(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【0003】
いくつかの実施形態に従って、基板上で原子層エッチング(ALE)を実施するための方法が提供されている。この方法は、(a)基板の表面上で、基板表面の少なくとも1つの単分子層を改質層に変換するように構成された表面改質動作を実施することと、(b)基板表面上で、基板表面から改質層を除去するように構成された除去動作を実施することであって、改質層を除去することは、改質層を揮発させるように構成される配位子交換反応を介して起こることと、(c)除去動作に続いて、基板表面上で、基板表面上からの除去動作によって生成された残留物を除去するように構成されたプラズマ処理を実施することであって、残留物は、プラズマ処理によって揮発されることと、(d)基板表面から所定の厚さがエッチングされるまで、動作(a)から(c)を繰り返すこととを備える。
【0004】
いくつかの実施形態では、表面改質動作を実施することは、基板表面をフッ素含有プラズマに曝露することを含み、フッ素含有プラズマへの曝露は、基板表面の少なくとも1つの単分子層をフッ素種に変換するように構成される。
【0005】
いくつかの実施形態では、基板の表面は、金属、金属酸化物、金属窒化物、金属リン化物、金属硫化物、または金属ヒ化物を含み、フッ素含有プラズマへの曝露は、金属フッ化物を形成する。
【0006】
いくつかの実施形態では、基板の表面をフッ素含有プラズマに曝露することは、フッ素含有ガスを基板が配置されているチャンバ内に導入し、プラズマを点弧することを含む。
【0007】
いくつかの実施形態では、フッ素含有プラズマへの曝露は、約15秒より短い期間に、約10から500mTorrのチャンバ圧力で実施される。
【0008】
いくつかの実施形態では、除去動作を実施することは、基板表面をスズ(II)アセチルアセトネート(Sn(acac)
2)蒸気に曝露することを含み、Sn(acac)
2蒸気への暴露は、acac配位子を改質層のフッ素原子と交換するように構成される。
【0009】
いくつかの実施形態では、基板の表面をSn(acac)
2に曝露することは、Sn(acac)
2を基板が配置されているチャンバ内に蒸気として導入することを含む。
【0010】
いくつかの実施形態では、Sn(acac)
2への暴露は、約1秒から30秒の期間に実施される。
【0011】
いくつかの実施形態では、プラズマ処理を実施することは、基板表面を水素プラズマに曝露することを含み、水素プラズマへの曝露は、基板表面上で、スズ、フッ化スズ、または酸化スズの残留物を揮発させるように構成される。
【0012】
いくつかの実施形態では、基板の表面を水素プラズマに曝露することは、水素ガスを基板が配置されているチャンバ内に導入し、プラズマを点弧することを含む。
【0013】
いくつかの実施形態では、水素プラズマへの曝露は、約1秒から30秒の期間に、通常は約5秒の期間に実施される。
【0014】
いくつかの実施形態では、動作(a)は第1のチャンバで実施され、動作(b)は第2のチャンバで実施される。
【0015】
いくつかの実施形態では、動作(d)は第1のチャンバで実施される。
【0016】
いくつかの実施形態では、動作(d)は第3のチャンバで実施される。
【0017】
いくつかの実施形態に従って、基板上で原子層エッチング(ALE)を実施するための方法が提供されている。この方法は、(a)基板の表面上で、基板表面の少なくとも1つの単分子層を改質層に変換するように構成された表面改質動作を実施することと、(b)基板表面上で、基板表面から改質層を除去するように構成された除去動作を実施することであって、改質層を除去することは、改質層を揮発させるように構成される配位子交換反応を介して起こることと、(c)所定回数のサイクルの間に、動作(a)および(b)を繰り返すことと、(d)動作(c)に続いて、基板表面上で、基板表面上からの除去動作によって生成された残留物を除去するように構成されたプラズマ処理を実施することであって、残留物は、プラズマ処理によって揮発されることと、(e)基板表面から所定の厚さがエッチングされるまで、動作(a)から(d)を繰り返すこととを備える。
【0018】
いくつかの実施形態では、表面改質動作を実施することは、基板表面をフッ素含有プラズマに曝露することを含み、フッ素含有プラズマへの曝露は、基板表面の少なくとも1つの単分子層をフッ素種に変換するように構成され、除去動作を実施することは、基板表面をスズ(II)アセチルアセトネート(Sn(acac)
