(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記瞳絞り、前記視野絞り、またはその両方は、前記計測システムの集束光路において、信号対混入測定基準が最大化される1つ以上の位置に配置されている、請求項1に記載の計測システム。
さらに、瞳絞りに、計測ターゲットのエッジから回折された光に関連する光線を遮蔽するように瞳絞りの開口の領域を調節させる第1のコマンド信号を瞳絞りに通信し、視野絞りに、集束光学素子サブシステムの光学機械要素との望ましくない光相互作用に関連する光線を遮蔽するために視野絞りの開口の領域を調節させる第2のコマンド信号を視野絞りに通信する、または、第1と第2のコマンド信号両方を通信するように構成されたコンピューティングシステムを備えた、請求項1に記載の計測システム。
【背景技術】
【0002】
関連出願の相互参照
本特許出願は、米国特許法第119条の下で、2016年1月22日に出願された、「Methods of Improved Spot Size Capability in Single Wavelength Ellipsometry」というタイトルの米国仮特許出願第62/286,279号の優先権を主張し、同仮特許出願の内容は、全体の参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
ロジックおよびメモリデバイスなどの半導体デバイスは、典型的には、試験片に適用される一連の処理ステップにより製造される。半導体デバイスの様々なフィーチャおよび多数の構造的レベルは、これらの処理ステップにより形成される。例えば、とりわけリソグラフィーは、半導体ウェハ上にパターンを生成することを含む1つの半導体製造プロセスである。半導体製作プロセスの付加的な例は、化学機械研磨、エッチング、堆積、およびイオン注入を含むが、これらに限定されない。多数の半導体デバイスが、単一の半導体ウェハ上に製作され、次に、個々の半導体デバイスに分離されてよい。
【0004】
計測プロセスは、ウェハ上の欠陥を検出してより高い収率を促進するために、半導体の製造プロセスにおける様々なステップで使用される。光学的計測技法は、試料を損壊するリスクなしで高スループットの可能性を提供する。光散乱計測および光反射計測の実装および関連する分析アルゴリズムを含むいくつかの光学的計測に基づく技法が、ナノスケール構造のクリティカルディメンション、膜厚、組成、オーバーレイおよびその他のパラメータを特性評価するために一般的に用いられる。
【0005】
半導体デバイスの進行中のフィーチャサイズの縮小化、形状の複雑さの増加および、より多様な材料組成が、プロセス開発およびプロセス監視のために頼られる光学的計測システムに、より困難な要求を課している。デバイス性能要求を達成するために、シリコンウェハ上に形成される薄膜(例えば、酸化物、窒化物、金属層等)の厚さと組成は、半導体デバイス製造プロセス中に正確に制御されなければならない。
【0006】
単波長エリプソメトリー(SWE)に基づく測定技法およびシステムは、薄膜の特性を測定するために用いられることが多い。SWEシステムは、モデルベースの測定技法を用いて、膜構造の物理的特性を、測定対称の構造から反射した光の偏光特性に基づいて決定する。例示的計測システムおよび技法は、全てKLA−Tencor Corporationに譲渡された、2004年5月11日に発行された特許文献1、2006年2月28日に発行された特許文献2、および2007年8月7日に発行された特許文献3に詳細に記載されており、各特許文献の内容はそれら全体の参照により本明細書に組み込まれる。
【0007】
多くの先進的膜測定用途において、SWEシステムはそれらの優秀な測定再現性と光学的安定性によって好まれている。単波長偏光源は一定の光出力と優れた波長安定性を提供する。SWEシステムは、同じまたは異なる製造設備内での多数のツール間での優れた計測装置間マッチング(tool−to−tool matching)性能を発揮する。これは、多数のSWEシステムにわたるエリプソメトリーモデル、測定レシピおよび光定数の共有を可能にする。
【0008】
しかしながら、SWEシステムによって用いられる光源は、例えば数十メートル程度の大きなコヒーレンス長を呈する。これは、システム性能に有害となり得る測定信号の大きなコヒーレンスアーチファクトにつながる。コヒーレンスに基づくアーチファクトは多くの異なる状況で生起する。一例では、計測ターゲットのエッジから回折した光は、計測ターゲットの境界内部からの反射光と、計測ターゲット外部から反射した光の間の伝播路に沿った干渉につながる。別の例では、光学素子の表面からの偶数の反射間での干渉によってゴースト像が発生する。別の例では、光学的面粗さおよびコーティング、粒子汚染物、黒色表面処理および光学機械構造とのその他の光相互作用によって測定データへの混入が生じる。
【0009】
混入が生じた光は測定ターゲットボックスに関する情報のみを伝播しない。SWEシステムによって少量でも混入光が検出されると、それが測定誤差に寄与する。所与の厚さ測定誤差公差内で測定され得る最小ターゲットサイズは多くの場合「スポットサイズ」と呼ばれる。測定スポットサイズは検出された混入光の関数である。検出された混入光の量が多くなればなるほど、所与の厚さ誤差基準に関して、より大きい「スポットサイズ」が測定される。いくつかの例では、合理的なスポットサイズに関する測定誤差仕様に見合うためには、混入光レベルは検出光の10
