【実施例】
【0081】
実験編
I.化学
本明細書で使用する場合、用語「aq.」は「水溶液」を意味し、「BEH」架橋エチルシロキサン/シリカハイブリッド、「Boc」/「BOC」はtert−ブトキシカルボニルを意味し、「tBuOH」はtert−ブタノールを意味し、「DAD」ダイオードアレイ検出器、「DCE」は1,2−ジクロロエタンを意味し、「DCM」はジクロロメタンを意味し、「DIPE」はジイソプロピルエーテルを意味し、「DME」はジメチルオキシエタンを意味し、「DMF」はN,N−ジメチルホルムアミドを意味し、「DMSO」はジメチルスルホキシドを意味し、「DSC」は示差走査熱量測定を意味し、「Et
3N/TEA」はトリエチルアミンを意味し、「EtOH」はエタノールを意味し、「EtOAc」は酢酸エチルを意味し、「h」は時間を意味し、「HATU」は3−オキシドヘキサフルオロリン酸1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジニウムを意味し、「HPLC」は高速液体クロマトグラフィーを意味し、「LCMS」は液体クロマトグラフィー/質量分析を意味し、「IPA」はイソプロピルアルコールを意味し、「LCT」はLC−飛行時間型を意味し、「MeOH」はメタノールを意味し、「[M+H]
+」は化合物の遊離塩基のプロトン化された質量を意味し、「[M−H]
−」は化合物の遊離塩基の脱プロトン化された質量を意味し、「min」は分を意味し、「m.p.」は融点を意味し、「MSD」質量選択検出器、「MTBE」はメチルtert−ブチルエーテルを意味し、「mw/MW」はマイクロ波を意味し、「QTOF」は四重極−飛行時間型を意味し、「quant.」は定量的を意味し、「r.m.」は反応混合物を意味し、「RP」は逆相を意味し、「r.t./RT」は室温を意味し、「R
t」は保持時間(分)を意味し、「sat.」は飽和を意味し、「sol.」は溶液を意味し、「SQD」はシングル四重極検出器を意味し、「THF」はテトラヒドロフランを意味し、「UV」は紫外線を意味する。
【0082】
マイクロ波補助反応は、単一モード反応器:Biotage Initiator(商標)Sixtyマイクロ波反応器(Biotage)で、またはマルチモード型反応器:MicroSYNTH Labstation(Milestone,Inc.)で実施した。
【0083】
圧力下での反応は、Q−Labtech LLCの圧力管(Q−Tube(商標))で実施した。
【0084】
薄層クロマトグラフィー(TLC)は、試薬等級溶媒を使用して、シリカゲル60 F254プレート(Merck)で実施した。オープンカラムクロマトグラフィーは、標準の技術下で、シリカゲル、メッシュ230〜400粒度、および60Å孔径(Merck)上で実施した。自動フラッシュカラムクロマトグラフィーは、Armen InstrumentのSPOTまたはLAFLASHシステム上で、不定形シリカゲル(粒径15〜40μm)(順相使い捨てフラッシュカラム)で、Merckの直ぐに接続できるカートリッジを使用して実施した。
【0085】
核磁気共鳴(NMR):いくつかの化合物では、それぞれ400MHzおよび500MHzで動作する、標準パルス系列を用いるBruker Avance III、Bruker DPX−400、またはBruker AV−500分光計で、
1H NMRスペクトルを記録した。化学シフト(δ)を、内部標準として使用したテトラメチルシラン(TMS)より低磁場側の百万分率(ppm)で報告する。
【0086】
本発明の化合物を調製するためのいくつかの方法を、本発明の範囲の限定ではなく例示が目的である以下の実施例に例示する。他に注記のない限り、すべての出発材料は、供給業者から得られ、さらなる精製を行わずに使用される。
【0087】
A.中間体の合成
中間体1(I−1)
【化40】
1−H−ピラゾール−3−カルボン酸(1.93g、17.22mmol)のEtOH(20mL)溶液に、硫酸(10mL、187.6mmol)を添加した。混合物を90℃で15時間攪拌した。次いで、これを、rtまで冷却させ、溶媒を真空中で蒸発させた。残渣を水に注ぎ、溶液をK
2CO
3で塩基性化し、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、溶媒を真空中で蒸発させて、白色固体として中間化合物I−1をもたらし(2.28g、93%純度、94%)、これを、さらなる精製を行わずに次のステップで使用した。
【0088】
中間体2(I−2)
【化41】
中間体I−1(100g、0.68mol)、N−ヨードスクシンイミド(213.5g、0.95mol)を、DCM(2L)に溶解した。混合物をrtで24時間攪拌した。混合物を、Na
2S
2O
3の飽和溶液およびNa
2CO
3の飽和溶液で処理し、DCMで抽出した。有機層を分離し、乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、溶媒を真空中で蒸発させて、白色固体として中間化合物I−2をもたらした(160g、85%)。
【0089】
中間体3(I−3)
【化42】
二炭酸ジ−tert−ブチル(58.1g、266.3mmol)のDCM(50mL)溶液を、窒素下で0℃で、(R)−(−)−1−アミノ−2−プロパノールをDCM(50mL)に入れた攪拌溶液に添加した。混合物をrtで2時間攪拌した。混合物を冷却水で希釈し、DCMで抽出した。有機層を分離し、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、溶媒を真空中で蒸発させて、無色のオイルとして中間体I−3をもたらした(47g、定量的)。この生成物を、さらなる精製を行わずに次のステップで使用した。
【0090】
中間体4(I−4)
【化43】
アゾジカルボン酸ジ−tert−ブチル(4.67g、20.3mmol)を、窒素下で、中間体I−2(3g、11.28mmol)、中間体I−3(4.44g、22.55mmol)、およびトリフェニルホスフィン(5.32g、20.3mmol)をTHF(56mL)に入れた攪拌溶液に添加した。混合物を、rtで5時間攪拌した。溶媒を、真空中で蒸発させ、未精製生成物をDIPEで粉末化した。固体を濾過し、濾液を真空中で蒸発させた。この未精製生成物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ;EtOAc/ヘプタン 0/100から30/70)によって精製した。所望の分画を収集し、溶媒を真空中で蒸発させて、無色のオイルとして中間化合物I−4を与えた(4.9g、91%純度、93%)。
【0091】
中間体5(I−5)
【化44】
中間化合物I−5を、中間体I−4について記載したのと同様の手法に従って合成した。中間体I−1(25.82g、184.25mmol)および中間体I−3(47.16g、239.5mmol)から出発して、中間化合物I−5が、黄色のオイルとして得られ(123g、定量的)、これを、さらなる精製を行わずに次のステップで使用した。
【0092】
中間体6(I−6)
【化45】
HClの4M溶液(1,4−ジオキサン(10mL、40mmol)中)を、中間体I−4(4.2g、9.63mmol)をアセトニトリル(20mL)に入れた溶液に添加した。混合物を80℃で2時間攪拌した。溶媒を真空中で蒸発させて中間化合物I−6をもたらした(3.5g、97%)。
【0093】
中間体7(I−7)
【化46】
中間化合物I−7を、中間体I−6について記載したのと同様の手法に従って合成した。中間体I−5(54.79g、184.25mmol)、およびHClの4M溶液(1,4−ジオキサン(415mL、1.66mol)中)から出発して、中間化合物I−7が、白色固体として得られ(32.5g、82%純度、75%)、これを、さらなる精製を行わずに次のステップで使用した。
【0094】
中間体8(I−8)
【化47】
HCl塩としての中間体I−6(180g、350.4mmol)を、NaHCO
3の飽和溶液(2L)に溶解した。混合物を、rtで12時間攪拌した。混合物を、水で希釈し、DCMで抽出した。有機層を分離し、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、溶媒を真空中で蒸発させた。次いで、残渣をtert−ブチルメチルエーテルで洗浄して、中間化合物I−8をもたらした(92g、90%)、mp 182.6〜186.1℃。
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6)δ ppm 1.42(d,J=6.65Hz,3H)3.26−3.35(m,1H)3.57−3.71(m,1H)4.44−4.60(m,1H)7.68(s,1H)8.26(br.s.,1H).C
7H
8IN
3O(M+H)
+に対するLC−HRMS(ESI+)計算値:277.9790,実測値:m/z277.9796(+0.6mDa),Rt=0.76min(方法13,表2参照).[α]=+11.7°(589nm,c 1.00w/v%,CH
3OH,25℃).
