【発明の効果】
【0043】
本発明の化合物は、コリン作動性ムスカリンM1受容体ポジティブアロステリックモジュレーター活性を有するため、例えば、アルツハイマー病、統合失調症、痛み、睡眠障害、認知症を伴うパーキンソン病、レヴィー小体型認知症等の予防または治療剤等の医薬として有用である。
【0044】
(発明の詳細な説明)
以下、本明細書中で用いられる各置換基の定義について詳述する。特記しない限り各置換基は以下の定義を有する。
本明細書中、「ハロゲン原子」としては、例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
本明細書中、「C
1−6アルキル基」としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、1−エチルプロピル、ヘキシル、イソヘキシル、1,1−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、2−エチルブチルが挙げられる。
本明細書中、「ハロゲン化されていてもよいC
1−6アルキル基」としては、例えば、1ないし7個、好ましくは1ないし5個のハロゲン原子を有していてもよいC
1−6アルキル基が挙げられる。具体例としては、メチル、クロロメチル、ジフルオロメチル、トリクロロメチル、トリフルオロメチル、エチル、2−ブロモエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、テトラフルオロエチル、ペンタフルオロエチル、プロピル、2,2―ジフルオロプロピル、3,3,3−トリフルオロプロピル、イソプロピル、ブチル、4,4,4−トリフルオロブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、5,5,5−トリフルオロペンチル、ヘキシル、6,6,6−トリフルオロヘキシルが挙げられる。
本明細書中、「C
2−6アルケニル基」としては、例えば、エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、3−メチル−2−ブテニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、4−メチル−3−ペンテニル、1−ヘキセニル、3−ヘキセニル、5−ヘキセニルが挙げられる。
本明細書中、「C
2−6アルキニル基」としては、例えば、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチニル、1−ペンチニル、2−ペンチニル、3−ペンチニル、4−ペンチニル、1−ヘキシニル、2−ヘキシニル、3−ヘキシニル、4−ヘキシニル、5−ヘキシニル、4−メチル−2−ペンチニルが挙げられる。
【0045】
本明細書中、「C
3−10シクロアルキル基」としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、ビシクロ[3.2.1]オクチル、アダマンチルが挙げられる。
本明細書中、「非架橋C
3−10シクロアルキル基」としては、上記「C
3−10シクロアルキル基」のうち、架橋されていないものが挙げられる。
本明細書中、「非架橋C
3−10シクロアルキル基」としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルが挙げられる。
本明細書中、「ハロゲン化されていてもよいC
3−10シクロアルキル基」としては、例えば、1ないし7個、好ましくは1ないし5個のハロゲン原子を有していてもよいC
3−10シクロアルキル基が挙げられる。具体例としては、シクロプロピル、2,2−ジフルオロシクロプロピル、2,3−ジフルオロシクロプロピル、シクロブチル、ジフルオロシクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルが挙げられる。
本明細書中、「C
3−10シクロアルケニル基」としては、例えば、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、シクロオクテニルが挙げられる。
本明細書中、「C
6−14アリール基」としては、例えば、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、1−アントリル、2−アントリル、9−アントリルが挙げられる。
本明細書中、「C
7−16アラルキル基」としては、例えば、ベンジル、フェネチル、ナフチルメチル、フェニルプロピルが挙げられる。
【0046】
本明細書中、「C
1−6アルコキシ基」としては、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシが挙げられる。
本明細書中、「ハロゲン化されていてもよいC
1−6アルコキシ基」としては、例えば、1ないし7個、好ましくは1ないし5個のハロゲン原子を有していてもよいC
1−6アルコキシ基が挙げられる。具体例としては、メトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、エトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、4,4,4−トリフルオロブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシが挙げられる。
本明細書中、「C
3−10シクロアルキルオキシ基」としては、例えば、シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ、シクロヘプチルオキシ、シクロオクチルオキシが挙げられる。
本明細書中、「C
1−6アルキルチオ基」としては、例えば、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、sec−ブチルチオ、tert−ブチルチオ、ペンチルチオ、ヘキシルチオが挙げられる。
本明細書中、「ハロゲン化されていてもよいC
1−6アルキルチオ基」としては、例えば、1ないし7個、好ましくは1ないし5個のハロゲン原子を有していてもよいC
1−6アルキルチオ基が挙げられる。具体例としては、メチルチオ、ジフルオロメチルチオ、トリフルオロメチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、4,4,4−トリフルオロブチルチオ、ペンチルチオ、ヘキシルチオが挙げられる。
本明細書中、「C
1−6アルキル−カルボニル基」としては、例えば、アセチル、プロパノイル、ブタノイル、2−メチルプロパノイル、ペンタノイル、3−メチルブタノイル、2−メチルブタノイル、2,2−ジメチルプロパノイル、ヘキサノイル、ヘプタノイルが挙げられる。
本明細書中、「ハロゲン化されていてもよいC
1−6アルキル−カルボニル基」としては、例えば、1ないし7個、好ましくは1ないし5個のハロゲン原子を有していてもよいC
1−6アルキル−カルボニル基が挙げられる。具体例としては、アセチル、クロロアセチル、トリフルオロアセチル、トリクロロアセチル、プロパノイル、ブタノイル、ペンタノイル、ヘキサノイルが挙げられる。
本明細書中、「C
1−6アルコキシ−カルボニル基」としては、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、sec−ブトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、ペンチルオキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボニルが挙げられる。
本明細書中、「C
6−14アリール−カルボニル基」としては、例えば、ベンゾイル、1−ナフトイル、2−ナフトイルが挙げられる。
本明細書中、「C
7−16アラルキル−カルボニル基」としては、例えば、フェニルアセチル、フェニルプロピオニルが挙げられる。
本明細書中、「5ないし14員芳香族複素環カルボニル基」としては、例えば、ニコチノイル、イソニコチノイル、テノイル、フロイルが挙げられる。
本明細書中、「3ないし14員非芳香族複素環カルボニル基」としては、例えば、モルホリニルカルボニル、ピペリジニルカルボニル、ピロリジニルカルボニルが挙げられる。
【0047】
本明細書中、「モノ−またはジ−C
1−6アルキル−カルバモイル基」としては、例えば、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル、ジメチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、N−エチル−N−メチルカルバモイルが挙げられる。
本明細書中、「モノ−またはジ−C
7−16アラルキル−カルバモイル基」としては、例えば、ベンジルカルバモイル、フェネチルカルバモイルが挙げられる。
本明細書中、「C
1−6アルキルスルホニル基」としては、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、イソプロピルスルホニル、ブチルスルホニル、sec−ブチルスルホニル、tert−ブチルスルホニルが挙げられる。
本明細書中、「ハロゲン化されていてもよいC
1−6アルキルスルホニル基」としては、例えば、1ないし7個、好ましくは1ないし5個のハロゲン原子を有していてもよいC
1−6アルキルスルホニル基が挙げられる。具体例としては、メチルスルホニル、ジフルオロメチルスルホニル、トリフルオロメチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、イソプロピルスルホニル、ブチルスルホニル、4,4,4−トリフルオロブチルスルホニル、ペンチルスルホニル、ヘキシルスルホニルが挙げられる。
本明細書中、「C
6−14アリールスルホニル基」としては、例えば、フェニルスルホニル、1−ナフチルスルホニル、2−ナフチルスルホニルが挙げられる。
【0048】
本明細書中、「置換基」としては、例えば、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよい複素環基、アシル基、置換されていてもよいアミノ基、置換されていてもよいカルバモイル基、置換されていてもよいチオカルバモイル基、置換されていてもよいスルファモイル基、置換されていてもよいヒドロキシ基、置換されていてもよいスルファニル(SH)基、置換されていてもよいシリル基が挙げられる。
本明細書中、「炭化水素基」(「置換されていてもよい炭化水素基」における「炭化水素基」を含む)としては、例えば、C
1−6アルキル基、C
2−6アルケニル基、C
2−6アルキニル基、C
3−10シクロアルキル基、C
3−10シクロアルケニル基、C
6−14アリール基、C
7−16アラルキル基が挙げられる。
【0049】
本明細書中、「置換されていてもよい炭化水素基」としては、例えば、下記の置換基群Aから選ばれる置換基を有していてもよい炭化水素基が挙げられる。
[置換基群A]
(1)ハロゲン原子、
(2)ニトロ基、
(3)シアノ基、
(4)オキソ基、
(5)ヒドロキシ基、
(6)ハロゲン化されていてもよいC
1−6アルコキシ基、
(7)C
6−14アリールオキシ基(例、フェノキシ、ナフトキシ)、
(8)C
7−16アラルキルオキシ基(例、ベンジルオキシ)、
(9)5ないし14員芳香族複素環オキシ基(例、ピリジルオキシ)、
(10)3ないし14員非芳香族複素環オキシ基(例、モルホリニルオキシ、ピペリジニルオキシ)、
(11)C
1−6アルキル−カルボニルオキシ基(例、アセトキシ、プロパノイルオキシ)、
(12)C
6−14アリール−カルボニルオキシ基(例、ベンゾイルオキシ、1−ナフトイルオキシ、2−ナフトイルオキシ)、
(13)C
1−6アルコキシ−カルボニルオキシ基(例、メトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ、プロポキシカルボニルオキシ、ブトキシカルボニルオキシ)、
(14)モノ−またはジ−C
1−6アルキル−カルバモイルオキシ基(例、メチルカルバモイルオキシ、エチルカルバモイルオキシ、ジメチルカルバモイルオキシ、ジエチルカルバモイルオキシ)、
(15)C
6−14アリール−カルバモイルオキシ基(例、フェニルカルバモイルオキシ、ナフチルカルバモイルオキシ)、
(16)5ないし14員芳香族複素環カルボニルオキシ基(例、ニコチノイルオキシ)、
(17)3ないし14員非芳香族複素環カルボニルオキシ基(例、モルホリニルカルボニルオキシ、ピペリジニルカルボニルオキシ)、
(18)ハロゲン化されていてもよいC
1−6アルキルスルホニルオキシ基(例、メチルスルホニルオキシ、トリフルオロメチルスルホニルオキシ)、
(19)C
1−6アルキル基で置換されていてもよいC
6−14アリールスルホニルオキシ基(例、フェニルスルホニルオキシ、トルエンスルホニルオキシ)、
(20)ハロゲン化されていてもよいC
1−6アルキルチオ基、
(21)5ないし14員芳香族複素環基、
(22)3ないし14員非芳香族複素環基、
(23)ホルミル基、
(24)カルボキシ基、
(25)ハロゲン化されていてもよいC
1−6アルキル−カルボニル基、
(26)C
6−14アリール−カルボニル基、
(27)5ないし14員芳香族複素環カルボニル基、
(28)3ないし14員非芳香族複素環カルボニル基、
(29)C
1−6アルコキシ−カルボニル基、
(30)C
6−14アリールオキシ−カルボニル基(例、フェニルオキシカルボニル、1−ナフチルオキシカルボニル、2−ナフチルオキシカルボニル)、
(31)C
7−16アラルキルオキシ−カルボニル基(例、ベンジルオキシカルボニル、フェネチルオキシカルボニル)、
(32)カルバモイル基、
(33)チオカルバモイル基、
(34)モノ−またはジ−C
1−6アルキル−カルバモイル基、
(35)C
6−14アリール−カルバモイル基(例、フェニルカルバモイル)、
(36)5ないし14員芳香族複素環カルバモイル基(例、ピリジルカルバモイル、チエニルカルバモイル)、
(37)3ないし14員非芳香族複素環カルバモイル基(例、モルホリニルカルバモイル、ピペリジニルカルバモイル)、
(38)ハロゲン化されていてもよいC
1−6アルキルスルホニル基、
(39)C
6−14アリールスルホニル基、
(40)5ないし14員芳香族複素環スルホニル基(例、ピリジルスルホニル、チエニルスルホニル)、
(41)ハロゲン化されていてもよいC
1−6アルキルスルフィニル基、
(42)C
6−14アリールスルフィニル基(例、フェニルスルフィニル、1−ナフチルスルフィニル、2−ナフチルスルフィニル)、
(43)5ないし14員芳香族複素環スルフィニル基(例、ピリジルスルフィニル、チエニルスルフィニル)、
(44)アミノ基、
(45)モノ−またはジ−C
1−6アルキルアミノ基(例、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、ブチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジブチルアミノ、N−エチル−N−メチルアミノ)、
(46)モノ−またはジ−C
6−14アリールアミノ基(例、フェニルアミノ)、
(47)5ないし14員芳香族複素環アミノ基(例、ピリジルアミノ)、
(48)C
7−16アラルキルアミノ基(例、ベンジルアミノ)、
(49)ホルミルアミノ基、
(50)C
1−6アルキル−カルボニルアミノ基(例、アセチルアミノ、プロパノイルアミノ、ブタノイルアミノ)、
(51)(C
1−6アルキル)(C
1−6アルキル−カルボニル)アミノ基(例、N−アセチル−N−メチルアミノ)、
(52)C
6−14アリール−カルボニルアミノ基(例、フェニルカルボニルアミノ、ナフチルカルボニルアミノ)、
(53)C
1−6アルコキシ−カルボニルアミノ基(例、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、プロポキシカルボニルアミノ、ブトキシカルボニルアミノ、tert−ブトキシカルボニルアミノ)、
(54)C
7−16アラルキルオキシ−カルボニルアミノ基(例、ベンジルオキシカルボニルアミノ)、
(55)C
1−6アルキルスルホニルアミノ基(例、メチルスルホニルアミノ、エチルスルホニルアミノ)、
(56)C
1−6アルキル基で置換されていてもよいC
6−14アリールスルホニルアミノ基(例、フェニルスルホニルアミノ、トルエンスルホニルアミノ)、
(57)ハロゲン化されていてもよいC
1−6アルキル基、
(58)C
2−6アルケニル基、
(59)C
2−6アルキニル基、
(60)C
3−10シクロアルキル基、
(61)C
3−10シクロアルケニル基、及び
(62)C
6−14アリール基。
【0050】
「置換されていてもよい炭化水素基」における上記置換基の数は、例えば、1ないし5個、好ましくは1ないし3個である。置換基数が2個以上の場合、各置換基は同一であっても異なっていてもよい。