2)蒸気に曝露することを含み、Sn(acac)
2蒸気への曝露は、acac配位子を改質層のフッ素原子に交換するように構成され、プラズマ処理を実施することは、基板表面を水素プラズマに曝露することを含み、水素プラズマへの曝露は、基板表面上で、スズ、フッ化スズ、または酸化スズの残留物を揮発させるように構成される。
【0019】
いくつかの実施形態では、基板の表面は、金属、金属酸化物、金属窒化物、金属リン化物、金属硫化物、または金属ヒ化物を含み、フッ素含有プラズマへの曝露は、金属フッ化物を形成する。
【0020】
いくつかの実施形態では、フッ素含有プラズマへの曝露は、約15秒より短い期間に、約10から500mTorrのチャンバ圧力で実施され、Sn(acac)
2への曝露は、約1から30秒の期間に、通常は約1秒の期間に実施され、水素プラズマへの曝露は、約1から30秒の期間に、通常は約5秒の期間に実施される。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下の説明では、本開示への十分な理解を提供するために多くの具体的な詳細が記載される。本開示の実施形態は、これらの具体的詳細のいくつかまたは全てなしに実施されてよい。その他の例では、本開示の実施形態を不必要に曖昧にしないように、周知の工程動作は詳細に説明されていない。本開示の実施形態は、具体的な実施形態と併せて説明されるが、本開示の実施形態を限定する意図はないことを理解されたい。
【0030】
本明細書で提供されるのは、フッ素含有プラズマおよびスズ含有エッチング液を含む配位子交換機構を介して、金属酸化物(酸化アルミニウム(Al
2O
3)など)の等方性原子層エッチング(ALE)を実施する方法である。本明細書で説明される方法は、フッ素含有プラズマを用いて被エッチング材料の表面を改質することと、改質された表面をスズ(II)アセチルアセトネート(Sn(acac)
2)蒸気に曝して自己制御式に材料を除去することとを含む。配位子交換反応は、プラズマなしでSn(acac)
2蒸気を含む蒸着チャンバ内で持続される。
【0031】
原子層エッチング(ALE)は、エッチング挙動の原子スケール制御のための1つの手段である。ALEは、繰り返し工程の一種である。ALEは、一連の自己制御反応を用いて材料の薄膜を除去する技術である。一般に、ALEは、あらゆる適した技術を用いて実施されてよい。原子層エッチング技術の例は、2014年11月11日発行の米国特許第8,883,028号、および2014年8月19日発行の米国特許第8,808,561号に記載されており、例示的な原子層エッチングおよびエッチング技術を説明する目的で本明細書に援用される。様々な実施形態では、ALEは、プラズマを用いて実施されてよい、または熱的に実施されてよい。
【0032】
ALEは、表面改質動作(すなわち、基板表面上での反応性化学現象による化学吸着)によって行われ、続いて除去動作が行われてよい。かかる動作は、一定回数のサイクル繰り返されてよい。ALE時に、反応性化学現象および除去化学現象は、別々に基板に伝えられる。
【0033】
図1A〜1Fは、本開示の実施形態に従ってALE工程順序を概念的に表している。
【0034】
図1Aに示されるのは、未改質状態の基板の表面100の一部である。基板表面100の分子/原子の最外層102は、ALE工程で曝される。
図1Bに示されるように、基板の表面層を機能化状態に変換するため表面変換/改質動作が実施される。例えば、表面層は、表面上に吸着または化学吸着できる表面変換反応剤104への曝露によって改質される。表面変換反応剤は、様々な実施形態では、表面層原子と反応して表面変換ステップに影響を与える分子または低エネルギラジカルを含むことができる。結果として生じる表面層は、分子の機能化された最外層106からなる
図1Cに示され、続くALEステップを可能にする。反応が自己制御的であるため、基板表面の最外層のみ(または、実質的に最外層のみ)が変換される。いくつかの実施形態では、この表面改質は、表面種のハロゲン化合物への変換を伴う。いくつかの実施形態では、自己制御的な表面変換に続いて、チャンバがパージされて全ての反応副生成物または過剰な表面変換反応剤を除去する。
【0035】
表面変換動作に続いて、
