(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明は、コネクタ端子の脚部を支持する脚部支持ホルダを回路基板に設けなくても、コネクタ接続時にコネクタ端子に作用する荷重で、コネクタ端子の脚部が座屈することを防止できる端子接続構造体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、
回路基板と、前記回路基板に実装されたコネクタ端子とを備え、前記コネクタ端子は、前記回路基板に平行に配置された端子本体と、前記端子本体において前記端子本体の幅方向に並べられて設けられ、前記回路基板の側に曲げられて前記回路基板に接続された複数の脚部とを有し、前記複数の脚部のうち、少なくとも1つの脚部における前記回路基板との接続位置は、他の脚部における前記回路基板との接続位置に対して、前記端子本体のコネクタ接続方向に平行な方向にず
れ、前記複数の脚部は、前記回路基板の孔部に挿入されて接続された挿入脚部、及び前記回路基板の主面に接続された表面接続脚部を含み、前記複数の脚部は、1つの前記表面接続脚部と、1つの前記挿入脚部とで構成され、前記コネクタ端子は、前記端子本体の基端に前記端子本体の横幅よりも大きい横幅の拡幅部を有し、前記拡幅部から前記複数の脚部が延設されたことを特徴とする端子接続構造体である。
【0007】
なお、上記の「平行」とは、厳密な意味での平行方向に限定するものではなく、平行方向を中心に一定範囲内でずれた方向(例えばおおよそ平行と見なせる方向)も含む。
また、上記の「端子本体の幅方向」とは、コネクタ接続方向に直交する方向の横幅方向である。
また、上記の「コネクタ接続方向」とは、端子本体が相手側コネクタ端子と接続する際に、端子本体が、相対的に相手側コネクタ端子に向かって接近する方向である。上記の「コネクタ接続方向に平行な方向」には、コネクタ接続方向及びその反対方向が含まれる。上記の「コネクタ接続方向に平行な方向にずれている」とは、コネクタ接続方向に平行な方向にずれていれば、コネクタ接続方向に直交する方向(即ち端子本体の幅方向)にずれていてもよいという意味ある。
【0008】
この構成により、コネクタ端子の複数の脚部は、それらの回路基板との接続位置がコネクタ接続方向に平行な方向にずれているため、コネクタ接続方向に沿ってずれたL字構造を構成する。これにより、コネクタ端子の脚部を支持する脚部支持ホルダを回路基板に設けなくても、コネクタ接続時にコネクタ端子に作用する荷重を上記のアーチ構造で受け止めることができ、コネクタ端子の脚部が座屈することを防止できる。
なお、上記の「コネクタ接続方向に沿ってずれたL字構造」には、脚部がその途中で曲がって形成されたL字、及び/又は、脚部がその基端で曲がる場合は該脚部と端子本体とで形成されたL字を含む。
【0009】
更に、従来は、コネクタ端子の脚部の座屈を防止するために、コネクタ端子の脚部を支持する脚部支持ホルダを回路基板に設ける必要があったが、上記の構成では、この脚部支持ホルダが不要になるため、脚部支持ホルダを回路基板に設ける作業工程や、コネクタ端子の脚部を脚部支持ホルダに圧入する作業工程を省略でき、組立工数を削減できる。
【0010】
また、複数の脚部が、挿入脚部
及び表面接続脚
部の両方を含む場合でも、アーチ構造を構成することができる。
なお、挿入脚部は、特に、回路基板の孔部に挿入されるため、回路基板との機械的接続に使用できる。表面接続脚部は、特に、回路基板に形成された回路への電気的接続に使用できる。
【0011】
更にまた、この2本型の脚構造は、機械的接続を受け持つ挿入脚部が1つであるため、コネクタ端子の脚構造の機械的接続強度は若干低下するが、コネクタ端子の脚構造を小型化でき、従って、コネクタ端子を小型化できる。
【0012】
また、一般に、端子本体の端子サイズが比較的小さい場合、コネクタ接続時にコネクタ端子に作用する荷重は比較的小さいため、この2本型の脚構造は、このような端子本体の端子サイズが比較的小さいコネクタ端子に適している。
【0013】
この構成により、端子本体の横幅が比較的小さい場合でも、コネクタ端子に複数の脚部を備えさせることができる。
なお、上記の「端子本体の基端」とは、端子本体におけるコネクタ接続方向の反対側の端部である。
【0014】
この発明は、回路基板と、前記回路基板に実装されたコネクタ端子とを備え、前記コネクタ端子は、前記回路基板に平行に配置された端子本体と、前記端子本体において前記端子本体の幅方向に並べられて設けられ、前記回路基板の側に曲げられて前記回路基板に接続された複数の脚部とを有し、前記複数の脚部のうち、少なくとも1つの脚部における前記回路基板との接続位置は、他の脚部における前記回路基板との接続位置に対して、前記端子本体のコネクタ接続方向に平行な方向にずれていることを特徴とする端子接続構造体である。
【0015】
この発明の態様として、前記複数の脚部は、前記回路基板の孔部に挿入されて接続された挿入脚部、又は/及び、前記回路基板の主面に接続された表面接続脚部を含んでもよい。
この構成により、複数の脚部が、挿入脚部だけ、表面接続脚部だけ、又は、それら両方を含む場合でも、アーチ構造を構成することができる。
なお、挿入脚部は、特に、回路基板の孔部に挿入されるため、回路基板との機械的接続に使用できる。表面接続脚部は、特に、回路基板に形成された回路への電気的接続に使用できる。
【0016】