本明細書中、「複素環基」(「置換されていてもよい複素環基」における「複素環基」を含む)としては、例えば、環構成原子として炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1ないし4個のヘテロ原子をそれぞれ含有する、(i)芳香族複素環基、(ii)非芳香族複素環基および(iii)7ないし10員複素架橋環基が挙げられる。
【0051】
本明細書中、「芳香族複素環基」(「5ないし14員芳香族複素環基」を含む)としては、例えば、環構成原子として炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1ないし4個のヘテロ原子を含有する5ないし14員(好ましくは5ないし10員)の芳香族複素環基が挙げられる。
該「芳香族複素環基」の好適な例としては、チエニル、フリル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、トリアジニルなどの5ないし6員単環式芳香族複素環基;
ベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾトリアゾリル、イミダゾピリジニル、チエノピリジニル、フロピリジニル、ピロロピリジニル、ピラゾロピリジニル、オキサゾロピリジニル、チアゾロピリジニル、イミダゾピラジニル、イミダゾピリミジニル、チエノピリミジニル、フロピリミジニル、ピロロピリミジニル、ピラゾロピリミジニル、オキサゾロピリミジニル、チアゾロピリミジニル、ピラゾロトリアジニル、ナフト[2,3−b]チエニル、フェノキサチイニル、インドリル、イソインドリル、1H−インダゾリル、プリニル、イソキノリル、キノリル、フタラジニル、ナフチリジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノリニル、カルバゾリル、β−カルボリニル、フェナントリジニル、アクリジニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニルなどの8ないし14員縮合多環式(好ましくは2または3環式)芳香族複素環基が挙げられる。
【0052】
本明細書中、「非芳香族複素環基」(「3ないし14員非芳香族複素環基」を含む)としては、例えば、環構成原子として炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1ないし4個のヘテロ原子を含有する3ないし14員(好ましくは4ないし10員)の非芳香族複素環基が挙げられる。
該「非芳香族複素環基」の好適な例としては、アジリジニル、オキシラニル、チイラニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、テトラヒドロチエニル、テトラヒドロフラニル、ピロリニル、ピロリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、オキサゾリニル、オキサゾリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、チアゾリニル、チアゾリジニル、テトラヒドロイソチアゾリル、テトラヒドロオキサゾリル、テトラヒドロイソオキサゾリル、ピペリジニル、ピペラジニル、テトラヒドロピリジニル、ジヒドロピリジニル、ジヒドロチオピラニル、テトラヒドロピリミジニル、テトラヒドロピリダジニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、モルホリニル、チオモルホリニル、アゼパニル、ジアゼパニル、アゼピニル、オキセパニル、アゾカニル、ジアゾカニルなどの3ないし8員単環式非芳香族複素環基;
ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾイミダゾリル、ジヒドロベンゾオキサゾリル、ジヒドロベンゾチアゾリル、ジヒドロベンゾイソチアゾリル、ジヒドロナフト[2,3−b]チエニル、テトラヒドロイソキノリル、テトラヒドロキノリル、4H−キノリジニル、インドリニル、イソインドリニル、テトラヒドロチエノ[2,3−c]ピリジニル、テトラヒドロベンゾアゼピニル、テトラヒドロキノキサリニル、テトラヒドロフェナントリジニル、ヘキサヒドロフェノチアジニル、ヘキサヒドロフェノキサジニル、テトラヒドロフタラジニル、テトラヒドロナフチリジニル、テトラヒドロキナゾリニル、テトラヒドロシンノリニル、テトラヒドロカルバゾリル、テトラヒドロ−β−カルボリニル、テトラヒドロアクリジニル、テトラヒドロフェナジニル、テトラヒドロチオキサンテニル、オクタヒドロイソキノリルなどの9ないし14員縮合多環式(好ましくは2または3環式)非芳香族複素環基が挙げられる。
【0053】
本明細書中、「7ないし10員複素架橋環基」の好適な例としては、キヌクリジニル、7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタニルが挙げられる。
本明細書中、「含窒素複素環基」としては、「複素環基」のうち、環構成原子として少なくとも1個以上の窒素原子を含有するものが挙げられる。
本明細書中、「置換されていてもよい複素環基」としては、例えば、前記した置換基群Aから選ばれる置換基を有していてもよい複素環基が挙げられる。
「置換されていてもよい複素環基」における置換基の数は、例えば、1ないし3個である。置換基数が2個以上の場合、各置換基は同一であっても異なっていてもよい。
【0054】
本明細書中、「アシル基」としては、例えば、「ハロゲン原子、ハロゲン化されていてもよいC
1−6アルコキシ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基およびカルバモイル基から選ばれる1ないし3個の置換基をそれぞれ有していてもよい、C
1−6アルキル基、C
2−6アルケニル基、C
3−10シクロアルキル基、C
3−10シクロアルケニル基、C
6−14アリール基、C
7−16アラルキル基、5ないし14員芳香族複素環基および3ないし14員非芳香族複素環基から選ばれる1または2個の置換基」をそれぞれ有していてもよい、ホルミル基、カルボキシ基、カルバモイル基、チオカルバモイル基、スルフィノ基、スルホ基、スルファモイル基、ホスホノ基が挙げられる。
また、「アシル基」としては、炭化水素−スルホニル基、複素環−スルホニル基、炭化水素−スルフィニル基、複素環−スルフィニル基も挙げられる。
ここで、炭化水素−スルホニル基とは、炭化水素基が結合したスルホニル基を、複素環−スルホニル基とは、複素環基が結合したスルホニル基を、炭化水素−スルフィニル基とは、炭化水素基が結合したスルフィニル基を、複素環−スルフィニル基とは、複素環基が結合したスルフィニル基を、それぞれ意味する。
「アシル基」の好適な例としては、ホルミル基、カルボキシ基、C
1−6アルキル−カルボニル基、C
2−6アルケニル−カルボニル基(例、クロトノイル)、C
3−10シクロアルキル−カルボニル基(例、シクロブタンカルボニル、シクロペンタンカルボニル、シクロヘキサンカルボニル、シクロヘプタンカルボニル)、C
3−10シクロアルケニル−カルボニル基(例、2−シクロヘキセンカルボニル)、C
6−14アリール−カルボニル基、C
7−16アラルキル−カルボニル基、5ないし14員芳香族複素環カルボニル基、3ないし14員非芳香族複素環カルボニル基、C
1−6アルコキシ−カルボニル基、C
6−14アリールオキシ−カルボニル基(例、フェニルオキシカルボニル、ナフチルオキシカルボニル)、C
7−16アラルキルオキシ−カルボニル基(例、ベンジルオキシカルボニル、フェネチルオキシカルボニル)、カルバモイル基、モノ−またはジ−C
1−6アルキル−カルバモイル基、モノ−またはジ−C
2−6アルケニル−カルバモイル基(例、ジアリルカルバモイル)、モノ−またはジ−C
3−10シクロアルキル−カルバモイル基(例、シクロプロピルカルバモイル)、モノ−またはジ−C
6−14アリール−カルバモイル基(例、フェニルカルバモイル)、モノ−またはジ−C
7−16アラルキル−カルバモイル基、5ないし14員芳香族複素環カルバモイル基(例、ピリジルカルバモイル)、チオカルバモイル基、モノ−またはジ−C
1−6アルキル−チオカルバモイル基(例、メチルチオカルバモイル、N−エチル−N−メチルチオカルバモイル)、モノ−またはジ−C
2−6アルケニル−チオカルバモイル基(例、ジアリルチオカルバモイル)、モノ−またはジ−C
3−10シクロアルキル−チオカルバモイル基(例、シクロプロピルチオカルバモイル、シクロヘキシルチオカルバモイル)、モノ−またはジ−C
6−14アリール−チオカルバモイル基(例、フェニルチオカルバモイル)、モノ−またはジ−C
7−16アラルキル−チオカルバモイル基(例、ベンジルチオカルバモイル、フェネチルチオカルバモイル)、5ないし14員芳香族複素環チオカルバモイル基(例、ピリジルチオカルバモイル)、スルフィノ基、C
1−6アルキルスルフィニル基(例、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル)、スルホ基、C
1−6アルキルスルホニル基、C
6−14アリールスルホニル基、ホスホノ基、モノ−またはジ−C
1−6アルキルホスホノ基(例、ジメチルホスホノ、ジエチルホスホノ、ジイソプロピルホスホノ、ジブチルホスホノ)が挙げられる。
【0055】
本明細書中、「置換されていてもよいアミノ基」としては、例えば、「置換基群Aから選ばれる1ないし3個の置換基をそれぞれ有していてもよい、C
1−6アルキル基、C
2−6アルケニル基、C
3−10シクロアルキル基、C
6−14アリール基、C
7−16アラルキル基、C
1−6アルキル−カルボニル基、C
6−14アリール−カルボニル基、C
7−16アラルキル−カルボニル基、5ないし14員芳香族複素環カルボニル基、3ないし14員非芳香族複素環カルボニル基、C
1−6アルコキシ−カルボニル基、5ないし14員芳香族複素環基、カルバモイル基、モノ−またはジ−C
1−6アルキル−カルバモイル基、モノ−またはジ−C
7−16アラルキル−カルバモイル基、C
1−6アルキルスルホニル基およびC
6−14アリールスルホニル基から選ばれる1または2個の置換基」を有していてもよいアミノ基が挙げられる。
置換されていてもよいアミノ基の好適な例としては、アミノ基、モノ−またはジ−(ハロゲン化されていてもよいC
1−6アルキル)アミノ基(例、メチルアミノ、トリフルオロメチルアミノ、ジメチルアミノ、エチルアミノ、ジエチルアミノ、プロピルアミノ、ジブチルアミノ)、モノ−またはジ−C
2−6アルケニルアミノ基(例、ジアリルアミノ)、モノ−またはジ−C
3−10シクロアルキルアミノ基(例、シクロプロピルアミノ、シクロヘキシルアミノ)、モノ−またはジ−C
6−14アリールアミノ基(例、フェニルアミノ)、モノ−またはジ−C
7−16アラルキルアミノ基(例、ベンジルアミノ、ジベンジルアミノ)、モノ−またはジ−(ハロゲン化されていてもよいC
1−6アルキル)−カルボニルアミノ基(例、アセチルアミノ、プロピオニルアミノ)、モノ−またはジ−C
6−14アリール−カルボニルアミノ基(例、ベンゾイルアミノ)、モノ−またはジ−C
7−16アラルキル−カルボニルアミノ基(例、ベンジルカルボニルアミノ)、モノ−またはジ−5ないし14員芳香族複素環カルボニルアミノ基(例、ニコチノイルアミノ、イソニコチノイルアミノ)、モノ−またはジ−3ないし14員非芳香族複素環カルボニルアミノ基(例、ピペリジニルカルボニルアミノ)、モノ−またはジ−C
1−6アルコキシ−カルボニルアミノ基(例、tert−ブトキシカルボニルアミノ)、5ないし14員芳香族複素環アミノ基(例、ピリジルアミノ)、カルバモイルアミノ基、(モノ−またはジ−C
1−6アルキル−カルバモイル)アミノ基(例、メチルカルバモイルアミノ)、(モノ−またはジ−C
7−16アラルキル−カルバモイル)アミノ基(例、ベンジルカルバモイルアミノ)、C
1−6アルキルスルホニルアミノ基(例、メチルスルホニルアミノ、エチルスルホニルアミノ)、C
6−14アリールスルホニルアミノ基(例、フェニルスルホニルアミノ)、(C
1−6アルキル)(C
1−6アルキル−カルボニル)アミノ基(例、N−アセチル−N−メチルアミノ)、(C
1−6アルキル)(C
6−14アリール−カルボニル)アミノ基(例、N−ベンゾイル−N−メチルアミノ)が挙げられる。
【0056】
本明細書中、「置換されていてもよいカルバモイル基」としては、例えば、「置換基群Aから選ばれる1ないし3個の置換基をそれぞれ有していてもよい、C
1−6アルキル基、C
2−6アルケニル基、C
3−10シクロアルキル基、C
6−14アリール基、C
7−16アラルキル基、C
1−6アルキル−カルボニル基、C
6−14アリール−カルボニル基、C
7−16アラルキル−カルボニル基、5ないし14員芳香族複素環カルボニル基、3ないし14員非芳香族複素環カルボニル基、C
1−6アルコキシ−カルボニル基、5ないし14員芳香族複素環基、カルバモイル基、モノ−またはジ−C
1−6アルキル−カルバモイル基およびモノ−またはジ−C
7−16アラルキル−カルバモイル基から選ばれる1または2個の置換基」を有していてもよいカルバモイル基が挙げられる。
置換されていてもよいカルバモイル基の好適な例としては、カルバモイル基、モノ−またはジ−C
1−6アルキル−カルバモイル基、モノ−またはジ−C
2−6アルケニル−カルバモイル基(例、ジアリルカルバモイル)、モノ−またはジ−C
3−10シクロアルキル−カルバモイル基(例、シクロプロピルカルバモイル、シクロヘキシルカルバモイル)、モノ−またはジ−C
6−14アリール−カルバモイル基(例、フェニルカルバモイル)、モノ−またはジ−C
7−16アラルキル−カルバモイル基、モノ−またはジ−C
1−6アルキル−カルボニル−カルバモイル基(例、アセチルカルバモイル、プロピオニルカルバモイル)、モノ−またはジ−C
6−14アリール−カルボニル−カルバモイル基(例、ベンゾイルカルバモイル)、5ないし14員芳香族複素環カルバモイル基(例、ピリジルカルバモイル)が挙げられる。
【0057】
本明細書中、「置換されていてもよいチオカルバモイル基」としては、例えば、「置換基群Aから選ばれる1ないし3個の置換基をそれぞれ有していてもよい、C
1−6アルキル基、C
2−6アルケニル基、C
3−10シクロアルキル基、C
6−14アリール基、C
7−16アラルキル基、C
1−6アルキル−カルボニル基、C
6−14アリール−カルボニル基、C
7−16アラルキル−カルボニル基、5ないし14員芳香族複素環カルボニル基、3ないし14員非芳香族複素環カルボニル基、C
1−6アルコキシ−カルボニル基、5ないし14員芳香族複素環基、カルバモイル基、モノ−またはジ−C
1−6アルキル−カルバモイル基およびモノ−またはジ−C
7−16アラルキル−カルバモイル基から選ばれる1または2個の置換基」を有していてもよいチオカルバモイル基が挙げられる。
置換されていてもよいチオカルバモイル基の好適な例としては、チオカルバモイル基、モノ−またはジ−C
1−6アルキル−チオカルバモイル基(例、メチルチオカルバモイル、エチルチオカルバモイル、ジメチルチオカルバモイル、ジエチルチオカルバモイル、N−エチル−N−メチルチオカルバモイル)、モノ−またはジ−C
2−6アルケニル−チオカルバモイル基(例、ジアリルチオカルバモイル)、モノ−またはジ−C
3−10シクロアルキル−チオカルバモイル基(例、シクロプロピルチオカルバモイル、シクロヘキシルチオカルバモイル)、モノ−またはジ−C
6−14アリール−チオカルバモイル基(例、フェニルチオカルバモイル)、モノ−またはジ−C
7−16アラルキル−チオカルバモイル基(例、ベンジルチオカルバモイル、フェネチルチオカルバモイル)、モノ−またはジ−C
1−6アルキル−カルボニル−チオカルバモイル基(例、アセチルチオカルバモイル、プロピオニルチオカルバモイル)、モノ−またはジ−C
6−14アリール−カルボニル−チオカルバモイル基(例、ベンゾイルチオカルバモイル)、5ないし14員芳香族複素環チオカルバモイル基(例、ピリジルチオカルバモイル)が挙げられる。
【0058】
本明細書中、「置換されていてもよいスルファモイル基」としては、例えば、「置換基群Aから選ばれる1ないし3個の置換基をそれぞれ有していてもよい、C
1−6アルキル基、C
2−6アルケニル基、C
3−10シクロアルキル基、C
6−14アリール基、C
7−16アラルキル基、C
1−6アルキル−カルボニル基、C
6−14アリール−カルボニル基、C
7−16アラルキル−カルボニル基、5ないし14員芳香族複素環カルボニル基、3ないし14員非芳香族複素環カルボニル基、C
1−6アルコキシ−カルボニル基、5ないし14員芳香族複素環基、カルバモイル基、モノ−またはジ−C
1−6アルキル−カルバモイル基およびモノ−またはジ−C
