(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
基板、基板上に配置された表面層、および基板と表面層との間の界面を含むヘテロ構造であって、基板は中心軸、中心軸とほぼ直交する裏面、および中心軸を通って基板を横切って延びる直径を含むヘテロ構造中の歪を緩和するプロセスであって、
基板中に転位源層を形成する工程と、
基板を半径方向に拡張し、転位を形成して、転位源層から表面層に向かって転位を滑らす工程であって、半径方向の拡張中に、少なくとも5MPaの応力がヘテロ構造に適用される工程と、を含むプロセス。
基板は、シリコン、炭化シリコン、サファイア、ゲルマニウム、シリコンゲルマニウム、窒化ガリウム、窒化アルミニウム、砒化ガリウム、インジウムガリウム砒素、またはそれらの組み合わせからなるグループから選択された材料からなり、
表面層は、シリコン、炭化シリコン、サファイア、ゲルマニウム、シリコンゲルマニウム、窒化ガリウム、窒化アルミニウム、砒化ガリウム、インジウムガリウム砒素、またはそれらの組み合わせからなるグループから選択された材料からなる請求項1または2に記載のプロセス。
表面層は不連続なセグメントを含み、プロセスは更に、基板を半径方向に拡張した後に、半導体基板の表面上に半導体材料を堆積する工程を含み、堆積工程は基板の表面上に連続した表面層を形成する工程である請求項11または12に記載のプロセス。
【発明を実施するための形態】
【0011】
1またはそれ以上の本開示の形態に関して、基板と、基板とは異なる格子定数を有する表面層との間の歪を低減したヘテロ構造は、
図2のようなプロセスで準備される。表面層は、ここでは「エピタキシャル層」、「ヘテロエピタキシャル層」、「堆積膜」、「膜」、「ヘテロ層」、または「堆積層」と呼ばれる。実質的に緩和された表面層と、貫通転位とも呼ばれるミスフィット転位の低減された濃度とを有する、ヘテロ構造が形成されても良い。
【0012】
一般に、本開示のプロセスは、半導体基板の中に転位源層を形成する工程と、転位源層の形成前または形成後に基板の上にヘテロ層を堆積する工程と、ヘテロ構造を半径方向に拡張して転位を形成(活性化)し、転位源層から表面層に向かって転位を滑らせる工程とを含む。転位源層の活性化と、転位源層から堆積層との界面に向かう転位の滑りは、基板に応力(例えば引っ張り)を加えることにより、同時に行っても良い。1またはそれ以上の工程で、様々な組み合わせで応力が加えられ、転位を活性化して滑らせ、これによりヘテロ構造を実質的に伸ばす。
【0013】
ヘテロ層は、基板の自然な結晶格子定数a
Sとは異なる結晶格子定数a
S1を有し、基板の表面上に膜を形成する。一般に、ヘテロ層の結晶格子定数a
SLは、基板の自然な結晶格子定数a
Sより大きく、拡張により基板中の転位ループの形成や滑りを制御することにより、基板は塑性的に変形し、膜の結晶格子とより好ましく整列し、これにより膜が完全に緩和し、基板上の貫通転位の密度を低減できる。
【0014】
本開示の方法は、ヘテロ層を緩和する従来の方法に対して多くの利点を有する。従来の方法では、膜と基板との間の応力が非対称となる。これは、応力の最も大きな場所、即ち膜において、転位を発生させる。転位ループを膜中に留めることにより、転位は後方にセグメントを残し、これは貫通転位を分解する。そのような貫通転位の密度を低減するために、多くの努力が行われてきた。
【0015】
これに比べて、本開示の方法は、基板中で転位を形成する応力が非対称となる(例えば、基板を弱くして、基板を弱くしつつ比較的薄い膜を用いてその膜での転位形成を無効にする)。これは、転位を基板に閉じ込め、一方で、基板と膜との間の界面でミスフィット転位層を形成する。様々な制御された方法で転位を導入して基板を弱くした場合、永久応力がシステムに与えられ、転位を活性化する。これは、比較的大きな内在した内部応力により、自己緩和(即ち、外部応力の適用無しに緩和)する従来の方法とは異なる。本開示の方法は、自己緩和による以外の緩和を含み、弱くして、特定の温度で、比較的薄い膜に外部応力を適用することにより、自己緩和は起きない。
【0016】
I.半導体基板
図1を参照すると、半導体基板1は、化学気相堆積によるエピタキシャル層の堆積のような、表面層の支持のための基板として使用するのに適した、いずれの単結晶半導体材料でも良い。一般に、半導体基板は、シリコン、炭化シリコン、サファイア、ゲルマニウム、シリコンゲルマニウム、窒化ガリウム、窒化アルミニウム、砒化ガリウム、インジウムガリウム砒素、またはそれらの組み合わせからなるグループから選択される材料から形成される。一般に、半導体基板は、シリコンからなる。
【0017】
半導体基板1は、表面層を堆積するための基板として、および以下により詳しく述べる基板材料に応力を与えるのに適した層としての、双方に適したいずれの形状でも良い。一般に、半導体基板は、中心軸2、堆積層7との界面3と裏面4を有し、基板と表面層との界面3と裏面4は、一般に中心軸2に対して直交し、半導体基板は更に、界面から基板の裏面までの距離に対応する膜厚t、周縁エッジ5、および中心軸を通って基板を横切る直径Dを有する。なお、図示目的で、裏面4は、そこまたはその近傍で転位源が形成される対向する面として記載され、ここでは、「対向面」および/または「損傷面」と呼ばれても良い。これについて、ヘテロ構造自体および以下に記載の堆積層7は、一般に基板1と同心円であり、また中心軸2、周縁エッジ5、および中心軸を通ってヘテロ構造(および表面層)を横切って延びる直径Dを含む。
【0018】
