特許第6861258号(P6861258)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6861258
(24)【登録日】2021年3月31日
(45)【発行日】2021年4月21日
(54)【発明の名称】広帯域光源
(51)【国際特許分類】
   H01J 61/30 20060101AFI20210412BHJP
   H01J 65/04 20060101ALI20210412BHJP
   H01J 61/16 20060101ALI20210412BHJP
【FI】
   H01J61/30 N
   H01J65/04 Z
   H01J61/30 C
   H01J61/16
【請求項の数】3
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2019-200739(P2019-200739)
(22)【出願日】2019年11月5日
(62)【分割の表示】特願2016-565333(P2016-565333)の分割
【原出願日】2015年4月30日
(65)【公開番号】特開2020-17548(P2020-17548A)
(43)【公開日】2020年1月30日
【審査請求日】2019年11月5日
(31)【優先権主張番号】61/986,657
(32)【優先日】2014年4月30日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/699,781
(32)【優先日】2015年4月29日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500049141
【氏名又は名称】ケーエルエー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウィルソン ローレン
(72)【発明者】
【氏名】チムマルギ アナント
(72)【発明者】
【氏名】パンザー マシュー
(72)【発明者】
【氏名】ベゼル イリヤ
【審査官】 右▲高▼ 孝幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−267674(JP,A)
【文献】 特開2009−206050(JP,A)
【文献】 特表2004−511092(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/000998(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01J 61/00
H01J 65/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ維持プラズマによりVUV光を発する広帯域光源であって、
ある体積のガスを含むように構成されたランプであって、前記ランプの容積内に生成されたVUV光の少なくとも一部分に対して少なくとも部分的に透過性である1つ以上の透過性部分を含み、前記1つまたは複数の透過性部分は、2000ppmを上回る水酸化物(OH)含有量を有する透過性材料から形成されるランプを備えることを特徴とする広帯域光源。
【請求項2】
請求項1に記載の広帯域光源であって、前記ランプの前記透過性部分が、溶融シリカガラスまたはクオーツガラスの少なくとも1つから形成されることを特徴とする広帯域光源。
【請求項3】
請求項1に記載の広帯域光源であって、前記ガスが、
不活性ガス、非不活性ガス、および2つ以上のガスの混合物の少なくとも1つを含むことを特徴とする広帯域光源。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、広帯域光源に関し、より詳細には、広帯域ランプ内の色中心の生成を抑制するように構築された広帯域ランプに関する。
【背景技術】
【0002】
本出願は、ローレン・ウイルソン(Lauren Wilson)、アナント・チムマルギ(Anant Chimmalgi)、マット・パンザー(Matt Panzer)、およびイリヤ・ベゼル(Ilya Bezel)を発明者とする、表題「UTILIZING HIGH OH GLASS FOR IMPROVED UV LAMP OR CELL LIFETIME」である、2014年4月30日出願の米国仮特許出願第61/986,657号の利益を、米国特許法第119条(e)の定めにより主張するものであり、この文献は、全体的に本願に引用して援用する。
【0003】
ますます小型化するデバイス特徴を有する集積回路に対する要求が増大し続けるにつれて、ますます縮小化するこれらデバイスの検査に使用される改良された照明源に対する必要性が増加し続けている。1つのそのような照明源は、レーザ維持プラズマ源または放電光源などの広帯域光源を含む。広帯域ランプまたはセルは、光を、ランプまたはセルを出入りするように伝達するためのガラス部分を含む。現在の広帯域ランプまたはセルのガラス部分は、所定のガラス材料内に形成される欠陥の結果、色中心を形成する。この影響は、ガラス材料の結合部を破壊する傾向がある、VUV光などの短波長光を広帯域ランプが発する場合に悪化する。現在のランプおよびセル内に色中心を作り出すと、ランプまたはセルの温度の上昇、および広帯域ランプまたはセルから伝達された光の量の低減を引き起こす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公開第2013/0342105号
【特許文献2】米国特許出願公開第2010/0317505号
【特許文献3】米国特許出願公開第2007/0228300号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、上記で特定されたものなどの欠陥を是正するための装置、システム、および/または方法を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
広帯域光源が、本開示の1つ以上の例示的な実施形態によって開示される。1つの例示的な実施形態では、広帯域光源は、ある体積のガスを含むように構成されたランプを含む。別の例示的な実施形態では、ランプは、ランプの容積内に生成された広帯域放射の少なくとも一部分に対して少なくとも部分的に透過性の1つ以上の透過性部分を含む。別の例示的な実施形態では、1つ以上の透過性部分は、700ppmを上回る水酸化物(OH)含有量を有する透過性材料から形成される。
【0007】
