(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6850332
(24)【登録日】2021年3月9日
(45)【発行日】2021年3月31日
(54)【発明の名称】イメージングシステム
(51)【国際特許分類】
H01L 21/66 20060101AFI20210322BHJP
G01B 11/30 20060101ALI20210322BHJP
G01N 21/956 20060101ALI20210322BHJP
【FI】
H01L21/66 J
G01B11/30 A
G01N21/956 A
【請求項の数】19
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2019-199579(P2019-199579)
(22)【出願日】2019年11月1日
(62)【分割の表示】特願2016-572324(P2016-572324)の分割
【原出願日】2015年6月9日
(65)【公開番号】特開2020-25126(P2020-25126A)
(43)【公開日】2020年2月13日
【審査請求日】2019年11月1日
(31)【優先権主張番号】62/009,479
(32)【優先日】2014年6月9日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/731,861
(32)【優先日】2015年6月5日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500049141
【氏名又は名称】ケーエルエー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ホーン ポール
【審査官】
小池 英敏
(56)【参考文献】
【文献】
特開2008−235892(JP,A)
【文献】
特開2010−016048(JP,A)
【文献】
特開2010−002216(JP,A)
【文献】
特表2009−535782(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/66
G01B 11/30
G01N 21/956
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプルの曲線状のエッジをイメージングするシステムであって、
前記サンプルの前記曲線状のエッジに向かって位置している内表面と前記内表面に向かい合った外表面とを有する湾曲した拡散器と、
前記拡散器が前記サンプルの前記曲線状のエッジに対して複数の入射角で一様な光を出力するように、前記拡散器の前記外表面上の複数の位置に設けられて複数の照射ビームを生成する複数の光源と、
前記光に反応して前記サンプルの前記曲線状のエッジから散乱された光を受領し、イメージを生成するために検出された信号を生成するセンサと、
を備えており、
前記拡散器が、前記サンプルが挿入され得るスロットを含み、前記システムがさらに、前記サンプルが前記拡散器の前記スロット内を動いて且つ前記センサが異なる入射角からの光を受けるように、前記拡散器、光源、及びセンサを前記スロットに平行な平面内で回転させる位置決め機構をさらに備えている、
システム。
【請求項2】
前記センサが3mmに等しいか又はそれより小さい直径を有している、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記拡散器がドーム形状をしている、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記サンプルがウエハであり、前記エッジがそのようなウエハの面取りされたエッジであり、前記拡散器が、前記面取りされたエッジの一部の表面に渡って一様な光を出力する形状及びサイズを有している、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記一様な光がまた、前記ウエハの上面の特定エリアをカバーする、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記センサが、前記面取りされたエッジの一つ又はそれ以上の表面の特定のセットから散乱された光を受け取るように、前記光源に対して前記拡散器内に位置されている、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記センサが前記拡散器の孔の中に搭載されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記センサが前記孔の中で前記拡散器の前記内表面に対してへこむように置かれている、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記曲線状のエッジの一つ又はそれ以上の表面の異なるセットをイメージングするように、前記拡散器、光源、及びセンサを異なる