(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記内周クランク部は、前記可動弁板部の径方向における前記周溝の外周壁の幅寸法が、前記可動弁板部の径方向における前記周溝の内周壁の幅寸法よりも大きく設定される
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか記載の仕切りバルブ。
前記内周クランク部の外周面には、前記板摺動シール部として前記可動弁枠部に摺動可能に接触する摺動シール部材が設けられるとともに、前記摺動シール部材に接しない外周溝が設けられる、
ことを特徴とする請求項1から9のいずれか記載の仕切りバルブ。
前記可動弁板部には、前記弁開口遮蔽位置において前記可動弁枠部が前記第1開口部に接触するとともに、前記弁板付勢部の付勢力よりも前記第1開口部から前記第2開口部へと向かう流路圧力が大きくなった場合に、前記第2開口部の周縁と接触するシール部材が、前記周溝よりも前記可動弁板部の径方向外側位置に設けられる
ことを特徴とする請求項1から11のいずれか記載の仕切りバルブ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、大口径化にともなって弁体の重量が増加する。このため、弁体を駆動するために必要な駆動力も大きくなる。したがって、従来の駆動手段では、をそのまま弁体の駆動に支障を来す可能性があるという問題がある。そのため、弁体を軽量化したいという要求が発生した。
【0007】
ところが、大口径化した振り子バルブにおいて軽量化をおこなおうとすると、弁体などの強度が不足する可能性があり、その場合、動作信頼性が低下する可能性があった。
特に、振り子バルブは逆圧キャンセルの信頼性低下を防止したいという要求がある。つまり、振り子バルブで仕切る流路に沿った方向において、どちらの向きにおいても、シール性が遜色なく維持されることが求められている。
【0008】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、以下の目的を達成しようとするものである。
1.仕切りバルブにおける大口径化に対応可能とすること。
2.弁体の軽量化を可能とすること。
3.動作信頼性の低下を防止すること。
4.差圧方向の違いによる逆圧キャンセル性能を同レベルに維持すること。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の仕切りバルブは、流路を仕切る仕切りバルブであって、
前記流路に挿入されるとともに互いに対向して連通し前記流路を形成する第1開口部および第2開口部を有する弁箱と、
前記弁箱内の中空部内に位置して前記流路を開放および閉塞可能な弁体と、
前記弁体を前記中空部内における退避位置と弁開口遮蔽位置との間で回転可能に支持するとともに流路方向に延在する軸線を有する回転軸と、
前記弁体を回転駆動可能な回転駆動部と、
前記回転軸に前記弁体を接続する中立弁部と、
前記中立弁部に対して前記流路方向に位置移動可能として前記弁体に設けられる可動弁枠部と、
前記中立弁部と前記可動弁枠部とを接続する弁枠付勢部と、
前記可動弁枠部に対して板摺動シール部を介して前記流路方向に位置移動可能として前記弁体に設けられる可動弁板部と、
前記可動弁枠部と前記可動弁板部とを接続する弁板付勢部と、
前記弁箱に設けられて前記弁開口遮蔽位置の前記可動弁枠部を前記第1開口部の周縁に接触する弁閉塞位置に向けて移動可能な弁箱付勢部と、
前記弁箱付勢部を駆動する駆動部と、
を具備し、
前記可動弁板部の縁部全周には、前記板摺動シール部を外周位置に有する内周クランク部が設けられ、
前記内周クランク部の周方向には前記流路方向に深さを有する周溝が設けられることにより上記課題を解決した。
本発明の仕切りバルブは、前記可動弁板部の縁部には複数の前記弁板付勢部が設けられ、前記可動弁板部の外縁における周方向において、前記周溝が複数の前記弁板付勢部の間に周設されることができる。
本発明において、前記周溝には、底面と側面との間を湾曲して接続する湾曲部が設けられることが好ましい。
本発明の仕切りバルブは、前記周溝における前記湾曲部の曲率半径Rmは、前記第1開口部の径寸法R1に対して、
0.01≦ Rm/R1 ≦0.02
の範囲となるように設定されることが可能である。
また、本発明の仕切りバルブにおいて、前記可動弁板部の径方向における前記周溝の幅寸法Rnは、前記第1開口部の径寸法R1に対して、
0.03≦ Rn/R1 0.04
の範囲となるように設定される手段を採用することもできる。
本発明の仕切りバルブは、前記内周クランク部は、前記可動弁板部の径方向における前記周溝の外周壁の幅寸法が、前記可動弁板部の径方向における前記周溝の内周壁の幅寸法よりも大きく設定されることができる。
また、本発明の仕切りバルブは、前記可動弁板部において、前記内周クランク部の中心側の弁板の中心位置には前記弁板の径方向外側よりも大きな厚さ寸法を有する厚肉部が設けられることができる。
本発明の仕切りバルブは、前記厚肉部の径寸法Rkは、前記第1開口部の径寸法R1に対して、
0.36≦ Rk/R1 ≦0.55
の範囲となるように設定されることができる。
本発明の仕切りバルブは、前記可動弁板部において、前記内周クランク部と、前記内周クランク部の中心側の弁板とが、前記周溝の底部よりも前記周溝の開口側に近接した位置で接続されることができる。
本発明の仕切りバルブは、前記内周クランク部の外周面には、前記板摺動シール部として前記可動弁枠部に摺動可能に接触する摺動シール部材が設けられるとともに、前記摺動シール部材に接しない外周溝が設けられることができる。
本発明の仕切りバルブは、前記摺動シール部材が、前記外周溝よりも前記周溝の開口側に近接した位置に設けられることができる。
本発明の仕切りバルブは、前記可動弁板部には、前記弁開口遮蔽位置において前記可動弁枠部が前記第1開口部に接触するとともに、前記弁板付勢部の付勢力よりも前記第1開口部から前記第2開口部へと向かう流路圧力が大きくなった場合に、前記第2開口部の周縁と接触するシール部材が、前記周溝よりも前記可動弁板部の径方向外側位置に設けられることができる。
【0010】
本発明の仕切りバルブは、流路を仕切る仕切りバルブであって、
前記流路に挿入されるとともに互いに対向して連通し前記流路を形成する第1開口部および第2開口部を有する弁箱と、
前記弁箱内の中空部内に位置して前記流路を開放および閉塞可能な弁体と、
前記弁体を前記中空部内における退避位置と弁開口遮蔽位置との間で回転可能に支持するとともに流路方向に延在する軸線を有する回転軸と、
前記弁体を回転駆動可能な回転駆動部と、
前記回転軸に前記弁体を接続する中立弁部と、
前記中立弁部に対して前記流路方向に位置移動可能として前記弁体に設けられる可動弁枠部と、
前記中立弁部と前記可動弁枠部とを接続する弁枠付勢部と、
前記可動弁枠部に対して板摺動シール部を介して前記流路方向に位置移動可能として前記弁体に設けられる可動弁板部と、
前記可動弁枠部と前記可動弁板部とを接続する弁板付勢部と、
前記弁箱に設けられて前記弁開口遮蔽位置の前記可動弁枠部を前記第1開口部の周縁に接触する弁閉塞位置に向けて移動可能な弁箱付勢部と、
前記弁箱付勢部を駆動する駆動部と、
を具備し、
前記可動弁板部の縁部全周には、前記板摺動シール部を外周位置に有する内周クランク部が設けられ、
前記内周クランク部の周方向には前記流路方向に深さを有する周溝が設けられる。
これにより、周溝の内周壁が弁板に接続され、周溝の外周壁の外周位置が板摺動シール部として可動弁枠部と摺動可能に接触する。したがって、弁板の表裏位置における圧力である流路の差圧が変化して、弁板の表裏での圧力値の大小が逆転した場合でも、弁板の応力による変形は、周溝の内周壁および底部で留めて、周溝の外周壁の板摺動シール部が変形しない。これにより、流路の差圧が変化した場合でも、周溝の外周壁の外周位置における板摺動シール部での可動弁枠部とのシールを維持することができる。
したがって、仕切りバルブの口径を増大した場合、つまり、第1開口部および第2開口部の径寸法を大きくする大口径化した場合でも、弁体にかかる圧力の増大に対応して、シールを維持することができる。
これにより、流路方向に発生する差圧が大きい場合、たとえば可動弁板部の一面側に1MPa程度の圧力が作用し、可動弁板部の他面側が真空状態とされた場合でも、仕切りバルブにおけるシール状態を維持することができる。
しかも、弁体が同じ口径である場合に、周溝を設けない構成に比べて、前記可動弁枠部の径方向における内周クランク部の幅寸法が増大する。これにより、前記可動弁枠部における内周クランク部の中心側となる弁板の径寸法を削減することができる。したがって、弁板の面積を削減することで、結果的に、流路方向の差圧によって弁板に作用する変形力を削減することが可能となる。
同時に、前記可動弁枠部の径方向における内周クランク部の幅寸法を増大して、前記可動弁枠部の強度を増加した場合でも、周溝の内側部分の構成材に対応する重量をなくすことによって内周クランク部の重量を減少し、軽量化することができる。ここで、周溝は可動弁枠部のほぼ全周に設けられるため、仕切りバルブの口径が大きい場合、たとえば、20インチを超過するサイズの場合には、1キログラム単位、あるいは、10kgオーダーでの軽量化を図ることができる。
つまり、大口径化と軽量化とを同時に実現することが可能となる。
【0011】
本発明の仕切りバルブは、前記可動弁板部の縁部には複数の前記弁板付勢部が設けられ、前記可動弁板部の外縁における周方向において、前記周溝が複数の前記弁板付勢部の間に周設される。
これにより、弁板付勢部以外の部分である周溝によって、内周クランク部の外周位置へ、流路方向の圧力差に起因する応力の影響を低減して、可動弁板部が変形して板摺動シール部におけるシール性が低下してしまうことを防止できる。
ここで、弁板付勢部は、可動弁板部の外縁における周方向に、たとえば4箇所程度設けられることができる。したがって、これ以外の可動弁板部の外縁における全周で板摺動シール部の変形を防止することができる。
