(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。以下で説明する図面において、同一の又は相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
図1は、本実施形態に係るめっき装置の全体配置図である。
図1に示すように、このめっき装置は、2台のカセットテーブル102と、基板のオリフラ(オリエンテーションフラット)やノッチなどの位置を所定の方向に合わせるアライナ104と、めっき処理後の基板を高速回転させて乾燥させるスピンリンスドライヤ106とを有する。カセットテーブル102は、半導体ウェハ等の基板を収納したカセット100を搭載する。スピンリンスドライヤ106の近くには、基板ホルダ30を載置して基板の着脱を行う基板着脱部120が設けられている。これらのユニット100,104,106,120の中央には、これらのユニット間で基板を搬送する搬送用ロボットからなる基板搬送装置122が配置され
ている。
【0012】
基板着脱部120は、レール150に沿って横方向にスライド自在な平板状の載置プレート152を備えている。2個の基板ホルダ30は、この載置プレート152に水平状態で並列に載置され、一方の基板ホルダ30と基板搬送装置122との間で基板の受渡しが行われる。その後、載置プレート152が横方向にスライドされ、他方の基板ホルダ30と基板搬送装置122との間で基板の受渡しが行われる。
【0013】
めっき装置は、さらに、ストッカ124と、プリウェット槽40と、プリソーク槽128と、第1洗浄槽130aと、ブロー槽132と、第2洗浄槽130bと、めっき槽110と、を有する。ストッカ124では、基板ホルダ30の保管及び一時仮置きが行われる。プリウェット槽40では、基板に親水処理が行われる。プリソーク槽128では、基板の表面に形成したシード層等の導電層の表面の酸化膜がエッチング除去される。第1洗浄槽130aでは、プリソーク後の基板が基板ホルダ30と共に洗浄液(純水等)で洗浄される。ブロー槽132では、洗浄後の基板の液切りが行われる。第2洗浄槽130bでは、めっき後の基板が基板ホルダ30と共に洗浄液で洗浄される。基板着脱部120、ストッカ124、プリウェット槽40、プリソーク槽128、第1洗浄槽130a、ブロー槽132、第2洗浄槽130b、及びめっき槽110は、この順に配置されている。
【0014】
このめっき槽110は、例えば、オーバーフロー槽136の内部に複数のめっきセル114を収納して構成されている。各めっきセル114は、内部に1つの基板を収納し、内部に保持しためっき液中に基板を浸漬させて基板表面に銅めっき等のめっきを施すように構成される。
【0015】
めっき装置は、これらの各機器の側方に位置して、これらの各機器の間で基板ホルダ30を基板とともに搬送する、例えばリニアモータ方式を採用した基板ホルダ搬送装置140を有する。この基板ホルダ搬送装置140は、第1トランスポータ142と、第2トランスポータ144を有している。第1トランスポータ142は、基板着脱部120、ストッカ124、プリウェット槽40、プリソーク槽128、第1洗浄槽130a、及びブロー槽132との間で基板を搬送するように構成される。第2トランスポータ144は、第1洗浄槽130a、第2洗浄槽130b、ブロー槽132、及びめっき槽110との間で基板を搬送するように構成される。めっき装置は、第2トランスポータ144を備えることなく、第1トランスポータ142のみを備えるようにしてもよい。
【0016】
オーバーフロー槽136の両側には、各めっきセル114の内部に位置してめっきセル114内のめっき液を撹拌する掻き混ぜ棒としてのパドルを駆動する、パドル駆動部160及びパドル従動部162が配置されている。
【0017】
めっき装置は、上述しためっき装置の各部の動作を制御するように構成された制御部145を有する。制御部145は、例えば、めっきプロセスをめっき装置に実行させる所定のプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体と、記録媒体のプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)等を有する。制御部145は、例えば、プリウェット槽40における後述するレジスト残渣除去処理及び液体充填処理、基板着脱部120の着脱動作制御、基板搬送装置122の搬送制御、基板ホルダ搬送装置140の搬送制御、並びにめっき槽110におけるめっき電流及びめっき時間の制御等を行うことができる。なお、制御部145が有する記録媒体としては、フレキシブルディスク、ハードディスク、メモリストレージ等の磁気的媒体、CD、DVD等の光学的媒体、MO、MD等の磁気光学的媒体等、任意の記録手段を採用することができる。
【0018】
このめっき装置による一連のめっき処理の一例を説明する。まず、カセットテーブル102に搭載したカセット100から、基板搬送装置122で基板を1つ取出し、アライナ104に基板を搬送する。アライナ104は、オリフラやノッチなどの位置を所定の方向に合わせる。このアライナ104で方向を合わせた基板を基板搬送装置122で基板着脱部120まで搬送する。
【0019】
基板着脱部120においては、ストッカ124内に収容されていた基板ホルダ30を基板ホルダ搬送装置140の第1トランスポータ142で2基同時に把持して、基板着脱部120まで搬送する。そして、2基の基板ホルダ30を基板着脱部120の載置プレート152の上に同時に水平に載置する。この状態で、それぞれの基板ホルダ30に基板搬送装置122が基板を搬送し、搬送した基板を基板ホルダ30で保持する。
【0020】
次に、基板を保持した基板ホルダ30を基板ホルダ搬送装置140の第1トランスポータ142で2基同時に把持し、プリウェット槽40に搬送する。次に、プリウェット槽40で処理された基板を保持した基板ホルダ30を、第1トランスポータ142でプリソーク槽128に搬送し、プリソーク槽128で基板上の酸化膜をエッチングする。続いて、この基板を保持した基板ホルダ30を、第1洗浄槽130aに搬送し、この第1洗浄槽130aに収納された純水で基板の表面を水洗する。
【0021】
水洗が終了した基板を保持した基板ホルダ30は、第2トランスポータ144により、第1洗浄槽130aからめっき槽110に搬送され、めっき液を満たしためっきセル114に収納される。第2トランスポータ144は、上記の手順を順次繰り返し行って、基板を保持した基板ホルダ30を順次めっき槽110の各々のめっきセル114に収納する。
【0022】
各々のめっきセル114では、めっきセル114内のアノード(図示せず)と基板Wfとの間にめっき電圧を印加し、同時にパドル駆動部160及びパドル従動部162によりパドルを基板の表面と平行に往復移動させることで、基板の表面にめっきを行う。
【0023】
めっきが終了した後、めっき後の基板を保持した基板ホルダ30を第2トランスポータ144で2基同時に把持し、第2洗浄槽130bまで搬送し、第2洗浄槽130bに収容された純水に浸漬させて基板の表面を純水洗浄する。次に、基板ホルダ30を、第2トランスポータ144によってブロー槽132に搬送し、エアーの吹き付け等によって基板ホルダ30に付着した水滴を除去する。その後、基板ホルダ30を、第1トランスポータ142によって基板着脱部120に搬送する。
【0024】
