(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
一般式(i)
【化1】
(式中、
R
i1及びR
i2はそれぞれ独立してフッ素原子、塩素原子、シアノ基又は炭素原子数1〜12のアルキル基を表し、該アルキル基中の1個又は非隣接の2個以上の−CH
2−はそれぞれ独立して−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−CO−、−COO−又はOCO−によって置換されていてもよく、また、R
i1及びR
i2中に存在する1個又は2個以上の水素原子はそれぞれ独立してフッ素原子に置換されていてもよいが、R
i1及びR
i2がともにフッ素原子、塩素原子及びシアノ基から選ばれる置換基を表すことはなく、
Z
i1、Z
i2及びZ
i3はそれぞれ独立して単結合、−OCH
2−、−CH
2O−、−C
2H
4−、−C
4H
8−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−CF=CF−、−CF
2O−、−OCF
2−、−CF
2CF
2−又は−C≡C−を表し、
A
i1、A
i2、A
i3、A
i4及びA
i5はそれぞれ独立して1,4−シクロヘキシレン基、1,4−フェニレン基、ナフタレン−1,4−ジイル基又はナフタレン−2,6−ジイル基を表し、A
i1、A
i2、A
i3、A
i4及びA
i5中の1個又は2個以上の水素原子はそれぞれ独立してハロゲン原子又はシアノ基で置換されていてもよく、A
i1、A
i2、A
i3、A
i4及びA
i5中の非隣接の一個以上の−CH=は−N=で置換されていてもよく、
X
i1及びX
i2はそれぞれ独立して水素原子又はフッ素原子を表し、
m
i1、m
i2及びm
i3はそれぞれ独立して0又は1を表すが、
m
i1+m
i2+m
i3は0又は1を表す。)
で表される化合物を1種又は2種以上と、
一般式(C1)から(C3)
【化2】
(式中、
R
d及びP
eはそれぞれ独立的に炭素原子数1〜12のアルキル基を表し、これらは直鎖状であってもメチル又はエチル分岐を有していてもよく、3〜6員環の環状構造を有していてもよく、基内に存在する任意の−CH
2−は−O−、−CH=CH−、−CH=CF−、−CF=CH−、−CF=CF−又は−C≡C−により交換されていてもよく、
基内に存在する任意の水素原子はフッ素原子又はトリフルオロメトキシ基により置換されていてもよく、
環G、環H、環I及び環Jはそれぞれ独立的に、トランス−1,4−シクロへキシレン基、トランスデカヒドロナフタレン−トランス−2,6−ジイル基、1〜2個のフッ素原子あるいはメチル基により置換されていてもよい1,4−フェニレン基、1個以上のフッ素原子により置換されていてもよいナフタレン−2,6−ジイル基、1〜2個のフッ素原子により置換されていてもよいテトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、1〜2個のフッ素原子により置換されていてもよい1,4−シクロヘキセニレン基、1,3−ジオキサン−トランス−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基又はピリジン−2,5−ジイル基を表し、
L
g、L
h及びL
iはそれぞれ独立的に単結合、エチレン基(−CH
2CH
2−)、1,2−プロピレン基(−CH(CH
3)CH
2−及び)−CH
2CH(CH
3)−)、1,4−ブチレン基、−COO−、−OCO−、−OCF
2−、−CF
2O−、−CH=CH−、−CH=CF−、−CF=CH−、−CF=CF−、−C≡C−又は−CH=NN=CH−を表し、
なお一般式(C1)から(C3)で表される化合物を組み合わせて使用する場合、異なる分子中の同一の選択肢(環GやL
g等)は同一の置換基を表しても、異なる置換基を表してもよい。)
で表される化合物を1種又は2種以上含有する液晶組成物であって、
一般式(C1)で表される化合物、及び/又は、一般式(C2)で表される化合物を必須成分として含有し、
一般式(C1)で表される化合物として、一般式(C1c)
【化3】
(式中、
R
f及びR
gはそれぞれ独立的に炭素原子数1〜7の直鎖状アルキル基、炭素原子数2〜7の直鎖状1−アルケニル基、炭素原子数4〜7の直鎖状3−アルケニル基、炭素原子数1〜3の直鎖状アルコキシル基又は末端が炭素原子数1〜3のアルコキシル基により置換された炭素原子数1〜5の直鎖状アルキル基を表すが、少なくとも一方は炭素原子数1〜7の直鎖状アルキル基、炭素原子数2〜7の直鎖状1−アルケニル基又は炭素原子数4〜7の直鎖状3−アルケニル基を表す。ただし、環G1が芳香環の場合、対応するR
fは1−アルケニル基及びアルコキシル基を除き、環H2が芳香環の場合、対応するR
gは1−アルケニル基及びアルコキシル基を除く。
環G2及び環H2はそれぞれ独立的にトランス−1,4−シクロへキシレン基、トランスデカヒドロナフタレン−トランス−2,6−ジイル基、1〜2個のフッ素原子あるいはメチル基により置換されていてもよい1,4−フェニレン基、1個以上のフッ素原子により置換されていてもよいナフタレン−2,6−ジイル基、1〜2個のフッ素原子により置換されていてもよいテトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基を表す。)
で表される化合物、及び/又は、
一般式(C2)で表される化合物として、一般式(C2d)
【化4】
(式中、
R
f及びR
gはそれぞれ独立的に炭素原子数1〜7の直鎖状アルキル基、炭素原子数2〜7の直鎖状1−アルケニル基、炭素原子数4〜7の直鎖状3−アルケニル基、炭素原子数1〜3の直鎖状アルコキシル基又は末端が炭素原子数1〜3のアルコキシル基により置換された炭素原子数1〜5の直鎖状アルキル基を表すが、少なくとも一方は炭素原子数1〜7の直鎖状アルキル基、炭素原子数2〜7の直鎖状1−アルケニル基又は炭素原子数4〜7の直鎖状3−アルケニル基を表す。ただし、環G2が芳香環の場合、対応するR
fは1−アルケニル基及びアルコキシル基を除き、環I2が芳香環の場合、対応するR
gは1−アルケニル基及びアルコキシル基を除く。
環G2、環H2及び環I2はそれぞれ独立的にトランス−1,4−シクロへキシレン基、トランスデカヒドロナフタレン−トランス−2,6−ジイル基、1〜2個のフッ素原子あるいはメチル基により置換されていてもよい1,4−フェニレン基、1個以上のフッ素原子により置換されていてもよいナフタレン−2,6−ジイル基、1〜2個のフッ素原子により置換されていてもよいテトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基を表す。)
で表される化合物を必須成分として含有
し、
更に、一般式(B1)から(B3)
【化5】
(式中、
