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(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
式(2)で表される化合物。
【化1】
[式中、
R
1は水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルスルフェニル基、シクロアルキルスルフェニル基、アリールスルフェニル基又は2置換アミノ基を表し、これらの基の中の−CH
2−は酸素原子、硫黄原子、−NR
5−又は−C(=O)O−に置換されていてよく、これらの基の中の水素原子の一部又は全部はハロゲン原子に置換されていてよい。但し、隣接する2つの−CH
2−は同時には置換されない。2つのR
1は互いに同一でも異なっていてもよい。
R
2はアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルスルフェニル基、シクロアルキルスルフェニル基、アリールスルフェニル基、1価の複素環基、ハロゲン原子又は2置換アミノ基(但し、ベンゼン環のパラ位に結合するR
2は、アルコキシ基、シクロアルコキシ基又は2置換アミノ基)を表し、これらの基の中の−CH
2−は酸素原子、硫黄原子、−NR
5−又は−C(=O)O−に置換されていてよく、これらの基の中の水素原子の一部又は全部はハロゲン原子に置換されていてよい。但し、隣接する2つの−CH
2−は同時には置換されない。pが1以上の場合、複数あるR
2は互いに同一でも異なっていてもよい。
R
3はアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルスルフェニル基、シクロアルキルスルフェニル基、アリールスルフェニル基、1価の複素環基、ハロゲン原子又は2置換アミノ基を表し、これらの基の中の−CH
2−は酸素原子、硫黄原子、−NR
5−又は−C(=O)O−に置換されていてよく、これらの基の中の水素原子の一部又は全部はハロゲン原子に置換されていてよい。但し、隣接する2つの−CH
2−は同時には置換されない。nが2以上の場合、複数あるR
3は互いに同一でも異なっていてもよく、隣接するR
3同士が互いに結合して環を形成してもよい。
但し、
nが0である場合又はR
3が2置換アミノ基でない場合、少なくとも1つのR
1はアルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルスルフェニル基、シクロアルキルスルフェニル基、アリールスルフェニル基又は2置換アミノ基であり、
R
1、R
2及びR
3のいずれも2置換アミノ基でない場合、2つのR
1はいずれも水素原子以外の基であり、且つ、少なくとも1つのR
1はアルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルスルフェニル基、シクロアルキルスルフェニル基又はアリールスルフェニル基である。
R
4は水素原子、−C(R
6)
3、−OR
7、−N(R
7)
2又は−Si(R
7)
3を表し、これらの基の中の−CH
2−は酸素原子、硫黄原子、−NR
5−又は−C(=O)O−に置換されていてよく、これらの基の中の水素原子の一部又は全部はハロゲン原子に置換されていてよい。但し、隣接する2つの−CH
2−は同時には置換されない。
R
5はアルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基の中の−CH
2−は酸素原子、硫黄原子、−NR
8−又は−C(=O)O−に置換されていてよく、これらの基の中の水素原子の一部又は全部はハロゲン原子に置換されていてよい。但し、隣接する2つの−CH
2−は同時には置換されない。R
5が複数存在するとき、複数あるR
5は互いに同一でも異なっていてもよい。
R
6は水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基の中の水素原子の一部又は全部はハロゲン原子に置換されていてよい。複数あるR
6は互いに同一でも異なっていてもよく、2つのR
6が結合して環を形成してもよい。
R
7はアルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基の中の水素原子の一部又は全部はハロゲン原子に置換されていてよい。複数あるR
7は互いに同一でも異なっていてもよく、2つのR
7が結合して環を形成してもよい。
R
8はアルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基の中の水素原子の一部又は全部はハロゲン原子に置換されていてよい。R
8が複数存在するとき、複数あるR
8は互いに同一でも異なっていてもよい。
pは0〜2の整数を表す。
nは0〜4の整数を表す。]
式(2)で表される化合物。
【化5】
[式中、
R
1は水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルスルフェニル基、シクロアルキルスルフェニル基又はアリールスルフェニル基を表し、これらの基の中の−CH
2−は酸素原子、硫黄原子、−NR
5−又は−C(=O)O−に置換されていてよく、これらの基の中の水素原子の一部又は全部はハロゲン原子に置換されていてよい。但し、隣接する2つの−CH
2−は同時には置換されない。2つのR
1は互いに同一でも異なっていてもよい。
R
2はアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルスルフェニル基、シクロアルキルスルフェニル基、アリールスルフェニル基、1価の複素環基、ハロゲン原子又は2置換アミノ基(但し、ベンゼン環のパラ位に結合するR
2は、アルコキシ基、シクロアルコキシ基又は2置換アミノ基)を表し、これらの基の中の−CH
2−は酸素原子、硫黄原子、−NR
5−又は−C(=O)O−に置換されていてよく、これらの基の中の水素原子の一部又は全部はハロゲン原子に置換されていてよい。但し、隣接する2つの−CH
2−は同時には置換されない。
pが
1以上の場合、複数あるR
2は互いに同一でも異なっていてもよい。
R
3はアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルスルフェニル基、シクロアルキルスルフェニル基、アリールスルフェニル基、1価の複素環基、ハロゲン原子又は2置換アミノ基を表し、これらの基の中の−CH
2−は酸素原子、硫黄原子、−NR
5−又は−C(=O)O−に置換されていてよく、これらの基の中の水素原子の一部又は全部はハロゲン原子に置換されていてよい。但し、隣接する2つの−CH
2−は同時には置換されない。nが2以上の場合、複数あるR
3は互いに同一でも異なっていてもよく、隣接するR
3同士が互いに結合して環を形成してもよい。
但し、
nが0である場合又はR
3が2置換アミノ基でない場合、少なくとも1つのR
1はアルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルスルフェニル基、シクロアルキルスルフェニル基又はアリールスルフェニル基であり、
R
2及びR
3のいずれも2置換アミノ基でない場合、2つのR
1はいずれも水素原子以外の基であり、且つ、少なくとも1つのR
1はアルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルスルフェニル基、シクロアルキルスルフェニル基又はアリールスルフェニル基である。
R
4は水素原子、−C(R
6)
3、−OR
7、−N(R
7)
2又は−Si(R
7)
3を表し、これらの基の中の−CH
2−は酸素原子、硫黄原子、−NR
5−又は−C(=O)O−に置換されていてよく、これらの基の中の水素原子の一部又は全部はハロゲン原子に置換されていてよい。但し、隣接する2つの−CH
2−は同時には置換されない。
R
5はアルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基の中の−CH
2−は酸素原子、硫黄原子、−NR
8−又は−C(=O)O−に置換されていてよく、これらの基の中の水素原子の一部又は全部はハロゲン原子に置換されていてよい。但し、隣接する2つの−CH
2−は同時には置換されない。R
5が複数存在するとき、複数あるR
5は互いに同一でも異なっていてもよい。
R
6は水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基の中の水素原子の一部又は全部はハロゲン原子に置換されていてよい。複数あるR
6は互いに同一でも異なっていてもよく、2つのR
6が結合して環を形成してもよい。
R
7はアルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基の中の水素原子の一部又は全部はハロゲン原子に置換されていてよい。複数あるR
7は互いに同一でも異なっていてもよく、2つのR
7が結合して環を形成してもよい。
R
8はアルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基の中の水素原子の一部又は全部はハロゲン原子に置換されていてよい。R
8が複数存在するとき、複数あるR
8は互いに同一でも異なっていてもよい。
pは0〜2の整数を表す。
nは0〜4の整数を表す。]
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0011】
<共通する用語の説明>
本明細書で共通して用いられる用語は、特記しない限り、以下の意味である。
【0012】
Meはメチル基、Etはエチル基、Buはブチル基、i−Prはイソプロピル基、t−Buはtert−ブチル基、Phはフェニル基を表す。
【0013】
水素原子は、重水素原子であっても、軽水素原子であってもよい。
【0014】
「アルキル基」は、直鎖及び分岐のいずれでもよい。直鎖のアルキル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常1〜50であり、好ましくは1〜10である。分岐のアルキル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜50であり、好ましくは3〜10である。
アルキル基は、置換基を有していてもよい。アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソアミル基、2−エチルブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、3−プロピルヘプチル基、デシル基、3,7−ジメチルオクチル基、2−エチルオクチル基、2−ヘキシル−デシル基、ドデシル基等が挙げられる。また、アルキル基は、これらの基における水素原子の一部又は全部が、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、フッ素原子等で置換された基であってもよい。このようなアルキル基としては、例えば、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基、3−フェニルプロピル基、3−(4−メチルフェニル)プロピル基、3−(3,5−ジ−ヘキシルフェニル)プロピル基、6−エチルオキシヘキシル基が挙げられる。
「シクロアルキル基」の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜50であり、好ましくは3〜10である。
シクロアルキル基は、置換基を有していてもよい。シクロアルキル基としては、例えば、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルエチル基が挙げられる。
【0015】
「アリール基」は、芳香族炭化水素から環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子1個を除いた残りの原子団を意味する。アリール基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常6〜60であり、好ましくは6〜20である。
アリール基は、置換基を有していてもよい。アリール基としては、例えば、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントラセニル基、2−アントラセニル基、9−アントラセニル基、1−ピレニル基、2−ピレニル基、4−ピレニル基、2−フルオレニル基、3−フルオレニル基、4−フルオレニル基、2−フェニルフェニル基、3−フェニルフェニル基、4−フェニルフェニル基等が挙げられる。また、アリール基は、これらの基における水素原子の一部又は全部が、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、フッ素原子等で置換された基であってもよい。
【0016】
「アルコキシ基」は、直鎖及び分岐のいずれでもよい。直鎖のアルコキシ基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常1〜50であり、好ましくは1〜10である。分岐のアルコキシ基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜50であり、好ましくは3〜10である。
アルコキシ基は、置換基を有していてもよい。アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、tert−ブチルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、3,7−ジメチルオクチルオキシ基、ラウリルオキシ基等が挙げられる。また、アルコキシ基は、これらの基における水素原子の一部又は全部が、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、フッ素原子等で置換された基であってもよい。
「シクロアルコキシ基」の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜50であり、好ましくは3〜10である。
シクロアルコキシ基は、置換基を有していてもよい。シクロアルコキシ基としては、例えば、シクロヘキシルオキシ基が挙げられる。
【0017】
「アリールオキシ基」の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常6〜60であり、好ましくは6〜20である。