位置に調整可能に動かすための位置決め機構をさらに備えている、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記光源が前記拡散器の前記外表面から約3mmから1インチの間の距離に置かれている、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記光源が取り付けられている支持構造をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記光源が前記拡散器の前記外表面に取り付けられたLED(発光ダイオード)である、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記拡散器の複数の孔の中に挿入されて異なる入射角で光を受ける複数のセンサをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記光源が、一つ又はそれ以上の光発生器からの光を方向付ける複数の光ファイバの形態である、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
前記光源が、前記照射ビームを、そのような照射ビームが任意の光学要素を介して前記拡散器に送られることなく、直接的に前記拡散器上に生成する電子構成要素からなっている、請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
サンプルを検査する検査システムであって、
サンプルの曲線状のエッジを請求項1に記載のようにイメージングするシステムと、
一つ又はそれ以上の第2の照射ビームを前記サンプルの上面に向ける検査光学系と、
前記サンプルから反射又は散乱された出力ビームに応答して、前記サンプルから散乱又は反射されるかあるいは前記サンプルを通って伝えられた出力ビームに応答して、検出された信号又はイメージを受け取る検査検出器と、
前記検査検出器からの前記検出された信号又はイメージを分析又はレビューして、それによって前記サンプル上の欠陥を検出するように構成され、且つ、前記システムからの前記検出された信号又はイメージを分析して前記サンプルの前記曲線状のエッジをイメージングし、それによってサンプルの曲線状のエッジの欠陥を検出するように構成されたプロセッサ及びメモリと、
を備える検査システム。
【請求項17】
前記光源が、前記照射ビームを、そのような照射ビームが任意の光学要素を介して前記拡散器に送られることなく、直接的に前記拡散器上に生成する電子構成要素からなっている、請求項16に記載の検査システム。
【請求項18】
前記光源が前記拡散器の前記外表面に取り付けられたLED(発光ダイオード)である、請求項16に記載の検査システム。
【請求項19】
前記光源が、一つ又はそれ以上の光発生器からの光を方向付ける複数の光ファイバの形態である、請求項16に記載の検査システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的にはウエハ検査及びイメージングの領域に関している。より具体的には、本発明は、曲線状のウエハエッジを検査及びイメージングするための装置及び技法に関する。
【背景技術】
【0002】
本出願は、2014年6月9日付けでポール・ホルン(Paul Horn)により出願された「ウエハエッジのための小型化イメージング方法」という名称の米国仮出願第62/009,479号の優先権を主張しており、その出願は、その全体が全ての目的のために参照によってここに援用される。
【0003】
一般的に、半導体製造産業は、シリコンのような基板上に積層され且つパターニングされた半導体材料を使用して集積回路を製造するための非常に複雑な技法を伴う。大規模な回路の集積化及び半導体デバイスのサイズの小型化のために、製造されたデバイスは欠陥に対してますます敏感になっている。すなわち、デバイスのフォールトを生じさせる欠陥は、ますます小さくなってきている。デバイスでは一般的に、最終ユーザ又は顧客への出荷前にはフォールトフリーであることを要求することができる。
【0004】
半導体レチクル又はウエハ上の欠陥を検出するために、半導体産業内では様々な検査システムが使用される。一つのタイプの検査ツールは、光学式検査システムである。光学式検査システムでは、一つ又はそれ以上の放射ビームが半導体ウエハに向けられて、反射及び/又は散乱されたビームが、それから検出される。検出されたビームはそれから、検出された電気信号又はイメージを生成するために使用され得て、そのような信号又はイメージがそれから、ウエハ上に欠陥が存在するかどうかを決定するために分析される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−002216号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特定の検査アプリケーションでは、ウエハの側面が、そのようなウエハのエッジ領域のイメージを得るためにイメージングされる。そのようなエッジ領域をイメージングするための改良された検査技法及び装置に対する継続的な必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下に、本発明のある実施形態の基本的な理解を提供するために、本開示の単純化した要約を提示する。この要約は、本開示の完璧な概観ではなく、本発明のキーとなる/重要な要素を特定したり本発明の範囲を詳細に描写したりするものではない。その唯一の目的は、ここに開示されているいくつかの概念を、以下に提示されるより詳細な記述への前置きとして、単純化された形態で提示することである。
