(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明に係る油圧駆動システムの第1実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態における油圧駆動システムを示す模式図であり、図において、符号700は、油圧駆動部である。
【0023】
本実施形態に係る油圧駆動システムは、
図1に示すように、スプリングバック機能を有し、油圧駆動部700と、真空アクチュエータ70とを有する。
【0024】
本実施形態に係る真空アクチュエータ70は、真空雰囲気とされるチャンバCh内で対象物を押圧可能な伸縮アクチュエータとされる。本実施形態に係る真空アクチュエータ70は、油圧によって制御するため、その押圧力を所定の値に制御することが可能である。
【0025】
本実施形態に係る真空アクチュエータ70は、
図1に示すように、伸縮ロッド(可動部)72と、付勢部材(押しつけバネ)73と、固定部71と、を有する。
【0026】
本実施形態において、真空アクチュエータ70の固定部71は真空装置のチャンバにおける壁部、底部、あるいは、チャンバ内の機構等に固定される。
本実施形態において、真空アクチュエータ70の可動部(伸縮ロッド)72は、固定部71から真空雰囲気とされたチャンバCh内に向けて伸縮可能とされる。
【0027】
真空アクチュエータ70は、付勢部材(押しつけバネ)73が対象物から離間する方向に可動部(伸縮ロッド)72を付勢可能として配置される。
真空アクチュエータ70においては、
図1に示すように、付勢部材(押しつけバネ)73の付勢力によって縮退した可動部(伸縮ロッド)72が、対象物から離間して、固定部71に収納される。
【0028】
真空アクチュエータ70の駆動は、油圧駆動部700から供給された油圧(非圧縮性流体)によっておこなわれる。
【0029】
油圧駆動部(非圧縮性流体駆動部)700は、
図1に示すように、油圧発生部701と、油圧管702と、油圧付勢部材720と、駆動部705と、を有する。
油圧発生部701は、固定部71に供給する油圧を発生させる。
油圧管702は、油圧発生部701と真空アクチュエータ70の固定部71とに接続される。
油圧駆動部700は、ノーマルクローズが可能な構成とされている。
【0030】
油圧発生部701は、駆動部705の駆動、または、油圧付勢部材720の付勢力によって動作方向または逆方向となる油圧を発生させる。
【0031】
油圧発生部701は、可動部(伸縮ロッド)72を伸長動作する際に、油圧付勢部材720の付勢力によって油圧を発生させ、作動油を真空アクチュエータ70へ流すように供給する。
油圧発生部701は、また、動作終了時に、油圧状態を維持して可動部(伸縮ロッド)72を伸縮した状態を維持可能とされている。また、押圧力等、対象物への可動部(伸縮ロッド)72の当接状態を適切に制御可能となっている。
【0032】
駆動部705は、モータ705mを有する。
モータ705mは、可動部(伸縮ロッド)72を縮退縮動作する際に、油圧付勢部材720の付勢力に打ち勝って、真空アクチュエータ70から作動油を油圧発生部701へ流すように油圧発生部701を駆動する。
モータ705mは、DCコアレスブラシレスモータとされる。
駆動部705は、モータ705mの回転軸の回転を停止する励磁ブレーキ705bを有する。
【0033】
駆動部705は、モータ705mの回転軸が駆動方向に対して逆転した際に発生する回生電力を処理する回生電流処理部705cを有する。
駆動部705は、制御部(コントローラ)706に接続されて制御される。
駆動部705は電源707に接続されて、駆動部705を駆動するための電力を供給される。
【0034】
真空アクチュエータ70は、油圧駆動部700から供給された作動油圧により付勢部材(押しつけバネ)73の付勢力に打ち勝って可動部(伸縮ロッド)72を駆動するものとされる。
真空アクチュエータ70は、油圧駆動部700によりスプリングバック可能とされる。
スプリングバックとは、油圧発生部701の油圧付勢部材720の付勢力によって、油圧発生部701から真空アクチュエータ70へと作動油を流して、モータ705mによる動作方向と逆向きに可動部(伸縮ロッド)72を駆動することを意味する。
【0035】
駆動部705には、逆転対応部が設けられる。逆転対応部は、油圧付勢部材720の付勢力によって可動部(伸縮ロッド)72が対象物に近接する方向に移動するスプリングバック時に、モータ705mの逆転状態に対応する。
【0036】
励磁ブレーキ705bと、回生電流処理部705cとは、逆転対応部を構成している。
励磁ブレーキ705bは、電源707からの給電がある状態でモータ705mの回転駆動軸を停止するブレーキ機能を有する。
【0037】
励磁ブレーキ705bは、電源707から駆動部705へ電力が供給されている状態、つまり、通常の給電時には、モータ705mの回転軸が不用意に逆転することを防止する。
励磁ブレーキ705bは、電源707から駆動部705への供給電力がなくなった電源喪失時に、ブレーキ機能を停止することができる。
【0038】
あるいは、励磁ブレーキ705bは、通常の給電時に制御部(コントローラ)706の制御により、モータ705mに対するブレーキ機能を解除することができる。
なお、励磁ブレーキ705bは、公知のものとされ、その構成は限定されない。
【0039】
回生電流処理部705cは、スプリングバックによって可動部(伸縮ロッド)72を伸長動作する際に、つまり、油圧発生部701から真空アクチュエータ70へと作動油が逆流した際に、回転軸が逆回転したモータ705mによって発生する回生電力を消費して、他のドライバへの影響を抑制する回生抵抗とすることが可能である。
あるいは、回生電流処理部705cは、逆回転したモータ705mによって発生する回生電力の電流方向を制御して電源707側に流れないようにするダイオード等とすることが可能である。
なお、回生電流処理部705cは、公知のものとされ、その構成は限定されない。
【0040】
本実施形態に係る油圧駆動システムにおいて、通常の給電時に、油圧駆動部700では、モータ705mによって作動油が引き込まれる方向へ油圧発生部701を動作させる。これにより、真空アクチュエータ70では、内部の付勢部材(押しつけバネ)73の付勢力によって、可動部(伸縮ロッド)72が固定部71へと縮退する。これにより、可動部(伸縮ロッド)72による対象物への押圧を解除する。
【0041】
また、本実施形態に係る油圧駆動システムにおいて、油圧駆動部700では、油圧付勢部材720によって作動油が押し出される方向へ油圧発生部701を動作させる。これにより、真空アクチュエータ70では、固定部71に供給された油圧によって、可動部(伸縮ロッド)72が固定部71から伸長する。これにより、可動部(伸縮ロッド)72によって対象物を押圧する。
このように、油圧発生部701の油圧付勢部材720によって、真空アクチュエータ70の可動部(伸縮ロッド)72を伸長させて対象物を押圧する動作がスプリングバックとなる。
【0042】
スプリングバックのとき、可動部(伸縮ロッド)72を動作する際に、油圧付勢部材720の付勢力によって、油圧発生部701から真空アクチュエータ70へと作動油が逆流する。
同時に、油圧付勢部材720の付勢力によって、モータ705mの回転軸が逆回転する。
回転軸が逆回転したモータ705mは、回生電力を発生させる。
【0043】
ここで、電源707から駆動部705へ電力が供給されている状態、つまり、通常の給電時に油圧付勢部材720によるスプリングバックが発生した場合には、制御部(コントローラ)706が、モータ705mへのブレーキ機能を解除するように逆転対応部の励磁ブレーキ705bを制御する。
【0044】
このとき、制御部(コントローラ)706は、電源707から駆動部705への供給電力を制御して、モータ705mの逆転速度を所定の状態となるように回転数を抑制する制御をおこなうことができる。これにより、モータ705mにおいて必要以上の回生電力が発生することを抑制できる。
なお、逆回転したモータ705mによって発生した回生電力は、逆転対応部の回生電流処理部705cによって消費するか、電流方向制御する。これにより、回生電力が他のドライバに影響を与えることを抑制する。
【0045】
また、電源707から駆動部705への電力供給がなくなった状態、つまり、電源喪失時に油圧付勢部材720によるスプリングバックが発生した場合には、電力供給がなくなった逆転対応部の励磁ブレーキ705bが、モータ705mへのブレーキ機能を解除する。
【0046】
このとき、モータ705mの逆転速度は大きく、大きな回生電力が発生するが、逆回転したモータ705mによって発生した回生電力は、逆転対応部の回生電流処理部705cによって消費するか、電流方向制御する。これにより、回生電力が他の部品に影響を与えることを抑制する。
【0047】
これにより、油圧駆動システムは、スプリングバック機能を有するとともに、逆転対応部の励磁ブレーキ705bと回生電流処理部705cとによって、逆回転したモータ705mを空転させて、油圧の逆流が発生した際による影響を抑制することができる。
【0048】
これにより、油圧付勢部材720によるスプリングバックが発生した場合でも、逆転対応部の励磁ブレーキ705bと回生電流処理部705cとによって、油圧発生部701の駆動系の逆転に対応して、逆回転したモータ705mを空転させ、油圧駆動システムが破損、あるいは、真空アクチュエータ70で破損がおきるなどの不具合を防止することが可能となる。
【0049】
したがって、モータ705mで発生する回生電力による他の部品への影響を抑制することができる。あるいは、モータ705mにおいて、回転軸の逆転が発生しないようにすることが可能となる。
【0050】
これにより、消費電力が少なくて充分な駆動トルクを有し、かつ、モータ705mの逆転時に発生する回生電力が他の部品に与える影響を抑制して、スプリングバックの機能と、充分な逆転対策とを有し、長寿命な油圧駆動システムを真空雰囲気で稼働させることが可能となる。
【0051】
また、油圧付勢部材720によるスプリングバックが発生した場合に、ソレノイドバルブ等を用いて、油圧発生部701から真空アクチュエータ70へと逆流する油圧を遮断する必要がないため、油圧駆動システムとしての動作確実性の向上と、部品の長寿命とを図ることができる。同時に、メンテナンスの回数を減らしても、信頼性の向上を図ることができる。
【0052】
以下、本発明に係る油圧駆動システムの第2実施形態を、図面に基づいて説明する。
図2は、本実施形態における油圧駆動システムを示す模式図であり、図において、符号700は、油圧駆動部である。
【0053】
本実施形態に係る油圧駆動システムは、
図2に示すように、スプリングバック機能を有し、油圧駆動部700と、真空アクチュエータ70とを有する。
【0054】
本実施形態に係る真空アクチュエータ70は、真空雰囲気とされるチャンバCh内で対象物を押圧可能な伸縮アクチュエータとされる。本実施形態に係る真空アクチュエータ70は、油圧によって制御するため、その押圧力を所定の値に制御することが可能である。
【0055】
本実施形態に係る真空アクチュエータ70は、
図2に示すように、伸縮ロッド(可動部)72と、フランジ部773と、付勢部材(押しつけバネ)73と、固定部71と、を有する。
【0056】
本実施形態において、真空アクチュエータ70の固定部71は真空装置のチャンバにおける壁部、底部、あるいは、チャンバ内の機構等に固定される。
本実施形態において、真空アクチュエータ70の可動部(伸縮ロッド)72は、固定部71から真空雰囲気とされたチャンバCh内に向けて伸縮可能とされる。
【0057】
真空アクチュエータ70は、付勢部材(押しつけバネ)73が対象物から離間する方向に可動部(伸縮ロッド)72を付勢可能として配置される。
真空アクチュエータ70においては、
図2に示すように、付勢部材(押しつけバネ)73の付勢力によって縮退した可動部(伸縮ロッド)72が、対象物から離間して、固定部71に収納される。
【0058】
真空アクチュエータ70の駆動は、油圧駆動部700から供給された油圧(非圧縮性流体)によっておこなわれる。
【0059】
油圧駆動部(非圧縮性流体駆動部)700は、
図2に示すように、油圧発生部701と、油圧管702と、油圧付勢部材720と、駆動部705と、を有する。
油圧発生部701は、固定部71に油圧を供給する油圧を発生させる。
油圧管702は、油圧発生部701から真空アクチュエータ70の固定部71に接続される。
油圧駆動部700は、ノーマルクローズが可能な構成とされている。
【0060】
油圧発生部701は、駆動部705の駆動、または、油圧付勢部材720の付勢力によって動作方向または逆方向となる油圧を発生させる。
【0061】
油圧発生部701は、可動部(伸縮ロッド)72を伸長動作する際に、油圧付勢部材720の付勢力によって油圧を発生させ、作動油を真空アクチュエータ70へ流すように供給する。
油圧発生部701は、また、動作終了時に、油圧状態を維持して可動部(伸縮ロッド)72を伸縮した状態を維持可能とされている。また、対象物への可動部(伸縮ロッド)72の当接状態を適切に制御可能となっている。