基板1は、その上に半導体層が堆積される基板として使用するのに適した直径を有する。一般に、基板1は、約150mm以上の直径を有する。一般に、基板1は、約200mm以上、約300mm以上、さらに約450mm以上の直径を有する。なお、基板の直径は、ヘテロ構造が塑性変形する前であり、この場合、以下でより詳しく検討するように、塑性変形後に、直径はこれら値より大きくなる。代わりに、塑性変形前の基板は、上で述べた値より小さい直径を有し、塑性変形後の直径が上で述べた値におおよそ等しくても良い。
【0019】
同様に、基板1は、その上に半導体層を堆積するために用いるのに適した膜厚tを有しても良い。例えば、基板は、約500μmから約1000μm、一般には約600μmから約1000μm、約700μmから約1000μm、約700μmから約900μm、またはさらに約700μmから約800μmの膜厚tを有しても良い。
【0020】
幾つかの具体例では、基板1は、チョクラルスキー結晶成長法により成長した単結晶シリコンインゴットからスライスされた単結晶シリコンウエハであり、約150mm以上、約200mm以上、約300mm以上、またはさらに約450mm以上の直径と、約675μmから約1000μm、またはさらに約725μmから約925μmの膜厚を有する。
【0021】
その上にエピタキシャル層が堆積される基板表面は、エピタキシャル層を堆積するのに適するように研磨されても良く、または化学気相堆積に先立って調整されても良い。対向面は、研磨され、または、代わりに、本開示の範囲から離れることなく、研磨せずに、即ちアズグランド(as-ground)、アズラップ(as-lapped)またはアズラップおよびエッチ(as-lapped and etched)でも良い。幾つかの具体例では、反対面は研磨しない状態で残され、アズグランド、アズラップ、またはアズラップおよびエッチした表面が、転位源層として使用される。代わりまたは追加として、反対面は損傷が与えられ、以下で詳細に述べるように転位源層を形成する。
【0022】
なお、チョクラルスキー成長シリコンは、約5×10
17atom/cm
3から約9×10
17atom/cm
3までの範囲の酸素濃度を有する(ASTM標準F−121−83)。一般に、本開示の基板として使用される単結晶シリコンウエハは、チョクラルスキプロセスで一般に達成できる範囲内、または範囲外の酸素濃度を有し、酸素濃度は欠陥の活性化や滑りを阻止するほど過剰ではない。
【0023】
II.堆積された表面層
表面層7は、基板1の表面上に配置されても良い。堆積された層7は、化学気相堆積によりエピタキシャル層として堆積するのに適した単結晶半導体材料でも良い。一般に、ヘテロ層は、基板の自然結晶格子定数a
Sより大きい結晶格子定数a
SLを含む。堆積された層は、いずれかの適した材料からなり、幾つかの具体例として、シリコン、炭化シリコン、サファイア、ゲルマニウム、シリコンゲルマニウム、窒化ゲルマニウム、窒化アルミニウム、砒化ガリウム、インジウムガリウム砒素、またはそれらの組み合わせからなるグループから選択される材料からなる。基板がシリコンからなる具体例では、より大きな格子定数を有するヘテロ層は、例えば、ゲルマニウム、シリコンゲルマニウム、ポリタイプの炭化シリコン、砒化ガリウム、およびインジウムガリウム砒素を含む。
【0024】
1つの好適な具体例では、堆積された層はシリコンゲルマニウムであり、ここではSiGeとも呼ばれる。堆積されたSiGe層の特定の組成は、本開示の範囲から離れることなく、変化しても良い。一般に、SiGe層は、少なくとも約10%のGeを含み、幾つかの場合は、約15%、約20%、約25%、約35%、約50%またはそれ以上(例えば、60%、70%、80%、90%またはそれ以上)のGeを含む。1つの好適な具体例では、しかしながら、SiGe層は、少なくとも約10%から約50%まで、または少なくとも約15%から約35%までのGe濃度を含み、約20%のGe濃度を有することが好ましい。
【0025】
本質的に、当業者に知られた技術は、堆積層(例えば、SiGe層)を形成するために使用され、例えば公知のエピタキシャル堆積技術の1つである。一般的にいうと、堆積層の膜厚は、本開示の範囲から離れることなく、大きく変えても良い。膜厚は、例えば、実質的に均一な膜厚を有し、その平均膜厚は少なくとも約0.1μm、少なくとも約0.5μm、少なくとも約1.0μm、および少なくとも約2.0μmである。代わりに、範囲で膜厚を表すことが望まれる。例えば、平均膜厚は、一般に、約0.1μmから約2.0μmまでの範囲、例えば約0.5μmから約1.0μmの範囲である。
【0026】
なお、堆積層は、異なる格子定数を有する基板上に成長させるため、等しいが反対の応力が、堆積層と基板の双方に形成される。界面の直上および直下の、堆積層中の応力の相対量は、堆積層と基板の相対膜厚に比例する。結果として、界面直上の堆積層中の応力は、界面直下の基板中の応力とは、桁違いに大きい。例えば、約22%のGeを含む500nmSiGe層が、700μm膜厚のシリコン半導体基板上に成長された場合、界面直上のSiGeは、約1.7GPaの圧縮にあり、界面直下のシリコンは、単に5MPaの引っ張りである。堆積層中の応力は、堆積層中でのミスフィット転位または貫通転位の形成により、自己緩和するまで、成長中に増加する。堆積層の自己緩和を避けるために、それゆえに、少なくとも最初に基板上に薄い堆積層を形成することが好ましい。一般には、単結晶シリコン基板上にSiGe層が堆積される場合、堆積層は、約1nmから約100nm、より典型的には約1nmから約50nm、より典型的は約10nmから約20nmの膜厚で成長される。次に、以下でより詳しく検討するように、基板中の転位を活性化および拡大することにより、薄い層は、その自然格子定数まで、または近くまで、緩和または部分的に緩和される。より厚い堆積層が望まれる場合、層が十分に緩和された後に、追加の材料を堆積しても良い。