また、弁板付勢部の設けられた内周クランク部は、弁板付勢部における付勢力による動作を確実におこなうために、充分な強度を有する。したがって、可動弁板部の外縁における周方向で、弁板付勢部の部分と、周溝の部分、つまり、可動弁板部の外縁における全周において、充分な変形耐性を有することができる。
【0012】
本発明において、前記周溝には、底面と側面との間を湾曲して接続する湾曲部が設けられる。
これにより、弁板に作用する流路方向の差圧が大きい場合に発生する応力を内周クランク部で抑制して、板摺動シール部が変形しないようにするとともに、内周クランク部の周溝付近における応力集中を回避し、変形等の発生を防止することができる。特に、流路方向の差圧が大きい場合には、周溝には、底面と側面との境界位置で応力集中が起こりやすいため、湾曲部を設けることで、この部分での応力集中を抑制することが可能となる。
【0013】
本発明の仕切りバルブは、前記周溝における前記湾曲部の曲率半径Rmは、前記第1開口部の径寸法R1に対して、
0.01≦ Rm/R1 ≦0.02
の範囲となるように設定される。
これにより、仕切りバルブの口径が大きい場合、たとえば、20インチを超過するサイズの場合で、かつ、流路方向の差圧が大きい場合、たとえば可動弁板部の一面側に1MPa程度の圧力が作用し、可動弁板部の他面側が真空状態とされた場合であっても、湾曲部付近での応力集中を抑制することが可能となる。
【0014】
また、本発明の仕切りバルブにおいて、前記可動弁板部の径方向における前記周溝の幅寸法Rnは、前記第1開口部の径寸法R1に対して、
0.03≦ Rn/R1 ≦0.04
の範囲となるように設定される。
これにより、弁板に作用する流路方向の差圧によって、流路方向に弁板の中心位置が、周溝の開口と同じ方向に凹形状となる変形が発生した場合でも、周溝の外周壁における変形を防止して、板摺動シール部のシール状体を維持する。
ここで、上述した差圧に起因して弁板が凹形状に変形した場合、可動弁板部の径方向における内側に位置する周溝の内周壁が、弁板中心の凸変形方向に引張されて可動弁板部の径方向内側に引張される。これにより、周溝の内周壁が、可動弁板部の中心側に傾斜するように変形応力を吸収し、周溝の外周壁へ伝達される応力を抑制する。したがって、周溝の外周壁が差圧のない状態から傾斜することを防止できる。さらに、流路方向の差圧が大きい場合には、周溝の内周壁に加えて、周溝の底部によって弁板からの変形応力を吸収し、周溝の外周壁が差圧のない状態から傾斜することを防止できる。
【0015】
本発明の仕切りバルブは、前記内周クランク部は、前記可動弁板部の径方向における前記周溝の外周壁の幅寸法が、前記可動弁板部の径方向における前記周溝の内周壁の幅寸法よりも大きく設定される。
これにより、周溝の内周壁および底部が積極的に変形することで、流路方向の差圧による弁板の変形に起因する応力を吸収し、周溝の外周壁へ伝達される応力を抑制する。同時に、周溝の外周壁は、差圧のない状態を維持可能な強度を有することができる。したがって、周溝の外周壁が差圧のない状態から変形することなく、シール状態を維持可能とすることができる。
【0016】
また、本発明の仕切りバルブは、前記可動弁板部において、前記内周クランク部の中心側の弁板の中心位置には前記弁板の径方向外側よりも大きな厚さ寸法を有する厚肉部が設けられる。
これにより、軽量化によって薄肉化した弁板において、厚肉部を設けることで弁板の強度低下を防止することができる。同時に、流路方向の差圧によって変形する弁板から周溝の内周壁に伝達される応力が可動弁板部の周方向において異なる状態に分布してしまうことを防止して、流路方向の差圧によって変形する弁板から周溝の内周壁に伝達される応力を可動弁板部の周方向で均一化し、板摺動シール部に不均一な応力が印加されて、シール性が低下することを防止できる。
【0017】
本発明の仕切りバルブは、前記厚肉部の径寸法Rkは、前記第1開口部の径寸法R1に対して、
0.36≦ Rk/R1 ≦0.55
の範囲となるように設定される。
これにより、流路方向の差圧による弁板の変形に起因する弁板の変形が伝達して、この応力が周溝の内周壁および底部の変形によって吸収される際に、板摺動シール部のシール状態を維持するように、弁板から周溝の内周壁へ伝達される応力を調整することができるように、弁板の変形を制御可能とすることができる。
【0018】
本発明の仕切りバルブは、前記可動弁板部において、前記内周クランク部と、前記内周クランク部の中心側の弁板とが、前記周溝の底部よりも前記周溝の開口側に近接した位置で接続される。
これにより、弁板が周溝の内周壁に接続される接続位置を、深さ方向(流路方向)の中心位置より開口端側となる位置として設定することができる。したがって、流路方向の差圧により弁板の中心が凹形状、または、凸形状に変形した際に、弁板周縁部が形成する傾斜に追従して、周溝の内周壁が傾斜し、この内周壁の傾斜によって、変形応力を周溝の外周壁に伝達しないようにすることができる。
これに対し、弁板が周溝の内周壁に接続される接続位置を、深さ方向(流路方向)の中心位置より底部側となる位置として設定した場合には、周溝の内周壁が傾斜する作用が弱くなり、周溝の外周壁に伝達する変形応力が増加してしまうことになる。
【0019】
本発明の仕切りバルブは、前記内周クランク部の外周面には、前記板摺動シール部として前記可動弁枠部に摺動可能に接触する摺動シール部材が設けられるとともに、前記摺動シール部材に接しない外周溝が設けられる。
これにより、摺動シール部材による可動弁枠部と可動弁板部とのシールに影響しないように、内周クランク部をその外周面から掘削して、外周溝に相当する構成材の重量を削減して、薄肉化し、軽量化をはかることができる。
ここで、たとえば、仕切りバルブが22インチ程度の口径であると、幅5mm程度、深さ5mm程度の外周溝を設けるだけで、弁体において0.5〜1kg程度の軽量化をおこなうことができる。
【0020】
本発明の仕切りバルブは、前記摺動シール部材が、前記外周溝よりも前記周溝の開口側に近接した位置に設けられる。
これにより、流路方向の差圧により弁板の中心が凹形状、または、凸形状に変形して弁板の周縁部が傾斜した際に、弁板の周縁部の傾斜に追従して傾斜する周溝の内周壁の影響が、外周壁に伝達される周溝の底部から離間した位置に摺動シール部材が位置するため、摺動シール部材に与える影響を低減し、シール性を維持することが可能となる。
【0021】
本発明の仕切りバルブは、前記可動弁板部には、前記弁開口遮蔽位置において前記可動弁枠部が前記第1開口部に接触するとともに、前記弁板付勢部の付勢力よりも前記第1開口部から前記第2開口部へと向かう流路圧力が大きくなった場合に、前記第2開口部の周縁と接触するシール部材が、前記周溝よりも前記可動弁板部の径方向外側位置に設けられる。
開口側に近接した位置に設けられる。
これにより、流路方向の差圧により弁板の中心が凹形状、または、凸形状に変形して弁板の周縁部が傾斜した際に、弁板の周縁部の傾斜に追従して傾斜する周溝の内周壁の影響が、この内周壁から離間した位置にシール部材が設けられるため、シール部材に与える影響を低減することが可能となる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、振り子動作タイプの仕切りバルブにおいて、大口径化と軽量化とを同時に実現するとともに、シール確実性と動作確実性とを向上することができるという効果を奏することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明に係る仕切りバルブの第1実施形態を、図面に基づいて説明する。
また、以下の説明に用いる各図においては、各構成要素を図面上で認識し得る程度の大きさとするため、各構成要素の寸法及び比率が実際のものとは適宜に異ならせてある。
本発明の技術範囲は、以下に述べる実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0025】
図1は、本実施形態における仕切りバルブを示す流路と直交する断面図である。
図2は、本実施形態における仕切りバルブを示す流路に沿った断面図である。
図3は、本実施形態における仕切りバルブの周縁部を示す流路に沿った拡大断面図である。
図において、符号100は、仕切りバルブである。
【0026】
本実施形態に係る仕切りバルブ100は、第1空間と第2空間とをつなげている流路Hを仕切り、また、この仕切り状態を開放する。つまり、仕切りバルブ100は、流路Hを閉鎖した状態と、第1空間と第2空間とをつなぐ状態と、を切り替える。
仕切りバルブ100は、
図1,
図2に示すように、弁箱10と、中空部11と、弁体5と、回転軸20と、回転駆動部21と、弁箱付勢部(押しつけシリンダ)70と、油圧駆動手段(駆動部)700と、を備える。
【0027】
弁箱10の内部には中空部11が形成される。弁箱10は、中空部11を有するフレームによって構成される。
弁箱10には、中空部11を挟んで互いに対向するように第1開口部12aおよび第2開口部12bが設けられる。
【0028】
第1開口部12aから第2開口部12bまでは中空部11を介して連通される。
第1開口部12aから第2開口部12bに向かって流路Hが設定されている。
第1開口部12aと第2開口部12bとは、略同一輪郭を有する。
第1開口部12aは、円形輪郭を有する。第1開口部12aは、第1空間に露出されている。
第2開口部12bは、円形輪郭を有する。第2開口部12bは、第2空間に露出されている。つまり、仕切りバルブ100は、第1空間と第2空間との間に挿入される。
なお、以下の説明において、この流路Hに沿った方向を流路H方向と称することがある。
【0029】
中空部11内には、弁体5が配置される。
弁体5は、弁閉塞位置において第1空間と第2空間とを遮断可能とされる。
弁体5は、位置切り替え部としての回転軸20に支持される。
回転軸20は、流路H方向とほぼ平行に延在する軸線を有する。回転軸20は、弁箱10を貫通する。回転軸20は、回転駆動部21により回転駆動可能である。
【0030】
回転軸20には、接続部材(不図示)が固着されている。
接続部材は、例えば、略平板状の部材である。接続部材は、回転軸20の一端に対してネジ等によって固着される。