アリールオキシ基は、置換基を有していてもよい。アリールオキシ基としては、例えば、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、1−アントラセニルオキシ基、9−アントラセニルオキシ基、1−ピレニルオキシ基等が挙げられる。また、アリールオキシ基は、これらの基における水素原子の一部又は全部が、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、フッ素原子等で置換された基であってもよい。
【0018】
「アルキルスルフェニル基」は、直鎖及び分岐のいずれでもよい。直鎖のアルキルスルフェニル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常1〜50であり、好ましくは1〜10である。分岐のアルキルスルフェニル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜50であり、好ましくは3〜10である。
アルキルスルフェニル基は、置換基を有していてもよい。アルキルスルフェニル基としては、例えば、メチルスルフェニル基、エチルスルフェニル基、プロピルスルフェニル基、イソプロピルスルフェニル基、ブチルスルフェニル基、イソブチルスルフェニル基、tert−ブチルスルフェニル基、ペンチルスルフェニル基、ヘキシルスルフェニル基、ヘプチルスルフェニル基、オクチルスルフェニル基、2−エチルヘキシルスルフェニル基、ノニルスルフェニル基、デシルスルフェニル基、3,7−ジメチルオクチルスルフェニル基、ラウリルスルフェニル基等が挙げられる。また、アルキルスルフェニル基は、これらの基における水素原子の一部又は全部が、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、フッ素原子等で置換された基であってもよい。
「シクロアルキルスルフェニル基」の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜50であり、好ましくは3〜10である。
シクロアルキルスルフェニル基は、置換基を有していてもよい。シクロアルキルスルフェニル基としては、例えば、シクロヘキシルスルフェニル基が挙げられる。
【0019】
「アリールスルフェニル基」の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常6〜60であり、好ましくは6〜20である。
アリールスルフェニル基は、置換基を有していてもよい。アリールスルフェニル基としては、例えば、フェニルスルフェニル基、1−ナフチルスルフェニル基、2−ナフチルスルフェニル基、1−アントラセニルスルフェニル基、9−アントラセニルスルフェニル基、1−ピレニルスルフェニル基等が挙げられる。また、アリールスルフェニル基は、これらの基における水素原子の一部又は全部が、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、フッ素原子等で置換された基であってもよい。
【0020】
「1価の複素環基」とは、複素環式化合物から、環を構成する炭素原子又はヘテロ原子に直接結合している水素原子のうち1個の水素原子を除いた残りの原子団を意味する。1価の複素環基の中でも、芳香族複素環式化合物から、環を構成する炭素原子又はヘテロ原子に直接結合している水素原子のうち1個の水素原子を除いた残りの原子団である「1価の芳香族複素環基」が好ましい。
「芳香族複素環式化合物」は、オキサジアゾール、チアジアゾール、チアゾール、オキサゾール、チオフェン、ピロール、ホスホール、フラン、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、トリアジン、ピリダジン、キノリン、イソキノリン、カルバゾール、ジベンゾシロール、ジベンゾホスホール等の複素環自体が芳香族性を示す化合物、及び、フェノキサジン、フェノチアジン、ジベンゾボロール、ジベンゾシロール、ベンゾピラン等の複素環自体は芳香族性を示さなくとも、複素環に芳香環が縮環されている化合物を意味する。
【0021】
1価の複素環基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常、2〜60であり、好ましくは2〜20である。
1価の複素環基は、置換基を有していてもよい。1価の複素環基としては、例えば、チエニル基、ピロリル基、フリル基、ピリジル基、ピペリジル基、キノリル基、イソキノリル基、ピリミジニル基、トリアジニル基等が挙げられる。また、1価の複素環基は、これらの基における水素原子の一部又は全部が、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基等で置換された基であってもよい。
【0022】
「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を示す。
【0023】
「アミノ基」は、置換基を有していてもよく、置換アミノ基が好ましい。アミノ基が有する置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基が好ましい。
置換アミノ基としては2置換アミノ基が好ましい。2置換アミノ基の置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基からの組合せが好ましい。2置換アミノ基としては、ジアルキルアミノ基、ジシクロアルキルアミノ基が好ましく、ジアルキルアミノ基がより好ましい。
2置換アミノ基としては、例えば、ジアルキルアミノ基、ジシクロアルキルアミノ基及びジアリールアミノ基が挙げられる。また、2置換アミノ基の置換基は、互いに結合して環を形成してもよい。2置換アミノ基の置換基としてのアルキル基の炭素原子数は、通常、1〜50であり、好ましくは1〜10である。
2置換アミノ基としては、例えば、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ビス(4−メチルフェニル)アミノ基、ビス(4−tert−ブチルフェニル)アミノ基、ビス(3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)アミノ基、ピロリジニル基、ピペリジニル基、カルバゾリル基が挙げられる。
【0024】
「置換基」とは、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基又はアミノ基を表す。
【0025】
本実施形態に係る化合物は、式(1)で表される化合物である。
【0027】
A
1としては、2つのA
1がいずれも−NR
5−又は−PR
5−であることが好ましい。このような化合物は、例えば、式(1−2)で表される。
【0029】
式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、n及びmは上記と同じであり、A
2は窒素原子又は燐原子を表す。2つのA
2は互いに同一でも異なっていてもよい。
【0030】
A
1としては、2つのA
1がいずれも−NR
5−であることがより好ましい。
【0031】
R
1は、本実施形態に係る化合物がより強力なドーパントとして機能するので、電子供与性が強い基であることが好ましい。少なくとも1つのR
1がアルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基又は2置換アミノ基であることが好ましく、少なくとも1つのR
1がアルコキシ基であることがより好ましい。
【0032】
2つのR
1がアルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルスルフェニル基、シクロアルキルスルフェニル基、アリールスルフェニル基又は2置換アミノ基であると、R
2及びR
3が上述のいずれの場合であっても、本実施形態に係る化合物は十分に強力なドーパントとして機能し得る。すなわち、好適な一態様において、2つのR
1は、その両方がアルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルスルフェニル基、シクロアルキルスルフェニル基、アリールスルフェニル基又は2置換アミノ基であってよい。本態様において、2つのR
1は、その両方がアルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基又は2置換アミノ基であることが好ましく、アルコキシ基であることがより好ましい。
【0033】
R
2は、本実施形態に係る化合物がより強力なドーパントとして機能するので、電子供与性が強い基であることが好ましい。R
2は、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルスルフェニル基、シクロアルキルスルフェニル基、アリールスルフェニル基又は2置換アミノ基であることが好ましく、アルコキシ基又は2置換アミノ基であることがより好ましく、2置換アミノ基であることが更に好ましい。
【0034】
R
3は、本実施形態に係る化合物がより強力なドーパントとして機能するので、電子供与性が強い基であることが好ましい。R
3は、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルスルフェニル基、シクロアルキルスルフェニル基、アリールスルフェニル基又は2置換アミノ基であることが好ましく、2置換アミノ基であることがより好ましい。
【0035】
nが1以上、且つ、少なくとも1つのR
3が2置換アミノ基であると、R
1及びR
2が上述のいずれの場合であっても、本実施形態に係る化合物は十分に強力なドーパントとして機能し得る。すなわち、好適な一態様に係る化合物は、nが1以上、且つ、少なくとも1つのR
3が2置換アミノ基であってよい。
【0036】
R
4は、合成が容易であるので、水素原子、アルキル基又はアリール基であることが好ましく、水素原子であることがより好ましい。
【0037】
R
5は、アルキル基又はシクロアルキル基であることが好ましく、アルキル基であることがより好ましい。
【0038】
本実施形態に係る化合物は、より強力なドーパントとして機能するので、ベンゾイミダゾリン環に結合するベンゼン環のパラ位に、電子供与性基が結合していることが好ましい。このような化合物は、例えば、式(2)で表される。
【0040】
式(2)において、ベンゼン環のパラ位に結合するR
2(以下、パラ位のR
2ともいう。)は、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルスルフェニル基、シクロアルキルスルフェニル基、アリールスルフェニル基又は2置換アミノ基であることが好ましく、アルコキシ基又は2置換アミノ基であることがより好ましく、2置換アミノ基であることが更に好ましい。
【0041】
式(2)において、パラ位のR
2が2置換アミノ基であるとき、R
1は水素原子、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルスルフェニル基、シクロアルキルスルフェニル基、アリールスルフェニル基又は2置換アミノ基であることが好ましい。2つのR
1は互いに同一でも異なっていてもよいが、少なくとも1つのR
1は水素原子以外の基である。このとき、R
1における水素原子以外の基は、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基又は2置換アミノ基であることがより好ましく、アルコキシ基であることが更に好ましい。
【0042】
式(2)において、パラ位のR
2が2置換アミノ基以外の基であるとき、R
1はアルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルスルフェニル基、シクロアルキルスルフェニル基、アリールスルフェニル基又は2置換アミノ基であることが好ましく、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基又は2置換アミノ基であることがより好ましく、アルコキシ基又は2置換アミノ基であることがより好ましい。このとき、パラ位のR
2が2置換アミノ基以外の基は、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルスルフェニル基、シクロアルキルスルフェニル基又はアリールスルフェニル基であることが好ましく、アルコキシ基であることがより好ましい。
【0043】
式(2)において、pは0であってよい。式(2)において、nは0〜2であってよく、0又は1であってよく、0であってもよい。
【0044】
式(1)で表される化合物の中でも、
少なくとも1つのR
1がアルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルスルフェニル基、シクロアルキルスルフェニル基、アリールスルフェニル基又は2置換アミノ基であり、
R
1及びR
2のいずれも2置換アミノ基でない場合、2つのR
1がいずれも水素原子以外の基であり、且つ、少なくとも1つのR
1はアルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルスルフェニル基、シクロアルキルスルフェニル基又はアリールスルフェニル基である化合物が好ましい。
【0045】
本実施形態に係る化合物は、より強力なドーパントとして機能するので、パラ位のR
2に、電子供与性基が結合していることが好ましい。このような化合物は、例えば、式(2)で表される化合物であって、
少なくとも1つのR
1がアルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルスルフェニル基、シクロアルキルスルフェニル基、アリールスルフェニル基又は2置換アミノ基であり、
R
1及びパラ位のR
2のいずれも2置換アミノ基でない場合、2つのR
1がいずれも水素原子以外の基であり、且つ、少なくとも1つのR
1がアルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルスルフェニル基、シクロアルキルスルフェニル基又はアリールスルフェニル基である化合物である。
【0046】
ここで、パラ位のR
2は、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルスルフェニル基、シクロアルキルスルフェニル基、アリールスルフェニル基又は2置換アミノ基であることが好ましく、2置換アミノ基であることがより好ましい。
【0047】
本実施形態に係る化合物としては、下記式で表される化合物が例示される。
【0054】
