(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
下流の結像光学アセンブリ(10)の物体視野(8)が配置可能である照明視野をEUV光源(2)の照明光(3)で照明するための投影リソグラフィのための照明光学アセンブリ(11)であって、
前記照明光(3)がその上に入射し、かつ照明ビーム経路内の瞳(29;37)を予め定められた瞳強度分布を有する該照明光(3)で照明するために前記照明視野内で少なくとも部分的に重ね合わされる照明チャネルを案内するためのファセット(21,25)を有する瞳照明ユニット(6,7)を含み、
前記瞳照明ユニット(6,7)は、該瞳照明ユニット(6,7)の複数の照明チャネルが前記物体視野(8)全体の一部(36)だけを照明するように具現化され、
前記瞳照明ユニット(6,7)の前記ファセット(21,25)は、
前記瞳照明ユニット(6,7)の個々の照明チャネルが、前記照明中に前記物体視野(8)を通して物体(12)が変位可能である物体変位方向(y)に沿って該物体視野(8)を部分的にのみ照明し、
少なくとも一部の照明チャネルに対して、前記物体変位方向(y)に沿った前記物体視野(8)の照明された部分視野の広がり(yF2)が、該物体変位方向(y)に沿った該物体視野(8)の全体広がり(y0)よりも小さいことが真であり、
前記瞳(29;37)において、前記物体変位方向(y)に対応する瞳座標(σy)の絶対値(|σy|)に依存する照明強度プロファイルがもたらされ、
前記瞳座標(σy)の第1の絶対値の場合の第1の照明された瞳領域(29a)のゼロではない照明強度が、該瞳座標(σy)の第2の絶対値の場合の第2の照明された瞳領域(29b)のゼロではない照明強度から少なくとも20%だけ異なり、
物体変位方向(y)に対応する瞳座標(σy)の原点は、照明光学アセンブリの前記瞳(29;37)の中心によって定められる
ように配置され、
前記瞳照明ユニット(6,7)は、高い照明強度負荷によって入射される該瞳照明ユニット(6,7)のファセットによって生成される前記瞳(29;37)内の照明強度が、前記物体変位方向(y)に沿った前記物体視野(8)の前記照明された部分視野の広がり(yF2)が該物体変位方向(y)に沿った該物体視野(8)の前記全体広がり(y0)と前記照明チャネルの全てに対して等しい場合と比較して低減され、そのような低減された照明強度が、結果として、該瞳照明ユニットの該ファセット上で低減された熱負荷と低減された強度負荷とを生じるように具現化される、
ことを特徴とする照明光学アセンブリ(11)。
下流の結像光学アセンブリ(10)の物体視野(8)が配置可能である照明視野をEUV光源(2)の照明光(3)で照明するための投影リソグラフィのための照明光学アセンブリ(11)であって、
前記照明光(3)がその上に入射し、かつ照明ビーム経路内の瞳(29;37)を予め定められた瞳強度分布を有する該照明光(3)で照明するために前記照明視野内で少なくとも部分的に重ね合わされる照明チャネルを案内するためのファセット(21,25)を有する瞳照明ユニット(6,7)を含み、
前記瞳照明ユニット(6,7)は、該瞳照明ユニット(6,7)の複数の照明チャネルが前記物体視野(8)全体の一部(36)だけを照明するように具現化され、
望ましい照明角度分布内である方向からの照明を予め定めるために前記照明チャネルのうちの1つによって照明することができる前記物体視野の最大部分視野のサイズが、異なる前記照明チャネルに割り当てられた該最大部分視野の該サイズと比べる時に、10倍よりも大きく異なり、
前記瞳照明ユニット(6,7)は、高い照明強度負荷によって入射される該瞳照明ユニット(6,7)のファセットによって生成される前記瞳(29;37)内の照明強度が、前記瞳照明ユニット(6,7)の前記照明チャネルの全てが前記物体視野(8)全体を照明する場合と比較して低減され、そのような低減された照明強度が、結果として、該瞳照明ユニットの該ファセット上で低減された熱負荷と低減された強度負荷とを生じるように具現化される、
ことを特徴とする照明光学アセンブリ(11)。
下流の結像光学アセンブリ(10)の物体視野(8)が配置可能である照明視野をEUV光源(2)の照明光(3)で照明するための投影リソグラフィのための照明光学アセンブリ(11)であって、
前記照明光(3)がその上に入射し、かつ照明ビーム経路内の瞳(29;37)を予め定められた瞳強度分布を有する該照明光(3)で照明するために前記照明視野内で少なくとも部分的に重ね合わされる照明チャネルを案内するためのファセット(21,25)を有する瞳照明ユニット(6,7)を含み、
前記瞳照明ユニット(6,7)は、該瞳照明ユニット(6,7)の複数の照明チャネルが前記物体視野(8)全体の一部(36)だけを照明するように具現化され、
前記瞳照明ユニット(6,7)の前記ファセット(21,25)は、
前記瞳照明ユニット(6,7)の個々の照明チャネルが、前記照明中に前記物体視野(8)を通して物体(12)が変位可能である物体変位方向(y)に沿って該物体視野(8)を部分的にのみ照明し、
前記照明チャネルの全てに対して、前記物体変位方向(y)に沿った前記物体視野(8)の照明された部分視野の広がり(yF2)が、該物体変位方向(y)に沿った該物体視野(8)の全体広がり(y0)よりも小さいことが真であり、
前記照明チャネルのうちの複数のものに対して、前記物体変位方向(y)に沿った前記照明された部分視野の前記広がり(yF2)と前記物体視野(8)の前記全体広がり(y0)との間の個々の比(yF2/y0)が、該物体変位方向(y)に沿った該照明された部分視野の該広がりと該物体視野(8)の該全体広がりとの間の該照明チャネルの全てにわたって平均された平均比((yF2/y0)平均)から20%よりも小さく外れることが真である、
ように配置され、
前記照明された部分視野の前記小さい広がり(yF2)が、結果として、前記瞳照明ユニットの前記ファセット上の熱負荷の、前記物体変位方向(y)に沿った前記物体視野(8)の前記照明された部分視野の広がり(yF2)が、該物体変位方向(y)に沿った該物体視野(8)の前記全体広がり(y0)と前記照明チャネルの少なくともいくつかに対して等しい場合と比較しての低減をもたらす、
ことを特徴とする照明光学アセンブリ(11)。
前記仮想ファセット群(28)は、部分視野(35,36)を照明するように設計され、照明光学アセンブリ(11)を用いて照明される物体(12)の物体変位方向(y)の該部分視野(36)のうちの少なくとも一部の前記広がり(yF2)は、該物体変位方向(y)の該物体視野(8)全体の前記広がり(y0)よりも小さいことを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の照明光学アセンブリ。
前記物体視野(8)の異なる視野点に対して前記瞳(29;37)にわたる異なる瞳強度分布をもたらすような前記瞳照明ユニット(6,7)の配置及び設計を特徴とする請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の照明光学アセンブリ。
請求項6から請求項12のいずれか1項に記載の前記照明光学アセンブリ(11)内で、更に別のファセットミラー(7)の更に別のファセット(25)上の前記実照明強度は、これらの更に別のファセット(25)に照明チャネルを通じて割り当てられた第1のファセットミラー(6)の第1のファセット(21)の選択によって低減され、
前記選択された第1のファセット(21)は、前記照明光(3)の実照明強度を案内し、これは、最大でも前記設定値照明強度に対応する前記第2のファセット(25)上の実照明強度に至る、
ことを特徴とする請求項13に記載の方法。
請求項1又は請求項4から請求項12のいずれか1項に記載の照明光学アセンブリ内で、前記更に別のファセットミラー(7)の前記更に別のファセット(25)上の前記実照明強度は、前記物体変位方向(y)に沿った前記物体視野(8)の部分照明によって低減され、
前記物体変位方向(y)に沿った前記物体視野(8)の全体広がり(y0)に対する該物体変位方向(y)に沿った該物体視野(8)の照明された部分視野の広がり(yF2)の比(yF2)/(y0)が、該比(yF2)/(y0)が前記更に別のファセット(25)上の実照明強度による前記設定値照明強度のオーバーシュートを補償するように選択され、そのために該照明された部分視野の該広がり(yF2)の該短縮後に、最大で該設定値照明強度に対応する該更に別のファセット(25)上の該実照明強度がもたらされる、
ことを特徴とする請求項14に記載の方法。
20%よりも大きく異なる照明光強度が第1のファセットミラー(6)上に入射することを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の照明光学アセンブリを使用する請求項17に記載の照明系。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、瞳照明ユニットのファセット上の過度に高い照明強度が回避されるような冒頭に示したタイプの照明光学アセンブリを開発することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[当初請求項1]
下流の結像光学アセンブリ(10)の物体視野(8)が配置可能である照明視野をEUV光源(2)の照明光(3)で照明するための投影リソグラフィのための照明光学アセンブリ(11)であって、
前記照明光(3)がその上に入射し、かつ照明ビーム経路内の瞳(29;37)を予め定められた瞳強度分布を有する該照明光(3)で照明するために前記照明視野内で少なくとも部分的に重ね合わされる照明チャネルを案内するためのファセット(21,25)を有する瞳照明ユニット(6,7)を含み、
前記瞳照明ユニット(6,7)は、該瞳照明ユニット(6,7)の複数の照明チャネルが前記物体視野(8)全体の一部(36)だけを照明するように具現化され、
前記瞳照明ユニット(6,7)の前記ファセット(21,25)は、
