(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1基本波レーザは、前記第1基本波周波数が、約1070nm、約1064nm、約1053nm、約1047nm及び約1030nmのうちの1つに等しいそれに対応する波長を有するように構成されている、請求項1に記載のレーザアセンブリ。
前記第1基本波レーザは、イッテルビウム(Yb)ドープファイバレーザ又はファイバ増幅器、ネオジム(Nd)ドープ固体レーザ及びNdドープファイバレーザ又はファイバ増幅器のうちの1つを備える、請求項1に記載のレーザアセンブリ。
前記第1基本波レーザは、前記第1基本波周波数が、約1064nm及び約1070nmのうちの1つに等しいそれに対応する波長を有するように構成され、前記第2周波数は、約1260nmから約1420nmまでの範囲内のそれに対応する波長を有する、請求項1に記載のレーザアセンブリ。
前記第1基本波レーザは、前記第1基本波周波数が約1047nm及び約1053nmのそれに対応する波長を有するように構成され、前記第2周波数は、約1290nmから約1590nmまでの範囲内のそれに対応する波長を有する、請求項1に記載のレーザアセンブリ。
前記第1基本波レーザは、前記第1基本波周波数が約1030nmのそれに対応する波長を有するように構成され、前記第2周波数は、約1490nmから約1820nmまでの範囲内のそれに対応する波長を有する、請求項1に記載のレーザアセンブリ。
前記第1基本波光を発生させることは、約1070nm、約1064nm、約1053nm、約1047nm及び約1030nmのうちの1つに等しい波長を有するレーザ光を発生させることを備える、請求項18に記載の方法。
前記第1基本波光を発生させることは、イッテルビウム(Yb)ドープファイバレーザ又はファイバ増幅器、ネオジム(Nd)ドープ固体レーザ及びNdドープファイバレーザ又はファイバ増幅器のうちの1つを利用することを備える、請求項18に記載の方法。
前記第1基本波光の第1部分を前記第4高調波光に変換することは、前記第1基本波光の第1部分を2個の周波数2逓倍共振器を通過させることを備える、請求項18に記載の方法。
前記第5高調波光を発生させることは、前記第4高調波光と前記第1基本波光の第2部分とを共線的に前記第1非線形結晶を透過させることを備える、請求項18に記載の方法。
Ybドープファイバレーザ、Ndドープ固体レーザ、ファイバレーザ又はファイバ増幅器、及びエルビウム(Er)ドープ固体レーザ、ファイバレーザ又はファイバ増幅器のうちの1つを利用して前記第2CW光を発生させることを更に備える、請求項18に記載の方法。
前記第5高調波光を前記第2CW光と混合することは、前記循環させられる第2CW光をNdドープ利得媒体及びエルビウム(Er)ドープ利得媒体のうちの1つを通して導くことを備える、請求項18に記載の方法。
前記第5高調波光を前記第2CW光と混合することは、前記循環させられる第2CW光を光学ダイオード及びエタロンのうちの少なくとも1つを通して導くことを備える、請求項18に記載の方法。
前記第5高調波光と前記第2CW光とを混合することは、前記第5高調波光と前記第2CW光とを共線的に前記第2非線形結晶を透過させることを備える、請求項18に記載の方法。
前記方法は、前記第1非線形結晶を約80℃以下の一定温度で保持することと、前記第2非線形結晶を約30℃以下の一定温度で保持することと、を更に備える、請求項18に記載の方法。
前記第1基本波周波数は、約1064nm又は約1070nmのそれに対応する波長を有し、前記第2周波数は、約1260nmから約1420nmまでの範囲内のそれに対応する波長を有する、請求項18に記載の方法。
前記第1基本波周波数は、約1047nm又は約1053nmのそれに対応する波長を有し、前記第2周波数は、約1290nmから約1590nmまでの範囲内のそれに対応する波長を有する、請求項18に記載の方法。
前記第1基本波周波数は、約1030nmのそれに対応する波長を有し、前記第2周波数は、約1490nmから約1820nmまでの範囲内のそれに対応する波長を有する、請求項18に記載の方法。
【背景技術】
【0002】
優先権出願
本出願は、2017年1月3日にChuangらによって出願された、名称が「183 nm CW Laser and Inspection System」である米国仮特許出願第62/441,875号の優先権を主張する。
【0003】
半導体デバイスの寸法が縮小するにつれて、デバイスに故障を生じさせることがある最大粒子又はパターン欠陥のサイズも縮小する。そのため、パターン付き及びパターン無し半導体ウェハ及びレチクルにあるより小さい粒子及び欠陥を検出する必要性が生じる。光の波長よりも小さい粒子によって散乱させられる光の強度は、通常、その粒子の寸法の大きいべき乗のようなスケールを有する(例えば、孤立した小さい球状粒子からの光の全体散乱強度のスケールは、球の直径の6乗に比例し、波長の4乗に反比例する)。散乱光の輝度が増加するため、より短い波長は、概して、小さい粒子及び欠陥を検出することに対して、より長い波長よりも良好な感度を提供することになる。
【0004】
小さい粒子及び欠陥から散乱させられた光の強度が、通常、非常に低いので、非常に短い時間に検出され得る信号を発生させるためには、高い照明強度が要求される。0.3W以上の平均光源パワーレベルが必要とされることがある。これらの高い平均パワーレベルにおいて、高いパルス繰返し率が望ましく、その理由は、繰返し率が高い程、パルス毎のエネルギがより低く、それゆえに、検査されているシステム光学部品又は物品への損傷のリスクがより低いからである。検査及び計測に必要な照明は、概して、連続波(CW)光源が最も適している。CW光源は、一定のパワーレベルを有するため、ピークパワー損傷問題を回避し、また、画像又はデータが連続的に取得されることを可能にする。
【0005】
そのため、深紫外線(DUV)範囲内の、具体的には193nmよりも短い放射を発生させ、フォトマスク、レチクル及び/又はウェハの検査での使用に適しているCWレーザに対するニーズが生じている。しかし、対象の多くの波長、特に紫外線(UV)波長において、十分な放射輝度(単位立体角当たりの単位面積当たりのパワー)のCW光源が、利用可能でないか、高価であるか、又は信頼性が低い。より高いパワーレベルにおける近183nmでのCW出力を可能にするビーム源が実際に製造され得るならば、それは、より正確で高速の検査/計測を可能にし、最先端の半導体製造に寄与することが可能であろう。
【0006】
深UV(DUV)光を発生させるためのパルスレーザが、当該技術分野で公知である。193nmでの光を発生させるための先行技術のエキシマレーザが、周知である。残念なことに、そのようなレーザは、検査用途に適しておらず、その理由は、それらのレーザパルス繰返し率が低く、それらのレーザ媒体内での中毒性及び腐食性ガスを使用し、それで、高い所有経費をもたらすからである。193nm出力近傍の光を発生させるための少数の固体及びファイバベースのレーザも、また当該技術分野で公知である。例示的なレーザは、2個の異なる基本波波長(例えば、Leiらによる特許文献1)又は基本波の第8高調波(例えば、Tokuhisaらによる特許文献2)を用い、それらのいずれもが、高価であるか又は大量生産的でないレーザ又は材料を必要とする。別の手法(Meadらへの特許文献3)は、半導体検査用途に必要とされるような安定した出力及び高パワーを有する商品をもたらさなかった(約0.3W以上が、修理点検イベント同士の間に3ヵ月以上連続的に動作できるレーザに典型的に必要とされる)。更に、これらのレーザの大部分は、非常に低いパワー出力しか有さず、数MHz以下のレーザパルス繰返し率に限られている。最近、Chuangらは、183nmモードロックレーザ及び関係する検査システムについて、特許(特許文献4)を出願した。
【0007】
しかし、200nm未満の波長を有するCWレーザは、十分なパワーレベルで市販されていないか、またはそれほど信頼性が高くない。Sakumaによる特許文献5に記載されているような例示的なレーザは、異なる波長の3個の基本波レーザを備える複合装置によって約100mWでの193nmCW放射を発生させてもよいけれども、安定性は実際には未知である。約183nmまでの波長範囲内にあるCW光を発生させるための先行技術は、いまのところ存在していない。
【0008】
現在利用可能な深UV(DUV)、すなわち300nmより短い波長のCWレーザは、赤外(IR)基本波レーザの第4高調波を発生させることによって作動する。2個の周波数変換ステージが必要とされる。第1ステージは、第2高調波を発生させ、第2ステージは、第4高調波を発生させる。それぞれの周波数2逓倍ステージは、非線形光学(NLO)結晶を使用する。周波数2逓倍プロセスは、電界強度の二乗に依存する。結晶内部のパワー密度が低いならば、変換プロセスは、非常に非効率である。数ワット又は数十ワットのパワーの赤外レーザは、非線形結晶中に集中させられると、低いパワー密度のために、ごくわずかの第2高調波しか生成しない。このことは、同様の平均パワーレベルのパルスレーザとは対照的であり、当該パルスレーザは、ピークパワー密度が平均パワー密度よりも多数倍だけより大きいので、相当量の第2高調波を生成してもよい(最良の場合、入力の概略50%が第2高調波に変換される場合がある)。
【0009】
DUVCWレーザは、共振共振器を用いることにより、NLO結晶のパワー密度を増加させて、変換効率を改善する。第2高調波に変換されることなく結晶を通って通過する光の大部分は、共振共振器内で再循環させられることにより、パワー密度を高める。第2高調波は、共振器から外に進行することが許容される。最終的に、パワー密度は、第2高調波として共振器を離れるパワーと共振器内での損失との和が、入力パワーに等しいレベルまで高まる。深UV波長を発生させるために、これらの共振器のうちの2個は、直列に接続されなければならない。第1共振器は、IR基本波を再循環させることによって第2高調波(可視波長、典型的には532nm等の緑色波長)を発生させ、第2共振器は、第2高調波を再循環させることによって第4高調波(266nm等の深UV波長)を発生させる。
【0010】
図1は、2個の共振器を含む先行技術の深UVCWレーザの主要構成要素を示す。この図において、第2高調波を発生させる共振器は、ミラー110、111、112及び113、並びにNLO結晶115を備える。第4高調波を発生させる共振器は、ミラー130、131、132及び133、並びにNLO結晶135を備える。この図は、また、先行技術のデバイスの別の重要な側面を示す。共振共振器は、アクティブ制御される必要がある。第1共振器のための制御装置は、周波数f1での信号を発生させる発振器104と、変調器103と、フォトダイオード105と、アクチュエータ制御信号107を発生させてミラー111の位置を制御する同期検出器106と、を備える。第2共振器のための制御装置は、周波数f2での信号を発生させる発振器124と、変調器123と、フォトダイオード125と、アクチュエータ制御信号127を発生させてミラー131の位置を制御する同期検出器126と、を備える。
【0011】
(波長が1064nmの)IR光は、ミラー110を通って第1共振器に入り、ミラー111及び112から反射した後に、NLO結晶115に入る。結晶115に入るIR光の一部分は、532nmの波長の第2高調波に変換される。532nm光は、ミラー113を通過し、第2の共振する共振器まで導かれる。結晶115を通過するIR光の大部分は、変換されることなく結晶から出て、ミラー113から反射し、当該ミラーは、532nm光を透過させる一方で、1064nm光を反射するように被覆されている。ミラー113から反射された光は、入力ミラー110の後方に到達する。ミラー110上の被覆は、ミラー113からの光線の入射角で到着するIRに対して高反射性であり、一方、基本波レーザ101から到着する入来IR放射に対して高透過性であるように設計されている。共振器内の高いパワー密度を作成するために、共振器の周りを循環したIR放射が、入来放射と同位相でミラー110に到着することが重要である。このことは、図に示すようにサーボ制御装置によって達成され、当該制御装置は、圧電変換器又はボイスコイルによってミラー111を機械的に動かして、正しい共振器長を維持する。フォトダイオード105は、共振器内で循環する光のごく一部を監視して信号をサーボ制御装置に提供する。入力レーザビームは、周波数f1の変調器103によって変調されることにより、サーボ制御装置によって用いられる時変信号を提供して、共振器が調整される必要があるか否か、及び共振器がどの方向に調整されるべきかを決定する。
