特許第6861736号(P6861736)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6861736
(24)【登録日】2021年4月1日
(45)【発行日】2021年4月21日
(54)【発明の名称】成形体を溶着する方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 65/26 20060101AFI20210412BHJP
【FI】
   B29C65/26
【請求項の数】13
【全頁数】31
(21)【出願番号】特願2018-560540(P2018-560540)
(86)(22)【出願日】2017年5月5日
(65)【公表番号】特表2019-514760(P2019-514760A)
(43)【公表日】2019年6月6日
(86)【国際出願番号】EP2017060825
(87)【国際公開番号】WO2017198483
(87)【国際公開日】20171123
【審査請求日】2020年5月1日
(31)【優先権主張番号】16170000.0
(32)【優先日】2016年5月17日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】508020155
【氏名又は名称】ビーエイエスエフ・ソシエタス・エウロパエア
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン モチェフ
(72)【発明者】
【氏名】ウルリッヒ エンデマン
【審査官】 酒井 英夫
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−083068(JP,A)
【文献】 特開2004−009318(JP,A)
【文献】 中国実用新案第207579131(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 65/00−65/82
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の成形体(1a)が、第一の側面(3a)と、第二の側面(4a)と、第一の熱可塑性ポリマーを含有する端部(2a)とを含み、
第二の成形体(1b)が、第二の熱可塑性ポリマーを含有する接合面(2b)を含む、
第一の成形体(1a)と第二の成形体(1b)とを溶着する方法であって、
以下の工程:
a)第一の成形体(1a)を用意する工程、
b)第二の成形体(1b)を用意する工程、
c)第一の外面(6a)と第二の外面(6b)とを有する金型(5)を用意する工程、
ここで第一の外面(6a)は、流路(7a)を含み、ここで流路(7a)は、底部(10a)と、第一の最高地点(12a)を有する第一の流路壁(8a)と、第二の最高地点(13a)を有する第二の流路壁(9a)とを有し、ここで底部(10a)は、ガスを流路(7a)に供給する手段(11a)を含み、ここで流路入口面(14a)が、第一の最高地点(12a)を通って第一の外面(6a)に対して平行に延在し、ここで、流路入口面(14a)に対して垂直に延びる方向に沿った第一の最高地点(12a)の寸法補助線(15a)と、流路入口面(14a)に対して垂直に延びる方向に沿った第二の最高地点(13a)の寸法補助線(16a)との間に、外部流路領域(17a)が存在し、
ここで第二の外面(6b)は、流路(7b)を含み、ここで流路(7b)は、底部(10b)と、第一の最高地点(12b)を有する第一の流路壁(8b)と、第二の最高地点(13b)を有する第二の流路壁(9b)とを有し、ここで底部(10b)は、ガスを流路(7b)に供給する手段(11b)を含み、ここで流路入口面(14b)が、第一の最高地点(12b)を通って第二の外面(6b)に対して平行に延在し、ここで、流路入口面(14b)に対して垂直に延びる方向に沿った第一の最高地点(12b)の寸法補助線(15b)と、流路入口面(14b)に対して垂直に延びる方向に沿った第二の最高地点(13b)の寸法補助線(16b)との間に、外部流路領域(17b)が存在し、
d)第一の成形体(1a)を配置する工程、
ここで端部(2a)は、流路入口面(14a)に対して垂直に延びる方向において、流路入口面(14a)までの距離(Xa)が、流路(7a)の外側3mmから流路(7a)の内側10mmの範囲にあり、
ここで、距離(Xa)が流路(7a)の外側0mm超〜3mmの範囲にある場合、端部(2a)は、少なくとも部分的に外部流路領域(17a)内に存在し、
かつここで、距離(Xa)が流路(7a)の内側0mm〜10mmの範囲にある場合、第一の側面(3a)は、第一の流路壁(8a)までの最短距離(Y1a)が0.2〜5mmの範囲にあり、第二の側面(4a)は、第二の流路壁(9a)までの最短距離(Y2a)が0.2〜5mmの範囲にあり、
e)第二の成形体(1b)を配置する工程、
ここで接合面(2b)は、流路入口面(14b)に対して垂直に延びる方向において、流路入口面(14b)までの距離(Xb)が、流路(7b)の外側3mmから流路(7b)の内側10mmの範囲にあり、
ここで、距離(Xb)が流路(7b)の外側0mm超〜3mmの範囲にある場合、接合面(2b)は、少なくとも部分的に外部流路領域(17b)内に存在し、
かつここで、距離(Xb)が流路(7b)の内側0mm〜10mmの範囲にある場合、第二の成形体(1b)は、第一の側面(3b)および第二の側面(4b)をさらに有し、第一の側面(3b)は、第一の流路壁(8b)までの最短距離(Y1b)が0.2〜5mmの範囲にあり、第二の側面(4b)は、第二の流路壁(9b)までの最短距離(Y2b)が0.2〜5mmの範囲にあり、
f)ガスを流路(7a)に供給する手段(11a)を通じて高温ガスを供給する工程、ここで、第一の成形体(1a)の端部(2a)を加熱し、端部(2a)に含有されている第一の熱可塑性ポリマーを溶融させ、
g)ガスを流路(7b)に供給する手段(11b)を通じて高温ガスを供給する工程、ここで、第二の成形体(1b)の接合面(2b)を加熱し、接合面(2b)に含有されている第二の熱可塑性ポリマーを溶融させ、
h)工程d)による配置場所から第一の成形体(1a)を取り出す工程、
i)工程e)による配置場所から第二の成形体(1b)を取り出す工程、
j)第一の成形体(1a)の加熱された端部(2a)と第二の成形体(1b)の加熱された接合面(2b)とを接触させ、加熱された端部(2a)と加熱された接合面(2b)とを互いに接触させながら、第一の成形体(1a)の加熱された端部(2a)と第二の成形体(1b)の加熱された接合面(2b)とを冷却し、第一の成形体(1a)と第二の成形体(1b)との間に溶着部を形成する工程、
を含む、方法。
【請求項2】
工程f)において、第一の熱可塑性ポリマーが非晶質熱可塑性ポリマーである場合、第一の成形体(1a)の端部(2a)を、端部(2a)に含有されている第一の熱可塑性ポリマーのガラス転移温度(TG1)を上回る温度(T1a)に加熱し、第一の熱可塑性ポリマーが半結晶性熱可塑性ポリマーである場合、第一の成形体(1a)の端部(2a)を、端部(2a)に含有されている第一の熱可塑性ポリマーの融点(TM1)を上回る温度(T1a)に加熱し、かつ/または工程g)において、第二の熱可塑性ポリマーが非晶質熱可塑性ポリマーである場合、接合面(2b)を、接合面(2b)に含有されている第二の熱可塑性ポリマーのガラス転移温度(TG2)を上回る温度(T1b)に加熱し、第二の熱可塑性ポリマーが半結晶性熱可塑性ポリマーである場合、接合面(2b)を、接合面(2b)に含有されている第二の熱可塑性ポリマーの融点(TM2)を上回る温度(T1b)に加熱することを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項3】
端部(2a)に含有されている第一の熱可塑性ポリマーが、ポリアミド、ポリオキシメチレン、ポリスルホン、ポリフェニルスルホンおよびポリブチレンテレフタレートから成る群より選択され、かつ/または接合面(2b)に含有されている第二の熱可塑性ポリマーが、ポリアミド、ポリオキシメチレン、ポリスルホン、ポリフェニルスルホンおよびポリブチレンテレフタレートから成る群より選択されることを特徴とする、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
端部(2a)に含有されている第一の熱可塑性ポリマーと、接合面(2b)に含有されている第二の熱可塑性ポリマーとが同じであることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
工程f)において、第一の熱可塑性ポリマーが非晶質熱可塑性ポリマーである場合、第一の成形体(1a)の端部(2a)を、端部(2a)に含有されている第一の熱可塑性ポリマーのガラス転移温度(TG1)を0〜300℃の範囲で上回る温度(T1a)に加熱し、第一の熱可塑性ポリマーが半結晶性熱可塑性ポリマーである場合、第一の成形体(1a)の端部(2a)を、端部(2a)に含有されている第一の熱可塑性ポリマーの融点(TM1)を0〜300℃の範囲で上回る温度(T1a)に加熱し、かつ/または工程g)において、第二の熱可塑性ポリマーが非晶質熱可塑性ポリマーである場合、第二の成形体(1b)の接合面(2b)を、接合面(2b)に含有されている第二の熱可塑性ポリマーのガラス転移温度(TG2)を0〜300℃の範囲で上回る温度(T1b)に加熱し、第二の熱可塑性ポリマーが半結晶性熱可塑性ポリマーである場合、第二の成形体(1b)の接合面(2b)を、接合面(2b)に含有されている第二の熱可塑性ポリマーの融点(TM2)を0〜300℃の範囲で上回る温度(T1b)に加熱することを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
工程c)において用意した金型(5)の第一の外面(6a)が、金型(5)の第二の外面(6b)と向かい合っていることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
第一の外面(6a)の流路(7a)の第一の流路壁(8a)が、第一の外面(6a)の流路(7a)の第二の流路壁(9a)に対して実質的に平行に向けられており、かつ/または第二の外面(6b)の流路(7b)の第一の流路壁(8b)が、第二の外面(6b)の流路(7b)の第二の流路壁(9b)に対して実質的に平行に向けられていることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
距離(Xa)が流路(7a)の外側0mm超〜3mmの範囲にある場合に、端部(2a)が完全に外部流路領域(17a)内に存在するように、工程d)において第一の成形体(1a)を配置し、かつ/または距離(Xb)が流路(7b)の外側0mm超〜3mmの範囲にある場合に、接合面(2b)が完全に外部流路領域(17b)内に存在するように、工程e)において第二の成形体(1b)を配置することを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
