【実施例】
【0083】
以下、実施例、参考例及び比較例を用いて、本発明を更に詳細に説明する。
以下の例において、「部」及び「%」は、特に断りのない限り、夫々『重量部』及び『重量%』を表わす。
【0084】
(塩素化銅フタロシアニンの平均塩素置換数の算出方法)
塩素化銅フタロシアニンの平均塩素置換数の算出方法として、
蛍光X線分析装置(PANalytical社製epsilon5)で塩素化銅フタロシアニンの粉末を測定した。その後、得られた測定値を用い下記のように計算し、塩素化銅フタロシアニンの平均塩素置換数とした。
塩素化銅フタロシアニンの平均塩素置換数 =(塩素原子の測定値(%)/塩素の原子量)/(銅原子の測定値(%)/銅の原子量)
また蛍光X線分析以外にも、FD−MS、TOF−MS等の質量分析計でも、一般的な測定法で平均塩素置換数を算出でき、蛍光X線と同様の結果が得られる。
【0085】
(一次粒子の平均粒子径、平均アスペクト比の測定法)
青色顔料組成物の粒子径は、透過型電子顕微鏡で視野内の粒子を撮影し、そして、二次元画像上の凝集体を構成する一次粒子の50個につき、個々の粒子の最長の長さ(最大長)、最小の長さ(最小長)を求めた。個々の粒子の最大長の平均値を平均一次粒子径とした。また、個々の粒子で、最大長/最小長を求め、それらの平均値を一次粒子の平均アスペクト比とした。
【0086】
(明度L
*の測定法)
黒帯が印刷されたアート紙に、青色塗料組成物をアプリケーターで展色し、青色塗板を得た。その塗板の黒帯上にある展色部分を分光光度計(データカラー社製データカラー650)を用いて測定し、明度L
*を算出した。透明性が高い顔料ほど、下地の黒帯をより反射するようになり、L
*が小さくなる。
【0087】
(ハイライト、シェードでの色相の測定法)
透明フィルムに、青色塗料組成物をアプリケーターで展色し、青色塗板を得た。その塗板を展色面を上にして黒色紙上に置き、多角度分光測色計(X‐rite社製MA98)を用いて測定し、色相角度h、彩度C
*を算出した。この装置はサンプルに対して45°の角度の光源を持ち、正反射を0°とした際、−15°〜110°の6角度の受光角度で色相評価が行える。受光角度−15°(ハイライト)と110°(シェード)の色相角度hの差(Δh)が小さいほどフロップ性に優れる。
【0088】
(合成例1)
1Lオートクレーブに、T‐SOL150 400ml(JXTGエネルギー株式会社製)、4−クロロフタル酸水素ナトリウム66.8部(東京化成工業株式会社)、無水フタル酸74.1部(富士フイルム和光純薬株式会社)、尿素153.9部(富士フイルム和光純薬株式会社)、塩化銅(I)19.8部(富士フイルム和光純薬株式会社)、七モリブデン酸六アンモニウム四水和物0.45部(富士フイルム和光純薬株式会社)を加え、攪拌しながら195℃まで昇温し、195℃、3.5気圧で2時間撹拌した。
【0089】
上記の反応溶液を常温まで自然放冷後、エバポレーターで脱溶剤し、塩素化銅フタロシアニンの粗製物を得た。還流管を付けた3Lのガラス製セパラブルフラスコに、上記の粗製物、硫酸(5%)水溶液2000部を加え、70℃まで昇温し、70℃で1時間撹拌した。その後、ヌッチェで濾過し、濾液のpHが6以上になるまで水洗浄をくりかえした。その後90℃で20時間乾燥、粉砕し、塩素化銅フタロシアニン(1)を109部得た。
【0090】
蛍光X線分析より、塩素化銅フタロシアニン(1)の平均塩素置換数は1.48と測定された。FD−MS分析より、塩素化銅フタロシアニン(1)に含まれる無置換の銅フタロシアニンの割合は20%と測定された。
【0091】
(合成例2)
前記合成例1で、4−クロロフタル酸水素ナトリウムを49.0部、無水フタル酸を85.9部に変更した以外は合成例1と同様に行い、塩素化銅フタロシアニン(2)を102部得た。
蛍光X線分析より、塩素化銅フタロシアニン(2)の平均塩素置換数は1.12と測定された。FD−MS分析より、塩素化銅フタロシアニン(2)に含まれる無置換の銅フタロシアニンの割合は34%と測定された。
【0092】
(合成例3)
