(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記供給管における前記濾過部の出側の部分の帯電量が所定値以上である場合に、前記供給管を接地する接地機構を備えることを特徴とする請求項4に記載の処理液供給装置。
前記供給管における前記ポンプの出側の部分の帯電量が所定値以上である場合に、前記供給管を接地する接地機構を備えることを特徴とする請求項6に記載の処理液供給装置。
被処理体に処理液を吐出する処理液吐出部に、接液面が絶縁性樹脂で形成されている供給管を介して、前記処理液を供給する処理液供給装置の前記供給管の洗浄方法であって、
前記供給管に所定の液の通液するときに静電的反発力により前記接液面から異物を剥離するための所定の処理を、前記所定の液に対して行うステップと、
前記所定の処理が行われた前記所定の液を前記供給管に通液するステップと、
正極性の電位を有するフィルタと負極性の電位を有するフィルタの少なくともいずれか一方を有する濾過部により、前記供給管から剥離され前記所定の液中に存在する異物を除去するステップとを含むことを特徴とする処理液供給装置の供給管の洗浄方法。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する要素においては、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0023】
(第1の実施形態)
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る処理液供給装置としてのレジスト液供給装置を搭載した基板処理システム1の構成の概略を示す説明図である。
図2及び
図3は、各々基板処理システム1の内部構成の概略を模式的に示す、正面図と背面図である。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する要素においては、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0024】
基板処理システム1は、
図1に示すように複数枚のウェハWを収容したカセットCが搬入出されるカセットステーション10と、ウェハWに各種処理を施す複数の各種処理装置を備えた処理ステーション11と、処理ステーション11に隣接する露光装置12との間でウェハWの受け渡しを行うインターフェイスステーション13とを一体に接続した構成を有している。
【0025】
カセットステーション10には、カセット載置台20が設けられている。カセット載置台20には、基板処理システム1の外部に対してカセットCを搬入出する際に、カセットCを載置するカセット載置板21が複数設けられている。
【0026】
カセットステーション10には、
図1に示すようにX方向に延びる搬送路22上を移動自在なウェハ搬送装置23が設けられている。ウェハ搬送装置23は、上下方向及び鉛直軸周り(θ方向)にも移動自在であり、各カセット載置板21上のカセットCと、後述する処理ステーション11の第3のブロックG3の受け渡し装置との間でウェハWを搬送できる。
【0027】
処理ステーション11には、各種装置を備えた複数例えば4つのブロックG1、G2、G3、G4が設けられている。例えば処理ステーション11の正面側(
図1のX方向負方向側)には、第1のブロックG1が設けられ、処理ステーション11の背面側(
図1のX方向正方向側)には、第2のブロックG2が設けられている。また、処理ステーション11のカセットステーション10側(
図1のY方向負方向側)には、第3のブロックG3が設けられ、処理ステーション11のインターフェイスステーション13側(
図1のY方向正方向側)には、第4のブロックG4が設けられている。
【0028】
例えば第1のブロックG1には、
図2に示すように複数の塗布処理装置、例えばウェハWを現像処理する現像処理装置30、ウェハWのレジスト膜の下層に反射防止膜(以下「下部反射防止膜」という)を形成する下部反射防止膜形成装置31、ウェハWにレジスト液を塗布してレジスト膜を形成するレジスト塗布装置32、ウェハWのレジスト膜の上層に反射防止膜(以下「上部反射防止膜」という)を形成する上部反射防止膜形成装置33が下からこの順に配置されている。
【0029】
例えば現像処理装置30、下部反射防止膜形成装置31、レジスト塗布装置32、上部反射防止膜形成装置33は、それぞれ水平方向に3つ並べて配置されている。なお、これら現像処理装置30、下部反射防止膜形成装置31、レジスト塗布装置32、上部反射防止膜形成装置33の数や配置は、任意に選択できる。
【0030】
これら現像処理装置30、下部反射防止膜形成装置31、レジスト塗布装置32、上部反射防止膜形成装置33といった塗布処理装置では、例えばウェハW上に所定の処理液を塗布するスピンコーティングが行われる。スピンコーティングでは、例えば塗布ノズルからウェハW上に処理液を吐出すると共に、ウェハWを回転させて、処理液をウェハWの表面に拡散させる。
【0031】
例えば第2のブロックG2には、
