【実施例】
【0158】
次に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例中、NMRは核磁気共鳴スペクトルを、MSは質量分析を意味する。
【0159】
1H−NMRデータが記載されている場合には、500MHz(Varian AS500;Varian社製)で測定し、テトラメチルシランあるいは測定溶媒に由来するシグナルを内部標準としたシグナルの化学シフトδ(単位:ppm)(分裂パターン、積分値)を表す。「s」はシングレット、「d」はダブレット、「t」はトリプレット、「m」はマルチプレット、「brs」はブロードシングレット、「dd」はダブレットオブダブレット、「dt」はダブレットオブトリプレット、「dq」はダブレットオブカルテット、「ddd」はダブレットオブダブレットオブダブレット、「ddt」はダブレットオブダブレットオブトリプレット、「CDCl
3」は重クロロホルム、「CD
3OD」は重メタノールを、「DMSO−d
6」は重ジメチルスルホキシドを、「Bz」はベンゾイルを意味する。
13C−NMRデータが記載されている場合には、125MHz(Varian AS500;Varian社製)で測定し、測定溶媒に由来するシグナルを内部標準としたシグナルの化学シフトδ(単位:ppm)を表す。
31P−NMRデータが記載されている場合には202MHz(Varian AS500;Varian社製)で測定し、リン酸を内部標準としたシグナルの化学シフトδ(単位:ppm)を表す。
【0160】
MSは、特に記述がない場合は、以下の条件1で、ESI(エレクトロスプレーイオン化)法を用いて測定した。「ESI
+」はESI正イオンモード、「ESI
−」はESI負イオンモードを意味する。
条件1:
装置:Bruker microTOF II
測定溶媒:メタノール
測定モード:陽イオン又は陰イオン
【0161】
MALDI−TOF−MASS測定を用いたMSの測定では、以下の条件2で測定した。
条件2:
装置:Bruker ultrafleXtreme
Matrix:10 mg/mLクエン酸水素二アンモニウムを含む飽和3−ヒドロキシピコリン酸アセトニトリル溶液
Target plate:MTP 384 target plate polished steel BC
測定モード:Linear + 陽イオン
シリカゲルカラムクロマトグラフィーでの精製は、特に記述がない場合は、関東化学(株)製シリカゲルN60を用いた。
【0162】
実施例1
ヌクレオシド類縁体:(2R,3R,4R,5R)−2−([ビス(4−メトキシフェニル)(フェニル)メトキシ]メチル)−5−(5−メチル−2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)− イル)−4−(3−オキソ −3−((2−(ピリジン−2−イル)エチル)アミノ)プロポキシ)テトラヒドロフラン−3−イル (2−シアノエチル)ジイソプロピルホスホロアミダイト(化合物3)の合成
【0163】
【化17】
【0164】
実施例1−1 化合物2の合成
化合物1(オーガニック・アンド・バイオモレキュラー・ケミストリー、第12巻、6457ページ(2014年))に記載の方法に準じて合成した)(150mg、0.2mmol)を脱水メタノール(1.6ml)に溶解させた。その溶液に2−(2−アミノエチル)ピリジン(0.4ml)を加え、55℃で42時間反応させた。反応後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて酢酸エチルで抽出した。その有機層を回収し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:ジクロロメタン−メタノール)により精製し、化合物2を得た(73 mg、収率 50%)。
MS (ESI):[M−H]
− 735.3022.
1H NMR (CDCl
3, 500 MHz):δ1.34 (1H, s), 2.29−2.56 (2H, m), 2.90−3.03 (2H, m), 3.35−3.51 (2H, m), 3.52−3.62 (2H, m), 3.63−3.85 (8H, m), 3.90−3.96 (1H, m), 4.02 (1H, t, J = 4.7), 4.07−4.15 (1H, m), 4.50 (1H, t, J = 4.8), 5.02−5.19 (1H, brs), 6.01 (1H, d, J = 4.6), 6.81 (1H, d, J = 8.4), 7.11−7.25 (4H, m), 7.27−7.43 (9H, m), 7.55−7.66 (2H, m), 8.54 (1H, d, J = 5.0), 10.48−10.60 (1H, brs).
13C NMR (CDCl
3, 125 MHz):δ171.5, 164.5, 159.3, 158.8, 158.8, 151.0, 148.8, 144.4, 137.3, 135.6, 135.5, 135.4, 130.2, 128.3, 128.1, 127.2, 123.7, 122.0, 113.4, 111.2, 87.0, 84.0, 82.5, 77.4, 77.2, 76.9, 69.5, 66.0, 63.0, 55.4, 55.3, 39.5, 36.8, 35.7, 11.9.
【0165】
実施例1−2 化合物3の合成
化合物2 (73mg、0.1mmol)の脱水ピリジン、脱水トルエン及び脱水ジクロロメタン溶液を共沸により脱水し、その後脱水ジクロロメタン(1ml)に溶解させた。その溶液にN,N−ジイソプロピルエチルアミン(30μl、0.13mmol)、2−シアノエチルジイソプロピルクロロホスホロアミダイト(30μl、0.17mmol)を加え、室温で2時間反応させた。反応後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、ジクロロメタンで抽出した。その有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:ジクロロメタン−メタノール)により精製し、化合物3を得た(50mg、収率 54%)。
MS (ESI):[M+Na]
+ 959.4079.
