特許第6847104号(P6847104)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6847104共形ドーパント堆積を使用した3D SI構造における共形ドーピング
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6847104
(24)【登録日】2021年3月4日
(45)【発行日】2021年3月24日
(54)【発明の名称】共形ドーパント堆積を使用した3D SI構造における共形ドーピング
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/336 20060101AFI20210315BHJP
   H01L 29/78 20060101ALI20210315BHJP
   H01L 21/318 20060101ALI20210315BHJP
   C23C 16/38 20060101ALI20210315BHJP
【FI】
   H01L29/78 301F
   H01L29/78 301X
   H01L21/318 B
   C23C16/38
【請求項の数】16
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2018-519368(P2018-519368)
(86)(22)【出願日】2016年8月26日
(65)【公表番号】特表2018-532272(P2018-532272A)
(43)【公表日】2018年11月1日
(86)【国際出願番号】US2016048950
(87)【国際公開番号】WO2017065880
(87)【国際公開日】20170420
【審査請求日】2019年8月23日
(31)【優先権主張番号】62/242,146
(32)【優先日】2015年10月15日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/961,920
(32)【優先日】2015年12月8日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】チェン, ルイ
(72)【発明者】
【氏名】マリック, アブヒジット バス
(72)【発明者】
【氏名】ガンディコッタ, シュリーニヴァース
(72)【発明者】
【氏名】マンナ, プラミット
【審査官】 岩本 勉
(56)【参考文献】
【文献】 特表2014−513416(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0004689(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0104955(US,A1)
【文献】 特開平06−200376(JP,A)
【文献】 特開平04−335526(JP,A)
【文献】 特開2008−187187(JP,A)
【文献】 特表2017−523593(JP,A)
【文献】 特表2010−519773(JP,A)
【文献】 国際公開第2015/199705(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0132047(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0252197(US,A1)
【文献】 中国特許出願公開第106463536(CN,A)
【文献】 韓国公開特許第10−2015−0044416(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/336
C23C 16/38
H01L 21/318
H01L 29/78
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板処理方法であって、
基板の上に形成された3次元構造上に、熱化学気相堆積プロセス及びプラズマ堆積プロセスの組み合わせによって、ホウ素、炭素、及び窒素から成り、70%を超える適合性である共形膜を堆積させることであって、前記3次元構造がケイ素含有FinFETデバイスである、堆積させることと、
前記ホウ素を前記3次元構造内に拡散させ、前記FinFETデバイスをドープするために、前記3次元構造及び前記膜をアニールすることと
を含む方法。
【請求項2】