Rcは炭素原子数1〜12のアルキル基を表し、これらは直鎖状であってもメチル又はエチル分岐を有していてもよく、3〜6員環の環状構造を有していてもよく、基内に存在する任意の−CH2−は−O−、−CH=CH−、−CH=CF−、−CF=CH−、−CF=CF−又は−C≡C−により交換されていてもよく、基内に存在する任意の水素原子はフッ素原子又はトリフルオロメトキシ基により置換されていてもよいが、分岐により不斉炭素が生じる場合には、化合物として光学活性であってもラセミ体であってもよく、
環D、環E及び環Fはそれぞれ独立的にトランス−1,4−シクロへキシレン基、トランスデカヒドロナフタレン−トランス−2,6−ジイル基、1個以上のフッ素原子により置換されていてもよい1,4−フェニレン基、1個以上のフッ素原子により置換されていてもよいナフタレン−2,6−ジイル基、1個以上のフッ素原子により置換されていてもよいテトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、フッ素原子により置換されていてもよい1,4−シクロヘキセニレン基、1,3−ジオキサン−トランス−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基又はピリジン−2,5−ジイル基を表し、
Ld、Le及びLfはそれぞれ独立的に単結合、エチレン基(−CH2CH2−)、1,2−プロピレン基(−CH(CH3)CH2−及び)−CH2CH(CH3)−)、1,4−ブチレン基、−COO−、−OCO−、−OCF2−、−CF2O−、−CH=CH−、−CH=CF−、−CF=CH−、−CF=CF−、−C≡C−、−OCH2−、−CH2O−又は−CH=NN=CH−を表し、
環Yは芳香環であり以下の一般式(Ld)〜(Lf)で表される置換基を表し、
【化6】
(式中、
Yk〜Yqはそれぞれ独立的に水素原子あるいはフッ素原子を表す。)
末端基Pbはシアノ基(−CN)、シアナト基(−OCN)又は−C≡CCNを表し、
一般式(B1)から(B3)で表される化合物を組み合わせて使用する場合、異なる分子中の同一の選択肢(環DやLd等)は同一の置換基を表しても、異なる置換基を表してもよい。)
で表される化合物を1種又は2種以上含有し、
このうち一般式(B2)で表される化合物として、下記式(B2a−1)〜(B2a−3)
【化7】
で表される化合物からなる群から選ばれる化合物を必須成分として1種又は2種以上含有する液晶組成物。
【発明を実施するための形態】
【0019】
式(i)で表される化合物としては、1種を使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
【0020】
本発明の液晶組成物において一般式(i)で表される化合物の含有量が少ないとその効果が現れないため、組成物中に下限値として、1質量%(以下組成物中の%は質量%を表す。)が好ましく、2%が好ましく、5%が好ましく、7%が好ましく、9%が好ましく、10%が好ましく、12%が好ましく、15%が好ましく、17%が好ましく、20%が好ましい。又、含有量が多いと析出等の問題を引き起こすため、上限値としては、50%が好ましく、40%がより好ましく、30%がより好ましく、25%が好ましく、20%が好ましく、18%が好ましく、15%が好ましく、13%が好ましく、10%が好ましい。
【0021】
一般式(i)中、R
i1は、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、炭素原子数2〜8のアルケニル基又は炭素原子数2〜8のアルケニルオキシ基が好ましく、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数2〜5のアルケニルオキシ基が好ましく、炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が更に好ましく、炭素原子数2〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜3のアルケニル基が更に好ましい。
【0022】
信頼性を重視する場合にはアルキル基であることが好ましく、粘性の低下を重視する場合にはアルケニル基であることが好ましい。
【0023】
また、それが結合する環構造がフェニル基(芳香族)である場合には、直鎖状の炭素原子数1〜5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1〜4のアルコキシ基及び炭素原子数4〜5のアルケニル基が好ましく、それが結合する環構造がシクロヘキサン、ピラン及びジオキサンなどの飽和した環構造の場合には、直鎖状の炭素原子数1〜5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1〜4のアルコキシ基及び直鎖状の炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましい。ネマチック相を安定化させるためには炭素原子及び存在する場合酸素原子の合計が5以下であることが好ましく、直鎖状であることが好ましい。
【0024】
アルケニル基としては、式(R1)から式(R5)のいずれかで表される基から選ばれることが好ましい。(各式中の黒点は環構造中の炭素原子を表す。)
【0026】
R
i2は一般式(i)で表される化合物が、Δεが正のいわゆるp型化合物である場合には、フッ素原子、シアノ基、トリフルオロメチル基又はトリフルオロメトキシ基であることが好ましく、フッ素原子又はシアノ基が好ましい。
【0027】
一般式(i)で表される化合物が、Δεがほぼ0のいわゆるノンポーラー型化合物である場合には、R
i2はR
i1と同じ意味を表すが、R
i2とR
i1は同一であっても、異なっていてもよい。
【0028】
A
i1〜A
i5はそれぞれ独立して、Δnを大きくすることが求められる場合には芳香族であることが好ましく、応答速度を改善するためには脂肪族であることが好ましく、それぞれ独立してトランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−フェニレン基、2−フルオロ−1,4−フェニレン基、3−フルオロ−1,4−フェニレン基、3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキセニレン基、1,4−ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、ピペリジン−1,4−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又は1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基を表すことが好ましく、下記の構造を表すことがより好ましく、
【0030】
1個又は2個以上の水素原子がフッ素原子により置換されていてもよい1,4−フェニレン基であることが好ましい。
