特許第6861647号(P6861647)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6861647
(24)【登録日】2021年4月1日
(45)【発行日】2021年4月21日
(54)【発明の名称】管状粒子を含む物品
(51)【国際特許分類】
   C08J 9/04 20060101AFI20210412BHJP
【FI】
   C08J9/04 101
   C08J9/04CES
   C08J9/04CET
   C08J9/04CFD
   C08J9/04CFF
【請求項の数】12
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2017-560286(P2017-560286)
(86)(22)【出願日】2016年5月19日
(65)【公表番号】特表2018-517027(P2018-517027A)
(43)【公表日】2018年6月28日
(86)【国際出願番号】US2016033298
(87)【国際公開番号】WO2016187438
(87)【国際公開日】20161124
【審査請求日】2019年5月8日
(31)【優先権主張番号】62/163,576
(32)【優先日】2015年5月19日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508020155
【氏名又は名称】ビーエイエスエフ・ソシエタス・エウロパエア
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ブラッド ジェイ. マーティン
【審査官】 加賀 直人
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2014/150122(WO,A1)
【文献】 特開2000−186139(JP,A)
【文献】 特開2000−107785(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08J 9/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
密度0.03〜0.45g/ccを有し、且つ、物品内でランダムに配向した複数の異方性の管状粒子を含む物品であって、前記管状粒子が熱可塑性エラストマーフォームと、前記熱可塑性エラストマーフォームの外部表面上に配置されるポリマーとを含み、前記熱可塑性エラストマーフォームと前記ポリマーとの各々は独立して、DIN ISO 306に準拠して測定される軟化温度を有し、且つ前記ポリマーの軟化温度は、前記熱可塑性エラストマーフォームの軟化温度よりも少なくとも5℃低く、前記熱可塑性エラストマーフォームの軟化温度は110〜150℃であり、前記ポリマーの軟化温度は60〜70℃である、前記物品。
【請求項2】
前記熱可塑性エラストマーフォームが熱可塑性ポリウレタンフォームであり、且つ前記熱可塑性エラストマーフォームの外部表面上に配置された前記ポリマーが、熱可塑性ポリウレタンとしてさらに定義される、請求項1に記載の物品。
【請求項3】
前記熱可塑性ポリウレタンフォームが、ポリエーテルポリオールと、イソシアネート成分と、連鎖延長剤との、発泡された反応生成物である、請求項2に記載の物品。
【請求項4】
前記熱可塑性ポリウレタンフォームが、ポリエステルポリオールと、イソシアネート成分と、連鎖延長剤との、発泡された反応生成物である、請求項2に記載の物品。
【請求項5】
前記熱可塑性エラストマーフォームが、DIN ISO 7619−1を使用して各々測定される硬さ40A〜83Dまたは80A〜95Aを有する熱可塑性ポリウレタンから形成される、請求項1から4までのいずれか1項に記載の物品。
【請求項6】
前記熱可塑性ポリウレタンフォームが、脂肪族および/またはオレフィン性ポリオールと、イソシアネート成分と、連鎖延長剤との、発泡された反応生成物である、請求項2に記載の物品。
【請求項7】
前記熱可塑性エラストマーフォームが、密度0.1〜0.6g/ccを有し、且つ熱可塑性ポリエステルエラストマー(TPE)、熱可塑性スチレン系エラストマー(TPS)、熱可塑性ポリアミド(TPA)、熱可塑性加硫物(TPV)、熱可塑性ポリオレフィン(TPO)およびそれらの組み合わせから選択される、請求項1から6までのいずれか1項に記載の物品。
【請求項8】
ASTM D 5035を使用して測定される極限破断強さ0.1〜4.0メガパスカルを有する、請求項1から7までのいずれか1項に記載の物品。
【請求項9】
前記熱可塑性エラストマーフォームの外部表面上に配置された前記ポリマーが、前記熱可塑性エラストマーフォーム上に配置され且つ前記熱可塑性エラストマーフォームと直接接触している、請求項1から8までのいずれか1項に記載の物品。
【請求項10】
前記熱可塑性エラストマーフォームの外部表面上に配置された前記ポリマーと、前記熱可塑性エラストマーフォームとの間に配置された中間ポリマーをさらに含む、請求項1から9までのいずれか1項に記載の物品。
【請求項11】
靴底、クッション、床張り材料、または床張り基材としてさらに定義される、請求項1から10までのいずれか1項に記載の物品。
【請求項12】
密度0.03〜0.45g/ccを有する物品の製造方法であって、以下の段階:
A. 各々独立して、DIN ISO 306に準拠して測定される軟化温度を有する熱可塑性エラストマーおよびポリマーを準備する段階、ここで、前記ポリマーの軟化温度は、前記熱可塑性エラストマーの軟化温度よりも少なくとも5℃低く、前記熱可塑性エラストマーフォームの軟化温度は110〜150℃であり、前記ポリマーの軟化温度は60〜70℃である、
B. 前記熱可塑性エラストマーと前記ポリマーとを同時押出して、管状押出物を形成する段階、ここで、同時押出の間に前記熱可塑性エラストマーが発泡されて、熱可塑性エラストマーフォームが形成され、且つ前記ポリマーは前記熱可塑性エラストマーフォームの外部表面上に配置される、
C. 前記管状押出物を分割して、前記熱可塑性エラストマーフォームと、前記熱可塑性エラストマーフォームの外部上に配置されるポリマーとを含む、複数の異方性の管状粒子を形成する段階、
D. 前記複数の異方性の管状粒子をモールド内に配置する段階、および
E. 前記複数の異方性の管状粒子を加熱して、前記複数の異方性の管状粒子が物品内でランダムに配向するように物品を形成する段階
を含み、前記加熱段階が、スチームチェストクラッキング成形としてさらに定義される、前記方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、特定の密度を有し且つ複数の異方性の管状粒子を含む物品に関する。より具体的には、前記管状粒子は、熱可塑性エラストマーフォームと、前記熱可塑性エラストマーフォームの外部表面上に、前記粒子の最外層として配置されるポリマーとを含む。
【0002】
背景