前記瞳照明ユニット(6,7)の個々の照明チャネルが、前記照明中に前記物体視野(8)を通して物体(12)が変位可能である物体変位方向(y)に沿って該物体視野(8)を部分的にのみ照明し、
少なくとも一部の照明チャネルに対して、前記物体変位方向(y)に沿った前記物体視野(8)の照明された部分視野の広がり(yF2)が、該物体変位方向(y)に沿った該物体視野(8)の全体広がり(y0)よりも小さいことが真であり、
前記瞳(29;37)において、前記物体変位方向(y)に対応する瞳座標(σy)の絶対値(|σy|)に依存する照明強度プロファイルがもたらされ、
前記瞳座標(σy)の第1の絶対値の場合の第1の照明された瞳領域(29a)の照明強度が、該瞳座標(σy)の第2の絶対値の場合の第2の照明された瞳領域(29b)の照明強度から少なくとも20%だけ異なる、
ように配置される、
ことを特徴とする照明光学アセンブリ(11)。
[当初請求項2]
照明光(3)がその上に入射し、かつ照明ビーム経路内の瞳(29;37)を予め定められた瞳強度分布を有する該照明光(3)で照明するために照明視野内で少なくとも部分的に重ね合わされる照明チャネルを案内するためのファセット(21,25)を有する瞳照明ユニット(6,7)を含む、
下流の結像光学アセンブリ(10)の物体視野(8)が配置可能である照明視野をEUV光源(2)の前記照明光(3)で照明するための投影リソグラフィのための照明光学アセンブリ(11)であって、
前記瞳照明ユニット(6,7)は、該瞳照明ユニット(6,7)の複数の照明チャネルが前記物体視野(8)全体の一部(36)だけを照明するように具現化される、
ことを特徴とする照明光学アセンブリ(11)。
[
当初請求項3]
前記瞳照明ユニット(6,7)の前記ファセット(21,25)は、
前記瞳照明ユニット(6,7)の個々の照明チャネルが、前記照明中に前記物体視野(8)を通して物体(12)が変位可能である物体変位方向(y)に沿って該物体視野(8)を部分的にのみ照明し、
前記照明チャネルの全てに対して、前記物体変位方向(y)に沿った前記物体視野(8)の照明された部分視野の広がり(yF2)が、該物体変位方向(y)に沿った該物体視野(8)の全体広がり(y0)よりも小さいことが真であり、
前記照明チャネルのうちの複数のものに対して、前記物体変位方向(y)に沿った前記照明された部分視野の前記広がり(yF2)と前記物体視野(8)の前記全体広がり(y0)との間の個々の比(yF2/y0)が、該物体変位方向(y)に沿った該照明された部分視野の該広がりと該物体視野(8)の該全体広がりとの間の該照明チャネルの全てにわたって平均された平均比((yF2/y0)平均)から20%よりも小さく外れることが真である、
ように配置される、
ことを特徴とする当初請求項2に記載の照明光学アセンブリ。
[当初請求項4]
前記瞳照明ユニット(6,7)の前記ファセット(21,25)は、
前記瞳照明ユニット(6,7)の個々の照明チャネルが、前記照明中に前記物体視野(8)を通して物体(12)が変位可能である物体変位方向(y)に沿って該物体視野(8)を部分的にのみ照明し、
少なくとも一部の照明チャネルに対して、前記物体変位方向(y)に沿った前記物体視野(8)の照明された部分視野の広がり(yF2)が、該物体変位方向(y)に沿った該物体視野(8)の全体広がり(y0)よりも小さいことが真であり、
前記瞳(29;37)において、前記物体変位方向(y)に対応する瞳座標(σy)の絶対値(|σy|)に依存する照明強度プロファイルがもたらされ、
前記瞳座標(σy)の第1の絶対値の場合の第1の照明された瞳領域(29a)の照明強度が、該瞳座標(σy)の第2の絶対値の場合の第2の照明された瞳領域(29b)の照明強度から少なくとも20%だけ異なる、
ように配置される、
ことを特徴とする当初請求項2又は当初請求項3に記載の照明光学アセンブリ。
[当初請求項5]
前記瞳照明ユニット(6,7)は、
個々に傾斜可能である複数の個々のミラー(21)を含む第1のファセットミラー(6)と、
互いに横並びに配置され、かつ前記物体視野(8)への前記EUV照明光(3)のビームのうちの部分ビームの反射重ね合わせ案内のために寄与する複数の個々に傾斜可能なファセット(25)を含む更に別のファセットミラー(7)と、
を含み、
前記第1のファセットミラー(6)は、前記物体視野(8)に対して共役である視野平面に又はその近くに配置され、
前記更に別のファセットミラー(7)は、照明光学アセンブリ(11)の瞳平面(30)から距離を置いて配置され、
各場合に前記更に別のファセットミラー(7)の更に別のファセット(25)を照明するための前記第1のファセットミラー(6)の前記ファセットは、仮想ファセット群(28)を形成するようにグループ分け可能である、
ことを特徴とする当初請求項2から当初請求項4のいずれか1項に記載の照明光学アセンブリ。
[当初請求項6]
前記瞳照明ユニット(6,7)は、
個々に傾斜可能である複数の個々のミラー(21)を含む第1のファセットミラー(6)と、
互いに横並びに配置され、かつ前記物体視野(8)への前記EUV照明光(3)のビームのうちの部分ビームの反射重ね合わせ案内のために寄与する複数の瞳ファセット(25)を含む瞳ファセットミラー(7)と、
を含み、
前記瞳ファセットミラー(7)は、
前記瞳ファセットミラー(7)上のそれぞれの前記瞳ファセット(25)の位置が、前記物体視野(8)の視野点に対する照明方向を予め定め、
各場合に瞳ファセット(25)を照明するための前記第1のファセットミラー(6)の前記ファセット(21)が、仮想の第1のファセット群(28)を形成するようにグループ分け可能である、
ように照明光学アセンブリ(11)の瞳平面(30)に配置される、
ことを特徴とする当初請求項1から当初請求項5のいずれか1項に記載の照明光学アセンブリ。
[当初請求項7]
前記仮想ファセット群(28)は、部分視野(35,36)を照明するように設計され、照明光学アセンブリ(11)を用いて照明される物体(12)の物体変位方向(y)の該部分視野(36)のうちの少なくとも一部の前記広がり(yF2)は、該物体変位方向(y)の該物体視野(8)全体の前記広がり(y0)よりも小さいことを特徴とする当初請求項5又は当初請求項6に記載の照明光学アセンブリ。
[当初請求項8]
前記仮想ファセット群(28)は、部分視野(35,36)を照明するように設計され、照明光学アセンブリ(11)を用いて照明される物体(12)の物体変位方向(y)の該部分視野(35,36)の広がり(yF1,yF2)が、20%よりも大きく異なることを特徴とする当初請求項7に記載の照明光学アセンブリ。
[当初請求項9]
前記瞳(29;37)内の同じ座標(σx)で前記物体変位方向(y)に対して垂直(x)に位置する該照明瞳(29)の領域を照明する前記仮想ファセット群(28)は、該物体変位方向(y)に同じ広がり(yF1;yF2)を有する部分視野(35;36)を照明するように設計されることを特徴とする当初請求項8に記載の照明光学アセンブリ。
[当初請求項10]
前記物体視野(8)の異なる視野点に対して前記瞳(29;37)にわたる異なる瞳強度分布をもたらすような前記瞳照明ユニット(6,7)の配置及び設計を特徴とする当初請求項1から当初請求項9のいずれか1項に記載の照明光学アセンブリ。
[当初請求項11]
当初請求項1から当初請求項10のいずれか1項に記載の照明光学アセンブリ(11)内で異なる照明強度で照明される瞳領域を決定する方法であって、
物体視野(8)を照明するのに望ましい照明角度分布、すなわち、瞳(29)にわたる照明光(3)の生の強度分布を予め定める段階と、
前記生の強度分布を形成する照明される瞳領域を識別する段階と、
前記識別された瞳領域を照明するための瞳照明ユニット(6,7)のファセット(25)の実照明強度を確定する段階と、
前記実照明強度を予め定められた最大設定値照明強度と比較する段階と、
前記ファセット(25)上の前記実照明強度を低減する段階であって、それが前記設定値照明強度よりも高い前記低減する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
[当初請求項12]
当初請求項5から当初請求項10のいずれか1項に記載の前記照明光学アセンブリ(11)内で、更に別のファセットミラー(7)の更に別のファセット(25)上の前記実照明強度は、これらの更に別のファセット(25)に照明チャネルを通じて割り当てられた第1のファセットミラー(6)の第1のファセット(21)の選択によって低減され、
前記選択された第1のファセット(21)は、前記照明光(3)の実照明強度を案内し、これは、最大でも前記設定値照明強度に対応する前記第2のファセット(25)上の実照明強度に至る、
ことを特徴とする当初請求項11に記載の方法。
[当初請求項13]
当初請求項1又は当初請求項3から当初請求項10のいずれか1項に記載の照明光学アセンブリ内で、前記更に別のファセットミラー(7)の前記更に別のファセット(25)上の前記実照明強度は、前記物体変位方向(y)に沿った前記物体視野(8)の部分照明によって低減され、
前記物体変位方向(y)に沿った前記物体視野(8)の全体広がり(y0)に対する該物体変位方向(y)に沿った該物体視野(8)の照明された部分視野の広がり(yF2)の比(yF2)/(y0)が、該比(yF2)/(y0)が前記更に別のファセット(25)上の実照明強度による前記設定値照明強度のオーバーシュートを補償するように選択され、そのために該照明された部分視野の該広がり(yF2)の該短縮後に、最大で該設定値照明強度に対応する該更に別のファセット(25)上の該実照明強度がもたらされる、
ことを特徴とする当初請求項12に記載の方法。
[当初請求項14]
当初請求項1から当初請求項10のいずれか1項に記載の照明光学アセンブリと、
物体視野(8)を像視野(17)内に結像するための投影光学アセンブリ(10)と、 を含むことを特徴とする光学系。
[当初請求項15]
当初請求項1から当初請求項10のいずれか1項に記載の照明光学アセンブリと、
