されてもよい。
【0033】
実施例1
4 l の加圧容器に0℃及び3バール〜5バールの圧力で液体アンモニア1500 gを仕込んだ。ジクロロシラン359 g 及び1,3-ジクロロ-テトラメチルジシロキサン442 g の混合物を3時間の期間にわたって徐々に添加した。得られる反応混合物を更に3時間撹拌した後に、撹拌機を停止し、下相を単離し、蒸発させて溶解アンモニアを除去した。濾過後に、無色の粘稠な油409 g が残った。
【0034】
実施例2
4 l の加圧容器に0℃及び3バール〜5バールの圧力で液体アンモニア1500 gを仕込んだ。ジクロロシラン168 g 、ジクロロメチルシラン231 g 及び1,3-ジクロロ-テトラメチルジシロキサン419 g の混合物を3時間の期間にわたって徐々に添加した。得られる反応混合物を更に3時間撹拌した後に、撹拌機を停止し、下相を単離し、蒸発させて溶解アンモニアを除去した。濾過後に、無色の粘稠な油422 g が残った。
実施例3
4 l の加圧容器に0℃及び3バール〜5バールの圧力で液体アンモニア1500 gを仕込んだ。ジクロロシラン168 g 、ジクロロメチルシラン237 g 及び1,5-ジクロロ-ヘキサメチルトリシロキサン556 gの混合物を3時間の期間にわたって徐々に添加した。得られる反応混合物を更に3時間撹拌した後に、撹拌機を停止し、下相を単離し、蒸発させて溶解アンモニアを除去した。濾過後に、無色の粘稠な油545 g が残った。
【0035】
実施例4
4 l の加圧容器に0℃及び3バール〜5バールの圧力で液体アンモニア1500 gを仕込んだ。ジクロロメチルシラン442 g 及び1,3-ジクロロテトラメチルジシロキサン384 gの混合物を3時間の期間にわたって徐々に添加した。得られる反応混合物を更に3時間撹拌した後に、撹拌機を停止し、下相を単離し、蒸発させて溶解アンモニアを除去した。濾過後に、無色の粘稠な油429 g が残った。
実施例5
4 l の加圧容器に0℃及び3バール〜5バールの圧力で液体アンモニア1500 gを仕込んだ。ジクロロメチルシラン244 g 、ジクロロジメチルシラン266 g 及び1,5-ジクロロヘキサメチルトリシロキサン429 g の混合物を3時間の期間にわたって徐々に添加した。得られる反応混合物を更に3時間撹拌した後に、撹拌機を停止し、下相を単離し、蒸発させて溶解アンモニアを除去した。濾過後に、無色の粘稠な油526 g が残った。
実施例6
4 l の加圧容器に0℃及び3バール〜5バールの圧力で液体アンモニア1500 gを仕込んだ。ジクロロメチルシラン 503 g 及び1,7-ジクロロオクタメチルテトラシロキサン645 g の混合物を3時間の期間にわたって徐々に添加した。得られる反応混合物を更に3時間撹拌した後に、撹拌機を停止し、下相を単離し、蒸発させて溶解アンモニアを除去した。濾過後に、無色の粘稠な油703 g が残った。
【0036】
実施例7
2 l のフラスコにジクロロメチルシラン44 g、1,3-ジクロロテトラメチルジシロキサン56 g及びn-ヘプタン1500 ml の混合物を仕込んだ。その反応溶液を0℃に冷却し、2時間の期間にわたって、更なる塩生成が観察されなくなるまでガス状アンモニアをその溶液の表面の下に吹き込んだ。温度を室温に上昇させた後に、沈澱した塩化アンモニウムを濾過により除去し、得られる無色かつ透明の溶液を40ミリバール以下の真空下で50℃の温度で乾燥させた。無色の低粘稠の油51 gが残った。
実施例8
2 l のフラスコにジクロロメチルシラン44 g、1,3-ジクロロテトラメチルジシロキサン56 g及びn-ヘプタン1500 ml の混合物を仕込んだ。その反応溶液を0℃に冷却し、2時間の期間にわたって、更なる塩生成が観察されなくなるまでガス状メチルアミンをその溶液の表面の下に吹き込んだ。温度を室温に上昇させた後に、沈澱した塩化メチルアンモニウムを濾過により除去し、得られる無色かつ透明の溶液を40ミリバール以下の真空下で50℃の温度で乾燥させた。無色の低粘稠の油56 gが残った。
