【実施例】
【0072】
以下、実施例により、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこの実施例により何ら限定されない。下記における略号の意味、測定方法などは以下のとおりである。
【0073】
(酸二無水物)
BODA:ビシクロ[3,3,0]オクタン−2,4,6,8−テトラカルボン酸二無水物
CBDA:1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物
PMDA:ピロメリット酸二無水物
(ジアミン)
p−PDA:p−フェニレンジアミン
DBA:3,5−ジアミノ安息香酸
3AMPDA:3,5−ジアミノ−N−(ピリジン−3−イルメチル)ベンズアミド
【化20】
【0074】
<溶媒>
NMP:N−メチル−2−ピロリドン、 THF:テトラヒドロフラン
BCS:ブチルセロソルブ、 DMF:N,N-ジメチルホルムアミド
<添加剤>
3AMP:3−ピコリルアミン
【0075】
<ポリイミドの分子量測定方法>
装置:常温ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC):センシュー科学社製SSC−7200)、
カラム:Shodex社製カラム(KD-803、KD-805)
カラム温度:50℃
溶離液:N,N’−ジメチルホルムアミド(添加剤として、臭化リチウム−水和物(LiBr・H
2O)が30mmol/L、リン酸・無水結晶(o−リン酸)が30mmol/L、テトラヒドロフラン(THF)が10ml/L)
流速:1.0ml/分
検量線作成用標準サンプル:東ソー社製 TSK 標準ポリエチレンオキサイド(分子量約9000,000、150,000、100,000、30,000)、及び、ポリマーラボラトリー社製 ポリエチレングリコール(分子量 約12,000、4,000、1,000)。
【0076】
<イミド化率の測定>
ポリイミド粉末20mgをNMRサンプル管(草野科学社製 NMRサンプリングチューブスタンダード φ5)に入れ、重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO−d
6、0.05%TMS混合品)1.0mlを添加し、超音波をかけて完全に溶解させた。この溶液を日本電子データム社製NMR測定器(JNW−ECA500)にて500MHzのプロトンNMRを測定した。イミド化率は、イミド化前後で変化しない構造に由来するプロトンを基準プロトンとして決め、このプロトンのピーク積算値と、9.5〜10.0ppm付近に現れるアミック酸のNH基に由来するプロトンピーク積算値とを用い以下の式によって求めた。なお下記式において、xはアミック酸のNH基由来のプロトンピーク積算値、yは基準プロトンのピーク積算値、αはポリアミック酸(イミド化率が0%)の場合におけるアミック酸のNH基のプロトン1個に対する基準プロトンの個数割合である。
イミド化率(%)=(1−α・x/y)×100
【0077】
〔ジアミンDA−1の合成〕
【化21】
化合物3の合成
窒素置換した4つ口フラスコ中に、化合物1(50.00g, 329mmol)、化合物2(82.35g, 329mmol)、及びDMF(250g)を加え、室温で撹拌しながらピロリジン(70.15g, 984mmol)を加えた。その後、100℃で加熱撹拌を行った。反応をHPLC(high performance liquid chromatography)にて追跡し、反応終了後、純水(1.5L)へ反応溶液を注ぎ、酢酸エチル(1L)で分液を行った。水層を酢酸エチル(500mL)で2回洗浄し、有機層を合わせた後、純水(500mL)で再度2回洗浄した後、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、その後、ろ過ろ液をエバポレーターで濃縮し粗物を得た。得られた粗物にアセトニトリル(300g)で3回加熱リパルプ洗浄し、得られた固体を乾燥し化合物3を得た(得量69.5g、収率53%)。
1H NMR(DMSO-d
6, δppm):9.32(1H, brs), 7.04(1H, d), 6.98(1H, dd), 6.83(1H, d), 2.62(2H, s), ),1.99-1.96(2H, m), 1.74-1.70(4H, m), 1.48-0.805(24H, m).