図1Dに表されるように、配位子交換反応/動作が実施される。図の実施形態では、基板の改質された表面106は、配位子交換反応に影響を与える配位子含有反応剤108に曝される。配位子含有反応剤は、基板表面に吸着し、その配位子を先の表面改質/変換動作で形成された変換表面種106に転移させる。配位子は、分子/原子の改質表面層と結合し、
図1Eに示される放出可能な配位子置換表面種110からなる反応生成物を形成する。
【0036】
図1Fに示されるように、堆積によって、基板表面からの表面種110(配位子交換動作後の反応生成物)の最外層の除去が促進される。いくつかの実施形態では、放出は、配位子含有反応剤への曝露と同時に、または別のステップにおいて適用されうる熱エネルギの適用によって達成されうる。
【0037】
「ALEサイクル」の概念は、本明細書の様々な実施形態の説明と関係する。一般に、ALEサイクルは、単分子層のエッチングなど1回のエッチング工程を実施するのに用いられる最小限の動作集合である。1サイクルの結果は、基板表面上の膜層の少なくともいくらかがエッチングされることである。通常、ALEサイクルは、反応層を形成する改質動作を含み、次にこの改質された層だけを除去またはエッチングする除去動作が続く。改質は、化学吸着機構、堆積機構、上面変換機構、または抽出機構を用いて実施されてよい。サイクルは、反応剤または副生成物の1つの一掃など一定の補助動作を含んでよい。一般に、サイクルには、固有の一連の動作の一例が含まれる。例として、
図2は、ALEサイクルの方法を表している。この方法には、(i)反応ガスの供給(動作201)、(ii)チャンバからの反応ガスの任意的パージング(動作203)、(iii)除去ガスおよび任意的プラズマの供給(動作205)、および(iv)チャンバの任意的パージング(動作207)の動作が含まれる。ALEについてのさらなる説明および例は、2015年4月24日出願の、「INTEGRATING ATOMIC SCALE PROCESSES:ALD(ATOMIC LAYER DEPOSITION) AND ALE(ATOMIC LAYER ETCH)」と題する米国特許出願第14/696,254号に記載されており、原子層エッチング工程を説明するために本明細書で援用される。
【0038】
図3には、開示の実施形態に従って実施される方法の工程フロー図が提供されている。動作301〜307時に、アルゴンガスなどの不活性ガスは、キャリアガスとして裏側に継続的に流入してよい。
【0039】
動作301では、被エッチング材料を含む基板は、基板の表面を改質するためにフッ素含有プラズマに曝される。
【0040】
フッ素含有プラズマは、フッ素含有ガスを導入し、プラズマを点弧することによって生成されてよい。例えば、いくつかの実施形態では、フッ素含有ガスは、四フッ化炭素(CF
4)、三フッ化窒素(NF
3)、六フッ化硫黄(SF
6)、フッ素(F
2)、またはあらゆるフッ素含有ガスであってよい。様々な実施形態では、基板をエッチングするためにプラズマ中に多くのフッ素イオンを生成させるため、CF
4がO
2と共に導入されてよい。いくつかの実施形態では、フッ素含有プラズマを生成するためのチャンバへの全ガス流の約35%がO
2ガスである。炭素を含むその他のフッ素含有ガスは、炭化物の形成を抑制するために別のガスと共に導入されるときは、いくつかの実施形態で用いられてよい。例えば、その他のフッ素含有ガスは、式C
xH
yF
zを有してよい(xは1以上の整数、yは0以上の整数、zは1以上の整数)。例には、フロロホルム(CHF
3)およびジフルオロメタン(CH
2F
2)が含まれる。いくつかの実施形態では、フッ素含有ガスは、フッ素含有液を気化することで生成されてよい。
【0041】
いくつかの実施形態では、基板はパターン化されない。様々な実施形態では、基板はパターン化されてよい。基板は、ブロッキング酸化物またはエッチング停止層などの追加ゲート層を含むトランジスタ構造を含んでよい。例えば、基板は、FinFETトランジスタのフィンを覆う酸化アルミニウム層を含んでよい。いくつかの実施形態では、基板は、金属酸化物のエッチング停止層が被エッチング材料になるように、形成されたトレンチの底に金属酸化物のエッチング停止層を有する3次元NAND構造を含んでよい。様々な実施形態では、基板上のフィーチャは、約1.5:1と約5:1の間のアスペクト比を有してよい。
【0042】
