特許第6861034号(P6861034)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6861034
(24)【登録日】2021年3月31日
(45)【発行日】2021年4月21日
(54)【発明の名称】容器のキャップ
(51)【国際特許分類】
   B65D 41/04 20060101AFI20210412BHJP
   B65D 47/12 20060101ALN20210412BHJP
   B65D 55/08 20060101ALN20210412BHJP
【FI】
   B65D41/04
   !B65D47/12 200
   !B65D55/08 110
【請求項の数】11
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-1356(P2017-1356)
(22)【出願日】2017年1月6日
(65)【公開番号】特開2018-111501(P2018-111501A)
(43)【公開日】2018年7月19日
【審査請求日】2019年12月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】000116297
【氏名又は名称】ヱスビー食品株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000234627
【氏名又は名称】シロウマサイエンス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077872
【弁理士】
【氏名又は名称】平山 洲光
(72)【発明者】
【氏名】渡部 泰生
(72)【発明者】
【氏名】小山田 貴子
(72)【発明者】
【氏名】小川 亮
(72)【発明者】
【氏名】坂井 拓郎
【審査官】 家城 雅美
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第05181632(US,A)
【文献】 特開2015−224054(JP,A)
【文献】 米国特許第04538740(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D39/00−55/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器の胴部に対して口細状の吐出口部を容器上部の絞り面部に有するシュリンクフィルム被覆用の容器のキャップにおいて、前記吐出口部に装着するキャップ体の外側壁部に、容器包装用のシュリンクフィルムを被覆したときに該シュリンクフィルムの上端縁部を纏わせて張り付かせるフック突起部を設けると共に、前記フック突起部に前記絞り面部に当接する先端部を設けてなる容器のキャップ。
【請求項2】
フック突起部の数が1個又は2個以上からなる特許請求の範囲の請求項1に記載の容器のキャップ。
【請求項3】
キャップ体の底部の外周部にフランジ部を設け、当該フランジ部の外周に、前記フック突起部を設けてなる特許請求の範囲の請求項1又は2に記載の容器のキャップ。
【請求項4】
前記フランジ部の外周に、前記フック突起部を放射状に設けてなる特許請求の範囲の請求項1、2又は3に記載の容器のキャップ。
【請求項5】
容器の胴部に対して口細状の吐出口部を容器上部の絞り面部の中央に設けたシュリンクフィルム被覆用の容器のキャップにおいて、吐出口部に装着するキャップ体のフック突起部に、外周辺部が前記絞り面部に当接するスカート部を設けてなる請求項1乃至4のいずれかに記載の容器のキャップ。
【請求項6】
スカート部の外周辺部が下方に湾曲又は屈曲した湾曲周辺部を有する特許請求の範囲の請求項5に記載の容器のキャップ。
【請求項7】
スカート部の外周辺部が円弧状、多角形状、プロペラ形状、花弁形状又は星形状のいずれか一つ又いずれかの組合せからなる特許請求の範囲の請求項5又は6に記載の容器のキャップ。
【請求項8】
フック突起部がスカート部の上面にキャップ体の底部側面から一体にリブ状に突設して設けてある特許請求の範囲の請求項5、6又は7に記載に記載の容器のキャップ。
【請求項9】
キャップ体の底部の外周部にフランジ部を設け、当該フランジ部の外周に、前記スカート部を設けてなる特許請求の範囲の請求項5乃至のいずれかに記載の容器のキャップ。
【請求項10】