また、この発明の態様として、前記複数の脚部は、前記挿入脚部及び前記表面接続脚部を含み、前記挿入脚部の前記接続位置は、前記表面接続脚部の前記接続位置よりも、前記コネクタ接続方向にずれてもよい。
【0017】
この構成により、相対的に接続強度が高い挿入脚部の接続位置が、相対的に接続強度が低い表面接続脚部の接続位置よりもコネクタ接続方向にずれているため、コネクタ接続時にコネクタ端子に作用する荷重を、表面接続脚部よりも挿入脚部に作用し易くでき、表面接続脚部に作用する荷重を軽減できる。
また、この構成では、省略された脚部支持ホルダの配置スペースであった場所が挿入脚部の接続位置の配置スペースとして利用されているため、挿入脚部の接続位置の配置スペースの確保が容易になる。
【0018】
また、この発明の態様として、前記複数の脚部は、前記回路基板と機械的に接続する機械接続用脚部と、前記回路基板に形成された電路に電気的に接続する電気接続用脚部とを含んでもよい。
なお、上記の「機械的に接続する」とは、電気的に接続せず、機械的にのみ接続する意味である。
この構成により、回路基板に対し、コネクタ端子を電気的に接続できると共に機械的にも接続することができる。
【0019】
また、この発明の態様として、前記複数の脚部は、3本の脚部であり、前記3本の脚部のうち、両側の脚部の前記接続位置は、真ん中の脚部の前記接続位置よりも前記コネクタ接続方向にずれてもよい。
【0020】
この構成により、この3本型の脚構造は、コネクタ接続時にコネクタ端子に作用する荷重を、3つの脚部で受け止めることができるため、コネクタ端子に作用する荷重が比較的大きな場合でも対応できる。
また、一般に、端子本体の端子サイズが比較的大きい場合、コネクタ接続時にコネクタ端子に作用する荷重は比較的大きくなるため、この3本型の脚構造は、このような端子本体の端子サイズが比較的大きいコネクタ端子に適している。
また、3本の脚部のうち、両側の脚部の接続位置が、真ん中の脚部の接続位置よりもコネクタ接続方向にずれているため、脚構造を小型化でき、従ってコネクタ端子を小型化できる。
【0021】
また、この発明の態様として、前記両側の脚部の各々の前記接続位置は、前記コネクタ接続方向に直交する方向に沿って並べられてもよい。
この構成により、両側の2つの脚部に作用する荷重を、それら2つの脚部の間で均等に分散できる。
【0022】
また、この発明の態様として、前記複数の脚部は、1つの前記表面接続脚部と、1つの前記挿入脚部とで構成されている。
この構成により、この2本型の脚構造は、機械的接続を受け持つ挿入脚部が1つであるため、コネクタ端子の脚構造の機械的接続強度は若干低下するが、コネクタ端子の脚構造を小型化でき、従って、コネクタ端子を小型化できる。
【0023】
また、一般に、端子本体の端子サイズが比較的小さい場合、コネクタ接続時にコネクタ端子に作用する荷重は比較的小さいため、この2本型の脚構造は、このような端子本体の端子サイズが比較的小さいコネクタ端子に適している。
【0024】
また、この発明の態様として、前記コネクタ端子は、前記端子本体の基端に前記端子本体の横幅よりも大きい横幅の拡幅部を有し、前記拡幅部から前記複数の脚部が延設されてもよい。
なお、上記の「端子本体の基端」とは、端子本体におけるコネクタ接続方向の反対側の端部である。
この構成により、端子本体の横幅が比較的小さい場合でも、コネクタ端子に複数の脚部を備えさせることができる。
【0025】
また、この発明の態様として、前記コネクタ端子は複数個備えられ、前記複数のコネクタ端子の各々の前記挿入脚部は、前記コネクタ接続方向に直交する方向に沿って並べられてもよい。
この構成により、各コネクタ端子に作用する荷重を、コネクタ接続方向に対して同じ位置で受け止めることができるため、複数のコネクタ端子全体に作用する荷重をバランス良く受け止めることができる。また、工作機で、挿入脚部が挿入される孔部を回路基板に設けるとき、隣の孔部の箇所までの工作機の移動距離を短くでき、生産性を向上できる。
【0026】
また、この発明の態様として、前記複数の脚部は、前記挿入脚部及び前記表面接続脚部を含み、前記挿入脚部は、前記表面接続脚部よりも細く形成されてもよい。
この構成により、表面接続脚部の太さを確保しつつ、コネクタ端子の脚構造を小型化できる。
【0027】
また、表面接続脚部が電気接続用の脚部として用いられる場合、表面接続脚部の太さは、この端子接続構造体が搭載される装置の仕様で決まるため、細くすることが難しい。このため、挿入脚部を細くすることで、コネクタ端子の脚構造を小型化できる。
【発明の効果】
【0028】
この発明によれば、コネクタ端子の脚部を支持する脚部支持ホルダを回路基板に設けなくても、コネクタ接続時にコネクタ端子に作用する荷重でコネクタ端子の脚部が座屈することを防止できる端子接続構造体を提供することができる
【発明を実施するための形態】
【0030】
<実施形態>
図1〜
図8を参照して、本発明の実施形態に係る端子接続構造体が適用された電気接続カセット1について説明する。
<概要>
図1に示すように、電気接続カセット1は、車両(例えば自動車)に搭載された電気接続箱2と車載機器3とを接続する給電線4の途中に介装され、車載機器3に供給される電力を監視する装置である。なお、電気接続箱2は、電源(例えばバッテリ)からの電力を複数の車載機器3に分配する装置である。
【0031】