本実施形態に係る化合物は、例えば、式(3)で表される化合物と式(4)で表される化合物とを反応させることにより、製造することができる。
【0057】
X
−で表される対アニオンとしては、水酸化物イオン、ハロゲン化物イオン、カルボン酸イオン、炭酸イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、リン酸イオン、硝酸イオン等が例示され、水酸化物イオン及びハロゲン化物イオンが好ましい。
【0058】
M
1に含まれる金属原子又は半金属原子は、例えば、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、遷移金属原子、亜鉛族原子又はホウ素族原子であってよい。M
1は、アルカリ金属原子又はアルカリ土類金属原子を含む基であることが好ましく、アルカリ金属原子を含む基であることがより好ましい。M
1に含まれる金属原子又は半金属原子の好適な例としては、リチウム原子、ナトリウム原子、カリウム原子、マグネシウム原子、カルシウム原子等が挙げられる。
【0059】
M
2に含まれる金属原子又は半金属原子は、例えば、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、遷移金属原子、亜鉛族原子又はホウ素族原子であってよい。M
2は、例えば、リチウム原子、ナトリウム原子、カリウム原子、マグネシウム原子、カルシウム原子、鉄原子、コバルト原子、ニッケル原子、銅原子、亜鉛原子、ホウ素原子又はアルミニウム原子を含む基であってよい。
【0060】
式(4)で表される化合物としては、水素化ホウ素ナトリウム、水素化リチウムアルミニウム、水素化ジイソプロピルアルミニウム等のヒドリド還元剤、有機リチウム試薬、グリニャール試薬、有機亜鉛試薬、有機アルミニウム試薬、アート錯体、金属アルコキシド、金属アミド等が例示される。
【0061】
式(1)で表される化合物のうちR
4が水素原子である化合物を製造する場合、良好な収率が得られやすいので、式(4)で表される化合物としてM
2がアルミニウム(Al)である化合物を用いることが好ましく、水素化リチウムアルミニウム(LiAlH
4)を用いることがより好ましい。
【0062】
上述のとおり、式(3)で表される化合物は、式(1)で表される化合物の合成中間体として有用である。ここで、式(3)におけるA
1、R
1、R
2、R
3、m及びnの例示及び好ましい範囲は、式(1)におけるA
1、R
1、R
2、R
3、m及びnの例示及び好ましい範囲と同様である。式(3)で表される化合物の具体例としては、式(1)で表される化合物としての例示化合物の前駆体が挙げられる。
【0063】
本実施形態に係る化合物は、n型ドーピング材料として好適に用いることができる。
【0064】
本実施形態に係る化合物は、例えば、電子輸送性材料と混合して薄膜を形成し、熱又は光照射により活性化することで、電子輸送性材料をn−ドープすることができる。このため、本実施形態に係る化合物及び電子輸送性材料を含む薄膜は、有機EL、高分子有機EL、有機薄膜太陽電池、有機薄膜トランジスタ等の各種電子デバイスに好適に用いることができる。
【0065】
電子輸送性材料は、LUMO準位が−2.0eV以下の化合物であることが好ましい。本実施形態に係る化合物は、公知のN−DMBI型の化合物に比べ、よりLUMOの浅い電子輸送性材料をn−ドープすることができる。このため、電子輸送性材料は、LUMO準位が−3.0eV以上、−2.0eV以下の化合物であってよい。
【0066】
電子輸送性材料は、低分子化合物と高分子化合物とに分類できる。
【0067】
低分子化合物としては、例えば、8−ヒドロキシキノリンを配位子とする金属錯体、オキサジアゾール、アントラキノジメタン、ベンゾキノン、ナフトキノン、アントラキノン、テトラシアノアントラキノジメタン、フルオレノン、ジフェニルジシアノエチレン及びジフェノキノン、並びに、これらの誘導体が挙げられる。
【0068】
高分子化合物としては、例えば、ポリフェニレン、ポリフルオレン、ポリフェニレンビニレン、ポリチエニレンビニレン、ポリキノリン及びポリキノキサリン、並びに、これらの誘導体が挙げられる。
【0069】
電子輸送性材料100質量部に対する本実施形態に係る化合物の配合量は、0.1〜200質量部であることが好ましい。電子輸送性材料をより効率良くドーピングすることができるので、上記配合量は、1質量部以上が好ましく、5質量部以上がより好ましい。また、電子輸送層としての成膜性が良好となるので、上記配合量は、50質量部以下が好ましい。
【0070】
薄膜の形成方法としては、電子輸送性材料として低分子化合物を用いる場合、例えば、粉末からの真空蒸着法、溶液又は溶融状態から成膜する方法等が挙げられ、電子輸送性材料として高分子化合物を用いる場合、例えば、溶液又は溶融状態から成膜する方法が挙げられる。
【0071】
溶液からの成膜方法に用いられる溶媒は、各材料を溶解又は均一に分散できる溶媒であればよい。溶媒としては、例えば、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン等の塩素系溶媒;THF、ジオキサン、アニソール、4−メチルアニソール等のエーテル系溶媒;トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、ペンチルベンゼン、ヘキシルベンゼン、ヘプチルベンゼン、オクチルベンゼン、ノニルベンゼン、デシルベンゼン、ウンデシルベンゼン、ドデシルベンゼン、シクロヘキシルベンゼン、トリメチルベンゼン、3−フェノキシトルエン等の芳香族炭化水素系溶媒;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−へプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン、n−ドデカン、ビシクロヘキシル等の脂肪族炭化水素系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、アセトフェノン等のケトン系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテート、安息香酸メチル、酢酸フェニル等のエステル系溶媒;エチレングリコール、グリセリン、1,2−ヘキサンジオール等の多価アルコール系溶媒;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、1−ブタノール、tert−ブチルアルコール、シクロヘキサノール等のアルコール系溶媒;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒;N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒、2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール、1,1,1−トリフルオロ−2−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール、2,2,3,3,4,4−ヘキサフルオロブタノール、2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロ−1−ブタノール、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−プロパノール、3,3,4,4,5,5,5−ヘプタフルオロ−2−ペンタノール、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1−ペンタノール、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロ−1−ヘキサノール、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7−ドデカフルオロヘプタノール等のフッ素化アルコール溶媒、水が挙げられる。溶媒は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