【0078】
【化22】
【0079】
化合物5の合成
窒素置換した4つ口フラスコ中に、化合物3(15.00g, 39.0mmol)、トリエチルアミン(4.34g, 42.9mmol)、及びDMF(100g)を加え室温で撹拌を行った。その後、化合物4(7.62g, 41.1mmol)のDMF(20g)溶液を滴下した。反応をHPLCにて追跡し、反応終了後、純水(0.7L)へ反応溶液を注ぎ、析出した固体をろ過、純水、メタノールで順次洗浄後、固体を乾燥し化合物5を得た(得量20.2g、収率94%)。
1H NMR(CDCl
3, δppm):8.85(1H, d), 8.33(1H, dd), 7.60(1H, dd), 7.98(1H, dd), 7.10(1H, d), 7.05(1H, d), 2.69(2H, s), 2.16(2H, d), 1.77(4H, t), 1.62-1.58(3H, m), 1.47-0.85(21H, m).
【0080】
【化23】
ジアミンDA−1の合成
4つ口フラスコ中に、化合物5(17.00g, 30.8mmol)、3wt%Pt/C(含水)(6.8g)、及び1,4−ジオキサン(340g)を加え、窒素置換、続く水素置換を行い室温で撹拌を行った。反応をHPLCにて追跡し、反応終了後、触媒をろ過し、ろ液をエバポレーターで濃縮し粗物を得た。得られた粗物をメタノール(150g)で洗浄し、固体を乾燥しジアミンDA−1を得た(得量10.1g、収率66%)。
1H NMR(CDCl
3, δppm):8.85(1H, d), 8.33(1H, dd), 7.60(1H, dd), 7.98(1H, dd), 7.10(1H, d), 7.05(1H, d), 2.69(2H, s), 2.16(2H, d), 1.77(4H, t), 1.62-1.58(3H, m), 1.47-0.85(21H, m).
【0081】
〔ジアミン化合物DA−2の合成〕
【化24】
化合物7の合成
窒素置換した4つ口フラスコ中に、化合物3(15.00g, 39.0mmol)、トリエチルアミン(4.74g, 46.8mmol)、及びTHF(100g)を加え反応溶液を10℃に冷却し撹拌を行った。その後、化合物6(9.44g, 41.0mmol)のTHF(40g)溶液を滴下した。反応をHPLCにて追跡し、反応終了後、純水(0.5L)へ反応溶液を注ぎ、しばらく室温で撹拌し析出した固体をろ過、純水、2−プロパノールで順次洗浄後、固体を乾燥し化合物7を得た(得量21.1g、収率94%)。
1H NMR(CDCl
3, δppm):8.85(1H, d), 8.33(1H, dd), 7.60(1H, dd), 7.98(1H, dd), 7.10(1H, d), 7.05(1H, d), 2.69(2H, s), 2.16(2H, d), 1.77(4H, t), 1.62-1.58(3H, m), 1.47-0.85(21H, m).
【0082】
【化25】
ジアミンDA−2の合成
4つ口フラスコ中に、化合物7(18.00g, 31.1mmol)、3wt%Pt/C(含水)(7.2g)、及び1,4−ジオキサン(360g)を加え、窒素置換、続く水素置換を行い室温で撹拌を行った。反応をHPLCにて追跡し、反応終了後、触媒をろ過し、ろ液をエバポレーターで濃縮し粗物を得た。得られた粗物をヘキサン(150g)で洗浄し、固体を乾燥しジアミンDA−2を得た(得量14.9g、収率92%)。
1H NMR(CDCl
3, δppm):8.85(1H, d), 8.33(1H, dd), 7.60(1H, dd), 7.98(1H, dd), 7.10(1H, d), 7.05(1H, d), 2.69(2H, s), 2.16(2H, d), 1.77(4H, t), 1.62-1.58(3H, m), 1.47-0.85(21H, m).
【0083】
〔ジアミンDA−3の合成〕
【化26】
化合物9の合成
窒素置換した4つ口フラスコ中に、化合物8(11.82g, 57.2mmol)、化合物3(20.00g, 52.0mmol)、及びTHF(160g)を加え40℃で撹拌した。その後、水酸化ナトリウム(2.5g)/純水(80g)水溶液を徐々に滴下し、滴下終了後室温で反応を行った。反応をHPLCにて追跡し、反応終了後、純水(1L)へ反応溶液を注ぎ、ろ過後、得られた粗物を2−プロパノール(300g)、アセトニトリル(350g)でそれぞれ加熱リパルプ洗浄し、固体を乾燥し化合物9を得た(得量24.6g、収率84%)。
1H NMR(CDCl
3, δppm):8.85(1H, d), 8.33(1H, dd), 7.60(1H, dd), 7.98(1H, dd), 7.10(1H, d), 7.05(1H, d), 2.69(2H, s), 2.16(2H, d), 1.77(4H, t), 1.62-1.58(3H, m), 1.47-0.85(21H, m).