容器上部の絞り面部が、広口の容器の口部に別体に成形して装着した口細状の吐出口部を有する中間キャップの肩面に設けてある特許請求の範囲の請求項1乃至10のいずれかに記載の容器のキャップ。
【請求項11】
キャップ体が先細状に底部に対して頂部の外径が小さい形状からなる特許請求の範囲の請求項1乃至10のいずれかに記載の容器のキャップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シュリンクフィルムで包装するに適した容器のキャップに関する。
【背景技術】
【0002】
容器の胴部の外形寸法と口部の外形寸法とが大きく異なる容器において、容器の底部からキャップの頂部までを全体的にシュリンクフィルムで包装したものは特許文献1に記載のように知られている。この場合、大径の容器胴部を大径のボディシュリンクフィルムで覆い、小径の口部から首部までをかぶせるキャップにおいて小径のキャップシュリンクフィルムで覆っており、開封前にキャップを意図せず回されることでバージン性や密封性が維持されなくなることを防止しつつ、開封時に開封用のミシン目部が引き裂き途中で千切れてしまうことを防止するために1ピースでなく2ピースのシュリンクフィルムによる包装手段が必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−237741号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、容器の大径胴部に対して口細状の小径吐出口部を容器上部の中央に設けた容器とキャップに一体に1ピースのシュリンクフィルムを被覆してキャップを強固に固定してシュリンクフィルムのキャップ保持能力を充分に発揮させ、開封前にキャップを意図せず回りにくくさせバージン性や密封性を維持しつつ、開封時に開封用のミシン目部を引き裂き途中で千切れにくくさせることができると共に、開封作業を容易にすることができるキャップを提供しようとするものである。
【0005】
この場合、前述のように、特許文献1の大径の容器胴部を大径のボディシュリンクフィルムで覆い、小径の口部から首部までを小径のキャップシュリンクフィルムで覆う構成では、開封前に意図せずキャップが回されにくくバージン性や密封性の維持は容易になり、収縮率の影響で開封時にミシン目部が千切れることを防止できるが、2ピースのシュリンクフィルムによる包装手段が必要になる課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで本発明は、特許請求の範囲の請求項1に記載のように、容器の胴部に対して口細状の吐出口部を有するシュリンクフィルム被覆用の容器のキャップにおいて、前記吐出口部に装着するキャップ体の外側壁部に、容器包装用のシュリンクフィルムを被覆したときに該シュリンクフィルムの上端縁部を被って張り付かせるフック突起部を設けてなる容器のキャップを提供するものである。
なお、本発明に係るフック突起は、キャップ体の側壁部から外方に突出してシュリンク包装したときにシュリンクフィルムの上端縁部を引っ掛けると共に、フィルムの熱収縮時にフィルムに食い込むように張り付いて、キャップ体を吐出口部に固定する機能を有するから、その形状は必ずしも鈎状である必要は無く、円弧状、爪状、角形状又はそれらの組み合わせた形状の構成も含まれるものである。
【0007】
また、本発明は、特許請求の範囲の請求項2に記載のように、フック突起部の数が1個又は2個以上からなる特許請求の範囲の請求項1に記載の容器のキャップを提供するものである。
【0008】
また、本発明は、特許請求の範囲の請求項3に記載のように、容器の胴部に対して口細状の吐出口部を容器上部の絞り面部の中央に設けたシュリンクフィルム被覆用の容器のキャップにおいて、前記吐出口部に装着するキャップ体の底部外側壁部に、先端部が前記絞り面部に当接するフック突起部を設けてなる特許請求の範囲の請求項1又は2に記載の容器のキャップを提供するものである。
【0009】
また、本発明は、特許請求の範囲の請求項4に記載のように、キャップ体の底部の外周部にフランジ部を設け、当該フランジ部の外周に、前記フック突起部を設けてなる特許請求の範囲の請求項1、2又は3に記載の容器のキャップを提供するものである。
【0010】