距離(Xa)が流路(7a)の内側0〜10mmの範囲にあるように、工程d)において第一の成形体(1a)を配置することを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
工程f)において供給される高温ガスが、CO、Nおよび空気から成る群より選択され、かつ/または工程g)において供給される高温ガスが、CO、Nおよび空気から成る群より選択されることを特徴とする、請求項1から9までのいずれか1項記載の方法。
【請求項11】
工程f)において供給される高温ガスが、100〜600℃の範囲にある温度を有し、かつ/または工程g)において供給される高温ガスが、100〜600℃の範囲にある温度を有することを特徴とする、請求項1から10までのいずれか1項記載の方法。
【請求項12】
工程j)において、第一の熱可塑性ポリマーが非晶質熱可塑性ポリマーである場合、第一の成形体(1a)の加熱された端部(2a)を、端部(2a)に含有されている第一の熱可塑性ポリマーのガラス転移温度(TG1)未満の温度(T2a)に冷却し、第一の熱可塑性ポリマーが半結晶性熱可塑性ポリマーである場合、第一の成形体(1a)の加熱された端部(2a)を、端部(2a)に含有されている第一の熱可塑性ポリマーの融点(TM1)未満の温度(T2a)に冷却し、かつ/または工程j)において、第二の熱可塑性ポリマーが非晶質熱可塑性ポリマーである場合、第二の成形体(1b)の接合面(2b)を、接合面(2b)に含有されている第二の熱可塑性ポリマーのガラス転移温度(TG2)未満の温度(T2b)に冷却し、第二の熱可塑性ポリマーが半結晶性熱可塑性ポリマーである場合、第二の成形体(1b)の接合面(2b)を、接合面(2b)に含有されている第二の熱可塑性ポリマーの融点(TM2)未満の温度(T2b)に冷却することを特徴とする、請求項1から11までのいずれか1項記載の方法。
【請求項13】
第一の成形体(1a)と第二の成形体(1b)との間にある、工程j)において形成された溶着部が、20〜500μmの範囲にある厚さを有することを特徴とする、請求項1から12までのいずれか1項記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第一の成形体(1a)と第二の成形体(1b)とを溶着する方法に関する。そのために、第一の外面(6a)と第二の外面(6b)とを有する金型(5)を使用し、ここで、第一の外面(6a)は流路(7a)を含み、第二の外面(6b)は流路(7b)を含む。第一の成形体(1a)の端部(2a)を高温ガスで加熱する一方で、端部(2a)は、流路入口面(14a)に対して、流路(7a)の外側3mmから流路(7a)の内側10mmの範囲にある距離(Xa)に存在している。同様に、第二の成形体(1b)の接合面(2b)を高温ガスで加熱する一方で、接合面(2b)は、流路入口面(14b)に対して、流路(7b)の外側3mmから流路(7b)の内側10mmの範囲にある距離(Xb)に存在している。引き続き、加熱された端部(2a)および加熱された接合面(2b)を互いに接触させ、冷却し、第一の成形体(1a)と第二の成形体(1b)との間に溶着部を形成する。さらに、本発明は、本発明による方法により得られる溶着された成形体に関する。
【0002】
複雑な成形体、例えば中空成形体を製造するためには、2種以上の成形体を互いに溶着することが必要である。そのために、従来技術では様々な方法が記載されている。
【0003】
独国特許出願公開第69213849号明細書(DE69213849)には、暖かいガスでブローイングすることにより熱可塑性材料を溶着する方法が記載されている。その際、双方のプレート間の領域に、ヘリウム、ならびに窒素および/またはアルゴンを含有する高温不活性ガスをブローすることで、熱可塑性材料のプレート2枚を互いに溶着する。これにより、双方のプレート間の面が加熱され、溶着部が形成される。
【0004】
独国特許出願公開第69213849号明細書(DE69213849)に記載の方法において欠点なのは、高温ガスの温度、ひいては、双方のプレートを加熱する温度の制御までもが非常に難しく、このことが部分的な過熱を引き起こし、この過熱により、熱可塑性材料が分解され得ることである。それに加えて、高温ガスをプレート間で場所を限定して通過させるのは非常に難しい。
【0005】
独国特許出願公開第10019300号明細書(DE10019300)には、結合させる2つのプラスチック部材の間に導入される金型が記載されている。この金型は、結合させるプラスチック部材の溶着面を、放射熱および高温不活性ガス流により非接触的に熱することができる。
【0006】
欧州特許第1415789号明細書(EP1415789)には、独国特許出願公開第10019300号明細書(DE10019300)に類似した方法が記載されている。その際、同様に、一方では放射熱により、他方では高温ガスにより成形体の溶着面に熱を伝導する金型が使用される。欧州特許第1415789号明細書(EP1415789)に記載の金型は、独国特許出願公開第10019300号明細書(DE10019300)に記載の金型に類似している。
【0007】
独国特許出願公開第10019300号明細書(DE10019300)および欧州特許第1415789号明細書(EP1415789)に記載の方法において欠点なのは、結合用の穿孔がノズル開口部であり、これが溶着部領域を離散的にしか加熱しないことである。よって、溶着部領域を均一に加熱することができない。その代わりに、プラスチック部材に含有されているポリマーの局所的な過熱および局所的な分解が生じることがあり、同時に、プラスチック部材またはこれに含有されているポリマーが十分に溶融していない溶着部領域が存在し、そのため、これらの箇所に形成された溶着部は弱くなっている。溶着すべき成形体が反りをさらに有する場合、不均一な加熱がさらに強まる。溶着部領域に沿って得られる温度変動により、様々な程度でポリマーの溶融が起こり、これにより、溶着部に沿って品質が変動する。
【0008】
独国特許出願公開第102007026163号明細書(DE102007026163)には、熱可塑性プラスチック部材を溶着するための金型および方法が記載されている。その際、プラスチックは、金型を用いて、熱放射および同時に高温ガス処理により対流式に熱される。高温ガスとしては、ガス・空気の混合物が使用される。プラスチック部材は、空気が流れ出る開口部の上に接合面が存在するように配置される。
【0009】
同様に、米国特許出願公開第2011/0024038号明細書(US2011/0024038)には、2つのプラスチック部材を溶着するための金型および方法が記載されている。この方法においても、双方のプラスチック部材がまずノズルの上に配置され、引き続き、高温の空気が、ノズルから互いに結合すべき箇所にブローされる。それから、接合面が圧力下で互いに接触させられ、そのようにして、プラスチック部材が互いに溶着される。
【0010】
同様に、米国特許第4,094,725号明細書(US4,094,725)には、高温ガスにより熱可塑性プラスチック部材を溶着する方法が記載されている。その際、プラスチック部材は、それぞれノズルの上に配置されており、ガスで熱され、最後に、互いにプレスされる。
【0011】
米国特許第4,450,038号明細書(US4,450,038)は、熱可塑性プラスチック部材を溶着するための金型および方法に関し、ここで熱可塑性プラスチック部材の双方の材料は、軟化点が様々である。溶着は、ノズルを通してブローされる高温の空気により行われる。
【0012】
独国特許出願公開第102007026163号明細書(DE102007026163)、米国特許出願公開第2011/0024038号明細書(US2011/0024038)、米国特許第4,094,725号明細書(US4,094,725)および米国特許第4,450,038号明細書(US4,450,038)に記載の方法および金型は、独国特許出願公開第10019300号明細書(DE10019300)および欧州特許第1415789号明細書(EP1415789)の方法および金型に類似している。よって、欠点は、溶着部領域を熱する開口部がノズル開口部であり、これが溶着部領域を離散的にしか加熱しないことである。よって、プラスチック部材に含有されているポリマーの局所的な過熱および局所的な分解が生じることがある。というのも、ノズル開口部により溶着部領域を均一に熱することはできないからである。同時に、ブラスチック部材が十分に溶融していない溶着部領域が存在し、そのため、これらの箇所に形成された溶着部は弱くなっている。これらの方法においても、成形体が反り得るために、不均一な加熱がさらに強まる。これにより、溶着部に反って品質がさらに変動する。
【0013】
よって、本発明が基づく課題は、先に記載されている従来技術の欠点を有しないか、または低減された程度でしか有しない、第一の成形体と第二の成形体とを溶着する方法を提供することである。それに加えて、本方法は、できるだけ容易かつコスト面で有利に実施可能であることが望ましい。
【0014】
本課題は、
第一の成形体(1a)が、第一の側面(3a)と、第二の側面(4a)と、第一の熱可塑性ポリマーを含有する端部(2a)とを含み、
第二の成形体(1b)が、第二の熱可塑性ポリマーを含有する接合面(2b)を含む、
第一の成形体(1a)と第二の成形体(1b)とを溶着する方法であって、
以下の工程:
a)第一の成形体(1a)を用意する工程、
b)第二の成形体(1b)を用意する工程、
c)第一の外面(6a)と第二の外面(6b)とを有する金型(5)を用意する工程、
ここで第一の外面(6a)は、流路(7a)を含み、ここで流路(7a)は、底部(10a)と、第一の最高地点(12a)を有する第一の流路壁(8a)と、第二の最高地点(13a)を有する第二の流路壁(9a)とを有し、ここで底部(10a)は、ガスを流路(7a)に供給する手段(11a)を含み、ここで流路入口面(14a)が、第一の最高地点(12a)を通って第一の外面(6a)に対して平行に延在し、ここで、流路入口面(14a)に対して垂直に延びる方向に沿った第一の最高地点(12a)の寸法補助線(15a)と、流路入口面(14a)に対して垂直に延びる方向に沿った第二の最高地点(13a)の寸法補助線(16a)との間に、外部流路領域(17a)が存在し、
ここで第二の外面(6b)は、流路(7b)を含み、ここで流路(7b)は、底部(10b)と、第一の最高地点(12b)を有する第一の流路壁(8b)と、第二の最高地点(13b)を有する第二の流路壁(9b)とを有し、ここで底部(10b)は、ガスを流路(7b)に供給する手段(11b)を含み、ここで流路入口面(14b)が、第一の最高地点(12b)を通って第二の外面(6b)に対して平行に延在し、ここで、流路入口面(14b)に対して垂直に延びる方向に沿った第一の最高地点(12b)の寸法補助線(15b)と、流路入口面(14b)に対して垂直に延びる方向に沿った第二の最高地点(13b)の寸法補助線(16b)との間に、外部流路領域(17b)が存在し、
d)第一の成形体(1a)を配置する工程、
ここで端部(2a)は、流路入口面(14a)に対して垂直に延びる方向において、流路入口面(14a)までの距離(Xa)が、流路(7a)の外側3mmから流路(7a)の内側10mmの範囲にあり、