【0008】
一つの実施形態では、面取りされたエッジを有するウエハのようなサンプルの曲線状のエッジをイメージングするシステムが開示される。このシステムは、サンプルの曲線状のエッジに向かって位置している内表面と、その内表面に向かい合った外表面とを有する湾曲した拡散器と、拡散器がサンプルの曲線状のエッジに対して複数の入射角で一様な光を出力するように拡散器の外表面上の複数の位置に隣接して複数の照射ビームを生成する複数の光源と、を含む。このシステムはさらに、入射光に反応してサンプルの曲線状のエッジから散乱された光を受領し、イメージを生成するために検出された信号を生成するセンサを含む。光源、拡散器、及びセンサはコンパクトなフォーマットに一体化されている。特定の具現化では、センサは3mmに等しいか又はそれより小さい直径を有している。他の具現化では、光源が拡散器の外表面から約3mmから1インチの間の距離に置かれている。
【0009】
他の具現化では、拡散器がドーム形状をしている。ある局面では、拡散器が、ウエハの面取りされたエッジの全表面にわたって一様な光を出力する形状及びサイズを有している。更なる局面では、一様な光がまた、ウエハの上面の境界エリアをカバーする。他の例では、センサが、面取りされたエッジの一つ又はそれ以上の表面の特定のセットから散乱された光を受け取るように、光源に対して拡散器内に位置されている。他の実施形態では、センサが拡散器の孔の中に搭載又は固着されている。更なる局面では、センサが孔の中で拡散器の内表面に対してへこむように置かれている。
【0010】
他の局面では、システムは、曲線状のエッジの一つ又はそれ以上の表面の異なるセットをイメージングするように、拡散器、光源、及びセンサを異なる位置に調整可能に動かすための位置決め機構をさらに備えている。他の局面では、システムは、光源が取り付けられている支持構造をさらに含む。特定の具現化では、光源が拡散器の外表面に取り付けられたLED(発光ダイオード)である。他の特徴では、拡散器が、サンプルが挿入され得るスロットを含み、システムがさらに、サンプルが拡散器のスロット内を動いて且つセンサが異なる入射角からの光を受けるように、拡散器、光源、及びセンサをスロットに平行な平面内で回転させる位置決め機構をさらに備えている。
【0011】
他の実施形態では、システムは、拡散器に挿入されて異なる入射角で光を受ける複数のセンサをさらに備える。他の局面では、光源が、一つ又はそれ以上の光発生器からの光を方向付ける複数の光ファイバの形態である。他の局面では、光源が、照射ビームを、そのような照射ビームが任意の光学要素を介して拡散器に送られることなく、直接的に拡散器上に生成する電子構成要素からなっている。
【0012】
他の実施形態では、本発明はサンプルを検査する検査システムに関する。この検査システムは、サンプルの曲線状のエッジをイメージングする上述のエッジ検出システムの一つ又はそれ以上の実施形態を含む。この検査システムはさらに、一つ又はそれ以上の第2の照射ビームをサンプルの上面に向ける検査光学系と、サンプルから反射又は散乱されている出力ビームに応答して、サンプルから散乱又は反射されるか又はサンプルを通って伝えられた出力ビームに応答して、検出された信号又はイメージを受け取る検査検出器と、検査検出器からの検出された検査信号又はイメージを分析又はレビューし、それによってサンプル上の欠陥を検出するように構成され、且つ、システムからの検出された信号又はイメージを分析してサンプルの曲線状のエッジをイメージングし、それによってサンプルの曲線状のエッジ上の欠陥を検出するように構成されたプロセッサ及びメモリを含む。
【0013】
本発明のこれら及び他の局面は、図面を参照して以下にさらに記述される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1A】本発明の一つの実施形態に従ったエッジ検出システムの模式的な切断側面図である。
【
図1B】本発明の特定の具現化に従った
図1Aの拡散器の斜視図である。
【
図1C】一つの実施形態に従った拡散器の外表面上での光源の分布を描いた模式的な背面図である。
【
図2】本発明の特定の具現化に従った、拡散器の代替的な位置にセンサが搭載されている代替的なエッジ検出システムの切断側面図である。