前記膜の中の前記ホウ素がジメチルアミンボラン前駆体から導出される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記アニール処理が急速熱アニール処理である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記急速熱アニール処理が、700℃から1100℃までの温度で実行されるスパイクアニール処理である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記スパイクアニール処理がレーザスパイクアニールを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
基板処理方法であって、
基板の上にケイ素含有3次元構造を形成することと、
前記ケイ素含有3次元構造を一又は複数のドーパント含有前駆体及び一又は複数のキャリアガスに曝露することと、
前記ケイ素含有3次元構造上に、熱化学気相堆積プロセス及びプラズマ堆積プロセスの組み合わせによって、ホウ素、炭素、及び窒素から成り、70%を超える適合性である共形膜を堆積させることと、
前記ドーパントを前記共形膜から前記ケイ素含有3次元構造内に拡散させるために、前記ケイ素含有3次元構造及び前記共形膜をアニールすることと
を含む方法。
【請求項7】
前記ケイ素含有3次元構造がFinFETデバイス構造を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記ドーパントがホウ素であり、前記ドーパント含有前駆体がジメチルアミンボランである、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記アニールが、700℃から1100℃までの温度で実行されるスパイクアニール処理である、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
基板処理方法であって、
上部に形成された3次元構造を有する基板を膜堆積チャンバの処理領域の中に位置付けることと、
前記3次元構造を一又は複数のドーパント含有前駆体及び一又は複数のキャリアガスに曝露することと、
前記3次元構造上に、熱化学気相堆積プロセス及びプラズマ堆積プロセスの組み合わせによって、ホウ素、炭素、及び窒素から成り、70%を超える適合性である共形膜を堆積させることと、
前記基板を熱処理チャンバに移送することと、
前記共形膜から前記3次元構造内に前記ドーパントを拡散させるために、前記3次元構造及び前記共形膜をアニールすることと
を含む方法。
【請求項11】
前記膜堆積チャンバが、熱化学気相堆積プロセスを実行し、前記共形膜を堆積させるように構成されている、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記共形膜を堆積させることが、200℃から650℃までの温度で前記膜堆積チャンバで実行される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記処理領域が、前記共形膜堆積中に100mTorrから100Torrまでの圧力で維持される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記一又は複数のドーパント含有前駆体がジメチルアミンボランを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記一又は複数のドーパント含有前駆体及び前記一又は複数のキャリアガスの中の前記ジメチルアミンボランの分圧が、10Pascalから1000Pascalまでである、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記共形膜の厚さは10nmから100nmである、請求項1から15のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に記載の実施形態は、一般に、基板の上に形成された3次元(3D)構造のドーピングに関する。より具体的には、本明細書に記載の実施形態は、共形ドーパント堆積プロセスを使用した、3Dケイ素構造における共形ドーピングに関する。
【背景技術】
【0002】
フィン電界効果トランジスタ(FinFETs)などの3次元(3D)トランジスタは、相補型金属酸化物半導体(CMOS)のスケーリングを拡張する有望な候補である。そのようなFinFETトランジスタは、一般に、改良された静電制御(即ち、短チャネル効果)及びランダムなドーパント変動に対する低下した感度を提供する。しかしながら、高度なテクノロジー次元でのFinFETの集積化において、実施課題及びプロセスの複雑さの問題が存在する。