図3に示すようにウェハWの加熱や冷却といった熱処理を行う熱処理装置40や、レジスト液とウェハWとの定着性を高めるためのアドヒージョン装置41、ウェハWの外周部を露光する周辺露光装置42が上下方向と水平方向に並べて設けられている。これら熱処理装置40、アドヒージョン装置41、周辺露光装置42の数や配置についても、任意に選択できる。
【0032】
例えば第3のブロックG3には、複数の受け渡し装置50、51、52、53、54、55、56が下から順に設けられている。また、第4のブロックG4には、複数の受け渡し装置60、61、62が下から順に設けられている。
【0033】
図1に示すように第1のブロックG1〜第4のブロックG4に囲まれた領域には、ウェハ搬送領域Dが形成されている。ウェハ搬送領域Dには、例えばY方向、X方向、θ方向及び上下方向に移動自在な搬送アーム70aを有する、ウェハ搬送装置70が複数配置されている。ウェハ搬送装置70は、ウェハ搬送領域D内を移動し、周囲の第1のブロックG1、第2のブロックG2、第3のブロックG3及び第4のブロックG4内の所定の装置にウェハWを搬送できる。
【0034】
また、ウェハ搬送領域Dには、第3のブロックG3と第4のブロックG4との間で直線的にウェハWを搬送するシャトル搬送装置80が設けられている。
【0035】
シャトル搬送装置80は、例えば
図3のY方向に直線的に移動自在になっている。シャトル搬送装置80は、ウェハWを支持した状態でY方向に移動し、第3のブロックG3の受け渡し装置52と第4のブロックG4の受け渡し装置62との間でウェハWを搬送できる。
【0036】
図1に示すように第3のブロックG3のX方向正方向側の隣には、ウェハ搬送装置100が設けられている。ウェハ搬送装置100は、例えばX方向、θ方向及び上下方向に移動自在な搬送アーム100aを有している。ウェハ搬送装置100は、ウェハWを支持した状態で上下に移動して、第3のブロックG3内の各受け渡し装置にウェハWを搬送できる。
【0037】
インターフェイスステーション13には、ウェハ搬送装置110と受け渡し装置111が設けられている。ウェハ搬送装置110は、例えばY方向、θ方向及び上下方向に移動自在な搬送アーム110aを有している。ウェハ搬送装置110は、例えば搬送アーム110aにウェハWを支持して、第4のブロックG4内の各受け渡し装置、受け渡し装置111及び露光装置12との間でウェハWを搬送できる。
【0038】
以上の基板処理システム1には、
図1に示すように制御部300が設けられている。制御部300は、例えばコンピュータであり、プログラム格納部(図示せず)を有している。プログラム格納部には、基板処理システム1におけるウェハWの処理を制御するプログラムが格納されている。なお、前記プログラムは、例えばコンピュータ読み取り可能なハードディスク(HD)、フレキシブルディスク(FD)、コンパクトディスク(CD)、マグネットオプティカルデスク(MO)、メモリーカードなどのコンピュータに読み取り可能な記憶媒体に記録されていたものであって、その記憶媒体から制御部300にインストールされたものであってもよい。
【0039】
<ウェハ処理>
次に、以上のように構成された基板処理システム1を用いて行われるウェハ処理について説明する。
【0040】
先ず、複数のウェハWを収納したカセットCが、基板処理システム1のカセットステーション10に搬入され、カセット載置板21に載置される。その後、ウェハ搬送装置23によりカセットC内の各ウェハWが順次取り出され、処理ステーション11の第3のブロックG3の受け渡し装置53に搬送される。
【0041】
次に、ウェハWは、ウェハ搬送装置70によって第2のブロックG2の熱処理装置40に搬送され温度調節処理される。その後、ウェハWは、ウェハ搬送装置70によって例えば第1のブロックG1の下部反射防止膜形成装置31に搬送され、ウェハW上に下部反射防止膜が形成される。その後、ウェハWは、第2のブロックG2の熱処理装置40に搬送され、加熱処理が行われる。その後、ウェハWは、第3のブロックG3の受け渡し装置53に戻される。
【0042】
次に、ウェハWは、ウェハ搬送装置100によって同じ第3のブロックG3の受け渡し装置54に搬送される。その後、ウェハWは、ウェハ搬送装置70によって第2のブロックG2のアドヒージョン装置41に搬送され、疎水化処理が行われる。
【0043】
その後、ウェハWは、ウェハ搬送装置70によってレジスト塗布装置32に搬送され、ウェハW上にレジスト膜が形成される。その後、ウェハWは、ウェハ搬送装置70によって熱処理装置40に搬送されて、プリベーク処理される。その後、ウェハWは、ウェハ搬送装置70によって第3のブロックG3の受け渡し装置55に搬送される。
【0044】
次に、ウェハWは、ウェハ搬送装置70によって上部反射防止膜形成装置33に搬送され、ウェハW上に上部反射防止膜が形成される。その後、ウェハWは、ウェハ搬送装置70によって熱処理装置40に搬送されて、加熱され、温度調節される。その後、ウェハWは、周辺露光装置42に搬送され、周辺露光処理される。