ここで、距離(Xa)が流路(7a)の外側0mm超〜3mmの範囲にある場合、端部(2a)は、少なくとも部分的に外部流路領域(17a)内に存在し、
かつここで、距離(Xa)が流路(7a)の内側0mm〜10mmの範囲にある場合、第一の側面(3a)は、第一の流路壁(8a)までの最短距離(Y1a)が0.2〜5mmの範囲にあり、第二の側面(4a)は、第二の流路壁(9a)までの最短距離(Y2a)が0.2〜5mmの範囲にあり、
e)第二の成形体(1b)を配置する工程、
ここで接合面(2b)は、流路入口面(14b)に対して垂直に延びる方向において、流路入口面(14b)までの距離(Xb)が、流路(7b)の外側3mmから流路(7b)の内側10mmの範囲にあり、
ここで、距離(Xb)が流路(7b)の外側0mm超〜3mmの範囲にある場合、接合面(2b)は、少なくとも部分的に外部流路領域(17b)内に存在し、
かつここで、距離(Xb)が流路(7b)の内側0mm〜10mmの範囲にある場合、第二の成形体(1b)は、第一の側面(3b)および第二の側面(4b)をさらに有し、第一の側面(3b)は、第一の流路壁(8b)までの最短距離(Y1b)が0.2〜5mmの範囲にあり、第二の側面(4b)は、第二の流路壁(9b)までの最短距離(Y2b)が0.2〜5mmの範囲にあり、
f)高温ガスを、ガスを流路(7a)に供給する手段(11a)に通して供給する工程、ここで、第一の成形体(1a)の端部(2a)を加熱し、端部(2a)に含有されている第一の熱可塑性ポリマーを溶融させ、
g)高温ガスを、ガスを流路(7b)に供給する手段(11b)に供給する工程、ここで、第二の成形体(1b)の接合面(2b)を加熱し、接合面(2b)に含有されている第二の熱可塑性ポリマーを溶融させ、
h)工程d)による配置場所から第一の成形体(1a)を取り出す工程、
i)工程e)による配置場所から第二の成形体(1b)を取り出す工程、
j)第一の成形体(1a)の加熱された端部(2a)と第二の成形体(1b)の加熱された接合面(2b)とを接触させ、加熱された端部(2a)と加熱された接合面(2b)とを互いに接触させながら、第一の成形体(1a)の加熱された端部(2a)と第二の成形体(1b)の加熱された接合面(2b)とを冷却し、第一の成形体(1a)と第二の成形体(1b)との間に溶着部を形成する工程、
を含む方法により解決される。
【0015】
本発明による方法によって、第一の成形体(1a)の端部(2a)と第二の成形体(1b)の接合面(2b)とを均一に加熱することができ、それにより、溶着部の品質がより良好になることは驚くべきことであった。より良好な溶着部の品質は、工程f)において第一の熱可塑性ポリマーを均質に溶融させ、かつ工程g)において第二の熱可塑性ポリマーを均質に溶融させ、それにより、それぞれ均一な厚さの溶融物層を得て、これにより、特に均一な厚さの溶着部をもたらすことで得られる。殊に、従来技術に記載されている方法に比べて高い機械的強度が達成される。
【0016】
それに加えて、本発明による方法は、従来技術に記載の方法よりも迅速に実施可能であり、よって、従来技術に記載の方法によりもサイクル時間が短くなる。
【0017】
本発明の範囲において、サイクル時間とは、工程d)およびe)において第一の成形体(1a)および第二の成形体(1b)の配置を始めてから、工程j)において第一の成形体(1a)と第二の成形体(1b)との間に溶着部が得られるまでの時間と理解される。
【0018】
工程d)における第一の成形体(1a)の配置および工程e)における第二の成形体(1b)の配置が同時に行われない場合、配置の始まりとは、最初に配置される成形体の配置の始まりであると考えられる。すなわち、サイクル時間とは、最初に配置される成形体の配置を始めてから、工程j)において第一の成形体(1a)と第二の成形体(1b)との間に溶着部が得られるまでの時間と理解される。
【0019】
本発明による方法におけるサイクル時間は、例えば5〜40s(秒)の範囲、好ましくは5〜25sの範囲、殊に好ましくは5〜20sの範囲にある。
【0020】
以下で、本発明による方法をより詳細に説明する。
【0021】
工程a)
工程a)では、第一の成形体(1a)を用意する。
【0022】
本発明によると、第一の成形体(1a)は、第一の側面(3a)と、第二の側面(4a)と、端部(2a)とを含む。端部(2a)は、第一の熱可塑性ポリマーを含有している。
【0023】
本発明の範囲において、「第一の熱可塑性ポリマー」とは、ちょうど1種の第一の熱可塑性ポリマー、および2種以上の第一の熱可塑性ポリマーの混合物をどちらも意味する。
【0024】
第一の熱可塑性ポリマーとしては、当業者に公知のあらゆる熱可塑性ポリマーが適している。非晶質熱可塑性ポリマーおよび半結晶性熱可塑性ポリマーから成る群より選択される第一の熱可塑性ポリマーが好ましい。
【0025】
よって、第一の熱可塑性ポリマーは、例えば、ポリアミド、ポリオキシメチレン、ポリスルホン、ポリフェニルスルホンおよびポリブチレンテレフタレートから成る群より選択される。
【0026】
よって、本発明の対象は、端部(2a)に含有されている第一の熱可塑性ポリマーが、ポリアミド、ポリオキシメチレン、ポリスルホン、ポリフェニレンスルホンおよびポリブチレンテレフタレートから成る群より選択される方法でもある。
【0027】
通常、第一の熱可塑性ポリマーは、ガラス転移温度(TG1)を有する。例えば、第一の熱可塑性ポリマーのガラス転移温度(TG1)は、示差走査熱量測定(Differential Scanning Calorimetry;DSC)により求めて、50〜350℃の範囲、好ましくは150〜270℃の範囲、殊に好ましくは170〜240℃の範囲にある。
【0028】
よって、本発明の対象は、第一の熱可塑性ポリマーが、50〜350℃の範囲にあるガラス転移温度(TG1)を有する方法でもある。
【0029】
第一の熱可塑性ポリマーが、半結晶性熱可塑性ポリマーである場合、通常、第一の熱可塑性ポリマーは、融点(TM1)をさらに有する。例えば、第一の熱可塑性ポリマーの融点(TM1)は、示差走査熱量測定(Differential Scanning Calorimetry;DSC)により求めて、80〜400℃の範囲、好ましくは140〜320℃の範囲、殊に好ましくは160〜300℃の範囲にある。
【0030】
よって、本発明の対象は、第一の熱可塑性ポリマーが半結晶性熱可塑性ポリマーである場合に第一の熱可塑性ポリマーが、80〜400℃の範囲にある融点(TM1)を有する方法でもある。
【0031】
第一の成形体(1a)の端部(2a)は、第一の熱可塑性ポリマーの他に、さらなる成分をさらに含有することができる。このようなさらなる成分は、当業者に公知であり、例えば、フィラーおよび添加剤から成る群より選択される。
【0032】
フィラーとしては、熱可塑性ポリマーについて当業者に公知のあらゆるフィラーが適している。このようなフィラーは、例えば、ガラスビーズ、ガラス繊維、炭素繊維、カーボンナノチューブおよび白亜から成る群より選択される。
【0033】
同様に、適切な添加剤も当業者に公知であり、例えば、核形成防止剤、安定化剤、末端基官能化剤および染料から成る群より選択される。
【0034】
第一の成形体(1a)は、第一の熱可塑性ポリマーを含有していることが好ましい。第一の成形体(1a)は、端部(2a)と同じ成分を含有していることが特に好ましい。端部(2a)が、第一の熱可塑性ポリマーの他に、さらなる成分もさらに含有している場合、同様に、第一の成形体(1a)も、第一の熱可塑性ポリマーの他に、さらなる成分を含有していることが好ましい。
【0035】
第一の熱可塑性ポリマーおよびさらなる成分の重量%には、先に記載された態様および好ましい形態が相応して当てはまる。
【0036】
第一の成形体(1a)の端部(2a)は、当業者に公知のあらゆる形態で構成されていてもよい。例えば、端部(2a)は、平面状、角状または線状で構成されていてもよい。すなわち、端部(2a)は、例えば、平面として、線として、または角として構成されている。
【0037】
第一の側面(3a)、第二の側面(4a)および端部(2a)が一緒にリブを形成する場合、端部(2a)は、例えば平面として構成されている。
【0038】
第一の側面(3a)、第二の側面(4a)および端部(2a)が一緒に、凸形を形成し、断面において例えば半円を形成する場合、端部は、線として構成されている。
【0039】
第一の側面(3a)および第二の側面(4a)が互いに鋭角を形成して接触しあっている場合、端部(2a)は、例えば角として構成されている。
【0040】
同様に、第一の側面(3a)および第二の側面(4a)は、当業者に公知のあらゆる形態で構成されていてもよい。第一の側面(3a)および第二の側面(4a)は、平面状に構成されていることが好ましい。その際、第一の側面(3a)が、第二の側面(4a)に対して実質的に平行に向けられていることが殊に好ましい。
【0041】
本発明の範囲において、「実質的に平行に」とは、第一の側面(3a)および第二の側面(4a)の方向がちょうど平行であることのみならず、平行方向からのずれが、最大30°、好ましくは最大15°、殊に好ましくは最大1°であることも意味する。
【0042】
よって、本発明の対象は、第一の成形体(1a)の第一の側面(3a)が、第一の成形体(1a)の第二の側面(4a)に対して実質的に平行に向けられている方法でもある。
【0043】
さらに、端部(2a)が、平面状に形成されており、第一の側面(3a)が、端部(2a)に対して実質的に垂直に向けられており、かつ第二の側面(4a)が、端部(2a)に対して実質的に垂直に向けられていることが好ましい。この実施形態において、第一の側面(3a)、第二の側面(4a)および端部(2a)が、第一の成形体(1a)のリブを形成することが好ましい。
【0044】
さらに、本発明の対象は、第一の成形体(1a)の端部(2a)が、平面状に形成されており、かつ第一の成形体(1a)の第一の側面(3a)および第二の側面(4a)が、端部(2a)に対してそれぞれ実質的に垂直に向けられている方法である。
【0045】
本発明の範囲において、「実質的に垂直に」とは、第一の側面(3a)の方向が端部(2a)に対してちょうど垂直であることのみならず、垂直方向からのずれが、最大+/−30°、好ましくは最大+/−15°、殊に好ましくは最大+/−1°であることも意味する。
【0046】
第二の側面(4a)が端部(2a)に対して実質的に垂直である方向という文脈に関連して、相応する態様が当てはまる。
【0047】
工程a)における第一の成形体(1a)の用意は、当業者に公知のあらゆる手法により、例えば、射出成形、押出成形またはブロー成形により行われ得る。
【0048】
これらの方法は、それ自体が当業者に公知である。
【0049】
工程b)
工程b)において、第二の成形体(1b)を用意する。第二の成形体(1b)は、接合面(2b)を含む。この接合面(2b)は、第二の熱可塑性ポリマーを含有している。
【0050】
本発明の範囲において、「第二の熱可塑性ポリマー」とは、ちょうど1種の第二の熱可塑性ポリマー、および2種以上の第二の熱可塑性ポリマーの混合物をどちらも意味する。