基板着脱部120では、基板搬送装置122によって基板ホルダ30から処理後の基板が取り出され、スピンリンスドライヤ106に搬送される。スピンリンスドライヤ106は、高速回転によってめっき処理後の基板を高速回転させて乾燥させる。乾燥した基板は、基板搬送装置122によりカセット100に戻される。
【0025】
次に、
図1に示した基板ホルダ30の詳細について説明する。
図2は、
図1に示した基板ホルダ30の斜視図である。基板ホルダ30は、
図2に示すように、例えば塩化ビニル製で矩形平板状の第1保持部材35と、この第1保持部材35にヒンジ33を介して開閉自在に取付けられた第2保持部材36とを有している。基板ホルダ30の第1保持部材35の略中央部には、基板を保持するための保持面38が設けられている。また、第1保持部材35の保持面38の外周には、保持面38の周囲に沿って、内方に突出する突出部を有する逆L字状のクランパ37が等間隔に設けられている。
【0026】
基板ホルダ30の第1保持部材35の端部には、基板ホルダ30を搬送したり吊下げ支持したりする際の支持部となる一対の略T字状のハンド39が連結されている。
図1に示
したストッカ124内において、ストッカ124の周壁上面にハンド39を引っ掛けることで、基板ホルダ30が垂直に吊下げ支持される。また、この吊下げ支持された基板ホルダ30のハンド39を第1トランスポータ142又は第2トランスポータ144で把持して基板ホルダ30が搬送される。なお、プリウェット槽40、プリソーク槽128、第1洗浄槽130a、第2洗浄槽130b、ブロー槽132、及びめっき槽110内においても、基板ホルダ30は、ハンド39を介してそれらの周壁に吊下げ支持される。
【0027】
また、ハンド39には、外部の電源に接続するための図示しない外部接点が設けられている。この外部接点は、複数の配線を介して保持面38の外周に設けられた複数の中継接点(図示せず)と電気的に接続されている。
【0028】
第2保持部材36は、ヒンジ33に固定された基部31と、基部31に固定されたリング状のシールホルダ32とを備えている。第2保持部材36のシールホルダ32には、シールホルダ32を第1保持部材35に押し付けて固定するための押えリング34が回転自在に装着されている。押えリング34は、その外周部において外方に突出する複数の突条部34aを有している。突条部34aの上面とクランパ37の内方突出部の下面は、回転方向に沿って互いに逆方向に傾斜するテーパ面を有する。
【0029】
基板を保持するときは、まず、第2保持部材36を開いた状態で第1保持部材35の保持面38に基板を載置し、第2保持部材36を閉じて第1保持部材35と第2保持部材36とで基板を挟み込む。続いて、押えリング34を時計回りに回転させて、押えリング34の突条部34aをクランパ37の内方突出部の内部(下側)に滑り込ませる。これにより、押えリング34とクランパ37にそれぞれ設けられたテーパ面を介して、第1保持部材35と第2保持部材36とが互いに締付けられてロックされ、基板が保持される。保持された基板の被めっき面は、外部に露出される。基板の保持を解除するときは、第1保持部材35と第2保持部材36とがロックされた状態において、押えリング34を反時計回りに回転させる。これにより、押えリング34の突条部34aが逆L字状のクランパ37から外されて、基板の保持が解除される。
【0030】
次に、
図1に示したプリウェット槽40の詳細について説明する。上述したように、レジスト開口部を有する基板にめっきをする場合、レジスト開口部内に液体を充填する必要がある。これに加えて、レジスト開口部内にレジスト残渣が存在する場合には、レジスト残渣を除去する必要もある。そこで、本実施形態のプリウェット槽40は、レジスト開口部内のレジスト残渣を除去するためのレジスト残渣除去装置と、レジスト開口部内に液体を充填する液体充填装置とを有する。
【0031】
図3は、レジスト残渣除去装置の概略側断面図である。図示のように、レジスト残渣除去装置50は、処理槽51(第1処理槽の一例に相当する)と、オーバーフロー槽52と、スプレー部60と、を有する。処理槽51は、基板Wfを保持した基板ホルダ30を鉛直に収容するように構成される。スプレー部60は、基板ホルダ30と対向して処理槽51内に配置され、基板Wfのレジスト開口部が形成された面(被めっき面)に第1の処理液を吹き付けるノズルを備える。オーバーフロー槽52は、処理槽51と隣接して配置され、処理槽51から溢れた第1の処理液を受けるように構成される。なお、スプレー部60が基板Wfにスプレーする第1の処理液としては、例えば、純水、界面活性剤及びクエン酸のいずれかを含んだ純水、硫酸、界面活性剤及びクエン酸のいずれかを含んだ硫酸、CO2イオン等を含むイオン水、ポリアルキレングリコール群からの化合物を含んだ液体、アミノ基を含有するアルキレングリコール群からの化合物を含んだ液体、メタンスルホン酸、並びにこれらの任意の組み合わせ等を採用することができる。本実施形態では、第1の処理液として純水を用いた例を説明する。
【0032】
レジスト残渣除去装置50は、さらに、スプレー部60と流体連通する第1供給管54と、処理槽51と流体連通する第2供給管55と、処理槽51と流体連通する第1排出管56と、オーバーフロー槽52と流体連通する第2排出管57と、を有する。第1供給管54及び第2供給管55は、純水供給源53と流体連通する。第1供給管54には、第1供給管54の開閉を行うための第1供給バルブ54aが設けられる。第2供給管55には、第2供給管55の開閉を行うための第2供給バルブ55aが設けられる。第1排出管56には、第1排出管56の開閉を行うための第1排出バルブ56aが設けられる。
【0033】
第1供給管54は、スプレー部60が基板Wfに純水をスプレーするときに、純水供給源53から純水をスプレー部60に供給するように構成される。第2供給管55は、処理槽51に純水等の液体を供給するように構成され、これにより基板Wfを液体に浸漬することができる。第1排出管56は、スプレー部60から基板Wfにスプレーされた純水を排出するように構成される。第2排出管57は、オーバーフロー槽52が受けた純水を排出するように構成される。
【0034】
スプレー部60から基板Wfにスプレーされた純水は、レジスト開口部内に入り込み、レジスト開口部内のレジスト残渣を除去することができる。レジスト残渣除去装置50は、スプレー部60を鉛直方向に、基板Wfの面に沿って相対移動させる例えばアクチュエータ等の図示しない移動機構を有する。レジスト残渣除去装置50は、スプレー部60を鉛直方向に往復移動させることで、スプレー部60のノズルで基板Wfを走査する。このとき、スプレー部60は、基板Wfの全てのレジスト開口部に純水をスプレーすることが好ましい。言い換えれば、基板Wfのレジスト開口部が形成された面の全面に、スプレー部60からの純水を衝突させることが好ましい。これにより、基板Wfの被めっき面の全面において、レジスト開口部内のレジスト残渣を除去することができる。なお、本明細書において、「基板Wfのレジスト開口部が形成された面の全面」とは、基板ホルダ30から露出した基板Wfの面の全面である。
【0035】