動作301のプラズマは、in−situで生成されてよい、または遠隔プラズマであってよい。多くの実施形態では、プラズマは、誘導結合プラズマを生成するためにin−situで生成される。
【0043】
様々な実施形態では、基板は、金属酸化物、金属窒化物、金属リン化物、金属硫化物、金属ヒ化物、または金属の被エッチング層を含む。例には、酸化アルミニウム(Al
2O
3)および酸化ハフニウムが含まれる。多くの実施形態では、ケイ素含有材料(例えば、酸化シリコン、窒化シリコン、炭化シリコン、シリコン)は、開示の実施形態を用いてエッチングされなくてもよいことに注意されたい。開示の実施形態は、特にFinFETトランジスタ構造上のフィンを覆う犠牲ゲート酸化層などの材料をエッチングするときに、エッチングの選択性を達成するのに貢献する。開示の実施形態が様々な材料をエッチングするのに用いられてよいことが理解されたとしても、
図1は酸化アルミニウムのエッチングに関して説明される。
【0044】
様々な実施形態では、動作301は、基板表面の等方性改質を可能にするため、バイアスを印加することなく実施されてよい。開示の実施形態が等方性エッチングの実施に用いられてよいとしても、異方性エッチング工程は、動作301中にバイアスを印加することによって開示の実施形態を用いて実施されてもよいことに注意されたい。
図1に関して本実施形態で説明される例は、酸化アルミニウムの等方的エッチングのために説明される。
【0045】
特定の理論に縛られることなく、動作301中に、酸化アルミニウム面などの酸化金属面は、フッ素含有プラズマによって等方的にフッ素化され、酸化アルミニウムの表面を改質してフッ化アルミニウム(例えば、AlF
3)を形成してよい。酸化アルミニウムの1つ以上の単一層は、フッ化アルミニウムを形成するために改質されてよい。改質動作は、拡散の深さによって限定されてよい。基板は、約10mTorrと約100mTorrの間のチャンバ圧(例えば、約15秒より短く0秒より長い期間に約20mTorr)でフッ素含有プラズマに曝されてよい。
【0046】
いくつかの実施形態では、動作301の実施後、基板を収容するチャンバはパージされなくてよいことに注意されたい。いくつかの実施形態では、基板はパージされてよい。
【0047】
動作303では、基板は、スズ(II)アセチルアセトネート(Sn(acac)
2)蒸気に曝される。様々な実施形態では、Sn(acac)
2は、蒸気を基板に供給する前に、外部気化器で気化されてよい。
【0048】
特定の理論に縛られることなく、改質されたAlF
3の表面がSn(acac)
2蒸気に曝されるときは、Sn(acac)
2上の1つのacac配位子がAlF
3分子上の1つのフッ素原子を置き換えるように配位子交換反応が起こり、AlF
2(acac)を形成する。次に、追加のSn(acac)
2および/またはSn(acac)は、AlF
2(acac)と再び2度反応して、第2および第3フッ素原子を(acac)と置き換え、揮発性であるため基板からエッチングされてよいAl(acac)
3が生じる。配位子交換反応は、AlF
3の上面単分子層(例えば、Sn(acac)
2蒸気に曝される第1単分子層)においてより速いエッチング速度を有するように理論付けされるため、反応は自己制御式であり、スズ、フッ化スズ、酸化スズ、およびSn(acac)
2は、被エッチング材料の表面上に積層し始めてよく、それによりAlF
3の全ての改質された下層のさらなるエッチングが妨げられる。
【0049】
様々な実施形態では、動作301および303は、同じチャンバで実施されてよい。動作303では、プラズマはオフされ、フッ素含有ガス流は、蒸気流をオンする前にオフされてよい。チャンバが動作303の前にパージされない場合は、プラズマなしのフッ素含有ガスの存在は、エッチング機構に影響を及ぼさないだろう。むしろ、被エッチング材料と反応しないように、また動作303で用いられる蒸気と反応しないように、フッ素含有ガスだけが選択されてよい。
【0050】
いくつかの実施形態では、動作301および303は、同じ装置の別々のチャンバで実施されてよい。
図4は、本開示の実施形態に従ってALE動作を実施するための複数のチャンバを有する装置を概念的に表している。様々な実施形態では、基板は、動作301でフッ素含有プラズマに曝露するための第1のチャンバ401と、Sn(acac)