【0062】
駆動部705は、モータ705mを有する。
モータ705mは、可動部(伸縮ロッド)72を縮退動作する際に、油圧付勢部材720の付勢力に打ち勝って、真空アクチュエータ70から作動油を油圧発生部701へ流すように油圧発生部701を駆動する。
モータ705mは、DCブラシ付きモータとされる。
駆動部705は、モータ705mの回転軸の回転を停止する励磁ブレーキ705bを有する。
【0063】
駆動部705は、モータ705mの回転軸が駆動方向に対して逆転した際に、油圧発生部701の駆動経路から回転軸を切り離す励磁クラッチ705dを有する。
駆動部705は、制御部(コントローラ)706に接続されて制御される。
駆動部705は電源707に接続されて、駆動部705を駆動するための電力を供給される。
【0064】
真空アクチュエータ70は、油圧駆動部700から供給された作動油圧により付勢部材(押しつけバネ)73の付勢力に打ち勝って可動部(伸縮ロッド)72を駆動するものとされる。
真空アクチュエータ70は、油圧駆動部700によりスプリングバック可能とされる。
スプリングバックとは、油圧発生部701の油圧付勢部材720の付勢力によって、油圧発生部701から真空アクチュエータ70へと作動油を流して、モータ705mによる動作方向と逆向きに可動部(伸縮ロッド)72を駆動することを意味する。
【0065】
駆動部705には、逆転対応部が設けられる。逆転対応部は、油圧付勢部材720の付勢力によって可動部(伸縮ロッド)72が対象物に近接する方向に移動するスプリングバック時に、モータ705mの逆転状態に対応する。
【0066】
励磁ブレーキ705bと、励磁クラッチ705dとは、逆転対応部を構成している。
励磁ブレーキ705bは、電源707からの給電がある状態でモータ705mの回転駆動軸を停止するブレーキ機能を有する。このとき、モータ705mのコギングトルクをブレーキとして利用することができる。
【0067】
励磁ブレーキ705bは、電源707から駆動部705へ電力が供給されている状態、つまり、通常の給電時には、モータ705mの回転軸が不用意に逆転することを防止する。
励磁ブレーキ705bは、電源707から駆動部705への供給電力がなくなった電源喪失時に、ブレーキ機能を停止することができる。
【0068】
あるいは、励磁ブレーキ705bは、通常の給電時に制御部(コントローラ)706の制御により、モータ705mに対するブレーキ機能を解除することができる。
なお、励磁ブレーキ705bは、公知のものとされ、その構成は限定されない。
【0069】
励磁クラッチ705dは、スプリングバックによって可動部(伸縮ロッド)72を伸長動作する際に、つまり、油圧発生部701から真空アクチュエータ70へと作動油が逆流した際に、油圧付勢部材720の付勢力によって逆回転した油圧発生部701の駆動系からモータ705mを切り離す。
つまり、励磁クラッチ705dは、油圧付勢部材720の付勢力により作動油が逆流した際に、モータ705mの回転駆動軸705aを油圧発生部701の駆動系から連結解除するクラッチ機能を有する。
【0070】
これにより、油圧付勢部材720の付勢力によって油圧発生部701の駆動系が逆回転した場合でも、この油圧発生部701の駆動系が逆回転をモータ705mの回転軸に伝達されることを防止する。
励磁クラッチ705dは、モータ705mの回転軸が逆転することを防止することが可能である。
【0071】
励磁クラッチ705dは、電源707から駆動部705へ電力が供給されている状態、つまり、通常の給電時には、スプリングバックによって可動部(伸縮ロッド)72を伸長動作する際に、モータ705mの回転軸が油圧発生部701の駆動系を接続された状態を維持する。
【0072】
励磁クラッチ705dは、電源707から駆動部705への供給電力がなくなった電源喪失時に、油圧発生部701の駆動系からモータ705mを切り離すことができる。
なお、励磁クラッチ705dは、公知のものとされ、その構成は限定されない。
【0073】
本実施形態に係る油圧駆動システムにおいて、通常の給電時に、油圧駆動部700では、モータ705mによって作動油が引き込まれる方向へ油圧発生部701を動作させる。これにより、真空アクチュエータ70では、内部の付勢部材(押しつけバネ)73の付勢力によって、可動部(伸縮ロッド)72が固定部71へと縮退する。これにより、可動部(伸縮ロッド)72による対象物への押圧を解除する。
【0074】
また、本実施形態に係る油圧駆動システムにおいて、油圧駆動部700では、油圧付勢部材720によって作動油が押し出される方向へ油圧発生部701を動作させる。これにより、真空アクチュエータ70では、固定部71に供給された油圧によって、可動部(伸縮ロッド)72が固定部71から伸長する。これにより、可動部(伸縮ロッド)72によって対象物を押圧する。
【0075】
このように、油圧発生部701の油圧付勢部材720によって、真空アクチュエータ70の可動部(伸縮ロッド)72を伸長させて対象物を押圧する動作がスプリングバックとなる。
【0076】
スプリングバックによって可動部(伸縮ロッド)72を動作する際に、油圧付勢部材720の付勢力によって、油圧発生部701から真空アクチュエータ70へと作動油圧が逆流する。
同時に、油圧付勢部材720の付勢力によって、油圧発生部701の駆動系が逆回転する。
逆回転した油圧発生部701の駆動系は、そのままではモータ705mの回転軸に伝達されて、回生電力を発生させる。
【0077】
ここで、電源707から駆動部705へ電力が供給されている状態、つまり、通常の給電時に油圧付勢部材720によるスプリングバックが発生した場合には、制御部(コントローラ)706が、モータ705mへのブレーキ機能を解除するように逆転対応部の励磁ブレーキ705bを制御する。
同時に、制御部(コントローラ)706が、モータ705mの回転軸と油圧発生部701の駆動系とが接続された状態を維持するように、励磁クラッチ705dを制御する。
【0078】
このとき、制御部(コントローラ)706は、電源707から駆動部705への供給電力を制御して、モータ705mの逆転速度を所定の状態となるように回転数を抑制する制御をおこなうことができる。これにより、モータ705mにおいて必要以上の回生電力が発生することを抑制できる。
【0079】
また、電源707から駆動部705への電力供給がなくなった状態、つまり、電源喪失時に油圧付勢部材720によるスプリングバックが発生した場合には、電力供給がなくなった逆転対応部の励磁ブレーキ705bが、モータ705mへのブレーキ機能を解除する。
同時に、電力供給がなくなった逆転対応部の励磁クラッチ705dが、モータ705mの回転軸と油圧発生部701の駆動系とが切断された状態とする。
【0080】
このとき、油圧発生部701の駆動系における逆転速度は大きいが、励磁クラッチ705dが切断されているため、モータ705mは逆回転しない。したがって、モータ705mにおいて回生電力は発生しない。
これにより、回生電力が他の部品に影響を与えることを防止する。
【0081】
これにより、油圧駆動システムは、スプリングバック機能を有するとともに、逆転対応部の励磁ブレーキ705bと励磁クラッチ705dとによって、油圧発生部701の駆動系を空転させて、モータ705mを逆回転させずに油圧の逆流による影響を防止することができる。
【0082】
これにより、油圧付勢部材720によるスプリングバックが発生した場合でも、逆転対応部の励磁ブレーキ705bと励磁クラッチ705dとによって、油圧発生部701の駆動系の逆転に対応して、油圧駆動システムが破損、あるいは、真空アクチュエータ70で破損がおきるなどの不具合を防止することが可能となる。
【0083】
したがって、モータ705mにおいて、回転軸の逆転が発生しないようにすることが可能となる。あるいは、モータ705mで発生する回生電力による他の部品への影響を抑制することができる。
【0084】
これにより、消費電力が少なくて充分な駆動トルクを有し、かつ、油圧付勢部材720の付勢力による油圧発生部701の駆動系の逆転時に、回生電力を発生させずに、他の部品に与える影響を抑制して、スプリングバックの機能と、充分な逆転対策とを有し、長寿命な油圧駆動システムを真空雰囲気で稼働させることが可能となる。
【0085】
また、油圧付勢部材720によるスプリングバックが発生した場合に、ソレノイドバルブ、スプール弁等を用いて、真空アクチュエータ70から油圧発生部701へと逆流する油圧を遮断する必要がないため、油圧駆動システムとしての動作確実性の向上と、部品の長寿命とを図ることができる。同時に、メンテナンスの回数を減らしても、信頼性の向上を図ることができる。
また、回生電力を処理する構成を備える必要がないため、油圧駆動システムを小型にして、油圧駆動システムを省スペースに構成することができる。
【0086】
モータ705mをDCブラシ付きモータとしたことにより、コギングトルクが発生する力のロスになる場合があるが、これを防止することができる。また、モータ705mをDCブラシ付きモータとした場合でも、モータ705mの出力を上げるために定格を大きくした場合には、それに比例してコギングトルクも強くなるが、これを防止することができる。
【0087】
またモータ705mのコギングトルクをブレーキとして利用することにより簡素な部品構成が実現できる。
あるいは、モータ自体によるコギングトルクがゼロまたは限りなく小さいモータを利用することにより油圧のロスを低減することができる。
モータによって逆転対応部の構成における組み合わせを変更することで、幅広いモータの選択を可能とし、制御の煩雑化を伴わない安価で、簡潔な構成を実現可能とすることができる。
【0088】
以下、本発明に係る油圧駆動システム、仕切りバルブの第3実施形態を、図面に基づいて説明する。
【0089】
図3は、本実施形態における仕切りバルブの退避位置(弁開放位置)を示す流路に沿った模式断面図である。
図4は、本実施形態における仕切りバルブの弁開口遮蔽位置(摺動準備位置)を示す流路に沿った模式断面図である。
図5は、本実施形態における仕切りバルブの弁閉塞位置を示す流路に沿った模式断面図である。
本実施形態において、上述した第1または第2実施形態と対応する構成には同一の符号を付してその説明を省略する。図において、符号100は、仕切りバルブである。
【0090】
本実施形態における油圧駆動システムでは、
図3〜
図5に示すように、真空アクチュエータ70が、仕切りバルブ100において、弁閉塞位置とする真空アクチュエータ(付勢部、押しつけシリンダ)70として備えられる。
また、本実施形態における油圧駆動システムでは、
図3〜
図5に示すように、油圧駆動部700が、弁閉塞位置とする真空アクチュエータ(付勢部、押しつけシリンダ)70を駆動する。
【0091】
本実施形態に係る仕切りバルブ100は、ノーマルクローズ動作可能な振り子型スライド弁である。本実施形態に係る仕切りバルブ100は、
図3〜
図5に示すように、弁箱10と、中空部11と、弁体5と、回転軸20と、回転駆動部21と、油圧駆動部(非圧縮性流体駆動部)700と、を備える。
【0092】
弁箱10は、中空部11と、中空部11を挟み互いに対向するように設けられて連通する流路Hとなる第1開口部12aおよび第2開口部12bと、を有する。
流路Hは、第2開口部12bから第1開口部12aに向かって設定されている。
【0093】
弁体5は、弁箱10の中空部11内に配置され流路Hを開放および閉塞可能である。
回転軸20は、流路H方向に延在する軸線を有する。
回転軸20は、弁体5を中空部11内における退避位置(弁開放位置)と弁開口遮蔽位置(摺動準備位置)との間で回転可能に支持する。
【0094】
退避位置(弁開放位置)では、弁体5が第1開口部12aから退避して流路Hを連通可能な開放状態(
図3)とされる。弁開口遮蔽位置(摺動準備位置)では、弁体5が第1開口部12aを遮蔽する閉塞可能状態(
図4)にする。
【0095】
仕切りバルブ100は、退避位置(弁開放位置)と弁閉塞位置(
図5)との間で動作する。
回転駆動部21は、回転軸20を回転駆動可能である。
回転駆動部21は、弁体5を往復回転動作させることが可能である。
【0096】
弁体5は、回転軸20に接続される中立弁部30、中立弁部30に接続される弁枠部63、および、弁枠部63に接続される可動弁部(可動弁板部)54から構成される。
中立弁部30は、回転軸20に固定される。
中立弁部30は、中空部11における流路H方向の中央位置を維持する。
【0097】
弁枠部63は、可動弁部(可動弁板部)54の周囲に位置する。弁枠部63は、中立弁部30に固定される。弁枠部63は、中立弁部30とともに、退避位置(弁開放位置)と弁開口遮蔽位置(摺動準備位置)と弁閉塞位置とにおいて、中空部11の中央位置を維持する。
【0098】
可動弁部(可動弁板部)54は、弁枠部63に対して流路H方向に摺動可能とされる。
可動弁部(可動弁板部)54は、弁開口遮蔽位置(摺動準備位置)と弁閉塞位置とにおいて、弁枠部63に対して流路H方向における位置を変更可能である。
【0099】