−5未満でなければならない。スポットサイズ要求と測定誤差要求が厳しくなり続けるにつれ、混入光のさらなる減少が必要とされる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
ここで、その例が添付図面に示されている、本発明の背景となる例およびいくつかの実施形態について詳細に言及する。
【0020】
単波長エリプソメトリー(SWE)測定を、縮小した測定スポットサイズで実行するための方法およびシステムが本明細書で提示される。測定スポットサイズの縮小は、1)SWEシステムの瞳面付近の位置に集光路に配置された瞳絞りと、2)SWEシステムのウェハ面と共役の像面付近の位置に集束光路に配置された視野絞りと、3)照明源とSWEシステムのウェハの間に配置された、薄型で高消光比のナノ粒子系偏光素子を含むリニア偏光子、またはそれらの任意の組み合わせを含むことによって達成される。測定スポットサイズの縮小は、より正確な薄膜測定と、増強された計測装置間マッチング性能を可能にする。いくつかの例において、400マイクロメートルから40マイクロメートルにわたる測定スポットサイズでの薄膜測定に関して0.02オングストロームの計測装置間マッチング仕様が達成される。
【0021】
単波長エリプソメータは、改善されたビーム品質で、また、ターゲットエッジ回折効果および望ましくない光学的−構造的相互作用への低減した感応性で、薄膜測定を実行する。SWEシステムは、集束瞳面付近の開口と、ウェハ面と共役の像面付近の開口と、薄型のナノ粒子系偏光素子を含むリニア偏光子のうちいずれかを含むように構成される。各素子は、注目すべきパラメータに対する測定感度、測定精度およびシステムマッチングを最適化するように選択される。ナノ粒子系偏光素子は照明ビーム品質を改善してウェハ面上の非点収差を低減する。瞳開口と視野開口は遮光を提供し、測定ターゲットの外部から回折または反射した不要な集束光が検出器に達する前に有効に吸収する。その結果、小型の測定ターゲット(例えば、40μm×40μmターゲット)に対する薄膜測定精度が大きく増強される。
【0022】
図1は、縮小した測定スポットサイズを有する例示的SWEシステム100を描写する。SWEシステム100は、ウェハ115に入射する照明光ビーム114を生成する照明源110を含む。照明光ビーム114は、ビームが照明源110からウェハ115に伝播するにつれ、薄型のナノ粒子系高消光比入力ビーム偏光素子111、照明光学素子112、および楕円偏光素子113(例えば、四分の一波長板補償器、位相子等)を含むリニア偏光子を通過する。照明源110とウェハ115の間の素子群は照明光学素子サブシステムの一部である。ビーム114は、測定スポット116を含むウェハ115の部分を照明する。集束光ビーム117が測定スポット116から集束される。集束光117は、補償器118(例えば、四分の一波長板補償器、位相子等)、集束瞳絞り120、集束視野絞り121および検光子素子122を含む集束光学素子119を通過する。集束光ビーム117は検出器123の表面に入射する。ウェハ115と検出器123の間の素子は集束光学素子サブシステムの一部である。
【0023】
一例において、検出器123は光起電検出器である。しかしながら、一般に、他の検出器技術が想定されてよい(例えば、位置感応性検出器(PSD)、赤外検出器、電荷結合素子(CCD)等)。検出器123は、集束光を、集束光の強度を示す電気信号125に変換する。測定スポット116から集束された光は、検出器123に、検出スポット124の上に射影される。この意味で、測定スポット116は、最終的に検出器123の表面上に射影される集束光の部分の起源となるウェハ上の位置を含む。
【0024】
コンピューティングシステム130は測定信号125を受信して、計測ターゲットの注目すべきパラメータのモデルベースの測定を測定信号125に基づいて実行する。
【0025】
図1に描写されるように、照明光ビーム114は、ウェハ115の表面に斜角で提供される。一般的に、照明光はウェハ115の表面に任意の斜角または任意の個数の斜角で提供されてよい。
【0026】
照明光ビーム114は狭帯域照明光である。一例において、狭帯域照明光は極狭帯域(例えば、サブナノメートル範囲の波長)で約632.8ナノメートルの中心波長を有する。いくつかの例において、狭帯域光源の発光スペクトルはレーザー(例えば、ヘリウム−ネオンレーザー)によって生成される。しかしながら、一般的に、本特許明細書の範囲内で任意の適切な狭帯域照明源が想定されてよい。
【0027】
図1に描写されるように、Z軸はウェハ115の表面に対して垂直に向いている。X軸とY軸はウェハ115の表面と共面であり、したがってZ軸に対して直角である。照明光ビーム114の主光線126と、集束光ビーム117の主光線127がXY面に対して直角な入射面を画定する。照明光ビーム114は、Z軸に対して入射角AOIでウェハ115の表面に入射し、入射面X′Z内にある。入射面は、ウェハ116に固定された座標フレームXYに対して方位角Azで配向している。
【0028】
照明光ビームの、試験片の表面への斜角での幾何射影は、入射面と揃った方向での照明ビーム断面を伸長する。非限定的な例として、ウェハ表面に射影された円形照明光ビームは楕円形状の照明域をもたらす。したがって、一般的に、表面の斜めの照明は、その照明の断面に対して伸長した射影の領域をもたらし、伸長の方向は入射面に揃っている。さらに、伸長の規模は、入射角が増加するにつれ増加する。より詳細には、回折および収差の効果がない場合、ビーム形状は入射面の方向において入射角のコサインに反比例する。