【
図3】代替的な実施形態に従った、拡散器とは別個で且つ隣接する支持片に光源が搭載されているエッジ検出システムの切断側面図である。
【
図4A】本発明の代替的な実施形態に従ったエッジ検出システムの斜視図である。
【
図5】本発明の他の実施形態に従った、複数のカメラを有するエッジ検出システムの切断側面図である。
【
図6】本発明の代替的な実施形態に従ったセンサシステムの模式図である。
【
図7】本発明の代替的な具現化に従った、光ファイバ束を利用しているエッジ検出システムの模式図である。
【
図8】本発明の一つの実施形態に従った曲線エッジの検出プロセスを描いた流れ図である。
【
図9】ある実施形態に従った検査装置の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下の記述では、本発明の十分な理解を提供するために、数多くの特定の詳細が示される。本発明は、これらの特定の詳細のいくつか又は全て無しで、実行され得る。他の場合には、よく知られた構成要素又はプロセス操作が、不必要に本発明を不明瞭にしないように、詳細には記載されていない。本発明が特定の実施形態に関連して記述されるが、本発明を実施形態に限定することが意図されていないことを理解されたい。
【0016】
ここに使用されるように、「試料」及び「サンプル」という用語は、一般的にエッジを有するウエハ又は任意の他の試料を指し、その上に、対象となる欠陥が位置し得る。「試料」「サンプル」及び「ウエハ」という用語がここでは相互交換的に使用されるが、ウエハに関して記述された実施形態が検査及びイメージングのために構成及び/又は使用され得ることを理解されたい。
【0017】
ここに使用されるように、「ウエハ」という用語は、一般的に半導体又は非半導体材料から形成された基板を指す。半導体材料の例は、単結晶シリコン、ガリウム砒素、及びインジウムリンを含むが、これらに限定されるものではない。そのような基板は、半導体製造設備にて普通に見出され得て且つ/又は処理され得る。
【0018】
一つ又はそれ以上の層がウエハ上に形成され得る。例えば、そのような層はレジスト、誘電材料、及び導電材料を含み得るが、これらに限定されるものではない。多くの異なるタイプの層が当該技術で既知であり、ここで使用されているウエハという用語は、全てのタイプの層が形成され得るか又はまだ層が形成されていないウエハを含むことが意図されている。ウエハ上に形成された一つ又はそれ以上の層は、パターニングされ得る。例えば、ウエハは、各々が反復可能なパターン形状を有する複数のダイを含み得る。材料のそのような層の形成及び処理は、最終的には完成した半導体デバイスをもたらす結果となり得る。要するに、ウエハは、層が形成されていないベア基板、完全な半導体デバイスの層の一部が形成されている基板、又は、完全な半導体デバイスの全ての層が形成されている基板を含み得る。
【0019】
ウエハは、ウエハのエッジに欠陥を含み得る。ウエハのエッジに見出され得る欠陥の例は、欠け目(チップ;chip)、クラック、引っかき傷(スクラッチ)、しみ(マーク;mark)、粒子(パーティクル)、及び残存化学物質(例えばレジスト及びスラリ)を含むが、これらに限定されるものではない。例えば、ウエハにフォトレジストをスピンコーティングする間に、フォトレジストのしずく(ビード;bead)がウエハの縁の周辺に形成され得て、過剰なフォトレジストがウエハのエッジを越えて下に移動し得る。そのような過剰なエッジのフォトレジストは、薄片状に剥がれ落ちてウエハのデバイスエリアに移動し得る。同様に、エッチング化学物質又は堆積フィルム材料が、ウエハエッジに残存してデバイスエリアに移動し得る。任意の数のこれらのエッジ欠陥は、歩留まりの損失をもたらす結果となり得る。複数のウエハが一緒に結合されていると、そのようなウエハ間の結合もまた、欠陥を有し得る。
【0020】
欠陥を見出すためにウエハエッジのような曲線状の又は面取りされたサンプルエッジを検査する装置及び技法が、ここに記述される。一般的に、面取りされたウエハエッジのような非常に湾曲した又は曲線状の表面を一様に照射してイメージングするためのエッジ検出システムが提供される。エッジ検出は一般的に、面取りされたウエハエッジのような曲線状のエッジの周囲にフィットすることができるコンパクトな湾曲した拡散器を含み、これに、複数の光源が設けられて、拡散器表面上の複数の位置で照射を生成する。
【0021】
ここで図面を参照すると、図面が一定の縮尺で描かれていないことに留意されたい。特に、図面の構成要素のうちのいくつかの縮尺は、構成要素の特徴を強調するために、非常に誇張されている。図面が同じ縮尺で描かれていないことにも、また留意されたい。一つより多くの図面に示された同様に構成され得る構成要素は、同じ参照番号を使用して示されている。
【0022】