前記合成例1で、4−クロロフタル酸水素ナトリウムを40.1部、無水フタル酸を91.8部に変更した以外は合成例1と同様に行い、塩素化銅フタロシアニン(3)を103部得た。
蛍光X線分析より、塩素化銅フタロシアニン(3)の平均塩素置換数は0.90と測定された。FD−MS分析より、塩素化銅フタロシアニン(3)に含まれる無置換の銅フタロシアニンの割合は38%と測定された。
【0093】
(合成例4)
前記合成例1で、4−クロロフタル酸水素ナトリウムを26.7部、無水フタル酸を115.5部に変更した以外は合成例1と同様に行い、塩素化銅フタロシアニン(4)を101部得た。
蛍光X線分析より、塩素化銅フタロシアニン(4)の平均塩素置換数は0.60と測定された。FD−MS分析より、塩素化銅フタロシアニン(4)に含まれる無置換の銅フタロシアニンの割合は57%と測定された。
【0094】
(合成例5)
前記合成例1で、4−クロロフタル酸水素ナトリウムを22.3部、無水フタル酸を103.7部に変更した以外は合成例1と同様に行い、塩素化銅フタロシアニン(5)を101部得た。
蛍光X線分析より、塩素化銅フタロシアニン(5)の塩素数は0.51と測定された。FD−MS分析より、塩素化銅フタロシアニン(5)に含まれる無置換の銅フタロシアニンの割合は68%と測定された。
【0095】
(合成例6)
前記合成例1で、4−クロロフタル酸水素ナトリウムを13.4部、無水フタル酸を109.6部に変更した以外は合成例1と同様に行い、塩素化銅フタロシアニン(6)を102部得た。
蛍光X線分析より、塩素化銅フタロシアニン(6)の塩素数は0.30と測定された。FD−MS分析より、塩素化銅フタロシアニン(6)に含まれる無置換の銅フタロシアニンの割合は67%と測定された。
【0096】
(合成例7)
前記合成例1で、4−クロロフタル酸水素ナトリウムを89.1部、無水フタル酸を59.4部に変更した以外は合成例1と同様に行い、塩素化銅フタロシアニン(7)を110部得た。
蛍光X線分析より、塩素化銅フタロシアニン(7)の塩素数は2.01と測定された。FD−MS分析より、塩素化銅フタロシアニン(7)に含まれる無置換の銅フタロシアニンの割合は5.1%と測定された。
【0097】
(合成例8)
前記合成例1で、4−クロロフタル酸水素ナトリウムを0部、無水フタル酸を118.5部に変更した以外は合成例1と同様に行い、銅フタロシアニン(8)を100部得た。
【0098】
(合成例9)
前記合成例1で、4−クロロフタル酸水素ナトリウムを142.4部、無水フタル酸を23.7部に変更した以外は合成例1と同様に行い、塩素化銅フタロシアニン(9)を115部得た。
蛍光X線分析より、塩素化銅フタロシアニン(9)の塩素数は3.20と測定された。FD−MS分析より、塩素化銅フタロシアニン(9)に含まれる無置換の銅フタロシアニンの割合は0.6%と測定された。
【0099】
(製造例1)
還流管を付けた1Lのガラス製セパラブルフラスコに、合成例1で合成した塩素化銅フタロシアニン(1)28.5部、硫酸(95%)257部加え、70℃まで昇温し、70℃で1時間撹拌した。45℃まで自然放冷後、エジェクター(樹脂製アスピレータ)で吸引しながら45℃の水 2300部と混合させて、硫酸スラリーを得た。還流管を付けた3Lのガラス製セパラブルフラスコに前記硫酸スラリーを加え、70℃まで昇温し、70℃で1時間撹拌した後、ヌッチェで濾過し、濾液のpHが6以上になるまで水洗浄をくりかえし、塩素化銅フタロシアニン(1)のウエットケーキ(不揮発分12%)を得た。
【0100】
還流管を付けた1Lのガラス製セパラブルフラスコに、上記ウエットケーキ全量、下記の顔料誘導体(1)1.5部、テトラヒドロフラン100部(富士フイルム和光純薬株式会社)を加え、55℃まで昇温し、55℃で2時間撹拌した。その後、水酸化ナトリウム水溶液(25%)19部(富士フイルム和光純薬株式会社)、水180部を加え、30分撹拌した。その後、還流管を取り外し、リービッヒ冷却管を取り付け、100℃まで昇温し、100℃で30分撹拌し、テトラヒドロフランを顔料スラリーから取り除いた。
常温まで自然放冷後、ヌッチェで濾過し、濾液のpHが8以下になるまで水洗浄をくりかえした。その後90℃で20時間乾燥、粉砕し、青色顔料組成物(1)を29部得た。
