(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0020】
[0031] 実施形態の特徴及び利点は、全体を通じて同じ参照文字が対応する要素を識別する図面に関連して、下記に示された詳細な説明を考慮すれば、より明らかとなろう。図において、同じ参照番号は一般に、同一の、機能的に同様の、及び/又は構造的に同様の、要素を示す。
【0021】
[0032]
図1は、本発明の一実施形態によるソースコレクタモジュールSOを含むリソグラフィ装置100を概略的に示す。この装置は、
− 放射ビームB(例えばEUV放射)を調節するように構成された照明システム(イルミネータ)ILと、
− パターニングデバイス(例えばマスク又はレチクル)MAを支持するように構成され、パターニングデバイスを正確に位置決めするように構成された第1のポジショナPMに接続された支持構造(例えばマスクテーブル)MTと、
− 基板(例えばレジストコートウェーハ)Wを保持するように構成され、基板を正確に位置決めするように構成された第2のポジショナPWに接続された基板テーブル(例えばウェーハテーブル)WTと、
− パターニングデバイスMAによって放射ビームBに付与されたパターンを基板Wのターゲット部分C(例えば1つ以上のダイを含む)に投影するように構成された投影システム(例えば屈折投影レンズシステム)PSと、
を備える。
【0022】
[0033] 照明システムは、放射を誘導し、整形し、又は制御するための、屈折型、反射型、磁気型、電磁型、静電型、又はその他のタイプの光学コンポーネント、或いはそれらの任意の組み合わせなどの様々なタイプの光学コンポーネントを含むことができる。
【0023】
[0034] 支持構造MTは、パターニングデバイスの配向、リソグラフィ装置の設計及び、例えばパターニングデバイスが真空環境で保持されているか否か等の条件に応じた方法でパターニングデバイスMAを保持する。支持構造は、機械式、真空式、静電式又はその他のクランプ技術を用いて、パターニングデバイスを保持することができる。支持構造は、例えば、必要に応じて固定又は可動式にできるフレーム又はテーブルであってもよい。支持構造は、パターニングデバイスが例えば投影システムに対して確実に所望の位置に来るようにしてもよい。
【0024】
[0035] 本明細書において使用する「パターニングデバイス」という用語は、基板のターゲット部分にパターンを生成するように、放射ビームの断面にパターンを付与するために使用し得る任意のデバイスを指すものとして広義に解釈されるべきである。放射ビームに付与されるパターンは、集積回路などのターゲット部分に生成されるデバイスの特定の機能層に相当する。
【0025】
[0036] パターニングデバイスは透過性又は反射性でよい。パターニングデバイスの例には、マスク、プログラマブルミラーアレイ、及びプログラマブルLCDパネルがある。マスクはリソグラフィにおいて周知のものであり、これには、バイナリマスク、レベンソン型(alternating)位相シフトマスク、ハーフトーン型(attenuated)位相シフトマスクのようなマスクタイプ、更には様々なハイブリッドマスクタイプも含まれる。プログラマブルミラーアレイの一例として、小型ミラーのマトリクス配列を使用し、ミラーは各々、入射する放射ビームを異なる方向に反射するよう個々に傾斜することができる。傾斜したミラーは、ミラーマトリクスによって反射する放射ビームにパターンを付与する。
【0026】
[0037] 投影システムは、照明システムと同様に、使用する露光放射、又は真空の使用などの他の要因に合わせて適宜、例えば屈折、反射、磁気、電磁気、静電気型等の光学コンポーネント、又はその任意の組み合わせなどの種々のタイプの光学コンポーネントを含んでいてもよい。その他のガスは放射を吸収しすぎるため、EUV放射用には真空を使用することが望ましいことがある。したがって、真空環境は、真空壁及び真空ポンプを用いてビーム経路全体に提供してもよい。
【0027】
[0038] 本明細書に示すように、本装置は、(例えば反射マスクを使用する)反射タイプである。
【0028】
[0039] リソグラフィ装置は、2つ(デュアルステージ)又はそれ以上の基板テーブル(及び/又は2つ以上のパターニングデバイステーブル)を有するタイプでよい。このような「マルチステージ」機械においては、追加のテーブルを並行して使用するか、1つ以上の他のテーブルを露光に使用している間に1つ以上のテーブルで予備工程を実行することができる。
【0029】
[0040]
図1を参照すると、照明システムILは、ソースコレクタモジュールSOから極端紫外線放射ビームを受ける。EUV光を生成する方法には、材料を、例えば、キセノン、リチウム又はスズなど少なくとも1つの元素を有し、EUV範囲内の1つ以上の輝線を有するプラズマ状態へと変換することが含まれるが、必ずしもこれに限定されない。そのような方法のうちの1つであり、しばしばレーザ生成プラズマ(「LPP」)と呼ばれる方法では、所望の線発光元素を有する材料の小滴、流れ又はクラスタなどの燃料をレーザビームで照射することにより所望のプラズマを生成することができる。ソースコレクタモジュールSOは、燃料を励起するレーザビームを提供するためのレーザ(
図1中図示なし)を含むEUV放射システムの一部であってよい。結果として生じるプラズマは、例えばEUV放射などの出力放射を放出し、この出力放射はソースコレクタモジュール内に配置される放射コレクタを使って集光される。例えば、CO2レーザを使用して燃料励起のためのレーザビームを提供する場合、レーザとソースコレクタモジュールとは別個の構成要素とすることができる。
【0030】
[0041] そのような場合には、レーザは、リソグラフィ装置の一部を形成しているとは見なされず、また放射ビームは、レーザからソースコレクタモジュールへ、例えば、適切な誘導ミラー及び/又はビームエキスパンダを含むビームデリバリシステムを使って送られる。その他の場合、例えば、放射源がしばしばDPP源と呼ばれる放電生成プラズマEUVジェネレータである場合においては、放射源は、ソースコレクタモジュールの一体部分であってもよい。
【0031】
[0042] イルミネータILは、放射ビームの角度強度分布を調整するためのアジャスタを備えることができる。一般に、イルミネータの瞳面における強度分布の少なくとも外側及び/又は内側半径範囲(一般にそれぞれσ−outer及びσ−innerと呼ばれる)を調節することができる。また、イルミネータILは、ファセットされたフィールド及び瞳ミラーデバイスなどの様々な他のコンポーネントを含むことができる。イルミネータは、放射ビームを調節して、その断面にわたって所望の均一性と強度分布とが得られるようにしてもよい。
【0032】
[0043] 放射ビームBは、支持構造(例えば、マスクテーブル)MT上に保持されたパターニングデバイス(例えばマスク)MAに入射し、パターニングデバイスによってパターン形成される。パターニングデバイス(例えばマスク)MAから反射された後、放射ビームBは投影システムPSを通過し、投影システムPSは放射ビームBを基板Wのターゲット部分C上に合焦させる。第2のポジショナPW及び位置センサPS2(例えば、干渉計装置、リニアエンコーダ又は容量センサ)の助けを借りて、基板テーブルWTは、例えば、異なるターゲット部分Cを放射ビームBの経路に位置決めするように正確に移動させることができる。同様に、第1のポジショナPM及び別の位置センサPS1を使用して、パターニングデバイス(例えば、マスク)MAを放射ビームBの経路に対して正確に位置決めすることができる。パターニングデバイス(例えば、マスク)MA及び基板Wは、マスクアライメントマークM1、M2及び基板アライメントマークP1、P2を使用して位置合わせすることができる。
【0033】
[0044] 図示のリソグラフィ装置は、以下のモードのうち少なくとも1つにて使用可能である。
1.ステップモードでは、支持構造(例えばマスクテーブル)MT及び基板テーブルWTは、基本的に静止状態に維持される一方、放射ビームに与えたパターン全体が1回でターゲット部分Cに投影される(すなわち単一静的露光)。次に、別のターゲット部分Cを露光できるように、基板テーブルWTがX方向及び/又はY方向に移動される。
2.スキャンモードでは、支持構造(例えばマスクテーブル)MT及び基板テーブルWTは同期的にスキャンされる一方、放射ビームに付与されるパターンがターゲット部分Cに投影される(すなわち単一動的露光)。支持構造(例えばマスクテーブル)MTに対する基板テーブルWTの速度及び方向は、投影システムPSの拡大(縮小)及び像反転特性によって求めることができる。
3.別のモードでは、支持構造(例えばマスクテーブル)MTはプログラマブルパターニングデバイスを保持して基本的に静止状態に維持され、基板テーブルWTを移動又はスキャンさせながら、放射ビームに与えられたパターンをターゲット部分Cに投影する。このモードでは、一般にパルス状放射源を使用して、基板テーブルWTを移動させるごとに、又はスキャン中に連続する放射パルス間で、プログラマブルパターニングデバイスを必要に応じて更新する。この動作モードは、以上で言及したようなタイプのプログラマブルミラーアレイなどのプログラマブルパターニングデバイスを利用するマスクレスリソグラフィに容易に適用できる。