【0031】
Z
i1〜Z
i3は単結合であることが好ましい。
【0032】
m
i1は液晶組成物への溶解性を重視する場合には0が好ましく、Δn及びTniを重視する場合には1が好ましい。
【0033】
X
i1及びX
i2は、少なくとも1個がフッ素原子であることが好ましく、ともにフッ素原子であることが好ましい。
【0034】
m
i1+m
i2+m
i3は0であることが好ましい。
【0035】
一般式(i)で表される化合物は、以下の一般式(i−1)〜一般式(i−18)で表される各化合物が好ましい。
【0037】
(式中、R
ii1及びR
ii2はそれぞれ独立して一般式(i)におけるR
ii1及びR
ii2と同じ意味を表す。)
一般式(C1)から(C3)で表される化合物は誘電率異方性が0程度である、いわゆるノンポーラー型化合物である。
【0038】
一般式(C1)から(C3)で表される化合物としては、1種を使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
【0039】
本発明の液晶組成物において一般式(C1)から(C3)で表される化合物の含有量が少ないとその効果が現れないため、組成物中に下限値として、1質量%(以下組成物中の%は質量%を表す。)が好ましく、2%が好ましく、5%が好ましく、7%が好ましく、9%が好ましく、10%が好ましく、12%が好ましく、15%が好ましく、17%が好ましく、20%が好ましい。又、含有量が多いと析出等の問題を引き起こすため、上限値としては、50%が好ましく、40%がより好ましく、30%がより好ましく、25%が好ましく、20%が好ましく、18%が好ましく、15%が好ましく、13%が好ましく、10%が好ましい。
【0041】
上式中、R
d及びR
eはそれぞれ独立的に炭素原子数1〜12のアルキル基を表し、これらは直鎖状であってもメチル又はエチル分岐を有していてもよく、3〜6員環の環状構造を有していてもよく、基内に存在する任意の−CH
2−は−O−、−CH=CH−、−CH=CF−、−CF=CH−、−CF=CF−又は−C≡C−により交換されていてもよく、基内に存在する任意の水素原子はフッ素原子又はトリフルオロメトキシ基により置換されていてもよいが、炭素原子数1〜7の直鎖状アルキル基、炭素原子数2〜7の直鎖状1−アルケニル基、炭素原子数4〜7の直鎖状3−アルケニル基、炭素原子数1〜3の直鎖状アルコキシル基又は末端が炭素原子数1〜3アルコキシル基により置換された炭素原子数1〜5の直鎖状アルキル基が好ましく、更に少なくとも一方は炭素原子数1〜7の直鎖状アルキル基、炭素原子数2〜7の直鎖状1−アルケニル基又は炭素原子数4〜7の直鎖状3−アルケニル基であることが特に好ましい。又、分岐により不斉炭素が生じる場合には、化合物として光学活性であってもラセミ体であってもよい。
【0042】
環G、環H、環I及び環Jはそれぞれ独立的に、トランス−1,4−シクロへキシレン基、トランスデカヒドロナフタレン−トランス−2,6−ジイル基、1〜2個のフッ素原子あるいはメチル基により置換されていてもよい1,4−フェニレン基、1個以上のフッ素原子により置換されていてもよいナフタレン−2,6−ジイル基、1〜2個のフッ素原子により置換されていてもよいテトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、1〜2個のフッ素原子により置換されていてもよい1,4−シクロヘキセニレン基、1,3−ジオキサン−トランス−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基又はピリジン−2,5−ジイル基を表すが、各化合物において、トランスデカヒドロナフタレン−トランス−2,6−ジイル基、1個以上のフッ素原子により置換されていてもよいナフタレン−2,6−ジイル基、1〜2個のフッ素原子により置換されていてもよいテトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、フッ素原子により置換されていてもよい1,4−シクロヘキセニレン基、1,3−ジオキサン−トランス−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基又はピリジン−2,5−ジイル基は1個以内であることが好ましく、他の環はトランス−1,4−シクロへキシレン基あるいは1〜2個のフッ素原子又はメチル基により置換されていてもよい1,4−フェニレン基であることが好ましい。
【0043】
L
g、L
h及びL
iは連結基であって、それぞれ独立的に単結合、エチレン基(−CH
2CH
2−)、1,2−プロピレン基(−CH(CH
3)CH
2−及び)−CH
2CH(CH
3)−)、1,4−ブチレン基、−COO−、−OCO−、−OCF
2−、−CF
2O−、−CH=CH−、−CH=CF−、−CF=CH−、−CF=CF−、−C≡C−又は−CH=NN=CH−を表すが、単結合、エチレン基、1,4−ブチレン基、−COO−、−OCO−、−OCF
2−、−CF
2O−、−CF=CF−、−C≡C−又は−CH=NN=CH−が好ましく、(C2)においてはその少なくとも1個が、(C3)においてはその少なくとも2個が単結合を表すことが好ましい。
【0044】
なお一般式(C1)から(C3)で表される化合物を組み合わせて使用する場合、異なる分子中の同一の選択肢(環GやL
g等)は同一の置換基を表しても、異なる置換基を表してもよい。
【0045】
又、一般式(C1)から(C3)においては本発明の一般式(A1)から(A3)、(B1)から(B3)、(i)及び(ii)を除く。
【0046】
本発明の組成物の総量に対しての一般式(C1)から(C3)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、5%であり、8%であり、10%であり、13%であり、15%であり、18%であり、20%であり、22%であり、25%であり、30%である。好ましい含有量の上限値は、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、5%である。
【0047】
本発明の組成物の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を高めにすることが好ましい。さらに、本発明の組成物のTniを高く保ち、焼きつきの発生しにくい組成物が必要な場合は上記の下限値を高めに、上限値を高めにすることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。
【0048】
(C1)におけるより好ましい形態は以下の一般式(C1a)〜(C1h)で表すことができる。
【0050】
上記各式中、R
f及びR