可動弁部(可動弁板部)54は、退避位置(弁開放位置)および退避位置(弁開放位置)と弁開口遮蔽位置(摺動準備位置)との間において、中空部11の中央位置を維持する。
可動弁部(可動弁板部)54には、第1開口部12aの周囲に位置する弁箱10の内面に密着される弁板シールパッキンが設けられる。
【0100】
付勢部(押しつけシリンダ)70は弁箱10に埋め込んで設けられる。付勢部(押しつけシリンダ)70は、可動弁部(可動弁板部)54の周方向に沿って複数配置される。
付勢部(押しつけシリンダ)70は、上述した第1実施形態または第2実施形態における真空アクチュエータ70とされる。
【0101】
なお、上述した第1実施形態または第2実施形態の真空アクチュエータ70において、伸縮ロッド(可動部)72が伸張する真空側となるチャンバChは、流路Hと連通する中空部11に対応する。
【0102】
弁箱10に内蔵された付勢部(押しつけシリンダ)70は、大気側に設けられる油圧駆動部(非圧縮性流体駆動部)700に接続されており油圧によって駆動される。
油圧駆動部(非圧縮性流体駆動部)700は、付勢部(押しつけシリンダ)70に非圧縮性流体(圧油)を給排、つまり、供給および排出して、複数の付勢部(押しつけシリンダ)70を同時に駆動する。
【0103】
付勢部(押しつけシリンダ)70は、弁開口遮蔽位置(摺動準備位置)と弁閉塞位置とにおいて、可動弁部(可動弁板部)54を流路H方向における第1開口部12aに向けて付勢する。付勢部(押しつけシリンダ)70は、弁板シールパッキンを第1開口部12aの周囲に位置する弁箱10の内面に密着可能とする機能を有する。
付勢部(押しつけシリンダ)70は、弁開口遮蔽位置(摺動準備位置)にある可動弁部(可動弁板部)54の周囲を流路H方向に押圧する。付勢部(押しつけシリンダ)70は、移動した可動弁部(可動弁板部)54により流路Hをクローズ(閉塞)する。
【0104】
また、本実施形態に係る仕切りバルブ100は、弁開口遮蔽位置(摺動準備位置)と弁閉塞位置とにおいて、可動弁部(可動弁板部)54が弁枠部63に対して流路H方向における位置が変更可能に接続される。
さらに、弁枠部63または可動弁部(可動弁板部)54には、図示していないが、可動弁部(可動弁板部)54を弁枠部63に対して流路H方向における中空部11の中央位置に向けて付勢する付勢部(中立付勢部)を備える。
【0105】
これにより、仕切りバルブ100は、付勢部(押しつけシリンダ)70が動作していない場合には、弁箱10の内部において、可動弁部(可動弁板部)54が中空部11の中央位置に維持するノーマルクローズ機構を有する。付勢部(押しつけシリンダ)70と弁枠部63の付勢部(中立付勢部)とによって、弁枠部63と可動弁部(可動弁板部)54との流路H方向における厚み寸法が調整可能である。
【0106】
回転軸20が流路Hの方向に交差する方向に回転すると、この回転に従って、回転軸20に固定されている中立弁部30も一体として回動する。また、可動弁部(可動弁板部)54は中立弁部30に厚さ方向のみ摺動可能とされているため、可動弁部(可動弁板部)54は、中立弁部30と一体に回転する。
【0107】
中立弁部30を回転することにより、流路Hが設けられていない中空部11とされる退避位置(弁開放位置)から、第1開口部12aに対応する位置とされる流路Hを遮蔽する弁開口遮蔽位置(摺動準備位置)に、可動弁部(可動弁板部)54が振り子運動で移動する。
【0108】
本実施形態において、真空アクチュエータ(押しつけシリンダ)70の固定部71は弁箱10に内蔵される。真空アクチュエータ(押しつけシリンダ)70は、付勢部材(押しつけバネ)73が可動弁部(可動弁板部)54から離間する方向に可動部(伸縮ロッド)72を付勢可能として配置される。
真空アクチュエータ(押しつけシリンダ)70においては、
図2,
図3に示すように、付勢部材(押しつけバネ)73によって縮退した可動部(伸縮ロッド)72が、可動弁部(可動弁板部)54から離間して、弁箱10に内蔵された固定部71に収納される。
【0109】
ここで、真空アクチュエータ(押しつけシリンダ)70においては、縮退した収納状態から、油圧発生部701の油圧付勢部材720によって油圧駆動部(非圧縮性流体駆動部)700から油圧を供給されて、スプリングバックにより可動部(伸縮ロッド)72を伸長する。この際、真空アクチュエータ(押しつけシリンダ)70は、可動部(伸縮ロッド)72によって、可動弁部(可動弁板部)54を第1開口部12aに向けて移動させて、可動弁部(可動弁板部)54を弁箱10の内面に接触させる。さらに、真空アクチュエータ(押しつけシリンダ)70は、可動弁部(可動弁板部)54を弁箱10の内面に押圧して閉塞状態とし、流路Hを閉鎖する(閉弁動作)。
【0110】
この可動部(伸縮ロッド)72の伸長状態から、真空アクチュエータ(押しつけシリンダ)70は、駆動部705のモータ705mの駆動によって油圧駆動部(非圧縮性流体駆動部)700から供給される油圧の解除によって、可動部(伸縮ロッド)72の先端部を縮退させる。この際、付勢部(中立付勢部)は、可動弁部(可動弁板部)54を第1開口部12aから離間させる。
これにより、可動弁部(可動弁板部)54が弁箱10の内面から引き離されて退避される。可動弁部(可動弁板部)54を流路H方向における中空部11の中央位置とすることにより、流路Hを開放する(解除動作)。
【0111】
このように、真空アクチュエータ(押しつけシリンダ)70における機械的な当接動作と機械的な分離動作とによって、閉弁動作と解除動作が可能となる。ここで、真空アクチュエータ(押しつけシリンダ)70における機械的な当接動作とは、弁箱10の内面に対して可動弁部(可動弁板部)54を当接させる動作である。真空アクチュエータ(押しつけシリンダ)70における機械的な分離動作とは、付勢部(中立付勢部)によって、弁箱10の内面から可動弁部(可動弁板部)54を引き離す動作である。
【0112】
この解除動作の後に、回転軸20が回転駆動部21によって回転駆動される(退避動作)と、この回転に従って中立弁部30および可動弁部(可動弁板部)54も一体として回動する。
仕切りバルブ100は、この解除動作と退避動作とにより、可動弁部(可動弁板部)54が弁開口遮蔽位置(摺動準備位置)から退避位置(弁開放位置)に退避して弁開状態とする弁開動作が行われる。回転駆動部21は、ノーマルクローズが可能な構成とされている。
【0113】
真空アクチュエータ(押しつけシリンダ)70の駆動は、油圧駆動部(非圧縮性流体駆動部)700から供給された油圧(非圧縮性流体)によっておこなわれる。
【0114】
油圧駆動部(非圧縮性流体駆動部)700は、上述した第1実施形態または第2実施形態における油圧駆動部(非圧縮性流体駆動部)700とされる。
【0115】
油圧駆動部(非圧縮性流体駆動部)700は、さらに、回転軸20の回転が弁閉塞位置および弁開口遮蔽位置(摺動準備位置)となっていることを検出して油圧供給を切り替え可能な切替センサ802を備えることもできる。
油圧駆動部(非圧縮性流体駆動部)700は、油圧発生部701の油圧付勢部材720によってスプリングバックによるノーマルクローズが可能な構成とされている。
【0116】
油圧駆動部(非圧縮性流体駆動部)700は、可動部(伸縮ロッド)72を縮退動作する際に、駆動部705のモータ705mによって作動油を真空アクチュエータ(押しつけシリンダ)70から油圧発生部701へと移動する。
油圧駆動部(非圧縮性流体駆動部)700は、可動部(伸縮ロッド)72を伸長動作する際に、油圧発生部701の油圧付勢部材720による油圧を真空アクチュエータ(押しつけシリンダ)70に逆流させる。
油圧駆動部(非圧縮性流体駆動部)700は、動作終了時に、可動部(伸縮ロッド)72を伸縮した油圧状態を維持可能とされている。
油圧駆動部(非圧縮性流体駆動部)700は、可動弁部(可動弁板部)54への可動部(伸縮ロッド)72の当接状態を適切に制御可能となっている。
【0117】
油圧駆動部(非圧縮性流体駆動部)700は、逆転対応部として、励磁ブレーキ705bと、回生電流処理部705cまたは励磁クラッチ705dとを有する。
油圧駆動部(非圧縮性流体駆動部)700は、逆転対応部によって、逆回転したモータ705mに対応して、油圧駆動システムが破損、あるいは、真空アクチュエータ70、可動弁部(可動弁板部)54等で破損がおきるなどの不具合を防止することが可能となる。
【0118】
本実施形態における仕切りバルブ100においては、
図3に示すように、可動弁部(可動弁板部)54が退避位置(弁開放位置)にあって、流路Hが全開して流通可能な状態とされる。
【0119】
また、可動弁部(可動弁板部)54が、
図3に示す退避位置(弁開放位置)から、
図4に示す弁開口遮蔽位置(摺動準備位置)にまで閉回転動作する間は、流路Hが部分的に可動弁部(可動弁板部)54によって覆われており、流路Hが一部流通可能である。
【0120】
さらに、可動弁部(可動弁板部)54が、
図4に示す弁開口遮蔽位置(摺動準備位置)に到達した直後は、流路Hが可動弁部(可動弁板部)54によって遮蔽されているが、密閉はされておらず、流路Hが可動弁部(可動弁板部)54の周縁部付近で一部流通可能である。
【0121】
また、油圧発生部701の油圧付勢部材720によってスプリングバックした際に、真空アクチュエータ(押しつけシリンダ)70における可動部(伸縮ロッド)72が伸長駆動される。これにより、可動弁部(可動弁板部)54が流路H方向における位置を変更する密閉動作をおこなう。これにより、可動弁部(可動弁板部)54が、
図4に示す弁開口遮蔽位置(摺動準備位置)から、
図5に示す弁閉塞位置にまで摺動して、流路Hが閉塞される。
【0122】
次に、駆動部705のモータ705mが駆動された際に、真空アクチュエータ(押しつけシリンダ)70における可動部(伸縮ロッド)72の縮退駆動により、可動弁部(可動弁板部)54が流路H方向における位置を変更する開放動作をおこなう。これにより、可動弁部(可動弁板部)54が、
図5に示す弁閉塞位置から、
図4に示す弁開口遮蔽位置(摺動準備位置)にまで摺動する。この際には、流路Hが部分的に可動弁部(可動弁板部)54で覆われており、流路Hが一部流通可能である。
【0123】
さらに、可動弁部(可動弁板部)54が、
図5に示す弁閉塞位置からスプリングバックによる密閉解除動作(離間動作)を開始した直後には、流路Hの密閉が解除され、流路Hが可動弁部(可動弁板部)54の周縁部付近で一部流通可能になる。同時に、流路Hが可動弁部(可動弁板部)54によって遮蔽されているが、密閉はされていない状態となる。
【0124】
さらに、可動弁部(可動弁板部)54が、
図4に示す弁開口遮蔽位置(摺動準備位置)から
図3に示す退避位置(弁開放位置)にまで開回転動作する間は、流路Hが部分的に可動弁部(可動弁板部)54によって覆われており、流路Hが一部流通可能である。
なお、可動弁部(可動弁板部)54の回転動作中において、真空アクチュエータ(押しつけシリンダ)70では、可動部(伸縮ロッド)72の縮退状態を維持し、可動部(伸縮ロッド)72の伸長駆動はおこなわない。
【0125】
本実施形態においては、第1実施形態または第2実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0126】
以下、本発明に係る油圧駆動システム、仕切りバルブの第4実施形態を、図面に基づいて説明する。
図6は、本実施形態における油圧駆動システム、仕切りバルブの油圧駆動部における加圧状態の油圧発生部を示す模式説明図である。
図7は、本実施形態における油圧駆動システム、仕切りバルブの油圧駆動部における減圧状態の油圧発生部を示す模式説明図である。
図8は、本実施形態における油圧駆動システム、仕切りバルブの油圧駆動部における過圧状態の油圧発生部を示す模式説明図である。
【0127】
図9は、本実施形態における油圧駆動システム、仕切りバルブにおける真空アクチュエータを説明するための軸方向断面図である。
図10は、本実施形態における油圧駆動システム、仕切りバルブにおける真空アクチュエータを説明するための
図9とは直交する軸方向断面図である。
図11は、本実施形態における油圧駆動システム、仕切りバルブにおける真空アクチュエータを説明するための伸長状態を示す軸方向断面図である。
本実施形態において上述した第1実施形態または第2実施形態と異なるのは油圧発生部および真空アクチュエータに関する点であり、これ以外の対応する構成要素に関しては、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0128】
本実施形態における油圧駆動部(非圧縮性流体駆動部)700は、上述した第1実施形態または第2実施形態における油圧駆動部(非圧縮性流体駆動部)700と同等の構成とされる。
【0129】
油圧発生部701は、
図6〜
図8に示すように、油圧シリンダ710と、油圧付勢部材720と、シリンダ駆動部730と、ケーシング750と、を備えている。
油圧シリンダ710は、真空アクチュエータ(押しつけシリンダ)70に非圧縮性流体である圧油を加圧して供給する。油圧付勢部材720は、油圧シリンダ710を付勢して、スプリングバック動作を可能とする。シリンダ駆動部730は、油圧付勢部材720に抗して油圧シリンダ710を駆動可能である。ケーシング750は、これら油圧シリンダ710、油圧付勢部材720、シリンダ駆動部730を収納する。