【0012】
上記のレーザ共振器サーボ制御ループは、Pound−Drever−Hall又はPDH制御として一般に用いられ知られている。それの理論は、Dreverらによる非特許文献1に記載されている。いくつかの追加の詳細が、Black(1998)による特許文献6及び非特許文献2に見ることができる。
【0013】
いくつかのレーザサーボ制御ループにおいて一般に用いられる別のロック方式は、Hansch−Couillaud(HC)技術と呼ばれる。このロック方式において、共振器に入る前のビームに対して変調が必要ではないけれども、それは、偏光を感知できる共振器に対してのみ作動する。それは、反射又は透過されたビーム全体の偏光変化を検出することにより、共振器が共振しているか否かを決定する。詳細は、Hansch及びCouillaudによる非特許文献3に見ることができる。
【0014】
第2共振器は、入力波長が532nmであり、出力波長が266nmであることを除いて、実質的に第1共振器に類似した態様で動作する。第2共振器構成要素の被覆及び材料は、それらの波長に対して適切に選ばれる。
図1に示すように、第2変調器123は、第2共振器に入る前に、周波数f2の光を変調させる。フォトダイオード125は、循環する光のごく一部を検出する。125からの信号が用いられて、制御信号127を発生させ、当該制御信号は、ミラー131の位置を制御して、共振器の正しい長さを維持する。
【0015】
いくつかの先行技術のデバイス(図示せず)において、第2変調器123が省略され、両方のサーボループが、同一の変調周波数で動作する。いくつかの先行技術のデバイス(図示せず)においては、どちらの変調器も存在しない。その代わりに、IRレーザ101が、レーザを動作させることによって変調された出力を発生させて、2個のモードが発生させられ、それらの2個のモードは、波長分離及び相対振幅を有するように選ばれていることにより、適切に変調させられた出力が、2個のモードのビーティングによって発生させられる。
【0016】
いくつかの先行技術のデバイスにおいて、共振器は、4個の代わりに、2個又は3個のミラーから構成されてもよい。
【0017】
いくつかの先行技術のデバイスにおいて、DUV出力波長は、NLO結晶135と共振器ミラー133との間に置かれたビームスプリッタ(図示せず)によって再循環する可視光から分離されてもよい。
【0018】
検査及び計測のための照明ニーズは、通常、連続波(CW)光源によって最もよく満足させられる。CW光源は、一定のパワーレベルを有し、それにより画像又はデータが連続的に取得されるのを可能にする。
【0019】
パルス光源は、CW光源の時間平均パワーレベルよりもずっと高い瞬間ピークパワーレベルを有する。レーザパルスの非常に高いピークパワーが、光学部品に及び測定されている試料又はウェハに損傷をもたらすのは、大部分の損傷機構が、非線形であり、平均パワーよりもむしろピークパワーにより強く依存するからである。パルス繰返し率が高い程、同一の時間平均パワーレベルに対するパルス毎の瞬間ピークパワーがより低くなる。それで、場合によっては、追加のパルス増倍管が用いられて、より多くのシステムの複雑さを追加する繰返し率を増加させることがある。
【0020】
加えて、モードロックレーザは、典型的には、CWレーザと比較して比較的広い帯域幅を有する。それで、収差を最小化し、感度を増大させるために、検査/計量ツールにおける照明光学システム設計がより複雑化され、それにより、また、システムコストを有意により高くする。
【0021】
赤外(IR)基本波レーザの第4高調波を発生させる先行技術のDUVCWレーザは、230nm未満の波長を生成できなかった。対象の多くのより短い波長、特に200nm未満の範囲内の紫外(UV)波長において、十分な放射輝度(単位立体角当たりの単位面積当たりのパワー)のCW光源は、利用可能ではないか、高価であるか、又は信頼性が低い。約183nmまでの波長範囲内のCW光を発生させるためのいかなる先行技術もなかった。
【0022】
そのため、約181nmから約185nmまでの範囲内の出力波長を有するCWレーザ光を発生させることができ、そして上記の問題及び短所のうちのいくつか又は全てを回避する検査システム及び関連するレーザシステムを提供することに対するニーズが生じている。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明は、半導体検査システムのためのセンサについての改善に関する。以下の説明は、当業者の一人が特定の用途及びそれの要件に関連して提供されるように本発明を製作して使用することを可能にするように示されている。本明細書で使用されるとき、「最上部」、「左側」、「右側」、「水平方向」及び「下向き」等の方向用語は、説明のために相対位置を提供することを意図しており、絶対座標系を示すことを意図していない。記載された実施形態への様々な修正は、当業者には明らかであろうし、本明細書で規定される一般原理は、別の実施形態に適用可能である場合がある。そのため、本発明は、示され説明された特定の実施形態に限定されることが意図されないけれども、本明細書で開示された原理及び新規特徴と整合する最も広い範囲が権利付与されるべきである。
【0033】
図2A及び2Bは、本発明の例示的実施形態に従う例示的なCWレーザアセンブリを示す簡略ブロック図であり、当該アセンブリは、約181nmから約185nmまでの範囲にある(例えば、約183nmの)波長を有する。レーザアセンブリ200Aと200Bは、最後の周波数混合モジュールの設計が異なるけれども、それらは、実質的に同一のコア光学部品のセット、すなわち第1基本波レーザ201、第4高調波発生モジュール240、第5高調波発生モジュール250及び周波数混合モジュールを利用し、当該セットは、約181nmから約185nmまでの範囲内の波長を有するレーザ出力光を発生させるように配列され構成されている。留意すべきは、
図2A及び2Bのそれぞれにおける同一のコア構成要素は、同一の参照番号によって識別されることにより、これらのコア構成要素が、2つの例示的実施形態のそれぞれにおいて、同一又は類似の態様で構成され機能することを示すことである。具体的には、それぞれの実施形態では、第1基本波レーザ201は、基本波光211を発生させるように構成されており、当該基本波光は、約1000nmから約1100nmまで(すなわち、約1μmと1.1μmとの間)の範囲内の第1基本波波長及び対応する第1基本波周波数ω
1を有する。第4高調波発生モジュール240は、2個の周波数2逓倍共振器を備えており、第1周波数2逓倍共振器220が、第1基本波光211の少なくとも一部分212を受け取って、第1基本波周波数ω
1の2倍に等しい第2高調波周波数2ω
1を有する第2高調波光221を発生させ、そして、第2周波数2逓倍共振器230が、第2高調波光221を受け取って、第1基本波周波数ω
1の4倍に等しい第4高調波周波数4ω
1を有する第4高調波光241を発生させる。第5高調波発生モジュール250が、第1基本波光211の第2部分213及び第4高調波光214を受け取り、そして、
図3に関連して以下で述べるもの等の共振する共振器内で周波数混合を実装し、第1基本波光211だけが、循環してパワーを強化することにより、第1基本波周波数ω
1の5倍に等しい第5高調波周波数5ω
1で第5高調波光251を発生させる。レーザアセンブリ200A及び200B内のそれぞれの周波数混合モジュールは、第5高調波光251を受け取るように光学結合され、そして、第5高調波光を、周波数ω
2を有する第2基本波光と混合することによって、周波数5ω
1+ω
2を有するレーザ出力光を発生させるように構成されている。しかし、
図2Aのレーザアセンブリ200Aの特徴は、第2基本波レーザ202が、周波数混合モジュール内に形成された第2外部共振共振器260Aに光学結合される第2基本波光231を発生させるように構成され、当該周波数混合モジュールは、例えば、
図5Aに関連して以下で述べるように、第2基本波光ω
2のパワーが、強化され、そして第5高調波5ω
1と混合されるように構成されていることである。対照的に、
図2Bのレーザアセンブリ200Bでは、第5高調波光251と第2基本波光との周波数混合が、レーザ共振器内部で生じ、そこで、第2基本波光が利得媒体を介して発生させられ、同時にポンプレーザ204からのビーム234によってポンピングされる。上記のコア構成要素のそれぞれの機能上の配列及び動作は、レーザアセンブリ200A(
図2A)及び200B(
図2B)の詳細な説明に関連して以下でさらに詳細に説明される。
【0034】
図2A及び2Bを参照すると、上記のコア構成要素に加えて、レーザアセンブリ200A及び200Bは、第1基本波レーザ211と、第4高調波発生モジュール240及び第5高調波発生モジュール250の両方との間に光学結合されているビームスプリッタ210を利用する。具体的には、第1基本波レーザ201は、ビームスプリッタ210上に導かれる第1基本波光211を発生させ、当該ビームスプリッタは、基本波光211を2個の部分、すなわち、第1(例えば、水平)方向に第4高調波発生モジュール220まで導かれる第1部分212と、第2(例えば、下向き)方向に第5調波発生器250まで導かれる第2部分213と、に分割するように機能する。第5高調波発生モジュール250は、基本波光部分213と第4高調波光とを混合して、第5高調波光251を発生させ、次いで、それを周波数混合モジュール260A(
図2A)又は260B(
図2B)まで伝送する。
【0035】
図2A及び2Bを参照すると、第1基本CWレーザ201は、公知技術を用いて、基本波周波数ω
1で(産業において単に「基本波」と呼ばれる)第1基本CW光211を発生させるように構成されている。一実施形態では、第1基本波レーザ201は、第1基本波光211が約1064nm又は1070nmの赤外波長に対応する第1基本波周波数ω
1で発生させられるように構成されている。例示的実施形態では、第1基本波レーザ201は、Nd:YAG(ネオジムドープイットリウムアルミニウムガーネット)レーザ媒体、Ndドープイットリウムオルトバナジウム酸塩(Nd:YVO4)レーザ媒体のうちの1つを用いて、又はイッテルビウムドープファイバレーザによって実装される。好適な基本CWレーザは、Coherent社、IPG Photonics及び別のメーカーから商業的に入手可能である。そのような基本波レーザについてのレーザパワーレベルは、ミリワットから数十ワット以上までの範囲に及んでもよい。代替の例示的実施形態では、第1基本波レーザ201は、1053nm又は1047nm近傍の基本波波長で基本波レーザ光を発生させるNd:YLF(ネオジムドープイットリウムフッ化リチウム)レーザ媒体を用いるレーザによって実装される。更に別の例示的実施形態では、基本波レーザ201は、Yb:YAG(イッテルビウムドープイットリウムアルミニウムガーネット)レーザ媒体を用いて、又は1030nm近傍の基本波波長の基本波レーザ光を発生させるイッテルビウムドープファイバレーザによって実装されてもよい。
【0036】
図2A及び2Bの例示的実施形態に従って、第4高調波発生モジュール240は、直列の2個の周波数2逓倍モジュール220及び230を有するように構成されており、そして、周波数2逓倍モジュールのそれぞれは、少なくとも3個の光学ミラーと、その中に配列された非線形結晶と、をそれぞれ含む外部共振共振器を備える。先行技術のCWレーザの場合のように、共振器は、標準のPDH又はHCロック技術によって安定させられてもよい。共振器長は、制御信号によってミラー又はプリズムの位置を調整することによって共振を維持するように調整される。第1周波数2逓倍モジュール220が、基本波周波数ω