【0045】
その後、ウェハWは、ウェハ搬送装置70によって第3のブロックG3の受け渡し装置56に搬送される。
【0046】
次に、ウェハWは、ウェハ搬送装置100によって受け渡し装置52に搬送され、シャトル搬送装置80によって第4のブロックG4の受け渡し装置62に搬送される。その後、ウェハWは、インターフェイスステーション13のウェハ搬送装置110によって露光装置12に搬送され、所定のパターンで露光処理される。
【0047】
次に、ウェハWは、ウェハ搬送装置110によって第4のブロックG4の受け渡し装置60に搬送される。その後ウェハWは、ウェハ搬送装置70によって熱処理装置40に搬送され、露光後ベーク処理される。その後、ウェハWは、ウェハ搬送装置70によって現像処理装置30に搬送され、現像される。現像終了後、ウェハWは、ウェハ搬送装置70によって熱処理装置40に搬送され、ポストベーク処理される。その後、ウェハWはカセット載置板21上のカセットCに搬送され、一連のフォトリソグラフィー工程が完了する。
【0048】
続いて、上述のレジスト塗布装置32の構成について説明する。
図4は、レジスト塗布装置32の構成の概略を示す縦断面図であり、
図5は、レジスト塗布装置32の構成の概略を示す横断面図である。
【0049】
レジスト塗布装置32は、
図4に示すように内部を閉鎖可能な処理容器120を有している。処理容器120の側面には、
図5に示すようにウェハWの搬入出口121が形成され、搬入出口121には、開閉シャッタ122が設けられている。
【0050】
処理容器120内の中央部には、
図4に示すようにウェハWを保持して回転させるスピンチャック130が設けられている。スピンチャック130は、水平な上面を有し、当該上面には、例えばウェハWを吸引する吸引口(図示せず)が設けられている。この吸引口からの吸引により、ウェハWをスピンチャック130上に吸着保持できる。
【0051】
スピンチャック130は、例えばモータなどを備えたチャック駆動機構131を有し、そのチャック駆動機構131により所定の速度に回転できる。また、チャック駆動機構131には、シリンダなどの昇降駆動源が設けられており、スピンチャック130は上下動可能である。
【0052】
スピンチャック130の周囲には、ウェハWから飛散又は落下する液体を受け止め、回収するカップ132が設けられている。カップ132の下面には、回収した液体を排出する排出管133と、カップ132内の雰囲気を排気する排気管134が接続されている。
【0053】
図5に示すようにカップ132のX方向負方向(
図5の下方向)側には、Y方向(
図5の左右方向)に沿って延伸するレール140が形成されている。レール140は、例えばカップ132のY方向負方向(
図5の左方向)側の外方からY方向正方向(
図5の右方向)側の外方まで形成されている。レール140には、アーム141が取り付けられている。
【0054】
アーム141には、
図4及び
図5に示すようにレジスト液を吐出する塗布ノズル142が支持されている。アーム141は、
図5に示すノズル駆動部143により、レール140上を移動自在である。これにより、塗布ノズル142は、カップ132のY方向正方向側の外方に設置された待機部144からカップ132内のウェハWの中心部上方まで移動でき、さらに当該ウェハWの表面上をウェハWの径方向に移動できる。また、アーム141は、ノズル駆動部143によって昇降自在であり、塗布ノズル142の高さを調節できる。塗布ノズル142は、
図4に示すようにレジスト液を供給するレジスト液供給装置200に接続されている。
【0055】
図4に示すように、待機部144のY方向正方向側の外方には、鉛直方向に沿って延伸する支持部材150が設けられている。支持部材150の頂部には、接地部材151が回動自在に支持されている。また、支持部材150は接地されており、これにより接地部材151も接地されている。接地部材151は、その根元が支持部材150により軸支されており、回動することにより、その先端が待機部144の直上部分であって塗布ノズル142の直下部分に位置したり、待機部144の外側上方部分に位置したりすることができるようになっている。
【0056】
次に、レジスト塗布装置32内の処理液吐出部としての塗布ノズル142に対しレジスト液を供給するレジスト液供給装置200の構成について説明する。
図6は、レジスト液供給装置200の構成の概略を示す説明図である。なお、レジスト液供給装置200は、例えば不図示のケミカル室内に設けられている。ケミカル室とは、各種処理液を塗布処理装置に供給するためのものである。
【0057】
レジスト液供給装置200は、内部に液体を貯留する液体供給源201を備える。液体供給源201と塗布ノズル142は、液体を塗布ノズル142に供給するための供給経路202により接続されている。供給経路202には、上流側から順にバッファタンク203、ポンプ204、第1フィルタ205、第2フィルタ206が配設されている。また、供給経路202において、液体供給源201とバッファタンク203との間、バッファタンク203とポンプ204との間、ポンプ204と第1フィルタ205との間、第1フィルタ205と第2フィルタ206との間はそれぞれ供給管207により接続されている。