【0072】
本実施形態に係る化合物の安定性及び溶解性に優れるので、溶媒は、塩素系溶媒、エーテル系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒、ケトン系溶媒、エステル系溶媒又はこれらの組合せであることが好ましい。
【0073】
溶液からの成膜方法としては、例えば、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビア印刷法、グラビア印刷法、バーコート法、ロールコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、スリットコート法、キャップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェット印刷法、ノズルコート法等の塗布法が挙げられる。
【0074】
溶液からの成膜方法において、溶液の粘度は、成膜方法の種類によって調整すればよい。例えば、インクジェットプリント法等の溶液が吐出装置を経由する印刷法に適用する場合、吐出時の目づまりと飛行曲がりが起こり難くなるので、溶液の粘度は、25℃において1〜20mPa・sであることが好ましい。
【0075】
成膜に用いられる溶液において、溶媒の配合量は、溶質100質量部に対して、通常、1000〜100000質量部であり、好ましくは2000〜20000質量部である。
【0076】
薄膜の活性化は、熱又は光照射により行うことができる。活性化処理の時期は、薄膜の作製の途中であってもよく、薄膜作製後であってもよい。活性化処理は、薄膜作製後、薄膜を封止して、酸素及び水が遮断された状態としてから、行うことが好ましい。
【0077】
熱による活性化方法としては、オーブンによる加熱、ホットプレートによる加熱、赤外線加熱、真空蒸着エネルギーによる加熱等が挙げられる。
【0078】
光照射による活性化方法としては、紫外光、可視光又は赤外光のいずれかの光を照射できる光源を用いて、光を照射する方法が挙げられる。活性化に必要な光の強度を得られ易いので、紫外光又は可視光のいずれかの光を照射できる光源を用いることが好ましい。
【0079】
以上、本発明の新規化合物に関する好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
【0080】
本発明の一側面は、式(1)で表される化合物及び電子輸送性材料を含む組成物に関する。当該組成物は、薄膜状とすることで、有機EL、高分子有機EL、有機薄膜太陽電池、有機薄膜トランジスタ等の各種電子デバイスに好適に用いることができる。
【0081】
また、本発明の一側面は、式(1)で表される化合物、電子輸送性材料及び溶媒を含む組成物に関する。当該組成物を用いることで、各種電子デバイスへの適用に好適な薄膜を、容易に作製することができる。
【0082】
また、本発明の一側面は、式(3)で表される化合物に関する。式(3)で表される化合物によれば、式(1)で表される化合物を容易に合成することができる。
【0083】
また、本発明の一側面は、式(3)で表される化合物と式(4)で表される化合物とを反応させる工程を含む、式(1)で表される化合物の製造方法に関する。この製造方法によれば、式(1)で表される化合物を容易に合成することができる。
【実施例】
【0084】
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0085】
<NMRの測定>
NMRの測定は、下記の方法で行った。
約10mgの測定試料を約0.7mLの重溶媒に溶解させ、NMR装置(日本電子株式会社製、製品名:JNM−ECZ400S/L1)を用いて測定した。
【0086】
<TLC−MS>
TLC−MSは、下記の方法で測定した。
測定試料をトルエン、テトラヒドロフラン又はクロロホルムに任意の濃度で溶解させ、DART用TLCプレート(テクノアプリケーションズ社製、商品名:YSK5−100)又はガラスプレート上に塗布し、TLC−MS(日本電子社製、商品名:JMS−T100TD(The AccuTOF TLC))を用いて測定した。測定時のヘリウムガス温度は、200〜400℃の範囲で調節した。
【0087】
<液体クロマトグラフ質量分析>
液体クロマトグラフ質量分析(LC−MS)は、下記の方法で行った。
測定試料を約2mg/mLの濃度になるようにクロロホルム又はTHFに溶解させ、LC−MS(アジレントテクノロジー製、商品名:1100LCMSD)に約1μL注入した。LC−MSの移動相には、アセトニトリル及びTHFの比率を変化させながら用い、0.2mL/分の流量で流した。カラムは、SUMIPAX ODS Z−CLUE(φ4.6×250mm、3μm、住化分析センター製)を用いた。
【0088】
<数平均分子量及び重量平均分子量の測定>
高分子化合物のポリスチレン換算の数平均分子量及び重量平均分子量は、サイズエクスクルージョンクロマトグラフィー(SEC)(島津製作所製、商品名:LC−10Avp)により求めた。
測定する高分子化合物は、約0.5重量%の濃度になるようにテトラヒドロフランに溶解させ、SECに50μL注入した。SECの移動相としてテトラヒドロフランを用い、0.6mL/minの流速で流した。カラムとして、TSKgel SuperHM−H(東ソー製)2本とTSKgel SuperH2000(東ソー製)1本とを直列に繋げて用いた。検出器には示差屈折率検出器(島津製作所製、商品名:RID−10A)を用いた。
【0089】
<実施例1>化合物A−1の合成
以下の方法で、式(A−1)で表される化合物A−1を合成した。
【化16】
N,N’−ジメチル−o−フェニレンジアミン 694mg、2−メトキシ−4−ジエチルアミノ−ベンズアルデヒド 1.28gを10mlのメタノールに溶かし、触媒量の酢酸を加えた。空気雰囲気下で13時間還流した後、反応物を濃縮した。水10mlを加え、トルエン10mlで3回洗浄した。水相を濃縮し、50℃の真空乾燥機で終夜乾燥した。5重量%炭酸ナトリウム水溶液を10ml加え、トルエン10mlで3回洗浄した後、クロロホルム10mlで3回洗浄した。水相をクロロホルム100mlで5回抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥後、濾過し、有機相を濃縮し、50℃の真空乾燥機で乾燥したところ、795mgの化合物A−1を得た。
得られた化合物A−1の分析結果は以下のとおりであった。
*
1H−NMR(CDCl
3)