【0095】
中間体8a(I−8a)
【化48】
中間体8aは、大規模で実施される、合成の次の一般的説明に従って、71%の収率で調製した:4−ブロモ−1H−ピラゾール−5−カルボン酸メチル(本明細書では「ピラゾールSM」と称される)(1当量)、トリフェニルホスフィン(1.2当量)、I−3(1.2当量)、および無水THF(15mL/g(ピラゾールSM))の混合物を、窒素下で、5〜10℃に冷却した。アゾジカルボン酸ジ−tert−ブチル(1.2当量)を、窒素下で5〜15℃で何度かに分けて添加した。溶液を20〜30℃に加熱し、20〜30℃で2〜3時間攪拌した。得られた溶液を濃縮し、酢酸イソプロピルと共に同時蒸発させて、THFを除去し、未精製の4−ブロモ−1−[(1S)−1−[[(1,1−ジメチルエトキシ)カルボニル]アミノ]エチル]−1H−ピラゾール−5−カルボン酸メチルエステルI−4aの酢酸イソプロピル(20mL/g(ピラゾールSM))溶液をもたらした。I−4aの溶液に、Boc保護基の切断が完了するまで15〜30℃でHClガスを通気した。この懸濁液に窒素ガスを通気して、HClガスの大部分を除去した。懸濁液を、50℃未満で、約5mL/g(ピラゾールSM)の体積に濃縮し、次いで、残渣に酢酸イソプロピル(15mL/g(ピラゾールSM))を添加した。水(10mL/g(ピラゾールSM))を10〜20℃で添加した。混合物を10〜20℃で20〜30分間攪拌した。混合物を濾過し、水性層を分離した。有機層を水(2mL/g(ピラゾールSM))で抽出した。合わせた水性層を酢酸イソプロピル(2×10mL/g(ピラゾールSM))で洗浄して、残留したトリフェニルホスフィンオキシドを除去した。I−6aが、水溶液(6.25mL/g(ピラゾールSM))として得られた。I−6aの水溶液に、炭酸カリウム(約1g/g(ピラゾールSM))を添加して、10〜25℃でpH=8〜9に調整した。混合物を10〜25℃で5〜6時間攪拌し、固体I−8aが沈殿した。懸濁液を5〜10℃に冷却し、5〜10℃で2〜3時間攪拌し、次いで、これを濾過し、水(1mL/g(ピラゾールSM))、およびヘプタン(1mL/g(ピラゾールSM))で洗浄し、次いで、40〜45℃で真空中で乾燥させて、白色固体としてI−8aをもたらした、mp.196.12℃。
1H NMR(500MHz,CDCl
3)δ ppm 1.61(d,J=6.36Hz,3H)3.48(ddd,J=12.72,7.22,2.60Hz,1H)3.75−3.84(m,1H)4.49−4.59(m,1H)6.54(br.s.,1H)7.56(s,1H).C
7H
8BrN
3O(M+H)
+に対するLC−HRMS(ESI+)計算値:229.9929,実測値:m/z229.9931(+0.2mDa),Rt=0.62min(方法13,表2参照).[α]=+25.2°(589nm,c 0.53w/v%,DMF,20℃).
【0096】
中間体9(I−9)
【化49】
中間化合物I−9を、中間体I−8について記載したのと同様の手法に従って合成した。中間体I−7(32.5g、139.1mmol)から出発して、中間化合物I−9が、固体として得られた(14.8g、70%)。
【0097】
中間体10(I−10)
【化50】
Pd(PPh
3)
4(0.33g、0.29mmol)を、窒素下で、封管内で、中間体I−8(1.6g、5.77mmol)および2−ピコリン−4−ボロン酸(0.95g、6.93mmol)を1,4−ジオキサン(8mL)およびNaHCO
3の飽和溶液(4mL)に入れた攪拌懸濁液に添加した。混合物を100℃で16時間攪拌した。次いで、混合物をH
2Oで希釈し、DCMで抽出した。有機層を分離し、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、溶媒を真空中で蒸発させた。この未精製生成物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ;MeOH/DCM 0/100から6/94)によって精製した。所望の分画を収集し、溶媒を真空中で蒸発させて、白色固体として中間化合物I−10をもたらした(1g、71%)、mp 173.20℃。
1H NMR(500MHz,CDCl
3)δ ppm 1.67(d,J=6.65Hz,3H)2.60(s,3H)3.52(ddd,J=12.79,7.15,2.89Hz,1H)3.84(dt,J=12.72,4.00Hz,1H)4.57−4.66(m,1H)6.10(br.s.,1H)7.51(dd,J=5.20,1.44Hz,1H)7.55(s,1H)7.78(s,1H)8.50(d,J=5.20Hz,1H).C
13H
14IN
4O(M+H)
+に対するLC−HRMS(ESI+)計算値:243.1246,実測値:m/z243.1250(+0.4mDa),Rt=0.82min(方法13,表2参照).[α]=+32.8°(589nm,c 0.52w/v%,DMF,20℃).
【0098】
あるいは、中間体I−10は、大規模で実施される、合成の次の一般的説明に従って、70%の収率で調製した:
I−8a(1当量)、2−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−ピリジン(1.1当量)、無水リン酸カリウム(2当量)、DME(7.5mL/g(I−13a))、および精製水(2.5mL/g(I−13a))の混合物を、排気し、窒素を3回再充填した。トリフェニルホスフィン(0.261当量)および酢酸パラジウム(II)(0.131当量)を、窒素下で一度に添加した。混合物を排気し、窒素を再び3回再充填し、これを75〜80℃に加熱し、窒素下で75〜80℃で12〜15時間攪拌した。水性層を60〜70℃で分離して捨て、次いで、有機層に水(8mL/g(I−13a))を添加した。40℃未満での濃縮によってDMEを除去した。酢酸イソプロピル(15mL/g(I−13a))を添加し、混合物のpHを、濃HClで1〜2に調整した。混合物を濾過し、濾過ケークを水(1mL/g(I−13a))で洗浄し、水性層を分離し、有機層を水(2mL/g(I−13a))で抽出した。合わせた水性層を酢酸イソプロピル(2×15mL/g(I−13a))で洗浄した。水性層を濃縮して、残留したDMEおよび酢酸イソプロピルを除去した。MTBE(2mL/g(I−13a))を添加し、混合物を0〜5℃に冷却し、0〜5℃で2〜3時間攪拌した。I−10を濾過し、冷却水(1mL/g(I−13a))で洗浄し、45〜50℃で真空中で乾燥させて、オフホワイトの固体としてI−10をもたらした。
【0099】
中間体11(I−11)
【化51】
中間体I−9(5g、33.01mmol)、ヨウ化銅(I)(3.78g、19.85mmol)、およびK
2CO
3(9.14g、66.15mmol)をトルエン(150mL)に入れた混合物を、数分間窒素フラッシュした。次いで、4−ブロモベンゾトリフルオリド(9.3mL、66.1mmol)およびN,N’−ジメチルエチレン−ジアミン(2.1mL、19.8mmol)を添加した。混合物を、rtで10分間、窒素下で攪拌し、次いで、100℃で16時間攪拌した。次いで、DMF(20mL)を添加し、混合物を100℃で8時間攪拌した。次いで、水、濃アンモニア水、およびDCMを添加した。有機層を分離し、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、溶媒を真空中で蒸発させた。この未精製生成物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ;EtOAc/DCM 0/100から50/50)によって精製した。所望の分画を収集し、溶媒を真空中で蒸発させて、淡黄色のオイルとして中間化合物I−11をもたらした(9.6g、98%)。
【0100】
中間体I−11について記載した手順と類似の手順で、次の中間体を合成した。
【0101】
【表1】
【0102】
中間体15(I−15)
【化52】
中間体I−11(19.2g、65.0mmol)および硝酸アンモニウムセリウム(IV)(24.95g、45.5mmol)をアセトニトリル(350mL)に入れた溶液に、ヨウ素(11.55g、45.5mmol)を添加した。混合物を70℃で1時間攪拌した。次いで、混合物をEtOAcで希釈し、Na
2S
2O
3の飽和溶液およびブラインで洗浄した。有機層を分離し、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、溶媒を真空中で蒸発させた。残渣をDIPEで沈殿させ、次いで、ショートカラムクロマトグラフィー(シリカ、DCM)によって、次いでフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ;DCM/ヘプタン 50/50から100/0)によって精製した。所望の分画を収集し、溶媒を真空中で蒸発させて、固体として中間化合物I−15をもたらした(24.8g、90%)。
【0103】
中間体I−15について記載した手順と類似の手順で、次の中間体を合成した。
【0104】
【表2】
【0105】
中間体19(I−19)
【化53】
中間体I−15(10g、23.7mmol)および2−イソプロポキシ−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(9.7mL、47.5mmol)を無水THF(100mL)に入れた攪拌溶液に、窒素雰囲気中で−25℃で、塩化イソプロピルマグネシウム・塩化リチウム錯体(1.3M溶液、32.9mL、42.7mmol)を、滴下した。混合物を、−25℃で30分間攪拌した。次いで、反応を、10% NH
4Cl水溶液で停止させ、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、溶媒を真空中で蒸発させた。この未精製生成物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ;MeOH/DCM 0/100から3/97)によって精製した。所望の分画を収集し、溶媒を真空中で蒸発させた。この未精製生成物を、DIPEで粉末化し、濾過し、乾燥させて、白色固体として中間化合物I−19をもたらした(6.4g、64%)。カラム精製による溶液と不純な分画とを合わせ、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、EtOAc/ヘプタン 30/70から70/30)によって再精製した。所望の分画を収集し、溶媒を真空中で蒸発させた。生成物を、DIPE/ヘプタンで粉末化し、濾過し、乾燥させて、白色固体として中間化合物I−19をもたらした(1g、10%)。