【0029】
図2は、ウェハ115上に配置された計測ターゲット128の中心付近に中心決めされたウェハ面での放射照度のシミュレーションを示すプロットを描写している。入射ビーム(例えば、ガウシアンビームプロファイルを有するビーム)は、計測ターゲットならびに計測ターゲットを包囲する領域を示す。計測ターゲット128の境界(例えば、薄膜パッド)が図示されている。計測ターゲット128の境界内に存在する放射照度はI
inと標示されている。計測ターゲット128の境界外に存在する放射照度はI
outと標示されている。
図2に描写されるように、計測ターゲットは正方形の形状であり、40マイクロメートル×40マイクロメートルの寸法を有する。
【0030】
天文観測用途でのコロナグラフ測定と同様に、照明光はターゲットのエッジの辺りで回折する。いくつかの例において、照明光のターゲットエッジでの回折は、射影像に望ましくない光背をもたらす。光背の影響の厳密な物理的実現は、ターゲットの射影形状とサイズに依存する。しかし、この回折光は計測ターゲットの内部から発生する光に干渉して厚さの測定に誤差を生じさせる。
【0031】
一態様において、SWEシステム100の集束光学素子の瞳面付近の集束光ビーム内に円形開口が配置されている。
図1に描写される実施形態において、集束光学素子119は集束対物レンズと一体化された瞳絞り120を含む。描写された実施形態において、瞳絞り120は円形開口を有する透明でない構造を含み、その開口を介して光が自由に通過できる。
【0032】
1つの好ましい実施形態において、瞳絞り120は集束光学素子の瞳面内に配置されている。この位置において、計測ターゲットの内部から発生する光と計測ターゲットの外部から発生する光の間に最大の分離がある。この位置において、瞳絞り120は望ましくない光を遮ることにおいて最も有効である。さらに、光の集束ビームはこの位置において最大範囲を有する。
【0033】
集束光の光学軸に沿った任意の平面での総放射照度I(r)は、式(1)によって表され、
I(r)=I
in+I
out+I
int (1)
式中、I
inは計測ターゲットの内部の光から発生する放射照度であり、I
outは計測ターゲットの外部の光から発生する放射照度であり、I
intは式(2)によって表される、計測ターゲットの内部の光と、計測ターゲットの外部の光との干渉から発生する放射照度であり、
【数1】
式中、
【数2】
は各波の偏光ベクトルであり、
【数3】
であり、φ
Δは、コンポーネント間の位相差であり、
【数4】
である。最悪のケースシナリオを想定すると、計測ターゲット内部の光に関連する偏光ベクトルと、計測ターゲット外部の光に関連する偏光ベクトルは等しくなるように設定される。
【数5】
【0034】
式(3)は、混入信号(例えば、計測ターゲット領域外から発生する信号および干渉信号)に対する所要信号の(すなわち、計測ターゲット領域内から発生する信号)の、集束光の光学軸(すなわち、光学Z軸)に沿った位置の関数としての割合を規定する信号対混入測定基準(SCR)を表す。
【数6】
【0035】
光路に沿ったSCRの最高値の位置を特定するためにサーチが実行される。一部の実施形態においてSCRの最高値の位置は、所要信号と混入信号の間の最大分離がある位置に配置され、その位置は、開口等の物理的遮光デバイスが、所要信号の遮蔽は最小でありながら混入信号を遮蔽するのに最も有効である。一例において、望ましくない信号混入の源として干渉のみが含まれる。バビネットの原理(Babinet’s Principle)によれば、開口からの回折界は、セグメントに分解されて、モデリング目的のため別々に伝播される。
【0036】
図3は、計測ターゲットの内部から発生する光による集束瞳面での集束ビームの放射照度分布のシミュレーションを示すプロット160を描写する。
【0037】
図4は、計測ターゲットの外部から発生する光による集束瞳面での集束ビームの放射照度分布のシミュレーションを示すプロット165を描写する。
【0038】
図3に表された信号は望ましいものであって検出されるべきであるが、それに対し
図4に表された信号は望ましくなく、検出前に除去されるべきである。
【0039】
瞳面に結像するときに計測ターゲット128から回折する光は再分配されて、
図4に示すように瞳面のエッジ付近に集中する。したがって、この位置で高いSCRが得られる。ビームの周囲で集中した望ましくない信号は、比較的大きい開口(例えば、ミリメートル程度)を有する瞳絞りによって除去される。集束光源の放射照度分布はウェハ面に最も空間的に集中している。したがって、エッジ回折効果は、比較的小型の計測ターゲットに関して最も顕著である。こうして、これらの効果を軽減するための瞳絞りの使用は、比較的小型の計測ターゲットに関して最も有効である。
【0040】
図5は、計測ターゲットの内部から発生する光による集束像面での集束ビームの放射照度分布のシミュレーションを示すプロット170を描写する。
【0041】
図6は、計測ターゲットの外部から発生する光による集束像面での集束ビームの放射照度分布のシミュレーションを示すプロット175を描写する。
【0042】
図7は、計測ターゲットの内部から発生する光と計測ターゲットの外部から発生する光の間の干渉による、集束像面での集束ビームの放射照度分布のシミュレーションを示すプロット180を描写する。
【0043】
図5は、検出されるべき所要の光の結像を描写する。しかしながら、