また、本発明は、特許請求の範囲の請求項5に記載のように、容器の胴部に対して口細状の吐出口部を容器上部の絞り面部の中央に設けたシュリンクフィルム被覆用の容器のキャップにおいて、吐出口部に装着するキャップ体に、フック突起部の下側において外周辺部が前記絞り面部に当接するスカート部を設けてなる請求項1乃至4のいずれかに記載の容器のキャップを提供するものである。
【0011】
また、本発明は、特許請求の範囲の請求項6に記載のように、スカート部の外周辺部が下方に湾曲した湾曲周辺部を有する特許請求の範囲の請求項5に記載の容器のキャップを提供するものである。
【0012】
また、本発明は、特許請求の範囲の請求項7に記載のように、スカート部の外周辺部が円弧状、多角形状、プロペラ形状、花弁形状又は星形状のいずれか一つ又いずれかの組合せからなる特許請求の範囲の請求項5又は6に記載の容器のキャップを提供するものである。
【0013】
また、本発明は、特許請求の範囲の請求項8に記載のように、スカート部の上面部に、フック突起部を設けてなる特許請求の範囲の請求項5、6又は7に記載の容器のキャップを提供するものである。
【0014】
また、本発明は、特許請求の範囲の請求項9に記載のように、フック突起部が、フック突起部がスカート部にキャップ体の底部側面から一体にリブ状に突設して設けてある特許請求の範囲の請求項5乃至8のいずれかに記載の容器のキャップを提供するものである。
【0015】
また、本発明は、特許請求の範囲の請求項10に記載のように、キャップ体の底部の外周部にフランジ部を設け、当該フランジ部の外周に、前記スカート部を設けてなる特許請求の範囲の請求項5乃至9のいずれかに記載の容器のキャップを提供するものである。
【0016】
また、本発明は、特許請求の範囲の請求項11に記載のように、容器上部の絞り面部が、広口の容器の口部に別体に成形して装着した口細状の吐出口部を有する中間キャップの肩面に設けてある特許請求の範囲の請求項1乃至10のいずれかに記載の容器のキャップを提供するものである。
【0017】
また、本発明は、特許請求の範囲の請求項12に記載のように、キャップ本体が先細状に底部に対して頂部の外径が小さい形状からなる特許請求の範囲の請求項1乃至11のいずれかに記載の容器のキャップを提供するものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る容器のキャップは、特許請求の範囲の請求項1に記載のように、容器の胴部に対して口細状の吐出口部を有するシュリンクフィルム被覆用の容器のキャップにおいて、前記吐出口部に装着するキャップ体の外側壁部に、容器包装用のシュリンクフィルムを被覆したときに該シュリンクフィルムの上端縁部を被って張り付かせるフック突起部を設けてなる構成を有することにより、包装時に容器胴部を覆って熱収縮する、シュリンクフィルムの上端縁部によってフック突起部を引っ掛けて被覆し、容器胴部方向に引っ張って張り付けることによって、キャップは強固に安定して固定されることとなるから、キャップ体の外側壁部を容器と一体に、シュリンクフィルムの上端縁部で包装するだけで、搬送時などにキャップに不用意に転倒力や回転力が加わるとしても簡単に回転などはしないうえ、搬送用の箱に挿入、店頭での陳列や購入のときにキャップ体を持ってもキャップ体が回らないので、キャップ体の回転によるキャップ体の持ちあがりによって生じる密封性の低下や開封用のミシン目切れを生じにくくさせるため、内容物が漏洩する怖れはなく、バージン性機能も損なわれる怖れが無い効果がある。
また、キャップ体の外側壁部に設けたフック突起部はシュリンクフィルムの上端縁部を被って張り付かせるから、キャップ体の外側壁部から浮き上がったフィルム上端縁部にはぎ取り用の摘み片を設けることが容易になり、且つ剥ぎ取り操作も簡単で確実になる効果がある。
更に、フック突起はキャップ体を取り外したときの転がり防止になると共に、キャップ体の装著時にフック突起部が容器上部に部分的に集中して当接する場合には、より強固な固定機能が得られる効果がある。
【0019】
また、本発明に係る容器のキャップは、特許請求の範囲の請求項2に記載のように、フック突起部の数が1個又は2個以上からなる構成を有することにより、フック突起部の形状又はキャップ体の形状と用途に合わせてフック突起部の数と配置を設定することができる効果がある。
フック突起部の数が1個の場合には、フック突起部全体を確実にシュリンクフィルムで被覆することができ、強固に固定することができる効果があり、2個以上の複数のフック突起部の場合には、複数のフック突起部にシュリンクフィルムで固定される力を分散することができ、予期せぬ力がキャップに加わった場合にフック突起部に局所的に力がかかりシュリンクが破れてしまうことを防止する効果を発揮する。