【0130】
油圧シリンダ710は、有底筒状のシリンダ本体711と、シリンダ本体711の内部で軸線方向に相対的に移動可能なピストン712とを有する。ピストン712は、その軸線に沿って内部を貫通する油圧流路713を有し、油圧流路713が油圧管702に接続されている。油圧流路713は、非圧縮性流体である圧油(駆動流体)を油圧管702に対して流入可能または流出可能である。
【0131】
ピストン712は、油圧管702に接続される油圧流路713がケーシング750を貫通する。ピストン712の端部712aは、Oリングおよびシール材によってシールされる。ピストン712の端部712aは、ケーシング750に取り付け固定される。
ピストン712の端部712aと反対の位置となる端部712bは、シリンダ本体711の内部に同軸状態に位置する。
【0132】
シリンダ本体711の端部711aは開口されている。シリンダ本体711の端部711aには、内部にピストン712の端部712bが挿入される。
シリンダ本体711はピストン712に対して軸線方向に相対的に移動可能である。シリンダ本体711はケーシング750に対して軸線方向に相対的に移動可能である。
【0133】
シリンダ本体711の端部711bは閉塞される。シリンダ本体711の端部711bに近接した内面と、ピストン712の端部712bの端面とで油圧空間714が形成される。油圧空間714には、非圧縮性流体である圧油(駆動流体)が充填される。
【0134】
油圧空間714は、シリンダ本体711がピストン712に対して軸線方向に相対的に移動した場合に容積が増減する。この油圧空間714の容積増減にともない、油圧空間714に充填された圧油が、油圧流路713を介して油圧管702に流入または流出する。シリンダ本体711の端部711aには、フランジ部711cが外周位置に設けられる。フランジ部711cは、端部711aから径方向外側に張り出して周設される。
【0135】
フランジ部711cの端部711bに向かう面には、油圧付勢部材720となる内バネ721の端部721aおよび外バネ722の端部722aが当接している。
フランジ部711cの端部711bに向かう面には、シリンダ本体711の外周面に近接して周溝711dが周設される。
【0136】
周溝711dには、油圧付勢部材720となる内バネ721の端部721aが当接している。周溝711dの外周位置となるフランジ部711cの端部711bに向かう面には、外バネ722の端部722aが当接している。
【0137】
油圧付勢部材(メインバネ)720は、内バネ721および外バネ722を有する。内バネ721および外バネ722は、コイルバネとされる。内バネ721および外バネ722は、シリンダ本体711およびピストン712と同軸状に配置される。内バネ721は、シリンダ本体711の外周面の径寸法よりもやや大きい内径寸法を有する。
【0138】
外バネ722は、内バネ721の外径寸法よりもやや大きい内径寸法を有する。外バネ722は、内バネ721よりも大きな線径とされる。外バネ722は、内バネ721よりも大きな付勢力を有する。
【0139】
内バネ721および外バネ722は、伸縮方向への付勢力をシリンダ本体711に伝達可能とされている。内バネ721および外バネ722は、いずれもシリンダ本体711のフランジ部711cを、ピストン712の端部712aに向けて押圧するように付勢されている。
【0140】
内バネ721の端部721bおよび外バネ722の端部722bは、ケーシング750に当接している。これにより、油圧付勢部材720は、シリンダ本体711をケーシング750に対して付勢する。
なお、油圧付勢部材720は、シリンダ本体711を付勢することが可能であれば、この構成に限るものではない。
【0141】
シリンダ本体711の内周面には、端部711aに近接する位置に、ブシュ711e、Y形パッキン711f,711gが設けられる。シリンダ本体711の内周面とピストン712の外周面とは摺動可能に密閉される。シリンダ本体711の端部711bには、シリンダ駆動部730の駆動軸731の端部731aが同軸状として接続される。
【0142】
シリンダ駆動部730は、シリンダ本体711をピストン712に対して軸線方向に相対的に移動させる駆動軸731と、モータ等の駆動部705によって駆動軸731を駆動する駆動伝達部と、を有する。
【0143】
駆動軸731は、シリンダ本体711およびピストン712と同軸状態としてケーシング750内に配置される。駆動軸731は軸方向に移動可能とされる。駆動軸731はピストン712およびケーシング750に対して軸線方向に相対的に移動可能である。
【0144】
駆動軸731の外周面には端部731aに近接する位置に、ボールネジ731cが形成される。駆動軸731の軸方向におけるボールネジ731cの長さは、シリンダ本体711が軸方向に移動する際、その全範囲に対して、後述する内側螺面732cが螺合状態を維持可能なように設定される。
【0145】
駆動軸731の径方向外側には、ボールネジ731cの外周位置に、ネジ駆動ギア732が同軸状に配置される。駆動軸731は、ネジ駆動ギア732によってケーシング750に対して支持される。
【0146】
駆動軸731の端部731aと反対位置となる端部731bには、後述する回り止め731hが径方向に突出して設けられる。回り止め731hは、ケーシング750に設けられたすべり溝757の内部に位置して、駆動軸731が回転しないで軸方向に移動可能なように移動方向を規制している。
【0147】
ネジ駆動ギア732は筒状とされる。ネジ駆動ギア732は、ケーシング750に対して回転可能に支持される。ネジ駆動ギア732の外周にはボールベアリング732f,732gが設けられる。ボールベアリング732f,732gは、ケーシング750に対して駆動軸731と同軸に回転可能としてネジ駆動ギア732を支持する。
【0148】
なお、ネジ駆動ギア732は、ケーシング750に対して軸方向には移動しない。ネジ駆動ギア732の内周には内側螺面732cが形成される。内側螺面732cは、駆動軸731のボールネジ731cと螺合する。
【0149】
ネジ駆動ギア732が回転した場合、内側螺面732cと螺合しているボールネジ731cにより、駆動軸731に回転力が作用する。駆動軸731は、回り止め731hおよびすべり溝757によって回転が規制されている。したがって、駆動軸731は、すべり溝757に規制された方向、すなわち、駆動軸731の軸方向に移動する。
【0150】
ネジ駆動ギア732の外周には外側ギア732dが形成される。外側ギア732dは、ネジ駆動ギア732の軸方向において、ボールベアリング732fおよびボールベアリング732gの間に挟まれた位置に形成される。ネジ駆動ギア732において、外側ギア732dは、径方向の最外側に位置する。
【0151】
なお、ネジ駆動ギア732は、内側螺面732cの形成された内ネジ駆動ギア732aと、外側ギア732dの形成された外ネジ駆動ギア732bと、が一体として接続されていることができる。
【0152】
外側ギア732dは、駆動ギア733dと噛合する。駆動ギア733dは、駆動軸731の軸線と平行な回転軸線を有する。駆動ギア733dは、駆動軸731の軸線と平行な回転軸734に回転自在に支持される。回転軸734は、駆動軸731の径方向における外側に離間した位置としてケーシング750に支持される。駆動ギア733dは、同軸の駆動ギア733eと一体に形成される。駆動ギア733eは、駆動ギア733dよりも大きな径寸法を有する。駆動ギア733eは、駆動ギア733dと一体に回転する。
【0153】
駆動ギア733eは、駆動ギア735と噛合する。駆動ギア735は、駆動軸731の軸線と平行な回転軸線を有する。駆動ギア735は、駆動軸731の軸線と平行な回転軸736に回転自在に支持される。回転軸736は、駆動軸731の径方向における外側位置で、回転軸734よりもさらに離間した位置としてケーシング750に支持される。
【0154】
駆動ギア735は、駆動ギア737と噛合する。駆動ギア737は、駆動軸731の軸線と平行な回転軸線を有する。駆動ギア737は、駆動軸731の軸線と平行なモータ等の駆動部705の回転駆動軸705aに固定される。回転駆動軸705aは、駆動軸731の径方向における外側位置で、回転軸736よりもさらに離間した位置とされる。回転駆動軸705aは、ケーシング750に貫通状態として回転可能に取り付けられる。
【0155】
ネジ駆動ギア732、ボールベアリング732f,732g、内側螺面732c、外側ギア732d、駆動ギア733d、駆動ギア733e、回転軸734、駆動ギア735、回転軸736、駆動ギア737は、駆動伝達部(油圧発生部701の駆動系)を構成する。
【0156】
ケーシング750は、ケーシング筒751と、ケーシング蓋752と、後ケーシング753と、リング754と、蓋部758と、からなる。ケーシング筒751は、筒状とされる。ケーシング蓋752は、ケーシング筒751の一端を閉塞する。
【0157】
後ケーシング753は、ケーシング筒751の他端を閉塞する。リング754は、ケーシング筒751と後ケーシング753との間に設けられる。蓋部758は、後ケーシング753の他端を閉塞する。
【0158】
ケーシング筒751は、シリンダ本体711、ピストン712、駆動軸731と同軸状に延在する内部形状を有する。ケーシング筒751の内部は収納空間755を形成している。
収納空間755の内部には、シリンダ本体711と、ピストン712と、油圧付勢部材720となる内バネ721および外バネ722と、駆動軸731の端部751aと、が収納される。収納空間755は、ピストン712に近接する端部位置が開口しており、ケーシング蓋752によって閉塞されている。
【0159】
ケーシング蓋752にはピストン712が接続固定されている。ケーシング蓋752にはピストン712の端部712aが貫通している。収納空間755は、駆動軸731に近接する端部位置が開口しており、後ケーシング753によって閉塞されている。後ケーシング753には、駆動軸731が貫通している。収納空間755は、後ケーシング753に近接する位置に、リング754が設けられる。
【0160】
リング754は、駆動軸731と同軸として駆動軸731の周囲に配置される。リング754の内周と駆動軸731の外周とは離間している。リング754は、フランジ部711cの内周、すなわち、シリンダ本体711の外周面の径寸法と等しい内径を有する。また、リング754は、フランジ部711cの外径寸法と等しい外径を有する。
【0161】
リング754のケーシング蓋752に対向する面には、油圧付勢部材720となる内バネ721の端部721bおよび外バネ722の端部722bが当接している。リング754のケーシング蓋752に対向する面には、周溝711dに対応するように周溝754dが周設される。周溝754dには、油圧付勢部材720となる内バネ721の端部721bが当接している。周溝754dの外周位置となるリング754のケーシング蓋752に向かう面には、外バネ722の端部722bが当接している。
【0162】
ケーシング筒751と後ケーシング753との間には、収納空間755よりも駆動軸731の径方向外側に向けて延在する駆動系支持部751k,753kが設けられる。駆動系支持部751k,753kは、ケーシング筒751および後ケーシング753に対して周方向の一部分をなすフランジ状に形成される。
【0163】
駆動系支持部751kと駆動系支持部753kとは、互いに接触している。駆動系支持部751kと駆動系支持部753kとの間には、ネジ駆動ギア732、ボールベアリング732f,732g、内側螺面732c、外側ギア732d、駆動ギア733d、駆動ギア733e、回転軸734、駆動ギア735、回転軸736、駆動ギア737が挟持される。
【0164】
駆動系支持部751kと駆動系支持部753kとの対向する面には、ネジ駆動ギア732、ボールベアリング732f,732g、外側ギア732d、駆動ギア733d、駆動ギア733e、回転軸734、駆動ギア735、回転軸736、駆動ギア737に対応する凹凸が形成される。
【0165】
駆動系支持部751kと駆動系支持部753kとは、ネジ駆動ギア732、ボールベアリング732f,732g、駆動ギア733d、駆動ギア733e、回転軸734、駆動ギア735、回転軸736、駆動ギア737を、対向する面の間で支持している。
また、駆動系支持部751kには、回転駆動軸705aが貫通している。駆動系支持部751kには、モータ705mを有する駆動部705が取り付けられている。
【0166】
ケーシング筒751とネジ駆動ギア732との間にはボールベアリング732fが設けられる。ボールベアリング732fは、ケーシング筒751に対してネジ駆動ギア732を回転可能に支持する。後ケーシング753とネジ駆動ギア732との間にはボールベアリング732gが設けられる。ボールベアリング732gは、後ケーシング753に対してネジ駆動ギア732を回転可能に支持する。
【0167】