【0034】
[0045] 上述した使用モードの組み合わせ及び/又は変形、又は全く異なる使用モードも利用できる。
【0035】
[0046]
図2は、ソースコレクタモジュールSO、照明システムIL、及び投影システムPSを含む、装置100の実施形態をより詳細に示す。ソースコレクタモジュールSOは、ソースコレクタモジュールSOの閉構造220において真空環境が維持できるように、構成及び配置される。システムIL及びPSは、同様に、それら自体の真空環境内に含まれる。EUV放射放出プラズマ2は、レーザ生成LPPプラズマ源によって形成され得る。ソースコレクタモジュールSOの機能は、プラズマ2からのEUV放射ビーム20を、仮想光源点に合焦されるように送達することである。仮想光源点は、一般に中間焦点(IF)と呼ばれ、ソースコレクタモジュールは、中間焦点IFが閉構造220内のアパーチャ221又はその近くに位置するように配置される。仮想光源点IFは、放射放出プラズマ2のイメージである。
【0036】
[0047] 放射は、中間焦点IFでアパーチャ221から、この例ではファセットフィールドミラーデバイス22及びファセット瞳ミラーデバイス24を含む、照明システムILを横切る。これらのデバイスは、パターニングデバイスMAで放射ビーム21の所望の角度分布を、並びに、パターニングデバイスMAで放射強度の所望の均一性を、提供するように配置された、いわゆる「フライアイ」イルミネータを形成する(参照番号260によって示される)。支持構造(マスクテーブル)MTによって保持されるパターニングデバイスMAでのビーム21の反射に際して、パターン付きビーム26が形成され、パターン付きビーム26は投影システムPSにより、反射要素28、30を介して、基板テーブルWTによって保持される基板W上にイメージングされる。照明のスリットを介してパターニングデバイスMA上のパターンをスキャンするために、基板テーブルWT及びパターニングデバイステーブルMTが同期された動きを実行する間に、基板W上のターゲット部分Cを露光するために、放射のパルスが発生する。
【0037】
[0048] 各システムIL及びPSは、閉構造220と同様の閉構造によって画定される、それ独自の真空又は近真空環境内に配置される。通常、照明システムIL及び投影システムPS内には、図示されたよりも多くの要素が存在し得る。更に、図に示されたよりも多くのミラーが存在し得る。例えば、
図2に示されたものに加えて、照明システムIL及び/又は投影システムPS内に1から6つの追加の反射要素が存在し得る。
【0038】
[0049] ソースコレクタモジュールSOをより詳細に考察してみると、レーザ223を備えるレーザエネルギー源は、数十eVの電子温度で高度にイオン化されたプラズマ2を作成する、キセノン(Xe)、スズ(Sn)、又はリチウム(Li)などの燃料内に、レーザエネルギー224を投入するように配置される。例えばTb及びGdなどの他の燃料材料で、より高いエネルギーのEUV放射を発生させることができる。これらのイオンの脱励起及び再結合中に発生するエネルギー放射は、プラズマから放出され、近法線入射コレクタ3によって収集され、アパーチャ221上に合焦される。プラズマ2及びアパーチャ221は、それぞれ、コレクタCOの第1及び第2の焦点に位置する。
【0039】
[0050]
図2に示されるコレクタ3は単一湾曲ミラーであるが、コレクタは他の形を取ってよい。例えばコレクタは、2つの放射収集表面を有するシュヴァルツシルトコレクタであってよい。一実施形態において、コレクタは、互いに入れ子になった複数のほぼ円筒形のリフレクタを備える、斜入射型コレクタであってよい。
【0040】
[0051] 例えば液体スズの燃料を送達するために、エンクロージャ220内に液滴ジェネレータ226が配置され、液滴の高周波ストリーム228をプラズマ2の所望のロケーションに向かって発射するように配置される。動作中、各燃料液滴をプラズマ2に変化させるために放射のインパルスを送達するように、レーザエネルギー224は液滴ジェネレータ226の動作と同期して送達される。液滴の送達の周波数は、数キロヘルツ、例えば50kHzであってよい。実際に、レーザエネルギー224は少なくとも2つのパルスで送達され、エネルギーが制限されるプレパルスは、燃料材料を小雲に気化させるために、プラズマロケーションに到達する前に液滴に送達され、その後レーザエネルギー224のメインパルスは、プラズマ2を発生させるために所望のロケーションにある雲まで送達される。どのような理由であれ、プラズマに変化しない燃料を捕獲するために、トラップ230が閉構造220の反対側に提供される。
【0041】
[0052] 液滴ジェネレータ226は、燃料液体(例えば、溶融スズ)を含むリザーバ201、フィルタ269、及びノズル202を備える。ノズル202は、燃料液体をプラズマ2形成ロケーションに向かって噴出させるように構成される。燃料液体の液滴は、リザーバ201内の圧力と、ピエゾアクチュエータ(図示せず)によってノズルに印加される振動と、の組み合わせによって、ノズル202から噴出され得る。
【0042】
[0053] 当業者であればわかるように、基準軸X、Y、及びZは、装置、その様々な構成要素、及び放射ビーム20、21、26の、ジオメトリ及び挙動を測定及び記述するために、定義される。装置の各部分で、X、Y、及びZ軸の局所参照フレームを定義することができる。Z軸は、広義にはシステム内の所与の地点で光軸Oの方向と一致し、一般に、パターニングデバイス(レチクル)MAの平面に垂直であり、基板Wの平面に垂直である。ソースコレクタモジュールにおいて、X軸は、広義には燃料ストリーム228の方向と一致するが、Y軸はそれに対して直角であり、
図2に示されるページの外を指す。他方で、レチクルMAを保持する支持構造MT付近では、X軸は一般に、Y軸と位置合わせされたスキャン方向を横切る。便宜上、概略
図2のこのエリアでは、X軸はここでもページの外を指すようにマーク付けされている。これらの指定は当分野では従来通りであり、本明細書では便宜上採用されている。原則として、装置及びその挙動を説明するために、いずれの参照フレームを選択することも可能である。
【0043】
[0054] 概して、ソースコレクタモジュール及びリソグラフィ装置の動作に不可欠な多数の追加の構成要素が典型的な装置内に存在するが、本明細書では例示していない。これらには、例えば、燃料材料の液滴がコレクタ3及び他の光学系の性能を損なわせるか又は害するのを防ぐために、閉じられた真空内での汚染物の影響を低減又は緩和するための配置が含まれる。存在するが詳細には説明しない他の特徴は、リソグラフィ装置の様々な構成要素及びサブシステムの制御に関与する、すべてのセンサ、コントローラ、及びアクチュエータである。
【0044】
[0055] 液滴ジェネレータ内のより高い圧力に対処可能であり、特に、(例えば、溶融スズ)燃料が、現在可能であるよりも高い圧力の駆動ガスを使用して、リザーバから、及びノズルを介して駆動できるようにする、液滴ジェネレータが開示されている。下記に詳細に説明するように、液滴ジェネレータはヘルムホルツ型であってよい。液滴ジェネレータは、ポンプチャンバとノズルとの間に円筒−円錐接続を備え得る。
【0045】
[0056]
図3及び
図4は、それぞれ、第1の断面、及び第1の断面に対して垂直な平面を介した第2の断面における、液滴ジェネレータ300を示す。液滴ジェネレータ300は、本実施形態において、2本の燃料供給チャネル305を備える。燃料供給チャネル305は、メインフィルタを介して燃料リザーバから加圧下の燃料を受け取る。液滴ジェネレータ300は、任意選択で、実施形態に応じて1本又は2本を超える燃料供給チャネル305を備えてもよいが、液滴軸周辺では燃料チャネルの対称的分布が好ましい。このメインフィルタは、
図2における液滴ジェネレータ226のフィルタ269と同様であってよい。燃料供給チャネル305は、本明細書ではスロットル315と呼ばれるより小さなチャネル(制限部)を介して、ポンプチャンバ310に接続される。燃料供給チャネル305、スロットル315、及びポンプチャンバ310(の少なくとも一部)は、すべて、燃料モジュレータハウジング385内に形成され得る。アクチュエータ320は、ポンプチャンバ310の近くに位置する。この例において、アクチュエータ320はピエゾディスク又はプレートを備えるが、液滴を発生させるための任意の好適なアクチュエータであってよい。アクチュエータ320が金属燃料に接触していないことを保証するために、アクチュエータをメンブレン335によってポンプチャンバ310から分離することができる。一実施形態において、メンブレン335は、アクチュエータ320と接触するポンプチャンバ310の壁部を備える。
【0046】