【0101】
【化16】
顔料誘導体(1)
【0102】
(製造例2)
前記製造例1で、塩素化銅フタロシアニン(1)を塩素化銅フタロシアニン(2)に変更した以外は、製造例1と同様に行い、青色顔料組成物(2)を29部得た。
【0103】
(製造例3)
前記製造例1で、塩素化銅フタロシアニン(1)を塩素化銅フタロシアニン(3)に変更した以外は、製造例1と同様に行い、青色顔料組成物(3)を29部得た。
【0104】
(製造例4)
前記製造例3で、顔料誘導体(1)を顔料誘導体(2)に変更した以外は、製造例3と同様に行い、青色顔料組成物(4)を29部得た。
【0105】
【化17】
顔料誘導体(2)
【0106】
(製造例5)
前記製造例3で、顔料誘導体(1)を顔料誘導体(3)に変更した以外は、製造例3と同様に行い、青色顔料組成物(5)を29部得た。
【0107】
【化18】
顔料誘導体(3)
【0108】
(製造例6)
前記製造例3で、顔料誘導体(1)1.5部を、顔料誘導体(1)1.0部、および顔料誘導体(2)0.5部に変更した以外は、製造例3と同様に行い、青色顔料組成物(6)を29部得た。
【0109】
(製造例7)
還流管を付けた1Lのガラス製セパラブルフラスコに、塩素化銅フタロシアニン(3)28.5部、硫酸(95%)257部加え、70℃まで昇温し、70℃で1時間撹拌した。45℃まで自然放冷後、エジェクター(樹脂製アスピレータ)で吸引しながら45℃の水2300部と混合させて、硫酸スラリーを得た。還流管を付けた3Lのガラス製セパラブルフラスコに前記硫酸スラリーを加え、70℃まで昇温し、70℃で1時間撹拌した後、ヌッチェで濾過し、濾液のpHが6以上になるまで水洗浄をくりかえし、塩素化銅フタロシアニン(3)のウエットケーキ(不揮発分12%)を得た。
1Lのガラス製ビーカーに、水303部、安息香酸メチル15.3部(富士フイルム和光純薬株式会社)、スルホこはく酸ジオクチルナトリウム(東京化成工業株式会社)0.46部を加え、T.K.ホモミクサーMARKII(プライミクス株式会社製)で10000rpm、10分間撹拌し、エマルション液(1)を作製した。
還流管を付けた1Lのガラス製セパラブルフラスコに、上記塩素化銅フタロシアニン(3)のウエットケーキ全量、前記の顔料誘導体(1)1.5部、水500部を加え、85℃まで昇温し、さらに、エマルション液(1)64部を加え、85℃で2時間撹拌した。常温まで自然放冷後、水酸化ナトリウム水溶液(25%)10部を加え、85℃まで昇温し、85℃で2時間撹拌した。その後、pHが10以上であることを確認し、常温まで自然放冷後、ヌッチェで濾過し、濾液のpHが8以下になるまで水洗浄をくりかえした。その後90℃で20時間乾燥、粉砕し、青色顔料組成物(7)を29部得た。
【0110】
(製造例8)
前記製造例1で、塩素化銅フタロシアニン(1)を塩素化銅フタロシアニン(4)に変更した以外は、製造例1と同様に行い、青色顔料組成物(8)を29部得た。
【0111】
(製造例9)
塩素化銅フタロシアニン(4)95部、顔料誘導体(1)5部、塩化ナトリウム700部、およびジエチレングリコール130部(富士フイルム和光純薬株式会社)をステンレス製双腕型ニーダー(2L)に仕込み、90℃で6時間混練した。その後、この混合物を70℃の塩酸(0.5%)水溶液 4000部に投入し、1時間攪拌してスラリー状とし、ヌッチェで濾過し、濾液のpHが6以上、比電導度200μS/cm以下となるまで水洗をくりかえして、塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた。その後90℃で20時間乾燥、粉砕し、青色顔料組成物(9)を95部得た。
【0112】
(製造例10)
前記製造例6で、塩素化銅フタロシアニン(3)を塩素化銅フタロシアニン(5)に変更した以外は、製造例6と同様に行い、青色顔料組成物(10)を29部得た。
【0113】
(製造例11)
前記製造例6で、塩素化銅フタロシアニン(3)を塩素化銅フタロシアニン(6)に変更した以外は、製造例6と同様に行い、青色顔料組成物(11)を28部得た。