1H NMR (CDCl
3, 500 MHz) :δ0.87−0.97 (3H, m), 0.99−1.13 (9H, m), 1.27−1.42 (3H, m), 2.21−2.32 (1H, m), 2.33−2.47 (2H, m), 2.50−2.63 (1H, m),2.80−2.94 (1H, m), 3.00−3.14 (1H, m), 3.17−3.29 (1H, m), 3.32−4.05 (17H, m), 4.07−4.26 (1H, m), 4.29−4.43 (1H, m), 5.81−6.03 (1H, m), 6.63−6.89 (5H, m), 7.00−7.24 (8H, m), 7.29−7.41 (2H, m), 7.46−7.56 (1H, m), 7.56−7.68 (1H, m), 8.41−8.59 (1H, m), 9.86−10.78 (1H, m).
13C NMR (CDCl
3, 125 MHz):δ171.2, 171.1, 164.1, 164.1, 159.3, 159.3, 158.8, 151.0, 149.2, 144.3, 144.2, 136.8, 136.8, 135.4, 135.4, 135.3, 135.0, 134.9, 130.2, 128.4, 128.3, 128.1, 127.3, 123.5, 121.7, 117.9, 117.5, 113.4, 111.5, 87.7, 87.6, 87.1, 87.0, 83.7, 83.2, 82.6, 82.1, 77.4, 77.2, 76.9, 70.8, 70.7, 70.6, 70.5, 67.8, 67.3, 62.4, 62.2, 58.7, 58.5, 57.9, 57.7, 55.4, 55.4, 55.3, 43.4, 43.3, 43.3, 43.2, 39.6, 39.5, 37.4, 37.3, 24.8, 24.8, 24.7, 24.7, 24.6, 20.6, 20.5, 20.3, 20.2, 12.0, 11.9.
31P NMR (CDCl
3, 202 MHz):δ151.0, 150.7.
【0166】
実施例2
ヌクレオシド類縁体:(2R,3R,4R,5R)−2−([ビス(4−メトキシフェニル)(フェニル)メトキシ]メチル)−4−(3−((2−(ジメチルアミノ)エチル)アミノ)−3−オキソプロポキシ)−5−(5−メチル−2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)テトラヒドロフラン−3−イル(2−シアノエチル)ジイソプロピルホスホロアミダイト(化合物5)の合成
【0167】
【化18】
【0168】
実施例2−1 化合物4の合成
化合物1(オーガニック・アンド・バイオモレキュラー・ケミストリー、第12巻、6457ページ(2014年))に記載の方法に準じて合成した) (660mg、0.85mmol)のメタノール(6.8ml)溶液にN,N−ジメチルエチレンジアミン(1.7ml、15.6mmol)を加え、55℃で24時間撹拌した。反応後、水を加えジクロロメタンで抽出した。その有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:ジクロロメタン−メタノール)により精製し、化合物4を得た(286mg、収率 48%)。
MS (ESI):[M+H]
+ 703.3331.
1H NMR (CDCl
3, 500 MHz) :δ1.38 (3H, s), 2.23 (6H, s), 2.33 (1H, d, J = 16.3), 2.38−2.68 (3H, m),3.21−3.32 (1H, m),3.36−3.59 (3H, m),3.71−3.89 (7H, m),3.96−4.10 (2H, m),4.13−4.18 (1H, m),4.55 (1H, t, J = 4.6),6.04 (1H, d, J = 4.6),6.84 (4H, d, J = 8.5), 7.26−7.33 (7H, m), 7.38−7.44 (2H, m), 7.65 (1H, s).
13C NMR (CDCl
3, 125 MHz) :δ171.6, 164.5, 158.8, 158.8, 152.1, 144.5, 135.5, 135.4, 135.3, 130.2, 130.2, 128.2, 128.1, 127.3, 113.4, 111.8, 87.1, 86.7, 84.5, 83.1, 69.6, 65.7, 63.3, 57.6, 55.4, 44.3, 36.7, 34.8, 11.9.
【0169】
実施例2−2 化合物5の合成
化合物4 (960mg、1.37mmol)の脱水ピリジン、脱水トルエン及び脱水ジクロロメタン溶液を共沸により脱水し、その後脱水ジクロロメタン(13.4ml)に溶解させた。その溶液にN,N−ジイソプロピルエチルアミン(690μl、4.0mmol)、2−シアノエチルジイソプロピルクロロホスホロアミダイト(730μl、3.3mmol)を加え、室温で2時間反応させた。反応後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えジクロロメタンで抽出した。その有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:ジクロロメタン−メタノール)により精製し、化合物5を得た(408mg、収率 33%)。
MS (ESI):[M+H]
+ 903.4401.