より詳細には、電気接続カセット1は、各種の機能(例えば、ヒューズ機能、リレー機能、記録機能、電圧監視機能、フィルタ機能、バックアップコンデンサ機能など)のうちの一の機能を有し、同一又は異なる機能を有する1つ以上の同種の電気接続カセット1を組み合わせて相互に電気的に接続することが可能であり、これにより、例えば車両内の空きスペースの広さに応じて、1つ以上の機能を選択的に組み合わせて用いることが可能な装置である。
【0032】
図1では、一例として、給電線4に、1つ以上の電気接続カセット1を相互に接続したカセット接続体7aとカセット接続体7bとが介装されている。
カセット接続体7aは、例えば、ヒューズ機能を有する2つの電気接続カセット1A,1Bが互いに接続されて構成されている。電気接続カセット1Aには、電気接続箱2からの給電線4aに接続された外部コネクタ50が接続され、電気接続カセット1Bには、車載機器3に繋がる給電線4bに接続された外部コネクタ51が接続されている。
【0033】
また、カセット接続体7bは、ヒューズ機能を有する電気接続カセット1Cと、フィルタ機能を有する電気接続カセット1Dと、バックアップコンデンサ機能を有する電気接続カセット1Eとが互いに接続されて構成されている。電気接続カセット1Cには、電気接続箱2側からの給電線4bに接続された外部コネクタ52が接続され、電気接続カセット1Eには、車載機器3に繋がる給電線4cに接続された外部コネクタ53が接続されている。
【0034】
図1では、車載機器3に繋がる給電線4の途中に介装された各電気接続カセット1A〜1Eの各機能によって、車載機器3aに供給される電力が監視されている。
なお、
図1では、外部コネクタ50に給電路5が分岐接続されており、給電路4aからの電力が給電路5を介して他の車載機器3bにも供給されている。
【0035】
<電気接続カセット1>
図2及び
図3に示すように、電気接続カセット1は、回路基板10と、回路基板に実装された一対の金属部材11,12及び複数の外部コネクタ端子14,15(コネクタ端子)と、回路基板10を収容する筐体16とを備えている。
<回路基板10>
回路基板10は、例えば平面視矩形の板状に形成されている。回路基板10の主面には、回路を構成する電路が形成されると共に、各種の機能(例えば、ヒューズ機能、リレー機能、電圧監視機能、記録機能、フィルタ機能、バックアップコンデンサ機能など)のうちの一の機能を構成する回路部品が実装されている。
【0036】
なお、リレー機能は、回路基板10に形成された電路を遮断又は導通する機能であり、ヒューズ機能は、回路基板10に形成された電路に流れる電流の一定時間の時間積分値(例えばジュール熱積分)が所定の積分値以上になると上記の電路を遮断する機能であり、電圧監視機能は、回路基板10に形成された電路の電圧が所定の電圧値以下になると所定の信号(例えばリセット信号)を出力する機能であり、記録機能は、回路基板10に形成された電路の電圧値及び/又は該電路に流れる電流の電流値を記録する記録であり、フィルタ機能は、回路基板10に形成された電路に流れるノイズを除去する機能であり、バックアップコンデンサ機能は、電源遮断時に電源を供給する機能である。
【0037】
回路基板10における基板幅方向Q5の両側の側部10aには、各金属部材11,12が嵌合する切欠部10bが設けられている。なお、基板幅方向Q5は、回路基板10における嵌合方向Q1に直交する方向の幅方向である。また、嵌合方向Q1は、筐体16の後述のアッパーケース17に回路基板10が収容される際に、アッパーケース17に対して回路基板10が相対的に接近(即ち嵌合)する方向である。
【0038】
また、回路基板10における嵌合方向Q1の反対側の基端部10cの縁には、複数の外部コネクタ端子14,15の脚部142,152が挿入される複数の孔部10dが設けられている。複数の孔部10dは、基端部10cに沿って一列に並んでいる。換言すれば、複数の孔部10dは、複数の外部コネクタ端子14,15のコネクタ接続方向Q2に平行な方向に対して同じ位置に設けられている。
なお、コネクタ接続方向Q2は、外部コネクタ端子14,15が相手側コネクタ端子と接続する際に、相手側コネクタ端子に対して外部コネクタ端子14,15が相対的に接近する方向であり、この実施形態では、嵌合方向Q1と逆向きである。
【0039】
<外部コネクタ端子14,15>
各外部コネクタ端子14,15はそれぞれ、外部からの電力用や信号用の相手側コネクタ端子が接続されるコネクタ端子である。
図4(a)及び
図5(a)に示すように、各外部コネクタ端子14,15は、それらのコネクタ接続方向Q2が回路基板10に平行に配置された状態(例えば嵌合方向Q1の反対方向に向けられた状態)で、回路基板10の一方主面10eにおける嵌合方向Q1の反対側の縁に実装されている。
【0040】
なお、上記の「平行」には、厳密な意味での平行方向に限定するものではなく、平行方向を中心に一定範囲内でずれた方向(例えばおおよそ平行と見なせる方向)も含む(以下同様)。また、コネクタ接続方向Q2は、外部コネクタ端子14,15が相手側コネクタ端子と接続する際に、外部コネクタ端子14,15が、相対的に相手側コネクタ端子に向かって接近する方向である。
【0041】
外部コネクタ端子14は、例えば、3本の脚部を有する3本型コネクタ端子であり、外部からの相手側コネクタ端子と接続され、比較的大きい電流(この実施形態では電力)が入力される。外部コネクタ端子14は、回路基板10に形成された電路を介して金属部材11に電気的に接続されている。以後、3本型コネクタ端子14とも呼ぶ。