図6および7に描写されるように、エッジ回折および干渉による望ましくない光は、所要の光から、集束光学素子の像面で単純な方式では空間的に分離されない。したがって、低いSCRがこの位置で得られる。このため、像面に配置された開口は、計測ターゲットのエッジでの回折によって誘起される不要な光信号を遮るのに有効でない。
【0044】
別の態様において、SWEシステムの集束光学素子の像面付近の集束光路に長方形の視野絞りが含まれている。
図1に描写される実施形態において、視野絞り121は像面内に検光子122の手前に配置されている。描写された実施形態において、視野絞り121は、長方形の開口を有する透明でないプレートを含み、長方形の開口を介して光が自由に通過する。
【0045】
中間像において集束光路に配置された視野絞りは、視野外の光が検出器に達することを防止する。一例において、視野絞りは、集束光ビームとビーム経路内の光学機械素子との間の相互作用から発生する迷光を除去する。これらの相互作用は典型的に、集束光ビームの周りの比較的大きな半径の環として現れる。この特定の顕現は、ビーム経路内の光学素子の対称な円筒形ハウジングによるものである。
【0046】
集束光ビームとビーム経路内の光学機械素子の間の相互作用から発生する迷光は、より大型のターゲットの測定において特に優勢である。一例において、集束対物レンズの像面へのターゲットの像の射影は測定ターゲットサイズに基づいて決まる。視野絞り開口のサイズは、集束対物レンズの倍率に基づいて計算される。
【0047】
図8は、フィルタリングのない場合の集束対物レンズとの共役面での照明ビームの測定を示すプロット185を描写している。
図8に示すように、迷光は、光ビームの周りの環128として像内に現れる。
【0048】
図9は、適切なサイズの視野絞りが、本明細書に記載されるような集束光路に配置されている場合の、集束対物レンズとの共役面での照明ビームを示すプロット190を描写している。
図9に示すように、視野絞りは、計測ターゲットの外部から反射した不要な光をフィルタして除く。
【0049】
別の態様において、SWEシステムの照明光路内で照明源といずれかの楕円偏光素子の間に配置されるリニア偏光子は、薄型で高消光比のナノ粒子系偏光素子を含む。
図1に描写される実施形態において、薄型ナノ粒子系偏光素子111は、照明光路内で、照明源110よりは後であるが楕円偏光子113より手前に配置されている。そのため、偏光素子111は、時として、測定目的のために照明ビームに基準偏光を加えるために用いられる楕円偏光子というよりは、入力ビームを調整するために用いられる入力ビーム偏光子と呼ばれる。
図1に描写される実施形態において、薄型ナノ粒子系偏光素子111は、透過軸に対して垂直に偏光される光を吸収する。偏光は、ケイ酸ナトリウムに埋め込まれた球状楕円ナノ粒子によって薄型ナノ粒子系偏光素子111内に生成される。例示的な薄型ナノ粒子ベースの偏光子は、米国ニュージャージー州ニュートンのThorlabs,Inc.から入手可能である。
【0050】
薄型のナノ粒子ベースの偏光子は、従来型グラントムソン(Glan−Thompson、GT)と同程度の消光比を提供し、また、従来型のポリマー系構成要素と比べてかなり高い損傷閾値を提供する。一部の実施形態において、薄型ナノ粒子系偏光素子111は約200マイクロメートルの厚さであり、それに対し、匹敵するGT偏光子は約10ミリメートルの厚さである。薄型偏光子は、より良い収差制御を提供し、薄型ナノ粒子系偏光子の屈折率は入射角に依存しない。これは、光学系の非点収差の大きな低減につながり、したがって、縮小されたスポットサイズ能力につながる。対照的に、従来型のGT偏光子構成は、屈折によりビーム偏光を分離するが、正常波率は一定であるのに対し、異常光線屈折率は角度依存性がある。これは、収差をもたらし、ビーム品質の低下をもたらす。
【0051】
図10は、従来型のSWEシステムの場合の、異なる焦点面オフセット距離で得られた測定スポットサイズを示すプロット191を描写している。プロットライン192は、種々の焦点面オフセット距離に関する、
図1に描写されたX′方向におけるウェハ面での測定スポットサイズを示す。プロットライン193は、種々の焦点面オフセット距離に関する、
図1に描写されたY′方向におけるウェハ面での測定スポットサイズを示す。プロット191は、従来型GT偏光子を用いてSWEシステムから収集された実験データに基づいて生成される。非点収差効果により、X′方向およびY′方向において測定された最小スポットサイズは、異なる焦点面オフセットでそれらの最小サイズに達する。したがって、両方向において測定スポットサイズを最小にする焦点面オフセットを選択することは不可能である。
【0052】
図11は、SWEシステム100等のナノ粒子系入力ビーム偏光子を組み込んだSWEシステムの場合の、異なる焦点面オフセット距離で得られた測定スポットサイズを示すプロット194を描写する。プロットライン195は、種々の焦点面オフセット距離に関する、
図1に描写されたX′方向におけるウェハ面での測定スポットサイズを示す。プロットライン196は、種々の焦点面オフセット距離に関する、
図1に描写されたY′方向におけるウェハ面での測定スポットサイズを示す。このシナリオでは、X′方向およびY′方向において測定された最小スポットサイズは、ほぼ同じ焦点面オフセット(すなわち、
図11に描写されるように、約15マイクロメートルの焦点面オフセット)でそれらの最小サイズに達する。したがって、測定スポットサイズを両方向で最小化する焦点面オフセットを選択することが可能である。