1H NMR (CDCl
3, 500 MHz):δ0.95−1.03 (3H, m), 1.11−1.20 (9H, m), 1.33−1.40 (3H, m), 2.18−2.26 (6H, m), 2.33−2.57 (5H, m), 2.62−2.70 (1H, m), 3.24−3.39 (3H, m), 3.46−3.69 (4H, m), 3.73−3.83 (7H, m), 3.85−4.15 (3H, m), 4.17−4.31 (1H, m), 4.43−4.55 (1H, m), 5.99−6.07 (1H, m), 6.60−6.74 (1H, m), 6.76−6.91 (4H, m), 7.27−7.35 (7H, m), 7.37−7.46 (2H, m), 7.64−7.73 (1H, m).
13C NMR (CDCl
3, 125MHz):δ171.0, 170.9, 164.1, 164.1, 158.9, 151.0, 150.9, 144.4, 144.3, 135.4, 135.4, 135.4, 135.3, 135.3, 130.4, 130.3, 128.5, 128.4, 128.1, 128.1, 127.3, 118.0, 117.6, 113.4, 111.5, 111.3, 88.1, 88.1, 87.1, 87.0, 83.0, 82.9, 82.3, 81.6, 70.8, 70.7, 70.6, 67.8, 67.4, 62.3, 61.9, 58.7, 58.6, 58.1, 58.0, 57.8, 55.4, 55.4, 55.4, 45.1, 45.1, 43.5, 43.4, 43.3, 43.2, 37.2, 37.1, 24.8, 24.8, 24.7, 24.7, 20.6, 20.6, 20.4, 20.3, 11.9, 11.9.
31P NMR (CDCl
3, 202 MHz):δ150.8, 150.5.
【0170】
実施例3
ヌクレオシド類縁体:(2R,3R,4R,5R)−2−((ビス (4−メトキシフェニル)(フェニル) メトキシ]メチル)−5−(5−メチル−2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)− イル)−4−(3−((2−モルホリノエチル)アミノ)−3−オキソプロポキシ)テトラヒドロフラン−3−イル (2−シアノエチル) ジイソプロピルホスホロアミダイト(化合物7)の合成
【0171】
【化19】
【0172】
実施例3−1 化合物6の合成
化合物1((オーガニック・アンド・バイオモレキュラー・ケミストリー、第12巻、6457ページ(2014年))に記載の方法に準じて合成した;200mg、0.27mmol)のメタノール(2.2ml)溶液に、4−(2−アミノエチル)モルホリン(1.7ml、15.6mmol)を加え、55℃で23時間撹拌した。反応後、水を加え、ジクロロメタンで抽出した。その有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(富士シシリア社製アミンシリカNH、展開溶媒:ジクロロメタン−メタノール)により精製し、化合物6を得た(140mg、収率 70%)。
MS (ESI):[M+H]
+ 745.3431.
1H NMR (CDCl
3, 500 MHz):δ1.36 (3H, s), 2.25−2.70 (8H, m), 3.26−3.56 (4H, m), 3.61−3.75 (4H, m), 3.75−3.89 (7H, m), 4.01−4.12 (2H, m), 4.12−4.23 (1H, m), 4,58 (1H, t, J = 4.4), 4.65−5.15 (1H, brs), 6.07 (1H, d, J = 5.1), 6.71 (1H, t, J =5.3), 6.84 (5H, d, J =8.9), 7.26−7.33 (6H, m), 7.35−7.44(2H, m), 7.66 (1H, s), 9.05−9.57 (1H, brs).
13C NMR (CDCl
3, 125 MHz):δ171.4, 163.9, 158.9, 158.8, 151.4, 144.4, 135.5, 135.4, 135.3, 130.2, 130.2, 128.2, 128.1, 127.3, 113.4, 111.7, 87.2, 86.5, 86.5, 84.4, 82.7, 77.4, 77.2, 76.9, 69.5, 66.5, 65.7, 63.3, 57.6, 55.4, 55.4, 53.4, 35.4, 35.2, 11.8.
【0173】
実施例3−2 化合物7の合成
化合物6 (270mg、0.36mmol)の脱水ピリジン、脱水トルエン及び脱水ジクロロメタンの溶液を共沸により脱水し、その後脱水ジクロロメタン(3.6ml)に溶解させた。その溶液にN,N−ジイソプロピルエチルアミン(190μl、1.1mmol)、2−シアノエチルジイソプロピルクロロホスホロアミダイト(190μl、0.85mmol)を加え、室温で3時間反応させた。反応後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えジクロロメタンで抽出した。その有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:ジクロロメタン−メタノール)により精製し、化合物7を得た(200mg、収率 58%)。
MS (ESI):[M+H]
+ 945.4496.
1H NMR (CDCl
3, 500 MHz):δ0.90−1.05 (2H, m),1.06−1.24 (10H, m),1.27−1.42 (3H, m), 2.17−2.77 (11H, m), 3.25−3.60 (6H, m), 3.60−4.00 (12H, m), 4.00−4.16 (2H, m), 4.16−4.33 (1H, m), 4.42−4.59 (1H, m), 5.95−6.12 (1H, m), 6.62−6.92 (5H, m), 7.27−7.36 (6H, m), 7.37−7.49 (2H, m), 7.65−7.86 (1H, m), 9.41−9.91 (1H, brs).