熱可塑性フォーム粒子は、粒子をゆるく組み合わせるか、またはそれらを一緒に結合して粒子の接続されたネットワークを形成することによって、クッション状の材料を形成するために使用され得る。粒子固有の熱可塑性(溶融)挙動と併せて、熱硬化性接着剤を使用することによって、または温度および圧力を使用することによって、粒子が互いに融合して、粒子の結合を達成できる。結合プロセスの間、粒子を通常、圧力下でモールド内に設置して、物品を形成する。粒子を結合させるために温度を使用する(例えばスチームチェストクラッキング成形(steam chest crack molding)による)場合、通常、粒子の融点に近づけ/それを超過して、モールド内での溶融を可能にする。高められた温度は、モールド内の圧力と相まって、粒子を永続的にひずませるという意図されない結果を有することがあり、そのことは望ましくない物品の収縮をもたらす。従って、改善の余地が残っている。
【0003】
本開示の要約
この発明は、0.03〜0.45g/ccの密度を有し、且つ、物品内にランダムに配向した複数の異方性の管状粒子を含む物品を提供する。前記管状粒子は、熱可塑性エラストマーフォームと、前記熱可塑性エラストマーフォームの外部表面上に、前記粒子の最外層として配置されるポリマーとを含む。前記熱可塑性エラストマーフォームおよび前記ポリマーの各々は独立して、DIN ISO306に準拠して測定される軟化温度を有する。前記ポリマーの軟化温度は、前記熱可塑性エラストマーフォームの軟化温度よりも少なくとも5℃低い。
【0004】
この発明は、前記物品の形成方法も提供する。前記方法は、熱可塑性エラストマーおよびポリマーを準備する段階と、前記熱可塑性エラストマーと前記ポリマーとを同時押出して、管状押出物を形成する段階とを含み、前記熱可塑性エラストマーは同時押出の間に発泡されて、熱可塑性エラストマーフォームを形成し、且つ前記ポリマーは、前記熱可塑性エラストマーフォームの外部表面上に前記管状押出物の最外層として配置される。前記方法は、前記管状押出物を分割して、複数の異方性の管状粒子を形成する段階も含む。さらには、前記方法は、前記複数の異方性の管状粒子をモールド内に配置する段階、および前記複数の異方性の管状粒子を加熱して、前記複数の異方性の管状粒子が物品中でランダムに配向するように物品を形成する段階も含む。
【0005】
本開示の別の利点は容易に理解され、なぜならそれは、以下の詳細な説明を参照し、添付図面と関連付けて考えられる場合により良好に理解できるからである。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は本開示の1つの粒子の1つの実施態様の側断面図である。
図2図2は本開示の1つの粒子の他の実施態様の側断面図である。
図3図3は本開示の押出物の1つの実施態様の側断面図である。
図4図4は本開示の複数の粒子の1つの実施態様の側断面図である。
図5図5は本開示の物品の1つの実施態様の側断面図である。
【0007】
発明の詳細な説明
この開示は、例えば図5に示されるような、密度0.03〜0.45g/ccを有する物品(10)を提供する。前記物品(10)自体は、寸法、サイズまたは種類において特に限定されない。様々な実施態様において、前記物品(10)は靴底、家具用クッション、自動車用クッション、マットレス、床張り表面、床張り基材等である。他の実施態様において、前記物品(10)の密度は、0.03〜0.4、0.05〜0.4、0.1〜0.35、0.15〜0.3、0.2〜0.25、0.03〜0.1、0.03〜0.25、0.03〜0.2、0.03〜0.15、0.03〜0.05、0.04〜0.09、0.05〜0.08、0.06〜0.07、0.1〜0.45、0.15〜0.4、0.2〜0.35、または0.25〜0.3g/cc(またはg/ml)である。前記物品(10)は、典型的には、ASTM D 5035を使用して測定される極限破断強さ0.1〜4.0メガパスカル、0.4〜3.0メガパスカル、または0.5〜1.5メガパスカルも有する。様々な追加的な限定されない実施態様において、上述の値の間および上述の値を含む全ての値および値の範囲が、これによって明示的に考慮されている。
【0008】
異方性の管状粒子:
前記物品(10)は、例えば図4に示されるとおり、複数の異方性の管状粒子(12)(以下で「粒子(12)と記載」)を含む。「複数」との用語は、物品(10)が多数の粒子(12)、つまり、3以上を含むことを記載する。「異方性」との用語は、前記粒子(12)が、異なる方向で測定された際に異なる値を有する物理的特性を示すことを記載する。例えば、前記粒子は、粒子の側方に力がかけられる場合に、粒子を崩壊させるために特定の量の力を必要とし得る。この必要とされる力の量は、粒子を崩壊させるために粒子の端部にかけられる場合には異なり得る。前記粒子(12)は管状であり、且つ中実または中空であってよい。1つの実施態様において、前記粒子(12)は中空の円筒として記載される。他の実施態様において、前記粒子(12)は中実の円筒として記載される。
【0009】
前記粒子(12)の断面は、円形、楕円形、正方形、長方形、または任意の他の形態であってよい。換言すれば、「管状」との用語は、円形または楕円形の断面に限定されない。しかしながら、図面において、断面はほぼ円形である。前記粒子(12)は、長さおよび任意の形状であってよい断面を有する中空または中実の形状として記載されることができる。他の実施態様において、前記粒子(12)は、カーブした/曲がった管状の形状であるか、または蛇腹/「アコーディオン」形状である。前記粒子(12)をカーブさせること/曲げることは、前記粒子(12)を蛇腹状にする(bellowing)のと同様に、異なる特性をもたらすことができる。前記粒子(12)を選択的に、パイプ、導管、管、円筒等として記載することができる。管状粒子の使用は、典型的には、より低いバルク密度の物品を実現することを可能にする。換言すれば、前記粒子の幾何学的形状は典型的には、例えば本開示の技術を用いずに形成された比較用物品に対して、密度がより低減することを可能にする。
【0010】
前記粒子(12)は、前記物品(10)中で、例えば三次元的にランダムに配向している。換言すれば、前記粒子(12)は、前記物品(10)内で一方向または任意の特定の単数もしくは複数の方向に配置されているのではない。前記粒子(12)は、典型的には、前記物品(10)中でx、yおよびzの次元においてランダムに配向しているかまたは分散している。典型的には、物品(10)の断面は、物品(10)内で粒子(12)の配向または分散のパターンを示さない。
【0011】
前記粒子(12)は、典型的には一緒に融合するが、前記物品が上述の密度を有する限り、必ずしも「融合」しなければならないわけではない。1つの実施態様において、前記粒子(12)のいくつかは一緒に融合されており、且つ他は融合されていない。典型的には、融合される場合、前記粒子(12)は以下に記載される方法を使用して融合される。前記粒子(12)は、複数の点で、例えば前記粒子(12)の端部に沿って、または前記粒子(12)の外部表面(26)に沿って若しくはそれにわたって、一緒に融合され得る。選択的に、前記粒子(12)は、様々な粒子(12)の外部層の1つまたはそれより多くの界面で一緒に融合され得る。前記粒子は、上述の密度が達成される限り、一緒に溶融されてもよいし、そうでなければ何らかの方法で互いに付着してもよい。
【0012】
前記粒子(12)は、熱可塑性エラストマーフォーム(14)、および前記熱可塑性エラストマーフォーム(14)の外部表面(26)上に、前記粒子(12)の最外層(24)として配置されるポリマー(16)を含む。このポリマー(16)は、選択的に、「外部の」ポリマー(16)として記載することができる。「最外」または「外部」との用語は、前記層の一方の側が環境に曝露され、いかなる他の層とも接触していないことを記載し得る。換言すれば、最外層は、いかなる他の層の間にも挟まれていない。