光源(2)と、
を含むことを特徴とする照明系。
[当初請求項16]
20%よりも大きく異なる照明光強度が第1のファセットミラー(6)上に入射することを特徴とする当初請求項6又は当初請求項7に記載の照明光学アセンブリを使用する当初請求項15に記載の照明系。
[当初請求項17]
当初請求項14に記載の光学系と、
光源(2)と、
を含むことを特徴とする投影露光装置。
[当初請求項18]
微細構造化構成要素を生成する方法であって、
レチクル(12)を与える段階と、
照明光(3)に対して感受性であるコーティングを有するウェーハ(19)を与える段階と、
当初請求項17に記載の投影露光装置(1)を用いて前記レチクル(12)の少なくとも1つのセクションを前記ウェーハ(19)の上に投影する段階と、
前記ウェーハ(19)上で前記照明光(3)によって露光された前記感光層を現像する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
[当初請求項19]
当初請求項18に記載の方法に従って生成された構成要素。
本発明により、上述の目的は、
当初請求項1に明記した特徴を含む照明光学アセンブリを用いた第1の態様、及び
当初請求項2に明記した特徴を含む照明光学アセンブリを用いた第2の態様によって達成される。
【0007】
特に、瞳照明ユニットのファセットが傾斜可能なもの又はマイクロミラーとして具現化される場合に、これらのファセット上で予め定められた最大照明強度又は最大熱負荷を超えると、照明光学アセンブリの性能に対する悪影響又はファセットの安定性の低下、従って、照明光学アセンブリの安定性の低下をもたらすので、これらを超えないように注意しなければならないことが認識されている。更に、ファセット上の照明強度を低減するための自由度として、ファセットの全てが物体視野全体の照明に寄与する必要があるわけではないことを利用することができることが認識されている。従って、物体視野の部分視野の照明が、この照明中に入射を受けるファセット上の照明強度を低減するためにターゲットを定めた方式に使用される。ファセット上の照明強度を低減するために、例えば、瞳内では、照明領域が、予め定められた瞳強度分布の範囲にある照明光全体を案内するのに必要とされる領域よりも大きいことを利用することができる。従って、瞳充填度が予め定められた限度内で増大し、それによって瞳照明ユニットの個々のファセット上の強度負荷が低減される。瞳照明ユニットは、その全てのファセットが物体視野の部分視野しか照明しないように設計することができる。照明光学アセンブリの瞳は、下流の結像光学アセンブリ又は投影光学アセンブリの瞳と一致するか又は結像光学アセンブリのこの瞳平面に対して共役であるように配置される。この場合に、瞳は、結像光学アセンブリの結像ビーム経路内で、ある物体視野点から射出し、これらの物体視野点から射出する主光線に対して各場合に同じ照明角度に割り当てられた個々の光線が交差する領域を意味すると理解しなければならない。「瞳」という用語に関する更なる説明は、US 2012/0069314 A1に見出される。各照明チャネルは、特定の照明方向から物体視野点を照明する照明光部分ビームを案内する。瞳照明ユニットによる複数の照明チャネルへの照明光の分割は、「照明強度」及び「照明角度分布」という照明パラメータを予め定められた許容限度内で定め、同時に物体視野内で照明光を相互混合するように機能する。瞳照明ユニットのファセットを通して物体視野上に照明される部分視野は、互いに重なることができる。しかし、この重ね合わせは必須ではない。100本よりも大きく、500本よりも大きく、又は1000本さえも超えるこの種の照明チャネルが存在することができる。照明チャネル内では、照明光は、次に、互いに独立して傾斜させることができる複数のマイクロミラーを通して案内することができる。各場合に、そのようなマイクロミラーの群を用いて、正確に1本の照明チャネルを定めることができる。
【0008】
各照明チャネルは、物体視野内で望ましい照明方向分布に基づいて、与えられた照明チャネルによって望ましい照明角度分布又は照明方向分布の範囲にある方向から照明することができる物体視野の最大部分ゾーン又は最大部分視野を含む。物体視野非依存の瞳の場合に瞳照明ユニットが瞳平面に置かれる場合に、2つのタイプの最大部分視野しか存在しない。いかなる場合にも照明チャネル全体が望ましい照明方向を可能にする。この場合に、最大部分視野は、物体視野と同じサイズのものである。これに代えて、照明チャネルの照明方向は、予め定められた照明方向分布の範囲にない。照明光は、そのような照明チャネル上には入射せず、従って、このチャネルは物体視野全体にわたって暗く、従って、照明に対して存在しない。しかし、瞳照明ユニットが瞳平面から離れている場合に、予め定められた照明方向分布をもたらすのに、互いから10倍の倍数よりも大きく異なることが可能な個々の最大部分視野サイズの大きい変化がもたらされる。この場合にも、最大部分視野は、いずれにしても個々の事例の物体視野と同じサイズとすることができる。
【0009】
第1の態様により、瞳照明ユニットのファセットは、瞳照明ユニットの個々の照明チャネルが、照明中に物体視野を通して物体を変位させることができる物体変位方向に沿って物体視野を部分的にしか照明せず、照明チャネルの少なくとも一部のものに対して、物体変位方向に沿った物体視野の照明部分視野の広がりが、物体変位方向に沿った物体視野の全体広がりよりも小さいことが真であり、瞳内で、物体変位方向に対応する瞳座標の絶対値に依存する照明強度プロファイルがもたらされ、瞳座標の第1の絶対値の場合の第1の照明瞳領域の照明強度が、瞳座標の第2の絶対値の場合の第2の照明瞳領域の照明強度と少なくとも20%だけ異なるように配置される。そのような瞳強度分布は、原理的には重度の強度負荷を受ける瞳照明ユニットのファセットが瞳内で低い照明強度しか生成せず、それによってこれらのファセット上の強度負荷を低減する瞳照明ユニットの設計を可能にする。照明強度の間の差は20%よりも大きいものとことができ、例えば、30%、40%、50%、70%、100%、又は更に大きいとすることができる。この場合に、物体変位方向に対応する瞳座標の原点は、照明光学アセンブリの瞳の中心によって定められる。照明光学アセンブリの瞳内で照明チャネルにそれぞれ割り当てられる部分瞳領域は、物体変位方向に対応する瞳座標に沿ってこの瞳座標の絶対値に依存する広がりを有することができる。この瞳座標の様々な絶対値の場合は異なる照明強度が存在し、異なる長さの部分瞳領域がこの対応する瞳座標に沿って存在することも可能である。それに対して垂直な瞳座標の方向、従って、物体変位方向に対して垂直な方向に対応する方向には、瞳内の照明強度は、予め定められた許容範囲で一定とすることができる。同じことは、上述の部分瞳領域の広がりに対しても相応に成り立ち、この広がりも同じく更に別の瞳座標に沿って予め定められた許容限度内で一定とすることができる。そのような瞳照明強度は、第2の態様の照明光学アセンブリの場合は必須ではない。
【0010】
当初請求項3に記載のファセットの配置の場合に、照明チャネルを通じて照明される部分視野がそれぞれの最大部分視野よりも物体変位方向に小さい広がりを有するということによって熱負荷の低減を提供する。物体変位方向の個々の最大部分視野広がりと比較したこの照明部分視野の物体変位方向の短縮は、この場合に、複数の照明チャネルに対して許容範囲で同じく実施される。物体変位方向の照明部分視野と最大広がりとの個々の比の範囲の平均比からの偏差は、15%よりも小さいとすることができ、10%よりも小さいとすることができ、更に、5%よりも小さいものとすることさえ可能である。物体変位方向の照明部分視野のこの均一な短縮は、全ての照明チャネルに対して成り立つとすることができる。個々の照明チャネルを通じて照明される部分視野のそのような広域的短縮からの偏差は、個々の場合に、例えば、偏差が例えば量子化効果の理由から個々のミラーの有限サイズに起因して当該照明チャネルに割り当てられたファセットの個々のミラーへの再分割によって不可避である場合に、又は例えばターゲットを定めた方式での局所瞳補正又は照明光学アセンブリによる物体視野照明の強度補正の目的で、照明チャネルの一部が物体視野照明に寄与せず、すなわち、部分的に無効にされる場合に、又は物体視野照明に向けて照明チャネルの追加の部分がターゲットを定めた方式に使用され、すなわち、実質的にされる場合に発生する可能性がある。
【0011】
物体変位方向の部分視野照明のそのような均一な短縮は、均一な瞳照明をもたらす。この場合に、瞳内で照明される瞳領域の拡大、すなわち、瞳充填度の拡大により、瞳照明ユニットのファセットの強度負荷の低減をもたらすことができる。技術的には、この低減は、特に物体視野照明に使用される照明チャネルの本数の拡大によって達成することができる。
【0012】
照明チャネルの各々は、照明光学アセンブリの瞳内の部分瞳領域上に入射する。物体変位方向に対応する瞳座標に沿ったそのような部分瞳領域の広がりは、複数の照明チャネル又は照明チャネルの全てに対して同じ広がりを有することができる。この対応する瞳座標は、物体平面に対して垂直な照明光入射平面内の照明方向を決定し、物体変位方向はこの照明光入射平面内を延びる。
【0013】
当初請求項4に記載の瞳強度分布は、原理的には重度の強度負荷を受ける瞳照明ユニットのファセットが瞳内に低い照明強度しか生成せず、それによってこれらのファセット上の強度負荷を低減する瞳照明ユニットの設計を可能にする。照明強度の間の差は20%よりも大きいとすることができ、例えば、30%、40%、50%、70%、100%、又は更により大きいとすることができる。この場合に、物体変位方向に対応する瞳座標の原点は、照明光学アセンブリの瞳の中心によって定められる。照明光学アセンブリの瞳内で照明チャネルにそれぞれ割り当てられる部分瞳領域は、物体変位方向に対応する瞳座標に沿ってこの瞳座標の絶対値に依存する広がりを有することができる。この瞳座標の様々な絶対値の場合は異なる照明強度が存在し、異なる長さの部分瞳領域がこの対応する瞳座標に沿って存在することも可能である。それに対して垂直な瞳座標の方向、従って、物体変位方向に対して垂直な方向に対応する方向には、瞳内の照明強度は、予め定められた許容範囲で一定とすることができる。同じことは、上述の部分瞳領域の広がりに対しても相応に成り立ち、この広がりも同じく更に別の瞳座標に沿って予め定められた許容限度内で一定とすることができる。