【0027】
本質的に、当業者に一般に知られた技術は、基板上に堆積層を形成するために使用しても良い。例えば、エピタキシャル堆積技術(例えば、常圧化学気相堆積(APCVD)、低圧または減圧CVD(LPCVD)、超高真空CVD(UHVCVD)、分子線エピタキシ(MBE)、または原子層堆積(ALD))が、例えばSiGe材料の堆積のために、ここで使用されても良い。エピタキシャル成長システムは、単一ウエハ、または複数ウエハのバッチリアクタを含んでも良い。
【0028】
表面層7は、ヘテロ構造の表面8を形成する面を含む。
図1に示すように、表面層7は、基板1の全直径を横切って連続して延びる。幾つかの具体例では、表面7は、基板1の上で連続して延びないが、むしろ、更に以下で述べるような、基板上に堆積された複数の不連続な半導体材料のセグメントまたは「アイランド」を含む。例えば、表面層は、基板の、約95%より少なく覆うように堆積されても良く、または他の具体例のように、約80%より少なく、約60%より少なく、約40%より少なく、または約20%より少なくても良い。
【0029】
III.転位源層の準備
転位源層6は、基板1内に配置され、その上にエピタキシャル層が堆積される基板の表面から間隔を隔てても良い。一般には、転位源層6は、エピタキシャル層が堆積された、または堆積される表面と反対の面またはその近傍にある。例えば、エピタキシャル層が基板の表面上に堆積される場合、転位源層6は、基板の裏面4、またはその近傍になる。そのような例では、基板の表面は、基板と堆積層7との界面である。
【0030】
転位源層6は、基板の実質的に半径の幅の上に有り、または挿入される。
図1に示された具体例では、転位源層6は基板の全直径を横切って延びる。この具体例が好ましいが、他の具体例では、転位源層は、全直径を横切って延びなくても良い。それゆえに、一般に、転位源層6は、一般にはウエハの半径の少なくとも約75%、より一般には少なくとも約85%、さらに一般には少なくとも約95%の半径幅を有し、またはウエハの半径の少なくとも99%の半径幅を有する。幾つかの具体例では、転位源層6は、例えば周縁エッジの約1mm内側のように、周縁エッジの数ミリメーター内側まで延びる。
【0031】
エピタキシャル層がその上に堆積される表面を含まない限り、一般に、転位源層6は基板のいずれの部分を含んでも良い。一般に、転位源層6は、約100μm以下、約50μm以下、約25μm以下、または約10μm以下(例えば、約1μmから約100μm、約1μmから約50μm、約1μmから約25μm、または約5μmから約25μm)の膜厚を有する。転位源層6は、基板の裏面を含み、そこから延びても良い。なお、転位源層6は、ウエハの裏面を含む必要はなく、裏面の深さから、基板の表面に向かって延びても良い。
【0032】
転位源層6は、十分に高い温度で十分に高い応力を加えた場合、測定可能な濃度の転位を形成可能ないずれの層でも良い。基板中での転位の活性化に関して以下でより詳細に検討するように、一般に、転位源層6は、約5MPaと約100MPaの間の引っ張り(一般には、約500℃と約1000℃との間の温度で約15MPa近傍)を加えた場合、測定可能な濃度の転位が形成可能である。
【0033】
転位源層6は、表面層7の堆積の前、またはこれに続いて基板1の中に形成されても良い。基板が、単結晶インゴットからスライスされたウエハである具体例では、転位源層6は、全体のウエハプロセスの一部として含まれるスライスプロセス、グラインディングプロセス、またはラッピングプロセスで機械的にダメージが与えられる。
【0034】
代わりに、または追加として、転位源層6は、基板の裏面の機械的なダメージにより、一部または全体に形成されても良く、機械的なダメージは、裏面のグラインディング、裏面のラッピング、裏面をサンドブラストすることによる軽いダメージの導入、裏面上のぎざぎざの形成、裏面へのイオンの注入、および/またはそれらの組み合わせ、からなるグループから選択される1またはそれ以上のプロセスにより形成される。
【0035】
幾つかの具体例では、転位源層6は、ウエハの裏面上にアレイ状のポイントピンを押しつけて、裏面にぎざぎざを形成することにより形成しても良い。ぎざぎざは、表面を横切って不均一に形成されても良く、または所定のパターンで形成されても良い。そのようなパターンは、ウエハの結晶方向に対して特定の関係で配置されても良い。例えば、四角のマトリックスパターンは、110方向に対して浅い角度で配置できる。これは、例えば、それらのサイトで形成された転位は、平行な滑らかな面に沿って滑ることが可能で、互いに関連しない。更に、転位ループ密度の正確な制御が、そのような処理でできる。
【0036】
幾つかの具体例では、転位源層6は、基板の裏面を通ってイオンを注入することにより形成しても良い。注入イオンは、電気的に等電子、中性、または不活性で、基板の電気特性への影響は最小となる。例えば、注入イオンは、シリコン、ゲルマニウム、水素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、キセノン、およびそれらの組み合わせからなるグループから選択されても良い。
【0037】
イオンは、裏面に対して深さD
iの目標深さに注入される。しかしながら、実際的な問題として、注入イオンのいくつかはこの距離に到達せず、他はより遠くに到着する(即ち、裏面より深くに到達する)。実際の注入深さは、D
iから約5%、10%、15%、20%、25%またはそれ以上ばらつく。これは、比較的高濃度の注入イオンをD
