【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によるポンプは、
ポンプ本体と、
前記ポンプ本体に取り付けられた犠牲陽極と、
前記ポンプ本体の電位の変化を検知する電位センサと、
を備え、
前記犠牲陽極は、表面の一部が外部に露出された第1部分と、前記第1部分に対して前記露出された面とは反対側に配置された第2部分と、を有し、
前記第1部分が腐食により消耗されることにより、前記第2部分の表面の一部が外部に露出されるようになっており、
前記第2部分の表面の一部が外部に露出された状態における犠牲陽極の溶出挙動は、前記第1部分の表面の一部が外部に露出された状態における犠牲陽極の溶出挙動とは異なる。
【0008】
本発明によれば、犠牲陽極の第1部分が腐食により消耗されることにより、第2部分の表面の一部が外部に露出されるようになっており、第2部分の表面の一部が外部に露出された状態における犠牲陽極の溶出挙動は、第1部分の表面の一部が外部に露出された状態における犠牲陽極の溶出挙動とは異なるため、第1部分が溶液中に露出されている時と第1部分が消耗されて第2部分が溶液中に露出されている時とでは、ポンプ本体の電位が異なる。したがって、第1部分が消耗されて第2部分が露出されたこと、すなわち犠牲陽極の消耗量を、電位センサの検知結果に基づいて外部から確認することができる。これにより、適切なタイミングで犠牲陽極を交換することが可能となる。
【0009】
本発明によるポンプにおいて、
前記第1部分の外部に露出された面と平行な断面において、前記第2部分は、前記第1部分とは異なる断面積を有してもよい。
【0010】
このような態様によれば、第2部分の表面の一部が外部に露出された状態における犠牲陽極の溶出挙動を、第1部分の表面の一部が外部に露出された状態における犠牲陽極の溶出挙動と異ならせることができる。
【0011】
本発明によるポンプにおいて、
前記第2部分は、前記第1部分とは異なる種類の金属からなってもよい。
【0012】
このような態様によっても、第2部分の表面の一部が外部に露出された状態における犠牲陽極の溶出挙動を、第1部分の表面の一部が外部に露出された状態における犠牲陽極の溶出挙動と異ならせることができる。
【0013】
本発明によるポンプにおいて、
前記犠牲陽極は、前記第2部分に対して前記第1部分とは反対側に配置された第3部分をさらに有し、
前記第2部分が腐食により消耗されることにより、前記第3部分の表面の一部が外部に露出されるようになっており、
前記第3部分の表面の一部が外部に露出された状態における犠牲陽極の溶出挙動は、前記第2部分の表面の一部が外部に露出された状態における犠牲陽極の溶出挙動とは異なってもよい。
【0014】
このような態様によれば、第1部分が消耗されて第2部分が露出されたことに加えて、第2部分が消耗されて第3部分が露出されたことも、電位センサの検知結果に基づいて外部から確認することができる。すなわち犠牲陽極の消耗量を2段階で外部から確認することができる。これにより、たとえば1段階目の確認ではポンプを停止せずに交換用の犠牲陽極の手配を行い、2段階目の確認ではポンプを停止して犠牲陽極の交換作業を行うなど、より適切なタイミングで犠牲陽極を交換することが可能となる。
【0015】
本発明によるポンプにおいて、
前記第3部分の表面の一部が外部に露出された状態における犠牲陽極の溶出挙動は、前記第1部分の表面の一部が外部に露出された状態における犠牲陽極の溶出挙動と同じであってもよい。
【0016】
このような態様によれば、第1部分の消耗速度と第3部分の消耗速度が同じになるので、第1部分が消耗されるまでの時間と、露出された面に対して垂直な腐食方向における第1部分の長さと、腐食方向における第3部分の長さと、に基づいて、第3部分が消耗されるまでの時間、すなわち第3部分の余寿命を予測することが可能となる。
【0017】
本発明によるポンプにおいて、
前記第3部分は、前記第1部分と同じ種類の金属からなり、
前記第1部分の外部に露出された面と平行な断面において、前記第3部分は、前記第1部分と同じ断面積を有してもよい。
【0018】