【0114】
(製造例12)
前記製造例6で、塩素化銅フタロシアニン(3)を塩素化銅フタロシアニン(7)に変更した以外は、製造例6と同様に行い、青色顔料組成物(12)を28部得た。
【0115】
(製造例13)
前述製造例12で、顔料誘導体(1)を顔料誘導体(4)に変更した以外は、製造例12と同様に行い、青色顔料組成物(13)を27部得た。
【0116】
【化19】
顔料誘導体(4)
【0117】
(製造例14)
前記製造例12で、顔料誘導体(1)を顔料誘導体(5)に変更した以外は、製造例12と同様に行い、青色顔料組成物(14)を26部得た。
【0118】
【化20】
顔料誘導体(5)
【0119】
(製造例15)
前記製造例6で、塩素化銅フタロシアニン(3)を銅フタロシアニン(8)に変更した以外は、製造例6と同様に行い、青色顔料組成物(15)を29部得た。
【0120】
(製造例16)
前述製造例6で、塩素化銅フタロシアニン(3)を塩素化銅フタロシアニン(9)に変更した以外は、製造例6と同様に行い、青色顔料組成物(16)を28部得た。
【0121】
【表1】
【0122】
(実施例1)
(青色塗料組成物の調製)
製造例1で得られた青色顔料組成物(1)3.50部、アクリディック47−712(DIC株式会社製)17.5部、キシレン19.3部、ノルマルブタノール6.4部を配合し、スキャンデックス(FAST&FLUID社製)で4時間分散させた。その後、アクリディック47−712 41.5部、スーパーベッカミンL−117−60(DIC株式会社製)12.3部、キシレン9.8部、ノルマルブタノール3.2部を配合し、スキャンデックスで10分間分散させ、青色塗料組成物(1)を調製した。
【0123】
(塗板の作製)
得られた青色塗料組成物(1)を黒帯が印刷されたアート紙に6milのアプリケーターで展色し、130℃に調整した定温乾燥機で15分間焼付乾燥させ、青色塗板(1−1)を得た。また、得られた青色塗料組成物(1)を透明フィルムに4milのアプリケーターで展色し、130℃に調整した定温乾燥機で15分間焼付乾燥させ、青色塗板(1−2)を得た。
【0124】
実施例1で得られた青色塗板(1−1)のL
*は1.8、青色塗板(1−2)の受光角度−15°でのhは272.7、C
*は30.7、受光角度110°でのhは290.7、C
*は21.7、受光角度−15°と110°の色相角度hの差Δhは18.0だった。
【0125】
(実施例2)
前記実施例1で青色顔料組成物(1)を青色顔料組成物(2)に変更した以外は実施例1と同様に行い、青色塗板(2−1)、青色塗板(2−2)を得た。
【0126】
実施例2で得られた青色塗板(2−1)のL
*は1.9、青色塗板(2−2)の受光角度−15°でのhは272.7、C
*は30.7、受光角度110°でのhは291.5、C
*は22.0、受光角度−15°と110°の色相角度hの差Δhは18.8だった。
【0127】
(実施例3)
前記実施例1で青色顔料組成物(1)を青色顔料組成物(3)に変更した以外は実施例1と同様に行い、青色塗板(3−1)、青色塗板(3−2)を得た。
【0128】
実施例3で得られた青色塗板(3−1)のL
*は2.0、青色塗板(3−2)の受光角度−15°でのhは275.9、C
*は30.2、受光角度110°でのhは292.6、C
*は23.9、受光角度−15°と110°の色相角度hの差Δhは16.7だった。
【0129】
(実施例4)
前記実施例1で青色顔料組成物(1)を青色顔料組成物(4)に変更した以外は実施例1と同様に行い、青色塗板(4−1)、青色塗板(4−2)を得た。
【0130】
実施例4で得られた青色塗板(4−1)のL
*は2.2、青色塗板(4−2)の受光角度−15°でのhは278.4、C
*は31.3、受光角度110°でのhは292.9、C
*は24.6、受光角度−15°と110°の色相角度hの差Δhは14.6だった。
【0131】
(実施例5)
前記実施例1で青色顔料組成物(1)を青色顔料組成物(5)に変更した以外は実施例1と同様に行い、青色塗板(5−1)、青色塗板(5−2)を得た。
【0132】