13C NMR (CDCl
3, 125 MHz):δ171.0, 163.9, 158.9, 150.7, 150.6, 144.3, 144.3, 135.4, 135.3, 135.2, 130.4, 130.3, 128.4, 128.4, 128.1, 128.1, 127.4, 127.3, 117.9, 117.6, 113.5, 113.2, 111.3, 111.3, 88.7, 88.6, 88.5, 88.4, 87.1, 87.0, 82.9, 82.7, 82.4, 82.2, 81.7, 81.5, 77.4, 77.2, 76.9, 70.6, 70.4, 68.0, 67.7, 67.0, 61.8, 57.5, 57.5, 55.5, 55.5, 55.3, 55.3, 53.5, 43.4, 43.3, 37.2, 36.0, 24.8, 24.7, 20.6, 20.6, 20.4, 20.3, 11.9, 11.9.
31P NMR (CDCl
3, 202 MHz):δ150.9, 150.2.
【0174】
実施例4
ヌクレオシド類縁体:(2R,3R,4R,5R)−4−(3−((2−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−1−イル)エチル)アミノ)−3−オキソプロポキシ)−2−((ビス(4−メトキシフェニル)(フェニル)メトキシ]メチル)−5−(5−メチル−2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−テトラヒドロフラン−3−イル(2−シアノエチル)ジイソプロピルホスホロアミダイト(化合物9)の合成
【0175】
【化20】
【0176】
実施例4−1 化合物9の合成
化合物1(オーガニック・アンド・バイオモレキュラー・ケミストリー、第12巻、6457ページ(2014年)に記載の方法に準じて合成した) (1.1g、1.4 mmol)のメタノール(14ml)溶液に、N−(2−アミノエチル)ベンゾイミゾール(8.3g、50.4mmol)を加え、55℃で22時間撹拌した。反応後、水を加え、ジクロロメタンで抽出した。その有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:ジクロロメタン−メタノール)により精製し、化合物8を得た(170mg,収率 16%)。
得られた化合物8 (170mg、0.22mmol)を脱水ピリジン、脱水トルエン及び脱水ジクロロメタン溶液を共沸により脱水し、その後脱水ジクロロメタン(2.2ml)に溶解させた。その溶液にN,N−ジイソプロピルエチルアミン(113μl、0.66 mmol)、2−シアノエチルジイソプロピルクロロホスホロアミダイト(118μl、0.53mmol)を加え、室温で0.5時間反応させた。反応後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えジクロロメタンで抽出した。その有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(富士シリシア社製アミンシリカNH、展開溶媒:ジクロロメタン−メタノール)により精製し、化合物9を得た(143mg、収率 67%)。
MS (ESI):[M+H]
+ 976.4372.
1H NMR (CDCl
3, 500 MHz):δ0.94−1.16 (3H, m),1.08−1.16 (9H, m),1.29−1.35 (3H, m), 2.27−2.61 (4H, m), 3.24−3.29 (1H, m), 3.38−3.85 (16H, m), 3.92−4.48 (7H, m), 5.66−5.70 (1H, m), 6.80−6.96 (4H, m), 6.96−7.06 (1H, m), 7.23−7.48 (22H, m), 7.64−7.70 (1H, m), 7.75−7.81 (1H, m), 7.91−7.95 (1H, m), 8.34−8.43 (1H, m).
13C NMR (CDCl
3, 125 MHz):δ172.0,171.8,164.0,163.9,158.9,158.8,150.9,150.7,144.4,144.2,143.8,143.5,135.4,135.3,135.0,134.9,130.5,130.3,128.5,128.3,128.2,128.0,123.1,123.0,122.3,122.2,120.4,120.2,118.0,117.9,117.7,117.6,113.4,113.2,111.4,111.3,109.9,109.8,89.1,89.0,88.9,88.8,87.0,86.9,82.4,82.2,77.1,70.7,70.5,70.3,70.0,67.8,67.5,67.2,61.6,61.5,61.3,61.2,58.1,58.0,57.9,57.8,55.5,55.3,44.3,44.1,43.4,43.3,43.2,43.1,39.4,39.3,39.3,39.2,37.1,36.9,25.0,24.5,20.6,20.5,20.4,20.2,12.0,11.8.
31P NMR (CDCl
3, 202 MHz):δ150.2, 150.8.