【0003】
例えば、FinFET集積化の1つの課題は、3Dケイ素含有デバイス構造におけるドーパント濃度である。完全に空乏化した(すなわち、移動キャリアがない)FinFETデバイス構造における本体又はバックゲートバイアスの欠如の結果として、非ドープFinFETのための実行可能な閾値電圧を達成するために、しばしば複雑な仕事関数工学が必要である。閾値電圧の複雑さに加えて、FinFET構造内のドーパント濃度及びドーパント分布は、3Dデバイス構造製造プロセスにおいて更なる課題を提示する。
【0004】
現在のFinFETドーピングプロセスは、傾斜イオン注入スキーム又は照準線堆積スキームを利用する。傾斜イオン注入スキームでは、ドーパント濃度及び分布の特異性を制御することは困難であり、そのようなシステムは、処理シーケンスで実施するのに費用がかかる。加えて、スループットは、ドーピング操作を実行するために使用される追加の装置によって悪影響を受ける可能性がある。照準線スキームは、FinFET上にドーパント膜を堆積させるために使用されることがあるが、FinFETの3D構造は、FinFET構造内のドーパント分布及び濃度に悪影響を及ぼす、適切な膜堆積特性(即ち、3D構造の側壁への堆積)を妨げる。
【0005】
したがって、当該分野では、改良されたFinFETドーピング方法が必要とされている。
【発明の概要】
【0006】
1つの実施形態では、基板処理方法が提供される。方法は、共形ホウ素−炭素−窒素含有膜を基板の上に形成された3次元構造上に堆積させることを含む。 3次元構造は、FinFETデバイスであり、3次元構造及び膜は、ホウ素を3次元構造内に拡散させ、FinFETデバイスをドープさせるためにアニールされうる。
【0007】
別の実施形態では、基板処理方法が提供される。基板処理方法は、基板のケイ素含有3次元構造を形成することと、3次元構造を一又は複数のドーパント含有前駆体及び一又は複数のキャリアガスに曝露することとを含む。共形膜は、3次元構造上に堆積され、かつドーパント、及び炭素及び窒素から成る群から選択された少なくとも1つの非ドーパント材料を含みうる。3次元構造及び共形膜は、ドーパントを共形膜から3次元構造内に拡散させるためにアニールされうる。
【0008】
更に別の実施形態では、基板処理方法が提供される。方法は、上部に形成された3次元構造を有する基板を膜堆積チャンバの処理領域の中に位置付けることと、3次元構造を一又は複数のドーパント含有前駆体及び一又は複数のキャリアガスに曝露することとを含む。共形膜は、3次元構造上に堆積され、かつドーパント、及び炭素及び窒素から成る群から選択された少なくとも1つの非ドーパント材料を含みうる。基板が熱処理チャンバに移送され、3次元構造及び共形膜は、共形膜から3次元構造内にドーパントを拡散させるようにアニールされうる。
【0009】
本開示の上記特徴が詳細に理解できるように、上記で概説した本開示のより具体的な説明が実施形態を参照することにより得られ、それら実施形態の幾つかは添付図面に示されている。しかし、本開示は他の等しく有効な実施形態も許容しうることから、付随する図面はこの開示の典型的な実施形態のみを示しており、したがって、本開示の範囲を限定すると見なすべきではないことに、留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本明細書に記載の1つの実施形態による3次元(3D)構造が上部に形成された基板の概略断面図を示す。
図2】本明細書に記載の実施形態による共形膜の堆積及びドーピングプロセスを実行するための方法の工程を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
理解を容易にするために、可能な場合には、複数の図に共通する同一の要素を指し示すために共通の語句を使用した。1つの実施形態で開示されている要素は、具体的な記述がなくとも、他の実施形態で有益に利用されうると想定される。
【0012】
本明細書に記載の実施形態は、一般に、基板上での3次元(3D)構造のドーピングに関する。1つの実施形態では、共形ドーパント含有膜が3D構造上に堆積されうる。膜に組み込まれうる適切なドーパントは、ホウ素、リン、及び他の適切なドーパントを含みうる。続いて、ドーパントを3D構造内に拡散させるために、膜がアニールされうる。
【0013】