回転軸20には、接続部材(不図示)を介して弁体5が固定される。
あるいは、回転軸20には、接続部材(不図示)を介さずに弁体5が直接接続されてもよい。
回転軸20は、弁体5の位置切り替え部として機能する。
【0031】
図4は、本実施形態における仕切りバルブの弁体を示す流路と直交する方向視した上面図である。
弁体5は、第1開口部12aおよび/または第2開口部12bを閉塞可能である。
弁体5は、弁閉塞位置と弁開放位置との間で動作する。
弁閉塞位置において、弁体5は、第1開口部12aおよび/または第2開口部12bに対して閉塞状態(
図10)にする。
弁開放位置において、弁体5は、第1開口部12aおよび/または第2開口部12bから退避した開放状態(
図1に破線で示す)にする。
弁体5は、中立弁部30、および、可動弁部40から構成されている。
【0032】
中立弁部30は、回転軸20の軸線に対して直交する方向に延在する。中立弁部30は、回転軸20の軸線に対して直交する方向に平行な面に含まれるように配置される。
【0033】
中立弁部30は、
図1〜
図3に示すように、円形部30aと回転部30bとを有する。
円形部30aは、第1開口部12aおよび/または第2開口部12bの輪郭よりやや大きなリング状とされる。
円形部30aの内側となる位置には、可動弁部40が配置される。
円形部30aの内周は、流路H方向視して、第1開口部12aおよび/または第2開口部12bとほぼ重なるように配置される。
回転部30bは、回転軸20と円形部30aとの間に位置する。
回転部30bは、回転軸20の回転に伴って円形部30aを回転させる。
【0034】
回転部30bは、回転軸20から円形部30aに向けて拡径するように延在する平板形状で形成されている。
回転部30bは、回転軸20から円形部30aに向けて複数本の腕が延びたアーム形状とされてもよい。
これら回転軸20および中立弁部30は、弁箱10に対して回動はするが、流路H方向には位置変動しない。
【0035】
可動弁部40は略円板状とされる。
可動弁部40は、中立弁部30に対して流路H方向の位置が変更可能に接続される。
つまり、可動弁部40は、中立弁部30に対して厚さ方向のみ摺動可能として接続される。
可動弁部40は、流路H方向に互いに移動可能な2つの部分からなる。つまり、可動弁部40は、可動弁枠部60(スライド弁枠)と可動弁板部50(カウンター板)とを備える。
【0036】
可動弁枠部60は、円形部30aと略同心状の略円環状とされる。
可動弁枠部60は、円形部30aにおける径方向の内側に位置する。
可動弁枠部60は、円形部30aに嵌合される。可動弁枠部60は、中立弁部30に対して流路H方向に摺動可能とされる。可動弁枠部60は、中立弁部30に対して流路H方向に位置移動可能とされる。
可動弁枠部60は、外周クランク部60cと、内枠板60dと、外枠板60eと、を有する。
【0037】
外周クランク部60cは、第1開口部12aおよび/または第2開口部12bの輪郭よりやや大きな輪郭を有するリング状または円筒状に形成される。
外周クランク部60cは、可動弁枠部60の外縁における全周に形成される。
外周クランク部60cは、流路H方向と平行な摺動面60bを有する。
摺動面60bは、外周クランク部60cの内周面において周方向の全長に設けられる。
摺動面60bは、後述する可動弁板部50の摺動面50bと互いに摺動可能として対向状態に位置する。
外周クランク部60cおよび内周クランク部50cは嵌合している。
【0038】
内枠板60dは、外周クランク部60cにおける可動弁枠部60の径方向内側となる位置で、外周クランク部60cの流路H方向における第1開口部12a側端部に周設される。
内枠板60dは、弁板50dと平行なフランジ状に形成される。
流路H方向における内枠板60dの第2開口部12b側には、内周クランク部50cが位置する。
内枠板60dにおける可動弁枠部60の径方向となる幅寸法は、内周クランク部50cは、可動弁枠部60の径方向となる幅寸法とほぼ等しく設定される。
【0039】
外枠板60eは、外周クランク部60cにおける可動弁枠部60の径方向外側となる位置で、外周クランク部60cの流路H方向における第2開口部12b側端部に周設される。
外枠板60eは、外周クランク部60cよりも流路H方向寸法の小さい突条として、外周クランク部60cにおける可動弁枠部60の径方向外側に周設される。
流路H方向における外枠板60eの第1開口部12a側には、円形部30aが位置する。
【0040】
可動弁枠部60と中立弁部30との間には、弁枠付勢部(補助バネ)90が配置される。
可動弁枠部60は、弁枠付勢部(補助バネ)90によって、中立弁部30に対して流路H方向における位置が変更可能に接続される。
可動弁枠部60と円形部30aとは、同心状の二重円環とされる。
【0041】
可動弁枠部60には、弁箱内面10Aに対向(当接)する表面に、弁枠シールパッキン61が周設される。
弁枠シールパッキン61は、第1開口部12aの形状に対応して円環状に形成される。弁枠シールパッキン61は、例えば、Oリング等からなるシール部とされる。
弁枠シールパッキン61は、第1開口部12aの周囲に位置する弁箱内面10Aに密着可能である。
【0042】
弁枠シールパッキン61は、閉弁時に第1開口部12aの周縁となる弁箱内面10Aに接触して、可動弁枠部60および弁箱内面10Aによって押圧される。これにより、第1空間と第2空間とが仕切り状態となる。
弁枠シールパッキン61は、外周クランク部60cの第1開口部12a側となる端面に設けられる。
弁枠シールパッキン61は、外周クランク部60cにおける最外周側となる位置に設けられる。
【0043】
図5は、本実施形態における仕切りバルブの可動弁板部を示す流路と直交する方向の断面図である。
図6は、本実施形態における仕切りバルブの可動弁板部を示す流路に沿った方向視した上面図である。
図7は、本実施形態における仕切りバルブの周溝付近を示す流路に沿った方向の拡大断面図である。
図8は、本実施形態における仕切りバルブの付勢部穴付近を示す流路に沿った方向の拡大断面図である。
【0044】
可動弁板部50は、円形部30aと略同心状の円形輪郭を有する板体とされる。
可動弁板部50は、可動弁枠部60における外周クランク部60cの径方向内側に嵌合される。
つまり、可動弁板部50の径方向外側位置には、可動弁板部50の周囲を囲むように可動弁枠部60が配置される。
【0045】
可動弁板部50の内周クランク部50cと可動弁枠部60とは、同心状の二重円環とされる。
可動弁板部50は、可動弁枠部60に対して流路H方向に摺動可能とされる。
可動弁板部50は、内周クランク部50cと、弁板50dと、を有する。
【0046】
弁板50dは、内周クランク部50cの径方向内側を密閉するように設けられる。
弁板50dは、流路H方向を略直交する平板状とされる。
【0047】
内周クランク部50cは、リング状または円筒状に形成される。
内周クランク部50cは、可動弁板部50の外縁における全周に形成される。
内周クランク部50cは、第1開口部12aおよび/または第2開口部12bの輪郭よりやや大きな外側輪郭を有する。
【0048】
内周クランク部50cは、第1開口部12aおよび/または第2開口部12bの輪郭よりやや小さな内側輪郭を有する。
内周クランク部50cは、外周クランク部60cよりも小さな厚さ寸法、つまり、流路H方向寸法を有する。
内周クランク部50cは、弁板50dよりも大きな厚さ寸法、つまり、流路H方向寸法を有する。
【0049】
内周クランク部50cは、流路H方向と平行な摺動面50bを有する。
摺動面50bは、内周クランク部50cの外周面において周方向の全長に設けられる。
内周クランク部50cおよび外周クランク部60cは嵌合している。
摺動面50bと可動弁枠部60の摺動面60bとは、互いに摺動可能として対向状態に位置する。
【0050】
内周クランク部50cには、弁板付勢部(保持バネ)80が収容される付勢部穴58と周溝59とが可動弁板部50の周方向に交互に配置される。
弁板付勢部(保持バネ)80は、可動弁板部50の周方向に互いに離間した等間隔として複数設けられる。
複数の弁板付勢部(保持バネ)80を設ける箇所は、3箇所以上が好ましい。
【0051】
本実施形態では、互いに離間する弁板付勢部(保持バネ)80の配置として、弁板50dの中心Oから見て、4個の弁板付勢部(保持バネ)80が同じ角度位置(90度)で離間するように配置された構成例を示す。
弁板50dの中心Oから見て、弁板付勢部(保持バネ)80の角度位置は、弁箱付勢部(押しつけシリンダ)70と弁枠付勢部90との角度位置と重なるように構成される。
【0052】
付勢部穴58は、上記のような弁板付勢部(保持バネ)80の配置に対応して、内周クランク部50cの周方向に等間隔に4箇所設けられる。
周溝59は、隣接する付勢部穴58の間を結ぶように内周クランク部50cの周方向に周設される。
【0053】
周溝59は、流路H方向における内周クランク部50cの第1開口部12a側に開口している。これにより、内周クランク部50cには、周溝59を挟んで流路H方向に立設された内周壁59aと、外周壁59bと、内周壁59aおよび外周壁59bの間の底部59cとが形成される。
【0054】
内周壁59aと外周壁59bとは、流路H方向に延在する。
底部59cは、弁板50dと略平行な流路H方向と直交する方向に延在する。
内周壁59aは、可動弁板部50の径方向において、周溝59よりも内側に周設される。
【0055】
外周壁59bは、可動弁板部50の径方向において、周溝59よりも外側に周設される。
内周壁59aの厚さ寸法、つまり、可動弁板部50の径方向における幅寸法は、外周壁59bの厚さ寸法よりも小さく設定される。
【0056】
周溝59には、底部59cの表面(底面)と内周壁59aの表面(側面)との間を湾曲して接続する湾曲部59dが設けられる。
周溝59には、底部59cの表面(底面)と外周壁59bの表面(側面)との間を湾曲して接続する湾曲部59eが設けられる。
【0057】
湾曲部59d,59eの曲率半径Rmは、第1開口部12aの径寸法R1に対して、
0.01≦ Rm/R1 ≦0.02
の範囲となるように設定される。
【0058】