【0051】
接合面(2b)に含有されている第二の熱可塑性ポリマーについては、端部(2a)に含有されている第一の熱可塑性ポリマーに関して先に記載した態様および好ましい形態が相応して当てはまる。
【0052】
よって、本発明の対象は、接合面(2b)に含有されている第二の熱可塑性ポリマーが、ポリアミド、ポリオキシメチレン、ポリスルホン、ポリフェニレンスルホンおよびポリブチレンテレフタレートから成る群より選択される方法でもある。
【0053】
よって、本発明の対象はさらに、端部(2a)に含有されている第一の熱可塑性ポリマーが、ポリアミド、ポリオキシメチレン、ポリスルホン、ポリフェニルスルホンおよびポリブチレンテレフタレートから成る群より選択され、かつ/または接合面(2b)に含有されている第二の熱可塑性ポリマーが、ポリアミド、ポリオキシメチレン、ポリスルホン、ポリフェニルスルホンおよびポリブチレンテレフタレートから成る群より選択される方法である。
【0054】
端部(2a)に含有されている第一の熱可塑性ポリマーと、接合面(2b)に含有されている第二の熱可塑性ポリマーとが同じであることが特に好ましい。
【0055】
よって、本発明の対象は、端部(2a)に含有されている第一の熱可塑性ポリマーと、接合面(2b)に含有されている第二の熱可塑性ポリマーとが同じである方法でもある。
【0056】
第一の熱可塑性ポリマーと第二の熱可塑性ポリマーとが同じである場合、これは、第一の熱可塑性ポリマーが、第二の熱可塑性ポリマーと同じ熱可塑性ポリマーであることを意味する。第一の熱可塑性ポリマーと第二の熱可塑性ポリマーとを同じ方法により製造し、そのため、これらが、同じ特性、例えば、同じ融点、同じ分子量分布、同じ分子量および同じ溶融粘度を有することが特に好ましい。
【0057】
通常、第二の熱可塑性ポリマーは、ガラス転移温度(TG2)を有する。例えば、第二の熱可塑性ポリマーのガラス転移温度(TG2)は、示差走査熱量測定(Differential Scanning Calorimetry;DSC)により求めて、50〜350℃の範囲、好ましくは150〜270℃の範囲、殊に好ましくは170〜240℃の範囲にある。
【0058】
よって、本発明の対象は、第二の熱可塑性ポリマーが、50〜350℃の範囲にあるガラス転移温度(TG2)を有する方法でもある。
【0059】
第二の熱可塑性ポリマーが半結晶性熱可塑性ポリマーである場合、通常、第二の熱可塑性ポリマーは、融点(TM2)をさらに有する。例えば、第二の熱可塑性ポリマーの融点(TM2)は、示差走査熱量測定(Differential Scanning Calorimetry;DSC)により求めて、80〜400℃の範囲、好ましくは140〜320℃の範囲、殊に好ましくは160〜300℃の範囲にある。
【0060】
よって、本発明の対象は、第二の熱可塑性ポリマーが半結晶性熱可塑性ポリマーである場合に第二の熱可塑性ポリマーが、80〜400℃の範囲にある融点(TM2)を有する方法でもある。
【0061】
第二の成形体(1b)の接合面(2b)は、第二の熱可塑性ポリマーの他に、さらなる成分をさらに含有することができる。場合によって接合面(2b)に含有されているさらなる成分については、場合によって端部(2a)に含有されているさらなる成分に関して先に記載した態様および好ましい形態が相応して当てはまる。
【0062】
第二の成形体(1b)は、第二の熱可塑性ポリマーを含有していることが好ましい。第二の成形体(1b)は、接合面(2b)と同じ成分を含有していることが殊に好ましい。接合面(2b)が、第二の熱可塑性ポリマーの他に、さらなる成分もさらに含有している場合、同様に、第二の成形体(1b)も、第二の熱可塑性ポリマーの他に、さらなる成分を含有していることが好ましい。
【0063】
第二の成形体(1b)の接合面(2b)は、平面状に構成されていることが好ましい。
【0064】
第二の成形体(1b)は、第一の側面(3b)および第二の側面(4b)をさらに有することが好ましい。第一の側面(3b)および第二の側面(4b)については、第一の成形体(1a)の第一の側面(3a)および第二の側面(4a)に関して先に記載した態様および好ましい形態が相応して当てはまる。
【0065】
この実施形態において、第二の成形体(1b)の接合面(2b)は、第一の成形体(1a)の端部(2a)に相応する。よって、この実施形態において、第二の成形体(1b)の接合面(2b)については、第一の成形体(1a)の端部(2a)に関して先に記載した態様および好ましい形態が相応して当てはまる。
【0066】
よって、本発明の対象は、第二の成形体(1b)の第一の側面(3b)が、第二の成形体(1b)の第二の側面(4b)に対して実質的に平行に向けられている方法でもある。
【0067】
本発明の範囲において、「実質的に平行に」とは、第一の側面(3b)および第二の側面(4b)の方向がちょうど平行であることのみならず、平行方向からのずれが、最大30°、好ましくは最大15°、殊に好ましくは最大1°であることも意味する。
【0068】
さらに、本発明の対象は、第二の成形体(1b)の接合面(2b)が平面状に形成されており、かつ第二の成形体(1b)の第一の側面(3b)および第二の側面(4b)が、接合面(2b)に対して、それぞれ実質的に垂直に向けられている方法である。
【0069】
本発明の範囲において、「実質的に垂直に」とは、第一の側面(3b)および第二の側面(4b)が、それぞれ互いに独立して、接合面(3b)に対してちょうど垂直に向けられていることのみならず、ちょうど垂直な方向からのずれが、最大+/−30°、好ましくは最大+/−15°、殊に好ましくは最大+/−1°であり得ることも意味する。
【0070】
図1a〜1eは、本発明による例示的な成形体1を示す。図1a〜1eにおいて、同じ符号は、同じものを意味する。図1a〜1dにおいて、成形体は、第一の側面3、第二の側面4および端部2を有する。図1a〜1eに示される成形体が第二の成形体(1b)である場合、端部2が接合面(2b)に相応することは自明のことである。
【0071】
図1aおよび1dにおいて、端部2は、それぞれ平面状に構成されている。第一の側面3および第二の側面4は、互いに平行に向けられており、かつ端部2に対して、それぞれ垂直に向けられている。図1aにおいて、第一の側面3、第二の側面4および端部2は、一緒に成形体1のリブを形成する。
【0072】
図1bにおいて、端部2は、線状に構成されている。第一の側面3、第二の側面4および端部2は、一緒に凸形を形成する。
【0073】
図1cにおいて、端部2は、角状に構成されている。第一の側面3および第二の側面4は、互いに鋭角を形成し、かつ端部2で接触している。
【0074】
図1eに示される成形体1は、接合面2のみを有する。したがって、これは第二の成形体(1b)である。接合面2は、図1eにおいて符号2の付いた面全体であってもよく、同様に、接合面は、この面の部分領域のみを含んでいてもよい。
【0075】
工程c)
工程c)において、金型(5)を用意する。金型(5)は、第一の外面(6a)および第二の外面(6b)を有する。
【0076】
第一の外面(6a)は、流路(7a)を含む。流路(7a)は、底部(10a)と、第一の最高地点(12a)を有する第一の流路壁(8a)と、第二の最高地点(13a)を有する第二の流路壁(9a)とを有する。底部(10a)は、ガスを流路(7a)に供給する手段(11a)を含む。流路入口面(14a)は、第一の最高地点(12a)を通って第一の外面(6a)に対して平行に延在する。流路入口面(14a)に対して垂直に延びる方向に沿った第一の最高地点(12a)の寸法補助線(15a)と、流路入口面(14a)に対して垂直に延びる方向に沿った第二の最高地点(13a)の寸法補助線(16a)との間に、外部流路領域(17a)が存在する。
【0077】
流路(7a)は、第一の外面(6a)の上に配置されていても、少なくとも部分的に第一の外面(6a)の下に配置されていてもよい。流路が第一の外面(6a)の上に配置されている場合、第一の流路壁(8a)および第二の流路壁(9a)は、例えば溶着により、例えば第一の外面(6a)に固定されており、そのようにして流路(7a)を形成する。
【0078】
流路入口面(14a)に対して垂直に延びる方向に沿った第一の最高地点(12a)の寸法補助線(15a)は、流路入口面(14a)に対して垂直であり、かつ第一の最高地点(12a)を通って延びる直線である。
【0079】
同じことが、流路入口面(14a)に対して垂直に延びる方向に沿った第二の最高地点(13a)の寸法補助線(16a)に当てはまる。流路入口面(14a)に対して垂直に延びる方向に沿った第二の最高地点(13a)の寸法補助線(16a)は、流路入口面(14a)に対して垂直であり、かつ第二の最高地点(13a)を通って延びる直線である。
【0080】
第一の流路壁(8a)の第一の最高地点(12a)は、第一の外面(6a)の流路(7a)の底部(10a)の平面から垂直方向に最も離れた点であり、すなわち、底部(10a)の平面からの垂直方向の距離が最も長い点である。第一の流路壁(8a)が2つ以上の最高地点を有する場合、第一の最高地点(12a)は、流路(7a)への距離が最も短い最高地点である。
【0081】
相応する態様が第二の最高地点(13a)に当てはまる。
【0082】
第二の流路壁(9a)の第二の最高地点(13a)は、第一の外面(6a)の流路(7a)の底部(10a)の平面から垂直方向に最も離れた点であり、すなわち、底部(10a)の平面からの垂直方向の距離が最も長い点である。
【0083】
第二の流路壁(9a)が2つ以上の最高地点を有する場合、第二の最高地点(13a)は、流路(7a)への距離が最も短い最高地点である。
【0084】
第一の最高地点(12a)および第二の最高地点(13a)に関しては、底部(10a)の平面からの垂直方向の距離が異なる場合、底部(10a)の平面からの垂直方向の距離がより短い方の最高地点が、第一の最高地点(12a)である。底部(10a)の平面からの垂直方向の距離がより長い方の最高地点が、第二の最高地点(13a)である。
【0085】
底部(10a)の平面から第一の最高地点(12a)までの垂直方向の距離は、例えば2〜30mmの範囲、好ましくは5〜20mmの範囲、殊に好ましくは11〜15mmの範囲にある。
【0086】
第一の最高地点(12a)と底部(10a)の平面との間の垂直方向の距離は、流路深さとしても表される。よって、流路深さは、例えば2〜30mmの範囲、好ましくは5〜20mmの範囲、殊に好ましくは11〜15mmの範囲にある。
【0087】
底部(10a)の平面から第二の最高地点(13a)までの垂直方向の距離は、例えば2〜30mmの範囲、好ましくは5〜20mmの範囲、殊に好ましくは11〜15mmの範囲にある。
【0088】
流路(7a)の底部(10a)は、当業者に公知のあらゆる形状を有することができる。例えば、底部(10a)は、面状またはアーチ状に構成されていてもよい。底部(10a)は、面状、すなわち平面状に構成されていることが好ましい。
【0089】