図1は、本明細書に記載の1つの実施形態による3次元(3D)構造104が上部に形成された基板100の概略断面図を示す。基板100は、ベース材料層102から延びる3D構造104を含む。1つの実施形態では、ベース材料層102は、純粋なケイ素又はドープされたケイ素などのケイ素含有材料でありうる。別の実施形態では、ベース材料層102は、酸化物、窒化物などの絶縁体材料でありうる。例えば、 基板100は、シリコン・オン・インシュレータ(silicon−on−insulator)基板でありうる。本明細書に記載の実施形態は、一般に、300mmの円形基板を参照して製作されるが、様々な他の基板寸法が本明細書に記載の実施形態から利益を得ると想定されうる。
【0014】
3D構造104は、様々なパターニング及びエッチングプロセスによって、ベース材料層102上に形成されうる。一般に、3D構造は、相補型金属酸化物半導体(CMOS)トランジスタにおけるフィン電界効果トランジスタ(FinFET)としての実施に適した寸法で形成されるが、他のトランジスタタイプもまた、本明細書に記載の実施形態から利益を得ることがある。3D構造は、現在の技術ノード及び10nm未満のノードのような先進技術ノードでの利用に適しており、そのような利用にふさわしい寸法を有しうると考えられる。
【0015】
3D構造104は、ベース材料層102と同じ材料であってもよく、又はベース材料層102と異なる材料であってもよい。1つの実施形態では、3D構造104は、ケイ素から形成されうる。他の実施形態では、3D構造は、ケイ素及び一又は複数のドーパントなどの複数の材料を含みうる。3D構造104は、ベース材料層102から延び、トレンチ116によって離間されている。3D構造は、上面108、及びトレンチ116の上面108と底面110との間を延びる側壁106を含む。
【0016】
共形膜112を3D構造104及びベース材料層102の上に堆積させる。共形膜112は、一般に、共形膜112を堆積させる領域に関わらず、一定の又は実質的に一定の厚さを維持する。1つの実施形態では、約70%を超える適合性で、約80%を超える適合性で、約90%を超える適合性で、約95%を超える適合性で又は約98%を超える適合性で、共形膜112を堆積させうる。例えば、共形膜112の厚さ114は、主に共形膜112の約70%にわたって等しくなるように、上面108、側壁106、及び底面110に隣接して維持されうる。1つの実施形態では、厚さ114は、3D構造の寸法及び所望のドーピング特性次第で、約10nmから約100nmまでとなりうる。
【0017】
共形膜112は、化学気相堆積(CVD)又はプラズマベースの堆積技法などの様々な堆積技法によって堆積されうる。1つの実施形態では、共形膜112は、熱CVD技法によって堆積されうる。本実施形態では、堆積前に様々な前駆体を調製するために、熱前駆体蒸発装置が、適切に構成された膜堆積チャンバに連結されうる。熱前駆体蒸発装置によって利用される温度は、用いられる前駆体次第で、約70℃から約150℃まででありうる。別の実施形態では、共形膜112は、プラズマ化学気相堆積(PECVD)技法によって堆積されうる。本実施形態では、プラズマは、遠隔プラズマ源によって生成されてもよく、又は処理チャンバ内部で生成されてもよい。別の実施形態では、共形膜112は、ハイブリッド熱/プラズマ堆積技法によって堆積されうる。共形膜112を堆積させるための適切な装置は、カリフォルニア州サンタクララのApplied Materials,Inc.,から入手可能なPRODUCER(登録商標)チャンバである。他の製造業者からの適切に構成されたチャンバもまた、本明細書に記載の実施形態による共形膜の堆積を実行するために用いられうることが想定されている。
【0018】
図2は、本明細書に記載の実施形態による共形膜の堆積及びドーピングプロセスを実行するための方法200の工程を示す。工程202では、共形ドーパント含有膜は、基板の上に形成された3D構造上に堆積されうる。膜は、上記のような適合性を提供するように構成された適切な処理条件を用いて堆積されうる。1つの実施形態では、ドーパント含有共形膜は、膜堆積チャンバの処理領域の中に位置付けられる基板の上に堆積されうる。ある実施形態では、ドーパント含有共形膜は、ドーパント及び非ドーパント材料を含みうる。適切なドーパント種は、数ある中でも、ホウ素、リン、ヒ素、アンチモン、アルミニウム、及びガリウムを含む。非ドーパント材料は、数ある中でも、炭素、窒素、ケイ素、及び酸素を含む。一般に、共形膜の中のドーパントが続く処理工程中に3D構造内に拡散されることになる一方で、非ドーパント材料は、3D構造内に拡散されることはないだろう。
【0019】