【0042】
外部コネクタ端子15は、例えば、2本の脚部を有する2本型コネクタ端子であり、外部からの相手側コネクタ端子と接続され、比較的小さい電流(この実施形態では制御信号など)が入力される。外部コネクタ端子15は、回路基板10に形成された電路を介して、回路基板10に実装された各種の機能を有する回路部品(例えば半導体スイッチの制御端子やICの入出力端子)に電気的に接続されている。以後、2本型コネクタ端子15とも呼ぶ。
【0043】
この実施形態では、3本型コネクタ端子14は2個備えられ、2本型コネクタ端子15は3個備えられているが、3本型コネクタ端子14は例えば複数個備えられてもよく、2本型コネクタ端子15は1個以上備えられてもよい。また、3本型コネクタ端子14や2本型コネクタ端子15が不要の場合は、それらの端子14,15は無くてもよい。
【0044】
3本型コネクタ端子14は、比較的幅広の例えば矩形の平板状の端子本体141と、端子本体141の基端に設けられ、端子本体141の横幅方向(即ちコネクタ接続方向Q2に直交する横幅方向、換言すれば基板幅方向Q5)に並べられた3本の脚部142とを備えている。なお、端子本体141の基端とは、端子本体141におけるコネクタ接続方向Q2の反対側の端部である。
【0045】
端子本体141は、そのコネクタ接続方向Q2が回路基板10に平行に配置された状態(例えば嵌合方向Q1の反対方向に向けられた状態)で、回路基板10の一方主面10e側に配置されている。
3本の脚部142は、1本の表面接続脚部142aと、2本の挿入脚部142bとで構成されている。この実施形態では、表面接続脚部142aは、2本の挿入脚部142bの間に配置されているが、2本の挿入脚部142bの両側の一方に配置されてもよい。
【0046】
表面接続脚部142aは、端子本体141から延設され、回路基板10の側に曲げられると共にその先端部が回路基板10の一方主面10eに平行な方向に曲げられ、その先端部が回路基板10の一方主面10eに接続されている。各挿入脚部142bは、端子本体141から延設され、回路基板10の側に曲げられて回路基板10の孔部10dに挿入されて接続されている。各脚部142(142a、142b)は、例えば、各脚部142の幅方向(即ち端子本体141の幅方向)に平行に曲げられている。
【0047】
また、3本の脚部142のうち、少なくとも1つの脚部における回路基板10との接続位置は、他の脚部における回路基板10との接続位置に対して、コネクタ接続方向Q2に平行な方向(例えばコネクタ接続方向Q2の反対側)にずれている。この実施形態では、3本の脚部142のうち、両側の脚部(例えば各挿入脚部142b)の接続位置P3は、真ん中の脚部(例えば表面接続脚部142a)の接続位置P4よりもコネクタ接続方向Q2にずれていると共に、コネクタ接続方向Q2に直交する方向(即ち基板幅方向Q5)に沿って一列に並べられている。
【0048】
なお、上記の「コネクタ接続方向Q2に平行な方向」には、コネクタ接続方向Q2及びその反対方向が含まれる。
また、上記の「コネクタ接続方向Q2に平行な方向にずれている」とは、コネクタ接続方向Q2に平行な方向にずれていれば、コネクタ接続方向Q2に直交する方向(即ち基板幅方向Q5)にずれていてもよいという意味ある。
【0049】
2本型コネクタ端子15は、比較的幅細の例えば矩形の平板状の端子本体151と、端子本体151の基端に設けられ、端子本体151よりも幅広の拡幅部153と、拡幅部153に設けられ、拡幅部153の横幅方向(即ちコネクタ接続方向に直交する幅方向、換言すれば基板幅方向Q5)に並べられた2本の脚部152とを備えている。なお、端子本体151の基端とは、端子本体151におけるコネクタ接続方向Q2の反対側の端部である。
【0050】
端子本体151は、そのコネクタ接続方向Q2が回路基板10に平行に配置された状態(例えば嵌合方向Q1の反対方向に向けられた状態)で、回路基板10の一方主面10e側に配置されている。
2本の脚部152は、1本の表面接続脚部152aと、1本の挿入脚部152bとで構成されている。
【0051】
表面接続脚部152aは、拡幅部153から延設され、回路基板10の側に曲げられると共にその先端部が回路基板10の一方主面10eに平行な方向に曲げられ、その先端部が回路基板10の一方主面10eに接続されている。挿入脚部152bは、拡幅部153から延設され、回路基板10の側に曲げられて回路基板10の孔部10dに挿入されて接続されている。各脚部152(152a,152b)は、例えば、各脚部152の幅方向(即ち端子本体151の幅方向)に平行に曲げられている。
【0052】
また、2本の脚部152のうち、少なくとも1つの脚部における回路基板10との接続位置は、他の脚部における回路基板10との接続位置に対して、コネクタ接続方向Q2に平行な方向(例えばコネクタ接続方向Q2の反対側)にずれている。この実施形態では、挿入脚部152bの接続位置P5が、表面接続脚部152aの接続位置P6よりも、コネクタ接続方向Q2にずれている。
【0053】