[0057] アクチュエータ320の反対側はアクチュエータ支持構造である。アクチュエータ支持構造は、アクチュエータ支持体340と、コイルばね350によってアクチュエータに対するプレストレスが与えられる、関連付けられたガイドブロック345と、を備え得る。アクチュエータへの電気接続387が示されている。任意選択で、図示された特定の実施形態では、導電性のアクチュエータ支持体340はアクチュエータ回路の一部を形成するが、ガイドブロック345は絶縁性である。こうした実施形態において、燃料モジュレータハウジング385は、アクチュエータ320の他方の電極を備え得る。
【0047】
[0058] 任意選択で、図示された特定の実施形態では、アクチュエータ支持体340及びガイドブロック345は、相対的な回転運動を可能にするように連接される。これは、ボール型接合355を形成する相互に湾曲した面を提供することによって達成され得る。
【0048】
[0059] ノズルアセンブリ383は、ダクト360及びノズル構造(例えば、プレート)365を直列に備え得る。ノズル構造365は、ダクト360用のアウトレットを提供し、燃料液滴370が放出される際に介するノズルオリフィス367を備える。オリフィスは小さくてよく、例えば10μmよりも小さくてよい。ノズル構造365は、本設計と比べて相対的に短くてよく、加圧された燃料とソースチャンバの近真空環境との間の圧力差に耐えることができるように、強力な、脆弱でない材料からなり得る。こうした材料は、例えば、金属(例えば、チタン、タングステン、モリブデン、及びレニウム、全体としてすべての高融点金属)、シリコン、或いは窒化シリコン、炭化シリコン、又は超高圧印加ダイヤモンド用などの、シリコンベース化合物を含み得る。ここでノズル構造365は、こうした材料を含むノズルプレートの形で示されている。ノズル構造365内のノズルオリフィスは、レーザ穴あけ又はエッチングによって作成可能である。ダクト360は、リング末端部又はvリング390などの構成要素内にドリルで穴を開けることができる。ノズルアセンブリ383は、vリング390及びノズル構造365を支持するための支持構造393を備えることができる。
【0049】
[0060] アクチュエータ320は、その厚み方向に分極され得る。アクチュエータ320の厚みは、アクチュエータ320の電気作動と共に変化する。この変位は、柔軟なメンブレン335を介してポンプチャンバ310内の燃料に伝えられ、結果として溶融燃料内に圧力変化が生じる。この圧力変化は、ダクト360を介して前後に進行する波を引き起こす。オリフィス367で、これらの圧力波は速度摂動に転移される。
【0050】
[0061] 燃料はリザーバ内に保持され、燃料(例えば、スズ)溶融を維持するために加熱される。燃料の流れを維持するために、燃料は、流体、例えばアルゴンガスなどのガスによって加圧される。圧力降下は、噴射速度の2乗と共に増減するベルヌーイ圧力降下と、噴射速度と共に増減する粘性抵抗と、一定であり噴射速度に依存しない表面張力と、の3つの成分を含む。この圧力は、リザーバ内での燃料の加圧状態(リザーバ圧力)によって提供される。より高速になると、ベルヌーイ圧力降下が優位に立ち始める。液滴ジェネレータが使用されるべき環境は、ソースチャンバの低圧(例えば、真空に近い)環境である。その結果、加圧スズ経路(スズリザーバからノズル構造365まで)と周辺環境との間に大きな圧力差が生じる。結果として、液滴ジェネレータが耐え得るリザーバ圧力には限度がある。次にこれが、達成可能な噴射速度及び液滴周波数に制限を課す。
【0051】
[0062] 加えて、メンブレン335を含む、加圧燃料と周辺環境とを分離するシールは、圧力差を扱うのに十分な強さを必要とする。しかしながら、より薄い(したがってより弱い)メンブレン335は、アクチュエータ320とポンプチャンバ310のコンテンツとの間のより良い音響カップリングを可能にするため、好ましい場合がある。
【0052】
[0063] これに対処するために、液滴ジェネレータ300は静水圧設計である。一実施形態において、この静水圧設計は、ノズルアセンブリ383、アクチュエータ320、及びアクチュエータ支持構造340、345、350の周辺領域内のみで実施される。これを達成するために、燃料供給(又は、同じ圧力を提供する異なる供給)を加圧するために使用されるものと同じ(例えば、アルゴン)流体供給が、ノズルアセンブリ383、アクチュエータ320、及びアクチュエータ支持構造340、345周辺のボリューム375に接続される。ガス供給は、流体インレット380などのインレットを介して導入され得る。リザーバガス供給をこのようにボリューム375に接続することで、燃料流体経路を構成する要素周辺の環境の圧力とリザーバ圧力とを等化する。一実施形態において、アクチュエータ支持体340が接触しているアクチュエータ320との間の空間を(リザーバ圧力まで)加圧するための直接接続も存在し得る。
【0053】
[0064]
図5は、液滴ジェネレータ300を収容するケーシング410内で加圧流体(例えば、アルゴンなどのガス)の導入によって液滴ジェネレータアセンブリ全体が加圧される、別の実施形態を示す。これは、燃料リザーバ425内で(インレット427を介して)保持される燃料供給420を加圧する、リザーバガス供給415を、液滴ジェネレータケーシング410内へと接続する、流体インレット400によって達成され得る。燃料供給420の加圧は、燃料を、リザーバ425の外へ、コンジット430を介し、スズフィルタ435を介して液滴ジェネレータ300の燃料供給チャネル305へ、次いでポンプチャンバ310内に入り、ノズル構造365のノズルを介して外へと押し出す。ケーシング410内の加圧は、例えば、スズフィルタ435及び燃料コンジット430の周辺のボリューム440を加圧し得る。この流体インレット400は、ノズルアセンブリ、アクチュエータ、及びアクチュエータ支持構造の周辺のボリューム375を加圧するためにガスが入れられる際に介する、流体インレット380に追加され得る。当然ながら、液滴ジェネレータ300のノズル構造365への燃料経路を構成する要素のうちのいくつか又はすべてを取り囲む環境が、これらの要素内の加圧燃料と同じか又は同様の圧力であるように、単一のインレットがボリューム375及びボリューム440を加圧する代替の設計、或いは、結果として静水圧設計が生じる任意の他の代替配置が可能であり、多くのこうした代替が想定される。
【0054】
[0065]
図3及び
図4を参照すると、アクチュエータ320の背後の空間を加圧するための直接接続があり得、アクチュエータ支持体340によって接触されていることを、前述した。こうした直接接続又は他の方法のいずれによる場合でも、アクチュエータ320とアクチュエータ支持体340とメンブレン335との間に、アルゴンガスなどのガスを提供することにとって、大きな利点である。電気的に誘発されたアクチュエータ320の動きをポンプチャンバ310のコンテンツに良好に伝達するために、アクチュエータ320はメンブレン及びアクチュエータ支持体340と緊密に結合されるべきである。これは例えば、接着剤又はプレストレスを印加することによって実行可能である。図示された実施形態において、プレストレス(例えば、ばね350)は、アクチュエータ320とアクチュエータ支持体340との間の空間内、及びアクチュエータ320とメンブレン335との間の空間内の、薄いアルゴン層と組み合わせて使用される。
【0055】
[0066] アクチュエータ320は、アクチュエータ支持体340及びメンブレン335の各々と直接機械的に接触しており、接触表面は高精度に仕上げられているが、完全な接触を保証することはできない。アルゴンは高圧で、高密度の超臨界流体になる(120m/s、Δp=550バール、ρ
argon=391kg/m
3;250m/s、Δp=2500バール、ρ
argon=1021kg/m
3;500m/s、Δp=9000バール、ρ
argon=1564kg/m
3)。したがって、アルゴンガスは、アクチュエータ320とアクチュエータ支持体340及びメンブレン335の各々との接触表面間のサブミクロンギャップ(ラフネス及び不完全性に起因する)において、機械的圧力トランスミッタとして効果的に作用する。アルゴンはこれらのギャップを満たし、その質量により離れることができない。アクチュエータ320の周波数が高いほど、機械的カップリングは良好である。
【0056】