このような態様によれば、第3部分の表面の一部が外部に露出された状態における犠牲陽極の溶出挙動を、第1部分の表面の一部が外部に露出された状態における犠牲陽極の溶出挙動と同じにすることができる。
【0019】
本発明によるポンプは、
前記電位センサの検知結果に基づいて、前記第1部分が消耗されて前記第2部分が露出されたこと、および前記第2部分が消耗されて前記第3部分が露出されたこと、を検出する情報処理部をさらに備え、
前記情報処理部は、前記第1部分が消耗されるまでの時間と、前記露出された面に対して垂直な腐食方向における前記第1部分の長さと、前記腐食方向における前記第3部分の長さと、に基づいて、前記第3部分が消耗されるまでの時間を予測してもよい。
【0020】
このような態様によれば、情報処理部の動作により、第3部分が消耗されるまでの時間、すなわち第3部分の余寿命を自動的に予測することが可能である。
【0021】
本発明による犠牲陽極の余寿命予測方法は、
ポンプ本体に取り付けられた犠牲陽極の余寿命を予測する方法であって、
前記犠牲陽極は、表面の一部が外部に露出された第1部分と、前記第1部分に対して前記露出された面とは反対側に配置された第2部分と、前記第2部分に対して前記第1部分とは反対側に配置された第3部分と、を有し、
前記第1部分が腐食により消耗されることにより、前記第2部分の表面の一部が外部に露出されるようになっており、
前記第2部分が腐食により消耗されることにより、前記第3部分の表面の一部が外部に露出されるようになっており、
前記第2部分の表面の一部が外部に露出された状態における犠牲陽極の溶出挙動は、前記第1部分の表面の一部が外部に露出された状態における犠牲陽極の溶出挙動とは異なり、
前記第3部分の表面の一部が外部に露出された状態における犠牲陽極の溶出挙動は、前記第1部分の表面の一部が外部に露出された状態における犠牲陽極の溶出挙動と同じであり、
前記ポンプ本体の電位の変化を検知する電位センサの検知結果に基づいて、前記第1部分が消耗されて前記第2部分が露出されたこと、および前記第2部分が消耗されて前記第3部分が露出されたこと、を検出し、
前記第1部分が消耗されるまでの時間と、前記露出された面に対して垂直な腐食方向における前記第1部分の長さと、前記腐食方向における前記第3部分の長さとに基づいて、前記第3部分が消耗されるまでの時間を予測する。
【0022】
本発明による犠牲陽極は、
前記ポンプ本体に取り付けられる犠牲陽極であって、
表面の一部が外部に露出された第1部分と、前記第1部分に対して前記露出された面とは反対側に配置された第2部分と、を有し、
前記第1部分が腐食により消耗されることにより、前記第2部分の表面の一部が外部に露出されるようになっており、
前記第2部分の表面の一部が外部に露出された状態における犠牲陽極の溶出挙動は、前記第1部分の表面の一部が外部に露出された状態における犠牲陽極の溶出挙動とは異なる。
【0023】
本発明による犠牲陽極において、
前記第1部分の外部に露出された面と平行な断面において、前記第2部分は、前記第1部分とは異なる断面積を有してもよい。
【0024】
本発明による犠牲陽極において、
前記第2部分は、前記第1部分とは異なる種類の金属からなってもよい。
【0025】
本発明による犠牲陽極において、
前記犠牲陽極は、前記第2部分に対して前記第1部分とは反対側に配置された第3部分をさらに有し、
前記第2部分が腐食により消耗されることにより、前記第3部分の表面の一部が外部に露出されるようになっており、
前記第3部分の表面の一部が外部に露出された状態における犠牲陽極の溶出挙動は、前記第2部分の表面の一部が外部に露出された状態における犠牲陽極の溶出挙動とは異なってもよい。
【0026】
本発明による犠牲陽極において、
前記第3部分の表面の一部が外部に露出された状態における犠牲陽極の溶出挙動は、前記第1部分の表面の一部が外部に露出された状態における犠牲陽極の溶出挙動と同じであってもよい。
【0027】
本発明による犠牲陽極において、
前記第3部分は、前記第1部分と同じ種類の金属からなり、
前記第1部分の外部に露出された面と平行な断面において、前記第3部分は、前記第1部分と同じ断面積を有してもよい。