2蒸気に曝露するための第2のチャンバ403との間を往復または移動してよい。いくつかの実施形態では、第2のチャンバ403は、蒸着チャンバである。いくつかの実施形態では、第2のチャンバ403は、プラズマ源を備えない修正されたチャンバである。チャンバ間の基板の移動または往復は、真空を破ることなく実施されてよいことに注意されたい。
【0051】
別の実施形態では、基板は、金属フッ化物に選択的であるが金属酸化物には反応しない気相の別の化学物質に曝されてよい。化学物質には、金属フッ化物と反応するときに、配位子に結合された金属を含む揮発性化合物を生成する1つ以上の配位子が含まれてよい。
【0052】
動作303は、約200℃の温度に設定されたウエハを保持するウエハ保持体または台座の温度で、約1秒の期間に実施されてよい。様々な実施形態では、Sn(acac)
2蒸気への曝露の終了時におけるチャンバ圧力は、約20mTorrであってよい。
【0053】
動作305では、基板は、プラズマ処理に曝されてよい。特定の理論に縛られることなく、動作305は、動作303を実施することで堆積できる基板の表面上のスズ、フッ化スズ、または酸化スズの積層を揮発させるために実施される。基板の水素への曝露は、スズハイドレートを形成してよく、スズハイドレートは、選ばれた基板温度において揮発性であり、次に処理チャンバから排出されてよい。基板は、0秒より長く5秒より短い期間にプラズマ処理に曝されてよい。プラズマ曝露の期間は、表面上のスズの量に依存してよい。例えば、いくつかの実施形態では、スズの量は、発光スペクトルにおけるスズ線を評価することによって決定されてよい。いくつかの実施形態では、プラズマは、発光スペクトルのスズ線が消えるときにオフされてよい。いくつかの実施形態では、基板は、約5秒間プラズマに曝される。いくつかの実施形態では、基板は、約5秒より長い期間プラズマに曝される。様々な実施形態では、プラズマ処理は、水素ガスを導入することと、プラズマを点弧することとを含んでよい。動作305は、動作301および303と同じチャンバで実施されてよい。動作305は、基板を水素プラズマに曝露することによって実施されてよいが、いくつかの実施形態では、異なる化学現象を用いて被エッチング材料の表面上のスズまたは酸化スズの積層を除去してよいことに注意されたい。例えば、いくつかの実施形態では、アンモニア(NH
3)プラズマが用いられてよい。
【0054】
いくつかの実施形態では、動作305は、別のチャンバで実施されてよい。例えば、いくつかの実施形態では、基板は、動作301が実施された第1のステーション/チャンバ401に移動もしくは往復してよい、または、動作305を実施するために第3のステーション/チャンバ405に移動または往復してよい。チャンバ間の基板の移動または往復は、真空を破ることなく実施されてよいことに注意されたい。
【0055】
動作307では、エッチングされた量が所望のエッチング量を達成するのに十分であるかが決定される。所望の残存厚さが達成されていないときは、動作301〜305は任意で繰り返されてよい。いくつかの実施形態では、動作305は、動作301および303を実施するnサイクルごとに実施されるだけでよいことに注意されたい(nは、1以上の整数)。nが1の場合は、動作305は、毎サイクル実施される。様々な実施形態では、動作305は毎サイクル実施される。別の例では、nが2の場合、動作305は、(1)フッ素含有プラズマへの曝露、(2)Sn(acac)
2蒸気への曝露、(3)フッ素含有プラズマへの曝露、(4)Sn(acac)
2蒸気への曝露、(5)水素プラズマへの曝露、および(6)(1)〜(5)の繰り返しの動作が基板をエッチングするために実施されるように、動作301および303を実施する2サイクルごとに実施されてよい。
【0056】
図5は、
図3の実施形態に従った方法を表しているが、フッ素曝露(動作501)およびSn(acac)
2曝露(動作503)は、n回のサイクルに達する(動作505)まで繰り返される。次に、水素プラズマ曝露(動作507)が実施される。全ての順序は、所望のエッチング量が達成される(動作509)まで繰り返される。
【0057】
開示の実施形態は、高度な均一性を有する高度に制御されたエッチング方法をもたらす。開示の実施形態は、様々な材料の等方性エッチングを実施するのに用いられてよく、約20V
bと約80V
bの間のバイアス電圧(例えば、約50V
b)でバイアスを印加することによって、異方性エッチングを実施するように修正されてもよい。