【0058】
液体供給源201としては、例えば、通常の製造プロセス時には、処理液としてのレジスト液を貯留するレジスト液供給源が用いられ、レジスト液供給装置200の立ち上げ時には、処理液とは異なる洗浄用液を貯留する洗浄液供給源が用いられる。
【0059】
バッファタンク203は、液体供給源201から移送された液体を一時的に貯留する。このバッファタンク203は、液体供給源201内の液体が無くなった場合における液体供給源201の取り換え中にも、バッファタンク203内に貯留されている液体を塗布ノズル142に供給することができる。なお、バッファタンク203の上部には、バッファタンク203内の雰囲気を排気する排気管(図示せず)が設けられている。
【0060】
また、バッファタンク203は、該バッファタンク203に貯留されている液体を帯電させるための撹拌機構210を有する。つまり、バッファタンク203は、本発明に係る「液処理部」の一例であり、洗浄用液等の液体に対して、本発明に係る「所定の処理」としての上記液体を帯電する処理を行う。「所定の処理」とは、供給管207に洗浄用液等の液体を通液するときに静電的反発力により供給管207の接液面から異物が剥離されるよう上記液体に対して行う処理である。
【0061】
図示は省略するが、バッファタンク203は、該バッファタンク203に貯留されている液体の撹拌機構210による帯電量を測定するための測定部を有する。該測定部は、例えば静電界測定器からなる。例えば、静電界測定器は、その静電界検出面がバッファタンク203内において該バッファタンク203内の液体と平行になるように取り付けられており、液体の帯電により静電界検出面に生じる静電界強度を測定する。静電界強度は、液体の帯電量(帯電電荷密度)に比例するため、静電界測定器により測定された静電界強度から、バッファタンク203内の帯電量を算出することができる。
なお、バッファタンク203の撹拌機構210の動作は、例えば前述の制御部300によって制御されている。
【0062】
ポンプ204は、液体供給源201から塗布ノズル142に液体を送液する。ポンプ204の駆動動作は、例えば前述の制御部300によって制御されている。
【0063】
第1フィルタ205及び第2フィルタ206は、液体中の異物を捕集して除去する。また、第1フィルタ205は正極性の電位を有し、第2フィルタ206は負極性の電位を有しているため、第1フィルタ205は負に帯電したパーティクルを捕集しやすくなっており、第2フィルタ206は正に帯電したパーティクルを捕集しやすくなっている。例えば、第1フィルタ205、第2フィルタ206にはメンブレンタイプのフィルタが用いられ、第1フィルタ205のメンブレン材質には高非対称ポリアリールスルホンが用いられ、第2フィルタ206のメンブレン材質には表面改質PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)が用いられる。
なお、第1フィルタ205および第2フィルタ206の上部には、第1フィルタ205および第2フィルタ206で発生する気体(気泡)を排気する排気管(図示せず)が設けられている。
【0064】
供給管207は、少なくとも内側面すなわち接液面がフッ素樹脂などの絶縁性樹脂で形成されている。本例では、供給管207の全体がフッ素樹脂で形成されているものとする。
供給管207におけるバッファタンク203とポンプ204との間には供給弁220が設けられ、供給管207における第2フィルタ206の下流側であって塗布ノズル142の近傍には供給制御弁221が設けられている。
これら供給弁220や供給制御弁221の動作は、前述の制御部300によって制御されている。
【0065】
さらに、レジスト液供給装置200は、供給管207におけるポンプ204と第1フィルタ205との間の部分すなわち供給管207におけるポンプ204の出側の部分に、当該部分の帯電量を測定する第1測定部230を備える。
供給管207の帯電量の測定方法としては、例えば、供給管207の外側面に対向するように導電板を配し、供給管207の帯電量を、該帯電量に対応する導電板の表面電位として測定する方法を採用することができる。
【0066】
また、レジスト液供給装置200は、供給管207における第1測定部230と第1フィルタ205との間の部分に、当該供給管207を接地する第1接地機構231を備える。第1接地機構231は、供給管207の外表面に当接する導電部材(不図示)を有し、該導電性部材が接地されることにより、供給管207の当該導電性部材と接触している部分が接地される。また、供給管207の外側に接液面に向けて凹む凹所を設け、当該凹所の内周面に導電性部材を接触させるようにしてもよい。
【0067】