実施例9
2 l のフラスコにジクロロメチルシラン41 g、1,7-ジクロロオクタメチルテトラシロキサン59 g及びn-ヘプタン1500 ml の混合物を仕込んだ。その反応溶液を0℃に冷却し、2時間の期間にわたって、更なる塩生成が観察されなくなるまでガス状アンモニアをその溶液の表面の下に吹き込んだ。温度を室温に上昇させた後に、沈澱した塩化アンモニウムを濾過により除去し、得られる無色かつ透明の溶液を40ミリバール以下の真空下で50℃の温度で乾燥させた。無色の低粘稠の油39 gが残った。
【0037】
実施例10−フッ化物触媒架橋
実施例4のポリマー100 g を1,4-ジオキサン100 g に溶解し、0℃に冷却した。フッ化テトラメチルアンモニウム100 mgを添加し、ガス生成が停止するまで、得られる反応混合物を4時間撹拌した。キシレン250 g を添加し、その温度を室温に上昇させた。濁った溶液を濾過し、得られる透明な溶液を20ミリバール以下の真空下で50℃の温度で乾燥させた。実施例4のポリマー及び架橋されたポリマーのそれぞれの分子量を表1に示す。
実施例11−塩基触媒架橋
実施例4のポリマー100 g を1,4-ジオキサン100 g に溶解し、0℃に冷却した。KH100 mgを添加し、ガス生成が停止するまで、反応溶液を4時間撹拌した。クロロトリメチルシラン300 mg及びキシレン250 g を添加し、その温度を室温に上昇させた。濁った溶液を濾過し、得られる透明な溶液を20ミリバール以下の真空下で50℃の温度で乾燥させた。無色の高度に粘稠な油95 gが残った。実施例4のポリマー及び架橋されたポリマーのそれぞれの分子量を表1に示す。
【表1】
【0038】
実施例12
LED 装置についてのその有用性を示すために、実施例で得られたポリマーを1 : 1 から1 : 3 までの範囲の質量比でリン光体光コンバーター粒子 (Merck KGaAから入手し得る) とブレンドし、次いでそのブレンドをLED パッケージ (Excelitasから入手し得る) に取り付けられたLED チップ に40μm〜80μmの厚さの層として被覆した。そのポリマーを硬化するために、LED をその後に8時間にわたって150 ℃のホットプレートの上に置いた。
完成されたLED を最初に0.5 A の開始電流で24時間運転した。LED の被覆物中の亀裂形成が顕微鏡により観察し得なかった場合、電流を0.1 A のステップで上昇させ、LED を更に24時間にわたって運転し、亀裂形成が観察し得る電流まで顕微鏡により検査した。LED 電流はチップの温度に関係するので、この方法はこうして製造されたLED の温度耐性及び寿命についての目安を与える。表2は亀裂形成が実施例のポリマーで製造されたLED だけでなく、基準材料としてのフェニルシリコーン、Durazane 1033 及びDurazane 1066で製造されたLED について起こらなかった最高LED 電流を示す。フェニルシリコーンの例はDow Corning, USAから市販されているOE-6550 である。Durazane 1033及びDurazane 1066 はMerck, Darmstadt, Germany から市販されているオルガノポリシラザンである。
【0039】
【表2】
【0040】
本結果は本シラザン−シロキサンランダムコポリマーが通常の材料、例えば、フェニルシリコーン又はオルガノポリシラザンと比較される場合に優れた温度耐性及び/又は寿命を特徴とすることを明らかに示す。