【0106】
次の中間体を、中間体19について報告したのと類似の合成手順に従うことによって合成した。
【0107】
【表3】
【0108】
中間体20(I−20)の代替合成
【化54】
I−16(250mg、0.592mmol)および2−イソプロポキシ−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(0.242mL、1.185mmol)をTHF(1.5mL)に入れた溶液と、塩化イソプロピルマグネシウム・LiCl錯体(1.3M(THF中)、820.17μL、1.066mmol)をTHF(1mL)に入れた溶液の2種の溶液を、0℃、Rt=1minで、LTFミキサーに送り込んだ(0.5mL/min)。混合物を、4mLの10% NH
4Clによって収集し、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、溶媒を蒸発させて、透明なオイルとしてI−20をもたらした(250mg、定量的)。
【0109】
中間体22(I−22)
【化55】
I−18(1.57g、3.276mmol)および2−イソプロポキシ−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキソボロラン(dioxoborolane)(1.34mL、6.552mmol)をTHF(17.11mL)に入れた溶液と、塩化イソプロピル−マグネシウム−LiCl錯体(1.3M(THF中)、3.78mL、4.914mmol)のTHF(14.88mL)溶液の2種の溶液を、0℃、R
t=1minで、LTFミキサーに送り込んだ(0.5mL/min)。排出口溶液を、NH
4Clの溶液で希釈し、EtOAcで処理した。混合物を、珪藻土を通して濾過し、濾液をEtOAcで抽出した。有機層を分離し、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、溶媒を真空中で蒸発させた。残渣を、DIPE/ヘプタンで粉末化し、濾過し、乾燥させて、白色固体としてI−22をもたらした(1.23g、78.5%)。
【0110】
中間体23(I−23)
【化56】
4−ブロモ−2−(ジメチルアミノ)ピリジン(154.806mg、0.77mmol)のTHF(4.5mL)溶液と、I−20(250mg、0.592mmol)のKOH(4.738mL、1.185mmol)溶液を、Vapourtec R2+R4反応器を使用する、0.5gのSiliacat(登録商標)DPP Pd(500mg)で満たしたX−Terra(登録商標)カラムに送り込んだ(0.5mL空隙容量、0.05mL/毎分、60℃、滞留時間5分)。結果を収集した。混合物を水で希釈し、CH
2Cl
2で抽出した。有機層を分離し、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、溶媒を蒸発させた。残渣を、カラムクロマトグラフィー(シリカ、EtOAc/CH
2Cl
2 0/100から100/0)によって精製した。所望の分画を収集し、溶媒を蒸発させて、透明なオイルとしてI−23(150mg、61%)をもたらした。
【0111】
中間体24(I−24)
【化57】
中間体I−15(700mg、1.66mmol)および2−アミノピリジン−4−ボロン酸(458mg、3.32mmol)を1,4−ジオキサン(10mL)およびNaHCO
3(5mL)の飽和溶液に入れた攪拌懸濁液に、Pd(PPh
3)
4(96mg、0.083mmol)を添加した。混合物を、マイクロ波照射下で、150℃で10分間攪拌した。次いで、混合物をH
2Oで希釈し、DCMで抽出した。有機層を分離し、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、溶媒を真空中で蒸発させた。この未精製生成物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ;MeOH/DCM 0/100から10/90)によって精製した。所望の分画を収集し、溶媒を真空中で蒸発させ、残渣をRP HPLC(RP C18 XBridge(登録商標)30×100mm 5μm)、移動相(グラジエント 67% 0.1% NH
4CO
3H/NH
4OH(pH9)水溶液、33% CH
3CNから、50% 0.1% NH
4CO
3H/NH
4OH(pH9)水溶液、50% CH
3CNまで)によって精製した。最初にMeOHで、次いでアンモニアの7M溶液(MeOH中)で溶出する、ISOLUTE(登録商標)SCX2カートリッジを使用するイオン交換クロマトグラフィーによって残渣を精製した。アンモニアの7M溶液(MeOH中)に含有されていた所望の分画を収集し、溶媒を真空中で蒸発させて、白色固体としてI−24をもたらした(163mg、25%)。
1H NMR(500MHz,CDCl
3)δ ppm 1.74(d,J=6.4Hz,3H)4.01(dd,J=12.6,7.1Hz,1H)4.29(dd,J=12.6,4.2Hz,1H)4.43(br.s.,2H)4.78(quind,J=6.6,4.3Hz,1H)6.94(dd,J=5.5,1.4Hz,1H)6.98(s,1H)7.51(br.d,J=8.4Hz,2H)7.71(br.d,J=8.4Hz,2H)7.79(s,1H)8.06(d,J=4.9Hz,1H).
【0112】
中間体25(I−25)
【化58】
I−17(437.093mg、0.967mmol)、2−アミノピリジン−4−ボロン酸([CAS903513−62−2]、200mg、1.45mmol)、および飽和Na
2CO
3(4.6mL)を1,4−ジオキサン(6.9mL)に入れた攪拌懸濁液に、Pd(PPh
3)
4(55.852mg、0.0483mmol)を添加した。混合物を、マイクロ波照射下で、150℃で10分間攪拌した。次いで、混合物を、H
2Oで希釈し、DCMで抽出した。有機層を、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、溶媒を真空中で蒸発させた。この未精製生成物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ;EtOAc/DCM 0/100から50/50)によって精製した。所望の分画を収集し、真空中で蒸発させ、次いで、DIPEで粉末化し、濾過して、I−25をもたらした(143mg、35%)。
【0113】
次の中間体を、中間体25について報告したのと類似の合成手順に従うことによって合成した。
【0114】
【表4】
【0115】
中間体28(I−28)
【化59】
中間体I−26(320mg、0.786mmol)およびNaI(1.18g、7.866mmol)をCH
3CN(12.8mL)に入れた攪拌懸濁液に、rtで塩化アセチル(84μL、1.18mmol)を添加した。混合物を、MW照射下で、120℃で30分間攪拌した。次いで、混合物を、EtOAcで希釈し、Na
2S
2O
3の飽和溶液およびブラインで洗浄した。有機層を分離し、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、溶媒を真空中で蒸発させた。この未精製生成物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ;EtOAc/ヘプタン 0/100から60/40)によって精製した。所望の分画を収集し、真空中で蒸発させて、I−28をもたらした(289mg、74%)。
1H NMR(400MHz,CDCl
3) δ ppm 1.75(d,J=6.5Hz,3H)4.02(dd,J=12.8,7.3Hz,1H)4.30(dd,J=12.7,4.2Hz,1H)4.80(quind,J=6.7,4.2Hz,1H)7.50(br.d,J=8.3Hz,2H)7.67(dd,J=5.1,1.6Hz,1H)7.72(br.d,J=8.3Hz,2H)7.80(s,1H)8.03−8.05(m,1H)8.32(dd,J=5.2,0.6Hz,1H).
【0116】
B.最終化合物の調製
実施例1 (7S)−7−メチル−3−(2−メチルピリジン−4−イル)−5−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−6,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−4(5H)−オン(Co.No.1)
【化60】
手順A:ヨウ化銅(I)(872mg、4.58mmol)を、封管内でかつ窒素下で、中間体I−10(1.85g、7.64mmol)、4−ブロモベンゾトリフルオリド(2.14mL、15.27mmol)、K
2CO
3(2.11g、15.27mmol)、およびN,N’−ジメチルエチレンジアミン(0.492mL、4.58mmol)をトルエン(70mL)に入れた攪拌懸濁液に添加した。混合物を、100℃で16時間攪拌した。次いで、DMF(10mL)を添加し、混合物を、100℃でさらに8時間攪拌した。混合物を、珪藻土を通して濾過し、EtOAcで洗浄した。有機層を洗浄し、NH
4OH溶液で希釈し、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、溶媒を真空中で蒸発させた。この未精製生成物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ;EtOAc/ヘプタン 20/80から50/50)によって精製した。所望の分画を収集し、溶媒を真空中で蒸発させた。生成物を、ヘプタンで沈殿させ、濾過し、真空中で乾燥させて、白色固体として最終産物の化合物1をもたらした(2.32g、78%)。
1H NMR(500MHz,CDCl
3)δ ppm 1.75(d,J=6.4Hz,3H),2.57(s,3H),4.02(dd,J=12.7,7.2Hz,1H),4.30(dd,J=12.6,4.2Hz,1H),4.75−4.84(m,1H),7.44(d,J=5.2Hz,1H),7.49(d,J=3.8Hz,2H),7.51(s,1H),7.71(d,J=8.4Hz,2H),7.80(s,1H),8.48(d,J=5.2Hz,1H).