【0084】
【化27】
ジアミンDA−3の合成
4つ口フラスコ中に、化合物9(22.00g, 39.0mmol)、3wt%Pt/C(含水)(6.6g)、及び1,4−ジオキサン(440g)を加え、窒素置換、続く水素置換を行い室温で撹拌を行った。反応をHPLCにて追跡し、反応終了後、触媒をろ過し、ろ液をエバポレーターで濃縮し粗物を得た。得られた粗物を酢酸エチル(100g)で加熱リパルプ洗浄し、ろ過により得られた固体を乾燥しジアミンDA−3を得た(得量11.9g、収率61%)。
1H NMR(CDCl
3, δppm):8.85(1H, d), 8.33(1H, dd), 7.60(1H, dd), 7.98(1H, dd), 7.10(1H, d), 7.05(1H, d), 2.69(2H, s), 2.16(2H, d), 1.77(4H, t), 1.62-1.58(3H, m), 1.47-0.85(21H, m).
【0085】
〔ジアミンDA−4の合成〕
【化28】
化合物11の合成
窒素置換した4つ口フラスコ中に、化合物10(50.00g, 329mmol)、化合物2(82.35g, 329mmol)、及びDMF(250g)を加え、室温で撹拌しながらピロリジン(70.15g, 986mmol)を加えた。その後、100℃で加熱撹拌を行った。反応をHPLCにて追跡し、反応終了後、純水(1.5L)へ反応溶液を注ぎ撹拌を行った。析出した固体をろ過、純水(1L)、2−プロパノール(500g)で順次洗浄し、固体を乾燥し化合物11を得た(得量63.8g、収率50%)。
1H NMR(DMSO-d
6, δppm):9.32(1H, brs), 7.04(1H, d), 6.98(1H, dd), 6.83(1H, d), 2.62(2H, s), ),1.99-1.96(2H, m), 1.74-1.70(4H, m), 1.48-0.805(24H, m).
【0086】
【化29】
化合物12の合成
窒素置換した4つ口フラスコ中に、化合物11(20.00g, 52.0mmol)、トリエチルアミン(5.79g, 57.2mmol)、及びDMF(120g)を加え室温で撹拌を行った。その後、化合物4(10.16g, 54.6mmol)のDMF(40g)溶液を滴下した。反応をHPLCにて追跡し、反応終了後、純水(1L)へ反応溶液を注ぎ、分液により水層を除去した後、有機層を純水(500mL)で4回洗浄し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過、ろ液をエバポレーターで濃縮した。得られたオイル状粗物を2−プロパノール(100g)で加熱撹拌後、室温に冷却し析出した固体をろ過、乾燥し化合物12を得た(得量13.7g、収率48%)。
1H NMR(CDCl
3, δppm):8.85(1H, d), 8.33(1H, dd), 7.60(1H, dd), 7.98(1H, dd), 7.10(1H, d), 7.05(1H, d), 2.69(2H, s), 2.16(2H, d), 1.77(4H, t), 1.62-1.58(3H, m), 1.47-0.85(21H, m).
【0087】
【化30】
ジアミンDA−4の合成
4つ口フラスコ中に、化合物12(10.00g, 30.8mmol)、3wt%Pt/C(含水)(2.00g)、及び1,4−ジオキサン(200g)を加え、窒素置換、続く水素置換を行い室温で撹拌を行った。反応をHPLCにて追跡し、反応終了後、触媒をろ過し、ろ液をエバポレーターで濃縮し粗物を得た。得られた粗物をメタノール(400g)で洗浄し、固体を乾燥しジアミンDA−4を得た(得量8.01g、収率90%)。
1H NMR(CDCl
3, δppm):8.85(1H, d), 8.33(1H, dd), 7.60(1H, dd), 7.98(1H, dd), 7.10(1H, d), 7.05(1H, d), 2.69(2H, s), 2.16(2H, d), 1.77(4H, t), 1.62-1.58(3H, m), 1.47-0.85(21H, m).