なお、この実施形態では、表面接続脚部142a,152aは、回路基板10に形成された電路に電気的に接続する電気接続用脚部として用いられ、回路基板10の一方主面10eに形成された電路に例えば半田によって電気的に接続している。また、挿入脚部142b,152bは、回路基板10と機械的に接続する機械的接続用脚部として用いられ、回路基板10の孔部10dに圧入されて接続している。なお、上記の「機械的に接続する」とは、電気的に接続せず、機械的にのみ接続する意味である。なお、脚部142(152)が電気接続用脚部142a(152a)と機械接続用脚部142b(152b)とに分けられることで、電気接続に関して機械接続の観点を考慮せず、設計が可能となり、設計の自由度及び容易性を向上させることができる。
【0054】
また、3本型コネクタ端子14の挿入脚部142bは、例えば、3本型コネクタ端子14の表面接続脚部142aよりも細く形成され、2本型コネクタ端子15の挿入脚部152bは、例えば、2本型コネクタ端子15の表面接続脚部152aよりも細く形成されている。
【0055】
また、各外部コネクタ端子14,15の各々の挿入脚部142b,152bは、コネクタ接続方向Q2に直交する方向に沿って一列に並べられている。また、各コネクタ端子14,15の各々の表面接続脚部142a,152aは、コネクタ接続方向Q2に直交する方向に沿って一列に並べられている。
【0056】
また、この実施形態では、一例として、3個の2本型コネクタ端子15は、回路基板10における嵌合方向Q1の反対側の基端部10cの縁の中央に配置され、それらの両側に、2個の3本側コネクタ端子14が配置されている。
【0057】
<金属部材11,12>
各金属部材11,12は、同種の電気接続カセット1同士で互いに電気的に接続するための端子である。各金属部材11,12は、互いに鏡像対称に形成されているため、以下では、金属部材11の構造を中心に説明する。
【0058】
図3〜
図5に示すように、金属部材11は、互いに嵌合可能な端子形状を有する第1接続端子111及び第2接続端子112と、第1接続端子111と第2接続端子112とを連結する連結部113と、回路基板10を両側の主面10e,10f側から挟み込むことで金属部材11を回路基板10に固定する複数(例えば3つ)の挟込部114(114a,114b,114c)とを備えている。
【0059】
第1接続端子111は、その端子接続方向Q8が嵌合方向Q1(回路基板10に対する所定方向)に向けられた状態で、回路基板10の一方主面10eの側に配置され、また、第2接続端子112は、その端子接続方向Q9が端子接続方向Q8と平行な方向(例えば端子接続方向Q8の逆向き)に向けられた状態で、回路基板10の他方主面10fの側に配置されている。
なお、第1接続端子111の端子接続方向Q8は、嵌合方向Q1の逆向きであってもよい。また、第2接続端子112の端子接続方向Q9は、第1接続端子111の端子接続方向Q8と同じ向きであってもよい。
【0060】
第1接続端子111の接続部は、音叉形状端子(即ち板形状)に形成され、第1接続端子111の接続部の主面は、回路基板10の一方主面10eに平行に配置されている。また、第2接続端子112の接続部は、上記の音叉形状端子に嵌合可能なタブ形状端子(即ち板形状)に形成され、第2接続端子112の接続部の主面は、回路基板10の他方主面10fに垂直に配置されている。
【0061】
連結部113は、回路基板10に実装され、第1接続端子111及び第2接続端子112が回路基板10に対して上記のように配置するように、第1接続端子及び第2接続端子を連結すると共に支持している。
【0062】
金属部材11は、連結部113が回路基板10の切欠部10bに嵌合され、且つ、挟込部114aの先端部と各挟込部114b,114cの先端部との間に回路基板10が挟まれることで、回路基板10に実装されている。
【0063】
この実施形態では、各挟込部114a,114b,114cは、回路基板10と機械的に接続する機械接続部として機能している。また、挟込部114a,114b,114cのうちの少なくとも1つの挟込部(例えば挟込部114c)は、回路基板10に形成された電路に、例えば半田付けによって電気的に接続されており、回路基板10に形成された電路に電気的に接続される電気接続部としても機能している。
【0064】
なお、金属部材12も、金属部材11と同様に、互いに嵌合可能な端子形状を有する第1接続端子121及び第2接続端子122と、第1接続端子121と第2接続端子122とを連結する連結部123と、回路基板10を両側の主面10e,10f側から挟み込むことで金属部材12を回路基板10に固定する複数(例えば3つ)の挟込部124(124a,124b,124c)とを備えている。金属部材12は、金属部材11と鏡像対称の形に形成されており、金属部材11と同様に回路基板10に実装されている。
【0065】
<筐体16>
図2及び
図3に示すように、筐体16は、回路基板10を収容するアッパーケース17と、アッパーケース17の収容口を閉塞するロアケース18とを備えている。
図6に示すように、アッパーケース17は、開放面171aを有する例えば略直方体形の箱状に形成されたケース本体171を有している。開放面171aは、上記の収容口を構成すると共にケース本体171の内部の収容空間に連通している。ケース本体171は、開放面171aの周囲を囲む4つの側壁部171b,171c,171d,171eと、開放面171aの反対側に配置された底壁部171fとを有している。
【0066】
ケース本体171における基板幅方向Q5の両側の側壁部171c,171eの内面にはそれぞれ、回路基板10における基板幅方向Q5の両側の側部10aが嵌合するガイドレール171gが設けられている。
【0067】