レーザ維持プラズマ光源が、本開示の1つ以上の例示的な実施形態によって開示される。1つの例示的な実施形態では、光源は、ある体積のガスを含むように構成されたプラズマランプを含む。別の例示的な実施形態では、プラズマランプは、上記体積のガス内にプラズマを生成するために、ポンプレーザから照明を受け入れるように構成され、この場合、プラズマは広帯域放射を発する。別の例示的な実施形態では、プラズマランプは、ポンプレーザからの照明の少なくとも一部分およびプラズマによって発せられた広帯域放射の少なくとも一部分に対して少なくとも部分的に透過性の1つ以上の透過性部分を含む。別の例示的な実施形態では、1つ以上の透過性部分は、700ppmを上回る水酸化物含有量を有する透過性材料から形成される。
【0008】
放電ベース光源が、本開示の1つ以上の例示的な実施形態によって開示される。1つの例示的な実施形態では、光源は、ある体積のガスを含むように構成された放電ランプを含む。別の例示的な実施形態では、放電ランプは、上記体積のガス内に放電を生成するように構成された電極の組と、放電に関連付けられた広帯域放射の少なくとも一部分に対して少なくとも部分的に透過性の1つ以上の透過性部分とを備える。別の例示的な実施形態では、1つ以上の透過性部分は、700ppmを上回る水酸化物(OH)含有量を有する透過性材料から形成される。
【0009】
前述の全体的な説明および以下の詳細な説明の両方が、例示的および説明的なものに過ぎず、本発明を特許請求される通りに必ずしも制限するものではないことを理解されたい。本明細書内に援用され、本明細書の一部を構成する添付の図は、本発明の実施形態を例示し、全体的な説明と共に本発明の原理を説明するのに役立つ。
【0010】
本開示の数多くの利点が、添付の図を参照して当業者によってより良好に理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1A】本開示の1つの実施形態による、高OH含有量を有する材料で形成された透過性部分を含む広帯域ランプの断面図である。
図1B】本開示の1つの実施形態による、低OHキセノンランプの波長の関数とする透過率のグラフである。
図1C】本開示の1つの実施形態による、高OHキセノンランプの波長の関数とする透過率のグラフである。
図1D】本開示の1つの実施形態による、高OHキセノンランプの波長の関数とする透過率のグラフの展開図である。
図1E】本開示の1つの実施形態による、低OHアルゴンランプの波長の関数とする透過率のグラフである。
図1F】本開示の1つの実施形態による、高OHアルゴンランプの波長の関数とする透過率のグラフである。
図1G】本開示の1つの実施形態による、高OHアルゴンランプの波長の関数とする透過率のグラフの展開図である。
図2A】本開示の1つの実施形態による、プラズマベースの広帯域光を生成するためのシステムの高レベルの概略図である。
図2B】本開示の1つの実施形態による、高OH含有量材料で形成されたプラズマ電球の断面図である。
図2C】本開示の1つの実施形態による、高OH含有量材料で形成された伝達要素を含むフランジ付きプラズマセルの断面図である。
図3】本開示の1つの実施形態による、高OH含有量材料で形成された電球部分を含む放電ランプの断面図である。
図4】本開示の1つの実施形態による、高OH含有量材料で形成された1つ以上の光学表面を含むプラズマベースの広帯域光を生成するための電球のないシステムの高レベルの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、添付の図に示される、開示された主題を詳細に参照する。
【0013】
図1Aから4を全体的に参照すれば、1つ以上の高OH含有量の透過性部分を備えた広帯域光源が、本開示によって説明される。本開示の一部の実施形態は、高い水酸化物含有量(たとえば、700ppmを上回る)(OH)を有する透過性材料から形成された、1つ以上の光透過部分、または「透過性部分」が装備された、広帯域光源、またはランプを対象とする。本開示の目的のために、用語「高OH含有量」は、700ppmと等しい、またはこれを上回るOH含有量レベルを意味するように解釈される。
【0014】
図1Aは、本開示の1つ以上の実施形態による、高OH含有量ガラスから形成された透過性部分102を有する広帯域ランプ100を示す。1つの実施形態では、広帯域ランプ100の透過性部分102は、広帯域ランプ100の容積内に保たれた、広帯域生成機構(たとえば、レーザ維持プラズマ(LSP)、電気放電など)によって発せられた広帯域光104の少なくとも一部分に対して透過性の材料(溶融シリカガラスまたはクオーツガラス)から形成される。別の実施形態では、広帯域ランプ100は、選択されたガスを容積108内に含むように構成される。別の実施形態では、選択されたガスは、広帯域光104の発光を引き起こすように励起される(たとえば、ポンプ光によって活性化される、電圧によって活性化されるなど)。さらに、広帯域光104の少なくとも一部分は、ランプ100の透過性部分102を通して、選択された用途において使用するために1つ以上の下流側の光学要素に伝達される。
【0015】
広帯域ランプ、特に、VUV光などの短波長光の大きな出力を有する広帯域ランプの作動が、広帯域ランプの透過性部分を形成するために使用されるガラス内の色中心の発生を招き得ることが、留意される。これらの色中心の発生は、ガラス内に作り出される多様な欠陥に起因する。たとえば、広帯域源によって発せられたVUV光(たとえば172nm)は、VUV光によって引き起こされたガラス材料内の結合破損の結果として、ガラス材料内に光誘起された色中心を生成し得る。紫外光源のガラス材料内の色中心の形成は、エー・シュライバー(A.Schreiber)らの「Radiation Resistance of Quartz Glass for VUV Discharge Lamps」、J.Phys.D:Appl.Phys.38(2005)、3242−3250において詳細に論じられ、この文献は、全体的に本願に引用して援用する。ガラス内の光伝達の挙動はまた、ビー・クーン(B.Kuhn)ら、「Screening Test of Quartz Glass for 172nm Excimer Lamps」、10th International Symposium on Science and Technology of Light Sources LS10、Toulouse、France(2004)によって説明される。
【0016】
1つの実施形態では、広帯域光源100またはランプは、高レベルのOH(たとえば700〜2000ppmの間)を有する材料から形成された1つ以上の透過性部分102(または光透過部分)を含む。高OH含有量を有するガラスなどの透過性材料の利用は、紫外光源(たとえば、UV、VUV、DUV、および/またはEUV)内に色中心を作り出すことを阻害することが、本明細書において認識される。たとえば、高OH含有量ガラスを広帯域ランプ100の透過性部分として使用することで、広帯域ランプ100内の色中心(たとえば、約214nmまたは255nmにおける色中心)の生成を阻害することができる。高OHガラスの使用による色中心の抑制が、広帯域ランプ100の温度の上昇を回避することを助け、色中心の生成によって別の形で引き起こされる光損失の量を低減できることが、さらに留意される。