【0117】
手順B:ヨウ化銅(I)(94mg、0.495mmol)を、封管内でかつ窒素下で、中間体I−10(200mg、0.825mmol)、4−ブロモベンゾトリフルオリド(0.231mL、1.651mmol)、K
2CO
3(228mg、1.65mmol)、およびN,N’−ジメチルエチレンジアミン(53μL)をトルエン(7.5mL)に入れた攪拌懸濁液に添加した。混合物を、100℃で一晩攪拌した。混合物を、珪藻土のパッドを通して濾過し、DCMで洗浄した。有機層を分離し、乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、溶媒を真空中で蒸発させた。この未精製生成物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、EtOAc/ヘプタン 0/100から70/30)によって精製した。所望の分画を収集し、真空中で濃縮して、ピンクがかった固体として化合物1(283mg、89%)をもたらした。
【0118】
手順C:Pd(PPh
3)
4(384mg、0.332mmol)を、封管内でかつ窒素下で、中間体I−15(2g、4.74mmol)および2−メチルピリジン−4−ボロン酸ピナコールエステル(1.66g、7.60mmol)を1,4−ジオキサン(10mL)およびNa
2CO
3(5mL)の飽和溶液に入れた攪拌懸濁液に添加した。混合物を、100℃で16時間攪拌した。次いで、混合物をH
2Oで希釈し、DCM、および少量のEtOHを含むDCMで抽出した。有機層を乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、溶媒を真空中で蒸発させた。この未精製生成物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ;アンモニアの7M溶液(MeOH中)/DCM 0/100から3/97、次いでEtOAc/ヘプタン 0/100から100/0)によって精製した。所望の分画を収集し、および真空中で蒸発させて、白色固体として化合物1をもたらした(480mg、26%)。(1.31gの出発材料が回収された)。
【0119】
手順D;精製前の収率90%でCo.No.1が単離された、大規模で実施される合成の一般的説明:
I−10(1当量)、炭酸カリウム(2当量)、ヨウ化銅(I)(0.3当量)、4−ブロモベンゾトリフルオリド(1.3当量)、N,N’−ジメチルエチレンジアミン(0.35当量)、DMF(5mL/g(I−18))、およびトルエン(8mL/g(I−18))の混合物を、排気し、窒素を3回再充填した。これを100〜110℃に加熱し、窒素下で100〜110℃で7〜8時間攪拌した。反応溶液を濃縮して、50℃未満でトルエンを除去した。酢酸イソプロピル(15mL/g(I−18))を添加した。混合物を、10〜25℃で、5% NH
4OH水溶液(3×7mL/g(I−18))で、次いで5% N−アセチル−L−システインおよび5% K
2CO
3水溶液(2×7mL/g(I−18))で洗浄した。最後に、これを、5% NaCl水溶液(5mL/g(I−18))で洗浄した。得られた溶液を濃縮し、MTBEと同時蒸発させて、酢酸イソプロピルを除去した。得られた固体を濾過し、45〜50℃で真空中で乾燥させた。オフホワイトの固体としてCo.No.1が得られ、これを、次の通りにさらに精製した:
Co.No.1を、48〜55℃で、IPA(4mL/g(Co.No.1))と水(1mL/g(Co.No.1))の溶媒混合物に溶解した。溶液を濾過し、0〜5℃に冷却した。IPA/水混合物(0.5mL/g(Co.No.1)、4/1 v/v)を使用してすすいだ。水(650μL/g(Co.No.1))を滴下し、Co.No.1でのシーディングを実施した。混合物を0〜5℃で3〜4時間攪拌した。水(14mL/g(Co.No.1))を、0〜5℃で3〜4時間滴下し、ついで、懸濁液を、0〜5℃で5〜6時間攪拌した。湿った生成物を濾過し、水(2mL/g(Co.No.1))ですすぎ、次いで、45〜50℃で16時間、真空中で乾燥させて、白色固体としてCo.No.1をもたらした。
【0120】
化合物1(DSC mp=155.35℃)については、塩酸塩(.HCl)(DSC mp=200℃超で分解);硫酸塩(.H
2SO
4)(DSC mp=200℃超で分解);メタンスルホン酸塩(.CH
3SO
3H)(DSC mp=252℃);およびマレイン酸塩(.HO
2CCH=CHCO
2H−cis)(DSC mp=163℃);(mpはDSC(Mettler Toledo Q2000 MDSC、10℃/minで25から350℃まで加熱)によって決定された)を、下に記載する手順に従って得た:
化合物1(1.5g)を9mLのIPAまたはアセトン(塩酸塩および硫酸塩はアセトン中で産生し;メタンスルホン酸塩およびマレイン酸塩はIPA中で産生した)に入れた溶液を、すべての固体が溶解するまで50℃で攪拌した。この溶液に酸(1.1モル当量)を添加し、反応混合物を、50℃で2時間、さらに攪拌し、次いで、20℃で1時間で冷却し、20℃で30時間、さらに攪拌した。懸濁液を濾過し、固体を真空オーブン内で一晩、50℃で乾燥させた。
【0121】
実施例2 (7S)−7−メチル−3−[2−(メチルアミノ)−4−ピリジル]−5−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−6,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−4−オン(Co.No.2)
【化61】
I−19(1.5g、3.561mmol)および4−ブロモ−N−メチル−ピリジン−2−アミン(799mg、4.273mmol、1.06mmol)をNaHCO
3飽和溶液(8.2mL)および1,4−ジオキサン(8.1mL)に入れた攪拌懸濁液に、Pd(PPh
3)
4(206mg、0.178mmol)を添加した。混合物を、マイクロ波照射下で120℃で10分間攪拌した。混合物を、珪藻土を通して濾過し、DCMで洗浄した。有機層を水で洗浄し、分離し、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、真空中で濃縮した。残渣を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ;EtOAc/ヘプタン 0/100から70/30)によって精製した。所望の分画を、収集し、真空中で濃縮して、Co.No.2をもたらし、これを、RP HPLC(固定相:C18 XBridge(登録商標)30×100mm 5μm)、移動相(グラジエント 67% 0.1% NH
4CO
3H/NH
4OH(pH9)水溶液、33% CH
3CNから、50% 0.1% NH
4CO
3H/NH
4OH(pH9)水溶液、50% CH
3CNまで)によって精製し、白色固体としてCo.No.2(1.14g、80%)をもたらした。Co.No.2を、ヘプタン中で粉末化し、白色固体としてのCo.No.2をもたらした(181mg、13%)。
1H NMR(500MHz,CDCl
3)δ ppm 1.74(d,J=6.4Hz,3H)2.93(d,J=5.2Hz,3H)4.00(dd,J=12.6,7.1Hz,1H)4.29(dd,J=12.7,4.0Hz,1H)4.54(br.d,J=3.2Hz,1H)4.73−4.82(m,1H)6.84(s,1H)6.86(d,J=5.2Hz,1H)7.50(br.d,J=8.4Hz,2H)7.70(br.d,J=8.4Hz,2H)7.79(s,1H)8.09(d,J=5.2Hz,1H).
【0122】
実施例3 (7S)−5−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(2−フルオロ−4−ピリジル)−7−メチル−6,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−4−オン(Co.No.3)
【化62】
I−16(200mg、0.474mmol)および2−フルオロピリジン−4−ボロン酸(1333.547mg、0.948mmol)を1,4−ジオキサン(2.8mL、32.829mmol)および飽和Na
2CO
3(1.4mL)に入れた攪拌懸濁液に、Pd(PPh
3)
4(27.38mg、0.0237mmol)を添加した。混合物を、マイクロ波照射下で、150℃で10分間攪拌した。次いで、混合物をH
2Oで希釈し、DCMで抽出した。有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、溶媒を真空中で蒸発させた。この未精製生成物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ;EtOAc/DCM 0/100から20/80)によって精製した。所望の分画を収集し、真空中で蒸発させて、黄色のオイルとして、Co.No.3をもたらした(135mg、73%)。Co.No.3を、RP HPLC(固定相:C18 XBridge(登録商標)30×100mm 5μm)、移動相(グラジエント 54% 0.1% NH
4CO
3H/NH
4OH(pH9)水溶液、46% CH
3CNから、64% 0.1% NH
4CO
3H/NH
4OH(pH9)水溶液、36% CH
3CNまで)によって精製し、固体としてのCo.No.3(65mg、35%)をもたらした。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ ppm 1.75(d,J=6.5Hz,3H)3.97(dd,J=12.8,7.3Hz,1H)4.25(dd,J=12.8,4.3Hz,1H)4.79(quind,J=6.7,4.2Hz,1H)7.24(dd,J=8.6,2.5Hz,1H)7.32−7.36(m,1H)7.49(d,J=2.3Hz,1H)7.52(d,J=8.6Hz,1H)7.52−7.56(m,1H)7.83(s,1H)8.19(d,J=5.3Hz,1H).
【0123】
実施例4 (7S)−7−メチル−3−[2−(メチルアミノ)−4−ピリジル]−5−[4−(ペンタフルオロ−λ
6−スルファニル)フェニル]−6,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−4−オン(Co.No.4)
【化63】
I−22(150mg、0.313mmol)および4−ブロモ−N−メチル−2−ピリジンアミン(70.245mg、0.376mmol)をNaHCO
3飽和溶液(1.5mL)および1,4−ジオキサン(脱酸素)(1.5mL)に入れた攪拌混合物に、窒素下で、Pd(PPh
3)
4(18.084mg、0.0156mmol)を添加した。混合物を、マイクロ波照射下で120℃で10分間攪拌した。混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、真空中で濃縮した。この未精製生成物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ;EtOAc/DCM 0/100から100/0)によって精製した。所望の分画を収集し、真空中で濃縮した。次いで、生成物を、ヘプタン/DIPEで粉末化し、濾過し、乾燥させて、白色固体としてCo.No.4をもたらした(110.4mg、77%)。
1H NMR(500MHz,CDCl
3)δ ppm 1.74(d,J=6.6Hz,3H)2.93(d,J=5.2Hz,3H)4.00(dd,J=12.1,6.9Hz,1H)4.29(dd,J=12.4,4.0Hz,1H)4.47−4.58(m,1H)4.72−4.84(m,1H)6.82(s,1H)6.85(dd,J=5.5,1.3Hz,1H)7.49(d,J=8.7Hz,2H)7.79(s,1H)7.82(d,J=9.2Hz,2H)8.09(d,J=5.2Hz,1H).