【0088】
〔ジアミンDA−5の合成〕
【化31】
化合物13の合成
窒素置換した4つ口フラスコ中に、化合物11(20.00g, 52.0mmol)、トリエチルアミン(6.32g, 62.4mmol)、及びTHF(150g)を加え反応溶液を10℃に冷却し撹拌を行った。その後、化合物6(12.59g, 54.6mmol)のTHF(50g)溶液を滴下した。反応をHPLCにて追跡し、反応終了後、純水(1.2L)へ反応溶液を注ぎ、酢酸エチル(500mL)で2回水層を抽出し、有機層を合わせて硫酸マグネシウムで乾燥した。ろ過後、ろ液をエバポレーターで濃縮し、オイル状の粗物を得た。得られた粗物に酢酸エチル(100g)、ヘキサン(1100g)を加え加熱溶解後、室温撹拌することで析出した固体をろ過、乾燥し化合物13を得た(得量12.79g、収率43%)。
1H NMR(CDCl
3, δppm):8.85(1H, d), 8.33(1H, dd), 7.60(1H, dd), 7.98(1H, dd), 7.10(1H, d), 7.05(1H, d), 2.69(2H, s), 2.16(2H, d), 1.77(4H, t), 1.62-1.58(3H, m), 1.47-0.85(21H, m).
【0089】
【化32】
ジアミンDA−5の合成
4つ口フラスコ中に、化合物13(10.00g, 17.3mmol)、3wt%Pt/C(含水)(2.0g)、及び1,4−ジオキサン(200g)を加え、窒素置換、続く水素置換を行い室温で撹拌を行った。反応をHPLCにて追跡し、反応終了後、触媒をろ過し、ろ液をエバポレーターで濃縮し粗物を得た。得られた粗物をメタノール(40g)で洗浄し、固体を乾燥しジアミンDA−5を得た(得量8.14g、収率91%)。
1H NMR(CDCl
3, δppm):8.85(1H, d), 8.33(1H, dd), 7.60(1H, dd), 7.98(1H, dd), 7.10(1H, d), 7.05(1H, d), 2.69(2H, s), 2.16(2H, d), 1.77(4H, t), 1.62-1.58(3H, m), 1.47-0.85(21H, m).
【0090】
〔ジアミンDA−6の合成〕
【化33】
化合物14の合成
窒素置換した4つ口フラスコ中に、化合物8(11.82g, 57.2mmol)、化合物8(20.00g, 52.0mmol)、及びTHF(160g)を加え40℃で撹拌した。その後、水酸化ナトリウム(2.5g)/純水(80g)水溶液を徐々に滴下し、滴下終了後室温で反応を行った。反応をHPLCにて追跡し、反応終了後、純水(1L)へ反応溶液を注ぎ、ろ過後、得られた粗物をアセトニトリル(230g)で加熱リパルプ洗浄を2回行い、固体を乾燥し化合物14を得た(得量13.5g、収率46%)。
1H NMR(CDCl
3, δppm):8.85(1H, d), 8.33(1H, dd), 7.60(1H, dd), 7.98(1H, dd), 7.10(1H, d), 7.05(1H, d), 2.69(2H, s), 2.16(2H, d), 1.77(4H, t), 1.62-1.58(3H, m), 1.47-0.85(21H, m).
【0091】
【化34】
ジアミンDA−6の合成
4つ口フラスコ中に、化合物14(12.00g, 21.3mmol)、3wt%Pt/C(含水)(3.6g)、及び1,4−ジオキサン(240g)を加え、窒素置換、続く水素置換を行い室温で撹拌を行った。反応をHPLCにて追跡し、反応終了後、触媒をろ過し、ろ液をエバポレーターで濃縮しオイル状の粗物を得た。得られた粗物にメタノール(100g)を加え結晶化させ、ろ過により得られた固体を乾燥しジアミンDA−6を得た(得量6.6g、収率62%)。
1H NMR(CDCl
3, δppm):8.85(1H, d), 8.33(1H, dd), 7.60(1H, dd), 7.98(1H, dd), 7.10(1H, d), 7.05(1H, d), 2.69(2H, s), 2.16(2H, d), 1.77(4H, t), 1.62-1.58(3H, m), 1.47-0.85(21H, m).