gはそれぞれ独立的に炭素原子数1〜7の直鎖状アルキル基、炭素原子数2〜7の直鎖状1-アルケニル基、炭素原子数4〜7の直鎖状3−アルケニル基、炭素原子数1〜3の直鎖状アルコキシル基又は末端が炭素原子数1〜3のアルコキシル基により置換された炭素原子数1〜5の直鎖状アルキル基を表すが、少なくとも一方は炭素原子数1〜7の直鎖状アルキル基、炭素原子数2〜7の直鎖状1-アルケニル基又は炭素原子数4〜7の直鎖状3−アルケニル基を表す。ただし、環G1〜環G8が芳香環の場合、対応するR
fは1−アルケニル基及びアルコキシル基を除き、環H1〜環H8が芳香環の場合、対応するR
gは1-アルケニル基及びアルコキシル基を除く。
【0051】
環G1及び環H1はそれぞれ独立的にトランス−1,4−シクロへキシレン基、トランスデカヒドロナフタレン−トランス−2,6−ジイル基、1〜2個のフッ素原子あるいはメチル基により置換されていてもよい1,4−フェニレン基、1個以上のフッ素原子により置換されていてもよいナフタレン−2,6−ジイル基、1〜2個のフッ素原子により置換されていてもよいテトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、1〜2個のフッ素原子により置換されていてもよい1,4−シクロヘキセニレン基、1,3−ジオキサン−トランス−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基又はピリジン−2,5−ジイル基を表すが、各化合物において、トランスデカヒドロナフタレン-トランス−2,6−ジイル基、1個以上のフッ素原子により置換されていてもよいナフタレン−2,6−ジイル基、1〜2個のフッ素原子により置換されていてもよいテトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、フッ素原子により置換されていてもよい1,4−シクロヘキセニレン基、1,3−ジオキサン-トランス−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基又はピリジン−2,5−ジイル基は1個以内であることが好ましく、その場合の他方の環はトランス−1,4−シクロへキシレン基あるいは1〜2個のフッ素原子又はメチル基により置換されていてもよい1,4−フェニレン基である。環G2及び環H2はそれぞれ独立的にトランス−1,4−シクロへキシレン基、トランスデカヒドロナフタレン−トランス−2,6−ジイル基、1〜2個のフッ素原子あるいはメチル基により置換されていてもよい1,4−フェニレン基、1個以上のフッ素原子により置換されていてもよいナフタレン−2,6−ジイル基、1〜2個のフッ素原子により置換されていてもよいテトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基を表すが、各化合物において、トランスデカヒドロナフタレン−トランス−2,6−ジイル基、1個以上のフッ素原子により置換されていてもよいナフタレン−2,6−ジイル基、1〜2個のフッ素原子により置換されていてもよいテトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基は1個以内であることが好ましく、その場合の他方の環はトランス−1,4−シクロへキシレン基あるいは1〜2個のフッ素原子又はメチル基により置換されていてもよい1,4−フェニレン基である。環G3及び環H3はそれぞれ独立的に1〜2個のフッ素原子あるいはメチル基により置換されていてもよい1,4−フェニレン基、1個以上のフッ素原子により置換されていてもよいナフタレン−2,6−ジイル基、1〜2個のフッ素原子により置換されていてもよいテトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基を表すが、各化合物において1個以上のフッ素原子により置換されていてもよいナフタレン−2,6−ジイル基、1〜2個のフッ素原子により置換されていてもよいテトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基は1個以内であることが好ましい。
【0052】
さらに好ましくは、下記化合物である。
【0054】
(C2)におけるより好ましい形態は以下の一般式(C2a)〜(C2m)で表すことができる。
【0056】
上式中、環G1、環G2、環G3、環H1、環H2及び環H3は前述の意味を表し、環I1は環G1と、環I2は環G2と、環I3は環G3とそれぞれおなじ意味を表す。又、上記各化合物において、トランスデカヒドロナフタレン−トランス−2,6−ジイル基、1個以上のフッ素原子により置換されていてもよいナフタレン−2,6−ジイル基、1〜2個のフッ素原子により置換されていてもよいテトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、フッ素原子により置換されていてもよい1,4−シクロヘキセニレン基、1,3−ジオキサン−トランス−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基又はピリジン−2,5−ジイル基は1個以内であることが好ましく、その場合の他方の環はトランス−1,4−シクロへキシレン基あるいは1〜2個のフッ素原子又はメチル基により置換されていてもよい1,4−フェニレン基である。
【0057】
さらに好ましくは、下記化合物である。
【0059】
次に(C3)におけるより好ましい形態は以下の一般式(C3a)〜(C3f)で表すことができる。
【0061】
上式中、環G1、環G2、環H1、環H2、環I1及び環I2は前述の意味を表し、環J1は環G1又環J2は環G2とそれぞれおなじ意味を表す。又、上記各化合物において、トランスデカヒドロナフタレン−トランス−2,6−ジイル基、1個以上のフッ素原子により置換されていてもよいナフタレン−2,6−ジイル基、1〜2個のフッ素原子により置換されていてもよいテトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、フッ素原子により置換されていてもよい1,4−シクロヘキセニレン基、1,3−ジオキサン-トランス−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基又はピリジン−2,5−ジイル基は1個以内であることが好ましく、その場合の他方の環はトランス−1,4−シクロへキシレン基あるいは1〜2個のフッ素原子又はメチル基により置換されていてもよい1,4−フェニレン基である。
【0062】
さらに好ましくは、下記化合物である。
【0064】
本発明の液晶組成物において一般式(i)及び(C1)から(C3)で表される化合物の合計の含有量が少ないとその効果が現れないため、組成物中に下限値として、1質量%(以下組成物中の%は質量%を表す。)が好ましく、2%が好ましく、5%が好ましく、7%が好ましく、9%が好ましく、10%が好ましく、12%が好ましく、15%が好ましく、17%が好ましく、20%が好ましい。又、含有量が多いと析出等の問題を引き起こすため、上限値としては、50%が好ましく、40%がより好ましく、30%がより好ましく、25%が好ましく、20%が好ましく、18%が好ましく、15%が好ましく、13%が好ましく、10%が好ましい。