【0124】
実施例5 (7S)−5−[6−メトキシ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−7−メチル−3−[2−(メチルアミノ)−4−ピリジル]−6,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−4−オン(Co.No.5)
【化64】
I−16(300.657mg、0.665mmol)、ボロン酸2−(メチルアミノ)ピリジン−4−イル([CAS 1214879−88−5]、151.561mg、0.997mmol)、および飽和Na
2CO
3(3mL)を1,4−ジオキサン(4.747mL、55.652mmol)に入れた攪拌懸濁液に、Pd(PPh
3)
4(38.418mg、0.0332mmol)を添加した。混合物を、マイクロ波照射下で、150℃で10分間攪拌した。次いで、混合物をH
2Oで希釈し、DCMで抽出した。有機層を、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、溶媒を真空中で蒸発させた。この未精製生成物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ;EtOAc/DCM 0/100から50/50)によって精製した。所望の分画を収集し、真空中で蒸発させた。残渣をDIPE/ヘプタンで沈殿させ、蒸発させて、白色固体としてCo.No.5をもたらした。Co.No.5を、RP HPLC(固定相:C18 XBridge(登録商標) 30×100mm 5μm)、移動相:グラジエント 60% 0.1% NH
4CO
3H/NH
4OH(pH9)水溶液、40% CH
3CNから、43% 0.1% NH
4CO
3H/NH
4OH(pH9)水溶液、57% CH
3CNまで)によって精製し、白色固体としてのCo.No.5をもたらした(112mg、39%)。
1H NMR(500MHz,CDCl
3)δ ppm 1.72(d,J=6.6Hz,3H)2.96(d,J=5.2Hz,3H)4.05(s,3H)4.42(dd,J=13.6,6.9Hz,1H)4.52−4.60(m,1H)4.64(dd,J=13.6,4.0Hz,1H)4.69−4.78(m,1H)6.76(s,1H)6.84(dd,J=5.2,0.6Hz,1H)7.77(s,1H)7.78(d,J=8.4Hz,1H)7.88(d,J=8.4Hz,1H)8.13(d,J=5.2Hz,1H).
【0125】
C.放射性リガンド前駆体の調製
前駆体1(P−1)
【化65】
I−23(150mg、0.36mmol)およびK
2CO
3(1.867g、13.512mmol)をMeOH(1.5mL)に入れた混合物に、CH
3I(2.243mL、36.031mmol)を添加した。混合物を、rtで4日間攪拌した。次いで、水およびCH
2Cl
2を添加した。有機層をCH
2Cl
2で分離し、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、溶媒を蒸発させた。残渣をEtOAcで粉末化して、オフホワイトの固体としてP−1(140mg、70%)をもたらした。
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6)δ ppm 1.60(d,J=6.6Hz,3H)3.59(s,9H)4.06(dd,J=13.0,7.5Hz,1H)4.36(dd,J=13.0,4.3Hz,1H)4.83−4.93(m,1H)7.49(dd,J=8.7,2.6Hz,1H)7.75(d,J=8.7Hz,1H)7.81(d,J=2.3Hz,1H)8.10(dd,J=4.9,0.9Hz,1H)8.28(s,1H)8.43(s,1H)8.63(d,J=5.2Hz,1H).
【0126】
前駆体2(P−2)
【化66】
I−28(700mg、1.405mmol)およびヘキサブチル二スズ(2137.233μL、4.2mmol)の乾燥ジオキサン(15mL)溶液に、窒素を5分間通気した。次いで、Pd(PPh
3)
2Cl
2(147.21mg、0.21mmol)を添加し、混合物を、加温浴中で、163℃で17分攪拌した。水およびEtOAcを添加し、相を分離した。有機層をMgSO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。この未精製物を、逆相カラムクロマトグラフィー(CH
3CN、酢酸アンモニウム)によって精製し、P−2をもたらした(191mg、20%)。
1H NMR(300MHz,CDCl
3)δ ppm 8.65(d,J=5.2Hz,1H),7.72(s,1H),7.66−7.53(m,3H),7.51−7.35(m,3H),4.80−4.65(m,1H),4.23(dd,J=4.1,12.6Hz,1H),3.95(dd,J=7.1,12.8Hz,1H),1.68(d,J=6.5Hz,3H),1.64−1.36(m,6H),1.35−1.15(m,6H),1.15−0.93(m,6H),0.92−0.72(m,9H).
【0127】
前駆体3(P−3)
【化67】
二炭酸ジ−tert−ブチル(0.319g、1.462mmol)のtBuOH(6mL)溶液に、I−24(515mg、1.329mmol)のtBuOH(6mL)溶液を、ゆっくりと添加した。この混合物を、25℃で20時間攪拌した。次いで、溶媒を蒸発させ、この未精製生成物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ;MeOH/DCM 0/100から5/95)によって精製した。所望の分画を収集し、真空中で蒸発させて、白色固体としてP−3をもたらした(430mg、66%)。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ ppm 1.52(s,9H)1.74(d,J=6.7Hz,3H)4.01(dd,J=12.7,7.2Hz,1H)4.31(dd,J=12.7,4.2Hz,1H)4.73−4.83(m,1H)7.39(dd,J=5.3,1.6Hz,1H)7.50(d,J=8.3Hz,2H)7.58(s,1H)7.69(d,J=8.6Hz,2H)7.85(s,1H)8.13(br.s,1H)8.22(dd,J=5.3,0.7Hz,1H).
【0128】
次の前駆体を、前駆体3について報告したのと類似の合成手順に従うことによって合成した。
【0129】
【表5】
【0130】
NMR P−4:
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ ppm 1.52(s,9H)1.73(d,J=6.7Hz,3H)4.01(dd,J=12.7,7.2Hz,1H)4.30(dd,J=12.7,4.2Hz,1H)4.72−4.84(m,1H)7.37(dd,J=5.1,1.4Hz,1H)7.48(d,J=8.8Hz,2H)7.64(s,1H)7.82(d,J=9.2Hz,2H)7.84(s,1H)8.13(d,J=0.5Hz,1H)8.22(dd,J=5.3,0.7Hz,1H).
NMR P−5:
1H NMR(500MHz,CDCl
3)δ ppm 1.53(s,9H)1.71(d,J=6.6Hz,3H)4.05(s,3H)4.43(dd,J=13.9,7.2Hz,1H)4.64(dd,J=13.6,4.0Hz,1H)4.69−4.79(m,1H)7.32(dd,J=5.2,1.4Hz,1H)7.59(s,1H)7.77(d,J=8.4Hz,1H)7.82(s,1H)7.87(d,J=8.1Hz,1H)8.15(s,1H)8.26(d,J=5.2Hz,1H).