7−16アラルキル−カルバモイル基から選ばれる1または2個の置換基」を有していてもよいスルファモイル基が挙げられる。
置換されていてもよいスルファモイル基の好適な例としては、スルファモイル基、モノ−またはジ−C
1−6アルキル−スルファモイル基(例、メチルスルファモイル、エチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、ジエチルスルファモイル、N−エチル−N−メチルスルファモイル)、モノ−またはジ−C
2−6アルケニル−スルファモイル基(例、ジアリルスルファモイル)、モノ−またはジ−C
3−10シクロアルキル−スルファモイル基(例、シクロプロピルスルファモイル、シクロヘキシルスルファモイル)、モノ−またはジ−C
6−14アリール−スルファモイル基(例、フェニルスルファモイル)、モノ−またはジ−C
7−16アラルキル−スルファモイル基(例、ベンジルスルファモイル、フェネチルスルファモイル)、モノ−またはジ−C
1−6アルキル−カルボニル−スルファモイル基(例、アセチルスルファモイル、プロピオニルスルファモイル)、モノ−またはジ−C
6−14アリール−カルボニル−スルファモイル基(例、ベンゾイルスルファモイル)、5ないし14員芳香族複素環スルファモイル基(例、ピリジルスルファモイル)が挙げられる。
【0059】
本明細書中、「置換されていてもよいヒドロキシ基」としては、例えば、「置換基群Aから選ばれる1ないし3個の置換基をそれぞれ有していてもよい、C
1−6アルキル基、C
2−6アルケニル基、C
3−10シクロアルキル基、C
6−14アリール基、C
7−16アラルキル基、C
1−6アルキル−カルボニル基、C
6−14アリール−カルボニル基、C
7−16アラルキル−カルボニル基、5ないし14員芳香族複素環カルボニル基、3ないし14員非芳香族複素環カルボニル基、C
1−6アルコキシ−カルボニル基、5ないし14員芳香族複素環基、カルバモイル基、モノ−またはジ−C
1−6アルキル−カルバモイル基、モノ−またはジ−C
7−16アラルキル−カルバモイル基、C
1−6アルキルスルホニル基およびC
6−14アリールスルホニル基から選ばれる置換基」を有していてもよいヒドロキシ基が挙げられる。
置換されていてもよいヒドロキシ基の好適な例としては、ヒドロキシ基、C
1−6アルコキシ基、C
2−6アルケニルオキシ基(例、アリルオキシ、2−ブテニルオキシ、2−ペンテニルオキシ、3−ヘキセニルオキシ)、C
3−10シクロアルキルオキシ基(例、シクロヘキシルオキシ)、C
6−14アリールオキシ基(例、フェノキシ、ナフチルオキシ)、C
7−16アラルキルオキシ基(例、ベンジルオキシ、フェネチルオキシ)、C
1−6アルキル−カルボニルオキシ基(例、アセチルオキシ、プロピオニルオキシ、ブチリルオキシ、イソブチリルオキシ、ピバロイルオキシ)、C
6−14アリール−カルボニルオキシ基(例、ベンゾイルオキシ)、C
7−16アラルキル−カルボニルオキシ基(例、ベンジルカルボニルオキシ)、5ないし14員芳香族複素環カルボニルオキシ基(例、ニコチノイルオキシ)、3ないし14員非芳香族複素環カルボニルオキシ基(例、ピペリジニルカルボニルオキシ)、C
1−6アルコキシ−カルボニルオキシ基(例、tert−ブトキシカルボニルオキシ)、5ないし14員芳香族複素環オキシ基(例、ピリジルオキシ)、カルバモイルオキシ基、C
1−6アルキル−カルバモイルオキシ基(例、メチルカルバモイルオキシ)、C
7−16アラルキル−カルバモイルオキシ基(例、ベンジルカルバモイルオキシ)、C
1−6アルキルスルホニルオキシ基(例、メチルスルホニルオキシ、エチルスルホニルオキシ)、C
6−14アリールスルホニルオキシ基(例、フェニルスルホニルオキシ)が挙げられる。
【0060】
本明細書中、「置換されていてもよいスルファニル基」としては、例えば、「置換基群Aから選ばれる1ないし3個の置換基をそれぞれ有していてもよい、C
1−6アルキル基、C
2−6アルケニル基、C
3−10シクロアルキル基、C
6−14アリール基、C
7−16アラルキル基、C
1−6アルキル−カルボニル基、C
6−14アリール−カルボニル基および5ないし14員芳香族複素環基から選ばれる置換基」を有していてもよいスルファニル基、ハロゲン化されたスルファニル基が挙げられる。
置換されていてもよいスルファニル基の好適な例としては、スルファニル(−SH)基、C
1−6アルキルチオ基、C
2−6アルケニルチオ基(例、アリルチオ、2−ブテニルチオ、2−ペンテニルチオ、3−ヘキセニルチオ)、C
3−10シクロアルキルチオ基(例、シクロヘキシルチオ)、C
6−14アリールチオ基(例、フェニルチオ、ナフチルチオ)、C
7−16アラルキルチオ基(例、ベンジルチオ、フェネチルチオ)、C
1−6アルキル−カルボニルチオ基(例、アセチルチオ、プロピオニルチオ、ブチリルチオ、イソブチリルチオ、ピバロイルチオ)、C
6−14アリール−カルボニルチオ基(例、ベンゾイルチオ)、5ないし14員芳香族複素環チオ基(例、ピリジルチオ)、ハロゲン化チオ基(例、ペンタフルオロチオ)が挙げられる。
【0061】
本明細書中、「置換されていてもよいシリル基」としては、例えば、「置換基群Aから選ばれる1ないし3個の置換基をそれぞれ有していてもよい、C
1−6アルキル基、C
2−6アルケニル基、C
3−10シクロアルキル基、C
6−14アリール基およびC
7−16アラルキル基から選ばれる1ないし3個の置換基」を有していてもよいシリル基が挙げられる。
置換されていてもよいシリル基の好適な例としては、トリ−C
1−6アルキルシリル基(例、トリメチルシリル、tert−ブチル(ジメチル)シリル)が挙げられる。
【0062】
本明細書中、「炭化水素環」としては、例えば、C
6−14芳香族炭化水素環、C
3−10シクロアルカン、C
3−10シクロアルケンが挙げられる。
本明細書中、「C
6−14芳香族炭化水素環」としては、例えば、ベンゼン、ナフタレンが挙げられる。
本明細書中、「C
3−10シクロアルカン」としては、例えば、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタンが挙げられる。
本明細書中、「C
3−10シクロアルケン」としては、例えば、シクロプロペン、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテンが挙げられる。
本明細書中、「複素環」としては、例えば、環構成原子として炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1ないし4個のヘテロ原子をそれぞれ含有する、芳香族複素環および非芳香族複素環が挙げられる。
【0063】
本明細書中、「芳香族複素環」としては、例えば、環構成原子として炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1ないし4個のヘテロ原子を含有する5ないし14員(好ましくは5ないし10員)の芳香族複素環が挙げられる。該「芳香族複素環」の好適な例としては、チオフェン、フラン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、チアゾール、イソチアゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、1,2,4−オキサジアゾール、1,3,4−オキサジアゾール、1,2,4−チアジアゾール、1,3,4−チアジアゾール、トリアゾール、テトラゾール、トリアジンなどの5ないし6員単環式芳香族複素環;
ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、ベンゾイミダゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾイソオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイソチアゾール、ベンゾトリアゾール、イミダゾピリジン、チエノピリジン、フロピリジン、ピロロピリジン、ピラゾロピリジン、オキサゾロピリジン、チアゾロピリジン、イミダゾピラジン、イミダゾピリミジン、チエノピリミジン、フロピリミジン、ピロロピリミジン、ピラゾロピリミジン、オキサゾロピリミジン、チアゾロピリミジン、ピラゾロピリミジン、ピラゾロトリアジン、ナフト[2,3−b]チオフェン、フェノキサチイン、インド−ル、イソインドール、1H−インダゾール、プリン、イソキノリン、キノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、カルバゾール、β−カルボリン、フェナントリジン、アクリジン、フェナジン、フェノチアジン、フェノキサジンなどの8ないし14員縮合多環式(好ましくは2または3環式)芳香族複素環が挙げられる。
【0064】
本明細書中、「非芳香族複素環」としては、例えば、環構成原子として炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1ないし4個のヘテロ原子を含有する3ないし14員(好ましくは4ないし10員)の非芳香族複素環が挙げられる。該「非芳香族複素環」の好適な例としては、アジリジン、オキシラン、チイラン、アゼチジン、オキセタン、チエタン、テトラヒドロチオフェン、テトラヒドロフラン、ピロリン、ピロリジン、イミダゾリン、イミダゾリジン、オキサゾリン、オキサゾリジン、ピラゾリン、ピラゾリジン、チアゾリン、チアゾリジン、テトラヒドロイソチアゾール、テトラヒドロオキサゾール、テトラヒドロイソオキサゾール、ピペリジン、ピペラジン、テトラヒドロピリジン、ジヒドロピリジン、ジヒドロチオピラン、テトラヒドロピリミジン、テトラヒドロピリダジン、ジヒドロピラン、テトラヒドロピラン、テトラヒドロチオピラン、モルホリン、チオモルホリン、アゼパン、ジアゼパン、アゼピン、アゾカン、ジアゾカン、オキセパンなどの3ないし8員単環式非芳香族複素環;
ジヒドロベンゾフラン、ジヒドロベンゾイミダゾール、ジヒドロベンゾオキサゾール、ジヒドロベンゾチアゾール、ジヒドロベンゾイソチアゾール、ジヒドロナフト[2,3−b]チオフェン、テトラヒドロイソキノリン、テトラヒドロキノリン、4H−キノリジン、インドリン、イソインドリン、テトラヒドロチエノ[2,3−c]ピリジン、テトラヒドロベンゾアゼピン、テトラヒドロキノキサリン、テトラヒドロフェナントリジン、ヘキサヒドロフェノチアジン、ヘキサヒドロフェノキサジン、テトラヒドロフタラジン、テトラヒドロナフチリジン、テトラヒドロキナゾリン、テトラヒドロシンノリン、テトラヒドロカルバゾール、テトラヒドロ−β−カルボリン、テトラヒドロアクリジン、テトラヒドロフェナジン、テトラヒドロチオキサンテン、オクタヒドロイソキノリンなどの9ないし14員縮合多環式(好ましくは2または3環式)非芳香族複素環が挙げられる。
【0065】
本明細書中、「6員の芳香族複素環」としては、上記「芳香族複素環」のうち、6員のものが挙げられる。
【0066】
以下、式(I)の各記号について説明する。
R
1は、
(A)(1)ハロゲン原子、(2)ヒドロキシ基、(3)置換されていてもよいC
3−10シクロアルキル基(好ましくは、非架橋C
3−10シクロアルキル基)、および(4)置換されていてもよい非芳香族複素環基から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されたC
1−6アルキル基、
(B)置換されていてもよいC
3−10シクロアルキル基、
(C)置換されていてもよいC
3−10シクロアルケニル基、または
(D)置換されていてもよい非芳香族複素環基(好ましくは、3ないし8員単環式非芳香族複素環基)
を示す。
R
1で示される「置換されていてもよいC
3−10シクロアルキル基」の置換基としては、ヒドロキシ基などが挙げられる。
R
1で示される「置換されていてもよいC
3−10シクロアルケニル基」の置換基としては、ヒドロキシ基などが挙げられる。
R
1で示される「置換されていてもよい非芳香族複素環基」の置換基としては、ヒドロキシ基などが挙げられる。
【0067】
R
1は、好ましくは、置換されていてもよい非芳香族複素環基(例、テトラヒドロフラニル)から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されたC
1−6アルキル基(例、メチル)、置換されていてもよいC
3−10シクロアルキル基(例、シクロペンチル、シクロヘキシル)、または置換されていてもよい非芳香族複素環基(例、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル)である。R
1は、より好ましくは、置換されていてもよい非芳香族複素環基(例、テトラヒドロフラニル)から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されたC
1−6アルキル基(例、メチル)、置換されていてもよい非架橋C
3−10シクロアルキル基(例、シクロペンチル、シクロヘキシル)、または置換されていてもよい3ないし8員単環式非芳香族複素環基(例、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル)である。R
1は、さらに好ましくは、(A)非芳香族複素環基(例、テトラヒドロフラニル)から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されたC
1−6アルキル基(例、メチル)、(B)ヒドロキシ基で置換されていてもよい非架橋C
3−10シクロアルキル基(例、シクロペンチル、シクロヘキシル)、または(C)ヒドロキシ基で置換されていてもよい3ないし8員単環式非芳香族複素環基(例、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル)である。R
1は、さらにより好ましくは、ヒドロキシ基で置換されていてもよい非架橋C
3−10シクロアルキル基(例、シクロヘキシル)、またはヒドロキシ基で置換されていてもよい3ないし8員単環式非芳香族複素環基(例、テトラヒドロピラニル)である。R
1は、特に好ましくは、ヒドロキシ基で置換されていてもよい3ないし8員単環式非芳香族複素環基(例、テトラヒドロピラニル)である。
【0068】
本発明の別の実施態様では、R
1は、好ましくは、
【0069】
【化14】
【0070】
である。R
1は、より好ましくは、
【0071】
【化15】
【0072】
である。R
1は、さらに好ましくは、
【0073】
【化16】
【0074】
である。R
1は、さらにより好ましくは、
【0075】
【化17】
【0076】
である。
【0077】
本発明の別の実施態様では、R
1は、好ましくは、
【0078】
【化18】
【0079】
である。
【0080】
本発明の別の実施態様では、R
1は、好ましくは、置換されていてもよい3ないし8員単環式非芳香族複素環基である。
【0081】
本発明の別の実施態様では、R
1は、好ましくは、
【0082】
【化19】
【0083】
である。R
1は、より好ましくは、
【0084】
【化20】
【0085】
である。
【0086】
R
2は、フッ素原子、または置換されていてもよいC
1−6アルコキシ基を示す。
R
2で示される「置換されていてもよいC
1−6アルコキシ基」の置換基としては、ハロゲン原子(例、フッ素原子)、C
3−10シクロアルキル基(例、シクロプロピル)などが挙げられる。
R
2は、好ましくは、フッ素原子、またはハロゲン原子(例、フッ素原子)およびC
3−10シクロアルキル基(例、シクロプロピル)から選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよいC
1−6アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ)である。R
2は、より好ましくは、フッ素原子またはC
1−6アルコキシ基(例、メトキシ)である。
【0087】
本発明の別の実施態様では、R
2は、好ましくは、置換されていてもよいC
1−6アルコキシ基である。R
2は、より好ましくは、ハロゲン原子(例、フッ素原子)およびC
3−10シクロアルキル基(例、シクロプロピル)から選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよいC
1−6アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ)である。R
2は、さらに好ましくは、C
1−6アルコキシ基(例、メトキシ)である。
【0088】
本発明の別の実施態様では、R
2は、好ましくは、フッ素原子である。
【0089】
R
3は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、置換されていてもよいC
1−6アルキル基、置換されていてもよいC