さらにまた、レジスト液供給装置200は、供給管207における第2フィルタ206と供給制御弁221との間の部分すなわち供給管207における第1フィルタ205と第2フィルタ206からなる濾過部の出側の部分に、当該部分の帯電量を測定する第2測定部232を備える。また、レジスト液供給装置200は、供給管207における第2測定部232と供給制御弁221との間の部分に、供給管207を接地する第2接地機構233を備える。
第2測定部232の構成および第2接地機構233の構成はそれぞれ第1測定部230の構成および第1接地機構231の構成と同様であるためその説明を省略する。
なお、第1測定部230および第2測定部232での測定結果は上述の制御部300に出力される。
【0068】
次に、以上のように構成されたレジスト液供給装置200の立ち上げ時における、供給管207の洗浄処理について、
図7及び
図8を用いて説明する。
図7及び
図8は、洗浄処理時に、帯電させた洗浄用液を用いることによる効果を説明する図である。
図7(A)及び
図8(A)は、供給管207及びパーティクルの家電状態を示し、
図7(B)及び
図8(B)は、供給管207の内壁面とパーティクルとの間の距離とパーティクルに加わる力との関係を示す。
【0069】
(洗浄用液の補充工程)
供給管207の清浄処理では、例えば、液体供給源201として、洗浄用液が貯留されたものを取り付けた後、液体供給源201からバッファタンク203へ洗浄用液を補充する。
洗浄用液は、例えば有機溶媒であり、アセトン、キシレン、メタノール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、オクチルアルコール、2,2,4−トリメチルベンタン、ベンゼン、メチルエチルケトン、酢酸エチルを用いることができる。
【0070】
(帯電工程)
上記補充工程に次いで、バッファタンク203に貯留された洗浄用液を撹拌機構210により撹拌して、当該洗浄用液を正または負に帯電させる(帯電処理)。撹拌により正に帯電するか負に帯電するかは洗浄用液としての有機溶媒の種類により異なる。ここでは、洗浄用液を負に帯電させるものとする。
上記帯電処理すなわち撹拌処理は、例えば、バッファタンク203の不図示の測定部での測定結果に基づく帯電量が所定値以上になるまで行われる。また、帯電量と、撹拌速度および撹拌時間とを対応づけたテーブルを記憶しておき、例えばオペレータにより選択された帯電量に対応する撹拌速度および撹拌時間を上記テーブルから抽出し、帯電処理時の撹拌速度及び撹拌時間としてもよい。
なお、撹拌機構210の撹拌翼の回転速度を800rpm/分、撹拌時間を5分としたときのアセトン、キシレン、メタノールの帯電量はそれぞれ、−1.3×10
−7C/m
3、−2.2×10
−7C/m
3、2.4×10
−8C/m
3である。
【0071】
(通液工程)
次いで、供給弁220及び供給制御弁221を開状態に切り替えて、上記帯電工程により負に帯電した洗浄用液を、ポンプ204を用いて、供給管207、第1フィルタ205および第2フィルタ206を介して塗布ノズル142から吐出させる(通液処理)。
通液処理前において、例えば、
図7(A)及び
図7(B)に示すように、負に帯電している供給管207の内壁207aと同じく負に帯電しているパーティクルX1との間の静電的反発力による斥力ポテンシャルに比べて、内壁207aと当該パーティクルX1との間の分子間力による引力ポテンシャルの方が大きいと、パーティクルX1は供給管207の内壁207aに付着し続ける。
それに対し、負に帯電した洗浄用液の通液処理を行うと、
図8(A)及び
図8(B)に示すように、供給管207の内壁207aの負の帯電量が大きくなるため、上記静電的反発力による斥力ポテンシャルが大きくなるが、上記分子間力による引力ポテンシャルは変わらない。これにより引力ポテンシャルに比べて斥力ポテンシャルが大きくなると、内壁207aに付着していたパーティクルX1は剥離される。
つまり、負に帯電した洗浄用液の通液処理を行うことにより、負に帯電し供給管207に付着していたパーティクルを当該供給管207から効率的に剥離することができる。剥離されたパーティクルは、負極性の電位を有する第2フィルタ206により捕集/除去される。
上記通液処理は例えばバッファタンク203内の洗浄用液がなくなるまで行われる。
【0072】
(別の洗浄用液の補充工程)
上記通液工程後、供給弁220及び供給制御弁221を閉状態に切り替えると共に、液体供給源201を、撹拌により負に帯電する洗浄用液を貯留したものから、撹拌により正に帯電する別の洗浄用液を貯留したものに取り替え、液体供給源201からバッファタンク203へ上記別の洗浄用液を補充する。
【0073】
(逆極性への帯電工程)
上記補充工程に次いで、バッファタンク203に貯留された上記別の洗浄用液を撹拌機構210により撹拌して、当該別の洗浄用液を正に帯電させる。
【0074】
(通液工程)
上記帯電工程後、供給弁220及び供給制御弁221を開状態に切り替えて、上記帯電工程により正に帯電した洗浄用液を、ポンプ204を用いて、供給管207、第1フィルタ205および第2フィルタ206を介して塗布ノズル142から吐出させる。