周溝59の幅寸法Rn、つまり、可動弁板部50の径方向における寸法は、第1開口部12aの径寸法R1に対して、
0.03≦ Rn/R1 ≦0.04
の範囲となるように設定される。
【0059】
周溝59の底部59cは、付勢部穴58の底部58cよりも流路H方向において、第1開口部12aに近接した位置とされる。つまり、周溝59の底部59cは、付勢部穴58の底部58cよりも厚く形成されている。
付勢部穴58の底部58cは平面状とされており、湾曲部59d,59eと同程度の曲率変形を有する湾曲部は設けないことができる。
【0060】
内周壁59aには、可動弁板部50の径方向の内側に弁板50dが接続される。
可動弁板部50において、内周クランク部50cの内周壁59aと、弁板50dの周縁部分とが、周溝59の底部59cよりも周溝59の開口側に近接した位置で接続される。
さらに、内周壁59aの内周側には、流路H方向となる可動弁板部50の厚さ方向において、内周クランク部50cの中心位置よりも第1開口部12a側となる位置に弁板50dが接続されることが好ましい。
【0061】
なお、内周壁59aと弁板50dとが接続される位置としては、流路H方向において、第1開口部12a側となる内周壁59aの端部位置から、内周クランク部50cの中心位置までの間で適宜設定することができる。
本実施形態においては、内周壁59aと弁板50dとが接続される位置として、流路H方向において、内周クランク部50cの中心位置よりも、第1開口部12a側となる内周壁59aの端部側に近接した位置に設定することができる。
【0062】
外周壁59bには、可動弁板部50の径方向外側面に、摺動面50bが周設される。
外周壁59bには、可動弁板部50の径方向外側面に、板摺動シール部としてOリング等からなる摺動シールパッキン(摺動シール部材)52が配される。
外周壁59bには、摺動シールパッキン(摺動シール部材)52を収容するための溝52mが周設される。
【0063】
摺動シールパッキン(摺動シール部材)52は、外周溝56よりも周溝59の開口側に近接した位置、つまり、流路H方向における外周壁59bの端部側となる位置に設けられる。
つまり、溝52mは、外周溝56よりも周溝59の開口側に近接した位置、つまり、流路H方向における外周壁59bの端部側となる位置に設けられる。
溝52mは、流路H方向となる可動弁板部50の厚さ方向において、外周壁59bの第1開口部12a側に位置する。
【0064】
外周壁59bには、可動弁板部50の径方向外側位置に、Oリング等からなるカウンタークッション(シール部材)51を収容するための溝51mの設けられた突条が周設される。
溝51mは、突条における第2開口部12b側となる端面に設けられる。
溝51mの設けられた突条は、流路H方向となる可動弁板部50の厚さ方向において、外周壁59bの第2開口部12b側に位置する。
溝51mは、可動弁板部50の径方向において、外周壁59bよりも外側に位置する。
【0065】
流路H方向における溝52mと溝51mとの間となる外周壁59bの外側面には、外周溝56が設けられる。
外周溝56は、摺動シールパッキン(摺動シール部材)52に接しないように配置される。
【0066】
摺動シールパッキン(摺動シール部材)52は、内周クランク部50cと外周クランク部60cとの間に配される。
摺動シールパッキン52により、摺動時における摺動面50bと摺動面60bとのシール状態を維持する。
【0067】
摺動面50b、摺動シールパッキン(摺動シール部材)52、摺動面60bは、板摺動シール部を構成する。
【0068】
可動弁板部50の弁板50dは、内周クランク部50cに接続される周縁部分に対して、可動弁板部50の中心O側となる領域が、大きな厚さ寸法を有する厚肉部50kとされる。が設けられる。
つまり、弁板50dには、径方向外側よりも中心O側に厚肉部50kが設けられる。
【0069】
厚肉部50kの径寸法Rkは、第1開口部の径寸法R1に対して、
0.36≦ Rk/R1 ≦0.55
の範囲となるように設定される。
厚肉部50kは、弁板50dの中心Oと同心状に形成される。
【0070】
厚肉部50kの縁部は、径方向外側となだらかに厚さ寸法が変化するように形成されている。
厚肉部50kの厚さ寸法Tkは、厚肉部50kの領域内で、略均一になるように設定される。
【0071】
可動弁板部50と可動弁枠部60とは、弁板付勢部80(保持バネ)によって接続される。
【0072】
可動弁板部50と可動弁枠部60とは、
図2に符号B1,B2で示された往復方向に、互いに相対的な摺動が可能である。
往復方向B1,B2とは、可動弁板部50および可動弁枠部60の面に垂直な方向である。往復方向B1,B2とは、回転軸20の軸方向に平行な流路H方向である。
【0073】
可動弁板部50には、弁箱内面10Bに対向(当接)する表面に、カウンタークッション(シール部材)51が周設される。
カウンタークッション(シール部材)51は、第2開口部12bの形状に対応して円環状に形成される。
カウンタークッション(シール部材)51は、閉弁時に第2開口部12bの周縁となる弁箱内面10Bに密着可能である。
【0074】
カウンタークッション(シール部材)51は、Oリング等からなるシール部とされる。
カウンタークッション(シール部材)51は、内周クランク部50cの第2開口部12b側となる端面に設けられる。
カウンタークッション(シール部材)51は、内周クランク部50cにおける最外周位置に設けられる。
【0075】
カウンタークッション(シール部材)51は、閉弁時に第2開口部12bの周縁となる弁箱内面10Bに接触して、可動弁板部50および弁箱内面10Bによって押圧される。
これにより、第1空間と第2空間とが仕切り状態となる。
【0076】
カウンタークッション(シール部材)51は、弾性体である。
カウンタークッション(シール部材)51は、可動弁板部50と弁箱内面10Bとの衝突時に、弾性変形する。
カウンタークッション(シール部材)51は、可動弁板部50が弁箱内面10Bに衝突する際の衝撃を緩和する。これにより、ゴミの発生を防ぐことが可能となる。
【0077】
カウンタークッション(シール部材)51と摺動シールパッキン(摺動シール部材)52と弁枠シールパッキン61とは、ほぼ同一円筒面上に配置される。
つまり、カウンタークッション(シール部材)51と摺動シールパッキン(摺動シール部材)52と弁枠シールパッキン61とが、流路H方向視して、互いに重なるように配置される。
このため、約100%の逆圧キャンセル率が得られる。
【0078】
可動弁板部50には気抜き穴53が設けられる。
気抜き穴53は、外周溝56の内部と、カウンタークッション51よりも中心側となる内周クランク部50cの第2開口部12bとなる面とを連通する。
可動弁板部50と弁箱内面10Bとが衝突した際に、可動弁板部50と弁箱内面10Bとカウンタークッション51とによって密閉空間が形成される。気抜き穴53は、この密閉空間から気体を除去する。
【0079】
弁板付勢部(保持バネ)80は、可動弁板部50の付勢部穴58に内蔵される。
弁板付勢部80は、流路H方向視して可動弁枠部60と可動弁板部50とが重なる領域、つまり、可動弁枠部60の内枠板60dと可動弁板部50の内周クランク部50cとに配置される。
【0080】
弁板付勢部(保持バネ)80は、可動弁板部50の周方向に互いに離間した等間隔として複数設けられる。
弁板付勢部80を設ける箇所は、3箇所以上が好ましく、互いに離間して設けられる。
図6には、弁板50dの中心Oから見て、4個の弁板付勢部80が同じ角度位置(90°)に配された構成例を示している。
【0081】
弁板付勢部80は、ボルト状のガイドピン81の長軸部によって、可動弁板部50の動きを誘導(規制)する。ガイドピン81は、可動弁枠部60の内枠板60dに固定される。
弁板付勢部80を構成する保持バネ82は、例えばスプリングなどの弾性部材とされて、付勢部穴58の軸線と平行な付勢軸を有する配置とされている。
【0082】
弁板付勢部80は、可動弁枠部60と可動弁板部50との流路H方向における厚み寸法を変更可能である。
弁板付勢部80は、可動弁枠部60の動く往復方向B1,B2へ可動弁板部50を連動させる。
【0083】
ガイドピン81は、太さ寸法が均一の棒状体で構成されている。
ガイドピン81は、弁板付勢部80内を貫通する。ガイドピン81は、流路H方向に立設されて可動弁枠部60の内枠板60dに固設される。
ガイドピン81は、可動弁板部50の付勢部穴58を塞ぐ蓋部58fに形成された孔部58gに嵌合している。
ガイドピン81は、可動弁板部50と可動弁枠部60の位置規制を誘導する。
【0084】
保持バネ82の一端は、可動弁板部50の付勢部穴58の底部となるガイドピン81の端部の拡径部分81aに対して固定されている。
保持バネ82の他端は、付勢部穴58を塞ぐ蓋部58fに対して当接している。
保持バネ82は、可動弁板部50の付勢部穴58の底部側となるガイドピン81の拡径部分81aと、付勢部穴58を塞ぐ蓋部58fとに対して付勢する。
保持バネ82は、たとえば、二重に設けて、付勢力を強化することもできる。
【0085】
弁板付勢部80においては、可動弁板部50と可動弁枠部60とが互いに摺動する際に、蓋部58fに形成された孔部58gにおいて、ガイドピン81が軸方向に移動する。すると、保持バネ82が収縮する。
収縮した保持バネ82の付勢力によって、付勢部穴58を塞ぐ蓋部58fが、付勢部穴58の底部側となるガイドピン81の拡径部分81aに対して付勢される。これにより、蓋部58fとガイドピン81の拡径部分81aとが離間する方向に、可動弁板部50と可動弁枠部60とが互いに移動することになる。
【0086】
弁板付勢部80により、可動弁板部50と可動弁枠部60とが互いに摺動する際に、摺動方向が、往復方向B1,B2からずれないように規制できる。
また、可動弁板部50と可動弁枠部60とが摺動した際にも、可動弁板部50および可動弁枠部60の姿勢が変化せずに平行移動を行うことができる。
【0087】
弁板付勢部80(保持バネ)と弁枠付勢部(補助バネ)90とは、互いに逆方向となる流路H方向に付勢可能な付勢力を有するように設けられる。
【0088】