【0014】
鏡面反射器としても公知の
当初請求項5に記載の照明光学アセンブリ、又はフライアイコンデンサーとしても公知の
当初請求項6に記載の照明光学アセンブリは、物体視野の定められた照明に特に適することが明らかにされている。第1のファセットミラーは、物体視野が内部に配置される物体平面に結像される照明光学アセンブリの視野平面に配置することができる。
当初請求項4に記載の実施形態の場合に、更に別のファセットミラーは、照明光学アセンブリ又は下流の投影光学アセンブリの瞳平面から離れた場所にある。上述の照明チャネルの各々は、更に別のファセットミラーの更に別のファセットのうちの厳密に1つのものにより、又は瞳ファセットのうちの厳密に1つのものによって正確に案内される。第1のファセットミラーのファセット及び/又は更に別のファセットミラーのファセットは、更に複数の個々のミラーに再分割することができる。これらの個々のミラーは個々に傾斜可能とすることができる。個々のミラーに再分割されたそのようなファセットをファセット群又は仮想ファセットとも表示する。
【0015】
当初請求項7に記載の物体変位方向の部分視野広がりの短縮は、特に、上述の照明光学アセンブリが装備された投影露光装置の走査作動モードに良好に適応される。更に、仮想ファセット群を照明する全ての部分視野が、物体変位方向の物体視野全体の広がりよりも小さい物体変位方向の広がりを有することができる。
【0016】
当初請求項8に記載の物体変位方向の部分視野の広がりの差は、瞳照明ユニットのファセット上の照明強度の事前決定における自由度をもたらす。物体変位方向の部分視野の広がりは、30%よりも大きく、40%よりも大きく、50%よりも大きく、70%よりも大きく、100%よりも大きく異なるか、又は更に大きい量だけ異なるとすることができる。
【0017】
当初請求項9に記載の仮想ファセット群の割り当ては、物体変位方向に対して垂直な照明パラメータを均一化することを可能にする。この場合に、走査積分方式で、すなわち、物体変位方向に積分される方式で、全ての物体視野点が同じ照明状態を有することを確実にする。
【0018】
当初請求項10に記載の照明光学アセンブリの配置及び設計は、物体視野を通じた物体の変位又は走査中に、それぞれの物体点に対してもたらされる変位積分瞳又は走査積分瞳の照明強度の均一化が行われることになるような物体視野にわたって変化する瞳強度分布の事前決定を可能にする。この場合に、変位積分方式又は走査積分方式で、各物体点が予め定められた許容範囲で同じ瞳強度分布を「見る」、すなわち、同じ照明角度分布から予め定められた強度の光による入射を受けるという状況を達成することができる。こうして強度分布及び照明角度分布に関して均一な照明が、変位積分方式又は走査積分方式で確実になる。物体視野点に対して複数の瞳ロッドの形態にある瞳強度分布が変位積分方式又は走査積分方式でもたらすことができ、これらの瞳ロッドの各々は、照明光の照明チャネルによって引き起こされる。変位方向又は走査方向に割り当てられた瞳座標軸内では、そのような瞳ロッドは、それに対して垂直な瞳座標軸内よりも大きい広がりを有することができる。変位方向又は走査方向に割り当てられた瞳座標軸内の瞳ロッドの広がりには、瞳照明ユニットの照明事前定義ファセットミラーと瞳平面の間の距離の選択によって影響を及ぼすことができる。
【0019】
上記で解説した照明光学アセンブリの態様及びそれに関連付けられた特許請求の範囲の特徴は、互いにいずれかの望ましい手法で組み合わせることができる。この点に関して、例えば、第1の態様による照明光学アセンブリを第2の態様による照明光学アセンブリに関して上記で記述した特徴と組み合わせることができる。
【0020】
当初請求項11に記載の予め定められた照明強度で照明される瞳領域を決定する方法は、上記で記述したファセット上の実照明強度を低減するための自由度を使用する。ファセット上の実照明強度を低減するために、本方法では照明される瞳領域をその形状及びサイズに関して瞳の範囲で調整することができ、すなわち、その形状及び/又はサイズに関して予め定められた限度内で変更することができる。
【0021】
実照明強度を低減するために、最初に、物体照明期間中に物体の物体変位方向に対して垂直な座標軸内で照明される瞳領域の広がりを決定することができる。次いで、この広がりに基づいて、物体変位方向の仮想ファセット群の寸法が予め定められ、すなわち、適切な場合は走査長の短縮が実施される。その結果、物体変位方向に依存し、走査積分方式で平均化される瞳強度をもたらすことができる。
【0022】
当初請求項12により、実照明強度を低減するために、照明される瞳領域の範囲の照明強度をファセット上の実照明強度が設定値照明強度よりも高い場合にそれが低減されるように再分配することが更に可能である。その結果、第1のファセット上の特に遠視野に依存する不均等な実照明強度に起因してもたらされる更に別の第2のファセット上の熱負荷スパイクを平滑化することができる。その結果、更に別のファセット上の最大熱負荷が実質的に低減される。
【0023】
当初請求項13に記載の方法は、第1に物体変位方向に沿った照明部分視野の広がりのターゲットを定めた短縮により、すなわち、走査長の低減によって引き起こされる熱負荷低減の可能性と、第2に照明される瞳領域の範囲の照明強度の再分配によって引き起こされる熱負荷低減の可能性とを組み合わせる。個々の走査長の低減と選択される実照明強度との掛け算を複数の第2のファセットに対して少なくとも近似的に一定であるように予め定めることができ、この掛け算は、設定値掛け算値から予め定められた許容値だけしか外れないことが可能である。その結果、特に第2のファセットミラー上の遠視野に依存する熱負荷スパイクを平滑化することができる。照明光学アセンブリの瞳平面内でより均一な光分布をもたらすことができる。
【0024】
当初請求項14に記載の光学系、
当初請求項15に記載の照明系、
当初請求項17に記載の投影露光装置、
当初請求項18に記載の生成方法、及び
当初請求項19に記載の微細又はナノ構造化構成要素の利点は、照明光学アセンブリに関して上記で既に解説したものに対応する。
【0025】
当初請求項16に記載の割り当ては、通常、第1のファセットミラーが光源からの不均一な遠視野で照明されるという状況を更に別の自由度として使用する。この自由度は、瞳照明ユニットの最も強く負荷を受けるファセット上の照明強度を低減するのに使用される。この場合に、瞳内の同じ座標において物体変位方向と垂直に置かれた照明瞳領域を照明する仮想ファセット群が、これらの仮想ファセット群上の平均入射照明強度から10%よりも小さくしか外れない照明強度による入射を受けることができる。従って、瞳照明ユニットのファセット上の強度負荷を低減するために第1のファセットミラーのファセット上の遠視野の不均一性が使用される場合であっても、物体変位方向と垂直に同等の照明状態が維持されることを確実にすることができる。第1のファセットミラー上の入射における強度差は、更に別のファセットミラーの照明事前定義ファセットを通して物体視野が物体変位方向に沿って完全に照明されるような更に別のファセットミラーのファセット上の熱負荷低減に使用することができる。割り当て照明チャネルを通じて照明される部分視野の物体変位方向に沿った広がりは、物体変位方向の物体視野の全体広がりに等しいとすることができる。この場合に、第1のファセットミラー上に入射する強度の不均一性を使用することにより、全ての照明チャネルがその個々の最大部分視野を照明するので、瞳充填度が到達可能な最低瞳充填度と比較して拡大されない照明をもたらすことができる。
【0026】
上記で解説した瞳領域を決定する方法は、第1のファセットミラーの照明の強度分布を考慮する照明系において実施することができる。
【0027】
本発明の例示的実施形態を図面を参照して下記でより詳細に説明する。
【発明を実施するための形態】
【0029】
非常に概略的に
図1の子午断面図に示すマイクロリソグラフィのための投影露光装置1は、照明光3のための光源2を有する。光源は、5mmと30mmの間の波長領域の光を生成するEUV光源である。EUV光源は、LPP(レーザ生成プラズマ)光源、DPP(放電生成プラズマ)光源、又はシンクロトロン放射線を利用する光源、例えば、自由電子レーザ(FEL)とすることができる。
【0030】
光源2から発する照明光3を案内するために、伝達光学アセンブリ4が使用される。伝達光学アセンブリ4は、
図1には反射効果に関してしか例示していないコレクター5と、下記で更に詳細に記載し、第1のファセットミラー又は視野ファセットミラーとも表示する伝達ファセットミラー6とを有する。コレクター5と伝達ファセットミラー6の間には照明光3の中間フォーカス5aが配置される。中間フォーカス5aの領域内の照明光3の開口数は、例えば、NA=0.182である。伝達ファセットミラー6の下流、従って、伝達光学アセンブリ4の下流には、同じく下記で更に詳細に説明する照明事前定義ファセットミラー7が配置される。光学構成要素5から7は、投影露光装置1の照明光学アセンブリ11の一部である。
【0031】
伝達ファセットミラー6は、照明光学アセンブリ11の視野平面に配置される。
【0032】
照明光学アセンブリ11の一実施形態において、同じく下記で更に詳細に説明する照明事前定義ファセットミラー7を照明光学アセンブリ11の瞳平面内又はその領域に配置することができ、従って、瞳ファセットミラーとも表示する。更に別の実施形態において、照明光学アセンブリ11の照明事前定義ファセットミラー7は、照明光学アセンブリ11の1又は複数の瞳平面から離して配置することができる。そのような実施形態を鏡面反射器とも表示する。