図1Aは、本発明の一つの実施形態に従ったエッジ検出システム100の模式的な切断側面図である。エッジ検出システム100は、サンプルの面取りされたエッジにおける欠陥を検出することができる。この例では、半導体ウエハの最も薄いエッジ表面であるウエハエッジの切断部101が、対象のサンプルとして描かれている。ウエハのエッジは、全長に沿って面取りされるか又は曲線的にされ得る。例えば、サンプル101は、面取りされたエッジ部102のみを備え得る。あるいは、描かれているように、サンプル101は、例えば複数のウエハがスタックされて一緒に結合されている結合ウエハタイプでは、面取りされたエッジ部102及び面取りされていないエッジ部103の両方を含み得る。両方の例で、ウエハのエッジは、研削(グラインディング)、切断(カッティング)、又は研磨(ポリッシング)プロセスの対象となり得て、その結果として面取りされたエッジがもたらされる。そのような研削、切断、又は研磨の間に、エッジの一部は面取りされないままで残され得る。面取りされたエッジは、上面102a、底面102b、及び側面102cを有する。上面102a及び底面102cは側面102cに向かって傾斜している。しかし、曲線状のエッジは、任意の適切な数の面取りファセットによって形成され得る。
【0023】
サンプルの上面103aは、一つ又はそれ以上のパターニングされた層を含み得るか、又はベアであり得る。ウエハはさらに、集積回路の少なくとも一部、薄膜ヘッドダイ、微小電気機械システム(MEMS)デバイス、フラットパネルディスプレイ、磁気ヘッド、磁気及び光学記憶媒体、レーザ、導波路、及びその他のウエハ上に処理された受動構成要素のようなフォトニクス及びオプトエレクトロニクスデバイスを含み得る他の構成要素、プリントヘッド、及びウエハ上に処理されたバイオチップデバイスを含み得る。
【0024】
一般的に、エッジ検出システムは、面取りされたエッジ表面の全ての又は実質的な部分をイメージングするように広範囲の入射角度で照射を提供する、非常にコンパクトな設計を有している。
【0025】
描かれている例では、エッジ検出システム100は、複数の光源(例えば104a〜104k)と、小型化されたドーム形状の拡散器106に結合されているか又は隣接したコンパクトなセンシング要素108から形成されている。非常にコンパクトな任意の適切な光源が使用され得る。例示的なコンパクトで小さな光源は、LED(発光ダイオード)、光ファイバに結合されたハロゲンランプ、レーザダイオードなどのような一つ又はそれ以上の光源を含む。非常にコンパクトな任意の適切なイメージセンサが使用され得る。例えば、センサは、数mmよりも小さいか又は等しい直径を有し得る。例示的なセンサは、OmniVisionOV6922などを含む。
【0026】
ある実施形態では、エッジ検出システム全体が非常に小さく、例えば25mmよりも小さい半径を有していて、エッジ検出システム100が対象のエッジに非常に接近して配置されることを可能にする。
【0027】
拡散器106は、光源からの光を透過及び散乱(例えば拡散)する材料から形成され得て、光が、拡散器の内部全体から広範囲の角度で、面取りされたエッジ表面に向かって散乱される。拡散器106は、蛍光ポリマ又はニューハンプシャー州ノース・サットン(North Sutton, NH)のラボスフェア(Labsphere)社から入手可能なスペクトラロン(Spectralon)のような光学的に拡散性の材料から加工され得る。あるいは、拡散器106は3Dプリンタで生成されることができる。拡散器はまた、光源とフィルムとの間に置かれた透明基板に接着された拡散器フィルムから形成され得る。拡散器106の内表面はまた、拡散された光をドームの内側に向かって及び面取りされたエッジ表面に向かって反射するように、反射性の材料でコーティングされ得る。
【0028】
拡散器は、光が面取りされたエッジの全表面又は全表面の実質的な部分に向かって発せられるように、光源からの照射ビームがそこを通って透過及び散乱される表面を提供するように、任意の適切な形状を有し得る。例示されている例では、拡散器106は、光源の入射角の範囲をカバーするサイズのドーム形状をしている。
【0029】
特定の具現化では、エッジ検出システム100は、面取りされたエッジ表面の全てに且つ上面の境界領域の10mm又はそれ以上まで照射を提供するように、配置されている。光がドームの全表面から出力されて、面取りされたエッジの全ての側に完全に当たっていることにも留意されたい。
【0030】
いずれかの位置で、光源は入射角の範囲に分散され得る。
図1Bは、本発明の特定の具現化に従った
図1Aの拡散器の斜視図である。示されているように、光源104は、拡散器の外表面106aの全体に渡って分散されている。ただし、光源の一部のみが示されている。
図1Cは、一つの実施形態に従って、拡散器の外表面における光源の分布を描いている模式的な背面図(エッジを見ている)である。示されているように、光源104は、センサ108の周囲に且つ拡散器の全外表面106aに渡って、分散されることができる。描かれている分散された光源の縮尺は、実際の設計からは異なり得る。