iまたはその近傍に含み、この濃度はD
iから表面3の方向および反対の方向に減少する、アモルファス材料の領域または層を形成する。目的深さD
iは、注入イオンの投影飛程とよばれる。
【0038】
注入深さは、注入されるイオン種により、少なくとも部分的に影響される。所定の注入エネルギーに対して、軽いイオンは基板中をより通り抜ける傾向にあるからである。このように、例えば、50KeVの注入エネルギーでは、シリコンイオンは、約750Åの平均注入深さを有し、一方、ゲルマニウムは、約400Åの平均注入深さを有する。一般に、イオンは、好適には、少なくとも約30keVのエネルギーで、例えば少なくとも40keVで、または少なくとも約50keVのエネルギーで注入される。一つの応用では、イオンは少なくとも約45keVで、約55keV以下のエネルギーで注入される。選択されるイオンおよび注入エネルギーは、転位源層として機能する基板中のアモルファス層を形成するのに十分なように選択される。
【0039】
シリコンのアモルファス層を形成するのに十分な濃度のイオンを注入するために、十分なエネルギーが使用された場合、一般に、転位ループは、続くアニール工程で、注入イオンの範囲の端に形成される。一般に、転位ループは、正確な深さはより多いか少なくとも、注入されたイオンの下で、少なくとも約100Åから約300Åに形成される。一般に、より低い質量の元素を用いてアモルファス材料を形成することは、より困難である。このように、より高濃度の低質量の元素が、十分なダメージを誘起するため使用され、一方、より低濃度の高質量の元素はアモルファスシリコンを形成するために十分である。例えば、注入イオンがシリコンイオンの場合、注入ドーズは、好適には少なくとも約2×10
14atom/cm
2であり、例えば少なくとも約5×10
14atom/cm
2であり、または少なくとも約1×10
15atom/cm
2である。好適な具体例では、注入イオンドーズは少なくとも約2×10
15atom/cm
2である。比較すると、注入イオンがより高質量のゲルマニウムイオンの場合、注入ドーズは少なくとも約6×10
13atom/cm
2であり、例えば少なくとも約1×10
14atom/cm
2であり、または少なくとも約5×10
14atom/cm
2である。好適な具体例では、注入イオンドーズは少なくとも約1×10
15atom/cm
2である。
【0040】
幾つかの好ましい具体例では、転位源層6は、基板の裏面をグラインディングして形成される。裏面は、チョクラルスキー単結晶シリコンインゴットからスライスされた後に、シリコンウエハの裏面を成形するために、半導体シリコン産業で一般に使用されるグラインディングプロセスにより形成される。特別な好適な具体例では、裏面は、約600のグリットサイズ(grit size)を用いるグラインディングプロセスを用いてグラインドされる。
【0041】
IV.転位の活性化と滑り
転位源層は、活性化され、基板と表面層との界面に向かって滑る転位を、転位源層またはその近傍に形成する。本開示の具体例に関して、転位の活性化と滑りは、表面層が基板上に堆積されて、基板および/または表面層が歪んだ後に行われる。
【0042】
転位源層は、高温で基板を拡張(または、「延ばし」、「引っ張り」、または「引っ張り応力」とも呼ばれる)して、転位を形成することにより転位源層に応力を与え(および一般には基板に応力を与え)ることで活性化される。拡張は、基板全体に、軸に直交する方向に、即ち、半径方向に、1またはそれ以上の適切な装置を用いて適用される。即ち、ウエハは周縁エッジから外方に半径方向に引き延ばされる。この方法で、転位は転位源層またはその近傍に形成され、転位は反対面に向かって滑る。
【0043】
一般に、より多くダメージを与えた転位源層は、より低い応力レベルおよびより低温で活性化し、一方、より少なくダメージを与えた転位源層は、より高い応力レベルおよびより高温で活性化する。一般に、少なくとも約5MPa、一般には約5MPaから約100MPa、または約10MPaから約100MPaの引っ張りにより与えられた応力は、約550℃と約1000℃の間の温度で転位源層に与えられる。より一般には、引っ張りは、約10MPaから約50MPa、または約10MPaから約25MPaである。一般には、転位の活性化および/または滑りは、約650℃から約1000℃の温度で、または約700℃から約1000℃の温度で行われる。例えば、ラッピングおよび/またはグラインディングにより形成された転位源層を活性化するために与えられる一般的な応力は、約600℃より高い温度で、より一般的には約700℃より高い温度で、約15MPaである。他に、より多くダメージが与えられた層は、より低い応力レベルで活性化する。
【0044】
基板は、昇温して引っ張った状態で、転位を活性化し滑らすのに十分な間維持される。一般に、基板は、少なくとも約10秒間、上述のように、昇温して引っ張った状態で維持され、それらの状態で、少なくとも5時間、少なくとも10時間、またはより長時間、維持されても良い。一般に、基板は、昇温して引っ張った状態で、少なくとも1分間、約5分間から約60分間、更に一般には約10分間から約45分間、幾つかの具体例では約10分間から約20分間、維持される。より高い引っ張りレベルおよびより高温では、それぞれ転位を活性化し滑らすのに必要な時間が短くなる傾向にある。
【0045】