【0092】
〔ジアミンDA−7の合成〕
【化35】
化合物16の合成
窒素置換した4つ口フラスコ中に、化合物10(24.25g, 159mmol)、化合物15(29.28g, 159mmol)、及びDMF(120g)を加え、室温で撹拌しながらピロリジン(34.00g, 478mmol)を加えた。その後、100℃で加熱撹拌を行った。反応をHPLCにて追跡し、反応終了後、純水(0.7L)へ反応溶液を注ぎ、酢酸エチル(1L)、ヘキサン(500mL)を加え分液を行った。その後、有機層を純水(1L)で2回洗浄し硫酸マグネシウムで乾燥させ、その後、ろ過ろ液をエバポレーターで濃縮し粗物を得た。得られた粗物にヘキサン(200g)を加え、析出した固体をろ過、乾燥し化合物16を得た(得量49.6g、収率98%)。
1H NMR(DMSO-d
6, δppm):9.32(1H, brs), 7.04(1H, d), 6.98(1H, dd), 6.83(1H, d), 2.62(2H, s), ),1.99-1.96(2H, m), 1.74-1.70(4H, m), 1.48-0.805(24H, m).
【0093】
【化36】
化合物17の合成
窒素置換した4つ口フラスコ中に、化合物16(25.47g, 77.5mmol)、トリエチルアミン(9.40g, 93.0mmol)、及びDMF(130g)を加え室温で撹拌を行った。その後、化合物4(15.1g, 81.4mmol)のDMF(20g)溶液を滴下した。反応をHPLCにて追跡し、反応終了後、純水(0.9L)へ反応溶液を注ぎ、析出した固体をろ過、純水、メタノールで順次洗浄後、固体を乾燥し化合物17を得た(得量35.3g、収率94%)。
1H NMR(CDCl
3, δppm):8.85(1H, d), 8.33(1H, dd), 7.60(1H, dd), 7.98(1H, dd), 7.10(1H, d), 7.05(1H, d), 2.69(2H, s), 2.16(2H, d), 1.77(4H, t), 1.62-1.58(3H, m), 1.47-0.85(21H, m).
【0094】
【化37】
ジアミンDA−7の合成
4つ口フラスコ中に、化合物17(32.00g, 66.0mmol)、3wt%Pt/C(含水)(3.2g)、及び1,4−ジオキサン(480g)を加え、窒素置換、続く水素置換を行い室温で撹拌を行った。反応をHPLCにて追跡し、反応終了後、触媒をろ過し、ろ液をエバポレーターで濃縮しオイル状の粗物を得た。得られた粗物をメタノール(100g)に溶解させ、冷却撹拌することで固体を析出させ、固体をろ過、乾燥しジアミンDA−7を得た(得量27.3g、収率98%)。
1H NMR(CDCl
3, δppm):8.85(1H, d), 8.33(1H, dd), 7.60(1H, dd), 7.98(1H, dd), 7.10(1H, d), 7.05(1H, d), 2.69(2H, s), 2.16(2H, d), 1.77(4H, t), 1.62-1.58(3H, m), 1.47-0.85(21H, m).
【0095】
〔ジアミンDA−8の合成〕
【化38】
化合物18の合成
窒素置換した4つ口フラスコ中に、化合物16(40.00g, 121.7mmol)、トリエチルアミン(14.8g, 146.1mmol)、及びTHF(500g)を加え反応溶液を10℃に冷却し撹拌を行った。その後、化合物6(29.46g, 127.8mmol)のTHF(100g)溶液を滴下した。反応をHPLCにて追跡し、反応終了後、純水(3.5L)へ反応溶液を注ぎ、しばらく室温で撹拌し析出した固体をろ過、純水、2−プロパノールで順次洗浄後、固体を乾燥し化合物18を得た(得量61.75g、収率99%)。
1H NMR(CDCl
3, δppm):8.85(1H, d), 8.33(1H, dd), 7.60(1H, dd), 7.98(1H, dd), 7.10(1H, d), 7.05(1H, d), 2.69(2H, s), 2.16(2H, d), 1.77(4H, t), 1.62-1.58(3H, m), 1.47-0.85(21H, m).