2−6アルケニル基、置換されていてもよいC
2−6アルキニル基、置換されていてもよいC
1−6アルコキシ基、置換されていてもよいC
3−10シクロアルキル基、または置換されていてもよいC
3−10シクロアルキルオキシ基を示す。
【0090】
R
3は、好ましくは、水素原子、ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子)または置換されていてもよいC
1−6アルキル基(例、メチル)である。R
3は、より好ましくは、水素原子、ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子)またはC
1−6アルキル基(例、メチル)である。R
3は、さらに好ましくは、ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子)またはC
1−6アルキル基(例、メチル)である。R
3は、さらにより好ましくは、C
1−6アルキル基(例、メチル)である。
【0091】
R
4は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、置換されていてもよいC
1−6アルキル基、置換されていてもよいC
2−6アルケニル基、置換されていてもよいC
2−6アルキニル基、置換されていてもよいC
1−6アルコキシ基、置換されていてもよいC
3−10シクロアルキル基、または置換されていてもよいC
3−10シクロアルキルオキシ基を示す。
【0092】
R
4は、好ましくは、シアノ基または置換されていてもよいC
1−6アルキル基(例、メチル)である。R
4は、より好ましくは、シアノ基またはC
1−6アルキル基(例、メチル)である。R
4は、さらに好ましくは、C
1−6アルキル基(例、メチル)である。
【0093】
R
5およびR
6は、それぞれ独立して、水素原子またはハロゲン原子を示す。
R
5およびR
6は、好ましくは、ともに水素原子である。
【0094】
環Aは、さらに置換されていてもよいベンゼン環、またはさらに置換されていてもよい6員の芳香族複素環を示す。
環Aで示される「さらに置換されていてもよいベンゼン環」の置換基としては、置換されていてもよい5ないし14員芳香族複素環基(例、ピラゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、トリアゾリル)などが挙げられる。
環Aで示される「さらに置換されていてもよい6員の芳香族複素環」の置換基としては、置換されていてもよいC
1−6アルキル基(例、メチル)、置換されていてもよい5ないし14員芳香族複素環基(例、ピラゾリル)などが挙げられる。
環Aは、好ましくは、置換されていてもよい5ないし14員芳香族複素環基(例、ピラゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、トリアゾリル)から選ばれる1〜3個の置換基でさらに置換されていてもよいベンゼン環、または置換されていてもよいC
1−6アルキル基(例、メチル)および置換されていてもよい5ないし14員芳香族複素環基(例、ピラゾリル)から選ばれる1〜3個の置換基でさらに置換されていてもよい6員の芳香族複素環(例、ピリジン環)である。環Aは、より好ましくは、1〜3個のC
1−6アルキル基(例、メチル)で置換されていてもよい5ないし14員芳香族複素環基(例、ピラゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、トリアゾリル)から選ばれる1〜3個の置換基でさらに置換されていてもよいベンゼン環、またはC
1−6アルキル基(例、メチル)および1〜3個のC
1−6アルキル基(例、メチル)で置換されていてもよい5ないし14員芳香族複素環基(例、ピラゾリル)から選ばれる1〜3個の置換基でさらに置換されていてもよい6員の芳香族複素環(例、ピリジン環)である。環Aは、さらに好ましくは、1〜3個のC
1−6アルキル基(例、メチル)で置換されていてもよい5ないし14員芳香族複素環基(好ましくは、5ないし6員単環式芳香族複素環基)(例、ピラゾリル、チアゾリル、トリアゾリル)から選ばれる1〜3個の置換基でさらに置換されていてもよいベンゼン環である。環Aは、さらにより好ましくは、5ないし6員単環式芳香族複素環基(例、ピラゾリル、トリアゾリル)から選ばれる1〜3個の置換基でさらに置換されたベンゼン環である。環Aは、特に好ましくは、ピラゾリルおよびトリアゾリルから選ばれる1〜3個の置換基でさらに置換されたベンゼン環である。
【0095】
化合物(I)の好ましい態様としては、以下の化合物が挙げられる。
[化合物I−1−1]
R
1が、置換されていてもよい非芳香族複素環基(例、テトラヒドロフラニル)から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されたC
1−6アルキル基(例、メチル)、置換されていてもよいC
3−10シクロアルキル基(例、シクロペンチル、シクロヘキシル)、または置換されていてもよい非芳香族複素環基(例、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル)であり;
R
2が、フッ素原子、または置換されていてもよいC
1−6アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ)であり;
R
3が、水素原子、ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子)または置換されていてもよいC
1−6アルキル基(例、メチル)であり;
R
4が、置換されていてもよいC
1−6アルキル基(例、メチル)であり;
R
5およびR
6が、ともに水素原子であり;
環Aが、置換されていてもよい5ないし14員芳香族複素環基(例、ピラゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、トリアゾリル)から選ばれる1〜3個の置換基でさらに置換されていてもよいベンゼン環、または置換されていてもよいC
1−6アルキル基(例、メチル)および置換されていてもよい5ないし14員芳香族複素環基(例、ピラゾリル)から選ばれる1〜3個の置換基でさらに置換されていてもよい6員の芳香族複素環(例、ピリジン環)である;
化合物(I)。
【0096】
[化合物I−1−2]
R
1が、置換されていてもよい非芳香族複素環基(例、テトラヒドロフラニル)から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されたC
1−6アルキル基(例、メチル)、置換されていてもよい非架橋C
3−10シクロアルキル基(例、シクロペンチル、シクロヘキシル)、または置換されていてもよい3ないし8員単環式非芳香族複素環基(例、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル)であり;
R
2が、フッ素原子、または置換されていてもよいC
1−6アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ)であり;
R
3が、水素原子、ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子)または置換されていてもよいC
1−6アルキル基(例、メチル)であり;
R
4が、置換されていてもよいC
1−6アルキル基(例、メチル)であり;
R
5およびR
6が、ともに水素原子であり;
環Aが、置換されていてもよい5ないし14員芳香族複素環基(例、ピラゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、トリアゾリル)から選ばれる1〜3個の置換基でさらに置換されていてもよいベンゼン環、または置換されていてもよいC
1−6アルキル基(例、メチル)および置換されていてもよい5ないし14員芳香族複素環基(例、ピラゾリル)から選ばれる1〜3個の置換基でさらに置換されていてもよい6員の芳香族複素環(例、ピリジン環)である;
化合物(I)。
【0097】
[化合物I−1−1A]
R
1が、置換されていてもよい非芳香族複素環基(例、テトラヒドロフラニル)から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されたC
1−6アルキル基(例、メチル)、置換されていてもよいC
3−10シクロアルキル基(例、シクロペンチル、シクロヘキシル)、または置換されていてもよい非芳香族複素環基(例、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル)であり;
R
2が、フッ素原子、または置換されていてもよいC
1−6アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ)であり;
R
3が、水素原子、ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子)または置換されていてもよいC
1−6アルキル基(例、メチル)であり;
R
4が、シアノ基または置換されていてもよいC
1−6アルキル基(例、メチル)であり;
R
5およびR
6が、ともに水素原子であり;
環Aが、置換されていてもよい5ないし14員芳香族複素環基(例、ピラゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、トリアゾリル)から選ばれる1〜3個の置換基でさらに置換されていてもよいベンゼン環、または置換されていてもよいC
1−6アルキル基(例、メチル)および置換されていてもよい5ないし14員芳香族複素環基(例、ピラゾリル)から選ばれる1〜3個の置換基でさらに置換されていてもよい6員の芳香族複素環(例、ピリジン環)である;
化合物(I)。
【0098】
[化合物I−1−2A]
R
1が、置換されていてもよい非芳香族複素環基(例、テトラヒドロフラニル)から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されたC
1−6アルキル基(例、メチル)、置換されていてもよい非架橋C
3−10シクロアルキル基(例、シクロペンチル、シクロヘキシル)、または置換されていてもよい3ないし8員単環式非芳香族複素環基(例、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル)である;
前記[化合物I−1−1A]。
【0099】
[化合物I−1−1B]
R
2が、置換されていてもよいC
1−6アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ)である;
化合物(I)、前記[化合物I−1−1]、前記[化合物I−1−2]、前記[化合物I−1−1A]、または前記[化合物I−1−2A]。
【0100】
[化合物I−1−2B]
R
2が、フッ素原子である;
化合物(I)、前記[化合物I−1−1]、前記[化合物I−1−2]、前記[化合物I−1−1A]、または前記[化合物I−1−2A]。
【0101】
[化合物I−2−1]
R
1が、(A)非芳香族複素環基(例、テトラヒドロフラニル)から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されたC
1−6アルキル基(例、メチル)、(B)ヒドロキシ基で置換されていてもよいC
3−10シクロアルキル基(例、シクロペンチル、シクロヘキシル)、または(C)ヒドロキシ基で置換されていてもよい非芳香族複素環基(例、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル)であり;
R
2が、フッ素原子、またはハロゲン原子(例、フッ素原子)およびC
3−10シクロアルキル基(例、シクロプロピル)から選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよいC
1−6アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ)であり;
R
3が、水素原子、ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子)またはC
1−6アルキル基(例、メチル)であり;
R
4が、C
1−6アルキル基(例、メチル)であり;
R
5およびR
6が、ともに水素原子であり;
環Aが、1〜3個のC
1−6アルキル基(例、メチル)で置換されていてもよい5ないし14員芳香族複素環基(例、ピラゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、トリアゾリル)から選ばれる1〜3個の置換基でさらに置換されていてもよいベンゼン環、またはC
1−6アルキル基(例、メチル)および1〜3個のC
1−6アルキル基(例、メチル)で置換されていてもよい5ないし14員芳香族複素環基(例、ピラゾリル)から選ばれる1〜3個の置換基でさらに置換されていてもよい6員の芳香族複素環(例、ピリジン環)である;
化合物(I)。
【0102】
[化合物I−2―2]
R
1が、(A)非芳香族複素環基(例、テトラヒドロフラニル)から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されたC
1−6アルキル基(例、メチル)、(B)ヒドロキシ基で置換されていてもよい非架橋C
3−10シクロアルキル基(例、シクロペンチル、シクロヘキシル)、または(C)ヒドロキシ基で置換されていてもよい3ないし8員単環式非芳香族複素環基(例、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル)であり;
R
2が、フッ素原子、またはハロゲン原子(例、フッ素原子)およびC
3−10シクロアルキル基(例、シクロプロピル)から選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよいC
1−6アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ)であり;
R
3が、水素原子、ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子)またはC
1−6アルキル基(例、メチル)であり;
R
4が、C
1−6アルキル基(例、メチル)であり;
R
5およびR
6が、ともに水素原子であり;
環Aが、1〜3個のC
1−6アルキル基(例、メチル)で置換されていてもよい5ないし14員芳香族複素環基(例、ピラゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、トリアゾリル)から選ばれる1〜3個の置換基でさらに置換されていてもよいベンゼン環、またはC
1−6アルキル基(例、メチル)および1〜3個のC
1−6アルキル基(例、メチル)で置換されていてもよい5ないし14員芳香族複素環基(例、ピラゾリル)から選ばれる1〜3個の置換基でさらに置換されていてもよい6員の芳香族複素環(例、ピリジン環)である;
化合物(I)。
【0103】
[化合物I−2−1A]
R
1が、(A)非芳香族複素環基(例、テトラヒドロフラニル)から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されたC
1−6アルキル基(例、メチル)、(B)ヒドロキシ基で置換されていてもよいC
3−10シクロアルキル基(例、シクロペンチル、シクロヘキシル)、または(C)ヒドロキシ基で置換されていてもよい非芳香族複素環基(例、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル)であり;
R
2が、フッ素原子、またはハロゲン原子(例、フッ素原子)およびC
3−10シクロアルキル基(例、シクロプロピル)から選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよいC
1−6アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ)であり;
R
3が、水素原子、ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子)またはC
1−6アルキル基(例、メチル)であり;
R
4が、シアノ基またはC
1−6アルキル基(例、メチル)であり;
R
5およびR
6が、ともに水素原子であり;
環Aが、1〜3個のC
1−6アルキル基(例、メチル)で置換されていてもよい5ないし14員芳香族複素環基(例、ピラゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、トリアゾリル)から選ばれる1〜3個の置換基でさらに置換されていてもよいベンゼン環、またはC
1−6アルキル基(例、メチル)および1〜3個のC