スプレー部60からの純水はレジスト開口部内に滞留し、レジスト開口部内にある程度の純水を充填することができる。一方で、レジスト開口部内のレジスト残渣を除去するようにスプレー部60からの純水の圧力を高くすると、レジスト開口部内に巻き込まれる気泡が多くなる。しかしながら、この気泡は、後述する液体充填装置によって除去することができる。スプレー部60からの純水は、0.05MPa以上0.45MPa以下の圧力でスプレーすることが好ましい。これにより、レジスト開口部内のレジスト残渣をより確実に除去することができる。0.05MPa未満の圧力でスプレーした場合は、純水の圧力が弱く、レジスト残渣を除去できない虞がある。また、0.45MPa超の圧力でスプレーした場合は、レジスト開口部内に巻き込まれる気泡が多くなり、後述する液体充填装置における処理時間が長くなる。
【0036】
また、スプレー部60からの純水は、2.5m/秒以上15.0m/秒以下の流速であり且つ10L/分以上20L/分以下の流量でスプレーすることが好ましい。純水の流速を上記範囲内にすることにより、レジスト開口部内に巻き込まれる気泡を少なくすることができ、後述する液体充填装置における処理時間を短くすることができる。また、純水の流量を上記範囲内にすることにより、効率よくレジスト残渣を除去することができる。したがって、純水の流速及び流量を上記範囲内にすることにより、レジスト残渣除去装置50及び後述する液体充填装置における処理時間の両方を短くすることができる。
【0037】
図3に示すレジスト残渣除去装置50では、スプレー部60が鉛直方向に往復移動するように構成されているが、これに限らず、アクチュエータ等の移動機構により、基板ホルダ30を鉛直方向に往復移動させてもよい。即ち、スプレー部60と基板ホルダ30とが、相対的に移動しさえすればよく、これにより基板Wf全面へ純水をスプレーして、全面
に渡ってレジスト残渣を除去することができる。したがって、例えばスプレー部60と基板ホルダ30との両方を互いに反対方向に往復移動させてもよい。この場合は、スプレー部60の走査のストロークと基板ホルダ30の移動のストロークを小さくすることができる。また、めっき装置の設置スペースの制約が無い場合は、レジスト残渣除去装置50は、スプレー部60及び/又は基板ホルダ30を水平方向に往復移動させるように構成されていてもよい。
【0038】
また、
図3に示すレジスト残渣除去装置50では、基板ホルダ30が鉛直に処理槽51に収納されているが、これに限らず、基板ホルダ30を例えば水平に処理槽51に収納してもよい。この場合も、スプレー部60は、基板Wfに対向するように配置することができる。なお、本実施形態のように基板ホルダ30を鉛直に配置した場合は、基板Wfにスプレーされた純水が重力により下方に流れる。このため、基板Wfの表面に滞留する純水の量を減らすことができるので、基板Wfの表面に滞留する純水(水膜)によりスプレー部60のレジスト残渣除去効率が低下することを抑制することができる。
【0039】
図4は、
図3に示したスプレー部60の側面図である。また、
図5は、
図3に示したスプレー部60の平面図である。
図4及び
図5においては、説明の便宜上、基板Wfを表示し、ノズル63の各々から純水をスプレーしている状態を示している。
図4及び
図5に示すように、スプレー部60は、純水を噴出する複数のノズル63と、ノズル63が取り付けられる略板状の本体部61と、ノズル63に純水を供給するための配管部62と、を有する。本体部61の内部には、配管部62からの純水を各ノズル63に分配するための図示しない配管が設けられる。
【0040】
図5に示すように、スプレー部60は、鉛直上下方向に離間した第1ノズル群70と、第2ノズル群75と、を有する。第1ノズル群70及び第2ノズル群75は、水平方向(幅方向)に配列された複数のノズル63を有する。また、第1ノズル群70は、水平方向に配列された第1ノズル列70−1と、第2ノズル列70−2とを有する。第1ノズル列70−1と第2ノズル列70−2は上下方向に隣接して配置される。同様に、第2ノズル群75は、水平方向に配列された第1ノズル列75−1と、第2ノズル列75−2とを有する。第1ノズル列75−1と第2ノズル列75−2は上下方向に隣接して配置される。
【0041】
第1ノズル群70及び第2ノズル群75を構成する複数のノズル63の各々は、所定の幅で純水をスプレーすることができる。したがって、第1ノズル列70−1、第2ノズル列70−2、第1ノズル列75−1、及び第2ノズル列75−2は、基板Wfの幅方向(
図5中左右方向)の全域にわたって純水をスプレーできるように構成されている。このため、例えば第1ノズル列70−1又は第1ノズル列75−1のノズル63の一つが詰まった場合であっても、スプレー部60が基板Wfの面に沿って鉛直方向に往復移動することにより、第2ノズル列70−2又は第2ノズル列75−2のノズル63によって基板の幅方向の全域にわたって純水をスプレーすることができる。即ち、本実施形態では、第1ノズル群70及び第2ノズル群75が、それぞれ2列のノズル列を有するので、いずれかの列のノズル63に故障が生じても、基板Wfに純水のスプレーがされない事態を回避することができ、スプレー部60の信頼性を向上させることができる。また、本実施形態では、スプレー部60が鉛直上下方向に離間した第1ノズル群70と第2ノズル群75とを有するので、スプレー部60を鉛直方向に往復移動させる際のストロークを小さくすることができる。
【0042】
本実施形態においては、第1ノズル群70の第1ノズル列70−1は20のノズル63から構成され、第2ノズル列70−2は21のノズル63から構成される。
図5に示すように、第1ノズル列70−1のノズル63の各々の水平方向の位置は、第2ノズル列70−2の隣接する2つのノズル63の中間位置に対応する。即ち、第1ノズル群70のノズ
ル63は千鳥配列で配置される。同様に、第2ノズル群75の第2ノズル列75−1は20のノズル63から構成され、第2ノズル列75−2は21のノズル63から構成される。
図5に示すように、第2ノズル列75−1のノズル63の各々の水平方向の位置は、第2ノズル列75−2の隣接する2つのノズル63の中間位置に対応する。即ち、第2ノズル群75のノズル63は千鳥配列で配置される。このようにノズル63が千鳥配列で配置されることにより、基板Wfの幅方向(
図5中左右方向)により均一に純水をスプレーすることができる。
【0043】
図4に示されるように、ノズル63は、ノズル口63aが基板Wfの被めっき面と直交する方向に対して傾斜するように、スプレー部60に設けられる。本実施形態では、第1ノズル群70のノズル63は、ノズル口63aが水平面に対して約5°だけ上向きになるようにスプレー部60に設けられる。また、第2ノズル群75のノズル63は、ノズル口63aが水平面に対して約5°だけ下向きになるようにスプレー部60に設けられる。
図2に関連して説明したように、基板ホルダ30は、基板Wfを第1保持部材35と第2保持部材36とで挟み込んで保持する。このため、第2保持部材36を構成する押えリング34と基板Wfとの間には段差が存在し、基板Wfの被めっき面には押えリング34によって影になる部分が存在し得る。本実施形態では、ノズル口63aが基板Wfの被めっき面に直交する方向に対して傾斜しているので、このような基板Wfの被めっき面の影になる部分にも、スプレーを直接当てることができる。ひいては、基板Wf全面において、レジスト開口部内のレジスト残渣を除去することができる。
【0044】