【0017】
広帯域光源100は、当技術分野で知られている任意の広帯域源、ランプ、または構造を含むことができる。1つの実施形態では、広帯域光源100は、本開示の高OH材料またはその複数の材料から形成された、図1Aに示すようなガラス電球を含む。広帯域ランプ100の形状は、例示的目的のみで提供される、図1Aに示す長球形状に限定されないことが、本明細書において留意される。広帯域ランプ100は、当技術分野で知られている任意の形状をとることができることが、留意される。たとえば、広帯域ランプ100は、円筒形状、球形状、長球形状、偏球形状、楕円体形状などを有することができる。追加の例として、広帯域ランプ100は、2つ以上の形状からなる複合形状を有することができる。
【0018】
別の実施形態では、広帯域光源100は、本開示の高OH材料またはその複数の材料から形成されたガラス伝達要素(たとえば、フランジで終端されたガラスセル)が装備されたセルを含む。別の実施形態では、広帯域光源100は、本開示の高OH材料またはその複数の材料から形成された1つ以上のガラス窓が装備されたチャンバを含む。
【0019】
高OH広帯域源100は、当技術分野で知られている任意の機構を通して広帯域光を生成することができる。多様な広帯域光生成機構が、本開示を通じて説明される。たとえば、高OH広帯域ランプ100は、レーザ維持プラズマ(LSP)光源を含むことができる。別の例として、高OH広帯域ランプ100は、放電ランプを含むことができる。
【0020】
1つの実施形態では、広帯域源100の透過性部分102は、溶融シリカガラスから形成される。たとえば、広帯域源100の透過性部分102は、それだけに限定されないが、少なくとも700ppmのOH含有量を有する溶融シリカガラスから形成され得る。たとえば、広帯域源100の透過性部分102は、それだけに限定されないが、700〜2000ppmのOH含有量を有する溶融シリカガラスから形成され得る。
【0021】
1つの実施形態では、広帯域源100の透過性部分102は、溶融クオーツガラス(たとえば、電気溶融クオーツガラス、火炎溶融クオーツガラス、またはプラズマ溶融クオーツガラス)から形成される。別の例として、広帯域源100の透過性部分102は、それだけに限定されないが、少なくとも700ppmのOH含有量を有するクオーツガラスから形成され得る。たとえば、広帯域源100の透過性部分102は、それだけに限定されないが、700〜2000ppmのOH含有量を有するクオーツガラスから形成され得る。本開示の広帯域源100の透過性部分102の使用に適したガラスのタイプは、エー・シュライバー(A. Schreiber)らの、「Radiation Resistance of Quartz Glass for VUV Discharge Lamps」、J.Phys.D:Appl.Phys.38(2005年)、3242−3250において詳細に論じられ、この文献は、本願に引用して上記で援用している。
【0022】
たとえば、広帯域源100の透過性部分102は、そうである必要ではないが、次のガラスの1つ以上から形成され得る:HERAEUS SUPRASIL 1、SUPRASIL 2およびSUPRASIL 2000、ならびにHERAEUS UVL、CORNING 7980、NIKON NIFS−A、JFIBER SQ0/1/T、ASHAI AQT、AQ、AQ3、OHARA 1320およびSCHOTT LITHOSIL。
【0023】
別の実施形態では、広帯域源100の透過性部分102は、選択された波長範囲にわたって1つ以上の色中心を抑制するのに十分なOH含有量を有して形成され得る。たとえば、広帯域源100の透過性部分102は、200〜300nmを含む波長範囲にわたって1つ以上の色中心を抑制するのに十分なOH含有量を有して形成され得る。たとえば、700ppmより大きいOH含有量レベルを有する溶融シリカガラスから広帯域源100の透過性部分102を形成することは、色中心の抑制(または少なくとも低減)をもたらすことができ、そうでなければ、色中心は、約214nmまたは255nmにおいて発生することになる。OH含有量レベルおよび抑制された色中心は、単に例示的な目的のみで提供される、上記で挙げられたものに限定されないことが、本明細書において留意される。所定のガラスにおける色中心の発生は、それだけに限定されないが、使用されるガラスのタイプ、ガラスの熱的前処理プロセスなどを含む多様な要因によって変わり、また、所定のガラス内に現れ得る多様な欠陥によって変わることが、さらに留意される。本開示の広帯域源100の透過性部分102における使用に適したガラスのさまざまな欠陥および関連する色中心は、エー・シュライバー(A.Schreiber)らの、「Radiation Resistance of Quartz Glass for VUV Discharge Lamps」、J.Phys.D:Appl.Phys.38(2005年)、3242−3250において詳細に論じられ、この文献は、全体的に本願に引用して援用する。
【0024】
図1B〜1Gは、本開示の1つ以上の実施形態による、標準的なOHガラスおよび高OHによる光の透過率を比較する、一連の光透過率データを示す。図1Bは、10atmでキセノンが充填された標準的なOHガラス(たとえば、700ppmを下回るOH含有量)で形成されたプラズマランプから取得された透過率データ110を示す。透過率データは、200〜300nmの波長範囲にわたって露出の44時間および50時間の時点で得られた。透過率データは、約215nmおよび245nmの色中心の発生を示す。
【0025】
図1Cおよび1Dは、キセノンが充填された高OHガラス(たとえば700ppmを上回るOH含有量)を有して形成されたプラズマランプから取得された透過率データ112、114を示す。透過率データは、露出の1時間、14.5時間、40時間、187時間、および297時間の時点において得られた。図1Bとは対照的に、図1Cおよび1Dの透過率データ112、114は、標準的なOHガラスの場合に観察された色中心の抑制を示し、高OHプラズマランプが、キセノンガス充填の場合の、標準的なOHプラズマランプと比較して、改良された光の透過率をもたらすことを明確に示している。
【0026】