これにより、供給管207の内壁を正に帯電させ、また、正に帯電した洗浄用液の通液を続けることにより、正の帯電量を増加させる。供給管207の内壁の正の帯電量が増加することにより、共に正に帯電している供給管207の内壁と該内壁に付着していたパーティクルとの間の静電的反発力による斥力ポテンシャルが、両者間の分子間力による引力ポテンシャルより大きくなると、供給管207に付着していたパーティクルが当該供給管207から剥離される。つまり、正に帯電した洗浄用液の通液処理を行うことにより、正に帯電し供給管207に付着していたパーティクルを当該供給管207から効率的に剥離することができる。剥離されたパーティクルは、正極性の電位を有する第1フィルタ205により捕集/除去される。
正に帯電した洗浄用液の通液は、例えばバッファタンク203内のものがなくなるまで行われる。
【0075】
上述の各工程を所定回数繰り返して、レジスト液供給装置200の立ち上げ時における供給管207の洗浄処理は終了する。また、一連の工程が終了する毎に吐出された洗浄用液の清浄度を確認し、所定の清浄度以上となるまで繰り返すようにしてもよい。
なお、撹拌により負に帯電する洗浄用液を所定量通液してから、撹拌により正に帯電する洗浄用液を所定量通液して、供給管207の洗浄処理を終了させても良い。この場合、バッファタンク203からなくなる毎に洗浄用液を補充し、撹拌する。
【0076】
(帯電量測定工程)
上述の供給管207の洗浄処理中は、第1測定部230および第2測定部232により、摩擦による帯電量が大きい部分、すなわち供給管207におけるポンプ204の出側の部分および第2フィルタ206の出側の部分の帯電量を測定する。
【0077】
(供給管接地工程)
帯電量測定工程における測定の結果、供給管207におけるポンプ204の出側の部分の帯電量が閾値を超えていた場合、第1接地機構231により当該部分を接地し、供給管207における第2フィルタ206の出側の部分の帯電量が閾値を超えていた場合、第2接地機構233より当該部分を接地する。これにより帯電による絶縁破壊が供給管207に生じるのを防ぐことができる。
【0078】
本実施形態によるレジスト液供給装置200の立ち上げ時における供給管207の洗浄処理によれば、帯電処理を行った洗浄用液により洗浄を行っているため、供給管207に付着したパーティクルを静電的反発力により容易に剥離し除去することができる。そのため、レジスト液供給装置200の立ち上げ時の供給管207の洗浄に要する洗浄用液量及び時間を削減することができる。
また、供給管207から剥離されたパーティクルは第1フィルタ205または第2フィルタ206で捕集されるため、第2フィルタ206より下流部分に当該パーティクルによる悪影響が及ぶのを防ぐことができる。
【0079】
さらに、本実施形態によれば、正に帯電した洗浄用液と負に帯電した洗浄用液の両方を通液し、正極性の電位を有するフィルタと負極性の電位を有するフィルタとを直列に設けているため、供給管207に付着したパーティクルの極性によらず、供給管207の洗浄に要する時間等を削減することができる。
【0080】
なお、供給管207に付着したパーティクルの極性が判明している場合は、正に帯電した洗浄用液と負に帯電した洗浄用液のいずれか一方を通液し、正極性の電位を有するフィルタと負極性の電位を有するフィルタのいずれか一方のみを設けるようにしてもよい。
【0081】
続いて、レジスト液供給装置200における製造プロセスについて説明する。
【0082】
(レジスト液の補充工程)
製造プロセスに際し、液体供給源201として、レジスト液が貯留された供給源を取り付けた後、液体供給源201からバッファタンク203へレジスト液を補充する。なお、製造プロセス中にバッファタンク203内のレジスト液の量が所定の量を下回ったときは、液体供給源201からバッファタンク203へレジスト液が補充される。
【0083】
(吐出工程)
バッファタンク203へレジスト液が供給/補充されると、供給弁220及び供給制御弁221を開状態に切り替えて、ポンプ204を用いて、供給管207、第1フィルタ205および第2フィルタ206を介して塗布ノズル142から吐出させる。
【0084】
次に、上記製造プロセス中に行われる供給管207の洗浄処理について
図9を用いて説明する。
図9は、後述のレジスト液接地工程を説明する図である。
製造プロセスを重ねると、供給管207の内部/接液面にパーティクルが付着することがある。したがって、定期的に、または、供給管207の清浄度が閾値以下になる毎に、供給管207の洗浄処理が行われる。なお、供給管207の清浄度は、例えば、塗布ノズル142からレジスト液をダミー吐出し、該ダミー吐出されたレジスト液内のパーティクル数に基づいて判定することができる。
【0085】
(レジスト液帯電工程)
製造プロセスを中断して行われる供給管207の洗浄処理では、まず、バッファタンク203に貯留されているレジスト液を撹拌機構210により撹拌して、当該レジスト液を正または負に帯電させる。撹拌により正に帯電するか負に帯電するかはレジスト液の種類により異なる。
【0086】
(レジスト通液工程)