【0053】
例として、
図12は、本明細書に記載されるような視野絞りと瞳絞りを用いることによる、有効測定スポットサイズへの改善(すなわち、縮小)を示す。
図12は、長方形の井戸形状構造を有する計測ターゲットのSWE測定結果を示すプロット197を描写している。照明スポットはターゲットにわたり走査された。提供された例において、ターゲットを特徴付ける膜厚が、測定SWE信号への最良適合をもたらす膜厚パラメータを特定することによって測定された。照明ビームが井戸形状構造内に留まる間、膜厚変動は所定の範囲に留まるはずである。したがって、照明ビームの、ターゲット域のエッジとの望ましくない相互作用は、測定結果がこの範囲外に動いたときに発生すると推定される。
【0054】
プロットライン198は、本明細書に記載されるような瞳絞り、視野絞りおよび薄型ナノ粒子系入力ビーム偏光子がない従来型のSWEシステムで実行された測定を描写している。描写された例において、測定は、約20マイクロメートルの線形走査にわたり安定している(すなわち、測定ビームの中心が30マイクロメートルと50マイクロメートルの間で走査されるため)。この限定された範囲を越えると、ビームは井戸形状のターゲットのエッジと相互作用を始め、測定される厚さが増加し始める。
【0055】
プロットライン199は、本明細書に記載されるような瞳絞り、視野絞りおよび薄型ナノ粒子系入力ビーム偏光子を含むSWEシステムで実行された測定を描写している。描写された例において、測定は、約40マイクロメートルの線形走査にわたり安定している(すなわち、測定ビームの中心が20マイクロメートルと60マイクロメートルの間で走査されるため)。この範囲を越えると、ビームは井戸形状のターゲットのエッジと相互作用を始め、測定される厚さが増加し始める。線形走査の範囲は、エッジ効果が測定に影響を与え始める前はかなり大きいため、有効測定スポットサイズは、瞳絞り、視野絞りおよび薄型ナノ粒子系入力ビーム偏光子を含むSWEシステムではより小さいことに留意されたい。
【0056】
本明細書に記載されるような瞳絞り、視野絞りおよび薄型ナノ粒子系入力ビーム偏光子を含むSWEシステムによる測定は、40μm×40μm測定ターゲットに関して0.02オングストロームまでの膜厚測定の計測装置間マッチングを実証する。本明細書に記載されるような瞳絞り、視野絞りおよび薄型ナノ粒子系入力ビーム偏光子を含まないSWEシステムにより実行される同じ測定は、同じく40μm×40μm測定ターゲットに関して0.2を越える膜厚測定の計測装置間マッチングを実証する。
【0057】
一部の実施形態において、SWEシステム100は離散型測定偏光子および回転式補償器システムとして構成される。これらの実施形態において、測定は、1つ以上の方位角と入射角に対して、連続回転式補償器(例えば、
図1に描写される補償器118)で離散した偏光子角度で実行される。一部の実施形態において、偏光子113は回転式偏光素子を含み、コンピューティングシステム130は、所要の偏光状態を示すコマンド信号141を偏光子113に通信する。それに応答して、偏光子113は回転して望ましい偏光状態で停止する。こうして、SWEシステム100は固定された偏光角で停止するように構成される。
【0058】
一部の実施形態において、SWEシステム100は回転偏光子システムとして構成される。これらの実施形態において、測定は、偏光状態が1つ以上の方位角と入射角に対して連続的に変化しながら実行される。一部の実施形態において、偏光子113は回転式偏光素子を含み、コンピューティングシステム130は、望ましい偏光状態の変化率を示すコマンド信号141を偏光子113に通信する。それに応答して、偏光子113は望ましい角速度で回転する。
【0059】
一部の実施形態において、SWEシステム100は回転偏光子システムおよび回転補償器システムとして構成される。これらの実施形態において、測定は、1つ以上の方位角と入射角に対して、連続的に回転する偏光子(例えば、
図1に描写された偏光子113)と、連続的に回転する補償器(例えば、
図1に描写された補償器118)で実行される。一部の実施形態において、補償器118は回転式偏光素子を含み、コンピューティングシステム130は、所要の偏光状態の変化率を示すコマンド信号145を補償器118に通信する。それに応答して、補償器118は所要の角速度で回転する。
【0060】
さらなる態様において、SWEシステム100はさらに、選択的検光子角度を有する。同様に、コンピューティングシステム130は、所要の検光子角度を示すコマンド信号142を選択的検光子122に通信する。
【0061】
偏光状態に係らず、一部の実施形態において、SWEシステム100はさらに、測定のAOIおよびAzの範囲を選択するように構成される。
【0062】
一部の実施形態において 視野絞り121は、所要信号除去を達成するように調節される。
図1に描写されるように、コンピューティングシステム130は、所要の開口サイズを示すコマンド信号143を視野絞り121に通信する。それに応答して、視野絞り121は所要の開口サイズに調節する。一部の実施形態において、視野絞り121は、開口サイズを調節するように構成された可動スリット、ナイフエッジ、MEM系ミラー素子等の能動素子を含む。
図13は、互いに対して移動して、所要の寸法および位置の長方形の開口を達成するように構成された、4枚の可動吸収パネル151−154を含む視野絞り121の実施形態を描写する。
【0063】