図1Eは、20atmでアルゴンガスが充填された標準的なOHガラス(たとえば、700ppmを下回るOH含有量)で形成されたプラズマランプから取得された透過率データ120を示す。透過率データは、200〜300nmの波長範囲にわたって露出の22時間および54時間の時点で得られた。透過率データは、200〜300nm範囲の多くにわたる透過率の大きな低減を示す。図1Fおよび1Gは、アルゴンで充填された高OHガラス(たとえば、700ppmを上回るOH含有量)で形成されたプラズマランプから取得された透過率データ122、124を示す。透過率データは、露出の1時間、24時間、117時間の時点で得られた。図1Eとは対照的に、図1Fおよび1Gの透過率データ122、124は、アルゴンガス充填の場合の、標準的なOHプラズマランプと比較して200〜300nm範囲全体にわたって改良された光透過率を示す。
【0027】
本開示が、例示的目的のみで提供される、上記で説明したガス充填、ガス圧力または光露出時間に限定されないことが、本明細書において留意される。
【0028】
図2を参照すれば、1つの実施形態では、広帯域ランプ100は、本開示の1つ以上の実施形態による、レーザ維持プラズマによって広帯域光を生成するためのシステム200のレーザ維持プラズマランプを含む。1つの実施形態では、プラズマランプ100は、高OH含有量透過性部分102を含む。図1A〜1Gの広帯域ランプ100に対して本明細書においてすでに提供された実施形態および例が、図2A〜2Cのプラズマランプ100およびシステム200まで拡張するよう解釈されるべきであることが、本明細書において留意される。
【0029】
不活性ガス種内のプラズマの生成は、全体的に、2007年4月2日出願の米国特許出願第11/695,348号および2006年3月31日出願の米国特許出願第11/395,523号に説明されており、これら文献は、全体的に本願に援用する。さまざまなプラズマセル設計は、2012年の10月9日出願の米国特許出願第13/647,680号に説明されており、この文献は、全体的に本願に引用して援用する。プラズマセルおよびプラズマ電球設計は、2013年1月15日出願の米国特許出願第13/741,566号に説明されており、この文献は、全体的に本願に引用して援用する。プラズマの生成はまた、全体的に2014年3月25日出願の米国特許出願第14/224,945号に説明されており、この文献は、全体的に本願に引用して援用する。
【0030】
1つの実施形態では、システム200は、それだけに限定されないが、赤外放射、可視放射またはUV放射などの選択された波長または波長範囲の照明207を生成するように構成された照明源211(たとえば1つ以上のレーザ)を含む。別の実施形態では、プラズマランプ100は、プラズマ206を生成し、または保つように構成される。1つの実施形態では、プラズマランプ100は、ポンピングレーザ源211からの照明207の少なくとも一部分およびプラズマ206からの広帯域発光215の少なくとも一部分に対して実質的に透過性であるガラス材料から形成された1つ以上の透過性部分102を含む。
【0031】
この点において、プラズマランプ100の透過性部分102は、照明源211から照明を受け取り、次いで、照明207を、プラズマランプ100内に含まれたある体積のガス208に伝達する。さらに、ランプ内のガスまたはプラズマによって吸収された光は、プラズマランプ100内にプラズマ206を生成し、または維持するように作用する。照明207は、照明源211によってプラズマランプ100内へと、当技術分野で知られている任意の光学結合機構を介して送出され得る。たとえば、照明207は、光ファイバ結合を介してまたは自由空間結合を介してプラズマランプ100の透過性部分102を通して送出され得るが、そうである必要はない。
【0032】
照明源211から照明を吸収したとき、プラズマ206は、広帯域放射(たとえば、広帯域IR放射、広帯域可視放射、広帯域UV放射、広帯域DUV放射、広帯域VUV放射および/または広帯域EUV放射)を発する。別の実施形態では、プラズマランプ100の1つ以上の透過性部分102は、プラズマ206によって発せられた広帯域放射215の少なくとも一部分に対して透過性である。別の実施形態では、プラズマランプ100の1つ以上の透過性部分102は、照明源211からの照明207およびプラズマ206によって発せられた広帯域光215の両方に対して透過性である。
【0033】
すでに留意されたように、高エネルギー広帯域光(たとえばVUV光)の発光は、プラズマランプ100の透過性部分102の材料内に色中心の発生を引き起こし得る。1つの実施形態では、本明細書においてすでに論じたように、プラズマランプ100の1つ以上の透過性部分102は、プラズマランプ100の透過性部分102内の色中心の形成を抑制するのに役立つ高OH含有量材料で形成される。1つの実施形態では、システム200のプラズマランプ100の透過性部分102は、それだけに限定されないが、700ppmを上回るOH含有量を有するガラスから形成され得る。たとえば、システム200のプラズマランプ100の透過性部分102は、それだけに限定されないが、700ppmを上回るOH含有量を有する溶融シリカガラスから形成され得る。別の例として、システム200のプラズマランプ100の透過性部分102は、それだけに限定されないが、700ppmを上回るOH含有量を有する溶融クオーツガラスから形成され得る。別の実施形態では、システム200のプラズマランプ100の透過性部分102は、それだけに限定されないが、700から2000ppmの間(たとえば1000〜1200ppmの間)のOH含有量を有するガラスから形成され得る。たとえば、システム200のプラズマランプ100の透過性部分102は、それだけに限定されないが、約700から2000ppmの間のOH含有量を有する溶融シリカガラスから形成され得る。別の例として、システム200のプラズマランプ100の透過性部分102は、それだけに限定されないが、700から2000ppmの間のOH含有量を有する溶融クオーツガラスから形成され得る。別の実施形態では、システム200のプラズマランプ100の透過性部分102は、それだけに限定されないが、2000ppmを上回るOH含有量を有するガラスから形成され得る。たとえば、システム200のプラズマランプ100の透過性部分102は、それだけに限定されないが、2000ppmを上回るOH含有量を有する溶融シリカガラスから形成され得る。別の例として、システム200のプラズマランプ100の透過性部分102は、それだけに限定されないが、2000ppmを上回るOH含有量を有する溶融クオーツガラスから形成され得る。
【0034】
本開示のプラズマランプ100が、プラズマ206を開始し、および/または保つのに適した、プラズマベース光源の技術において知られている構造を含む任意のガスを含むことができることが、本明細書において留意される。
【0035】
図2Bを参照すれば、1つの実施形態では、プラズマランプ100は、ある体積のガス208を含み、プラズマ206を開始し、および/または保つのに適したプラズマ電球203を含むことができる。この点において、プラズマランプ100の透過性部分102は、図2Bに示すように、プラズマ電球203の透過性部分(または壁)からなることができる。1つの実施形態では、プラズマ電球203は、光207をポンピング源211からガス208内に伝達するように適合され、広帯域放射215をプラズマ206から下流側の光学要素に伝達するようにさらに適合される。