【0033】
照明事前定義ファセットミラー7の下流の照明光3のビーム経路にはレチクル12が配置され、このレチクルは、下流にある投影露光装置1の投影光学アセンブリ10の物体平面9に配置される。投影光学アセンブリ10及び下記で説明する更に別の実施形態の投影光学アセンブリは、各場合に投影レンズである。照明光学アセンブリ11は、物体平面9内のレチクル12上の物体視野8を定められた方式で照明するために使用される。物体視野8は、同時に照明光学アセンブリ11の照明視野を構成する。一般的には、物体視野8を照明視野に配置することができるように照明視野が形成されるということができる。
【0034】
照明事前定義ファセットミラー7は、伝達ファセットミラー6と同様に、照明光学アセンブリの瞳照明ユニットの一部であり、投影光学アセンブリ10の入射瞳を予め定められた瞳強度分布を有する照明光3で照明するように機能する。投影光学アセンブリ10の入射瞳は、物体視野8の上流、又は他に物体視野8の下流の照明ビーム経路に配置することができる。
【0035】
瞳平面に配置された照明事前定義ファセットミラー7を含む照明光学アセンブリ11の実施形態の場合に、この瞳平面を下流の伝達光学アセンブリを通して投影光学アセンブリ10の入射瞳に結像することができる。これに代えて、照明事前定義ファセットミラー7は、投影光学アセンブリ10の入射瞳の瞳平面に配置することができる。鏡面反射器としての実施形態の場合に、そのような伝達光学アセンブリは必要ではなく、原理的には、投影光学アセンブリ10の入射瞳が物体視野8の上流の照明ビーム経路内又は物体視野8の下流の照明ビーム経路内のいずれに配置されるかは重要ではない。
【0036】
位置関係の提示を容易にするために、以下では直交xyz座標系を使用する。
図1では、x方向は作図面と垂直にその中に延びる。y方向は、
図1の右に向けて延びる。z方向は、
図1の下方に延びる。図面に使用する座標系は、各場合に互いに平行に延びるx軸を有する。この座標系のz軸の進路は、それぞれ着目する図内で照明光3のそれぞれの主方向を辿る。
【0037】
物体視野8は、円弧形又は部分的に円形の形状を有し、互いに平行な2つの円弧と、y方向に長さy
0を有するように延び、x方向に互いから距離x
oの場所にある2つの真っ直ぐな側縁部とによって境界が定められる。アスペクト比x
0/y
0は13対1である。
図1内の挿入図は、正確な縮尺のものではない物体視野8の平面図を示している。境界形状8aは円弧形である。別の同じく可能な物体視野8では、その境界形状は、同じくアスペクト比x
0/y
0を有する矩形である。
【0038】
図1には、投影光学アセンブリ10を部分的かつ非常に概略的にしか示していない。投影光学アセンブリ10の物体視野側開口数13及び像視野側開口数14を示している。例えば、照明光3に対して反射性を有するミラーとして具現化することができる構成要素である投影光学アセンブリ10の図示の光学構成要素15、16の間には、これらの光学構成要素15、16の間で照明光3を案内するために、投影光学アセンブリ10の
図1には示していない更に別の光学構成要素が置かれる。
【0039】
投影光学アセンブリ10は、レチクル12と同じくホルダ(具体的な詳細を示していない)によって担持されるウェーハ19上の像平面18の像視野17上に物体視野8を結像する。レチクルホルダとウェーハホルダの両方が、対応する変位デバイスを用いてx方向とy方向の両方に変位可能である。
図1には、ウェーハホルダの構造的空間要件を20の矩形のボックスとして例示している。構造的空間要件20は、そこに含まれる構成要素に依存するx方向、y方向、及びy方向の広がりを有する矩形である。構造的空間要件20は、例えば、像視野17の中心から進んでx方向及びy方向に1mの広がりを有する。z方向にも、構造的空間要件20は、像平面18から進んで例えば、1mの広がりを有する。照明光3は、照明光学アセンブリ11及び投影光学アセンブリ10内で各場合に構造的空間要件20のそばを通過するように案内しなければならない。
【0040】
伝達ファセットミラー6は、複数の伝達ファセット21を有する。伝達ファセットミラー6は、MEMSミラーとして具現化することができる。伝達ファセット21は、少なくとも2つの傾斜位置の間で切換可能なマイクロミラーである。伝達ファセット21は、互いに垂直な2つの回転軸の周りに従動方式で傾斜可能なマイクロミラーとして具現化することができる。
【0041】
これらの伝達ファセット21から、合計で9つの伝達ファセット21を有する行を
図2に記載のyz断面図に略示しており、
図2ではこれらの伝達ファセットを左から右に21
1から21
9で添字表示している。実際には、伝達ファセットミラー6は有意に多数の伝達ファセット21を有する。伝達ファセット21は、
図2にはそれ程具体的な詳細を示していない複数の伝達ファセット群にグループ分けされる(この点に関しては特に
図4及び
図5を参照されたい)。これらの伝達ファセット群を仮想視野ファセット又は仮想ファセット群とも表示する。
【0042】
瞳平面に配置された照明事前定義ファセットミラー7を含む照明光学アセンブリの実施形態の場合に、伝達ファセット群のx/yアスペクト比は、少なくとも物体視野8のx/yアスペクト比と同じ大きさのものである。図示の実施形態の場合に、伝達ファセット群の少なくとも一部又は他に全てのもののx/yアスペクト比は、物体視野8のx/yアスペクト比よりも大きい。伝達ファセット群は、物体視野8の境界形状と類似の部分的に円形曲線又は矩形の群境界形状を有する。伝達ファセットミラー6の構造に関する更なる詳細に関しては、WO 2010/099 807 Aを参照されたい。
【0043】
伝達ファセット21がグループ分けされた伝達ファセット群又はこれらのファセット群に対応する一体形成ファセットは、x方向に70mmの広がりを有し、y方向に約4mmの広がりを有することができる。
【0044】
伝達ファセット群の各々は、x方向に互いに対してオフセット方式で配置された100個の列であって、y方向に互いに横並びに配置された伝達ファセット21の7個の行を各々が有する列から配置される。伝達ファセット21の各々は矩形である。
【0045】
伝達ファセット群の各々は、物体視野8の部分照明又は完全照明に向けて照明光3の一部分を照明チャネルを通じて案内する。
【0046】
照明事前定義ファセットミラー7の実施形態の更なる詳細に関しては、WO 2010/099 807 Aを参照されたい。
【0047】
照明事前定義ファセットミラー7が瞳平面に置かれる場合に、各照明事前定義ファセット25は、瞳形状が視野非依存であることが意図されることを前提として物体視野全体を照明することができるか、又は照明設定とも表示する予め定められた瞳形状に対して完全に未使用のままに留まらねばならないかのいずれかである。各照明事前定義ファセット25が物体視野8の照明に寄与する場合に、少なくとも九分通り同一の瞳座標を常に有している。瞳平面に置かれた照明事前定義ファセット25は、原理的には物体視野全体を照明することができるが、必ずしもその必要はないので、これらのファセットを全てがほぼ同じ形状を有する仮想視野ファセットで照明することができる。特にこの場合に、伝達ファセットミラー6に固定形状の一体形成伝達ファセット21を装備することも考えられ、この場合に、各伝達ファセット21は、固定照明方向を有する正確に1つの照明チャネルに割り当てられる。
【0048】
照明事前定義ファセットミラー7が照明光学アセンブリ11の瞳平面に配置されない場合に、照明事前定義ファセット25の少なくとも一部は、物体視野8の部分ゾーンのみを照明することができる。これらの部分ゾーンは非常に個々の目的に成形されたものであり、更に、物体視野8内の望ましい照明方向分布(瞳形状)に依存する。従って、照明事前定義ファセット25は、照明されるそれぞれの部分視野の形状に厳密に対応する形状を有する非常に別様に成形された仮想視野ファセットによって照明される。更に、各照明事前定義ファセット25は、物体視野8内の場所に依存して異なる瞳領域に寄与する。
【0049】
照明事前定義ファセットミラー7はMEMSミラーとして具現化することができる。照明事前定義ファセット25は、少なくとも2つの傾斜位置の間で切換可能なマイクロミラーである。特に照明事前定義ファセットミラー7が照明光学アセンブリの瞳平面から距離を置いて配置される場合に、照明事前定義ファセット25を2つの互いに垂直な傾斜軸の周りに連続的に独立して従動方式で傾斜可能である、すなわち、複数の異なる傾斜位置に配置することができるマイクロミラーとして具現化することができる。
【0050】
図2には、照明事前定義ファセット25への伝達ファセット21の予め定められた割り当ての一例を示している。伝達ファセット21
1から21
9にそれぞれ割り当てられた照明事前定義ファセット25をこの割り当てに従って添字表示している。照明事前定義ファセット25は、この割り当てに基づいて左から右に25
6、25
8、25
3、25
4、25
1、25
7、25
5、25
2、及び25
9の順序で照明される。
【0051】
ファセット21、25の添字6、8、及び3は、
図2で左から右に番号を振った3つの物体視野点OF1、OF2、OF3を第1の照明方向から照明する3つの照明チャネルVI、VIII、及びIIIを含む。ファセット21、25の添字4、1、及び7は、3つの物体視野点OF1からOF3を第2の照明方向から照明する3つの更に別の照明チャネルIV、I、VIIに属する。ファセット21、25の添字5、2、及び9は、3つの物体視野点OF1からOF3を第3の照明方向から照明する3つの更に別の照明チャネルV、II、及びIXに属する。
【0052】
以下の照明チャネルに割り当てられた照明方向は、各場合に同一である。
−照明チャネルVI、VIII、III、
−照明チャネルIV、I、VII、及び
−照明チャネルV、II、IX.