【0065】
液晶組成物の物性値を調整するために液晶相を持つ化合物以外にも必要に応じて液晶相を持たない化合物を添加することもできる。
【0066】
このように、一般式(i)及び(C1)から(C3)で表される化合物と混合して使用することのできる化合物の好ましい代表例としては、本発明の提供する組成物においては、一般式(A1)から(A3)及び(B1)から(B3)で表される化合物を挙げることができ、これら化合物から少なくとも1種を含有することが好ましい。
【0067】
一般式(A1)から(A3)で表される化合物はいわゆるフッ素系(ハロゲン系)のp型化合物である。
【0069】
上式中、R
bは炭素原子数1〜12のアルキル基を表し、これらは直鎖状であってもメチルまたはエチル分岐を有していてもよく、3〜6員環の環状構造を有していてもよく、基内に存在する任意の−CH
2−は−O−、−CH=CH−、−CH=CF−、−CF=CH−、−CF=CF−又は−C≡C−により置換されていてもよく、基内に存在する任意の水素原子はフッ素原子またはトリフルオロメトキシ基により置換されていてもよいが、炭素原子数1〜7の直鎖状アルキル基、炭素原子数2〜7の直鎖状1−アルケニル基、炭素原子数4〜7の直鎖状3−アルケニル基、末端が炭素原子数1〜3のアルコキシル基により置換された炭素原子数1〜5のアルキル基が好ましい。また、分岐により不斉炭素が生じる場合には、化合物として光学活性であってもラセミ体であってもよい。
【0070】
環A、環B及び環Cはそれぞれ独立的にトランス−1,4−シクロへキシレン基、トランスデカヒドロナフタレン-トランス-2,6-ジイル基、1個以上のフッ素原子により置換されていてもよい1,4−フェニレン基、1個以上のフッ素原子により置換されていてもよいナフタレン-2,6-ジイル基、1個以上のフッ素原子により置換されていてもよいテトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、フッ素原子により置換されていてもよい1,4−シクロヘキセニレン基、1,3−ジオキサン−トランス−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基またはピリジン−2,5−ジイル基を表すが、トランス−1,4−シクロへキシレン基、トランスデカヒドロナフタレン-トランス−2,6−ジイル基、フッ素原子により置換されていてもよいナフタレン−2,6−ジイル基又は1〜2個のフッ素原子により置換されていてもよい1,4−フェニレン基が好ましい。特に環Bがトランス−1,4−シクロへキシレン基またはトランスデカヒドロナフタレン−トランス−2,6−ジイル基である場合に、環Aはトランス−1,4−シクロへキシレン基であることが好ましく、環Cがトランス−1,4−シクロへキシレン基またはトランスデカヒドロナフタレン−トランス−2,6−ジイル基である場合に環B及び環Aはトランス−1,4−シクロへキシレン基であることが好ましい。また、(A3)において環Aはトランス−1,4−シクロへキシレン基であることが好ましい。
L
a、L
b及びL
cは連結基であって、それぞれ独立的に単結合、エチレン基(−CH
2CH
2−)、1,2−プロピレン基(−CH(CH
3)CH
2−及び−CH
2CH(CH
3)−)、1,4−ブチレン基、−COO−、−OCO−、−OCF
2−、−CF
2O−、−CH=CH−、−CH=CF−、−CF=CH−、−CF=CF−、−C≡C−又は−CH=NN=CH−を表すが、単結合、エチレン基、1,4−ブチレン基、−COO−、−OCF
2−、−CF
2O−、−CF=CF−又は−C≡C−が好ましく、単結合又はエチレン基が特に好ましい。また、(A2)においてはその少なくとも1個が、(A3)においてはその少なくとも2個が単結合を表すことが好ましい。
【0071】
環Zは芳香環であり以下の一般式(La)〜(Lc)で表すことができる。
【0073】
式中、Y
a〜Y
jはそれぞれ独立的に水素原子あるいはフッ素原子を表すが、(La)において、Y
a及びY
bの少なくとも1個はフッ素原子であることが好ましく、(Lb)において、Y
d〜Y
fの少なくとも1個はフッ素原子であることが好ましく、特にY
dはフッ素原子であることがさらに好ましい。
【0074】
末端基P
aはフッ素原子、塩素原子、トリフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメチル基又はジフルオロメチル基あるいは2個以上のフッ素原子により置換された炭素原子数2又は3のアルコキシル基、アルキル基、アルケニル基又はアルケニルオキシ基を表すが、フッ素原子、トリフルオロメトキシ基又はジフルオロメトキシ基が好ましく、フッ素原子が特に好ましい。
【0075】
なお一般式(A1)から(A3)で表される化合物を組み合わせて使用する場合、異なる分子中の同一の選択肢(環AやL
a等)は同一の置換基を表しても、異なる置換基を表してもよい。
【0076】
又、一般式(A1)から(A3)においては本発明の一般式(i)及び(ii)を除く。
【0077】
本発明の組成物の総量に対しての一般式(A1)から(A3)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、5%であり、8%であり、10%であり、13%であり、15%であり、18%であり、20%であり、22%であり、25%であり、30%である。好ましい含有量の上限値は、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、5%である。
【0078】
本発明の組成物の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値を高めに、上限値を高めにすることが好ましい。さらに、本発明の組成物のTniを高く保ち、焼きつきの発生しにくい組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を高めに、上限値を高めにすることが好ましい。
【0079】
一般式(A1)〜(A3)におけるより好ましい形態は以下の一般式(A1a)〜(A3c)で表すことができる。
【0081】
(式中、A、B、C、Y
a及びY
bは一般式(A1)から(A3)におけるA、B、C、Y
a及びY
bと同じ意味を表す。)
さらに好ましくは、下記化合物である。
【0084】
一般式(B1)から(B3)で表される化合物はいわゆるシアノ系のp型化合物である。
【0086】
上式中、R
cは炭素原子数1〜12のアルキル基を表し、これらは直鎖状であってもメチル又はエチル分岐を有していてもよく、3〜6員環の環状構造を有していてもよく、基内に存在する任意の−CH