本実施形態において、第1ノズル群70からのスプレーと第2ノズル群75からのスプレーとを同時に行った場合、第1ノズル群70から基板Wfの表面にスプレーされた純水は、重力により下方に流れ、基板Wfの表面上に水膜を形成する。そうすると、第2ノズル群75は、第1ノズル群70からのスプレーによる水膜上に純水をスプレーすることになるので、基板Wfのレジスト開口部に直接純水を当てることが困難になり、第2ノズル群75からのスプレーによるレジスト残渣の除去効率が低下する虞がある。このため、本実施形態では、スプレー部60で基板Wfに純水をスプレーするときは、第1ノズル群70からのスプレーと第2ノズル群75からのスプレーとを、別々のタイミングで行うことが好ましい。これにより、それぞれのノズル群のスプレー時の水膜の影響を低減することができる。
【0045】
特に、本実施形態では、
図4に示すように、第1ノズル群70のノズル63が水平面に対して上向きであり、第2ノズル群75のノズル63が水平面に対して下向きである。したがって、スプレー部60が上方に移動しているときは、上方に位置する第1ノズル群70のノズル63から純水をスプレーし、スプレー部60が下方に移動しているときは、下方に位置する第2ノズル群75のノズル63から純水をスプレーすることが好ましい。同様に、基板ホルダ30がスプレー部60に対して移動する場合には、基板ホルダ30が上方に移動しているときは、下方に位置する第2ノズル群70のノズル63から純水をスプレーし、基板ホルダ30が下方に移動しているときは、上方に位置する第1ノズル群70のノズルから純水をスプレーすることが好ましい。言い換えれば、第1ノズル群70及び第2ノズル群75のうち、スプレー部60の相対移動の進行方向の先頭側に位置するノズル群から純水をスプレーすることが好ましい。これにより、それぞれのノズル群のスプレー時の水膜の影響を低減しつつ、上述した基板Wfの被めっき面の影になる部分に、スプレーを直接当てることができる。
【0046】
次に、スプレー部60の鉛直方向の往復移動のストロークについて説明する。
図6は、最下部に位置するスプレー部60の平面図である。
図7は、最上部に位置するスプレー部60の平面図である。
図6及び
図7においては、説明の便宜上、基板Wfを表示してある。本実施形態では、基板Wfのレジスト開口部が形成された面のほぼ全面の領域において
、スプレー部60のノズル63による走査回数を同一にするようにスプレー部60のストロークを設定する。具体的には、第1ノズル群70の第1ノズル列70−1及び第2ノズル列70−2並びに第2ノズル群75の第1ノズル列75−1及び第2ノズル列75−2のうち、例えば2つのノズル列から基板Wfの表面にスプレーするように、スプレー部60のストロークを設定する。
【0047】
本実施形態において、
図6に示すように、スプレー部60が最下部に位置するとき、第1ノズル群70の第1ノズル列70−1のノズル63からの純水は、基板Wfの上下方向の中心線CL1よりも上方にスプレーされる。一方で、第1ノズル群70の第2ノズル列70−2と、第2ノズル群75の第1ノズル列75−1及び第2ノズル列75−2のノズル63からの純水は、中心線CL1よりも下方にスプレーされる。また、
図7に示すように、スプレー部60が最上部に位置するとき、第2ノズル群75の第2ノズル列75−2のノズル63からの純水は、基板Wfの上下方向の中心線CL1よりも下方にスプレーされる。一方で、第1ノズル群70の第1ノズル列70−1及び第2ノズル列70−2と、第2ノズル群75の第1ノズル列75−1のノズル63からの純水は、中心線CL1よりも上方にスプレーされる。これにより、例えば基板Wfの中心線CL1上には、第1ノズル群70の第2ノズル列70−2と第2ノズル群75の第1ノズル列75−1から純水がスプレーされる。
【0048】
基板Wfの被めっき面に対するスプレー量を均一化するには、例えば、1つのノズル列を有するスプレー部60を、基板Wfの被めっき面の全域に同一回数だけ走査することも考えられる。しかしながら、この場合はスプレー部60のストロークが大きくなり、レジスト残渣の除去処理に時間を要する。本実施形態では、
図6及び
図7に示すようなストロークでスプレー部60を鉛直方向に往復移動させることで、基板Wfの被めっき面のほぼ全域に、第1ノズル群70の第1ノズル列70−1及び第2ノズル列70−2並びに第2ノズル群75の第1ノズル列75−1及び第2ノズル列75−2からのスプレーのうち、2つの列からのスプレーが当たることになる。これにより、スプレー部60のストロークを小さくしつつ、基板Wfの被めっき面に対するスプレー量を均一化することができる。ただし、めっき装置の設置スペースの制約が無く、上下ストロークが大きくなることが許容される場合等には、スプレー部60が1つのノズル列のみを有するようにしてもよい。
【0049】
次に、隣接するノズル63同士の向きについて説明する。
図8Aは、スプレー部60のノズル63の向きの比較例を示す平面図である。
図8Bは、スプレー部60のノズル63の向きの比較例を示す上面図である。
図8Aに示すように、ノズル63のノズル口63aは、スロット形状を有する。この比較例においては、隣接するノズル63のノズル口63aは共に、ノズル口63aの長手方向が水平になるように設けられる。隣接するノズル63の向きが
図8Aに示すように配置された場合、
図8Bに示すように、ノズル63からスプレーされる純水S1が互いに干渉する部分S2が生じ、基板Wfに適切にスプレーがされない虞がある。
【0050】
図9Aは、スプレー部60のノズル63の向きの一実施例を示す平面図である。
図9Bは、スプレー部60のノズル63の向きの一実施例を示す上面図である。
図9Aに示す例では、隣接するノズル63のノズル口63aは、ノズル口63aの長手方向が水平面に対して互いに同一の角度を有するように傾斜している。隣接するノズル63の向きが
図9Aに示すように配置された場合、
図9Bに示すように、ノズル63からスプレーされる純水S1は、互いに接触せず、ノズル63の干渉を防止することができる。
【0051】
図10は、スプレー部60の第1ノズル群70のノズル63の配列の一例を示す部分平面図である。
図10に示すこの例では、幅方向の中心線CL2よりも図中左側のノズル63は、ノズル口63aの中心線CL2側(図中右側)が下がるように所定角度(約5°)
で傾斜している。これに対して、幅方向の中心線CL2よりも図中右側のノズル63は、ノズル口63aの中心線CL2側(図中左側)が下がるように所定角度(約5°)で傾斜している。第2ノズル列70−2の中心線CL2上に位置するノズル63は、ノズル口63aの長手方向が水平となるように配置される。
図10の例では、第2ノズル列70−2の中心線CL2上に位置するノズル63からのスプレーは、隣接するノズル63からのスプレーと干渉し得る。
【0052】
図11は、スプレー部60の第1ノズル群70のノズル63の配列の他の一例を示す部分平面図である。
図11に示すこの例では、第1ノズル列70−1のノズル63は、ノズル口63aの図中右側が下がるように所定角度(約5°)で傾斜している。また、第2ノズル列70−2のノズル63は、ノズル口63aの図中左側が下がるように所定角度(約5°)で傾斜している。
図11の例では、第1ノズル群70の全てのノズル63からのスプレーが他のノズルからのスプレーと干渉することを防止することができる。
【0053】
図9Aから