ケース本体171における基板直交方向Q4の一方側の側壁部171bには、回路基板10に実装された各金属部材11,12の連結部113,123が通る一対のスリット171kが設けられている。一対のスリット171kは、嵌合方向Q3に沿って延設され、それらの一端部が開放面171aで開放している。
【0068】
ケース本体171の側壁部171bの外面には、他の電気接続カセット1と機械的に接続するための一対の嵌合凸部172が、側壁部171bの外面に対して凸状に形成されている。各嵌合凸部172はそれぞれ、側壁部171bの外面に形成された各スリット171kの他端側(奥側)に重なる状態で設けられている。
【0069】
各嵌合凸部172は、略T字形状の断面形状を有し、その断面形状が、嵌合方向Q3に平行な方向に沿って、例えば側壁部171bにおける嵌合方向Q3の中央から底壁部171f側の端部まで延在した形に形成されている。なお、嵌合方向Q3に平行な方向には、嵌合方向Q3及びその反対方向が含まれる。
【0070】
各嵌合凸部172は、嵌合方向Q3の側の先端面から内部に向かって窪んだ収容凹部172cを有している。収容凹部172cの底面形状は、嵌合凸部172の上記の断面形状に合わせて略T字形状に形成されている。収容凹部172cは、側壁部171b側でスリット171kと連通し、側壁部171bと反対側の壁部に、第2接続端子112における基板直交方向Q4の外側の側部が挿通するスリット172dが設けられている。
【0071】
ケース本体171の底壁部171fの外面には、他の電気接続カセット1と機械的に接続するための一対の嵌合凹部173が、底壁部171fの外面に対して凹状に形成されている。各嵌合凹部173は、底壁部171fの外面の側壁部171b側の縁部において、基板幅方向Q5の中央から両側にずれた位置に配置されている。
【0072】
各嵌合凹部173は、嵌合凸部172に嵌合可能な形状に形成されている。より詳細には、各嵌合凹部173は、底壁部171fの外面に開口部173aを有し且つ嵌合凸部172の拡幅部172aが嵌合する嵌合空間と、上記の嵌合空間と側壁部171dの外面とを連通し且つ側壁部171dにおいて嵌合方向Q3に沿って延設され、嵌合凸部172の縮幅部172bが嵌合するスリット173bとを有する。
各嵌合凹部173の奥面には、ケース本体171の内部空間と貫通し、各第1接続端子111,121が挿通する開口部173eが設けられている。
【0073】
ケース本体171の側壁部171bの内面には、ロアケース18の後述の一対の突出片183の各々の内側の側部が挿入される一対のガイド凹部171mが、側壁部171bの内面から突出した状態で設けられている。一対のガイド凹部171mは、一対のスリット171kの間に配置され、それぞれ基板幅方向Q5の外側に向けられ、互いに鏡像対称の形に形成されている。
【0074】
ケース本体171における基板幅方向Q5の両側の側壁部171c,171eの外面には、ロアケース18の後述の一対の位置決め突起部185に係合する位置決め凹部171hが設けられている。また、ケース本体171の両側の側壁部171c,171eの外面には、ロアケース18の後述の一対の例えば係止爪状の係止部186が係止する例えば突起状の被係止部171iが設けられている。
【0075】
図7に示すように、ロアケース18は、アッパーケース17の収容口(即ち開放面171a)を閉塞する例えば矩形平板状の基板部181を有している。基板部181の内側の主面(即ち嵌合方向Q6の側の主面)には、アッパーケース17の開放面171aに挿入される周壁部182が立設されている。なお、嵌合方向Q6は、アッパーケース17とロアケース18との嵌合時に、ロアケース18がアッパーケース17に対して相対的に接近する方向である。
【0076】
周壁部182における基板幅方向Q5の両側の壁部には、回路基板10の嵌合方向Q1の反対側の基端部10cが嵌合する凹部182aが設けられている。
基板部181の主面には、周壁部182の内側において、回路基板10に実装された各外部コネクタ端子14,15の端子本体141,151が貫通する貫通孔181aが設けられている。
【0077】
基板部181の主面には、基板直交方向Q4の一方側の縁部に、基板幅方向Q5の中央から両側にずれた位置に、アッパーケース17の収容空間に挿入される一対の略矩形の突出片183が立設されている。各突出片183の外側の主面には、アッパーケース17のスリット171kに嵌合するリブ183aが嵌合方向Q6に沿って立設されている。
【0078】
基板部181の外側の主面(即ち嵌合方向Q6の反対側の主面)の周縁部には、各貫通孔181aを貫通して基板部181から突出した各外部コネクタ端子14,15を囲む周壁状の外部コネクタハウジング184が立設されている。外部コネクタハウジング184は、外部からの相手側コネクタ(例えば電気接続箱2からの給電線4に接続されたコネクタや、電気接続箱2からの信号線に接続されたコネクタ)のコネクタハウジングと嵌合可能な形状に形成されている。
【0079】
外部コネクタハウジング184における基板幅方向Q5の両側の外面には、アッパーケース17の一対の位置決め凹部171hが係合する一対の位置決め突起部185が設けられると共に、アッパーケース17の一対の被係止部171iに係止する一対の係止爪状の係止部186が、基板部181の内側の主面から突出した状態で設けられている。
【0080】
<電気接続カセット1の組立方法>
次に
図2、
図6及び