【0020】
また、本発明に係る容器のキャップは、特許諾求の範囲の請求項3に記載のように、容器の胴部に対して口細状の吐出口部を容器上部の絞り面部の中央に設けたシュリンクフィルム被覆用の容器のキャップにおいて、前記吐出口部に装着するキャップ体の底部外側壁部に、先端部が前記絞り面部に当接するフック突起部を設けてなる構成を有することにより、キャップの装着時にフック突起部が容器上部の絞り面部にバネ的に当接する摩擦抵抗によって固定されると共に、包装時にシュリンクフィルムによって更に前記絞り面部に押着固定されることによって、キャップは強固に安定して固定されることとなる効果がある。
【0021】
また、本発明に係る容器のキャップは、特許請求の範囲の請求項4に記載のように、キャップ体の底部の外周部にフランジ部を設け、当該フランジ部の外周に、前記フック突起部を設けてなる構成を有することにより、フランジ部によってフック突起部をキャップ体の底部に強国に接合することができると共に、フック突起部をフランジ部までシュリンクフィルムで覆うことによってフック突起部による、シュリンクフィルム内周部分の浮いた隙間部分を塞いで保護する効果がある。
【0022】
また、本発明に係る容器のキャップは、特許請求の範囲の請求項5に記載のように、容器の胴部に対して口細状の吐出口部を容器上部の絞り面部の中央に設けた、シュリンクフィルム被覆用の容器のキャップにおいて、吐出口部に装着するキャップ体の底部に、フック突起部の下において外周辺部が前記絞り面部に当接するスカート部を設けてなる構成を有することにより、キャップの装着時にスカート部が容器上部の絞り面部に皿バネ的に当接する摩擦抵抗によって固定されると共に、包装時にシュリンクフィルムによって更に前記絞り面部に押着固定されることによって、キャップは強固に安定して固定され回らなくなることとなるから、スカート部を容器と一体にシュリンクフィルムの上端縁部で包装するだけで搬送時などにキャップに不用意に転倒力や回転力が加わるとしても簡単に回転などはしないため、内容物が漏洩する怖れはなく、バージン性機能も損なわれる怖れは無い。
【0023】
また、本発明に係る容器のキャップは、特許請求の範囲の請求項6に記載のように、スカート部の外周辺部が下方に湾曲又は屈曲した湾曲周辺部を有することにより、スカート部の外周辺部が浮き上がった状態で湾曲周辺部が容器上部の絞り面部に集中して弾力的に当接する摩擦抵抗によって強固に固定されると共に、包装時にシュリンクフィルムによって更に前記絞り面部に押圧固定され、キャップはより強固に安定して固定される効果がある。
なお、スカート部の外周辺部が下方に湾曲又は屈曲した湾曲周辺部を有する構成は、平板的なスカート部の外周辺部が急に下方に湾曲又は屈曲した湾曲周辺部の他に、平板的なスカート部の外周辺部が途中から徐々に湾曲又は屈曲した湾曲周辺部、又は、スカート部の基部付近から湾曲又は屈曲した結果として外周辺部が下方に湾曲又は屈曲した湾曲周辺部も含まれる。
【0024】
また、本発明に係る容器のキャップは、特許請求の範園の請求項7に記載のように、スカート部の外周辺部が円弧状、多角形状、プロペラ形状、花弁形状又は星形状のいずれか一つ又はいずれかの組合せからなる構成を有することにより、スカート部によってキャップに様々な造形美を付与することができるのみならず、スカート部は取り外したときの転がり防止になると共に、円形以外の外周辺部はキャップの装着時にスカート部が容器上部の絞り面部に部分的に集中して当接することにより、より強固な固定機能が得られる効果がある。
【0025】
また、本発明に係る容器のキャップは、特許請求の範囲の請求項8に記載のように、スカート部の上面部に、フック突起部を設けてなる構成を有することにより、スカート部の上面部に容器包装用の、シュリンクフィルムが被覆するときに、該フィルム面から突出して食い込むフック突起部が、スカート部の上面部側においてシュリンクフィルムを引っ張るように張り付けることによりにキャップが更に強固に固定される効果がある。
また、フック突起部を設けたスカート部までをシュリンクフィルムで被覆すればよいので、シュリンクサイズを必要以上に大きくする必要がなく、そのためシュリンクフィルムの収縮率もより小さな範囲で納めることができるので、開封時に開封用のミシン目部が引き裂き途中で千切れてしまうことも防止する。