従って、照明事前定義ファセット25への伝達ファセット21の割り当ては、絵画的に示す照明例の場合に物体視野8のテレセントリック照明がもたらされるようなものである。
【0053】
伝達ファセットミラー6及び照明事前定義ファセットミラー7を通じた物体視野8の照明は、鏡面反射器方式に実施することができる。鏡面反射器の原理は、US 2006/0132747 A1から公知である。
【0054】
投影光学アセンブリ10は、930mmの物体−像オフセットd
OISを有する。このオフセットは、物体視野8の中点と、像視野17の中点に対する法線が物体平面9を通る際の交点との間の距離として定められる。投影光学アセンブリ10を含む投影露光装置1は、1280mm中間フォーカス−像オフセットDを有する。中間フォーカス−像オフセットDは、像視野17の中点と、中間フォーカス5aから像平面18に至る法線の交点との間の距離として定められる。投影光学アセンブリ10を含む投影露光装置1は、1250mmの照明光ビーム−像オフセットEを有する。照明光ビーム−像オフセットEは、像視野17の中点と、照明光ビーム3が像平面18を通る際の交差領域との間の距離として定められる。
【0055】
図3は、伝達ファセットミラー6の平面図を示している。伝達ファセットミラー6上の伝達ファセット21の個数は非常に多く、従って、
図3では個々の伝達ファセット21を識別することができない。伝達ファセット21は、照明光3の遠視野で照明される2つのほぼ半円形のファセット領域26、27に配置される。
【0056】
図4は、
図3からの抜粋図内に伝達ファセット群28への伝達ファセット21の再分割を示している。伝達ファセット群28は、各場合に照明事前定義ファセットミラー7を通して物体視野8に結像される。伝達ファセット群28のそれぞれの1つが有する全ての伝達ファセット21は、1つの同じ照明事前定義ファセット25を照明する。
【0057】
図4に記載の伝達ファセット群28による伝達ファセットミラー6の占有は、x二重極照明設定を有する照明光学アセンブリ11の照明瞳に向けて設計される。そのような照明設定の場合の照明光学アセンブリ11の瞳平面には、対応する瞳座標σ
x内でx方向に互いから分離した2つの照明瞳領域が存在し、これに対しては下記で更に詳細に説明する。
【0058】
図4では、伝達ファセット21は、走査方向と垂直に外れた平行四辺形形状を有する。伝達ファセット21は、同じく平行四辺形のものであるファセット担体構成要素(それ程具体的な詳細を示していない)上に着座される。これらのファセット担体構成要素の縁部は、
図4の水平及び斜方の向きにある伝達ファセット21のない幅広の白色棒線28aとして識別することができる。伝達ファセット群28は、多角形列の推移を有する境界線によって識別される。通常、これらの伝達ファセット群28は、ファセット担体構成要素群を横切って延びる。このx二重極照明設定に関して、伝達ファセット群28は、大部分がほぼ矩形又は不等辺四辺形のものであり、隣接する伝達ファセット群28の間に非常に小さい間隙のみを有する。
図4には、個々の伝達ファセット群28の間の間隙を比例するサイズよりも大きく例示している。全体のファセット担体構成要素の面積に対するこれらの間隙の面積比率は10%よりも小さい。
【0059】
伝達ファセット群28は、矩形の物体視野8を照明するように機能する。照明事前定義ファセット25は、物体視野8に向けた照明光3の部分ビームの反射重ね合わせ案内のためなどに機能する。照明事前定義ファセットミラー7上でのそれぞれの照明事前定義ファセット25の位置は、物体視野8の視野点に対する照明方向を予め定める。伝達ファセット群28のx広がりは、それぞれの伝達ファセット群28の像が、x方向に物体視野全体8を最大に覆うようなものである。伝達ファセット群28のy広がりに関して相応に同じことが成り立つ。
図4に記載の拡大抜粋図から推察することができるように、最大限可能なx広がりよりも小さいx広がりを有する多くの伝達ファセット群28が存在し、従って、物体視野8内のこれらの伝達ファセット群28の像は、x座標軸に物体視野8の一部しか照明しない。
【0060】
照明光学アセンブリ11を用いて予め定められる照明設定に基づいて、各伝達ファセット群28に対して、すなわち、各照明チャネルに対して、予め定められる照明設定内に含まれる方向から与えられた照明チャネルによって照明することができる物体視野8の最大の部分ゾーン又は部分視野が存在する。この最大部分視野サイズは、物体視野全体8のサイズに達することができるが、特にx方向に物体視野8のx広がりよりも小さいとすることができる。
【0061】
以下では、どのような場合であっても、物体変位方向yに沿って最大部分視野の広がりは物体視野8のy広がりに対応すると仮定する。
【0062】
図5は、y二重極照明設定に向けた対応する伝達ファセット群28への伝達ファセットミラー6の再分割を示しており、このy二重極照明設定に関しては、一部の例を更に別の図を参照して下記で更に詳細に説明する。
図4に記載の伝達ファセット群28の再分割と比較すると、
図5に記載の再分割の場合に、物体視野8のx広がり全体を充填する像を物体視野8内に有する有意に多くの伝達ファセット群28が存在する。
【0063】
図5は、走査方向に対して45°だけ回転された縁部を有する正方形形状の伝達ファセット21を示している。ここでもまた、太い白色の棒線28によって見ることができ、この場合は斜方に延びる縁部を有する正方形ファセット担体アセンブリに対して同じことが成り立つ。
【0064】
図4に記載の伝達ファセット群28を有する伝達ファセットミラー6の占有の場合に、伝達ファセットミラー6の全ての伝達ファセット21の7%未満は使用されず、すなわち、下流の照明事前定義ファセットミラー7の照明に寄与しない。これは、
図5に記載の占有に対しても成り立つ。
【0065】
図5に記載の占有の場合に、存在する伝達ファセット群28の個数は、
図4に記載の占有の場合のもののほぼ半分である。
【0066】
図4に記載の占有の場合に、伝達ファセット群28は大部分が矩形である。
【0067】
図5に記載の占有の場合に、伝達ファセット群28は、矩形形状からより頻繁に外れる。
【0068】
図6は、投影光学アセンブリ10の入射瞳と一致し、物体視野8の下流の照明光3のビーム経路内の瞳平面30(
図1を参照されたい)に配置された照明光学アセンブリ11の照明瞳29の典型的な初期照明を示している。この図は、照明事前定義ファセット25上の実際の照明強度を低減するための照明最適化の前の瞳29にわたる照明光3の生の強度分布を示している。瞳29は、物体視野座標軸x、yに割り当てられた瞳座標軸σ
x、σ
yによって張られる。
【0069】
図6は、照明極31、32を有するy二重極照明設定を示している。瞳29の充填度は、2つの照明極31、32の区域から構成される瞳29の合計区域の比率によって与えられる。この場合に、それぞれの照明極31、32の縁部33によって境界が定められる区域が、それぞれの照明極31、32の区域として使用される。照明極31、32の各々は、瞳29の中心σ
x座標の領域内に最大σ
y広がりΣ
yを有する両凸レンズ形断面を有する。この最大広がりΣ
yの領域内では、σ
y座標軸に沿って互いに横並びに配置された約5つの瞳ロッド34が物体視野照明に寄与する。
【0070】
図6は、照明極31、32の範囲の走査積分照明強度を示している。ここで、物体視野8を通してy方向に進行する走査中のレチクル12上の特定の点上に入射する照明強度に着目する。y方向を走査方向又は物体変位方向とも表示する。この走査積分照明強度は、瞳29内で瞳座標軸σ
xよりも瞳座標軸σ
yに大きい広がりを有する瞳ロッド34の形態にある瞳部分構造又は部分瞳の間で配分される。瞳座標軸σ
yにおける瞳ロッド34の広がりは、照明事前定義ファセットミラー7と瞳平面の間の距離、すなわち、照明事前定義ファセットミラー7と投影光学アセンブリ10の入射瞳の間の距離に依存する。
【0071】
正確に1つの視野高さの方向、すなわち、物体視野8の正確にx座標の方向から見た場合に、瞳ロッド34の間では、照明光3は瞳29上に入射しない。
図6には、この瞳29に関してx座標が固定された状態で物体視野をy方向に通じて走査される物体視野点に入射する走査積分照明強度を示している。走査直交方向xに沿う物体視野点、従って、y座標が固定された状態で物体視野8内でx方向に沿って互いに横並びに位置する物体視野点に関しては、瞳座標軸σ
xにおける瞳ロッド34の移動がもたらされる。y座標が固定された状態における物体視野8におけるx方向に沿う仮定上の移動中の瞳29に着目すると、この場合に、第1に物体視野8におけるx移動速度、第2に照明事前定義ファセットミラー7と瞳平面の間の距離に依存する移動速度を有する瞳ロッド34のσ
x移動がもたらされる。この場合に、瞳ロッド34のそのような「σ
x移動」が発生しない配置を見つけることができる。
【0072】
瞳ロッド34の各々は、正確に1つの伝達ファセット群28及び正確に1つの照明事前定義ファセット25が属する厳密に1つの照明光照明チャネルを通じて照明される。瞳29内の瞳ロッド34のσ
x/σ
y格子配置は、照明事前定義ファセットミラー7上の照明事前定義ファセット25のx/y格子配置に対応する。
【0073】
図6に記載の瞳29の照明の場合に、照明極31、32の縁部33の近くの瞳ロッド34を除き、σ