[0067] プレストレスを制御するために、圧縮コイルばね350が存在する。この圧縮コイルばね350は、所望のプレストレス力に応じた力が発生するように、取り付け及び圧縮される。アクチュエータ支持体340は、液滴ジェネレータが室温にあるとき、前後に移動できるように取り付けることができる。しかしながら、任意選択の実施形態において、プレストレス配置は、液滴ジェネレータが動作温度(例えば、スズの融点よりも10から20℃高く、これは周囲気圧で232℃、9000バールで260℃である)にあるとき、クランプ動作が起動するような配置であり得る。一実施形態において、これは、アクチュエータ支持体340の熱膨張とその周辺構造(燃料モジュレータハウジング385の内部)との間の差に備えることによって、達成可能である。この熱膨張差は、アクチュエータ支持体340が燃料モジュレータハウジング385の内壁に対して膨張するように選択可能であるため、緊密に接続され、動作温度にあるとき、アクチュエータ支持体340を定位置に効果的にクランプすることになる。この構成において、ばねはもはやアクティブではなく、アクチュエータ支持体340は、このクランプによってのみアクチュエータ320に対してクランプされる。更に加熱すると、結果として、燃料モジュレータハウジング385並びにアクチュエータ320でのクランプ力が増加することになる。最終的に、燃料モジュレータハウジング385材料は降伏し始め、燃料モジュレータハウジング385に対するクランプ力及びアクチュエータ320に対するクランプ力の両方が横ばい状態に達する。クランプのレベルを制御するために、アセンブリ中にクランプ配置を動作温度よりも(わずかに)上まで加熱した後、これを冷ますことが可能である。この手順の間、アクチュエータ320は、これを高電圧で駆動させることによってランインすることができる。これは、対合する表面間のいかなるラフネスをも平滑化するのを助けるように働くことができる。
【0057】
[0068] この熱的に誘発されるアクチュエータ支持体340のクランプは、音響的観点から有利である。アクチュエータ320は大質量のハウジングによってクランプされる一方で、プレストレス力は最終動作までのアセンブリの動きから予測可能であり信頼できる。
【0058】
[0069] アクチュエータ320とメンブレン335との間の接触圧力が均一に分散されることを保証するために、関節接合、例えばボール型接合355が提供可能である。この接合355は、アクチュエータ支持体340とその支持構造との間の回転関節、及び、
図3及び
図4に示されるようなガイドブロック345を備える、圧縮コイルばね350のプレフォースの伝達を、可能にし得る。これにより、アクチュエータ320の2つの側面がたとえ完全に平行でない場合であっても、これらの2つの側面間により良好なアライメントが提供される。
【0059】
[0070] コイルばね350と接触するガイドブロック345は、電気絶縁材料からなり得る。アクチュエータ支持体340は、導電性材料、例えば真ちゅう、場合によっては金メッキからなり得る。導電性アクチュエータ支持体340は、アクチュエータ320への電気接点の一部を形成し得る。アクチュエータ320の他の面は、ハウジングを介して接地に接続される。アクチュエータ320は、接地と、例えば任意波形ジェネレータの出力ソケットとの間で、駆動され得る。
【0060】
[0071]
図5に示されるような設計の結果として、リザーバ圧力とその環境(ソースの真空)における差の対象となる液滴ジェネレータの唯一の部分は、ノズル構造365である。ノズルは小さなプレートレット内に構成され、その部分は、いくつかの異なる溶融スズ適合材料、例えば、モリブデン、タングステン、レニウム、ダイヤモンド、又はシリコン(溶融スズとの適合性のために窒化シリコンで表面が覆われている)、炭化シリコンからなり得る。10,000バールまでの非常に高い圧力の場合、ダイヤモンドを使用するべきである。レーザ加工又はエッチングによって、精密なオリフィスが作成可能である。
【0061】
[0072] 本開示の一実施形態において、液滴は、低周波数変調連続噴射と呼ばれる方法で生成可能である。この方法を用いる場合、連続噴射は、レイリー周波数に近い高周波数によって小さな液滴に分解される。しかしながらこれらの液滴は、低周波数変調により、わずかに異なる速度を有することになる。飛行中、高速液滴は低速液滴を追い越し、長い距離の間隔が空けられたより大きな液滴に合体する。この長い距離が、プラズマが液滴の軌跡に影響を与えないようにするのを助ける。コレクタが、凝縮燃料、高エネルギーイオン、及び高速燃料フラグメントで汚れないように維持するために、誘導水素ガス流はこれらの汚染物を遠くへ移送する。使用される燃料の量は、発生するEUVパワーと、ソース内、特に、コレクタなどの光路内の一部内の汚染物との間の、折衷である。
【0062】
[0073] コントローラは、燃料の液滴370のサイズ及び分離を制御するように、アクチュエータ320を制御する。一実施形態において、コントローラは、少なくとも2つの周波数を有する信号に従って、アクチュエータ320を制御する。燃料の相対的に小さな液滴を生成するように液滴ジェネレータ300を制御するために、第1の周波数が使用される。この第1の周波数は、MHzの領域内であり得る。第2の周波数は、kHzレンジ内のより低い周波数である。信号の第2の周波数は、液滴が液滴ジェネレータ300のノズルオリフィス367を出るときに、その速さを変化させるために使用され得る。液滴の速さを変化させる目的は、対応するより長い距離の間隔が空けられた燃料のより大きな液滴370を形成するために互いに合体するように、液滴を制御することである。低周波数変調を適用することの代替として、振幅変調を考慮に入れることもできることに留意されたい。液滴ジェネレータのノズルは、PCT特許出願第WO2014/082811号で説明されるようなヘルムホルツ共振器の一部として構成可能であり、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。合体挙動は、駆動周波数とレイリー周波数との間に高調波を付加することによって、更に機能強化され得る。この点において、調整可能デューティを伴うブロック波を使用して、より短い合体長さを得ることができる。
【0063】
[0074] 燃料液滴は、直径約30μmの、通常は合焦レーザビームのウエスト部分の最小寸法よりも小さい60〜450μmの、ほぼ球体であり得る。液滴は、40から310kHzの間の周波数で発生可能であり、40から120m/sの間の、場合によってはより速い(500m/sまでの)速度で、プラズマ形成ロケーションに向かって飛ぶ。望ましくは、液滴間間隔は約1mmよりも大きい(例えば、1mmから3mmの間)。合体プロセスは、より大きな液滴の各々を形成するように合体する、100から300個の間の液滴を含み得る。
【0064】
[0075] フロー配置は、2つの特徴的な基調周波数を有する。そのうちの1つが、下記で説明するヘルムホルツ周波数である。ヘルムホルツ周波数f
helmholzで、スロットル315(表面積A
throttle、長さL
throttle、及びスロットル数n)及びオリフィス367(表面積A
orifice、長さL
orifice)に含まれる流体(燃料)部分は、ノズル構造365を伴うポンプチャンバ310及びポンプチャンバ310に接続するダクト360に含まれる流体の剛性に対して、並びに、円錐ノズルの主要部(ボリュームVc)に対して、逆位相で振動する。与えられた特定の例におけるヘルムホルツ周波数f
helmholzは、下記によって提供され得る。
【数2】
波の速さcは、周囲のコンプライアンスに対して補正される音の速さである。
【0065】
[0076] 特徴的な基調周波数のうちの2つ目は、4分の1波長モード周波数である。この周波数で、4分の1波長は、ダクト360及びノズル構造365の主要部分(
図3及び
図4では合計長さLとラベル表示される)に含まれる流体に適合する。オリフィス367での流体の動きは定常であると見なされ、ポンプチャンバ310での圧力は一定であると見なされる。4分の1波長周波数f
quarterwaveは、以下によって与えられる。
【数3】
波の速さcは、周囲のコンプライアンスに対して補正される音の速さである。
【0066】
[0077] システム内には、部分的に流体経路に結合され、部分的に流体構造インタラクションに結合され、部分的に流体経路周辺の構造の、多数の他の共振周波数が存在する。これらは、とりわけ下記を含む。
・ アクチュエータ320の厚み共振(半波長モード厚み)を使用して、レイリー分裂を制御することができる。この周波数は、プレートレットの厚みに依存し、10〜20MHzもの高さとすることができる。より高い周波数が(高速液滴ジェネレータのために)必要な場合、オーバートーンを使用することができる。
・ スロットル315に向かう燃料供給チャネル305において、定在波はエネルギーを吸収することが可能であり、これによって、ノズル構造365に向かうエネルギーの伝達が低下する。したがって、燃料供給チャネル305は、これを避けるように注意深く設計すべきである。
・ ポンプチャンバ310及びダクト360において、駆動周波数よりも高い整数の倍数である周波数での定在波は、最初に小さい液滴を中間サイズの液滴に合体させることによって、合体全体の制御を助けることができる。
【0067】
[0078] 提案される設計において、低い駆動周波数(合体後の最終液滴ストリームの周波数)に対して4分の1波長モードが選択される。この周波数は、ダクト360のインレットとオリフィス367との間の長さLによって画定される4分の1波長チューブと、周囲のコンプライアンスと、のみに依存する。この周波数は、小さな寸法変化(動作圧力及び温度の変化に起因する)及び異なる液滴ジェネレータ間での寸法の変動には、強く依存しない。ヘルムホルツ周波数は、これよりも大幅に低く(例えば、少なくとも2分の1)なるように選択され得る。