【0031】
光源は必ずしも、拡散器の全表面に分散されなければならないわけではない。例として、光源は、単一の水平線(図示されず)及び/又は単一の垂直線(例えば120)に沿って配置され得る。一つ又はそれ以上のリングパターン、一つ又はそれ以上の三角形パターン、ランダムなパターンなどのような他の構成が予想される。
【0032】
エッジ検出システムの拡散器及び光源の配置の結果として、光は、センサ又はカメラによって受領されるように面取りの表面の全てから反射及び散乱する。すなわち、面取りされた表面の実質的な部分又は全てがイメージングされる。
【0033】
カメラ又はセンサ108はまた、面取りされたエッジ(例えば102a〜c)の一つ又はそれ以上の表面の特定のセットからの散乱光を受けるようにも、配置され得る。カメラ又はセンサ108は一般的に、対象のエッジから散乱された光の一部を検出器/センサ108bに向けさせて且つフォーカスさせるための収集光学系108aを含む。カメラ108は、拡散器106に一体化され得る。例えば、センサ108は、拡散器106の孔又はスロットの内部に搭載又は固着されることができる。カメラは、拡散器の内表面106bに突き当たるように、又は拡散器の表面の下方にへこむように、搭載又は固着されることができる。
【0034】
図1Aに示されるように、例えばカメラ108は、面取りされた表面の全てからの光を受けるように、側端102cに垂直に位置される。カメラ108は、一つ又はそれ以上の面取りされた表面の特定のセットからの光を受け取るための任意の適切な角度で、調節可能に又は固定するように、位置され得る。例えば、拡散器、光源、及びセンサ108は、一つ又はそれ以上のエッジ表面の特定のセットを見てイメージングするように、位置決め機構116を介して複数の位置(例えば、
図1Aの垂直軸112に対する方向θ、又は軸113に対する方向Ψ)まで回転されることができる。位置決め機構116は、スクリュードライブ及びステッピングモータ、位置フィードバックが付いたリニアドライブ、又はバンドアクチュエータ及びステッピングモータのような任意の形態を取り得る。
【0035】
あるいは、センサ108は拡散器106に対して異なる角度に固定的に位置されることができる。
図2は代替的なエッジ検出システム200の切断側面図を描いており、センサが代替的な位置で拡散器に搭載されている。示されているように、光源(例えば104a〜e及び104g〜k)は、センサ108に対して非対称に分散されている。例えば、センサ108のラインに対して、5つの光源は上方に、6つの光源は下方に、分散されている。センサはまた、垂線112から角度θに位置されている。
【0036】
光源(例えば104a〜k)は、コンパクトなエッジ検出システムを形成するように、任意の適切な方法で拡散器106に取り付けられるか又は隣接して配置されている。好ましくは、光源と拡散器の外表面(例えば
図1Aの106a)との間の距離は、3mm〜約1インチの間の範囲を有する。例えば、LEDは、拡散器の内表面(例えば106b)に向き合った拡散器の外表面(例えば106a)に固着され得て、対象のエッジに向き合う。他の例では、光源は、拡散器の外表面に隣接して位置された他の片に、結合、固定、又は一体化されることができる。
図3は、エッジ検出システム300の切断側面図であり、光源は、代替的な実施形態に従って拡散器106とは別個で且つ隣接している支持片302に搭載されている。支持片302は、光源の全てを保持するための単一の片、又は、異なる光源を保持するための複数の片を備え得る。示されているように、支持片302は、支持片302が拡散器106に隣接して置かれると拡散器を包み込むように、ドーム状の形状をしている。
【0037】
他の実施形態では、拡散器は、サンプルが拡散器の内表面及びセンサに接近して位置されているときに、サンプルに対する拡散器の運動の自由を可能にするような形状をし得る。
図4Aは、本発明の代替的な実施形態に従ったエッジ検出システム400の斜視図である。
図4Bは、
図4Aのエッジ検出システム400の切断側面図である。拡散器406はスロット410a及び410bを含み、そこを通ってサンプル102が挿入され得る。この検出システム400はそれから、サンプル102と同じ平面内で、例えば軸414の周囲を方向416に回転されることができる。サンプル102の側端102cに対する垂直軸に沿って位置されたセンサで得られるイメージに比べて、異なるアジマス角(側端102cに対して垂直ではない)が、異なる構造又は欠陥が付加的な又は異なる情報とともにイメージングされることを可能にし得る。すなわち、ある構造(例えば反復するパターン)が、そのような構造が斜め角度から見られると、より明瞭にイメージングされ得る。
【0038】