【0036】
1つの実施形態では、プラズマ電球203は、本開示を通じて説明するように、高OH含有量レベルを有するガラス材料から形成され得る。たとえば、プラズマ電球203は、次の非限定的な範囲内のOH含有量レベルを有することができる:700〜1000ppm、1000〜1200ppm、200〜2000ppmまたは2000PPM以上。この点において、プラズマ電球203は、1つ以上の色ゾーンの形成を抑制することができ、そうでなければ、この色ゾーンは、プラズマ206によって発せられた紫外光によって作り出される可能性がある。
【0037】
プラズマ電球の使用は、全体的に、2007年4月2日出願の米国特許出願第11/695,348号、2006年3月31日出願の米国特許出願第11/395,523号、および2012年10月9日出願の米国特許出願第13/647,680号に説明されており、これら文献の各々は、すでに全体的に本願に引用して援用している。
【0038】
図2Cを参照すれば、1つの実施形態では、プラズマランプ100は、ある体積のガス208を含むのに適したプラズマセル204を含むことができる。たとえば、プラズマセル204は、ある体積のガス208を含むのに適した伝達要素216を含むことができるが、そうである必要はない。伝達要素216は、プラズマ206を開始しおよび/または保つのに適している。この点において、プラズマランプ100の透過性部分102は、図2Cに示すように、伝達要素216の透過性部分(または壁)からなることができる。1つの実施形態では、伝達要素216は、光207をポンピング源211からガス208内に伝達するように適合され、広帯域放射215をプラズマ206から下流側の光学要素に伝達するようにさらに適合される。
【0039】
1つの実施形態では、プラズマセル204の伝達要素216は、本開示を通じて説明するように、高OH含有量レベルを有するガラス材料から形成され得る。たとえば、プラズマセル204は、次の非限定的な範囲のOH含有量レベルを有することができる:700〜1000ppm、1000〜1200ppm、1200〜2000ppmまたは2000ppm以上。この点において、プラズマセル204の伝達要素216は、1つ以上の色ゾーンの形成を抑制することができ、この色ゾーンは、そうでなければ、プラズマ206によって発せられた紫外光によって作り出される可能性がある。
【0040】
別の実施形態では、伝達要素216は、1つ以上の開口部(たとえば上部および底部の開口部)を含むことができる。別の実施形態では、1つ以上のフランジ218、220が、伝達要素216の1つ以上の開口部に配設される。1つの実施形態では、1つ以上のフランジ218、220は、ある体積のガス208を伝達要素216の本体内に含むために伝達要素216の内部容積を封入するように構成される。1つの実施形態では、1つ以上の開口部は、伝達要素216の1つ以上の端部分に位置することができる。たとえば、図2Cに示すように、第1の開口部は、伝達要素216の第1の端部分(たとえば上部分)に位置することができ、一方で第2の開口部は、伝達要素216の第1の端部分の反対側の、第2の端部分(たとえば底部分)に位置することができる。別の実施形態では、1つ以上のフランジ218、220は、図2Cに示すように、伝達要素216の1つ以上の端部分において伝達要素216を終端させるように配置される。たとえば、第1のフランジ218は、第1の開口部において伝達要素216を終端させるように位置決めされてよく、第2のフランジ220は、第2の開口部において伝達要素216を終端させるように位置決めされてよい。別の実施形態では、第1の開口部および第2の開口部は、伝達要素216の内部容積が、第1の開口部から第2開口部まで連続的であるように、互いに流体的に連通する。別の実施形態では、図示しないが、プラズマセル204は、1つ以上のシールを含む。1つの実施形態では、シールは、伝達要素216の本体と、1つ以上のフランジ218、220との間にシールをもたらすように構成される。プラズマセル204のシールは、当技術分野で知られている任意のシールを含むことができる。たとえば、シールは、それだけに限定されないが、ろう付け、弾性シール、Oリング、Cリング、金属シールなどを含むことができる。別の実施形態では、上部フランジ218および底部フランジ220は、1つ以上の連結ロッド222を介して機械的に結合されてよく、それによって伝達要素216をシールする。フランジ付きプラズマセル内のプラズマの生成は、2014年3月31日出願の米国特許出願第14/231,196号においても説明されており、この文献は、全体的に本願に引用して援用する。
【0041】
図2Aを再度参照すれば、1つの実施形態では、プラズマランプ100は、適切な照明の吸収時にプラズマを生成するのに適した、当技術分野で知られている任意の選択されたガス(たとえば、アルゴン、キセノン、水銀など)を含むことができる。1つの実施形態では、照明源211からの照明207を上記体積のガス208内に集束させることにより、エネルギーが、プラズマランプ100内(たとえば、プラズマ電球203またはプラズマセル204内)のガスまたはプラズマの1つ以上の選択された吸収線を通して吸収され、それによって、プラズマを生成し、または維持するためにガス種を「ポンピングする」。別の実施形態では、図示しないが、プラズマ電球203および/またはプラズマセル204は、プラズマ電球203および/またはプラズマセル204の内部容積内でプラズマ206を開始させるための電極の組を含むことができ、それによって、照明源211からのポンピング放射207は、電極による点火後プラズマ206を保つ。
【0042】
システム200が、多様なガス環境においてプラズマ206を開始しおよび/または維持するために利用され得ることが、本明細書において企図される。1つの実施形態では、プラズマ206を開始しおよび/または保つために使用されるガスは、不活性ガス(たとえば希ガスまたは非希ガス)または非不活性ガス(たとえば水源)を含むことができる。別の実施形態では、プラズマ206を開始しおよび/または保つために使用されるガス108は、ガスの混合物(たとえば、不活性ガスの混合物、不活性ガスと非不活性ガスの混合物、または非不活性ガスの混合物)を含むことができる。たとえば、プラズマ206を生成するために使用される上記体積のガス208は、それだけに限定されないが、アルゴンを含むことができる。たとえば、ガス108は、それだけに限定されないが、アルゴンを含むことができる。別の例として、プラズマ206を生成するために使用される上記体積のガス208は、それだけに限定されないが、キセノンを含むことができる。別の例として、プラズマ206を生成するために使用される上記体積のガス208は、それだけに限定されないが、クリプトンを含むことができる。たとえば、ガス208は、5atmを超える圧力(たとえば10〜50atm)で保持された実質的に純粋なアルゴン、キセノン、またはクリプトンガスを含むことができる。別の場合では、ガス108は、アルゴン、キセノン、クリプトンガスと追加のガスの混合物を含むことができる。