拡張は、基板のみに与えられても良く、他の具体例では、ヘテロ構造全体(即ち、基板とヘテロ層の双方)に与えられても良い。更に、拡張により与えられる応力は、ヘテロ構造を通して(例えば、半径方向および円周方向に)比較的均一(方向および/または大きさ)であることが好ましい。なお、応力の均一な程度は、基板を拡張するのに使用される装置により制限され、いくつかのばらつき(半径方向または円周方向のばらつき)が応力の不均一な分散によりもたらされる。幾つかの具体例では、少なくとも5MPaの応力が基板の周縁全体に沿って与えられ、または他の具体例では、少なくとも約10MPaの応力が基板の周縁全体に沿って与えられる。
【0046】
十分な応力を与えた場合、転位は連続して転位源層に形成され、基板と界面層との界面に向かって滑る。応力を与える間に所定の時点で、転位は、一般に、基板の厚さを通って均一に分布する。基板と界面層との界面に到達した場合、転位は、界面でミスフィット界面転位を形成する。ミスフィット転位は、基板の拡張中に、界面において密度が増加し、表面層と基板との間に歪を緩和し続ける。歪は、十分な密度のミスフィットの増加により、均等に釣り合う。
【0047】
転位源層から形成され、基板と界面層との界面に向かって滑る転位は、ヘテロ構造の裏面と表面に対して実質的に平行である(即ち、横方向に配置される)。比較的少ない量の貫通転位が転位源層から形成され、または貫通転位は形成されないと信じられる。
【0048】
転位の更なる形成と滑りにより転位が表面層を貫通するため、歪がバランスする点またはその近傍で、基板の転位は停止することが好ましい。一旦、基板の転位が停止すれば、基板中を移動する転位は界面に滑るのを停止し、それ以上転位は形成されない(即ち、転位は凍結される)。
【0049】
応力と熱が与えられた所定の点において、基板中に存在する転位の数は、少なくとも1×10
5転位/cm
2、または少なくとも5×10
5転位/cm
2(例えば、約1×10
5転位/cm
2から約5×10
7転位/cm
2、または約5×10
5転位/cm
2から約1×10
7転位/cm
2)でも良い。転位の密度は、例えば、基板をサンプリングし、サンプルを表現エッチャント(delineating etchant)に入れてから、観察して顕微鏡で転位ループを数える。
【0050】
幾つかの具体例では、基板の拡張により基板に適用された応力が、転位が転位源層から形成される閾値より小さいが、界面に向かって滑るように更に転位を活性化できる値まで低減される。この方法で、実質的に転位の無い基板を有するヘテロ構造が作製される。そのような具体例では、初期応力S
1が、基板の拡張により基板に与えられ、転位源層から基板と表面層との界面の転位を形成し滑らせる。適用された応力は、次にS
2まで低くされる(即ち、S
2はS
1より低い)。適用される応力S
2は、転位が転位源層から形成される閾値より小さく、これは残った転位を更に界面に向かって滑らせて、実質的に転位の無い基板を形成する。S
1は、少なくとも約5MPaであり、少なくとも10MPaであり、または少なくとも25MPaである(例えば、約5MPaから約100MPa、または約10MPaから約100MPaである)。S
2は、約10MPa以下であり、約5MPa以下であり、または約1MPa以下である。一般に、約1MPaのオーダーの応力でも、転位は、約850℃の温度で約1μm毎秒の速度で滑り、または約900℃の温度で約2.5μm毎秒の速度で滑る。
【0051】
応力が基板に与えられる場合の応力の大きさ、応力を与える時間、および/または温度は、基板の格子定数a
Sと、表面層の半導体材料の格子定数a
SLとの間の違いにより変わる。選択される基板の材料、およびその上に堆積される半導体材料に依存して、a
SLおよびa
Sは変わる。一般に、a
SLがa
Sより大きい場合、即ちa
SL/a
Sが1より大きい場合に、拡張がヘテロ層の緩和に有効である。a
SL/a
Sの比は、約1.01から約1.16であり、または他の具体例では、約1.01から約1.10、約1.01から約1.08、約1.01から約1.05、約1.02から約1.16、または約1.05から約1.16である。
【0052】
転位を界面に滑らすことにより、表面層は、少なくとも85%緩和され、少なくとも90%緩和され、少なくとも95%緩和され、または完全に緩和され、即ち100%緩和される。表面層は、実質的に貫通転位が無く、または約10
4貫通転位/cm
2より少ない貫通転位の密度を有する。
【0053】
表面層が連続ではなく、基板の表面上に配置された不連続なセグメント(即ち、アイランド)を含む具体例では、転位源層からアイランドとの界面に転位を形成して滑らし、それぞれのアイランドと基板との間にミスフィット界面転位を形成することにより、不連続なセグメントは緩和される。アイランドの間の基板の表面に到達した転位は、表面で消滅し、拡張が完了した場合に、アイランドの間に転位が実質的に無い領域を形成する。アイランドの緩和後、半導体材料が更に堆積され、基板の直径全体に連続して延びる表面層を形成する。そのような具体例では、アイランドの下方の転位は、新しく堆積された材料と、基板との間の界面で横方向に伝わり、これにより新しく堆積した材料と、連続する表面層を全体として緩和する。
【0054】
上述の方法のいずれかで形成された緩和されたヘテロ構造は、ウエハボンディング法や層転写法を用いる集積回路用シリコン・オン・インシュレータ構造を形成するために、または続いて歪シリコン・オン・インシュレータ構造を形成するために、使用されても良い。
【0055】
追加の層が、緩和された表面層の上に堆積されて、基板上の緩和層の上に歪層を有するヘテロエピタキシャル構造を形成しても良い。そのような構造は、または、緩和された層と歪層の双方を他の基板に転写するために使用され、これにより埋め込み歪層、または代わりにインシュレータ上に埋め込み歪層を有するヘテロエピタキシャル構造を形成する。即ち、ヘテロエピタキシャル構造は、基板または基板上の絶縁層のいずれかの上の、半導体材料の歪層の上に、半導体材料の緩和層を有しても良い。