図5は、本発明の他の実施形態に従って複数のカメラを有するエッジ検出システム500の切断側面図である。示されているように、複数のカメラ(例えば、508a、508b、及び508c)は、拡散器506の内部に位置され得る。異なるカメラが、任意の数のアプリケーションのために利用され得る。例えば、各カメラは、対象の表面に対して異なる角度で配置され得る。各カメラはまた、特定の範囲の波長又は色を検出するように構成され得る。もちろん、この実施形態又はここに記述された任意の実施形態で、各々が複数の色を検出するように構成されたカメラが、代わりに使用され得る。
【0039】
図6は、本発明の代替的な実施形態に従ったセンサシステム600の模式図である。このセンサシステムは、異なる色又は波長範囲を受け取り検出するように構成されている。例えば、検出された光はレンズ要素602によって受け取られ得て、これが受け取った光を第1のフィルタ604に向ける。第1のフィルタ604は、第1のセットの波長(例えば赤緑)を第2のフィルタ608に向けて透過し、第2のセットの波長(例えば青)を第1の検出器606に向けて反射する。第2のフィルタ608は、第3のセットの波長(例えば赤)を第2の検出器612に向けて透過し、第4のセットの波長(例えば緑)を第3の検出器610に向けて反射する。もちろん、センサは、一つ又はそれ以上の検出器によって任意の適切な数の波長範囲を検出するように構成され得る。
【0040】
ある実施形態では、サンプルに向けて光を生成、拡散、及び散乱するためのエッジ検出システムの構成要素は全て電子的であって、離れた位置からサンプルに光を向けるための光学系を含まない。すなわち、これらのエッジ検出システムは、光が離れて生成され、バルクの光学要素を通ってサンプルに向けられることは、必要としない。加えて、光源が拡散器に隣接して配置される実施形態では、曲線状の又は面取りされたエッジを照射及びイメージングするために十分な光をもたらすために、より少ない数の光源が必要とされ得る。より少ない光源はまた、熱負荷の低減、より低いパワー要件、より長い光源寿命、及びシステムのより少ない磨耗をもたらす結果となり得る。エッジ検出システムのある実施形態はまた、任意の適切な計量又は検査ツールに容易にフィットされることができる単一の一体化されたユニットを提供する。
【0041】
代替的な実施形態では、エッジ検出システムは、一つ又はそれ以上の離れた光源からの照射を、複数の光ファイバを通して拡散器に向けることができる。
図7は、本発明の代替的な具現化に従って光ファイバ束を利用するエッジ検出システム700の模式図である。示されているように、一つの光源704(又は複数の光源)は、複数のファイバ702に対して照射を生成する。各ファイバ702の一端は光源704に隣接し、各ファイバ702の反対側の端は、拡散器106の特定の位置に近接して配置されている。すなわち、ファイバ702は拡散器106の外表面106a上の異なる位置に別個の光源を提供する。各ファイバは、その対応する位置で光を拡散器に出力し、そのような光が、上述のように拡散器によって散乱及び拡散される。
【0042】
図8は、本発明の一つの実施形態に従って曲線状のエッジを検出するプロセス800を示すフローチャートである。最初に、操作802で、複数の照射ビーム(又は光源)が、サンプルの曲線状のエッジの周囲に位置された拡散器の外表面上の複数の位置で生成され得る。操作804で、拡散器は、生成された照射ビームを散乱及び拡散し、サンプルの曲線状のエッジに一様な光を(例えば上述のように複数の入射角で)出力する。
【0043】
操作806で、曲線状のエッジの実質的な部分から散乱された出力光はそれから、一つのセンサ(又は複数のセンサ)によって受け取られる。操作808で、曲線状のエッジの実質的な部分のイメージがそれから、受け取られた光出力に基づいて生成され得る。
【0044】
ここで記述されたエッジ検出システム及び方法は、任意の適切な光学式イメージングシステムと一体化され得る。エッジ検出システムは、例えば
図9に模式的に描かれた検査システム950のような、様々な特定的に構成された検査又はレビューシステムに一体化され得る。この検査システム950は、サンプルSの上面を検査するための構成要素、ならびにサンプルSのエッジのイメージングのための構成要素を含み得る。
【0045】
上面に対して、描かれているシステム950は、平面952内でレチクル又はウエハのようなサンプルSの上に照射光学系951aを介して向けられる光ビームを作り出す照射光源960を含む。光源の例は、コヒーレントなレーザ光源(例えば深UV又は気体レーザ生成器)、フィルタリングされたランプ、LED光源などを含む。検査対象のサンプルSは、平面952内でステージに置かれて、光源に露出される。
【0046】
サンプルS(例えばレチクル)からのパターニングされたイメージは、パターニングされたイメージをセンサ954a上に投射する一群の光学要素953aを通って向けられ得る。反射システムにおいては、光学要素(例えばビームスピリッタ976及び検出レンズ978)が、反射された光をセンサ954b上に向けて捕捉する。2つのセンサが示されているが、単一のセンサを使用して同じレチクルエリアの異なる走査の間に反射されて透過された光を検出することができる。適切なセンサは、電荷結合素子(CCD)、CCDアレイ、時間遅れ積分(TDI)センサ、TDIセンサアレイ、光電子増倍管(PMT)、及びその他のセンサを含む。