1の基本波部分212を受け取って変換することにより、第1基本波周波数(2ω
1)の2倍の第2高調波光221を発生させる。第2周波数2逓倍モジュール230が、第2高調波光221を受け取って変換することにより、第1基本波周波数(4ω
1)の4倍の第4高調波光241を発生させる。
【0037】
いくつかの別の実施形態(図示せず)では、第1周波数2逓倍モジュールは、基本波レーザと結合されて、基本固体状態レーザ共振器内部に置かれたNLO結晶による内部共振器周波数2逓倍を有してもよく、そして別の外部共振共振器が、更に周波数を2倍にして第4高調波光を発生させるように構成され、その場合には、別の基本波レーザが用いられて、第1基本波周波数ω
1を有する第1基本波光部分213を発生させ、そして、それを第5高調波発生モジュール250に光学結合してもよい。
【0038】
好ましい実施形態では、第2高調波光221を発生させる、
図2A及び2Bの第1周波数2逓倍モジュール220は、三ホウ酸リチウム(LBO)結晶を含んでもよく、当該結晶は、約515nmと約535nmとの間の波長範囲内の波長の第2高調波を生成するために、室温と約200℃との間の温度で(結晶面の適切な選択のために)実質的にノンクリティカル位相整合されてもよい。いくつかの実施形態では、第1周波数2逓倍モジュール220は、セシウムホウ酸リチウム(CLBO)結晶又はβホウ酸バリウム(BBO)結晶を含んでもよく、そのうちのいずれかは、約515nmと約535nmとの間の波長範囲内の第2高調波を発生させるようにクリティカル位相整合されてもよい。いくつかの別の実施形態では、第1周波数2逓倍モジュール202は、KTiOPO
4(KTP)、周期分極反転ニオブ酸リチウム(PPLN)結晶、又は周波数変換のための別の非線形結晶を含んでもよい。第4高調波を発生させる第2周波数2逓倍モジュール230は、CLBO、BBO又は別の非線形結晶におけるクリティカル位相整合を用いてもよい。好ましい実施形態では、第2周波数2逓倍モジュール230は、水素処理又は重水素処理CLBO結晶を備える。
【0039】
CW基本波IRレーザの第4高調波が、高パワー、低ノイズ及び高安定性を伴って発生させられてもよい方法についての更なる詳細が、Chuangによる米国特許第9,293,882号に見ることができる。この特許は、参照によって本明細書に組み込まれる。いくつかの代替実施形態が、CW基本波IRレーザの第4又は第5高調波に対応する周波数を有するDUV CWレーザを発生させるように実装されてもよい。より少ない共振共振器又はより安定した共振器によってCW基本波IRレーザのより安定した第4又は第5高調波を発生させる方法についての更なる詳細が、Chuangらによる、2014年6月2日に出願された米国特許出願公開第20140362880号(代理人整理番号KLA−059 P4218)に見ることができる。この特許出願も、また参照によって本明細書に組み込まれる。
【0040】
図3は、本発明の実施形態に従う、
図2A及び2Bの183nmレーザアセンブリ内で利用される例示的な第5高調波発生モジュール250を示す簡略線図である。第1基本波(ω
1)部分213が、入力カプラ303を通って、平坦ミラー303、304、湾曲ミラー305、306及び(入力平面321及び反対側の出力平面322を含む)NLO結晶309を備えるボウタイリング共振器に入り、そして、パワーを強化するために再循環させられる。
図3に示すような好ましい実施形態では、結晶309の入力平面321及び出力平面322の両方は、カットされており、第1基本波光313の偏波に対してブルースターの角度で、すなわち
図3の共振器平面上の矢印329によって示される方向にほぼあるように配置されている。第5高調波発生が、好ましくは、CLBO又はBBO等の非線形光学結晶を用いるタイプ1の周波数混合によって行われるので、第4高調波光の偏波は、第1基本波光の偏波にほぼ平行であり、それで、結晶309の入力及び出力面は、典型的には、また、第4高調波光241のブルースターの角度近傍にある。この角度は、第1基本波光及び第4高調波光の両方の反射を最小化し、したがって、いくつかの実施形態では、NLO結晶309の入力平面321及び出力平面322の両方での反射防止被覆に対する必要性を解消するのを容易にする。結晶面を被覆しないことの長所は、強力なUV照射に露出される場合に、被覆が短い寿命を有することがあることである。NLO結晶309は、入力平面321で、第4高調波光241(すなわち、第4高調波発生モジュール240からの)及び共振器内部を循環する基本波光313の両方を受け取るように設置され、それにより、第4高調波光241及び第1基本波光313の両方は、NLO結晶309にほぼ共線的に入る(例えば、結晶に入った後に、第4高調波光241及び基本波光313は、結晶表面323にほぼ平行な方向に進む)。これを達成するためには、入力第4高調波光214が、NLO結晶の色分散に基づいて、共振器内部で循環する第1基本波光313からわずかに偏った角度で入る必要がある。発生させられた第5高調波(5ω
1)光251及び未消滅第4高調波(4ω
1)光311も、また第1基本波光からわずかに偏った角度でブルースターカット結晶を通って出る。(
図3に示すような)好ましい実施形態では、第4高調波光241/311及び発生させられた第5高調波光251が、基本波313から十分遠くに分離されることにより、ミラー305が、入来第4高調波241のビーム経路内になく、ミラー306が、発生させられた第5高調波光251又は未消滅第4高調波光311のビーム経路内になく、そのため、ミラー305/306は、第1基本波波長での高い反射のためだけに被覆される。この実施形態では、DUV被覆が共振器内にはなく、それでDUV放射に暴露されたときの被覆損傷が問題にならない。
【0041】
図3によると、第1基本波光213は、共振器に入る前にレンズセット302によって集中させられて、NLO結晶309の内部又は近傍にビームウエストを有する共振共振器の固有モードに整合し、一方、第4高調波光241は、第1基本波ビーム313から小さい角度だけ(数度だけ等)偏った角度で、ミラー又はプリズム(図示せず)によって導かれ、そして、レンズ又はレンズセット308によって、NLO結晶309の内部又は近傍に配設された対応するビームウエストに集中させられる(ビームウエストは図示されず)。未消滅第1基本波(ω
1)光314は、309を通過し、ミラー306によって反射され、そして共振器内部で循環することにより強度を高める。強化された基本波(ω
1)パワー密度が十分に強い場合、第4高調波光(4ω
1)から第5高調波(5ω
1)までの変換効率が、非常に高く、最高50%まで、又はそれを超えさえする。この実施形態では、第5高調波周波数は、第1基本波周波数ω
1で共振する共振器だけを用いて発生させられる。
【0042】
代替実施形態では、第4高調波光241と第1基本波光313とが共線的に非線形結晶に入るときの両者の間の偏差角が、非常に小さいので、ミラー305は、入力第4高調波光241のビーム経路内にあり、同様に、ミラー306は、未消滅第4高調波光311及び発生させられた第5高調波光251のビーム経路内にある。別の実施形態では、第1基本波313及び第4高調波241は、実質的に垂直入射でNLO結晶309に入射してもよい(すなわち、第1基本波及び第4高調波は、互いに実質的に共線的に進んでいる)。NLO結晶309の入力平面は、適切な反射防止被覆によって被覆されてもよい。第1基本波及び第4高調波が、NLO結晶309に実質的に共線的に入るようないずれかの実施形態では、第5高調波光は、第1基本波(に対して非常に小さい退出角で)とほとんど共線的にNLO結晶309を出ることになる。そのような場合、湾曲ミラー305及び306は、第4及び/又は第5高調波が効率的に通過することを可能にし、同時に基本波を高効率で反射するダイクロイック被覆を有してもよい。代替として、ビームスプリッタ又はダイクロイックミラー(図示せず)が、NLO結晶309の上流及び/又は下流に挿入されて、必要に応じて、異なる高調波を結合し、分離し、及び導く。
【0043】
随意のビームスプリッタ又は波長分離器が、共振器の外部で利用されることにより、いずれかの未消滅第4高調波光311(そして、必要に応じて、共振器から外に漏れる第1基本波光314のうちのいずれか)を第5高調波光251から更に分離してもよい。ビームスプリッタ又は波長分離器は、プリズム、偏光ビームスプリッタ、ダイクロイックビームスプリッタ又は光学要素の結合を備えてもよい。
【0044】
好ましい実施形態では、NLO結晶309は、アニールされた(重水素処理又は水素処理)セシウムホウ酸リチウム(CLBO)結晶を備え、アニールされたCLBO結晶は、好適な加熱又は冷却システム330(例えば、電熱器又は熱電式加熱器若しくは冷却器)によって約80℃以下の一定温度で保持される。別の実施形態では、第5高調波発生モジュール250は、周波数和のために構成されたBBO又は別の非線形結晶を備えてもよい。
【0045】
代替実施形態では、第5高調波発生器は、ボウタイ共振器の代わりにデルタ共振器、定在波共振器又は別の形状の共振器を備えてもよい。定在波共振器が用いられる場合、第5高調波は、注入された第4高調波光と同じ方向に発生させられる。先行技術のCWレーザの場合のように、これらの共振器のうちの任意のものは、標準PDH又はHCロック技術によって安定させられてもよい。共振器長は、圧電変換器(PZT)、ボイスコイル又は別のアクチュエータに電気接続された制御信号(図示せず)によって、(
図3のミラー304等の)ミラーのうちの1つの位置又はプリズムの位置を調節することによって共振を維持するように調整される。
【0046】
図4は、本発明の代替実施形態に従って、
図2A及び2Bのレーザアセンブリによって発生させられて、その内部で混合されることにより、およそ181nmから185nmまでの範囲内(例えば、約183nm)の波長を有するレーザ出力光270を発生させる例示的な波長の表を表す。それぞれの第1基本波レーザタイプに対して、例示的な第1基本波波長が、高調波に対応する波長と共に示され、そして、例示的な第2基本波レーザタイプ(レーザ媒体)が、(表内に示される例の181nmと185nmとの間の)望ましい出力波長に対して必要な発生させられる第2波長とともに示されている。基本波レーザの正確な波長は、レーザ媒体の正確な組成、レーザ媒体の動作温度及び光学共振器の設計を含む多くの因子に依存する。所与のレーザ媒体の同一のレーザ線を用いる2個のレーザは、前記の及び別の因子に起因して1nm又は数nmの十分の幾つかだけ異なる波長で動作してもよい。当業者であれば、適切な第2基本波波長を選んで、表中にリストされた第1基本波波長に近い任意の第1基本波波長から所望の出力波長を発生させる方法を理解するであろう。同様に、所望の出力波長が、181nmから185nmまでの数nmだけ異なる場合、所望の出力波長は、また、第1又は第2基本波波長についての波長の適切な調整によって達成されてもよい。
【0047】