図8を参照して、電気接続カセット1の組み立て方法を説明する。
まず、
図6に示すように、アッパーケース17のケース本体171の内部に、各回路部品(金属部材11,12及び外部コネクタ端子14,15など)が実装された回路基板10が収容される。その際、回路基板10は、第1接続端子111,121側が嵌合凹部173側に向けられると共に第2接続端子112,122側が嵌合凸部172側に向けられ、且つ、回路基板10の基板幅方向Q5の両側の側部10aがケース本体171の両側の内面に設けられたガイドレール171gに挿入された状態で、嵌合方向Q1に沿って、ケース本体171の開放面171aからケース本体171の内部に挿入される。
【0081】
そして、
図2及び
図8に示すように、ロアケース18がケース本体171の開放面171aに嵌合される。その際、ロアケース18は、基板部181における嵌合方向Q6の側の主面がケース本体171の開放面171aに向けられた状態で、嵌合方向Q6に沿って、ケース本体171の開放面171aに嵌合される。
【0082】
この嵌合状態では、ロアケース18の一対の突出片183がアッパーケース17の一対のガイド凹部171mに挿入されて、突出片183のリブ183aがアッパーケース17のスリット171kに嵌合する。また、上記の嵌合状態では、アッパーケース17の両側の位置決め凹部171hと、ロアケース18の両側の位置決め突起部185とが係合して、アッパーケース17とロアケース18との相対位置が位置決めされる。また、上記の嵌合状態では、ロアケース18の両側の係止部186がアッパーケース17の両側の被係止部171iに係止して、アッパーケース17とロアケース18との嵌合が固定される。
【0083】
このように、アッパーケース17とロアケース18とで構成された筐体16内に、回路部品が実装された回路基板10が収容される。この収容状態では、回路基板10に実装された各第1接続端子111,121が、アッパーケース17の各嵌合凹部173内に配置され、回路基板10に実装された各第2接続端子112,122が、アッパーケース17の嵌合凸部172の各収容凹部172c内に配置され、回路基板10に実装された各外部コネクタ端子14,15がロアケース18の基板部181の各貫通孔181aを貫通して外部コネクタハウジング184の内側に配置される。
【0084】
<主要な効果>
以上、この実施形態に係る端子接続構造体によれば、回路基板10と、回路基板10に実装された外部コネクタ端子14,15(コネクタ端子)とを備え、外部コネクタ端子14,15は、回路基板10に平行に配置された端子本体141,151と、端子本体141,151において端子本体141,151の幅方向に並べられて設けられ、回路基板10の側に曲げられて回路基板10に接続された複数の脚部142,152とを有し、複数の脚部142のうち、少なくとも1つの脚部(例えば挿入脚部142b)における回路基板10との接続位置P3は、他の脚部(例えば表面接続脚部142a)における回路基板10との接続位置P4に対して、端子本体141のコネクタ接続方向Q2に平行な方向にずれ、複数の脚部152のうち、少なくとも1つの脚部(例えば挿入脚部152b)における回路基板10との接続位置P5は、他の脚部(例えば表面接続脚部152a)における回路基板10との接続位置P6に対して、端子本体151のコネクタ接続方向Q2に平行な方向にずれている。
【0085】
この構成により、外部コネクタ端子14(15)の複数の脚部142a,142b(152a,152b)は、それらの回路基板10との接続位置P3,P4(P5,P6)が外部コネクタ端子14(15)のコネクタ接続方向Q2に平行な方向にずれているため、コネクタ接続方向Q2に沿ってずれたL字構造を構成する。これにより、外部コネクタ端子14(15)の脚部142(152)を支持する脚部支持ホルダを回路基板10に設けなくても、コネクタ接続時に外部コネクタ端子14(15)に作用する荷重を上記のアーチ構造で受け止めることができ、外部コネクタ端子14(15)の脚部142(152)が座屈することを防止できる。
【0086】
更に、従来は、外部コネクタ端子14(15)の脚部142(152)の座屈を防止するために、外部コネクタ端子14(15)の脚部142(152)を支持する脚部支持ホルダを回路基板10に設ける必要があったが、この構成では、この脚部支持ホルダが不要になる。これにより、脚部支持ホルダを回路基板10に設ける作業工程や、外部コネクタ端子14(15)の脚部142(152)を脚部支持ホルダに圧入する作業工程を省略でき、組立工数を削減できる。
【0087】
また、複数の脚部142(152)は、回路基板10の孔部10dに挿入されて接続された挿入脚部142b(152b)、及び、回路基板10の主面に接続された表面接続脚部142a(152a)を含んでいるため、複数の脚部142(152)が、挿入脚部及び表面接続脚部の両方を含む場合でも、アーチ構造を構成することができる。
【0088】
なお、この実施形態では、複数の脚部142(152)が、挿入脚部142b(152b)と表面接続脚部142a(152a)との両方を含む場合で説明したが、挿入脚部142b(152b)だけ、又は表面接続脚部142a(152a)だけであってもよい。これらの場合でも、複数の脚部142(152)によってアーチ構造を構成することができる。
【0089】