1−6アルキル基(例、メチル)で置換されていてもよい5ないし14員芳香族複素環基(例、ピラゾリル)から選ばれる1〜3個の置換基でさらに置換されていてもよい6員の芳香族複素環(例、ピリジン環)である;
化合物(I)。
【0104】
[化合物I−2―2A]
R
1が、(A)非芳香族複素環基(例、テトラヒドロフラニル)から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されたC
1−6アルキル基(例、メチル)、(B)ヒドロキシ基で置換されていてもよい非架橋C
3−10シクロアルキル基(例、シクロペンチル、シクロヘキシル)、または(C)ヒドロキシ基で置換されていてもよい3ないし8員単環式非芳香族複素環基(例、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル)である;
前記[化合物I−2−1A]。
【0105】
[化合物I−2−3A]
R
1が、
【0106】
【化21】
【0107】
であり;
R
3が、ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子)またはC
1−6アルキル基(例、メチル)である;
前記[化合物I−2−1A]。
【0108】
[化合物I−2−4A]
R
1が、
【0109】
【化22】
【0110】
である;
前記[化合物I−2−3A]。
【0111】
[化合物I−2―5A]
R
1が、
【0112】
【化23】
【0113】
である;
前記[化合物I−2−3A]。
【0114】
[化合物I−2−1B]
R
2が、ハロゲン原子(例、フッ素原子)およびC
3−10シクロアルキル基(例、シクロプロピル)から選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよいC
1−6アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ)である;
前記[化合物I−2−1]、前記[化合物I−2―2]、前記[化合物I−2−1A]、前記[化合物I−2―2A]、前記[化合物I−2−3A]、前記[化合物I−2−4A]または前記[化合物I−2―5A]。
【0115】
[化合物I−2−2B]
R
2が、フッ素原子である;
前記[化合物I−2−1]、前記[化合物I−2―2]、前記[化合物I−2−1A]、前記[化合物I−2―2A]、前記[化合物I−2−3A]、前記[化合物I−2−4A]または前記[化合物I−2―5A]。
【0116】
[化合物I−3−1]
R
1が、ヒドロキシ基で置換されていてもよいC
3−10シクロアルキル基(例、シクロヘキシル)またはヒドロキシ基で置換されていてもよい非芳香族複素環基(例、テトラヒドロピラニル)であり;
R
2が、フッ素原子またはC
1−6アルコキシ基(例、メトキシ)であり;
R
3が、ハロゲン原子(例、フッ素原子)またはC
1−6アルキル基(例、メチル)であり;
R
4が、C
1−6アルキル基(例、メチル)であり;
R
5およびR
6が、ともに水素原子であり;
環Aが、1〜3個のC
1−6アルキル基(例、メチル)で置換されていてもよい5ないし14員芳香族複素環基(例、ピラゾリル、チアゾリル、トリアゾリル)から選ばれる1〜3個の置換基でさらに置換されていてもよいベンゼン環である;
化合物(I)。
【0117】
[化合物I−3−2]
R
1が、ヒドロキシ基で置換されていてもよい非架橋C
3−10シクロアルキル基(例、シクロヘキシル)またはヒドロキシ基で置換されていてもよい3ないし8員単環式非芳香族複素環基(例、テトラヒドロピラニル)であり;
R
2が、フッ素原子またはC
1−6アルコキシ基(例、メトキシ)であり;
R
3が、ハロゲン原子(例、フッ素原子)またはC
1−6アルキル基(例、メチル)であり;
R
4が、C
1−6アルキル基(例、メチル)であり;
R
5およびR
6が、ともに水素原子であり;
環Aが、1〜3個のC
1−6アルキル基(例、メチル)で置換されていてもよい5ないし14員芳香族複素環基(例、ピラゾリル、チアゾリル、トリアゾリル)から選ばれる1〜3個の置換基でさらに置換されていてもよいベンゼン環である;
化合物(I)。
【0118】
[化合物I−3−1A]
R
1が、
【0119】
【化24】
【0120】
であり;
環Aが、1〜3個のC
1−6アルキル基(例、メチル)で置換されていてもよい5ないし6員単環式芳香族複素環基(例、ピラゾリル、チアゾリル、トリアゾリル)から選ばれる1〜3個の置換基でさらに置換されていてもよいベンゼン環である;
前記[化合物I−3−2]。
【0121】
[化合物I−3−2A]
R
1が、
【0122】
【化25】
【0123】
であり;
R
3が、C
1−6アルキル基(例、メチル)であり;
環Aが、5ないし6員単環式芳香族複素環基(例、ピラゾリル、トリアゾリル)から選ばれる1〜3個の置換基でさらに置換されたベンゼン環である;
前記[化合物I−3−2]。
【0124】
[化合物I−3−3A]
環Aが、ピラゾリルおよびトリアゾリルから選ばれる1〜3個の置換基でさらに置換されたベンゼン環である;
前記[化合物I−3−2A]。
【0125】
[化合物I−4]
R
1が、
【0126】
【化26】
【0127】
であり;
R
2が、フッ素原子またはC
1−6アルコキシ基(例、メトキシ)であり;
R
3が、C
1−6アルキル基(例、メチル)であり;
R
4が、C
1−6アルキル基(例、メチル)であり;
R
5およびR
6が、ともに水素原子であり;
環Aが、1個のC
1−6アルキル基(例、メチル)で置換されていてもよい5ないし6員単環式芳香族複素環基(例、ピラゾリル、トリアゾリル)でさらに置換されたベンゼン環である、
化合物(I)。
【0128】
[化合物I−5]
R
2が、C
1−6アルコキシ基(例、メトキシ)である;
前記[化合物I−3−1]、前記[化合物I−3―2]、前記[化合物I−3−1A]、前記[化合物I−3―2A]、前記[化合物I−3−3A]または前記[化合物I−4]。
【0129】
[化合物I−6]
R
2が、フッ素原子である;
前記[化合物I−3−1]、前記[化合物I−3―2]、前記[化合物I−3−1A]、前記[化合物I−3―2A]、前記[化合物I−3−3A]または前記[化合物I−4]。
【0130】
化合物(I)の具体例としては、例えば、実施例1〜47の化合物が挙げられ、なかでも、
N-(trans-2-ヒドロキシシクロヘキシル)-2-メトキシ-3,4-ジメチル-5-(4-(1-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)ベンジル)ベンズアミド(光学異性体、保持時間小)(実施例10)、
2-フルオロ-N-((3S,4S)-4-ヒドロキシテトラヒドロ-2H-ピラン-3-イル)-3,4-ジメチル-5-(4-(1H-ピラゾール-1-イル)ベンジル)ベンズアミド(実施例12)、
N-((3S,4S)-4-ヒドロキシテトラヒドロ-2H-ピラン-3-イル)-2-メトキシ-3,4-ジメチル-5-(4-(1-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)ベンジル)ベンズアミド(実施例13)、
N-((1S,2S)-2-ヒドロキシシクロヘキシル)-2-メトキシ-3,4-ジメチル-5-(4-(1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)ベンジル)ベンズアミド(実施例14)、
1,5-アンヒドロ-2,3-ジデオキシ-3-((2-メトキシ-3,4-ジメチル-5-(4-(1-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)ベンジル)ベンゾイル)アミノ)-L-threo-ペンチトール(実施例24)、
1,5-アンヒドロ-2,4-ジデオキシ-2-((2,3-ジフルオロ-4-メチル-5-(4-(1H-ピラゾール-1-イル)ベンジル)ベンゾイル)アミノ)-L-threo-ペンチトール(実施例25)、
1,5-アンヒドロ-2,4-ジデオキシ-2-((2-メトキシ-3,4-ジメチル-5-(4-(1-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)ベンジル)ベンゾイル)アミノ)-L-threo-ペンチトール(実施例26)、および
1,5-アンヒドロ-2,4-ジデオキシ-2-((2-フルオロ-3,4-ジメチル-5-(4-(1,3-チアゾール-4-イル)ベンジル)ベンゾイル)アミノ)-L-threo-ペンチトール(実施例32)
が好ましい。
【0131】
化合物(I)が塩である場合、このような塩としては、例えば、無機塩基との塩、アンモニウム塩、有機塩基との塩、無機酸との塩、有機酸との塩、塩基性または酸性アミノ酸との塩などが挙げられる。
【0132】
無機塩基との塩の好適な例としては、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩などのアルカリ土類金属塩;アルミニウム塩などが挙げられる。
【0133】
有機塩基との塩の好適な例としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミンなどとの塩が挙げられる。
【0134】
無機酸との塩の好適な例としては、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸などとの塩が挙げられる。
【0135】
有機酸との塩の好適な例としては、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などとの塩が挙げられる。
【0136】
塩基性アミノ酸との塩の好適な例としては、アルギニン、リジン、オルニチンなどとの塩が挙げられる。
【0137】
酸性アミノ酸との塩の好適な例としては、アスパラギン酸、グルタミン酸などとの塩が挙げられる。
【0138】
これらの塩のなかでも、薬学的に許容し得る塩が好ましい。薬学的に許容しうる好ましい塩としては、化合物内に塩基性官能基を有する場合には、例えば塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸等の無機酸との塩、または酢酸、フタル酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸との塩が挙げられる。また、化合物内に酸性官能基を有する場合には、アルカリ金属塩(例、ナトリウム塩、カリウム塩等)、アルカリ土類金属塩(例、カルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩等)等の無機塩、アンモニウム塩等が挙げられる。
【0139】
化合物(I)は、結晶であってもよく、結晶形が単一であっても結晶形混合物であっても化合物(I)に包含される。結晶は、自体公知の結晶化法を適用して、結晶化することによって製造することができる。
化合物(I)は、薬学的に許容され得る共結晶または共結晶塩であってもよい。ここで、共結晶または共結晶塩とは、各々が異なる物理的特性(例えば、構造、融点、融解熱、吸湿性、溶解性および安定性等)を持つ、室温で二種またはそれ以上の独特な固体から構成される結晶性物質を意味する。共結晶または共結晶塩は、自体公知の共結晶化法に従い製造することができる。
化合物(I)は溶媒和物(例えば、水和物)および無溶媒和物をその範囲内に包含する。また、化合物(I)は、同位元素(例、
2H、
3H、
11C、
14C、
18F、
35S、
125Iなど)などで標識または置換された化合物であってもよく、同位元素で標識または置換された化合物は、例えば、陽電子断層法(Positron Emission Tomography,PET)において使用するトレーサー(PETトレーサー)として用いることができ、医療診断などの分野において有用である。
【0140】
化合物(I)が不斉中心を有する場合、エナンチオマーあるいはジアステレオマーなどの異性体が存在しうる。このような異性体およびそれらの混合物はすべて化合物(I)の範囲内に包含される。また、コンホメーションあるいは互変異性による異性体が生成する場合があるが、このような異性体あるいはその混合物も化合物(I)に含まれる。
【0141】
本発明化合物の製造法について以下に説明する。
以下の製造方法における各工程で用いられた原料や試薬、ならびに得られた化合物は、それぞれ塩を形成していてもよい。このような塩としては、例えば、前述の化合物(I)の塩と同様のもの等が挙げられる。
【0142】
各工程で得られた化合物が遊離化合物である場合には、自体公知の方法により、目的とする塩に変換することができる。逆に各工程で得られた化合物が塩である場合には、自体公知の方法により、遊離体または目的とする他の種類の塩に変換することができる。
【0143】
各工程で得られた化合物は反応液のままか、または粗生成物として得た後に、次反応に用いることもできる、あるいは、各工程で得られた化合物を、常法に従って、反応混合物から濃縮、晶出、再結晶、蒸留、溶媒抽出、分溜、クロマトグラフィーなどの分離手段により単離および/または精製することができる。
【0144】
各工程の原料や試薬の化合物が市販されている場合には、市販品をそのまま用いることができる。
【0145】
各工程の反応において、反応時間は、用いる試薬や溶媒により異なり得るが、特に記載の無い場合、通常1分〜48時間、好ましくは10分〜8時間である。
【0146】
各工程の反応において、反応温度は、用いる試薬や溶媒により異なり得るが、特に記載が無い場合、通常−78℃〜300℃、好ましくは−78℃〜150℃である。
【0147】
各工程の反応において、圧力は、用いる試薬や溶媒により異なり得るが、特に記載が無い場合、通常1気圧〜20気圧、好ましくは1気圧〜3気圧である。
【0148】
各工程の反応において、例えば、Biotage社製InitiatorなどのMicrowave合成装置を用いることがある。反応温度は、用いる試薬や溶媒により異なり得るが、特に記載がない場合、通常室温〜300℃、好ましくは50℃〜250℃である。反応時間は、用いる試薬や溶媒により異なり得るが、特に記載の無い場合、通常1分〜48時間、好ましくは1分〜8時間である。
【0149】
各工程の反応において、試薬は、特に記載が無い場合、基質に対して0.5当量〜20当量、好ましくは0.8当量〜5当量が用いられる。試薬を触媒として使用する場合、試薬は基質に対して0.001当量〜1当量、好ましくは0.01当量〜0.2当量が用いられる。試薬が反応溶媒を兼ねる場合、試薬は溶媒量が用いられる。
【0150】
各工程の反応において、特に記載が無い場合、これらの反応は、無溶媒、あるいは適当な溶媒に溶解または懸濁して行われる。溶媒の具体例としては、実施例に記載されている溶媒、あるいは以下が挙げられる。
アルコール類:メタノール、エタノール、tert−ブチルアルコール、2−メトキシエタノールなど;
エーテル類:ジエチルエーテル、ジフェニルエーテル、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタンなど;
芳香族炭化水素類:クロロベンゼン、トルエン、キシレンなど;
飽和炭化水素類:シクロヘキサン、ヘキサンなど;
アミド類:N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドンなど;
ハロゲン化炭化水素類:ジクロロメタン、四塩化炭素など;
ニトリル類:アセトニトリルなど;
スルホキシド類:ジメチルスルホキシドなど;
芳香族有機塩基類:ピリジンなど;
酸無水物類:無水酢酸など;
有機酸類:ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸など;
無機酸類:塩酸、硫酸など;
エステル類:酢酸エチルなど;
ケトン類:アセトン、メチルエチルケトンなど;
水。
上記溶媒は、二種以上を適宜の割合で混合して用いてもよい。
【0151】
各工程の反応において塩基を用いる場合、例えば、以下に示す塩基、あるいは実施例に記載されている塩基が用いられる。
無機塩基類:水酸化ナトリウム、水酸化マグネシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウムなど;
有機塩基類:トリエチルアミン、ジエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、N,N−ジメチルアニリン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、イミダゾール、ピペリジンなど;
金属アルコキシド類:ナトリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキシドなど;
アルカリ金属水素化物類:水素化ナトリウムなど;