【0043】
システム200が、いくつかのガスと共に使用され得ることが、さらに留意される。たとえば、本開示のシステム200内の使用に適したガスは、それだけに限定されないが、Xe、Ar、Ne、Kr、He、N、HO、O、H、D、F、CH、1つ以上の金属ハロゲン化物、ハロゲン、Hg、Cd、Zn、Sn、Ga、Fe、Li、Na、Ar:Xe、ArHg、KrHg、XeHgなどを含むことができる。本開示のシステム200は、光維持プラズマ生成に適した任意の構造まで拡張するよう解釈されるべきであり、さらに、プラズマランプ(たとえばプラズマ電球またはプラズマセル)内にプラズマを維持するのに適した任意のタイプのガスまで拡張するようさらに解釈されるべきである。
【0044】
プラズマランプ100の透過性部分102(たとえば、プラズマ電球203、またはプラズマセル204の伝達要素216)は、当技術分野で知られている任意のタイプをとることができる。図2Cに示すように、プラズマランプ100が伝達要素216を含む場合では、伝達要素216は、円筒形状を有することができる。別の実施形態では、図示しないが、伝達要素216は、球形、楕円体、長球、または偏球の形状を有することができる。別の実施形態では、図示しないが、伝達要素216は、複合形状を有することができる。たとえば、伝達要素216の形状は、2つ以上の形状の組み合わせからなることができる。たとえば、伝達要素216の形状は、プラズマ206を含むように配置された、球形、楕円体、長球または偏球の中心部分と、球形、楕円体、長球または偏球の中心部分の上方および/または下方に延びる1つ以上の円筒状部分とからなることができ、それによって1つ以上の円筒状部分は、1つ以上のフランジ218、220に結合される。伝達要素216が、図2Cに示すように、円筒形状に成形される場合、伝達要素216の1つ以上の開口部は、円筒状に成形された伝達要素216の端部分に位置することができる。この点において、伝達要素216は、中空円筒形の形態をとり、それによって、チャネルが、第1の開口部(上部開口部)から第2の開口部(底部開口部)まで延びる。別の実施形態では、第1のフランジ218および第2のフランジ220は、伝達要素216の壁(複数可)と相まって、上記体積のガス208を伝達要素216のチャネル内に含むのに役立つ。この配置は、本明細書においてすでに説明したように、多様な伝達要素216の形状まで拡張され得ることが、本明細書において認識される。
【0045】
図2Bに示すように、プラズマランプ100がプラズマ電球203を含む設定では、プラズマ電球203もまた、当技術分野で知られている任意の形状をとることができる。1つの実施形態では、プラズマ電球203は、円筒形状を有することができる。別の実施形態では、プラズマ電球203は、球形、楕円体、長球、または偏球の形状を有することができる。別の実施形態では、プラズマ電球は、複合形状を有することができる。たとえば、プラズマ電球の形状は、2つ以上の形状の組み合わせからなることができる。たとえば、プラズマ電球の形状は、プラズマ206を含むように配置された、球形、楕円体、長球、または偏球の中心部分と、球形、楕円体、長球、または偏球の中心部分の上方および/または下方に延びる1つ以上の円筒状部分とからなることができる。
【0046】
別の実施形態では、システム200は、照明源211から生じた照明を、プラズマランプ100内に含まれた上記体積のガス208内に集束させるように構成された集光器/反射器要素205を含む。集光器要素205は、照明源211から生じた照明を、プラズマランプ100内に含まれた上記体積のガスに集束させるのに適した、当技術分野で知られている任意の物理的構成をとることができる。1つの実施形態では、図2Aに示すように、集光器要素205は、照明源211からポンピング放射207を受け入れ、ポンピング放射207を、プラズマランプ100内に含まれた上記体積のガス内に集束させるのに適した反射性内部表面を備えた凹状領域を含むことができる。たとえば、集光器/反射器要素205は、図2Aに示すように、反射性内部表面を有する楕円形状の集光器要素を含むことができる。別の例として、集光器/反射器要素205は、反射性内部表面を有するパラボラ反射器要素を含むことができる。別の例として、集光器/反射器要素205は、反射性内部表面を有する非球面反射器要素を含むことができる。
【0047】
別の実施形態では、集光器/反射器要素205は、プラズマ206から発せられた広帯域照明215(たとえば、VUV放射、DUV放射、EUV放射、UV放射、および/または可視放射)を集光し、この広帯域照明を1つ以上の追加の光学要素(たとえば、フィルタ223、ホモジナイザ225など)に向けるように配置される。たとえば、集光器要素205は、プラズマ206によって発せられたVUV広帯域放射、DUV放射、EUV放射、UV放射、または可視放射の少なくとも1つを集光し、広帯域照明215を1つ以上の下流側の光学要素に向けることができる。この点において、プラズマランプ100は、VUV放射、DUV放射、EUV放射、UV放射、および/または可視放射を、それだけに限定されないが、検査具または計量具などの、当技術分野で知られている任意の光学的特徴付けシステムの下流側の光学要素まで送出することができる。システム200のプラズマランプ100は、それだけに限定されないが、VUV放射、DUV放射、EUV放射、UV放射、および/または可視放射を含む多様なスペクトル範囲内の有用な放射を発することができることが、本明細書において留意される。
【0048】
1つの実施形態では、システム200は、さまざまな追加の光学要素を含むことができる。1つの実施形態では、追加の光学装置の組は、プラズマ206から生じた広帯域光を集光するように構成された集光光学装置を含むことができる。たとえば、システム200は、ポンプ放射207に対して実質的に透過性でありながら、集光器要素205からの照明を、それだけに限定されないが、ホモジナイザ225などの下流側の光学装置に向けるように配置された選択的ミラー221を含むことができる。
【0049】
別の実施形態では、光学装置の組は、システム200の照明通路または集光通路に沿って置かれた1つ以上のレンズ(たとえばレンズ217)を含むことができる。1つ以上のレンズは、照明源211からの照明を、プラズマランプ100内の上記体積のガス208に集束させる(または発散させる)ために利用され得る。あるいは、1つ以上の追加のレンズは、プラズマ206から生じた広帯域光を選択された標的(図示せず)上に集束させるために利用され得る。