また、挿入脚部142b(152b)の接続位置P3(P5)は、表面接続脚部142a(152a)の接続位置P4(P6)よりも、コネクタ接続方向Q2に配置されている。即ち、相対的に接続強度が高い挿入脚部142b(152b)の接続位置P3(P5)が、相対的に接続強度が低い表面接続脚部142a(152a)の接続位置P4(P6)よりもコネクタ接続方向Q2に配置されている。このため、コネクタ接続時に外部コネクタ端子14(15)に作用する荷重を、表面接続脚部142a(152a)よりも挿入脚部142b(152b)に作用し易くでき、表面接続脚部142a(152a)に作用する荷重を軽減できる。
また、省略された脚部支持ホルダの配置スペースであった場所が挿入脚部142b(152b)の接続位置P3(P5)の配置スペースとして利用されているため、挿入脚部142b(152b)の接続位置P3(P5)の配置スペースの確保が容易になる。
【0090】
また、外部コネクタ端子14(15)の複数の脚部142(152)は、回路基板10と機械的に接続する機械接続用脚部(例えば挿入脚部142b(152b))と、回路基板10に形成された電路に電気的に接続する電気接続用脚部(例えば表面接続脚部142a(152a))とを含んでいるため、回路基板10に対し、外部コネクタ端子14(15)を電気的に接続できると共に機械的にも接続することができる。
【0091】
また、外部コネクタ端子14の複数の脚部142は、3本の脚部であり、3本の脚部のうち、両側の脚部(例えば挿入脚部142b)の接続位置P3は、真ん中の脚部(例えば表面接続脚部142a)の接続位置P4よりもコネクタ接続方向Q2にずれている。この3本型の脚構造は、コネクタ接続時に外部コネクタ端子14に作用する荷重を、3つの脚部142で受け止めることができるため、外部コネクタ端子14に作用する荷重が比較的大きな場合でも対応できる。
【0092】
また、端子本体141の端子サイズは比較的大きいため、コネクタ接続時に外部コネクタ端子14に作用する荷重は比較的大きくなる。このため、この3本型の脚構造は、このような端子本体141の端子サイズが比較的大きい外部コネクタ端子14に適している。
【0093】
また、3本の脚部142のうち、両側の脚部(例えば挿入脚部142b)の接続位置P3が、真ん中の脚部(例えば表面接続脚部142a)の接続位置P4よりもコネクタ接続方向Q2にずれているため、脚構造を小型化でき、従って外部コネクタ端子14を小型化できる。
【0094】
また、外部コネクタ端子14の両側の脚部(例えば挿入脚部142b)の各々の接続位置P3は、コネクタ接続方向Q2に直交する方向(即ち基板幅方向Q5)に沿って並べられているため、両側の2つの脚部142bに作用する荷重を、それら2つの脚部142bの間で均等に分散できる。
【0095】
また、外部コネクタ端子15の複数の脚部152は、1つの表面接続脚部152aと、1つの挿入脚部152bとで構成されている。この2本型の脚構造は、機械的接続を受け持つ挿入脚部152bが1つであるため、外部コネクタ端子15の脚構造の機械的接続強度は若干低下するが、外部コネクタ端子15の脚構造を小型化でき、従って、外部コネクタ端子15を小型化できる。
【0096】
また、端子本体151の端子サイズは比較的小さいため、コネクタ接続時に外部コネクタ端子15に作用する荷重は比較的小さい。このため、この2本型の脚構造は、このような端子本体151の端子サイズが比較的小さい外部コネクタ端子15に適している。
【0097】
また、外部コネクタ端子15は、端子本体151の基端に端子本体151の横幅よりも大きい横幅の拡幅部153を有し、拡幅部153から複数の脚部152が延設されているため、端子本体151の横幅が比較的小さい場合でも、外部コネクタ端子15に複数の脚部152を備えさせることができる。
【0098】
また、外部コネクタ端子14,15は複数個備えられ、複数の外部コネクタ端子14,15の各々の挿入脚部142b,152bは、コネクタ接続方向Q2に直交する方向(即ち基板幅方向Q5)に沿って並べられているため、各外部コネクタ端子14,15に作用する荷重を、コネクタ接続方向Q2に対して同じ位置で受け止めることができるため、複数の外部コネクタ端子14,15全体に作用する荷重をバランス良く受け止めることができる。また、工作機で、挿入脚部142b,152bが挿入される孔部10dを回路基板10に設けるとき、隣の孔部10dの箇所までの工作機の移動距離を短くでき、生産性を向上できる。
【0099】
また、外部コネクタ端子14(15)の挿入脚部142b(152b)は、外部コネクタ端子14(15)の表面接続脚部142a(152a)よりも細く形成されているため、表面接続脚部142a(152a)の太さを確保しつつ、外部コネクタ端子14,15の脚構造を小型化できる。
【0100】
なお、この実施形態のように、表面接続脚部142a(152a)が電気接続用の脚部として用いられる場合、表面接続脚部142a(152a)の太さは、この端子接続構造体が搭載される装置(この実施形態では電気接続カセット1)の仕様で決まるため、細くすることが難しい。このため、挿入脚部142b(152b)を細くすることで、外部コネクタ端子14(15)の脚構造を小型化できる。
【0101】
なお、この実施形態では、一例として、本発明の端子接続構造体が電気接続カセット1に適用されたが、本発明の端子接続構造体は、電気接続カセット1への適用に限定されるものではなく、外部コネクタ端子14,15が実装された回路基板10を備えた各種の装置に適用可能である。