【0068】
[0079] 設計の重要なパラメータは、共振でのいわゆる品質係数である。この係数は入力信号の増幅を与える。一方で、品質係数が大きいほど、入力信号(高調波時間変動電気信号、液滴周波数)と出力(ノズルにおける速度振幅)との間の結合がより効果的である。他方で、高い品質係数は、適切なアクションを狭い周波数帯に制限する。品質係数の実際の値は、増幅と、構造変化に起因する(例えば、アクチュエータ特性の低下、接着剤の経年劣化、ノズルの漸進的目詰まりによる)駆動周波数における小さな変化又は共振周波数における小さな偏差に対する感度と、の間の折衷である。品質係数が最大の共振で、その値は、溶融燃料を含む部分での、粘性消散及び構造減衰に起因する減衰によって低下する。エネルギー損失は、4分の1波長チューブのインレット付近(例えば、ダクト360のインレット付近)に音響フィルタを配置することによって、低減され得る。その後、燃料はリザーバ425から主燃料フィルタ435を介し、次いで音響フィルタを介し、共振器を介し、最後にノズル構造365のノズルを介して流れる。このロケーションでの音響フィルタの挿入により、共振器の品質係数を、したがって液滴ジェネレータの合体性能を、向上させることができる。更に、音響フィルタの挿入は、リザーバ側から共振器に入ることが可能な音響かく乱の伝達を減少させることによって、合体の安定性を向上させることもできる。
【0069】
[0080] 音響フィルタは、例えば、制限部及びヘルムホルツ共振器などの、様々な方法で実装可能である。これらの2つは組み合わせも可能である。与えられた例では、スロットル315は音響フィルタとして機能し、ポンプチャンバ310は、上流からの振動に対してヘルムホルツ共振器として機能する。
【0070】
[0081] ポンプチャンバ310とノズル構造365のノズルオリフィス367との間の長さLは、上記の式(3)によって与えられるように、動作周波数を決定する。長さLが長い場合は低い動作周波数を提供し、高周波数動作の場合は長さが短いはずである。したがって、この長さL(例えば、ダクト360の長さ及びノズル構造365全体にわたる距離)を注意深く選択することによって、設計は液滴周波数の幅広い選択肢に対して拡張可能となる。例を挙げると、80kHz動作の場合、長さLは約6mmであり、320kHzの場合、長さLは1.5mmであって、これらは波の速さが2000m/sの場合の例であり、この速さは、スズを含む部分のコンプライアンスにより、溶融スズの音の等エントロピー速さよりも遅い。
【0071】
[0082] 一実施形態において、液滴ジェネレータは、液滴を高速で送達するように設計され、液滴の間隔がより大きいと、例えば350W又はそれよりも大きい出力電源を可能にする。高速は、圧力を増加させることによって少なくとも部分的に達成される。例えば圧力は、8,000psiよりも大きいか又は等しく、例えば10,000psiよりも大きいか又はそれに等しい、11,000psiよりも大きいか又はそれに等しい、12,000psiよりも大きいか又はそれに等しい、或いは13,000psiよりも大きいか又は等しくてよい。圧力への適応を助けるために、
図3〜
図5に示されたような機械的配置が使用可能である。
【0072】
[0083] こうした高圧を対象とする特定の構成要素が、液滴を提供するためのオリフィス367を有するノズル構造365である。
図6A、
図6B、
図6C、
図7、及び
図8は、ノズル構造365及びオリフィス367の実施形態の概略図を示す。
図6A、
図6B、
図6C、
図7、及び
図8は、一定の縮尺ではない。
図6Aは、ノズル構造365の上面図を示す
図6Bの線A−Aに沿った、ノズル構造365の断面図を概略的に示す。
図6Bは、ノズル構造365の上面図を概略的に示すが、ここで頂部は
図3〜
図5において左方向を向いている。
図6Cはノズル構造365の底面図を概略的に示すが、ここで底部は
図3〜
図5において右方向を向いている。
図7は、
図6A〜
図6Cに示された構成におけるノズルオリフィス367の拡大断面図を概略的に示す。
図8は、
図6A〜
図6Cに示された異なる構成におけるノズルオリフィス367の拡大断面図を概略的に示す。
【0073】
[0084] 一実施形態において、ノズル構造365は相対的に小さな構成要素である。一実施形態において、ノズル構造365は、約1mm〜10mmの範囲内から選択される断面幅550(例えば、直径)を有する。一実施形態において、ノズル構造365は、約0.1mm〜1mmの範囲内から選択される厚み510を有する。更に、ノズル構造365は相対的に小さなオリフィス367を有する。一実施形態において、オリフィス367は、約1μm〜10μmの範囲内から選択されるか、又は約2.5μm〜5.5μmの範囲内から選択されるか、又は約3.5μm〜4.5μmの範囲内から選択される、断面幅600(例えば、直径)を有する。一実施形態において、オリフィス367は、40度を含む40度までの範囲から選択される、非ゼロの開口角度610、710を有する。幾何学的仕様は、正確なサイズ及び/又はストリームの液滴を作成するために重要である。
【0074】
[0085] 一実施形態において、ノズル構造365は1つ以上の燃料適合材料で作られる。一実施形態において、ノズル構造365は高圧に耐えられるようにするために高強度材料で作られる。一実施形態において、ノズル構造365は、ダイヤモンド、タングステン、SiC、タンタル、シリコン、レニウム、及び/又はAl
2O
3から選択される、1つ以上の材料で作られる。高強度材料は、例えばガラス毛管よりも高圧、高温環境においてより良好な寿命期待値を有する。一実施形態において、ノズル構造365は、脆性でない1つ以上の材料で作られる。一実施形態において、ノズル構造365は部分的に、ダイヤモンド及びシリコンなどの結晶材料に比べて脆性でない、モリブデンから作られる。
【0075】
[0086] 燃料(例えば、溶融スズ)は、オリフィス367を出る直前に、オリフィス367全体にわたる圧力差及びソース内の低圧環境(例えば、近真空)に起因して、高速まで加速される。高速燃料液滴は、矢印560でマーク付けされた方向に、このオリフィス367からソースの低圧環境内へと直接発せられる連続噴射の制御された分裂の結果である。
【0076】
[0087] したがって問題は、ノズル構造365が、例えば8,000psiより大きいか又はそれに等しい燃料と、ソース内の低圧(例えば、近真空)と、の間でインターフェースとして動作する場合に、高圧に耐えるべきであること(したがって、高強度材料で作られるべきであること)である。ノズル構造365の更なる問題は、オリフィス367が、安定した液滴を生成するために、形状及び表面のラフネスに関して高品質であるべきことである。一実施形態において、オリフィス367は、1〜10μm上に50〜150nmの丸みを有する。一実施形態において、オリフィス367は、1〜20nmRMSの内面平滑さを有する。一実施形態において、オリフィス367は、一実施形態では100nmより小さいか又はそれに等しいエッジ半径を伴う、鋭いエッジ630を有する。一実施形態において、オリフィス367は実質的に、粒子汚染物及び化学汚染物を有さない。一実施形態において、オリフィス367は、燃料及びそのいずれかの汚染物に関して化学的に無害な内面を有する。
【0077】
[0088] 一実施形態において、ノズル構造365はプレートの形であるか、又は言い換えればノズルプレートである。すなわち、通常、厚みよりも幅広い。一実施形態において、ノズル構造365はディスク型である。一実施形態において、ノズル構造365は矩形である。一実施形態において、ノズル構造365はブロックの形である。一実施形態において、ノズル構造365は立方体又は直方体の形である。
【0078】
[0089] 高強度材料で高品質オリフィスを製造することは、困難なタスクである。したがって、本明細書で説明する仕様のうちの1つ以上において、硬質材料でオリフィスを生成することが可能な方法が提供される。すなわち、高強度(及び燃料適合)材料で高品質オリフィスを生成するための制御された方法が提供される。
【0079】
[0090] オリフィス367の製造について困難なことは、ダイヤモンド、タングステン、SiC、タンタル、シリコン、レニウム、及び/又はAl
2O
3などの、高強度(すなわち、燃料に適合する)材料で、平滑なホール(例えば、望ましくは円形ホール)を得ることである。
【0080】