【0177】
【化21】
【0178】
実施例4−2 化合物18の合成
化合物17(ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー、第54巻、2321ページ(1989年)に記載の方法に準じて合成した)(1.21g、2.0mmol)をピリジンに溶解し減圧下濃縮、トルエンに溶解し減圧下濃縮及びジクロロメタンに溶解し減圧下濃縮する操作を3回ずつ実施した後、tert−ブチルアルコールとジクロロメタンの混合溶媒(20 ml、tert−ブチルアルコール/ジクロロメタン=3/1(体積比))に溶解した。その溶液に炭酸セシウム(650mg、2.0mmol)、アクリル酸アリル(4.8ml、40mmol)を加え、室温で5時間撹拌した。反応終了後、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣に酢酸エチルを加え、水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン−酢酸エチル)により精製し、化合物18を得た(1.1g、収率 75%)。
1H NMR(CDCl
3, 500 MHz): δ7.93(dd,2H),7.71(d,1H),7.68−7.62(m,1H),7.50(dd,2H),5.86(ddt,1H),5.72(s,1H),5.26(dq,1H),5.17(dq,1H),4.59−4.49(m,2H),4.26(d,1H),4.22(dd,1H),4.11(dd,1H),4.05(t,2H),3.98(dd,1H),3.90(d,1H),2.67−2.54(m,2H),1.95(d,3H),1.14-0.96(m,28H).
【0179】
実施例4−3 化合物19の合成
化合物18(684mg、1.1mmol)を脱水テトラヒドロフラン(11ml)に溶解した。その溶液にテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0価)(141mg、0.12mmol)及びモルホリン(0.96ml、11 mmol)を加え、室温で30分間撹拌した。反応終了後、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン−酢酸エチル)により精製した後、ダウエックス HCR−S 強酸性イオン交換樹脂(Na形)に通してナトリウム塩とすることで、化合物19を得た(450 mg、収率 69%)。
1H NMR (CDCl
3 , 500 MHz): δ10.74(s,1H),7.64(s,1H),5.71(s,1H),4.30−4.18(m,3H),4.12(dd,1H),4.02(dt,1H),3.97(dd,1H),3.94(d,1H),2.74−2.64(m,1H),2.60−2.50(m,1H),1.91(s,3H),1.18−0.92(m,28H).
【0180】
実施例4−4 化合物20の合成
化合物19(190mg、0.26mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(2.6ml)に溶解した。その溶液にO−ベンゾトリアゾリル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート[HBTU](187mg、0.52mmol)、1−(2−アミノエチル)ベンゾイミダゾール(83mg、0.52mmol)を加え、室温で2.5時間撹拌した。反応終了後、酢酸エチルとヘキサンの混合溶媒(酢酸エチル/ヘキサン=1/1(体積比))を加え、水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン−酢酸エチル)により精製し、化合物20を得た(150mg、収率 81%)。
MS (ESI):[M−H]
− 714.3453.
1H NMR(CDCl
3, 500 MHz):δ9.62(s,1H),7.94(s,1H),7.79−7.70(m,1H),7.48(d,1H),7.45−7.41(m,1H),7.29−7.20(m,2H),5.34(s,1H),4.40(ddd,1H),4.33(dt,1H),4.23−4.14(m,2H),4.09(dd,1H),3.91−3.73(m,4H),3.65(d,1H),3.57(ddt,1H),2.55(ddd,1H),2.48(ddd,1H),1.86(d,3H),1.11−0.86(m,28H).
【0181】
実施例4−5 化合物21の合成
化合物20(555mg、0.78mmol)を脱水テトラヒドロフラン(7.8ml)に溶解した。その溶液にトリエチルアミン(161μl、1.2mmol)及びトリエチルアミン三フッ化物水素酸塩(370μl、2.3mmol)を加え、室温で2.5時間撹拌した。反応後、反応混合物にトリメチルエトキシシラン(723μl、4.7mmol)を加えて30分間撹拌し、濾過後、得られた固体を減圧下乾燥し、化合物21を得た(330mg, 収率 90%)。
MS (ESI):[M−H]
− 472.1831.
1H NMR(DMSO−d
6, 500 MHz)δ11.34(s,1H),8.16−8.09(m,2H),7.78(d,1H),7.64(d,1H),7.58(d,1H),7.26(t,1H),7.19(t,1H),5.83(d,1H),5.21−5.16(m,2H),4.29(t,2H),4.17(q,1H),3.93(t,1H),3.84(q,1H),3.74−3.52(m,4H),3.48−3.38(m,2H),2.35−2.24(m,2H),1.76(d,3H).
【0182】
実施例4−6 化合物8の合成
化合物20(310mg, 0.65mmol)をピリジンに溶解後減圧下濃縮する操作を3回実施した後、ピリジン(6.5ml)に溶解した。その溶液に4,4’−ジメトキシトリチルクロリド(266mg、0.79mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。反応終了後、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣にジクロロメタンを加え、炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:ジクロロメタン−メタノール)により精製し、化合物8を得た(320mg、収率 63%)。
MS (ESI):[M−H]
− 774.3140.
1H NMR(CDCl
3, 500 MHz):δ9.56(s,1H),7.80(s,1H),7.61−7.58(m,1H),7.51(d,1H),7.43−7.12(m,11H),6.89−6.77(m,4H),5.99(d,1H),4.46(t,1H),4.37−4.29(m,2H),4.15−4.10(m,1H),4.07−3.96(m,2H),3.86(dt,1H),3.83−3.73(m,7H),3.59−3.46(m,2H),3.39(dd,1H),2.62−2.53(m,1H),2.50−2.42(m,1H),1.35(s,3H).