金属アミド類:ナトリウムアミド、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムヘキサメチルジシラジドなど;
有機リチウム類:n−ブチルリチウムなど。
【0152】
各工程の反応において酸または酸性触媒を用いる場合、例えば、以下に示す酸や酸性触媒、あるいは実施例に記載されている酸や酸性触媒が用いられる。
無機酸類:塩酸、硫酸、硝酸、臭化水素酸、リン酸など;
有機酸類:酢酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸、p−トルエンスルホン酸、10−カンファースルホン酸など;
ルイス酸:三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体、ヨウ化亜鉛、無水塩化アルミニウム、無水塩化亜鉛、無水塩化鉄など。
【0153】
各工程の反応は、特に記載の無い限り、自体公知の方法、例えば、第5版実験化学講座、13巻〜19巻(日本化学会編);新実験化学講座、14巻〜15巻(日本化学会編);精密有機化学 改訂第2版(L. F. Tietze,Th. Eicher、南江堂);改訂 有機人名反応 そのしくみとポイント(東郷秀雄著、講談社);ORGANIC SYNTHESES Collective Volume I〜VII(John Wiley & SonsInc);Modern Organic Synthesis in the Laboratory A Collection of Standard Experimental Procedures(Jie Jack Li著、OXFORD UNIVERSITY出版);Comprehensive Heterocyclic Chemistry III、Vol.1〜Vol.14(エルゼビア・ジャパン株式会社);人名反応に学ぶ有機合成戦略(富岡清監訳、化学同人発行);コンプリヘンシブ・オーガニック・トランスフォーメーションズ(VCH Publishers Inc.)1989年刊などに記載された方法、あるいは実施例に記載された方法に準じて行われる。
【0154】
各工程において、官能基の保護または脱保護反応は、自体公知の方法、例えば、Wiley−Interscience社2007年刊「Protective Groups in Organic Synthesis, 4th Ed.」(Theodora W. Greene, Peter G. M. Wuts著);Thieme社2004年刊「Protecting Groups 3rd Ed.」(P.J.Kocienski著)などに記載された方法、あるいは実施例に記載された方法に準じて行われる。
アルコールなどの水酸基やフェノール性水酸基の保護基としては、例えば、メトキシメチルエーテル、ベンジルエーテル、tert−ブチルジメチルシリルエーテル、テトラヒドロピラニルエーテルなどのエーテル型保護基;酢酸エステルなどのカルボン酸エステル型保護基;メタンスルホン酸エステルなどのスルホン酸エステル型保護基;tert−ブチルカルボネートなどの炭酸エステル型保護基などが挙げられる。
アルデヒドのカルボニル基の保護基としては、例えば、ジメチルアセタールなどのアセタール型保護基;1,3−ジオキサンなどの環状アセタール型保護基などが挙げられる。
ケトンのカルボニル基の保護基としては、例えば、ジメチルケタールなどのケタール型保護基;1,3−ジオキサンなどの環状ケタール型保護基;O−メチルオキシムなどのオキシム型保護基;N,N−ジメチルヒドラゾンなどのヒドラゾン型保護基などが挙げられる。
カルボキシ基の保護基としては、例えば、メチルエステルなどのエステル型保護基;N,N−ジメチルアミドなどのアミド型保護基などが挙げられる。
チオールの保護基としては、例えば、ベンジルチオエーテルなどのエーテル型保護基;チオ酢酸エステル、チオカルボネート、チオカルバメートなどのエステル型保護基などが挙げられる。
アミノ基や、イミダゾール、ピロール、インドールなどの芳香族ヘテロ環の保護基としては、例えば、ベンジルカルバメートなどのカルバメート型保護基;アセトアミドなどのアミド型保護基;N−トリフェニルメチルアミンなどのアルキルアミン型保護基、メタンスルホンアミドなどのスルホンアミド型保護基などが挙げられる。
保護基の除去は、自体公知の方法、例えば、酸、塩基、紫外光、ヒドラジン、フェニルヒドラジン、N−メチルジチオカルバミン酸ナトリウム、テトラブチルアンモニウムフルオリド、酢酸パラジウム、トリアルキルシリルハライド(例えば、トリメチルシリルヨージド、トリメチルシリルブロミド)を使用する方法や還元法などを用いて行うことができる。
【0155】
各工程において、還元反応を行う場合、使用される還元剤としては、水素化アルミニウムリチウム、水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム、水素化シアノホウ素ナトリウム、水素化ジイソブチルアルミニウム(DIBAL−H)、水素化ホウ素ナトリウム、水素化トリアセトキシホウ素テトラメチルアンモニウムなどの金属水素化物類;ボランテトラヒドロフラン錯体などのボラン類;ラネーニッケル;ラネーコバルト;水素;ギ酸;トリエチルシランなどが挙げられる。炭素−炭素二重結合あるいは三重結合を還元する場合は、パラジウム−カーボンやLindlar触媒などの触媒を用いる方法がある。
【0156】
各工程において、酸化反応を行う場合、使用される酸化剤としては、m−クロロ過安息香酸(mCPBA)、過酸化水素、tert−ブチルヒドロペルオキシドなどの過酸類;過塩素酸テトラブチルアンモニウムなどの過塩素酸塩類;塩素酸ナトリウムなどの塩素酸塩類;亜塩素酸ナトリウムなどの亜塩素酸塩類;過ヨウ素酸ナトリウムなどの過ヨウ素酸類;ヨードシルベンゼンなどの高原子価ヨウ素試薬;二酸化マンガン、過マンガン酸カリウムなどのマンガンを有する試薬;四酢酸鉛などの鉛類;クロロクロム酸ピリジニウム(PCC)、二クロム酸ピリジニウム(PDC)、ジョーンズ試薬などのクロムを有する試薬;N−ブロモスクシンイミド(NBS)などのハロゲン化合物類;酸素;オゾン;三酸化硫黄・ピリジン錯体;四酸化オスミウム;二酸化セレン;2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン(DDQ)などが挙げられる。
【0157】
各工程において、ラジカル環化反応を行う場合、使用されるラジカル開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)などのアゾ化合物;4−4’−アゾビス−4−シアノペンタン酸(ACPA)などの水溶性ラジカル開始剤;空気あるいは酸素存在下でのトリエチルホウ素;過酸化ベンゾイルなどが挙げられる。また、使用されるラジカル反応試剤としては、トリブチルスタナン、トリストリメチルシリルシラン、1,1,2,2−テトラフェニルジシラン、ジフェニルシラン、ヨウ化サマリウムなどが挙げられる。
【0158】
各工程において、Wittig反応を行う場合、使用されるWittig試薬としては、アルキリデンホスホラン類などが挙げられる。アルキリデンホスホラン類は、自体公知の方法、例えば、ホスホニウム塩と強塩基を反応させることで調製することができる。
【0159】
各工程において、Horner−Emmons反応を行う場合、使用される試薬としては、ジメチルホスホノ酢酸メチル、ジエチルホスホノ酢酸エチルなどのホスホノ酢酸エステル類;アルカリ金属水素化物類、有機リチウム類などの塩基が挙げられる。
【0160】
各工程において、Friedel−Crafts反応を行う場合、使用される試薬としては、ルイス酸と酸クロリドとの組み合わせ、あるいはルイス酸とアルキル化剤(例、ハロゲン化アルキル類、アルコール、オレフィン類など)との組み合わせが挙げられる。あるいは、ルイス酸の代わりに、有機酸や無機酸を用いることもでき、酸クロリドの代わりに、無水酢酸などの酸無水物を用いることもできる。
【0161】
各工程において、芳香族求核置換反応を行う場合、試薬としては、求核剤(例、アミン類、イミダゾールなど)と塩基(例、有機塩基類など)が用いられる。
【0162】
各工程において、カルボアニオンによる求核付加反応、カルボアニオンによる求核1,4−付加反応(Michael付加反応)、あるいはカルボアニオンによる求核置換反応を行う場合、カルボアニオンを発生するために用いる塩基としては、有機リチウム類、金属アルコキシド類、無機塩基類、有機塩基類などが挙げられる。
【0163】
各工程において、Grignard反応を行う場合、Grignard試薬としては、フェニルマグネシウムブロミドなどのアリールマグネシウムハライド類;メチルマグネシウムブロミドなどのアルキルマグネシウムハライド類が挙げられる。Grignard試薬は、自体公知の方法、例えばエーテルあるいはテトラヒドロフランを溶媒として、ハロゲン化アルキルまたはハロゲン化アリールと、金属マグネシウムとを反応させることにより調製することができる。
【0164】
各工程において、Knoevenagel縮合反応を行う場合、試薬としては、二つの電子求引基に挟まれた活性メチレン化合物(例、マロン酸、マロン酸ジエチル、マロノニトリルなど)および塩基(例、有機塩基類、金属アルコキシド類、無機塩基類)が用いられる。
【0165】
各工程において、Vilsmeier−Haack反応を行う場合、試薬としては、塩化ホスホリルとアミド誘導体(例、N,N−ジメチルホルムアミドなど)が用いられる。
【0166】
各工程において、アルコール類、アルキルハライド類、スルホン酸エステル類のアジド化反応を行う場合、使用されるアジド化剤としては、ジフェニルホスホリルアジド(DPPA)、トリメチルシリルアジド、アジ化ナトリウムなどが挙げられる。例えば、アルコール類をアジド化する場合、ジフェニルホスホリルアジドと1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)を用いる方法やトリメチルシリルアジドとルイス酸を用いる方法などがある。
【0167】
各工程において、還元的アミノ化反応を行う場合、使用される還元剤としては、水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム、水素化シアノホウ素ナトリウム、水素、ギ酸などが挙げられる。基質がアミン化合物の場合は、使用されるカルボニル化合物としては、パラホルムアルデヒドの他、アセトアルデヒドなどのアルデヒド類、シクロヘキサノンなどのケトン類が挙げられる。基質がカルボニル化合物の場合は、使用されるアミン類としては、アンモニア;メチルアミンなどの1級アミン;ジメチルアミンなどの2級アミンなどが挙げられる。
【0168】
各工程において、光延反応を行う場合、試薬としては、アゾジカルボン酸エステル類(例、アゾジカルボン酸ジエチル(DEAD)、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(DIAD)など)およびトリフェニルホスフィンが用いられる。
【0169】
各工程において、エステル化反応、アミド化反応、あるいはウレア化反応を行う場合、使用される試薬としては、酸クロリド、酸ブロミドなどのハロゲン化アシル体;酸無水物、活性エステル体、硫酸エステル体など活性化されたカルボン酸類が挙げられる。カルボン酸の活性化剤としては、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(WSCD)などのカルボジイミド系縮合剤;4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロライド−n−ハイドレート(DMT−MM)などのトリアジン系縮合剤;1,1−カルボニルジイミダゾール(CDI)などの炭酸エステル系縮合剤;ジフェニルリン酸アジド(DPPA);ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ-トリスジメチルアミノホスホニウム塩(BOP試薬);ヨウ化2−クロロ−1−メチル−ピリジニウム(向山試薬);塩化チオニル;クロロギ酸エチルなどのハロギ酸C
1−6アルキル;O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロリン酸塩(HATU);硫酸;あるいはこれらの組み合わせなどが挙げられる。カルボジイミド系縮合剤を用いる場合、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、N−ヒドロキシコハク酸イミド(HOSu)、ジメチルアミノピリジン(DMAP)などの添加剤をさらに反応に加えてもよい。
【0170】
各工程において、カップリング反応を行う場合、使用される金属触媒としては、酢酸パラジウム(II)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、ジクロロビス(トリエチルホスフィン)パラジウム(II)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、塩化1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)、酢酸パラジウム(II)などのパラジウム化合物;テトラキス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(0)などのニッケル化合物;塩化トリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム(III)などのロジウム化合物;コバルト化合物;酸化銅、ヨウ化銅(I)などの銅化合物;白金化合物などが挙げられる。さらに反応に塩基を加えてもよく、このような塩基としては、無機塩基類などが挙げられる。
【0171】
各工程において、チオカルボニル化反応を行う場合、チオカルボニル化剤としては、代表的には五硫化二リンが用いられるが、五硫化二リンの他に、2,4−ビス(4−メトキシフェニル)−1,3,2,4−ジチアジホスフェタン−2,4−ジスルフィド(Lawesson試薬)などの1,3,2,4−ジチアジホスフェタン−2,4−ジスルフィド構造を持つ試薬を用いてもよい。
【0172】
各工程において、Wohl−Ziegler反応を行う場合、使用されるハロゲン化剤としては、N−ヨードコハク酸イミド、N−ブロモコハク酸イミド(NBS)、N−クロロコハク酸イミド(NCS)、臭素、塩化スルフリルなどが挙げられる。さらに、熱、光、過酸化ベンゾイル、アゾビスイソブチロニトリルなどのラジカル開始剤を反応に加えることで、反応を加速させることができる。
【0173】
各工程において、ヒドロキシ基のハロゲン化反応を行う場合、使用されるハロゲン化剤としては、ハロゲン化水素酸と無機酸の酸ハロゲン化物、具体的には、塩素化では、塩酸、塩化チオニル、オキシ塩化リンなど、臭素化では、48%臭化水素酸などが挙げられる。また、トリフェニルホスフィンと四塩化炭素または四臭化炭素などとの作用により、アルコールからハロゲン化アルキル体を得る方法を用いてもよい。あるいは、アルコールをスルホン酸エステルに変換の後、臭化リチウム、塩化リチウムまたはヨウ化ナトリウムと反応させるような2段階の反応を経てハロゲン化アルキル体を合成する方法を用いてもよい。
【0174】
各工程において、Arbuzov反応を行う場合、使用される試薬としては、ブロモ酢酸エチルなどのハロゲン化アルキル類;トリエチルホスファイトやトリ(イソプロピル)ホスファイトなどのホスファイト類が挙げられる。
【0175】
各工程において、スルホン酸エステル化反応を行う場合、使用されるスルホニル化剤としては、メタンスルホニルクロリド、p−トルエンスルホニルクロリド、メタンスルホン酸無水物、p−トルエンスルホン酸無水物などが挙げられる。
【0176】
各工程において、加水分解反応を行う場合、試薬としては、酸または塩基が用いられる。また、tert−ブチルエステルの酸加水分解反応を行う場合、副生するtert−ブチルカチオンを還元的にトラップするためにギ酸やトリエチルシランなどを加えることがある。
【0177】
各工程において、脱水反応を行う場合、使用される脱水剤としては、硫酸、五酸化二リン、オキシ塩化リン、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、アルミナ、ポリリン酸などが挙げられる。
【0178】
化合物(I)は、以下のスキームに示す方法またはこれに準ずる方法もしくは実施例に記載の方法で製造することができる。
化合物(I)は、化合物(2)または化合物(3)より以下の方法で製造することができる。
【0179】
【化27】
【0180】
反応式中のX
1およびX
2はそれぞれハロゲン原子であり、R
7はC
1−6アルキル基であり、環AおよびR
1〜R
6は前記と同じ意味を持つ。