[0091] オリフィス367作成プロセスの実施形態において、オリフィス作成プロセスを容易にするために、ノズル構造365を形成することになる材料のブロック内にインレット500(例えば、円錐インレット)が作成される。インレット500は、ノズル構造365の材料のブロック全体を貫通する訳ではない。むしろ、相対的に薄い厚み540を有するメンブレンを残す。一実施形態において、厚み540は約20μm〜150μmの範囲内から選択されるか、又は約50μmから80μmの範囲内から選択される。オリフィス367はこのメンブレン内に作られる。一実施形態において、インレット500は、約100μmから600μmの範囲内から選択される断面幅520(例えば、直径)を有する。一実施形態において、インレット500は、約0〜40度の範囲内から選択される開口角度530を有する。
【0081】
[0092] 一実施形態において、オリフィス367は、レーザアブレーションに続いて集束イオンビーム(FIB)ミリングによって、メンブレン内に作成される(例えば、ダイヤモンドで作られる)。すなわち、第1のステップにおいて、レーザアブレーションを使用して、最終オリフィス367の断面幅600より小さな(例えば、約1μm〜6μmの範囲内から選択される)断面幅を有する、相対的に低品質なパイロットホールを生成する。アブレーションプロセスの原理に起因して、このホールの品質は(例えば、丸さ、平滑さ、鋭さなどに関する)仕様を満たさない。一実施形態において、レーザアブレーションプロセス内のレーザのスポットは、パイロットホールの断面幅よりも小さいか又はそれに等しい断面寸法を有する。
【0082】
[0093] 次いで、相対的に低品質のホールを使用している場合、低品質ホールを正しいジオメトリ及び仕様の範囲内の高品質オリフィス367に再加工するために、集束イオンビーム(FIB)ミリングが使用される。FIBのみを使用すると、FIBで除去される材料は上部からホールを出る必要があるため、正しいジオメトリ及び仕様の範囲内のオリフィス367を生成できない場合がある。この結果として、FIBがパイロットホールなしで使用されるとき、侵食及び再堆積の影響が生じる。追加又は代替として、メンブレンの厚みは、FIBにとってパイロットホールなしで穴を開けるには厚過ぎる場合がある。
【0083】
[0094] オリフィス367作成プロセスの一実施形態において、オリフィス367は、誘導結合プラズマ(ICP)エッチングによって、インレット500作成後、結果として生じるメンブレン内に作成される。この場合、パイロットホールは必要ない可能性がある。一実施形態において、所望の断面幅600の開口を伴うハードマスクが、(例えば、ノズル構造365材料上に堆積/コーティングされたハードマスク材料を、パターン付与されたレジスト層を介して、エッチングで取り除くことによって、ハードマスク内に開口が作成される、レジストベースのリソグラフィプロセスによって)ノズル構造365の材料上に提供される。次いでICPエッチングは、オリフィス367を形成するためのテンプレートとしてハードマスクを使用することによって進められる。一実施形態において、ハードマスクはタンタルを含む。一実施形態において、ICPエッチングはフッ素ベースのエッチングガスを使用する。
【0084】
[0095] オリフィス367作成プロセスの一実施形態において、オリフィス367は、レーザアブレーションによって、インレット500作成後、結果として生じるメンブレン内に作成される。この場合、パイロットホールは必要ない可能性がある。一実施形態において、あるノズル構造365材料のみが、レーザアブレーションを使用して、レーザアブレーションのみを使用することによって十分な品質のホールを生成可能にすることができる。一実施形態において、ノズル構造365の材料はタングステンを含む。
【0085】
[0096] 一実施形態において、メンブレンは、前述の方法のうちのいずれかを使用してその中にオリフィス367が作られる、別の材料片とすることができる。その後、オリフィス367がインレット500とぴったり合うように、メンブレンを、インレット500を有する構造、例えば環状構造に取り付けることができる。
【0086】
[0097] 一実施形態において、ノズル構造365の1つ以上の表面及び/又はエッジは平滑である。一実施形態において、1つ以上の表面及び/又はエッジは、20nmより小さいか又はそれに等しい、或いは10nmより小さいか又はそれに等しい、Raを有する。一実施形態において、表面620及び/又は表面720は、20nmより小さいか又はそれに等しい、或いは10nmより小さいか又はそれに等しい、Raを有する。一実施形態において、表面620及び/又は表面720は、オリフィス367のエッジから200μmまで又はそれに等しく、或いは100μmまで又はそれに等しく延在する。一実施形態において、オリフィス367の内部表面は、10nmより小さいか又はそれに等しいRaを有する。一実施形態において、平滑化を提供するか又は容易にするために、ノズル構造365及び/又はオリフィス367に(例えば、原子層堆積によって)コーティングが印加される。一実施形態において、コーティングは、表面の摩耗を減少させる、及び/又は、燃料及びその任意の汚染物に対して表面を化学的に無害にするのを助ける。一実施形態において、エッジ630は丸くされ、5マイクロメートルより大きいか又はそれに等しい、或いは1マイクロメートルより大きいか又はそれに等しい、曲率半径を有する。
【0087】
[0098] 一実施形態において、ノズル構造365及びオリフィス367の配置は、液滴ジェネレータ内で更に統合される前に、単一の部分として完全に清掃される。
【0088】
[0099] 一実施形態において、ノズル構造365及びオリフィス367は、2つの構成のうちの1つに提供することができる。
【0089】
[00100]
図7に示された第1の構成において、オリフィス367は燃料材料の流れ560の方向に収縮する。したがって、流体噴射はエッジ630のオリフィス367の出口で分離する。この配置において、噴射の断面幅はオリフィス367の断面幅600の約0.9倍である。この配置では、比較的低いノズルエッジ630の摩耗が存在する可能性がある。更に、例えば境界層乱流を避けるために、表面ラフネスは低いはずである。
【0090】
[00101]
図8に示された第2の構成において、オリフィス367は燃料材料の流れ560の方向に膨張する。したがって、流体はエッジ630のオリフィス367の入口で分離する。この配置において、噴射の断面幅はオリフィス367の断面幅600の約0.8倍である。この配置において、噴射の接触線は幾何学的にピン止めされている。更に、オリフィス367の内部表面は、このように潜在的な乱流を制限する噴射に接触しない。更に、この配置において、噴射は
図7の実施形態よりも多く収縮するため、開口は、
図7の開口と同じ噴射断面幅をもたらすために
図7の開口よりも大きい可能性がある。これは、例えば、開口を詰まらせる可能性のある燃料内の粒子サイズがより大きい可能性があるため、汚染物にとって有益である。更に、同じサイズの噴射をもたらすために、より大きな開口を作ることが相対的に容易であり得るため、製造可能性が向上する可能性がある。この配置では、いくつかのノズルエッジ630の摩耗が存在する可能性がある。
【0091】
[00102]
図9及び
図10を参照すると、液滴ジェネレータ300の一部の実施形態が、それぞれ、第1の断面の平面に垂直な平面を介して第1の断面及び第2の断面内に示されている。本実施形態の特徴のうちの1つ以上を、前述の実施形態のうちのいずれかに組み合わせるか、又は、前述の実施形態のうちのいずれかの1つ以上の特徴の代用とすることができる。例えば、下記で説明するアクチュエータ320(及び、任意選択で移送構造920)を、
図3〜
図5に関して説明するアクチュエータ320の代わりに使用することができる。別の例として、下記で説明する電気接続387を、
図3〜
図5に関して説明する電気接続387及び/又はアクチュエータ支持体340の代わりに使用することができる。更なる例として、下記で説明する構造900、910を、
図3〜
図5に関して説明するアクチュエータ支持体340、ガイドブロック345、コイルばね350、及びボール型接合355の代わりに使用することができる。
【0092】
[00103] 前述の液滴ジェネレータ300と同様に、ポンプチャンバ310に接続された1つ以上の燃料供給チャネル305が提供される。
図10に明確に示されるように、本明細書ではスロットル315と呼ばれるより小さいチャネル(制限部)を介して、燃料供給チャネル305をポンプチャンバ310に接続することができる。燃料供給チャネル305、スロットル315、及びポンプチャンバ310(の少なくとも一部)は、すべて、燃料モジュレータハウジング385内に形成され得る。
【0093】
[00104] 作動構成要素320a及び320bを備えるアクチュエータ320は、ポンプチャンバ310の近くに位置する。この例において、アクチュエータ320は、液滴を生成するための任意の好適なアクチュエータであり得るが、ピエゾディスク又はプレート320a、320bを備える。この例において、アクチュエータ320は、各々が別々に力を提供することが可能な複数の作動構成要素320a、320bを備える。作動構成要素320a、320bの各々による差動を制御するために、制御システム(図示せず)が提供される。一実施形態において、制御システムは、アクチュエータ320の作動構成要素320a、320bの振幅が順次液滴の作成を可能にするように、作動構成要素320a、320bを駆動し、一実施形態において、構成要素320a、320bは、制御された噴射分裂によって液滴が正確且つ適切に作成できるようにするために、それらの振動の同じ位相を維持するように駆動される。