図11に示したように、第1ノズル群70及び第2ノズル群75を構成する複数のノズル63が、スロット形状のノズル口63aを有する場合は、複数のノズル63のノズル口63aは、水平方向に隣接する他のノズル63からのスプレーと干渉しないように方向づけられることが好ましい。これにより、基板Wfへのスプレーの均一性を向上することができる。なお、ノズル口63aの形状は、任意の形状を採用することができる。ノズル口63aの形状がスロット形状ではない場合においても、他のノズル63からのスプレーと干渉しないようにノズル口63aを方向づけることが好ましい。
【0054】
次に、レジスト残渣除去装置50において基板Wf上のレジスト残渣を除去する手順について説明する。
図12Aから
図12Dは、基板Wf上のレジスト残渣を除去する手順を示すためのレジスト残渣除去装置50の概略側断面図である。
図12Aに示すように、基板Wfを保持した基板ホルダ30が処理槽51に収納されていないとき、第1排出バルブ56aのみが開かれており、他のバルブは閉じられている。
【0055】
図12Bに示すように、基板ホルダ30を処理槽51に収納するときには、第1供給バルブ54aを開き、スプレー部60のノズル63からの純水のスプレーを予め開始しておくことが好ましい。続いて、ノズル63からスプレーした状態で、基板Wfを処理槽51内に鉛直に収納する。このとき、スプレー部60からのスプレーが予め開始されているので、基板Wfを処理槽51に収納すると同時に基板Wfに純水がスプレーされる。このため、基板Wfの処理槽51への収納が完了してからスプレーを開始する場合に比べて、処理時間を短縮できる。
【0056】
基板Wfを処理槽51に収納した後、
図12Cに示すように、スプレー部60を鉛直上下方向に往復移動させて、基板Wfのレジスト開口部が形成された面の前面に純水をスプレーする。これにより、基板Wfのレジスト開口部内のレジスト残渣が除去される。処理槽51内に溜まるスプレー部60からの純水は、第1排出管56から排出される。スプレー部60からの純水のスプレーを停止した後、
図12Dに示すように基板Wfを処理槽51から取り出す。他の基板Wfに対してレジスト残渣の除去を行う場合は、
図12Aから
図12Dに示す処理を繰り返すことができる。
【0057】
次に、プリウェット槽40を構成する液体充填装置について詳細に説明する。
図13は、液体充填装置の概略側断面図である。液体充填装置80は、レジスト残渣除去装置50で処理された基板Wfのレジスト開口部に第2の処理液を充填するように構成される。液体充填装置80で扱う第2の処理液は、例えば、レジスト残渣除去装置50で扱う第1の処理液とは異なる液体を採用することができる。具体的には、第2の処理液としては、例えば、脱気水、界面活性剤及びクエン酸のいずれかを含んだ純水、硫酸、界面活性剤及び
クエン酸のいずれかを含んだ硫酸、CO2イオン等を含むイオン水、ポリアルキレングリコール群からの化合物を含んだ液体、アミノ基を含有するアルキレングリコール群からの化合物を含んだ液体、メタンスルホン酸、並びにこれらの任意の組み合わせ等を採用することができる。本実施形態では、第2の処理液として脱気水を用いた例を説明する。
【0058】
図示のように、液体充填装置80は、脱気槽81(第2処理槽の一例に相当する)と、オーバーフロー槽82と、溶存酸素計83と、脱気水循環装置84(循環装置の一例に相当する)と、を有する。脱気槽81は、脱気水を保持しており、基板Wfを保持した基板ホルダを収容するように構成される。オーバーフロー槽82は、脱気槽81と隣接して配置され、脱気槽81から溢れた脱気水を受けるように構成される。溶存酸素計83は、脱気槽81内の脱気水の溶存酸素濃度を計測するように構成される。脱気水循環装置84は、脱気槽81内の脱気水を循環させるように構成される。液体充填装置80は、さらに、脱気槽81内の脱気水を撹拌する撹拌装置90を備えていてもよい。また、液体充填装置80は、これらに加えて、脱気水中において脱気水を基板Wfに吹き付ける水中ノズルを備えていてもよい。
【0059】
脱気水循環装置84は、オーバーフロー槽82と脱気槽81とを流体連通する循環管路89を有する。また、脱気水循環装置84は、循環管路89上に、ポンプ85と、脱気ユニット86と、フィルタ87と、を有する。ポンプ85は、オーバーフロー槽82から脱気槽81に脱気水を移送するように構成される。脱気ユニット86は、真空源88と接続され、循環管路89中の脱気水の脱気処理を行う。フィルタ87は、循環管路89中の脱気水に含まれる不純物を除去する。
【0060】
液体充填装置80において脱気水を循環させるときは、まず、脱気水循環装置84は、ポンプを始動して脱気槽81の下方から脱気水を供給する。これにより、脱気槽81から脱気水が溢れ、オーバーフロー槽82に流れ込む。言い換えれば、脱気槽81の上方からオーバーフロー槽82に脱気水を排出する。続いて、オーバーフロー槽82に流れ込んだ脱気水は、オーバーフロー槽82の下方から排出され、脱気ユニット86で脱気され、フィルタ87で不純物が除去され、脱気槽81に戻る。このようにして、脱気槽81内の脱気水が循環される。脱気水循環装置84は、オーバーフロー槽82と脱気槽81との間で脱気水を循環しつつ、脱気水の脱気も行うので、脱気槽81中の脱気水の溶存酸素濃度を所定値以下に維持することができる。
【0061】
液体充填装置80は、レジスト残渣除去装置50によりレジスト開口部内のレジスト残渣が除去された基板Wfを処理する。具体的には、液体充填装置80は、脱気槽81内の脱気水にレジスト残渣が除去された基板Wfを保持した基板ホルダ30を浸漬することで、基板Wfのレジスト開口部内の気泡を除去することができる。
【0062】
基板Wfは鉛直方向に脱気水に浸漬されてもよいが、好ましくは、基板Wfは、レジスト開口部が形成された面が上方を向き且つ基板Wfが傾斜するように、脱気槽内に配置される。
図14Aから
図14Cは、基板Wfを脱気水に浸漬したときのレジスト開口部内の状態を説明するための基板Wfの概略側断面図である。
図14Aに示すように、基板Wfの上方の表面にはレジストパターンRP1が形成され、それによりレジスト開口部OP1が形成される。また、基板Wfのレジスト開口部OP1が形成された面が上方を向き、且つ基板Wfが傾斜している。
【0063】
図14Aに示すように基板Wfが傾斜した状態で、脱気水DW1に徐々に浸漬すると、脱気水DW1がレジスト開口部OP1内の気体または気泡を吸収しながらレジスト開口部OP1内に充填されていく(
図14B及び
図14C参照)。基板Wfのレジスト開口部OP1が形成された面が上方を向き、且つ基板Wfが傾斜していることにより、レジスト開
口部OP1内に脱気水を充填し易くなる。
【0064】
基板Wfを脱気水DW1に浸漬するとき、図示しない駆動装置により、基板Wfに衝撃又は振動を与えてもよい。この衝撃又は振動により、レジスト開口部OP1内の気泡が基板Wfから分離し易くなり、レジスト開口部OP1内に脱気水DW1を充填し易くなる。また、
図13に示したようにレジスト残渣除去装置50が撹拌装置90を備えている場合は、基板Wfの表面近傍の脱気水DW1を撹拌することで、基板Wf表面に接触する脱気水DW1の流量が増加するので、レジスト開口部OP1内への液体の充填効率を向上させることができる。さらに、