代替実施形態では、基本波レーザ201が、約1070nm、約1064nm、約1053nm、約1047nm及び約1030nmのうちの1つに等しい対応する波長を有する基本波周波数ωの基本波光211を発生させるように構成され、そして、第2基本波光が、第2周波数及び対応する波長を有するように構成され、当該第2基本波光が、第1基本波周波数の第5高調波(例えば、約1064nm又は約1070nmの基本波波長に対して約1260nmから1420nmまで)と混合されるとき、約183nmのレーザ出力光を発生させる。更なる例として、基本波波長が約1030nmであるとき、第2基本波光は、約1490nmから1820nmまでの波長を伴って発生させられ、そして、約1047nm又は約1053nm波長の基本波レーザに対しては、第2基本波光は、約1290nmと1590nmとの間の波長を伴って発生させられる。これらの第2基本波周波数のうちの少なくとも1つを発生させることができる基本波レーザは、典型的に、様々なパワーレベルにおいて正当な価格で容易に利用可能である。例えば、1319nmの波長を有するレーザ光を発生させるNd:YAGレーザ及び1342nmの波長を有するレーザ光を発生させるNd:バナジン酸塩レーザは、最高数十Wのパワーレベルで利用可能であり、1064nmの波長を有する第1基本波レーザの第5高調波と混合されるとき、183.2及び183.7nmでのレーザ出力が、それぞれ生成されることになる。同様に、約1645nmの波長を発生させるEr:YAG(エルビウムドープイットリウムアルミニウムガーネット)レーザが、1030nmの波長を有する第1基本波レーザの第5高調波と混合されるならば、183.1nmでのレーザ出力が生成される。別の例では、約1535nmの波長を発生させるエルビウム(Er)ドープファイバレーザが、1047nmの波長を有する第1基本波レーザの第5高調波と混合されるならば、184.3nmでのレーザ出力が生成される。外部共振共振器内で、又は固体レーザ共振器内部で循環する第2基本波光については、第2基本波光の内部共振器パワーレベルが、数kWまで又はそれを超えるまで向上されることがある。ほぼノンクリティカル位相整合が最後の周波数混合モジュール内で用いられるので、その最後の変換ステージは、約数百mWから数W以上までの範囲内のパワーレベルでの安定した出力を効率的に可能にする。
【0048】
図5Aは、
図2Aの183nmCWレーザ200A内で利用される例示的な周波数混合モジュール260Aを示す簡略ブロック図である。
図5B及び5Cは、
図2Bに示す内部共振器周波数混合モジュール260Bの代替の例示的実施形態を示す簡略ブロック図である。
【0049】
図2Aのレーザアセンブリに従う一実施形態では、周波数混合モジュール260Aは、第2基本波レーザから発生させられた第2基本波光と、第5高調波発生モジュール250からの第5高調波光とを第2基本波周波数のみで共振する外部共振器内でNLO結晶によって結合させて、和周波数5ω
1+ω
2を有する183nm光を発生させるように構成されている。
【0050】
周波数混合モジュール260Aが、
図5Aに示され、
図3に示す第5高調波発生モジュール250に類似した態様で動作する。ミラー503、504、505、506を備える共振器が、第2基本波周波数ω
2で共振する。第5高調波発生モジュール250から発生させられた第1基本波周波数(5ω
1)251の第5高調波が、ほぼNLO結晶509内又は近傍でビームウエストを有するNLO結晶509内部の第2基本波光(ω
2)と重複する。レンズ(又はレンズセット)502が、入来ビームを、NLO結晶509の中心近傍にそれ自体のウエストのうちの少なくとも1つを有する共振器の基本波モードにモード整合させるように構成されている。レンズ又はレンズセット508は、第5高調波光(5ω
1)をNLO結晶509の中心近傍に集中させる。NLO結晶509は、第2基本波周波数(ω
2)と基本波周波数(5ω
1)の第5高調波との和をとることにより、181nmから185nmまでの範囲内の、すなわち約183nmのそれに対応する波長を有する和周波数(5ω
1+ω
2)を形成する。ミラー506は、いずれかの未消滅第2基本波光(ω
2)514Aを入力カプラ503まで反射させ、それで、それが共振器内部で循環して共振器内でパワーを強化する。好ましい実施形態では、NLO結晶509の2個の表面521及び522は、矢印529の方向として表されている第2基本波光(ω
2)513Aの偏波に対してブルースターの角近傍の角度でカットされている。ブルースターの角近傍の角度でカットされている表面521及び522についての1つの長所は、反射防止被覆がNLO509表面521及び522上に必要とされないということである。別の長所は、入来第5高調波光251、未消滅第5高調波光512A及び発生させられた183nm光270Aが、NLO結晶の色分散に基づいてNLO結晶509の外部で第2基本波光513Aから分離されることである。更に、第2基本波513Aからの第5高調波251の分離、及び未消滅第2基本波514Aからの未消滅第5高調波512Aの分離が、十分に大きいので、ミラー505及び506がビーム251、512A及び270Aのビーム経路内にないならば、それらは、第2基本波周波数(ω
2)での高反射率を求めて被覆される必要だけがある。このことは、高パワーDUV光に露出されたときに、被覆劣化又は損傷を最小化する。さもなければ、別の実施形態では、垂直入射を伴うNLO結晶509が、実装されてもよい。ビーム251が第2基本波ビーム513Aから十分に遠くで分離されないならば、ビームスプリッタ、ダイクロイックミラー又はプリズム(図示せず)が、NLO結晶509とミラー505(又は、ダイクロイック被覆は、ミラー505において用いられてもよい)との間に用いられることにより、第2基本波光(ω
2)513Aを通過させて、入来第5高調波光(5ω
1)251をNOL結晶509中に導く。ビーム512A及び270Aが、未消滅第2基本波光514Aから十分遠くに分離されないならば、NLO結晶509とミラー506(又はミラー506上のダイクロイック被覆)との間のビームスプリッタ、ダイクロイックミラー又はプリズム(図示せず)が用いられて、未消滅第2基本波光(ω
2)514Aを渡し、和をとられた周波数(5ω
1+ω
2)で発生させられた183nm光270A及び未消滅第5高調波(5ω
1)512Aを共振器から外へ進路変更させてもよい。
【0051】
いくつかの実施形態では、ボウタイ共振器を有する代わりに、デルタ形状等の別の形状の共振器又は定在波共振器が用いられる。定在波共振器が用いられるならば、和をとられた周波数は、注入された第5高調波光と同じ方向に発生させられる。先行技術のCWレーザの場合のように、共振器は、標準PDH又はHCロック技術によって安定化されてもよい。共振器長は、圧電変換器(PZT)、ボイスコイル又は別のアクチュエータに電気接続された制御信号(図示せず)によってミラー(
図5Aのミラー504等の)又はプリズムの位置を調整することによって、共振を維持するように調整される。
【0052】
図2Bを参照すると、別の実施形態では、レーザ200Bは、内部共振器周波数混合モジュール260Bを利用して、和をとられた周波数(5ω
1+ω
2)で183nm光を発生させる。
図5B及び5Cは、2つの代替実施形態を示し、当該代替実施形態では、混合モジュール260B(
図2B)の(第2)共振器が、固体レーザ共振器(
図5B)又は光学パラメトリック発振共振器(
図5C)のいずれかを用いて実装される。それぞれの場合、(第2)共振器は、(第2)光(すなわち、固体レーザ共振器(
図5B)の場合における第2基本波光、又は光学パラメトリック発振共振器(
図5C)の場合における信号光のいずれか)を循環させるように構成されている。両方の場合において、循環される光は、約1260nmから約1420nmまでの範囲内のそれに対応する波長を有する周波数範囲を有し、そのため、
図5Bにおける循環される光の第2基本波周波数及び
図5Cにおける循環される信号光の信号周波数の両方は、便宜的に「ω
2」を用いて参照される。
【0053】
固体レーザ共振器を用いる内部共振器周波数混合モジュール260B1を表す簡略線図が、
図5Bに示されている。外部共振共振器を用いることにより第2基本波周波数を強化し、周波数混合を実行して183nm光を発生させる代わりに、和周波数発生のためのNLO結晶509が、第2基本波周波数ω
2で光を発生させる固体レーザ共振器内部に置かれる。
図5Bに示すように、第2基本波周波数を発生させるレーザ共振器は、入力カプラ553、ミラー554、555、566、利得媒体560及び光学ダイオード561、エタロン562等の追加要素を備える。
図2Bを参照すると、ポンプ周波数(ω
p)を有するポンプビーム234が、ポンプレーザ204から発生させられ、利得媒体560のほぼ中心に1つ又は複数のレンズ552によって集中させられ、そして吸収される。第2基本波周波数(ω
2)が、両方の方向に反転分布によって発生させられる。第2基本波光の単一方向進行を確実にするために、いくつかの例示的実施形態で、波長板と、ファラデー回転子と、を備えてもよい光学ダイオード561が、共振器内に挿入され、それで、反対方向に発生させられた初期光が通過せず、増幅されない。エタロン及び/又は複屈折フィルタ562が、発生させられた第2基本波光のビーム経路内に置かれることにより、右側帯域幅について選択して共振器内でのモードホッピングを防止する。ミラー553、554、555及び556は、第2基本波周波数に対する高反射率を求めて被覆され、それで、当該第2基本波周波数は、共振器内部で循環して外に漏れず、このことは、レーザ波長の部分透過のために被覆された出力カプラがビームを外に出すように実装されている典型的なレーザ共振器とは対照的である。
【0054】
図5Bに示すように、NLO結晶509が、第2基本波光513Bのビーム経路内のウエスト位置に挿入されることにより、第2基本波周波数(ω
2)、及び第5高調波発生モジュール250から発生させられた(周波数5ω
1の)第5高調波251からの和周波数発生によって、183nm光を発生させる。レンズ又はレンズセット508は、第5高調波251をNLO結晶509の中心近傍に集中させる。ミラー556は、いずれかの未消滅第2基本波光514Bを入力カプラ553まで反射し、それで、当該未消滅第2基本波光は、共振器内部で循環してパワーを強化する。好ましい実施形態では、NLO結晶509の2個の表面521及び522は、矢印529によって示している、第2基本波光513Bの偏波に対するブルースターの角近傍でカットされている。ブルースターの角近傍の角度でカットされている表面521及び522についての1つの長所は、反射防止被覆がNLO結晶509の2個の表面521及び522上に必要とされないということである。別の長所は、入来第5高調波光251、未消滅第5高調波512B及び発生させられた183nm光270Bが、NLO結晶509の色分散に基づいて第2基本波光513Bから分離されるということである。更に、第2基本波513Bからの第5高調波251の分離、及び未消滅第2基本波光514Bからの未消滅第5高調波512Bの分離が十分大きいことにより、ミラー555及び556が、ビーム251、512B及び270Bのビーム経路内にないならば、それらは、第2基本波周波数(ω
2)での高反射率を求めて被覆される必要だけがある。このことは、高パワーDUV光に暴露されるときの被覆劣化又は損傷を最小化する。さもなければ、別の実施形態では、NLO結晶509は、垂直入射によって実装されてもよい。ビーム251が第2基本ビーム513Bから十分遠くに分離されないならば、ビームスプリッタ、ダイクロイックミラー又はプリズム(図示せず)が、NLO結晶509とミラー555との間に用いられることにより(又はダイクロイック被覆がミラー555上に用いられてもよい)、第2基本波光513Bを通過させて、入来第5高調波光251をNOL結晶509中に導いてもよい。ビーム512B及び270Bが、未消滅第2基本波514Bから十分遠くに分離されないならば、ビームスプリッタ、ダイクロイックミラー又はプリズム(図示せず)が、NLO結晶509とミラー556(又はミラー556上のダイクロイック被覆)との間で用いられることにより、未消滅第2基本波光(ω
2)514Bを通過させて、和周波数(5ω
1+ω
2)で発生させられた183nm光270B及び未消滅第5高調波512Bを共振器から外に進路変更させる。この実施形態では、周波数混合モジュールは、第2基本波周波数で共振する外部共振器を備えていないけれども、第2基本波周波数を発生させる固体レーザ共振器を備えるので、共振器は、感度がより低く、それで共振器長を制御するためのアクティブフィードバック制御ループが必要でないことがある。
【0055】