【0026】
また、本発明に係る容器のキャップは、特許語求の範囲の請求項9に記載のように、フック突起部がスカート部の上面にキャップ体の底部側面から一体にリブ状に突設して設けてある構成を有することにより、スカート部の上面部側においてシュリンクフィルムにフック突起部が引っ掛けて被覆することによってキャップ体が更に強固に固定される効果がある。
【0027】
また、本発明に係る容器のキャップは、特許諾求の範囲の請求項10に記載のように、キャップ体の底部の外周部にフランジ部を設け、当該フランジ部の外周に、前記スカート部を設けてなる構成を有することにより、フランジ部によってスカート部の内周部をキャップ体の底部に強固に接合することができると共に、フランジ部までシュリンクフィルムで覆うことによってフック突起部によるシュリンクフィルムの浮いた内周部分を塞いで保護する効果がある。
【0028】
また、本発明に係る容器のキャップは、特許請求の範囲の請求項11に記載のように、容器上部の絞り面部が、広口の容器の口部に別体に成形して装着した口細状の吐出口部を存する中間キャップの肩面に設けてある構成を有することにより、容器に内容物を容易に充填して中間キャップ及びキャップ体を装着してシュリンクフィルム包装をすることができる効果がある。
また、使用後に容器内部を洗浄しやすくなったり、分別廃棄し易くなるなどの効果も発揮する。
【0029】
また、本発明に係る容器のキャップは、特許請求の範囲の請求項12に記載のように、キャップ体が先細状に底部に対して頂部の外径が小さい形状からなる構成を存することにより、フック突起部又はスカート部によって先細のキャップ体に強固な固定機能を付与することができると共に、取り外したキャップ体が頂部を中心に一個所で回転するから載置した場所から転がり回らない効果がある。
また、キャップ体の先端が細いと、キャップ全体を1ピースのシュリンクフィルムで被覆することがより難しくなるため、前記各種効果を発揮しやすくなる。
【0030】
また、本発明に係る容器のキャップは、キャップ体の外周壁部に把持用の平面部または凹部を設けてなる構成を有することにより、キャップを把持用の平面部または凹部を持って容易に回転操作することができる効果がある。
また、本発明に係る容器のキャップは、把持用の平面部または凹部をフック突起部の設けてない側面に設けてなる構成を有することにより、平面部または凹部を把持したときに指先がフック突起部に当たって操作を邪魔しないようにすると共に、フック突起部の側面を平面部または凹部と供用して操作することができる効果がある。
また、本発明に係る容器のキャップは、把持用の平面部または凹部の周囲にローレット状の滑り止め部を設けてなる構成を有することにより、回転操作をより容易にする効果がある。
【0031】
フック突起部は、キャップ体からの高さはより高く、先端の形状はより鋭利である方が、確実にシュリンクフィルムで被覆することができ、強固に固定することができる効果があるが、予期せぬ力がキャップに加わった場合にフック突起部に局所的に力がかかりシュリンクが破れてしまうことも考えられ、丸みを帯びた形状に構成することが好ましく、突起の数と同様に、適宜設計するとよい。
突起の数は、少なければ確実にシュリンクフィルムで被覆することができ、強固に固定することができる効果があるが、予期せぬ力がキャップに加わった場合にフック突起部に局所的に力がかかりシュリンクが破れてしまうことも考えられる。逆に多ければ、複数のフック突起部にシュリンクフィルムで固定される力を分散することができ、破れは防止できるが、フック突起部同士の間でシュリンクフィルムがキャップ体やスカート部から浮いてしまい、固定する効果が薄れる場合もあり、適宜設計するとよい。
【0032】
また、本発明に係る容器のキャップは、上記いずれかの容器のキャップの効果を備えた容器を提供する効果がある。
また、本発明に係る容器のキャップは、上記のいずれかに記載の容器のキャップ又は容器において、シュリンクフィルムが文字、図形又は色彩を印刷したシュリンクラベルからなる容器のキャップ又は容器を提供する効果がある。
また、シュリンクフィルムの上端縁部がフック突起部に被っていればよいので、キャップ天面や上部外側壁部まで広く被覆する必要がなく、シュリンクサイズを必要以上に大きくする必要がなく、そのためシュリンクフィルムの収縮率も一定範囲で納めることができるので、開封時に開封用のミシン目部が引き裂き途中で千切れてしまうことも防止する。