【0050】
別の実施形態では、光学装置の組は、反射ミラー219を含むことができる。1つの実施形態では、反射ミラー219は、照明源211からポンピング放射207を受け取り、この照明を、集光器要素205を介して、プラズマランプ100内に含まれた上記体積のガス208に向けるように配置され得る。別の実施形態では、集光器要素205は、ミラー219から照明を受け取り、この照明を、プラズマランプ100が位置する、集光器要素205(たとえば、楕円体形状の集光要素)の焦点に集束させるように配置される。
【0051】
別の実施形態では、光学装置の組は、光がプラズマランプ100に入る前に照明にフィルタをかけるために、またはプラズマ206からの光の発光後に照明にフィルタをかけるために、照明通路または集光通路に沿って置かれた1つ以上のフィルタ223を含むことができる。上記で説明し、図2Aに示すシステム200の光学装置の組は、単に例示のために提供され、限定的であると解釈されるべきでないことが、本明細書において留意される。いくつかの等価のまたは追加の光学構成が、本開示の範囲内で利用され得ることが、認識される。
【0052】
別の実施形態では、システム200の照明源211は、1つ以上のレーザを含むことができる。一般的な意味で、照明源211は、当技術分野で知られている任意のレーザシステムを含むことができる。たとえば、照明源211は、電磁スペクトルの赤外部分、可視部分、または紫外部分における放射を発することができる、当技術分野で知られている任意のレーザシステムを含むことができる。1つの実施形態では、照明源211は、連続波(CW)レーザ放射を発するように構成されたレーザシステムを含むことができる。たとえば、照明源211は、1つ以上のCW赤外線レーザ源を含むことができる。
【0053】
別の実施形態では、照明源211は、1つ以上のダイオードレーザを含むことができる。たとえば、照明源211は、プラズマランプ100内に含まれたガスの種の任意の1つ以上の吸収線に対応する波長において放射を発する1つ以上のダイオードレーザを含むことができる。一般的な意味で、照明源211のダイオードレーザは、ダイオードレーザの波長が、任意のプラズマの任意の吸収線(たとえばイオン遷移線)または当技術分野で知られているプラズマ生成ガスの任意の吸収線(たとえば高度に励起された中性遷移線)に同調されるような実施に対して選択され得る。したがって、所定のダイオードレーザ(またはダイオードレーザの組)の選択は、システム200のプラズマランプ100内に含まれたガスのタイプによって変わり得る。
【0054】
別の実施形態では、照明源211は、イオンレーザを含むことができる。たとえば、照明源211は、当技術分野で知られている任意の希ガスイオンレーザを含むことができる。たとえば、アルゴンベースのプラズマの場合、アルゴンイオンをポンピングするために使用される照明源211は、Ar+レーザを含むことができる。
【0055】
別の実施形態では、照明源211は、1つ以上の周波数変換型レーザシステムを含むことができる。たとえば、照明源211は、100ワットを超える出力レベルを有するNd:YAGまたはNd:YLFレーザを含むことができる。別の実施形態では、照明源211は、広帯域レーザを含むことができる。別の実施形態では、照明源は、変調されたレーザ放射またはパルスレーザ放射を発するように構成されたレーザシステムを含むことができる。
【0056】
別の実施形態では、照明源211は、レーザ光を実質的に一定の出力でプラズマ206にもたらすように構成された1つ以上のレーザを含むことができる。別の実施形態では、照明源211は、変調されたレーザ光をプラズマ206にもたらすように構成された1つ以上の変調されたレーザを含むことができる。別の実施形態では、照明源211は、パルスレーザ光をプラズマにもたらすように構成された1つ以上のパルスレーザを含むことができる。
【0057】
別の実施形態では、照明源211は、1つ以上の非レーザ源を含むことができる。照明源211は、当技術分野で知られている任意の非レーザ光源を含むことができる。たとえば、照明源211は、電磁スペクトルの赤外部分、可視部分、または紫外部分の放射を不連続的にまたは連続的に発することができる、当技術分野で知られている任意の非レーザシステムを含むことができる。
【0058】
別の実施形態では、照明源211は、2つ以上の光源を含むことができる。1つの実施形態では、照明源211は、1つ以上のレーザを含むことができる。たとえば、照明源211(または複数の照明源)は、多重ダイオードレーザを含むことができる。別の例として、照明源211は、多重CWレーザを含むことができる。別の実施形態では、2つ以上のレーザの各々は、システム200のプラズマランプ100内のガスまたはプラズマの異なる吸収線に同調されたレーザ放射を発することができる。
【0059】
次に図3を参照すれば、1つの実施形態では、広帯域ランプ100は、放電ランプ300を含むことができる。図3は、本開示の1つ以上の実施形態による、高OH透過性部分102を装備した放電ランプ300を示す。本開示の多くは、レーザポンプ式プラズマ源(たとえばプラズマランプ100)の文脈で、高OH透過性部分102の使用を説明してきたが、本開示は、そのような構成に限定されない。本開示の高OH透過性部分102は、色ゾーンの抑制または伝達の改良が望まれる、任意の広帯域光生成設定の文脈で使用され得る。
【0060】
図1A図2Cに関して本明細書においてすでに説明したプラズマランプ100のさまざまな実施形態および例が、図3の放電ランプ300まで拡張するよう解釈されるべきであることが、本明細書において留意される。たとえば、放電ランプ300を製作するために使用される材料は、プラズマランプ100の文脈で本明細書においてすでに説明したものなどの類似の形態をとることができる。1つの実施形態では、放電ランプ300の透過性部分102は、700pmを上回る(たとえば、700〜2000pmの間)OH含有量レベルを有する溶融シリカガラスから形成される。別の実施形態では、放電ランプ300の透過性部分102は、700ppmを上回る(たとえば、700〜1000ppmの間、1000〜1200ppmの間、1200〜2000ppmの間、または2000ppmを上回る)OH含有量レベルを有するクオーツガラスから形成される。
【0061】
本開示の放電ランプ300は、当技術分野で知られている任意の放電ランプの形態をとることができ、図3に示す構成に限定されないことが、本明細書において留意される。1つの実施形態では、放電ランプ300は、アークランプであり、電極308、310の組を含む。たとえば、放電ランプ300は、それだけに限定されないが、ガス304の励起302によって広帯域光307を生成するように構成された、図3に示すようなアノード308およびカソード310を含むことができる。