図13に示したように、脱気水循環装置84が脱気槽81内の脱気水を循環させることにより、基板Wf表面に接触する脱気水DW1の流量が増加するので、レジスト開口部OP1内への液体の充填効率を向上させることができる。また、液体充填装置80が脱気水DW1を基板Wfに吹き付ける水中ノズルを備えている場合は、水中で脱気水DW1を基板Wfに吹き付けることで、基板Wf表面に接触する脱気水DW1の流量が増加するので、レジスト開口部OP1内への液体の充填効率を向上させることができる。
【0065】
以上で説明したように、本実施形態に係るめっき装置は、レジスト残渣除去装置50と液体充填装置80を有するプリウェット槽40を備える。このため、レジスト開口部OP1内にレジスト残渣が存在する基板Wfであっても、レジスト残渣を除去した後、レジスト開口部OP1内の液体を充填することができる。ひいては、気泡及びレジスト残渣に起因するめっき不良の発生を抑制することができる。
【0066】
以上で説明した実施形態では、レジスト残渣除去装置50と液体充填装置80とが別々の装置であるものとして説明したが、これらの装置を一体に構成してもよい。
図15は、別の実施形態に係るプリウェット槽40を示す概略側断面図である。このプリウェット槽40は、レジスト残渣除去装置と液体充填装置との両方を含む。図示のように、このプリウェット槽40は、処理槽41と、スプレーカバー42と、スプレー部60と、回転機構43と、ロータリージョイント44と、を備える。
【0067】
処理槽41は、基板Wfを保持した基板ホルダ30を収容するように構成される。処理槽41は、その側部に開口41aを有する。開口41aには、略カップ状のスプレーカバー42が気密に取り付けられる。スプレーカバー42の基板ホルダ30に対向する端部の上方には、切欠き42aが設けられる。スプレー部60は、一部が開口41aを通じて処理槽41の外部に位置する。スプレー部60とスプレーカバー42との間はメカニカルシール等により封止され、スプレーカバー42内の純水又は脱気水が処理槽41の外部に漏出することが防止される。
【0068】
スプレー部60の本体部61は、略円盤状に形成され、スプレーカバー42の内部に位置する。本体部61の基板Wfと対向する面には、複数のノズル63が設けられる。ノズル63は、基板Wfの直径の全長に渡って純水をスプレーできるように配置されている。
【0069】
回転機構43は、例えばモータとギアを有し、処理槽41の外部に位置するスプレー部60の一部と係合して、スプレー部60の本体部61を基板Wfの周方向に沿って回転させる。スプレー部60は、ロータリージョイント44を介して、図示しない液体供給源に接続される。この液体供給源は、純水又は脱気水をスプレー部60に供給する。
【0070】
このプリウェット槽40でレジスト開口部のレジスト残渣を除去するときは、まず、基板ホルダ30を処理槽41内に収納する。このとき、基板ホルダ30は、スプレーカバー42の端部とは所定距離離間して配置される。図示しない液体供給源から純水をスプレー部60に供給し、基板Wfのレジスト開口部が形成された面に対してノズル63から純水
をスプレーする。回転機構43は、スプレー部60を基板Wfの周方向に沿って回転させる。これにより、基板Wfのレジスト開口部が形成された面の全面に、スプレー部60からの純水を衝突させることができる。ひいては、基板Wf全面において、レジスト開口部内のレジスト残渣を除去することができる。基板Wfにスプレーされた純水は処理槽41内に溜まり、図示しない排出部より処理槽41の外部に排出される。
【0071】
レジスト開口部のレジスト残渣の除去が終了した後、液体充填処理を行う。まず、基板ホルダ30をスプレーカバー42に近接させて、
図15に示すように、スプレーカバー42の端部を基板ホルダ30に当接させる。これにより、スプレーカバー42と基板ホルダ30とによって閉空間が形成される。この状態で、図示しない液体供給源から脱気水をスプレー部60に供給し、基板Wfのレジスト開口部が形成された面に対してノズル63から脱気水をスプレーする。基板Wfにスプレーされた脱気水は、スプレーカバー42と基板ホルダ30とによって形成される閉空間内に溜まり、スプレーを続けることで閉空間内が脱気水で充満する。これにより、基板Wfのレジスト開口部が形成された面の前面に脱気水が接触して、レジスト開口部内に脱気水が充填される。なお、スプレー部60からの脱気水の供給を継続することで、閉空間内に溜まった脱気水は、切欠き42aから溢れて処理槽41に流れ込む。処理槽41内に流れ込んだ脱気水は、図示しない排出部より処理槽41の外部に排出される。
【0072】
図15に示すように、この実施形態におけるプリウェット槽40は単一の処理槽41においてレジスト残渣除去処理と液体充填処理を行うことができる。このため、レジスト残渣除去装置50と液体充填装置80とを別々の槽に設ける場合に比べて、プリウェット槽40のフットプリントを低減することができる。
【0073】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上述した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれることはもちろんである。また、上述した課題の少なくとも一部を解決できる範囲、または、効果の少なくとも一部を奏する範囲において、特許請求の範囲及び明細書に記載された各構成要素の任意の組み合わせ、又は省略が可能である。例えば、以上の説明では、めっき装置の一例として電解めっき装置を用いたが、これに限らず、プリウェット処理を行う無電解めっき装置にも本発明を適用することができる。
【0074】
以下に本明細書が開示する形態のいくつかを記載する。
第1形態によれば、レジスト開口部を有する基板にめっきをするめっき方法が提供される。このめっき方法は、前記基板の前記レジスト開口部が形成された面に第1の処理液をスプレーして前記基板のレジスト開口内のレジスト残渣を除去するレジスト残渣除去工程と、前記除去工程を経た前記基板を第2の処理液に浸漬して前記基板の前記レジスト開口部内に前記第2の処理液を充填する充填工程と、前記液体充填工程を経た前記基板にめっきするめっき工程と、を有する。
【0075】
第1形態によれば、レジスト開口部内にレジスト残渣が存在する基板であっても、レジスト残渣を除去した後、レジスト開口部内に液体を充填することができる。したがって、気泡及びレジスト残渣に起因するめっき不良の発生を抑制することができる。
【0076】
第2形態によれば、第1形態のめっき方法において、前記レジスト残渣除去工程は、前記基板の前記レジスト開口部が形成された面の全面に前記第1の処理液をスプレーする工程を有する。
【0077】
第2形態によれば、レジスト開口部が形成された面の全面に第1の処理液がスプレーさ
れるので、基板上に形成された全てのレジスト開口部内のレジスト残渣を除去することができる。なお、「基板のレジスト開口部が形成された面の全面」とは、基板が基板ホルダに保持されている場合には、基板ホルダから露出した基板の面の全面をいう。
【0078】
第3形態によれば、第2形態のめっき方法において、前記レジスト残渣除去工程は、ノズルが前記基板上を走査する工程を有する。第3形態によれば、少ないノズルで基板全面へ第1の処理液をスプレーすることができる。
【0079】
第4形態によれば、第3形態のめっき方法において、前記ノズルは、鉛直上下方向に離間した第1ノズル群と、第2ノズル群を有し、前記レジスト残渣除去工程は、前記第1ノズル群からのスプレーと、前記第2ノズル群からのスプレーと、を鉛直方向に配置された前記基板に対して別々のタイミングで行う工程を有する。