後ケーシング753には、駆動軸731が軸方向に移動した際に、駆動軸731の端部731bの逃げとなる後空間756が形成される。後空間756と収納空間755との境界となる位置には、ネジ駆動ギア732が配置される。つまり、後空間756と収納空間755との境界となる位置には、駆動軸731が軸方向に移動可能として配置されている。
【0168】
後空間756には、拡径するようにすべり溝757が形成される。すべり溝757は、駆動軸731の径方向外側に位置する。すべり溝757は、回り止め731hが内部を摺動することで、駆動軸731の回転を規制するとともに、駆動軸731の軸方向の移動を可能とする。後空間756の端部は、蓋部758によって閉塞されている。
【0169】
後空間756の蓋部758に近接する位置には、駆動軸731が近接したことを検出可能な検出スイッチ(検出手段)760が設けられる。検出スイッチ(検出手段)760は、制御部706に接続される。検出スイッチ(検出手段)760は、すべり溝757に位置していてもよい。
【0170】
後空間756のネジ駆動ギア732に近接した位置には、駆動軸731がピストン712に近接したことを検出可能な検出スイッチ(検出手段)761が設けられる。検出スイッチ(検出手段)761は、制御部706に接続される。検出スイッチ(検出手段)761は、すべり溝757に位置していてもよい。
【0171】
検出スイッチ(検出手段)760と検出スイッチ(検出手段)761とは、駆動軸731の軸方向位置を検出する。検出スイッチ(検出手段)760と検出スイッチ(検出手段)761とは、接触式、あるいは、非接触の磁気式とすることが可能である。
たとえば、検出スイッチ(検出手段)760は、駆動軸731の一部が当接した際に検出可能なリミッタスイッチか、駆動軸731の一部に設けられた磁気素子を検出可能な磁気スイッチとすることもできる。
【0172】
検出スイッチ(検出手段)760は、駆動軸731が収納空間755から後空間756に向けて移動した場合に、駆動軸731が軸方向に検出スイッチ(検出手段)760で規定された位置に到達したことを検知する。また、検出スイッチ(検出手段)761は、駆動軸731が後空間756から収納空間755に向けて移動した場合に、駆動軸731が軸方向に検出スイッチ(検出手段)761で規定された位置に到達したことを検知する。
【0173】
ここで、検出スイッチ(検出手段)760が、駆動軸731が軸方向における所定の位置に到達したことを制御部706に出力した場合、信号を受け取った制御部706は、駆動部705の駆動を停止する信号を出力する。これにより、駆動部705は駆動を停止する。したがって、検出スイッチ(検出手段)760の設置された位置によって、駆動軸731の移動位置が規制される。
【0174】
ここで、駆動部705における駆動停止は、電源707からの給電停止によりモータ705mの駆動を停止してもよい。
また、駆動部705における駆動停止は、励磁ブレーキ705bによってモータ705mの回転駆動軸705aの回転を停止してもよい。
あるいは、駆動部705における駆動停止は、励磁クラッチ705dによって、モータ705mの回転駆動軸705aの回転を遮断して、駆動軸731まで伝達しない状態としてもよい。
【0175】
あるいは、検出スイッチ(検出手段)761が、駆動軸731が軸方向における所定の位置に到達したことを制御部706に出力した場合、信号を受け取った制御部706は、駆動部705の駆動を開始する信号を出力する。これにより、駆動部705は駆動を開始する。したがって、検出スイッチ(検出手段)761の設置された位置によって、駆動軸731の移動位置が規制される。
【0176】
ここで、駆動部705における駆動開始は、電源707からの給電開始によりモータ705mを駆動開始してもよい。
また、駆動部705における駆動開始は、励磁ブレーキ705bによるモータ705mの回転駆動軸705aの回転停止を解除してもよい。
また、駆動部705における駆動開始は、励磁クラッチ705dによってモータ705mの回転駆動軸705aの回転を接続して、駆動軸731まで伝達する状態としてもよい。
【0177】
このように、油圧発生部701は、制御部706の信号によって、駆動部705における駆動状態の切り替えを可能とされる。
制御部706が駆動信号を出力すると、駆動部705が駆動する。駆動部705の駆動によって回転駆動軸705aが回転する。回転駆動軸705aの回転により、回転駆動軸705aに取り付けられた駆動ギア737が回転する。駆動ギア737の回転は、噛合する駆動ギア735に伝達される。駆動ギア735の回転は、噛合する駆動ギア733eに伝達される。
【0178】
駆動ギア733eの回転は、一体として形成された駆動ギア733dに伝達される。駆動ギア733dの回転は、噛合する外側ギア732dに伝達されて、ネジ駆動ギア732が回転する。外側ギア732dの回転は、一体として形成されたネジ駆動ギア732の内側螺面732cに伝達される。
【0179】
ネジ駆動ギア732の内側螺面732cの回転は、噛合する駆動軸731のボールネジ731cに伝達されて、駆動軸731が回転する。ネジ駆動ギア732は、ボールベアリング732f,732gによって支持されているので、回転しても、軸方向に移動しない。
【0180】
駆動軸731は、内側螺面732cによって支持されるとともに、回り止め731hがすべり溝757の内部に位置して、駆動軸731の移動方向が規制されている。このため、駆動軸731は、回転した場合に軸方向に移動する。このように、駆動伝達部によって、モータ等の駆動部705の回転駆動力が駆動軸731に伝達され、駆動軸731が軸方向に移動する。
【0181】
駆動軸731が軸方向に移動すると、一体として接続されたシリンダ本体711も、同様にして軸方向に移動する。このとき、ピストン712は、ケーシング蓋752に固定されているので移動しない。これにより、シリンダ本体711とピストン712とが軸線方向に相対的に移動する。
【0182】
ここで、シリンダ本体711とピストン712とが相対的に移動することで、シリンダ本体711内部の油圧空間714の容積が変化する。油圧空間714の容積変化に応じて、油圧空間714に充填された非圧縮性流体である圧油(駆動流体)が油圧流路713に流入または流出する。
【0183】
シリンダ本体711には、フランジ部711cに当接する油圧付勢部材720となる内バネ721および外バネ722が付勢力を付与している。
【0184】
本実施形態においては、ノーマルプッシュ、つまり、駆動部705が駆動していない際に、可動部(伸縮ロッド)72を伸長可能とする。このため、油圧シリンダ710において、油圧付勢部材720からの付勢力は、内バネ721および外バネ722が伸長する方向となる。つまり、油圧付勢部材720からシリンダ本体711へ付与された付勢力は、シリンダ本体711がネジ駆動ギア732から離間する方向となる。
したがって、油圧付勢部材720の付勢力は、シリンダ本体711における油圧空間714の容積が減少するように付与されている。
【0185】
また、本実施形態においては、ノーマルプッシュ、つまり、駆動部705が駆動された際に、可動部(伸縮ロッド)72を縮退可能とする。このため、油圧シリンダ710において、駆動部705の駆動により、駆動軸731が移動する方向は油圧付勢部材720の付勢力と反対向きとなる。つまり、駆動部705の駆動により、駆動軸731はピストン712から離間する方向に移動する。
したがって、駆動部705の駆動により、シリンダ本体711における油圧空間714の容積は増大するように駆動軸731が移動する。
【0186】
油圧発生部701は、駆動部705が駆動停止された場合、
図6に示すように、油圧付勢部材720の付勢力によって油圧空間714の容積が減少する。これにより、油圧空間714積が加圧される。これにより、非圧縮性流体である圧油(駆動流体)が、油圧空間714から油圧流路713を介して油圧管702に対して流入する。このとき、真空アクチュエータ(押しつけシリンダ)70では油圧が作用して、可動部(伸縮ロッド)72の先端部72aが伸長する。
【0187】
また、油圧発生部701は、駆動部705を駆動した場合、
図7に示すように、駆動部705の駆動力によって油圧空間714の容積が増大する。これにより、油圧空間714積が減圧される。非圧縮性流体である圧油(駆動流体)が油圧流路713を介して油圧管702から油圧空間714に対して流入する。このとき、真空アクチュエータ(押しつけシリンダ)70では油圧が作用して、可動部(伸縮ロッド)72の先端部72aが縮退する。
【0188】
また、油圧発生部701では、何らかの原因により、シリンダ本体711がケーシング蓋752に近接するようにオーバーランした場合でも、
図8に示すように、フランジ部711cがケーシング蓋752に当接して、シリンダ本体711の移動を停止する。これにより、油圧空間714の減少を所定範囲に制限する。したがって、油圧発生部701は、過剰な圧油(駆動流体)を真空アクチュエータ(押しつけシリンダ)70へ流入させないことができる。
なお、
図8において、検出スイッチ(検出手段)761の記載は省略している。
【0189】
本実施形態に係る真空アクチュエータ70は、
図9〜
図11に示すように、ガイドロッド771と、シリンダ部772と、伸縮ロッド(可動部)72と、フランジ部773と、付勢部材(押しつけバネ)73と、ケーシング774と、を有する。
【0190】
真空アクチュエータ70は、
図9〜
図11に示すように、略円柱状のケーシング774の一端から、このケーシング774よりも細径の伸縮ロッド72が伸出可能および縮退可能な構成とされている。真空アクチュエータ70は、油圧管702を介して油圧発生部701に接続される。
【0191】
油圧発生部701は、伸縮ロッド72を伸縮動作する際に、正圧または負圧となる油圧を真空アクチュエータ70に供給するとともに、動作終了時に、油圧状態を維持可能とされている。また、伸縮ロッド72の対象物への当接状態を適切に制御可能となっている。
【0192】
ガイドロッド771は、
図9〜
図11に示すように、略円柱状とされ、油圧駆動部700から作動油圧を一端面771aに向けて供給可能な貫通孔771cを軸方向に有する。ガイドロッド771は、ケーシング774の蓋部774bからケーシング774の内部に向けて立設される。
【0193】
ガイドロッド771は、蓋部774bと一体とされてもよい。本実施形態において、ガイドロッド771には、蓋部774bに設けられた凹部774gの中心位置に突出する凸部774hにパイプ状の外ガイドロッド771gが螺合されている。これにより、蓋部774bに対する外ガイドロッド771gの中心出しがおこなわれる。貫通孔771cは、蓋部774b、凸部774hおよび外ガイドロッド771gの内部に連続して形成される。
【0194】
シリンダ部772は、他端が開口した有底円筒状とされる。シリンダ部772は、ガイドロッド771と同軸状とされる。シリンダ部772は、ガイドロッド771の一端面771aを摺動可能に覆うように配置されている。ガイドロッド771の一端面771aと、シリンダ部772の内面とは、その内部に駆動空間777を形成する。
【0195】
駆動空間777には、貫通孔771cが連通している。貫通孔771cには、
図10に示すように、油圧管702が接続される。駆動空間777には、油圧管702を介して油圧発生部701に接続される。
駆動空間777には、油圧管702を介して油圧発生部701から作動油が供給されて、駆動空間777が加圧される。あるいは、駆動空間777には、油圧管702を介して油圧発生部701へと作動油が戻されて、駆動空間777が減圧される。
【0196】
シリンダ部772の一端部772aには、図における上面となる位置に伸縮ロッド72が設けられる。伸縮ロッド72は、シリンダ部772の軸方向の外向きに延在する円柱状とされる。伸縮ロッド72は、円筒状のシリンダ部772と同軸状とされる。伸縮ロッド72は、円柱状のガイドロッド771と同軸状とされる。
【0197】
伸縮ロッド72は、シリンダ部772と一体とされ、ガイドロッド771に対するシリンダ部772の摺動に付随して、軸方向に伸縮自在として移動可能とされる。伸縮ロッド72の径寸法は、シリンダ部772の径寸法よりも小さく設定される。
【0198】
伸縮ロッド72の径寸法は、ガイドロッド771の径寸法よりも小さく設定される。伸縮ロッド72は、シリンダ部772と一体とされてもよい。本実施形態の伸縮ロッド72は、シリンダ部772の軸中心位置に突出する凸部772hに伸縮ロッド72が螺合されている。これにより、蓋部774bに対する伸縮ロッド72の中心出しがおこなわれる。
【0199】
シリンダ部772の他端部772bには、外周位置にフランジ部773が周設される。フランジ部773は、シリンダ部772の他端部772bに径方向外側に延在する。フランジ部773は、所定の厚さを有する。
【0200】
フランジ部773は、シリンダ部772と一体として形成される。
フランジ部773には、伸縮ロッド72に近接する押圧面773aに付勢部材(バネ)73の他端が当接する。
【0201】
付勢部材(バネ)73は、螺旋状とされ、フランジ部773を伸縮ロッド72の縮退方向に付勢する。