【0062】
アークランプに使用されるガス304が、放電ランプの技術分野において使用される任意のガスを含むことができることが、本明細書において留意される。たとえば、ガス304は、それだけに限定されないが、Xe、Hg、Xe−Hg、Arなどの1つ以上を含むことができる。
【0063】
図4は、本開示の1つ以上の実施形態による、プラズマベースの広帯域光を生成するための電球のない源400を示す。本開示の多くは、ガス環境が小体積に保たれる、プラズマランプ100またはアークランプ300の文脈で高OH含有量の透過性部分102の使用に焦点をあててきているが、これらの構成は、本開示に対する限定ではない。高OH含有量の透過性部分102が、改良された光伝達が望まれる、任意の広帯域光の生成設定において使用され得ることが、本明細書において認識される。電球のない照明源400は、1つのそのような環境を示す。電球のない光源400は、プラズマ206を、ガス閉じ込め構造体407(たとえば、チャンバ407)内に含まれたガス406内で確立し、保つように構成される。たとえば、図4に示すように、プラズマ206は、ガス閉じ込め構造体407(たとえば、チャンバ)および/または集光器要素405によって画定された容積内に含まれたガス406内に確立され、保たれ得る。
【0064】
別の実施形態では、ガス閉じ込め構造体407は、集光器要素405に動作可能に結合される。たとえば、図4に示すように、集光器要素は、閉じ込め構造体407の上側部分上に配設される。別の例として、図示しないが、集光器要素405は、ガス閉じ込め構造体407の内側に配設され得る。源400が、本開示によってプラズマを開始しおよび/または保つのに適した、電球のないいくつかの構成を包含することができることが、本明細書において企図されるため、本開示は、上記の説明または図4の源400の描写に限定されないことが、本明細書において留意される。
【0065】
電球のない光源におけるプラズマの生成は、全体的に、2014年3月25日出願の米国特許出願第14/224,945号に説明されており、この文献は、全体的に上記で援用している。電球のないレーザ維持プラズマ光源もまた、全体的に、2010年5月26日出願の米国特許出願第12/787,827号に説明されており、この文献は、全体的に本願に引用して援用する。
【0066】
図1A図3に関して本明細書においてすでに説明したプラズマランプ100および放電ランプ300のさまざまな実施形態および例が、図4のバルブを有さない源400まで拡張するよう解釈されるべきであることが、本明細書において留意される。たとえば、源400の透過性光学要素を製作するために使用される材料は、プラズマランプ100および放電ランプ300の文脈で本明細書においてすでに説明したものと類似の形態をとることができる。
【0067】
1つの実施形態では、源400は、1つ以上の透過性部分402、404を含む。別の実施形態では、1つ以上の透過性部分402、404は、それだけに限定されないが、本開示を通じて説明する材料の任意のものなどの高OH含有量を有するガラス材料から形成され得る。たとえば、1つ以上の透過性部分402、404は、それだけに限定されないが、700ppmを上回る(たとえば、700〜1000ppmの間、1000〜1200ppmの間、1200〜2000ppmの間、または2000ppmを上回る)OH含有量を有するガラス材料(たとえば、溶融シリカガラスまたは溶融クオーツガラス)から形成された窓402、404を含むことができる。
【0068】
1つの実施形態では、源400は、ポンピング源211からポンピング放射207を受け入れるための投入窓402を含む。別の実施形態では、源400は、広帯域照明215をプラズマ206から下流側の光学構成要素(たとえば、ホモジナイザ225)に伝達するための出力窓404を含む。本開示が、源400の特定の構成に限定されないことが、本明細書において留意される。本開示の高OH含有量ガラスが、ポンピング放射をプラズマに結合させるために使用される、および/または広帯域放射を下流側の構成要素に結合させるために使用される任意の透過性光学表面を形成するために使用され得ることが、本明細書において認識される。
【0069】
本開示は、サンプル(たとえばウエハ)検査具における広帯域光生成の文脈で広帯域源100、300、および400の高OH透過性部分102の使用に焦点をあててきたが、本開示の実施形態は、色ゾーンの抑制が有利である任意の光学的設定まで拡張され得ることが、本明細書において企図される。たとえば、広帯域検査に加えて、本開示の高OH含有量材料(たとえば、高OH溶融シリカガラスまたは高OHクオーツガラス)が、任意の散乱計、反射率計、偏光解析器、または当技術分野で知られている光学計量具の1つ以上の透過性光学構成要素を形成するために使用され得ることが、本明細書において認識される。
【0070】
本明細書において説明する主題は、時に、他の構成要素内に含まれる、または他の構成要素に連結された異なる構成要素を示す。そのように示す構造は単に例示的なものであり、実際には、同じ機能を達成する数多くの他の構造が使用され得ることを理解されたい。概念的な意味では、同じ機能を達成する構成要素の任意の配置は、所望の機能が達成されるように効果的に「関連付けられる」。故に、特定の機能を達成するために組み合わされた本明細書の任意の2つの構成要素が、構造または中間構成要素に関わらず、所望の機能が達成されるように互いに「関連付けられる」ことが分かり得る。同様に、そのように関連付けられた任意の2つの構成要素は、所望の機能を達成するために互いに「連結される」または「結合される」ものとしてみなすことができ、そのように関連付けることが可能である任意の2つの構成要素はまた、所望の機能を達成するように互いに「結合可能である」ものとしてみなされ得る。結合可能である特有の例は、それだけに限定されないが、物理的に相互作用可能なおよび/または物理的に相互作用する構成要素を含む。
【0071】
本開示およびその付随する利点の多くが、前述の説明によって理解されることが、想定され、さまざまな変更が、開示した主題から逸脱することなく、またはその重要な利点のすべてを犠牲にすることなく、構成要素の形態、構造、および配置に加えられ得ることが明らかである。説明した形態は、単に説明的なものであり、特許請求の範囲の意図は、そのような変更を包含し含むことである。さらに、本発明は、付属の特許請求の範囲によって定義されることを理解されたい。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図1G
図2A
図2B
図2C
図3
図4