【0080】
第4形態によれば、上下方向に離間した第1ノズル群と第2ノズル群とを有するので、ノズルを基板表面に沿って走査させる際のストロークを小さくすることができ、装置サイズを小さくすることができる。また、第1ノズル群からのスプレーと第2ノズル群からのスプレーとが別々のタイミングで行われるので、それぞれのノズル群のスプレー時の水膜の影響を低減することができる。
【0081】
第5形態によれば、第4形態のめっき方法において、前記レジスト残渣除去工程は、前記第1ノズル群と前記第2ノズル群のうち、前記ノズルの進行方向の先頭側のノズル群から、前記基板に対して前記第1の処理液をスプレーする工程を有する。
【0082】
第6形態によれば、第5形態のめっき方法において、前記第1ノズル群は前記第2ノズル群よりも鉛直方向で上方に位置し、前記レジスト残渣除去工程は、前記第1ノズル群を構成するノズルのノズル口を前記基板の前記レジスト開口部が形成された面と直交する方向に対して上方に傾斜させてスプレーする工程と、前記第2ノズル群を構成するノズルのノズル口を前記基板の前記レジスト開口部が形成された面と直交する方向に対して下方に傾斜させてスプレーする工程と、を有する。第6形態によれば、それぞれのノズル群のスプレー時の水膜の影響を低減しつつ、基板の被めっき面の影になる部分に、スプレーを直接当てることができる。
【0083】
第7形態によれば、第2形態から第6形態のいずれかのめっき方法において、前記レジスト残渣除去工程は、前記基板がノズルに対して移動する工程を有する。第7形態によれば、少ないノズルで基板全面へ第1の処理液をスプレーすることができる。また、ノズル自体も基板上を走査する場合には、ノズルの走査及び基板の移動のストロークを小さくすることができる。
【0084】
第8形態によれば、第1形態から第7形態のいずれかのめっき方法において、前記前記レジスト残渣除去工程は、ノズルのノズル口を前記基板の前記レジスト開口部が形成された面と直交する方向に対して傾斜させてスプレーする工程を有する。
【0085】
基板が基板ホルダに保持される場合、基板ホルダによって基板の被めっき面に影になる部分が形成されることがある。第8形態によれば、ノズル口が基板の被めっき面に直交する方向に対して傾斜しているので、このような基板の被めっき面の影になる部分にも、スプレーを直接当てることができる。ひいては、基板の全面において、レジスト開口部内のレジスト残渣を除去することができる。
【0086】
第9形態によれば、第1形態から第8形態のいずれかのめっき方法において、前記レジスト残渣除去工程は、前記基板を鉛直に配置する工程を有する。第9形態によれば、基板
にスプレーされた第1の処理液が重力により下方に流れる。このため、基板の表面に滞留する第1の処理液の量を減らすことができるので、基板の表面に滞留する第1の処理液(水膜)によりレジスト残渣除去効率が低下することを抑制することができる。
【0087】
第10形態によれば、第9形態のめっき方法において、前記レジスト残渣除去工程は、第1処理槽内に配置されたノズルから第1の処理液をスプレーする工程と、前記ノズルからスプレーした状態で前記基板を前記第1処理槽内に鉛直に収納する工程を有する。第10形態によれば、基板を処理槽に収納する前にノズルからのスプレーが予め開始されているので、基板を処理槽収納すると同時に基板に第1の処理液がスプレーされる。このため、基板の処理槽への収納が完了してからスプレーを開始する場合に比べて、処理時間を短縮できる。
【0088】
第11形態によれば、第1形態から第12形態のいずれかのめっき方法において、前記レジスト残渣除去工程は、0.05MPa以上0.45MPa以下の圧力で前記第1の処理液をスプレーする工程を有する。第9形態によれば、レジスト開口部内のレジスト残渣をより確実に除去することができる。
【0089】
第12形態によれば、第1形態から第13形態のいずれかのめっき方法において、前記レジスト残渣除去工程は、2.5m/秒以上15.0m/秒以下の流速であり且つ10L/分以上20L/分以下の流量で前記第1の処理液をスプレーする工程を有する。第12形態によれば、第1の処理液の流速を上記範囲内にすることにより、レジスト開口部内に巻き込まれる気泡を少なくすることができ、液体充填工程における処理時間を短くすることができる。また、第1の処理液の流量を上記範囲内にすることにより、効率よくレジスト残渣を除去することができる。したがって、第1の処理液の流速及び流量を上記範囲内にすることにより、レジスト残渣除去工程及び液体充填工程における処理時間の両方を短くすることができる。
【0090】
第13形態によれば、第1形態から第12形態のいずれかのめっき方法において、前記液体充填工程は、前記第2の処理液を撹拌する工程を有する。第13形態によれば、第2の処理液を撹拌することで、基板表面に接触する第2の処理液の流量が増加するので、レジスト開口部内への液体の充填効率を向上させることができる。
【0091】
第14形態によれば、第1形態から第13形態のいずれかのめっき方法において、前記液体充填工程は、前記基板に衝撃又は振動を与える工程を有する。第14形態によれば、レジスト開口部内の気泡が基板から分離し易くなり、レジスト開口部内に第2の処理液を充填し易くなる。
【0092】
第15形態によれば、第1形態から第14形態のいずれかのめっき方法において、前記液体充填工程は、前記基板を収納した第2処理槽の下方から前記第2の処理液を供給する工程と、前記第2処理槽の上方から前記第2の処理液を排出する工程と、前記第2処理槽内の前記第2の処理液を循環する工程と、を有する。第15形態によれば、第2処理槽内の第2の処理液を循環させることにより、基板表面に接触する第2の処理液の流量が増加するので、レジスト開口部内への液体の充填効率を向上させることができる。
【0093】
第16形態によれば、第1形態から第15形態のいずれかのめっき方法において、前記液体充填工程は、前記基板の前記レジスト開口部が形成された面が上方を向き且つ前記基板が傾斜するように、第2処理槽内に前記基板を配置する工程を有する。第16形態によれば、レジスト開口部内に脱気水を充填し易くなる。
【0094】
第17形態によれば、第1形態から第16形態のいずれかのめっき方法において、前記
第1の処理液は、前記第2の処理液と異なる液体である。
【0095】
第18形態によれば、第1形態から第17形態のいずれかのめっき方法において、前記第1の処理液は、純水、界面活性剤及びクエン酸のいずれかを含んだ純水、硫酸、界面活性剤及びクエン酸のいずれかを含んだ硫酸、CO2イオン等を含むイオン水、ポリアルキレングリコール群からの化合物を含んだ液体、アミノ基を含有するアルキレングリコール群からの化合物を含んだ液体、メタンスルホン酸、並びにこれらの任意の組み合わせから成る。
【0096】
第19形態によれば、第1形態から第18形態のいずれかのめっき方法において、前記第2の処理液は、脱気水、界面活性剤及びクエン酸のいずれかを含んだ純水、硫酸、界面活性剤及びクエン酸のいずれかを含んだ硫酸、CO2イオン等を含むイオン水、ポリアルキレングリコール群からの化合物を含んだ液体、アミノ基を含有するアルキレングリコール群からの化合物を含んだ液体、メタンスルホン酸、並びにこれらの任意の組み合わせから成る。
【0097】