化合物(4)は化合物(2)のアルキル化反応により、製造することができる。使用されるアルキル化剤としては、ハロゲン化アルキル類、アルキルトリフラート類、アルキルトシラート類などが挙げられる。さらに反応に塩基を加えてもよく、このような塩基としては炭酸カリウム、水素化ナトリウムなどの無機塩基類が挙げられる。
化合物(4)は化合物(3)のハロゲン化反応により製造することもできる。使用されるハロゲン化剤としては、テトラフルオロほう酸ニトロシルなどが挙げられる。
化合物(5)は化合物(4)とビスピナコラートジボロンとの金属触媒存在下でのカップリング反応により製造することができる。反応に塩基を加えてもよく、このような塩基としては、酢酸カリウムなどの無機塩基類が挙げられる。
化合物(7)は化合物(5)と化合物(6)との金属触媒存在下でのカップリング反応により製造することができる。
化合物(8)は化合物(7)の加水分解反応により製造することができる。
化合物(I)は化合物(8)とR
1−NH
2などのアミン類とのアミド化反応により製造することができる。
【0181】
化合物(I)は、化合物(9)または化合物(4)より以下の方法によっても製造することができる。
【0182】
【化28】
【0183】
反応式中のX
1、X
2、R
7、環AおよびR
1〜R
6は前記と同じ意味を持つ。
化合物(10)は化合物(9)のハロゲン化反応により製造することができる。使用されるハロゲン化剤としては、臭素、臭化水素酸、N−ブロモコハク酸イミドなどが挙げられる。
化合物(10)は化合物(4)の加水分解反応により製造することもできる。
化合物(11)は化合物(10)とR
1−NH
2などのアミン類とのアミド化反応により製造することができる。
化合物(12)は化合物(11)とビスピナコラートジボロンの金属触媒存在下でのカップリング反応により製造することができる。反応に塩基を加えてもよく、このような塩基としては、酢酸カリウムなどの無機塩基類が挙げられる。
化合物(I)は化合物(12)と化合物(6)との金属触媒存在下でのカップリング反応により製造することができる。
化合物(I)を製造する際に原料として用いられる化合物(2)、化合物(3)、化合物(6)、アミン類および化合物(9)は、自体公知の方法により製造することができる。
【0184】
必要に応じて、上記のいずれの反応式においても、化合物(2)から(12)の反応式中のX
1、X
2、R
7、環AおよびR
1〜R
6は、通常の有機反応、例えばハロゲン化反応、アシル化反応、スルホニル化反応、アルキル化反応、加水分解反応、アミノ化反応、アミド化反応、エステル化反応、エーテル化反応、酸化反応、還元反応、保護反応、脱保護反応、カップリング反応、付加反応、脱離反応、置換反応等を、単独あるいは複数組み合わせて用いることにより、変換することもできる。
【0185】
化合物(I)が、光学異性体、立体異性体、位置異性体、回転異性体を含有する場合には、これらも化合物(I)として含有されるとともに、自体公知の合成手法、分離手法によりそれぞれを単品として得ることができる。例えば、化合物(I)に光学異性体が存在する場合には、該化合物から分割された光学異性体も化合物(I)に包含される。
【0186】
光学異性体は自体公知の方法により製造することができる。具体的には、光学活性な合成中間体を用いる、または、最終物のラセミ体を常法に従って光学分割することにより光学異性体を得る。
光学分割法としては、自体公知の方法、例えば、分別再結晶法、キラルカラム法、ジアステレオマー法等が用いられる。
【0187】
1)分別再結晶法
ラセミ体と光学活性な化合物(例えば、(+)−マンデル酸、(−)−マンデル酸、(+)−酒石酸、(−)−酒石酸、(+)−1−フェネチルアミン、(−)−1−フェネチルアミン、シンコニン、(−)−シンコニジン、ブルシンなど)と塩を形成させ、これを分別再結晶法によって分離し、所望により、中和工程を経てフリーの光学異性体を得る方法。
【0188】
2)キラルカラム法
ラセミ体またはその塩を光学異性体分離用カラム(キラルカラム)にかけて分離する方法。例えば液体クロマトグラフィーの場合、ENANTIO−OVM(トーソー社製)あるいは、ダイセル社製CHIRALシリーズなどのキラルカラムに光学異性体の混合物を添加し、水、種々の緩衝液(例、リン酸緩衝液)、有機溶媒(例、エタノール、メタノール、イソプロパノール、アセトニトリル、トリフルオロ酢酸、ジエチルアミンなど)を単独あるいは混合した溶液として展開させることにより、光学異性体を分離する。
【0189】
3)ジアステレオマー法
ラセミ体の混合物を光学活性な試薬と化学反応によってジアステレオマーの混合物とし、これを通常の分離手段(例えば、分別再結晶法、クロマトグラフィー法等)などを経て単一物質とした後、加水分解反応などの化学的な処理により光学活性な試薬部位を切り離すことにより光学異性体を得る方法。例えば、化合物(I)が分子内に水酸基または1、2級アミノ基を有する場合、該化合物と光学活性な有機酸(例えば、MTPA〔α−メトキシ−α−(トリフルオロメチル)フェニル酢酸〕、(−)−メントキシ酢酸等)などとを縮合反応に付すことにより、それぞれエステル体またはアミド体のジアステレオマーが得られる。一方、化合物(I)がカルボン酸基を有する場合、該化合物と光学活性アミンまたはアルコール試薬とを縮合反応に付すことにより、それぞれアミド体またはエステル体のジアステレオマーが得られる。分離されたジアステレオマーは、酸加水分解あるいは塩基性加水分解反応に付すことにより、元の化合物の光学異性体に変換される。
【0190】
化合物(I)が遊離化合物として得られた場合には、自体公知の方法あるいはそれに準ずる方法によって、目的とする塩に変換することができ、逆に塩で得られた場合には、自体公知の方法あるいはそれに準ずる方法により、遊離体または目的とする他の塩に変換することができる。
【0191】
化合物(I)はプロドラッグとして用いてもよい。化合物(I)のプロドラッグは、生体内における生理条件下で酵素、胃酸等による反応により化合物(I)に変換する化合物、すなわち酵素的に酸化、還元、加水分解等を起こして化合物(I)に変化する化合物、胃酸等により加水分解等を起こして化合物(I)に変化する化合物をいう。
【0192】
化合物(I)のプロドラッグとしては、化合物(I)のアミノ基がアシル化、アルキル化、リン酸化された化合物(例、化合物(I)のアミノ基がエイコサノイル化、アラニル化、ペンチルアミノカルボニル化、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メトキシカルボニル化、テトラヒドロフラニル化、ピロリジルメチル化、ピバロイルオキシメチル化、tert−ブチル化された化合物等);化合物(I)のヒドロキシ基がアシル化、アルキル化、リン酸化、ホウ酸化された化合物(例、化合物(I)のヒドロキシ基がアセチル化、パルミトイル化、プロパノイル化、ピバロイル化、スクシニル化、フマリル化、アラニル化、ジメチルアミノメチルカルボニル化された化合物等);化合物(I)のカルボキシ基がエステル化、アミド化された化合物(例、化合物(I)のカルボキシ基がエチルエステル化、フェニルエステル化、カルボキシメチルエステル化、ジメチルアミノメチルエステル化、ピバロイルオキシメチルエステル化、エトキシカルボニルオキシエチルエステル化、フタリジルエステル化、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチルエステル化、シクロヘキシルオキシカルボニルエチルエステル化、メチルアミド化された化合物等)等が挙げられる。これらの化合物は自体公知の方法によって化合物(I)から製造することができる。
また、化合物(I)のプロドラッグは、医薬品の開発,第7巻(分子設計),163−198頁(広川書店)に記載されているような生理的条件で化合物(I)に変化するものであってもよい。
【0193】
化合物(I)は、哺乳動物(例えば、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、ネコ、イヌ、ウシ、ヒツジ、サル、ヒトなど)に対して、例えば、
(1)精神疾患[例、うつ病、大うつ病、双極性うつ病、気分変調障害、情動障害(季節性情動障害など)、再発性うつ病、産後うつ病、ストレス性障害、うつ症状、躁病、全般性不安障害、不安症候群、パニック障害、恐怖症、社会性恐怖症、社会性不安障害、強迫性障害、心的外傷後ストレス症候群、外傷後ストレス障害、トゥレット症候群、自閉症、自閉症スペクトラム症候群、脆弱X症候群、レット症候群、適応障害、双極性障害、神経症、統合失調症(例、陽性症状、陰性症状、認知症状)、統合失調症に伴う認知機能障害、慢性疲労症候群、不安神経症、強迫神経症、てんかん、不安症状、不快精神状態、情緒異常、感情循環気質、神経過敏症、失神、耽溺、性欲低下、注意欠陥多動性障害(ADHD)、精神病性大うつ病、難治性大うつ病、治療抵抗性うつ病]、
(2)神経変性疾患[例、アルツハイマー病、アルツハイマー型老人性認知症、パーキンソン病、認知症を伴うパーキンソン病、ハンチントン病、多発脳梗塞性認知症、前頭側頭認知症、パーキンソン型前頭側頭認知症、進行性核上麻痺、ピック症候群、ニーマン−ピック症候群、大脳皮質基底核変性症、ダウン症、血管性認知症、脳炎後のパーキンソン病、レヴィー小体型認知症、HIV性認知症、筋萎縮性脊髄側索硬化症(ALS)、運動神経原性疾患(MND)、クロイツフェルト・ヤコブ病又はプリオン病、脳性麻痺、多発性硬化症]、
(3)加齢に伴う認知・記憶障害[例、加齢性記憶障害、老人性認知症]、
(4)睡眠障害[例、内在因性睡眠障害(例、精神生理性不眠など)、外在因性睡眠障害、概日リズム障害(例、時間帯域変化症候群(時差ボケ)、交代勤務睡眠障害、不規則型睡眠覚醒パターン、睡眠相後退症候群、睡眠相前進症候群、非24時間睡眠覚醒など)、睡眠時随伴症、内科又は精神科障害(例、慢性閉塞性肺疾患、アルツハイマー病、パーキンソン病、脳血管性認知症、統合失調症、うつ病、不安神経症)に伴う睡眠障害、ストレス性不眠症、不眠症、不眠性神経症、睡眠時無呼吸症候群]、
(5)麻酔薬、外傷性疾患又は神経変性疾患などに起因する呼吸抑制、
(6)外傷性脳損傷、脳卒中、神経性食欲不振、摂食障害、神経性無食欲症、過食症、その他の摂食障害、アルコール依存症、アルコール乱用、アルコール性健忘症、アルコール妄想症、アルコール嗜好性、アルコール離脱、アルコール性精神病、アルコール中毒、アルコール性嫉妬、アルコール性躁病、アルコール依存性精神障害、アルコール精神病、薬物嗜好、薬物恐怖症、薬物狂、薬物離脱、偏頭痛、ストレス性頭痛、緊張性頭痛、糖尿病性ニューロパシー、肥満、糖尿病、筋肉痙攣、メニエール病、自律神経失調症、脱毛症、緑内障、高血圧、心臓病、頻脈、うっ血性心不全、過呼吸、気管支喘息、無呼吸、乳幼児突然死症候群、炎症性疾患、アレルギー疾患、インポテンス、更年期障害、不妊症、癌、HIV感染による免疫不全症候群、ストレスによる免疫不全症候群、脳脊髄膜炎、末端肥大症、失禁、メタボリック・シンドローム、骨粗しょう症、消化性潰瘍、過敏性腸症候群、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病、ストレス性胃腸障害、神経性嘔吐、下痢、便秘、術後イレウス、
(7)痛み
の疾患の予防または治療薬として有効である。特に好ましくは、コリン作動性ムスカリンM1受容体ポジティブアロステリックモジュレーターとして、アルツハイマー病、統合失調症、痛み、睡眠障害、認知症を伴うパーキンソン病、レヴィー小体型認知症等の予防または治療薬として有効である。
【0194】
化合物(I)は、優れたコリン作動性ムスカリンM1受容体ポジティブアロステリックモジュレーター活性を有するので、上記疾患に対して優れた予防・治療効果が期待できる。
【0195】
化合物(I)は水、日本薬局方溶出試験第2液、または日本薬局方崩壊試験第2液に対する溶解性に優れ、体内動態(例、血中薬物半減期、脳内移行性、代謝安定性、CYP阻害)に優れ、毒性が低く(例えば、急性毒性、慢性毒性、遺伝毒性、生殖毒性、心毒性、薬物相互作用、癌原性、光毒性等の点から医薬として、より優れている)、かつ副作用も少ない等の医薬品として優れた性質も有するので、哺乳動物(例えば、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、ネコ、イヌ、ウシ、ヒツジ、サル、ヒトなど)に対して、経口的、又は非経口的に安全に投与できる。「非経口」には、静脈内、筋肉内、皮下、臓器内、鼻腔内、皮内、点眼、脳内、直腸内、膣内、腹腔内、腫瘍内部、腫瘍の近位などへの投与及び直接的な病巣への投与を含む。
【0196】
化合物(I)を含有してなる医薬(本明細書中、「本発明の医薬」と略記する場合がある)は、散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、口腔内崩壊フィルムなどの固形製剤、シロップ剤、乳剤、注射剤などの液剤のいずれの形態(製剤の形態)であってもよい。
【0197】
本発明の医薬は、製剤の形態に応じて、例えば、混和、混練、造粒、打錠、コーティング、滅菌処理、乳化などの慣用の方法で製造できる。なお、製剤の製造に関して、例えば日本薬局方製剤総則の各項などを参照できる。また本発明の医薬は、有効成分と生体内分解性高分子化合物とを含む徐放剤に成形してもよい。該徐放剤の調製は、特開平9−263545号公報に記載の方法に準ずることができる。
【0198】
本発明の医薬において、化合物(I)の含有量は、製剤の形態によって相違するが、通常、製剤全体(医薬全体)に対する化合物(I)の量として0.01〜100重量%、好ましくは0.1〜50重量%、さらに好ましくは0.5〜20重量%程度である。
【0199】
化合物(I)は、そのまま、或いは適宜の薬理学的に許容され得る担体、例えば、賦形剤(例えば、デンプン、乳糖、白糖、炭酸カルシウム、リン酸カルシウムなど)、結合剤(例えば、デンプン、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース、アルギン酸、ゼラチン、ポリビニルピロリドンなど)、滑沢剤(例えば、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルクなど)、崩壊剤(例えば、カルボキシメチルセルロースカルシウム、タルクなど)、希釈剤(例えば、注射用水、生理食塩水など)、必要に応じて添加剤(例えば、安定剤、保存剤、着色剤、香料、溶解助剤、乳化剤、緩衝剤、等張化剤など)などと常法により混合し、散剤、細粒剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤などの固形剤または注射剤などの液剤の形態で経口的または非経口的に投与することができる。また、化合物(I)は局所投与製剤に成形して投与すると関節疾患の患部に直接投与することもできる。この場合は、注射剤とするのが好ましい。局所投与用の非経口剤(例、筋肉内、皮下、臓器、関節部位などへの注射剤、埋め込み剤、顆粒剤、散剤等の固形製剤、懸濁剤等の液剤、軟膏剤等)などとして投与することもできる。
【0200】
例えば、注射剤とするには、化合物(I)を分散剤(例、Tween 80、HCO−60等の界面活性剤、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ヒアルロン酸等の多糖類、ポリソルベート等)、保存剤(例、メチルパラベン、プロピルパラベン等)、等張化剤(例、塩化ナトリウム、マンニトール、ソルビトール、ブドウ糖等)、緩衝剤(例、炭酸カルシウム等)、pH調整剤(例、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム等)等と共に水性懸濁剤とすることにより実用的な注射用製剤が得られる。また、ゴマ油、コーン油などの植物油あるいはこれにレシチンなどのリン脂質を混合したもの、あるいは中鎖脂肪酸トリグリセリド(例、ミグリオール812等)と共に分散して油性懸濁剤として実際に使用できる注射剤とする。
【0201】
化合物(I)の投与量は、投与対象、投与ルート、症状によっても異なり、特に限定されないが、例えばアルツハイマー病の成人患者(成人、体重40〜80kg、例えば60kg)に経口投与する場合、化合物(I)として、例えば1日0.001〜1000mg/kg体重、好ましくは1日0.01〜100mg/kg体重、さらに好ましくは1日0.1〜10mg/kg体重である。この量を1日1回〜3回に分けて投与することができる。
【0202】