【0094】
[00105] アクチュエータは、アクチュエータ320に金属燃料が接触しないことを保証するために、メンブレン335によってポンプチャンバ310から分離され得る。一実施形態において、メンブレン335はポンプチャンバ310の壁部を含む。
【0095】
[00106] 一実施形態において、アクチュエータ320(例えば、アクチュエータ320のピエゾ320b要素)をメンブレン335に物理的に接続するために、移送構造(例えば、プレート)920が提供される。一実施形態において、移送構造920はメンブレン335との湾曲対合(例えば、球体表面)を有する。移送構造920は、メンブレン335とアクチュエータ320との間の接触剛性の値を制御可能にすることができる。
【0096】
[00107] アクチュエータ320への電気接続387が示されている。前述のようにアクチュエータ320の単一の作動要素を伴う一実施形態において、1つの電気接触が、例えばメンブレンを介して接地へと行われ得、別の1つが、ばね350のプレテンションを作動要素に伝達する絶縁ブッシング内部の接続によって行われ得る。この場合、複数のアクチュエータ要素が提供され、したがって介在電気接触が提供される一方で、作動構成要素の他の電気接触は(例えば、構成要素320bのためのメンブレン335を介して、構成要素320aのための構造910を介して)接地に接続される。
【0097】
[00108] 一実施形態において、電気接続387は、アクチュエータ320の1つ以上の作動構成要素320a、320b(例えば、1つ以上のピエゾ要素)への1つ以上の電気接続のためのコンジット又はスリーブを備える。一実施形態において、電気接続387は、アクチュエータ320の構成要素320a、320bの間の機械的接続である。一実施形態において、電気接続387は、アクチュエータ320の作動構成要素320a、320bの振幅を順次使用できるようにするために、剛性、振動の固有周波数などに関して設計され、構成要素320a、320bは、液滴を適切に作成できるようにするために、それらの振動の同じ位相を維持するように駆動される。したがって、動作周波数について、アクチュエータ320の作動構成要素320a、320bの動作の移送が、可能な限り同期状態として維持されるように、及び、作動構成要素320a、320bの振幅が追加できるために、作動構成要素320a、320bが同相で作業しているように、電気接続387が設計される。
【0098】
[00109] 一実施形態において、電気接続387はハウジング385から電気的に絶縁される。アクチュエータ320a及び320bは、直列で作動するものと考えられるため、電気接続387は、一実施形態において、ハウジングと接触しないように維持される。電気接続387がハウジング内に緩く取り付けられる場合、プレテンション力が作動要素320a、320b上に常に(室温及び動作温度の両方で)存在する。
【0099】
[00110] アクチュエータ320のメンブレン335とは反対側に、アクチュエータ支持構造が存在する。一実施形態において、アクチュエータ支持構造は複数の(この場合は2つの)構造900、910を含む。ばね350と同様に、構造900、910は、メンブレン335と接触しているアクチュエータ320のプレテンションを可能にする。一実施形態において、構造900、910の各々はくさびを備える。一実施形態において、構造900はハウジング385の一部であり得、したがって、構造900は別個の構成要素である必要はない。
【0100】
[00111]
図9に示されるように、構造900、910は、例えば
図9に示される垂直に対して傾斜した表面を有する。したがって、構造900、910のうちの1つ以上を、構造900、910のうちの他の1つ以上に対して第1の方向(例えば、
図9に示される垂直)にスライドさせることによって、メンブレン335を変形させる第1の方向に対して直角な第2の方向(例えば、
図9に示される水平)に、明確に定義された変位を発生させることができる。したがって、構造900、910は、スライド方向の変位を、スライドに対して直角な方向の変位に変換する。変形したメンブレン335は、アクチュエータ320にプレテンション力をかける。
【0101】
[00112] 一実施形態において、構造900、910の間に相対的変位を発生させるために、1つ以上のアクチュエータ(図示せず)を提供することができる。一実施形態において、アセンブリ中に、アセンブリツール内に取り付けられた調節ねじを用いて、構造900、910の間の制御された相対的な動きによって、プレテンションを提供することができる。
【0102】
[00113] 一実施形態において、リソグラフィシステムのための液滴ジェネレータが提供され、液滴ジェネレータは燃料圧で加圧された燃料を受け取るように動作可能であり、液滴ジェネレータは燃料を液滴の形で放出するように動作可能なノズルアセンブリを備え、ノズルアセンブリは加圧環境内にあるか、又は、ほぼ加圧環境内にあり、加圧環境は燃料圧とほぼ同じ圧力で加圧されている。
【0103】
[00114] 一実施形態において、液滴ジェネレータ内の燃料経路全体が加圧環境内にある。一実施形態において、液滴ジェネレータはハウジング内に収容され、ハウジング内部は燃料圧とほぼ同じ圧力で加圧される。一実施形態において、燃料及び加圧環境は、各々加圧ガス供給によって同じ圧力で加圧される。一実施形態において、燃料及び加圧環境は、各々同じ加圧ガス供給によって加圧される。一実施形態において、加圧ガス供給はアルゴンを含む。一実施形態において、ノズルアセンブリは、ノズル構造、内部でポンプチャンバ内の燃料がアクチュエータによって作動されるポンプチャンバ、及び、ポンプチャンバとノズル構造とを接続するダクトを備える。一実施形態において、液滴ジェネレータは、アクチュエータに対してバイアスされたアクチュエータ支持体を備えるバイアス機構を用いてポンプチャンバと接触し、ポンプチャンバに対してバイアスされた、アクチュエータを備え、アクチュエータは、燃料がノズルから液滴として出力されるように燃料を分裂させるために、ポンプチャンバ内の燃料に作用するように動作可能であり、アクチュエータとポンプチャンバとの接触表面の間、及びアクチュエータとアクチュエータ支持体との接触表面の間に、加圧ガスが導入される。一実施形態において、ノズル構造は、加圧燃料と近真空との間の圧力差に耐えるように十分強力な材料からなる。一実施形態において、ノズル構造は、シリコン、シリコン化合物、タングステン、モリブデン、レニウム、ダイヤモンド、Al
2O
3、又はチタンのうちの1つからなる。一実施形態において、アクチュエータの作動によって、アクチュエータとポンプチャンバ及びアクチュエータ支持体との結合を向上させるために、接触表面間の加圧ガスが超臨界になる。一実施形態において、アクチュエータとポンプチャンバとは、ポンプチャンバの壁部を形成するメンブレンによって分離され、壁部は、アクチュエータと接触するポンプチャンバの接触表面を備える。一実施形態において、アクチュエータ支持体は、その周辺構造よりも熱膨張係数が大きい材料からなるため、周囲温度では周辺構造内で移動可能であるが、液滴ジェネレータの動作温度では周辺構造に対して膨張することになり、それによって動作温度で周辺構造に対してアクチュエータ支持体をクランプする。一実施形態において、アクチュエータ支持体は、第1の部分及び第2の部分からなり、第1の部分及び第2の部分は、アクチュエータ支持体とアクチュエータとの接触表面との平行アライメントを可能にするために第1の部分と第2の部分との間の回転運動を可能にする、関節接合によって分離される。一実施形態において、アクチュエータ支持体は導電性であり、アクチュエータの第1の側面上にアクチュエータ用の電気回路の一部を形成する。一実施形態において、周辺構造は、アクチュエータの第2の側面上にアクチュエータ用の電気回路の一部を形成する。一実施形態において、ポンプチャンバは音響フィルタを介して燃料供給に接続される。一実施形態において、音響フィルタは、燃料供給とポンプチャンバとの間の燃料流経路内に制限部を備える。一実施形態において、ポンプチャンバはヘルムホルツ共振器として構成される。一実施形態において、ポンプチャンバとノズルの出力オリフィスとの間の長さは、所望の液滴周波数について最適化される。一実施形態において、アクチュエータはピエゾアクチュエータである。一実施形態において、液滴ジェネレータは燃料を供給するための燃料リザーバを更に備える。
【0104】