【0096】
【化39】
ジアミンDA−8の合成
4つ口フラスコ中に、化合物18(55.00g, 107.3mmol)、3wt%Pt/C(含水)(5.5g)、及び1,4−ジオキサン(820g)を加え、窒素置換、続く水素置換を行い室温で撹拌を行った。反応をHPLCにて追跡し、反応終了後、触媒をろ過し、ろ液をエバポレーターで濃縮し粗物を得た。得られた粗物を2−プロパノール(390g)で洗浄し、固体を乾燥しジアミンDA−8を得た(得量40.75g、収率84%)。
1H NMR(CDCl
3, δppm):8.85(1H, d), 8.33(1H, dd), 7.60(1H, dd), 7.98(1H, dd), 7.10(1H, d), 7.05(1H, d), 2.69(2H, s), 2.16(2H, d), 1.77(4H, t), 1.62-1.58(3H, m), 1.47-0.85(21H, m).
【0097】
〔ジアミンDA−9の合成〕
【化40】
化合物20の合成
窒素置換した4つ口フラスコ中に、化合物19(25.00g, 100.1mmol)、トリエチルアミン(12.23g, 120.8mmol)、及びTHF(270g)を加え反応溶液を10℃に冷却し撹拌を行った。その後、化合物6(24.37g, 105.7mmol)のTHF(100g)溶液を滴下した。反応をHPLCにて追跡し、反応終了後、純水(3.5L)へ反応溶液を注ぎ、しばらく室温で撹拌し析出した固体をろ過、純水、2−プロパノールで順次洗浄後、固体を乾燥し化合物20を得た(得量42.37g、収率95%)。
1H NMR(CDCl
3, δppm):8.85(1H, d), 8.33(1H, dd), 7.60(1H, dd), 7.98(1H, dd), 7.10(1H, d), 7.05(1H, d), 2.69(2H, s), 2.16(2H, d), 1.77(4H, t), 1.62-1.58(3H, m), 1.47-0.85(21H, m).
【0098】
【化41】
ジアミンDA−9の合成
4つ口フラスコ中に、化合物20(44.00g, 90.41mmol)、3wt%Pt/C(含水)(4.0g)、及び1,4−ジオキサン(600g)を加え、窒素置換、続く水素置換を行い室温で撹拌を行った。反応をHPLCにて追跡し、反応終了後、触媒をろ過し、ろ液をエバポレーターで濃縮しオイル状の粗物を得た。得られた粗物に酢酸エチル(120g)/ヘキサン(300g)を加え激しく撹拌することで固体化させ、固体をろ過、乾燥しジアミンDA−9を得た(得量28.4g、収率82%)。
1H NMR(CDCl
3, δppm):8.85(1H, d), 8.33(1H, dd), 7.60(1H, dd), 7.98(1H, dd), 7.10(1H, d), 7.05(1H, d), 2.69(2H, s), 2.16(2H, d), 1.77(4H, t), 1.62-1.58(3H, m), 1.47-0.85(21H, m).