【0013】
前記粒子(12)は、前記熱可塑性エラストマーフォーム(14)および前記ポリマー(16)を含む、本質的にそれらからなる、またはそれらからなることができる。「本質的に〜なる」との用語は、様々な実施態様において、前記粒子(12)が、前記熱可塑性エラストマーフォーム(14)または前記ポリマー(16)ではないポリマーを含まず、且つ当該技術分野において公知の様々なポリマー添加剤および/またはプロセス添加剤を含まない、または含み得ることを記載する。
【0014】
前記熱可塑性エラストマーフォーム(14)も前記ポリマー(16)も、前記粒子(12)におけるいかなる厚さ、長さ、幅または高さにも特に限定されない。典型的には、前記熱可塑性エラストマーフォーム(14)は、前記粒子(12)中で0.5〜50、1〜30、または1〜10mmの厚さを有する。同様に、前記ポリマー(16)は、典型的には前記粒子(12)中で0.001〜10、0.005〜5、または0.01〜1mmの厚さを有する。様々な追加的な限定されない実施態様において、上述の値の間および上述の値を含む全ての値および値の範囲が、これによって明示的に考慮されている。
【0015】
前記粒子(12)自体も、いかなる厚さ、長さ、幅または高さにも特に限定されない。様々な実施態様において、前記粒子(12)は、1〜50、1〜40、または1.5〜30mmの長さを有する。他の実施態様において、前記粒子(12)は、1〜100、1〜50、または1〜30mmの直径を有する。さらに他の実施態様において、前記粒子(12)のサイズは、それらが約0.5mm〜約25mmの直径を有するように設計されている。前記粒子(12)の直径は、約2mm〜約10mm、または約3mm〜約8mmであってよい。様々な追加的な限定されない実施態様において、上述の値の間および上述の値を含む全ての値および値の範囲が、これによって明示的に考慮されている。
【0016】
熱可塑性エラストマーフォーム:
前記熱可塑性エラストマーフォーム(14)は、それがフォームである限り、特に限定されない。しかしながら、前記熱可塑性エラストマーフォーム(14)は典型的には、発泡されていない熱可塑性エラストマーから形成される。1つの実施態様において、且つ以下で記載されるとおり、前記熱可塑性エラストマーフォーム(14)は典型的には、発泡されていない熱可塑性エラストマーを押出する間に発泡される。例えば、発泡されていない熱可塑性エラストマーを押出機に(例えばペレットの形態で)準備し、次いで押出の工程の間に発泡させて、熱可塑性エラストマーフォーム(14)を形成することができる。追加的な工程段階、例えば、膨張性マイクロスフェアの添加、膨張剤(発泡剤)、例えばNaHCO3またはクエン酸の添加、またはガス、例えばCO2、N2またはArの、溶融物中への注入による添加も有用であり得る。それらの段階の組み合わせを使用することもできる。以下で記載されるとおり、「熱可塑性エラストマー」および「熱可塑性エラストマーフォーム(14)」との用語は、様々な限定されない実施態様において同義的に使用されることがある。
【0017】
様々な実施態様において、前記熱可塑性エラストマーフォーム(14)は、DIN ISO 7619−1を使用して測定して、ショア40A〜83Dのデュロメータ硬さを有する発泡されていない熱可塑性エラストマーを使用して製造される。様々な実施態様において、前記熱可塑性エラストマーフォーム(14)を形成するために使用される発泡されていない熱可塑性エラストマーは、DIN ISO 7619−1を使用して測定される40A〜83D、60A〜70D、または80A〜95Aのデュロメータ硬さを有する。前記熱可塑性エラストマーフォーム(14)自体は、典型的には密度0.1〜0.6、0.15〜0.55、0.2〜0.5、0.25〜0.45、0.3〜0.4、0.3〜0.35または0.35〜0.4g/cc(またはg/ml)を有する。さらに他の実施態様において、上述の値の間の全ての値および値の範囲が、これによって明示的に考慮されている。
【0018】
前記熱可塑性エラストマーおよび/または熱可塑性エラストマーフォーム(14)を、熱可塑性ポリウレタンエラストマー(TPU)、熱可塑性コポリエステルエラストマー(TPC)、熱可塑性スチレン系エラストマー(TPS)、熱可塑性ポリアミド(TPA)、熱可塑性加硫物(TPV)、熱可塑性ポリオレフィン(TPO)およびそれらの組み合わせから選択できる。
【0019】
熱可塑性ポリウレタンエラストマー:
熱可塑性ポリウレタンエラストマー(例えば発泡されたまたは発泡されていない)を、本願において簡潔にTPU、熱可塑性ポリウレタン、またはTPE−Uとして記載することがある。熱可塑性ポリウレタンエラストマーは典型的には、硬質セグメントおよび軟質セグメントを含む、直鎖のセグメント化されたポリマーブロックを含む。特定の理論に束縛されることを意図するものではないが、軟質セグメントは、低極性であり、且つ熱可塑性ポリウレタンに弾性をもたらすエラストマーマトリックスを形成すると考えられる。硬質セグメントは、軟質セグメントよりも短く、高極性であり、且つ物理的架橋と補強充填剤との両方として機能する多機能の連結点として作用すると考えられる。物理的架橋は、熱が与えられた際に消失するので、熱可塑性ポリウレタンが様々な加工方法において使用されることを可能にすると考えられる。
【0020】
前記熱可塑性ポリウレタンをさらに、ポリエーテル熱可塑性ポリウレタン、ポリエステル熱可塑性ポリウレタン、またはポリエーテル熱可塑性ポリウレタンとポリエステル熱可塑性ポリウレタンとの組み合わせとして定義できる。つまり、前記発泡されていないおよび/または発泡された熱可塑性ポリウレタンをさらに、イソシアネートと、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、脂肪族またはオレフィン性ポリオールまたはそれらのポリオールの組み合わせとの反応生成物を含む、または前記反応生成物であるとして定義できる。選択的に、前記発泡されていないおよび/または発泡された熱可塑性ポリウレタンをさらに、イソシアネートと、直鎖の高分子グリコール(例えば質量平均分子量500〜8,000g/molを有する)、低分子量ジオール(例えば質量平均分子量50〜600g/molを有する)、および/またはポリオールとの重付加反応から製造されるマルチブロックコポリマーとして定義できる。典型的には、発泡されていないおよび/または発泡された熱可塑性ポリウレタンを、上述のとおり、硬質セグメントと軟質セグメントとの比率を変化させることによって得ることできる。物理的特性、例えばショア硬さ、並びに弾性率、耐荷力(圧縮応力)、引裂強さおよび比重は、典型的には硬質セグメントの、軟質セグメントに対する比率の上昇と共に上昇する。
【0021】