【0131】
A.放射性リガンドの調製
材料および方法
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)分析を、UV分光計を接続したLaChrom Elite(登録商標)HPLCシステム(Hitachi,Armstadt,Germany)で実施した。放射標識された化合物の分析については、UV検出器を通過した後のHPLC溶離液を、シングルチャネル分析器を接続した遮蔽された3インチNaI(Tl)シンチレーション検出器(Gabi box,Raytest,Straubenhardt,Germany)に導入した。出力信号を記録し、GINA Starデータ取得システム(Raytest,Straubenhardt,Germany)を使用して分析した。生体内分布研究の試料における放射能を、マルチチャンネルアナライザ(Wallac 2480 Wizard,Wallac,Turku,Finland)と接続した3インチNaI(Tl)ウェル型結晶を備え付けた自動ガンマカウンターを使用して定量化した。結果を、バックグラウンドの放射線、物理的崩壊、および計数管不感時間に対して補正した。動物を、温度調節された(約22℃)、湿度制御された施設内の、それぞれに換気されたケージに収容し、12h/12h明/暗周期で、食物と水に自由に利用させた。すべての動物実験は、地元の動物に関する大学倫理委員会(University Ethics Committee for Animals)からの承認後、動物の管理と使用に関するベルギーの実施規定に従って実施した。
【0132】
a)炭素−11標識されたトレーサー
[
11C]−2/[
11C]−4/[
11C]−5
【化68】
炭素−11は、Cyclone 18/9サイクロトロン(IBA,Louvain−la−Neuve,Belgium)内での[
14N(p,α)
11C]核反応によって生じた。N
2(95%)とH
2(5%)との混合物である標的ガスを、25μAのビーム電流で、18−MeVプロトンを使用して照射した。照射を約30分間行い、[
11C]メタン([
11C]CH
4)をもたらした。次いで、[
11C]CH
4を自作の再循環合成モジュールに移し、液体窒素に入れたPorapakカラムに捕捉させた。ヘリウムでフラッシュした後、濃縮された[
11C]CH
4を、Porapakループを室温に持って行くことによって気相に変換した。次いで、この[
11C]CH
4を、650℃で蒸気状のI
2と反応させて、[
11C]ヨウ化メチル([
11C]MeI)に変換した。
【0133】
得られた揮発性の[
11C]MeIを、ヘリウムの流れと共に、N−Boc保護された放射標識前駆体P−3([
11C]−2に対する)、P−5([
11C]−5に対する)、およびP−4([
11C]−4に対する)(0.5mg)、およびNaH(約0.2mgの60%分散(鉱油中))の無水DMF(0.2mL)溶液に通気した。反応バイアル中の放射能の量が安定化した時に、反応混合物を80℃で4分間加熱した。HClの4M溶液(1,4−ジオキサン(0.2mL)中)を添加し、反応混合物を100℃で1分間加熱することによって、脱保護を行った。中和後、未精製の反応混合物を、セミ分取XBridge(登録商標)カラム(C
18、5μm;4.6mm×150mm;Waters,Milford,MA,USA)からなるHPLCシステムに注入し、[
11C]−2に対する1mL/minの流速の0.01Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.4)とEtOH(60:40 v/v)との混合物で、[
11C]−4に対する0.8mL/minの流速の0.01Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.4)とEtOH(55:45 v/v)との混合物で、および[
11C]−5に対する0.8mL/minの流速の0.01Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH2.2)とCH
3CN(60:40 v/v)との混合物で溶出した。放射標識された生成物を、15分から17分(異なるトレーサーについての保持時間のわずかな違い)に収集した。次いで、収集されたピークに対応する所望の放射性リガンドを、生理食塩水(Mini Plasco(登録商標),Braun,Melsungen,Germany)で希釈して、10%の最終エタノール濃度を得、溶液を0.22μmメンブレンフィルター(Millex(登録商標)−GV,Millipore,Ireland)を通して滅菌濾過した。分取用移動相中にCH
3CNが存在する場合、滅菌濾過の前に、C
18 SepPakでの後精製を行った。10%以下のエタノールを含有するこの最終調製物を、次いで、さらなるインビトロおよびインビボでの前臨床実験のために使用した。[
11C]−2に対する0.6mL/minの流速の0.01Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH9.6)とCH
3CN(65:35 v/v)との混合物(および275nmでのUV検出)で、[
11C]−4に対する0.6mL/minの流速の0.01Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH9.6)とCH
3CN(60:40 v/v)との混合物(および254nmでのUV検出)で、および[
11C]−5に対する0.6mL/minの流速の0.01Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH9.6)とCH
3CN(55:45 v/v)との混合物(および217nmでのUV検出)で溶出する、XBridge(登録商標)カラム(C
18、3.5μm;3mm×100mm;Waters)からなる分析用HPLCシステムを使用して、品質管理を実施した(Rt=6〜10min、異なるトレーサーについての保持時間のわずかな違い)。
【0134】
[
11C]−1
【化69】
[
11C]MeIを、ヘリウムの流れと共に、室温で2分間、Pd(PPh
3)
4触媒(2.6μmol)の無水DMF(0.2mL、使用前にN
2でパージした)懸濁液に通気した。P−2(2.6μmol)の無水DMF(0.2mL、使用前にN
2でパージした)溶液を添加し、反応混合物を、100℃で3分間加熱した。0.01Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.4)とEtOH(90:10 v/v)との混合物での希釈後、触媒を約2分間、沈殿させておき、その後、この未精製の放射標識混合物を、セミ分取XBridge(登録商標)カラム(C
18、5μm;4.6mm×150mm;Waters)からなるHPLCシステムに注入し、0.8mL/minの流速の0.01Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.4)とEtOH(55:45 v/v)との混合物で溶出した。[
11C]−1を、およそ14分収集し、上で定義した通りに調製した。0.6mL/minの流速の0.05M酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.5)とCH
3CN(65:35 v/v)との混合物で溶出する(および277nmでのUV検出)(Rt 10分)、XBridge(登録商標)カラム(C
18、3.5μm;3mm×100mm;Waters)からなる分析用HPLCシステムを使用して、品質管理を実施した。
【0135】
b)フッ素−18標識されたトレーサー
[
18F]−3
【化70】
[
18F]フッ化物([
18F]F
−)を、18−MeVプロトンを使用する、2mLの97%濃縮[
18O]H
2O(Rotem HYOX18,Rotem Industries,Beer Sheva,Israel)の照射による、Cyclone 18/9 cyclotron(IBA,Louvain−la−Neuve,Belgium)における[
18O(p,n)
18F]核反応によって生成した。照射後、Chromafix(登録商標)(PS−HCO
3)アニオン交換カートリッジ(Machery−Nagel、C
2O
42−形で調整済み)を使用して、生じた[
18F]F
−を、[
18O]H
2Oから分離した。[
18F]F
−を、H
2O/CH
3CN(0.2mL;5:95 v/v)に溶解したK
2C
2O
4(1.86mg)およびKryptofix 222(7.43mg)を含有する溶液を使用して、カートリッジから溶出した。
【0136】
溶液を、110℃でヘリウムの流動下で蒸発させ、同じ条件下で、無水CH
3CN(1mL)を使用する共沸蒸留によって、完全に乾燥するまでさらに乾燥させた。P−1(0.5mg)溶液(無水CH
3CN(0.25mL)中)を、乾燥させた[
18F]F
−/K
2C
2O
4/kryptofix錯体に添加し、混合物を82℃で2.5分加熱した。次に、この未精製の放射標識混合物を、0.05M酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.5)とEtOH(96:4 v/v)との混合物で希釈し、セミ分取XBridge(登録商標)カラム(C
18、5μm;4.6mm×150mm;Waters)からなるHPLCシステムに注入し、0.8mL/minの流速の0.05M酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.5)とEtOH(60:40 v/v)との混合物で溶出した。放射標識された生成物[
18F]−3を、49分後に収集した。上に記載した通りに調製を行った。0.6mL/minの流速の0.05M酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.5)とCH
3CN(55:45 v/v)との混合物で溶出する(および221nmでのUV検出)(Rt 8.3分)、XBridge(登録商標)カラム(C
18、3.5μm;3mm×100mm;Waters)からなる分析用HPLCシステムを使用して、品質管理を実施した。
[
11C]−2は、55%の放射化学的収率(n=5)で合成され、
[
11C]−5は、25%の放射化学的収率(n=1)で合成され、
[
11C]−4は、55%の放射化学的収率(n=1)で合成され、
[
11C]−1は、44%の放射化学的収率(n=4)で合成され、
[
18F]−3は、48%の放射化学的収率(n=2)で合成される。
【0137】
収率はすべて、出発[
11C]MeIまたは[
18F]F
−と比較して決定し、減衰補正しなかった。すべての放射性リガンドは、上に記載した分析用HPLCシステムを使用して検査される通りの、>95%の放射化学的純度かつ59から192GBq/μmolの比放射能で得られた。
【0138】