δ1.27(6H、t)、3.48(4H、q)、3.87(3H、s)、3.97(6H、s)、6.25(1H、s)、6.50〜6.52(1H、m)、7.46(1H、m)、7.64〜7.66(2H、m)、7.84〜7.86(2H、m)
*TLC−MS(DART)
310.14([M−CH
2]
+、Exact Mass:324.21)
【0090】
<実施例2>化合物A−2の合成
以下の方法で、式(A−2)で表される化合物A−2を合成した。
【化17】
フラスコに化合物A−1 500mgを取り、フラスコ内の雰囲気を窒素置換した。脱水THF 10mlに溶解させ、水素化リチウムアルミニウム 107mgを少量ずつ加え、室温で3時間反応させた。別のフラスコに水 70mlを取り氷冷し、キャニュラーで反応物を滴下した。トルエン 20mlで4回抽出し、硫酸ナトリウムで脱水した。濾過し、有機相を濃縮し、真空乾燥機で終夜乾燥したところ、356mgの化合物A−2が得られた。
得られた化合物A−2の分析結果は以下のとおりであった。
*
1H−NMR(400MHz、CDCl
3)
δ1.19(6H、t)、2.56(6H、s)、3.37(4H、q)、3.81(3H、s)、5,45(1H、s)、6.18(1H、s)、6.34〜6.37(3H、m)、6.64〜6.67(2H、m)、7.56(1H、d)
*TLC−MS(DART)
326.17([M+H]
+、Exact Mass:325.22)
【0091】
<実施例3>化合物A−3の合成
以下の(i)〜(iii)の方法で、式(A−3)で表される化合物A−3を合成した。
【化18】
【0092】
(i)化合物(3−1)の合成
フラスコに、3,5−ジメトキシ−1−ブロモベンゼン 20.14g、Pd
2(dba)
3 1.68g、tBu
3P−HBF
4 2.38g、NaOtBu 13.28gを取り、フラスコ内の雰囲気を窒素置換した。トルエン(脱水)200mlを加え、オイルバスで80℃まで加熱した。ジエチルアミン 14.4ml滴下し、2時間保温、攪拌した。0℃に冷却し、水100mlを滴下し、分液し、100mlのトルエンで2回抽出した。有機相を合わせ硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去したところ、24.07gの粗生成物が得られた。シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製(展開溶媒 ヘキサン:酢酸エチル)し、15.98gの化合物(3−1)を得た。
得られた化合物(3−1)の分析結果は以下のとおりであった。
*
1H−NMR(CDCl
3)
δ1.15(6H、t)、3.31(4H、q)、3.77(6H、s)、5.84〜5.87(3H、m)
*TLC−MS(DART)
210.12([M+H]
+、Exact Mass:209.14)
【0093】
(ii)化合物(3−2)の合成
フラスコ内の雰囲気を窒素置換し、脱水DMF 18ml加えた。氷浴で冷却し、内温を10℃以下に保ちながらオキシ塩化リン4.8mlを滴下した。30分保温後、化合物(3−1)10.00gを6.0mlのDMFに溶解させた溶液を内温を10℃以下に保ちながら滴下した。2.5時間攪拌後、氷水42gを加えたビーカーに反応物を滴下し、2時間攪拌した。水相をクロロホルム125mlで3回抽出し、有機相を合一し、水100ml、飽和食塩水100mlで洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去し、27.85gの粗生成物を得た。シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製(展開溶媒 ヘキサン:酢酸エチル)し、12.13gの化合物(3−2)を得た。
得られた化合物(3−2)の分析結果は以下のとおりであった。
*
1H−NMR(CDCl
3)
δ1.24(6H、t)、3.42(4H、q)、3.87(6H、s)、5.73(2H、s)、10.23(1H、s)
*TLC−MS(DART)
238.14([M+H]
+、Exact Mass:237.14)
【0094】
(iii)化合物A−3の合成
フラスコにN,N’−ジメチル−o−フェニレンジアミン 3.01g、化合物(3−2) 5.00gを取り、メタノール42mlを加え攪拌した。酢酸625mgを滴下後、空気雰囲気下、70℃で14時間加熱した。反応物を濃縮し、水10mlを加え、トルエン50mlで3回洗浄した。水相を濃縮後、クロロホルム150mlに溶解させ、硫酸マグネシウムで乾燥、濾過後、溶媒を留去し、真空乾燥機で乾燥したところ、6.16gの化合物A−3が得られた。
得られた化合物A−3の分析結果は以下のとおりであった。
*
1H−NMR(CDCl
3)
δ1.29(6H、t)、3.48(4H、q)、3.83(6H、s)、3.88(6H、s)、5.91(2H、s)、7.64〜7.67(2H、m)、7.88〜7.92(2H、m)
【0095】
<実施例4>化合物A−4の合成
以下の方法で、式(A−4)で表される化合物A−4を合成した。
【化19】
フラスコに化合物A−3 5.45gを取り、フラスコ内の雰囲気を窒素置換した後、脱水THFを109ml加えた。水浴で内温30℃以下に保ちながら水素化リチウムアルミニウム 571mgを少しずつ加え、3時間攪拌した。氷水750gを取り、ここに反応液を滴下した。トルエン750mlで3回抽出し、有機相を合せ硫酸ナトリウムで乾燥後、濾過し、溶媒を留去したところ、2.91gの化合物A−4が得られた。
得られた化合物A−4の分析結果は以下のとおりであった。
*
1H−NMR(CDCl
3)
δ1.20(6H、t)、2.55(6H、s)、3.36(4H、q)、3.67(6H、brs)、5.86(2H、s)、6.07(1H、s)、6.20−6.23(2H、m)、6.53−6.56(2H、m)
*TLC−MS(DART)
355.24([M]
+、Exact Mass:355.23)
【0096】
<実施例5>化合物A−5の合成
以下の(i)及び(ii)の方法で、式(A−5)で表される化合物A−5を合成した。
【化20】
【0097】
(i)化合物(5−1)の合成
2,6−ジメチル−4−ヒドロキシベンズアルデヒド 1.00g、2−ニトロアニリン 0.76gを取り、フラスコ内の雰囲気を窒素置換した。脱水エタノール 27mlを加えて、懸濁液とした後、1M Na
2S
2O
4水溶液8mlを滴下した。1時間室温で攪拌した後、バス温50℃で2時間、80℃で5時間攪拌した後、1M Na
2S
2O
4水溶液8mlを追加し、更に2時間攪拌した。室温まで放冷した後、桐山ロートで濾過し、20mlのエタノールで洗浄した。得られた固体を乾燥後、973mgの粗生成物が得られた。濾洗液に5Nアンモニア水12mlを加え、桐山ロートで濾過し、15mlのエタノールで洗浄した。得られた固体を乾燥後、1.650gの固体が得られた。無機塩を含むため、8mlの水を加え、1時間攪拌後、濾過し、2mlの水で3回洗浄した。乾燥後、384mgの化合物(5−1)が得られた。
得られた化合物(5−1)の分析結果は以下のとおりであった。
*
1H−NMR(Dimethyl Sulfoxide−d
6)
δ3.63(6H、s)、6.18(2H、s)、7.11〜7.14(2H、m)、7.48(2H、brs)
*TLC−MS(DART)