1つの実施態様において、前記発泡されていないおよび/または発泡された熱可塑性ポリウレタンは、ポリエステル熱可塑性ポリウレタンであり、且つ、ポリエステルポリオールと、イソシアネート成分と、連鎖延長剤との反応生成物を含む。適したポリエステルポリオールは、典型的には、ジカルボン酸と、少なくとも1つの第一級ヒドロキシル基を有するグリコールとの反応から製造される。適したジカルボン酸は、限定されずに、アジピン酸、メチルアジピン酸、コハク酸、スベリン酸、セバシン酸、シュウ酸、グルタル酸、ピメリン酸、アゼライン酸、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、およびそれらの組み合わせを含む。前記ポリエステルポリオールの製造において使用するために適したグリコールは、限定されずに、エチレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ビス(ヒドロキシメチルシクロヘキサン)、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、2−メチル−プロパンジオール、3−メチル−ペンタンジオール、2,2−ジメチルプロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、およびそれらの組み合わせを含む。
【0022】
選択的な実施態様において、発泡されていないおよび/または発泡された熱可塑性ポリウレタンは、ポリエステル熱可塑性ポリウレタンであり、且つ、適した連鎖延長剤と、イソシアネート成分と、高分子ポリオールとの反応生成物を含む。適した連鎖延長剤は、限定されずに、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ブテンジオール、ブチンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、キシリレングリコール、アミレングリコール、1,4−フェニレン−ビス−β−ヒドロキシエチルエーテル、1,3−フェニレン−ビス−β−ヒドロキシエチルエーテル、ビス−(ヒドロキシ−メチル−シクロヘキサン)、ヘキサンジオールおよびチオジグリコールを含むジオール類、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、シクロヘキシレンジアミン、フェニレンジアミン、トリレンジアミン、キシリレンジアミン、3,3’−ジクロロベンジジン、3,3’−およびジニトロベンジジンを含むジアミン類、エタノールアミン、アミノプロピルアルコール、2,2−ジメチルプロパノールアミン、3−アミノシクロヘキシルアルコールおよびp−アミノベンジルアルコールを含むアルカノールアミン類、およびそれらの組み合わせを含む。この発明において使用できる適したポリエステル熱可塑性ポリウレタンの具体的な例は、限定されずに、BASF Corporationから市販されているElastollan(登録商標) 600、800、B、CおよびSシリーズのポリエステル熱可塑性ポリウレタンを含む。
【0023】
さらなる実施態様において、前記発泡されていないおよび/または発泡された熱可塑性ポリウレタンは、ポリエーテル熱可塑性ポリウレタンであり、且つ、ポリエーテルポリオールと、イソシアネート成分と、連鎖延長剤との反応生成物を含む。適したポリエーテルポリオールは、限定されずに、ポリテトラメチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールおよびそれらの組み合わせを含む。さらに他の実施態様において、前記発泡されていないおよび/または発泡された熱可塑性ポリウレタンは、ポリエーテル熱可塑性ポリウレタンであり、且つ、連鎖延長剤とイソシアネート成分との反応生成物を含む。熱可塑性ポリウレタンの望ましい特性に応じて、当該技術分野において公知の任意の連鎖延長剤を当業者が使用できることが理解されるべきである。この発明において使用できる適したポリエーテル熱可塑性ポリウレタンの具体的な例は、限定されずに、BASF Corporationから市販されているElastollan(登録商標) 1000、1100および1200シリーズのポリエーテル熱可塑性ポリウレタンを含む。
【0024】
さらなる実施態様において、前記発泡されていないおよび/または発泡された熱可塑性ポリウレタンは、脂肪族またはオレフィン性熱可塑性ポリウレタンであり、且つ、脂肪族またはオレフィン性熱可塑性ポリオールと、イソシアネート成分と、連鎖延長剤との反応生成物を含む。適したポリエーテルポリオールは、限定されずに、水素化されたポリブタジエンまたは水素化されていないポリブタジエン、およびそれらの組み合わせ、またはポリエステルおよび/またはポリエーテルポリオールとの組み合わせを含む。熱可塑性ポリウレタンの望ましい特性に応じて、当該技術分野において公知の任意の連鎖延長剤を当業者が使用できることが理解されるべきである。
【0025】
典型的には、前記発泡されていないおよび/または発泡された熱可塑性ポリウレタンを形成するために使用されるポリエーテル、ポリエステル、脂肪族またはオレフィン性ポリオールは、質量平均分子量600〜3,000g/molを有する。しかしながら、前記ポリオールは、この分子量の範囲に限定されない。1つの実施態様において、前記発泡されていないおよび/または発泡された熱可塑性ポリウレタンを形成するために使用される出発材料(例えば直鎖の高分子グリコール、低分子量ジオール、および/またはポリオール)は、約2の平均官能価を有する。例えば、任意のプレポリマーまたはモノマーが、2つの末端の反応性基を有して、前記発泡されていないおよび/または発泡された熱可塑性ポリウレタン中で、分岐点を有さないかまたはわずかにしか有さない、高分子量の直鎖の形成を促進することができる。
【0026】
前記発泡されていないおよび/または発泡された熱可塑性ポリウレタンを形成するために使用されるイソシアネート成分は典型的には、限定されずに、イソシアネート、ジイソシアネート、ポリイソシアネートおよびそれらの組み合わせを含む。1つの実施態様において、前記イソシアネート成分は、n官能性のイソシアネートを含む。この実施態様において、典型的にはnは2〜5、より典型的には2〜4、さらにより典型的には2〜3、および最も典型的には約2の数である。nは整数であってもよいし、または2〜5の中間の値を有してもよいことが理解されるべきである。前記イソシアネート成分は典型的には、芳香族イソシアネート、脂肪族イソシアネートおよびそれらの組み合わせの群から選択されるイソシアネートを含む。他の実施態様において、前記イソシアネート成分は、脂肪族イソシアネート、例えばヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ジシクロヘキシル−メチル−ジイソシアネート(H12MDI)、イソホロン−ジイソシアネート、およびそれらの組み合わせを含む。前記イソシアネート成分が脂肪族イソシアネートを含む場合、前記イソシアネート成分は、変性された多価の脂肪族イソシアネート、即ち、脂肪族ジイソシアネートおよび/または脂肪族ポリイソシアネートの化学反応によって得られた生成物を含んでもよい。例は、限定されずに、ウレア、ビウレット、アロファネート、カルボジイミド、ウレトンイミン、イソシアヌレート、ウレタン基、ダイマー、トリマーおよびそれらの組み合わせを含む。前記イソシアネート成分は、限定されずに、個々にまたはポリオキシアルキレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシプロピレンポリオキシエチレングリコール、ポリエステロール(polyesterol)、ポリカプロラクトン、およびそれらの組み合わせとの反応生成物において用いられる、変性ジイソシアネートも含んでよい。