実施例5で得られた青色塗板(5−1)のL
*は2.1、青色塗板(5−2)の受光角度−15°でのhは281.2、C
*は29.4、受光角度110°でのhは292.5、C
*は26.0、受光角度−15°と110°の色相角度hの差Δhは11.4だった。
【0133】
(実施例6)
前記実施例1で青色顔料組成物(1)を青色顔料組成物(6)に変更した以外は実施例1と同様に行い、青色塗板(6−1)、青色塗板(6−2)を得た。
【0134】
実施例6で得られた青色塗板(6−1)のL
*は2.1、青色塗板(6−2)の受光角度−15°でのhは277.0、C
*は30.7、受光角度110°でのhは292.7、C
*は24.0、受光角度−15°と110°の色相角度hの差Δhは15.7だった。
【0135】
(実施例7)
前記実施例1で青色顔料組成物(1)を青色顔料組成物(7)に変更した以外は実施例1と同様に行い、青色塗板(7−1)、青色塗板(7−2)を得た。
【0136】
実施例7で得られた青色塗板(7−1)のL
*は1.7、青色塗板(7−2)の受光角度−15°でのhは268.4、C
*は31.0、受光角度110°でのhは292.4、C
*は21.6、受光角度−15°と110°の色相角度hの差Δhは24.0だった。
【0137】
(実施例8)
前記実施例1で青色顔料組成物(1)を青色顔料組成物(8)に変更した以外は実施例1と同様に行い、青色塗板(8−1)、青色塗板(8−2)を得た。
【0138】
実施例8で得られた青色塗板(8−1)のL
*は1.7、青色塗板(8−2)の受光角度−15°でのhは276.9、C
*は31.9、受光角度110°でのhは294.4、C
*は25.1、受光角度−15°と110°の色相角度hの差Δhは17.5だった。
【0139】
(実施例9)
前記実施例1で青色顔料組成物(1)を青色顔料組成物(9)に変更した以外は実施例1と同様に行い、青色塗板(9−1)、青色塗板(9−2)を得た。
【0140】
実施例9で得られた青色塗板(9−1)のL
*は1.5、青色塗板(9−2)の受光角度−15°でのhは277.4、C
*は27.7、受光角度110°でのhは295.5、C
*は25.9、受光角度−15°と110°の色相角度hの差Δhは18.1だった。
【0141】
(実施例10)
前記実施例1で青色顔料組成物(1)を青色顔料組成物(10)に変更した以外は実施例1と同様に行い、青色塗板(10−1)、青色塗板(10−2)を得た。
【0142】
実施例10で得られた青色塗板(10−1)のL
*は1.9、青色塗板(10−2)の受光角度−15°でのhは270.4、C
*は30.9、受光角度110°でのhは294.5、C
*は25.6、受光角度−15°と110°の色相角度hの差Δhは24.1だった。
【0143】
(実施例11)
前記実施例1で青色顔料組成物(1)を青色顔料組成物(11)に変更した以外は実施例1と同様に行い、青色塗板(11−1)、青色塗板(11−2)を得た。
【0144】
実施例11で得られた青色塗板(11−1)のL
*は1.7、青色塗板(11−2)の受光角度−15°でのhは271.0、C
*は40.7、受光角度110°でのhは295.0、C
*は27.1、受光角度−15°と110°の色相角度hの差Δhは24.0だった。
【0145】
(実施例12)
前記実施例1で青色顔料組成物(1)を青色顔料組成物(12)に変更した以外は実施例1と同様に行い、青色塗板(12−1)、青色塗板(12−2)を得た。
【0146】
実施例12で得られた青色塗板(12−1)のL
*は2.0、青色塗板(12−2)の受光角度−15°でのhは265.6、C
*は30.5、受光角度110°でのhは291.6、C
*は23.9、受光角度−15°と110°の色相角度hの差Δhは25.9だった。
【0147】
(実施例13)
前記実施例1で青色顔料組成物(1)を青色顔料組成物(13)に変更した以外は実施例1と同様に行い、青色塗板(13−1)、青色塗板(13−2)を得た。
【0148】
実施例13で得られた青色塗板(13−1)のL
*は2.0、青色塗板(13−2)の受光角度−15°でのhは263.4、C