y座標の方向にある全ての瞳ロッド34は同じ長さのものである。
【0074】
図7は、瞳ロッド34のうちの厳密に1つのものの照明チャネルを通じて照明される部分視野35を略示している。部分視野35は、x
F1のx広がり及びy
F1のy広がりを有する。x
F1<x
0及びy
F1=y
0が成り立つ。従って、x広がりでは、部分視野35は、物体視野8よりも小さい広がりを有する。部分視野35の走査方向yの広がりは、物体視野8の広がりに対応する。これに代えて、x
F1=x
0が成り立つことも可能である。
【0075】
図7では、物体視野8を一点鎖線形式に示している。物体視野8内の部分視野35の境界を破線形式で例示している。
【0076】
縁部33の近くにある瞳ロッド34は、他の瞳ロッド34よりも小さいσ
y広がりを有し、少なくとも照明部分視野の一部のセクションに関して物体視野8のy広がりy
0よりも小さいy広がりを有する部分視野を物体視野8内で照明する照明チャネルに属する。
【0077】
図8は、
図6に記載の照明から進んで照明事前定義ファセット25上の実際の照明強度を低減するように最適化された照明極31及び32の照明を示している。
図8に記載の照明の場合に、瞳29内の照明極31の区域は、
図6に記載の照明の場合よりも大きい。
図8に記載の照明瞳29の場合に、Σ
y’>Σ
yが成り立つ。
【0078】
図8に記載の最適化された瞳29の場合の最大広がりΣ
y’の領域内では、物体視野8の照明に寄与する照明チャネルの本数は、
図6に記載の初期瞳29の最大広がりΣ
yの領域内のものよりも大きい。
【0079】
最大広がりΣ
y’の領域内では、σ
y方向に互いに横並びに配置された5つよりも多い瞳ロッド34が物体視野照明に寄与する。
【0080】
図8に記載の瞳29の場合の個々の瞳ロッド34のσ
y広がりは、
図6に記載の瞳29の場合のものよりも小さい。最大σ
y広がりを有する
図8に記載の瞳29の瞳ロッド34に属する照明チャネルは、
図9に典型的な例が示される物体視野照明に部分視野によって寄与する。
【0081】
図9に示す部分視野36は、x座標軸にx
F2の広がりを有し、y方向にy
F2の広がりを有する。x
F2<x
0及びy
F2<y
0が成り立つ。従って、両方の座標軸xとyとにおいて、部分視野36は物体視野8よりも小さい。これに代えてx
F2=x
0が成り立つ。
図8に記載の瞳を生成する部分視野のy広がりは、全ての部分視野に関して
図6に関する部分視野と比較して同じ倍数で縮小される。
【0082】
従って、照明極31内の照明光は、より多くの短めの瞳ロッド34の間、従って、走査方向yに物体視野8の小さめの部分視野36を照明するより多くの照明チャネルの間で配分される。瞳充填度は、
図6に記載の瞳29の場合よりも
図8に記載の瞳29の場合に大きい。
【0083】
図9に記載の照明は、各場合に完全な伝達ファセット群28が属する複数又は全ての照明チャネルに対して、照明部分視野の広がりy
F2と物体視野8の全体広がりy
0の間の個々の比y
F2/y
0が、照明部分視野の広がりy
F2と物体視野8の全体広がりy
0の間の全ての照明チャネルに関して平均された平均比である(y
F2/y
0)平均値から20%よりも小さくしか外れないことが真であるように選択することができる。この偏差は、15%よりも小さく、10%よりも小さく、5%よりも小さく、又は更により小さいとすることができる。
【0084】
図10は、瞳29の照明の更に別の変形を示している。この照明の場合にも、照明極31、32は、
図8に記載の照明瞳29の場合と同じくσ
y座標軸にΣ
y’の最大広がりを有する。厳密に1つの|σ
y|値の場合にσ
x方向に互いに横並びに整列する方式で配置された瞳ロッド又は部分瞳領域34は、等しいσ
y広がりを有する。厳密に1つのσ
x座標軸の場合にσ
y座標軸に沿って互いに横並びに位置する瞳ロッド34は、異なるσ
y広がりを有する。異なるσ
y広がりは、σ
y座標にそれぞれ固定的に割り当てられる。照明極31、32が最大σ
x広がりΣ
xを有する場合に、瞳ロッド34
1は最小σ
y広がりを有する。最大極広がりΣ
xを有する照明極31、32のσ
y座標に対して増大する距離に伴って、瞳ロッド34のσ
y広がりは、これらの瞳ロッド34が依然として完全に照明極31、32の範囲に位置する限り増大する。
【0085】
σ
y座標内で瞳ロッド34
1に隣接する瞳ロッド34
2は、σ
x広がりにおいて瞳ロッド34
1よりも幾分大きい広がりを有する。更に、隣接する瞳ロッド34
3は、最大σ
y広がりを有する。従って、瞳ロッド34は、照明極31、32におけるその配置のσ
y座標に基づいて、異なるy広がりを有する部分視野によって物体視野照明に寄与する。照明極31、32の最大σ
x広がりΣ
xの領域内にある瞳ロッド34
1は、物体視野8の走査方向yの全体広がりy
0と比較して小さめの広がりを有する物体視野8の一部を照明する。それによって照明チャネル毎の照明光強度を低減することが可能になる。
【0086】
照明極31、32は、その照明強度に関して異なる様々な瞳領域に再分割することができる。
図10にはこの再分割を照明極31に関して例示している。照明極31の中心σ
y値の領域内には、第1の低い照明強度を有する第1の照明瞳領域29aが存在する。その縁部では、すなわち、大きいσ
y値の場合及び小さいσ
y値の場合に、照明極31内で各場合に中心瞳領域29a内の照明強度よりも高い照明強度を有する更に別の瞳領域29b、29cが存在する。一方で中心瞳領域29a内の照明強度と、他方で2つの縁部瞳領域29b、29c内の照明強度とは少なくとも20%だけ異なる。
【0087】
図10に記載の照明チャネルの割り当ては、例えば、瞳領域29a、29b、及び29cを照明し、従って、物体変位方向と垂直に同じσ
y座標の場所に置かれた仮想伝達ファセット群28が、物体変位方向yに同じ広がりを有する部分視野(部分視野35、36を参照されたい)を照明するように設計されるようなものである。
【0088】
図11及び
図12は、照明事前定義ファセットミラー7が照明光学アセンブリ11の瞳平面に配置され、すなわち、瞳ファセットミラーを構成する照明光学アセンブリ11の実施形態に関する照明瞳37を
図8及び
図6と同等の方式に示している。
図11及び
図12に記載の照明瞳37の照明は、直接的に照明事前定義ファセットミラー7上の照明強度分布としてもたらされる。
【0089】
図11は、高めの瞳充填度を有するy二重極照明設定を示し、
図12は、それと比較して低めの瞳充填度を有するy二重極照明設定を示している。
図11に記載の照明瞳37の場合の最大σ
y広がりの領域内には、合計で5つの照明事前定義ファセット25
jが物体視野照明に寄与する。
図12に記載の照明瞳37の場合に、これらのファセットは少なく、すなわち、4つの照明事前定義ファセット25
jである。従って、
図11に記載の照明瞳37の場合に、全体的に多めの照明チャネルが物体視野照明に寄与し、従って、個々の照明事前定義ファセット25上の照明強度は、
図12に記載の照明設定と比較して低減される。
【0090】
下記では、
図6から
図10までと比較して幾分詳細な
図13から
図17を参照して、瞳平面から離れた照明事前定義ファセットミラー7の配置を有する照明光学アセンブリ11の変形を用いた照明瞳内の強度再分配の更なる詳細の説明を提供する。この説明を
図14及び
図15に示す照明瞳29内の照明極31に基づいて実施する。
【0091】
図14に記載の照明瞳29の場合に、照明極31の最大σ
y広がりΣ
yの領域内でσ
x列に配置された6つの瞳ロッド34が物体視野照明に寄与する。
図15に記載の照明瞳29の場合の最大σ
y極広がりΣ
y’の領域内では、σ
x列に配置された合計で7つの瞳ロッド34が物体視野照明に寄与する。
【0092】
図13は、伝達ファセット21の像による矩形物体視野8の照明からの抜粋図を略示している。この図は、厳密に1つの照明チャネルを通じた物体視野8のこの照明を物体視野8上に結像される伝達ファセット群28に則した照明の構造化と、個々の伝達ファセット21への再分割とを識別することができるように示している。
図13は、
図14に記載の照明極31の中心瞳ロッド34
z、及び
図15に記載の照明極31内で最大σ
y広がりを有する瞳ロッド34に属する照明チャネルを通じた物体視野照明を示している。
図13に記載のこの物体視野照明のy広がりは、物体視野8のy広がりy
0に対応する。視野高さ、すなわち、物体視野8のx座標に関しては、この完全物体視野照明は、互い上下に位置する伝達ファセット21の厳密に7つの像21’を含む。関連の瞳ロッド34
zが最大x広がりを有する伝達ファセット群28によって照明される限り、この瞳ロッド34も、物体視野8のx座標軸全体の照明に寄与する。
【0093】
図14に記載の瞳ロッド34の分布は、
図6に関して上記で記述したものに対応する。
図14に記載の照明極29の場合の瞳充填度は、最低達成可能瞳充填度である。全ての瞳ロッド34は、σ
y座標に沿って自らの最大長を有する。従って、関連の照明チャネルが、物体視野8の全体広がりy
0に対応するy広がりを有する部分視野を照明する。
【0094】
図15に記載の照明瞳29の照明は、
図10を参照して上記で非常に概略的に記述したものに対応する。最大σ
x広がりΣ
xの領域に配置された瞳ロッド34、すなわち、瞳ロッド34