上記レジスト帯電工程後、正または負に帯電したレジスト液を、ポンプ204を用いて、供給管207、第1フィルタ205および第2フィルタ206を介して塗布ノズル142から吐出させる。
これにより、レジスト液と逆極性に帯電し供給管207に付着していたパーティクルを当該供給管207から剥離することができる。剥離されたパーティクルは、第1フィルタ205または第2フィルタ206により捕集/除去される。
レジスト液の通液は、例えば所定量のレジスト液が通液されるまで行われる。
【0087】
(レジスト液接地工程)
レジスト液通液工程後、接地部材151を回動させて、接地部材151の先端を塗布ノズル142の直下に位置させた状態で、供給管207内の帯電されたレジスト液の一部を、塗布ノズル142から接地部材151に吐出する。接地部材151は、当該接地部材151とレジスト液の一部が接触するときに当該レジスト液の一部が供給管207内の他のレジスト液と物理的に連続するような位置に設けられており、また、レジスト液は導体であるため、一部のレジスト液が接地部材151に吐出されたときに、当該一部のレジスト液だけでなく、供給管207内の他のレジスト液も接地される。
これにより、供給管207内に残ったレジスト液を製造プロセスにおける上述の塗布工程で用いることができ、レジスト液の消費量の増加を防ぐことができる。また、帯電したレジスト液を製造プロセスに用いていないため、該レジスト液がウェハW上の回路に悪影響を及ぼすのを防ぐことができる。
なお、第1接地機構231等の導電性部材を供給管207内まで貫通させる構成を採用し該第1接地機構231によりレジスト液を接地する構成も考えられるが、この構成に比べて、接地部材151を用いた方法の方が、レジスト液が汚染されるのを防ぐことができる。
【0088】
本実施形態による製造プロセス中の供給管207の洗浄処理によれば、帯電処理を行ったレジスト液により洗浄を行っているため、供給管207に付着したパーティクルの極性によっては当該パーティクルを静電的反発力により容易に剥離し除去することができる。そのため、供給管207の洗浄に要するレジスト液量及び時間を削減することができる。
また、製造プロセス中の供給管207の洗浄処理において供給管207から剥離されたパーティクルは第1フィルタ205または第2フィルタ206で捕集されるため、第2フィルタ206より下流部分に当該パーティクルによる悪影響が及ぶのを防ぐことができる。
【0089】
なお、以上の説明では、立ち上げ時の供給管207の洗浄処理ではレジスト液とは異なる洗浄用液を用いていたが、レジスト液を用いるようにしてもよい。
また、以上の説明では、製造プロセス中の供給管207の洗浄処理では、レジスト液を用いていたが、レジスト液とは異なる洗浄用液を用いてもよい。
【0090】
なお、製造プロセスでは、定期的にレジスト液をダミー吐出することがある。このダミー吐出の際もレジスト液を帯電させるようにしてもよい。
【0091】
以上の例では、バッファタンク203は1つであり、洗浄用液とレジスト液で共有していたが、洗浄用液とレジスト液で別々のバッファタンクを用いてもよい。
【0092】
さらに、以上の例では、撹拌により洗浄用液等を帯電させていたが、製造プロセスの吐出工程での通液速度より速い通液速度で細径の配管中を通液させ摩擦により帯電させるようにしてもよい。この場合、洗浄用液については、液体供給源201から供給されたものを上記速い通液速度で細径の配管中を通液させて帯電させてからバッファタンク203に貯留することが好ましく、レジスト液については、一旦バッファタンク203に貯留されたものを上記速い通液速度で細径の配管中を通液させてから戻すことが好ましい。また、この場合、帯電量は流速に依存するため、流速と帯電量の関係を記憶しておき、流速を調整することにより帯電量を制御することができる
【0093】
(第2の実施形態)
図10は、本発明の第2の実施形態にかかるレジスト液供給装置の構成の概略を示す説明図である。
第1の実施形態では、供給管207に洗浄用液等の液体を通液するときに静電的反発力により供給管207の接液面からパーティクルが剥離されるよう上記液体に対して行う「所定の処理」として、帯電処理を行っていた。それに対し、第2の実施形態では、バッファタンク203´が水添加機構240を有し、上記「所定の処理」として、水添加機構240を用いて洗浄用液等に水を添加する処理を行う。水の添加方法としては、湿度雰囲気の窒素ガスまたは空気ガスで先所溶液等をバブリングする手法や、湿度雰囲気の窒素ガスまたは空気ガスを半透膜を介して洗浄用液等に接触させる手法を採用することができる。
【0094】
水を添加した洗浄用液等を通液すると、水が電離することにより生成されるプロトンまたは水酸化物イオンにより、供給管207の接液面に付着していたパーティクルの正または負の帯電量(帯電量の絶対値)を増加させることができる。
したがって、パーティクルを静電的反発力により、供給管207から剥離し除去することができる。
【0095】