代替実施形態(図示せず)では、ポンプ光が、別の側面から利得媒体560に集中させられ、そして、ミラー554を通過するか、又は両方向から同時に入ってもよい。いくつかの例示的実施形態では、Nd:YAG又はNd:Vanadateレーザについてのポンピングが、約808nmの波長で、又は約888nmの波長で動作する1つ又は複数のダイオードレーザを用いて実行されてもよく、一方、Er:YAGレーザについてのポンピングが、約1532nmで動作するエルビウムドープファイバレーザによって実行されてもよい。
【0056】
和周波数(5ω
1+ω
2)での183nm光の内部共振器発生のために、
図2Bの260B1の代わりに用いられてもよい代替実施形態260B2が、
図5Cに示されている。
図5Bに示し、上記で述べたように、第2基本波周波数ω
2で光を発生させる固体レーザ共振器内部にNLO結晶509を置く代わりに、NLO結晶509が、
図5Cに示すように、信号周波数ω
2で共振し、ミラー573、574、575及び576並びにNLO材料570を備えるOPO共振器内に置かれる。ポンプ周波数(ω
p)を有するポンプビーム234が、
図2Bのポンプレーザ204から発生させられ、1つ又は複数のレンズ572によって、NLO材料570の中心近傍の焦点に集中させられ、そしてそこで、信号周波数ω
2及びアイドラー周波数(ω
p−ω
2に等しい)にダウンコンバートされる。留意されるべきは、本明細書で用いられるとき、信号周波数ω
2は、信号又はアイドラーがより高い周波数を有するかどうかに関係なく、183nm光270Bを発生させるのに望ましい周波数を指すことである(このことは、信号周波数がアイドラー周波数より高いという一般通念とは対照的である)。ミラー573、574、575及び576が、信号周波数ω
2に対する高反射率を求めて被覆されることにより、進路変更されない信号が、共振器内部で循環して共振器内部に信号周波数の高パワー密度を蓄積する。一実施形態では、信号周波数ω
2についての正確な周波数制御が、ミラー576に取り付けられた圧電変換器(PZT)又はボイスコイル等のミラーのうちの1つに取り付けられたアクチュエータによって、共振器の光路長をアクティブ制御することによって実装される。代替実施形態では、信号周波数ω
2の周波数制御は、1つ又は複数の鏡面上に置かれた狭帯域反射被覆によって、又は共振器内に置かれた狭帯域透過又は反射要素(図示せず)によって達成される。ポンプ光は、例えば、ミラー573上の適切な被覆によって、又は共振器内部の独立した入力カプラ(図示せず)によって、入力カプラを通して共振器中に導かれる。未消滅ポンプ及びアイドラー(一緒に578Cとしてラベル付けされている)は、示すようなミラー574等の1つのミラー上の波長選択被膜を通って共振器から出てもよく、又は、ダイクロイックミラー又はビームスプリッタ(図示せず)等の1つ又は複数の光学要素によって共振器から外に進路変更させられてもよい。
【0057】
NLO材料570は、好ましくは、周期分極反転MgOドープ化学量論的タンタル酸リチウム(MgO:SLT)又は、周期分極反転MgOドープニオブ酸リチウム(MgO:LN)等の周期分極反転非線形光学結晶である。分極周期は、ポンプ周波数及び信号周波数の擬似位相整合について選ばれる。ポンプレーザは、ダウンコンバージョンによって信号周波数を発生させるのに適したポンプ周波数を発生させるいずれかの便利なレーザであってもよい。一実施形態では、ポンプレーザ周波数ω
pは、第1基本波周波数ω
1に等しい。一実施形態では、
図2Bの第1基本波レーザ201は、第1基本波光211とポンプ光234との周波数が等しいとき、その両方を発生させてもよい。一実施形態では、OPO内部共振器周波数混合モジュール260B2からの未消滅ポンプ光(すなわち、578C内部のポンプ周波数の光)は、第1基本波周波数とポンプ周波数とが等しいとき、第4高調波発生モジュール又は第5高調波発生モジュール等の別のモジュールまで導かれてもよい。
【0058】
図5Cに示すように、NLO結晶509は、信号光513Bのビーム経路内のウエスト位置に挿入されることにより、信号周波数(ω
2)及び第5高調波発生モジュール250から発生させられた第5高調波(5ω
1)251からの和周波数発生によって183nm光270Bを発生させる。レンズ又はレンズセット508は、NLO結晶509の中心近傍に第5高調波(5ω
1)を集中させる。ミラー576は、いずれかの未消滅信号光514Cをミラー(入力カプラ)573まで反射することにより、当該信号光は、共振器内部で循環してパワーを強化する。好ましい実施形態では、NLO結晶509の2個の表面521及び522は、矢印529Cによって示している、信号光513Cの偏波に対してブルースターの角近傍でカットされている。ブルースターの角近傍の角度でカットされている表面521及び522の長所が、上記で説明されている。未消滅信号514C及び未消滅第5高調波512Cは、
図2A及び2Bに関して上記で述べた光学構成のうちの任意のものによって183nm光270Bから分離されてもよい。
【0059】
再び
図5A、5B及び5Cを参照すると、好ましい実施形態では、ウォークオフと結晶509の出力平面の角との結合は、他の波長からのレーザ出力270A/270Bの十分な分離を達成することにより、他の光学部品が、別の不必要な波長(例えば、第5高調波光512A/512B/512Cの未消滅部分及び/又は第2基本波光又は信号光の漏れ)から望ましい出力波長、すなわち、約183nmのレーザ出力光270A/270Bを更に分離することに必要とされないことがない。いくつかの実施形態では、それは、共振器の外部の1つ又は複数の光学要素を用いて、望ましい出力波長を別の不必要な波長から更に分離してもよい。この光学部品は、ビームスプリッタ、プリズム、格子又は別の光学要素を含んでもよい。
【0060】
図5A、5B及び5Cについての好ましい実施形態では、非線形結晶509が、アニールされた(重水素処理又は水素処理)セシウムホウ酸リチウム(CLBO)結晶を備え、アニールされたCLBO結晶は、好適な温度制御システム330(例えば、熱電式冷却器)によって約30℃以下の一定温度に保持される。一実施形態では、非線形結晶509の温度は、約0℃未満、例えば、約−5℃又は−10℃であってもよい。別の実施形態では、周波数混合モジュール260A/260Bは、周波数和のためのBBO又は別の非線形結晶を備えてもよい。
【0061】
第2基本波又は1342nm近傍の信号波長と209.4nm近傍の波長を有する第5高調波とについての約30℃の温度のCLBO内でのタイプ−1整合に対して、位相整合角は、約79°である。1300nm近傍の第2基本波長と213nm近傍の波長を有する第5高調波とについての約30℃の温度でのCLBO内でのタイプ−1整合に対して、位相整合角は、約81°である。これらの例の両方が、高性能及び低ウォークオフを有するほぼノンクリティカル位相整合が、183nm近傍の波長を発生させるために達成されてもよいことを示す。これらの波長結合は、単なる例であって、本発明の範囲を限定することを意図しない。当業者であれば、位相整合を達成するために波長、温度及び角度の異なる結合を選択する方法を理解するであろう。
【0062】
上記の説明及び関連する図は、約183nmの波長を有する光を発生させるための様々なレーザを示す。いくつかの特定の波長及び波長範囲が、実施形態を示すために説明される。183nmよりも数nmだけより短いかより長い異なる波長を発生させる上記のものと類似した別のレーザ実施形態が、可能であり、そして本発明の範囲内にある。
【0063】
留意するべきは、実施形態のうちの任意のものにおいて、ミラー、プリズム、ペリスコープ等が、必要に応じて基本波又は別の波長を導くために用いられてもよいことである。プリズム、ビームスプリッタ、ビームコンバイナ及びダイクロイック被覆ミラーは、例えば、必要に応じてビームを分離又は結合するために用いられてもよい。ミラー及びビームスプリッタの様々な結合が用いられて、いずれかの適切なシーケンス内の異なる周波数変換ステージの間で様々な波長を分離及びルーティングしてもよい。周波数変換結晶、プリズム、ビームスプリッタ又はレンズの面が、入射波長に対してブルースターの角とほぼ等しい角度でカットされていることにより、反射防止被覆を用いることなく、反射を最小化又は制御してもよい。このカッティングは、特にUV照射が入射するところの面に対して有利な場合があり、その理由は、反射防止被覆は、UVに暴露されるとき、劣化することがあり、それで、そのような表面上で用いられる場合、レーザの信頼性を低下させることがあるからである。波長板(ブルースター角波長板又は制動器を含む)又は別の光学要素が必要に応じて用いられて、波長のうちの任意のものの偏波を回転させることにより、偏波を次の周波数変換又は周波数混合ステージの適切な結晶軸と整列させてもよい。DUVレーザ内のブルースター角光学部品の使用は、名称が「High Damage Threshold Frequency Conversion System」である、Armstrongへの米国特許第8,711,470号に更に詳細に記載されている。
【0064】
周波数変換ステージのうちの任意のものは、名称が「Enclosure for controlling the environment of optical crystals」である、Armstrongによる米国特許第8,298,335号に記載されたもの等の1つ又は複数の保護環境を含んでもよい。この特許は、参照によって本明細書に組み込まれる。単一の保護環境が複数のステージ又は単一のステージを囲んでもよい点に留意する。
【0065】
周波数変換ステージのうちの任意のものは、両方ともに、名称が「Alleviation of laser−induced damage in optical materials by suppression of transient color centers formation and control of phonon population」である、Dribinskiらへの米国特許第9,461,435号及び第9,059,560号に記載された方法又はシステムのうちの任意のもの、名称が「Measuring crystal site lifetime in a non−linear optical crystal」である、Armstrongによる米国特許第8,824,514号に記載された装置又は方法のうちの任意のもの、名称が「Laser crystal degradation compensation」である、Genisによる米国特許第8,976,343号に記載された装置又は方法のうちの任意のもの、2013年6月19日に出願された、名称が「Preferential shift direction to prolong the life and minimize perturbations of a scanning nonlinear optical crystal」である、Genisによる米国仮特許出願第61/837,053号に記載されたシステム及び方法のうちの任意のもの、並びにそれぞれ2012年6月29日及び2013年2月7日に出願され、両方とも名称が「Scan rate for continuous motion of a crystal in a frequency converted laser」である、Armstrongらによる米国仮特許出願第61/666,675号及び第61/762,269号に記載されたシステム及び方法のうちの任意のものを組み込んでもよい。これらの特許、出願及び仮出願の全ては、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0066】