【0183】
実施例4−7 化合物9の合成
化合物1の代わりに化合物8(320mg、0.41mmol)を用い、実施例4−1に記載の方法と同様に反応を行い、化合物9を得た(325mg、収率 80%)。
【0184】
実施例5 人工オリゴヌクレオチドの合成及び精製
実施例1から4で得た化合物3、5、7及び9に由来するヌクレオシド構造を含有する人工オリゴヌクレオチド(化合物10−16;配列番号1から7:以下の表1に示す)を、核酸自動合成装置nS−8II(ジーンデザイン社製)を用いて、1.0μmolスケールで合成した。
アミダイトユニット(化合物3、5、7及び9)は、アセトニトリルに溶解して用いた。なお、表1において、化合物3、5、7及び9に由来するヌクレオチド構造は順にX
1、X
2、X
3及びX
4と表記した。また、表1において、「(M)」は2’−O−メチル化リボヌクレオシドを意味し、大文字のアルファベットはデオキシリボヌクレオチドを意味し、「^」はホスホロチオエート結合を意味し、「5」は、ヌクレオチドの塩基が5−メチルシトシンであることを意味する。
【0185】
アミダイトユニット(化合物3、5、7及び9)と5’−末端のヒドロキシ基とのカップリング時間は、5分とした。5’−末端がDMTr基により保護されかつ固相支持されたオリゴヌクレオチド類縁体を、飽和アンモニア水で処理した後、Sep−Pak(Waters社製)により粗精製した。これを、逆相HPLC(SHIMADZU LC−6AD,SHIMADZU SPD−M20A、分取カラムとしてWatersXBridge
TM Prep C18 5μm(10mm×250mm))により精製した。
合成した人工オリゴヌクレオチド(化合物10−12)の純度は、イオン交換クロマトグラフィーにより確認したところ、97%(化合物10)、96%(化合物11)、96%(化合物12)、94%(化合物14)、97%(化合物15)、96%(化合物16)であった。化合物13の純度は、HPLCにより確認したところ、99%であった。
【0186】
(イオン交換クロマトグラフィー分析条件)
カラム:DNAPac PA−100 (DIONEX,4x250mm)
カラム温度: 50℃
溶離液 25mM リン酸ナトリウム緩衝液(pH6.0)/1M塩化ナトリウム−25mMリン酸ナトリウム緩衝液 (pH6.0)=100/0→(45分)→40/60
流速:1.0mL/min
【0187】
(HPLC分析条件)
溶離液:0.1Mのヘキサフルオロイソプロピルアルコールと8mMのトリエチルアミンとを含む水溶液/メタノール=95/5(1分)→(14分)→75/25(3.5分)
流速:1.0mL/min
カラム:WatersXBridge
TM C18 2.5μm,4.6mm×75mm
カラム温度:60℃
検出:UV(260nm)
【0188】
合成した人工オリゴヌクレオチド(化合物10から16)の分子量は、MALDI−TOF−MASSにより測定した。結果を表1に示す。
【0189】
【表1】
【0190】
参考例1 MOEオリゴヌクレオチド、MCEオリゴヌクレオチド及び2’−О−メチル化オリゴヌクレオチドの合成
実施例5と同様にして、下記の式(Q
1)で表されるMOE化ヌクレオシド構造を含む人工オリゴヌクレオチド(化合物C1)、式(Q
2)で表されるMCE化ヌクレオシド構造を含む人工オリゴヌクレオチド(化合物C2及びC3)、2’−О−メチル化リボヌクレオシド構造を含む人工オリゴヌクレオチド(化合物C4)を合成した。分子量はMALDI−TOF−MASSにより測定した。結果を表2に示す。なお、表2において、式(Q
1)で表されるヌクレオチド構造をQ
1、(Q
2)で表されるヌクレオチド構造をQ
2と表記した。また、表2において、「(M)」は2’−O−メチル化リボヌクレオシドを意味し、大文字のアルファベットはデオキシリボヌクレオチドを意味し、「^」はホスホロチオエート結合を意味し、「5」は、ヌクレオチドの塩基が5−メチルシトシンであることを意味する。
【0191】
【化22】
【0192】
【化23】
【0193】
【表2】
【0194】
実施例6 人工オリゴヌクレオチドのヌクレアーゼ耐性の評価
実施例5で合成した人工オリゴヌクレオチド化合物10(PyECE)、化合物11(DMAECE)及び化合物12(MorECE)、参考例1で合成した人工オリゴヌクレオチド化合物C1(MOE)及び化合物C2(MCE)について、オリゴヌクレオチドを3’側から分解するエキソヌクレアーゼに対する耐性を検討した。
【0195】
750pmolの人工オリゴヌクレオチドを含むバッファー溶液(80μL)を37℃で5分間保持した後、0.2μgのホスホジエステラーゼI(Worthington Biochemical Corporation社)を含むバッファー溶液(20μL)を混合した。人工オリゴヌクレオチドの残存量を逆相HPLCによって経時的に測定した。尚、各時間においては、サンプルを直ちに90℃のオイルバスに移し、5分間保持することで酵素を不活性化した後、人工オリゴヌクレオチドの残存量を測定した。