1は、物体視野8内で部分視野36を照明する照明チャネルに属し、これに関して一例示的部分視野36を
図16に例示している。ある視野高さ、すなわち、物体視野8のx座標において、そのような部分視野は、伝達ファセット21の互い上下に位置する厳密に3つの像を含む。
図13に記載の照明と比較すると、そのような部分視野は、y方向に沿って利用可能な走査長の3/7を照明する。この走査長の短縮は、照明チャネルに関する照明事前定義ファセット25上の熱負荷の低減に対応する。
【0095】
図17は、それぞれの部分視野35及び36のy広がりへの照明事前定義ファセットミラー7の照明事前定義ファセット25の割り当てを示している。それぞれの照明事前定義ファセットの強度負荷を当該照明事前定義ファセット上のそれぞれの点の直径で象徴している。部分視野35、36は、1つの同じσ
y座標を有する瞳ロッド34の等しいσ
y広がりにも関わらず、x座標軸においても異なるので、同じy座標に配置された照明事前定義ファセット25の照明強度の変化がもたらされる。y方向に低減された照明(部分視野36)に起因して、x方向に物体視野を最大に照明する照明事前定義ファセット25
z上の最大強度負荷が実質的に低減される。
【0096】
図18及び
図19は、
図17と同様に、照明瞳29内のy二重極照明の場合に瞳平面から距離を置いて配置された照明事前定義ファセットミラー7に属する使用照明事前定義ファセット25の強度負荷を示している。
【0097】
この場合に、
図18は部分視野照明によるy方向の照明の低減による熱負荷の低減の前の照明事前定義ファセット25の強度負荷を含む照明を示し、
図19は、照明事前定義ファセット25上の熱負荷の低減の場合の状況を示している。
図18と
図19の間の比較では、照明事前定義ファセット25上の照明強度に起因する最大熱負荷が、約2倍だけ低減されている。瞳充填度は、
図18と比較して
図19では拡大されている。得られるy照明極は、最低利用可能瞳充填度と比較して面積に関して拡大される。照明事前定義ファセットミラー7の中心照明事前定義ファセット25
z上における最大強度負荷も同じく低減される。
【0098】
図20は、環状照明設定の場合に、従って、物体視野8の物体視野点が、第1の限界照明角度よりも大きくなく、第2のより大きい限界照明角度を下回って存在する全ての可能な照明方向から照明される場合の照明事前定義ファセット25の強度負荷を
図18及び
図19と類似の図に示している。この場合にも、可能な最低の瞳充填度よりも高い瞳充填度の選択に起因して、最高負荷が印加された照明事前定義ファセット25
IMAXの熱負荷の低減さえももたらされる。
【0099】
図21は、特に
図2に関して上記で記述したものに対応する物体視野8のテレセントリックy二重極照明の場合の照明事前定義ファセット25の強度負荷を
図18から
図20までと類似の図に示している。この場合にも、可能な最高の瞳充填度よりも低い瞳充填度の選択により、最高負荷が印加された中心照明事前定義ファセット25
zの熱負荷の低減さえももたらされる。
【0100】
図22は、特定の強度の入射を受ける伝達ファセット21の個数N
ESPの頻度分布を示している。最高強度Iは、最低強度Aから3倍よりも大きく異なる可能性がある。この頻度分布は、高い強度に向けて降下する曲線を示している。これは、絶対項で最大個数の伝達ファセット21が絶対項で最低強度の入射を受け、高い強度に向けて当該強度の入射を受ける伝達ファセット21の絶対個数がほぼ単調に降下することを意味する。一例として、最高強度の入射を受ける伝達ファセット21の個数は、最低強度の入射を受ける伝達ファセット21の五分の一とすることができる。
【0101】
図23は、例えば照明事前定義ファセット25上の強度分布を
図19と類似の図に示しており、この場合に、
図22に記載の強度変化を特に中心照明事前定義ファセット25
z上の最大強度がより一層低減されるように用いている。
図19で照明事前定義ファセット25
z上の最大強度入射が発生する場所に、それぞれの照明チャネルを通じて割り当てられ、比較的低い強度を有する光源2による入射を受ける伝達ファセット21を選択している。
【0102】
割り当て伝達ファセット群28上の強度分布への照明事前定義ファセット25の割り当ては、低めの強度で照明される伝達ファセット群28が、割り当て照明事前定義ファセット25を通して物体視野8を完全に照明するようなものとすることができる。従って、伝達ファセット群28上の強度を考慮することで、物体視野全体が1つの同じ照明事前定義ファセット25を通して照明され、その際、この照明事前定義ファセット25上で限界照明強度が
超過されることのない照明チャネル割り当てが可能である。そのような場合に、照明事前定義ファセット25のうちの全部ではないが複数が物体視野8の部分視野を照明するだけで十分であるとすることができる。しかし、原理的には、実際に照明事前定義ファセット25の全てが、そのそれぞれの最大部分視野を照明することも可能である。この場合、特に望ましい最低瞳充填度を維持することができる。
【0103】
図24は、物体視野8にわたる走査積分照明強度のx依存性を強度曲線38の形態に示している。最適化なしの強度曲線39と比較すると、例えば、
図23に記載の強度分布の場合にもたらすことができることは、走査積分強度分布が物体視野8のx座標にわたって事実上依存性を持たないことである。
【0104】
図25は、
図23に記載の照明事前定義ファセット25上の強度分布によって得られる照明瞳29を示している。y二重極照明設定がもたらされる。
図25は、x積分とy走査積分の両方の瞳を示している。
【0105】
図26は、最大σ
y方向Σ
yの領域内で
図25に記載の瞳29の照明極31を通る断面図を示している。結果は、瞳座標σ
yに依存するほぼ放物状の強度分布39である。照明極31のσ
xが最大値Σ
xを有する場所で強度は最低である。
図10及び
図15の場合のようにほぼ等しいσ
yを有する全ての照明チャネルに対する走査長又はロッド長を均等に短縮する代わりに、この場合は同じσ
y領域を照明する照明事前定義ファセット25が、ほぼ等しい強度密度を有する伝達ファセット群28によって照明される。両方の手法は、瞳内の系統的視野場所非依存の強度プロファイルの|σ
y|の関数としての生成によって熱負荷の低減に至る。必要に応じて、両方の手法の組合せによって熱負荷を更に低減することができる。更に、これら2つの手法は、
図8に関して上記で記述した広域走査長の短縮と組み合わせることができる。
【0106】
記述したこれらの手法のうちの2つの組合せは、照明チャネルの部分視野の走査長を当該照明チャネルの関連伝達ファセット群の強度に反比例して短縮することにある。それによって熱負荷スパイクが低減し、同時に瞳照明が均一化される。照明事前定義ファセットミラー7が瞳平面から距離を置いて配置される実施形態の場合に、瞳内の照明強度分布は、走査方向yに沿って低めの強度で照明される長めの瞳ロッドを有し、それと比較して走査方向yには高めの強度で照明される短めの瞳ロッドを有する。照明事前定義ファセット上の個々のロッド形状部分瞳の積分強度、従って、熱負荷は、この組合せの場合はほぼ一定として予め定めることができる。
【0107】
これに代えて、照明事前定義ファセットミラー7が瞳平面に置かれる場合に、そこでの結果は、等しい輝度の部分瞳の規則的配置及び照明事前定義ファセット25に対する一定の熱負荷である。
【0108】
図27は、
図23に記載の照明事前定義ファセット25上の強度分布を示している。
図23とは対照的に、
図27は、照明光が入射しない照明事前定義ファセットミラー7の他の照明事前定義ファセット25も示している。
【0109】
瞳29内の上記で記述した照明強度分布を決定するために、すなわち、予め定められた照明強度で照明される瞳領域を識別するために、以下の更に別の手順を採用することができる。
【0110】
最初に、物体視野8を照明するのに望ましい照明角度分布、すなわち、初期照明設定とも表示する瞳29にわたる生の強度分布が予め定められる。その後に、初期照明設定を形成する照明される瞳領域が識別される。y二重極設定の場合に、これらの瞳領域は照明極31、32であり、広がりΣ
x、Σ
yは、まだ定めなくてもよい。その後に、識別された瞳領域31、32を照明するための照明光学アセンブリ11のファセット21、25、特に照明事前定義ファセットミラー7の照明事前定義ファセット25の実際の照明強度が確立される。この実照明強度は、ファセット21、25上の予め定められた最大設定値照明強度と比較される。その後に、例えば、瞳充填度の拡大により、それぞれの瞳領域29a、29b、29c内の強度の変動により、又は伝達ファセット21上の照明強度を考慮する照明事前定義ファセット25への伝達ファセット21の割り当ての再分配により、ファセット21、25上、特に照明事前定義ファセット25上で設定値照明強度よりも高い実照明強度の低減が引き起こされる。
【0111】
投影露光装置1を用いて微細構造化構成要素、特に高集積半導体構成要素、例えば、メモリチップを生成するために、最初にレチクル12及びウェーハ19が与えられる。その後に、投影露光装置1の投影光学アセンブリを用いてレチクル12上の構造がウェーハ19上の感光層の上に投影される。次いで、感光層の現像により、ウェーハ19上に微細構造が生成され、そこから微細又はナノ構造化構成要素が生成される。