本発明によると、底部(10a)の平面は、流路入口面(14a)に対して平行にかつ中央線(Ma)と底部(10a)との交点を通って延在する平面であり、ここで中央線(Ma)は、流路入口面(14a)を通って垂直に延び、第一の最高地点(12a)の寸法補助線(15a)および第二の最高地点(13a)の寸法補助線(16a)それぞれに対して、距離が同じである。さらに、中央線(Ma)は、寸法補助線(15a)および寸法補助線(16a)に対して平行に延在する。
【0090】
中央線(Ma)がガスを流路(7a)に供給する手段(11a)を通って延び、それにより、中央線(Ma)が底部(10a)との交点を有しない場合、中央線(Ma)と底部(10a)との交点は、底部(10a)がガスを流路(7a)に供給する手段(11a)を含まない場合に存在するであろう箇所にあると想定されることが当業者に公知である。
【0091】
本発明によると、底部(10a)は、ガスを流路(7a)に供給する手段(11a)を含む。
【0092】
ガスを流路(7a)に供給する手段(11a)としては、ガスの供給に適した当業者に公知のあらゆる手段(11a)、例えば、ノズル、穿孔および/またはスリットが適している。
【0093】
通常、ガスを流路(7a)に供給する手段(11a)は、最高地点を1つ有する。
【0094】
ガスを流路(7a)に供給する手段(11a)の最高地点は、流路内にある。ガスを流路(7a)に供給する手段(11a)の最高地点は、流路入口面(14a)に対して垂直に延びる方向において流路入口面(14a)からの距離が最も短い、ガスを流路(7a)に供給する手段(11a)の地点である。ガスを流路(7a)に供給する手段(11a)の最高地点は、流路入口面(14a)に対して垂直に延びる方向において、流路入口面(14a)までの距離が、流路(7a)の内側10mm超であることが特に好ましい。
【0095】
本発明のさらなる好ましい実施形態において、ガスを流路(7a)に供給する手段(11a)の最高地点は、流路入口面(14a)に対して垂直に延びる方向において、流路入口面(14a)までの距離が、1〜8.5mmの範囲にある。
【0096】
流路入口面(14a)から、ガスを流路(7a)に供給する手段(11a)の最高地点までの距離は、流路入口面(14a)に対して垂直に延びる方向において、通常十分に長いため、第一の成形体(1a)の端部(2a)が、工程d)における配置の際に、ガスを流路(7a)に供給する手段(11a)の最高地点に接触しないことは自明のことである。
【0097】
よって、流路入口面(14a)に対して垂直に延びる方向における、流路入口面(14a)から、ガスを流路(7a)に供給する手段(11a)の最高地点までの距離は、第一の成形体(1a)の端部(2a)が、工程d)における第一の成形体(1a)の配置の際に、流路入口面(14a)に対して垂直に延びる方向において、少なくとも0.5mmの、ガスを流路(7a)に供給する手段(11a)の最高地点までの距離を有するような長さであることがさらに好ましい。
【0098】
第一の流路壁(8a)は、第二の流路壁(9a)に対して実質的に平行に向けられていることが好ましい。
【0099】
本発明の範囲において、「実質的に平行に」とは、第一の流路壁(8a)の方向が第二の流路壁(9a)に対してちょうど平行であることのみならず、平行方向からのずれが、最大30°、好ましくは最大15°、殊に好ましくは最大1°であることも意味する。
【0100】
よって、本発明の対象は、第一の外面(6a)の流路(7a)の第一の流路壁(8a)が、第一の外面(6a)の流路(7a)の第二の流路壁(9a)に対して実質的に平行に向けられている方法も意味する。
【0101】
さらに、第一の流路壁(8a)が、底部(10a)の平面に対して実質的に垂直に向けられていることが好ましい。同様に、第二の流路壁(9a)が、底部(10a)の平面に対して実質的に垂直に向けられていることが好ましい。
【0102】
さらに、本発明の対象は、流路(7a)の第一の流路壁(8a)が、底部(10a)の平面に対して実質的に垂直に向けられており、かつ流路(7a)の第二の流路壁(9a)が、底部(10a)の平面に対して実質的に垂直に向けられている方法である。
【0103】
底部(10a)が、平面状に構成されており、かつ第一の流路壁(8a)および第二の流路壁(9a)が、底部(10a)に対してそれぞれ実質的に垂直に向けられていることが殊に好ましい。
【0104】
本発明の範囲において、「実質的に垂直に」とは、第一の流路壁(8a)および第二の流路壁(9a)の方向が、それぞれ互いに独立して、底部(10a)の平面に対してちょうど垂直であることのみならず、垂直方向からのずれが、それぞれ互いに独立して、最大+/−30°、好ましくは最大+/−15°、特に好ましくは最大+/−1°であることも意味する。
【0105】
第一の流路壁(8a)、第二の流路壁(9a)および底部(10a)は、本発明による方法が実施される温度での使用に適したあらゆる材料から構築されていてもよい。
【0106】
第一の流路壁(8a)、第二の流路壁(9a)および底部(10a)をさらに熱してもよい。
【0107】
本発明によると、第二の外面(6b)は流路(7b)を含む。流路(7b)は、底部(10b)と、第一の最高地点(12b)を有する第一の流路壁(8b)と、第二の最高地点(13b)を有する第二の流路壁(9b)とを有する。底部(10b)は、ガスを流路(7b)に供給する手段(11b)を含む。流路入口面(14b)は、第一の最高地点(12b)を通って第二の外面(6b)に対して平行に延在する。流路入口面(14b)に対して垂直に延びる方向に沿った第一の最高地点(12b)の寸法補助線(15b)と、流路入口面(14b)に対して垂直に延びる方向に沿った第二の最高地点(13b)の寸法補助線(16b)との間に、外部流路領域(17b)が存在する。
【0108】
第二の外面(6b)については、第一の外面(6a)に関して先に記載した態様および好ましい形態が相応して当てはまる。
【0109】
同様に、流路(7b)については、流路(7a)に関して先に記載されている態様および好ましい形態が相応して当てはまる。同じことが、底部(10b)と、第一の最高地点(12b)を有する第一の流路壁(8b)と、第二の最高地点(13b)を有する第二の流路壁(9b)と、ガスを流路(7b)に供給する手段(11b)とに当てはまる。これらについては、底部(10a)と、第一の最高地点(12a)を有する第一の流路壁(8a)と、第二の最高地点(13a)を有する第二の流路壁(9a)と、ガスを流路(7a)に供給する手段(11a)とに関して先に記載した態様および好ましい形態が相応して当てはまる。
【0110】
よって、本発明の対象は、第二の外面(6b)の流路(7b)の第一の流路壁(8b)が、第二の外面(6b)の流路(7b)の第二の流路壁(9b)に対して実質的に平行に向けられている方法でもある。
【0111】
本発明の範囲において、「実質的に平行に」とは、第一の流路壁(8b)の方向が第二の流路壁(9b)に対してちょうど平行であることのみならず、平行方向からのずれが、最大30°、好ましくは最大15°、殊に好ましくは最大1°であることも意味する。
【0112】
よって、本発明の対象は、第一の外面(6a)の流路(7a)の第一の流路壁(8a)が、第一の外面(6a)の流路(7a)の第二の流路壁(9a)に対して実質的に平行に向けられており、かつ/または第二の外面(6b)の流路(7b)の第一の流路壁(8b)が、第二の外面(6b)の流路(7b)の第二の流路壁(9b)に対して実質的に平行に向けられている方法でもある。
【0113】
さらに、本発明の対象は、流路(7b)の第一の流路壁(8b)が、底部(10b)の平面に対して実質的に垂直に向けられており、かつ流路(7b)の第二の流路壁(9b)が、底部(10b)の平面に対して実質的に垂直に向けられている方法である。
【0114】
本発明の範囲において、「実質的に垂直に」とは、第一の流路壁(8b)および第二の流路壁(9b)の方向が、それぞれ互いに独立して、底部(10b)の平面に対してちょうど垂直であることのみならず、ちょうど垂直な方向からのずれが、それぞれ互いに独立して、最大+/−30°、好ましくは最大+/−15°、殊に好ましくは最大+/−1°であることも意味する。
【0115】
本発明によると、工程c)において用意した金型(5)の第一の外面(6a)は、金型(5)の第二の外面(6b)と向かい合って置かれていることが好ましい。
【0116】
よって、本発明の対象は、工程c)において用意した金型(5)の第一の外面(6a)が、金型(5)の第二の外面(6b)と向かい合って置かれている方法でもある。
【0117】
「向かい合って」とは、空間的に捉えた際の「向かい合って」と理解される。ここで第一の外面(6a)が、第二の外面(6b)に対して実質的に平行に向けられていることが殊に好ましい。
【0118】
本発明の範囲において、「実質的に平行に」とは、第一の外面(6a)が第二の外面(6b)に対してちょうど平行に向けられていることのみならず、平行方向からのずれが、最大30°、好ましくは最大15°、殊に好ましくは最大1°であることも意味する。
【0119】
通常、第一の外面(6a)は、第二の外面(6b)と接続されている。例えば、第一の外面(6a)と第二の外面(6b)とは、中間部分(20)を介して接続されている。この中間部分(20)は、任意で構成されていてよく、例えば、ガスを流路(7a)に供給する手段(11a)およびガスを流路(7b)に供給する手段(11b)にガスを導入することができる手段を含んでいてもよい。さらに、中間部分(20)は、ガス、および/または第一の外面(6a)、第二の外面(6b)、ならびに場合によって第一の流路壁(8a)、(8b)、第二の流路壁(9a)、(9b)および/または底部(10a)、(10b)を加熱するために、例えば加熱板を含んでいてもよい。
【0120】
さらに、本発明によると、第一の外面(6a)の流路(7a)が、第二の外面(6b)の流路(7b)と向かい合って配置されていることが好ましい。
【0121】
図2aおよび2bは、例示的な金型5を示す。図2aおよび2bにおいて、同じ符号は、同じものを意味する。図2aにおいて、流路7aは、第一の外面6aの上に配置されており、同様に、流路7bは、第二の外面6bの上に配置されている。第一の外面6aは、第二の外面6bと向かい合って置かれており、同様に、流路7aは、流路7bと向かい合って置かれている。流路7a、7bは、第一の最高地点12a、12bを有する第一の流路壁8a、8bと、第二の最高地点13a、13bを有する第二の流路壁9a、9bとをそれぞれ含む。第一の流路壁8a、8bおよび第二の流路壁9a、9bは、第一の外面6aおよび第二の外面6bにそれぞれ施与されている。底部10a、10bは、ガスを供給するための手段11a、11bをそれぞれ含む。流路入口面には、符号14aおよび14bが記されている。
【0122】
図2aとは反対に、図2bには、流路7a、7bが、第一の外面6aおよび第二の外面6bの内部にそれぞれ存在している。
【0123】
図2aおよび2bにおいて、第一の外面6aおよび第二の外面6bは、中間部分20を介して接続されている。中間部分20については、先に記載した態様および好ましい形態が当てはまる。
【0124】