第20形態によれば、レジスト開口部を有する基板にめっきをするめっき装置が提供される。このめっき装置は、前記基板の前記レジスト開口部が形成された面に第1の処理液を吹き付けるノズルを備えたスプレー部を有し、前記基板のレジスト開口内のレジスト残渣を除去するレジスト残渣除去装置と、前記基板を第2の処理液に浸漬して前記基板の前記レジスト開口部内に前記第2の処理液を充填する液体充填装置と、前記基板にめっきするめっき槽と、を有する。
【0098】
第20形態によれば、レジスト開口部内にレジスト残渣が存在する基板であっても、レジスト残渣を除去した後、レジスト開口部内に液体を充填することができる。したがって、気泡及びレジスト残渣に起因するめっき不良の発生を抑制することができる。
【0099】
第21形態によれば、第20形態のめっき装置において、前記スプレー部が前記基板の面に沿って相対移動するように、前記スプレー部及び前記基板の少なくとも一つを移動させる移動機構を有する。第20形態によれば、少ないノズルで基板全面へ純水をスプレーすることができる。また、また、スプレー部と基板の両方が移動する場合には、ノズルの走査及び基板の移動のストロークを小さくすることができる。
【0100】
第22形態によれば、第21形態のめっき装置において、前記スプレー部は、鉛直上下方向に離間した第1ノズル群と、第2ノズル群を有し、前記第1ノズル群及び前記第2ノズル群は、水平方向に配列された複数のノズルを含む。
【0101】
第22形態によれば、スプレー部が上下方向に離間した第1ノズル群と第2ノズル群とを有するので、スプレー部が基板の面に沿って上下方向に往復移動することで、基板全面に第1の処理液をスプレーすることができる。また、ノズルを基板表面に沿って走査させる際のストロークを小さくすることができ、装置サイズを小さくすることができる。
【0102】
第23形態によれば、第22形態のめっき装置において、前記第1ノズル群及び前記第2ノズル群は、それぞれ、水平方向に配列された第1ノズル列と、第2ノズル列とを有し、前記第1ノズル列と前記第2ノズル列は上下方向に隣接して配置される。第23形態によれば、第1ノズル群及び第2ノズル群が、それぞれ2列のノズル列を有するので、いずれか一方の列のノズルに故障が生じても、基板に第1の処理液のスプレーがされない事態を回避することができ、スプレー部の信頼性を向上させることができる。
【0103】
第24形態によれば、第22形態又は第23形態のめっき装置において、前記第1ノズ
ル群及び前記第2ノズル群を構成する複数のノズルは、スロット形状のノズル口を有し、前記複数のノズルの少なくとも一つのノズル口は、水平方向に隣接する他のノズルからのスプレーと干渉しないように方向づけられる。第24形態によれば、隣接するノズル同士のスプレーが干渉しないので、基板へのスプレーの均一性を向上することができる。
【0104】
第25形態によれば、第22形態から第24形態のいずれかのめっき装置において、前記スプレー部は、前記第1ノズル群からのスプレーと、前記第2ノズル群からのスプレーと、を鉛直方向に配置された前記基板に対して別々のタイミングで行うように構成される。第25形態によれば、第1ノズル群からのスプレーと第2ノズル群からのスプレーとが別々のタイミングで行われるので、それぞれのノズル群のスプレー時の水膜の影響を低減することができる。
【0105】
第26形態によれば、第25形態のめっき装置において、前記スプレー部は、前記第1ノズル群と前記第2ノズル群のうち、前記スプレー部の進行方向の先頭側のノズル群から、前記基板に対して前記第1の処理液をスプレーするように構成される。
【0106】
第27形態によれば、第26形態のめっき装置において、前記第1ノズル群は前記第2ノズル群よりも鉛直方向で上方に位置し、前記第1ノズル群を構成するノズルは、そのノズル口が前記基板の前記レジスト開口部が形成された面と直交する方向に対して上方に傾斜するように、前記スプレー部に設けられ、前記第2ノズル群を構成するノズルは、そのノズル口が前記基板の前記レジスト開口部が形成された面と直交する方向に対して下方に傾斜するように、前記スプレー部に設けられる。第27形態によれば、それぞれのノズル群のスプレー時の水膜の影響を低減しつつ、基板の被めっき面の影になる部分に、スプレーを直接当てることができる。
【0107】
第28形態によれば、第20形態から第27形態のいずれかのめっき装置において、前記ノズルのノズル口は、前記基板の前記レジスト開口部が形成された面と直交する方向に対して傾斜するように前記スプレー部に設けられる。
【0108】
基板が基板ホルダに保持される場合、基板ホルダによって基板の被めっき面に影になる部分が形成されることがある。第20形態によれば、ノズル口が基板の被めっき面に直交する方向に対して傾斜しているので、このような基板の被めっき面の影になる部分にも、スプレーを直接当てることができる。ひいては、基板の全面において、レジスト開口部内のレジスト残渣を除去することができる。
【0109】
第29形態によれば、第20形態から第28形態のいずれかのめっき装置において、前記レジスト残渣除去装置は、前記基板を鉛直方向に収納する第1処理槽を有する。第29形態によれば、基板が鉛直方向に収納されるので、基板にスプレーされた第1の処理液が重力により下方に流れる。このため、基板の表面に滞留する第1の処理液の量を減らすことができるので、基板の表面に滞留する第1の処理液(水膜)によりレジスト残渣除去効率が低下することを抑制することができる。
【0110】
第30形態によれば、第20形態から第29形態のいずれかのめっき装置において、前記液体充填装置は、前記第2の処理液を撹拌する撹拌装置を有する。第30形態によれば、第2の処理液を撹拌することで、基板表面に接触する第2の処理液の流量が増加するので、レジスト開口部内への第2の処理液の充填効率を向上させることができる。
【0111】
第31形態によれば、第20形態から第30形態のいずれかのめっき装置において、前記液体充填装置は、前記基板を収納する第2処理槽と、前記第2処理槽内の前記第2の処理液を循環させる循環装置と、を有する。第23形態によれば、第2処理槽内の第2の処
理液を循環させることにより、基板表面に接触する第2の処理液の流量が増加するので、レジスト開口部内への第2の処理液の充填率を向上させることができる。
【0112】
第32形態によれば、第20形態から第31形態のいずれかのめっき装置において、前記第1の処理液は、前記第2の処理液と異なる液体である。
【0113】
第33形態によれば、第20形態から第32形態のいずれかのめっき装置において、前記第1の処理液は、純水、界面活性剤及びクエン酸のいずれかを含んだ純水、硫酸、界面活性剤及びクエン酸のいずれかを含んだ硫酸、CO2イオン等を含むイオン水、ポリアルキレングリコール群からの化合物を含んだ液体、アミノ基を含有するアルキレングリコール群からの化合物を含んだ液体、メタンスルホン酸、並びにこれらの任意の組み合わせから成る。
第34形態によれば、第20形態から第33形態のいずれかのめっき装置において、前記第2の処理液は、脱気水、界面活性剤及びクエン酸のいずれかを含んだ純水、硫酸、界面活性剤及びクエン酸のいずれかを含んだ硫酸、CO2イオン等を含むイオン水、ポリアルキレングリコール群からの化合物を含んだ液体、アミノ基を含有するアルキレングリコール群からの化合物を含んだ液体、メタンスルホン酸、並びにこれらの任意の組み合わせから成る。