用いたバッファーの組成(終濃度)は、Tris・HCl(トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩酸塩、pH8.0)50mM、MgCl
2 10mMであり、測定前に十分に脱気した。HPLCによる定量条件は以下に示すとおりである。
【0196】
(HPLC分析条件)
溶離液:0.1Mのヘキサフルオロイソプロピルアルコールと8mMのトリエチルアミンとを含む水溶液/メタノール=95/5(1分)→(14分)→75/25(3.5分)
流速:1.0mL/min
カラム:WatersXBridge
TM C18 2.5μm,4.6mm×75mm
カラム温度:60℃
検出:UV(260nm)
【0197】
結果を
図1に示す。
図1中、「Full Length Oligo(%)」は、0時点における未分解オリゴヌクレオチド(19mer)に対する、測定時点における未分解オリゴヌクレオチド(19mer)の残存率を示す。また、「Time[min]」は、測定時点の時間(単位は分である)を示す。
この結果、MOEオリゴヌクレオチド(MOE)は60分後にはすべて分解している。MCEオリゴヌクレオチド(MCE)においても120分後の残存率は10%であり、180分後の残存率は2%である。一方で、化合物10(PyECE)、化合物11(DMAECE)及び化合物12(MorECE)における120分後の残存率は、それぞれ38%、29%、50%であり、180分後の残存率は、それぞれ24%、14%、36%である。従って、化合物10(PyECE)、化合物11(DMAECE)及び化合物12(MorECE)は、公知の人工ヌクレオチドから調製される人工オリゴヌクレオチド(MOE及びMCE)を大きく上回る酵素耐性を有することが分かった。
【0198】
実施例7 人工オリゴヌクレオチドのヌクレアーゼ耐性の評価
実施例5で合成した人工オリゴヌクレオチド化合物13(BimECE)及び参考例1で合成した人工オリゴヌクレオチド化合物C2(MCE)について、オリゴヌクレオチドを3’側から分解するエキソヌクレアーゼに対する耐性を検討した。処理条件、分析条件は実施例6と同じである。
【0199】
結果を
図2に示す。
図2中、「Full Length Oligo(%)」とは、0時点における未分解オリゴヌクレオチド(19mer)に対する、測定時点における未分解オリゴヌクレオチド(19mer)の残存率を示す。また、「Time[min]」は、測定時点の時間(単位は分である)を示す。
この結果、MCEオリゴヌクレオチド(MCE)は120分後にはほぼすべて分解している。一方で、化合物13(BimECE)における120分後の残存率は、50%であり、180分後の残存率は、24%であった。従って、BimECEオリゴヌクレオチド(BimMCE)は公知の人工ヌクレオチドから調製される人工オリゴヌクレオチド(MCE)を大きく上回る酵素耐性を有することが分かった。
【0200】
実施例8 融解温度(Tm)の測定
実施例5で合成した人工オリゴヌクレオチドである化合物14−16(アンチセンス鎖)とRNAセンス鎖(3’−UCAAAUCCAGAGGCUAGCAG−5’)とをアニーリング処理した後、Tm値を測定することにより、アンチセンスのハイブリッド形成能を調べた。
コントロールとしては、MCE化ヌクレオシド構造を含む人工オリゴヌクレオチド(化合物C3)及び2’−О−メチル化リボヌクレオシド構造を含む人工オリゴヌクレオチド(化合物C4)
を利用した。
【0201】
合成したオリゴヌクレオチドの一本鎖(センス鎖及びアンチセンス鎖)それぞれをMilliQ水(超純水製造装置Milli−Q(登録商標)で製造された超純水)で溶解し2μMの濃度に調製した。濃度調製したセンス鎖及びアンチセンス鎖それぞれ190μLを採取し混合することにより、終濃度1μMの溶液を380μL調製した。次に、MilliQ水を減圧留去した。このサンプルを、100mMの塩化ナトリウムと、0.1mMのエチレンジアミンテトラ酢酸とを含む10mMのリン酸ナトリウム緩衝液(pH 7.0)190μlに溶解させ、終濃度を2μMとした。次にサーマルサイクラーを用いて加熱及び冷却を行った。まず95℃まで上昇させそのまま5分間置いた後に、毎分1℃ずつ30℃まで下げることによりアニーリングを行った。
次に、アニーリングしたサンプルを260nmの吸光度が2になるように注射用水で希釈した。この吸光度が2のサンプルを150uL、10xPBS(−)を30μL、注射用水を120μL混合し、300μLの測定溶液を作製した。
分光光度計(Shimadzu,Pharma Spec UV−1700)内にサンプルを入れたセルを固定した後、サンプル溶液を90℃まで加熱し、さらに10分間90℃に保った後測定を開始した。温度は5℃まで毎分0.5℃ずつ下降させ、1℃間隔で260nmにおける紫外部吸収を測定した。その後、次は逆に5℃から毎分0.5℃ずつ上昇させて、90℃まで0.5℃間隔で260nmにおける紫外部吸収を測定した。測定は3回行った。表3には昇温測定時のTm値の平均値と標準偏差を記した。なお、温度上昇による濃度変化を防止するため、セルは蓋付きのものを用い、セル室内には結露防止のために脱水した空気を通した。