図3a〜3dは、流路7を例示的に示す。図3a〜3dにおける同じ符号は、同じものを意味する。図3a〜3dに示される流路は、第一の外面(6a)の一部であっても、第二の外面(6b)の一部であってもよい。
【0125】
図3aに示される流路7は、第一の流路壁8および第二の流路壁9を含む。第一の流路壁8は、第二の流路壁9に対して平行に向けられている。底部10は、ガスを流路7に供給する手段11を含む。第一の流路壁8は、複数の最高地点を含む。第一の最高地点12は、流路7に最も近い最高地点である。相応して、第二の流路壁9も複数の最高地点を含む。第二の最高地点13は、流路7に最も近い最高地点である。流路入口面14に対して垂直に第一の最高地点12を通る寸法補助線15と同様に、流路入口面14に対して垂直に第二の最高地点13を通る寸法補助線16も図示されている。寸法補助線15と寸法補助線16との間には、外部流路領域17が存在する。図3bおよび3cについて、相応する態様が当てはまる。図3bおよび3cの流路7は、流路壁8および9が、斜めに構成されており、そのため、底部10の平面に対して互いに平行および垂直ではない点で、図3aの流路7とは異なる。
【0126】
図3dに示される流路は、流路壁8、9が凸形である。第一の流路壁8は、ちょうど1つの第一の最高地点12を有し、同様に、第二の流路壁9も、ちょうど1つの第二の最高地点13を有する。流路入口面14に対して垂直な第一の最高地点12の寸法補助線15と同様に、流路入口面14に対して垂直な第二の最高地点13の寸法補助線16も図示されている。寸法補助線15と寸法補助線16との間には、外部流路領域17が存在する。
【0127】
工程d)
工程d)において、第一の成形体(1a)を配置する。端部(2a)は、流路入口面(14a)に対して垂直に延びる方向において、流路入口面(14a)までの距離(Xa)を有する。本発明によると、距離(Xa)は、流路(7a)の外側3mmから流路(7a)の内側10mmの範囲にある。距離(Xa)は、流路(7a)の内側0mm〜10mmの範囲、殊に好ましくはそれぞれ流路(7a)の内側0.5mm〜8mmの範囲にあるのが好ましい。
【0128】
よって、本発明の対象は、距離(Xa)が流路(7a)の内側0〜10mmの範囲にあるように、工程d)において第一の成形体(1a)を配置する方法でもある。
【0129】
流路(7a)の内側の距離(Xa)が、流路(7b)の流路深さより常に短いことは自明のことである。
【0130】
距離(Xa)が、流路(7a)の外側0mm超〜3mmの範囲にある場合、端部(2a)は、少なくとも部分的に外部流路領域(17a)内に存在する。端部(2a)は、完全に外部流路領域(17a)内に存在することが好ましい。
【0131】
よって、本発明の対象は、距離(Xa)が流路(7a)の外側0mm超〜3mmの範囲にある場合に、端部(2a)が完全に外部流路領域(17a)内に存在するように、工程d)において第一の成形体(1a)を配置する方法でもある。
【0132】
本発明の範囲におけるこの文脈において、「完全に」とは、端部(2a)全体が外部流路領域(17a)内に存在することと理解される。
【0133】
距離(Xa)が、流路(7a)の内側0〜10mmの範囲にある場合、本発明によると、第一の側面(3a)は、第一の流路壁(8a)までの最短距離(Y1a)が0.2〜5mmの範囲にある。第二の側面(4a)は、第二の流路壁(9a)までの最短距離(Y2a)が0.2〜5mmの範囲にある。
【0134】
最短距離(Y1a)は、好ましくは0.5〜4mmの範囲、殊に好ましくは1〜3mmの範囲にある。
【0135】
最短距離(Y2a)は、好ましくは0.5〜4mmの範囲、殊に好ましくは1〜3mmの範囲にある。
【0136】
第一の側面(3a)から第一の流路壁(8a)までの最短距離(Y1a)は、第一の側面(3a)と第一の流路壁(8a)との間の最短距離である。
【0137】
同じことが最短距離(Y2a)に当てはまる。第二の側面(4a)から第二の流路壁(9a)までの最短距離(Y2a)は、第二の側面(4a)と第二の流路壁(9a)との間の最短距離である。
【0138】
すなわち、本発明の好ましい実施形態では、以下の工程d)を実施する:
d)第一の成形体(1a)を配置し、
ここで端部(2a)は、流路入口面(14a)に対して垂直に延びる方向において、流路入口面(14a)までの距離(Xa)が、流路(7a)の内側0〜10mmの範囲にあり、
ここで第一の側面(3a)は、第一の流路壁(8a)までの最短距離(Y1a)が、0.2〜5mmの範囲、好ましくは0.5〜4mmの範囲、殊に好ましくは1〜3mmの範囲にあり、
ここで第二の側面(4a)は、第二の流路壁(9a)までの最短距離(Y2a)が、0.2〜5mmの範囲、好ましくは0.5〜4mmの範囲、殊に好ましくは1〜3mmの範囲にある。
【0139】
よって、本発明の対象は、以下の工程d)を実施する方法でもある:
d)第一の成形体(1a)を配置し、
ここで端部(2a)は、流路入口面(14a)に対して垂直に延びる方向において、流路入口面(14a)までの距離(Xa)が、流路(7a)の内側0〜10mmの範囲にあり、
ここで第一の側面(3a)は、第一の流路壁(8a)までの最短距離(Y1a)が0.2〜5mmの範囲にあり、
ここで第二の側面(4a)は、第二の流路壁(9a)までの最短距離(Y2a)が0.2〜5mmの範囲にある。
【0140】
工程e)
工程e)において、第二の成形体(1b)を配置する。接合面(2b)は、流路入口面(14b)に対して垂直に延びる方向において、流路入口面(14b)までの距離(Xb)を有する。本発明によると、距離(Xb)は、流路(7b)の外側3mmから流路(7b)の内側10mmの範囲にある。距離(Xb)は、流路(7b)の内側0mm〜10mmの範囲、殊に好ましくはそれぞれ流路(7b)の内側0.5mm〜8mmの範囲にあるのが好ましい。
【0141】
よって、本発明の対象は、距離(Xb)が、流路(7b)の内側0mm〜10mmにあるように、工程e)において第二の成形体(1b)を配置する方法でもある。
【0142】
距離(Xb)が、流路(7b)の外側0mm超〜3mmの範囲にある場合、接合面(2b)は、少なくとも部分的に外部流路領域(17b)内にある。接合面(2b)は、完全に外部流路領域(17b)内に存在することが好ましい。
【0143】
この文脈において、「完全に」とは、接合面(2b)全体が外部流路領域(17b)内に存在することと理解される。
【0144】
よって、本発明の対象は、距離(Xb)が流路(7b)の外側0mm超〜3mmの範囲にある場合に、接合面(2b)が完全に外部流路領域(17b)内に存在するように、工程e)において第二の成形体(1b)を配置する方法でもある。
【0145】
したがって、本発明の対象は、距離(Xa)が流路(7a)の外側0mm超〜3mmの範囲にある場合に、端部(2a)が完全に外部流路領域(17a)内に存在するように、工程d)において第一の成形体(1a)を配置し、かつ/または距離(Xb)が流路(7b)の外側0mm超〜3mmの範囲にある場合に、接合面(2b)が完全に外部流路領域(17b)内に存在するように、工程e)において第二の成形体(1b)を配置する方法でもある。
【0146】
流路(7b)の内側の距離(Xb)が、流路(7b)の流路深さより常に短いことは自明のことである。
【0147】
距離(Xb)が、流路(7b)の内側0〜10mmの範囲にある場合、第二の成形体(1b)は、第一の側面(3b)および第二の側面(4b)をさらに有する。本発明によると、第一の側面(3b)は、第一の流路壁(8b)までの最短距離(Y1b)が0.2〜5mmの範囲にある。第二の側面(4b)は、第二の流路壁(9b)までの最短距離(Y2b)が0.2〜5mmの範囲にある。
【0148】
最短距離(Y1b)は、好ましくは0.5〜4mmの範囲、殊に好ましくは1〜3mmの範囲にある。
【0149】
最短距離(Y2b)は、好ましくは0.5〜4mmの範囲、殊に好ましくは1〜3mmの範囲にある。
【0150】
第一の側面(3b)から第一の流路壁(8b)までの最短距離(Y1b)は、第一の側面(3b)と第一の流路壁(8b)との間の最短距離である。
【0151】
同じことが最短距離(Y2b)に当てはまる。第二の側面(4b)から第二の流路壁(9b)までの最短距離(Y2b)は、第二の側面(4b)と第二の流路壁(9b)との間の最短距離である。
【0152】
図4には、例示的な成形体1および例示的な流路7が示されており、これらにより、距離X、ならびに距離Y1およびY2が示される。
【0153】
距離Xは、流路入口面14に対して垂直に延びる方向における、成形体1の端部2から流路入口面14までの距離である。最短距離Y1は、第一の側面3と第一の流路壁8との間の最短距離である。最短距離Y2は、第二の側面4と第二の流路壁9との間の最短距離である。
【0154】
工程f)
工程f)において、高温ガスを、ガスを流路(7a)に供給する手段(11a)により供給する。その際、第一の成形体(1a)の端部(2a)が加熱され、端部(2a)に含有されている第一の熱可塑性ポリマーが溶融される。
【0155】
本発明の範囲において、「高温ガス」とは、ちょうど1種の高温ガス、および2種以上の高温ガスの混合物をどちらも意味する。
【0156】
工程f)において端部(2a)の周囲も加熱してよいことは自明のことである。これは殊に、端部(2a)が線状または角状に構成されている場合に該当する。
【0157】
この実施形態において、第一の成形体(1a)が第一の熱可塑性ポリマーを含有しており、かつ端部(2a)の周囲に含まれる第一の熱可塑性ポリマーも溶融されると好ましい。
【0158】
当業者に公知のあらゆる手法により、高温ガスを、ガスを流路(7a)に供給する手段(11a)に供給することができる。通常、高温ガスは、中間部分(20)を通して、ガスを流路(7a)に供給する手段(11a)に供給される。
【0159】
高温ガスとしては、当業者に公知のあらゆるガスが適している。このようなガスは、例えば、CO、Nおよび空気から成る群より選択される。
【0160】
よって、本発明の対象は、工程f)において供給される高温ガスが、CO、Nおよび空気から成る群より選択される方法でもある。
【0161】
本発明の範囲において、「空気」とは、地球の大気のガス混合物と理解される。これは、当業者に公知である。
【0162】
高温ガスを、当業者に公知のあらゆる手法により加熱することができる。例えば、高温ガスを中間部分(20)により加熱することができ、同様に、すでに加熱された状態で供給することも可能である。例えば、高温ガスがCOである場合、炭化水素を燃焼させ、それにより熱することで、高温ガスをその場で生成することがさらに可能である。
【0163】
高温ガスは、温度が例えば、100〜600℃の範囲、好ましくは250〜500℃の範囲、殊に好ましくは300〜500℃の範囲にある。
【0164】
よって、本発明の対象は、工程f)において供給される高温ガスが、100〜600℃の範囲にある温度を有する方法でもある。
【0165】
工程f)において供給される高温ガスの温度が、高温ガスがガスを流路(7a)に供給する手段(11a)から出る際に有する温度、すなわち、流路(7a)内の高温ガスが有する温度であることは自明のことである。