[00115] 一実施形態において、リソグラフィシステムのための液滴ジェネレータが提供され、液滴ジェネレータは、燃料を液滴の形でノズルから放出するように動作可能であり、アクチュエータに対してバイアスされたアクチュエータ支持体を備えるバイアス機構を用いてポンプチャンバと接触し、ポンプチャンバに対してバイアスされた、アクチュエータを備え、アクチュエータは、燃料がノズルから液滴として出力されるように燃料を分裂させるために、ポンプチャンバ内の燃料に作用するように動作可能であり、アクチュエータ支持体は、その周辺構造よりも熱膨張係数が大きい材料からなるため、周囲温度では周辺構造内で移動可能であるが、液滴ジェネレータの動作温度では周辺構造に対して膨張することになり、動作温度で周辺構造に対してアクチュエータ支持体をクランプする。
【0105】
[00116] 一実施形態において、アクチュエータ及びポンプチャンバはポンプチャンバの壁部を形成するメンブレンによって分離され、壁部は、アクチュエータと接触するポンプチャンバの接触表面を備える。一実施形態において、アクチュエータ支持体は、第1の部分及び第2の部分からなり、第1の部分及び第2の部分は、第1の部分と第2の部分との間の回転運動を可能にする、関節接合によって分離され、それによって、アクチュエータ支持体とアクチュエータとの接触表面との平行アライメントが可能になる。一実施形態において、アクチュエータ支持体は導電性であり、アクチュエータの第1の側面上にアクチュエータ用の電気回路の一部を形成する。一実施形態において、周辺構造は、アクチュエータの第2の側面上にアクチュエータ用の電気回路の一部を形成する。
【0106】
[00117] 一実施形態において、リソグラフィシステムのための液滴ジェネレータが提供され、液滴ジェネレータは、燃料を液滴の形でノズルから放出するように動作可能であり、アクチュエータに対してバイアスされたアクチュエータ支持体を備えるバイアス機構を用いてポンプチャンバと接触し、ポンプチャンバに対してバイアスされた、アクチュエータを備え、アクチュエータは、燃料がノズルから液滴として出力されるように燃料を分裂させるために、ポンプチャンバ内の燃料に作用するように動作可能であり、アクチュエータ支持体は、第1の部分及び第2の部分からなり、第1の部分及び第2の部分は、アクチュエータ支持体とアクチュエータとの接触表面との平行アライメントを可能にするために第1の部分と第2の部分との間の回転運動を可能にする、関節接合によって分離される。
【0107】
[00118] 一実施形態において、リソグラフィシステムのための液滴ジェネレータが提供され、液滴ジェネレータは、燃料を液滴の形でノズルから放出するように動作可能であり、アクチュエータに対してバイアスされたアクチュエータ支持体を備えるバイアス機構を用いてポンプチャンバと接触し、ポンプチャンバに対してバイアスされた、アクチュエータを備え、アクチュエータは、燃料がノズルから液滴として出力されるように燃料を分裂させるために、ポンプチャンバ内の燃料に作用するように動作可能であり、ノズルは、ノズルから燃料を排出する方向に拡散又は収束する。
【0108】
[00119] 一実施形態において、ノズルは、ノズルから燃料を排出する方向に拡散する。一実施形態において、ノズルの開口角度は40°より小さいか又はそれに等しい。一実施形態において、ノズルの入口オリフィスは、1〜10ミクロンの範囲内から選択される断面幅を有する。一実施形態において、入口オリフィスのエッジは、100nmより小さいか又はそれに等しいエッジ半径を有する。一実施形態において、ノズルの入口オリフィスを有する表面は、20nmより小さいか又はそれに等しいラフネスRaを有する。
【0109】
[00120] 一実施形態において、液滴ジェネレータのためのノズルプレートを製造する方法が提供され、方法は、ノズルプレートのノズルを少なくとも部分的に形成するために材料のプレートを介してオリフィスを製造するために、レーザアブレーションを使用することを含む。
【0110】
[00121] 一実施形態において、方法は、レーザアブレーションを使用して製造されたオリフィスを少なくとも部分的に膨張させるために、集束イオンビームミリングを使用することを更に含む。一実施形態において、方法は、レーザアブレーションによってオリフィスが製造されたメンブレンを残しておくために、材料のプレート内にインレットを作成することを更に含む。
【0111】
[00122] 一実施形態において、液滴ジェネレータのためのノズルプレートを製造する方法が提供され、方法は、ノズルプレートのノズルを形成するために材料のプレートを介してオリフィスを製造するために、ハードマスクを用いて誘導結合プラズマエッチングを使用することを含む。
【0112】
[00123] 一実施形態において、ノズルのオリフィスは1〜10ミクロンの範囲内から選択される断面幅を有する。一実施形態において、プレートの材料は、モリブデン、タングステン、チタン、レニウム、ダイヤモンド、シリコン、炭化シリコン、窒化シリコン、タンタル、及び/又はAl
2O
3から選択される1つ以上を含む。一実施形態において、プレートの材料はタングステンを含む。一実施形態において、プレートの材料はダイヤモンドを含む。
【0113】
[00124] 一実施形態において、リソグラフィシステムのための液滴ジェネレータが提供され、燃料を液滴の形でノズルから放出するように動作可能であり、アクチュエータとポンプチャンバとの間のメンブレンを変形させるためにアクチュエータを変位させるように構成された複数のくさびを備えるバイアス機構を用いて、ポンプチャンバと接触し、ポンプチャンバに対してバイアスされた、アクチュエータを備え、複数のくさびのうちの少なくとも1つのくさびは、複数のくさびのうちの別のくさびに対してスライドするように変位可能であり、アクチュエータは、燃料がノズルから液滴として出力されるように燃料を分裂させるために、ポンプチャンバ内の燃料に対して作用するように動作可能である。
【0114】
[00125] 一実施形態において、本明細書で説明する液滴ジェネレータは、リソグラフィシステム内のEUV放射源内で使用するために動作可能である。
【0115】
[00126] 一実施形態において、プラズマ発生ロケーションに向けて燃料の液滴を発生させるように構成された、いずれかの前記請求項で請求されるような液滴ジェネレータと、使用中、放射発生プラズマを発生させるために、プラズマ形成ロケーションで液滴に向けてレーザ放射を誘導するように構成されたレーザと、を備える、EUV放射源が提供される。
【0116】
[00127] 一実施形態において、EUV放射のビームを発生させるように構成された本明細書で提供されるようなEUV放射源を備える、リソグラフィ装置が提供される。一実施形態において、リソグラフィ装置は、放射ビームを調節するように構成された照明システムと、パターニングデバイスを支持するように構築された支持体であって、パターニングデバイスは、パターン付き放射ビームを形成するためにその断面内のパターンを放射ビームに付与するように構成される、支持体と、基板を保持するように構築された基板テーブルと、パターン付き放射ビームを基板のターゲット部分に投影するように構成された投影システムと、を更に備える。
【0117】
[00128] 本文ではICの製造におけるリソグラフィ装置の使用に特に言及しているが、本明細書で説明するリソグラフィ装置には他の用途もあることを理解されたい。例えば、これは、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用ガイダンス及び検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッドなどの製造である。こうした代替的な用途に照らして、本明細書で「ウェーハ」又は「ダイ」という用語を使用している場合、それぞれ、「基板」又は「ターゲット部分」という、より一般的な用語と同義と見なしてよいことが、当業者には認識される。本明細書に述べている基板は、露光前又は露光後に、例えばトラック(通常はレジストの層を基板に塗布し、露光したレジストを現像するツール)、メトロロジーツール及び/又はインスペクションツールで処理することができる。適宜、本明細書の開示は、以上及びその他の基板プロセスツールに適用することができる。更に基板は、例えば多層ICを生成するために、複数回処理することができ、したがって本明細書で使用する基板という用語は、既に複数の処理済み層を含む基板も指すことができる。
【0118】
[00129] 「レンズ」という用語は、状況が許せば、屈折、反射、磁気、電磁気及び静電気光学コンポーネントを含む様々なタイプの光学コンポーネントのいずれか一つ、又はその組み合わせを指すことができる。
【0119】
[00130] 以上、本発明の特定の実施形態について説明したが、本発明は、説明したものとは別の方法で実施することができることが理解されよう。例えば、異なる特徴又は実施形態は、本明細書に記載される他の特徴又は実施形態と組み合わせることができる。上記の説明は例示的なものであり、限定するものではない。したがって、以下に示す特許請求の範囲から逸脱することなく、記載された本発明に対して変更を加えることができることは、当業者には明らかであろう。