特許第6844919号(P6844919)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6844919
(24)【登録日】2021年3月1日
(45)【発行日】2021年3月17日
(54)【発明の名称】固定具
(51)【国際特許分類】
   B65D 19/38 20060101AFI20210308BHJP
【FI】
   B65D19/38 B
   B65D19/38 C
【請求項の数】1
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2016-147712(P2016-147712)
(22)【出願日】2016年7月27日
(65)【公開番号】特開2018-16351(P2018-16351A)
(43)【公開日】2018年2月1日
【審査請求日】2019年5月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000134051
【氏名又は名称】株式会社ディスコ
(74)【代理人】
【識別番号】100075384
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 昂
(74)【代理人】
【識別番号】100172281
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100206553
【弁理士】
【氏名又は名称】笠原 崇廣
(72)【発明者】
【氏名】寺師 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】中村 健太
【審査官】 米村 耕一
(56)【参考文献】
【文献】 特開平06−255493(JP,A)
【文献】 実開昭61−200890(JP,U)
【文献】 実開昭61−007735(JP,U)
【文献】 実開昭55−089531(JP,U)
【文献】 米国特許第06357810(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 19/38
B23Q 1/00
E04B 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置を固定する固定具であって、
第1の部分と該第1の部分に直交する第2の部分とからなるように平板をL字形状に屈曲されて構成され、
該第1の部分の一方側の端部には、装置に固定具を固定する締結部品が挿入される装置側貫通穴が複数形成され、
該第1の部分の他方側の端部には、つり上げ用貫通穴が形成され、
該第2の部分には、装置が載置される載置面に固定具を固定する締結部品が挿入される載置面側貫通穴が形成されていることを特徴とする固定具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、切削装置、研削装置等の加工装置を固定する固定具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、加工装置の移設時には、加工装置をつり上げるために加工装置の骨組みに骨材を挿入し、挿入した骨材に接続されたつり上げリングにフック等を掛けてつり上げている。また、加工装置の輸送時には、金属製や木製のパレット上に加工装置を固定し、梱包して加工装置を輸送している(例えば、特開2011−189959号公報参照)。
【0003】
更に、加工装置を所定の位置に載置(設置)した後は、地震等の発生時に転倒防止のために載置面にアンカーボルトを打ち込み、加工装置に固定したアンカー金具を載置面に打ち込んだアンカーボルトに固定したり、例えば、特開2008−183201号公報に開示されているような固定金具で固定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−189959号公報
【特許文献2】特開2008−183201号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の加工装置の固定形態では、加工装置輸送時の固定治具、加工装置の転倒防止のための固定治具と複数の固定治具を必要としており、固定治具の管理が手間であるという問題があった。また、加工装置のつり上げ用や輸送時の固定治具は、使用後回収して作業者が持ち帰る必要があり、手間を要していた。
【0006】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、治具の管理の手間を削減すると共に持ち帰りの手間を省くことが可能な固定具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によると、装置を固定する固定具であって、第1の部分と該第1の部分に直交する第2の部分とからなるように平板をL字形状に屈曲されて構成され、該第1の部分の一方側の端部には、装置に固定具を固定する締結部品が挿入される装置側貫通穴が複数形成され、該第1の部分の他方側の端部には、つり上げ用貫通穴が形成され、該第2の部分には、装置が載置される載置面に固定具を固定する締結部品が挿入される載置面側貫通穴が形成されていることを特徴とする固定具が提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明の固定具は、つり上げ用治具、輸送時の固定治具、転倒防止用の固定治具を兼用できるため、治具の管理の手間を削減できると共に持ち帰りの手間を省くことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1実施形態の固定具の斜視図である。