271.12([M+H]
+、Exact Mass:270.10)
【0098】
(ii)化合物A−5の合成
化合物(5−1) 360mg、2−ブロモエチルメチルエーテル 753mgを取り、フラスコ内の雰囲気を窒素置換した。脱水DMF 2.0mlを加え懸濁させ、炭酸ナトリウム571mgを加え、バス温110℃で6.5時間反応させた。クロロホルム5mlを加え、桐山ロートで濾過し、2mlのクロロホルムで2回洗浄した。濾洗液を濃縮し、887mgの粗生成物が得られた。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 クロロホルム:メタノール)にて精製し、572mgの化合物A−5を得た。
得られた化合物A−5の分析結果は以下のとおりであった。
*
1H−NMR(CDCl
3)
δ3.17(6H、s)、3.49(3H、s)、3.66(4H、t)、3.82〜3.86(8H、m)、4.36〜4.38(2H、m)、4.49(4H、t)、6.43(2H、s)、7.64〜7.67(2H、m)、8.06〜8.09(2H、m)
*LC−MS(ESI−positive)
445.2([M]
+、Exact Mass : 445.23)
【0099】
<実施例6>化合物A−6の合成
以下の方法で、式(A−6)で表される化合物A−6を合成した。
【化21】
化合物A−5 280mgを取りフラスコ内の雰囲気を窒素置換した後、脱水THF 5.6ml加えて懸濁液とした。水素化リチウムアルミニウム39.7mg加え、室温で7時間攪拌した後、更に水素化リチウムアルミニウム12.0mg加え6.5時間攪拌した。300mlビーカーに水40ml取り、氷浴で冷却した。ここに反応物を滴下した。20mlのトルエンで3回抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過し、トルエンで洗浄し、溶媒を留去した後、真空乾燥機で乾燥し130mgの化合物A−6を得た。
得られた化合物A−6の分析結果は以下のとおりであった。
*
1H−NMR(CDCl
3)
δ2.95〜3.04(2H、m)、3.13〜3.22(2H、m)、3.26(6H、s)、3.31〜3.38(4H、m)、3.46(3H、s)、3.60〜3.90(6H、brs)、3.73〜3.77(2H、m)、4.10〜4.13(2H、m)、6.14(2H、s)、6.16〜6.19(2H、m)、6.47〜6.51(2H、m)、6.66(1H、s)
*TLC−MS(DART)
447.27([M+H]
+、Exact Mass:446.24)
【0100】
<合成例1>高分子化合物P−1の合成
以下の(工程1)〜(工程4)により、式(P−1)で表される繰り返し単位を有する高分子化合物P−1を合成した。なお、原料のモノマーとしては、式(M−1)で表される化合物(M−1)及び式(M−2)で表される化合物(M−2)を用いた。
【化22】
【化23】
【0101】
(工程1)反応容器内を不活性ガス雰囲気とした後、化合物(M−1)(3.559g)、化合物(M−2)(2.900g)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(3.2mg)及びトルエン(50mL)を加え、105℃に加熱した。
(工程2)その後、そこへ、20重量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(15mL)を滴下し、3時間還流させた。
(工程3)その後、そこへ、フェニルボロン酸(54.9mg)及びトルエン(50mL)を加え、12時間以上還流させた。
(工程4)その後、そこへ、ジエチルジチアカルバミン酸ナトリウム水溶液を加え、80℃で2時間撹拌した。得られた反応混合物を冷却した後、水で2回、3重量%酢酸水溶液で2回、水で2回洗浄した。得られた溶液をメタノールに滴下し、攪拌したところ、沈澱が生じた。得られた沈殿物をトルエンに溶解させ、アルミナカラム、シリカゲルカラムの順番に通液することにより精製した。得られた溶液をメタノールに滴下し、撹拌したところ、沈殿が生じた。得られた沈殿物をろ取し、乾燥させることにより、高分子化合物P−1を3.93g得た。
【0102】
得られた高分子化合物P−1の数平均分子量(Mn)は1.9×10
5であり、重量平均分子量(Mw)は5.1×10
5であった。高分子化合物P−1は、仕込み原料の量から求めた理論値では、化合物(M−1)から誘導される構成単位と、化合物(M−2)から誘導される構成単位とが、50:50のモル比で構成されてなる共重合体である。
【0103】
なお、化合物(M−1)は特開2014−224101号公報に記載の方法に従って合成した。また、化合物(M−2)は国際公開第2009/131255号に記載の方法に従って合成した。
【0104】
<素子作製例1>電子オンリー素子D1の作製及び評価
(i)陽極の形成
ガラス基板にスパッタ法により45nmの厚みでITO膜を付けることにより陽極を形成した。
(ii)薄膜の形成
電子輸送性材料として高分子化合物P−1を用い、16mgの高分子化合物P−1及び4mgの化合物A−4をキシレンに溶解させた溶液を準備した。この溶液を用いて、上記陽極を形成した基板の上に、スピンコート法で80nmの厚さとなるように成膜し、窒素ガス雰囲気下、50℃、10分間加熱することにより薄膜を形成した。
(iii)陰極の形成
薄膜が形成された基板を蒸着機内に置いて、1.0×10
−4Pa以下にまで減圧した後、薄膜の上に、陰極として、銀(仕事関数:4.5eV)を150nm蒸着した。蒸着後、ガラス基板を用いて封止した。
(iv)活性化
上記陰極の形成後、365nmの光を1時間照射することにより電子オンリー素子D1を作製した。
(v)評価
電子オンリー素子D1に6Vの電圧を印加して、電流密度を測定した。6Vの電圧印加時の電流密度は532mA/cm
2であった。
【0105】
<素子作製例2>電子オンリー素子D2の作製及び評価
化合物A−4の代わりに化合物A−2を用いた以外は、素子作製例1と同様にして、電子オンリー素子D2を作製した。得られた電子オンリー素子D2は、6V印加時における電流密度が121mA/cm
2であった。
【0106】
<素子作製比較例1>電子オンリー素子CD1の作製及び評価
化合物A−4を添加しなかった以外は、素子作製例1と同様にして、電子オンリー素子CD1を作製した。得られた電子オンリー素子CD1は、6V印加時における電流密度が2×10
−6mA/cm
2であった。
【0107】
<素子作製比較例2>電子オンリー素子CD2の作製及び評価
化合物A−4の代わりに下記式で表されるN−DMBIを用いた以外は、素子作製例1と同様にして、電子オンリー素子CD2を作製した。得られた電子オンリー素子CD2は、6V印加時における電流密度が0.6mA/cm
2でであった。なお、N−DMBIは、ALDRICH社より購入した。
【化24】
【0108】
<素子作製比較例3>電子オンリー素子CD3の作製及び評価
化合物A−4の代わりに式(a−1)で表される化合物を用いた以外は、素子作製例1と同様にして、電子オンリー素子CD3を作製した。得られた電子オンリー素子CD3は、6V印加時における電流密度が2×10
−4mA/cm
2であった。なお、式(a−1)で表される化合物は、ALDRICH社より購入した。
【化25】