放射性トレーサーの同一性は、その非放射性類似体との同時注入後、上に記載したのと同じ分析用HPLC方法を使用して確認した。
【0139】
II.分析編
融点
値はピーク値であり、この分析方法に通常伴われる、実験による不確定性を伴って得られる。
Mettler FP 62(A):いくつかの化合物については、融点は、Mettler FP62装置上で、オープンキャピラリーチューブで決定した。融点は、3または10℃/分の温度勾配を用いて測定した。最大温度は、300℃であった。融点は、デジタル表示装置から読み取った。
Mettler FP 81HT/FP90(B):いくつかの化合物については、融点は、FP 81HT/FP90装置(Mettler−Toledo)上で、オープンキャピラリーチューブで決定した。融点は、1、3、5、または10℃/分の温度勾配を用いて測定した。最大温度は、300℃であった。融点は、デジタル表示装置から読み取った。
DSC823e(C):いくつかの化合物については、融点(m.p.)は、DSC823e(Mettler−Toledo)装置を用いて決定した。融点は、10℃/分の温度勾配を用いて測定した。最大温度は、300℃であった。ピーク値を記録した。
【0140】
LCMS
一般手順
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)測定は、それぞれの方法で指定した通りの、LCポンプ、ダイオード−アレイ(DAD)またはUV検出器、およびカラムを使用して実施した。必要な場合には、追加の検出器が含められた(下の方法の表を参照のこと)。
【0141】
カラムからの流れは、大気圧イオン源が配置される質量分析計(MS)に運ばれる。化合物の名目上のモノアイソトピック分子量(MW)の特定を可能にするイオンを得るために、調整パラメータ(例えば、走査範囲、ドウェル時間(dwell time)…)を設定することは、当業者の知識の範囲内である。データ収集は、適切なソフトウェアを用いて実施した。
【0142】
化合物は、その実験による保持時間(R
t)およびイオンによって記載される。データの表において違うように明記されなければ、報告される分子イオンは、[M+H]
+(プロトン化された分子)および/または[M−H]
−(脱プロトン化された分子)に相当する。化合物が、直接的にイオン化可能ではない場合には、付加物の種類が明記される(すなわち、[M+NH
4]
+、[M+HCOO]
−、[M+CH
3COO]
−など…)。複数の同位体パターンを有する分子(Br、Cl..)については、報告される値は、最も小さい同位体質量について得られるものである。すべての結果は、使用される方法に通常伴われる、実験による不確定性を伴って得られた。
【0143】
【表6】
【0144】
【表7】
【0145】
旋光度
旋光度は、ナトリウムランプを備えたPerkin−Elmer 341旋光計で測定し、次の通りに報告した:[α]o(λ、cg/100ml、溶媒、T℃)。
[α]λ
T=(100α)/(l×c):式中、lは経路長(dm)であり、cは、ある温度T(℃)およびある波長λ(nm)における試料の濃度(g/100ml)である。使用する光の波長が589nm(ナトリウムD線)である場合、代わりに記号Dを使用することがある。旋光度の符号(+または−)は常に記載するものとする。この等式を使用する場合、回転の後に、括弧内に濃度と溶媒を常に記載する。旋光度は度を使用して報告し、濃度の単位は記載しない(それはg/100mlであるものとする)。
【0146】
【表8】
【0147】
III.[
35S]GTPγS結合アッセイ
[
35S]GTPγS結合アッセイは、非加水分解型のGTPである、[
35S]GTPγS(ガンマ放出
35Sで標識されたグアノシン5’三リン酸)の取り込みを測定する、Gタンパク質共役受容体(GPCR)機能を調べるために使用される機能性膜によるアッセイである。G−タンパク質αサブユニットは、グアノシン三リン酸(GTP)によるグアノシン5’−二リン酸(GDP)の交換を触媒し、アゴニストである[
35S]GTPγSによりGPCRが活性化されると、組み込まれるため、切断されて交換サイクルを継続することができない(Harper(1998)Current Protocols in Pharmacology 2.6.1−10,John Wiley&Sons,Inc.)。放射性[
35S]GTPγSの取り込み量は、Gタンパク質の活性の直接的尺度であり、したがって、アンタゴニストの活性を求めることができる。mGlu2 受容体はGαiタンパク質と選択的に結合(この方法では、選択的結合)することがわかっており、したがって、組換え細胞株および組織の両方のmGlu2 受容体の受容体活性を調べるために広く使用されている。ここでは我々は、本発明の化合物の負のアロステリック調節(NAM)特性を検出するため、ヒトmGlu2受容体を導入した細胞の膜を使用した[
35S]GTPγS結合アッセイの使用について記載するが、それは、Schaffhauser et al.(Molecular Pharmacology,2003,4:798−810)からの引用である。
【0148】
膜の製造
CHO細胞をプレコンフルエンスまで培養し、5mM酪酸塩で24時間刺激した。その後、PBS中でスクレープすることにより細胞を回収し、細胞懸濁液を遠心分離した(ベンチトップ遠心分離機において、4000RPMで10分)。上清を廃棄し、Ultra Turraxホモジナイザを用いて混合することによりペレットを50mM Tris−HCl、pH7.4に静かに再懸濁させた。懸濁液を12,400RPM(Sorvall F14S−6x250Y)で10分間遠心分離し、上清を廃棄した。再度、ultra−turraxホモジナイザを用いてペレットを5mM Tris−HCl、pH7.4でホモジナイズし、遠心分離した(13,000RPM、20分、4℃)。最終ペレットを50mM Tris−HCl、pH7.4に再懸濁させ、使用する前に、−80℃で適量ずつ保存した。標準物質としてウシ血清アルブミンを用いてブラッドフォード法(Bio−Rad、USA)でタンパク質濃度を求めた。
【0149】
[
35S]GTPγS結合アッセイ
被検化合物のmGluR2の負のアロステリック調節活性の測定を次のように行った。10mM HEPES酸、10mM HEPES塩、pH7.4、100mM NaCl、3mM MgCl
2および10μM GDPを含有するアッセイバッファで被検化合物およびグルタミン酸を希釈した。ヒトmGlu2受容体含有膜を氷上で解凍し、18μg/mlのサポニンを補ったアッセイバッファで希釈した。膜を、所定(約EC
80)濃度のグルタミン酸(60μM)と共に化合物と30℃で30分、予めインキュベートした。[
35S]GTPS(f.c.0.1nM)を添加後、アッセイ混合物を僅かな時間振盪させ、[
35S]GTPγSの導入を活性化させるため、さらにインキュベートした(30分、30℃)。最終アッセイ混合物は、10mM HEPES酸、10mM HEPES塩、pH7.4、100mM NaCl、3mM MgCl
2、10μM GDPおよび10μg/mlサポニン中に膜タンパク質7μgを含有した。全反応体積は200μlであった。96ウェルのfiltermateユニバーサルハーベスタを用いてUnifilter−96 GF/Bプレート(Perkin Elmer、Massachusetts、USA)で急速濾過することにより反応を終了させた。フィルタを氷冷10mM NaH
2PO
4/10mM Na
2HPO
4、pH7.4で6回洗滌した。次いで、フィルタを風乾し、液体シンチレーションカクテル(Microscint−O)30μlを各ウェルに添加した。膜結合放射能はTopcountで計数した。
【0150】
データ解析
本発明の代表的な化合物の濃度反応曲線を、Lexisソフトウェアインターフェース(J&Jで開発)を用いて作成した。データは、グルタミン酸のEC
80相当濃度を添加すると発生する応答として定義される対照のグルタミン酸応答の%として算出した。非線形回帰分析を用いて、これらのパーセンテージ対被検化合物の対数濃度をプロットするシグモイド濃度反応曲線を解析した。半数阻害を生じさせる濃度を、IC
50として算出した。
【0151】
【表9】
【0152】
【表10】
【0153】
IV.生体内分布研究
一般的方法
健康な雌のWisterラット(体重185〜220g)において、注射後(p.i.)2分、30分、および60分(n=3/時点)で、[
11C]−2および[
11C]−1の生体内分布研究を実施した。ラットの尾静脈に、麻酔(流速1L/minの2.5%イソフルラン(O
2中))下で、約18MBqのトレーサーを注射し、上で指定した時点で、断頭によって屠殺した。血液および主な器官を、風袋を量ったチューブに収集し、秤量した。血液、器官、および他の体の部分における放射能を、自動ガンマカウンターを使用して測定した。全血の放射能の算出のために、血液質量を、体重の7%であると仮定した。筋肉全体および骨全体の放射能の算出のために、筋肉および骨の質量を、それぞれ体重の40%および12%であると仮定した。
【0154】
生体内分布研究
[
11C]−2および[
11C]−1
正常な雌のWistarラットにおける[
11C]−2および[
11C]−1の生体内分布研究の結果を、表5〜10に示す。表5および6は、それぞれ[
11C]−2および[
11C]−1の注射後(p.i.)2分、30分、および60分での、%注射量(%ID)値を示す。[
11C]−1については、60分時点は研究を行わなかった。
【0155】
【表11】
【0156】
【表12】
【0157】
どちらのトレーサーも、主として肝臓を介して腸へと、また、一部は腎臓経路を介して排除された。高い取り込みはまた、屠体および筋肉において観察されたが、これらは、体重の大部分を占める。
【0158】
どちらのトレーサーの初期の総脳取り込みも、[
11C]−2および[
11C]−1について、2分piでそれぞれ1.4%IDおよび2.0%IDと、比較的に高かった(表7参照)。脳からの洗い出し(wash out)を観察した。
【0159】
【表13】
【0160】
表8および9は、両方のトレーサーについての、様々な脳領域、血液、骨、および筋肉における放射能濃度を示す。これらの濃度は、標準化取り込み値(SUV)として表され、動物の体重に対して補正されている。
【0161】
【表14】
【0162】
【表15】
【0163】
研究されたすべての脳領域からの有意な洗い出しを、両方のトレーサーについて注射後2分から30分まで、さらに[
11C]−2について([
11C]−1については分析していない)注射後30分から60分まで観察した。洗い出し率を、表10に示す。血液および骨からの洗い出しは、よりゆっくりであった。筋肉では、いくらかの停滞が認められた。
【0164】
【表16】
【0165】
脳からの洗い出しは、[
11C]−2については、[