一部の実施形態において、瞳絞り120は所要信号除去を達成するように調節される。
図1に描写されるように、コンピューティングシステム130は、所要の瞳絞り開口サイズを示すコマンド信号144を視野絞り120に通信する。それに応答して、瞳絞り120は所要の開口サイズに調節する。これらの実施形態において、瞳絞り120は、瞳絞り120の開口を調節するように構成された、可動シャッター素子、ナイフエッジ、MEM系ミラー素子等の能動素子を含む。
【0064】
一部の実施形態において、方位角は、計測システム入射面に対して計測ターゲットを回転させることによって選択される。例えば、SWEシステム100は、試験片115を支持する回転ステージを含んでよい。これらの実施形態において、コンピューティングシステム130は、所要の方位角を達成するために光学系に対して試験片115を回転させるための(例えば、
図1に描写されるZ軸周りの回転)コマンド信号を回転ステージに通信する。
【0065】
さらなる態様において、視野絞り、瞳絞り、またはそれら両方の開口の寸法は、膜厚等の構造特有の特徴に対する測定感度を増加させるために、光透過を制限することによって調節される。光透過を制限することによって、ウェハ面で計測ターゲットの外部で発生する光に関連する光、計測ターゲットの内部で発生する光と計測ターゲットの外部で発生する光との相互作用によって生成する干渉光、および集束ビームに反射される迷光が吸収されるか、または別方式で、検出器から逸れた方向に向け直される。こうして、注目すべきパラメータにおける変化に最も感応する光線が検出される。
【0066】
図14は、SWE測定を少なくとも1つの新規の態様で実行する方法200を示す。方法200は、本発明の
図1に示したSWEシステム100等の計測システムによる実行に適している。一態様において、方法200のデータ処理ブロックは、コンピューティングシステム130または任意の他の汎用コンピューティングシステムの1つ以上のプロセッサによって実行される予めプログラムされたアルゴリズムによって実行されてもよいことが認識される。本明細書において、SWEシステム100の特定の構造的態様は限定を表さず、例示としてのみ解釈されるべきであることが認識される。
【0067】
ブロック201において、狭帯域照明光ビームが照明源によって生成される。
【0068】
ブロック202において、狭帯域照明光ビームは、照明光学素子サブシステムによって、測定されている試験片(例えば、半導体ウェハ)上に配置された計測ターゲットに向けられる。
【0069】
ブロック203において、狭帯域照明光ビームはリニア偏光子によって線形偏光される。一部の実施形態において、リニア偏光子は薄型ナノ粒子系偏光子である。
【0070】
線形偏光の後で、ブロック204において、狭帯域照明光ビームは楕円偏光される。
【0071】
ブロック205において、集束光ビームは、狭帯域照明光ビームによって照明される計測ターゲットから集束される。
【0072】
ブロック206において、集束光ビームの第1の部分が、計測ターゲットから集束光ビームを集束するように構成された集束光学素子サブシステムの瞳面で、または瞳面付近で集束光ビームの残りの部分から除去される。一部の実施形態において、集束光ビームの第1の部分は、除去された光を吸収または方向変換させるように構成された開口によって除去される。
【0073】
ブロック207において、集束光ビームの第2の部分が、集束光学素子サブシステムの像面で、または像面付近で集束光ビームの残りの部分から除去される。一部の実施形態において、集束光ビームの第2の部分は、除去された光を吸収または方向変換させるように構成された開口によって除去される
【0074】
ブロック208において、集束光ビームの第3の部分が、入射光に感応する検出器の表面上で検出される。
【0075】
ブロック209において、集束光ビームの検出された部分を示す複数の出力信号が検出器によって生成される。
【0076】
一般的に、本明細書に記載される信号混入の制御のための方法およびシステムは、単波長エリプソメータシステムの用途に限定されず、分光エリプソメトリーシステム等を含む任意の部分コヒーレント計測システムに実装されてよい。
【0077】
別の実施形態において、システム100は、本明細書に記載される方法に従って収集された測定データに基づいて実際のデバイス構造の測定を実行するために用いられる1つ以上のコンピューティングシステム130を含む。1つ以上のコンピューティングシステム130は、検出器(例えば、検出器123)に通信可能に結合されてよい。一態様において、1つ以上のコンピューティングシステム130は、試験片115の構造の測定に関連する測定データ125を受信するように構成される。
【0078】
本開示を通して記載される1つ以上のステップは、単一のコンピュータシステム130で実行されても、または、複数のコンピュータシステム130で実行されてもよいことが認識される。さらに、検出器123等のシステム100の異なるサブシステムは、本明細書に記載されるステップの少なくとも一部を実行するのに適したコンピュータシステムを含んでよい。したがって、上記の説明は本発明への限定と解釈されるべきではなく、単なる例示である。
【0079】
さらに、コンピュータシステム130は検出器123に、当技術分野で知られる任意の方式で通信可能に結合されてよい。例えば、1つ以上のコンピューティングシステム130は、検出器123に関連するコンピューティングシステムに結合されてよい。別の例では、検出器123は、コンピュータシステム130に結合された単一のコンピュータシステムによって直接制御されてよい。