【0058】
本明細書で説明される様々な実施形態は、カリフォルニア州フリーモントのラム・リサーチ・コーポレーションから入手可能なKiyoなどのプラズマエッチングチャンバで実施されてよい。様々な実施形態では、基板は、真空を破ることなくエッチングチャンバとベーパチャンバとの間を往復してよい。
【0059】
開示の実施形態は、共にカリフォルニア州フリーモントのラム・リサーチ・コーポレーションから入手可能なKiyo(商標登録)またはFlexなどのあらゆる適したチャンバまたは装置で実施されてよい。いくつかの実施形態では、開示の実施形態は、1つ以上のステーションを備えるクラスタツールで実施されてよい。
図6は、本開示の実施形態に従ってクラスタツール600を表している。様々な実施形態では、1つのステーション601は、エッチング用のモジュールを備えてよいが、別のステーション603は、蒸気への曝露用のモジュール(例えば、ベーパチャンバ)を備える。いくつかの実施形態では、第3ステーション605は、プラズマへの曝露用のモジュールを備える。
【0060】
いくつかの実施形態では、誘導結合プラズマ(ICP)リアクタが用いられてよい。かかるICPリアクタは、2013年12月10日出願の、「IMAGE REVERSAL WITH AHM GAP FILL FOR MULTIPLE PATTERNING」と題する米国特許出願公開第2014/0170853号にも記載されており、本明細書で説明される技術の実施に適したICPリアクタを説明するために援用される。本明細書ではICPリアクタについて説明されるとしても、いくつかの実施形態では、容量結合プラズマリアクタが用いられてもよいことを理解されたい。
図7に関して、例示的なエッチングチャンバまたは装置は、シャワーヘッドまたはノズル703を有するチャンバ701を備え、本明細書に説明される、フッ素含有ガス(705)、水素ガス(707)、またはSn(acac)
2蒸気(709)もしくはその他の化学要素を、チャンバ701、チャンバ壁711、処理されるべき基板またはウエハ715を保持するチャック713であって、ウエハをチャックおよびデチャックするための静電電極を備え、RF電源717を用いて荷電されてよいチャック713、プラズマを生成するために電力をコイル721に供給するように構成されるRF電源719、ならびにガスを流入させるためのガス流入口に分配してよい。様々な実施形態では、チャンバ壁711は、耐フッ素性であってよい。例えば、チャンバ壁711は、フッ素含有ガスおよび/またはプラズマがチャンバ壁711をエッチングしないように、ケイ素含有材料(シリコンまたは酸化シリコンなど)、炭素含有材料(ダイアモンドなど)、またはこれらの組み合わせによって被覆されてよい。化学吸着用の改質化学ガス(フッ素含有プラズマを生成するためのフッ素含有ガスなど)および/または蒸気曝露(Sn(acac)
2など)は、チャンバ701に流入してよい。いくつかの実施形態では、水素ガス707は、チャンバに流入して、スズまたは酸化スズの残留物を除去するための水素プラズマを生成してよい。いくつかの実施形態では、チャンバ壁は、水素プラズマによる壁面洗浄の効率化を助けるために熱せられる。いくつかの実施形態では、装置は1つ以上のチャンバを備え、それぞれはエッチング、堆積、または基板処理に用いられてよい。チャンバまたは装置は、チャンバ圧力、不活性ガス流、プラズマ電力、プラズマ周波数、反応ガス流(例えば、フッ素含有ガス、Sn(acac)
2蒸気)、バイアス電力、温度、真空設定、およびその他の工程条件の調整などのチャンバまたは装置の動作のいくつかまたは全てを制御するためのシステム制御装置723を備えてよい。
【0061】
図8は、本開示の実施形態に従って上述のシステムを制御するための制御モジュール800を示す。例えば、制御モジュール800は、プロセッサ、メモリ、および1つ以上のインターフェースを備えてよい。制御モジュール800は、検知された値に一部基づいてシステムの装置を制御するのに利用されてよい。例示のみでは、制御モジュール800は、弁802、フィルタヒータ804、ポンプ806、およびその他の装置808のうちの1つ以上を、検知された値およびその他の制御パラメータに基づいて制御してよい。制御モジュール800は、検知された値を、例示のみでは、圧力計810、流量計812、温度センサ814、および/またはその他のセンサ816から受信する。制御モジュール800は、反応剤の供給およびプラズマ処理時の工程条件を制御するのに利用されてもよい。制御モジュール800は、通常、1つ以上のメモリ装置および1つ以上のプロセッサを備える。