弁枠付勢部(補助バネ)90は、中立弁部30の円形部30aと、流路H方向視して円形部30aと重なる可動弁枠部60の位置規制部となる外枠板60eと、の間に配置される。
弁枠付勢部(補助バネ)90は、中立弁部30に対して、可動弁枠部60を流路H方向における中央位置に向けて付勢する。
【0089】
弁枠付勢部(補助バネ)90は、外枠板60eの付勢部穴68に内蔵される。
弁枠付勢部(補助バネ)90は、流路H方向視して中立弁部30と可動弁枠部60とが重なる領域、つまり、中立弁部30の円形部30aと可動弁枠部60の外枠板60eとに配置される。
【0090】
複数の弁枠付勢部(補助バネ)90は、円形部30aの周方向に等間隔を有する配置とされる。
弁枠付勢部(補助バネ)90を設ける箇所は、弁板付勢部80に対応して3箇所以上が好ましく、互いに離間して設けられる。
図4には、弁体の中心Oから見て、4個の弁枠付勢部(補助バネ)90が同じ角度位置(90°)に配された構成例を示している。
弁板50dの中心Oから見て、円形部30aの周方向における弁枠付勢部(補助バネ)90の角度位置は、可動弁板部50の周方向における弁板付勢部(保持バネ)80の角度位置と重なるように構成される。
【0091】
弁枠付勢部(補助バネ)90は、ガイドピン91の長軸部によって、可動弁枠部60の動きを誘導(規制)する。
ガイドピン91は、可動弁枠部60の外枠板60eに設けられた付勢部穴68の底部に固定される。
ガイドピン91は、可動弁枠部60の付勢部穴68の底部を塞ぐ蓋部に固定されてもよい。
【0092】
付勢部穴68は、外枠板60eに付勢部穴58と同じ向きに開口して設けられる。つまり、付勢部穴68は、流路H方向において、第1開口部12aに対向する側に開口する。付勢部穴68は、流路H方向に軸線を有する円筒状に形成される。
弁枠付勢部(補助バネ)90を構成する補助バネは、例えばスプリングなどの弾性部材とされて、付勢部穴68の軸線と平行な付勢軸を有する配置とされている。
【0093】
弁枠付勢部(補助バネ)90は、中立弁部30と可動弁枠部60との流路H方向における厚み寸法を変更可能である。
弁枠付勢部(補助バネ)90は、流路H方向には位置移動しない中立弁部30に対して、可動弁枠部60を往復方向B1,B2へ位置移動させる。この流路H方向における可動弁枠部60の位置移動に対して、弁板付勢部80により可動弁板部50が追従して往復方向B1,B2へ位置移動する。なお、弁板50dに流路H方向の差圧が印加されている場合には、この限りではない。
【0094】
ガイドピン91は、太さ寸法が均一の棒状体で構成されている。
ガイドピン91は、弁枠付勢部(補助バネ)90内を貫通する。ガイドピン91は、流路H方向に立設されて可動弁枠部60の外枠板60eに固設される。
ガイドピン91は、中立弁部30の円形部30aに形成された孔部68gに嵌合している。
ガイドピン91は、中立弁部30に対する可動弁枠部60の位置規制を誘導する。
【0095】
補助バネ92の一端は、可動弁枠部60の付勢部穴68の底部に当接している。
補助バネ92の他端は、中立弁部30の孔部68gの周囲となる円形部30aに対して当接している。
補助バネ92は、可動弁枠部60の付勢部穴68の底部と、中立弁部30の孔部68gの周囲となる円形部30aとに対して付勢する。
【0096】
弁枠付勢部(補助バネ)90においては、可動弁枠部60が中立弁部30に対して移動する際に、円形部30aに形成された孔部68gにおいて、ガイドピン91が軸方向に移動する。すると、補助バネ92が収縮する。
収縮した補助バネ92の付勢力によって、付勢部穴68の底部が、孔部68gの周囲となる円形部30aに対して付勢される。これにより、付勢部穴68の底部と円形部30aとが離間する方向に、可動弁枠部60が中立弁部30に対して位置移動することになる。
【0097】
弁枠付勢部(補助バネ)90により、可動弁枠部60が中立弁部30に対して位置移動する際に、可動弁枠部60の移動方向が、往復方向B1,B2からずれないように規制できる。
また、可動弁枠部60が中立弁部30に対して位置移動した際にも、可動弁枠部60が中立弁部30に対する姿勢が変化せずに平行移動を行うことができる。つまり、可動弁枠部60が、弁枠付勢部(補助バネ)90により、中立弁部30に対して流路H方向に移動した際に、可動弁板部50の弁板50dが回転軸20の軸線に直交する姿勢を維持する状態、すなわち、可動弁板部50の弁板50dが回転軸20の軸線に対して傾かない状態を維持することができる。
【0098】
弁箱10には、複数の弁箱付勢部(押しつけシリンダ)70が内蔵されている。
弁箱付勢部(押しつけシリンダ)70は、可動弁枠部60をシール面に向く方向に押圧する昇降機構を構成している。
弁箱付勢部(押しつけシリンダ)70は、油圧駆動手段(駆動部)700に接続されており油圧によって駆動される。
【0099】
弁箱付勢部(押しつけシリンダ)70は、可動弁枠部60を流路H方向において第1開口部12aに近接する方向に付勢可能な位置、つまり、第2開口部12bの周囲となる位置に配置される。
【0100】
弁箱付勢部(押しつけシリンダ)70は、油圧駆動部(固定部)71と、伸縮ロッド(可動部)72とを有する。
油圧駆動部(固定部)71は、油圧駆動手段(駆動部)700に接続されている。油圧駆動部(固定部)71は、油圧駆動手段700から供給された油圧(加圧非圧縮性流体)によって伸縮ロッド(可動部)72を伸縮可能とされる。
油圧駆動部(固定部)71は、中空部11に対して弁箱内面10Bよりも外側となるフレームの内部に埋め込まれた配置とされる。
【0101】
可動部72は、流路H方向に沿って固定部71から第1開口部12aに近接する方向に伸長自在とされる。
弁箱付勢部(押しつけシリンダ)70には、油圧駆動時に、作動流体である油が、可動弁枠部60側となる真空側に漏れないように、多段のシール手段が設けられる。
例えば、可動部72の周囲には、先端部72a側となる位置にリング状のシール部材(Oリング)75が設けられる。伸縮ロッド(可動部)72は、油圧駆動部(固定部)71側と可動弁枠部60側となる真空側とをシールした状態で伸縮自在とされる。
【0102】
弁箱付勢部(押しつけシリンダ)70は、可動弁枠部60を第1開口部12aに向けて移動させる機能を有する。弁箱付勢部(押しつけシリンダ)70は、可動弁枠部60を弁箱内面10Aに当接させ、可動弁枠部60を弁箱内面10Aに押圧して、流路Hを閉鎖する(閉弁動作)。
【0103】
複数の弁箱付勢部(押しつけシリンダ)70は、可動弁枠部60の姿勢を変化させずに付勢可能な位置として弁箱10に配される。
具体的には、弁箱付勢部(押しつけシリンダ)70は、伸縮ロッド(可動部)72の軸線が、弁枠付勢部(補助バネ)90のガイドピン91軸線と一致するように配置される。
複数の弁箱付勢部(押しつけシリンダ)70は、第2開口部12bの周囲に沿って離間して設けられる。
【0104】
弁箱付勢部(押しつけシリンダ)70を設ける箇所は、弁板付勢部80および弁枠付勢部(補助バネ)90に対応して3箇所以上が好ましく、互いに等間隔に離間して設けられる。
図4には、弁体の中心Oから見て、弁枠付勢部(補助バネ)90と同様に、4個の弁箱付勢部(押しつけシリンダ)70が同じ角度位置(90°)に配された構成例を示している。
弁板50dの中心Oから見て、円形部30aの周方向における弁箱付勢部(押しつけシリンダ)70の角度位置は、可動弁板部50の周方向における弁板付勢部(保持バネ)80および弁枠付勢部(補助バネ)90の角度位置と重なるように構成される。
つまり、弁箱付勢部(押しつけシリンダ)70と弁板付勢部(保持バネ)80と弁枠付勢部(補助バネ)90とは、弁板50dの中心Oを通る同じ直線上に位置するように配置される。
【0105】
開弁状態(
図18)から閉弁状態(
図23)とする場合に、弁箱付勢部(押しつけシリンダ)70は、油圧によって伸縮ロッド(可動部)72を伸張させる。
【0106】
このとき、弁箱付勢部(押しつけシリンダ)70は、先端部72aの当接した可動弁枠部60を付勢する。これにより、可動弁枠部60が流路H方向に第1開口部12aに向けて移動する。弁枠シールパッキン61が第1開口部12aの周囲の弁箱内面10Aに密着する。
【0107】
複数の弁箱付勢部(押しつけシリンダ)70においては、伸縮ロッド(可動部)72の伸長動作がいずれもほぼ同時に動作可能とされる。
【0108】
図9は、
図2における油圧駆動手段および付勢部(押しつけシリンダ)を示す説明図である。
油圧駆動手段700は、
図9に示すように、油圧発生部701と、油圧管702と、切替弁(スプール弁)800と、駆動部705と、制御部(コントローラ)706と、電源707と、を有する。
【0109】
油圧発生部701は、弁箱付勢部(押しつけシリンダ)70の油圧駆動部(固定部)71に油圧を供給する油圧を発生させる。
油圧管702は、油圧発生部701から油圧駆動部(固定部)71に接続される。
切替弁(スプール弁)800は、油圧管702に設けられて可動弁枠部60の開動作終了時に油圧供給を切断するとともに、油圧管702に設けられて回転軸20の回転が閉位置となっていることを検出して油圧供給を切り替え可能である。
【0110】
駆動部705は、油圧発生部701を駆動するモータ等である。駆動部705は、制御部(コントローラ)706に接続されて制御される。駆動部705は、電源707に接続されて、駆動部705を駆動するための電力を供給される。
また、油圧発生部701は、ノーマルクローズが可能な構成とされている。
【0111】
以下、本実施形態に係る仕切りバルブ100の動作を詳細に説明する。
【0112】
まず、本実施形態に係る仕切りバルブ100において、可動弁部40は、流路Hが設けられていない中空部11とされる退避位置にある状態を考える。このとき、可動弁部40は、弁箱内面10Aおよび弁箱内面10Bに接していない。この状態で、回転軸20を符号R01で示された方向(流路Hの方向に交差する方向)に回転させる。すると、中立弁部30おおび可動弁部40が方向R01に沿って振り子運動で回転移動する。この回転によって、可動弁部40は、退避位置から、第1開口部12aに対向する位置とされる弁開口遮蔽位置(摺動準備位置)に移動する。