【0166】
工程f)において、第一の成形体(1a)の端部(2a)を任意の温度(T1a)に加熱することができる。通常、温度(T1a)は、端部(2a)に含有されている第一の熱可塑性ポリマーの分解温度未満である。好適には、工程f)において、第一の熱可塑性ポリマーが非晶質熱可塑性ポリマーである場合、第一の成形体(1a)の端部(2a)を、端部(2a)に含有されている第一の熱可塑性ポリマーのガラス転移温度(TG1)を上回る温度(T1a)に加熱し、第一の熱可塑性ポリマーが半結晶性熱可塑性ポリマーである場合、第一の成形体(1a)の端部(2a)を、端部(2a)に含有されている第一の熱可塑性ポリマーの融点(TM1)を上回る温度(T1a)に加熱する。
【0167】
よって、本発明の対象は、工程f)において、第一の熱可塑性ポリマーが非晶質熱可塑性ポリマーである場合、第一の成形体(1a)の端部(2a)を、端部(2a)に含有されている第一の熱可塑性ポリマーのガラス転移温度(TG1)を上回る温度(T1a)に加熱し、第一の熱可塑性ポリマーが半結晶性熱可塑性ポリマーである場合、第一の成形体(1a)の端部(2a)を、端部(2a)に含有されている第一の熱可塑性ポリマーの融点(TM1)を上回る温度(T1a)に加熱する方法でもある。
【0168】
例えば、第一の熱可塑性ポリマーが非晶質熱可塑性ポリマーである場合、第一の成形体(1a)の端部(2a)を、端部(2a)に含有されている第一の熱可塑性ポリマーのガラス転移温度(TG1)を0〜300℃の範囲、好ましくは30〜250℃の範囲、殊に好ましくは60〜200℃の範囲で上回る温度(T1a)に加熱し、第一の熱可塑性ポリマーが半結晶性熱可塑性ポリマーである場合、第一の成形体(1a)の端部(2a)を、端部(2a)に含有されている第一の熱可塑性ポリマーの融点(TM1)を0〜300℃の範囲、好ましくは30〜250℃の範囲、殊に好ましくは60〜200℃の範囲で上回る温度(T1a)に加熱する。
【0169】
よって、本発明の対象は、工程f)において、第一の熱可塑性ポリマーが非晶質熱可塑性ポリマーである場合、第一の成形体(1a)の端部(2a)を、端部(2a)に含有されている第一の熱可塑性ポリマーのガラス転移温度(TG1)を0〜300℃の範囲で上回る温度(T1a)に加熱し、第一の熱可塑性ポリマーが半結晶性熱可塑性ポリマーである場合、第一の成形体(1a)の端部(2a)を、端部(2a)に含有されている第一の熱可塑性ポリマーの融点(TM1)を0〜300℃の範囲で上回る温度(T1a)に加熱する方法でもある。
【0170】
例えば、第一の成形体(1a)の端部(2a)を、100〜500℃の範囲にある温度(T1a)に加熱する。
【0171】
よって、本発明の対象は、工程f)において、第一の成形体(1a)の端部(2a)を、100〜500℃の範囲にある温度(T1a)に加熱する方法でもある。
【0172】
工程f)において、第一の熱可塑性ポリマーを溶融させる。
【0173】
本発明の範囲において、「溶融」とは、第一の熱可塑性ポリマーおよび第二の熱可塑性ポリマーの関連で、第一の熱可塑性ポリマーまたは第二の熱可塑性ポリマーが流動性であることと理解される。
【0174】
工程g)
工程g)において、高温ガスを、ガスを流路(7b)に供給する手段(11b)により供給する。その際、第二の成形体(1b)の接合面(2b)が加熱され、接合面(2b)に含有されている第二の熱可塑性ポリマーが溶融される。
【0175】
本発明の範囲において、「高温ガス」とは、ちょうど1種の高温ガス、および2種以上の高温ガスの混合物をどちらも意味する。
【0176】
工程g)については、工程f)に関して先に記載した態様および好ましい形態が相応して当てはまる。
【0177】
よって、本発明の対象は、工程g)において、第二の熱可塑性ポリマーが非晶質熱可塑性ポリマーである場合、接合面(2b)を、接合面(2b)に含有されている第二の熱可塑性ポリマーのガラス転移温度(TG2)を上回る温度(T1b)に加熱し、第二の熱可塑性ポリマーが半結晶性熱可塑性ポリマーである場合、接合面(2b)を、接合面(2b)に含有されている第二の熱可塑性ポリマーの融点(TM2)を上回る温度(T1b)に加熱する方法でもある。
【0178】
よって、本発明の対象は、工程f)において、第一の熱可塑性ポリマーが非晶質熱可塑性ポリマーである場合、第一の成形体(1a)の端部(2a)を、端部(2a)に含有されている第一の熱可塑性ポリマーのガラス転移温度(TG1)を上回る温度(T1a)に加熱し、第一の熱可塑性ポリマーが半結晶性熱可塑性ポリマーである場合、第一の成形体(1a)の端部(2a)を、端部(2a)に含有されている第一の熱可塑性ポリマーの融点(TM1)を上回る温度(T1a)に加熱し、かつ/または工程g)において、第二の熱可塑性ポリマーが非晶質熱可塑性ポリマーである場合、接合面(2b)を、接合面(2b)に含有されている第二の熱可塑性ポリマーのガラス転移温度(TG2)を上回る温度(T1b)に加熱し、第二の熱可塑性ポリマーが半結晶性熱可塑性ポリマーである場合、接合面(2b)を、接合面(2b)に含有されている第二の熱可塑性ポリマーの融点(TM2)を上回る温度(T1b)に加熱する方法でもある。
【0179】
例えば、第二の熱可塑性ポリマーが非晶質熱可塑性ポリマーである場合、第二の成形体(1b)の接合面(2b)を、接合面(2b)に含有されている第二の熱可塑性ポリマーのガラス転移温度(TG2)を0〜300℃の範囲、好ましくは30〜250℃の範囲、殊に好ましくは60〜200℃の範囲で上回る温度(T1b)に加熱し、第二の熱可塑性ポリマーが半結晶性熱可塑性ポリマーである場合、第二の成形体(1b)の接合面(2b)を、接合面(2b)に含有されている第二の熱可塑性ポリマーの融点(TM2)を0〜300℃の範囲、好ましくは30〜250℃の範囲、殊に好ましくは60〜200℃の範囲で上回る温度(T1b)に加熱する。
【0180】
よって、本発明の対象は、工程g)において、第二の熱可塑性ポリマーが非晶質熱可塑性ポリマーである場合、第二の成形体(1b)の接合面(2b)を、接合面(2b)に含有されている第二の熱可塑性ポリマーのガラス転移温度(TG2)を0〜300℃の範囲で上回る温度(T1b)に加熱し、かつ第二の熱可塑性ポリマーが半結晶性熱可塑性ポリマーである場合、第二の成形体(1b)の接合面(2b)を、接合面(2b)に含有されている第二の熱可塑性ポリマーの融点(TM2)を0〜300℃の範囲で上回る温度(T1b)に加熱する方法でもある。
【0181】
さらに、本発明の対象は、工程f)において、第一の熱可塑性ポリマーが非晶質熱可塑性ポリマーである場合、第一の成形体(1a)の端部(2a)を、端部(2a)に含有されている第一の熱可塑性ポリマーのガラス転移温度(TG1)を0〜300℃の範囲で上回る温度(T1a)に加熱し、第一の熱可塑性ポリマーが半結晶性熱可塑性ポリマーである場合、第一の成形体(1a)の端部(2a)を、端部(2a)に含有されている第一の熱可塑性ポリマーの融点(TM1)を0〜300℃の範囲で上回る温度(T1a)に加熱し、かつ/または工程g)において、第二の熱可塑性ポリマーが非晶質熱可塑性ポリマーである場合、第二の成形体(1b)の接合面(2b)を、接合面(2b)に含有されている第二の熱可塑性ポリマーのガラス転移温度(TG2)を0〜300℃の範囲で上回る温度(T1b)に加熱し、第二の熱可塑性ポリマーが半結晶性熱可塑性ポリマーである場合、第二の成形体(1b)の接合面(2b)を、接合面(2b)に含有されている第二の熱可塑性ポリマーの融点(TM2)を0〜300℃の範囲で上回る温度(T1b)に加熱する方法である。
【0182】
さらに、本発明の対象は、工程g)において、第二の成形体(1b)の接合面(2b)を、100〜500℃の範囲にある温度(T1b)に加熱する方法である。
【0183】
さらに、本発明の対象は、工程g)において供給される高温ガスが、CO、Nおよび空気から成る群より選択される方法である。
【0184】
よって、本発明の対象は、工程f)において供給される高温ガスが、CO、Nおよび空気から成る群より選択され、かつ/または工程g)において供給される高温ガスが、CO、Nおよび空気から成る群より選択される方法でもある。
【0185】
さらに、本発明の対象は、工程g)において供給される高温ガスが、100〜600℃の範囲にある温度を有する方法である。
【0186】
さらに、本発明の対象は、工程f)において供給される高温ガスが、100〜600℃の範囲にある温度を有し、かつ/または工程g)において供給される高温ガスが、100〜600℃の範囲にある温度を有する方法である。
【0187】
工程g)において供給される高温ガスの温度が、高温ガスがガスを流路(7b)に供給する手段(11b)から出る際に有する温度、すなわち、流路(7b)内の高温ガスが有する温度であることは自明のことである。
【0188】
工程h)およびi)
工程h)において、第一の成形体(1a)を工程d)による配置場所から取り出す。工程i)において、第二の成形体(1b)を工程e)による配置場所から取り出す。
【0189】
第一の成形体(1a)を工程d)による配置場所から取り出すこと、および第二の成形体(1b)を工程e)による配置場所から取り出すことは、当業者に公知のあらゆる手法により行われてもよい。例えば、第一の成形体(1a)および第二の成形体(1b)をそれぞれ移動させ、配置場所から取り出すことができる。同様に、第一の成形体(1a)および第二の成形体(1b)を動かさずに金型(5)を取り出して、第一の成形体(1a)および第二の成形体(1b)をそれらの配置場所から取り出すこともできる。さらに、金型(5)を同時に取り出しながら、第一の成形体(1a)および第二の成形体(1b)を配置場所から取り出すことができる。
【0190】
これらの方法は、それ自体が当業者に公知である。
【0191】
工程j)
工程j)において、第一の成形体(1a)の加熱された端部(2a)と第二の成形体(1b)の加熱された接合面(2b)とを接触させる。加熱された端部(2a)と加熱された接合面(2b)とを互いに接触させながら、第一の成形体(1a)の加熱された端部(2a)と第二の成形体(1b)の加熱された接合面(2b)とを冷却する。その際、第一の成形体(1a)と第二の成形体(1b)との間に溶着部が形成される。溶着された成形体が得られる。
【0192】
ここで「接触させる」とは、第一の成形体(1a)の加熱された端部(2a)が、第二の成形体(1b)の加熱された接合面(2b)に接していることと理解される。
【0193】
第一の成形体(1a)の加熱された端部(2a)と第二の成形体(1b)の加熱された接合面(2b)との接触は、圧力下で行うことが可能であるため、第一の成形体(1a)の加熱された端部(2a)および第二の成形体(1b)の加熱された接合面(2b)は互いにプレスされる。これに関する方法は、当業者に公知である。
【0194】
例えば、第一の成形体(1a)の加熱された端部(2a)と第二の成形体(1b)の接合面(2b)とを接触させる際の圧力は、0.1〜10MPaの範囲、好ましくは0.5〜6MPaの範囲にある。
【0195】