付勢部材(バネ)73は、シリンダ部772と同軸状にシリンダ部772の外周に位置している。付勢部材(バネ)73の一端は、ケーシング774に当接する。
【0202】
ケーシング774は、円筒状の円筒部774cと、円筒部774cの他端部を閉塞する蓋部774bと、円筒部774cの一端に設けられた貫通孔774mを閉塞する真空側蓋部774aと、を有する。
【0203】
蓋部774bの中心位置には、ガイドロッド771がケーシング774の内部に向かって立設される。真空側蓋部774aは、その中央に伸縮ロッド72の貫通する貫通孔775を有し、真空側へと面している。円筒部774cの他端は、蓋部774bに設けられた凹部774gに勘合される。
【0204】
円筒部774cと蓋部774bと真空側蓋部774aとの内部には、緩衝空間776が形成される。
緩衝空間776には、シリンダ部772と付勢部材(バネ)73とが収納される。緩衝空間776では、シリンダ部772が往復移動可能とされている。緩衝空間776は、駆動空間777から作動油圧が漏れた際に、真空側となる外部(チャンバ)Chへ漏出する前に緩衝する空間とされる。
【0205】
緩衝空間776となる円筒部774cの内面には、段差774dが形成されている。円筒部774cの内面は、蓋部774bに近接する位置が真空側蓋部774aに近接する位置に比べて拡径されている。
段差774dは、フランジ部773の押圧面773aの外縁部分が当接する。段差774dは、シリンダ部772の移動範囲における伸長した際の位置を規制する規制部とされている。
【0206】
緩衝空間776となる円筒部774cの内面には、フランジ部773の外周面は接していない。蓋部774bに設けられた凹部774gには、シリンダ部772他端部772bとなるフランジ部773が当接する。凹部774gは、シリンダ部772の移動範囲における縮退側の位置を規制する規制部とされている。
【0207】
円筒部774cと真空側蓋部774aとは接続固定されている。円筒部774cの真空側蓋部774aに近接する位置には、段差774eが形成されている。円筒部774cの段差774eよりも真空側蓋部774aに近接する位置は、さらに縮径されてシリンダ部772の外形寸法と等しい内径寸法を有する大気側緩衝空間778が形成されている。
段差774eには、付勢部材(バネ)73の一端が当接している。
【0208】
大気側緩衝空間778内周面には、シリンダ部772の外周面(摺動面)772mが摺動可能に接している。大気側緩衝空間778には、
図10に示すように、外部に連通する貫通孔778sが円筒部774cの径方向に形成されている。大気側緩衝空間778は、貫通孔778sにより大気側と連通している。
【0209】
貫通孔775は、大気側緩衝空間778よりも小さな径寸法を有する。貫通孔775は、伸縮ロッド72の外径と略等しい径寸法とされる。
ケーシング774とガイドロッド771とは、固定部71を構成する。
【0210】
真空アクチュエータ70には、油圧駆動時に、作動流体である油が真空側であるチャンバChに漏れないように、多段のシール手段として密閉部材が設けられている。具体的には、油圧が供給されるシリンダ部772内部の駆動空間777から、伸縮ロッド72の伸張する真空側であるチャンバChの内部である外部まで、四段の密閉部材77a1〜77eが設けられる。
【0211】
シリンダ部772の内面と摺動するガイドロッド771外周の摺動面771fには、二段の密閉部材77a1〜77eが設けられる。
ガイドロッド771外周の摺動面771fには、駆動空間777から外部へ向かって密閉可能に、Oリング(密閉部材)77a1、ウエアリング(密閉部材)77a2が同一の溝に周設されている。
【0212】
ウエアリング(密閉部材)77a2は、Oリング(密閉部材)77a1の径方向外側に周設されている。
ウエアリング(密閉部材)77a2は、シリンダ部772の内面と接しており、シリンダ部772の内周の摺動面772fと摺動する。
【0213】
さらに、ガイドロッド771外周の摺動面771fには、ウエアリング(密閉部材)77a2よりも駆動空間777から離間した位置に、摺動面771fと面一となるようにウエアリング(密閉部材)77bが周設されている。
【0214】
Oリング(密閉部材)77a1、ウエアリング(密閉部材)77a2、ウエアリング(密閉部材)77bは、一段目の密閉部材を形成している。ウエアリング(密閉部材)77bは、バックアップリングである。
【0215】
さらに、ガイドロッド771外周の摺動面771fには、ウエアリング(密閉部材)77bよりも駆動空間777から離間した位置に、摺動面771fと面一となるようにYパッキン(密閉部材)77c1、シールシング(密閉部材)77c2が同一の溝に周設されている。
【0216】
Yパッキン(密閉部材)77c1とシールシング(密閉部材)77c2とは、いずれもシリンダ部772の内面と接している。Yパッキン(密閉部材)77c1とシールシング(密閉部材)77c2とは、シリンダ部772の内周の摺動面772fと摺動する。
シールシング(密閉部材)77c2は、Yパッキン(密閉部材)77c1よりも駆動空間777から離間した位置に配置される。
【0217】
さらに、ガイドロッド771外周の摺動面771fには、シールシング(密閉部材)77c2よりも駆動空間777から離間した位置に、摺動面771fと面一となるようにウエアリング(密閉部材)77dが周設されている。
Yパッキン(密閉部材)77c1、シールシング(密閉部材)77c2、ウエアリング(密閉部材)77dは、二段目の密閉部材を形成している。ウエアリング(密閉部材)77dは、バックアップリングである。
【0218】
ケーシング774の円筒部774cにおける真空側蓋部774aに近接する位置に設けられた貫通孔774mには、その内周面にYパッキン(密閉部材)77eが周設される。
Yパッキン(密閉部材)77eは、シリンダ部772の一端面771aに近接する位置となる外周の摺動面772mと摺動する。Yパッキン(密閉部材)77eは、三段目の密閉部材とされる。
【0219】
ケーシング774の真空側蓋部774aにおける貫通孔775には、その内周面にOリング(密閉部材)77fが周設される。
Oリング(密閉部材)77fは、伸縮ロッド72の外周面(摺動面)72mと摺動する。Yパッキン(密閉部材)77eは、四段目の密閉部材とされる。
【0220】
さらに、密閉部材77a1〜77eに加えて、ケーシング774の凸部774hと外ガイドロッド771gとの螺合位置には、Oリング(密閉部材)77pが配置される。
ケーシング774の円筒部774cと蓋部774bに設けられた凹部774gとの間には、Oリング(密閉部材)77qが配置される。
真空側蓋部774aにおける貫通孔775の周囲には、真空側となるチャンバChとの間のシール用に、Oリング(密閉部材)77rが配置される。
【0221】
本実施形態における真空アクチュエータ70では、密閉部材77a1〜77rとして、次のような材質からなるものとすることができる。
ウエアリング(密閉部材)77a2は、フッ化樹脂からなる。ウエアリング(密閉部材)77bは、HNBR(水素化ニトリルゴム)からなる。Yパッキン(密閉部材)77c1は、HNBR(水素化ニトリルゴム)からなる。シールシング(密閉部材)77c2は、フッ化樹脂からなる。ウエアリング(密閉部材)77dは、フッ化樹脂からなる。Yパッキン(密閉部材)77eは、HNBR(水素化ニトリルゴム)からなる。Oリング(密閉部材)77fは、HNBR(水素化ニトリルゴム)からなる。Oリング(密閉部材)77p、Oリング(密閉部材)77q、Oリング(密閉部材)77rは、いずれもHNBR(水素化ニトリルゴム)からなる。
【0222】
また、伸縮ロッド72は、ステンレス鋼からなる。ガイドロッド771は、ステンレス鋼からなる。シリンダ部772は、ステンレス鋼からなる。ケーシング774の円筒部774cと蓋部774bと真空側蓋部774aとは、いずれもアルミニウムからなる。なお、これらの構成における材質は、真空アクチュエータ70の用途に応じて、適宜変更することが可能である。
【0223】
また、ステンレス鋼からなるガイドロッド771外周の摺動面771f、シリンダ部772の内周の摺動面772f、シリンダ部772の一端面771aに近接する位置となる外周の摺動面772m、伸縮ロッド72外周の摺動面は、いずれも、クロムメッキ等の表面処理が施される。
【0224】
本実施形態における真空アクチュエータ70においては、ノーマルプル、つまり、動作しない状態では、伸縮ロッド72が縮退している。この状態では、付勢部材(バネ)73によってフランジ部773が、伸縮ロッド72の縮退方向に付勢されている。
【0225】
次に、油圧駆動部700において駆動部705の駆動によって油圧発生部701から供給された作動油が、油圧管702を介して駆動空間777に流入する。すると、駆動空間777が加圧されて、付勢部材(バネ)73の付勢力に打ち勝ってシリンダ部772が貫通孔775に向けて移動する。このとき、シリンダ部772は、緩衝空間776の内部で移動する。
【0226】
フランジ部773の押圧面773aの外縁部分が段差774dに当接して、シリンダ部772の移動が終了する。これにより、
図11に示すように、伸縮ロッド72が伸張して、真空側となるチャンバChに向けて伸縮ロッド72が進出する。伸張した伸縮ロッド72が対象物を押圧する。この状態で、油圧発生部701から駆動空間777に供給する油圧を維持することで、伸縮ロッド72が伸長した状態を維持することができる。
【0227】
伸縮ロッド72が伸長状態から縮退状態とするには、油圧発生部701から駆動空間777に供給する油圧を減圧する。あるいは、油圧管702を介して駆動空間777から油圧発生部701へと作動油を戻す。すると、付勢部材(バネ)73からフランジ部773に作用する付勢力によって、シリンダ部772が蓋部774bに向けて移動する。これにより、
図9,
図10に示すように、伸縮ロッド72が縮退した状態となる。
【0228】
さらに、本実施形態の真空アクチュエータ(押しつけシリンダ)70においては、駆動空間777から油圧管702を介して油圧空間714までの間で油が漏れた場合に、これを検出することができる。具体的には、駆動空間777において収容される油量が減少した場合には、油圧付勢部材720の付勢力によって油圧空間714の容積が減少する。これにより、軸方向における駆動軸731の往復動作範囲が、想定した位置からピストン712に近接する方向に移動することになる。
したがって、想定した位置に比べて、駆動軸731の軸方向移動における早い段階で検出スイッチ(検出手段)761から検出信号が出力されることになる。このため、駆動空間777において収容される油量が減少したことを検出可能である。
【0229】
本実施形態においては、上述した実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0230】
以下、本発明に係る油圧駆動システムの第5実施形態を、図面に基づいて説明する。
図12は、本実施形態における油圧駆動システムを備える真空装置を示す模式説明図である。
本実施形態において上述した第1から第4実施形態と異なるのは油圧駆動システムの設けられた真空装置に関する点であり、これ以外の対応する構成要素に関しては、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0231】
本実施形態における真空装置200は、例えばサイドスパッタ式スパッタ等の真空処理をおこなう装置とされる。
本実施形態における真空装置(スパッタ装置)200は、略矩形のガラス基板(被処理基板)Gを搬入/搬出するロード・アンロード室と、ガラス基板G上に例えばZnO系やIn
2O
3系の透明導電膜などの被膜をスパッタ法により形成する耐圧の成膜室(チャンバ)201と、成膜室201とロード・アンロード室との間の搬送室と、を備えている。
なお、
図12には、成膜室201のみを示している。
【0232】
第1実施形態または第2実施形態におけるチャンバChは、本実施形態において成膜室201とされる。
本実施形態における真空装置(スパッタ装置)200において、成膜室(チャンバ)201の内部には、
図12に示すように、バッキングプレート(カソード電極)206と、電源206aと、ガス導入手段207aと、高真空排気手段207bと、が設けられている。
【0233】
バッキングプレート(カソード電極)206は、成膜材料を供給する手段として、立設されたターゲットを保持する。電源206aは、バッキングプレート206に負電位のスパッタ電圧を印加する。ガス導入手段207aは、成膜室(チャンバ)201内にガスを導入する。高真空排気手段207bは、成膜室201の内部を高真空引きするターボ分子ポンプ等とされる。
【0234】
バッキングプレート206は、成膜室201の内部において搬送室に連通する搬送口204aから最遠となる位置に立設される。バッキングプレート206には、ガラス基板Gと略平行に対面する前面側にターゲットが固定される。
バッキングプレート(カソード電極)206は、ターゲットに対して負電位のスパッタリング電圧を印加する電極の役割を果たす。