【0113】
弁開口遮蔽位置(摺動準備位置)において、弁箱付勢部(押しつけシリンダ)70が、流路H方向における第1開口部12aに近接する方向に、伸縮ロッド(可動部)72を伸長する。伸縮ロッド(可動部)72は可動弁枠部60に当接してこれを押圧する。可動弁枠部60は、第1開口部12aに近接する方向に移動する。
弁箱付勢部(押しつけシリンダ)70によって、可動弁枠部60が弁箱内面10Aに当接する。このとき、弁枠シールパッキン61が第1開口部12aの周囲に位置する弁箱内面10Aに密着する。これにより、流路Hが閉鎖される(閉弁動作)。
【0114】
逆に、弁箱付勢部(押しつけシリンダ)70が、伸縮ロッド(可動部)72を縮退させる。伸縮ロッド(可動部)72から可動弁枠部60への付勢力が減少する。すると、弁枠付勢部90の付勢力によって、弁箱10の内面から可動弁枠部60が引き離される。可動弁枠部60と弁箱内面10Aとは、密閉状態が解除される。これにより、前記流路Hを開放する(解除動作)。
可動弁部40における閉弁動作および解除動作は、弁箱付勢部70による機械的な当接動作と、弁枠付勢部90による機械的な分離動作と、によっておこなわれる。
【0115】
解除動作の後に、回転軸20を符号R02で示された向きに回転させる。すると、可動弁部40が、弁開口遮蔽位置(摺動準備位置)から退避位置に移動する(退避動作)。
この解除動作と退避動作とにより、可動弁部40を弁開状態とする弁開動作が行われる。
一連の動作(閉弁動作、解除動作、退避動作)において、弁板付勢部80は、可動弁枠部60と可動弁板部50とを連動させる。
【0116】
[弁体が退避動作可能位置(FREE)の状態]
図3には、弁開口遮蔽位置(摺動準備位置)におる可動弁部40(可動弁枠部60、可動弁板部50)が、弁箱10の何れの弁箱内面10A、10Bとも接していない状態を示す。この状態を、弁体がFREEな状態と称する。弁体がFREEな状態において、弁箱付勢部(押しつけシリンダ)70の伸縮ロッド(可動部)72は、弁箱内面10Bから突出せず、弁箱10の内側に縮退した状態にある。つまり、弁箱付勢部(押しつけシリンダ)70は、弁体5と接していない。
【0117】
図10は、本実施形態における仕切りバルブの周縁部を示す流路に沿った拡大断面図である。
次に、弁体がFREEな状態から、弁箱付勢部(押しつけシリンダ)70を駆動する。すると、伸縮ロッド(可動部)72の先端部72aが、
図10に矢印F1で示すように、可動弁枠部60の下面60sbに当接する。これにより、可動弁枠部60は、弁箱内面10Aに向けて移動する。さらに可動弁枠部60が移動して、弁枠シールパッキン61が弁箱内面10Aに接した状態が、閉弁位置の状態(閉弁状態)である。このとき、可動弁板部50は、弁板付勢部(保持バネ)80によって、可動弁枠部60と同じ方向へ移動する。同時に、可動弁板部50と可動弁枠部60とは、摺動シールパッキン52を介して摺動シール状態を維持する。
弁体がFREEな状態において、弁箱付勢部(押しつけシリンダ)70が可動弁枠部60を弁箱10の弁箱内面10Aに接触させて流路Hを閉鎖する(閉弁動作)。
【0118】
[弁体が弁閉位置(正圧or差圧無)の状態]
図10には、上記の閉弁動作により流路Hが閉鎖された状態を表す。
この状態を、正圧/差圧無の弁閉状態と称する。正圧/差圧無の弁閉状態とは、弁体5が弁箱10の一方の内面と接した状態であり、他方の内面とは接していない状態である。つまり、正圧/差圧無の弁閉状態では、弁体5が第1開口部12aの周囲の弁箱内面10Aと接する。同時に、弁体5が第2開口部12bの周囲に位置する弁箱内面10Bとは接していない。
正圧/差圧無の弁閉状態では、弁箱付勢部(押しつけシリンダ)70において、伸縮ロッド(可動部)72が可動弁枠部60に向く方向へ伸延した状態を維持する。つまり、先端部72aを可動弁枠部60の下面60sbに当接させた状態を維持する。また、弁枠シールパッキン61が弁箱10の第1開口部12aの周囲の弁箱内面10A)と接した状態を維持する。
【0119】
[弁体が逆圧位置の弁閉状態]
図11は、本実施形態における仕切りバルブの周縁部を示す流路に沿った拡大断面図である。
図11には、逆圧状態で流路Hが閉鎖された状態を表す。
この状態を、逆圧の弁閉状態と称する。逆圧の弁閉状態とは、弁体5が、流路H方向における両方の弁箱内面10A,10Bと接した状態である。つまり、逆圧の弁閉状態では、弁体5が第1開口部12aの周囲の弁箱内面10Aと接した状態を保ちながら、第2開口部12bの周囲に位置する弁箱内面10Bにも接した状態である。ここで、逆圧とは、閉弁状態から開弁状態の方向へ弁体に対して圧力が加わることである。
【0120】
弁体5が逆圧を受けた場合、弁板付勢部80により、可動弁板部50は可動弁枠部60に対して往復方向B2(
図11)に摺動しながら移動する。可動弁枠部60と可動弁板部50の間は、摺動シールパッキン52を介してシール状態が維持される。
これにより、可動弁板部50は、第2開口部12bの周囲の弁箱内面10Bに衝突する。このとき、カウンタークッション51が、可動弁板部50における衝突による衝撃を緩和する。弁体5の受けた力を弁箱10の弁箱内面10B(裏側のボディ)で受けさせる機構が、逆圧キャンセル機構である。
【0121】
さらに、正圧/差圧無とし、この状態において、弁枠付勢部90により、可動弁枠部60を弁箱10の内面から引き離し、可動弁枠部60を退避させることによって、流路Hを開放する(解除動作)。
【0122】
本実施形態の仕切りバルブ100においては、周溝59の内周壁59aが弁板50dに接続され、周溝59の外周壁59bの外周位置に摺動面50bおよび摺動シールパッキン(摺動シール部材)52が設けられて可動弁枠部60と摺動可能に接触する。
【0123】
本実施形態の仕切りバルブ100においては、次のいずれの場合でも、弁板50dの応力による変形が、周溝59の内周壁59aおよび底部59cで吸収して、周溝59の外周壁59bが変形しない。
・弁板50dの表裏位置における圧力差である流路Hの差圧が発生した場合。
・流路Hの差圧がさらに変化して、弁板50dの表裏での差圧方向が逆転した場合。
【0124】
まず、弁体が弁閉位置で、流路H方向の差圧が発生した場合を考える。
たとえば、
図2,
図10に示す上側となる第1開口部12a側が真空等の低圧状態、下側となる第2開口部12b側が大気圧等の高圧状態である正圧とする。
【0125】
すると、流路H方向に発生する弁体5の上側と下側との差圧により、弁板50dの中心Oが凸形状に変形する方向に変形圧力が作用する。
このため、弁板50dの中心Oが凸、つまり、流路H方向で上向きに突出するように湾曲する。同時に、弁板50dの周縁部分では、径方向外側に比べて径方向中心側が上側となるように傾斜する。
【0126】
このとき、弁板50d周縁の傾斜変形は、同じ方向に内周壁59aを傾斜させる。つまり、弁板50d周縁が形成する傾斜に追従して、内周壁59aは傾斜し、下端の底部59c側に対して上端の開口側が径方向外向きに傾斜する。
この内周壁59aの傾斜に追従して、周溝59では底部59cも変形する。底部59cは、径方向内側の内周壁59a側に対して径方向外上側の外周壁59b側が流路H方向下向きに傾斜する。
【0127】
つまり、流路H方向に正圧の差圧が発生した場合に、弁板50dの径方向において、周溝59では、底部59cの幅寸法に対して、周溝59の開口の幅寸法が小さくなるように変形する。
【0128】
底部59cの変形は、内周壁59aの変形よりも小さくなる。この内周壁59aおよび底部59cの傾斜・変形によって、弁板50dの変形応力を外周壁59bに伝達しないようにすることができる。
【0129】
これにより、流路H方向に正圧の差圧が発生した場合に、周溝59の外周壁59bの外周位置における板摺動シール部である摺動面50bおよび摺動シールパッキン(摺動シール部材)52に、傾斜・変形が発生することがない。
【0130】
同時に、この場合、可動弁枠部60は内枠板60dを介して可動弁板部50と接続されているため、可動弁板部50が変形しても、板摺動シール部である摺動面60bを有する外周クランク部60cに変形が伝達されることがない。
したがって、流路H方向に正圧の差圧が発生した場合でも、可動弁枠部60と可動弁板部50とのシール状態を維持することができる。
【0131】
さらに、流路H方向に正圧の差圧が発生した場合、外周クランク部60cの変形が防止されることにより、外周クランク部60cに設けられた弁枠シールパッキン61と、第1開口部12a周囲に位置する弁箱内面10Aとの密着は、維持可能である。
したがって、可動弁枠部60と弁箱10の第1開口部12aとのシール状態を維持することができる。
【0132】
次に、弁体が弁閉位置で、流路H方向で逆方向の差圧が発生した場合を考える。
たとえば、
図2,
図11に示す上側となる第1開口部12a側が大気圧程度の高圧状態、下側となる第2開口部12b側が真空等の低圧状態である逆圧とする。
【0133】
すると、流路H方向に発生する弁体5の上側と下側との差圧により、可動弁板部50で、弁板50dの中心Oが凹形状(凸形状)に変形する方向に変形圧力が作用する。
このため、弁板50dの中心Oが凹、つまり、流路H方向で下向きに突出するように湾曲する。同時に、弁板50dの周縁部分では、径方向外側に比べて径方向中心側が下側となるように傾斜する。
【0134】
この弁板50d周縁の傾斜変形は、同じ方向に内周壁59aを傾斜させる。つまり、弁板50d周縁が形成する傾斜に追従して、内周壁59aは傾斜し、下端の底部59c側に対して上端の開口側が径方向内向きに傾斜する。
この内周壁59aの傾斜に追従して、周溝59では底部59cも変形する。底部59cは、径方向内側の内周壁59a側に対して径方向外上側の外周壁59b側が流路H方向上向きに傾斜する。
【0135】
このとき、弁板50dは、底部59cよりも周溝59の開口端部に近接した位置で接続されている。
まず、底部59cの外周壁59b側端部となる位置を固定する状態、つまり、この位置が移動しない状態を考える。すると、この固定位置に対して、底部59cの径方向における長さ分と、これに加えて、底部59cから弁板50dの接続部分までの内周壁59aの高さ分が、弁板50dとの接続位置までの変位可能な部分となる。