本発明の医薬は、医薬製剤の製造法として自体公知の方法(例、日本薬局方記載の方法等)に従って、化合物(I)を単独で、又は化合物(I)と薬理学的に許容される担体とを混合した医薬組成物として使用することができる。本発明の医薬は、例えば錠剤(糖衣錠、フィルムコーティング錠、舌下錠、口腔内崩壊錠、バッカル錠等を含む)、丸剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤(ソフトカプセル剤、マイクロカプセル剤を含む)、トローチ剤、シロップ剤、液剤、乳剤、懸濁剤、放出制御製剤(例、速放性製剤、徐放性製剤、徐放性マイクロカプセル剤)、エアゾール剤、フィルム剤(例、口腔内崩壊フィルム、口腔粘膜貼付フィルム)、注射剤(例、皮下注射剤、静脈内注射剤、筋肉内注射剤、腹腔内注射剤)、点滴剤、経皮吸収型製剤、軟膏剤、ローション剤、貼付剤、坐剤(例、肛門坐剤、膣坐剤)、ペレット、経鼻剤、経肺剤(吸入剤)、点眼剤等の医薬組成物として、経口的又は非経口的(例、静脈内、筋肉内、皮下、臓器内、鼻腔内、皮内、点眼、脳内、直腸内、膣内、腹腔内、病巣等)に安全に投与することができる。
【0203】
前記の「薬理学的に許容される担体」としては、製剤素材(starting material)として慣用されている各種の有機あるいは無機担体が用いられる。例えば、固形製剤においては、賦形剤、滑沢剤、結合剤及び崩壊剤等が用いられ、液状製剤においては、溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤、及び無痛化剤等が用いられる。また必要に応じて、防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤等の製剤添加物を用いることもできる。
【0204】
賦形剤としては、例えば、乳糖、白糖、D−マンニトール、デンプン、コーンスターチ、結晶セルロース、軽質無水ケイ酸等が挙げられる。
【0205】
滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、コロイドシリカ等が挙げられる。
【0206】
結合剤としては、例えば、結晶セルロース、白糖、D−マンニトール、デキストリン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、デンプン、ショ糖、ゼラチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム等が挙げられる。
【0207】
崩壊剤としては、例えば、デンプン、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、L−ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられる。
【0208】
溶剤としては、例えば、注射用水、アルコール、プロピレングリコール、マクロゴール、ゴマ油、トウモロコシ油、オリーブ油等が挙げられる。
【0209】
溶解補助剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、D−マンニトール、安息香酸ベンジル、エタノール、トリスアミノメタン、コレステロール、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム等が挙げられる。
【0210】
懸濁化剤としては、例えば、ステアリルトリエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸、レシチン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、モノステアリン酸グリセリン等の界面活性剤;例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等の親水性高分子等が挙げられる。
【0211】
等張化剤としては、例えば、ブドウ糖、D−ソルビトール、塩化ナトリウム、グリセリン、D−マンニトール等が挙げられる。
【0212】
緩衝剤としては、例えば、リン酸塩、酢酸塩、炭酸塩、クエン酸塩等の緩衝液等が挙げられる。
【0213】
無痛化剤としては、例えば、ベンジルアルコール等が挙げられる。
【0214】
防腐剤としては、例えば、パラオキシ安息香酸エステル類、クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール、デヒドロ酢酸、ソルビン酸等が挙げられる。
【0215】
抗酸化剤としては、例えば、亜硫酸塩、アスコルビン酸、α−トコフェロール等が挙げられる。
【0216】
医薬組成物は、剤型、投与方法、担体などにより異なるが、化合物(I)を製剤全量に対して通常0.01〜100%(w/w)、好ましくは0.1〜95%(w/w)の割合で添加することにより、常法に従って製造することができる。
【0217】
化合物(I)は、他の活性成分(以下、併用薬物と略記する)と併用してもよい。
【0218】
併用薬物としては、例えば、以下が挙げられる。
ベンゾジアゼピン(クロルジアゼポキシド、ジアゼパム、クロラゼブ酸カリウム、ロラゼパム、クロナゼパム、アルプラゾラム等)、L−型カルシウムチャネル阻害薬(プレガバリン等)、三環性又は四環性抗うつ薬(塩酸イミプラミン、塩酸アミトリプチリン、塩酸デシプラミン、塩酸クロミプラミン等)、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(マレイン酸フルボキサミン、塩酸フロキセチン、臭酸シタロプラム、塩酸セルトラリン、塩酸パロキセチン、シュウ酸エスシタロプラム等)、セロトニン−ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(塩酸ベンラファキシン、塩酸デュロキセチン、塩酸デスベンラファキシン等)、ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(メシル酸レボキセチン等)、ノルアドレナリン−ドパミン再取り込み阻害薬(塩酸ブプロピオン等)、ミルタザピン、塩酸トラゾドン、塩酸ネファゾドン、塩酸ブプロピオン、マレイン酸セチプチリン、5−HT
1A作動薬(塩酸ブスピロン、クエン酸タンドスピロン、塩酸オセモゾタン等)、5−HT
3拮抗薬(シアメマジン等)、心臓選択的ではないβ阻害薬(塩酸プロプラノロール、塩酸オキシプレノロール等)、ヒスタミンH
1拮抗薬(塩酸ヒドロキシジン等)、統合失調症治療薬(クロルプロマジン、ハロペリドール、スルピリド、クロザピン、塩酸トリフルオペラジン、塩酸フルフェナジン、オランザピン、フマル酸クエチアピン、リスペリドン、アリピプラゾール等)、CRF拮抗薬、その他の抗不安薬(メプロバメート等)、タキキニン拮抗薬(アプレピタント、サレデュタント等)、代謝型グルタミン酸受容体に作用する薬剤、CCK拮抗薬、β3アドレナリン拮抗薬(塩酸アミベグロン等)、GAT−1阻害薬(塩酸チアガビン等)、N−型カルシウムチャネル阻害薬、2型炭酸脱水素酵素阻害薬、NMDAグリシン部位作動薬、NMDA拮抗薬(メマンチン等)、末梢性ベンゾジアゼピン受容体作動薬、バソプレッシン拮抗薬、バソプレッシンV1b拮抗薬、バソプレッシンV1a拮抗薬、ホスホジエステラーゼ阻害薬、オピオイド拮抗薬、オピオイド作動薬、ウリジン、ニコチン酸受容体作動薬、チロイドホルモン(T3、T4)、TSH、TRH、MAO阻害薬(硫酸フェネルジン、硫酸トラニルシプロミン、モクロベミド等)、5−HT
2A拮抗薬、5−HT
2A逆作動薬、COMT阻害薬(エンタカポン等)、双極性障害治療薬(炭酸リチウム、バルプロ酸ナトリウム、ラモトリジン、リルゾール、フェルバメート等)、カンナビノイドCB1拮抗薬(リモナバント等)、FAAH阻害薬、ナトリウムチャネル阻害薬、抗ADHD薬(塩酸メチルフェニデート、塩酸メタンフェタミン等)、アルコール依存症治療薬、自閉症治療薬、慢性疲労症候群治療薬、痙攣治療薬、線維筋痛症治療薬、頭痛治療薬、不眠症治療薬(エチゾラム、ゾピクロン、トリアゾラム、ゾルピデム、ラメルテオン、インジプロン等)、禁煙のための治療薬、重症筋無力症治療薬、脳梗塞治療薬、躁病治療薬、過眠症治療薬、疼痛治療薬、気分変調症治療薬、自律神経失調症治療薬、男性及び女性の性機能障害治療薬、偏頭痛治療薬、病的賭博治療薬、下肢静止不能症候群治療薬、物質依存症治療薬、アルコール関連症の治療薬、過敏性腸症候群治療薬、アルツハイマー病治療薬(ドネペジル、ガランタミン、メマンチン、リバスチグミン等)、パーキンソン病治療薬(レボドパ、カルビドパ、ベンセラジド、セレギリン、ラサギリン、ゾニサミド、エンタカポン、アマンタジン、タリペキソール、プラミペキソール、ロピニロール、ロチゴチン、アポモルフィン、カベルゴリン、ペルゴリド、ブロモクリプチン、イストラデフィリン、トリヘキシフェニジル、ビペリテン、ピロヘプチン、プロフェナミン、プロメタジン、ドロキシドパ、これらの薬剤の組み合わせ等)、認知症を伴うパーキンソン病(リバスチグミン)、レヴィー小体型認知症治療薬(ドネペジル)、ALS治療薬(リルゾール、神経栄養因子等)、コレステロール低下薬のような脂質異常症治療薬(スタチンシリーズ(プラバスタチンナトリウム、アトルバスタチン、シンバスタチン、ロスバスタチン等)、フィブレート(クロフィブレート等)、スクワレン合成阻害薬)、異常行動治療薬又は認知症による放浪癖の抑制薬(鎮静薬、抗不安薬等)、アポトーシス阻害薬、抗肥満薬、糖尿病治療薬、高血圧治療薬、低血圧治療薬、リューマチ治療薬(DMARD)、抗癌剤、副甲状腺機能低下症治療薬(PTH)、カルシウム受容体拮抗薬、性ホルモン又はその誘導体(プロゲステロン、エストラジオール、安息香酸エストラジオール等)、神経分化促進薬、神経再生促進薬、非ステロイド系抗炎症薬(メロキシカム、テノキシカム、インドメタシン、イブプロフェン、セレコキシブ、ロフェコキシブ、アスピリン等)、ステロイド(デキサメタゾン、酢酸コルチゾン等)、抗サイトカイン薬(TNF阻害薬、MAPカイネース阻害薬等)、抗体医薬、核酸又は核酸誘導体、アプタマー薬など。
【0219】
化合物(I)と併用薬物とを組み合わせることにより、
(1)化合物(I)又は併用薬物を単独で投与する場合に比べて、その投与量を軽減することができる、
(2)患者の症状(軽症、重症など)に応じて、化合物(I)と併用する薬物を選択することができる、
(3)化合物(I)と作用機序が異なる併用薬物を選択することにより、治療期間を長く設定することができる、
(4)化合物(I)と作用機序が異なる併用薬物を選択することにより、治療効果の持続を図ることができる、
(5)化合物(I)と併用薬物とを併用することにより、相乗効果が得られる、等の優れた効果を得ることができる。
【0220】
以下、化合物(I)と併用薬物を併用して使用することを「本発明の併用剤」と称する。
【0221】
本発明の併用剤の使用に際しては、化合物(I)と併用薬物の投与時期は限定されず、化合物(I)又はその医薬組成物と併用薬物又はその医薬組成物とを、投与対象に対し、同時に投与してもよいし、時間差をおいて投与してもよい。併用薬物の投与量は、臨床上用いられている投与量に準ずればよく、投与対象、投与ルート、疾患、組み合わせ等により適宜選択することができる。
【0222】
本発明の併用剤の投与形態は、特に限定されず、投与時に、化合物(I)と併用薬物とが組み合わされていればよい。このような投与形態としては、例えば、(1)化合物(I)と併用薬物とを同時に製剤化して得られる単一の製剤の投与、(2)化合物(I)と併用薬物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の同一投与経路での同時投与、(3)化合物(I)と併用薬物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の同一投与経路での時間差をおいての投与、(4)化合物(I)と併用薬物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の異なる投与経路での同時投与、(5)化合物(I)と併用薬物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の異なる投与経路での時間差をおいての投与(例えば、化合物(I);併用薬物の順序での投与、あるいは逆の順序での投与)などが挙げられる。
【0223】
本発明の併用剤は、毒性が低く、例えば、化合物(I)又は(及び)上記併用薬物を公知の方法に従って、薬理学的に許容される担体と混合して医薬組成物、例えば錠剤(糖衣錠、フィルムコーティング錠を含む)、散剤、顆粒剤、カプセル剤(ソフトカプセルを含む)、液剤、注射剤、坐剤、徐放剤等として、経口的又は非経口的(例、局所、直腸、静脈投与等)に安全に投与することができる。注射剤は、静脈内、筋肉内、皮下又は臓器内投与あるいは直接病巣に投与することができる。
【0224】
本発明の併用剤の製造に用いられてもよい薬理学的に許容される担体としては、製剤素材として慣用の各種有機あるいは無機担体物質が挙げられる。例えば、固形製剤では、賦形剤、滑沢剤、結合剤及び崩壊剤を用いることができる。液状製剤では、溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤及び無痛化剤等を用いることができる。更に必要に応じ、通常の防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤、吸着剤、湿潤剤等の添加物を適宜、適量用いることもできる。
【0225】
賦形剤としては、例えば、乳糖、白糖、D−マンニトール、デンプン、コーンスターチ、結晶セルロース、軽質無水ケイ酸等が挙げられる。
【0226】
滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、コロイドシリカ等が挙げられる。
【0227】
結合剤としては、例えば、結晶セルロース、白糖、D−マンニトール、デキストリン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、デンプン、ショ糖、ゼラチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム等が挙げられる。
【0228】
崩壊剤としては、例えば、デンプン、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、L−ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられる。
【0229】
溶剤としては、例えば、注射用水、アルコール、プロピレングリコール、マクロゴール、ゴマ油、トウモロコシ油、オリーブ油等が挙げられる。
【0230】
溶解補助剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、D−マンニトール、安息香酸ベンジル、エタノール、トリスアミノメタン、コレステロール、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム等が挙げられる。
【0231】
懸濁化剤としては、例えば、ステアリルトリエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸、レシチン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、モノステアリン酸グリセリン等の界面活性剤;例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等の親水性高分子等が挙げられる。
【0232】
等張化剤としては、例えば、ブドウ糖、D−ソルビトール、塩化ナトリウム、グリセリン、D−マンニトール等が挙げられる。
【0233】
緩衝剤としては、例えば、リン酸塩、酢酸塩、炭酸塩、クエン酸塩等の緩衝液等が挙げられる。
【0234】
無痛化剤としては、例えば、ベンジルアルコール等が挙げられる。
【0235】
防腐剤としては、例えば、パラオキシ安息香酸エステル類、クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール、デヒドロ酢酸、ソルビン酸等が挙げられる。
【0236】
抗酸化剤としては、例えば、亜硫酸塩、アスコルビン酸、α−トコフェロール等が挙げられる。
【0237】
本発明の併用剤における化合物(I)と併用薬物との配合比は、投与対象、投与ルート、疾患等により適宜選択することができる。
【0238】
例えば、本発明の併用剤における化合物(I)の含有量は、製剤の形態によって相違するが、通常製剤全体に対して約0.01〜100重量%、好ましくは約0.1〜50重量%、さらに好ましくは約0.5〜20重量%程度である。
【0239】
本発明の併用剤における併用薬物の含有量は、製剤の形態によって相違するが、通常製剤全体に対して約0.01〜100重量%、好ましくは約0.1〜50重量%、さらに好ましくは約0.5〜20重量%程度である。
【0240】
本発明の併用剤における担体等の添加剤の含有量は、製剤の形態によって相違するが、通常製剤全体に対して約1〜99.99重量%、好ましくは約10〜90重量%程度である。
【0241】
また、化合物(I)及び併用薬物をそれぞれ別々に製剤化する場合も同様の含有量でよい。