【0235】
バッキングプレート206は、負電位のスパッタリング電圧を印加する電源206aに接続されている。バッキングプレート(カソード電極)206の裏側には、ターゲット上に所定の磁場を形成するためのマグネトロン磁気回路が設置されている。
【0236】
成膜室201の内部は、
図12に示すように、成膜時にガラス基板Gの表面側となる前側空間201aと、ガラス基板Gの裏面側となる裏側空間201bとからなる。成膜室201の前側空間201aには、ターゲットが固定されたバッキングプレート(カソード電極)206が配置される。成膜室201の裏側空間201bには、前側空間201aに向かって開口する成膜口204bが設けられている。成膜口204bの周囲には、防着板枠202が設けられる。
【0237】
裏側空間201b内部には、成膜中にターゲットと対向するようにガラス基板Gを横方向揺動可能に保持する基板保持手段(保持手段)が設けられていてもよい。基板保持手段(保持手段)は、ガラス基板Gを裏面から保持する保持部203を有する。
保持部203は、回転駆動部による揺動軸の軸線周りの回動により、略水平方向位置とされた水平載置位置と、略鉛直方向位置に立ち上げた鉛直処理位置との間で回転動作可能とされる。
【0238】
水平載置位置とされた保持部203表面の延長位置には搬送口204aが位置して、搬送室から搬送されたガラス基板Gを載置可能となる。鉛直処理位置とされた保持部203表面は、ほぼ成膜口204bを塞ぐように位置して、ガラス基板G表面がカソード電極206と対向して成膜可能となる。
【0239】
保持部203には、ガラス基板Gの搬入又は搬出の際に、水平載置位置とされた保持部203より上方に突出して、保持部203より上側にガラス基板Gを支持するリフトピンと、このリフトピンを上下動させるリフトピン移動部70とが配置されている。
【0240】
本実施形態においては、例えば、リフトピン移動部70が、第1実施形態または第2実施形態における真空アクチュエータ(リフトピン移動部)70とされる。
また、リフトピンが、伸縮ロッド72の先端に、同軸状に取り付けられる。
なお、
図12において、真空アクチュエータ(リフトピン移動部)70は、矢印として示している。
【0241】
真空アクチュエータ(リフトピン移動部)70は、チャンバ201の密閉を維持した状態で駆動可能とされる。この構成により、ガラス基板Gの搬入又は搬出の際に、保持部203と搬送装置のロボットハンドと間における、ガラス基板Gの受け渡しが自在に可能となる。
【0242】
保持部203の鉛直処理位置において、ガラス基板Gをマスク205に押圧する押圧部70を有する。
本実施形態においては、例えば、押圧部70が、第1実施形態または第2実施形態における真空アクチュエータ(押圧部)70とされる。
【0243】
マスク205は、所定回数の成膜処理後に交換されるが、その際、交換後のマスク205を防着板枠202に対してアライメントするアライメント手段70が成膜口204bの下側位置に設けられる。
本実施形態においては、例えば、アライメント手段70が、第1実施形態における真空アクチュエータ(アライメント手段)70とされる。この構成により、真空アクチュエータ(アライメント手段)70は、伸縮ロッド72の先端部72aを所定の対象物に当接して、これを押圧させ、移動、または、アライメントすることができる。
【0244】
本実施形態の真空アクチュエータ70は、いずれも、他の駆動タイプに比べて小さな容積で大きな付勢力(押圧力)を真空雰囲気中で呈することができる。さらに、本実施形態の真空アクチュエータ70は、固定値とされた押圧力のみならず、押圧力を変動させることが可能となる。
本実施形態においても、チャンバ201内に油漏れがおきる可能性を極めて低減した状態で、それぞれの真空アクチュエータ70は、対象物を押圧することができる。
【0245】
本実施形態においては、上述した実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0246】
以下、本発明に係る真空アクチュエータを備えた仕切りバルブの第6実施形態を、図面に基づいて説明する。
本実施形態において上述した第3および第4実施形態と異なるのは仕切りバルブの振り子弁体に関する点であり、これ以外の対応する構成要素に関しては、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0247】
図13は、本実施形態における仕切りバルブの構成を示す流路と直交する断面図である。
図14〜
図16は、本実施形態における仕切りバルブの構成を示す流路に沿った断面図で、弁体が退避動作可能位置(FREE)に配置されている場合を示す図である。
図14は、
図13における線分A−O−Cに相当する。
図15は、
図13における線分A−Oに沿う要部を示す拡大図である。
図16は、
図13における線分B−O−Cに沿う要部を示す拡大図である。
図17は、
図13における弁枠付勢部の要部を示す拡大図である。
【0248】
図18〜
図21は、本実施形態における仕切りバルブの構成を示す流路に沿った断面図で、
図14〜
図17に対応し、弁体が弁閉位置(正圧or差圧無)に配置されている場合を示す図である。
【0249】
図22〜
図24は、本実施形態における仕切りバルブの構成を示す流路に沿った断面図で、
図14〜
図16に対応し、弁体が逆圧位置に配置されている場合を示す図である。
図25,
図26は、
図14における弁箱での弁箱付勢部の配置を示す斜視図である。
【0250】
[振り子型仕切りバルブ]
本実施形態に係る仕切りバルブ100は、
図13〜
図26に示すように、振り子型スライド弁である。
【0251】
仕切りバルブ100は、第1空間と第2空間とをつなげている流路Hを仕切り、流路Hを閉鎖した状態と、この仕切り状態を開放して、第1空間と第2空間とをつなぐ状態と、を切り替える。
仕切りバルブ100は、弁箱10と中立弁体5と回転軸20とを備える。弁箱10の内部には中空部11が形成される。弁箱10は、中空部11を有するフレームによって構成される。弁箱10には、中空部11を挟んで互いに対向するように第1開口部12aおよび第2開口部12bが設けられる。
【0252】
第1開口部12aは、第1空間に露出されている。第2開口部12bは、第2空間に露出されている。第1開口部12aから第2開口部12bまでは中空部11を介して連通される。第1開口部12aから第2開口部12bに向かって流路Hが設定されている。仕切りバルブ100は、第1空間と第2空間との間に挿入される。なお、流路Hに沿った方向は流路H方向と称する。
【0253】
弁箱10の中空部11内には、中立弁体5が配置される。中立弁部30は、位置切り替え部としての回転軸20に接続される。回転軸20は、流路H方向とほぼ平行に延在する軸線を有する。回転軸20は、弁箱10を貫通する。回転軸20は、不図示の駆動装置により回転可能である。回転軸20の一端には、接続部材(不図示)を介して中立弁体5が固定される。回転軸20は、中立弁体5の位置切り替え部として機能する。
あるいは、回転軸20には、接続部材(不図示)を介さずに中立弁体5が直接接続されてもよい。
【0254】
中立弁体5は、第1開口部12aおよび/または第2開口部12bを閉塞可能である。本実施形態においては、第1開口部12aを閉塞可能とする。中立弁体5は、弁閉塞位置と弁開放位置との間で動作する。弁閉塞位置において、中立弁体5は、第1開口部12aに対して閉塞状態(
図18)となる。弁開放位置において、中立弁体5は、第1開口部12aから退避した開放状態(
図14)となる。
中立弁体5は、中立弁部30、および、可動弁部40から構成されている。
【0255】
中立弁部30は、回転軸20の軸線に対して直交する方向に平行な面に含まれるように配置される。中立弁部30は、
図13に示すように、円形部30aと回転部30bとを有する。円形部30aは、流路H方向視して、可動弁部40と重なるように配置される。回転部(アーム部)30bは、回転軸20から円形部30aに向けて、2本の腕が延びたアーム形状で形成される。回転部30bは、回転軸20の回転に伴って円形部30aを回転させる。これら回転軸20、中立弁部30は、弁箱10に対して回動するが、流路H方向には位置変動しない。
【0256】
可動弁部40は略円板状とされる。可動弁部40は、中立弁部30に対して厚さ方向(流路H方向)にのみ摺動可能として接続される。可動弁部40は、2つの可動弁枠部60(スライド弁板)と可動弁板部50(カウンター板)とを備える。
可動弁枠部60は、円形部30aと略同心状の略円環状とされる。可動弁枠部60は、円形部30aに嵌合される。
【0257】
可動弁枠部60は、中立弁部30に対して流路H方向に摺動可能とされる。可動弁枠部60と中立弁部30との間には、弁枠付勢部90(補助バネ)が配置される。可動弁枠部60は、弁枠付勢部90(補助バネ)によって、中立弁部30に対して流路H方向における位置が変更可能に接続される。
【0258】
可動弁板部50は、円形部30aと略同心状の円形輪郭を有する板体とされる。可動弁板部50は、可動弁枠部60に嵌合される。
可動弁枠部60は、可動弁板部50の周囲を囲むように配置される。可動弁板部50と可動弁枠部60とは、弁板付勢部80(保持バネ)によって接続される。
【0259】
可動弁板部50と可動弁枠部60とは、
図14に符号B1,B2で示された往復方向に、互いに相対的な摺動が可能である。往復方向B1,B2とは、可動弁板部50および可動弁枠部60の面に垂直な方向である。往復方向B1,B2とは、回転軸20の軸方向に平行な流路H方向である。
可動弁板部50には、弁箱内面10Bに対向(当接)する位置に、カウンタークッション51が周設される。
【0260】
カウンタークッション51は、円環状の弾性体であるOリング等からなるシール部とされる。カウンタークッション51は、閉弁時に第2開口部12bの周縁となる弁箱内面10Bに密着可能である。カウンタークッション51は、可動弁板部50および弁箱内面10Bによって押圧される。これにより、第1空間と第2空間とが仕切り状態となる。カウンタークッション51は、可動弁板部50と弁箱内面10Bとの衝突時に弾性変形して、衝撃を緩和する。
可動弁板部50には気抜き穴53が設けられる。可動弁板部50と弁箱内面10Bとが衝突した際に、可動弁板部50と弁箱内面10Bとカウンタークッション51とによって密閉空間が形成される。気抜き穴53は、この密閉空間から気体を除去する。
【0261】
可動弁板部50の外周付近における全領域には、内周クランク部50cが形成される。内周クランク部50cは、流路H方向と平行な摺動面50bを有する。可動弁枠部60の内周付近における全領域には、外周クランク部60cが形成される。外周クランク部60cは、流路H方向と平行な摺動面60bを有する。
【0262】
外周クランク部60cおよび内周クランク部50cは嵌合している。摺動面50bと摺動面60bとは、互いに摺動可能として対向状態に位置する。
外周クランク部60cと内周クランク部50cとの間には、Oリング等からなる摺動シールパッキン52が配される。摺動シールパッキン52により、摺動面50bと摺動面60bとのシール状態を摺動時に維持する。
【0263】
可動弁枠部60には、弁箱10の内面に対向(当接)する表面に、弁枠シールパッキン61が周設される。弁枠シールパッキン61は、円環状のOリング等からなるシール部とされる。弁枠シールパッキン61は、閉弁時に第1開口部12aの周縁となる弁箱内面10Aに接触して、可動弁枠部60および弁箱内面10Aによって押圧される。これにより、第1空間と第2空間とが仕切り状態となる。
【0264】
弁枠シールパッキン61と摺動シールパッキン52とは、ほぼ同一円筒面上に配置される。弁枠シールパッキン61と摺動シールパッキン52とが、
図15〜
図16に示すラインRに重なるように配置される。このため、約100%の逆圧キャンセル率が得られる。
【0265】
弁枠付勢部90は、中立弁部30の円形部30aと、流路H方向視して円形部30aと重なる可動弁枠部60の位置規制部65と、の間に配置される。弁枠付勢部90は、中立弁部30に対して、可動弁枠部60を流路H方向における中央位置に向けて付勢する。弁枠付勢部90は、円形部30aの周方向に等間隔を有して複数配置される。弁枠付勢部90は、弾性部材であり、板バネとされる。弁枠付勢部90(板バネ)は、その長手方向が円形部30aの周方向に沿って配置される。
【0266】
弁枠付勢部90(板バネ)の両端部分は、
図17に示すように、固定ピン92と固定ピン93とによって中立弁部30の円形部30aに係止される。弁枠付勢部90(板バネ)の両端部分は、それぞれ厚さ方向にリング状部材92a、リング状部材92bを挟んで円形部30aに係止される。弁枠付勢部90(板バネ)の中央部分は、印圧ピン91によって可動弁枠部60の位置規制部65に係止される。
【0267】
仕切りバルブ100の開弁状態(
図14)においては、流路H方向における中立弁部30(アーム)と可動弁枠部60との離間距離が狭くなる。弁枠付勢部90は、高さ方向(厚さ方向)の寸法が縮まる。これにより、弁枠付勢部90には、厚さ方向に褶曲する曲部90Aが形成される(