【0136】
すなわち、底部59cの外周壁59b側端部となる位置を揺動中心として、底部59cの径方向全長と、底部59cから、弁板50dとの接続位置までの内周壁59aの高さ距離とが変位可能域とされる。
【0137】
つまり、流路H方向に逆圧の差圧が発生した場合に、弁板50dの径方向において、周溝59では、底部59cの幅寸法に対して、周溝59の開口の幅寸法が大きくなるように変形する。
【0138】
底部59cの変形は、内周壁59aの変形よりも小さくなる。この内周壁59aおよび底部59cの傾斜・変形によって、弁板50dの変形応力を外周壁59bに伝達しないようにすることができる。
【0139】
これにより、流路H方向に逆圧の差圧が発生した場合に、周溝59の外周壁59bの外周位置における板摺動シール部である摺動面50bおよび摺動シールパッキン(摺動シール部材)52に、傾斜・変形が発生することがない。
【0140】
同時に、この場合、可動弁枠部60は内枠板60dを介して可動弁板部50と接続されているため、可動弁板部50が変形しても、内枠板60dが周溝59の変形に追従してわずかに傾斜する程度で吸収することができる。これにより板摺動シール部である摺動面60bを有する外周クランク部60cに変形が伝達されることがない。
【0141】
したがって、流路H方向に逆圧の差圧が発生した場合でも、可動弁枠部60と可動弁板部50とのシール状態を維持することができる。
【0142】
さらに、流路H方向に逆圧の差圧が発生した場合、外周クランク部60cの変形が防止されることにより、外周クランク部60cに設けられた弁枠シールパッキン61と、第1開口部12a周囲に位置する弁箱内面10Aとの密着は、維持可能である。
したがって、可動弁枠部60と弁箱10の第1開口部12aとのシール状態を維持することができる。
【0143】
さらに、内周クランク部50cにおいて、カウンタークッション(シール部材)51が周溝59の外周壁59bよりも径方向の外側位置に配置されていることで、周溝59の開口側が拡大する変形に対応して、カウンタークッション(シール部材)51による弁箱内面10Bと可動弁板部50とのシール状態を維持することができる。
【0144】
これらにより、流路H方向に逆圧の差圧が発生した場合、たとえば可動弁板部50の一面側に大気圧程度の圧力が作用し、可動弁板部50の他面側が真空状態とされた場合でも、仕切りバルブ100におけるシール状態を維持することができる。
【0145】
さらに、流路H方向に逆圧の差圧が増大した場合を考える。
たとえば、
図2,
図11に示す上側となる第1開口部12a側が1.2MPa程度の高圧状態、下側となる第2開口部12b側が真空等の低圧状態である逆圧とする。
【0146】
この場合でも、流路H方向に逆圧の差圧が発生した場合に、弁板50dの径方向において、周溝59では、底部59cの幅寸法に対して、周溝59の開口の幅寸法がさらに大きくなるように変形する。
つまり、可動弁枠部60と可動弁板部50とのシール状態を維持することができる。
【0147】
また、カウンタークッション(シール部材)51が、弁箱内面10Bに押圧されてシールされているため、この差圧が大きくなっても、カウンタークッション(シール部材)51におけるシール状態を補強する方向に可動弁板部50を押圧力が増大する。
【0148】
したがって、流路H方向に逆圧の差圧が増大しても、周溝59の外周壁59bの外側位置におけるカウンタークッション(シール部材)51による弁箱内面10Bと可動弁板部50とのシール状態を維持することができる。
【0149】
これらにより、流路H方向に発生する逆圧の差圧が大きい場合、たとえば可動弁板部50の一面側に1.2MPa程度の圧力が作用し、可動弁板部50の他面側が真空状態とされた場合でも、仕切りバルブ100におけるシール状態を維持することができる。
【0150】
本実施形態によれば、流路H方向の差圧により弁板50dの中心Oが凹形状、または、凸形状に変形して弁板50dの周縁部が傾斜した際に、弁板50dの周縁部の傾斜に追従して傾斜する周溝59の内周壁59aの影響が、外周壁59bに伝達される底部59cから離間した位置に、摺動面50b、摺動シールパッキン(摺動シール部材)52、弁枠シールパッキン61、カウンタークッション(シール部材)51等の摺動シール部材(シール部材)が位置するため、これらのシール部材に与える影響を低減し、仕切りバルブ100におけるシール性を維持することが可能となる。
【0151】
なお、弁板50d、周溝59の内周壁59a、外周壁59b、底部59cなどにおける傾斜・変形、とは、実際の変形・傾斜が発生するように応力が発生している状態を意味する。したがって、当該の変形・傾斜が発生することと、当該の変形・傾斜が発生せずに応力のみが発生している状態とを含む。
【0152】
さらに、流路Hの差圧が変化した場合でも、弁板50dの径方向において、周溝59では、底部59cの幅寸法に対して、周溝59の開口の幅寸法が変化することで、外周壁59bの変形を防止する。
【0153】
このように、流路Hの差圧が変化した場合でも、周溝59の外周壁59bの外周位置における板摺動シール部である摺動面50bおよび摺動シールパッキン(摺動シール部材)52による可動弁枠部60と可動弁板部50とのシール状態を維持することができる。
【0154】
同時に、流路Hの差圧が変化した場合でも、周溝59の外周壁59bの外側位置におけるカウンタークッション(シール部材)51による弁箱内面10Bと可動弁板部50とのシール状態を維持することができる。
これにより、流路H方向に発生する差圧が大きい場合、たとえば可動弁板部50の一面側に1MPa程度の圧力が作用し、可動弁板部50の他面側が真空状態とされた場合でも、仕切りバルブ100におけるシール状態を維持することができる。
【0155】
しかも、口径が同じである場合に、周溝59を設けない構成に比べて、可動弁板部50の径方向における内周クランク部50cの幅寸法が増大する。これにより、可動弁板部50における弁板50dの径寸法を削減することができる。したがって、弁板50dの面積を削減することで、結果的に、流路H方向の差圧によって弁板50dに作用する変形力を削減することが可能となる。
【0156】
ここで、仕切りバルブ100において、口径を増大する大型化した場合、つまり、第1開口部12aおよび第2開口部12bの径寸法R1を大きくした場合を考える。
この場合でも、弁板50dにかかる圧力の増大に対応して大きくなる弁板50dの変形を周溝59付近で吸収し、外周壁59bの過度な変形を防止できる。
したがって、大口径化してもシールを維持することができる。
【0157】
これにより、大口径化して変形が大きくなると予想される場合、たとえば、口径が22インチ程度とされた弁板50dの一面側に1MPa程度の圧力が作用し、弁板50dの他面側が真空状態とされた場合でも、仕切りバルブ100におけるシール状態を維持することができる。
【0158】
同時に、可動弁板部50の径方向における内周クランク部50cの幅寸法を増大して、可動弁板部50の強度を増加した場合でも、周溝59の内部の体積に対応した構成材の重量を削減することができる。これにより、内周クランク部50cの重量を減少し、軽量化を図ることができる。
【0159】
ここで、周溝59は可動弁板部のほぼ全周に設けられるため、仕切りバルブ100の口径が大きい場合、たとえば、20インチを超過するサイズの場合には、1kgオーダー、あるいは、10kgオーダーでの軽量化を図ることが可能となる。
【0160】
したがって、本実施形態における仕切りバルブ100においては、大口径化と軽量化とを同時に実現することが可能となる。
【0161】
本実施形態の仕切りバルブ100において、可動弁板部50の縁部には、周方向に付勢部穴58と周溝59とが交互に配置されている。
ここで、付勢部穴58の周囲は、弁板付勢部80における付勢力による動作を確実におこなうために、構成材が削掘減されていないため、充分な強度を満足する肉厚を有する。
また、周溝59は上述したように充分な変形耐性を有する。
【0162】
これらにより、可動弁板部50の外縁における周方向で、付勢部穴58の付近と、周溝59の部分、つまり、可動弁板部50の外縁における全周において、充分な肉厚・強度・変形耐性を有することができる。
したがって、内周クランク部50cは全周において、いずれも弁板50dの変形による影響に対応するために充分な強度を有する。
したがって、内周クランク部50cの全周において、弁板50dが変形した場合でも、充分な耐シール性を維持することができる。
【0163】
本実施形態において、流路H方向の差圧による応力を抑制する際に、周溝59の湾曲部59d、59eによって、内周クランク部50cの周溝59付近における応力集中を回避し、変形等の発生を防止する。
【0164】
本実施形態では、湾曲部59d、59eの曲率半径Rmと第1開口部12aの径寸法R1との比Rm/R1の値が上記の範囲に設定されることで、20インチを超過する大口径の仕切りバルブ100でも、周溝59における応力集中と内周クランク部50c等の変形とを防止することが可能となる。しかも、流路H方向の差圧が大きい場合でも、湾曲部59d、59e付近での応力集中を抑制することが可能となる。
【0165】
本実施形態では、周溝59の幅寸法Rnと第1開口部12aの径寸法R1との比Rn/R1の値が上記の範囲に設定されることで、流路H方向の差圧によるシール不良発生を防止することができる。
【0166】
ここで、流路H方向の差圧に起因して弁板50dが凹形状に変形した場合、可動弁板部50において、周溝59の内周壁59aが弁板50dの中心Oでの凸変形方向に引張されて、可動弁板部50の径方向内側に引張される。これにより、周溝59の内周壁59aは、開口端側が中心O側に傾斜するようにして変形応力を吸収し、周溝59の外周壁59bへ伝達される応力を抑制する。
【0167】
周溝59の幅寸法Rnを設定することで、周溝59の外周壁59bが差圧のない状態から傾斜することを防止できる。
さらに、周溝59の幅寸法Rnを設定することで、弁板50dの径寸法を縮小して、弁板50dに作用する差圧を小さくすることができる。