【0056】
加えて、本開示の方法で使用された構造は、電界効果トランジスタ(FET)層構造または変調ドープ電界効果トランジスタ(MODFET)層構造を形成するのに使用しても良い。緩和されたSiGe層は、また、熱電冷却デバイスのような、多様な他の応用に使用しても良い。
【0057】
V.拡張装置
これに関して、基板の拡張に関連してここで述べるプロセスは、以下で述べられたいずれの装置を使用して行っても良い。
【0058】
図3〜15を参照して、基板の拡張が、チャンバおよび/または基板に差圧を与える流体通路を含む基板ホルダーを用いて達成しても良い。
【0059】
ここで
図3〜4を参照すると、基板9の拡張は、構造ホルダー11の使用により達成される。構造ホルダー11は、上部プレート13を含む。
図3〜4に示すように、上部プレート13はリングである。上部プレート13は、他の形状を有しても良く、制限無しに基板9の全体を横切って延びても良い。上部プレート13は、構造の周縁エッジ5において、構造9の表面に接するように取り付けられる。
【0060】
構造ホルダー11は、周縁エッジ5に隣接する構造9の裏面に接触するための、底部プレート15を含む。底部プレート15は、上部プレート13に向かって上部に延びる周辺リング20を含む。しかしながら、他の具体例では、周辺リング20は、上部プレート13の一部であり、または上部プレート13および底部プレート15の双方から分離されても良い。底部プレート15、上部プレート13、および周辺リング20は組み立てられ、上部プレート13、底部プレート15(周辺リングを含む)および構造9の周縁エッジ5の間に周辺チャンバ18を形成する。一般に、底部プレート15と上部プレート13は、構造9とシールを形成し、以下に記載するように、周辺チャンバ18中の圧力を、ホルダー11の外部の圧力に比較して低減できる。周辺チャンバ18は、底部プレート15の上に半導体構造9を配置し、上部プレート13、底部プレート15、および構造9の周縁エッジ5の間にシールが形成されるまで、底部プレート15の上に上部プレート13を下げることにより形成できる。
【0061】
ホルダー11は、周辺チャンバ18中の圧力を調整するために、底部プレート15中にベント22を含む。代わりに、ベントは、上部プレート13および/または周辺リング20を通って延びても良い。ベント22は、ポンプ(図示せず)と流体接続され、周辺チャンバ18中の圧力を低減しても良い。
【0062】
ここで
図8を参照して、ホルダー11は、構造9を拡張する装置36の一部でも良い。装置36は、またホルダー11が配置されるメインチャンバ27を形成するハウジング35を含んでも良い。装置36は、メインチャンバ中の圧力P
1を調整するために、ポンプ(図示せず)に流体接続されたベント32を含む。構造ホルダー11中のベント22は、ハウジング35を通って延びる。この方法では、圧力P
1が、メインチャンバ27中で維持され、異なる圧力P
2が、構造ホルダー11の周辺チャンバ18中で維持されても良い。周辺チャンバ18中の圧力P
2より大きな圧力P
1がメインチャンバ27中で維持されることにより、構造9が拡張されても良い(即ち基板の半径が大きくされても良い)。
【0063】
これに関して、
図3〜15中で圧力P
1および/または圧力P
2で表される矢印は、例示目的で使用され、特定の圧力特性に装置(即ち、周辺チャンバまたはメインチャンバ中の真空または圧力)を限定するものと考えるべきではない。
【0064】
構造9の拡張中、P
1は、P
2より、少なくとも約10MPa大きくても良く、他の具体例では、P
2より、少なくとも約20MPa、少なくとも約50MPa、または少なくとも約75MPa大きくても良い(例えば、約10MPaから約100MPa、約10MPaから約50MPa、または約10MPaから約25MPa)。幾つかの具体例では、P
1は大気圧である。そのような具体例では、メインチャンバ27とハウジング35は、除去されて、ハウジングが周辺環境(即ち、大気圧)に露出しても良い。
【0065】
加熱要素30は、転位源層を活性化するために、拡張中に構造9を加熱するのに使用されても良い。上述のように、構造は、約650℃から約1000℃の温度、または約700℃から約1000℃の温度に加熱しても良い。
【0066】
構造ホルダー111の他の具体例が、
図5に示される。なお、
図5に示されるホルダーの構成要素で、
図3に示される構成要素と類似のものは、
図3の対応する参照番号に100を加えて示される(例えば、部分15は、部分115となる)。
図5に示すように、上部プレート113は、構造9の上面8に接触する突起部117を含む。突起部117は、構造9とシールを形成し、周辺チャンバ118中の圧力の増減を可能にする。
【0067】
幾つかの具体例では、
図6〜7に示すように、構造9は、構造表面の少なくとも一部の上に、コーティング39(
図6)またはコーティング40(
図7)を有する。
図6に示すように、コーティング39は、構造9の周縁エッジ5と、周縁エッジ5近傍の表面8および裏面4の一部の上に延びる。
図7に示すように、コーティング40は、基板の裏面4全体を超えて延びても良い。代わりまたは追加で、コーティングは、構造ホルダーの1またはそれ以上の面の上に延びても良い。コーティング39またはコーティング40(または構造ホルダーの上に延びたコーティング)は、グラファイト、六方晶窒化ホウ素、MS
2、WS
2、SiCN、AlCr(V)N、TiAl(Y)N、CaF
2、BaF
2、SrF
2、またはBaCrO