【0027】
選択的に、前記イソシアネート成分は、芳香族イソシアネートを含んでよい。前記イソシアネート成分が芳香族イソシアネートを含む場合、前記芳香族イソシアネートは典型的には、式R’(NCO)に相応し、前記R’は芳香族であり、且つzはR’の原子価に相応する整数である。典型的には、zは少なくとも2である。芳香族イソシアネートの適した例は、限定されずに、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、1,4−ジイソシアナトベンゼン、1,3−ジイソシアナト−o−キシレン、1,3−ジイソシアナト−p−キシレン、1,3−ジイソシアナト−m−キシレン、2,4−ジイソシアナト−1−クロロベンゼン、2,4−ジイソシアナト−1−ニトロベンゼン、2,5−ジイソシアナト−1−ニトロベンゼン、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネートと2,6−トルエンジイソシアネートとの混合物、1,5−ナフタレンジイソシアネート、1−メトキシ−2,4−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、トリイソシアネート、例えば4,4’,4’’−トリフェニルメタントリイソシアネートポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートおよび2,4,6−トルエントリイソシアネート、テトライソシアネート、例えば4,4’−ジメチル−2,2’−5,5’−ジフェニルメタンテトライソシアネート、トルエンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート、それらの相応の異性体混合物、およびそれらの組み合わせを含む。選択的に、芳香族イソシアネートは、m−TMXDIおよび1,1,1−トリメチロールプロパンのトリイソシアネート生成物、トルエンジイソシアネートおよび1,1,1−トリメチロールプロパンの反応生成物、およびそれらの組み合わせを含むことができる。1つの実施態様において、前記イソシアネート成分は、メチレンジフェニルジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、H12MDI、およびそれらの組み合わせの群から選択されるジイソシアネートを含む。前記イソシアネート成分は、当業者によって決定される任意の量でポリオールおよび/または連鎖延長剤と反応することもできる。
【0028】
熱可塑性ポリエステルエラストマー:
前記熱可塑性エラストマーフォームは選択的に、TPCとしても知られる熱可塑性ポリエステルエラストマーであってよい。熱可塑性エラストマーは、熱可塑性ゴムとして記載されてもよく、且つ、典型的にはコポリマーの類、またはポリマーの物理的な混合物(例えばプラスチックとゴム)であって熱可塑性特性とエラストマー特性との両方を有するものである。熱可塑性ポリエステルエラストマーの限定されない例は、DSM製のArnitelおよびDuPont製のHytrelである。
【0029】
熱可塑性スチレン系エラストマー:
前記熱可塑性エラストマー(フォーム)は、選択的に、スチロール、エチレン単位、プロピレン単位、ブタジエン単位、イソプレン単位とのスチレンブロックコポリマー、またはTPSとしても知られている、熱可塑性スチレン系エラストマーであってよい。熱可塑性スチレン系エラストマーは典型的には、A−B−A型ブロック構造に基づき、ここでAは硬質相であり且つBはエラストマーである。熱可塑性スチレン系エラストマーの限定されない例は、Kraton DおよびKraton Gである。
【0030】
熱可塑性加硫物エラストマー:
前記熱可塑性エラストマー(フォーム)は選択的に、TPVとしても知られる熱可塑性加硫物エラストマーであってよい。熱可塑性加硫物エラストマーの限定されない例は、ExxonMobil製のSantopreneである。
【0031】
熱可塑性ポリアミドエラストマー:
前記熱可塑性エラストマー(フォーム)は選択的に、TPAとしても知られる熱可塑性ポリアミドエラストマーであってよい。熱可塑性ポリアミドエラストマーの限定されない例は、Evonik製のVestamid Eである。
【0032】
熱可塑性ポリオレフィンエラストマー:
前記熱可塑性エラストマー(フォーム)は選択的に、TPOとしても知られる熱可塑性ポリオレフィンエラストマーであってよい。熱可塑性ポリオレフィンエラストマーの限定されない例は、Dow製のEngageである。
【0033】
ポリマー:
ポリマー(16)自体の話に戻ると、前記ポリマー(16)は、熱可塑性エラストマーフォーム(14)の外部表面(26)上に前記粒子(12)の最外層(24)として配置される。前記ポリマー(16)は、例えば図1に示されるとおり、前記熱可塑性エラストマーフォーム(14)の外部表面(26)上に配置され且つ前記外部表面(26)と直接接触していてもよいし、または図2に示されるとおり、前記熱可塑性エラストマーフォーム(14)の外部表面(26)上に配置され且つ前記外部表面(26)から離間していてもよい。単独のポリマー(16)を使用してもよいし、または複数のポリマーの組み合わせを使用してもよい。前記ポリマー(16)は、前記熱可塑性エラストマーフォーム(14)と化学的に同一であってもよいし、または前記熱可塑性エラストマーフォーム(14)と化学的に異なっていてもよい。
【0034】
前記ポリマー(16)は、以下でより詳細に記載される軟化温度以外には、特に限定されない。前記ポリマー(16)は、ポリウレタン(発泡されたまたは発泡されていない)、熱可塑性エラストマー(発泡されたまたは発泡されていない)、ポリアルキレン、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアルキレンナフタレートおよびテレフタレート、ポリイミド、ポリアミド、ポリエーテルイミド、ポリスチレン、アクリロニトリル、ポリカーボネート、ポリアルキルアクリレート、ポリアクリレート、セルロース誘導体、ハロゲン化ポリマー、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアクリロニトリル、シリコーン、エポキシ、ポリ酢酸ビニル、ポリエーテル−アミド、アイオノマー樹脂、エラストマー、スチレン−ブタジエンコポリマー、スチレン−アクリロニトリルコポリマー、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリスチレン、それらの異性体、それらのコポリマーおよびそれらの組み合わせから選択されるポリマーを含む、本質的にそれらからなる、またはそれらからなることができる。1つの実施態様において、前記ポリマーは発泡されている。他の実施態様において、前記ポリマーは発泡されていない。様々な実施態様において、前記ポリマー(16)は、Elastollan 880A13N、Elastollan ER368511およびそれらの組み合わせから選択される。他の実施態様において、前記ポリマー(16)は、発泡された熱可塑性エラストマー(上述のものとは異なる)、発泡されていない熱可塑性エラストマー(上述のものとは異なる)、TPS、TPV、TPOおよびTPAなどの発泡されていない熱可塑性エラストマー、およびそれらの組み合わせから選択される。