【0062】
制御モジュール800は、反応剤供給システムおよびプラズマ処理装置の動作を制御してよい。制御モジュール800は、工程タイミングを制御するための命令、供給システム温度、フィルタにおける圧力差、弁位置、ガス混合物、チャンバ圧力、チャンバ温度、ウエハ温度、RF電力レベル、ウエハESCまたは台座位置、および特定の工程のその他のパラメータの設定を含むコンピュータプログラムを実行する。制御モジュール800は、圧力差を監視し、蒸気反応剤供給を1つ以上の流路から1つ以上のその他の流路に自動的に切り替えてもよい。いくつかの実施形態では、制御モジュール800に関連するメモリ装置に格納されたその他のコンピュータプログラムが利用されてよい。
【0063】
通常は、制御モジュール800と関連づけられるユーザインターフェースがあるだろう。ユーザインターフェースは、ディスプレイ818(例えば、装置および/または工程条件の表示画面および/または画像用ソフトウェアディスプレイ)および、ポインティング装置、キーボード、タッチ画面、マイクなどのユーザ入力装置820を含んでよい。
【0064】
反応剤の供給、プラズマ処理、および工程順序におけるその他の工程を制御するためのコンピュータプログラムは、従来のコンピュータ可読プログラミング言語(例えば、アセンブリ言語、C、C++、パスカル、フォートランほか)で書かれてよい。コンパイルされたオブジェクトコードまたはスクリプトは、プログラムで識別されたタスクを行うためにプロセッサによって実行される。
【0065】
制御モジュールパラメータは、例えば、フィルタ圧力差、処理ガス構成および流量、温度、圧力、RF電力レベルおよび低周波のRF周波数などのプラズマ条件、冷却ガス圧力、ならびにチャンバ壁温度の工程条件に関する。
【0066】
システムソフトウェアは、多くの異なる方法で設計または構成されてよい。例えば、様々なチャンバ構成部品サブルーチンまたは制御オブジェクトは、進歩的な堆積工程を実行するのに必要なチャンバ構成部品の動作を制御するように書かれてよい。この目的のためのプログラムまたはプログラム部分の例には、基板位置決めコード、処理ガス制御コード、圧力制御コード、ヒータ制御コード、およびプラズマ制御コードが含まれる。
【0067】
上述の実施形態は、明確な理解のために多少詳しく説明されてきたが、一定の変更および修正が本開示の実施形態の範囲内で実施されてよいことは明らかであろう。本実施形態の工程、システム、および装置の実施には多くの別の方法があることに注意されたい。従って、本実施形態は、限定ではなく例示と見なされるべきであり、本明細書に述べられる詳細に限定されるべきではない。
本発明は、以下の適用例としても実現可能である。
<適用例1>
基板上で原子層エッチング(ALE)を実施するための方法であって、
(a)前記基板の表面上で、前記基板表面の少なくとも1つの単分子層を改質層に変換するように構成された表面改質動作を実施することと、
(b)前記基板表面上で、前記基板表面から前記改質層を除去するように構成された除去動作を実施することであって、前記改質層を除去することは、前記改質層を揮発させるように構成された配位子交換反応を介して起こることと、
(c)前記除去動作に続いて、前記基板表面上で、前記基板表面からの前記除去動作によって生成された残留物を除去するように構成されたプラズマ処理を実施することであって、前記残留物は、前記プラズマ処理によって揮発されることと、
(d)前記基板表面から所定の厚さがエッチングされるまで、動作(a)から(c)を繰り返すことと
を備える、方法。
<適用例2>
適用例1に記載の方法であって、
前記表面改質動作を実施することは、前記基板表面をフッ素含有プラズマに曝露することを含み、前記フッ素含有プラズマへの前記曝露は、前記基板表面の前記少なくとも1つの単分子層をフッ素種に変換するように構成される、方法。
<適用例3>
適用例2に記載の方法であって、
前記基板表面は、金属、金属酸化物、金属窒化物、金属リン化物、金属硫化物、または金属ヒ化物を含み、
前記フッ素含有プラズマへの前記曝露は、金属フッ化物を形成する、方法。
<適用例4>
適用例2に記載の方法であって、