2−は−O−、−CH=CH−、−CH=CF−、−CF=CH−、−CF=CF−又は−C≡C−により交換されていてもよく、基内に存在する任意の水素原子はフッ素原子又はトリフルオロメトキシ基により置換されていてもよいが、炭素原子数1〜7の直鎖状アルキル基、炭素原子数2〜7の直鎖状1-アルケニル基、炭素原子数4〜7の直鎖状3−アルケニル基、末端が炭素原子数1〜3のアルコキシル基により置換された炭素原子数1〜5のアルキル基が好ましい。又、分岐により不斉炭素が生じる場合には、化合物として光学活性であってもラセミ体であってもよい。
【0087】
環D、環E及び環Fはそれぞれ独立的にトランス−1,4−シクロへキシレン基、トランスデカヒドロナフタレン−トランス−2,6−ジイル基、1個以上のフッ素原子により置換されていてもよい1,4−フェニレン基、1個以上のフッ素原子により置換されていてもよいナフタレン−2,6−ジイル基、1個以上のフッ素原子により置換されていてもよいテトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、フッ素原子により置換されていてもよい1,4−シクロヘキセニレン基、1,3−ジオキサン−トランス−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基又はピリジン−2,5−ジイル基を表すが、トランス−1,4−シクロへキシレン基、トランスデカヒドロナフタレン−トランス−2,6−ジイル基、フッ素原子により置換されていてもよいナフタレン−2,6−ジイル基又は1〜2個のフッ素原子により置換されていてもよい1,4−フェニレン基が好ましい。特に環Eがトランス−1,4−シクロへキシレン基又はトランスデカヒドロナフタレン−トランス−2,6−ジイル基である場合に、環Dはトランス−1,4−シクロへキシレン基であることが好ましく、環Fがトランス−1,4−シクロへキシレン基又はトランスデカヒドロナフタレン−トランス−2,6−ジイル基である場合に環D及び環Eはトランス−1,4−シクロへキシレン基であることが好ましい。又、(B3)において環Dはトランス−1,4−シクロへキシレン基であることが好ましい。
【0088】
L
d、L
e及びL
fは連結基であって、それぞれ独立的に単結合、エチレン基(−CH
2CH
2−)、1,2−プロピレン基(−CH(CH
3)CH
2−及び)−CH
2CH(CH
3)−)、1,4−ブチレン基、−COO−、−OCO−、−OCF
2−、−CF
2O−、−CH=CH−、−CH=CF−、−CF=CH−、−CF=CF−、−C≡C−、−OCH
2−、−CH
2O−又は−CH=NN=CH−を表すが、単結合、エチレン基、−COO−、−OCF
2−、−CF
2O−、−CF=CF−又は−C≡C−が好ましく、単結合、エチレン基又は−COO−が特に好ましい。又、(B2)においてはその少なくとも1個が、(B3)においてはその少なくとも2個が単結合を表すことが好ましい。
【0089】
環Yは芳香環であり以下の一般式(L
d)〜(L
f)で表すことができる。
【0091】
式中、Y
k〜Y
qはそれぞれ独立的に水素原子あるいはフッ素原子を表すが、(Le)において、Y
mはフッ素原子であることが好ましい。
【0092】
末端基P
bはシアノ基(−CN)、シアナト基(−OCN)又は−C≡CCNを表すが、シアノ基が好ましい。
【0093】
なお一般式(B1)から(B3)で表される化合物を組み合わせて使用する場合、異なる分子中の同一の選択肢(環DやL
d等)は同一の置換基を表しても、異なる置換基を表してもよい。
【0094】
又、一般式(B1)から(B3)においては本発明の一般式(i)及び(ii)を除く。
【0095】
本発明の組成物の総量に対しての一般式(B1)から(B3)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、5%であり、8%であり、10%であり、13%であり、15%であり、18%であり、20%であり、22%であり、25%であり、30%である。好ましい含有量の上限値は、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、5%である。
【0096】
本発明の組成物の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を高めにすることが好ましい。さらに、本発明の組成物のTniを高く保ち、焼きつきの発生しにくい組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を高めにすることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を高めに、上限値を高めにすることが好ましい。
【0097】
一般式(B1)〜(B3)におけるより好ましい形態は以下の一般式(B1a)〜(B2c)で表すことができる。
【0099】
(式中、A、B、Y
k及びY
lは一般式(B1)から(B3)におけるA、B、Y
k及びY
lと同じ意味を表す。)
さらに好ましくは、下記化合物である。
【0102】
本発明の組成物の総量に対しての一般式(i)、一般式(A1)から(A3)、一般式(B1)から(B3)及び一般式(C1)から(C3)で表される化合物の合計の好ましい含有量の下限値は、80%であり、85%であり、88%であり、90%であり、92%であり、93%であり、94%であり、95%であり、96%であり、97%であり、98%であり、99%であり、100%である。好ましい含有量の上限値は、100%であり、99%であり、98%であり、95%である。
【0103】
本発明の組成物の総量に対しての一般式(i)、一般式(A1)から(A3)、一般式(B1)から(B3)及び一般式(C1)から(C3)で表される化合物の合計の好ましい含有量の下限値は、80%であり、85%であり、88%であり、90%であり、92%であり、93%であり、94%であり、95%であり、96%であり、97%であり、98%であり、99%であり、100%である。好ましい含有量の上限値は、100%であり、99%であり、98%であり、95%である。
【0104】
本発明の組成物の総量に対しての本発明の組成物の総量に対しての一般式(i)、一般式(A1a)から(A3c)、一般式(B1a)から(B2c)及び一般式(C1a)から(C3f)で表される化合物の合計の好ましい含有量の下限値は、80%であり、85%であり、88%であり、90%であり、92%であり、93%であり、94%であり、95%であり、96%であり、97%であり、98%であり、99%であり、100%である。好ましい含有量の上限値は、100%であり、99%であり、98%であり、95%である。
【0105】
本願発明の組成物は、分子内に過酸(−CO−OO−)構造等の酸素原子等のヘテロ原子同士が結合した構造を持つ化合物を含有しないことが好ましい。