*は29.3、受光角度110°でのhは290.1、C
*は24.4、受光角度−15°と110°の色相角度hの差Δhは25.7だった。
【0149】
(実施例14)
前記実施例1で青色顔料組成物(1)を青色顔料組成物(14)に変更した以外は実施例1と同様に行い、青色塗板(14−1)、青色塗板(14−2)を得た。
【0150】
実施例14で得られた青色塗板(14−1)のL
*は2.0、青色塗板(14−2)の受光角度−15°でのhは2665.0、C
*は29.4、受光角度110°でのhは290.3、C
*は24.0、受光角度−15°と110°の色相角度hの差Δhは25.3だった。
【0151】
(比較例1)
前記実施例1で青色顔料組成物(1)を青色顔料組成物(15)に変更した以外は実施例1と同様に行い、青色塗板(15−1)、青色塗板(15−2)を得た。
【0152】
比較例1で得られた青色塗板(15−1)のL
*は2.3、青色塗板(15−2)の受光角度−15°でのhは262.6、C
*は42.7、受光角度110°でのhは298.2、C
*は31.7、受光角度−15°と110°の色相角度hの差Δhは35.6だった。
【0153】
(比較例2)
前記実施例1で青色顔料組成物(1)を青色顔料組成物(16)に変更した以外は実施例1と同様に行い、青色塗板(16−1)、青色塗板(16−2)を得た。
【0154】
比較例2で得られた青色塗板(16−1)のL
*は2.3、青色塗板(16−2)の受光角度−15°でのhは255.0、C
*は25.8、受光角度110°でのhは291.7、C
*は22.4、受光角度−15°と110°の色相角度hの差Δhは36.7だった。
【0155】
【表2】
【0156】
実施例1、2、3、8、10、11、及び12と比較例1は、顔料誘導体(1)を用いているが銅フタロシアニンの平均塩素置換数が異なっている。平均塩素置換数が0.3〜2.0である実施例1、2、3、8、10、11、及び12では、塩素化銅フタロシアニンを含有していることにより、顔料粒子が成長しづらく、アスペクト比、平均粒子径ともに小さい。そのため、シェードのh、L
*ともに小さく、自動車塗料用顔料として好適である。
一方、平均塩素置換数が0である無置換の銅フタロシアニンである比較例1は、実施例1、2、3、8、10、11、及び12と比べるとシェードで赤味寄りである。また、塩素が全く置換していない銅フタロシアニンであるため、顔料粒子が成長しやすい。そのため、アスペクト比、平均粒子径ともに大きくなり、Δh、L
*ともに大きくなった。よって、比較例1は自動車塗料用青色顔料に適さない。
【0157】
実施例7、10、11及び12と比較例2は、同一条件で作製したが、銅フタロシアニンの平均塩素置換数が異なっている。均塩素置換数が0.3〜2.0である実施例7、10、11及び12では、塩素化銅フタロシアニンを含有していることにより、顔料粒子が成長しづらく、アスペクト比、平均粒子径ともに小さいため、粗大な顔料粒子の散乱光によるシェードの赤味化は抑制できる。
一方、比較例2では銅フタロシアニンの平均塩素置換基数が3.2と大きいため、ハイライト、シェードともにhが小さく、顔料自体の発色が緑味である。よって、比較例2は自動車塗料用青色顔料に適さない。
【0158】
実施例3、4、5および実施例12、13、14は、顔料誘導体の種類が異なる他は、同一条件で作製したサンプルである。いずれの顔料誘導体でも、シェードのh、L
*ともに小さく、自動車塗料用顔料として好適である。
実施例6は、顔料誘導体を組み合わせて使用した他は、実施例3、4と同一条件で作製したサンプルである。いくつかの顔料誘導体を組み合わせた場合でも、シェードのh、L
*ともに小さく、自動車塗料用顔料として好適である。
実施例12、13、14は、顔料誘導体の種類が異なる他は、同一条件で作製したサンプルである。いずれの顔料誘導体でも、シェードのh、L
*ともに小さく、自動車塗料用顔料として好適である。
実施例3、7は、顔料化方法が異なる他は、同一条件で作製したサンプルである。いずれの顔料化方法でも、シェードのh、L
*ともに小さく、自動車塗料用顔料として好適である。