更に留意するべきは、周波数変換ステージのうちの任意のものが、有利に、重水素、水素及び/又はフッ素ドープ又は処理非線形結晶を用いてもよいことである。そのような結晶は、Dribinskiらにより2010年9月3日に出願された米国特許第9,023,152号、Chuangらにより2012年6月5日に出願された米国特許第9,250,178号、又は、Dribinskiらにより2014年4月8日に出願された米国特許出願第14/248,045号に記載されたプロセス又は方法のうちの任意のものによって作成、加工又は処理されてもよい。これらの特許及び出願は、参照によって本明細書に組み込まれる。ドープ又は処理結晶は、第2周波数2逓倍モジュール230、第5高調波発生モジュール250及び周波数混合モジュール260A、260B1及び260B2を含む、深UV波長を含むそれらのステージにおいて特に有用である場合がある。
【0067】
上記の図は、構成要素の実際の物理レイアウトを表すことを意図していない。上記の図は、プロセスに関係する主な光学モジュールを示すけれども、すべての光学要素を示しているわけではない。当業者であれば、183nmレーザを上記の図及びそれらの関連する説明から作成する方法を理解するであろう。数個以上の光学部品が、光を必要とされるところに導くために用いられてもよいことを理解すべきである。レンズ及び/又は湾曲ミラーが、必要に応じて用いられて、非線形結晶の内部又は近傍の実質的に円形又は楕円形の断面の焦点にビームウエストを集中させてもよい。プリズム、ビームスプリッタ、格子又は回折光学素子が用いられて、必要に応じて、それぞれの周波数変換モジュール又は混合モジュールの出力における異なる波長を操縦又は分離してもよい。プリズム、被覆ミラー又は別の要素が必要に応じて用いられて、周波数変換及び混合モジュールへの入力において異なる波長を結合させてもよい。ビームスプリッタ又は被覆ミラーが必要に応じて用いられて、1つの波長を2個のビームに分割してもよい。フィルタが、いずれかのステージの出力において、望ましくない波長を遮断又は分離するために用いられてもよい。波長板が、必要に応じて用いられて、偏波を回転させてもよい。別の光学要素が、必要に応じて用いられてもよい。場合によっては、1つの周波数変換ステージからの未消滅光が、たとえ当該光が後続のステージにおいて必要とされないとしても、次のステージに進むことを可能にすることが許容されてもよい。このことは、パワー密度が十分低いので損傷を生じさせない場合、及び、(例えば、結晶角での位相整合がないため、又は光の偏波のため)望ましい周波数変換プロセスに対する妨害がほとんどない場合に、許容されてもよい。当業者であれば、183nmレーザの実装において可能である様々なトレードオフ及び選択肢を理解するであろう。
【0068】
181nmから185nmまでの望ましい波長のレーザ出力光270を発生させるのを容易にする様々な基本波波長を用いる本発明が、本明細書に記載されているけれども、数ナノメートル以内の別の波長が、異なる基本波波長を用いて発生させられてもよい。添付されたクレームにおいて別途明記されない限り、そのようなレーザ及びそのようなレーザを利用するシステムは、本発明の範囲内にあると見なされる。
【0069】
パルスレーザと比較して、CW光源は、一定のパワーレベルを有し、このことが最大パワー損傷問題を防止し、また画像又はデータが連続的に取得されることを可能にする。また、発生させられたCW光の帯域幅が、典型的なモードロックレーザよりも桁違いに狭いので、対応する照明又は検出光学システムの設計が、性能の向上に対する複雑化をずっと少なくし、そしてシステムコストが低減されてもよい。
【0070】
200nm以下の波長を有するCWレーザは、十分なパワーレベルのものが市販されておらず、又は信頼性が低い。約183nmまでの波長範囲内のCW光を発生させるための従来技術が存在しなかった。本発明の実施形態は、約183nmまでのより短波長を発生させ、そのため、長波長よりも、小粒子及び欠陥を検出するための良好な感度を提供する。
【0071】
それらの短波長に加えて、本発明の183nmCWレーザは、193nmCWレーザと比較していくつかの利点を有する。第6又は第8高調波として193nmを発生させるレーザと比較して、本発明の183nmレーザは、数十Wのパワーレベルにおいて容易に利用可能である基本波波長を用いるという長所を有する。第1基本波周波数の第5高調波と第2周波数とを混合することによって193nmを発生させるレーザと比較した長所は、183nmレーザの周波数混合モジュールがより効率的であるということであり、その理由は、CLBOが、約206nmから約214nmまでの範囲内の第5高調波波長から183nmを発生させることに対してほとんど非クリティカル位相整合されるからである。このことは、第2基本波周波数及び第1基本波周波数の第5高調波の最終出力へのより効率的な変換を可能にし、また、周波数混合モジュールをより安定化させる。
【0072】
更に、システム全体は、ずっと少ないノイズを伴ってより安定している。本発明において説明したように、第5高調波発生モジュールの共振器は、第1基本波周波数に対してだけ共振し、第4高調波周波数に対しては共振しないので、第4高調波発生モジュールの共振器からのノイズは、第5高調波発生モジュールの共振器に結合されない。同様に、1つの例示的な実施形態では、周波数混合モジュールの共振器は、第2基本波周波数に対してだけ共振し、第1基本波周波数の第5高調波に対しては共振しないので、第5高調波発生器の共振器からのノイズは、周波数混合モジュールの共振器に結合されない。周波数混合モジュールの別の実施形態は、第2基本波周波数で共振する外部共振器を備えていないけれども、第2基本波周波数を発生させる固体レーザ共振器を備えるので、共振器は、感度がより低く、それで共振器長に対するアクティブフィードバック制御ループが必要ではないことがある。
【0073】
更に、本明細書で開示された本発明のレーザのいくつかの実施形態は、第5高調波発生モジュール及び周波数混合モジュールの共振器内部の光学要素のうちの任意のものの上にDUV被覆を必要としない。被覆は、強いDUV放射に暴露されるとき、寿命が短い場合がある。それで、被覆がないことの長所は、被覆に起因する損傷を最小化し、高パワーDUV出力をより安定化させることである。
【0074】
本発明の別の側面は、発明の183nmCWレーザを組み込むウェハ、レチクル又はフォトマスク検査若しくは測定システムである。そのようなシステムの側面は、
図6〜11に示されている。
【0075】
レチクル又はフォトマスク検査システム600が、
図6に示され、米国特許第7,352,457号に記載されているようなレチクル又はフォトマスク等の基板612から透過及び反射された光を測定するように構成されてもよく、当該米国特許は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。本開示の発明のレーザを用いてもよいレチクル及びフォトマスク検査システムに関する更なる詳細については、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第5,563,702号をも参照されたい。本開示の発明のレーザを利用するレチクル又はフォトマスク検査システムは、Brownらによる米国特許第7,528,943号に記載されているような単一の検出器におけるレチクル又はフォトマスクから反射及び透過された画像を同時に検出してもよい。この特許は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0076】
システム600は、第1光学配列651及び第2光学配列657を概して含む。示すように、第1光学配列651は、少なくとも光源652と、検査光学部品654と、基準光学部品656と、を含み、一方、第2光学配列657は、少なくとも透過光光学部品658と、透過光検出器660と、反射光光学部品662と、反射光検出器664と、を含む。1つの好ましい構成において、光源652は、上記の改善されたレーザのうちの1つを含む。
【0077】
光源652は、音響光学デバイス670を通過する光ビームを放出するように構成され、当該デバイスは、光ビームを偏向及び集中させるように配列されている。音響光学デバイス670は、1対の音響光学要素、例えば音響光学プリスキャナと、音響光学スキャナとを含んでもよく、当該音響光学要素は、光ビームをY方向に偏向させ、Z方向に集中させる。例として、大部分の音響光学デバイスは、TeO
2等の石英又は結晶にRF信号を送ることによって動作させる。このRF信号は、結晶を通して音波を進行させる。進行する音波のために、結晶は非対称になり、このことが、屈折率を結晶全体にわたって変化させる。この変化は、入射ビームが発振様式において偏向させられる集中進行スポットを形成するようにさせる。
【0078】
光ビームが音響光学デバイス670から出現すると、それは、次いで、1対の1/4波長板672及びリレーレンズ674を通過する。リレーレンズ674は、光ビームを視準するように配列されている。視準された光ビームは、次いで、それ自体の経路に沿って進み、最終的に回折格子676に到達する。回折格子676は、光ビームを広げるように、より詳しくは、光ビームを3個の異なるビームに分離するように配列されており、当該3個の異なるビームは、互いに空間的に識別可能である(すなわち、空間的に異なる)。ほとんどの場合、空間的に異なるビームは、また、等しい間隔があけられ、そして、実質的に等しい光強度を有するように配列されている。
【0079】
回折格子676を離れるときに、3個のビームは、開口680を通過し、次いで進行して、最終的にビームスプリッタ立方体682に到達する。(1/4波長板672と結合している)ビームスプリッタ立方体682は、ビームを2個の経路、すなわち、(
図6に示す構成の)下方に向いた一方と右側に向いた他方に分割するように配列されている。下方に向いた経路は、ビームの第1光部分を基板612に分散するために用いられ、一方、右側に向いた経路は、ビームの第2光部分を基準光学部品656に分散するために用いられる。ほとんどの実施形態では、大部分の光が、基板612に分散され、わずかな割合の光が、基準光学部品656に分散されるけれども、その割合は、それぞれの光学検査システムの特定の設計に従って変化してもよい。一実施形態では、基準光学部品656は、基準集光レンズ614と、基準検出器616と、を含んでもよい。基準集光レンズ614は、基準検出器616上にビームの部分を集光して導くように配列され、当該基準検出器は、光の強度を測定するように配列されている。基準光学部品は、概して当該技術分野において周知であり、簡潔さのために詳細に論じられることはない。
【0080】
ビームスプリッタ682から下方に導かれた3個のビームは、テレスコープ688によって受け取られ、当該テレスコープは、光の向きを変え、広げるいくつかのレンズ要素を含む。一実施形態では、テレスコープ688は、タレット上で回転する複数のテレスコープを含むテレスコープシステムの部分である。例えば、3個のテレスコープが用いられてもよい。これらのテレスコープの目的は、基板上の走査スポットのサイズを変え、それにより、最小の検出可能欠陥サイズの選択を可能にすることである。より具体的には、テレスコープのそれぞれは、概して画素サイズが異なる。このように、1個のテレスコープが、検査をより高速及びより低感度(例えば、低分解能)にするより大きいスポットサイズを発生させてもよく、一方、別のテレスコープは、検査をより低速及びより高感度(例えば、高分解能)にするより小さいスポットサイズを発生させてもよい。
【0081】
テレスコープ688から、3個のビームが対物レンズ690を通過し、当該対物レンズは、基板612の表面上にビームを集中させるように配列されている。ビームが3個の異なるスポットとして表面を横断するとき、反射光ビームと透過光ビームの両方が、発生させられてもよい。透過光ビームは、基板612を通過し、一方、反射光ビームは、表面から反射する。例として、反射光ビームは、基板の不透明な表面から反射してもよく、そして、透過光ビームは、基板の透明な領域を透過してもよい。透過光ビームは、透過光光学部品658によって集光され、そして反射光ビームは、反射光光学部品662によって集光される。
【0082】