4のような低摩擦材料からなる。幾つかの具体例では、構造9は、構造の表面上にコーティングを有し、構造の揮発性の膜成分の蒸発を低減または防止する。蒸発を低減するのに適したコーティングは、アモルファスシリコンを含む。
【0068】
構造ホルダー211の他の具体例が、
図9に示される。なお、
図9に示されるホルダーの構成要素で、
図3に示される構成要素と類似のものは、
図3の対応する参照番号に200を加えて示される(例えば、部分15は部分215になる)。構造ホルダー211の上部プレート113は、構造ホルダー211の使用中に、上部プレート213と構造9の上面8との間に、中央チャンバ240を形成するために適用されたリセスを含む。中央チャンバ240は、半導体構造9の上に上部プレート213を下げることにより形成される。リセスは、構造の歪みのかかった半径より小さい半径を有する。ここで使用するように、「歪んだ半径」は、構造ホルダー211の使用による構造9の拡張(変形)前の、構造の半径をいう。
【0069】
上部プレート213は、ポンプ(図示せず)と流体接続して中央チャンバ240中の圧力P
1を維持するベント246を含む。この方法では、中央チャンバ240と周辺チャンバ218との間に差圧が維持され、構造9を半径方向に拡張しても良い。周辺チャンバ218中の圧力P
2より大きな圧力に、中央チャンバ240中の圧力P
1を維持することにより、構造が拡張されても良い。圧力P
1および/または圧力P
2は、上述の範囲内である。
【0070】
半径方向に拡張するための自己制御構造のホルダーの具体例が
図11に示される。
図11に示されるホルダーの構成要素で、
図3に示される構成要素と類似のものは、
図3の対応する参照番号に300を加えて示される。構造ホルダー311の底部プレート315は、構造の拡張中に、構造の拡張を制限するための取り付けられた環状の壁352により規定されたリセスを含む。底部プレート315のリセスの半径は、構造の歪んだ半径より大きい。拡張中、構造9の半径は、構造が環状の壁352に接触するまで増加する。環状の壁352に接触した場合、構造9の拡張は停止する。
【0071】
構造9を半径方向の拡張するための自己制御構造のホルダーの他の具体例が
図12に示される。
図12に示されるホルダーの構成要素で、
図3に示される構成要素と類似のものは、
図3の対応する参照番号に400を加えて示される。構造ホルダー411は、構造9の拡張中に、構造の拡張を制限するように取り付けられた、周辺チャンバ418中の孔のあいた壁455を含む。壁455に形成された孔は、周辺チャンバ418を通って圧力を釣り合わせる。孔のあいた壁455は、半径方向の拡張中に、構造9の拡張を制限する。
【0072】
構造を半径方向の拡張するための自己制御構造のホルダーの他の具体例が
図13に示される。
図13に示されるホルダーの構成要素で、
図3に示される構成要素と類似のものは、
図3の対応する参照番号に500を加えて示される。構造ホルダー511の底部プレート515の周辺リング520は、使用前に、緩和された構造の比較的近傍まで延びる。拡張中、構造9は、周辺リング520に接触して、構造の拡張を制限するまで、半径方向に延びる。
【0073】
構造を拡張する(即ち、引っ張る)ために、メインチャンバ中でより高い圧力が使用される代わりにまたは追加して、圧縮プレート659(
図10)が下方に向かって圧力p
1を構造に与えるために使用されても良い。
図10に示されるホルダーの構成要素で、
図3に示される構成要素と類似のものは、
図3の対応する参照番号に600を加えて示される。圧力P
2が、周辺チャンバ618中で維持される。構造9を拡張するための差圧を維持するために、P
2はP
1より小さい。上述のように、P
1は少なくとも約10MPaだけP
2より大きく、または他の具体例では、少なくとも約20MPa、少なくとも約50MPa、または少なくとも約75MPa、P
2より大きい(例えば、約10MPaから約100MPa、約10MPaから約50MPa、約10MPaから約25MPa)。水力学、空気力学、または電気駆動を用いるような、いずれかの好適な方法で、圧縮プレート659を介して構造9に、力が加えられても良い。上述の自己制御の抑制は、圧縮プレート659と組み合わせて用いても良い。
【0074】
構造を半径方向に拡張する構造ホルダーは、
図14に示すように、複数の構造を同時に拡張するように取り付けても良い。
図14に示されるホルダーの構成要素で、
図3に示される構成要素と類似のものは、
図3の対応する参照番号に700を加えて示される。ホルダー711は、構造の周縁エッジ5に隣接する構造9a、9b、9c、9dに接触するように取り付けられた底部プレート715を含む。ホルダー711は、構造の周縁エッジ5に隣接する構造9a、9b、9c、9dに接触するように取り付けられた上部プレート713を含む。周辺チャンバ718は、底部プレート715、上部プレート713、および構造9a、9b、9c、9dの周縁エッジ5の間に形成される。上部プレート713は、構造9a、9b、9c、9dの表面に拡がるチャンバ760を含み、メインチャンバ(図示せず)中の圧力P
1に構造を曝す。周辺チャンバ718は、圧力P
2に維持される。
【0075】
P
2よりP
1を大きく維持することにより、構造9a、9b、9c、9dは半径方向に拡張する。P
1とP
2との差は、少なくとも10MPaであり、上述の範囲のいずれかにある。P
1は、大気圧でも良く、そのような具体例では、上部プレート713は、分離したチャンバ760を含まない連続した部分でも良い。一方、