1つの例では、ホウ素−炭素−窒素膜が3D構造上に堆積されうる。本実施形態では、ジメチルアミンボランなどのホウ素含有前駆体が、膜堆積チャンバ内の3D構造に曝露されうる。オプションで、ホウ素含有前駆体は、膜堆積チャンバの処理領域内への侵入前に、加熱されてもよい。本実施形態では、非ドーパント材料炭素及び窒素もまた、3D特性に曝露されうる。適切な炭素含有前駆体は、プロペンなどの炭化水素含有材料であり、適切な窒素含有前駆体は、アンモニアなどでありうる。
【0020】
共形膜の要素組成を制御するために、前駆体の流量は、共形膜組成プロファイルに影響を与えるよう変更されうる。加えて、数ある中でもアルゴン、窒素、水素、及びヘリウムなどの様々なキャリアガスは、前駆体と共に膜堆積チャンバの処理容積に提供されうる。一又は複数のキャリアガスは、約100sccmから約20000sccmの速度で膜堆積チャンバに提供されうる。ドーパント前駆体のキャリアガスに対する分圧は、約10Pascalから約1000Pascalでありうる。
【0021】
膜堆積チャンバの温度は、共形膜堆積プロセス中に約200℃から約650℃までに維持されうる。膜堆積チャンバの圧力は、共形膜堆積プロセス中に、約100mTorrから約100Torrまでで維持されうる。前駆体流量、チャンバ温度、及びチャンバ圧力は、ドーパント含有膜の適合性に影響を与え、続く3D構造のドーピングに適切なある程度の適合性を提供するように構成されうると考えられる。
【0022】
工程204では、3D構造は、ドーパント含有共形膜から3D構造内にドーパントを拡散するようにアニールされうる。基板は、膜堆積チャンバから、急速な熱処理チャンバなどのアニールチャンバに移送されうる。急速な熱処理は、基板をアニールするために様々な電磁エネルギー源を利用しうる。例えば、放射加熱、レーザアニール、又はそれらの組み合わせが、共形膜から3D構造内にドーパントを駆動するために用いられうる。1つの実施形態では、アニールプロセスを実行するための適切な装置は、VANTAGE(登録商標)ASTRA(登録商標)ツール、VANTAGE(登録商標)RADIANCE(登録商標)PLUSツール、VANTAGE(登録商標)VULCAN(登録商標)ツールであり、すべてがカリフォルニア州サンタクララのApplied Materials,Inc.,から入手可能である。また、本明細書に記載のアニールプロセスを実行するために、他の製造業者からの適切に構成されたアニール装置が使用されうることも想定される。
【0023】
アニールプロセスは、約700℃から約1100℃まで、例えば、約850℃から約1050℃までの温度で実行されうる。アニールプロセスは、概して、反復的に、基板上に堆積させた材料を迅速に加熱するように構成される。温度サイクリングは、ミリ秒スケールから秒スケールで実行され、アニールは、ドーパントを共形膜から3D構造に拡散させるだけでなく、非ドーパント材料の3D構造への拡散を防止するために共形膜の非ドーパント材料を揮発させることもできると考えられる。
【0024】
共形ドーパント含有膜の適合性の結果として、3D構造内へのドーパント拡散は、主に均一になるように制御された方法で進行しうる。要するに、ドーパントは、複数の方向(即ち、側壁及び上壁)から3D構造内に拡散し、拡散の深さは、アニールプロセスによって制御されうる。上記のホウ素−炭素−窒素の実施形態では、3D構造(ポストアニール)におけるホウ素濃度は、約2.5×1021原子/cmから約3.5×1021原子/cmまででありうる。3D構造における炭素及び窒素の濃度(ポストアニール中の)は、約5.0×1018原子/cm未満、例えば、約5.0×1017原子/cm未満などでありうる。アニールプロセスの結果としての拡散の深さ次第で、炭素及び窒素の濃度は、約0原子/cm、又は3D構造のデバイス機能性(即ち、閾値電圧)に著しく影響を与えない別の無視できる濃度であってもよい。ドーパントを均一に3D構造内に選択的に組み込むことによって、3D構造におけるドーパント分布は、改善された閾値電圧エンジニアリングを提供し、改善されたデバイス性能も提供しうる。
【0025】
アニールプロセスが実行された後に、ドーパントが空乏した共形膜の任意の残った部分は、基板及び3D構造から除去されうる。共形膜を優先して除去するために選択された化学的性質を有する、湿式エッチング又は乾燥プラズマエッチングプロセスなどの種々のエッチングプロセスは、共形膜を除去するために利用されうる。結果として、3D構造は、所望のドーパント種でドープされ、3D構造は、続くデバイス構造製造プロセスに適する可能性がある。
図1
図2