【0106】
組成物の信頼性及び長期安定性を重視する場合にはカルボニル基を有する化合物の含有量を前記組成物の総質量に対して5%以下とすることが好ましく、3%以下とすることがより好ましく、1%以下とすることが更に好ましく、実質的に含有しないことが最も好ましい。
【0107】
UV照射による安定性を重視する場合、塩素原子が置換している化合物の含有量を前記組成物の総質量に対して15%以下とすることが好ましく、10%以下とすることが好ましく、8%以下とすることが好ましく、5%以下とすることがより好ましく、3%以下とすることが好ましく、実質的に含有しないことが更に好ましい。
【0108】
分子内の環構造がすべて6員環である化合物の含有量を多くすることが好ましく、分子内の環構造がすべて6員環である化合物の含有量を前記組成物の総質量に対して80%以上とすることが好ましく、90%以上とすることがより好ましく、95%以上とすることが更に好ましく、実質的に分子内の環構造がすべて6員環である化合物のみで組成物を構成することが最も好ましい。
【0109】
組成物の酸化による劣化を抑えるためには、環構造としてシクロヘキセニレン基を有する化合物の含有量を少なくすることが好ましく、シクロヘキセニレン基を有する化合物の含有量を前記組成物の総質量に対して10%以下とすることが好ましく、8%以下とすることが好ましく、5%以下とすることがより好ましく、3%以下とすることが好ましく、実質的に含有しないことが更に好ましい。
【0110】
粘度の改善及びTniの改善を重視する場合には、水素原子がハロゲンに置換されていてもよい2−メチルベンゼン−1,4−ジイル基を分子内に持つ化合物の含有量を少なくすることが好ましく、前記2−メチルベンゼン−1,4−ジイル基を分子内に持つ化合物の含有量を前記組成物の総質量に対して10%以下とすることが好ましく、8%以下とすることが好ましく、5%以下とすることがより好ましく、3%以下とすることが好ましく、実質的に含有しないことが更に好ましい。
【0111】
本願において実質的に含有しないとは、意図せずに含有する物を除いて含有しないという意味である。
【0112】
本発明の第一実施形態の組成物に含有される化合物が、側鎖としてアルケニル基を有する場合、前記アルケニル基がシクロヘキサンに結合している場合には当該アルケニル基の炭素原子数は2〜5であることが好ましく、前記アルケニル基がベンゼンに結合している場合には当該アルケニル基の炭素原子数は4〜5であることが好ましく、前記アルケニル基の不飽和結合とベンゼンは直接結合していないことが好ましい。
【0113】
本発明における液晶組成物の安定性を高めるため、酸化防止剤を添加することが好ましい。酸化防止剤としては、ヒドロキノン誘導体、ニトロソアミン系重合禁止剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤等が挙げられ、より具体的には、tert−ブチルハイドロキノン、メチルハイドロキノン、和光純薬工業株式会社製の「Q−1300」、「Q−1301」、BASF社の「IRGANOX1010」、「IRGANOX1035」、「IRGANOX1076」、「IRGANOX1098」、「IRGANOX1135」、「IRGANOX1330」、「IRGANOX1425」、「IRGANOX1520」、「IRGANOX1726」、「IRGANOX245」、「IRGANOX259」、「IRGANOX3114」、「IRGANOX3790」、「IRGANOX5057」、「IRGANOX565」等々があげられる。
【0114】
酸化防止剤の添加量は重合性液晶組成物に対して0.01〜2.0質量%であることが好ましく、0.05〜1.0質量%であることがより好ましい。
【0115】
本発明における液晶組成物の安定性を高めるため、UV吸収剤を添加することが好ましい。UV吸収剤としては、波長370nm以下の紫外線の吸収能に優れ、かつ良好な液晶表示性の観点から、波長400nm以上の可視光の吸収が少ないものが好ましい。より具体的には、例えばヒンダードフェノール系化合物、ヒドロキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物、トリアジン系化合物が挙げられ、ヒンダードフェノール系化合物としては、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナミド)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレートが挙げられる。ベンゾトリアゾール系化合物としては、2−(2′−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2−メチレンビス(4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール)、(2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−tert−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナミド)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロルベンゾトリアゾール、(2−(2′−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−アミルフェニル)−5−クロルベンゾトリアゾール、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕が挙げられ、BASFジャパン(株)製のTINUVIN109、TINUVIN171、TINUVIN326、TINUVIN327、TINUVIN328、TINUVIN770、TINUVIN900、TINUVIN928、ケミプロ化成(株)製の、KEMISORB 71、KEMISORB 73、KEMISORB 74も好ましく用いることができる。
【0116】
なお、本願液晶組成物はΔnを大きくすることができるため、液晶素子とし、初期の配向状態から、電界等により液晶組成物の配向が変化した際に大きな屈折率の変化が得られる。この特徴から、液晶素子の初期の(無印加電圧時の)配向状態としては液晶素子内において一軸に配向していることが好ましく、液晶素子の厚さ方向に捩れが、発生していたとしても、可視光領域の光を反射する程度の強い捩れがないことが好ましい。
【0117】
液晶表示素子として使用する場合には、TN、STN、IPS、FFS、ECB及びOCB等のモード用として使用されることが好ましい。
【0118】
他の用途としては、液晶レンズ、レンチキュラーレンズ、視差バリアー用液晶素子等が好ましい。
【0119】
また、一般式(i)で表される化合物が光により異性化を起こすアゾベンゼン部位を有することから光により材料の物理的性質を制御する光学スイッチング素子として利用することも好ましい。