図14に示された基板ホルダーは、底部プレートと上部プレートのみを有するように記載され示されているが、ホルダーは、個々の構造や構造のグループをシールする複数の分離した底部プレートまたは上部プレートを有しても良いことを理解すべきである。さらに
図14に示される基板ホルダー711は、4つの構造を半径方向に拡張できるが、ホルダーは、制限なしに、より多くのまたは少ない構造が同時に拡張できるように配置しても良い。
【0076】
複数の構造を処理するための自己制御構造ホルダーの具体例が、
図15に示される。
図15に示されるホルダーの構成要素で、
図3に示される構成要素と類似のものは、
図3の対応する参照番号に800を加えて示される。底部プレート815は、構造9a、9b、9c、9dを受けるように設けられた複数のリセスを含む。リセスは、環状の壁852a、852b、852c、852dにより規定される。環状の壁852a、852b、852c、852dは、構造9a、9b、9c、9dの半径方向の拡張を制限するように機能する。
【0077】
上述の装置に加えて、(クランプまたは他のグリップ要素を用いて周縁エッジにおいて)構造を掴み、構造を拡張する(引き延ばす)装置が、以下で述べる装置のように、ヘテロ構造を緩和するために用いられても良い。ここで
図16〜21を参照して、構造に対して半径方向に移動可能な構造ホルダーを用いて、構造の拡張が達成可能である。そのような具体例では、構造ホルダーは、構造を拡張するための装置の一部でも良い。そのような装置は、
図8に示す装置36に類似し、その装置は、ホルダーがその中に配置されるメインチャンバ27を形成するハウジング35を含む。装置は、転位源層を活性化するために、
図16〜21のいずれかの構造を用いることにより、拡張中に、構造9を加熱する加熱要素30を含んでも良い。
【0078】
ここで
図16を参照して、構造ホルダー1720は、ホルダーの中心軸Aに向かう、複数の三角型のセグメント1785を含んでも良い。それぞれのセグメントは、少なくとも1つの、その中に形成された流体経路1787を有し、基板を真空に引く。セグメント1785は、中心軸Aから外方に動いて、基板を拡張するように載置される。
【0079】
図17を参照して、装置911は、上部プレート931と底部プレート932を含み、基板9の上に保持力を与えるクランプでも良い。
図17に示すように、上部プレート931と底部プレート932は、リングである。上部プレート931は、他の形状を有しても良く、制限無しに基板9の全体を横切って延びても良い。上部プレート931と底部プレート932は、空気力学、水力学モーター等の使用を含むいずれかの機械的方法で、装置の中心から半径方向に外方に移動可能である。なお、そのような機械的方法は、以下に記載された構造ホルダー中の上部プレートおよび/または底部プレートのいずれかを動かすために使用しても良い。
【0080】
ここで
図18を参照して、他の具体例では、構造ホルダー1011は、構造9の裏で、溝1148中に受け入れられるような大きさおよび形状の環状の突起1147を含む、ほぼ平坦な底部プレート1146を含む。突起1147は、構造9を拡張するように移動可能である。
【0081】
幾つかの具体例で、
図19に示すように、構造ホルダー1220は、上部プレートから延びる環状のリング1252を有する上面プレート1250を含む。リング1252は、構造9に下方への力をかけ、加熱中に、構造の拡張中に、突起1247から除去されるのを防止する。この機能を達成する他の構造は、本発明の範囲内にあるものと考えられる。
【0082】
他の具体例や
図20に示されるように、構造ホルダー1320は
図18、19に示されるものと、同一または類似の底部プレート1346および突起1347を含む。基板ホルダー1320は、また、上部プレート1351と、構造9の表面で、溝1357中に受け入れられるような大きさおよび形状の表面突起1355を含む。
【0083】
図21を参照すると、構造ホルダー1620は、おおむね平坦な底部プレート1681とフランジ1683を含む。構造9は、構造の周縁エッジに近い構造の底部プレートに取り付けられたリング1680を含む。フランジ1683は、リング1680に噛み合うように配置される。サポート1681およびフランジ1683は、構造に対して動いて構造を拡張する。
【0084】
幾つかの具体例では、構造を横切る差圧を減少させることにより(例えば、周辺チャンバまたはメインチャンバ中の圧力を増減することにより)、または装置が基板を掴む具体例中で与えられた応力を低減することにより、上述の装置により適用される応力が循環する。そのような循環は、構造で形成された弾性応力を開放しても良い。
【0085】
ここで使用するように、「約」、「実質的に」、「本質的に」および「おおよそ」の用語は、寸法、濃度、温度、または他の物理特性または化学特性または特徴とともに使用した場合、特性または特徴の範囲の上限および/または下限に存在するばらつきをカバーすることを意味し、これは、例えば、四捨五入、測定方法、または他の統計的ばらつきの結果のばらつきを含む。
【0086】
本開示またはその好適な具体例の要素を紹介する場合、冠詞「1つの(a)」、「1つの(an)」、「その(the)」、および「その(said)」は、1またはそれ以上の要素があることを意味する。「含む(comprising)」、「含む(including)」および「有する(having)」の用語は、包括的であることを意図し、列挙された要素の他に追加の要素があることを意味する。
【0087】
上記装置および方法において、本開示の範囲から離れることなく、様々な変形が可能であるため、上記開示に含まれ、添付の図面に示された、全ての事項は、例示的で、限定する意図無しに解釈されるべきである。