【0035】
様々な実施態様において、前記熱可塑性エラストマーフォーム(14)を、1つまたはそれより多くの上述のポリマーを、例えばポリマーの約50質量パーセントまでの量で使用して形成できる。様々な実施態様において、前記熱可塑性エラストマーフォーム(14)を、1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、35、40、45または50質量パーセントの1つまたはそれより多くの上述のポリマーを、残分の熱可塑性エラストマーと共に使用して形成する。様々な追加的な限定されない実施態様において、上述の値の間および上述の値を含む全ての値および値の範囲が、これによって明示的に考慮されている。
【0036】
軟化温度:
前記熱可塑性エラストマー(14)および前記ポリマー(16)の各々は独立して、ASTM DIN ISO306に準拠して測定される軟化温度を有する。前記ポリマー(16)の軟化温度は、前記熱可塑性エラストマーフォーム(14)の軟化温度よりも少なくとも5℃低い。特定の理論に限定されることを意図するものではないが、ポリマーのより低い軟化温度は、粒子をこのより低い軟化温度に加熱し、そのことによってポリマーを軟化または可塑化し、且つポリマーを粘着性にして、そのことによって粒子が共に付着することを可能にすると考えられる。前記ポリマーの軟化温度が、前記熱可塑性エラストマーフォーム(14)の軟化温度よりも低いので、前記熱可塑性エラストマーフォーム(14)自体は溶融/軟化せず、そのことによってその特性および寸法を保持できる。これは典型的には、モールドからの取り外し後に、収縮、並びに緻密化、つまり粒子それ自体における熱可塑性エラストマーフォーム(14)の圧縮/緻密化/凝集に起因する望ましくない密度の増加を伴わない物品をもたらす。
【0037】
様々な実施態様において、前記ポリマー(16)の軟化温度は、前記熱可塑性エラストマーフォーム(14)の軟化温度よりも、少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、45、または50℃または50℃超、低い。さらに他の実施態様において、前記ポリマー(16)の軟化温度は、前記熱可塑性エラストマーフォーム(14)の軟化温度よりも5〜20、10〜20、15〜50、20〜45、25〜40、30〜35、15〜30、15〜25、または15〜20℃低い。様々な実施態様において、前記熱可塑性エラストマーフォーム(14)の軟化温度は、80〜180、90〜160、100〜160、または110〜150℃である。他の実施態様において、前記ポリマー(16)の軟化温度は、40〜120、50〜100、60〜80、60〜70、60〜65、または60〜70℃である。前記熱可塑性エラストマーおよび前記ポリマーの溶融点または軟化点における差は、粒子の一部として個々に、または物品が形成された後に測定されるにしても、様々な分析手順によって、例えばDSC機器および手順を使用することによって検出できる。様々な追加的な限定されない実施態様において、上述の値の間および上述の値を含む全ての値および値の範囲が、これによって明示的に考慮されている。
【0038】
追加的なポリマー:
様々な実施態様において、前記物品(16)および/または粒子(12)は中間ポリマー(18)も含み、前記中間ポリマー(18)は、例えば、「外部」ポリマー(16)(つまり熱可塑性エラストマーの外部表面(26)上に前記粒子(12)の最外層(24)として配置されるポリマー)と、前記熱可塑性エラストマーフォーム(14)との間に、例えば図2に示されるように配置される。この中間ポリマー(18)は、前記外部ポリマー(16)と、前記熱可塑性エラストマーフォーム(14)との間に挟まれていてよい。前記中間ポリマー(18)は、前記熱可塑性エラストマーフォーム(14)および/または前記外部ポリマー(16)上に配置され、且つ、前記熱可塑性エラストマーフォーム(14)および/または前記外部ポリマー(16)と直接接触していてよい。選択的に、前記中間ポリマー(18)は、前記熱可塑性エラストマーフォーム(14)および/または前記外部ポリマー(16)上に配置されるが、しかし前記熱可塑性エラストマーフォーム(14)および/または前記外部ポリマー(16)と離間していてよい(図示しない)。
【0039】
他の実施態様において、前記物品(10)および/または粒子(12)は、内部ポリマー(20)を含み、前記内部ポリマー(20)は、前記熱可塑性エラストマーフォーム(14)が例えば図2に示されるとおり、前記内部ポリマー(20)と前記外部ポリマー(16)との間に配置されるように、前記熱可塑性エラストマーフォーム(14)上に配置され且つ前記熱可塑性エラストマーフォーム(14)と直接接触していてよい。この実施態様において、前記熱可塑性エラストマーフォーム(14)は、典型的には前記内部ポリマー(20)と前記外部ポリマー(16)との間に挟まれている。他の実施態様において、前記中間ポリマー(18)は、前記内部ポリマー(20)と前記外部ポリマー(16)との間の任意の位置に存在し且つ配置されてもよい。例えば、前記内部ポリマー(20)は、前記熱可塑性エラストマーフォーム(14)および/または前記外部ポリマー(16)上に配置され、且つ、前記熱可塑性エラストマーフォーム(14)および/または前記外部ポリマー(16)と直接接触してよい。選択的に、前記内部ポリマー(20)は、前記熱可塑性エラストマーフォーム(14)および/または前記外部ポリマー(16)上に配置されるが、しかし前記熱可塑性エラストマーフォーム(14)および/または前記外部ポリマー(16)と離間していてよい。1つまたはそれより多くの中間ポリマー(18)を使用でき、且つ、1つまたはそれより多くの内部ポリマー(20)を使用できることが考慮されている。前記内部ポリマー(20)は、図2に示すとおり、前記内部ポリマー(20)が粒子(12)の中空部に露出し且ついかなる層の間にも挟まれていないように、粒子(12)の最内層として配置されてよい。例えば、前記内部ポリマー(20)は、他のポリマー(例えば前記熱可塑性エラストマーフォーム(14))と片側上でだけ接触できる。他の例において、前記内部ポリマー(20)は、前記粒子(12)の内部表面を定義する。
【0040】
前記中間ポリマー(18)および/または前記内部ポリマー(20)の任意の1つまたはそれより多くは、前述のとおり、前記外部ポリマー(16)に関連するものであるか、または異なっていてもよい。前記中間ポリマー(18)、前記内部ポリマー(20)および/または前記外部ポリマー(16)は、全て同一または互いに異なっていてもよい。様々な実施態様において、前記内部ポリマー(20)は、熱可塑性ウレタン(TPU)、ポリアミド−6、および熱可塑性アミド(TPA)から選択される。他の実施態様において、前記中間ポリマー(18)は、熱可塑性ウレタン(TPU)、ポリアミド−6(PA6)、および熱可塑性アミド(TPA)から選択される。
【0041】
前記物品の形成方法:
この開示は、前記物品(10)の形成方法も提供する。前記方法は上述のとおり、前記(発泡されていない)熱可塑性エラストマーと上述の「外部」ポリマーとを準備する段階を含む。前記方法は、前記(発泡されていない)熱可塑性エラストマーと前記外部ポリマー(16)とを同時押出して、管状押出物(22)(例えば図3に示すとおり)を形成する段階も含み、ここで、前記(発泡されていない)熱可塑性エラストマーは、同時押出の間に発泡され(それによって熱可塑性エラストマーフォーム(14)が形成される)、且つ、前記外部ポリマー(16)は前記熱可塑性エラストマーフォーム(14)の上に前記管状押出物(22)の最外層として配置される。同時押出の段階は、特に限定されず、且つ当該技術分野において公知のとおりであってよい。換言すれば、同時押出の段階は、当該技術分野において公知の1つまたはそれより多くの副段階、温度、条件等を含んでよい。例えば、様々な実施態様において、同時押出の段階は、以下のパラメータを使用し、該パラメータは当業者によって理解されるとおり修正され得る:
ダイの種類: クロスヘッド; 押出機1(1−1/2’’ 直径); 領域1 − 340°F; 領域2 − 360°F; 領域3 − 370°F; 領域4 − 370°F; クランプ − 370°F; アダプタ − 370°F; ヘッドの圧力 − 4000psi; スクリューRPM− 12.5, スクリュートルク − 18.5%; 押出機2(3/4’’ 直径); 領域1 − 275°F; 領域2 − 320°F; 領域3 − 340°F; クランプ − 340°F; アダプタ − 340°F; ヘッドの圧力 − 3800psi; スクリューRPM − 15; スクリュートルク − 31.6%; ダイヘッド − 370°F; ダイ − 370°F; 取り出し用モーター 230RPM; 速度指示器 21.3。選択的に、同時押出の1つまたはそれより多くのパラメータは、実施例に記載されるとおりであってよい。様々な追加的な限定されない実施態様において、上述の値の間および上述の値を含む全ての値および値の範囲が、これによって明示的に考慮されている。
【0042】
前記方法は、前記管状押出物(22)を分割して、複数の前記粒子(12)を形成する段階も含む。分割する段階は典型的には、切断または裁断としてさらに定義されるが、特に限定されない。
【0043】
前記方法はさらに、前記複数の粒子(12)をモールド内に配置する段階を含む。前記粒子(12)を典型的にはモールド内にランダムに、例えば流し込んで配置する。これは典型的には、最終的な製品中での粒子(12)のランダムまたは三次元的な配向を可能にする。様々な実施態様において、前記粒子(12)を、(1)「手によって」手動でモールド内に流し込むか、または(2)空気輸送システムを使用してモールド内に射出するかのいずれかである。典型的には、モールドは開位置で充填され、粒子がモールドに「あふれる」ことを可能にする。モールドを閉じた後、典型的には前記粒子に力をかけて一緒にし、そのことにより、より多くの表面領域の接触が促進される。これは、付着の増加を促進することを意図している。
【0044】
前記方法は、前記複数の粒子(12)を加熱して、例えば前記複数の粒子(12)が前記物品(10)内でランダムに配向するように前記物品(10)を形成することも含む。加熱段階は特に限定されず、且つ電気、ガス、蒸気等による加熱を含むことができる。1つの実施態様において、加熱段階は、前記粒子(12)および/またはモールド自体を、例えばスチームチェストクラッキング成形工程におけるとおり、蒸気によって加熱するとしてさらに定義される。他の実施態様において、加熱の(および/または方法全体の)段階を、スチームチェストクラッキング成形工程としてさらに定義することができる。具体的な段階は当該技術分野において公知であり、且つ/または上述のとおりである。
【0045】
追加的な実施態様:
1つの実施態様において、前記方法は、モールドに前記粒子(12)を装填し且つモールド内の前記粒子(12)に蒸気を供給することを含む。また、蒸気を供給することで、前記粒子(12)が加熱され、且つ前記熱可塑性エラストマーフォーム(14)を膨張させることができる。蒸気を供給することで、前記外部の発泡されていないポリマー(16)が溶融または軟化され、前記粒子(12)が互いに融合、固着または結合できる。この開示の方法は、US2013/0291409号内に記載される1つまたはそれより多くの段階、成分、条件、または工程パラメータを含むことができ、前記文献は、様々な限定されない実施態様におけるその全文が本願内に明示的に含まれるものとする。
【0046】
様々な実施態様において、前記粒子(12)を、大気圧でモールド内に装填し、後にモールド内で加圧できる。このために、様々な異なる方法を使用できる。例えば、かかる段階を、モールドの容積を減少させることによって達成できる。いくつかの実施態様において、このために、モールドの容積が減少するように、モールドの稼働部分を動かす。さらなる実施態様において、モールドは、モールド内の圧力が局所的にばらつくように設計されている。選択的に、前記粒子(12)を、例えば局所的にばらついた圧力で、既に圧力をかけた状態でモールド内に装填してもよい。このように、前記製造方法を加速することができる。
【0047】
モールド内で前記粒子(12)が圧縮される圧力は、最終的な物品(10)の密度および強度に影響し得る。印加される圧力によって、前記粒子(12)の直径を減少させることができる。例えば、より高い圧力では、前記粒子(12)はより強く圧縮され且つ緻密化され得る。圧力を減少させることによって、前記粒子(12)は、ほぼ元の寸法へと再膨張できる。前記外部ポリマー(16)は、前記工程の間に発泡しても発泡しなくてもよく、且つ、前記工程の間に崩壊しても崩壊しなくてもよい。
【0048】
さらに他の実施態様において、前記方法は、モールドを閉じ且つ前記モールドを蒸気によって前処理する段階を含むことがある。前記方法は、モールドを通じて供給される水および/または空気を用いてモールドを冷却する段階も含むことがある。従って、前記物品(10)および/または前記粒子(12)を、モールドを介して間接的に冷却できる。特定の実施態様において、前記方法の持続時間は、約3〜15分である。前記持続時間は、あまり精巧ではない方法については、選択的に約3〜6分であってよい。さらに、前記方法は、15分より長い持続時間を有してもよい。
【0049】
この開示は、いかなる粒子またはいかなる物品からも独立して、(切断または分割前の)押出物または管状構造それ自体も提供する。同様に、この開示は、いかなる押出物または管状構造または物品からも独立して、複数の粒子それ自体も提供する。前記押出物または管状構造は上述の任意のものであってよい。同様に、前記複数の粒子は任意の上述のものであってよい。
【0050】
さらに他の実施態様において、前記粒子は、市販の接着剤(例えば一成分または二成分)によって被覆またはコートされ、且つモールド内で一緒にプレスされて、所望の物品が形成される。
【0051】
この開示はさらに、靴底としてさらに定義される物品を提供する。様々な実施態様において、前記靴底は、1つまたはそれより多くのポリエーテル熱可塑性エラストマーを使用して形成された粒子を含む。前記靴底は、US2013/0291409号内に記載される1つまたはそれより多くの寸法、属性または成分を有することができ、前記文献は様々な限定されない実施態様におけるその全文が本願内に明示的に含まれるものとする。追加的に、軟化温度の記載を、US5674600号内に記載される軟化範囲として選択的に記載でき、前記文献は1つまたはそれより多くの限定されない実施態様におけるその全文が参照をもって本願内に明示的に含まれるものとする。様々な実施態様において、この開示は、低温で、粒子の構造の残部および/または全体としての物品を崩すことなく、粒子の結合を可能にするキャップストック(例えば、外部表面上に配置されたポリマー)を提供する。例えば、それらの利点を、上述の1つまたはそれより多くの物理的特性、例えば、限定されずに密度および極限破断強さを通じて観察できる。