11C]−1と比較して、わずかにゆっくりであった。皮質については、最も高い洗い出し率が認められた。2から30分の、骨および血液からの洗い出しは、[
11C]−1については、[
11C]−2と比較して、早かった。筋肉では、どちらのトレーサーについても、いくらかの停滞が認められた。
【0166】
これらの生体内分布研究の結果は、[
11C]−2および[
11C]−1が、トレーサー注射後2分での比較的に高い初期の脳取り込みを有するが、2から30分まで、脳からの有意な洗い出しが認められることを示す。[
11C]−2の脳取り込みは、[
11C]−1の脳取り込みと比較して、ゆっくりであったが、2から30分までの脳からの洗い出しは、[
11C]−2については、[
11C]−1と比較して、わずかにゆっくりであった。2分から30分の洗い出し率は、研究されたすべての脳領域について、>2.3であり、皮質について、最も高かった。
【0167】
V.インビトロオートラジオグラフィー結合研究
一般的方法
mGluR2 KOおよびWTマウス脳の、また正常な雌のWistarラット脳の、水平切片(20μm)に対して、インビトロオートラジオグラフィー研究を実施した。これらの切片を、50mM Tris−HCl(MgCl
2 2mM、CaCl
2 2mM;pH7.0)中で、室温で10分間(2回)、予備インキュベートし、乾燥させた。次に、これらの脳切片を、0.1% BSAをさらに含有する予備インキュベーションに使用したのと同じTris−HCl緩衝液で希釈したトレーサー[
11C]−2、[
11C]−5、[
11C]−4、[
11C]−1、もしくは[
18F]−3と共に、または10μM Co.No.2もしくはCo.No.1の存在下でのこのトレーサー溶液と共に、インキュベートした。これらのマウス脳切片を、17kBqの炭素−11標識されたトレーサーおよび1.7kBqのフッ素−18標識されたトレーサーと共にインキュベートした。ラット脳切片については、これは、44kBqの炭素−11標識されたトレーサーおよび0.44kBqのフッ素−18標識されたトレーサーであった。30分のインキュベーション後、脳切片を、氷冷Tris−HCl 50mM(MgCl
2 2mM、CaCl
2 2mM;pH7.0+0.1% BSA緩衝液)中で、5分間、3回洗浄した。氷冷精製水への素早い浸漬の後、スライドを乾燥させた。スライドを一晩、高性能蛍光体蓄積(phosphor storage)スクリーン(超解像度スクリーン;Perkin Elmer,Waltham,USA)に感光させることによって、オートラジオグラムを得た。スクリーンは、Cyclone Plusシステム(Perkin Elmer)を使用して読み取り、Optiquantソフトウェア(Perkin Elmer)を使用して分析した。オートラジオグラムにおける放射能濃度は、デジタル光(digital light)単位(DLU)/mm
2で表した。
【0168】
インビトロオートラジオグラフィー結合研究
mGluR2へのトレーサー結合の特異性に関するさらなる情報を得るために、高濃度のmGluR2 NAM化合物(Co.No.1またはCo.No.2)の存在または非存在下での、mGluR2 KOおよびWTマウス脳切片に対する、および正常なラット脳切片に対する、インビトロオートラジオグラフィー結合研究を実施した。
図1〜5は、[
11C]−2、[
11C]−1、[
18F]−3、[
11C]−5、および[
11C]−4についての、mGluR2 KOおよびWTマウス脳切片に対するこれらの結合研究の結果を示す。表11は、研究した5種のトレーサーの、線条体および皮質についての「WT全結合−対−KO全結合」比および「WT全結合−対−ブロックされたWT」比を示す。
【0169】
【表17】
【0170】
[
11C]−2および[
11C]−1については、WTマウス脳切片およびmGluR2 KOマウス脳切片に対する、トレーサー結合の有意差が認められた。WTマウス脳に対するこの結合は、不均一であり、線条体および皮質に対するより高い結合を伴い、これは、Co.No.1(10μM)で、約85%よりも多くブロックされる可能性がある。[
11C]−5および[
11C]−4については、WTマウス脳とKOマウス脳との間のこの結合の差は、あまりはっきりせず、[
18F]−3については、有意ではない一貫した差が認められた。mGluR2 KOマウス脳に対する全結合は、[
11C]−1については、[
11C]−2と比較してわずかに高かった。
【0171】
[
11C]−2、[
11C]−1、および[
18F]−3については、正常なラット脳切片におけるトレーサー結合の特異性も研究した。これらの結合研究の結果を、
図6〜8に示す。
【0172】
WTマウス脳切片について観察された通り、[
11C]−2の、正常なラット脳の線条体および皮質に対するインビトロでの高い結合も認められた。自己ブロッキングまたはCo.No.1(10μM)でのブロッキングは、ラット線条体において約78%、またラット皮質において約91%の結合の低下をもたらした。これらの割合は、インビトロWTマウス脳結合研究において得られる割合に匹敵する。
【0173】
一般に、[
11C]−1についての、ラット脳に対する全結合は、[
11C]−2と比較して、それほど顕著ではなかった。[
11C]−1については、線条体および皮質とは別に、WTマウス脳切片では当てはまらなかった視床および丘に対する結合も認められた。
【0174】
ラット脳に対する[
18F]−3の全結合を見ると、トレーサーの分布は、脳全体を通して、切片ごとに異なっていた。これは、WTマウス脳切片においても観察された。また、ラット脳に対する限定された結合は、[
18F]−3については、[
11C]−2および[
11C]−1について観察されるものと比較して高かった。
【0175】
mGluR2 KO、およびWTマウス脳切片、および正常なラット脳切片でのインビトロオートラジオグラフィー結合実験において研究された5種すべてのトレーサーのうち、[
11C]−2が、WTマウス脳における最も高い割合の限定された結合(Co.No.1でブロックされる)、線条体および皮質についての最も高いWT全結合−対−KO全結合比を有しており、正常なラット線条体および皮質に対する最も強い結合を示した。
本発明は、以下の態様を包含し得る。
[1]
mGlu2受容体を画像化または定量化するのに使用するための、式(I)
【化71】
(式中、
Xは、CHまたはNであり、
R1は、CF3、SF5、およびClの群から選択され;
R2は、H、Cl、および−OCH3の群から選択され;
R3は、−NHCH3、CH3、およびFから選択され;
式中、少なくとも1つの原子は、放射標識されている)
に記載の化合物、または薬学的に許容し得るその塩もしくは溶媒和物。
[2]
上記[1]に記載の使用のための化合物であって、
式中、
【化72】
は、(a)、(b)、(c)、または(d):
【化73】
から選択され、R3は、上記[1]で定義した通りである、化合物。
[3]
R3が、−NH[11C]CH3、[11C]CH3、および18Fから選択される、
上記[1]または[2]に記載の使用のための化合物。
[4]
式[11C]−(I−a)の化合物
【化74】
(式中、
【化75】
は、(a)、(b)、または(c):
【化76】
から選択される)
から選択される、上記[1]〜[3]のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
[5]
化合物が、
【化77】
である、上記[1]に記載の使用のための化合物。
[6]
次式
【化78】
からなる群から選択される、放射標識された化合物、または薬学的に許容し得るその塩もしくは溶媒和物。
[7]
上記[6]で定義した通りの式(I)の化合物または薬学的に許容し得るその塩もしくは溶媒和物と、薬学的に許容し得る担体または希釈剤とを含む医薬組成物。
[8]
上記[7]で定義した通りの滅菌溶液である、上記[7]に記載の医薬組成物。
[9]
mGlu2受容体を画像化または定量化するのに使用するための、上記[7]または[8]で定義した通りの医薬組成物。
[10]
前記画像化が、他の非放射標識化合物によるmGlu2受容体部位占有を決定することを含む、上記[9]で定義した通りの使用のための医薬組成物。
[11]
組織、細胞、または哺乳類を画像化する方法であって、組織、細胞、または哺乳類に、上記[1]〜[5]のいずれか一項に定義した通りの検出可能な量の式(I)の化合物または薬学的に許容し得るその塩もしくは溶媒和物と接触させることまたは前記式(I)の化合物または薬学的に許容し得るその塩もしくは溶媒和物を提供することと、mGlu2受容体と結合した標識された前記化合物を検出することとを含む方法。
[12]
前記画像化技術が、陽電子放射断層撮影である、上記[11]に記載の方法。
[13]
式(P−I)、(P−II)、または(P−III)
【化79】
(式中、
Xは、CHまたはNであり、
R1は、CF3、SF5、およびClの群から選択され;
R2は、H、Cl、および−OCH3の群から選択され;かつ
Bocは、tert−ブチルオキシカルボニルである)
を有する化合物。
[14]
上記[13]に記載の式(P−III)の化合物であって、
式中、
【化80】
は、(a)、(b)、または(c):
【化81】
から選択される、化合物。
[15]
上記[1]で定義した通りの式(I)に記載の化合物の調製のための方法であって、
(a)上記[13]で定義した通りの式(P−III)に記載の化合物を、適切な条件下で[11C]CH3Iと反応させ、適切な条件下でのBoc切断がそれに続くステップ
【化82】
または
(b)上記[13]で定義した通りの式(P−I)の化合物を、K2C2O4またはKHCO3の存在下で18F−/4,7,13,16,21,24−ヘキサオキサ−1,10−ジアザビシクロ[8.8.8]ヘキサコサンと反応させるステップ
【化83】
または
(c)上記[9]で定義した通りの式(P−II)の化合物を、[11C]CH3Iと反応させるステップ
【化84】
を含む方法。
[16]
次式
【化85】
を有する化合物、または薬学的に許容し得るその塩もしくは溶媒和物。
[17]
上記[16]に記載の治療有効量の化合物と、薬学的に許容し得る担体または賦形剤とを含む医薬組成物。
[18]
医薬品としての使用のための、上記[16]に記載の化合物または上記[17]に記載の医薬組成物。
[19]
気分障害またはうつ病性障害;せん妄、認知症、健忘症および他の認知障害、または神経認知障害;通常、幼児期、小児期、または青年期に最初に診断される障害、または神経発達障害;物質関連障害、または物質関連および嗜癖障害;統合失調症および他の精神障害、または統合失調症スペクトラムおよび他の精神障害;身体表現性障害、または身体症状および関連障害;ならびに過眠性睡眠障害または過眠障害から選択される中枢神経系の状態または疾患の治療におけるまたは予防における使用のための、上記[16]に記載の化合物または上記[17]に記載の医薬組成物。