また、本発明に係わる容器のキャップのフック突起部は容器の絞り面部の外径を突出させないことで、流通におけるシュリンクフィルムの切れ防止の効果がある。
また、本発明に係わる容器のキャップのスカート部は容器の絞り面部の外形を突出させないことで、シュリンクフィルムの熱収縮を行いやすくなる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】本発明の実施例の正面図。
図2】その実施例の平面図。
図3図2のA-A線縦断面図。
図4図2のB-B線縦断面図。
図5】本発明の他の実施例の正面図。
図6】その実施例の平面図。
図7図6のA-A線縦断面図。
図8図6のB-B線縦断面図。
図9】本発明の実施例の使用態様を示す斜視図。
図10】その他の使用態様を示す説明図。
図11】本発明の実施例の使用態様を示す縦断面図。
図12】本発明の一要部の概略拡大説明図。
図13】本発明の実施例のー使用態様を示す分解斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下図示する実施例に基づいて本発明を説明する。
【実施例1】
【0035】
図1乃至図4に記載の実施例において、本発明に係る容器のキャップ10は、図10に記載のように、胴部に対して口細状の吐出口部21を容器上部の絞り面部22の中央に設けたシュリンクフィルム被覆用の容器20のキャップ10である。前記吐出口部21に装着するキャップ体10の外側壁部は、容器包装用のシュリンクフィルムを被覆したときに該シュリンクフィルムの上端縁部を被って張り付かせるフック突起部14を設けてなる構成を有する。包装時に容器胴部を覆って熱収縮するシュリンクフィルムの上端縁部によってフック突起部14を引っ掛けて被覆し、容器胴部方向に引っ張って張り付けることによって、キャップは強固に安定して固定されることとなる。従って、キャップ体10の外側壁部を容器と一体にシュリンクフィルムの上端縁部で包装するだけで、搬送時などにキャップに不用意に転倒力や回転力が加わるとしても簡単に回転などはしないため、内容物が漏洩する怖れはなく、バージン性機能も損なわれる怖れが無い。
【0036】
また、フック突起14はキャップ体10を取り外したときの転がり防止になると共に、キャップ体10の装着時にフック突起部14が容器上部に集中して当接する場合には、より強固な固定機能が得られる効果がある。
フック突起部14の数は、図では円周状に等間隔で4個設けてあるが、1個又は2個以上からなる構成にすることができる。フック突起部14の形状又はキャップ体10の形状と用途に合わせて、フック突起部14の数と配置は設定することができる。
【0037】
図に記載の容器のキャップ10は、前記吐出口部21に装着するキャップ体10の底部外側壁部に、先端部14 aが前記絞り面部22に当接するフック突起部14を設けでなる構成をし、これによって、キャップ10の装着時にフック突起部14が容器上部の絞り面部22にバネ的に当接する摩擦抵抗によって固定されると共に、包装時にシュリンクフィルムによって前記絞り面部22に押着固定されることによって、強固に安定して固定されることとなる。
【0038】
また、実施例1の容器のキャップ10は、キャップ体の底部11の外周部にフランジ部15を設け、当該フランジ部15の外周に、前記フック突起部14を設けてなる構成を有する。このことにより、フランジ部15によってフック突起部14をキャップ体10の底部11に強固に接合することができると共に、フック突起部14をフランジ部1 5の上方まで、シュリンクフィルムで覆うことによってフック突起部1 4によるシュリンクフィルム内周部分の浮いた隙間部分を塞いで、保護することができる。
【0039】
なお、図では省略したが、本発明に係るフック突起14はキャップ体10の底部11より上方の頂部18との中間位置の高さに突設して設けることができ、この場合、フック突起部14の先端部14 aはシュリンクフィルムを突き破らないように丸みを帯びた形状に構成することが好ましい。また、フック突起部14のシュリンクフィルムに包まれる部分は、同様に、シュリンクフィルムを突き破らないように丸みを帯びた形状に構成することが好ましい。
【実施例2】
【0040】