図2】第1実施形態の固定具を使用した加工装置つり上げ時の斜視図である。
図3】第1実施形態の固定具を使用した載置面への加工装置固定時の斜視図である。
図4】第2実施形態の固定具の斜視図である。
図5】第2実施形態の固定具を使用した加工装置つり上げ時の斜視図である。
図6】第2実施形態の固定具を使用した載置面への加工装置固定時の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。図1を参照すると、本発明第1実施形態の固定具2の斜視図が示されている。固定具2はSUS等の金属から形成されており、第1の部分4と、第1の部分4に対して直交する第2の部分6とからなり、平板をL字形状に折り曲げて形成されている。
【0012】
固定具2の第1の部分4には、加工装置に固定具2を固定する締結部品が挿入される装置側貫通穴7が複数(本実施形態では2個)形成されている。固定具2の第2の部分6には、加工装置が載置(設置)される載置面(設置面)に固定具2を固定する締結部品が挿入される載置面側貫通穴9が形成されている。本実施形態では、載置面側貫通穴9はつり上げ用貫通穴としても使用される。即ち、本実施形態では、つり上げ用貫通穴9は、載置面側貫通穴9で兼用される。
【0013】
図2を参照すると、固定具2を使用した加工装置つり上げ時の斜視図が示されている。加工装置の骨組み10の下端部の四隅には固定具2の第1の部分4に形成された2個の装置側貫通穴7に対応する位置に2個の貫通穴が形成されており、ボルト12を固定具2の装置側貫通穴7及び骨組み10の貫通穴に挿入し、ナット14をボルト12に締結することにより、固定具2が加工装置の骨組み10に固定される。本実施形態では、ボルト12及びナット14で締結部品を構成する。
【0014】
固定具2を骨組み10の下端部四隅に固定した後、固定具2の第2の部分6に形成されたつり上げ用貫通穴としても機能する載置面側貫通穴9にワイヤー18を挿通し、ワイヤー18の上端部を図示を省略したクレーンのフック20に引っ掛ける。これにより、固定具2を使用して加工装置をクレーンでつり上げることができる。加工装置の骨組み10の下端には4個のキャスター22が取り付けられている。
【0015】
図3を参照すると、加工装置をクレーン等でつり上げた後他の設置場所に移設して、加工装置を載置面である床24に固定した状態の斜視図が示されている。加工装置の骨組み10の下端部の四隅には、固定具2の第1の部分4を立てた状態での、装置側貫通穴7に対応する位置に2個の貫通穴が形成されている。従って、骨組み10の下端部四隅には、垂直方向に2個及び水平方向に2個の貫通穴が形成されている。
【0016】
固定具2の第1の部分4を立てて装置側貫通穴7及び骨組み10の貫通穴にボルト12を挿入し、ナット14を締結することにより、固定具2は加工装置の骨組み10に固定される。4個の固定具2を骨組み10に固定した後、アンカーボルト26を固定具2の第2の部分6に形成された載置面側貫通穴9に挿入して床24にアンカーボルト26を打ち込むことにより、加工装置が載置面である床24に固定される。
【0017】
加工装置輸送時の固定も、図3に示す床24への固定と同様に行うことができる。本実施形態の固定具2によると、固定具2でつり上げ用治具、輸送時の固定治具、転倒防止用の固定治具を兼用できるため、治具の管理の手間を削減できると共に固定具2を持ち帰る必要がないため、持ち帰りの手間を省くことができる。
【0018】
図4を参照すると、本発明第2実施形態に固定具32の斜視図が示されている。固定具32はSUS等の金属から形成され、第1の部分36と、第1の部分36に直交する第2の部分38とから構成されるように、平板をL字形状に折り曲げて構成されている。
【0019】
第1の部分34には、2個の装置側貫通穴37と1個のつり上げ用貫通穴38が形成されており、第2の部分36には、1個の載置面側貫通穴39が形成されている。
【0020】
図5を参照すると、第2実施形態の固定具32を使用した加工装置つり上げ時の斜視図が示されている。固定具32の装置側貫通穴37にボルト12を挿入することにより、ボルト12及びナット14とからなる締結部品16で固定具32を加工装置の骨組み10の下端部四隅に固定する。
【0021】
そして、ワイヤー18をつり上げ用貫通穴38に通して、その上端部をクレーンのフック20に引っ掛ける。これにより、図示しないクレーンで加工装置をつり上げることができる。
【0022】
図6を参照すると、第2実施形態の固定具36を使用した加工装置の固定状態の斜視図が示されている。本実施形態の固定具32では、固定具32の骨組み10への装着状態を何ら変更することなく、固定具32の第2の部分36を載置面である床24上に載置し、アンカーボルト26を載置面側貫通穴39を通して床24に打ち込むことにより、加工装置を固定することができる。加工装置輸送時の固定も、装置設置時の固定と同様である。
【0023】
本実施形態の固定具32では、固定具32の第1の部分34に2個の装置側貫通穴37と1個のつり上げ用貫通穴38が形成され、第2の部分36に載置面側貫通穴39が形成されているため、固定具36の加工装置の骨組み10への固定状態を何ら変更せずに、固定具36を使用して加工装置をつり上げることができると共に、加工装置を所定の場所に移設した後、加工装置を床24に固定することができる。
【符号の説明】
【0024】
2,32 固定具
4,34 第1の部分
7,37 装置側貫通穴
38 つり上げ用貫通穴
9,39 載置面側貫通穴
10 骨組み
12 ボルト
14 ナット
16 締結部品
18 ワイヤー
20 フック
24 床
26 アンカーボルト
図1
図2
図3
図4
図5
図6