【0080】
SWEシステム100のコンピュータシステム130は、有線および/または無線部分を含み得る伝送媒体によって、システムのサブシステム(例えば、検出器123等)からデータまたは情報を受信および/または取得するように構成されてよい。こうして、伝送媒体はコンピュータシステム130と、システム100の他のサブシステムとの間のデータリンクとして働き得る。
【0081】
SWEシステム100のコンピュータシステム130は、有線および/または無線部分を含み得る伝送媒体によって、他のシステムからのデータまたは情報(例えば、測定結果、モデリング入力、モデリング結果、基準測定結果等)を受信および/または取得するように構成されてよい。こうして、伝送媒体はコンピュータシステム130と、他のシステム(例えば、メモリオンボードSWEシステム100、外部メモリ、または他の外部システム)との間のデータリンクとして働き得る。例えば、コンピューティングシステム130は、データリンクを介して記憶媒体(メモリ132または外部メモリ)から測定データを受信するように構成されてよい。例えば、検出器123を用いて得られた強度測定結果は、永久または半永久メモリデバイス(例えば、メモリ132または外部メモリ)に記憶されてよい。これに関連して、測定結果は、オンボードメモリから、または外部メモリシステムからインポートされてよい。さらに、コンピュータシステム130は、伝送媒体を介して他のシステムにデータを送信してよい。例えば、コンピュータシステム130によって決定された測定モデルまたは実際のデバイスパラメータ値は外部メモリに通信されてそこに記憶されてよい。これに関連して、測定結果は別のシステムにエクスポートされてよい。
【0082】
コンピューティングシステム130は、限定はしないが、パーソナルコンピュータシステム、メインフレームコンピュータシステム、ワークステーション、イメージコンピュータ、パラレルプロセッサ、または当技術分野で知られる任意のデバイスを含んでもよい。一般的に、用語「コンピューティングシステム」は、メモリ媒体からの命令を実行する1つ以上のプロセッサを有する任意のデバイスを包含するべく広範に定義されてよい。
【0083】
本明細書に記載される方法のような方法を実行するプログラム命令134は、ワイヤ、ケーブルまたは無線伝送リンク等の伝送媒体を介して伝送されてよい。 例えば、
図1に示すように、メモリ132に記憶されたプログラム命令134は、バス133を介してプロセッサ131に伝送される。プログラム命令134は、コンピュータ可読媒体(例えば、メモリ132)に記憶される。例示的コンピュータ可読媒体は、リードオンリーメモリ、ランダムアクセスメモリ、磁気または光ディスク、または磁気テープを含む。
【0084】
いくつかの例において、測定モデルは、米国カリフォルニア州ミルピタス市のKLA−Tencor Corporationから入手可能なSpectraShape(登録商標)光学的クリティカルディメンション計測システムの要素として実装される。こうして、モデルが作成されて、測定信号がシステムによって収集された直後に使用可能な状態になる。
【0085】
いくつかの例において、測定モデルは、例えば、米国カリフォルニア州ミルピタス市のKLA−Tencor Corporationから入手可能なAcuShape(登録商標) ソフトウェアを実装するコンピューティングシステムによってオフラインで実行される。結果として得られる訓練されたモデルは、測定を実行する計測システムによってアクセス可能なAcuShape(登録商標)ライブラリの要素として組み込まれてよい。
【0086】
さらに別の態様において、本明細書に記載される測定モデル結果は、プロセスツール(例えば、リソグラフィーツール、エッチングツール、堆積ツール等)にアクティブフィードバックを提供するために用いられ得る。例えば、本明細書に記載される測定方法に基づいて決定される測定パラメータの値は、所要の出力を達成するためにリソグラフィーシステムを調節するために、リソグラフィーツールに伝えられてよい。同様に、エッチングパラメータ(例えば、エッチング時間、拡散率等)または堆積パラメータ(例えば、時間、濃度等)は、エッチングツールまたは堆積ツールそれぞれにアクティブフィードバックを提供するために測定モデルに含まれてよい。いくつかの例において、測定されたデバイスパラメータ値と訓練された測定モデルに基づいて決定されたプロセスパラメータへの修正が、リソグラフィーツール、エッチングツールまたは堆積ツールに伝えられてよい。
【0087】
本明細書に記載される場合、用語「クリティカルディメンション」は、構造の任意のクリティカルディメンション(例えば、底部クリティカルディメンション、中間クリティカルディメンション、頂部クリティカルディメンション、側壁角、格子高さ等)、任意の2以上の構造間のクリティカルディメンション(例えば、2つの構造間の距離)、および2以上の構造間の変位(例えば、重なった格子構造間のオーバーレイ変位等)を含む。構造は、三次元構造、パターン付き構造、オーバーレイ構造等を含み得る。
【0088】
本明細書に記載される場合、用語「クリティカルディメンション用途」または「クリティカルディメンション測定用途」は、任意のクリティカルディメンション測定を含む。
【0089】