図5乃至図8に記載の実施例2において、本発明に係る容器のキャップ10は、図9及び図10に記載のように、胴部に対して口細状の吐出口部21を容器上部の絞り面部22の中央に設けたシュリンクフィルム被覆用の容器20のキャップ10である。前記吐出口部21に装着するキャップ体10の底部11には、外周辺部12が前記絞り面部22に当接するスカート部13を設けてある。このことにより、キャップ10の装着時にスカート部13の外周辺部12が容器20の上部の絞り面部22に皿バネ的に当接し、その摩擦弾力抵抗によって固定されると共に、包装時にシュリンクフィルムによってスカート部13が上面から更に前記絞り面部22に押着固定されることによって、キャップ10は強固に安定して固定されることとなる。
【0041】
また、本発明に係る容器のキャップ10は、スカート部13の外周辺部12が下方に湾曲した湾曲周辺部12 aを有する構成を有することにより、スカート部13の外周辺部12が浮き上がった状態で湾出周辺部12 aが容器上部の絞り面部22に集中して弾力的に当接するから、その摩擦弾力抵抗によって強固に固定されると共に、包装時にシュリンクフィルムによって更に前記絞り面部22に押圧固定され、キャップ10はより強固に弾性的に安定して固定されることとなる。
【0042】
また、本発明に係る容器のキャップ10は、スカート部13の外周辺部12が、図では、ほぼ円弧状に構成してあるが、他に、例えば、多角形状、プロペラ形状、花弁形状又は星形状等の直線又は曲線のいずれか一つ又いずれかの組合せからなる外周形状に構成することができるから、スカート部13によってキャップ10に様々な造形美を付与することができるのみならず、スカート部13は取り外したときの転がり防止になると共に、円形以外の外周辺部はキャップ10の装着時にスカート部13が容器上部の絞り面部22に部分的に集中して当接することにより、より強固な固定機能が得られることとなる。また、他の実施例では、スカート部13の中間辺部に中抜の図形を施したり、装飾用の模様、図柄等を描くことができる。
【0043】
また、本発明に係る容器のキャップ10は、スカート部13の上面部に、容器包装用のシュリンクフィルムが被覆するときに該フィルム面から突出して食い込むフック突起部14を突設してなる構成を有する。このことにより、スカート部13の上面部側においてシュリンクフィルムにフック突起部14が食い込むことによってキャップ10が更に強固に固定されることとなる。
シュリンクフィルム30は、図11に記載の断面図に点線で表示してあるように、容器20の胴部を覆っており、その上端縁部31がスカート部13のフック突起部14を覆い、図12に記載のように、スカート部13の表面に圧着するシュリンクフィルムの上端縁部31にフック突起部14が突出して固定されるように構成してある。図8はスカート部1 3を平面的に展開して示し、突起部の先端部14 aはスカート部13の周辺部12まで達している。
【0044】
また、本発明に係る容器のキャップ10は、フック突起部14が、スカート部13の基部のキャップ体10の底部11側面から、スカート部13の先端辺部12方向に一体にリブ状に突設して設けてある。
前記リブ状をなすフック突起部14は、スカート部13の固定力を補強し、且つ、スカート部13の肉厚をより薄くすることができる。
また、図に記載のように、キャップ体10の底部11の外周部にはフランジ部15を設けてあり、フランジ部15の外周に、前記スカート部13を設けることにより、フランジ部15によってスカート部13の内周部をキャップ体10の底部11に強固に接合することができると共に、フランジ部15まで、シュリンクフィルム30の上端縁部31で覆うことによって、フック突起部14によるシュリンクフィルムの上端縁部31の浮いた内周部分を塞いで、保持することができる。
【0045】
また、本発明に係る祭器のキャップ10のフック突起部14の数は、図では平面図で90度の角度間隔で設けてあるが、その数は1個又は2個以上から構成することができ、キャップスカート部13の形状又は用途に合わせてその数と配置を設定することができる。
また、本発明に係る容器のキャップ10のフック突起部14のキャップスカート部13に接する部分のキャップ10の回転方向の長さの全フック突起部の合計が、フック突起部14がスカート部13とともに1回転するときの円周長さの3分の1の長さ以下であるように設定する範囲で、フック突起部14の数を設定することが好ましい。
【0046】