【0047】
照射光学系の列は、サンプルSのパッチを走査するように、任意の適切な機構によって、ステージに対して動かされ得て、及び/又は、検出器又はカメラに対して動かされたステージに対して動かされ得る。例えば、モータ機構がステージを動かすために使用され得る。モータ機構は、例として、スクリュードライブ及びステッピングモータ、位置フィードバックが付いたリニアドライブ、又はバンドアクチュエータ及びステッピングモータのような、任意の形態を取り得る。
【0048】
エッジに対して、検査システム950はまた、上述したエッジ検出システム(例えば100)を含み得る。エッジ検出システムのどれもが、サンプルSのエッジをイメージングするために検査システム950内部で使用され得る。検査システム950はまた、上述したようにエッジをイメージングする位置までエッジ検出システムを動かすために、位置決め機構116を含み得る。
【0049】
各センサ(例えば、検査システムの954a及び954b、ならびにエッジ検出システム100のセンサ)によって捕捉された信号は、コンピュータシステム973によって、又は、より一般的には、信号処理デバイスによって処理されることができ、これは、センサからのアナログ信号を処理のためのデジタル信号に変換するように構成されたアナログ・デジタル変換器を含み得る。コンピュータシステム973は、センシングされた光ビームの強度、位相、イメージ、及び/又はその他の特性を分析するように構成され得る。コンピュータシステム973は、イメージ及びその他の検査特性を表示するためのユーザインターフェースを(例えばコンピュータスクリーン上に)提供するように(例えばプログラム指示とともに)構成され得る。コンピュータシステム973はまた、検出閾値、焦点などの変更のようなユーザ入力を提供するための一つ又はそれ以上の入力デバイス(例えばキーボード、マウス、ジョイスティック)を含み得る。ある実施形態では、コンピュータシステム973は、以下に詳述される検査技法を実行するように構成される。コンピュータシステム973は典型的には、入力/出力ポートに結合された一つ又はそれ以上のプロセッサ、及び適切なバス又はその他の通信機構を介した一つ又はそれ以上のメモリを有する。
【0050】
そのような情報及びプログラム指示は、ここに記述された様々な操作を実行するためのコンピュータ読み取り可能媒体上に記憶されることができるプログラム指示/コンピュータコードを含むシステムのような、特定的に構成されたコンピュータシステム上に具現化され得る。機械読み取り可能媒体の例は、ハードディスク、フロッピーディスク、及び磁気テープのような磁気媒体;CD−ROMディスクのような光学媒体;光ディスクのような磁気光学媒体;ならびに、リードオンリーメモリデバイス(ROM)及びランダムアクセスメモリ(RAM)のようなプログラム指示を記憶して実行するように特定的に構成されたハードウエアデバイスを含むが、これらに限定されるものではない。プログラム指示の例は、コンパイラによって作り出された機械コード、ならびに、インタープリタを使用してコンピュータによって実行され得るより高いレベルのコードを含むファイルの両方を含む。
【0051】
ある実施形態では、サンプルを検査するシステムが、上述した技法を実行し且つ/又は検査ツールを操作するように構成された少なくとも一つのメモリ及び少なくとも一つのプロセッサを含む。
【0052】
上記の図及び記述が、システムの特定の構成要素に関する制約として解釈されるべきではなく、システムが多くの他の様式で具体化され得ることに、留意されたい。例えば、検査又は測定ツールは、レチクル又はウエハの形状の重要な局面を見分けるように配置された数多くの適切で且つ既知のイメージング又は計量ツールのいずれかであり得ることが予期される。例として、検査又は測定ツールは、明視野イメージング顕微鏡、暗視野イメージング顕微鏡、全天イメージング顕微鏡、位相差顕微鏡、偏光差顕微鏡、及びコヒーレンスプローブ顕微鏡に対して適合され得る。また、単一及び複数のイメージング方法が、ターゲットのイメージを獲得するために使用され得ることも、予期される。これらの方法は、例えば、シングルグラブ、ダブルグラブ、シングルグラブコヒーレンスプローブ顕微鏡(CPM)、及びダブルグラブCPM法を含む。散乱分光分析法のような非イメージング光学方法が、予期され得る。
【0053】
本発明が、理解の明瞭化の目的のためにある程度まで詳細に記述されてきたが、ある変更及び改変が添付の請求項の範囲内で実行され得ることは明らかである。本発明のプロセス、システム、及び装置を実行する多くの代替的な方法があることに留意されたい。したがって、本実施形態は描写的ではあるが制約的ではないものであり、本発明は、ここに与えられた詳細に限定されるべきではない。