透過光光学部品658に関して、透過光ビームは、基板612を通過した後に、第1透過レンズ696によって集光されて、球面収差校正レンズ698を用いて透過プリズム610上に集中させられる。プリズム610は、透過光ビームを再配置し、屈曲させるように配列されている透過光ビームのそれぞれに対するファセットを有するように構成されてもよい。ほとんどの場合、プリズム610が用いられてビームを分離することにより、当該ビームは、それぞれ(3個の異なる検出器を有するように示す)透過光検出器配列660内の単一の検出器に当たる。したがって、ビームがプリズム610を離れると、それらは、第2透過レンズ602を通過し、当該レンズは、個々に、分離されたビームのそれぞれを3個の検出器のうちの1つに集中させ、当該検出器のそれぞれは、透過光の強度を測定するように配列されている。
【0083】
反射光光学部品662に関して、基板612から反射した後の反射光ビームは、対物レンズ690によって集光され、当該対物レンズは、次いでビームをテレスコープ688に向かって導く。テレスコープ688に到達する前に、ビームは、また、1/4波長板604を通過する。通常表現では、対物レンズ690及びテレスコープ688は、入射ビームが操作される態様に対して光学的に逆である方式で、集光されたビームを操作する。すなわち、対物レンズ690は、ビームを再視準し、テレスコープ688は、それらのサイズを低減する。ビームがテレスコープ688を離れると、ビームは、ビームスプリッタ立方体682に到達するまで(後方に)進行する。ビームスプリッタ682は、1/4波長板604と作動して、ビームを中央経路606上に導くように構成されている。
【0084】
経路606上を進行するビームは、次いで第1反射レンズ608によって集光され、当該第1反射レンズは、反射プリズム609上にビームのそれぞれを集中させ、当該反射プリズムは、反射光ビームのそれぞれに対するファセットを含む。反射プリズム609は、反射光ビームを再配置し、屈曲させるように配列されている。透過プリズム610と同様に、反射プリズム609が用いられてビームを分離することにより、ビームがそれぞれ反射光検出器配列664内の単一の検出器に当たる。示すように、反射光検出器配列664は、3個の個々に異なる検出器を含む。ビームが反射プリズム609を離れると、それらは、第2反射レンズ611を通過し、当該第2反射レンズは、個々に、これらの検出器のうちの1つ上に分離されたビームのそれぞれを集中させ、当該検出器のそれぞれは、反射光の強度を測定するように配列されている。
【0085】
上記の光学アセンブリによって容易にされてもよい複数の検査モードが存在する。例として、光学アセンブリは、透過光検査モード、反射光検査モード及び同時検査モードを容易にしてもよい。透過光検査モードに関して、透過モード検出は、典型的には、透明領域及び不透明領域を有する従来の光学マスク等の基板についての欠陥検出に用いられる。光ビームがマスク(又は、基板612)を走査するとき、光は、透明ポイントにおいてマスクに侵入し、透過光検出器660によって検出され、当該透過光検出器は、マスクの後方にあり、そして、第1透過レンズ696、第2透過レンズ602、球面収差レンズ698及びプリズム610を含む透過光光学部品658によって集光された光ビームのそれぞれの強度を測定する。
【0086】
反射光検査モードに関して、反射光検査は、透明又は不透明基板において実行されてもよく、当該基板は、クロム、現像フォトレジスト又は別の特徴の形式の画像情報を含む。基板612によって反射された光は、検査光学部品654と同一の光路に沿って後方に進むけれども、次いで偏光ビームスプリッタ682によって検出器664中に進路変更させられる。より具体的には、第1反射レンズ608、プリズム609及び第2反射レンズ611が、進路変更させられた光ビームからの光を検出器664上に投射する。反射光検査は、また不透明の基板表面の最上部にある汚染を検出するために用いられてもよい。
【0087】
同時検査モードに関して、透過光と反射光の両方が利用されて、欠陥の存在及び/又はタイプを決定する。システムについての2個の測定値は、透過光検出器660によって感知されるような基板612を透過させられた光ビームの強度と、反射光検出器664によって検出されるような反射光ビームの強度と、である。それらの2個の測定値は、次いで、基板612上のそれに対応するポイントにおける欠陥のタイプを、もしあれば決定するように処理されてもよい。
【0088】
より具体的には、同時の透過及び反射検出は、透過検出器によって感知された不透明な欠陥の存在を開示し、同時に、反射検出器の出力が用いられて欠陥のタイプを開示してもよい。一例として、基板上のクロムドット又は粒子は、両方とも、透過検出器からの低い透過光表示を生じさせることがあるけれども、反射クロム欠陥は、高い反射光表示を生じさせることがあり、そして、粒子は、同一の反射光検出器からより低い反射光表示を生じさせることがある。したがって、反射と透過の両方の検出を用いることによって、欠陥についての反射又は透過された特徴だけが調査される場合にはできないような、クロム外形の最上部にある粒子の所在を見つけてもよい。加えて、特定のタイプの欠陥についての特徴的性質、例えば、それらの反射と透過された光強度との比等が決定されてもよい。この情報は、次いで欠陥を自動的に分類するために用いられてもよい。
【0089】
このレーザは、検査システム内の光源のうちの1つとして用いられてもよく、当該検査システムは、
図7に示すシステム700等の、異なる波長範囲について最適化された異なる対物レンズによって、異なる波長又は波長範囲をカバーする複数の光源を有する。そのような検査システムは、米国特許出願公開第2009/0180176号に記載されており、当該内容は全体として参照によって本明細書に組み込まれる。
【0090】
システム700において、レーザ源701からの照明は、照明サブシステムの複数の部分に送られる。照明サブシステムの第1部分は、要素702a〜706aを含む。レンズ702aは、レーザ701からの光を集中させる。レンズ702aからの光は、次いで、ミラー703aから反射する。ミラー703aは、照明の目的でこの位置に置かれ、そして他の場所に置かれてもよい。ミラー703aからの光は、次いで、レンズ704aよって集光され、当該レンズは、照明瞳平面705aを形成する。光を修正するための開口、フィルタ又は別のデバイスが、検査モードの要件に基づいて瞳平面705a内に置かれてもよい。瞳平面705aからの光は、次いで、レンズ706aを通過して、照明フィールド平面707を形成する。
【0091】
照明サブシステムの第2部分は、要素702b〜706bを含む。レンズ702bは、レーザ701からの光を集中させる。レンズ702bからの光は、次いで、ミラー703bから反射する。ミラー703bからの光は、次いで、照明瞳平面705bを形成するレンズ704bによって集光される。光を修正するための開口、フィルタ又は別のデバイスが、検査モードの要件に基づいて瞳平面705b内に置かれてもよい。瞳平面705bからの光は、次いで、レンズ706bを通過し、照明フィールド平面707を形成する。第2部分からの光は、次いで、ミラー又は反射面によって向きを変えられることにより、照明フィールド平面707における照明フィールド光エネルギが、結合された照明部分から構成される。
【0092】
フィールド平面光は、次いで、ビームスプリッタ710から反射する前にレンズ709によって集光される。レンズ706a及び709は、対物レンズ瞳平面711において第1照明瞳平面705aの画像を形成する。同様に、レンズ706b及び709は、対物レンズ瞳平面711において第2照明瞳平面705bの画像を形成する。対物レンズ712(又は、代替的に713)は、次いで、瞳光を受け、試料714において照明フィールド707の画像を形成する。対物レンズ712又は対物レンズ713は、試料714の近傍に設置されてもよい。試料714は、ステージ(図示せず)上で動いてもよく、当該ステージは、望ましい位置に試料を配置する。試料714から反射及び散乱させられた光は、高NA反射屈折対物レンズ712又は対物レンズ713によって集光される。対物レンズ瞳平面711において反射光瞳を形成した後に、光エネルギは、結像サブシステム内に内部フィールド716を形成する前に、ビームスプリッタ710及びレンズ715を通過する。この内部結像フィールドは、試料714及び対応する照明フィールド707の画像である。このフィールドは、照明フィールドに対応する複数のフィールドに空間的に分離されてもよい。これらのフィールドのそれぞれは、独立した結像モードをサポートしてもよい。
【0093】
これらのフィールドのうちの1つは、ミラー717を用いて向きを変えられてもよい。向きを変えられた光は、次いで、別の結像瞳719bを形成する前に、レンズ1018bを通過する。この結像瞳は、瞳711及び対応する照明瞳705bの画像である。光を修正するための開口、フィルタ又は別のデバイスが、検査モードの要件に基づいて瞳平面719b内に置かれてもよい。瞳平面719bからの光は、次いで、レンズ1020bを通過してセンサ721b上に画像を形成する。同様の態様で、ミラー又は反射表面717を通り過ぎる光は、レンズ718aによって集光されて結像瞳719aを形成する。結像瞳719aからの光は、次いで、検出器721a上に画像を形成する前に、レンズ720aによって集光される。検出器721a上に結像された光は、センサ721b上に結像された光と異なる結像モードのために用いられてもよい。
【0094】
システム700内で利用される照明サブシステムは、レーザ源701、集光光学部品702〜704、瞳平面705の近傍に置かれたビーム成形構成要素及びリレー光学部品706及び709から構成されている。内部フィールド平面707が、レンズ706と709との間に置かれる。1つの好ましい構成では、レーザ源701は、上記の改善されたレーザのうちの1つを含んでもよい。
【0095】
レーザ源701に関して、透過の2個の地点又は角度を有する単一の均一ブロックとして示されているけれども、実際は、これは、照明の2個のチャネルを提供することができるレーザ源であり、当該2個のチャネルとは、例えば、要素702a〜706aを通過する第1周波数のレーザ光エネルギ等の光エネルギの第1チャネルと、要素702b〜706bを通過する第2周波数のレーザ光エネルギ等の光エネルギの第2チャネルと、である。異なる光照明モード、例えば、一方のチャネル内での明視野照明及び他方チャネル内での暗視野モード等が使用してもよい。
【0096】
レーザ源701からの光エネルギが、90度の間隔をあけて放出されるように示され、そして、要素702a〜706aと702b〜706bとが、90度の角度に向けられているけれども、実際には、光は、必ずしも二次元内にない様々な向きで放出されてもよく、そして、構成要素は、示しているのと異なるように向けられてもよい。
図7は、そのため、使用される構成要素の単に代表的なものであり、示している角度又は距離は、共通の尺度を有さず、設計に対する具体的な要件でもない。
【0097】
瞳平面705の近傍に置かれた要素は、開口形状のコンセプトを用いる現在のシステム内で使用されてもよい。この設計を用いて、個々の点照明、リング照明、四極子照明又は別の望ましいパターンだけでなく、均一照射又は近均一照射が、実現されてもよい。
【0098】
対物レンズについての様々な実装が、一般の結像サブシステムにおいて使用されてもよい。単一の固定対物レンズが、使用されてもよい。単一の対物レンズが、全ての望ましい結像及び検査モードをサポートしてもよい。そのような設計は、結像システムが比較的大きいフィールドサイズ及び比較的高い開口数をサポートする場合に、達成可能である。開口数は、瞳平面705a、705b、719a及び719bに置かれた内部開口を用いることによって目標値まで低減されてもよい。
【0099】
複数の対物レンズが、また、