図17)。
【0268】
これに対して、仕切りバルブ100が閉弁状態(
図18)においては、流路H方向における中立弁部30(アーム)と可動弁枠部60との離間距離が広くなる。これにより、弁枠付勢部90は、高さ方向(厚さ方向)の寸法が伸びる。すなわち、弁枠付勢部90では、曲部90Aが解消する(
図21)。
【0269】
弁枠付勢部90は、閉弁状態(
図18)から開弁状態(
図14)へ変化する場合に、弁箱10の内面から可動弁枠部60を引き離す機械的な分離動作を促す構造を有する。また、弁枠付勢部90は、中立弁部30(アーム)に対する可動弁枠部60の径方向および周方向の位置を保持する機能も備える。
【0270】
弁枠付勢部90は、可動弁枠部60を中立弁部30に対して流路方向における位置が変更可能に接続する機能、および、可動弁枠部60を流路H方向における中央位置に向けて付勢する機能を有する。
【0271】
弁箱10には、複数の弁箱付勢部70が内蔵されている。弁箱付勢部70は、前述した第1〜第4実施形態における真空アクチュエータ70とされる。真空アクチュエータ(弁箱付勢部)70は、可動弁枠部60を流路H方向における第1開口部12aに近接する方向に付勢する。
【0272】
真空アクチュエータ(弁箱付勢部)70は、可動弁枠部60をシール面に向く方向に押圧する昇降機構を構成している。複数の真空アクチュエータ(弁箱付勢部)70は、可動弁枠部60の姿勢を変化させずに付勢可能な位置に配置される。複数の真空アクチュエータ(弁箱付勢部)70は、第2開口部12bの周囲に沿って等間隔に離間して設けられる。
【0273】
図25,
図26には、互いに離間する弁箱付勢部70の配置として、弁体の中心Oから見て、4個の弁箱付勢部70が同じ角度位置(90度)で離間するように配置された構成例を示す。中心Oから見て、真空アクチュエータ(弁箱付勢部)70の角度位置は、弁板付勢部80と弁枠付勢部90との角度位置と重ならないように構成される。
【0274】
真空アクチュエータ(弁箱付勢部)70は、油圧駆動部(固定部)71と、伸縮ロッド(可動部)72とを有する。油圧駆動部(固定部)71は、中空部11に対して弁箱内面10Bよりも外側となるフレームの内部に埋め込まれた配置とされる。伸縮ロッド(可動部)72は、流路H方向に沿って固定部71から第1開口部12aに近接する方向に伸長自在な配置とされる。
【0275】
真空アクチュエータ(弁箱付勢部)70は、油圧駆動部(非圧縮性流体駆動部)700に接続されており油圧によって駆動される。油圧駆動部(非圧縮性流体駆動部)700は、前述した第1〜第4実施形態における油圧駆動部(非圧縮性流体駆動部)700とされる。
【0276】
開弁状態(
図14)から閉弁状態(
図18)とする場合に、真空アクチュエータ(弁箱付勢部)70は、油圧によって伸縮ロッド(可動部)72を伸張させる。このとき、真空アクチュエータ(弁箱付勢部)70は、先端部72aの当接した可動弁枠部60を付勢する。これにより、可動弁枠部60が流路H方向に第1開口部12aに向けて移動する。弁枠シールパッキン61が第1開口部12aの周囲の弁箱内面10Aに密着する。複数の真空アクチュエータ(弁箱付勢部)70においては、伸縮ロッド(可動部)72の伸長動作がいずれもほぼ同時に動作可能とされる。
【0277】
弁板付勢部80(保持バネ)は、可動弁部40に内蔵される。弁板付勢部80は、可動弁枠部60と可動弁板部50との流路H方向における厚み寸法が小さくなる方向に互いを付勢している。弁板付勢部80は、可動弁枠部60の動く往復方向B1,B2へ可動弁板部50を連動させる。
【0278】
弁板付勢部80は、流路H方向視して可動弁枠部60と可動弁板部50とが重なる領域に複数配置される。複数の弁板付勢部80は、可動弁枠部60の周方向に等間隔を有する配置とされる。弁板付勢部80を設ける箇所は、3箇所以上が好ましく、互いに離間して設けられる。
【0279】
弁板付勢部80は、ボルト状のガイドピン81の長軸部によって、可動弁板部50の動きを誘導(規制)する。ガイドピン81は、可動弁枠部60に固定される。弁板付勢部80を構成する保持バネは、例えば、スプリング、ゴム等とされる弾性部材で形成されている。
【0280】
ガイドピン81は、太さ寸法が均一の棒状体で構成されている。ガイドピン81は、弁板付勢部80内を貫通する。ガイドピン81は、流路H方向に立設されて可動弁枠部60に固設される。ガイドピン81は、可動弁板部50に形成された孔部50hに嵌合している。ガイドピン81は、可動弁板部50と可動弁枠部60の位置規制を誘導する。
【0281】
弁板付勢部80により、可動弁板部50と可動弁枠部60とが互いに摺動する際に、摺動方向(符号Qで示す軸)を往復方向B1,B2に維持する。また、可動弁板部50と可動弁枠部60とが摺動した際にも、可動弁板部50および可動弁枠部60の姿勢が変化せずに平行移動を行うことができる。
【0282】
以下、本実施形態に係る仕切りバルブ100の動作を詳細に説明する。
【0283】
まず、本実施形態に係る仕切りバルブ100において、可動弁部40は、流路Hが設けられていない中空部11とされる退避位置にある状態を考える。このとき、可動弁部40は、弁箱内面10Aおよび弁箱内面10Bに接していない。この状態で、回転軸20を符号R1で示された方向(流路Hの方向に交差する方向)に回転させる。すると、中立弁部30おおび可動弁部40が方向R1に沿って振り子運動で回転移動する。この回転によって、可動弁部40は、退避位置から、第1開口部12aに対向する位置とされる弁開口遮蔽位置(摺動準備位置)に移動する。
【0284】
弁開口遮蔽位置(摺動準備位置)において、真空アクチュエータ(弁箱付勢部)70が、流路H方向における第1開口部12aに近接する方向に、伸縮ロッド(可動部)72を伸長する。伸縮ロッド(可動部)72は可動弁枠部60に当接してこれを押圧する。可動弁枠部60は、第1開口部12aに近接する方向に移動する。
真空アクチュエータ(弁箱付勢部)70によって、可動弁枠部60が弁箱内面10Aに当接する。このとき、弁枠シールパッキン61が第1開口部12aの周囲に位置する弁箱内面10Aに密着する。これにより、流路Hが閉鎖される(閉弁動作)。
【0285】
逆に、真空アクチュエータ(弁箱付勢部)70が、伸縮ロッド(可動部)72を縮退させる。伸縮ロッド(可動部)72から可動弁枠部60への付勢力が減少する。すると、弁枠付勢部90の付勢力によって、弁箱10の内面から可動弁枠部60が引き離される。可動弁枠部60と弁箱内面10Aとは、密閉状態が解除される。これにより、前記流路Hを開放する(解除動作)。
可動弁部40における閉弁動作および解除動作は、弁箱付勢部70による機械的な当接動作と、弁枠付勢部90による機械的な分離動作と、によっておこなわれる。
【0286】
解除動作の後に、回転軸20を符号R2で示された向きに回転させる。すると、可動弁部40が、弁開口遮蔽位置(摺動準備位置)から退避位置に移動する(退避動作)。
この解除動作と退避動作とにより、可動弁部40を弁開状態とする弁開動作が行われる。
一連の動作(閉弁動作、解除動作、退避動作)において、弁板付勢部80は、可動弁枠部60と可動弁板部50とを連動させる。
【0287】
[弁体が退避動作可能位置(FREE)の状態]
図14〜
図16には、弁開口遮蔽位置(摺動準備位置)におる可動弁部40(可動弁枠部60、可動弁板部50)が、弁箱10の何れの弁箱内面10A、10Bとも接していない状態を示す。この状態を、弁体がFREEな状態と称する。弁体がFREEな状態において、真空アクチュエータ(弁箱付勢部)70の伸縮ロッド(可動部)72は、弁箱内面10Bから突出せず、弁箱10の内側に縮退した状態にある。つまり、真空アクチュエータ(弁箱付勢部)70は、中立弁体5と接していない。
【0288】
次に、弁体がFREEな状態から、真空アクチュエータ(弁箱付勢部)70を駆動する。すると、伸縮ロッド(可動部)72の先端部72aが、
図15に矢印F1で示すように、可動弁枠部60の下面60sbに当接する。これにより、
図15に矢印F2で示すように、可動弁枠部60は、弁箱内面10Aに向けて移動する。
【0289】
さらに可動弁枠部60が移動して、弁枠シールパッキン61が弁箱内面10Aに接した状態が、閉弁位置の状態(閉弁状態)である。このとき、可動弁板部50は、弁板付勢部(保持バネ)80によって、可動弁枠部60と同じ方向へ移動する。同時に、可動弁板部50と可動弁枠部60とは、摺動シールパッキン52を介して摺動シール状態を維持する。
【0290】
弁体がFREEな状態において、真空アクチュエータ(弁箱付勢部)70が可動弁枠部60を弁箱10の弁箱内面10Aに接触させて流路Hを閉鎖する(閉弁動作)。
【0291】
[弁体が弁閉位置(正圧or差圧無)の状態]
図18〜
図20には、上記の閉弁動作により流路Hが閉鎖された状態を表す。
この状態を、正圧/差圧無の弁閉状態と称する。正圧/差圧無の弁閉状態とは、中立弁体5が弁箱10の一方の内面と接した状態であり、他方の内面とは接していない状態である。つまり、正圧/差圧無の弁閉状態では、中立弁体5が第1開口部12aの周囲の弁箱内面10Aと接する。同時に、中立弁体5が第2開口部12bの周囲に位置する弁箱内面10Bとは接していない。
【0292】
正圧/差圧無の弁閉状態では、真空アクチュエータ(弁箱付勢部)70において、伸縮ロッド(可動部)72が可動弁枠部60に向く方向へ伸延した状態を維持する。つまり、先端部72aを可動弁枠部60の下面60sbに当接させた状態を維持する。また、弁枠シールパッキン61が弁箱10の第1開口部12aの周囲の弁箱内面10A)と接した状態を維持する。
【0293】
[弁体が逆圧位置の弁閉状態]
図22〜
図24には、逆圧状態で流路Hが閉鎖された状態を表す。
この状態を、逆圧の弁閉状態と称する。逆圧の弁閉状態とは、中立弁体5が、流路H方向における両方の弁箱内面10A,10Bと接した状態である。つまり、逆圧の弁閉状態では、中立弁体5が第1開口部12aの周囲の弁箱内面10Aと接した状態を保ちながら、第2開口部12bの周囲に位置する弁箱内面10Bにも接した状態である。ここで、逆圧とは、閉弁状態から開弁状態の方向へ弁体に対して圧力が加わることである。
【0294】
中立弁体5が逆圧を受けた場合、弁板付勢部80により、可動弁板部50は可動弁枠部60に対して往復方向B2(
図22)に摺動しながら移動する。可動弁枠部60と可動弁板部50の間は、摺動シールパッキン52を介してシール状態が維持される。
これにより、可動弁板部50は、第2開口部12bの周囲の弁箱内面10Bに衝突する。このとき、カウンタークッション51が、可動弁板部50における衝突による衝撃を緩和する。中立弁体5の受けた力を弁箱10の弁箱内面10B(裏側のボディ)で受けさせる機構が、逆圧キャンセル機構である。
【0295】
さらに、正圧/差圧無とし、この状態において、弁枠付勢部90により、可動弁枠部60を弁箱10の内面から引き離し、可動弁枠部60を退避させることによって、流路Hを開放する(解除動作)。
【0296】
このように、本実施形態の仕切りバルブ100においては、スプリングバック機能を有し、ノーマルクローズが可能である。弁体の部品点数を削減できる。約100%の逆圧キャンセル率が得られる。弁体の駆動力を抑制できる。確実な閉塞動作が可能となる。動作上の安全性を向上することもできる。高い信頼性の仕切り動作が可能である。
【0297】
なお、上述した各実施形態において、それぞれの構成を組み合わせた構成とすることも可能である。
【実施例】
【0298】
以下、本発明にかかる実施例を説明する。
【0299】
ここで、本発明における油圧駆動システムの具体例として、性能検討について説明する。
【0300】
<組み合わせ例>
まず、モータ705mの種類と、これに対して必要な逆転対応部の構成、および、その際必要な電力、組み合わせた構成における寿命について検討した。
【0301】
ここで、モータ705mとしては、DCブラシ付きモータ、DCコアレスブラシレスモータ、ステッピングモータについて検討した。また、これらのモータにおけるコギングトルク対策が必要かどうかを検討した。
逆転対応部の構成としては、油圧逆流時の駆動系逆転を防止するためのソレノイドバルブ、励磁クラッチ705d、励磁ブレーキ705bについて検討した。また、回生電流処理部705cが必要かどうかについて検討した。
【0302】
さらに、駆動に必要な電力と、組み合わせた構成における寿命とについて検討した。
なお、電力は、DCブラシ付きモータにおける大きさを1として比較した。また、寿命についても、同様に、DCブラシ付きモータにおけるメンテナンスフリーとなる長さ(駆動回数)を1として比較した。
これらの検討結果を表1に示す。
【0303】
【表1】
【0304】
表1に示す結果から、本発明におけるDCコアレスブラシレスモータを採用し、励磁ブレーキ705bと回生電流処理部705cとを設けた場合、電力は1.3程度となるが、寿命が5倍まで伸びることがわかる。
表1に示す結果から、本発明におけるDCブラシ付きモータを採用し、励磁ブレーキ705bと励磁クラッチ705dを設けた場合、寿命が1倍程度となるが、電力は1倍となることがわかる。