工程j)における、第一の成形体(1a)の加熱された端部(2a)および第二の成形体(1b)の加熱された接合面(2b)の冷却は、当業者に公知のあらゆる手法により行われ得る。例えば、空気または水で冷却を行うことができる。
【0196】
工程j)において、第一の熱可塑性ポリマーが非晶質熱可塑性ポリマーである場合、第一の成形体(1a)の加熱された端部(2a)を、端部(2a)に含有されている第一の熱可塑性ポリマーのガラス転移温度(TG1)未満の温度(T2a)に冷却し、第一の熱可塑性ポリマーが半結晶性熱可塑性ポリマーである場合、第一の成形体(1a)の加熱された端部(2a)を、端部(2a)に含有されている第一の熱可塑性ポリマーの融点(TM1)未満の温度(T2a)に冷却することが好ましい。
【0197】
よって、本発明の対象は、工程j)において、第一の熱可塑性ポリマーが非晶質熱可塑性ポリマーである場合、第一の成形体(1a)の加熱された端部(2a)を、端部(2a)に含有されている第一の熱可塑性ポリマーのガラス転移温度(TG1)未満の温度(T2a)に冷却し、第一の熱可塑性ポリマーが半結晶性熱可塑性ポリマーである場合、第一の成形体(1a)の加熱された端部(2a)を、端部(2a)に含有されている第一の熱可塑性ポリマーの融点(TM1)未満の温度(T2a)に冷却する方法でもある。
【0198】
例えば、工程j)において、第一の成形体(1a)の加熱された端部(2a)を、20〜400℃の範囲にある温度(T2a)に冷却する。
【0199】
よって、本発明の対象は、工程j)において、第一の成形体(1a)の加熱された端部(2a)を、20〜400℃の範囲にある温度(T2a)に冷却する方法でもある。
【0200】
加熱された端部(2a)を工程j)において冷却した後の温度(T2a)が、端部(2a)を工程f)において加熱した後の温度(T1a)未満であることは自明のことである。
【0201】
よって、本発明の対象は、加熱された端部(2a)を工程j)において冷却した後の温度(T2a)が、端部(2a)を工程f)において加熱した後の温度(T1a)未満である方法でもある。
【0202】
工程j)において、第二の熱可塑性ポリマーが非晶質熱可塑性ポリマーである場合、第二の成形体(1b)の加熱された接合面(2b)を、接合面(2b)に含有されている第二の熱可塑性ポリマーのガラス転移温度(TG2)未満の温度(T2b)に冷却し、第二の熱可塑性ポリマーが半結晶性熱可塑性ポリマーである場合、第二の成形体(1b)の加熱された接合面(2b)を、接合面(2b)に含有されている第二の熱可塑性ポリマーの融点(TM2)未満の温度(T2b)に冷却することが好ましい。
【0203】
よって、本発明の対象は、工程j)において、第二の熱可塑性ポリマーが非晶質熱可塑性ポリマーである場合、第二の成形体(1b)の加熱された接合面(2b)を、接合面(2b)に含有されている第二の熱可塑性ポリマーのガラス転移温度(TG2)未満の温度(T2b)に冷却し、第二の熱可塑性ポリマーが半結晶性熱可塑性ポリマーである場合、第二の成形体(1b)の加熱された接合面(2b)を、接合面(2b)に含有されている第二の熱可塑性ポリマーの融点(TM2)未満の温度(T2b)に冷却する方法でもある。
【0204】
よって、本発明の対象は、工程j)において、第一の熱可塑性ポリマーが非晶質熱可塑性ポリマーである場合、第一の成形体(1a)の加熱された端部(2a)を、端部(2a)に含有されている第一の熱可塑性ポリマーのガラス転移温度(TG1)未満の温度(T2a)に冷却し、第一の熱可塑性ポリマーが半結晶性熱可塑性ポリマーである場合、第一の成形体(1a)の加熱された端部(2a)を、端部(2a)に含有されている第一の熱可塑性ポリマーの融点(TM1)未満の温度(T2a)に冷却し、かつ/または工程j)において、第二の熱可塑性ポリマーが非晶質熱可塑性ポリマーである場合、第二の成形体(1b)の接合面(2b)を、接合面(2b)に含有されている第二の熱可塑性ポリマーのガラス転移温度(TG2)未満の温度(T2b)に冷却し、第二の熱可塑性ポリマーが半結晶性熱可塑性ポリマーである場合、第二の成形体(1b)の接合面(2b)を、接合面(2b)に含有されている第二の熱可塑性ポリマーの融点(TM2)未満の温度(T2b)に冷却する方法でもある。
【0205】
第二の成形体(1b)の接合面(2b)を工程j)において冷却した後の温度(T2b)は、例えば20〜400℃の範囲にある。
【0206】
よって、本発明の対象は、工程j)において、第二の成形体(1b)の接合面(2b)を、20〜400℃の範囲にある温度(T2b)に冷却する方法でもある。
【0207】
加熱された接合面(2b)を工程j)において冷却した後の温度(T2b)が、接合面(2b)を工程g)において加熱した後の温度(T1b)未満であることは自明のことである。
【0208】
よって、本発明の対象は、加熱された接合面(2b)を工程j)において冷却した後の温度(T2b)が、接合面(2b)を工程g)において加熱した後の温度(T1b)未満である方法でもある。
【0209】
端部(2a)を、接合面(2b)の温度(T2b)と同じ温度(T2a)に冷却することが好ましい。温度(T2a)は温度(T2b)と同じである。
【0210】
工程j)において、第一の成形体(1a)と第二の成形体(1b)との間に、溶着部が形成される。溶着部は、第一の成形体(1a)の端部(2a)および第二の成形体(1b)の接合面(2b)が元々あった領域に存在する。
【0211】
溶着部は、それ自体が当業者に公知である。
【0212】
第一の成形体(1a)と第二の成形体(1b)との間にある溶着部の厚さは、例えば20〜500μmの範囲、好ましくは30〜400μmの範囲、最も好ましくは30〜300μmの範囲にあると顕微鏡写真から分かる。
【0213】
よって、本発明の対象は、第一の成形体(1a)と第二の成形体(1b)との間にある、工程j)において形成された溶着部が、20〜500μmの範囲にある厚さを有する方法でもある。
【0214】
すなわち、工程j)において、溶着された成形体が得られる。この溶着された成形体は、溶着部が特に均質であり、かつ機械的特性が良好である点で優れている。
【0215】
よって、本発明の対象は、本発明による方法により得られる溶着された成形体でもある。
【0216】
以下で、実施例を用いて本発明をより詳細に説明するが、これにより本発明が制限されることはない。
【図面の簡単な説明】
【0217】
図1図1a〜1eは、本発明による例示的な成形体1を示す。
図2図2aおよび2bは、例示的な金型5を示す。
図3図3a〜3dは、流路7を例示的に示す。
図4図4は、例示的な成形体1および例示的な流路7を示す。
図5図5は、可塑化時間(t)に応じた溶融物層厚(d)を示す。
【0218】
実施例
実施例B1および比較例V2において、成形体(1a、1b)として、厚さ4mmのPA6 GF30プレート(30%のガラス繊維を有するポリアミド6)を使用した。
【0219】
実施例B1
第一の外面(6a)および第二の外面(6b)が互いに向かい合って置かれており、かつ第一の外面(6a)の流路(7a)が第二の外面(6b)の流路(7b)と向かい合って置かれている金型(5)を使用した。第一の流路壁(8a、8b)および第二の流路壁(9a、9b)は、底部(10a、10b)に対してそれぞれ垂直に、かつ互いに平行に向けられており、ここで第一の流路壁(8a、8b)と第二の流路壁(9a、9b)との間の距離は、それぞれ6mmであった。底部(10a、10b)は、ガスを流路(7a、7b)に供給する手段(11a、11b)として、ノズルを含んでいた。成形体(1a、1b)を、流路(7a、7b)の内側において流路入口面(14a、14b)から3.5mmの距離(X)に配置し、成形体(1a、1b)の第一の側面(3a、3b)から第一の流路壁(8a、8b)までの距離(Y1)、および成形体(1a、1b)の第二の側面(4a、4b)から第二の流路壁(9a、9b)までの距離(Y2)は、それぞれ1mmであった。成形体(1a、1b)の端部(2a、2b)から、ガスを供給する手段(11a、11b)(ノズル)の最高地点までの距離は、5mmであった。
【0220】
比較例V2
第一の外面(6a)および第二の外面(6b)が互いに向かい合って置かれており、かつ第一の外面(6a)の流路(7a)が第二の外面(6b)の流路(7b)と向かい合って置かれている金型(5)を使用した。第一の流路壁(8a、8b)および第二の流路壁(9a、9b)は、底部(10a、10b)に対してそれぞれ垂直に、かつ互いに平行に向けられており、ここで第一の流路壁(8a、8b)と第二の流路壁(9a、9b)との間の距離は、それぞれ16mmであった。底部(10a、10b)は、ガスを流路(7a、7b)に供給する手段(11a、11b)として、ノズルを含んでいた。成形体(1a、1b)を、流路(7a、7b)の内側において流路入口面(14a、14b)から3.5mmの距離(X)に配置し、成形体(1a、1b)の第一の側面(3a、3b)から第一の流路壁(8a、8b)までの距離(Y1)、および成形体(1a、1b)の第二の側面(4a、4b)から第二の流路壁(9a、9b)までの距離(Y2)は、それぞれ6mmであった。成形体(1a、1b)の端部(2a、2b)から、ガスを供給する手段(11a、11b)(ノズル)の最高地点までの距離は、5mmであった。
【0221】
第一の成形体(1a)の端部(2a)を加熱した際に形成された溶融物層の厚さ(d)を、溶融された第一の熱可塑性ポリマーから求めた。そのために、第一の成形体(1a)および第二の成形体(1b)を、それぞれ上記のように、第一の外面(6a)の流路(7a)および第二の外面(6b)の流路(7b)内に配置した。そして、第一の成形体(1a)の端部(10a)のみを加熱し、ここで、ノズル1つあたり1l/minの流量および430℃の温度でノズルを通して、窒素を第一の外面(6a)の流路(7a)に供給した。ガスを供給した時間(秒での時間)は、可塑化時間とも称される。この時間を変化させた。可塑化時間に応じて、溶融物層厚(mmでの直径)を求め、その際、第一の成形体(1a)の端部(2a)と第二の成形体(1b)の接合面(2b)とを接触させ、一緒にプレスし、ここで圧縮力は、1180Nであった。第一の成形体および第二の成形体(1a、1b)を一緒にプレスした際の移行部(Weg)を求め、これは、接合移行部(Fuegeweg)とも称される。これは、溶融物層厚(d)に相応する。すなわち、溶融物層厚(d)を求める際に、第二の成形体(1b)の接合面(2b)を溶融させなかった。
【0222】
実施例B1についての結果を、表1に示し、比較例V2についての結果を、表2に示す。
【表1】
【表2】
【0223】
さらに、可塑化時間(t)に応じた溶融物層厚(d)を図5に示す。本発明による方法によって、より大きな厚さの溶融物層がより迅速に得られること、すなわち、端部(2a)に含有されている第一の熱可塑性ポリマーまたは接合面(2b)に含有されている第二の熱可塑性ポリマーが、本発明による方法によって、従来技術に記載の方法よりも迅速に溶融されることが分かる。それに加えて、溶融物層は均質である。
図1a
図1b
図1c
図1d
図1e
図2a
図2b
図3a
図3b
図3c
図3d
図4
図5