さらに、周溝59の幅寸法Rnを設定することで、可動弁板部50において削減される重量を大きくして、かつ、充分な強度を維持することができる。
【0168】
本実施形態の周溝59は、径方向において、変形して欲しくない側である外周壁59bの幅寸法が、積極的に変形する側である内周壁59aの幅寸法よりも大きく設定されることで、シール状態を維持可能とすることができる。
【0169】
また、本実施形態の弁板50dは、軽量化した際に、厚肉部50kによって、差圧により発生する変形が大きくなりすぎない充分な強度を有することができる。して、が設けられる。また、
これにより、軽量化によって薄肉化した弁板において、径寸法Rkが上記範囲の厚肉部を設けることで、弁板の強度低下を防止することができる。同時に、応力の周方向における分布状態を弁板50dの周方向に均一化して、シール性の向上を図ることができる。
【0170】
本実施形態では、外周溝56によって、可動弁板部50の軽量化をおこなうことができるとともに、外周溝56よりも周溝59の開口側に、板摺動シール部として摺動シールパッキン(摺動シール部材)52が設けられているため、差圧による応力の影響を低減することができる。
ここで、外周溝56は、摺動シールパッキン(摺動シール部材)52に接触しないように、外周壁59bの外周面から掘削して軽量化することができる。口径22インチ程度の仕切りバルブ100において、幅5mm程度、深さ5mm程度の外周溝56を設けるだけで、弁体5において0.5〜1kg程度の軽量化が可能である。
【0171】
本実施形態の可動弁板部50では、カウンタークッション(シール部材)51と摺動シールパッキン(摺動シール部材)52と弁枠シールパッキン61とが、流路H方向視して互いに重なる位置に配置され、これらが、流路H方向視して周溝59よりも可動弁板部50の径方向外側位置に設けられる。
これにより、流路H方向の差圧により弁板50dの中心が凹形状、または、凸形状に変形した際に、この弁板50dの変形が上記のシール部材51,52,61等のシール状態に与える影響を低減することが可能となる。
【0172】
なお、本実施形態において、可動弁板部50において、内周クランク部50cに対する弁板50dの接続位置が、周溝59の底部59cよりも周溝59の開口側に近接した位置、あるいは、周溝59の深さ方向の中間位置よりも周溝59の開口側に近接した位置に設定されたが、これらに限定されない。たとえば、弁板50dの接続位置が、周溝59の開口端部位置に設定されることもできる。
【0173】
以下、本発明に係る仕切りバルブの第2実施形態を、図面に基づいて説明する。
図12は、本実施形態における仕切りバルブの可動弁板部を示す流路に沿った方向視した上面図である。
図13は、本実施形態における仕切りバルブの周溝付近を示す流路に沿った方向の拡大断面図である。
本実施形態において、上述した第1実施形態と異なるのは、周溝の本数に関する点であり、これ以外の上述した第1実施形態と対応する構成には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0174】
本実施形態は、
図12,
図13に示すように、内周クランク部50cにおいて、周溝59の中心O側に、さらに、内周溝59Aが周説されている。
内周溝59Aは、周溝59とは流路H方向の逆側が開口するように内周クランク部50cに設けられる。
したがって、内周クランク部50cの幅寸法は、内周溝59Aを設けた分だけ、第1実施形態に比べて大きくなっている。
内周溝59Aは、可動弁板部50における周方向の全長で、連続していることが可能である。
【0175】
内周溝59Aにおける外周壁59Abは、周溝59の内周壁59aにおける径方向内側と兼用されている。
内周溝59Aにおける外周壁59Abの径方向内側には、流路H方向で第2開口部12b側に底部59Acが周設される。底部59Acは、底部59cおよび、弁板50dと略平行に形成される。
【0176】
底部59Acの径方向内側には、内周壁59Aaが周設される。
内周壁59Aaは、内周壁59aまたは外周壁59Abと、外周壁59bと平行な円筒状に形成される。
外周壁59bと内周壁59a(外周壁59Ab)と内周壁59Aaとは、流路H方向に延在する。
【0177】
内周壁59a(外周壁59Ab)と内周壁59Aaとは、径方向における幅寸法が、ほぼ等しく設定されてもよい。
内周溝59Aの幅寸法、つまり、可動弁板部50の径方向における寸法は、周溝59の幅寸法Rnとほぼ等しく設定される。
【0178】
内周溝59Aには、底部59Acの表面(底面)と内周壁59Aaの表面(側面)との間を湾曲して接続する湾曲部59Adが設けられる。
内周溝59Aには、底部59Acの表面(底面)と外周壁59Abの表面(側面)との間を湾曲して接続する湾曲部59Aeが設けられる。
【0179】
また、本実施形態において、内周クランク部50cに対する弁板50dの縁部が接続される位置は、流路H方向における内周クランク部50cの中心位置よりも、内周溝59Aの開口端側となる位置とされることができる。
【0180】
なお、内周壁59Aaと弁板50dとが接続される位置としては、流路H方向において、第2開口部12b側となる内周壁59Aaの端部位置から、内周クランク部50cでの流路H方向の中心位置までの間で適宜設定することができる。
【0181】
本実施形態においては、内周壁59Aaと弁板50dとが接続される位置として、流路H方向において、内周クランク部50cの中心位置よりも、第2開口部12b側となる内周壁59Aaの端部側に近接した位置に設定することができる。
【0182】
本実施形態における、流路H方向の差圧が発生した場合について説明する。
【0183】
たとえば、弁体が弁閉位置で、流路H方向で逆方向の差圧が発生した場合を考える。
流路H方向に発生する差圧により、可動弁板部50で、弁板50dの中心Oが凹形状(凸形状)に変形する方向に変形圧力が作用し、弁板50dの中心Oが凹、つまり、流路H方向で下向きに突出するように湾曲する。同時に、弁板50dの周縁部分では、径方向外側に比べて径方向中心側が下側となるように傾斜する。
【0184】
この弁板50d周縁の傾斜変形は、同じ方向に内周壁59Aaを傾斜させる。つまり、弁板50d周縁が形成する傾斜に追従して、内周壁59Aaは傾斜する。内周壁59Aaは、上端の底部59Ac側に対して下端の開口側が径方向外向きに傾斜する。
この内周壁59Aaの傾斜に追従して、内周溝59Aでは底部59Acも変形する。底部59Acは、内周壁59Aaに接続された径方向内側に対して、外周壁59Ab(内周壁59a)に接続された径方向外側が流路H方向上向きに傾斜する。
【0185】
この底部59Acの傾斜変形は、同じ方向に内周壁59aを傾斜させる。つまり、底部59Acが形成する傾斜に追従して、内周壁59aは傾斜する。内周壁59aは、上端の底部59Ac側に対して下端の底部59c側が径方向外向きに傾斜する。
この内周壁59aの傾斜に追従して、周溝59では底部59cも変形する。底部59cは、内周壁59aに接続された径方向内側に対して、外周壁59bに接続された径方向外側が流路H方向上向きに傾斜する。
【0186】
ここで、弁板50dの変形よりも、内周壁59Aaの変形が小さくなる。
内周壁59Aaの変形よりも、底部59Acの変形が小さくなる。
底部59Acの変形よりも、内周壁59aの変形が小さくなる。
内周壁59aの変形よりも、底部59cの変形が小さくなる。
これらの内周壁59Aa、底部59Ac、内周壁59a、底部59cの傾斜・変形によって、弁板50dの変形応力を外周壁59bに伝達しないようにすることができる。
【0187】
このように、流路H方向に逆圧の差圧が発生した場合に、内周溝59A、周溝59によって、外周壁59bの外周位置における板摺動シール部である摺動面50b、摺動シールパッキン(摺動シール部材)52、および、弁枠シールパッキン61に、傾斜・変形が発生することがない。
したがって、仕切りバルブ100におけるシール状態を維持することができる。
【0188】
本実施形態においても、流路H方向の差圧による応力を抑制する際に、内周溝59Aの湾曲部59Ad、59Aeによって、内周クランク部50cの内周溝59A付近における応力集中を回避し、変形等の発生を防止する。
【0189】
本実施形態においては、周溝59に内周溝59Aの幅寸法も加えて、内周クランク部50cの幅寸法を大きくして、可動弁板部50の強度軽量化をより一層図ることが可能となる。
【0190】
本実施形態においては、周溝59に内周溝59Aの幅寸法も加えて、より一層弁板50dの径寸法を減少して、流路H方向の差圧から作用する応力を減少することができる。
【0191】
本実施形態においては、周溝59に内周溝59Aの容量も加えて、より一層の軽量化を図ることが可能となる。
【0192】
本実施形態においては、周溝59に内周溝59Aの作用も加えて、変形・傾斜を吸収して、より一層のシール耐性の向上を図ることができる。
さらに、本実施形態においては、付勢部穴58で周方向に分断された周溝59に加えて、全周に配置された内周溝59Aによって、変形・傾斜を吸収して、より一層のシール耐性の向上を図ることができる。
これにより、さらなる、大口径化に対応することが可能となる。
【0193】
本実施形態においては、周溝59が第1開口部12a側に開口し、内周溝59Aが第2開口部12b側に開口した構成としたが、周溝59が第2開口部12b側に開口し、内周溝59Aが第1開口部12a側に開口した構成とすることも可能である。
また、周溝59,内周溝59Aに加えて、周溝を3本以上設けることも可能である。
【0194】
さらに、本実施形態において、可動弁板部50における内周クランク部50cに対する弁板50dの接続位置が、内周溝59Aの底部59Acよりも内周溝59Aの開口側に近接した位置に設定されたが、これに限定されない。たとえば、弁板50dの接続位置が、内周溝59Aの開口端部位置に設定されることもできる。
つまり、周溝が複数設けられた場合には、流路H方向における内周クランク部50cと弁板50dとの接続位置が、径方向で弁板50dの接続位置に最近接した周溝における開口側に設定することが好ましい。