なお、パーティクルの正または負の帯電量が増加するか否かは、洗浄に用いる所定の液(洗浄用液またはレジスト液)及びパーティクルの酸性度に応じて異なる。ここで、パーティクルがカーボンブラック、トルイジンレッドまたは酸化チタンであったとした場合、洗浄用液が酸性度の高い2,2,4−トリメチルペンタンであると、いずれの種のパーティクルであっても正の帯電量が増加し、洗浄用液が酸性度の低い酢酸エチルであると、いずれの種のパーティクルであっても負の帯電量が増加する。一方、洗浄用液が酸性度が中程度であるベンゼンまたはメチルエチルケトンである場合、パーティクルが酸性度の高いカーボンブラック、トルイジンレッドであると負の帯電量が増加し、酸性度の低い酸化チタンであると正の帯電量が増加する。
【0096】
また、本実施形態のレジスト液供給装置200は、供給管207における第2フィルタ206の下流側に水除去部250を有する。水除去部250は、供給管207の洗浄終了後に当該水除去部250を通過したレジスト液から水を除去する。
水を添加したレジスト液を用いた供給管207の洗浄終了後は、水除去部250により水をレジスト液から除去することで、当該レジスト液を製造プロセスに用いることができる。なお、上記洗浄終了後に水除去部250を通過しない水を含んだレジスト液は、製造プロセスに用いられずに、塗布ノズル142を介して排出される。
なお、水除去部250は、少なくとも供給管207の洗浄中は当該水除去部250を通過した洗浄液やレジスト液から水を除去しないように構成されることが好ましい。水除去部250より下流側の供給管207の洗浄に要する時間などを削減することができるからである。
【0097】
なお、以上の例では、帯電処理と水を添加する処理とのいずれか一方のみが行われる構成であったが、両方が行われるようにしてもよい。
【0098】
以上では、処理液としてレジスト液を用いる例で説明したが、現像液等他の処理液に本発明を適用することができる。
【0099】
また、以上では、第1フィルタ205、第2フィルタ206をポンプ204の下流側に設けていたが、上流側に設けても良い。
【0100】
なお、本発明者は、確認試験として以下の試験を行った。すなわち、純水(DIW)にCO
2ガスを溶解させる機能(以下、CO
2溶解機能)を有するCO
2水供給装置を用いて、該装置からの洗浄用液を、フッ素樹脂製の供給管を介してウェハ上に吐出させ、該吐出されたウェハ上の洗浄用液に含まれるパーティクルの数を測定する試験を行った。
図11は、その試験結果を示すものである。なお、図において、縦軸は所定量の液体中に含まれるパーティクルの個数を示す。本確認試験では、CO
2水供給装置からの洗浄用液として、CO
2溶解機能を有効にした状態のものと、CO
2溶解機能を無効にした状態のものとの2種類を用いた。また、本確認試験では、前述の第1フィルタ205や第2フィルタ206のようなフィルタは設けていない。
【0101】
図11には、CO
2水供給装置に補充されたDIWに含まれていたパーティクルの数も併せて示されている。ただし、DIWについてのパーティクルの数は、フッ素樹脂製の供給管を介さずにウェハに直接吐出されたパーティクルの数である。言い換えると、
図11におけるDIWについての結果は、CO
2水供給装置に補充されたDIWの洗浄度を示すものである。
【0102】
ところで、CO
2水供給装置のCO
2溶解機能を有効にしDIWにCO
2ガスが溶け込むと、CO
2ガスがDIW内でイオン化し、CO
2水供給装置から供給される洗浄用液に導電性が生じ、該洗浄用液の抵抗率は減少する。具体的には、CO
2溶解機能が無効の状態に比べて、有効の状態では、抵抗率が約1/10となる。
【0103】
したがって、CO
2溶解機能を無効(OFF)にした状態とCO
2溶解機能を有効(ON)にした状態とでは、CO
2水供給装置からの洗浄用液の通液時におけるフッ素樹脂製の供給管の帯電量は、CO
2溶解機能をOFFにした状態の方が大きい。
【0104】
そして、
図11に示すように、CO
2溶解機能をOFFにした状態の方が、CO
2溶解機能をONにした状態よりも、ウェハ上の洗浄用液中のパーティクルの数が多い。すなわち、確認試験の結果によれば、フッ素樹脂製の供給管の帯電量がより大きくなるCO
2溶解機能をOFFにした状態の方が、フッ素樹脂製の供給管に付着していたパーティクルを効率的に除去することができる。
【0105】
このことから、本発明の第1の実施形態のように供給管の帯電量を増加させることにより、供給管に付着していたパーティクルを効率的に除去することができることが分かる。この確認試験で用いた洗浄用液はDIWであったが、洗浄用液として有機溶媒を用いた場合でも、供給管の帯電量を制御することにより同様の結果が得られるものと考えられる。
【0106】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。本発明は、基板がウェハ以外のFPD(フラットパネルディスプレイ)、フォトマスク用のマスクレチクル等の用途に用いられる場合にも適用できる。また、本発明は、SODシステムにより層間絶縁膜を形成する際にも適用することができる。