【0099】
(実施例1)
BODA(1.20g、4.8mmol)、DA-1(2.36g、4.8mmol)、p−PDA(0.39g、3.6mmol)、3AMPDA(0.87g、3.6mmol)をNMP(18.4g)中で溶解し、60℃で5時間反応させた後、CBDA(1.39g、7.1mmol)とNMP(6.1g)を加え、40℃で10時間反応させポリアミック酸溶液を得た。
このポリアミック酸溶液(27g)にNMPを加え6.5質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(4.7g)、及びピリジン(1.5g)を加え、70℃で3時間反応させた。この反応溶液をメタノール(400ml)に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(A)を得た。このポリイミドのイミド化率は72%であり、数平均分子量は12000、重量平均分子量は53000であった。
得られたポリイミド粉末(A)(3.0g)にNMP(22.0g)を加え、70℃にて20時間攪拌して溶解させた。この溶液に3AMP(1wt%NMP溶液)3.0g、NMP(2.0g)、BCS(20.0g)を加え、室温で5時間攪拌することにより液晶配向剤(A1)を得た。
【0100】
(実施例2)
BODA(1.60、 6.4mmol)、DA−2(3.23g、6.4mmol)、3AMPDA(1.16g、4.8mmol)、及びp−PDA(0.52g、4.8mmol)をNMP(25.0g)中で溶解し、60℃で5時間反応させた後、CBDA(1.85g、9.4mmol)とNMP(8.3g)を加え、40℃で10時間反応させポリアミック酸溶液を得た。
このポリアミック酸溶液(38g)にNMPを加え6.5質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(6.6g)、及びピリジン(2.0g)を加え、70℃で3時間反応させた。この反応溶液をメタノール(500ml)に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(B)を得た。このポリイミドのイミド化率は73%であり、数平均分子量は14000、重量平均分子量は44000であった。
得られたポリイミド粉末(B)(6.0g)にNMP(44.0g)を加え、70℃にて20時間攪拌して溶解させた。この溶液に3AMP(1wt%NMP溶液)6.0g、NMP(4.0g)、BCS(40.0g)を加え、室温で5時間攪拌することにより液晶配向剤(B1)を得た。
【0101】
(実施例3)
BODA(5.00g、20.0mmol)、DBA(6.09g、40.0mmol)、3AMPDA(7.27g、30.0mmol)、及びDA−10(11.42g、30.0mmol)をNMP(136.5g)中で溶解し、60℃で3時間反応させた後、PMDA(4.36g、48.5mmol)とCBDA(11.37g、58.0mmol)とNMP(45.51g)を加え、40℃で10時間反応させポリアミック酸溶液を得た。
【0102】
このポリアミック酸溶液(180g)にNMPを加え6.5質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(40.0g)、及びピリジン(12.4g)を加え、50℃で3時間反応させた。この反応溶液をメタノール(2300ml)に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(C)を得た。このポリイミドのイミド化率は78%であり、数平均分子量は9000、重量平均分子量は20000であった。
【0103】
得られたポリイミド粉末(C)(6.0g)にNMP(44.0g)を加え、70℃にて20時間攪拌して溶解させた。この溶液に3AMP(1質量%NMP溶液)6.0g、NMP(4.0g)、BCS(40.0g)を加え、室温で5時間攪拌することにより液晶配向剤(C1)を得た。
上記実施例1で得られた液晶配向剤(A1)を第1成分として5.0g、上記で得られた液晶配向剤(C1)を第2成分として5.0gを混合し、1時間撹拌することにより液晶配向剤(A2)を調製した。
【0104】
(実施例4)
実施例1で得られた液晶配向剤(B1)を第1成分として5.0g、上記実施例3の第2成分として使用したのと同じ液晶配向剤(C1)を第2成分として5.0gを混合し、1時間撹拌することにより液晶配向剤(B2)を調製した。また、クロムを蒸着したガラス基板に実施例1〜4で得られた液晶配向剤(A1、A2、B1、B2)をそれぞれ30mg滴下し、温度25℃、相対湿度65%の恒温恒湿下に30分間静置した。その後、液晶配向剤に含まれる重合体が凝集や析出による白化を起こしておらず、白化凝集耐性も良好であることを確認した。
【0105】
(比較例1)