前記基板表面を前記フッ素含有プラズマに曝露することは、フッ素含有ガスを前記基板が配置されているチャンバ内に導入し、プラズマを点弧することを含む、方法。
<適用例5>
適用例4に記載の方法であって、
前記フッ素含有プラズマへの前記曝露は、約15秒より短い期間に、約10mTorrから500mTorrのチャンバ圧力で実施される、方法。
<適用例6>
適用例2に記載の方法であって、
前記除去動作を実施することは、前記基板表面をスズ(II)アセチルアセトネート(Sn(acac)2)蒸気に曝露することを含み、前記Sn(acac)2蒸気への前記曝露は、acac配位子を前記改質層のフッ素原子と交換するように構成される、方法。
<適用例7>
適用例6に記載の方法であって、
前記基板表面を前記Sn(acac)2に曝露することは、前記Sn(acac)2を前記基板が配置されているチャンバ内に蒸気として導入することを含む、方法。
<適用例8>
適用例7に記載の方法であって、
前記Sn(acac)2への前記曝露は、約1秒から30秒の期間に実施される、方法。
<適用例9>
適用例6に記載の方法であって、
前記プラズマ処理を実施することは、前記基板表面を水素プラズマに曝露することを含み、前記水素プラズマへの前記曝露は、前記基板表面上で、スズ、フッ化スズ、または酸化スズの残留物を揮発させるように構成される、方法。
<適用例10>
適用例9に記載の方法であって、
前記基板表面を前記水素プラズマに曝露することは、水素ガスを前記基板が配置されているチャンバ内に導入し、プラズマを点弧することを含む、方法。
<適用例11>
適用例10に記載の方法であって、
前記水素プラズマへの前記曝露は、約1秒から30秒の期間に実施される、方法。
<適用例12>
適用例1に記載の方法であって、
動作(a)は、第1のチャンバで実施され、
動作(b)は、第2のチャンバで実施される、方法。
<適用例13>
適用例12に記載の方法であって、
動作(d)は、前記第1のチャンバで実施される、方法。
<適用例14>
適用例12に記載の方法であって、
動作(d)は、第3のチャンバで実施される、方法。
<適用例15>
基板上で原子層エッチング(ALE)を実施するための方法であって、
(a)前記基板の表面上で、前記基板表面の少なくとも1つの単分子層を改質層に変換するように構成された表面改質動作を実施することと、
(b)前記基板表面上で、前記基板表面から前記改質層を除去するように構成された除去動作を実施することであって、前記改質層を除去することは、前記改質層を揮発させるように構成される配位子交換反応を介して起こることと、
(c)所定回数のサイクルの間、動作(a)および(b)を繰り返すことと、
(d)動作(c)に続いて、前記基板表面上で、前記基板表面からの前記除去動作によって生成された残留物を除去するように構成されたプラズマ処理を実施することであって、前記残留物は、前記プラズマ処理によって揮発されることと、
(e)前記基板表面から所定の厚さがエッチングされるまで、動作(a)から(d)を繰り返すことと
を備える、方法。
<適用例16>
適用例15に記載の方法であって、
前記表面改質動作を実施することは、前記基板表面をフッ素含有プラズマに曝露することを含み、前記フッ素含有プラズマへの前記曝露は、前記基板表面の前記少なくとも1つの単分子層をフッ素種に変換するように構成され、
前記除去動作を実施することは、前記基板表面をスズ(II)アセチルアセトネート(Sn(acac)2)蒸気に曝露することを含み、前記Sn(acac)2蒸気への前記曝露は、acac配位子を前記改質層のフッ素原子と交換するように構成され、
前記プラズマ処理を実施することは、前記基板表面を水素プラズマに曝露することを含み、前記水素プラズマへの前記曝露は、前記基板表面上で、スズ、フッ化スズ、または酸化スズの残留物を揮発させるように構成される、方法。
<適用例17>
適用例16に記載の方法であって、
前記基板表面は、金属、金属酸化物、金属窒化物、金属リン化物、金属硫化物、または金属ヒ化物を含み、
前記フッ素含有プラズマへの前記曝露は、金属フッ化物を形成する、方法。
<適用例18>
適用例16に記載の方法であって、
前記フッ素含有プラズマへの前記曝露は、約15秒より短い期間に、約10mTorrから500mTorrのチャンバ圧力で実施され、
前記Sn(acac)2への前記曝露は、約1秒から30秒の期間に実施され、
前記水素プラズマへの前記曝露は、約1秒から30秒の期間に実施される、方法。