【実施例】
【0120】
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳述するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、以下の実施例及び比較例の組成物における「%」は『質量%』を意味する。
【0121】
実施例中、測定した特性は以下の通りである。
【0122】
T
NI :ネマチック相−等方性液体相転移温度
T
→N :ネマチック相となる相転移温度
Δn :298Kにおける屈折率異方性
n
o :
Δ
ε :298Kにおける誘電率異方性
ε
⊥ :
γ
1 :298Kにおける回転粘度
V
th :厚さ8.3ミクロンのTNセルに液晶を封入し、298K、クロスニコル偏光板下において透過率が10%変化する電圧。
【0123】
VHR:周波数60Hz,印加電圧5Vの条件下で333Kにおける電圧保持率(%)
耐熱試験後VHR:組成物サンプルを封入した電気光学特性評価用TEG(テスト・エレメント・グループ)を130℃の恒温槽中に1時間保持した後、上述のVHR測定方法と同条件で測定した。
【0124】
電流値:
液晶組成物を、TN用液晶セル(セルギャップ8.3μm)に真空注入し、UV硬化性樹脂(スリーボンド社製、Three Bond 3026)で封止し、液晶セルを作製した。
【0125】
液晶セル作成後、すぐに電流値を測定したサンプルを初期サンプル(以下初期と略す)とした。
【0126】
液晶セルに対しサンテスト(オリジナルハナウ社製)を用いてUV照射を16時間行ったサンプルをUV照射サンプル(以下UVと略す)とした。
【0127】
液晶セルをオーブンを用い80℃で350時間加熱したサンプルを加熱サンプル(以下加熱と略す)とした。
【0128】
電流値の測定は、
図1に示す回路を用いて、作製した液晶セルに矩形波(Vap=2.5V)を印加し回路中の50KΩの抵抗の両端に掛かる電圧波形を観測することにより行った。観測された電圧波形(
図2)よりVr(mV)を測定し、Vrと液晶セルの電極面積:W(cm
2)より以下の式
【0129】
【数1】
【0130】
により電流値を算出した。この際、それぞれの条件において3枚の液晶セルを作製しその電流値を測定し、3枚のセルから得られた電流値の値を平均し電流値とし、パネル中での信頼性の指標とした。
【0131】
焼き付き :
液晶表示素子の焼き付き評価は、表示エリア内に所定の固定パターンを任意の試験時間表示させた後に、全画面均一な表示を行ったときの固定パターンの残像が、許容できない残像レベルに達するまでの試験時間を計測した。
1)ここで言う試験時間とは固定パターンの表示時間を示し、この時間が長いほど残像の発生が抑制されており、性能が高いことを示している。
2)許容できない残像レベルとは、出荷合否判定で不合格となる残像が観察されるレベルである。
例)
サンプルA:1000時間
サンプルB:500時間
サンプルC:200時間
サンプルD:100時間
性能は、A>B>C>Dである。
【0132】
滴下痕 :
液晶表示装置の滴下痕の評価は、全面黒表示した場合における白く浮かび上がる滴下痕を目視にて以下の5段階評価で行った。
【0133】
5:滴下痕無し(優)
4:滴下痕ごく僅かに有るも許容できるレベル(良)
3:滴下痕僅かに有り、合否判定のボーダーラインレベル(条件付で可)
2:滴下痕有り許容できないレベル(不可)
1:滴下痕有りかなり劣悪(悪)
プロセス適合性 :
プロセス適合性は、ODFプロセスにおいて、定積計量ポンプを用いて、液晶を1回に50pLずつ「0〜100回、101〜200回、201〜300回、・・・・」と100回ずつ滴下したときの各100回滴下分の液晶の質量を計測し、質量のバラつきがODFプロセスに適合できない大きさに達した滴下回数で評価した。
滴下回数が多いほど長時間にわたって安定的に滴下可能であり、プロセス適合性が高いといえる。
例)
サンプルA:95000回
サンプルB:40000回
サンプルC:100000回
サンプルD:10000回
性能は、C>A>B>Dである。
【0134】
低温保存性:
低温での保存性評価は、組成物を調製後、1mLのサンプル瓶に組成物を0.5g秤量し、これを−25℃の温度制御式試験槽の中で240時間保存して目視にて組成物からの析出物の発生を観察し、析出物が観察されたときの試験時間を計測した。析出発生までの試験時間が長いほど低温での保存性が良好であるといえる。
【0135】
揮発性/製造装置汚染性 :
液晶材料の揮発性評価は、真空攪拌脱泡ミキサーの運転状態をストロボスコープを用いて観察し、液晶材料の発泡を目視により観察することによって行った。具体的には、容量2.0Lの真空攪拌脱泡ミキサーの専用容器に組成物を0.8kg入れ、4kPaの脱気下、公転速度15S−1、自転速度7.5S−1で真空攪拌脱泡ミキサーを運転し、発泡が始まるまでの時間を計測した。
発泡が始まるまでの時間が長いほど揮発しにくく、製造装置を汚染する可能性が低いので、高性能であることを示す。
例)
サンプルA:200秒
サンプルB:45秒
サンプルC:60秒
サンプルD:15秒
性能は、A>C>B>Dである。
尚、実施例において化合物の記載について以下の略号を用いる。
(環構造)
【0136】
【化23】
【0137】
特に断りがない限り、トランス体を表す。
(側鎖構造及び連結構造)
【0138】
【表1】
【0139】
(実施例1〜30)
本願発明の液晶組成物及び該組成物を使用した液晶表示素子を作製し、その物性値を測定した。
【0140】
一般式(i)で表される化合物として下記の式(i−a)及び(i−b)で表される化合を使用した。
【0141】
【化24】
【0142】
一般式(i)で表される化合物を含有しない比較例1の組成物は実施例1の組成物と比較してΔnの値が大きく低下してしまうとともにT
→Nが上昇しネマッチック相温度範囲が狭くなってしまった。
【0143】
実施例1の組成物よりもΔnの値が大きな実施例2を元にして一般式(i)で表される化合物を含有しない比較例2を調整した。やはりΔnの値が大きく低下してしまい、さらにT
→Nの悪化も大きくなった。
【0144】
【表2】
【0145】
Δnを高くしつつ高速応答化も目指した組成物として実施例3及び4を示す。
【0146】
やはり一般式(i)で表される化合物を含有しない比較例3の組成物は実施例3の組成物と比較してΔnの値が大きく低下してしまうとともにT
→Nが上昇しネマッチック相温度範囲が狭くなってしまった。同様な傾向は実施例4及び比較例4でも確かめられた。
【0147】
【表3】
【0148】
(実施例5〜12)
更に下記組成物の物性値を示す。
【0149】
【表4】
【0150】
【表5】
【0151】
実施例1〜12として示した液晶組成物を使用して液晶レンズを作成し、優れたレンズ特性を示すことが確認できた。