【0202】
【表3】
【0203】
表3から明らかなように、本実施形態の人工オリゴヌクレオチドの一本鎖RNAに対する親和性は、公知の人工ヌクレオチド(MCEヌクレオチド及び2’−О−メチル化リボヌクレオシド)から調製される人工オリゴヌクレオチドと同程度であることが分かった。
【0204】
実施例9 人工オリゴヌクレオチドの合成及び精製
実施例4で得た化合物9に由来するヌクレオシド構造を含有する人工オリゴヌクレオチド(化合物17;配列番号12:以下の表4に示す)を、核酸自動合成装置nS−8II(ジーンデザイン社製)を用いて、1.0μmolスケールで合成した。
アミダイトユニット(化合物9)は、アセトニトリルに溶解して用いた。なお、表4に
おける配列表記は、表1と同じである。
【0205】
アミダイトユニット(化合物9)と5’−末端のヒドロキシ基とのカップリング時間は、15分とした。5’−末端がDMTr基により保護されかつ固相支持されたオリゴヌクレオチド類縁体を、飽和アンモニア水で処理した後、Glen−Pak(Glen Resarch社製)により粗精製した。これを、逆相HPLC(SHIMADZU LC−6AD,SHIMADZU SPD−M20A、分取カラムとしてWatersXBridge
TM Prep C18 5μm(10mm×250mm))により精製した。
合成した人工オリゴヌクレオチド(化合物17)の純度は、HPLCによりにより確認したところ、99%であった。
【0206】
(HPLC分析条件)
溶離液:0.1Mのヘキサフルオロイソプロピルアルコールと8mMのトリエチルアミンとを含む水溶液/メタノール=95/5(1分)→(14分)→75/25(3.5分)
流速:1.0mL/min
カラム:WatersXBridge
TM C18 2.5μm,4.6mm×75mm
カラム温度:60℃
検出:UV(260nm)
【0207】
合成した人工オリゴヌクレオチド(化合物17)の分子量は、MALDI−TOF−MASSにより測定した。結果を表4に示す。
【0208】
【表4】
【0209】
参考例2 MCEオリゴヌクレオチドの合成
実施例9と同様にして、式(Q
2)で表されるMCE化ヌクレオシド構造を含む人工オリゴヌクレオチド(化合物C5)を合成した。分子量はMALDI−TOF−MASSにより測定した。結果を表5に示す。なお、表5において、(Q
2)で表されるヌクレオチド構造をQ
2と表記した。また、表5における配列表記は、表2と同じである。
【0210】
【化23】
【0211】
【表5】
【0212】
実施例10 アンチセンス活性の評価
ヒト肝癌由来細胞株HuH−7の細胞を3000細胞/ウェルとなるように96ウェルプレートに播き、5%CO
2下37℃にて24時間培養した。化合物17及び化合物C5を、その最終濃度が0.1nMとなるようにLipofectamine(登録商標) RNAiMax(Thermo Fisher Scientific社製)を用いて各ウェルに添加した(トランスフェクション)。4時間後に培地を交換し、さらに7日後に細胞を回収し、細胞からRNeasy mini kit(QIAGEN社製)を用いてTotal RNAを抽出した。
Total RNAからPrimeScript RT Master Mix(タカラバイオ株式会社製)を用いてcDNAを得た。得られたcDNA及びTaqMan(登録商標)Gene Expression ID(Applied Biosystems社製)を用いて7500 Real−Time PCR System(Applied Biosystems社製)によりリアルタイムPCRを行い、miRNA−122の標的遺伝子であるAldolase AおよびBranched chain ketoacid dehydrogenase kinase(BCKDK)のmRNA量を定量した。リアルタイムPCRでは、ハウスキーピング遺伝子のGAPDH(Glyceraldehyde−3−Phosphate Dehydrogenase)のmRNA量も同時に定量した。GAPDHのmRNA量に対するAldolase AのmRNA量を、Aldolase Aの発現レベルとして評価し、GAPDHのmRNA量に対するBCKDKのmRNA量を、BCKDKの発現レベルとして評価した。トランスフェクション操作を行わなかった細胞をコントロールとして用いた。結果を
図3及び
図4に示す。この際、Aldolase A及びBCKDKの発現量が高いほど、アンチセンス効果が高いことを示す。
なお、用いたプライマーは、TaqMan Gene Expression Assay(Applied Biosystems社製)であり、Assay IDは、以下のとおりであった:
ヒトAldolase A定量用: Hs00605108_g1
ヒトBCKDK定量用: Hs00195380_m1
ヒトGAPDH定量用: Hs99999905_m1
【0213】
図3及び
図4から明らかなように、化合物17は化合物C5より高いアンチセンス効果を示すことが確認された。