図7に示すように用いられてもよい。例えば、2個の対物レンズ712及び713が示されているけれども、任意の数が可能である。そのような設計でのそれぞれの対物レンズは、レーザ源701によって発生させられたそれぞれの波長に対して最適化されてもよい。これらの対物レンズ712及び713は、位置が固定されるか、又は試料714の近傍の適所まで動かされるかのいずれかであってもよい。複数の対物レンズを試料の近傍に動かすために、回転タレットが、標準の顕微鏡において一般的であるように用いられてもよい。試料の近傍で対物レンズを動かすための別の設計が利用可能であり、当該設計は、ステージ上で対物レンズを横方向に並進させること、及び角度計を用いて円弧状に対物レンズを並進させることを含むが、これらに限定されない。加えて、固定対物レンズとタレット上の複数の対物レンズとの任意の結合が、本システムに従って達成されてもよい。
【0100】
この構成の最大開口数は、0.97に近くなるか又は上回ってもよいけれども、特定の例ではより高くてもよい。この高NA反射屈折結像システムについて可能な照明及び集光角の広い範囲が、それ自体の大きいフィールドサイズと組み合わされて、システムが同時に複数の検査モードをサポートすることを可能にする。上記パラグラフから理解されてもよいように、複数の結像モードは、照明デバイスと関連した単一の光学システム又は機械を用いて実装されてもよい。照明及び集光について開示された高NAは、同一の光学システムを用いる結合モードの実装を許容し、それによって、様々なタイプの欠陥又は試料についての結像の最適化を可能にする。
【0101】
結像サブシステムが、また、光学部品715を形成する中間画像を含む。光学部品715を形成する画像の目的は、試料714の内部画像716を形成することである。この内部画像716では、ミラー717は、検査モードのうちの1つに対応する光の向きを変えるように置かれてもよい。結像モードに対する光は、空間的に独立しているので、この位置での光の向きを変えることは可能である。画像形成光学部品718(718a及び718b)並びに720(720a及び720b)が可変焦点ズーム、集中光学部品を有する複数の無限焦点チューブレンズ又は複数の画像形成マグチューブを含むいくつかの異なる形式で実装されてもよい。
【0102】
このレーザは、
図8に示すように、暗視野及び明視野検査モードを有する検査システムにおいて用いられてもよい。この図及びシステムは、米国特許出願公開第2007/0002465号に記載されており、その内容は全体として参照により本明細書に組み込まれる。
図8は、垂直入射レーザ照明を組み込む反射屈折結像システム800を示す。システム800の照明ブロックは、レーザ801と、検査されている表面上の照明ビームサイズ及びプロファイルを制御するための適応光学部品802と、機械式ハウジング804内の開口及び窓803と、試料808の表面への垂直入射において光軸に沿ってレーザの向きを変えるプリズム805と、を含む。プリズム805は、また、試料808の表面特徴からの鏡面反射及び対物レンズ806の光学表面からの反射を光路に沿って画像平面809まで導く。対物レンズ806のためのレンズは、反射屈折対物レンズ、集中レンズグループ及びズーミングチューブレンズ部分807の一般的形式で提供されてもよい。好ましい実施形態では、レーザ801は、上記の改善されたレーザのうちの1つによって実装されてもよい。
【0103】
このレーザは、
図9A及び9Bに示すような傾斜線照明を有する暗視野検査システムにおいて用いられてもよい。この検査システムは、示すような軸外及び近垂直集光を含む2個又は3個の異なる集光システムを有してもよい。この暗視野検査システムは、また、垂直入射線照明(図示せず)を含んでもよい。
図9A及び9Bに示すシステムの説明を含むより多くの詳細が、米国特許第7,525,649号に見ることができ、その内容は全体として参照により本明細書に組み込まれる。
【0104】
図9Aは、表面911の領域を検査するための照射システム901と、集光システム910と、を含む表面検査装置900を示す。
図9Aに示すように、レーザシステム920は、ビーム成形光学部品903を通して光ビーム902を導く。好ましい実施形態では、レーザシステム920は、上記のレーザのうちの1つを含む。第1ビーム成形光学部品903は、レーザシステムからビームを受け取るように構成されてもよく、当該ビームは表面911上に集中させられる。
【0105】
ビーム成形光学部品903は、それの主平面が試料表面911にほぼ平行であり、その結果、照明線905が、ビーム成形光学部品903の焦点平面内の表面911上に形成されるように向けられている。加えて、光ビーム902及び集中ビーム904は、表面911に非直交入射角で導かれる。特に、光ビーム902及び集中ビーム904は、表面911に垂直方向から約1°と約85°との間の角度で導かれてもよい。このように、照明線905は、実質的に集中ビーム904の入射平面内にある。
【0106】
集光システム910は、照明線905から散乱させられた光を集光するためのレンズ912と、光検出器のアレイを備える電荷結合素子(CCD)914等のデバイス上にレンズ912から外に出る光を集中させるためのレンズ913と、を含む。一実施形態では、CCD914は、検出器の直線アレイを含んでもよい。そのような場合、CCD914内部の検出器の直線アレイは、照明線905に平行に向けられてもよい。一実施形態では、複数の集光システムが含まれてもよく、集光システムのそれぞれは、類似の構成要素を含むけれども、向きが異なる。
【0107】
例えば、
図9Bは、表面検査装置のための集光システム931、932、及び933の例示的なアレイを示す(それの照射システム、例えば、照射システム901に類似のものは、簡略のため図示せず)。集光システム931内の第1光学部品は、試料911の表面から第1方向に散乱させられた光を集光する。集光システム932の第2光学部品は、試料911の表面から第2方向に散乱させられた光を集光する。集光システム933の第3光学部品は、試料911の表面から第3方向に散乱させられた光を集光する。留意すべきは、第1、第2及び第3経路が、試料911の前記表面に対して異なる反射角にあることである。試料911を支持する試料台912が用いられて、光学部品と試料911との間で相対移動を生じさせることにより、試料911の表面全体が走査されてもよい。
【0108】
このレーザは、また、
図10及び11に示すもの等のパターン無しウェハのための検査システム内で用いられてもよい。そのような検査システムは、これらの図に示すように、斜及び/又は垂直入射照明並びに散乱光に対する大きい集光立体角を組み込んでもよい。パターン無しウェハ検査システムに関するより多くの詳細及び
図10及び11の要素についての説明は、米国特許第6,201,601号及び第6,271,916号に見ることができ、それらの内容の両方は、全体として参照により本明細書に組み込まれる。
【0109】
図10は、表面1001上にある異常を検査するために用いられてもよい表面検査システム1000を示す。この実施形態では、表面1001は、上記の改善されたレーザのうちの1つによって発生させられたレーザビームを備えるレーザシステム1030の実質的に固定の照明デバイス部分によって照明されてもよい。レーザシステム1030の出力は、偏光光学部品1021、ビーム拡大器及び開口1022、並びにビームを拡大及び集中させるためのビーム形成光学部品1023を連続的に通過させられてもよい。
【0110】
結果として生じる集中レーザビーム1002は、次いで、ビーム折畳み構成要素1003及びビーム偏向器1004によって反射されることにより、ビーム1005を表面1001に向かって導いて表面を照明する。好ましい実施形態において、ビーム1005は、表面1001に対して実質的に垂直であるか又は直角をなしているが、別の実施形態では、ビーム1005は、表面1001に対して斜角であってもよい。
【0111】
一実施形態では、ビーム1005は表面1001に対して実質的に直角又は垂直であり、そしてビーム偏向器1004は、ビームの鏡面反射を表面1001からビーム回転構成要素1003に向かって反射し、それによって、シールドとして作用して鏡面反射が検出器に到達することを防止する。鏡面反射の方向は、線SRに沿っており、当該線は、試料の表面1001に垂直である。ビーム1005が表面1001に垂直である一実施形態では、この線SRは、照明ビーム1005の方向と一致し、この場合、この共通の基準線又は方向は、本明細書では、検査システム1000の軸線と呼ばれる。ビーム1005が表面1001に対して斜角である場合、鏡面反射SRの方向は、ビーム1005の入来方向と一致しないであろうが、そのような例では、面法線の方向を示す線SRは、検査システム1000の集光部分の主軸線と呼ばれる。
【0112】
小粒子によって散乱させられた光は、ミラー1006によって集光されて、開口1007及び検出器1008に向かって導かれる。大粒子によって散乱させられた光は、レンズ1009によって集光されて、開口1010及び検出器1011に向かって導かれる。留意すべきは、いくつかの大粒子は、また集光されて検出器1008まで導かれる光を散乱させることもあり、同様に、いくつかの小粒子は、また集光されて検出器1011まで導かれる光を散乱させることもあるけれども、そのような光は、それぞれの検出器が検出するように設計されている散乱光の強度と比較して、比較的低い強度のものであることである。一実施形態では、検出器1011は、光感知要素のアレイを含んでもよく、光感知要素のアレイのそれぞれの光感知要素は、照明線の拡大された画像のそれに対応する部分を検出するように構成されている。一実施形態では、検査システムは、パターン無しウェハ上の欠陥の検出に用いるように構成されてもよい。
【0113】
図11は、垂直及び斜照明ビームの両方を用いる異常検出を実装するように構成された検査システム1100を示す。この構成において、レーザシステム1130は、上記の改善されたレーザのうちの1つを含み、そしてレーザビーム1101を提供してもよい。レンズ1102は、空間フィルタ1103を通してビーム1101を集中させ、レンズ1104は、ビームを視準し、それを偏光ビームスプリッタ1105に送る。ビームスプリッタ1105は、第1偏光成分を垂直照明チャネルに渡し、第2偏光成分を斜照明チャネルに渡し、この場合、第1成分と第2成分とは直交している。垂直照明チャネル1106において、第1偏光成分は、光学部品1107によって集中させられ、ミラー1108によって試料1109の表面に向かって反射される。試料1109によって散乱させられた放射は、放物面ミラー1110によって光電子増倍管1111に集光及び集中させられる。
【0114】
斜照明チャネル1112において、第2偏光成分は、ビームスプリッタ1105によってミラー1113まで反射され、当該ミラーは、そのようなビームを1/2波長板1114を通して反射し、そして光学部品1115によって試料1109に集中させる。斜チャネル1112内の斜照明ビームから発生し、試料1109によって散乱させられた放射は、また、放物面ミラー1110によって集光されて検出器1111に集中させられる。いくつか実施形態では、検出器1111は、光電子増倍管、直線アレイ検出器及び画像強化直線アレイ検出器のうちの1つを備える。留意すべきは、検出器1111が、それの入口に開口を有することである。開口及び(表面1109上の垂直及び斜照明チャネルから)照明されるスポット又は線は、好ましくは、放物面ミラー1110の焦点にある。
【0115】
放物面ミラー1110は、試料1109から散乱された放射を視準ビーム1116中に視準する。視準化ビーム1116は、次いで、対物レンズ1117によって集中させられ、検光器1118を通して検出器1111まで進む。留意すべきは、放物面形状以外の形状を有する湾曲鏡面が、また用いられてもよいことである。器具1120が、ビームと試料1109との間の相対移動を提供することにより、ビームが試料1109の表面にわたって走査されてもよい。
【0116】
本発明がある特定の実施形態に関して説明されてきたけれども、本発明の発明的特徴は、別の実施形態に同様に適用可能であり、それらの全ては、本発明の範囲内にあることが意図されていることが当業者には明らかであろう。