BODA(4.00、16.0mmol)、DA−10(6.09g、16.0mmol)、3AMPDA(2.91g、12.0mmol)、及びp−PDA(1.30g、12.0mmol)をNMP(56.5g)中で溶解し、60℃で5時間反応させた後、CBDA(4.59g、23.4mmol)とNMP(18.9g)を加え、40℃で10時間反応させポリアミック酸溶液を得た。
【0106】
このポリアミック酸溶液(85g)にNMPを加え6.5質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(16.0g)、及びピリジン(5.0g)を加え、70℃で3時間反応させた。この反応溶液をメタノール(1100ml)に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(D)を得た。このポリイミドのイミド化率は73%であり、数平均分子量は13000、重量平均分子量は39000であった。
得られたポリイミド粉末(D)(6.0g)にNMP(44.0g)を加え、50℃にて5時間攪拌して溶解させた。この溶液に3AMP(1wt%NMP溶液)6.0g、NMP(4.0g)、BCS(40.0g)を加え、室温で5時間攪拌することにより液晶配向剤(D1)を得た。
【0107】
(比較例2)
比較例1で得られた液晶配向剤(D1)を第1成分として5.0g、実施例3で得られた液晶配向剤(C1)を第2成分として5.0gを混合し、1時間撹拌することにより液晶配向剤(D2)を調製した。
【0108】
上記で製造した液晶配向剤A1、B1、C1、D1について仕様について、表1に示す。
【表1】
【0109】
(実施例5:液晶セルの作製)
実施例1で得られた液晶配向剤(A1)を用いて下記に示すような手順で液晶セルの作製を行った。液晶配向剤(A1)を、画素サイズが100μm×300μmでライン/スペースがそれぞれ5μmのITO電極パターンが形成されているITO電極基板のITO面にスピンコートし、80℃のホットプレートで90秒間乾燥した後、200℃の熱風循環式オーブンで30分間焼成を行い、膜厚100nmの液晶配向膜を形成した。
また、液晶配向剤(A1)を電極パターンが形成されていないITO面にスピンコートし、80℃のホットプレートで90秒乾燥させた後、200℃の熱風循環式オーブンで30分間焼成を行い、膜厚100nmの液晶配向膜を形成した。
【0110】
上記の2枚の基板について一方の基板の液晶配向膜上に、直径4μmのビーズスペーサー(日揮触媒化成社製、真絲球、SW−D1)散布した後、その上からシール剤(溶剤型熱硬化タイプのエポキシ樹脂)を印刷した。次いで、もう一方の基板の液晶配向膜が形成された側の面を内側にして、先の基板と貼り合せた後、シール剤を硬化させて空セルを作製した。この空セルにPSA用の重合性化合物を含有するネガ型液晶MLC-3023(メルク社製商品名)を減圧注入法によって注入し、液晶セルを作製した。
得られた液晶セルの応答速度を、下記方法により測定した。その後、この液晶セルに15VのDC電圧を印加した状態で、この液晶セルの外側から波長365nmのバンドパスフィルターを通したUVを10J/ cm
2照射した。その後、再び応答速度を測定し、UV照射前後での応答速度を比較した。また、UV照射後のセルについて画素部分のプレチルト角を測定した。結果を表2に示す。
【0111】
「応答速度の測定方法」
バックライト、クロスニコルの状態にした一組の偏光版、光量検出器の順で構成される測定装置を使用し、一組の偏光版の間に液晶セルを配置した。このときライン/スペースが形成されているITO電極のパターンがクロスニコルに対して45°の角度になるようにした。そして、上記の液晶セルに電圧±7V、周波数1kHzの矩形波を印加し、光量検出器によって観測される輝度が飽和するまでの変化をオシロスコープにて取り込み、電圧を印加していない時の輝度を0%、±7Vの電圧を印加し、飽和した輝度の値を100%として、輝度が10%から90%まで変化するのにかかる時間を応答速度とした。
「プレチルト角の測定」
LCDアナライザー(名菱テクニカ社製LCA-LUV42A)を使用して測定した。
【0112】
(実施例6〜8、比較例3、4)
実施例5において、液晶配向剤(A1)の代わりに、表2に示される、液晶配向剤(B1)、(A2)、(B2)、(D1)又は(D2)を用いた以外は実施例5と同様に、実施例6〜8及び比較例3、4の操作を行って、UV照射前後での応答速度、及びプレチルト角の測定を行なった。結果を表2にまとめて示した。
【0113】
【表2】
【0114】
表2に示されるように、4-クロマノン構造を側鎖に含有する垂直配向側鎖を導入した実施例5〜8では365nmの長波長の照射でもチルト角を発現することが確認された。一方、ポリマー中に4-クロマノン構造を含まない比較例においては液晶配向膜中に重合性化合物が含まれていても充分なチルト角を発現することはできなかった。
これはPSAで使用する重合性化合物自体が365nmの紫外線をほとんど吸収しないため、光反応を促進する部位を有さない液晶配向膜では重合反応が充分に進行しなかったためであると考えられる。