【実施例】
【0052】
一連の物品をこの開示に従って形成する。より具体的には、発泡されていない熱可塑性エラストマーを、外部ポリマーと共に準備する。前記熱可塑性エラストマーと前記外部ポリマーとを同時押出して、管状押出物を形成し、ここで、前記熱可塑性エラストマーは、同時押出の間に発泡されて熱可塑性エラストマーフォームが形成され、且つ、前記外部ポリマーは前記熱可塑性エラストマーフォームの上に前記管状押出物の最外層として配置される。次いで、前記管状押出物を分割して、熱可塑性エラストマーフォームと、前記熱可塑性エラストマーフォーム上に、管状粒子の最外層として配置される外部ポリマーとを含む、複数の異方性の管状粒子を形成する。次いで、前記複数の異方性の管状粒子をモールド内に配置し、且つ加熱して物品を形成する。形成後、密度を測定するために前記物品を評価する。
【0053】
第1の物品を、熱可塑性エラストマーとしてElastollan(登録商標)1180A10(ショア硬さ80Aを有する)、および外部ポリマーとしてElastollan(登録商標)880A13Nを使用して形成する。前記熱可塑性エラストマーを押出し、発泡剤の組み合わせ: 3%の装填量でのElastollan Konz V2894 および3%の装填量でのElastollan Konz V2893を用いて発泡させる。前記熱可塑性エラストマーは、約0.4グラム/mLの発泡比重を有する。管は、平均外径0.125インチを有する。前記外部ポリマーは、平均肉厚0.004インチを有する。発泡された熱可塑性エラストマーは、平均肉厚0.030インチを有する。複数の異方性粒子は、ゆるみかさ密度0.16グラム/mLを有する。前記複数の異方性粒子を密度0.20から0.26グラム/mLを有する物品を形成するように成形する。
【0054】
第2の物品を、熱可塑性エラストマーとしてElastollan(登録商標)1190A10(ショア硬さ90Aを有する)、および外部ポリマーとしてElastollan(登録商標)880A13Nを使用して形成する。前記熱可塑性エラストマーを押出し、発泡剤の組み合わせ: 3%の装填量でのElastollan Konz V2894 および3%の装填量でのElastollan Konz V2893を用いて発泡させる。前記熱可塑性エラストマーは、約0.4グラム/mLの発泡比重を有する。管は、平均外径0.125インチを有する。前記外部ポリマーは、平均肉厚0.004インチを有する。発泡された熱可塑性エラストマーは、平均肉厚0.030インチを有する。複数の異方性粒子は、ゆるみかさ密度0.16グラム/mLを有する。前記複数の異方性粒子を密度0.20から0.26グラム/mLを有する物品を形成するように成形する。
【0055】
様々な実施態様において、前記熱可塑性エラストマーフォームの密度を最小化でき、なぜなら、粒子の性能は外部ポリマーから達成される弾性率に依存し得るからである。前記外部ポリマーのより低い軟化点/融点は、成形の間のより低い加工温度を可能にすることができ、粒子の永続的なゆがみ、およびそれに続く物品の緻密化が回避される。さらには、この開示は、性能(例えばエネルギー吸収および戻り)を維持しながら、より低い密度の物品の形成を可能にすることができる。より低い密度は、前記粒子が、家具用クッション、マットレスおよび自動車用シートにおいて通常見られる従来の熱硬化性フォームにより良好に匹敵することを可能にする。熱可塑性エラストマーは、熱硬化性ポリマーよりも「リサイクルしやすい」ともみなされる。この開示は、粒子を永続的にゆがませることなく、粒子を圧力下で加熱結合するために使用される、より低い加工温度も可能にする。
【0056】
本開示全体にわたる上述の実施態様の全ての組み合わせは、これによって、1つまたはそれより多くの限定されない実施態様においてかかる開示が上記の単独の段落または節において逐語的に記載されていなくとも、明示的に考慮されている。換言すれば、明示的に考慮される実施態様は、本開示の任意の箇所から選択および組み合わせられる上述の1つまたはそれより多くの構成要素を含むことができる。
【0057】
1つまたはそれより多くの上述の値は、ばらつきが本開示の範疇である限り、±5%、±10%、±15%、±20%、±25%等だけ変動し得る。マーカッシュの群の各々の要素から、全ての他の要素とは独立して予期されない結果が得られることがある。各々の要素に、個々に、または組み合わせて基づくことができ、且つ、前記各々の要素は、添付の特許請求の範囲内での特定の実施態様のための充分なサポートを提供する。独立請求項、および単項および多項従属する従属請求項の全ての組み合わせの主題は、ここで、明確に考慮されている。本開示は、記載の文言を、限定するためではなく、例示的に含む。前記の教示を踏まえて、本開示の多くの改変または変更が可能であり、且つ本開示を、本開示内に具体的に記載されたものとは違うやり方で実用化できる。
【0058】
本開示の様々な実施態様の記載において独立して且つ一括して用いられる全ての範囲および部分範囲は、添付の請求項の範疇に入り、且つ、その全ておよび/または部分的な値を含む全ての範囲が記載および考慮されると(たとえそのような値が本願内に明らかに記載されていなくても)理解されるべきである。当業者は、挙げられた範囲および部分範囲が、本開示の様々な実施態様を充分に記載し且つ可能にし、且つ、かかる範囲および部分範囲を、関連する半分、1/3、1/4、1/5などへとさらに詳述できることを容易に認識する。単なる1つの例として、「0.1〜0.9の」範囲とは、小さい方の1/3、即ち、0.1〜0.3、中央の1/3、即ち、0.4〜0.6、および大きい方の1/3、即ち、0.7〜0.9へとさらに詳述でき、それらは個々に且つ一括して、添付の請求項の範囲内であり、且つ、個々におよび/または一括してそれらに基づくことができ、且つそれらは添付の請求項の範囲内の特定の実施態様のための適切なサポートを提供する。さらに、範囲を定義または変更する用語、例えば、「少なくとも」、「〜よりも大きい」、「未満」、「以下」、およびその種のものに関して、かかる用語が部分範囲および/または上限または下限を含むことが理解されるべきである。他の例として、「少なくとも10」の範囲は、固有に、少なくとも10〜35の部分範囲、少なくとも10〜25の部分範囲、25〜35の部分範囲などを含み、且つ、各々の部分範囲に、個々に且つ/または一括して基づくことができ、且つ、各部分範囲は添付の請求項の範囲内の特定の実施態様のための適切なサポートを提供する。最終的に、開示される範囲内の個々の数値は、添付の特許請求の範囲内の特定の実施態様に基づくことができ、且つ、添付の特許請求の範囲内の特定の実施態様のための充分なサポートを提供する。例えば、「1〜9」の範囲は、様々な個々の整数、例えば3、並びに小数点(または分数)を含む個々の数字、例えば4.1を含み、それらに基づくことができ、且つそれらは添付の請求項の範囲内の特定の実施態様のための適切なサポートを提供する。
図1
図2
図3
図4
図5