本明細書に記載される場合、用語「計測システム」は、任意の態様で試験片を特性評価するために少なくとも部分的に用いられる任意のシステムを含み、クリティカルディメンション計測、オーバーレイ計測、焦点/投与量計測および組成 計測等の測定用途を含む。しかしながら、そのような技術用語は本明細書に記載されるような用語「計測システム」の範囲を限定しない。さらに、SWEシステム100は、パターン付きウェハおよび/またはパターンなしウェハの測定向けに構成されてよい。計測システムは、LED検査ツール、エッジ検査ツール、裏面検査ツール、マクロ検査ツールまたは多モード検査ツール(1つ以上のプラットフォームからの同時のデータを含む)、および本明細書に記載される方法から益する任意の他の計測または検査ツールとして構成され得る。
【0090】
種々の実施形態は、本明細書において、試験片を処理するために用いられ得る半導体処理システム(例えば、検査システムまたはリソグラフィーシステム)に関して記載された。本明細書において、用語「試験片」は、当技術分野で知られる手段によって処理され得る(例えば、印刷される、または欠陥を検査される)ウェハ、レチクルまたは任意の他の試料を指すために用いられる。
【0091】
本明細書に記載される場合、用語「ウェハ」は一般に、半導体または非半導体材料で形成された基板を指す。例は、限定はしないが、単結晶シリコン、ヒ化ガリウム、リン化インジウムを含む。そのような基板は、半導体製造設備において一般的に見られる、および/または処理され得る。いくつかの場合において、ウェハは基板のみを含み得る(すなわち、ベアウェハ)。または、ウェハは基板上に形成された異なる材料の1つ以上の層を含んでもよい。ウェハ上に形成された1つ以上の層は、「パターン付き」でも「パターンなし」でもよい。例えば、ウェハは反復可能なパターンフィーチャを有する複数のダイを含んでよい。
【0092】
「レチクル」は、製造プロセスの任意の段階にあるレチクル、または、半導体製造設備内での使用向けにリリースされていてもリリースされていなくてもよい完成したレチクルであってよい。レチクル、または「マスク」は一般に、上に実質的に半透明な領域が形成され、パターン状に構成されている実質的に透明な基板として定義される。基板は例えば、アモルファスSiO
2などのガラス材料を含み得る。レチクルは、レチクル上のパターンがレジストに転写され得るように、リソグラフィープロセスの露光ステップ中に、レジストで被覆されたウェハの上に配置されてよい。
【0093】
ウェハ上に形成された1つ以上の層は、「パターン付き」でも「パターンなし」でもよい。例えば、ウェハは反復可能なパターンフィーチャを有する複数のダイを含んでよい。材料のそのような層の形成および処理が、最終的に完成したデバイスをもたらす。多くの異なるタイプのデバイスがウェハ上に形成されてよく、本明細書で用いられる場合、用語ウェハは、当技術分野で知られる任意のタイプのデバイスがその上に製造されるウェハを包含することを意図している。
【0094】
1つ以上の例示的実施形態において、記載される機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェアまたはそれらの任意の組み合わせで実装され得ることを理解されたい。ソフトウェアで実装された場合、機能は、コンピュータ可読媒体上の1つ以上の命令またはコードとして記憶または伝送されてよい。コンピュータ可読媒体は、一箇所から他箇所へのコンピュータプログラムの伝送を促進する任意の媒体を含むコンピュータ記憶媒体および通信媒体両方を含む。記憶媒体は、汎用または専用コンピュータによってアクセスされ得る任意の利用可能な媒体であってよい。例として、そのようなコンピュータ可読媒体は、限定はしないが、RAM、ROM、EEPROM、CD−ROMまたは他の光学ディスク記憶体、磁気ディスク記憶または他の磁気記憶装置、または、命令またはデータ構造の形式で所要のプログラムコード手段を搬送または記憶するのに用いることができ、汎用または専用コンピュータまたは汎用または専用プロセッサによってアクセスされ得る任意の他の媒体を含み得る。さらに、あらゆる接続が、正式にコンピュータ可読媒体と呼ばれる。例えば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタルサブスクライバライン(DSL)、または赤外、ラジオ、およびマイクロ波などの無線技術を用いてウェブサイト、サーバ、または他のリモートソースから伝送される場合、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、DSL、または赤外、ラジオおよびマイクロ波などの無線技術は媒体の定義に含まれる。ディスク(disk)およびディスク(disc)は、本明細書で用いられる場合、コンパクトディスク(CD)、レーザーディスク(登録商標)、光学ディスク、デジタル万能ディスク(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスクおよびブルーレイ(登録商標)ディスクを含み、ディスク(disk)は、通常、データを磁気的に再生するが、ディスク(disc)は、レーザーを用いてデータを光学的に再生する。上記のものの組み合わせも、コンピュータ可読媒体の範囲内に含まれるものとする。
【0095】
上記ではいくつかの特定の実施形態を、説明目的で記載したが、本特許明細書の教示は一般的な適用可能性を有し、上記に記載した特定の実施形態に限定されない。したがって、記載された実施形態の種々の特徴の種々の修正、適合および組み合わせが、請求項に記載される本発明の範囲から逸脱せずに実施され得る。