また、本発明に係る容器のキャップ10は、図13に記載のように、容器上部の絞り面部22を、広口の容器20の開口部23に、別体に成形して装着した口細状の吐出口部21を有する中間キャップ24の肩面部25に設けることができる。このことにより、容器20に広口の開口部23から内容物を容易に充填して中間キャップ24及びキャップ体10を装着してシュリンクフィルム30で包装をすることができる。
なお、中間キャップ24の無い一体型の容器20の場合は、チューブ容器のように容器20の底部を解放した状態で内容物を充填して、底部を熱溶着手段などで閉鎖することとなる。
【0047】
また、本発明に係る容器のキャップ10は、キャップ体10の外周壁部に把持用の凹部16を設けてあり、このことにより、キャップ10を把持用の凹部16を持って容易に回転操作することができるように構成してある。
また、把持用の凹部16をフック突起部14の設けてない側面に把持用の凹部16を設けることにより、凹部16を把持したときに指先がフック突起部14に当たって操作を邪魔しないようにすると共に、フック突起部14の側面14 bを凹部16と供用して容易に回転操作することができるように構成しである。
また、本発明に係る容器のキャップは、把持用の凹部16の周囲にローレット状の滑り止め部17を設けてなる構成を有することにより、回転操作をより容易にする効果がある。この場合、把持用の凹部16に位置するローレット状の滑り止め部17 aは把持を容易にするために小さめに設けてある。
なお、ローレット状の滑り止め部17は、シュリンクフィルムが熱収縮したとしてもローレット状の凹部までシュリンクフィルムが到達していない。
【0048】
また、本発明に係る容器のキャップは、キャップ体10が先細状に底部11に対して頂部18の外径が小さい形状からなる構成を有することにより、それだけキャップ回転操作力が必要になるから、スカート部13によってキャップに強固な固定機能を付与することができると共に、取り外したキャップが頂部18を中心に一個所で回転するから載置した場所から転がり落ちない効果がある。
【0049】
また、本発明に係る容器のキャップを装着した容器は、キャップ10がスカート部13により固定されているから、シュリンクフィルム3 0を容易に確実に被覆することができるのみならず、装着後にはシュリンクフィルム30でフック突起部14又はスカート部13を圧着固定することができるから、キャップ10が不用意に回転することが無くなり、前記のような容器のキャップの効果を備えた容器を提供することができる。また、本発明に係る容器のキャップは、前記のいずれかに記載の容器のキャップ又は容器において、シュリンクフィルムが文字、図形又は色彩を印刷したシュリンクラベルからなる容器のキャップ又は容器を提供することができる。
また、本発明に係る容器のキャップを装着した容器のシュリンクフィルム30を取り外すための摘みは、開示していないが上端片部31にあるため、頂部18に設けるより摘みが大きく、容易にシュリンクフィルム30を取り外すことができる。
【0050】
その他、図示の実施例において、19はキャップ体10の頂部内側に突設した内栓部で、吐出口部21の先端吐出口26に嵌合するように構成してある。1はキャップ体10の装着用の内ねじ部で、容器20の吐出口部21の基部に設けた外ねじ部2に螺合して、スカート部1 3と絞り面部22が当接するように構成してある。また、3は容器20の広口の開口部23の外周に設けた外ねじ部で、中間キャップ24の内周に設けた内ねじ部4に螺合するように構成してある。なお、吐出口部21とキャップ体10、又は、容器20と中間キャップ24との装着構造は、ねじ構造であれば、回転と持ち上げが同時に生じるためより効果的であるが、本発明はねじ構造に限定されず、打栓式又は従来公知のクリックストップ機構、バネ片と凹部や突起との掛け外し機構など従来公知の構造であっても適用可能である。
【符号の説明】
【0051】
1 内ねじ部
2 外ねじ部
3 外ねじ部
4 内ねじ部
1 0 キャップ体
1 1 底部
1 2 外周辺部
1 3 スカート部
1 4 フック突起部
1 5 フランジ部
1 6 凹部
1 7 滑り止め部
1 8 頂部
1 9 内栓部
2 0 容器
2 1 吐出口部
2 2 絞り面部
2 3 開口部
2 4 中間キャップ
2 5 肩面部
2 6 先端吐出口
3 0 シュリンクフィルム
3 1 上端縁部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13